説明

ストローマ由来因子−1(SDF−1)に対するモノクローナル抗体

【課題】SDF−1に対して高い結合活性で結合するヒトモノクローナル抗体の提供。
【解決手段】本開示は、単離モノクローナル抗体、特に、SDF−1に対して高い結合活性で結合するヒトモノクローナル抗体を提供する。また、SDF−1抗体をコードする核酸分子、発現ベクター、宿主細胞およびSDF−1抗体を発現する方法も提供する。また、SDF−1抗体からなる免疫抱合体、二価特異的分子および医薬組成物も提供する。SDF−1を検出する方法、ならびに、乳癌、多発性骨髄腫および非ホジキンリンパ腫を含む様々なB細胞癌ならびに自己免疫疾患を治療する方法を開示する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)配列番号:1、2、3および4からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる重鎖可変領域および
(b)配列番号:5、6、7および8からなる群から選択されるアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域からなり、
SDF−1に特異的に結合する単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部位。
【請求項2】
(a)配列番号:1のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域および
(b)配列番号:5のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域からなる請求項1記載の抗体。
【請求項3】
(a)配列番号:2のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域および
(b)配列番号:6のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域からなる請求項1記載の抗体。
【請求項4】
(a)配列番号:3のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域および
(b)配列番号:7のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域からなる請求項1記載の抗体。
【請求項5】
(a)配列番号:4のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域および
(b)配列番号:8のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域からなる請求項1記載の抗体。
【請求項6】
(a)KDが 1×10−7以下でヒトSDF−1に結合し;
(b)免疫沈降アッセイで検出可能なようにヒトSDF−1に結合する、
参照抗体によるSDF−1への結合を交差競合する単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部位。
【請求項7】
参照抗体が、
(a)配列番号:1のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域および
(b)配列番号:5のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域からなる、請求項6記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項8】
参照抗体が、
(a)配列番号:2のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域および
(b)配列番号:6のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域からなる、請求項6記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項9】
参照抗体が、
(a)配列番号:3のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域および
(b)配列番号:7のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域からなる、請求項6記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項10】
参照抗体が、
(a)配列番号:4のアミノ酸配列からなる重鎖可変領域および
(b)配列番号:8のアミノ酸配列からなる軽鎖可変領域からなる、請求項6記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項11】
(a)KDが 1×10−7以下でヒトSDF−1に結合し;
(b)免疫沈降アッセイで検出可能なようにヒトSDF−1に結合する
単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部位。
【請求項12】
ヒト抗体である請求項11記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項13】
キメラもしくはヒト化抗体である請求項11記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項14】
IgG1、IgG2もしくはIgG4アイソタイプの全長抗体である請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項15】
抗体断片もしくは単鎖抗体である請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項16】
前記抗体が、Kが1×10−8M以下でヒトSDF−1に結合する請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項17】
前記抗体が、Kが1×10−9M以下でヒトSDF−1に結合する請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項18】
前記抗体が、57℃以上の融解温度をもつ請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項19】
前記抗体が、68℃以上の融解温度をもつ請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項20】
前記抗体が、CEM細胞へのSDF−1結合を阻害する請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項21】
前記抗体が、CEM細胞でのSDF−1誘導性カルシウム流入を阻害する請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項22】
前記抗体が、CEM細胞のSDF−1誘導性遊走を阻害する請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項23】
前記抗体がHuVEC細胞の毛細血管形成を阻害する請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項24】
ヒトSDF−1が、配列番号:4[Genbank Acc.No.NM_000609]記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドからなる請求項12記載の抗体またはその抗原結合部位。
【請求項25】
ヒトV1−24遺伝子もしくはV3−7遺伝子の産物もしくは由来の重鎖可変領域からなり、SDF−1に特異的に結合する単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部位。
【請求項26】
ヒトVL18遺伝子の産物もしくは由来の軽鎖可変領域からなり、SDF−1に特異的に結合する単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部位。
【請求項27】
さらに、ヒトV1−24遺伝子もしくはV3−7遺伝子の産物もしくは由来の重鎖可変領域からなる請求項26記載の単離モノクローナル抗体またはその抗原結合部位。
【請求項28】
(a)配列番号9からなる重鎖可変領域CDR1、
(b)配列番号13からなる重鎖可変領域CDR2、
(c)配列番号17からなる重鎖可変領域CDR3、
(d)配列番号21からなる軽鎖可変領域CDR1、
(e)配列番号25からなる軽鎖可変領域CDR2および
(f)配列番号29からなる軽鎖可変領域CDR3
からなる請求項11記載の抗体。
【請求項29】
(a)配列番号10からなる重鎖可変領域CDR1、
(b)配列番号14からなる重鎖可変領域CDR2、
(c)配列番号18からなる重鎖可変領域CDR3、
(d)配列番号22からなる軽鎖可変領域CDR1、
(e)配列番号26からなる軽鎖可変領域CDR2および
(f)配列番号30からなる軽鎖可変領域CDR3
からなる請求項11記載の抗体。
【請求項30】
(a)配列番号11からなる重鎖可変領域CDR1、
(b)配列番号15からなる重鎖可変領域CDR2、
(c)配列番号19からなる重鎖可変領域CDR3、
(d)配列番号23からなる軽鎖可変領域CDR1、
(e)配列番号27からなる軽鎖可変領域CDR2および
(f)配列番号31からなる軽鎖可変領域CDR3
からなる請求項11記載の抗体。
【請求項31】
(a)配列番号12からなる重鎖可変領域CDR1、
(b)配列番号16からなる重鎖可変領域CDR2、
(c)配列番号20からなる重鎖可変領域CDR3、
(d)配列番号24からなる軽鎖可変領域CDR1、
(e)配列番号28からなる軽鎖可変領域CDR2および
(f)配列番号32からなる軽鎖可変領域CDR3
からなる請求項11記載の抗体。
【請求項32】
請求項11記載の抗体またはその抗原結合部位および薬学的に許容しえる担体からなる組成物。
【請求項33】
治療剤を結合した請求項11記載の抗体またはその抗原結合部位からなる免疫抱合体。
【請求項34】
請求項33記載の免疫抱合体および薬学的に許容しえる担体からなる組成物。
【請求項35】
治療剤が細胞毒素である請求項33記載の免疫抱合体。
【請求項36】
請求項33記載の免疫抱合体および薬学的に許容しえる担体からなる組成物。
【請求項37】
治療剤が放射性同位体である請求項33記載の免疫抱合体。
【請求項38】
請求項37記載の免疫抱合体および薬学的に許容しえる担体からなる組成物。
【請求項39】
請求項11記載の抗体またはその抗原結合部位をコードする単離核酸分子。
【請求項40】
請求項39記載の核酸分子からなる発現ベクター。
【請求項41】
請求項40記載の発現ベクターからなる宿主細胞。
【請求項42】
請求項40記載の宿主細胞で抗体を発現させ、その宿所細胞からその抗体を単離することからなる抗SDF−1抗体を調製する方法。
【請求項43】
患者の癌が治療されるように、請求項1〜32記載のいずれかの抗体またはその抗原結合部位を患者に投与することからなる患者の癌を治療する方法。
【請求項44】
癌が、乳癌、多発性骨髄腫およびリンパ腫(例えば、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、リンパ球性リンパ腫、中枢神経原発リンパ腫、T細胞リンパ腫)からなる群から選択される請求項43記載の方法。本発明の方法により治療されるその他の癌の例として、メラノーマ(例えば、転移性悪性メラノーマ)、腎癌(例えば、腎細胞癌)、脳腫瘍、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病を含む慢性もしくは急性白血病、鼻咽頭癌、前立腺癌、大腸癌、肺癌、骨癌、膵癌、皮膚癌、頭頸部癌、進行期悪性黒色腫もしくは眼内悪性黒色腫、子宮癌、卵巣癌、直腸癌、肛門部癌、胃癌、睾丸癌、子宮癌、卵管癌、子宮内膜癌、頸癌、膣癌、外陰癌、食道癌、小腸癌、内分泌系癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、副腎皮質癌、軟部腫瘍、尿道癌、陰茎癌、小児固形癌、膀胱癌、腎臓もしくは尿管癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)腫瘍、腫瘍の血管新生、脊髄腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体腺腫、扁平上皮癌、扁平上皮癌、アスベストによって誘発される癌、例えば、中皮腫を含む環境誘発性癌およびそれらの組合せが含まれる。
【請求項45】
癌細胞が、乳癌細胞である請求項44記載の方法。
【請求項46】
癌細胞が、多発性骨髄腫細胞である請求項44記載の方法。
【請求項47】
癌細胞が、非ホジキンリンパ腫細胞である請求項44記載の方法。
【請求項48】
患者の自己免疫疾患が治療されるように、請求項1〜32記載のいずれかの抗体またはその抗原結合部位を患者に投与することからなる患者の自己免疫疾患を治療する方法。
【請求項49】
自己免疫疾患が、リウマチ関節炎(RA)、骨関節症(OA)、実験的自己免疫性脳脊髄炎、全身性エリテマトーデス(SLE)、インシュリン依存性糖尿病(IDDM)、炎症性大腸炎(IBD)(クローン病、潰瘍性大腸炎、セリアック病を含む)、多発性硬化症(MS)、乾癬、自己免疫性甲状腺炎、糸球体腎炎移および移植片拒絶からなる群から選択される請求項48記載の方法。
【請求項50】
自己免疫疾患が、リウマチ関節炎(RA)である請求項49記載の方法。
【請求項51】
自己免疫疾患が、骨関節症(OA)である請求項49記載の方法。
【請求項52】
患者の移植片拒絶が治療されるように、請求項1〜32記載のいずれかの抗体またはその抗原結合部位を患者に投与することからなる患者の移植片拒絶を治療する方法。
【請求項53】
患者の増殖性糖尿病性網膜症が治療されるように、請求項1〜32記載のいずれかの抗体またはその抗原結合部位を患者に投与することからなる患者の増殖性糖尿病性網膜症を治療する方法。
【請求項54】
幹細胞が動員されるように、請求項1〜32記載のいずれかの抗体またはその抗原結合部位を患者に投与することからなる幹細胞を動員する方法。
【請求項55】
単量体および二量体のSDF−1の両方に結合する請求項11記載の単離モノクローナル抗体。
【請求項56】
SDF−1タンパク質の受容体結合部位に結合する請求項11記載の単離モノクローナル抗体。
【請求項57】
SDF−1タンパク質のアミノ酸残基7〜19に結合する請求項11記載の単離モノクローナル抗体。
【請求項58】
SDF−1タンパク質のアミノ酸残基37〜50に結合する請求項11記載の単離モノクローナル抗体。
【請求項59】
単量体SDF−1でなく、二量体SDF−1に結合する請求項11記載の単離モノクローナル抗体。
【請求項60】
SDF−1ヘパリン結合部位に結合する請求項59記載の単離モノクローナル抗体。
【請求項61】
SDF−1の二量化接触面に結合する請求項59記載の単離モノクローナル抗体。
【請求項62】
SDF−1のアミノ酸残基24〜30に結合する請求項59記載の単離モノクローナル抗体。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図13−3】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2010−500005(P2010−500005A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506826(P2009−506826)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【国際出願番号】PCT/JP2007/065991
【国際公開番号】WO2008/018641
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000185983)小野薬品工業株式会社 (180)
【出願人】(503411211)メダレックス,インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】