説明

スナバ回路および該スナバ回路を備えた昇圧チョッパー回路

【課題】コストを増大させることなく、比較的容易に高効率化を実現できるスナバ回路および該スナバ回路を備えた昇圧チョッパー回路を提供する。
【解決手段】直流電源2から供給された直流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により昇圧して負荷3に供給する昇圧チョッパー回路1Aに備えられ、スイッチング素子7のスイッチング損失を低減するスナバ回路9Aであって、スイッチング素子7がターンオフした際に充電されるとともにスイッチング素子7がターンオンした際に放電するコンデンサ10と、一次側巻線14aおよび二次側巻線14bからなるトランス14とを有し、コンデンサ10の放電電流は、一次側巻線14aを経由してスイッチング素子7に流れ、放電電流に応じて二次側巻線14bに発生する二次電流は、負荷3に供給される電流の一部として利用されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチング動作に伴って発生する損失を低減するためのスナバ回路および該スナバ回路を備えた昇圧チョッパー回路に関する。
【背景技術】
【0002】
図3に示すように、従来の昇圧チョッパー回路1Bは、直流電源2の一端と負荷3との間に直列接続されたリアクトル4および逆流防止ダイオード5と、負荷3に並列接続された平滑コンデンサ6と、リアクトル4と逆流防止ダイオード5との接続部と直流電源2の他端との間に設けられたスイッチング素子としてのトランジスタ7と、トランジスタ7のスイッチング動作を制御する制御回路8と、スイッチング素子7に並列接続されたスナバコンデンサ9Bとを備えている。
【0003】
この昇圧チョッパー回路1Bによれば、トランジスタ7がターンオフした際にスナバコンデンサ9Bが充電されるので、トランジスタ7のコレクタ・エミッタ間電圧の立ち上がり速度を遅らせることができ、トランジスタ7のターンオフ損失を低減することができる。その反面、昇圧チョッパー回路1Bは、トランジスタ7がターンオンした際にスナバコンデンサ9Bがトランジスタ7を介して放電するので、この放電エネルギーが損失となり、効率の低下を招いてしまう。
【0004】
そこで、近年では、放電エネルギーによる損失を低減させるためのスナバ回路として、例えば、特許文献1に記載のものが提案されている。図4に示すように、このスナバ回路29は、トランジスタ27がスイッチング動作することにより直流電源22から供給された直流電圧を昇圧または降圧して負荷23に供給するフォワード方式のスイッチング電源装置21に備えられたものであり、共振用のコンデンサ30と、補助トランジスタ31と、一次側巻線32aおよび二次側巻線32bからなる補助トランス32と、ダイオード33、34とを有している。なお、補助トランジスタ31は、基本的には、トランジスタ27と同時にオン(またはオフ)状態になるように、制御回路28から出力される制御信号に基づいてスイッチング動作を行っている。
【0005】
このスナバ回路29を備えたスイッチング電源装置21によれば、トランジスタ27および補助トランジスタ31がターンオンした際に、コンデンサ30が放電して補助トランス32の一次側巻線32aに放電電流が流れるとともに、放電電流に応じて補助トランス32の二次側巻線32bに生じた二次電流がダイオード34を経由してトランス24の一次側巻線25に向かって流れるので、放電エネルギーの回生が可能になり、高効率化を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−318075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図4に示す従来のスナバ回路29は、コンデンサ30の放電電流を補助トランス32の一次側巻線32aに流すのに補助トランジスタ31を必要とするため、このスナバ回路29を図3に示す従来の昇圧チョッパー回路1Bにそのまま適用すると、装置全体としてトランジスタを2個備えていることになり、これら2個のトランジスタを制御するための制御回路28が必要となる。
【0008】
さらに、この場合、補助トランジスタ31のコレクタ電流がトランジスタ27のコレクタ電流よりも小さくなるので、通常、トランジスタ27よりも容量が小さくスイッチングスピードが速いトランジスタを補助トランジスタ31として使用することになる。このため、従来のスナバ回路29をそのまま適用した昇圧チョッパー回路1Bでは、補助トランジスタ31とトランジスタ27とを同時にオン(またはオフ)状態にさせるために、補助トランジスタ31と制御回路28との間にCR回路等の遅延回路(不図示)を設け、制御回路28から出力される補助トランジスタ31の制御信号を遅延させる必要があった。
【0009】
一方、従来のスナバ回路29をそのまま適用した昇圧チョッパー回路1Bではなく、従来のスイッチング電源装置21を単独で用いた場合、トランジスタを2個備えたことに起因する上記問題に加えて、入出力間の変換効率に起因する問題も生じていた。すなわち、従来のスイッチング電源装置21では、放電電流に応じて発生した二次電流が直接負荷23に供給されるのではなく、トランス24を経由して負荷23に供給されるため、入出力間の変換効率(トランス24の変換効率)分だけ余分な損失が発生していた。
【0010】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、コストを増大させることなく、比較的容易に高効率化を実現できるスナバ回路および該スナバ回路を備えた昇圧チョッパー回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るスナバ回路は、直流電源から供給された直流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により昇圧して負荷に供給する昇圧チョッパー回路に備えられ、スイッチング素子のスイッチング損失を低減するスナバ回路であって、スイッチング素子がターンオフした際に充電されるとともにスイッチング素子がターンオンした際に放電するコンデンサと、一次側巻線および二次側巻線からなるトランスとを有し、コンデンサの放電電流は一次側巻線を経由してスイッチング素子に流れ、放電電流に応じて二次側巻線に発生する二次電流は負荷に供給される電流の一部として利用されることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、スイッチング素子(例えば、トランジスタ)がターンオンした際にコンデンサの放電電流をトランスの一次側巻線を介してスイッチング素子に流すことができる。その結果、放電電流に応じてトランスの二次側巻線に発生する二次電流を負荷に直接供給して負荷に供給される電流の一部として利用することができる。このため、新たなトランジスタを追加することなく、コンデンサの放電エネルギーを回生させて高効率化を実現することができる。
【0013】
ここで、一次側巻線の一端にコンデンサが接続され、一次側巻線の他端に前記スイッチング素子が接続され、一次側巻線の他端とスイッチング素子との接続部にカソードが接続された第1ダイオードと、一次側巻線の一端とコンデンサとの接続部にカソードが接続され、アノードが第1ダイオードのアノードに接続された第2ダイオードとを有し、コンデンサからの放電時に一次側巻線を経由して放電電流をスイッチング素子に導く一方、コンデンサからの放電が終了したときに、一次側巻線に発生する電圧の反転による第2ダイオードの導通を遮断することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、スイッチング素子がターンオフすると、第2ダイオードを通じてコンデンサを充電し、スイッチング素子の立ち上がり速度を下げて、スイッチング素子のターンオフ損失を減少させることができる。
また、スイッチング素子がターンオンすると、コンデンサに充電された電荷は一次側巻線とスイッチング素子を通じて放電される。このように一次側巻線にコンデンサの放電電流が流れると、二次側巻線に二次電流が発生し、負荷に供給される電流の一部として利用することができる。
さらに、コンデンサからの放電が終了したときに、一次側巻線に発生する電圧が反転しても、第1ダイオードの存在によって、第2ダイオードの導通により一次側巻線の両端が短絡するのを遮断し、第2ダイオードで損失が発生するのを防止することができる。
【0015】
また、本発明に係るスナバ回路は、直流電源の一端と負荷との間に直列接続されたリアクトルおよび逆流防止ダイオードと、負荷に並列接続された平滑コンデンサと、スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御回路とを有する昇圧チョッパー回路に備えられ、第1ダイオードのアノードはリアクトルと逆流防止ダイオードとの接続部に接続され、第2ダイオードのアノードはリアクトルと逆流防止ダイオードとの接続部に接続され、二次側巻線の一端にアノードが接続され、かつ逆流防止ダイオードと平滑コンデンサとの接続部にカソードが接続された第3ダイオードをさらに有する構成とすることができる。
【0016】
この構成によれば、トランジスタ等の新たなスイッチング素子を追加することなく、コンデンサの放電エネルギーを回生させて高効率化を実現することができる。さらに、この構成によれば、スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御回路をより簡易な構成にすることができ、CR回路等の遅延回路も不要になるので、コスト削減に寄与することができる。
【0017】
また、本発明に係る昇圧チョッパー回路は、上記した構成を有するスナバ回路を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、コストを増大させることなく、比較的容易に高効率化を実現できるスナバ回路および該スナバ回路を備えた昇圧チョッパー回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る昇圧チョッパー回路の回路図である。
【図2】本発明に係る昇圧チョッパー回路の各部の電圧および電流波形図である。
【図3】従来の昇圧チョッパー回路の回路図である。
【図4】従来のスナバ回路を備えたスイッチング電源装置の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るスナバ回路を備えた昇圧チョッパー回路の好ましい実施形態について説明する。なお、図1に示す構成要素のうち、図3で示されている構成要素と同一の構成要素については同一の参照符号を用いるものとする。
【0021】
図1に、本実施形態に係る昇圧チョッパー回路1Aを示す。同図に示すように、昇圧チョッパー回路1Aは、直流電源2から供給された直流電圧を本発明の「スイッチング素子」に相当するNPN型トランジスタ(以下、単に「トランジスタ」という。)7のスイッチング動作により昇圧して負荷3に供給するものであり、直流電源2の一端と負荷3との間に直列接続されたリアクトル4および逆流防止ダイオード5と、負荷3に並列接続された平滑コンデンサ6と、出力電圧V0を参照しつつトランジスタ7のスイッチング動作を制御する制御回路8と、スナバ回路9Aとを備えている。
【0022】
スナバ回路9Aは、共振用のコンデンサ10と、第1ダイオード11と、第2ダイオード12と、第3ダイオード13と、一次側巻線14aおよび二次側巻線14bからなるトランス14(なおトランスについては、黒丸印が付された側を一端(巻き始め)、黒丸印が付された側と反対側を他端(巻き終わり)とする。)とを有している。
【0023】
コンデンサ10は、トランジスタ7がターンオフした際に充電されるとともにトランジスタ7がターンオンした際に放電するものであり、一端が第2ダイオード12のカソードに接続され、かつ他端がトランジスタ7のエミッタに接続されている。
【0024】
トランス14の一次側巻線14aは、一端がコンデンサ10と第2ダイオード12のカソードとの接続部に接続され、かつ他端がトランジスタ7のコレクタに接続されている。また、トランス14の二次側巻線14bは、一端が第3ダイオード13を介して逆流防止ダイオード5と平滑コンデンサ6の一端との接続部に接続され、かつ他端が平滑コンデンサ6の他端に接続されている。
【0025】
第1ダイオード11は、リアクトル4と逆流防止ダイオード5との接続部とにアノードが接続され、トランジスタ7のコレクタにカソードが接続されている。なお、第1ダイオード11には、トランジスタ7のコレクタ電流とほぼ同じ大きさの電流が流れ、コンデンサ10の充電電圧とほぼ同じ大きさの電圧が印加されるので、これらの電流や電圧に耐えられる高速ダイオードが用いられている。
【0026】
第2ダイオード12は、第1ダイオード11のアノードにアノードが接続され、かつコンデンサ10とトランス14の一次側巻線14aとの接続部にカソードが接続されている。第1ダイオード11のアノードと第2ダイオード12のアノードはともに、リアクトル4と逆流防止ダイオード5との接続部に接続されている。また、第3ダイオード13は、トランス14の二次側巻線14bの一端にアノードが接続され、かつ逆流防止ダイオード5と平滑コンデンサ6との接続部にカソードが接続されている。
【0027】
続いて、図2(A)〜(F)を参照して、制御回路8の制御下でトランジスタ7がスイッチング動作した場合の各部の動作について説明する。
【0028】
時刻t0では、制御回路8から高レベルの制御信号が出力されており、トランジスタ7は、ベース・エミッタ間電圧VBEが高レベル[H]に維持されてオン状態になっている(図2(A)参照)。また、時刻t0では、直流電源2から供給された直流電流がリアクトル4および第1ダイオード11を経由してトランジスタ7のコレクタ・エミッタ間を流れているため、トランジスタ7のコレクタ・エミッタ間電圧VCEは実質的にゼロになっている(図2(B)、(C)参照)。
【0029】
時刻t1において、制御回路8から出力されている制御信号が高レベルから低レベルに切り替わり、トランジスタ7のベース・エミッタ間電圧VBEが高レベル[H]から低レベル[L]に切り替わると、すなわち、トランジスタ7がターンオフすると、トランジスタ7のコレクタ電流ICEが急速に遮断され(図2(C)参照)、直流電源2から供給された直流電流がリアクトル4および第2ダイオード12を経由してコンデンサ10に流れ込む(図2(D)、(F)参照)。このため、トランジスタ7のコレクタ・エミッタ間電圧VCEは、急速に立ち上がるのではなく、コンデンサ10の充電が進むにつれて緩やかに立ち上がる(図2(B)参照)。
【0030】
一方、時刻t2において、制御回路8から出力されている制御信号が低レベルから高レベルに切り替わりトランジスタ7がターンオンすると、コンデンサ10の放電電流ICは、第2ダイオード12があるためトランス14の一次側巻線14aに向かって流れ、一次側巻線14aを経由して第1ダイオード11とトランジスタ7との接続部に流れ込んだ後、トランジスタ7のコレクタ・エミッタ間を流れる(図2(C)、(F)参照)。なお、第1ダイオード11があるため、コンデンサ10の放電電流ICがリアクトル4と逆流防止ダイオード5との接続部や第2ダイオード12に向かって流れることはない。
【0031】
また、トランス14の一次側巻線14aに放電電流ICが流れると、放電電流ICに応じた二次電流がトランス14の二次側巻線14bに生じる。この二次電流は、第3ダイオード13の順方向電流ID3となり(図2(E)参照)、負荷3に供給される電流I0の一部として利用される。
【0032】
以上をまとめると、本実施形態に係る昇圧チョッパー回路1Aは、トランジスタ7のスイッチング動作によりコンデンサ10の放電電流ICをトランス14の一次側巻線14aに流すことができ、放電電流ICに応じた二次電流を負荷3に直接供給することができる。このため、本実施形態に係る昇圧チョッパー回路1Aは、図4に示す従来のスナバ回路29を図3に示す従来の昇圧チョッパー回路1Bにそのまま適用したものに比べて、補助トランジスタ31を削除して、制御回路8をより簡易な構成にしたにもかかわらず、コンデンサ10の放電エネルギーを回生させて高効率化を実現することができる。また、本実施形態に係る昇圧チョッパー回路1Aは、放電エネルギーを入力側に回生させている従来のスイッチング電源装置21と異なり、入出力間の変換効率に伴う余分な損失は発生しない。
【0033】
さらに、本実施形態に係る昇圧チョッパー回路1Aによれば、第2ダイオード12のアノードにアノードが接続され、かつトランジスタ7のコレクタにカソードが接続された第1ダイオード11が設けられているので、コンデンサ10の放電が終了してトランス14の一次側巻線14aに発生していた電圧が反転したとしても、トランス14の一次側巻線14aの両端が短絡して一次側巻線14aの他端から第2ダイオード12を経由して一次側巻線14aの一端に循環電流が流れてしまうのを防ぐことができ、この循環電流による損失を防ぐことができる。
【0034】
なお、本実施形態におけるスナバ回路9Aでは、第1ダイオード11の順方向電流による損失と従来のスナバ回路29の補助トランジスタ31を削除したことによるトランジスタ7の微増損失が、従来のスナバ回路29の補助トランジスタ31に流れる電流による損失以下になるような第1ダイオード11を選択することで、従来のスナバ回路29と同程度以上の高効率化を実現することができる。すなわち、本実施形態におけるスナバ回路9Aでは、第1ダイオード11の順方向電流による損失(第1ダイオード11の順方向電流と第1ダイオード11の順方向電圧(VF)との積による電力損失)とトランジスタ7の微増損失(従来のスナバ回路29の補助トランジスタ31に流れていた電流が、本実施形態におけるトランジスタ7に流れ増加する分)との和が、補助トランジスタ31に流れる電流損失(補助トランジスタ31におけるコレクタ電流とコレクタ・エミッタ間のサチレーション電圧との積による電力損失と、補助トランジスタ31を駆動するためのベース電流よるドライブ電力損失との和)に対して同等以下になるように、第1ダイオード11を選択することが好ましい。
【0035】
以上、本発明に係る昇圧チョッパー回路の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態の構成に限定されるものではない。
【0036】
例えば、スイッチング素子は、NPN型トランジスタ7に限定されず、オン状態(導通状態)とオフ状態(遮断状態)とに切り替え可能な他のスイッチを使用することができる。
【0037】
さらに、直流電源2は、直流電圧を出力する電源や電池に限定されず、直流電圧を出力する任意の回路、例えば、単相あるいは三相の交流電源とコンバータ等の整流回路とからなり、交流電圧を変換して直流電圧を出力する回路であってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1A 昇圧チョッパー回路
2 直流電源
3 負荷
4 リアクトル
5 逆流防止ダイオード
6 平滑コンデンサ
7 トランジスタ(スイッチング素子)
8 制御回路
9A スナバ回路
10 コンデンサ
11 第1ダイオード
12 第2ダイオード
13 第3ダイオード
14 トランス
14a 一次側巻線
14b 二次側巻線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源から供給された直流電圧をスイッチング素子のスイッチング動作により昇圧して負荷に供給する昇圧チョッパー回路に備えられ、前記スイッチング素子のスイッチング損失を低減するスナバ回路であって、
前記スイッチング素子がターンオフした際に充電されるとともに前記スイッチング素子がターンオンした際に放電するコンデンサと、一次側巻線および二次側巻線からなるトランスとを有し、
前記コンデンサの放電電流は、前記一次側巻線を経由して前記スイッチング素子に流れ、前記放電電流に応じて前記二次側巻線に発生する二次電流は、前記負荷に供給される電流の一部として利用されることを特徴とするスナバ回路。
【請求項2】
前記一次側巻線の一端に前記コンデンサが接続され、前記一次側巻線の他端に前記スイッチング素子が接続され、
前記一次側巻線の他端と前記スイッチング素子との接続部にカソードが接続された第1ダイオードと、
前記一次側巻線の一端と前記コンデンサとの接続部にカソードが接続され、アノードが前記第1ダイオードのアノードに接続された第2ダイオードと、
を有し、
前記コンデンサからの放電時に前記一次側巻線を経由して放電電流を前記スイッチング素子に導く一方、
前記コンデンサからの放電が終了したときに、前記一次側巻線に発生する電圧の反転による前記第2ダイオードの導通を遮断することを特徴とする請求項1に記載のスナバ回路。
【請求項3】
前記直流電源の一端と前記負荷との間に直列接続されたリアクトルおよび逆流防止ダイオードと、前記負荷に並列接続された平滑コンデンサと、前記スイッチング素子のスイッチング動作を制御する制御回路とを有する昇圧チョッパー回路に備えられ、
前記第1ダイオードのアノードは前記リアクトルと前記逆流防止ダイオードとの接続部に接続され、
前記第2ダイオードのアノードは前記リアクトルと前記逆流防止ダイオードとの接続部に接続され、
前記二次側巻線の一端にアノードが接続され、かつ前記逆流防止ダイオードと前記平滑コンデンサとの接続部にカソードが接続された第3ダイオードをさらに有することを特徴とする請求項2に記載のスナバ回路。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載のスナバ回路を備えたことを特徴とする昇圧チョッパー回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−200082(P2012−200082A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62749(P2011−62749)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000004606)ニチコン株式会社 (656)
【Fターム(参考)】