説明

スパッタリング装置

【課題】傾斜したマルチカソードの各々でスパッタされた中性原子を用いることでウェハー表面のパターン化された孔または溝でより良い側壁および底部のカバレッジを形成できるスパッタリング装置を提供する。
【解決手段】ウェハーホルダ12がその中心軸周りに回転するようにされて底壁に設けられ、かつウェハーホルダ上に配置されたウェハーに対して少なくとも2つの傾斜されたカソード11a〜11dが上壁に設けられる反応容器10を備え、カソードの各々はrf発生器から整合回路を介してrf電流が供給され、ガス導入部とガス排出部を含む圧力制御機構を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスパッタリング装置に関し、特に、同じ反応容器の内部で2つまたはそれ以上のカソードが配置され、それらを用いてスパッタによる成膜を行うプラズマ支援スパッタ成膜装置であり、この装置ではターゲットからのスパッタ原子がプラズマ領域内でイオン化され、自己バイアス電圧によってウェハーの表面上に対し加速され、サブミクロンの大きさにおける孔またはトレンチを有するウェハーの表面に堆積する。
【背景技術】
【0002】
マグネトロンスパッタリング装置は、半導体産業で使用される基板またはウェハーの上に薄膜を堆積するため、広く応用されている。ウェハー、例えばシリコンウェハーの上に膜を堆積することにおいて、主要条件の1つは膜の均一性である。より高い均一性をもって膜を堆積するため、マルチカソードスパッタリング装置が発明され、用いられている。しかしながら、この装置は、パターンを有するウェハーの上、例えばミクロンの大きさの深い孔や溝を有する表面の上に膜を堆積する際、厳しい問題を持っている。この問題を図8〜図11を参照して詳細に説明する。
【0003】
図8は従来のマルチカソードスパッタリング装置の縦断面図を示し、他方、図9は所定配置の仕方で配置されたいくつかのカソードを備える上壁を内側から見た図を示す。ウェハー処理チャンバとして使用される反応容器100は,マルチカソード101a〜101d、ウェハーホルダ102、ガス導入部103およびガス排出部104から構成されている。図8において、例えば、カソードの数は4つであり、そしてこれらの4つのカソード101a,101b,101cおよび101dは、傾斜状態で設けられている。各カソード101a〜101dは例えばAl,Ti,Ta等の金属で作られている。これらのカソードはスパッタされ、ウェハーホルダ102の上に搭載されたウェハー112上に膜を堆積させる。カソード101a〜101dは誘電体物質105を用いて反応容器100から電気的に絶縁されている。一般的に、各カソードの上面には、或る特別な配置を有する複数のマグネット106が配置されている。さらに各カソード上に設けられたマグネット106は、回転機構(図示されず)によって、関連するカソード101の中心よりずれた軸または中心軸の周りに回転させられる。各カソード101はDC電力源(図示されず)に接続されている。
【0004】
ウェハーホルダは金属電極108、誘電体物質109、側壁110、およびシャフト111から構成されている。ウェハー112は図8に示されるごとく金属電極108の上に水平に配置されている。シャフト111は電気的モータ(図示されず)に連結されており、これによってウェハーホルダ102をその中心軸102aの周りに回転させる。
【0005】
1つまたはいくつかのカソード101a〜101dに電力を与えながら、他方で反応容器100の内部圧力を適切な圧力に維持することによって、プラズマが反応容器100の内部に作られる。カソード101a〜101dのより高い負電圧のために、プラズマ中のイオンは加速されカソードに向かいスパッタリングが行われる。これらのスパッタされた原子はその後プラズマを通って移動し、ウェハー112の上、およびプラズマが接触しない他の表面領域の上に堆積する。
【0006】
傾斜したカソード101a〜101dの各々から水平なウェハー112に向かって到来するスパッタ原子の流れはウェハー112の表面上で径方向に均一ではない。カソード101aからの仮想的なスパッタ原子の流れは、図10で例えば矢印113によって示されている。ウェハーの表面上で均一な薄膜を得るため、ウェハーホルダ102は、前述したごとくその中心軸の周りに回転させられる。これが均一な膜という結果をもたらす。
【0007】
カソードからのスパッタ原子は中性の状態にある。スパッタリングに関しては非常に低い圧力、例えば10mTorr(1.3Pa)よりも低い圧力が用いられているので、スパッタ原子はウェハー表面上に堆積する前に気相中で僅かな回数の衝突を受けることになる。たとえプラズマ中に衝突によってスパッタ原子をイオン化できるAr+およびAr*励起状態原子があるとしても、スパッタ原子はより少ない数の気相衝突によってイオン化されることは少ないように思われる。従って、ウェハー表面上での堆積の大部分は中性原子によって起きる。
【0008】
中性原子による膜堆積は当該膜が平板状の表面上に堆積する場合には有用である。しかしながら、孔または溝(トレンチ)があるとき、特にサブミクロンの大きさでそのようなものがあるとき、中性原子による膜堆積は制限を受けることになる。このことは図10および図11を参照して説明される。スパッタ原子はウェハーの表面に対し角度を持って到来するので、孔または溝115の内部に堆積する膜114の大部分は、図10で概略的に示されるように、原子の流れに対面する壁の部分に起きる。このことは図11に示すごとく孔または溝115の側壁上に非対称の膜堆積をもたらすという結果になる。さらに孔の直径または溝の幅がサブミクロンの大きさであってより高いアスペクト比を有する場合、膜は孔または溝115の底に向かってだんだんと薄くなる。何故ならば、ほんのわずかな原子のみが孔または溝115の底に到達するからである。このことは孔または溝の側壁上の膜を不連続にさせる原因となる。それ故に、前述したスパッタリング装置をパターンを有するウェハーに応用することは制限を受ける。
【0009】
下記の特許文献1はマルチカソードスパッタウェハー処理チャンバの一例を開示している。マルチカソードスパッタウェハー処理チャンバは天井部分において傾斜された4つのカソードを有している。要求される磁気多層膜は4つのカソードの各々を適宜にスパッタすることによってウェハーホルダ上に搭載されたウェハーに膜を堆積する。
【0010】
【特許文献1】特開2002−167661
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の課題は、スパッタリングによって傾斜カソードまたはターゲットで発生する中性原子を用いてウェハー表面に作られた孔または溝の内側表面に全体として均一な膜を堆積させることである。さらにウェハーがより高いアスペクト比を有するパターン化された深い孔または溝を有するときに、スパッタされた中性原子を用いることで開口部の入口から底に至るまで良好なカバレッジ(被覆率)を有する膜を堆積させることである。
【0012】
本発明の目的は、傾斜したマルチカソードの各々でスパッタされた中性原子を用いることでウェハー表面のパターン化された孔または溝でより良い側壁および底部のカバレッジを形成できるスパッタリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るスパッタリング装置は、上記の目的を達成するため、次のように構成される。
【0014】
第1のスパッタリング装置は、反応容器と、
前記反応容器内に設置した回転可能なウェハーホルダーと、
前記反応容器内に設置した複数のカソードであって、前記ウェハーホルダーに対し、傾斜したカソードと、
前記カソードに接続した第1RF発生器と、
前記第1RF発生器と前記カソードとの間に直列接続させて設置した整合回路と、
ガス導入部とガス排出部を含む圧力制御機構と、
前記ウェハーホルダー内に設けられた下部電極と、
を備え、前記反応容器内にプラズマを発生するように為したイオン化物理的気相成膜装置であって、
前記下部電極は、前記プラズマの電位に対する該下部電極の電位を負バイアス電位となす第2RF発生器に接続され、前記圧力制御機構は、前記反応容器内の内部圧力を5Pa(パスカル)より高い圧力に制御し、前記プラズマが前記第1RF発生器のRF電力の容量的結合によって生成されるとき、選択されたカソードの上に負の自己バイアス電圧が生成し、前記カソードから放出されたスパッタ原子をイオン化し、前記負バイアス電位により加速するように為した、ことを特徴とする。
【0015】
第2のスパッタリング装置は、上記の構成において、前記カソードは、前記第1RF発生器と、さらに、DC電流源とに接続されている、ことを特徴とする。
【0016】
第3のスパッタリング装置は、上記の構成において、前記カソードは、High−k誘電体材料をターゲットとして備えている、ことを特徴とする。
【0017】
第4のスパッタリング装置は、上記の構成において、前記High−k誘電体材料は、HfSiONであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るスパッタリング装置によれば、より高いアスペクト比を有するパターン化された孔または溝を有するウェハーに、より良い側壁カバリッジおよび底部カバレッジの状態で膜を堆積することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、添付した図面に従って好ましい実施形態が説明される。実施形態の説明を通して、本発明の詳細は明らかにされる。
【0020】
[実施形態1]
図1から図4に従って本発明の第1の実施形態が説明される。マルチカソードスパッタ成膜反応容器10の縦断面図が図1に示される。マルチカソードの配列の下面図は図2に示される。反応容器10は側壁10a、上壁10b、および底壁10cによって形成され、機密構造を有している。さらに反応容器10はターゲットとして用いられる2つまたはいくつかのカソード(例えば4つのカソード11a,11b,11c,11d)と、ウェハーホルダ12と、ウェハーホルダ12の中に組み込まれた部分である下部電極15と、反応容器10のその他の部分からカソードと下部電極15を電気的に絶縁するための絶縁物質13,14を備えている。カソードの数は好ましくは4つである。4つのカソード11a〜11dは反応容器10の上壁の内面に絶縁物質13を介して傾斜状態で固定されている。4つのカソード11a〜11dは上壁の円形外縁に沿って等しい間隔で配置されている。
【0021】
反応容器10の内部には、反応容器10内に単体のガスまたは混合体のガスを導入するための複数のガス導入部16およびガス排出部17がある。ガス導入部16はガス供給装置(図示されず)に接続されており、かつガス排出部17は真空ポンプ(図示されず)に接続されている。こうして、反応容器10は、ガス導入部16およびガス排出部17等を含んで成る圧力制御機構を有しており、これは内部圧力を所望の圧力に制御するためのものである。
【0022】
4つのカソード11a〜11dは、下部電極15に平行な、上壁10bの中央部分に傾斜をつけて設けられている。カソードの直径は重要な事項ではなく、反応容器10の他の寸法に従って選択される。例えば、もし反応容器10が直径300mmのウェハーを処理するように設計されているならば、カソード11a〜11dの直径は200〜400mmの範囲にある。
【0023】
カソードの材質またはターゲットの材質は、通常、Al,Ti,Ta,Mn等のごとき金属である。さらにターゲットとして半導体または誘電体の材料でさえ用いることもできる。誘電体材料によって作られたターゲットは、例えば、SiO2,SiN,HfONまたはHfSiONのごときhigh−k誘電体材料である。すべてのカソード11a〜11dは同じ材料で作られるか、または異なる材料によって作られる。
【0024】
カソード11a〜11dの各々の外側表面の上でどのようなマグネット配列を設けてもよいし、設けなくてもよい。図1において、各カソードの外側表面上に設けられた複数の分離したマグネット18が示されている。通常、これらのマグネット配列は、カソードにおけるずれた軸で、または中央軸で回転させられる。マグネット18に関してはいかなる特別の配列もない。マグネット配列の構成はターゲット利用上の効率および膜の均一性を考慮することによって選択することができる。
【0025】
各カソード(11a〜11d)は整合回路20を介してrf発生器19に接続されている。rf発生器19の周波数は重要なことではなく、10〜300MHzの範囲である。さらに、カソード11a〜11dのすべては、同じ周波数でまたは異なる周波数で動作するrf電流を与えてもよい。
【0026】
ウェハーホルダ12は反応容器10の底壁の上に設けられ、最も近いカソードの下側で少なくとも50mmの距離にて配置されている。ウェハーホルダ12はシャフト21に固定されており、このシャフト21は電気モータ(図示せず)を用いることによって回転するようになっている。下部電極15は、通常、Alのごとき金属で作られており、整合回路23を経由してrf発生器22に接続されている。しかしながら、rf発生器22から下部電極15へのrf電力の応用はこの発明の目的にとって本質的なことではない。もしrf電流が下部電極15に与えられるならば、rf電流の周波数は重要な事項ではなく、100KHz〜50MHzの範囲にある。膜が堆積されるウェハー24は下部電極15の上に搭載されている。
【0027】
次に上記のマルチカソードスパッタ成膜装置の作用が説明される。第1に、プロセスガス、通常ではArが、ガス導入部16を通じて反応容器10の中に供給される。反応容器10の内部の圧力は5Pa(パスカル)よりもより高く維持される。反応容器10において、プラズマは、1つの選択されたカソードまたはいくつかの選択されたカソードにrf電流を与えることによって生成される。rf電流は、通常、スパッタされるべき必要のある選択されたカソードに与えられる。従って、もし2つの異なる材質が同時にスパッタされることが必要であるならば、rf電流は同時に両方のカソードに与えられる。
【0028】
プラズマがrf電力の容量的結合によって生成されるとき、選択されたカソードの上に負の自己バイアス電圧が生成される。適用されたrf電力に依存してrf電流の周波数および圧力自己バイアス電圧の値は変化する。この負の自己バイアス電圧はカソード(11a〜11d)の表面の上にDC電界を生成し、このDC電界はプラズマにおけるイオン、例えばAr+イオンを加速する。カソード表面における高エネルギイオンの衝突はカソード材料をスパッタリングし、そのスパッタ物をプラズマ中にもたらす原因となる。
【0029】
カソードから放出されるスパッタ原子は中性の状態にある。採用されたより高い圧力のために、これらのスパッタ原子はウェハー24の上または反応容器10の内部の他の表面に堆積する前に非常に多くの衝突を受けることになる。Ar+イオンおよびAr*励起状態との衝突はスパッタ原子のイオン化という結果をもたらす。従ってスパッタ原子の一部は気相中でイオン化する。スパッタ原子のイオン化された部分は、カソード(11a〜11d)とウェハー24の間の距離、圧力、そして反応容器10内のプラズマ密度に依存している。
【0030】
もし下部電極15にrf電流が与えられるのであるならば、負の自己バイアス電圧はウェハー24の表面に生成される。この負の自己バイアス電圧はイオン化されたスパッタ原子をウェハーの表面に加速するDC電界を発生する。
【0031】
下部電極15がrf電流を与えられずかつ同様にまた接地に接続されていないならば、ウェハー24は電気的に浮遊の状態にある。この状態において、ウェハーの電圧は浮遊電圧(Vf)として与えられる。この浮遊電圧(Vf)は常にプラズマの電圧(Vp)よりも低い。それ故にVp−Vfによって定義される電圧差(電界)が存在する。この電圧差はウェハー24に向かって電界を発生する。この電界はプラズマ中のイオン化されたスパッタ原子をウェハーの表面に向かって加速する。それ故にイオン化されたスパッタ原子はほとんどウェハーの表面に垂直に到達する。
【0032】
前述した現象は概略的に図3において示される。図3で、ウェハー24の表面の近くの点線25はカソード11aからの原子またはイオンの流れ(flux)の半径方向の輪郭形状を示し、領域26はプラズマを示す。さらに上記の電界(E)は電圧差(Vp−Vf)に基づいて矢印で示されるごとくウェハー24の表面に向かって生成される。プラズマ26において、カソード11aから放出されたスパッタ原子は通路27によって示されるごとく移動する。スパッタ原子の移動進路27に従ってイオン化されたスパッタ原子はウェハー表面に加速され、ほとんどウェハーの表面に垂直に到達する。こうして当該作用は図4に示されるごとくウェハー24における孔や溝29において均一な側壁カバレッジおよびより良好なボトムカバレッジという結果をもたらす。
【0033】
しかしながら、イオン化された原子または中性の原子の流れはウェハー表面において均一ではない。それは図3の線25によって示されるごとく高度に非対称的なパターンである。線15はカソード11aに関しての原子またはイオン化された原子の流れの密度を表している。しかしながら、図1に示されるごとくウェハー24はその中心軸24aの周りに回転されているので、結果として得られる膜は良好な均一性を示す。
【0034】
次に、上述したrf発生器19の代わりに、カソード11a〜11dにDC電圧を供給するためのDC電源を用いることもできる。カソードにDC電圧を与える目的はカソードの負の電圧を増大させることによってカソードまたはターゲットのスパッタ速度を増加させることである。加えて、rf発生器またはDC電源の使用はカソードの材料に依存して決定されてもよい。
【0035】
第1の実施形態によれば、その効果は、ウェハー表面における孔または溝におけるより良い側壁カバレッジおよび底カバレッジを与えることである。
【0036】
[実施形態2]
図5および図6に従って本発明の第2の実施形態が説明される。第2の実施形態において、図5および図6は、それぞれ、図1および図2に対応する。第1実施形態のマルチカソードスパッタ成膜装置に比較して、第2実施形態の装置では、下部電極15に平行な中央カソード11eが追加されている。中央電極11eは、前述した傾斜カソード11a〜11dと実質的に同じ構造を有しており、同じ機能を有している。中央カソードの直径または大きさは傾斜カソードのそれと同じである必要は必ずしもない。中央カソードとこれに関連する構成に関する上記付加を除いて、他のハードウェアのすべては第1実施形態で説明されたものと同じである。それ故に、図5および図6において、第1実施形態で説明された要素と実質的に同じ要素は同じ参照番号が付されている。第2実施形態において得られる動作の方法および利点は、同様にまた、第1実施形態で説明されたものと同じである。
【0037】
[実施形態3]
図7に従って本発明の第3実施形態が説明される。図7は、第2実施形態の図5に対応している。ここにおいて唯一の違いは、第2実施形態と比較すると、各カソード11a〜11eがrf電力供給部に加えてDC電力供給部31に接続されていることである。それ故に、動作の間、1つまたはすべてのカソードにrf電力に加えてDC電力が与えられる。カソードへの付加的なDC電力の応用は、その負の電圧の増加をもたらす。これはカソード11a〜11eのスパッタ速度を増加させる。DC電源31を上記のごとく追加すること以外、すべてのハードウェアは、第1または第2の実施形態で説明されたものと同じである。それ故に、図7において、第1または第2の実施形態で説明された要素と実質的に同一な要素には同じ参照番号が付されている。得られる動作の方法および利点は同様にまた第1または第2の実施形態において述べられたそれらと同じである。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明はPVDスパッタリング装置において傾斜されたマルチカソードの各々においてスパッタされた中性原子を用いることでウェハーの表面でのパターン化された深い孔または溝の側壁および底部のより良いカバレッジを形成するのに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】この図は、本発明の第1実施形態の装置の縦断面図である。
【図2】この図は、図1で示された反応容器におけるカソード配列を示す下面図である。
【図3】この図は、カソードからウェハー表面へのスパッタされた原子の進路を示す説明図である。
【図4】この図は、ウェハー表面での孔または溝における仮想的な側部および底部のカバレッジを示す縦断面図である。
【図5】この図は、本発明の第2実施形態の装置の縦断面図である。
【図6】この図は、図5で示した反応容器でのカソード配列の底面図である。
【図7】この図は、本発明の第3実施形態の装置の縦断面図である。
【図8】この図は、従来装置の縦断面図である。
【図9】この図は、図8に示した反応容器でのカソード配列の底面図である。
【図10】この図は、スパッタ原子の流れの方向を示す説明図である。
【図11】この図は、図8で示された反応容器を用いた薄膜成膜の後の孔または溝の縦断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応容器と、
前記反応容器内に設置した回転可能なウェハーホルダーと、
前記反応容器内に設置した複数のカソードであって、前記ウェハーホルダーに対し、傾斜したカソードと、
前記カソードに接続した第1RF発生器と、
前記第1RF発生器と前記カソードとの間に直列接続させて設置した整合回路と、
ガス導入部とガス排出部を含む圧力制御機構と、
前記ウェハーホルダー内に設けられた下部電極と、
を備え、前記反応容器内にプラズマを発生するように為したイオン化物理的気相成膜装置であって、
前記下部電極は、前記プラズマの電位に対する該下部電極の電位を負バイアス電位となす第2RF発生器に接続され、前記圧力制御機構は、前記反応容器内の内部圧力を5Pa(パスカル)より高い圧力に制御し、前記プラズマが前記第1RF発生器のRF電力の容量的結合によって生成されるとき、選択されたカソードの上に負の自己バイアス電圧が生成し、前記カソードから放出されたスパッタ原子をイオン化し、前記負バイアス電位により加速するように為した、ことを特徴とするスパッタリング装置。
【請求項2】
前記カソードは、前記第1RF発生器と、さらに、DC電流源とに接続されている、ことを特徴とする請求項1記載のスパッタリング装置。
【請求項3】
前記カソードは、High−k誘電体材料をターゲットとして備えている、ことを特徴とする請求項2記載のスパッタリング装置。
【請求項4】
前記High−k誘電体材料は、HfSiONであることを特徴とする請求項3記載のスパッタリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−133009(P2009−133009A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97(P2009−97)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【分割の表示】特願2003−332605(P2003−332605)の分割
【原出願日】平成15年9月25日(2003.9.25)
【出願人】(000227294)キヤノンアネルバ株式会社 (564)
【Fターム(参考)】