説明

スピロ−オキシインドール化合物のための合成方法

本発明は、ナトリウムチャネル媒介性疾患もしくは状態(例えば、疼痛)を処置および/もしくは予防するために有用な特定のスピロ−オキシインドール誘導体を調製するための方法に関する。本発明は、特定のスピロ−オキシインドール化合物を、単一の立体異性体もしくは単一の鏡像異性体またはこれらの混合物として、あるいはその薬学的に受容可能な塩として調製するための方法に関する。これら化合物は、ナトリウムチャネル媒介性疾患および状態(例えば、疼痛)を処置することにおいて有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本願は、米国特許法第119条(e)項の下、2009年10月14日に出願された米国仮特許出願第61/251,335号の利益を主張する。この米国仮特許出願の全体の内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、特定のスピロ−オキシインドール化合物ならびに上記化合物と関連する種々の中間体を調製するための改善された方法に関する。特に、本発明は、スピロ−オキシインドール化合物およびこれらの薬学的に受容可能な塩を調製する方法に関し、上記化合物は、ナトリウムチャネル媒介性疾患もしくは状態(例えば、疼痛)、ならびにナトリウムチャネルの媒介と関連する他の疾患および状態を処置するにあたって有用である。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
ナトリウムチャネルは、正常なおよび病的な状態を媒介するにおける多様なセットの役割(電位開口型ナトリウムチャネルが異常な神経活動および神経障害疼痛もしくは病的疼痛の生成において果たす長期に認識されている役割を含む)を果たす。外傷もしくは疾患後の末梢神経に対する損傷は、ナトリウムチャネル活性に対する変化および異常な求心性活動の発生(軸索切断した求心性神経からの異所性発射および感作されたインタクトな侵害受容器の自発的活動性を含む)を生じ得る。これら変化は、通常は特に害のない刺激に対する長期間続く異常な感覚過敏、すなわち異痛症を生じ得る。神経障害性疼痛の例としては、帯状疱疹後後神経痛、三叉神経痛、糖尿病性神経障害、慢性腰痛、幻肢痛、ならびに癌および化学療法から生じる疼痛、慢性骨盤痛、複合性局所疼痛症候群および関連する神経痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0004】
短時間の第1選択肢の(first−line)処置として、投薬法(例えば、ガバペンチン、およびより近年になって、プレガバリン)を使用することによって、神経障害性疼痛症候群を処置することにおいていくらかの進歩があった。しかし、神経障害性疼痛のための薬物療法は、一般に、成功が制限されており、一般に使用される疼痛軽減薬物(例えば、NSAIDSおよびオピエート)に対する応答がほとんどない。結論として、新規な処置様式を探索することが未だにかなり必要である。
【0005】
クリニックにおいて最小限の有害事象しかない強力で有効なナトリウムチャネルブロッカーの数は、制限されたままである。同様に、神経障害性疼痛および他のナトリウムチャネル関連神経学的状態を効率的に有害な副作用なく処置する、未だ満たされていない医学的必要性がある。
【0006】
特許文献1、特許文献2およびPCT公開特許出願PCT/US2010/040187は、特定のスピロ−オキシインドール化合物を開示する。これら化合物は、ナトリウムチャネル媒介性疾患(好ましくは、疼痛に関連する疾患、中枢神経状態(例えば、癲癇、不安、鬱病および双極性疾患);心血管状態(例えば、不整脈、心房細動および心室細動);神経筋状態(例えば、むずむず脚症候群);脳卒中(stroke)、神経外傷および多発性硬化症に対する神経保護;ならびにチャネロパシー(例えば、先端紅痛症および家族性結腸疼痛症候群)の処理に有用であるとそこで開示されている。これら化合物およびこれらを含む薬学的組成物を調製するための方法はまた、特許文献1、特許文献2およびPCT特許出願PCT/US2010/040187に開示されている。
【0007】
従って、特定のスピロ−オキシインドール化合物を調製するための改善された方法が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2006/110917号
【特許文献2】国際公開第2010/045251号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明は、特定のスピロ−オキシインドール化合物を、単一の立体異性体もしくは単一の鏡像異性体またはこれらの混合物として、あるいはその薬学的に受容可能な塩として調製するための方法に関する。これら化合物は、ナトリウムチャネル媒介性疾患および状態(例えば、疼痛)を処置することにおいて有用である。
【0010】
よって、一局面において、本発明は、式(I)の化合物:
【0011】
【化1】

【0012】
もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として調製するための方法に関し;
ここで上記方法は、式(8)の化合物:
【0013】
【化2】

【0014】
もしくはその薬学的に受容可能な塩を、式(9)の化合物:
【0015】
【化3】

【0016】
もしくはその薬学的に受容可能な塩で適切な条件下で処理して、上記式(I)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として提供する工程を包含する。
【0017】
別の局面において、本発明は、式(I−S)の化合物:
【0018】
【化4】

【0019】
もしくはその薬学的に受容可能な塩、および式(I−R)の化合物:
【0020】
【化5】

【0021】
もしくはその薬学的に受容可能な塩を調製する方法に関し、ここで上記方法は、式(I)の化合物:
【0022】
【化6】

【0023】
もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として;適切な条件下で分離して、式(I−S)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、および式(I−R)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を得る工程を包含する。
【0024】
別の局面において、本発明は、式(II)の化合物:
【0025】
【化7】

【0026】
もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として調製する方法に関し;
ここで上記方法は、式(15)の化合物:
【0027】
【化8】

【0028】
もしくはその薬学的に受容可能な塩を、式(16)の化合物:
【0029】
【化9】

【0030】
もしくはその薬学的に受容可能な塩で適切な条件下で処理して、上記式(II)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として得る工程を包含する。
【0031】
別の局面において、本発明は、式(II−S)の化合物:
【0032】
【化10】

【0033】
もしくはその薬学的に受容可能な塩、および式(II−R)の化合物:
【0034】
【化11】

【0035】
もしくはその薬学的に受容可能な塩を調製する方法に関し、ここで上記方法は、式(II)の化合物:
【0036】
【化12】

【0037】
もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として適切な条件下で分離して、式(II−S)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩、および式(II−R)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を得る工程を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0038】
(発明の詳細な説明)
(定義)
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、そうでないと特定されなければ、以下の用語は、以下に示される意味を有する:
「アミノ」とは、−NH置換基をいう。
【0039】
「シアノ」とは、−CN置換基をいう。
【0040】
「ヒドロキシル」とは、−OH置換基をいう。
【0041】
「イミノ」とは、=NH置換基をいう。
【0042】
「ニトロ」とは、−NO置換基をいう。
【0043】
「オキソ」とは、=O置換基をいう。
【0044】
「トリフルオロメチル」とは、−CF置換基をいう。
【0045】
「痛覚脱失」とは、通常は疼痛性である刺激に応じた疼痛が存在しないことをいう。
【0046】
「異痛症」とは、通常は特に害のない感覚(例えば、圧力もしくは軽く触れること)が、極めて疼痛性であると知覚する状態をいう。
【0047】
「安定な化合物」および「安定な構造」とは、反応混合物から有用な純度への単離、および効果的な治療剤への処方に耐えるに十分強い化合物を示すために意味される。
【0048】
「哺乳動物」とは、ヒト、ならびに家畜(例えば、実験動物および家庭でのペット)(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、およびウサギ)および非家畜(例えば、野生生物など)の両方を含む。
【0049】
「薬学的に受容可能な塩」とは、酸付加塩および塩基付加塩の両方を含む。
【0050】
「薬学的に受容可能な酸付加塩」とは、遊離塩基の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的に望ましくないもしくは別の点で望ましくないということではなく、そして無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられるが、これらに限定されない)および有機酸(例えば、酢酸、2,2−ジクロロ酢酸、アジピン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、4−アセトアミド安息香酸、樟脳酸、カンファー−10−スルホン酸、カプリン酸、カプロン酸、カプリル酸、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン−1,2−ジスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、2−オキソ−グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、ニコチン酸、オレイン酸、オロチン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピルビン酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、酒石酸、チオシアン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、ウンデシレン酸などが挙げられるが、これらに限定されない)で形成されるものに言及する。
【0051】
「薬学的に受容可能な塩基付加塩」とは、遊離酸の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的に望ましくないもしくは他の点で望ましくないということではない塩に言及する。これら塩は、上記遊離酸への無機塩基もしくは有機塩基の付加から調製される。無機塩基から得られる塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、鉄塩、亜鉛塩、銅塩、マンガン塩、アルミニウム塩などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、およびマグネシウム塩である。有機塩基から得られる塩としては、一級アミン、二級アミン、および三級アミン、天然に存在する置換されたアミンを含む置換されたアミン、環式アミンおよび塩基性イオン交換樹脂(例えば、アンモニア、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジエタノールアミン、エタノールアミン、デアノール、2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、ジクロロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカミン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、ベネタミン、ベンザチン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N−エチルピペラジン、ポリアミン樹脂など)の塩が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、字シクロヘキシルアミン、コリンおよびカフェインである。
【0052】
「処置する」もしくは「処置」とは、本明細書で使用される場合、上記目的の疾患もしくは状態を有する哺乳動物(好ましくは、ヒト)における上記目的の疾患もしくは状態の処置を網羅し、以下を含む:
(i)哺乳動物において、特に、このような哺乳動物が、上記状態に対する素因があるが、上記状態を有すると未だ診断されていない場合に、上記疾患もしくは状態が起こらないように予防すること;
(ii)上記疾患もしくは状態を阻害すること(すなわち、その発症を抑えること);
(iii)上記疾患もしくは状態を緩和すること(すなわち、上記疾患もしくは状態の退縮を引き起こすこと);または
(iv)上記疾患もしくは状態から生じる症状を緩和すること(すなわち、上記根底にある疾患もしくは状態に対処せずに、疼痛を緩和すること)。
【0053】
本明細書で使用される場合、用語「疾患」および「状態」とは、交換可能に使用されてもよいし、上記特定の疾患もしくは状態が既知の原因因子を有さない可能性があり(その結果、原因論が今までのところ機能しなかった)、従って、それが、疾患として未だ認識されておらず、望ましくない状態もしくは症候群としてのみ認識されているという点で異なっていてもよく、ここで多かれ少なかれ、特定のセットの症状が臨床医によって既に同定されている。
【0054】
本明細書で調製される化合物は、1個以上の不斉中心を含み得、従って、絶対的な立体化学の観点から、アミノ酸に関して、(R)−もしくは(S)−として、または(D)−もしくは(L)−として定義され得る鏡像異性体を生じ得る。本発明は、全てのこのような考えられる鏡像異性体、ならびにそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態を含むために意味される。光学的に活性な(+)異性体および(−)異性体、(R)−異性体および(S)−異性体、または(D)−異性体および(L)−異性体は、キラルシントンもしくはキラル試薬を使用して調製してもよいし、または標準的な技術(例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶化)を使用してもしくは本明細書で開示される技術によって分離されてもよい。個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来技術は、適切な光学的に純粋な前駆物質からのキラル合成または例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用する、上記ラセミ体(もしくは塩もしくは誘導体のラセミ体)の分離を含む。
【0055】
「立体異性体」とは、同じ結合によって結合されるが、交換可能でない異なる三次元構造を有する同じ原子から作られる化合物に言及する。本発明は、種々の立体異性体およびこれらの混合物を企図し、「鏡像異性体」を含み、鏡像異性体は、その分枝が互いに重ね合わせることのできない(nonsuperimposeable)鏡像である2種の立体異性体に言及する。
【0056】
化学命名プロトコルおよび本明細書で使用される構造模式図は、ACD/Name Version 9.07ソフトウェアプログラムを使用するI.U.P.A.C.命名システムの改変形態である。ここで本発明の化合物は、本明細書で中心コア構造(すなわち、上記2−オキシインドール構造)の誘導体として命名される。本明細書で使用される複雑な化学名に関して、置換基は、これが結合される基の前に示される。例えば、シクロプロピルエチルは、シクロプロピル置換基を有するエチル骨格を含む。化学構造模式図において、全ての結合は、いくつかの炭素原子を除いて同定され、これら炭素原子は、十分な水素原子に結合されて、結合価を完成することが想定される。
【0057】
従って、例えば、式(I)の化合物:
【0058】
【化13】

【0059】
は、本明細書において、1’−{[5−(トリフルオロメチル)−2−フリル]メチル}スピロ[フロ[2,3−f][1,3]ベンゾジオキソール−7,3’−インドール]−2’(1’H)−オンと称される。
【0060】
(本発明の実施形態)
発明の要旨において上記で記載される発明の種々の局面のうち、本明細書で開示される方法の特定の実施形態は、好ましい。
【0061】
発明の要旨において上記で記載されるように、式(I)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として調製するための方法のうち、一実施形態は、式(8)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む上記方法であり、ここで式(7)の化合物:
【0062】
【化14】

【0063】
もしくはその薬学的に受容可能な塩は、塩基で適切な条件下で処理されて、上記式(8)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する。
【0064】
この実施形態のうち、別の実施形態は、上記式(7)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む方法であり、ここで式(6)の化合物:
【0065】
【化15】

【0066】
もしくはその薬学的に受容可能な塩は、標準的な光延反応条件下で処理されて、式(5)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する。
【0067】
この実施形態のうち、別の実施形態は、上記式(6)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む方法であり、ここで式(5)の化合物:
【0068】
【化16】

【0069】
もしくはその薬学的に受容可能な塩は、アルデヒドで適切条件下で処理されて、上記式(6)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する。
【0070】
この実施形態のうち、別の実施形態は、上記式(5)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む方法であり、ここで式(4)の化合物:
【0071】
【化17】

【0072】
もしくはその薬学的に受容可能な塩は、適切な条件下で処理されて、上記式(5)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する。
【0073】
この実施形態のうち、この実施形態は、上記式(4)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む方法であり、ここで式(2)の化合物:
【0074】
【化18】

【0075】
もしくはその薬学的に受容可能な塩は、式(3)のグリニャール試薬:
【0076】
【化19】

【0077】
で適切な条件下で処理されて、中間生成物を形成し;次いで、上記中間生成物は、式(1)の化合物:
【0078】
【化20】

【0079】
もしくはその薬学的に受容可能な塩と適切な条件下で反応させられて、上記式(4)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する。
【0080】
発明の要旨において上記に記載されるように、式(II)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として調製するための方法のうち、一実施形態は、式(15)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む上記方法であり、ここで式(14)の化合物:
【0081】
【化21】

【0082】
もしくはその薬学的に受容可能な塩は、アルキル化剤で適切な条件下で処理されて、上記式(15)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する。
【0083】
この実施形態のうち、この実施形態は、上記式(14)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む方法であり、ここで式(13)の化合物:
【0084】
【化22】

【0085】
もしくはその薬学的に受容可能な塩は、適切な条件下で処理されて、上記式(14)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する。
【0086】
この実施形態のうち、この実施形態は、上記式(13)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む方法であり、ここで式(12)の化合物:
【0087】
【化23】

【0088】
は、式(3)のグリニャール試薬:
【0089】
【化24】

【0090】
と適切な条件下で反応させられて、中間生成物を形成し;次いで、上記中間生成物は、式(1)の化合物:
【0091】
【化25】

【0092】
もしくはその薬学的に受容可能な塩と適切な条件下で反応させられて、上記式(13)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する。
【0093】
この実施形態のうち、この実施形態は、上記式(12)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む方法であり、ここで式(11)の化合物:
【0094】
【化26】

【0095】
は、酸化剤で適切な条件下で処理されて、上記式(12)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する。
【0096】
この実施形態のうち、この実施形態は、上記式(11)の化合物の調製をさらに含む方法であり、ここで、式(10)の化合物:
【0097】
【化27】

【0098】
は、適切なアルキル化剤で適切な条件下で処理されて、上記式(11)の化合物を形成する。
【0099】
本発明の方法の具体的実施形態は、上記工程の各々に関する適切な条件を含め、本発明の方法において以下により詳細に記載される。
【0100】
(本発明の方法)
本発明の方法は、本明細書に記載されるように、式(I)および式(II)の化合物、ならびに上記式(I−S)、式(I−R)、式(II−S)および/もしくは式(II−R)の化合物、もしくはこれらの薬学的に受容可能な塩を調製するための方法に関する。
【0101】
一般に、出発成分は、Sigma Aldrich、Lancaster Synthesis,Inc.、Maybridge、Matrix Scientific、TCI、およびFluorochem USAなどのような供給元から得てもよいし、当業者に公知の出典(例えば、Smith,M.B. and J.March,Advanced Organic Chemistry: Reactions,Mechanisms,and Structure,5th edition(Wiley,December 2000)を参照のことのこと)に従って合成されてもよいし、本明細書で記載されるようにもしくはPCT公開特許出願WO 2006/110917、PCT公開特許出願WO 2010/45251およびPCT特許出願PCT/US2010/040187で開示される方法によって調製されてもよい。
【0102】
(式(I)、式(I−S)および式(I−R)の化合物の調製)
式(I)、式(I−S)および式(I−R)の化合物は、反応スキーム1において以下に記載されるように調製される:
【0103】
【化28】

式(1)、式(2)、式(3)および式(9)の化合物は、市販されているか、または当業者に公知の方法によって調製され得る。
【0104】
一般に、式(I)、式(I−S)および式(I−R)の化合物は、第1に式(2)の化合物と適切なグリニャール試薬(例えば、式(3)のもの)とを適切な条件下で(例えば、約−25℃〜約25℃の間の温度、好ましくは、約0℃において)反応させて、マグネシウムハライド中間生成物の形成を可能にすることによって、反応スキーム1において上記で開示される方法によって調製される。この中間生成物は、適切な条件(例えば、溶媒中で(好ましくは、テトラヒドロフランもしくはジクロロメタンが挙げられるが、これらに限定されない))下で式(1)のイサチン化合物のケト−カルボニル基での求核的付加を受けて、式(4)のオキシインドール化合物を得る。
【0105】
上記式(4)の化合物におけるオキシインドール環のC−3位でのヒドロキシル基の除去は、上記式(4)の化合物を、酸(例えば、トリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で、適切な条件(例えば、シラン試薬(例えば、トリエチルシラン)での処理)下で処理して、上記式(5)の化合物を得ることによって、達成される。上記ヒドロキシル基の除去はまた、上記式(4)の化合物を適切な条件(例えば、SOCl/NEtでの処理、続いて、得られた中間体をZn粉で還元)下で処理して、上記式(5)の化合物を得ることによって達成される。あるいは、上記除去は、上記式(4)の化合物をヨウ化水素酸で処理して、上記式(5)の化合物を得ることによって達成され得る。
【0106】
上記式(5)の化合物は、次いで、適切な条件(例えば、塩基(好ましくは、ジイソプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、水酸化リチウムもしくは水酸化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない)での処理、続いて、ホルムアルデヒドもしくはパラホルムアルデヒドとの反応)下で処理されて、式(6)の上記ヒドロキシメチル中間体化合物を得る。
【0107】
上記式(7)の化合物を得るための上記式(6)の化合物の分子内環化は、上記式(6)の化合物を、標準的な光延反応条件(例えば、溶媒(好ましくは、テトラヒドロフラン、ジクロロメタンもしくは酢酸エチルが挙げられるが、これらに限定されない)中での、ホスフィン試薬(好ましくは、トリフェニルホスフィンもしくはトリブチルホスフィンが挙げられるが、これらに限定されない)、およびアゾ試薬(好ましくは、ジエチルアゾジカルボキシレート、ジイソプロピルアゾ時カルボキシレート、ジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレートもしくはテトラメチルジアゼンジカルボキサミドが挙げられるが、これらに限定されない)の使用)に処理することによって達成される。得られた式(7)の化合物は、標準的な単離技術によって上記反応混合物から単離され得るか、もしくは上記反応混合物から単離されることなく次の工程において直接使用され得る。
【0108】
あるいは、分子内環化は、適切な溶媒(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドもしくはメチルエチルケトンが挙げられるが、これらに限定されない)中、塩基(例えば、炭酸セシウムが挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で、上記式(6)の化合物をビス−求電子剤(例えば、クロロヨードメタンが挙げられるが、これらに限定されない)で処理して、式(8)の化合物を得ることによって達成される。
【0109】
上記式(7)の化合物の窒素上のヒドロキシメチル基の除去は、適切な条件下で、上記式(7)の化合物を塩基(好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムもしくは水酸化アンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない)で処理して、式(8)の化合物を得ることによって達成され、次いで、上記式(8)の化合物は、標準的な単離技術によって、上記反応混合物から単離され得る。
【0110】
上記式(8)の化合物は、次いで、式(9)の求電子剤と適切な条件下で(例えば、溶媒(好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフランもしくはアセトンが挙げられるが、これらに限定されない)中、塩基(好ましくは、水素化ナトリウム、炭酸セシウムもしくは水酸化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で)反応させられて、上記式(I)の化合物を得る。上記式(I)の化合物は、標準的な単離技術によって上記反応混合物から単離され得る。
【0111】
上記式(I)の化合物は、上記(S)−鏡像異性体(すなわち、上記式(I−S)の化合物)およびその対応する(R)−鏡像異性体(すなわち、上記式(I−R)の化合物)へと、適切な条件下で、例えば、キラルクロマトグラフィーによる分離(例えば、擬似移動床式クロマトグラフィーもしくはキラルHPLCが挙げられるが、これらに限定されない)によって、分離され得る。
【0112】
(式(II)、式(II−S)および式(II−R)の化合物の調製)
式(II)、式(II−S)および式(II−R)の化合物は、反応スキーム2において以下に詳細に記載されるように調製される:
【0113】
【化29】

式(10)、式(11)、式(12)、式(1)、式(3)および式(16)の化合物は、市販されるか、または当業者に公知の方法によって調製され得る。
【0114】
一般に、式(II)、式(II−S)および式(II−R)の化合物は、最初に、溶媒(例えば、アセトンが挙げられるが、これらに限定されない)中の塩基(例えば、炭酸カリウムが挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で、式(10)のジヒドロキシアルデヒドを、適切なビス−アルキル化試薬(例えば、1,2−ジブロモエタンが挙げられるが、これらに限定されない)と加熱して、式(11)の化合物を提供することによって、反応スキーム2において上記で開示される方法によって調製される。
【0115】
式(12)の化合物は、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタンが挙げられるが、これらに限定されない)中の塩基(例えば、炭酸水素ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で、式(11)の化合物を、酸化剤(例えば、3−クロロペルオキシ安息香酸が挙げられるが、これらに限定されない)で処理し、続いて、水および塩基(例えば、水酸化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない)で処理して、式(12)の化合物を得ることによって、調製される。
【0116】
上記式(12)の化合物は、次いで、適切なグリニャール試薬(例えば、上記式(3)のグリニャール試薬が挙げられるが、これらに限定されない)で、適切な条件下で(例えば、約−25℃〜約25℃の間の温度で、好ましくは、約0℃で)処理されて、フェニルオキシマグネシウムハライド中間生成物を形成し、次いで、この中間生成物を、上記式(1)の化合物と適切な条件下で(例えば、極性非プロトン溶媒(好ましくは、ジクロロメタンもしくはテトラヒドロフランが挙げられるが、これらに限定されない)中で)反応させられて、上記式(13)のオキシインドール化合物を得る。
【0117】
上記式(13)のオキシインドール化合物のC−3位における上記ヒドロキシル基の除去は、上記式(13)の化合物を、適切な条件(例えば、酸(好ましくは、トリフルオロ酢酸が挙げられるが、これらに限定されない)の存在下での、シラン試薬(好ましくは、トリエチルシランが挙げられるが、これらに限定されない)での処理)下で処理して、上記式(14)の化合物を得ることによって、達成される。上記式(13)のオキシインドール化合物のC−3位における上記ヒドロキシル基の除去はまた、最初に、上記式(13)の化合物を、SOCl/NEtで処理して、次いで、得られた中間体をZn粉で還元して、上記式(14)の化合物を得ることによって、達成される。あるいは、上記除去は、上記式(13)の化合物をヨウ化水素酸で処理して、上記式(14)の化合物を得ることによって達成され得る。
【0118】
分子内環化は、上記式(14)の化合物をビス−アルキル化剤(好ましくは、クロロヨードメタンが挙げられるが、これらに限定されない)で、適切な条件下で(例えば、塩基(好ましくは、炭酸セシウムが挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で)処理して、上記式(15)の化合物を得ることによって達成され、上記式(15)の化合物は、標準的な単離技術によって上記反応混合物から単離される。
【0119】
上記式(15)の化合物は、次いで、式(16)の求電子剤と適切な条件下で(例えば、溶媒(好ましくは、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンもしくはアセトンが挙げられるが、これらに限定されない)中、塩基(好ましくは、水素化ナトリウム、炭酸セシウムもしくは水酸化ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない)の存在下で)反応させられて、上記式(II)の化合物を得、上記式(II)の化合物は、標準的な単離技術によって上記反応混合物から単離され得る。
【0120】
上記式(II)の化合物は、上記(S)−鏡像異性体(すなわち、上記式(II−S)の化合物)およびその対応する(R)−鏡像異性体(すなわち、上記式(II−R)の化合物)へと、適切なキラル定常相(例えば、ChiralPAK(登録商標)−ICが挙げられるが、これに限定されない)および適切な移動相(例えば、ジクロロメタン/アセトンが挙げられるが、これに限定されない)を使用する擬似移動床式クロマトグラフィーによって、クロマトグラフィーにより分離され得る。
【0121】
遊離塩基もしくは遊離酸の形態で存在し得る、調製されるような上記の化合物の全ては、適切な無機塩基もしくは無機酸または有機塩基もしくは有機酸での処理によって、それらの薬学的に受容可能な塩に変換され得る。上記で調製される化合物の塩は、標準的技術によって遊離塩基もしくは遊離酸の形態へと変換され得る。式(I)および式(II)の化合物の全ての同質異像、不定形形態、無水物、脱水物、水和物、溶媒和物および塩は、本発明の範囲内にあると意図されることが、理解される。さらに、酸もしくはエステル基を含む式(I)および式(II)の全ての化合物は、それぞれ、その対応するエステルもしくは酸へと、当業者に公知の方法もしくは本明細書に記載される方法によって、変換され得る。
【0122】
以下の具体的な合成による調製(出発物質および中間体の調製のため)および合成実施例(本発明の方法による式(I)および式(II)の化合物の調製のため)は、本発明の実施を補助するためのガイドとして提供され、本発明の範囲に対する限定として意図されない。1回以上のNMRが特定の化合物に対して行われる場合、各NMRは、単一の立体異性体、立体異性体の非ラセミ混合物または上記化合物の立体異性体のラセミ混合物を表し得る。
【0123】
(合成による調製1)
(3−ヒドロキシ−3−(6−ヒドロキシ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの合成)
式(4)の化合物:
【0124】
【化30】

【0125】
630L 反応器に、セサモール(42.6kg,299mol)を充填した。テトラヒドロフラン(400kg)を添加し、得られた溶液を、1℃へと42分間にわたって冷却した。イソピロピルマグネシウムクロリド(テトラヒドロフラン中の2M 溶液,173kg,337mol)を、その内部温度が0℃〜4℃の間に維持されるように2時間にわたって添加した。一旦添加が完了したら、上記内部温度を−5℃に低下させ、イサチン(37.9kg,250mol)を4回に分けて添加した。上記反応混合物を、2.75時間にわたって1〜3℃で攪拌した。1000L 反応器に、塩化アンモニウム(72kg)を充填し、続いて、脱イオン水(356kg)を充填した。上記混合物を、上記固体が完全に溶解するまで15℃において攪拌し、得られた溶液を、1℃へと1時間にわたって冷却した。上記630L 反応器の内容物を、内部温度が3〜4℃の間で保持されるように、上記1000L 反応器へと1時間かけて移した。上記630L 反応器をトルエン(133kg)ですすぎ、上記すすぎ溶液を、上記1000L 反応器に添加した。上記1000L 反応器の内容物を、20〜25℃へと29分間にわたって加温し、さらに15分にわたって攪拌した。上記攪拌をやめ、上記反応器の内容物を、25℃で15分間にわたって保持し、相分離させた。その水相を取り出し、脱イオン水(218kg)中の塩化ナトリウム(42kg)の溶液を、22〜24℃の内部温度で25分間にわたって添加した。上記攪拌をやめ、上記混合物を25℃で1時間にわたって保持し、相分離させた。その有機相を、0.5時間にわたって窒素で脱気し、トルエン(89kg)を添加した。300mbar真空を、上記反応器に適用し、上記反応器の外部温度を、50〜60℃に設定した。上記混合物の揮発性成分を、12時間の期間にわたって蒸留によって除去したところ、670Lの蒸留物が集まった。上記反応器の外部温度を20〜25℃に設定した。冷却したところ、橙色沈殿物が沈積した。トルエン(114kg)を添加し、その懸濁物を10分間にわたって攪拌した。その固体を濾過によって集め、tert−ブチルメチルエーテル(171kg)およびヘプタン(85kg)で洗浄し、55〜60℃において、170〜4mbarの減圧下で、10.5時間の期間にわたって乾燥させて、3−ヒドロキシ−3−(6−ヒドロキシ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(73.5kg,定量的収量)を薄桃色固体として得た:純度(300nmでのHPLC−UV) 99.3% a/a;
【0126】
【数1】

(合成による調製2)
(3−(6−ヒドロキシ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの合成)
式(5)の化合物:
【0127】
【化31】

【0128】
1600L 反応器に、3−ヒドロキシ−3−(6−ヒドロキシ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(113.1kg,396mol)を充填し、空気を抜いて窒素で満たした。トリフルオロ酢酸(679kg)を20分間にわたって2回に分けて添加し、その内部温度を、10℃へと1時間にわたって低下させた。トリエチルシラン(69.2kg,595mol)を2時間05分間にわたって、10〜11℃で添加し、上記混合物をさらに0.5時間にわたって10〜11℃で攪拌した。1000L 反応器に、ヘプタン(524kg)およびtert−ブチルメチルエーテル(63kg)を充填した。上記1000L 反応器の内容物を、上記1600L 反応器に、内部温度10〜11℃において13分間にわたって移した。その得られた黄色〜橙色の懸濁物を、23℃へと1時間にわたって加温した。上記固体を濾過によって集め、ヘプタン(464kg)で洗浄し、続いて、tert−ブチルメチルエーテル(57kg)で洗浄し、50℃において58〜7mbarの減圧下で、25時間の期間にわたって乾燥して、3−(6−ヒドロキシ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(82.8kg,75%)を灰白色固体として得た:純度(300nmでのHPLC−UV) 98.0% a/a;
【0129】
【数2】

(合成による調製3)
(3−(6−ヒドロキシ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの合成)
式(6)の化合物
【0130】
【化32】

【0131】
1000L 反応器に、3−(6−ヒドロキシ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(56.3kg,209mol)を充填し、続いて、パラホルムアルデヒド(25.4kg,847mol)および脱イオン水(285kg)を充填した。上記反応混合物を、内部温度5℃へと25分間にわたって冷却し、水酸化ナトリウム(113kg,847mol)の30重量%水溶液を、5℃において40分間にわたって添加した。上記反応混合物を、1時間にわたって5℃において拡販した。第2の1000L 反応器に、脱イオン水(260kg)および32% 塩酸(124kg)を充填した。上記第1の反応器の内容物を、上記第2の反応器の内容物に、1℃において80分間にわたって添加した。上記第1の反応器を、脱イオン水(35kg)ですすぎ、そのすすぎ溶液を、上記第2の反応器に移した。上記得られた懸濁物を、1℃において1時間にわたって攪拌し、上記固体を濾過によって集め、濃塩酸(11kg)および水(20kg)の混合物で洗浄し、55〜60℃において、50〜6mbarの減圧下で24時間の期間にわたって乾燥させて、3−(6−ヒドロキシ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(69.8kg,99%)を淡褐色固体として得た:純度(230nmでのHPLC−UV) 95.4% a/a;
【0132】
【数3】

(合成による調製4)
(スピロ[フロ[2,3−f][1,3]ベンゾジオキソール−7,3’−インドール]−2’(1’H)−オンの合成)
式(8)の化合物
【0133】
【化33】

【0134】
1000L 反応器に、3−(6−ヒドロキシ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(65.0kg,197mol)を充填し、続いて、」テトラヒドロフラン(586kg)を充填した。得られた溶液を、−4℃へと20分間にわたって冷却し、トリ−n−ブチルホスフィン(40.0kg,197mol)を6分間にわたって添加し、続いて、その内部温度を0℃未満に維持するように、テトラヒドロフラン(75kg)中のジイソプロピルアゾジカルボキシレート(44.8kg,197mol)の溶液を125分間分間にわたって添加した。上記反応混合物を、−3℃においてさらに25分間にわたって攪拌し、上記反応器の内容物を、2500L 反応器に移した。上記1000L 反応器を、テトラヒドロフラン(16kg)ですすぎ、上記すすぎ溶液を、上記2500L 反応器に添加した。水(118kg)中の25重量%アンモニア溶液を、−3〜−2℃において30分間にわたって添加した。上記反応混合物を、25℃へと1.25時間にわたって加温し、さらに2時間にわたって攪拌した。脱イオン水(650kg)および酢酸エチル(585kg)を添加し、上記混合物を、40℃へと40分間にわたって加温した。さらに15分間にわたって攪拌した後、上記攪拌をやめ、その相を1時間にわたって分離させた。その水相を除去し、脱イオン水(650kg)を添加した。上記混合物を、15分間にわたって40℃で攪拌した。上記攪拌をやめ、その相を、1時間にわたって分離させた。その水相を除去し、脱イオン水(325kg)を添加した。上記混合物を、減圧下で、内部温度21〜39℃および圧力382〜98mbarにおいて、950Lの蒸留物が4.5時間の期間にわたって集められるまで、蒸留によって部分的に濃縮した。メタノール(1600kg)を添加し、上記混合物を、60℃へと35分間にわたって加熱した。上記混合物を、減圧下で、内部温度32〜58℃および圧力530〜170mbarにおいて、1260Lの蒸留物が9.33時間の期間にわたって集められるまで、蒸留によって部分的に濃縮した。得られた懸濁物を、22℃へと2時間にわたって冷却し、さらに6時間にわたって攪拌した。その固体を濾過によって集め、メタノール(34kg)および脱イオン水(17kg)の混合物で洗浄し、55〜60℃において、50〜3mbarの減圧下で31時間の期間にわたって乾燥させて、35.8kgの褐色固体を得、これを、400L 反応器に移した。メタノール(163kg)を添加し、得られた懸濁物を、0.5時間にわたって攪拌した。上記混合物を35分間の期間にわたって還流するまで加熱し、さらに15分間にわたって還流下で加熱した。脱イオン水(33kg)を添加し、上記混合物を、155分間にわたって還流下で加熱した。上記懸濁物を熱い間に濾過し、上記濾過ケーキをメタノール(22kg)および脱イオン水(11kg)の混合物で洗浄し、55〜60℃において50〜4mbarの減圧下で、8時間の期間にわたって乾燥させて、スピロ[フロ[2,3−f][1,3]ベンゾジオキソール−7,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(30.44kg,49%)を淡褐色固体として得た:純度(230nmでのHPLC−UV) 89.4%;
【0135】
【数4】

(合成による調製5)
(2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−カルボアルデヒドの合成)
式(11)の化合物
【0136】
【化34】

【0137】
2000L 反応器に、アセトン(404.5kg)を充填し、続いて、炭酸カリウム(256kg,1852mol)および1,2−ジブロモエタン(241.5kg,1298mol)を充填した。上記混合物を、還流下で加熱した。500L 反応器に、アセトン(606kg)および3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド(128kg,926mol)を充填した。上記500L 反応器の内容物を、150〜180kg/時間の速度で上記2000L 反応器に添加し、その間に、上記反応温度を、50〜60℃に維持した。上記反応混合物を、54〜60℃において12時間にわたって攪拌し、20℃へと冷却し、500L Nutscheフィルタを通して濾過した。上記濾過ケーキをアセトンで洗浄した(2×202kg)。その濾液およびアセトン洗浄物を、2000L 反応器中で合わせ、その得られた溶液を、減圧下で<40℃の温度で乾燥するまで濃縮した。上記残渣に酢酸エチル(683kg)を添加し、得られた溶液を炭酸カリウム(256kg)の5重量%水溶液で洗浄した。上記混合物を0.5時間にわたって攪拌し、0.5時間にわたって沈澱させ、その水相を除去した。この洗浄手順を、合計で3回反復した。その有機相をドラムの中に一時的にとっておいた。2000L 反応器に、合わせた水性の洗浄物を充填し、続いて、酢酸エチル(113.9kg)を添加した。上記混合物を0.5時間にわたって攪拌し、0.5時間にわたって沈澱させ、その水相を除去した。上記ドラムからの有機相を上記反応器に添加し、続いて、塩化ナトリウム(192kg)の28重量% 水溶液を添加した。上記混合物を0.5時間にわたって攪拌し、0.5時間にわたって沈澱させ、その水相を除去した。上記有機相を、減圧下で<45℃の温度において、上記混合物の酢酸エチル含有量が10%未満になる(ガスクロマトグラフィーによって決定される場合)まで濃縮した。石油エーテル(268.8kg)を80〜90kg/時間の速度で上記残渣に添加し、その間に、上記混合物を35〜45℃の温度において維持した。上記混合物を5℃へと3時間にわたって冷却し、この温度をさらに1時間にわたって保持し、その間に、沈殿物を沈積させた。得られたスラリーを遠心分離フィルタを通して濾過し、乾燥させて、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−カルボアルデヒド(111.4kg,73%)を灰白色固体として得た:純度(230nmでのHPLC−UV) 99.3%。
【0138】
(合成による調製6)
(2,3−ジヒドロ−1,4−ヘンゾジオキシン−6−オールの合成)
式(12)の化合物
【0139】
【化35】

【0140】
2000L 反応器に、ジクロロメタン(1303.4kg)を充填し、続いて、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−カルボアルデヒド(98.0kg,597mol)を充填し、均質な溶液が得られるまで攪拌した。3−クロロペルオキシ安息香酸(144.3kg,836mol)を添加した。上記混合物を、8〜10℃/時間の速度で還流するまで加熱し、さらに6時間にわたって還流下で加熱し、20℃へと冷却した。得られた懸濁物を、500L Nutscheフィルタを通して濾過し、上記濾過ケーキを、ジクロロメタン(391kg)で洗浄した。その濾液および洗浄溶液を、2000L 反応器に添加した。炭酸水素ナトリウム(212.7kg)の7重量%水溶液を添加し、上記混合物を0.5時間にわたって攪拌した。上記攪拌をやめ、その相を、0.5時間にわたって分離させた。その水相を除去した。上記炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄手順を、合計で3回反復した。その有機相を乾燥するまで減圧下で<30℃の温度で濃縮した。メタノール(116.1kg)を添加し、得られた混合物を、0℃へと冷却した。水酸化ナトリウム(234.3kg)の15.5重量%水溶液を、上記混合物の温度が0〜10℃の間で維持されるように、30〜40kg/時間の速度で添加した。上記混合物を、この温度でさらに2.25時間にわたって攪拌し、上記混合物のpHを、上記混合物の温度が0〜10℃の間で維持されるように、4N 塩酸(266.5kg)を添加することによって6〜7へと調節した。上記混合物を周囲温度へと加温し、そして0.5時間にわたって攪拌し、上記攪拌をやめ、0.5時間にわたって相分離させることによって、メチルtert−ブチルエーテルで合計3回抽出した(各抽出につき145kg)。上記合わせた有機抽出物を、0.5時間にわたって攪拌し、上記攪拌をやめ、0.5時間にわたって相分離させ、その水相を除去することによって、炭酸水素ナトリウムの7%水溶液で合計3回洗浄した(各洗浄につき212.7kg)。次いで、その有機相を、0.5時間にわたって攪拌し、上記攪拌をやめ、0.5時間にわたって相分離させ、その水相を除去することによって、塩化ナトリウム(212.7kg)の30重量%水溶液で洗浄した。上記有機相を、減圧下で<45℃の温度で乾燥するまで濃縮した。テトラヒドロフラン(170kg)を添加し、得られた溶液を、減圧下で<45℃の温度で乾燥するまで濃縮した。さらに、テトラヒドロフラン(17.1kg)を添加し、得られた溶液を、減圧下で<45℃の温度で乾燥するまで濃縮した。テトラヒドロフラン(122.5kg)を添加して、テトラヒドロフラン中の2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−オール(86.3kg,95%)の赤褐色溶液を得た。これを、さらに精製せずに次に進めた:純度(220nmでのHPLC−UV) 95.7%。
【0141】
(合成による調製7)
(3−ヒドロキシ−3−(7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの合成)
式(13)の化合物
【0142】
【化36】

【0143】
1000L 反応器に、テトラヒドロフラン(296.8kg)を充填した。上記テトラヒドロフランを、1時間にわたって還流下で加熱し、周囲温度へと冷却した。マグネシウム(15.0kg,625mol)、ヨウ素(19.5g,触媒量)およびブロモエタン(147.0g,触媒量)を温度15〜30℃で添加した。得られた混合物を、50〜55℃において0.5時間時間にわたって加熱し、2−クロロプロパン(4.5kg,57mol)を添加し、続いて、テトラヒドロフラン(7.6kg,触媒量)中のイソピロピルマグネシウムクロリドの2M 溶液を添加した。2−クロロプロパン(39.2kg,500mol)を、上記反応混合物の温度を55〜70℃の間で維持するように、8〜10kg/時間の速度で添加した。上記反応混合物を、58〜68℃において3時間にわたって加熱し、周囲温度へと冷却し、さらに4時間にわたって攪拌した。2000L 反応器に、テトラヒドロフラン(122.5kg)中の2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−オール(86.3kg,567mol)の溶液を充填し、続いて、さらにテトラヒドロフラン(804.1kg)を充填した。得られた溶液を0℃へと冷却し、上記1000L 反応器の内容物を、上記反応混合物の温度が0〜5℃の間で維持されるように、上記2000L 反応器に30〜50kg/時間の速度で添加した。上記1000L 反応器を、テトラヒドロフランで3回すすぎ(各すすぎにつき5kg)、上記すすぎ溶液を、上記2000L 反応器に添加した。上記反応混合物を、7〜13℃において1時間にわたって攪拌し、−5℃へと冷却した。イサチン(69.5kg,472.5mol)を、0.5時間にわたって三等分して添加し、上記混合物を、0.5時間にわたって−5〜0℃において攪拌した。上記反応混合物を、50〜55℃において7.5時間にわたって加熱し、周囲温度へと冷却した。5000L 反応器に、水(576.9kg)および塩化アンモニウム(118.2kg)を充填した。得られた溶液を、0〜5℃へと冷却した。上記2000L 反応器の内容物を、上記混合物の温度が0〜5℃の間で維持されるように、上記5000L 反応器に300〜500kg/時間の速度で添加した。上記混合物を、15〜25℃において0.5時間にわたって攪拌し、上記攪拌をやめた。上記相を、1時間にわたって分離させ、その水相を除去した。塩化ナトリウム(69.6kg)の27重量%水溶液を添加し、上記混合物を0.5時間にわたって攪拌した。上記攪拌をやめ、その相を1時間にわたって分離させ、その水層を除去した。上記塩化ナトリウム水溶液洗浄手順を、合計2回反復した。上記有機相を2000L 反応器に移し、減圧下で温度45〜55℃において濃縮した。トルエン(302.3kg)を、90〜130kg/時間の速度において温度45〜50℃で上記残渣に添加した。得られた混合物を、15℃へと8〜10℃/時間の速度で冷却し、10〜15℃においてさらに1時間にわたって攪拌した。得られたスラリーを、遠心分離フィルタを通して濾過し、その濾過ケーキを水(69.5kg)で洗浄し、45〜50℃で乾燥させて、3−ヒドロキシ−3−(7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(130.8kg,93%)を灰白色固体として得た:純度(210nmでのHPLC−UV) 99.7%。
【0144】
(合成による調製8)
(3−(7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オンの合成)
式(14)の化合物
【0145】
【化37】

【0146】
2000L 反応器に、ジクロロメタン(489.4kg)を充填し、続いて、3−ヒドロキシ−3−(7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(92.0kg,307mol)を、23kg部分に4つに分けて1時間にわたって充填した。得られた溶液を周囲温度において1時間にわたって攪拌し、トリエチルシラン(107.2kg,921mol)を添加した。上記混合物を−5℃へと冷却し、トリフルオロ酢酸(105.1kg,921mol)を、上記反応混合物の温度を0℃未満に保持するように、25〜30kg/時間の速度で添加した。上記混合物を、−5〜0℃において2.5時間にわたって攪拌し、18〜20℃へと加温し、さらに6.5時間にわたって攪拌し、減圧下で温度<30℃において乾燥するまで濃縮した。メチルtert−ブチルエーテル(139.8kg)を、15〜20℃において上記残渣に添加し、上記混合物を、減圧下で<35℃の温度でほぼ乾燥するまで濃縮した。上記混合物を、遠心分離フィルタで濾過し、2000L 反応器に、上記濾過ケーキを充填し、続いて、メタノール(72.7kg)を充填した。上記混合物を、10〜15℃において0.5時間にわたって濾過紙、遠心分離フィルタで濾過した。上記濾過ケーキを、減圧下で40〜50℃において乾燥させて、3−(7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(68.0kg,78%)を無色固体として得た:純度(254nmでのHPLC−UV) 99.3%。
【0147】
(合成による調製9)
(2,3−ジヒドロスピロ[フロ[2,3−g][1,4]ベンゾジオキシン−8,3’−インドール]−2’(1’H)−オンの合成)
式(15)の化合物
【0148】
【化38】

【0149】
2000L ステンレス鋼晶出器に、N,N−ジメチルホルムアミド(113.7kg)およびテトラヒドロフラン(1070.9kg)を充填した。上記内容物を0〜5℃へと冷却し、3−(7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン(12.0kg,42.4mol)を添加し、続いて、炭酸セシウム(30.4kg,93.3mol)を添加した。N,N−ジメチルホルムアミド(16.9kg)中のクロロヨードメタン(9.4kg,53.7mol)の溶液を、上記反応混合物の温度が0〜5℃の間で維持されるように、39.5kg/時間の速度で添加した。上記反応混合物を、0〜5℃において2時間にわたって攪拌し、20〜25℃において18.5時間にわたって加熱した。上記混合物を濾過し、その濾過ケーキを、テトラヒドロフラン(26.4kg)中で懸濁し、再び濾過した。上記合わせた濾液を合わせ、容積110Lへと減圧下で<60℃の温度において濃縮した。上記混合物を20〜25℃へと冷却し、精製水(1200.8kg)を、343.1kg/時間の速度で添加した。上記混合物を0〜5℃へと冷却し、濾過した。上記濾過ケーキを、水(310.5kg)中に懸濁し、濾過し、上記水の含有量が、Karl−Fisher滴定によって10.6重量%になるまで<60℃の温度で乾燥させた。200L 反応器に、テトラヒドロフラン(98.0kg)を充填した。上記部分的に乾燥させた濾過ケーキ(約11.0kg)を、上記200L 反応器へと固体添加漏斗によって添加した。上記混合物を、還流下で4.5時間にわたって加熱し、10〜15℃へと冷却し、3.5時間にわたって10〜15℃において攪拌した。上記混合物を濾過し、上記濾過ケーキを冷(0〜5℃)テトラヒドロフランで洗浄し(2×10.7kg)、トレイドライヤー中、<55℃の温度において乾燥させて、2,3−ジヒドロスピロ[フロ[2,3−g][1,4]ベンゾジオキシン−8,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(6.88kg,63%)を淡黄色固体として得た:純度(210nmでのHPLC−UV) 98.3%; mp>250℃;
【0150】
【数5】

(合成実施例1)
(1’−{[5−(トリフルオロメチル)−2−フリル]メチル}スピロ[フロ[2,3−f][1,3]ベンゾジオキソール−7,3’−インドール]−2’(1’H)−オンの合成)
式(I)の化合物
【0151】
【化39】

【0152】
100L 反応器に、スピロ[フロ[2,3−f][1,3]ベンゾジオキソール−7,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(6.03kg,19.5mol)を充填し、続いて、炭酸セシウム(16.02kg,48.7mol)を充填した。アセトン(48.8kg)を添加し、得られた懸濁物を、還流するまで1時間にわたって加熱した。2−ブロモメチル−5−(トリフルオロメチル)フラン(4.92kg,21.2mol)を、上記反応混合物を還流したで維持すると同時に、2時間の期間にわたって添加漏斗によって添加した。上記反応混合物を、さらに2時間にわたって還流下で攪拌し、37Lの蒸留物が集められるまで上記アセトンを周囲圧で蒸留によって除去した。トルエン(48.8kg)を添加し、最初に周囲圧で、次いで、減圧下で、37Lの蒸留物が集められるまで上記蒸留を継続した。トルエン(36.9kg)を添加し、54〜55℃および圧力150〜180mbarにおいて、37Lの蒸留物が集められるまで上記蒸留を継続した。上記100L 反応器の内容物を25℃へと冷却し、トルエン(40.9kg)を添加した。上記100L 反応器の内容物を、200L 反応器へと移し、脱イオン水(48.8kg)を添加した。上記攪拌した混合物を39℃へと加温し、上記攪拌をやめ、その相を11時間にわたって分離させた。下側の相を除去し、残りのトルエン相を、18Lの蒸留物が集められるまで、55〜64℃において100mbarの減圧下での蒸留に供した。得られた溶液を、トルエンで総容積98Lへと希釈した。上記200L 反応器の内容物を、シリカゲル(20kg)およびトルエン(40kg)を充填したクロマトグラフィーカラムに通した。上記カラムを、10個の30kg画分が集められるまで、トルエンで溶出した。上記カラムをアセトン(100kg)で洗浄した。画分2〜10を、減圧下での蒸留を続けながら200L 反応器へと連続して移した。上記反応器の内容物を、トルエンで容積50Lへと調節し、上記溶液を79℃へと加熱した。ヘプタン(85kg)を15分間にわたって添加し、上記混合物を、10℃へと3時間の期間にわたって冷却した。結晶化は、内部温度56℃で開始した。上記固体を濾過によって集め、ヘプタン(10.2kg)およびトルエン(5.1kg)の混合物で洗浄し、45〜50℃において50mbarの減圧下で、15時間の期間にわたって乾燥させて、1’−{[5−(トリフルオロメチル)−2−フリル]メチル}スピロ[フロ[2,3−f][1,3]ベンゾジオキソール−7,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(6.08kg,73%)を無色の固体として得た:純度(230nmでのHPLC−UV) 99.6%;mp 139−141℃;
【0153】
【数6】

(合成実施例2)
(キラルHPLCによる式(I)の化合物の分離)
上記式(I)の化合物を、上記式(I−S)の化合物および上記式(I−R)の化合物へと、キラルHPLCによって以下の条件下で分離した:
カラム:Chiralcel(登録商標) OJ−RH;20mm 内径 ×250mm,5ミクロン;Lot: OJRH CJ−EH001(Daicel Chemical Industries,Ltd)
溶出液:アセトニトリル/水(60/40,v/v,均一濃度)
流速:10mL/分
稼働時間:60分
装填:1mLのアセトニトリル中に100mgの式(I)の化合物
温度:周囲
上記のキラルHPLC条件下で、上記式(I−R)の化合物、すなわち、(R)−1’−{[5−(トリフルオロメチル)フラン−2−イル]メチル}スピロ[フロ[2,3−f][1,3]−ベンゾジオキソール−7,3’−インドール]−2’(1’H)−オンを、第1の画分として白色固体として単離した;ee(鏡像異性体過剰)>99%(分析OJ−RH,水中に55% アセトニトリル); mp 103−105℃;
【0154】
【数7】

。上記式(I−S)の化合物、すなわち、(S)−1’−{[5−(トリフルオロメチル)フラン−2−イル]メチル}スピロ−[フロ[2,3−f][1,3]ベンゾジオキソール−7,3’−インドール]−2’(1’H)−オンを、第2の画分として白色固体として単離した;ee>99%(分析OJ−RH,水中に55% アセトニトリル); mp 100−102℃;
【0155】
【数8】

(合成実施例3)
(式(I)の化合物のSMBクロマトグラフィーによる分離)
上記式(I)の化合物を、上記式(I−S)の化合物および上記式(I−R)の化合物へと、SMBクロマトグラフィーによって以下の条件下で分離した:
抽出:147.05mL/分
ラフィネート:86.13mL/分
溶出液:183.18mL/分
供給:50mL/分
再循環:407.88mL/分
稼働時間:0.57分
温度:25℃
圧力:55bar。
【0156】
上記供給溶液(1.0Lの移動相(25:75(v:v)アセトニトリル/メタノールの混合物)中の25gの式(I)の化合物)を、上記SMBシステム(Novasep Licosep Lab Unit)へと連続して注入した。上記システムは、定常相としてChiralPAK−ADの110g(カラムあたり,9.6cm,4.8cm内径)を含む2−2−2−2構成において8個の同一のカラムを備えていた。第1に溶出する鏡像異性体(上記式(I−R)の化合物)は、ラフィネートストリーム中に含まれており、上記第2に溶出する鏡像異性体(上記式(I−S)の化合物)は、抽出ストリーム中に含まれていた。上記SMB分離から得られた上記式(I−R)の化合物および上記式(I−S)の化合物の特徴付けデータは、キラルHPLCを利用して上記で得られるものと同一であった。
【0157】
上記式(I)の化合物を、Waters分取用LCMS自動精製システム上で上記式(I−R)の化合物および上記式(I−S)の化合物へと分離した。上記キラルカラムの上記第1に溶出する鏡像異性体を、臭素処理して(立体生成中心(stereogenic centre)から十分に離れた部位で)、その対応する5’−ブロモ誘導体を得た。これをその後、結晶化して、X線結晶学に適した単結晶を生成した。上記第1に溶出した鏡像異性体のこの臭素処理した誘導体の結晶構造が得られ、その絶対構成が、式(1−R)の化合物と同じであることが分かった。よって、上記キラルカラムの第2に溶出した鏡像異性体は、上記式(1−S)の化合物である。さらに、上記SMB分離の抽出システムから得られる物質は、前述のLC分離から得られる材料と同じ徴候(正の、すなわち右旋性)の具体的旋光性を有した。
【0158】
(合成実施例4)
(1’−{[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル}−2,3−ジヒドロスピロ[フロ[2,3−g][1,4]ベンゾジオキシン−8,3’−インドール]−2’(1’H)−オンの合成)
式(II)の化合物
【0159】
【化40】

【0160】
160L 反応器に、周囲温度において1,4−ジオキサン(43L)を充填し、続いて、2,3−ジヒドロスピロ[フロ[2,3−g][1,4]ベンゾジオキシン−8,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(6.80kg,23mol)を充填した。得られた懸濁物に、炭酸セシウム(18.7kg,58mol)を添加し、上記混合物を82℃へと72分間にわたって加熱した。容器を、1,4−ジオキサン(diozane)(7L)ですすぎ、2−(クロロメチル)−3−(トリフルオロメチル)ピリジンヒドロクロリド(5.88kg,25mol)を、35分間にわたって少しずつ添加するために使用した。上記反応混合物の温度を、100℃へと43分間にわたって上げ、上記混合物を100℃で3時間にわたって攪拌し、20℃へと90分間にわたって冷却し、さらに16時間にわたって攪拌した。脱イオン水(40L)およびジクロロメタン(40L)を添加し、得られた混合物を、22℃で12分間にわたって攪拌した。上記攪拌をやめ、その相を21分間にわたって分離させた。その水相および有機相を、ドラムへと分離した。160L 反応器に、上記水相を充填し、ジクロロメタン(41L)を添加した。上記混合物を、19℃において10分間にわたって攪拌し、上記攪拌をやめ、その相を、10分間にわたって分離させた。上記水相を除去し、先の工程からの上記有機相を、上記ドラムから上記反応器へ移した。脱イオン水(40L)を添加し、上記混合物を22℃において10分間にわたって攪拌した。上記攪拌をやめ、その相を43分間にわたって分離させた。その水相を除去し、その有機相を、712〜97mbarの減圧下で19〜38℃において乾燥するまで濃縮した。上記残渣に、メタノール(56L)を19分間にわたって添加した。得られた懸濁物を、3℃へと64分間にわたって冷却し、98分間にわたって攪拌した。上記混合物を濾過し、上記濾過ケーキを冷(0℃)メタノール(14L)で洗浄し、90〜9mbarの減圧下で21〜46℃において10.5時間にわたって乾燥させて、1’−{[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル}−2,3−ジヒドロスピロ[フロ[2,3−g][1,4]ベンゾジオキシン−8,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(8.00kg,81%)を灰白色固体として得た:純度(HPLC−UV) 99.8%;
【0161】
【数9】

(合成実施例5)
(式(II)の化合物のSMBクロマトグラフィーによる分離)
上記式(II)の化合物を、上記式(II−S)の化合物および上記式(II−R)の化合物へと、SMBクロマトグラフィーによって以下の条件下で分離した:
抽出:182.67mL/分
ラフィネート:67.44mL/分
溶出:224.11mL/分
供給:26.0mL/分
再循環:420mL/分
稼働時間:1.05分
温度:25℃
圧力:50〜55bar
上記供給溶液(1.0Lの移動相(97:3(v:v)ジクロロメタン/アセトンの混合物)中の68.4gの式(II)の化合物)を、上記SMBシステム(Novasep Licosep Lab Unit)へと連続して注入した。上記システムは、定常相としてChiralPAK(登録商標)−ICの110g(カラムあたり,10.0cm,4.8cm内径)を含む2−2−2−2構成において8個の同一のカラムを備えていた。上記式(II−R)の化合物は、ラフィネートストリーム中に含まれており、上記式(I−S)の化合物は、抽出ストリーム中に含まれていた。
【0162】
合計10.62kgの上記式(II)の化合物を、上記の条件を使用して、SMBクロマトグラフィーによって加工処理した。キラル純度(HPLC)>99.0 a/aを有する全ての抽出画分をプールし、容積26Lへと減圧下で濃縮して、100L 反応器へと移した。上記溶液を、700〜590mbarの減圧下で26〜37℃において、13Lの蒸留物が集められるまでさらに濃縮した。メタノール(25L)を添加し、上記混合物を、650〜360mbarの減圧下で30〜38℃において、15Lの蒸留物が集められるまで濃縮した。上記混合物を20℃へと冷却し、メタノール(15L)を添加した。上記混合物を、650〜320mbarの減圧下で20〜39℃において、15Lの蒸留物が集められるまで濃縮し、1℃へと53分間にわたって冷却し、さらに70分間にわたって攪拌した。上記懸濁物を濾過し、上記濾過ケーキを、冷(0℃)メタノール(9L)で洗浄し、周囲温度において、窒素ガス流の下で15.5時間にわたって乾燥させた。上記固体を、40〜1mbarの減圧下で50℃において195分間にわたってさらに乾燥させて、上記式(II−S)の化合物、すなわち、(S)−1’−{[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル}−2,3−ジヒドロスピロ[フロ[2,3−g][1,4]ベンゾジオキシン−8,3’−インドール]−2’(1’H)−オン(3.62kg)を無色の固体として得た:純度(HPLC−UV) 100%;
【0163】
【数10】

ee(CHIRALPAK IC,ジクロロメタン/アセトン 97/3(v/v)) 100%。
【0164】
上記式(II−R)の化合物、すなわち、(R)−1’−{[3−(トリフルオロメチル)ピリジン−2−イル]メチル}−2,3−ジヒドロスピロ[フロ[2,3−g][1,4]ベンゾジオキシン−8,3’−インドール]−2’(1’H)−オンを、標準的手順によって上記ラフィネートから単離した。
【0165】
(生物学的アッセイ)
本明細書に記載される発明が、より十分に理解され得るように、以下の生物学的アッセイを、本明細書において調製される化合物の有用性を実証するために示す。この実施例は例示目的に過ぎず、本発明を限定するとしていかなる様式においても解釈されるべきでないことが理解されるべきである。
【0166】
(生物学的実施例1)
(グアニジンインフラックスアッセイ(インビトロアッセイ))
この実施例は、内因性に発現された起源もしくは異種で発現された起源のいずれかの細胞において安定に発現された、ヒトもしくはラットの電位開口型ナトリウムチャネルに対する試験薬剤を試験し、かつプロファイリングするためのインビトロアッセイを記載する。このアッセイはまた、電位開口型ナトリウムチャネルを調節する(好ましくは、ブロックする)化合物のIC50を決定するために有用である。上記アッセイは、Reddy,N.L.,ら,J.Med.Chem.(1998),41(17):3298−302によって記載されるグアニジンインフラックスアッセイに基づく。
【0167】
上記グアニジンインフラックスアッセイは、ハイスループットマイクロプレートベースの形式において電位開口型ナトリウムチャネルのイオンフラックス活性を決定するために使用されるラジオトレーサーフラックスアッセイである。上記アッセイは、維持されたインフラックスを生じる種々の公知の電位開口型ナトリウムチャネル調節因子と組み合わせて14C−グアニジン塩酸塩を使用して、試験薬剤の有効性をアッセイするものである。有効性は、IC50計算によって決定される。選択性は、目的の電位開口型ナトリウムチャネルに対する上記化合物の有効性と、他の電位開口型ナトリウムチャネルに対するその有効性とを比較することによって決定される(「選択性プロファイリング」ともいわれる)。
【0168】
試験薬剤の各々を、目的の電位開口型ナトリウムチャネルを発現する細胞に対してアッセイする。電位開口型ナトリウムチャネルは、TTX感受性もしくは感受性がないとして特徴付けられる。この特性は、他の電位開口型ナトリウムチャネルとの混合集団中に目的の電位開口型ナトリウムチャネルがある場合に、目的の電位開口型ナトリウムチャネルの活性を評価するときに有用である。以下の表1は、TTXの存在下もしくは非存在下での特定の電位開口型ナトリウムチャネル活性についてのスクリーニングにおいて有用な細胞系をまとめる。
【0169】
【表1−1】

【0170】
【表1−2】

【0171】
電位開口型ナトリウムチャネルを異種発現する不死化細胞系を使用することもまた、可能である。このような細胞系のクローニング、安定なトランスフェクションおよび増殖は、当業者に公知である(例えば、Klugbauer,Nら,EMBO J.(1995),14(6):1084−90;およびLossin,C.ら,Neuron(2002),34,pp.877−884を参照のこと)。
【0172】
目的の電位開口型ナトリウムチャネルを発現する細胞を、供給元に従って増殖させるか、または組換え細胞の場合には、選択的増殖培地(例えば、G418(Gibco/Invitrogen))の存在下で増殖させる。上記細胞を、培養ディッシュから酵素溶液(1×)トリプシン/EDTA(Gibco/Invitrogen)で分離し、血球計算板(Neubauer)を使用して密度および生存率について分析する。分離した細胞を洗浄し、それらの培養培地中で再懸濁し、次いで、ポリ−D−リジンコーティングしたシンチプレート(Perkin Elmer)へ播種し(約100,000細胞/ウェル)、37℃/5% COで20〜24時間にわたってインキュベートする。低ナトリウムHEPES緩衝化食塩溶液(LNHBSS)(150mM 塩化コリン(choline chloride)、20nM HEPES(Sigma)、1mM 塩化カルシウム、5mM 塩化カリウム、1mM 塩化マグネシウム、10mM グルコース)で完全に洗浄した後、試験薬剤をLNHBSSで希釈し、次いで、所望の濃度で各ウェルに添加する(試験薬剤の種々の濃度が使用され得る)。上記活性化/放射標識混合物は、電位開口型ナトリウムチャネルを通過するフラックスを測定するために、アルカロイド(例えば、ベラトリジンもしくはアコニチン(Sigma))またはピレスロイド(例えば、デルタメトリン、サソリLeiurus quinquestriatus hebraeus由来の毒(Sigma))および14C−グアニジン塩酸塩(ARC)を含む。
【0173】
上記細胞に試験薬剤および活性化/放射標識混合物を添加した後、上記ポリ−D−リジンコーティングしたシンチプレートを、周囲温度でインキュベートする。インキュベーション後、上記ポリ−D−リジンコーティングしたシンチプレートを、グアニジン(Sigma)を補充したLNHBSSで完全に洗浄する。上記ポリ−D−リジンコーティングしたシンチプレートを乾燥させ、次いで、Wallac MicroBeta TriLux(Perkin−Elmer Life Sciences)を使用して計数する。上記試験薬剤が電位開口型ナトリウムチャネル活性をブロックする能力を、上記異なる電位開口型ナトリウムチャネルを発現する細胞の内部に存在する14C−グアニジンの量を比較することによって決定する。このデータに基づいて、本明細書の他の箇所で示されるように、種々の計算が、特定の電位開口型ナトリウムチャネルに対して試験薬剤が選択的であるか否かを決定するために使用され得る。
【0174】
特定の電位開口型ナトリウムチャネルに対する試験薬剤のIC50値は、上記の一般的方法を使用して決定され得る。上記IC50は、1μM、5μMもしくは10μMの出発濃度で、ナノモル濃度未満の範囲、ナノモル濃度範囲および低マイクロモル濃度範囲に達する最終濃度で連続希釈して、2連もしくは3連において3点、8点、10点、12点もしくは16点の曲線を使用して決定され得る。代表的には、試験薬剤の中点濃度を1μMで設定し、1/2希釈大きいもしくは小さい一連の濃度が、適用される(例えば、0.5μM;5μMおよび0.25μM;10μMおよび0.125μM;20μMなど)。上記IC50曲線は、4パラメーター論理モデルもしくは正弦用量−応答モデル式(適合=(A+((B−A)/(1+((C/x)^D))))を使用して計算される。
【0175】
倍数選択性、選択性の係数(factor of selectivity)もしくは選択性の倍数は、試験電位開口型ナトリウムチャネルのIC50値を参照電位開口型ナトリウムチャネル(例えば、Na1.5)で除算することによって計算される。
【0176】
よって、本明細書で開示される方法によって調製される化合物は、表2において以下に示されるように、hNa1.7に対する電位開口型ナトリウムチャネル遮断活性を示した:
表2
【0177】
【表2】

本明細書中で言及されそして/または出願データシートに列挙される上記米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物の全ては、それらの全体が本明細書に参考として援用される。
【0178】
前述の発明は、理解を促進するために幾分詳細に記載されてきたが、特定の変更および改変が、添付の特許請求の範囲の範囲内で実施され得ることは明らかである。よって、上記記載される実施形態は、限定としてではなく例示としてみなされるべきであり、本発明は、本明細書に示される詳細に限定されるべきではないが、添付の特許請求の範囲の範囲および等価物内で改変され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化41】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として調製する方法であって、
ここで該方法は、式(8)の化合物:
【化42】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を、式(9)の化合物:
【化43】


もしくはその薬学的に受容可能な塩で、適切な条件下で処理して、該式(I)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として得る工程、
を包含する、方法。
【請求項2】
式(8)の化合物の調製をさらに含む請求項1に記載の方法であって、ここで該方法は、式(7)の化合物:
【化44】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を、塩基で、適切な条件下で処理して、該式(8)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、方法。
【請求項3】
前記式(7)の化合物の調製をさらに含む請求項2に記載の方法であって、ここで該方法は、式(6)の化合物:
【化45】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を、標準的な光延反応条件下で処理して、該式(7)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、方法。
【請求項4】
前記式(6)の化合物の調製をさらに含む請求項3に記載の方法であって、ここで該方法は、式(5)の化合物:
【化46】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を、アルデヒドで、適切な条件下で処理して、該式(6)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、方法。
【請求項5】
前記式(5)の化合物の調製をさらに含む請求項4に記載の方法であって、ここで該方法は、式(4)の化合物:
【化47】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を適切な条件下で処理して、該式(5)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、方法。
【請求項6】
前記式(4)の化合物の調製をさらに含む請求項5に記載の方法であって、ここで該方法は、
a)式(2)の化合物:
【化48】


もしくはその薬学的に受容可能な塩と、式(3)のグリニャール試薬:
【化49】


とを、適切な条件下で反応させて、中間生成物を形成する工程;および
b)該a)の中間生成物と、式(1)の化合物:
【化50】


もしくはその薬学的に受容可能な塩とを、適切な条件下で反応させて、該式(4)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、方法。
【請求項7】
前記式(I)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を適切な条件下で分離して、式(I−S)の化合物:
【化51】


もしくはその薬学的に受容可能な塩、および式(I−R)の化合物:
【化52】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を得る工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
式(II)の化合物:
【化53】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として調製する方法であって、ここで該方法は、式(15)の化合物:
【化54】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を、式(16)の化合物:
【化55】


もしくはその薬学的に受容可能な塩で、適切な条件下で処理して、該式(II)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を、単一の立体異性体もしくは鏡像異性体またはその混合物として得る工程を包含する、方法。
【請求項9】
前記式(15)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む請求項8に記載の方法であって、ここで該方法は、式(14)の化合物:
【化56】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を、アルキル化剤で適切な条件下で処理して、該式(15)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、方法。
【請求項10】
前記式(14)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む請求項9に記載の方法であって、ここで該方法は、式(13)の化合物:
【化57】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を適切な条件下で処理して、該式(14)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、方法。
【請求項11】
前記式(13)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む請求項10に記載の方法であって、ここで該方法は、
a)式(12)の化合物:
【化58】


と式(3)のグリニャール試薬:
【化59】


とを適切な条件下で反応させて、中間生成物を形成する工程;および
b)該a)の中間生成物と、式(1)の化合物:
【化60】


もしくはその薬学的に受容可能な塩とを適切な条件下で反応させて、該式(13)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、方法。
【請求項12】
前記式(12)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩の調製をさらに含む請求項11に記載の方法であって、ここで該方法は、式(11)の化合物:
【化61】


を酸化剤で適切な条件下で処理して、該式(12)の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩を形成する工程を包含する、方法。
【請求項13】
前記式(11)の化合物の調製をさらに含む請求項12に記載の方法であって、ここで該方法は、式(10)の化合物:
【化62】


を適切なアルキル化剤で適切な条件下で処理して、該式(11)の化合物を形成する工程を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
式(II)の化合物を適切な条件下で分離して、式(II−S)の化合物:
【化63】


もしくはその薬学的に受容可能な塩;および式(II−R)の化合物:
【化64】


もしくはその薬学的に受容可能な塩を得る工程をさらに包含する、請求項8に記載の方法。

【公表番号】特表2013−508290(P2013−508290A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−534362(P2012−534362)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2010/052704
【国際公開番号】WO2011/047174
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(506030826)ゼノン・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド (47)
【氏名又は名称原語表記】XENON PHARMACEUTICALS INC.
【Fターム(参考)】