説明

スニチニブマレートの新たな結晶形

本発明は、スニチニブマレートの新規結晶形、この調製方法およびこれを含有する医薬組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スニチニブマレートの新規結晶形、この調製方法およびこれを含有する医薬組成物に関する。本発明は、スニチニブマレートの他の結晶形を調製するための改良方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
化合物N−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−5−[−(5−フルオロ−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−3H−インドール−3−イリジン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミドは、スニチニブとも呼ばれ(式1)、プロテインキナーゼの阻害薬として作用することが示されている。
【0003】
【化1】

【0004】
WO01/60814は概して、ピロール置換2−インドリノンプロテインキナーゼ阻害薬に関し、スニチニブを含む。さらに一般的なクラスの化合物の塩は概して、例えば4級アンモニウムを含む正に荷電した部分、塩、例えばヒドロクロリド、サルフェート、カーボネート、ラクテート、タートレート、マレート、マレアート、スクシナート、および負に荷電した種を指す。WO01/60814は、塩の特定の結晶形の調製および性質には触れていない。
【0005】
WO03/016305では、スニチニブの遊離塩基および塩が例えば結晶性、毒性、吸湿性、安定性、および形態を含む、塩の処理およびこれからの経口医薬組成物の調製に関連する特性についてスクリーニングされたことが記載されている。マレート塩はスクリーニングから選択され、I型およびII型と呼ばれるスニチニブL−マレートの2つの結晶形が開示された。
【0006】
多形は、物質が1を超える結晶格子配置で結晶化する能力として定義される。多形は、薬物の固体状態特性の各種の側面に影響を及ぼすことができる。物質の各種の結晶形は、多くの点、例えばこの溶解度、吸湿性、安定性、溶解度および/または溶解速度、結晶性、晶癖、生物学的利用能ならびに配合物の取扱い特徴で相互に大きく異なることがある。
【0007】
医薬的に有用な化合物の新たな多形の発見により、医薬製品の性能特徴を改善する新たな機会が得られる。
【0008】
さらに各種の理論的に存在する多形の中から、スニチニブマレートの所定の多形をより選択的に調製する方法を提供することが望まれる。
【0009】
したがって当分野には、より良好な熱安定性を有し、再現可能な医薬配合物を調製するための利点を提供する、スニチニブマレートの新たな多形が求められる。目的とする再現可能な方式でさらに所定の多形を提供して、それにより求められる特異的な所定の形を良好な純度で得られるようにするニーズがある。
【0010】
本発明は、より高い熱力学的安定性を有する、スニチニブのリンゴ酸塩を含む新たな結晶形を提供することによって、および所望の特異的な所定の形を反復して得るための改良方法を提供することによってこの要求を満足する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第01/60814号
【特許文献2】国際公開第03/016305号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、主要な態様および好ましい実施形態を含む以下の項目を提供し、以下の項目はそれぞれ単独でおよび組み合わされ、上の目的の解決に特に寄与して、最終的にさらなる利点を提供する:
(1)X線粉末回折図で、それぞれちょうどまたは±0.2度2θの表示された2θ値である5.7、9.6、17.8、18.3および26.5の2θ値における少なくとも有意なピークを特徴とする、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形。
【0013】
(2)X線粉末回折図で、それぞれちょうどまたは±0.2度2θの表示された2θ値である5.7、9.6、11.5、13.9、17.8、18.3、19.3および26.5の2θ値におけるピークを特徴とする、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形。
【0014】
(3)図1に示すX線粉末回折図を特徴とする、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形。
【0015】
(4)少なくとも約218℃、特に218℃±5℃の吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形。
【0016】
(5)I型およびII型を本質的に含まない、(1)から(4)の項目のいずれか一項に記載の結晶形。
【0017】
(6)リンゴ酸がL−リンゴ酸である、(1)から(5)の項目のいずれか一項に記載の結晶形。
【0018】
(7)スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形の調製方法であって、
a)式Iの化合物、N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド
【0019】
【化2】

を式IIの化合物、5−フルオロインドリン−2−オン
【0020】
【化3】

と溶媒中で混合する工程と、
b)工程a)で得た混合物を還流させる工程と、
c)工程b)に続いて、リンゴ酸を混合物に添加する工程と、
d)工程c)に続いて、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形を結晶化させる工程と、
を含む方法。
【0021】
(8)リンゴ酸がL−リンゴ酸である、項目(7)に記載の方法。
【0022】
(9)工程a)からd)が工程a)およびb)によって形成されたスニチニブ塩基を中間単離せずに、ワンポットで行われる、項目(7)または(8)に記載の方法。
【0023】
(10)工程c)で得た溶液を冷却することによって、工程a)からc)によって形成されたスニチニブ塩基およびスニチニブリンゴ酸塩が工程d)が開始されるまで、それぞれ溶液状態で保持される、項目(7)から(9)のいずれか一項に記載の方法。
【0024】
(11)スニチニブの濃度が工程d)が開始されるまで25mg/mlを超えない、好ましくは18mg/mlを超えない、およびさらに好ましくは約15mg/mlに調整されるように、抽出物および/または反応体積の量を調整することを場合により含む条件が適用される、項目(7)から(10)のいずれか一項に記載の方法。
【0025】
場合により前記工程c)に続いて、および工程d)の前に、III型の核を添加することができる。核を添加する場合、スニチニブの濃度は好ましくは約25mg/mlに調整される。
【0026】
(12)工程a)が有機溶媒中で有機塩基の存在下で行われる、項目(7)から(11)のいずれか一項に記載の方法。
【0027】
(13)前記有機溶媒がアルコール、アセトニトリル、ジアルキルケトン、N,N−ジメチルホルムアミドおよびこの混合物からなる群より選択される、項目(12)に記載の方法。
【0028】
(14)前記有機溶媒が低級アルコール、好ましくはエタノールである、項目(13)に記載の方法。
【0029】
(15)前記有機塩基が直鎖アミン、環式アミンおよびアルコキシドからなる群より選択される、項目(12)に記載の方法。
【0030】
(16)前記有機塩基がピロリジンである、項目(15)に記載の方法。
【0031】
(17)前記結晶形の好ましくは濾過による単離工程をさらに含む、項目(7)から(16)のいずれか一項に記載の方法。
【0032】
(18)先行項目(1)から(6)のいずれか一項に記載の結晶形を調製するための、項目(7)から(17)のいずれか一項に記載の方法。
【0033】
(19)少なくとも2つの多形からスニチニブのリンゴ酸塩を含む所定の結晶形の調製方法であって、
(i)スニチニブの固体リンゴ酸塩を提供する工程と、
(ii)スニチニブの固体リンゴ酸塩を、有機溶媒および少なくとも5体積%の水を含む溶媒混合物に溶解する工程と、
(iii)スニチニブのリンゴ酸塩を含む所定の結晶形を結晶化させる工程と、
を含む方法。
【0034】
(20)リンゴ酸がL−リンゴ酸である、項目(19)に記載の方法。
【0035】
(21)工程(ii)で得た溶解したスニチニブのリンゴ酸塩が、工程ii)で得た溶液を冷却することによって工程(iii)が開始されるまで溶解状態で保持される、項目(19)および(20)の一項に記載の方法。
【0036】
(22)工程(ii)のスニチニブの固体リンゴ酸塩がアセトニトリルおよび/またはメタノールならびに少なくとも5体積%の水、好ましくは約5から20重量%の水を含む混合物に溶解される、スニチニブのリンゴ酸塩を含むI型結晶の調製のための、項目(19)から(21)の一項に記載の方法。
【0037】
(23)スニチニブのリンゴ酸塩を含む調製したI型結晶が201から202℃の融点を有する、項目(22)に記載の方法。
【0038】
(24)工程(iii)が自発性結晶化を回避しながら行われ、好ましくは凍結乾燥を含み、スニチニブのリンゴ酸塩を含むII型結晶の調製のための項目(19)から(21)のいずれか一項に記載の方法。自発性結晶化の回避は、結晶化の能動誘発を行わないことによって、例えば急速ではないが(ある場合には)混合物の温度を慎重に低下させること(特に反応混合物の初期温度が高い場合、しかし慎重な冷却は自発性結晶化を引き起こさないことがある。)、溶液の体積を蒸発によって減少させないこと(むしろ例えば凍結乾燥によって)、貧溶媒を添加しないことまたは核を添加しないことによって達成できる。
【0039】
(25)工程(ii)のスニチニブの固体リンゴ酸塩が、テトラヒドロフランおよび約40から60体積%の水を含む混合物に溶解される、スニチニブのリンゴ酸塩を含むII型結晶の調製のための、項目(19)から(21)および(24)のいずれか一項に記載の方法。
【0040】
(26)工程(ii)において、スニチニブの固体マレイン酸塩が0.1M未満の、好ましくは0.05M未満の濃度で溶解される、スニチニブのリンゴ酸塩を含むII型結晶の調製のための項目(19)から(21)、(24)および(25)のいずれか一項に記載の方法。
【0041】
(27)スニチニブのリンゴ酸塩を含む調製したII型結晶が172から176℃の融点を有する、項目(20)から(21)および(24)から(26)に記載の方法。
【0042】
(28)項目(1)から(6)のいずれか一項に記載の結晶形を含む医薬組成物。
【0043】
(29)項目(7)から(17)のいずれか一項に従って調製した結晶形を提供することと、このようにして提供された結晶形を1つ以上の医薬的に許容される賦形剤と混合することと、によって得られる医薬組成物。
【0044】
(30)項目(19)から(27)のいずれか一項に従って調製した純粋なI型結晶またはII型結晶を提供することと、このようにして提供された結晶形を1つ以上の医薬的に許容される賦形剤と混合することと、によって得られる医薬組成物。
【0045】
(31)生物におけるプロテインキナーゼ関連疾患の予防または治療処置での使用のための項目(28)から(30)のいずれか一項に記載の医薬組成物であって、好ましくは前記プロテインキナーゼ関連疾患が扁平上皮細胞癌腫、星状細胞腫、カポジ肉腫、グリア芽腫、肺癌、膀胱癌、頭頸部癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌、神経膠腫、結腸直腸癌、尿生殖器癌および消化器癌から選択される癌である、医薬組成物。
【0046】
本発明は以下で、添付図面を参照しながら、好ましい実施形態および実施例によってより詳細に説明されるが、これらの実施形態、実施例および図面は例証目的のためだけに示されており、本発明を決して制限するものでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の好ましい実施形態によるIII型スニチニブL−マレートのX線粉末回折図である。
【図2】本発明の好ましい実施形態によるIII型スニチニブL−マレートのDSC曲線を示す。
【図3】本発明の実施形態によって改良されたI型スニチニブL−マレートのX線粉末回折図である。
【図4】改良されたI型スニチニブL−マレートのDSC曲線を示す。
【図5】本発明の実施形態によって改良されたII型スニチニブL−マレートのX線粉末回折図である。
【図6】II型スニチニブL−マレートのDSC曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本明細書で使用する「約」という用語は概して、所与の値または範囲の10%以内、好適には5%以内、および特に1%以内を意味する。または「約」という用語は、当業者によって考慮されるときに、平均の許容される標準誤差以内であることを意味する。
【0049】
一態様により、本発明はIII型と呼ばれる、スニチニブのリンゴ酸塩を含む新規結晶形を開示する。
本発明によるIII型は、化学的および/または物理的安定性の改善を示す高い熱力学安定性を有し、多形の変化を示さず、高い結晶化度を有する。
本発明は、スニチニブマレートのIII型結晶の調製のための簡単で有効な経済的に好都合な方法も提供し、この方法ではスニチニブの形成およびこのマレート塩の形の形成は同じ方法の一環を成す。
さらにスニチニブマレートのIII型結晶はいったん形成されると、精製が容易であり、この優れた安定性のために取扱いが容易である。
【0050】
予想外には、本発明によるスニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形(III型)は、先に記載したI型およびII型と比較して、熱力学的により安定であり、それゆえより高い化学的および/または物理的安定性を呈しやすい。
【0051】
リンゴ酸塩は、D−リンゴ酸、D,L−リンゴ酸、L−リンゴ酸またはこの組み合わせの塩であり得る。好ましくは、リンゴ酸塩はL−リンゴ酸の塩である。
【0052】
ある実施形態において、本発明は、以下の特定のX線粉末回折図パターンの1つを特徴とする、スニチニブマレートのIII型結晶に関する:
十分に純粋で固有の形において、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形はX線粉末回折図で、それぞれちょうどまたは±0.2度2θの表示された2θ値である5.7、9.6、17.8、18.3および26.5の2θ値における少なくとも有意なピークを特徴とする、
さらに純粋で特異的な形において、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形はX線粉末回折図で、それぞれちょうどまたは±0.2度2θの表示された2θ値である5.7、9.6、11.5、13.9、17.8、18.3、19.3および26.5の2θ値におけるピークを特徴とする、ならびに
ある例示された形において、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形は、図1に示すX線粉末回折図を特徴とする。
【0053】
別の態様において、本発明は、少なくとも約218℃の、特に218℃±5℃の吸熱ピークを有する示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを特徴とする、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形に関する。驚くべきことに、本明細書で開示した教示によって、高い熱力学的ならびにそれゆえ化学的および/または物理的安定性を生じることを示す、以前に知られているよりも実質的に高い融点を有する純粋なスニチニブマレートを得ることが可能である。この純度および安定性を満足する特に例示されたスニチニブマレートは、本明細書で開示するIII型結晶である。
【0054】
本発明の別の態様は、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形の調製方法に関し、方法は、
a)式Iの化合物、N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド
【0055】
【化4】

を式IIの化合物、5−フルオロインドリン−2−オン
【0056】
【化5】

と溶媒中で混合する工程と、
b)工程a)で得た混合物を還流させる工程と、
c)工程b)に続いて、リンゴ酸を混合物に添加する工程と、
d)工程c)に続いて、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形を結晶化させる工程と、
を含む。
【0057】
本発明のこの態様は、純粋で物理的に安定なIII型のスニチニブマレートに繰返し到達する方法工程の特に効率的な組み合わせを提供する。本発明のこの態様によるスニチニブの形成およびこのマレート塩の形成は、共通方法の一環を構成し、即ち関連抽出物から開始して、最終的に所望のスニチニブのリンゴ酸塩を得る連続工程を含む。本方法は経済的に好都合であり、所望の塩を容易におよび繰返し精製することを可能にする。本方法は、必要である工程a)およびb)によって形成されたスニチニブ塩基の中間単離を必要とせずに、ワンポットで有利に行うことができる。
【0058】
驚くべきことに、本発明の上記の態様による方法によって、工程a)およびb)から形成されたスニチニブ塩基ならびに工程c)から形成されたスニチニブのリンゴ酸塩をそれぞれ、例えば工程c)で得た混合物を冷却することにより、工程d)が開始されるまで溶解状態にしておくことが可能であることが見出された。これに限定されるわけではないが、例えば適切な溶媒を選択すること、溶解している適切なスニチニブ化合物の濃度を調整すること、還流下に置かれた液体媒体の沸点に混合物を維持することおよびリンゴ酸を好ましくは高温の、およびさらに好ましくは液体媒体の沸点の、しかし好適には室温までのなおより低い温度でこの混合物に添加することを含む好適な手段によって補助される、部分工程a)で産生されたスニチニブ塩基を溶解状態で維持することは、結晶化工程d)において、安定および純粋な形のIII型スニチニブマレートを得るために重要であることが見出された。
【0059】
式Iの化合物は、好適な溶媒中で、好ましくは有機溶媒中で、さらに好ましくは有機塩基の存在下で式IIの化合物と混合および反応して、スニチニブを形成する。有機溶媒は好ましくは、アルコール、アセトニトリル、ジアルキルケトン、アセトニトリル、ホルムアミドおよびこの混合物からなる群より選択される。最も好ましくは、有機溶媒はエタノールである。この比較的高い融点は、反応が迅速に起きるために好都合であり、このことと組み合わされてスニチニブの溶解がもたらされる。
【0060】
場合により工程c)に続いて、および工程d)の前に、III型の核を添加することができる。方法のこの段階で、即ちマレート塩が形成するまたは形成された塩が沈殿もしくは早期の状態で結晶化する前に、スニチニブが溶液から沈殿するのを防止するために、仮説に基づいて形成されたスニチニブの所望の濃度は、好ましくは約5から25mg/ml、さらに好ましくは約12から18mg/ml、最も好ましくは約15mg/mlである。方法が核の添加によって行われる場合、スニチニブの濃度は好ましくは約25mg/mlに調整される。
【0061】
これに限定されるわけではないが、反応工程a)の抽出物の対応して計算された量、反応媒体の量などを使用することを含む適切な条件を選択して、形成されたスニチニブ塩基のこのように有利な濃度を調整することができる。
【0062】
好適な有機塩基は、直鎖アミン、例えばモノアルキル、ジアルキルおよびトリアルキルアミン、環式アミン、例えばピロリジン、およびアルコキシドからなる群より選択される。最も好ましくは、有機塩基はピロリジンである。式Iの化合物の化合物IIに対するモル比は、好ましくは約1:1である。
【0063】
反応混合物は、好ましくは約0.5から5時間、さらに好ましくは約1.5時間還流される。続いてリンゴ酸および好ましくはこのL異性体を好ましくは式IおよびIIの化合物に対してほぼ等モル比で添加するか、または酸の過剰量を使用する。
【0064】
III型のスニチニブは、所望の結晶形が結晶化される間に反応溶液から単離または回収することができる。沈殿は、溶媒系に応じて自発性であることができる。または沈殿は、特に反応混合物の初期温度が高い場合に、反応混合物の温度を低下させることによって誘発することができる。沈殿は、好ましくは減圧下で溶液の体積を減少させることによって、または溶媒を完全に蒸発させることによって誘発することもできる。さらに沈殿は貧溶媒、例えば水、エーテルおよび炭化水素を添加することによって生じ得る。
【0065】
本発明の一態様において、III型のスニチニブの沈殿は、どちらも溶媒の部分蒸発による溶液の任意の濃縮の後の、50℃未満の、好ましくは−10から30℃の適切な温度に、最も好ましくは約19から25℃の室温に溶液を場合により撹拌しながら長時間静置した後に、50℃未満で加熱した溶液からの場合により撹拌した混合物を好ましくは室温以下に冷却した後に発生する。
【0066】
別の選択肢では、III型のスニチニブは、好ましくは水、エーテルおよび炭化水素から選択された貧溶媒を添加して沈殿させることにより形成される。
【0067】
得られたIII型スニチニブの結晶は、当分野で周知の技法、例えば濾過、遠心分離、デカンテーションによって分離され得る。好ましくは濾過が使用され得る。
【0068】
別の態様において、本発明は、所定の従来のII型およびI型それぞれの調製を含む、純粋で所定の形のスニチニブマレートのおよび特にスニチニブL−マレートの調製方法に関する。一般に、スニチニブのリンゴ酸塩の適正な溶解が行われ、早すぎるおよび早期の段階での沈殿を慎重に制御して、有利に回避することが重要であることが見出された。興味深いことに、各種の理論的に存在する多形から、要望に従って所定の結晶形のスニチニブマレートを調製するために適合された特異的な条件が見出されている。本発明のこの態様によるI型およびII型の両方の特異的な調製のためには、最初にスニチニブの固体リンゴ酸塩を用意して、再結晶工程の前にスニチニブの固体リンゴ酸塩を原材料として有機溶媒および少なくとも5体積%の水を含む溶媒混合物に溶解させることが一般的な概念であるが、スニチニブの固体リンゴ酸塩の完全な溶解が実現され、以下の(i)ある量の水を必要とする特異的に適合させた溶媒系の選択、(ii)溶媒系における水の適切な割合の調整、(iii)自発性の溶媒蒸発およびそれゆえ自発性沈殿の回避、(iv)溶解中および溶解後の両方にそれぞれ適合された溶媒系の温度の調整、ならびに(v)特にかなり希釈したから高度に希釈した試料からの、スニチニブマレートの対応して適合させた濃度の調整の1つ以上を含む、必須条件に対応して適応することが重要である。この方式では、I型およびII型のスニチニブL−マレートを十分に標的を定めた方式で、以前に予測されなかった高い純度および高い安定性で繰返し得ることが実現可能であった。高い純度とは好ましくは、実質的に所定の、所望の結晶形、即ちI型またはII型のどちらかのみであり、およびそれぞれ他の形が実質的にないことを意味する。本発明のこの態様によって所望の形を達成することが規定できるため、実際に分割できないI型およびII型両方の複合混合物は確実に回避できる。本発明によるそれぞれ他の形を含まないことは、評価されたX線回折スペクトルにおいて本質的に検出されないこと、および実際的にも検出されないことによって判定できる。
【0069】
詳細な実施形態において、所定の結晶形はII型であり、特にこのことは純粋で高結晶性のII型のスニチニブL−マレートの調製方法に関連する。好ましい一例において、有機溶媒および水の、好ましくはTHFおよび水の混合物中のスニチニブマレートの希釈溶液は、少なくとも5体積%および好ましくは約40から60体積パーセントの水、さらに好ましくは約55体積パーセントの水を使用する。前記希釈溶液の好ましい濃度は、0.1M未満、さらに好ましくは0.05M未満である。
【0070】
有機溶媒構成要素を添加する前に、必ずしも液体を加熱することなく完全な溶解を達成するために、スニチニブマレートを最初に溶媒系の水構成要素に溶解させて開始することが有効であることが見出されている。必要な場合には、前記希釈溶液は、スニチニブマレートが完全に溶解するまで加熱され、次に自発性結晶化を回避するために、好ましくはほぼ室温まで慎重に冷却され得る。より純粋で安定性のII型塩を得るために、ここで約−10℃未満の温度にて、好ましくは約−20℃にて溶液を凍結乾燥することが有効であることが見出されている。この実施形態は蒸発を使用せず、自発性結晶化を回避する。得られたII型の結晶は、当分野で周知の技法、例えば濾過、遠心分離、デカンテーションによって分離され得る。
【0071】
このような手順によって調製したII型結晶のスニチニブは、約172から176℃の融点を示す。
【0072】
別の詳細な実施形態において、所定の結晶形はI型であり、特にこのことは純粋で高結晶性のI型のスニチニブL−マレートの調製方法に関連する。好ましい一例において、未処理のスニチニブマレートを、少なくとも5体積%および好ましくは約5から20体積パーセントの水、さらに好ましくは約10体積パーセントの水を使用した、有機溶媒および水、好ましくはアセトニトリルまたはメタノールおよび水、さらに好ましくはメタノールおよび水の混合物に懸濁させる。前記混合物はスニチニブマレートが溶解するまで加熱され得る。
【0073】
I型のスニチニブは、沈殿によって反応溶液から単離または回収することができる。沈殿は、溶媒系に応じて自発性であることができる。または沈殿は、特に反応混合物の初期温度が高い場合に、反応混合物の温度を低下させることによって誘発することができる。沈殿は、好ましくは減圧下で溶液の体積を減少させることによって、または溶媒を完全に蒸発させることによって誘発することもできる。さらに沈殿は貧溶媒、例えば水、エーテルおよび炭化水素を添加することによって生じ得る。
【0074】
本発明の一態様において、I型のスニチニブの沈殿は、前記加熱混合物を好ましくは室温に放冷したときに発生して、純粋なI型結晶を得る。
【0075】
得られたI型の結晶は、当分野で周知の技法、例えば濾過、遠心分離、デカンテーションによって分離され得る。
【0076】
このような手順によって調製したI型結晶のスニチニブは、約201から202℃の融点を示す。
【0077】
本発明の別の態様は、本発明のIII型結晶のスニチニブマレートの治療的有効量を1つ以上の医薬的に許容される担体または他の賦形剤と共に単位投薬形で投与するための医薬組成物である。
【0078】
本発明のIII型結晶のスニチニブマレートの治療的有効量は、スニチニブ塩基として計算したとき、5から150mg、好ましくは10から100mg、さらに好ましくは10から50mgである。
【0079】
本発明によるIII型結晶のスニチニブマレートは、例えば錠剤、カプセル剤、ペレット剤、顆粒剤および坐剤の形またはこの複合形で実現できる。本発明による医薬組成物は、本発明のIII型結晶のスニチニブマレートの即時放出および調節放出に好適であることができる。固体医薬組成物は例えば、嗜好性(peletibility)を向上させるまたは崩壊もしくは吸収を調節する目的でコーティングできる。
【0080】
医薬的に許容される賦形剤は、結合剤、希釈剤、崩壊剤、安定剤、保存料、潤滑剤、芳香剤、着香剤、甘味料、および医薬技術の分野で公知の他の賦形剤からなる群より選択され得る。好ましくは、担体および賦形剤は、ラクトース、微結晶性セルロース、セルロース誘導体(例えばヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム)、ポリアクリレート、炭酸カルシウム、デンプン、コロイド状二酸化ケイ素(silicone)、デンプングリコール酸ナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよび医薬技術の分野で公知の他の賦形剤からなる群より選択され得る。
【0081】
場合により、本発明の医薬組成物は、III型結晶のスニチニブマレートに加えて1つ以上の追加の医薬的活性構成要素を含む複合生成物であり得る。
【0082】
本発明による医薬組成物は、医薬技術分野で公知の方法によって調製され得る。
【0083】
本発明のさらなる態様は、本発明によるIII型結晶のスニチニブマレートの有効量を使用することによる、生物におけるプロテインキナーゼ関連障害の治療方法である。
【0084】
別の態様において、本発明は、生物におけるプロテインキナーゼ関連疾患の治療用の医薬品を製造するための、III型結晶のスニチニブマレートの使用に関する。
【0085】
前記プロテインキナーゼ関連疾患は好ましくは、扁平上皮細胞癌腫、星状細胞腫、カポジ肉腫、グリア芽腫、肺癌、膀胱癌、頭頸部癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌、神経膠腫、結腸直腸癌、尿生殖器癌および消化器癌から選択される癌である。
【0086】
別の態様により、本発明による医薬組成物は、安定性で純粋なスニチニブマレート形、特にスニチニブL−マレートI型、II型およびIII型それぞれのいずれか1つを得るために上で開示した方法のいずれか1つに従って調製した結晶形を提供することと、このようにして提供された結晶形を1つ以上の医薬的に許容される賦形剤と混合することとによって得ることができる。他の形を含まないことは、それぞれの所定の形を調製および単離する段階ですでに観察される必要があり、安定性および溶解特性に関する変動を伴わない、再現可能な医薬組成物を最終的に得るために重要である。III型の治療的有効量、投薬形、賦形剤、治療的処置、および他の活性医薬成分との組み合わせについての上の記載は、このような他のI型およびII型についても対応して適用される。
【0087】
実験手順
未処理のスニチニブマレートは、WO01/60814の記載に基づいて調製され得る。
【0088】
比較実施例
WO03/016305に従って、I型スニチニブマレートを調製した。本質的に、結晶性の不十分な原料物質をアセトニトリルに懸濁させて、懸濁物を加熱した。冷却後に、このように産生された物質の融点は196から198℃であった。
【0089】
他方では、THFおよび水の混合物に原料物質を溶解させて、自発性蒸発を続けて、II型スニチニブマレートを調製した。
【0090】
結果として、WO03/016305の実験の再現を試みて、I型および主にII型を含む複合型混合物を単離した。
【実施例1】
【0091】
各種の形ならびに他の未確認の形の混合物を含有する未処理スニチニブマレート0.6gをメタノールおよび水の10/1混合物7.5mlに懸濁させ、すべての物質が溶解するまで加熱し、次に室温まで放冷して純粋なI型結晶を得た。融点:201から202℃。
得られたI型のスニチニブL−マレートのXRDを図3に示し、このDSC曲線を図4に示す。
【実施例2】
【0092】
スニチニブマレート0.47gを水(20ml)に溶解させて、THF 25mlを添加してかなり希釈された完成溶液を得て、次に自発性結晶化を回避するために慎重に冷却した。調製した溶液を−20℃で凍結乾燥した。回収した綿状物質は純粋なII型である。融点:172から176℃。
得られたII型のスニチニブL−マレートのXRDを図5に示し、このDSC曲線を図6に示す。
【実施例3】
【0093】
以下のスキームに示されるスニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形のワンポットの複合合成および形成を実施した。
【0094】
【化6】

【0095】
N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(I)1.40g(5.28mmol)および5−フルオロインドリン−2−オン(II)0.76g(5.03mmol)のエタノール(140ml)による溶液に、ピロリジン0.023mlを添加して、混合物を1.5時間還流した。その後、L−リンゴ酸0.71gを添加し、混合物を室温に放冷して、沈殿が形成されるまで2、3時間撹拌した。結晶を濾過により収集して、上でIII型スニチニブマレートと定義した新規形2.07g(84%)を得た。融点:217から219℃。
得られたIII型のスニチニブL−マレートのXRDを図1に示し、このDSC曲線を図2に示す。
【実施例4】
【0096】
N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド(I)6.63g(25mmol)および5−フルオロインドリン−2−オン(II)3.78g(25mmol)のエタノール(400ml)による溶液にピロリジン0.25mlを添加して、混合物を5時間還流した。沸騰中の反応混合物に、リンゴ酸(1.77g、12.5mmol)のエタノール(10ml)による溶液を添加して、核(50mg);(実施例3から得た。)を添加して、溶液を低速で(可能な限り低速で)撹拌しながら周囲温度まで放冷する。混合物をさらに16時間撹拌したままにして、次に生成物を濾過する(9.77g、84%)。
【0097】
解析方法
生成物を以下の方法で分析した:
X線粉末回折法:粉末X線回折(XRD)パターンを得るための条件:粉末X線回折パターンは、当分野で公知の方法により、X’Celerator検出器を備えたPhilips X’Pert PRO回折計を使用して、ブラッグ−ブレンターノ(反射)配置のCuKα放射線(45kVおよび40mAにて動作する管)を用いて得た。データは2から40°2θにて0.033°2θ工程で、工程当たりの測定時間を50秒として記録した。可変発散スリットおよび散乱防止スリットを使用して、12mmの照射試料長を維持した。
【0098】
示差走査熱量測定:
DSCサーモグラムを得るための条件:サーモグラムは、Mettler Toledo DSC822e示差走査熱量計を用いて得た。試料(4から6mg)を穴のある密封されていないアルミニウムパンに置き、30℃から250℃の温度範囲で5℃/分にて加熱した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形の調製方法であって、
a)式Iの化合物、N−(2−(ジエチルアミノ)エチル)−5−ホルミル−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキサミド
【化1】

を式IIの化合物、5−フルオロインドリン−2−オン
【化2】

と溶媒中で混合する工程と、
b)工程a)で得た混合物を還流させる工程と、
c)工程b)に続いて、リンゴ酸を混合物に添加する工程と、
d)工程c)に続いて、スニチニブのリンゴ酸塩を含む結晶形を結晶化させる工程と、
を含む方法。
【請求項2】
リンゴ酸がL−リンゴ酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程a)からd)が工程a)およびb)によって形成されたスニチニブ塩基を中間単離せずに、ワンポットで行われる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
工程a)が有機溶媒中で有機塩基の存在下で行われ、前記有機溶媒が好ましくは低級アルコールであり、さらに好ましくはエタノールが使用される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
スニチニブの濃度が工程d)が開始されるまで25mg/mlを超えない、好ましくは18mg/mlを超えない、およびさらに好ましくは約15mg/mlに調整されるように、抽出物および/または反応体積の量を調整することを場合により含む条件が適用される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも2つの多形からスニチニブのリンゴ酸塩を含む所定の結晶形の調製方法であって、
(i)スニチニブの固体リンゴ酸塩を提供する工程と、
(ii)スニチニブの固体リンゴ酸塩を、有機溶媒および少なくとも5体積%の水を含む溶媒混合物に溶解する工程と、
(iii)自発性溶媒蒸発およびそれゆえ自発性沈殿が回避されるという条件で、スニチニブのリンゴ酸塩を含む所定の結晶形を結晶化させる工程と、
を含む方法。
【請求項7】
工程(ii)で得た溶解したスニチニブのリンゴ酸塩が、工程ii)で得た溶液を冷却することによって工程(iii)が開始されるまで溶解状態で保持される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
工程(ii)のスニチニブの固体リンゴ酸塩がアセトニトリルおよび/またはメタノールならびに少なくとも5体積%の水、好ましくは約5から20重量%の水を含む混合物に溶解される、スニチニブのリンゴ酸塩を含むI型結晶の調製のための、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
スニチニブのリンゴ酸塩を含む調製したI型結晶が201から202℃の融点を有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
工程(ii)のスニチニブの固体リンゴ酸塩が、テトラヒドロフランおよび約40から60体積%の水を含む混合物に溶解される、スニチニブのリンゴ酸塩を含むII型結晶の調製のための、請求項6または7に記載の方法。
【請求項11】
スニチニブのリンゴ酸塩を含む調製したII型結晶が172から176℃の融点を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2つの多形からスニチニブのリンゴ酸塩を含む所定の結晶形の調製方法であって、
(i)スニチニブの固体リンゴ酸塩を提供する工程と、
(ii)スニチニブの固体リンゴ酸塩を、有機溶媒および少なくとも5体積%の水を含む溶媒混合物に溶解する工程と、
(iii)スニチニブのリンゴ酸塩を含む所定の結晶形を結晶化させる工程と、
を含み、I型結晶が調製されるとき、工程(ii)のスニチニブの固体リンゴ酸塩がアセトニトリルおよび/またはメタノールならびに少なくとも5体積%の水、好ましくは約5から20体積%の水を含む混合物に溶解され、または、
II型結晶が調製されるとき、工程(ii)のスニチニブの固体リンゴ酸塩がテトラヒドロフランおよび約40から60体積の%水を含む混合物に溶解されるという条件である方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に従って調製した結晶形のI型、II型またはIII型のいずれかの形のそれぞれ純粋な結晶形を提供することと、このようにして提供された結晶形を1つ以上の医薬的に許容される賦形剤と混合することによって得られる医薬組成物。
【請求項14】
スニチニブマレートのIII型結晶をスニチニブ塩基として計算したときに5から150mgの量で含む医薬組成物であって、スニチニブマレートの前記III型結晶が以下のX線粉末回折図(XRD)の特徴:
(i)表示された2θ値にて5.7、9.6、17.8、18.3および26.5、または±0.2度2θである2θ値におけるXRDの少なくとも有意なピーク、
(ii)X線粉末回折図で、それぞれちょうどまたは±0.2度2θの表示された2θ値である5.7、9.6、11.5、13.9、17.8、18.3、19.3および26.5の2θ値におけるXRDのピーク、
(iii)図1に示すようなXRD、
の1つを特徴とする医薬組成物。
【請求項15】
医薬組成物がカプセル剤の形である、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
生物におけるプロテインキナーゼ関連疾患の予防または治療処置での使用のための請求項14または15に記載の医薬組成物であって、好ましくは前記プロテインキナーゼ関連疾患が扁平上皮細胞癌腫、星状細胞腫、カポジ肉腫、グリア芽腫、肺癌、膀胱癌、頭頸部癌、黒色腫、卵巣癌、前立腺癌、乳癌、小細胞肺癌、神経膠腫、結腸直腸癌、尿生殖器癌および消化器癌から選択される癌である、医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−508719(P2012−508719A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−536008(P2011−536008)
【出願日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2009/065030
【国際公開番号】WO2010/055082
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(504359293)レツク・フアーマシユーテイカルズ・デー・デー (60)
【Fターム(参考)】