説明

スパイラルコンタクタ、及びその製造方法

【課題】 スパイラル状接触子の占有面積を増加させることなく、バネ定数が大きく、降伏点が深いスパイラル状接触子を提供する。
【解決手段】 スパイラル状接触子12の根元12bを互いに180°対向した位置に配置して、根元12bから渦巻きの中心に向けて立ち上がり、渦巻きの中心で互いに合流する先端12aに柱状の突起12dを備えた2重渦巻きスパイラル状接触子12を上段に配設し、突起の無い2重渦巻きスパイラル状接触子22を重ねて2段式とし、これを先端をフリーにしてレーザスポット溶接で根元12b、2bを固定し、上下2段に重ね合わせた2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子2から構成されるスパイラルコンタクタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた電気特性とバネ特性の良好な組み合わせを併せ持ったスパイラルコンタクタに関し、特に、スパイラル状接触子は根元から先端中心に向かって渦巻状に形成されその渦巻状の中心に先端を有する凸形のスパイラル状接触子であって、中心を同一として互いに併行して渦巻状に配設された2個のスパイラル状接触子が先端で合流して一体とした2重渦巻きスパイラル状接触子を、根元をレーザビームによるスポット溶接によって接合して上下2段に重ね合わせたスパイラルコンタクタ、及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図9は、従来の2重渦巻きスパイラル状接触子の概略を示す概略図である。図9に示すように、渦巻きの中心に先端を有する凸形のスパイラル状接触子32は、中心を同一として互いに併行して渦巻状に配設された複数のスパイラル状接触子32が先端で合流して一体としており、このスパイラル状接触子32の根元32bを互いに対向した位置に配置して、根元32bから渦巻きの中心に向けて立ち上がり、渦巻きの中心で互いに合流する先端32aを備え、スパイラル状接触子32の先端の位置に、上方へ突起した少なくとも1つの凸部32dを備え、この凸部32dが半球形状、四角錐台形状、三角錐台形状、円錐台形状、及び角錐台形状などに形成されている。
【0003】
図10及び図11は、従来の2重渦巻きスパイラル状接触子32の製造工程を示す工程図である。図10及び図11に示すように、渦巻きの中心に先端を有する凸形のスパイラル状接触子32を備えたスパイラルコンタクタの製造方法は、Cu箔34を用意し、このCu箔34の表面に少なくとも1つの凹部34aをスパイラル状接触子32の先端32dの位置に形成する第1工程と、Cu箔34の表面にフォトレジスト35を貼付もしくは塗布し、その上方からスパイラル状接触子32のパターンを有するフォトマスク36を被せ、このフォトマスク36の上方から光を照射して露光する第2工程と、フォトマスク36のパターンを形成するようにフォトレジスト35を現像する第3工程と、さらに上方からCu箔34の露出面に金属メッキ37を施し、スパイラル状接触子32を成形する第4工程と、フォトレジスト35を除去する第5工程と、Cu箔34の裏面にフォトレジスト35を貼付もしくは塗布し、穴を開けるためのフォトマスク46を被せ、このフォトマスク46に光を照射して露光・現像する第6工程と、アニールフォーミングする第9工程と、実装基板48上のランドにスパイラル状接触子を固着する第10工程とを含む。これによって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有する(特許文献1参照)。
【特許文献1】特願2008―79940号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スパイラル状接触子が接続端子に対し、強く加圧されることによって、さらに電気的接続特性を向上させるために、電気的特性とバネ特性の両方を兼ね備えたスパイラル状接触子が求められていた。
このため、スパイラル状接触子のバネ定数を大きくするとともに、降伏点を深くすることが必要である。また、そのための方法として、スパイラル状接触子のメッキ厚を厚くしたり、板厚自体を厚くするなどの方法があるが、板厚を厚くすることによってバネ定数は大きくなるが、素材としての降伏点が浅くなってしまう。このため、スパイラル状接触子の長さを長くして降伏点を深くする必要がある。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するために創案されたものであり、スパイラル状接触子の占有面積を増加させることなく、バネ定数が大きく、降伏点が深いスパイラル状接触子を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明のスパイラルコンタクタは、根元から先端中心に向かって渦巻状に形成され、前記渦巻状の中心に先端を有する凸形のスパイラル状接触子において、前記中心を同一として互いに併行して渦巻状に配設された2個の前記スパイラル状接触子が先端で合流して一体とした2重渦巻きスパイラル状接触子を、前記根元を接合して上下2段に重ね合わせたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のスパイラルコンタクタであって、前記下段のスパイラル状接触子の幅は、前記上段のスパイラル状接触子の幅より狭いことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載のスパイラルコンタクタであって、前記下段のスパイラル状接触子の厚さは、前記上段のスパイラル状接触子の厚さより薄いことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1に記載のスパイラルコンタクタであって、前記スパイラル状接触子の根元を互いに180°対向した位置に配置して、前記根元から渦巻きの中心に向けて立ち上がり、前記渦巻きの中心で互いに合流する先端を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1または請求項2に記載のスパイラルコンタクタであって、前記上段のスパイラル状接触子の先端の位置に、上方へ向けて設けられた少なくとも1本の柱を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のスパイラルコンタクタであって、前記柱の側面には、前記柱の底面に対してテーパーが形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項5に記載のスパイラルコンタクタであって、前記テーパーは、前記底面に対して鋭角を形成していることを特徴とする。
【0013】
請求項8に係る発明は、請求項5に記載のスパイラルコンタクタであって、前記テーパーは、前記底面に対して鈍角を形成していることを特徴とする。
【0014】
請求項9に係る発明は、請求項5に記載のスパイラルコンタクタであって、前記柱の上面周縁には、Rが形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載のスパイラルコンタクタであって、前記Rが前記柱の半径と同一サイズであることを特徴とする。
【0016】
請求項11に係る発明は、請求項5に記載のスパイラルコンタクタであって、前記柱の上面には、窪みが形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項12に係る発明は、請求項5に記載のスパイラルコンタクタであって、前記柱は、円柱であることを特徴とする。
【0018】
請求項13に係る発明は、請求項5に記載のスパイラルコンタクタであって、前記柱は、角柱であることを特徴とする。
【0019】
請求項14に係る発明のスパイラルコンタクタの製造方法は、根元から先端中心に向かって渦巻状に形成され、前記渦巻状の中心に先端を有する凸形のスパイラル状接触子を備えたスパイラルコンタクタの製造方法において、Cu箔を用意し、前記Cu箔の表面にフォトレジストを貼付もしくは塗布し、その上方から前記スパイラル状接触子のパターンを有するフォトマスクを被せ、このフォトマスクの上方から光を照射して露光する第2工程と、前記フォトマスクのパターンを形成するように前記フォトレジストを現像する第3工程と、さらに上方から前記Cu箔の露出面に金属メッキを施し、前記スパイラル状接触子を成形する第4工程と、前記フォトレジストを除去する第5工程と、前記Cu箔の裏面にフォトレジストを貼付もしくは塗布し、穴を開けるためのフォトマスクを被せ、このフォトマスクに光を照射して露光・現像する第6工程と、アニールフォーミングする第13工程と、前記スパイラル状接触子を上下2段に重ね合わせ、前記根元を接合する第15工程と、実装基板上のランドに前記スパイラル状接触子を固着する第16工程と、を含むことを特徴とする。
【0020】
請求項15に係る発明は、請求項14に記載のスパイラルコンタクタの製造方法であって、前記上段のスパイラル状接触子の製造方法において、前記第2工程の前に、前記Cu箔の表面に少なくとも1つの凹部を、前記スパイラル状接触子の先端の位置に形成する第1工程を含むことを特徴とする。
【0021】
請求項16に係る発明は、請求項14に記載のスパイラルコンタクタの製造方法であって、前記第15工程において、前記根元をスポット溶接で接合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1に係る発明によれば、2重渦巻きスパイラル状接触子を2枚重ねにして2段とし、これを先端をフリーにしてレーザスポット溶接で根元を固定することによって、スパイラル状接触子の長さを長くするのと同様の効果が生まれた。これによって、2段重ねのスパイラル状接触子のバネ定数が大きくなり、降伏点が深くなるという効果が得られた。したがって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0023】
請求項2に係る発明によれば、上下2段に配設されたスパイラル状接触子の下側のスパイラル状接触子の幅を上段のスパイラル状接触子の幅より狭くすることによって、上下2段のスパイラル状接触子が圧縮されるときにも下段のスパイラル状接触子の上面全体が上段のスパイラル状接触子の下面から外れることがなく安定した電気的接続特性が得られ、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0024】
請求項3に係る発明によれば、上下2段に配設されたスパイラル状接触子の下側のスパイラル状接触子の厚さを上段のスパイラル状接触子の厚さより薄くすることによって、上下2段のスパイラル状接触子が圧縮されるときにも下段のスパイラル状接触子の上面全体が上段のスパイラル状接触子の下面の動作に追随し、安定した電気的接続特性が得られ、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0025】
請求項4に係る発明によれば、スパイラル状接触子の根元を互いに180°対向した位置に配置して、根元から渦巻きの中心に向けて立ち上がり、渦巻きの中心で互いに合流する先端を備えた2重渦巻きスパイラル状接触子を2枚重ねにして2段とし、これを先端をフリーにしてレーザスポット溶接で根元を固定することによって、スパイラル状接触子の長さを長くするのと同様の効果が生まれた。これによって、2段重ねのスパイラル状接触子のバネ定数が大きくなり、降伏点が深くなるという効果が得られた。したがって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0026】
請求項5に係る発明によれば、スパイラル状接触子の根元を互いに180°対向した位置に配置して、根元から渦巻きの中心に向けて立ち上がり、渦巻きの中心で互いに合流する先端を備えた2重渦巻きスパイラル状接触子を2枚重ねにして2段とし、これを先端をフリーにしてレーザスポット溶接で根元を固定することによって、スパイラル状接触子の長さを長くするのと同様の効果が生まれた。これによって、2段重ねのスパイラル状接触子のバネ定数が大きくなり、降伏点が深くなるという効果が得られた。したがって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0027】
請求項6に係る発明によれば、スパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起の側面に、柱の底面に対してテーパーを形成することによって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0028】
請求項7に係る発明によれば、スパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起の側面に、柱の底面に対して鋭角のテーパーを形成することによって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0029】
請求項8に係る発明によれば、スパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起の側面に、柱の底面に対して鈍角のテーパーを形成することによって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0030】
請求項9に係る発明によれば、スパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱の上面周縁に、Rを形成することによって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0031】
請求項10に係る発明によれば、スパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱の上面周縁に、Rを形成することによって、柱の先端部はドーム状(半球状)に形成され、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0032】
請求項11に係る発明によれば、スパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱の上面に、窪みを形成することによって、柱の周縁部はさらに鋭いエッジを備え、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0033】
請求項12に係る発明によれば、スパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱を円柱とすることによって、柱の周縁部は鋭いエッジを備え、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0034】
請求項13に係る発明によれば、スパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱を角柱とすることによって、柱の周縁部は鋭いエッジを備え、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子が接続端子と接触して、スパイラル状接触子を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起が接続端子とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気接続性を有するスパイラル状接触子において、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0035】
請求項14に係る発明によれば、根元から先端中心に向かって渦巻状に形成され、渦巻状の中心に先端を有する凸形のスパイラル状接触子を備えたスパイラルコンタクタの製造方法において、Cu箔の表面にフォトレジストを貼付もしくは塗布し、その上方からスパイラル状接触子のパターンを有するフォトマスクを被せ、このフォトマスクの上方から光を照射して露光し、フォトマスクのパターンを形成するようにフォトレジストを現像し、さらに上方からCu箔の露出面に金属メッキを施し、スパイラル状接触子を成形し、フォトレジストを除去し、Cu箔の裏面にフォトレジストを貼付もしくは塗布し、穴を開けるためのフォトマスクを被せ、このフォトマスクに光を照射して露光・現像し、アニールフォーミングし、スパイラル状接触子を上下2段に重ね合わせ、先端をフリーにしてレーザスポット溶接で根元を接合し、実装基板上のランドにスパイラル状接触子を固着することによって、2重渦巻きスパイラル状接触子を2枚重ねにした2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を製造することができる。
【0036】
請求項15に係る発明によれば、根元から先端中心に向かって渦巻状に形成され、渦巻状の中心に先端を有する凸形のスパイラル状接触子を備えたスパイラルコンタクタの製造方法において、Cu箔の表面にフォトレジストを貼付もしくは塗布し、その上方からスパイラル状接触子のパターンを有するフォトマスクを被せ、このフォトマスクの上方から光を照射して露光し、フォトマスクのパターンを形成するようにフォトレジストを現像し、さらに上方からCu箔の露出面に金属メッキを施し、スパイラル状接触子を成形し、フォトレジストを除去し、Cu箔の裏面にフォトレジストを貼付もしくは塗布し、穴を開けるためのフォトマスクを被せ、このフォトマスクに光を照射して露光・現像し、アニールフォーミングし、スパイラル状接触子を上下2段に重ね合わせ、先端をフリーにしてレーザスポット溶接で根元を接合し、実装基板上のランドにスパイラル状接触子を固着することによって、上段に突起を備えた2重渦巻きスパイラル状接触子を、突起のない下段のスパイラル状接触子を2枚重ねにした2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を製造することができる。
【0037】
請求項16に係る発明によれば、先端をフリーにしてレーザスポット溶接で根元を接合し、実装基板上のランドにスパイラル状接触子を固着することによって、2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明に係るスパイラルコンタクタおよびその製造方法の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するための2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を示し、(a)は2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を示す概略図、(b)(c)(d)は、(a)に示すA―A線の断面図であり、自然体では凸形状の2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子の断面図であり、代表的な3種類の形態を示している。
図1(a)(b)に示すように、上下2段に配設されたスパイラル状接触子12、22は、自然体では凸形状のスパイラル(渦巻き)であるが、根元12b、22bから先端中心に向かって渦巻状に形成され、先端12a、22aを同一として互いに併行して渦巻状に配設され、先端12a、22aで合流して一体とした2重渦巻きスパイラル状接触子12、22を、根元12b、22bを接合して上下2段に重ね合わせている。
【0039】
上段のスパイラル状接触子12の中心に位置する先端12aには、柱状の突起12dが設けられている。この突起12dは、上段のスパイラル状接触子12の先端12aの位置に上方へ向けて設けられた少なくとも1本の柱である。下段のスパイラル状接触子22には突起は設けられていない。また、上下2段のスパイラル状接触子12、22とも、その渦巻きの幅V(V1、V2)は、同一幅で、先端12a、22aから根元12b、22bに近づけば近づく程に広くなっており、根元12b、22bから先端12a、22aに向かって渦巻き部12c、22cを備えている。なお、幅Vは、先端12a、22aから根元12b、22bに行くにしたがって、一定でも構わない。厚さT(T1、T2)も一定としているが、先端12a、22aから根元12b、22bに行くにしたがって、次第に厚く変化していても構わない。また、スパイラル状接触子12、22を形成するコア材はニッケル(Ni)基材であり、表面にはAuメッキが施されている。
【0040】
この2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子2において、上段のスパイラル状接触子12は、その根元12b、12bを互いに180度対向した位置に配置して、根元12b、12bから渦巻きの中心に向けて立ち上がり、渦巻きの中心で互いに合流する先端12aを備えている。すなわち、先端12aは、左右から支持された2重の渦巻きによって中心に維持されながら、さらに先端12aがねじり回動する。同様に、下段のスパイラル状接触子22の根元22b、22bを互いに対向した位置に配置して、根元22b、22bから渦巻きの中心に向けて立ち上がり、渦巻きの中心で互いに合流する先端22aを備えている。このように、2重渦巻きスパイラル状接触子12、22を上下に重ねて2段とし、これを先端12a、22aをフリーにしてレーザスポット溶接で根元12b、22bを固定することによって、スパイラル状接触子2の長さを長くするのと同様の効果が得られた。これによって、2段重ねのスパイラル状接触子2はそのバネ定数が大きくなり、降伏点が深くなるという効果が得られた。したがって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子2が接続端子41(図7参照)と接触して、スパイラル状接触子2を先端から順に押し下げるときに上段に配設されたスパイラル状接触子12の先端部12aが接続端子41とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子2を実現することができる。
【0041】
次に、図1の(c)に示すように、下段のスパイラル状接触子22´の幅は、上段のスパイラル状接触子12の幅より狭くしている。上下2段に配設されたスパイラル状接触子12、22´の下側のスパイラル状接触子22´の幅V2、W2を上段のスパイラル状接触子12の幅V1、W1より狭くすることによって、上下2段のスパイラル状接触子12、22´が圧縮されるときにも下段のスパイラル状接触子22´の上面全体が、上段のスパイラル状接触子12の下面から外れることがなく安定した電気的接続特性が得られ、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0042】
また、下段のスパイラル状接触子22´の厚さT2は、上段のスパイラル状接触子12の厚さT1より薄い。このように、上下2段に配設されたスパイラル状接触子2´の下側のスパイラル状接触子22´の厚さT2を上段のスパイラル状接触子の厚さT1より薄くすることによって、上下2段のスパイラル状接触子2´が圧縮されるときにも下段のスパイラル状接触子22´の上面全体が上段のスパイラル状接触子12の下面の動作に追随し、安定した電気的接続特性が得られ、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0043】
また、図1の(d)に示すように、スパイラル状接触子2´´は、図1の(c)に示したスパイラル状接触子2´における下段のスパイラル状接触子22´をその先端からほぼ半周戻った位置でカットされた形態としている。なお、半周戻った位置としたが、その位置は適宜調節しても構わない。
【0044】
図2は柱の概略図であり、図2の(a)(b)(c)(d)は、図1の(b)に示すB部の拡大図であり、柱の形状を説明する断面図、(e)(f)(g)(h)は、図1の(a)に示すC部の拡大図であり、柱の形状を説明する平面図である。なお、実施形態は、柱の断面形状と平面形状とを組み合わせた形態を有している。
図2の(a)に示すように、柱12dの上面には窪みが形成されている。
図2の(b)に示すように、柱12dの側面には、柱12dの底面に対してテーパーが形成されている。特に、テーパーは、底面に対して鈍角を形成している。
図2の(c)に示すように、柱12dの上面周縁には、Rが形成されている。
図2の(d)に示すように、柱12dの側面には、柱12dの底面に対してテーパーが形成されている。特に、テーパーは、底面に対して鋭角を形成している。
図2の(e)に示すように、柱12は円柱である。
図2の(f)に示すように、柱12は角柱である。
図2の(g)に示すように、柱12は多角柱であり、特に5角柱を図示している。
図2の(h)に示すように、柱12は三角柱である。
このように、スパイラル状接触子12の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起12dを形成することによって、さまざまな形状の接続端子にも接続可能であるとともに、スパイラル状接触子12が接続端子41(図7参照)と接触して、スパイラル状接触子12を先端から順に押し下げるときにスパイラル状接触子12の先端部に設けられた少なくとも1つの鋭い柱状の突起12dが接続端子41とねじり動作を伴いながら接触し、微小円を描くことによって、優れた電気的特性と優れたバネ特性の両方を併せ持ったスパイラル状接触子を実現することができる。
【0045】
次に、スパイラルコンタクタの製造方法を説明する。図3は、本発明に係るスパイラルコンタクタの製造方法の工程図であり、上段のスパイラル状接触子12の製造工程を示している。図3に示すように、第1工程では、金属板14を用意し、この金属板14の表面に少なくとも1つの凹部14aをスパイラル状接触子の先端の位置に来るように形成する。なお、金属板14はCu箔が好適であるので、以下、金属板14はCu箔14と記載する。Cu箔14の厚みは、箔状であり、例えば、0.08mmとしたが、これに限定されるものではない。
【0046】
第2工程(b)では、Cu箔14の表面にフォトレジスト15を塗布、もしくはドライフィルムを貼付する。その上方からスパイラル状接触子12のパターンを有するフォトマスク16を被せ、このフォトマスク16の上方から光を照射して露光する。
このフォトマスク16の形状は、スパイラル形状接触子12の部分を黒塗りにした模様になっている。また、白黒逆のパターンを用いた方法でも構わない。
第3工程(c)では、フォトマスク16のパターンを形成するようにフォトレジスト15を現像する。
第4工程(d)では、さらに上方からCu箔14の露出面14bにAuメッキ17b、Niメッキ17aから構成される金属メッキ17を施し、スパイラル状接触子12を成形する。ここでの金属メッキ17は、ニッケル合金メッキが好適である。なお、金属メッキは、例えば、ニッケルNi合金メッキを用いたが、これに限定されるものではない。
【0047】
第5工程(e)では、フォトレジスト15を除去する。
第6工程(f)では、Cu箔14の裏面にフォトレジスト15を貼付もしくは塗布し、穴を開けるためのフォトマスク16´を被せ、このフォトマスク16´に光を照射して露光・現像する。
第7工程(g)では、Cu箔14の裏面からCu箔14にエッチングで穴14cを開ける。
第8工程(h)では、Cu箔14の裏面のフォトレジスト15を除去する。
【0048】
図4は、本発明に係る製造方法の工程図であり、図3に示す第8工程に続く工程を示している。図4に示すように、第9工程(i)では、上下反転させたスパイラル状接触子12の渦巻きの中心を一方から凸形工具30で押し上げて凸形に変形させた状態でアニールフォーミングする。
詳細には、スパイラル状接触子12の下方に凸形工具30を配置し、スパイラル状接触子12を下方から凸形工具30で押し上げて凸形に変形させた状態でアニールフォーミングして成形を安定させ、すなわち、凸状に変形したスパイラル状接触子12が加熱及び焼鈍されて凸形状に成形される。このアニールフォーミングは、例えば、250℃で加熱し、焼きなまし処理を行い、内部応力を除去する。ここで加熱温度は250℃としたが、250℃前後を含むものとし、さらにこれに限定されるものではない。
第10工程(j)は、アニールフォーミングが完了するとともに、凸形工具30を取り外した状態である。
【0049】
図5は、本発明に係るスパイラルコンタクタの製造方法の工程図であり、下段のスパイラル状接触子22の製造工程を示している。図5に示すように、第11工程(k)では、金属板24を用意する。なお、金属板24はCu箔が好適であり、前記した金属板14と同一材料である。
【0050】
第12工程(l)では、Cu箔24の表面にフォトレジスト25を塗布、もしくはドライフィルムを貼付する。その上方からスパイラル状接触子22のパターンを有するフォトマスク26を被せ、このフォトマスク26の上方から光を照射して露光する。
このフォトマスク26の形状は、スパイラル形状接触子22の部分を黒塗りにした模様になっている。また、白黒逆のパターンを用いた方法でも構わない。
第13工程(m)では、フォトマスク26のパターンを形成するようにフォトレジスト25を現像する。
第14工程(n)では、さらに上方からCu箔24の露出面24bにAuメッキ27b、Niメッキ27aから構成される金属メッキ27を施し、スパイラル状接触子22を成形する。ここでの金属メッキ27は、ニッケル合金メッキが好適である。なお、金属メッキは、例えば、ニッケルNi合金メッキを用いたが、これに限定されるものではない。
【0051】
第15工程(o)では、フォトレジスト25を除去する。
第16工程(p)では、Cu箔24の裏面にフォトレジスト25を貼付もしくは塗布し、穴を開けるためのフォトマスク26´を被せ、このフォトマスク26´に光を照射して露光・現像する。
第17工程(q)では、Cu箔24の裏面からCu箔24にエッチングで穴24cを開ける。
第18工程(r)では、Cu箔24の裏面のフォトレジスト25を除去する。
【0052】
図6は、本発明に係る製造方法の工程図であり、図5に示す第18工程に続く工程を示している。図6に示すように、第19工程(s)では、上下反転させたスパイラル状接触子22の渦巻きの中心を一方から凸形工具30で押し上げて凸形に変形させた状態でアニールフォーミングする。
詳細には、スパイラル状接触子22の下方に凸形工具30を配置し、スパイラル状接触子22を下方から凸形工具30で押し上げて凸形に変形させた状態でアニールフォーミングして成形を安定させ、すなわち、凸状に変形したスパイラル状接触子22が加熱及び焼鈍されて凸形状に成形される。このアニールフォーミングは、例えば、250℃で加熱し、焼きなまし処理を行い、内部応力を除去する。ここで加熱温度は250℃としたが、250℃前後を含むものとし、さらにこれに限定されるものではない。
第20工程(t)では、表面に導電性のランド28aを有する実装基板28を設け、ランド28aの上面に導電性のペースト(半田ペースト)29を塗布し、ランド28aの上面に、スパイラル状接触子22を位置決めする。
【0053】
第21工程(u)では、Cu箔24をエッチングで除去する。
第22工程(v)では、スパイラル状接触子22の上に、スパイラル状接触子12を上下2段に重ね合わせ、先端をフリーにしてレーザスポット溶接で根元を接合し、実装基板上28のランド28aにスパイラル状接触子22を固着する。
【0054】
図7は、本発明に係る製造方法の工程図であり、図6に示す第22工程に続く工程を示している。図7に示すように、第23工程(w)では、Cu箔14(図4参照)をエッチングで除去し、上段に突起を備えた2重渦巻きスパイラル状接触子12を、突起のない下段のスパイラル状接触子22に2枚重ねにした2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子2を形成する。
第24工程(x)では、複数のスパイラル状接触子12、12…からなるスパイラルコンタクタ11に接続端子41を接触させる。これによって、スパイラル状接触子12の突起12dと接続端子41が接続されるとともに、突起12dは接続端子41の接触面で微小円を描きながら電気的導通が図られる。
【0055】
第24´工程(y)では、複数のスパイラル状接触子12、12…からなるスパイラルコンタクタ1に接続端子11´を接触させる。これによって、スパイラル状接触子12の突起12dと接続端子41´が接続されるとともに、突起12dは接続端子41´の接触面で微小円を描きながら電気的導通が図られる。
このように、さまざまな形状の接続端子に対しても良好な接続が得られる。
また、渦巻きを2本併行にして2重渦巻きとして説明したが、3重渦巻きでも、4重渦巻きでも、さらに複数の渦巻きとしても良い。その渦巻きの根元位置と先端位置をそれぞれ均等にずらすことによって製作可能である。
【0056】
<第2の実施形態>
図8は、本発明の第2の実施形態を説明するための2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を示し、(a)は2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を示す概略図、(b)(c)(d)は、(a)に示すD―D線の断面図であり、自然体では凸形状の2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子の断面図であり、代表的な3種類の2段式形態を示している。
図8(a)(b)に示すように、上下2段に配設されたスパイラル状接触子22、22は、自然体では凸形状のスパイラル(渦巻き)であるが、根元22b、22bから先端中心に向かって渦巻状に形成され、先端22a、22aを同一として互いに併行して渦巻状に配設され、先端22a、22aで合流して一体とした2重渦巻きスパイラル状接触子22、22を、根元22b、22bを接合して上下2段に重ね合わせ、2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子3としている。
本第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態では、上段に突起を有するスパイラル状接触子12としたが、第2の実施形態では、突起の無い上段のスパイラル状接触子22とした点であり、その他は同様でありその説明を省略する。
【0057】
以上、好ましい実施の形態を説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱することの無い範囲内において適宜変更が可能なものである。例えば、下段のスパイラル状接触子22´の厚さT2は、上段のスパイラル状接触子12の厚さT1より薄いとしたが、同一でもあっても厚くても構わない。金属板14、24は銅板(Cu箔)の他に、例えばSUS板としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を示し、(a)は2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を示す概略図、(b)(c)(d)は、(a)に示すA―A線の断面図である。
【図2】柱の概略図であり、(a)(b)(c)(d)は、柱の形状を説明する断面図、(e)(f)(g)(h)は、柱の形状を説明する平面図である。
【図3】本発明に係るスパイラルコンタクタの製造方法の工程図であり、上段のスパイラル状接触子の製造工程を示している。
【図4】本発明に係る製造方法の工程図であり、図3に示す第8工程に続く工程を示している。
【図5】本発明に係るスパイラルコンタクタの製造方法の工程図であり、下段のスパイラル状接触子の製造工程を示している。
【図6】本発明に係る製造方法の工程図であり、図5に示す第18工程に続く工程を示している。
【図7】本発明に係る製造方法の工程図であり、図6に示す第22工程に続く工程を示している。
【図8】本発明の第2の実施形態を説明するための2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を示し、(a)は2重渦巻き2段式のスパイラル状接触子を示す概略図、(b)(c)(d)は、(a)に示すD―D線の断面図である。
【図9】従来の2重渦巻きスパイラル状接触子の概略を示す概略図である。
【図10】従来の2重渦巻きスパイラル状接触子の製造工程を示す工程図である。
【図11】従来の2重渦巻きスパイラル状接触子の製造工程を示す工程図である。
【符号の説明】
【0059】
11 スパイラルコンタクタ
12、22 スパイラル状接触子
12a、22a 先端
12b、22b 根元
12c、22c 渦巻き部
12d 突起
14、24 Cu箔
15、25 フォトレジスト
16、16´、26、26´ フォトマスク
17 金属メッキ
28 実装基板
19、29 ペースト
30 凸形工具
41、41´ 接続端子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
根元から先端中心に向かって渦巻状に形成され、前記渦巻状の中心に先端を有する凸形のスパイラル状接触子において、前記中心を同一として互いに併行して渦巻状に配設された2個の前記スパイラル状接触子が先端で合流して一体とした2重渦巻きスパイラル状接触子を、前記根元を接合して上下2段に重ね合わせたことを特徴とするスパイラルコンタクタ。
【請求項2】
前記下段のスパイラル状接触子の幅は、前記上段のスパイラル状接触子の幅より狭いことを特徴とする請求項1に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項3】
前記下段のスパイラル状接触子の厚さは、前記上段のスパイラル状接触子の厚さより薄いことを特徴とする請求項1に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項4】
前記スパイラル状接触子の根元を互いに180°対向した位置に配置して、前記根元から渦巻きの中心に向けて立ち上がり、前記渦巻きの中心で互いに合流する先端を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項5】
前記上段のスパイラル状接触子の先端の位置に、上方へ向けて設けられた少なくとも1本の柱を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項6】
前記柱の側面には、前記柱の底面に対してテーパーが形成されていることを特徴とする請求項5に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項7】
前記テーパーは、前記底面に対して鋭角を形成していることを特徴とする請求項5に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項8】
前記テーパーは、前記底面に対して鈍角を形成していることを特徴とする請求項5に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項9】
前記柱の上面周縁には、Rが形成されていることを特徴とする請求項5に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項10】
前記Rが前記柱の半径と同一サイズであることを特徴とする請求項9に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項11】
前記柱の上面には、窪みが形成されていることを特徴とする請求項5に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項12】
前記柱は、円柱であることを特徴とする請求項5に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項13】
前記柱は、角柱であることを特徴とする請求項5に記載のスパイラルコンタクタ。
【請求項14】
根元から先端中心に向かって渦巻状に形成され、前記渦巻状の中心に先端を有する凸形のスパイラル状接触子を備え、前記中心を同一として互いに併行して渦巻状に配設された2個の前記スパイラル状接触子が先端で合流して一体とした2重渦巻きスパイラル状接触子を、前記根元を接合して上下2段に重ね合わせたスパイラルコンタクタの製造方法であって、
Cu箔を用意し、前記Cu箔の表面にフォトレジストを貼付もしくは塗布し、その上方から前記スパイラル状接触子のパターンを有するフォトマスクを被せ、このフォトマスクの上方から光を照射して露光する第2工程と、
前記フォトマスクのパターンを形成するように前記フォトレジストを現像する第3工程と、
さらに上方から前記Cu箔の露出面に金属メッキを施し、前記スパイラル状接触子を成形する第4工程と、
前記フォトレジストを除去する第5工程と、
前記Cu箔の裏面にフォトレジストを貼付もしくは塗布し、穴を開けるためのフォトマスクを被せ、このフォトマスクに光を照射して露光・現像する第6工程と、
アニールフォーミングする第13工程と、
前記スパイラル状接触子を上下2段に重ね合わせ、前記根元を接合する第15工程と、
実装基板上のランドに前記スパイラル状接触子を固着する第16工程と、
を含むことを特徴とするスパイラルコンタクタの製造方法。
【請求項15】
前記上段のスパイラル状接触子の製造方法において、前記第2工程の前に、前記Cu箔の表面に少なくとも1つの凹部を、前記スパイラル状接触子の先端の位置に形成する第1工程を含むことを特徴とする請求項14に記載のスパイラルコンタクタの製造方法。
【請求項16】
前記第15工程において、前記根元をスポット溶接で接合することを特徴とする請求項14に記載のスパイラルコンタクタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−40373(P2010−40373A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202983(P2008−202983)
【出願日】平成20年8月6日(2008.8.6)
【出願人】(501348955)株式会社アドバンストシステムズジャパン (56)
【Fターム(参考)】