説明

ストロンチウム塩、ビタミンDおよびシクロデキストリンを含む薬学的組成物

【課題】骨疾患および関節症の処置に有用な組成物の提供。
【解決手段】ストロンチウム塩、ビタミンDおよびシクロデキストリンを含む、薬学的組成物。治療にストロンチウム塩を用いること、あるいはストロンチウム塩およびビタミンDを含む組成物は公知だが、今回、ビタミンDをシクロデキストリンと複合させ、組成物中のビタミンD含有量の安定性および均一性を同時に向上を見いだした。経口投与に際し、特に嚥下するための錠剤および糖衣錠、噛むための錠剤、発泡錠、分散性錠剤、舌下錠、カプセル剤、ならびにサシェー剤用顆粒に適切なもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロンチウム塩、ビタミンDおよびシクロデキストリンを含む薬学的組成物、ならびに骨疾患および関節症の処置におけるその使用に関するものである。
【0002】
治療にストロンチウム塩を用いることが、特に欧州特許出願公開第0 415 850号、第0 813 869号、第1 534 305号および第1 845 082号公報などの特許明細書に記載されている。
【0003】
ストロンチウム塩およびビタミンDを含む組成物は、国際公開第2004/098618号公報に包括的な仕方で記載されている。ラネリック酸ストロンチウムおよびビタミンDを含む薬学的組成物は、中国特許出願第1823764号公報に記載されている。
【0004】
本出願人は、ビタミンDをシクロデキストリンと複合させることが、組成物中のビタミンD含有量の安定性および均一性を同時に向上させることを見出した。
【0005】
ビタミンDは、コレカルシフェロール(ビタミンD3)、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、カルシジオール(25−ヒドロキシビタミンD3)またはカルシトリオール(1,25−ジヒドロキシビタミンD3)であるものとする。
本発明による組成物に好ましく用いられるビタミンDはビタミンD3である。
【0006】
本発明による組成物に用い得るシクロデキストリンのうちでは、置換または非置換形態でのα−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンを、いかなる限定も意味せずに列挙し得る。
【0007】
置換シクロデキストリンのうちでは、一つまたはそれ以上のメチル、ヒドロキシプロピルもしくはスルホブチルエーテル基で置換された、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリンおよびγ−シクロデキストリンをより格別に列挙し得る。
【0008】
好適なシクロデキストリンは、置換β−シクロデキストリンである。
【0009】
置換β−シクロデキストリンのうちでは、HPBCD(ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)、SBECD(スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン)、およびメチル化または部分メチル化β−シクロデキストリン、たとえばDIMEB(ヘプタキス(2,6−ジ−O−メチル)−β−シクロデキストリン)、RAMEB(ランダムメチル化β−シクロデキストリン)またはTRIMEB(ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−メチル)−β−シクロデキストリン)を、より格別に列挙し得る。
【0010】
ストロンチウム塩のうちでは、ラネリック酸ストロンチウム、マロン酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、L−アスコルビン酸ストロンチウム、アスパラギン酸ストロンチウム、ホウ酸ストロンチウム、ショウノウ酸ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、ケトグルタル酸ストロンチウム、クエン酸ストロンチウム、エタンスルホン酸ストロンチウム、ギ酸ストロンチウム、フマル酸ストロンチウム、グルコン酸ストロンチウム、グルタミン酸ストロンチウム、リン酸水素ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、L−乳酸ストロンチウム、L−リンゴ酸ストロンチウム、マレイン酸ストロンチウム、メタンスルホン酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、リン酸ストロンチウム、プロパンスルホン酸ストロンチウム、コハク酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、酒石酸ストロンチウム、およびそれらの水和物を、より格別に列挙し得る。
【0011】
本発明の薬学的組成物のうちでは、経口投与に、特に嚥下するための錠剤および糖衣錠、噛むための錠剤、発泡錠、分散性錠剤、舌下錠、カプセル剤、ならびにサシェー剤用顆粒に適切なものを、より格別に列挙し得る。
【0012】
ストロンチウム塩、ビタミンDおよびシクロデキストリンに加えて、本発明の薬学的組成物は、希釈剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤、着色料、甘味料、香味料のような、一つまたはそれ以上の賦形剤もしくは担体を含む。
【0013】
賦形剤または担体を例示するためには、
・希釈剤として:乳糖、デキストロース、ショ糖、マンニトール、ソルビトール、セルロースを、
・潤滑剤として:シリカ、タルク、ステアリン酸ならびにそのマグネシウムおよびカルシウム塩、ポリエチレングリコールを、
・結合剤として:ケイ酸アルミニウムおよびマグネシウム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびポリビニルピロリドン、マルトデキストリンを、
・崩壊剤として:アルギン酸およびそのナトリウム塩、発泡性混合物、カルボキシメチルセルロース、ナトリウムクロスカルメロースを、
・甘味料として:アスパルテーム、アセスルファム、スクラロースを列挙し得る。
【0014】
該薬学的組成物中のストロンチウム塩の百分率は、両端を含む40〜99.9重量%であるのが好ましい。
【0015】
該薬学的組成物中のストロンチウム塩の量は、両端を含む200mg〜2gであるのが好ましい。該薬学的組成物中のビタミンD3の量は、両端を含む5μg(200IU)〜175μg(7,000IU)であるのが好ましい。該薬学的組成物中のシクロデキストリンの量は、好ましくは両端を含む200μg〜140mg、より好ましくは両端を含む2〜70mgである。
【0016】
ビタミンDの量とシクロデキストリンの量との重量比は、両端を含む1/40〜1/800であるのが好ましい。
【0017】
本発明は、骨疾患、より特別には骨減少症および骨粗鬆症の処置、ならびに関節症の処置における本発明の薬学的組成物の使用にも関するものである。
【0018】
略語/頭文字
DIMEB:ヘプタキス(2,6−ジ−O−メチル)−β−シクロデキストリン。DIMEBの置換度は、14メチル基/シクロデキストリンである。
HPBCD:ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン。
RH:相対湿度。
RAMEB:ランダムメチル化β−シクロデキストリン(Randomly Methylated Beta-cyclodextrin)。RAMEBの平均置換度は、12.6メチル基/シクロデキストリンである。
SBECD:スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン。
IU:国際単位。1,000IU=ビタミンD25μg。
TRIMEB:ヘプタキス(2,3,6−トリ−O−メチル)−β−シクロデキストリン。TRIMEBの置換度は、21メチル基/シクロデキストリンである。
【0019】
下記の実施例は、本発明を例示する。
【0020】
実施例1:ビタミンD3およびRAMEBの複合体
実施例1A
コレカルシフェロール25μgを、水またはt-ブタノール中のRAMEB0.975mgに混ぜ込み;次いで、吹付けまたは凍結乾燥によって溶媒を除去した。
【0021】
実施例1B
コレカルシフェロール25μgを、水またはt-ブタノール中のRAMEB9.975mgに混ぜ込んだ。次いで、吹付けまたは凍結乾燥によって溶媒を除去した。
【0022】
実施例1C
コレカルシフェロール25μgを、水またはt-ブタノール中のRAMEB19.975mgに混ぜ込んだ。次いで、吹付けまたは凍結乾燥によって溶媒を除去した。
【0023】
実施例2:ラネリック酸ストロンチウム2gおよびビタミンD31,000IUを含有するサシェー剤用の薬学的組成物
実施例2A
実施例1AのビタミンD3およびRAMEBの複合体を、無水ラネリック酸ストロンチウム2gを含有するProtelos(登録商標)顆粒4gに混ぜ込んだ。
無水ラネリック酸ストロンチウム 2g
コレカルシフェロール 25μg
RAMEB 0.975mg
アスパルテーム 20mg
マルトデキストリン 400mg
マンニトール 948mg
【0024】
実施例2B
実施例1BのビタミンD3およびRAMEBの複合体を、無水ラネリック酸ストロンチウム2gを含有するProtelos(登録商標)顆粒4gに混ぜ込んだ。
無水ラネリック酸ストロンチウム 2g
コレカルシフェロール 25μg
RAMEB 9.975mg
アスパルテーム 20mg
マルトデキストリン 400mg
マンニトール 948mg
【0025】
実施例2C
実施例1CのビタミンD3およびRAMEBの複合体を、無水ラネリック酸ストロンチウム2gを含有するProtelos(登録商標)顆粒4gに混ぜ込んだ。
無水ラネリック酸ストロンチウム 2g
コレカルシフェロール 25μg
RAMEB 19.975mg
アスパルテーム 20mg
マルトデキストリン 400mg
マンニトール 948mg
【0026】
実施例3:マロン酸ストロンチウム600mgおよびビタミンD3500IUを含有する錠剤
実施例3A
無水マロン酸ストロンチウム 600mg
コレカルシフェロール 12.5μg
RAMEB 487.5μg
微結晶質セルロース 87mg
ポリビドン 24mg
無水コロイド状シリカ 5mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0027】
実施例3B
無水マロン酸ストロンチウム 600mg
コレカルシフェロール 12.5μg
RAMEB 9.9875mg
微結晶質セルロース 87mg
ポリビドン 24mg
無水コロイド状シリカ 5mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
【0028】
実施例3の錠剤の製造
約5,000錠のため:
マロン酸ストロンチウム3,000gおよび微結晶質セルロース170gを注意深く混合した。混合物をふるいにかけ、次いでポリビドン120gおよび精製水(均質な顆粒を得るための適量−約375g)を加えた。顆粒をふるいにかけ、40℃で2.5〜3時間乾燥し、次いで再度ふるいにかけた。
【0029】
無水コロイド状シリカ25gおよび微結晶質セルロース265gを注意深く混合し、ふるいにかけ、次いで、予め調製した顆粒、および実施例1の複合体(実施例3Aの錠剤を製造するのが望みのときは複合体1A2.5g;実施例3Bの錠剤を製造するのが望みのときは複合体1C50g)に加えた。
【0030】
得られた混合物300gを、ふるいにかけたステアリン酸マグネシウム25gに加え、次いで、均質な混合物が得られたときに、残余の混合物を加えた。最終的な混合物を打錠した。
【0031】
実施例4:酢酸ストロンチウム798mgおよびビタミンD3500IUを含有する錠剤
実施例4A
無水酢酸ストロンチウム 798mg
コレカルシフェロール 12.5μg
RAMEB 487.5μg
微結晶質セルロース 116mg
ポリビドン 32mg
無水コロイド状シリカ 6.66mg
ステアリン酸マグネシウム 6.66mg
【0032】
実施例4B
無水酢酸ストロンチウム 798mg
コレカルシフェロール 12.5μg
RAMEB 9.9875mg
微結晶質セルロース 116mg
ポリビドン 32mg
無水コロイド状シリカ 6.66mg
ステアリン酸マグネシウム 6.66mg
【0033】
実施例4の錠剤の製造
約5,000錠のため:
酢酸ストロンチウム3,990gおよび微結晶質セルロース227gを注意深く混合した。混合物をふるいにかけ、次いでポリビドン160gおよび精製水(均質な顆粒を得るための適量−約500g)を加えた。顆粒をふるいにかけ、40℃で2.5〜3時間乾燥し、次いで再度ふるいにかけた。
【0034】
無水コロイド状シリカ33.3gおよび微結晶質セルロース353gを注意深く混合し、ふるいにかけ、次いで、予め調製した顆粒、および実施例1の複合体(実施例4Aの錠剤を製造するのが望みのときは複合体1A2.5g;実施例4Bの錠剤を製造するのが望みのときは複合体1C50g)に加えた。
【0035】
得られた混合物400gを、ふるいにかけたステアリン酸マグネシウム33.3gに加え、次いで、均質な混合物が得られたときに、残余の混合物を加えた。最終的な混合物を打錠した。
【0036】
実施例5:コハク酸ストロンチウム790mgおよびビタミンD3500IUを含有する錠剤
実施例5A
無水コハク酸ストロンチウム 790mg
コレカルシフェロール 12.5μg
RAMEB 487.5μg
微結晶質セルロース 114.5mg
ポリビドン 31.6mg
無水コロイド状シリカ 6.6mg
ステアリン酸マグネシウム 6.6mg
【0037】
実施例5B
無水コハク酸ストロンチウム 790mg
コレカルシフェロール 12.5μg
RAMEB 9.9875mg
微結晶質セルロース 114.5mg
ポリビドン 31.6mg
無水コロイド状シリカ 6.6mg
ステアリン酸マグネシウム 6.6mg
【0038】
実施例5の錠剤の製造
約5,000錠のため:
コハク酸ストロンチウム3,950gおよび微結晶質セルロース224gを注意深く混合した。混合物をふるいにかけ、次いでポリビドン158gおよび精製水(均質な顆粒を得るための適量−約500g)を加えた。顆粒をふるいにかけ、40℃で2.5〜3時間乾燥し、次いで再度ふるいにかけた。
【0039】
無水コロイド状シリカ33gおよび微結晶質セルロース348gを注意深く混合し、ふるいにかけ、次いで、予め調製した顆粒、および実施例1の複合体(実施例5Aの錠剤を製造するのが望みのときは複合体1A2.5g;実施例5Bの錠剤を製造するのが望みのときは複合体1C50g)に加えた。
【0040】
得られた混合物400gを、ふるいにかけたステアリン酸マグネシウム33gに加え、次いで、均質な混合物が得られたときに、残余の混合物を加えた。最終的な混合物を打錠した。
【0041】
実施例6:ケトグルタル酸ストロンチウム900mgおよびビタミンD3500IUを含有する錠剤
実施例6A
無水ケトグルタル酸ストロンチウム 900mg
コレカルシフェロール 12.5μg
RAMEB 487.5μg
微結晶質セルロース 130.5mg
ポリビドン 36mg
無水コロイド状シリカ 7.5mg
ステアリン酸マグネシウム 7.5mg
【0042】
実施例6B
無水ケトグルタル酸ストロンチウム 900mg
コレカルシフェロール 12.5μg
RAMEB 9.9875mg
微結晶質セルロース 130.5mg
ポリビドン 36mg
無水コロイド状シリカ 7.5mg
ステアリン酸マグネシウム 7.5mg
【0043】
実施例6の錠剤の製造
約5,000錠のため:
ケトグルタル酸ストロンチウム4,500gおよび微結晶質セルロース255gを注意深く混合した。混合物をふるいにかけ、次いでポリビドン180gおよび精製水(均質な顆粒を得るための適量−約560g)を加えた。顆粒をふるいにかけ、40℃で2.5〜3時間乾燥し、次いで再度ふるいにかけた。
【0044】
無水コロイド状シリカ37.5gおよび微結晶質セルロース397gを注意深く混合し、ふるいにかけ、次いで、予め調製した顆粒、および実施例1の複合体(実施例6Aの錠剤を製造するのが望みのときは複合体1A2.5g;実施例6Bの錠剤を製造するのが望みのときは複合体1C50g)に加えた。
【0045】
得られた混合物525gを、ふるいにかけたステアリン酸マグネシウム37.5gに加え、次いで、均質な混合物が得られたときに、残余の混合物を加えた。最終的な混合物を打錠した。
【0046】
実施例7:実施例1BのビタミンD3+RAMEB複合体の安定性
実施例1BのビタミンD3+RAMEB複合体の40℃/RH75%での安定性を試験し、(1)純粋なビタミンD3、(2)粉末形態のビタミンD3濃縮物(DSM)の安定性と比較した。
【0047】
研究は、密封したコハク色ガラスの丸薬容器(抗生物質用形式のストッパー、クロロブチル、グレー、D13アルミニウム自然圧着キャップ、直径20mm、切り取り式の蓋)内で実施した。
【0048】
【表1】

【0049】
上の表は、本発明によるビタミンD3およびRAMEBの複合体の安定性が向上したことを示している。
【0050】
実施例8:実施例2Bの薬学的組成物の安定性
本発明による実施例2Bの薬学的組成物のサシェー剤中での安定性を、様々な温度および湿度の条件下で試験した。
【0051】
サシェー剤は、多層複合体で構成した(紙/ポリエチレン/アルミニウム/ポリエチレン)。
【0052】
【表2】

【0053】
上の表は、本発明によるラネリック酸ストロンチウム、ビタミンDおよびシクロデキストリンからなるサシェー剤配合物に含まれるビタミンDが、高温高湿(40℃/RH75%)の条件下でさえ、優れた安定性を有することを示している。
【0054】
実施例9:実施例2Bの薬学的組成物の(ビタミンD3の)含有量の均一性
試験は、10個のサシェー剤で実施した。各サシェー剤の内容を円錐フラスコに導入し、次いでメタノール25mlを加えた。混合物を、1時間撹拌し、次いで毎分4,000回転で10分間遠心分離した。メタノール中のビタミンD3の参照溶液(濃度:1μg/ml)も調製した。試験下の溶液を、逆相液体クロマトグラフィーの手法を用い、UV分光分析によって検出して調べた。
【0055】
i番目(iは1〜10)のサシェー剤のビタミンD3含有量Xiを、下記のように算出した:
i=ATi/AR
[式中、ATiは、i番目のサシェー剤についてのビタミンD3のピーク下の面積であり、ARは、参照溶液のクロマトグラムにおけるビタミンD3のピーク下の面積である]。
【0056】
平均含有量Xmは、下記のように表される:
m=(ΣXi)/10
【0057】
許容値(AV)は、理論値の百分率として表されて、下記の式によって与えられる:
AV=(M−Xm)+kxs
[式中、
mは、理論値の百分率として表される平均含有量であり;
Mは、理論値の百分率として表される参照値であって、すなわち、Xm<98.5ならばM=98.5であり;98.5≦Xm≦101.5ならばM=Xmであり;Xm>101.5ならばM=101.5であり;
kは、許容度定数であり(サシェー剤10個についてk=2.4);
sは、含有量の値Xiの標準偏差である]
【0058】
結果:
【0059】
【表3】

【0060】
欧州薬局方第2章9.40項によれば、15未満の許容値は、含有量均一性が要件を満たすことを意味する(レベルL1)。
【0061】
したがって、上の表は、本発明によるラネリック酸ストロンチウム、ビタミンDおよびシクロデキストリンのサシェー剤配合物に含有されるビタミンDが、規制の要件に合致する含有量均一性を有することを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性成分としてのストロンチウム塩およびビタミンD、賦形剤としてのシクロデキストリン、ならびにその他の不活性で無毒性の薬学的に許容され得る1種類またはそれ以上の賦形剤または担体を含む薬学的組成物。
【請求項2】
ビタミンDがコレカルシフェロール(ビタミンD3)である、請求項1記載の薬学的組成物。
【請求項3】
ビタミンD3の用量が1,000IUである、請求項2記載の薬学的組成物。
【請求項4】
シクロデキストリンが置換β−シクロデキストリンである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項5】
β−シクロデキストリンが一つまたはそれ以上のメチル、ヒドロキシプロピルまたはスルホブチルエーテル基で置換されている、請求項4記載の薬学的組成物。
【請求項6】
置換β−シクロデキストリンが、HPBCD(ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン)、SBECD(スルホブチルエーテルβ−シクロデキストリン)、およびメチル化または部分メチル化β−シクロデキストリンから選ばれる、請求項5記載の薬学的組成物。
【請求項7】
置換β−シクロデキストリンがRAMEBである、請求項6記載の薬学的組成物。
【請求項8】
ビタミンDの量とシクロデキストリンの量との重量比が、両端を含む1/40〜1/800である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項9】
ストロンチウム塩が、ラネリック酸ストロンチウム、マロン酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、L−アスコルビン酸ストロンチウム、アスパラギン酸ストロンチウム、ホウ酸ストロンチウム、ショウノウ酸ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、ケトグルタル酸ストロンチウム、クエン酸ストロンチウム、エタンスルホン酸ストロンチウム、ギ酸ストロンチウム、フマル酸ストロンチウム、グルコン酸ストロンチウム、グルタミン酸ストロンチウム、リン酸水素ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、L−乳酸ストロンチウム、L−リンゴ酸ストロンチウム、マレイン酸ストロンチウム、メタンスルホン酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、リン酸ストロンチウム、プロパンスルホン酸ストロンチウム、コハク酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、酒石酸ストロンチウムおよびそれらの水和物から選ばれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項10】
嚥下するための錠剤、噛むための錠剤、発泡錠、分散性錠剤、またはサシェー剤用顆粒の形態をなす、請求項1〜9のいずれか一項に記載の薬学的組成物。
【請求項11】
ストロンチウム塩がラネリック酸ストロンチウムである、請求項9記載の薬学的組成物。
【請求項12】
サシェー剤用顆粒の形態をなす、請求項11記載の薬学的組成物。
【請求項13】
骨疾患または関節症の処置に用いるための、請求項1〜12のいずれか一項に記載の薬学的組成物。

【公開番号】特開2011−111458(P2011−111458A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−263698(P2010−263698)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(500287019)レ ラボラトワール セルヴィエ (166)
【Fターム(参考)】