説明

スピロ−ピペリジン誘導体

本発明は、V1a受容体アンタゴニストとしての新規なスピロ−ピペリジン誘導体、それらの製造、それらを含有する医薬組成物及び医薬としてのそれらの使用に関する。本発明の活性化合物は、不安及び抑鬱障害並びに他の疾患の予防及び/又は治療に有用である。本発明の化合物は、一般式(I)で記述される(式中、R〜R、R5’、R〜R、R7’、R8’、X及びYは、明細書で定義されたとおりである)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、V1a受容体アンタゴニストとしての新規なスピロ−ピペリジン誘導体、それらの製造、それらを含有する医薬組成物及び医薬としてのそれらの使用に関する。本発明の活性化合物は、不安及び抑鬱障害並びに他の疾患の予防及び/又は治療に有用である。
【0002】
特に、本発明は、一般式(I):
【0003】
【化1】

【0004】
[式中、
Xは、Oであり、Yは、C=Oであるか、
Xは、Oであり、Yは、CHであるか、
Xは、C=Oであり、Yは、NRであるか、
Xは、CHであり、Yは、Oであるか、又は
X−Yは、CH=CHであるか、若しくは
X−Yは、CH−CHであるか、又は
Xは、C=Oであり、Yは、Oであるか、若しくは
Xは、CHであり、Yは、NRであり;
、R、R及びRは、各々独立に、
水素、
ハロ、
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルキル、
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルコキシ
ハロ−C1−6−アルコキシであり;
及びR5’は、各々独立に、水素又はメチルであり;
は、水素又はC1−6−アルキルであり;
、R7’、R、R8’、及びRは、各々独立に、
水素、
ハロ、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ニトロ、若しくは
シアノから選択されるか、
又はR及びR、R7’及びR8’、R及びR若しくはR8’及びRは、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する{ここで、
−R−R−又は−R7’−R8’−は、
−N(R10)−N=CH−若しくは−CH=N−N(R10)−
(式中、R10は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−N(R11)−CH=CH−若しくは−CH=CH−N(R12)−
(式中、R11は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−O−(CR1616’−O−
(式中、nは、1又は2であり、R16及びR16’は、各々独立に、水素、ハロ又はC1−6−アルキルである)、
−N(R17)−CH=N−若しくは−N=CH−N(R17)−
(式中、R17は、水素又はC1−6−アルキルである)、又は
−N(R18)−C(O)−CH−若しくは−CH−C(O)−N(R18)−
(式中、R18は、水素又はC1−6−アルキルである)である}]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0005】
式(I)の化合物は、下記の方法により、実施例中に記載の方法により、又は類似の方法により製造することができる。ここの反応工程の適切な反応条件は、当業者に公知である。出発原料は、市販されているか、或いは下記の方法に類似する方法より、本文中で引用した参照文献中若しくは実施例中に記載の方法により、若しくはこの分野で公知の方法により調製することができる。
【0006】
式(I)の化合物は、薬学的活性を有し、特にそれらは、V1a受容体活性のモジュレーターである。より特定的には、その化合物は、V1a受容体のアンタゴニストである。
【0007】
バソプレシンは、主として視床下部室傍核により産生される9アミノ酸ペプチドである。全てクラスI Gタンパク質共役受容体に属する、3種のバソプレシン受容体が知られている。V1a受容体は、脳、肝臓、血管平滑筋、肺、子宮及び精巣において発現し、V1b又はV3受容体は、脳及び下垂体において発現し、V2受容体は、腎臓で発現して、そこで水排出を調節して、バソプレシンの抗利尿作用に介在する。
【0008】
末梢において、バソプレシンは、神経ホルモンとして作用し、そして血管収縮、グリコーゲン分解及び抗利尿を促進する。脳において、バソプレシンは、神経修飾物質として作用し、そしてストレス時に扁桃で上昇する(Ebner, K., C.T. Wotjakら (2002) . "Forced swimming triggers vasopressin release within the amygdala to modulate stress-coping strategies in rats." Eur J Neurosci 15(2): 384-8)。V1a受容体は、脳において、そして特に扁桃、外側中隔及び海馬のような辺縁系領域(不安の調節において重要な役割を果たしている)において広く発現する。実際に、V1aノックアウトマウスは、十字迷路、オープンフィールド及び明暗箱において不安行動の減少を示す(Bielsky, I.F., S.B. Huら (2003) "Profound Impairment in Social Recognition Mice." Neuropsychopharmacology)。中隔へのアンチセンスオリゴヌクレオチド注入を用いるV1a受容体のダウンレギュレーションもまた不安行動の減少を引き起こす(Landgraf, R., R. Gerstbergerら (1995) "V1 vasopressin receptor antisense oligodeoxynucleotide into septum reduces casopressin binding, social discrimination abilities, and anxiety-related behavior in rats." Regul Pept 59(2): 229-39)。
【0009】
V1a受容体はまた、孤束核において血圧及び心拍を中枢性に調節することにより、脳におけるバソプレシンの心血管作用に介在している(Michelini, L.C.とM. Morris (1999) "Endogenous vasopressin modulates the cardiovascular responses to exercise." Ann N Y Acad Sci 897: 198-211)。末梢において、これは、血管平滑筋の収縮を誘導し、そしてV1a受容体の慢性抑制は、心筋梗塞ラットにおいて血行動態パラメーターを改善する(Van Kerckhoven, R., I. Lankhuizenら (2002) "Chronic vasopressin V(1A) but not V(2) receptor antagonism prevents heart failure in chronically infarcted rats." Eur J Pharmacol 449(1-2): 135-41)。
【0010】
したがって、本発明の目的は、V1a受容体活性のモジュレーターとして、特にV1a受容体アンタゴニストとして作用する化合物を提供することである。このようなアンタゴニストは、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害の症状における処置薬として有用である。本発明に関して好ましい適用症は、不安及び抑鬱障害の処置である。
【0011】
本明細書において、用語「アルキル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、分岐状又は直鎖状の一価の飽和脂肪族炭化水素基を表す。用語「C1−6−アルキル」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、異性体のペンチル類などを意味する。C1−6−アルキルの好ましい下位群は、C1−4−アルキル、すなわち、1〜4個の炭素原子を有するものである。
【0012】
本発明において、用語「アルキレン」は、直鎖状又は分岐状の飽和二価炭化水素基を表す。特に、「C1−6−アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状飽和二価炭化水素基又は3〜6個の炭素原子の分岐状飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、n−プロピレン、2−メチルプロピレン等を意味する。
【0013】
本明細書において、用語「アルコキシ」及び「C1−6−アルコキシ」は、基R’−O−(式中、R’は、上で定義されたとおりのアルキル又はC1−6−アルキルである)を表す。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ等である。C1−6−アルコキシの好ましい下位群及び更により好ましいアルコキシ基は、メトキシ及び/又はエトキシである。
【0014】
本明細書において、用語「チオアルキル」及び「C1−6−チオアルキル」は、基R’−S−(式中、R’は、上で定義されたとおりのアルキル又はC1−6−アルキルである)を表す。
【0015】
用語「C1−6−ヒドロキシアルキル」及び「OHで置換されているC1−6−アルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がヒドロキシル基で置換されている、上で定義されたとおりのC1−6−アルキルを意味する。
【0016】
用語「C1−6−シアノアルキル」及び「CNで置換されているC1−6−アルキル」は、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がCN基で置換されている、上で定義されたとおりのC1−6−アルキルを意味する。
【0017】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)及びヨウ素(I)を表し、フッ素、塩素及び臭素が好ましい。
【0018】
用語「ハロ−C1−6−アルキル」は、「C1−6−ハロアルキル」又は「ハロで置換されているC1−6−アルキル」と同義であり、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロで置換されている、上で定義されたとおりのC1−6−アルキルを意味する。ハロ−C1−6−アルキルの例として、限定されないが、1個以上のCl、F、Br又はI原子で置換されている、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル又はn−ヘキシル、並びに本明細書に後述の実施例により具体的に例示されているそれらの基が挙げられる。好ましいハロ−C1−6−アルキル基は、ジフルオロ−又はトリフルオロ−メチル又はエチルである。
【0019】
用語「ハロ−C1−6−アルコキシ」は、「C1−6−ハロアルコキシ」又は「ハロで置換されているC1−6−アルコキシ」と同義であり、アルキル基の水素原子の少なくとも1個がハロゲン原子、好ましくはフルオロ又はクロロ、最も好ましくはフルオロで置換されている、上で定義されたとおりのC1−6−アルコキシを意味する。好ましいハロゲン化アルコキシ基は、ジフルオロ−又はトリフルオロ−メトキシ又はエトキシである。
【0020】
用語「C2−12−アルケニル」は、単独で又は他の基と組み合わされて、少なくとも1個の二重結合を含む、2〜12個の炭素原子の直鎖状又は分岐状の炭化水素残基を意味する。C2−12−アルケニルの好ましい下位群は、C2−6−アルケニルである。好ましいアルケニル基の例は、エテニル、プロペン−1−イル、プロペン−2−イル(アリル)、ブテン−1−イル、ブテン−2−イル、ブテン−3−イル、ペンテン−1−イル、ペンテン−2−イル、ペンテン−3−イル、ペンテン−4−イル、ヘキセン−1−イル、ヘキセン−2−イル、ヘキセン−3−イル、ヘキセン−4−イル及びヘキセン−5−イル、並びに本明細書に後述の実施例により具体的に例示されているものである。
【0021】
用語「1以上の」置換基は、好ましくは、環あたり、1、2又は3個の場合による置換基を意味する。
【0022】
用語「薬学的に許容しうる酸付加塩」は、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタン−スルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のような、無機及び有機酸との塩を包含する。
【0023】
用語「一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する」は、互いにオルト位に位置するフェニル環の残基が、フェニル部分に縮合した環を形成しうることを意味する。
【0024】
本発明は、更に、本明細書中の個々の光学異性体並びにそれらのラセミ及び非ラセミ混合物を含む。
【0025】
詳細には、本発明は、一般式(I):
【0026】
【化2】

【0027】
[式中、
Xは、Oであり、Yは、C=Oであるか、
Xは、Oであり、Yは、CHであるか、
Xは、C=Oであり、Yは、NRであるか、
Xは、CHであり、Yは、Oであるか、又は
X−Yは、CH=CHであるか、若しくは
X−Yは、CH−CHであるか、又は
Xは、C=Oであり、Yは、Oであるか、若しくは
Xは、CHであり、Yは、NRであり;
、R、R及びRは、各々独立に、
水素、
ハロ、
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルキル、
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルコキシ
ハロ−C1−6−アルコキシであり;
及びR5’は、各々独立に、水素又はメチルであり;
は、水素又はC1−6−アルキルであり;
、R7’、R、R8’、及びRは、各々独立に、
水素、
ハロ、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ニトロ、若しくは
シアノから選択されるか、
又はR及びR、R7’及びR8’、R及びR若しくはR8’及びRは、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する{ここで、
−R−R−又は−R7’−R8’−は、
−N(R10)−N=CH−若しくは−CH=N−N(R10)−
(式中、R10は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−N(R11)−CH=CH−若しくは−CH=CH−N(R12)−
(式中、R11は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−O−(CR1616’−O−
(式中、nは、1又は2であり、R16及びR16’は、各々独立に、水素、ハロ又はC1−6−アルキルである)、
−N(R17)−CH=N−若しくは−N=CH−N(R17)−
(式中、R17は、水素又はC1−6−アルキルである)、又は
−N(R18)−C(O)−CH−若しくは−CH−C(O)−N(R18)−
(式中、R18は、水素又はC1−6−アルキルである)である}]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0028】
本発明の特定の実施態様において、R、R、R及びRは、各々独立に、水素、ハロ、C1−6−アルキル、又は場合によりOHで置換されている、C1−6−アルコキシである。
【0029】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素又はハロ、好ましくは水素又はフルオロである。
【0030】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素、ハロ又はC1−6−アルコキシ;好ましくは水素、フルオロ、ブロモ又はメトキシである。
【0031】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素、ハロ又は場合によりOHで置換されているC1−6−アルコキシ;好ましくは水素、クロロ、ブロモ、メトキシ又は−O(CHOHである。
【0032】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素又はC1−6−アルキル;好ましくは水素又はメチルである。
【0033】
本発明の特定の実施態様において、全てのR〜Rは、水素である。
【0034】
本発明の特定の実施態様において、R〜Rの1個の残基は、ハロであり、他は、水素である。
【0035】
本発明の特定の実施態様において、R〜Rの1個の残基は、C1−6−アルキルであり、好ましくはメチルであり、他は、水素である。
【0036】
本発明の特定の実施態様において、R〜Rの1個の残基は、場合によりOHで置換されているC1−6−アルコキシであり、好ましくはメトキシ又は−O(CHOHであり、他は、水素である。
【0037】
本発明の特定の実施態様において、R及びR5’は、双方とも水素であり、本発明の他の実施態様において、R及びR5’は、双方ともメチルであり、本発明の他の実施態様において、Rは、水素であり、R5’は、メチルである。
【0038】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素であり、R5’は、メチルであり、Xは、Oであり、Yは、C=Oである。
【0039】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素又はC1−6−アルキルであり、好ましくは水素である。
【0040】
本発明の特定の実施態様において、双方のR及びR7’は、水素である。
【0041】
本発明の特定の実施態様において、双方のR及びR7’は、水素であり、他は、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノである。
【0042】
本発明の特定の実施態様において、R及びR7’は、各々独立に、水素又はハロである。
【0043】
本発明の特定の実施態様において、R及びR7’の一方は、水素であり、他はハロ、好ましくはクロロである。
【0044】
本発明の特定の実施態様において、R及びR8’の各々は、独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノである。
【0045】
本発明の特定の実施態様において、R及びR8’は、各々独立に、水素、ハロ、又はC1−6−アルコキシ、好ましくは水素、クロロ、エトキシ又はメトキシである。
【0046】
本発明の特定の実施態様において、R及びR又はR7’及びR8’は、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する{ここで、
−R−R−又は−R7’−R8’−は、
−N(R10)−N=CH−若しくは−CH=N−N(R10)−
(式中、R10は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−N(R11)−CH=CH−若しくは−CH=CH−N(R12)−
(式中、R11は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−O−(CR1616’−O−
(式中、nは、1又は2であり、R16及びR16’は、各々独立に、水素、ハロ又はC1−6−アルキルである)、又は
−N(R17)−CH=N−若しくは−N=CH−N(R17)−
(式中、R17は、水素又はC1−6−アルキルである)である}。
【0047】
本発明の特定の実施態様において、R及びRは、一緒に結合して、上記のフェニル部分と共に環を形成し、且つ
、R8’及びR7’は、水素であるか、又は
及びR7’は、水素であり、R8’は、ハロ、好ましくはクロロであるか、又は
及びR7’は、水素であり、R8’は、C1−6−アルコキシ、好ましくはエトキシ又はメトキシである。
【0048】
本発明の特定の実施態様において、R7’及びR8’は、一緒に結合して、上記のフェニル部分と共に環を形成し、且つ
、R及びRは、水素であるか、又は
及びRは、水素であり、Rは、ハロ、好ましくはクロロであるか、又は
及びRは、水素であり、Rは、C1−6−アルコキシ、好ましくはエトキシ又はメトキシである。
【0049】
本発明の特定の実施態様において、R及びRは、ハロ、好ましくはクロロであり、R、R7’及びR8’は、水素である。
【0050】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノである。
【0051】
本発明の特定の実施態様において、Rは、水素、ハロ、又はC1−6−アルキル、好ましくは水素、クロロ又はtert−ブチルである。
【0052】
本発明の特定の実施態様において、
及びR又はR8’及びRは、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する{ここで、
−R−R−又は−R8’−R−は、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−N(R18)−C(O)−CH−若しくは−CH−C(O)−N(R18)−
(式中、R18は、水素又はC1−6−アルキルである)である}。
【0053】
本発明の特定の実施態様において、R及びRは、一緒に結合して、上記のフェニル部分と共に環を形成し、且つ
、R8’及びR7’は、水素である。
【0054】
本発明の特定の実施態様において、R8’及びRは、一緒に結合して、上記のフェニル部分と共に環を形成し、且つ
、R及びR7’は、水素である。
【0055】
本発明の特定の実施態様において、R及びRは、ハロ、好ましくはクロロであり、R、R7’及びR8’は、水素である。
【0056】
本発明の特定の実施態様において、R8’及びRは、ハロ、好ましくはクロロであり、R、R7’及びR8”は、水素である。
【0057】
本発明の特定の実施態様において、Rは、C1−6−アルキル又はハロ、好ましくはtert−ブチル又はクロロであり、R、R7’、R及びR8’は、水素である。
【0058】
本発明の好ましい化合物は、
及びRが、ハロであるか、又は
及びRが、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成し{ここで、
−R−R−は、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)である}、
、R7’及びR8’は、水素である、式(I)のそれらである。
【0059】
本発明の好ましい化合物は、
8’及びRが、ハロであるか、又は
8’及びRが、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成し{ここで、
−R8’−R−は、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)である}、
、R7’及びRは、水素である、式(I)のそれらである。
好ましくは、R、R7’、R、R8’及びRは、同時に水素ではない。
【0060】
本発明の特定の実施態様は、一般式(I):
【0061】
【化3】

【0062】
[式中、
Xは、Oであり、Yは、C=Oであるか、
Xは、Oであり、Yは、CHであるか、
Xは、C=Oであり、Yは、NRであるか、
Xは、CHであり、Yは、Oであるか、又は
X−Yは、CH=CHであるか、若しくは
X−Yは、CH−CHであるか、又は
Xは、C=Oであり、Yは、Oであるか、若しくは
Xは、CHであり、Yは、NRであり;
、R、R及びRは、各々独立に、
水素、
ハロ、
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルキル、
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルコキシ
ハロ−C1−6−アルコキシであり;
及びR5’は、各々独立に、水素又はメチルであり;
は、水素又はC1−6−アルキルであり;
及びR7’は、各々独立に、
水素、
ハロ、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ニトロ、若しくは
シアノから選択され;
及びR8’は、各々独立に、
水素、
ハロ、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ニトロ、若しくは
シアノから選択され;
及びR若しくはR7’及びR8’は、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成し{ここで、
−R−R−又は−R7’−R8’−は、
−N(R10)−N=CH−若しくは−CH=N−N(R10)−
(式中、R10は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−N(R11)−CH=CH−若しくは−CH=CH−N(R12)−
(式中、R11は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−O−(CR1616’−O−
(式中、nは、1又は2であり、R16及びR16’は、各々独立に、水素、ハロ又はC1−6−アルキルである)、
−N(R17)−CH=N−若しくは−N=CH−N(R17)−
(式中、R17は、水素又はC1−6−アルキルである)である}、
は、水素、
ハロ、
1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ニトロ、若しくは
シアノであり;
及びR若しくはR8’及びRは、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する{ここで、
−R−R−又は−R8’−R−は、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−N(R18)−C(O)−CH−若しくは−CH−C(O)−N(R18)−
(式中、R18は、水素又はC1−6−アルキルである)である}]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0063】
本発明の特定の実施態様は、式(I):
【0064】
【化4】

【0065】
[式中、
Xは、Oであり、Yは、C=Oであるか、
Xは、Oであり、Yは、CHであるか、
Xは、C=Oであり、Yは、NRであるか、
Xは、CHであり、Yは、Oであるか、又は
X−Yは、CH=CHであるか、若しくは
X−Yは、CH−CHであるか、又は
Xは、C=Oであり、Yは、Oであるか、若しくは
Xは、CHであり、Yは、NRであり;
、R、R及びRは、各々独立に、
水素、
ハロ、又は
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルコキシであり;
及びR5’は、各々独立に、水素又はメチルであり;
は、水素又はC1−6−アルキルであり;
及びR7’は、各々独立に、水素、又はハロであり;
及びR8’は、各々独立に、水素、ハロ、又はC1−6−アルコキシであり;
及びR又はR7’及びR8’は、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成し{ここで、
−R−R−又は−R7’−R8’−は、
−N(R10)−N=CH−若しくは−CH=N−N(R10)−
(式中、R10は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−N(R11)−CH=CH−若しくは−CH=CH−N(R12)−
(式中、R11は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−O−(CR1616’−O−
(式中、nは、1又は2であり、R16及びR16’は、各々独立に、水素、ハロ又はC1−6−アルキルである)、
−N(R17)−CH=N−若しくは−N=CH−N(R17)−
(式中、R17は、水素又はC1−6−アルキルである)である}、
は、水素、ハロ、又はC1−6−アルキルであり;
及びR又はR8’及びRは、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する{ここで、
−R−R−又は−R8’−R−は、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−N(R18)−C(O)−CH−若しくは−CH−C(O)−N(R18)−
(式中、R18は、水素又はC1−6−アルキルである)である}]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩に関する。
【0066】
本発明の特定の実施態様は、式(I−a):
【0067】
【化5】

【0068】
(式中、R〜R5’及びR〜Rは、上記の任意の組み合わせで定義されたとおりである)
の化合物に関する。
【0069】
本発明の特定の実施態様は、式(I−b):
【0070】
【化6】

【0071】
(式中、R〜R5’及びR〜Rは、上記の任意の組み合わせで定義されたとおりである)
の化合物に関する。
【0072】
本発明の特定の実施態様は、式(I−c):
【0073】
【化7】

【0074】
(式中、R〜Rは、上記の任意の組み合わせで定義されたとおりである)
の化合物に関する。
【0075】
本発明の特定の実施態様は、式(I−d):
【0076】
【化8】

【0077】
(式中、R〜R5’及びR〜Rは、上記の任意の組み合わせで定義されたとおりである)
の化合物に関する。
【0078】
本発明の特定の実施態様は、式(I−e):
【0079】
【化9】

【0080】
(式中、R〜R5’及びR〜Rは、上記の任意の組み合わせで定義されたとおりである)
の化合物に関する。
【0081】
本発明の特定の実施態様は、式(I−f):
【0082】
【化10】

【0083】
(式中、R〜R5’及びR〜Rは、上記の任意の組み合わせで定義されたとおりである)
の化合物に関する。
【0084】
本発明の特定の実施態様は、式(I−g):
【0085】
【化11】

【0086】
(式中、R〜R5’及びR〜Rは、上記の任意の組み合わせで定義されたとおりである)
の化合物に関する。
【0087】
本発明の特定の実施態様は、式(I−h):
【0088】
【化12】

【0089】
(式中、R〜Rは、上記の任意の組み合わせで定義されたとおりである)
の化合物に関する。
【0090】
式(I−a)〜(I−h)の任意の化合物は、上記の残基R〜Rの任意の残基又は組み合わせと組み合わせうる。
【0091】
好ましい化合物は、式(I−a)〜(I−f)のそれらである。
【0092】
本発明の好ましい化合物は、実施例のそれらである。より好ましいものは、以下の化合物:
6−メトキシ−1’−(2−ナフトイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−6−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−5−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(4−tert−ブチルベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]、
1’−[(5−メトキシ−1H−インドール−7−イル)カルボニル]−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]、
5−ブロモ−1’−(2−ナフトイル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン、
1’−(2−ナフトイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、及び
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
である。
【0093】
本発明はまた、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害の予防又は治療において使用するための、式(I)、(I−a)、(I−b)、(I−c)、(I−d)、(I−e)、(I−f)、(I−g)又は(I−h)の化合物を包含する。
【0094】
本発明はまた、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害に対して有用である、式(I)、(I−a)、(I−b)、(I−c)、(I−d)、(I−e)、(I−f)、(I−g)又は(I−h)の化合物を含む医薬組成物を包含する。医薬組成物は、少なくとも一つの薬学的に許容される賦形剤を、さらに含んでもよい。
【0095】
本発明は更に、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害に対して有用である医薬の製造のための、式(I)、(I−a)、(I−b)、(I−c)、(I−d)、(I−e)、(I−f)、(I−g)又は(I−h)の化合物の使用を包含する。
【0096】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、式(II):
【0097】
【化13】

【0098】
の化合物を、式(III−b):
【0099】
【化14】

【0100】
の酸塩化物と反応させて、式(I)の化合物(式中、R〜R10並びにX及びYは、上で定義されたとおりである)を得る工程を含む方法に従って製造することができる。
【0101】
特定の実施態様において、本発明の化合物は、式(II):
【0102】
【化15】

【0103】
の化合物を、式(III−a):
【0104】
【化16】

【0105】
の酸と反応させて、式(I)の化合物(式中、R〜R10並びにX及びYは、上で定義されたとおりである)を得る工程を含む方法に従って製造することができる。
【0106】
一般式(I)の化合物の合成は、以下及び実施例中でより詳細に記載する。
【0107】
本発明の化合物は、下記のようにして検出しうる、V1a活性を示す。
【0108】
V1a活性
材料と方法:
ヒトV1a受容体は、ヒト肝臓の全RNAからRT−PCRによりクローン化した。コード配列は、増幅した配列の同一性を確認するために配列決定した後、発現ベクターにサブクローン化した。ヒトV1a受容体に対する本発明の化合物の親和性を証明するために、結合試験を実施した。細胞膜は、発現ベクターで一過性にトランスフェクトし、20リットル発酵槽で培養したHEK293細胞から、下記のプロトコールで調製した。
【0109】
細胞50gを、新たに調製した氷冷溶解(Lysis)緩衝液(pH=7.4に調整した、50mM HEPES、1mM EDTA、10mM MgCl2 + プロテアーゼインヒビターの完全カクテル(Roche Diagnostics))30mlに再懸濁した。ポリトロン(Polytron)で1分間ホモジェナイズし、氷上で80%の強度で2×2分間、超音波処理した(バイブラセル(Vibracell)超音波処理器)。この調製物を、4℃、500gで20分間遠心分離し、ペレットを廃棄し、上清を4℃、43,000gで1時間、遠心分離(19,000rpm)した。ペレットを溶解緩衝液12.5ml+20%ショ糖12.5mlに再懸濁し、ポリトロンを用いて1〜2分間ホモジナイズした。タンパク質濃度は、ブラッドフォード(Bradford)法により測定し、使用時までアリコートを−80℃で貯蔵した。結合試験には、ケイ酸イットリウムSPAビーズ(Amersham)60mgを、混合しながら、結合緩衝液(50mMトリス、120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2、10mM MgCl2)中の膜のアリコートと15分間混合した。ビーズ/膜混合物50ulを、次いで、96ウェルプレートの各ウェルに加え、続いて4nM 3H−バソプレシン(American Radiolabeled Chemicals)50ulを加えた。全結合測定には、結合緩衝液100ulをそれぞれのウェルに加え、非特異的結合には、8.4mM冷バソプレシン100ulを、そして化合物の試験には、2% DMSO中の各化合物の連続希釈液100ulを加えた。プレートを室温で1時間インキュベートし、1000gで1分間遠心分離し、パッカード・トップカウント(Packard Top-Count)で計数を行った。非特異的結合のカウントを、各ウェルから差し引き、データは、100%に設定した最大特異的結合に対して正規化した。IC50を算出するために、非線形回帰モデル(XLフィット(XLfit))を用いて曲線をフィットさせ、チェン・プルソフ(Cheng-Prussoff)式を用いてKiを算出した。
【0110】
【表1】

【0111】
式I及びIa〜Ifの化合物及び薬学的に使用しうるその酸付加塩は、医薬として、例えば、医薬製剤の形態で使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の剤形で、経口投与することができる。しかし投与はまた、例えば坐剤の剤形で直腸内に、又は例えば注射液の剤形で非経口的に行うこともできる。
【0112】
式I、Ia〜Igの化合物及び薬学的に使用しうるその酸付加塩は、錠剤、コーティング剤、糖衣剤及び硬ゼラチンカプセル剤の製造のために、薬学的に不活性な、無機又は有機賦形剤と共に加工することができる。乳糖、トウモロコシデンプン又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を、そのような賦形剤として、例えば、錠剤、糖衣錠及び硬質ゼラチンカプセル剤向けに用いることができる。
【0113】
軟ゼラチンカプセル剤に適切な賦形剤は、例えば、植物油、ロウ、脂肪、半固体及び液体ポリオール等である。
【0114】
液剤及びシロップ剤の製造に適切な賦形剤は、例えば、水、ポリオール、ショ糖、転化糖、ブドウ糖等である。
【0115】
注射液に適切な賦形剤は、例えば、水、アルコール、ポリオール、グリセリン、植物油等である。
【0116】
坐剤に適切な賦形剤は、例えば、天然又は硬化油、ロウ、脂肪、半液体又は液体ポリオール等である。
【0117】
更に、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色料、香味料、浸透圧を変えるための塩類、緩衝液、マスキング剤又は抗酸化剤を含有することができる。それらは、その他の治療上有用な物質も更に含有することができる。
【0118】
投与量は、広い限度内で変更することができ、当然、それぞれの特定の症例ごとに個々の要件に適合されるであろう。一般的に、経口投与の場合、一般式Iの化合物の、1人当たり約10〜1000mgの1日投与量が適切であるが、必要であれば上記の上限を超えることもできる。
【0119】
下記の実施例は、本発明を限定することなく説明する。全ての温度は摂氏で示される。
【0120】
実施例A
通常の方法で、以下の組成の錠剤を製造した:
mg/錠剤
活性物質 5
乳糖 45
トウモロコシデンプン 15
微晶質セルロース 34
ステアリン酸マグネシウム 1
錠剤重量 100
【0121】
実施例B
以下の組成のカプセル剤を製造した:
mg/カプセル
活性物質 10
乳糖 155
トウモロコシデンプン 30
タルク 5
カプセル充填重量 200
【0122】
活性物質、乳糖及びトウモロコシデンプンを、最初にミキサーで、次に、微粉砕機で混合した。混合物をミキサーに戻し、タルクをそれに加え、十分に混合した。混合物を機械により硬ゼラチンカプセルに充填した。
【0123】
実施例C
以下の組成の坐剤を製造した:
mg/坐剤
活性物質 15
坐剤用錬剤 1285
合計 1300
【0124】
坐薬用錬剤をガラス又はスチール容器で溶解し、十分に混合し、45℃に冷却した。その後、微粉砕した活性物質をそれに加え、それが完全に分散するまで撹拌した。混合物を適切な大きさの坐剤成形型に注ぎ、放置して冷却し、次に坐剤を成形型から取り外し、パラフィン紙又は金属箔で個別に包んだ。
【0125】
下記で、式(I)の化合物の合成が更に例示されている:
【0126】
下記一般スキームAは、一般手順1による、本発明の化合物の調製の一例である:
【化17】

【0127】
一般手順I−酸クロリドを用いるアミドカップリング:
DMF中の、アミン(1当量)、酸クロリド(1当量)及びDIPEA(1.5当量)の溶液を室温で14時間撹拌した。混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製し、所望の生成物を得た。
【0128】
下記一般スキームBは、一般手順2による、本発明の化合物の調整の一例である:
【0129】
【化18】

【0130】
一般手順2−カルボン酸を用いるアミドカップリング:
DMF中の酸(1当量)及びHATU(1当量)の溶液を室温で30分間振とうし、次にDMF中のアミン(1当量)及びDIPEA(2当量)の溶液を加え、混合物を室温で2時間振とうする。混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して、所望の生成物を得る。
【0131】
実施例
実施例1
6−メトキシ−1’−(2−ナフトイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン:
【0132】
【化19】

【0133】

一般手順I記載のアミドカップリング:
−アミン:6−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941に記載)
−酸クロリド:ナフタレン−2−カルボニルクロリド
ES-MS m/e(%):388.4(M+H+)
【0134】
実施例2
1’−(4−tert−ブチルベンゾイル)−6−クロロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0135】
【化20】

【0136】
一般手順I記載のアミドカップリング:
−アミン:6−クロロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941に記載)
−酸クロリド:4−tert−ブチル−ベンゾイルクロリド
ES-MS m/e(%):398.4(M+H+)
【0137】
実施例3
Rac−(1R,3’S)−1’−(4−tert−ブチルベンゾイル)−3’−メチル−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0138】
【化21】

【0139】
一般手順I記載のアミドカップリング:
− アミン:rac−(1R,3’S)−3’−メチル−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(WO 9929696に記載)
− 酸クロリド:4−tert−ブチル−ベンゾイルクロリド
ES-MS m/e(%):378.5(M+H+)
【0140】
実施例4
1’−(4−tert−ブチルベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0141】
【化22】

【0142】
一般手順I記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン (Journal of Organic Chemistry (1976), 41(15), 2628-33に記載)
−酸クロリド:4−tert−ブチル−ベンゾイルクロリド
ES-MS m/e(%):364.5(M+H+)
【0143】
実施例5
5−メトキシ−1’−(2−ナフトイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0144】
【化23】

【0145】
一般手順I記載のアミドカップリング:
−アミン:5−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941に記載)
−酸クロリド:ナフタレン−2−カルボニルクロリド
ES-MS m/e(%):388.5(M+H+)
【0146】
実施例6
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0147】
【化24】

【0148】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(Journal of Organic Chemistry(1976),41(15),2628-33に記載)
−酸:3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):376.4(M+H+)
【0149】
実施例7
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−6−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0150】
【化25】

【0151】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:6−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941に記載)
−酸:3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):406.4(M+H+)
【0152】
実施例8
6−クロロ−1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0153】
【化26】

【0154】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:6−クロロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941に記載)
−酸:3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):410.3(M+H+)
【0155】
実施例9
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−5−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0156】
【化27】

【0157】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:5−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941)
−酸:3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):406.4(M+H+)
【0158】
実施例10
5−ブロモ−1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0159】
【化28】

【0160】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:5−ブロモ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(本明細書に記載)
−酸:3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):456.3(M+H+)
【0161】
5−ブロモ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オンの合成を下記(3)に記載する:
【0162】
【化29】

【0163】
1の調製: 1’−メチル−(5−ブロモ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン):
ブチルリチウム(ヘキサン中の1.47M溶液97.2ml、143mmol)を、乾燥THF(300ml)中の2,5−ジブロモ−安息香酸(20g、72mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃で3.5時間かけて滴下した。反応混合物を−78℃で2時間撹拌した。ヘキサン(40ml)中のN−メチルピペリドン(11.31g、99mmol)の溶液を、反応混合物に−78℃で30分間滴下した。反応混合物を室温にして、撹拌を一晩続けた。反応混合物を水(500ml)及びエーテル(300ml)の混合物に加えた。水層をエーテル(5×150ml)で抽出し、濃HCI(pH2〜3に)で酸性化し、エーテル(2×150ml)で抽出した。酸性溶液を1時間沸騰し、次に0〜5℃に冷却して、NaOH水溶液でアルカリ性(pH9〜10に)にした。冷溶液をクロロホルム(5×300ml)で急速に抽出した。合わせたクロロホルム抽出物を水(150ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で蒸発させた。残留物を、ジクロロメタン中のメタノール(0.5%〜2.5%)で溶離するシリカゲル(100−200)カラムクロマトグラフィーにより精製し、1(4.2g、20%)を得た。1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.71 (d, J = 14.2 Hz, 2H), 2.15-2.24 (m, 2H), 2.37 (s, 3H), 2.45-2.52 (m, 2H), 2.83-2.87 (m, 2H), 7.26 (d, J = 8.25 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 1H). 13C-NMR (100MHz, CDCl3): δ 35.95, 46.05, 51.42, 84.00, 122.54, 122.97, 127.52, 128.64, 137.06, 152.24, 167.77
【0164】
2の調製: 1’−シアノ−(5−ブロモ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン):
クロロホルム(50ml)中の1(3.0g、10mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、クロロホルム(100ml)中の臭化シアン(12.16g、120mmol)の撹拌した沸騰溶液に滴下し、得られた溶液を一晩還流した。反応混合物を冷却し、5%HCl 25ml、次に水20mlで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させた。残留物をジクロロメタン中のメタノール(0.5%〜1.0%)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィー(100−200)により精製して、純粋な生成物(1.6g、51%)を得た。1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.72 (d, J = 14.2Hz, 2H), 2.24-2.32 (m, 2H), 3.37-3.59 (m, 4H), 7.32 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 7.83 (dd, J = 8.0, 1.7Hz, 1H), 8.03 (d, J = 1.7Hz, 1H)
【0165】
3の調製: (5−ブロモ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン):
2(1.0g、3.2mmnol)及び20%HCI(12ml)の混合物を、窒素雰囲気下、6時間加熱還流した。反応混合物を0〜5℃に冷却し、pHをNaOH水溶液で9〜10に調整して、クロロホルム(3×50ml)で急速に抽出した。合わせた抽出物を水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧下で蒸発させた。残留物を蒸留したヘキサンで洗浄し、高真空下で乾燥させ、純粋な生成物(0.64g、70%)を得た。IR (KBr) 3333.84, 2905.3, 2835.25, 2811.07, 2749.38, 1756.04, 1470.28, 1415.14, 1271.03, 1196.28, 1083.84, 929.07, 831.50, 792.35, 734.78, 691.24, 548.46, 534.50 cm-1. 1H-NMR (400MHz, CDCl3): δ 1.66-1.72 (m, 2H), 2.02-2.09 (m, 2H), 3.07-3.18 (m, 4H), 7.29 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 7.8, 1.7 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 1.7Hz, 1H). 13C-NMR (100MHz, CDCl3): δ 6.33, 42.49, 85.23, 122.61, 122.93, 127.39, 128.64, 137.07, 152.44, 167.91. FIA-MS: 282.1 and 284.1; C12 H1279BrNO2 [MH+] requires 282.1. 融点:162〜163℃
【0166】
実施例11
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0167】
【化30】

【0168】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(WO 2001014376に記載)
−酸:3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):394.3(M+H+)
【0169】
実施例12
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0170】
【化31】

【0171】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:6−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(WO 2001014376に記載)
−酸: 3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):436.4(M+H+)
【0172】
(6−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン):6の調製
【0173】
【化32】

【0174】
4の調製: 1’−メチル−6−(2−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン:
乾燥THF(200ml)中の置換された2−ブロモ−4−フルオロ−安息香酸(10.9g、50mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(ヘキサン類中1.6M)(100mmol)を−78℃で滴下し(3時間)、得られた溶液を同じ温度で更に2時間撹拌した。乾燥ヘキサン(25ml)中の新たに蒸留したN−メチル 4−ピペリドン6(7.91g、70mmol)を同じ温度で30分間かけて加えた。混合物を次に室温で撹拌し、最終的にエーテル(200ml)及び水(300ml)に加えた。塩基(水性)層をエーテル(5×100ml)で抽出し、水層を濃塩酸(pH2〜3)で酸性化し、エーテルで抽出した。水溶液を1時間沸騰し、次に0〜5℃に冷却し、冷水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性(pH9〜10)にした。冷溶液をクロロホルム(5×200ml)で急速に抽出した。合わせたクロロホルム抽出物を水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、明黄色の固体を得て、それを、30−50% 酢酸エチル−ヘキサンの勾配で溶離する中性アルミナで精製して、白色の固体として9 1.75g(15%)を得た。1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ1.68-1.75 (m, 2H), 2.18-2.19 (m, 1H), 2.38 (s, 3H), 2.44-2.52 (m, 2H), 2.68-2.84 (m, 2H), 2.84-2.85 (m, 1H), 7.02-7.05 (m, 1H), 7.19-7.22 (m, 1H), 7.84-7.87 (m, 1H); FIA-MS: 236 (M + 1)
【0175】
5の調製: 1’−シアノ−6−(2−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン:
乾燥クロロホルム(10ml)中のN−メチル化ラクトン9(1.17g、5mmol)の溶液に、臭化シアン(60mnol)を加え、得られた溶液を36時間還流した。反応混合物を5%HCI(5ml)、次に水(2.5ml)で抽出した。クロロホルム溶液を乾燥させ(無水MgSO4)、濃縮し、淡黄色の固体を得て、それを、1% MeOH−CHClで溶離するSiOでのクロマトグラフィーに付し、白色の固体として5 858mg(70%)を得た。1H-NMR (CDCl3, 400 MHz): δ1.72-1.76 (m, 2H), 2.22-2.30 (m, 1H), 3.48-3.60 (m, 4H), 7.09-7.11 (m, 1H), 7.11-7.28 (m, 1H), 7.89-7.92 (m, 1H); IR (KBr): 3492, 3043, 2216, 1760, 1602, 1478 cm-1
【0176】
6の調製: 6−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン):
N−シアノラクトン5(1.23g、5mmol)を、エチレングリコール(5ml)及び水酸化ナトリウム(0.82g、20.5mmol)で、130℃にて15〜20分加熱した。大部分のエチレングリコールを蒸留により高真空下で除去した。残留反応混合物を水で希釈し、クロロホルムで繰り返し抽出した。合わせた有機物を乾燥させ、濃縮し、半固体の材料を得て、それをNH(水性)を含む5〜7% MeOH/CHClで溶離するAlカラムで精製し、CRI 1072の789mg(60%)を淡黄色の固体として得た。1H-NMR (d6-DMSO, 400 MHz): δ1.47-1.50 (m, 2H), 2.03-2.10 (m, 2H, 2.79-2.85 (m, 2H), 2.95-2.97 (m, 2H), 3.73-3.76 (m, 2H), 4.12-4.14 (m, 2H), 7.09 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 7.69 (d, J = 8.4 Hz, 1H); 13C-NMR (d6-DMSO, 100 MHz): δ35.9, 42.3, 59.3, 70.4, 84.6, 106.4, 116.6, 117.0, 126.8, 156.9, 163.9, 168.5; FIA-MS: 264.3 (M + 1).
【0177】
実施例13
1’−(2,3−ジクロロベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン:
【0178】
【化33】

【0179】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(Journal of Organic Chemistry(1976),41(15),2628-33に記載)
−酸:2,3−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):376.4(M+H+)
【0180】
実施例14
1’−(2,3−ジクロロベンゾイル)−6−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0181】
【化34】

【0182】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:6−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941に記載)
−酸:2,3−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):406.4(M+H+)
【0183】
実施例15
6−クロロ−1’−(2,3−ジクロロベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0184】
【化35】

【0185】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:6−クロロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941に記載)
−酸:2,3−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):410.2(M+H+)
【0186】
実施例16
1’−(2,3−ジクロロベンゾイル)−5−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0187】
【化36】

【0188】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:5−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941に記載)
−酸:2,3−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):406.4(M+H+)
【0189】
実施例17
1’−(2,3−ジクロロベンゾイル)−5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0190】
【化37】

【0191】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(WO 2001014376に記載)
−酸:2,3−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):394.3(M+H+)
【0192】
実施例18
1’−(2,3−ジクロロベンゾイル)−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0193】
【化38】

【0194】
一般手順2記載のアミドカップリング:
− アミン:6−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(本明細書に記載)
−酸:2,3−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):436.4(M+H+)
【0195】
実施例19
1’−[(5−クロロ−1H−インダゾール−7−イル)カルボニル]−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0196】
【化39】

【0197】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(Journal of Organic Chemistry(1976),41(15),2628-33に記載)
−酸:5−クロロ−1H−インダゾール−7−カルボン酸(WO 2006013048に記載)
ES-MS m/e(%):382.4(M+H+)
【0198】
実施例20
1’−[(5−クロロ−1H−インダゾール−7−イル)カルボニル]−6−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン
【0199】
【化40】

【0200】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:6−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン(EP 722941に記載)
−酸:5−クロロ−1H−インダゾール−7−カルボン酸(WO 2006013048に記載)
ES-MS m/e(%):412.4(M+H+)
【0201】
実施例21
1’−(1−ナフトイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0202】
【化41】

【0203】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:ナフタレン−1−カルボン酸
ES-MS m/e(%):344.4(M+H+)
【0204】
実施例22
4−フルオロ−1’−(1−ナフトイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0205】
【化42】

【0206】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:4−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
(Journal of Medicinal Chemistry(1995),38(11),2009-17に従って調製)
−酸:ナフタレン−1−カルボン酸
ES-MS m/e(%):362.3(M+H+)
【0207】
実施例23
1’−(2−エトキシ−1−ナフトイル)−4−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0208】
【化43】

【0209】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:4−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](Journal of Medicinal Chemistry(1995),38(11),2009-17に従って調製)
−酸:2−エトキシナフタレン−1−カルボン酸(CAS 2224-00-2)
ES-MS m/e(%):406.5(M+H+)
【0210】
実施例24
1’−(2−エトキシ−1−ナフトイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0211】
【化44】

【0212】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:2−エトキシナフタレン−1−カルボン酸(CA 2224-00-2)
ES-MS m/e(%):388.3(M+H+)
【0213】
実施例25
1’−(4−tert−ブチルベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0214】
【化45】

【0215】
一般手順1記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:4−tert−ブチル−ベンゾイルクロリド
ES-MS m/e(%):350.5(M+H+)
【0216】
実施例26
1’−[(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)カルボニル]−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0217】
【化46】

【0218】
一般手順1記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−カルボニルクロリド(CAS 143096-86-0)
ES-MS m/e(%):374.4(M+H+)
【0219】
実施例27
1’−[(5−メトキシ−1H−インドール−7−イル)カルボニル]−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0220】
【化47】

【0221】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:5−メトキシ−1H−インドール−7−カルボン酸(本明細書で調製)
ES-MS m/e(%):363.5(M+H+)
【0222】
5−メトキシ−1H−インドール−7−カルボン酸の調製:
【0223】
【化48】

【0224】
THF中の7−ブロモ−5−メトキシ−1H−インドール(WO 2002028861に記載)の溶液を、n−ヘキサン(1.6M)中のn−BuLiの溶液2当量で5℃にて処理し、30分後この温度で−75℃に冷却した。ドライアイス(過剰量)を加え、15分後混合物をHOでクエンチし、EtOAcで洗浄した。水層を酸性化し、CHClに抽出した後、蒸発させて所望の生成物を得た。
ES-MS m/e(%):192.1(M+H+)
【0225】
実施例28
1’−(1H−ベンゾイミダゾール−7−イルカルボニル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0226】
【化49】

【0227】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:3H−ベンゾイミダゾール−4−カルボン酸(CAS 46006-36-4)
ES-MS m/e(%):334.4(M+H+)
【0228】
実施例29
1’−(1H−インドール−7−イルカルボニル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0229】
【化50】

【0230】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:1H−インドール−7−カルボン酸(CAS 1670-83-3)
ES-MS m/e(%):333.5(M+H+)
【0231】
実施例30
1’−(1,3−ベンゾジオキソール−4−イルカルボニル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]
【0232】
【化51】

【0233】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−カルボン酸(CAS 5768-39-8)
ES-MS m/e(%):338.4(M+H+)
【0234】
実施例31
3,3−ジメチル−6−(1’H,3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−1’−イルカルボニル)−1,3−ジヒドロ−2H−インドール−2−オン
【0235】
【化52】

【0236】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:3,3−ジメチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−カルボン酸(EP 344634に記載)
ES-MS m/e(%):377.5(M+H+)
【0237】
実施例32
5−ブロモ−1’−(4−tert−ブチルベンゾイル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン
【0238】
【化53】

【0239】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:5−ブロモ−スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(本明細書に記載の調製)
−酸:4−tert−ブチル−安息香酸
ES-MS m/e(%):441.5(M+H+)
【0240】
5−ブロモ−スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン
【0241】
【化54】

【0242】
1,5−ジクロロ−3−メチル−3−アザペンタン塩酸塩 8: ギ酸(10.0g;0.2mol)及び37%ホルムアルデヒド(20ml)を、還流冷却器を備えた250ml丸底フラスコ中で混合した。1,5−ジクロロ−3−アザペタン塩酸塩(17.0g;0.1mol)を加え、溶液を100℃で磁気撹拌し、加熱した。3時間後、温度を120℃に20分間上昇させ、最終的に室温に冷えるにまかせ、その後溶媒を真空下で蒸発させ、8を白色の固体として定量的収率で得た。1HNMR (CD3OD, 400MHz) δ3.0 (s, 3 H); 3.45 (br s, 2 H); 3.62(br s, 2 H); 4.07(br s, 4 H)
【0243】
1’−(メチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン 10:
THF(500ml)中のオキシインドール9(6.25g、47mmol)の溶液を−78℃に冷却し、それに、THF(300ml)中のナトリウムヘキサメチルジシラジド(43g、235mmol)の溶液をN雰囲気下で滴下した。−78℃で45分間撹拌した後、N−メチルビス(2−クロロメチル)アミン塩酸塩(9g、47mmol)を固体として加えた。反応混合物を−78℃で1時間、及び室温で24時間撹拌した。HO(90ml)でクエンチした後、混合物を酢酸エチル(3×100ml)で抽出した。有機抽出物をブライン(25ml)で洗浄し、乾燥させ、真空下で溶媒を除去した。シリカゲルクロマトグラフィー(5〜50% MeOH/CHCl、勾配)に付し、固体6g(57%)として10を得た。1HNMR (CD3OD, 400MHz)δ1.84(m, 2 H); 2.51(m, 2 H); 2.62 (s, 3H); 3.02(m, 2 H); 3.37(m, 2H); 6.82(d, 1 H, J = 7.68 Hz); 6.94(t, 1 H, J = 7.58 Hz); 7.12 (t, 1 H, J = 7.7 Hz); 7.26 (d, 1 H, J = 9 Hz); 9.27(br s, 1H)
【0244】
5−ブロモ−1’−(メチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン (11):
CHCN(100ml)及びMeOH(5ml)中の1’−(メチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(6.3g、29.1mmol)の溶液を−5℃に冷却し、NBS(7.8g、44mmol)を撹拌しながらゆっくりと加えた。反応混合物を0℃で3.5時間撹拌した。溶媒を真空下で除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(2〜20% MeOH/CHCl)により精製し、固体として6gを得た。固体の化合物を酢酸エチル(600ml)に溶解し、飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。真空下で溶媒を蒸発させ、11 4.2g(47%)を得た。1HNMR (CD3OD, 400MHz)δ7.51(d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.35(dd, J = 1.9, 8.2 Hz, 1H), 6.81(d, J = 8.2 Hz, 1H), 2.93(m, 2H), 2.67(m, 2H), 2.41(s, 3H), 1.86(m, 4H)
【0245】
5−ブロモ−1’−(シアノ)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン (12):
5−ブロモ−1’−(メチル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン 11(4.6g、15.6mmol)をクロロホルム(700ml)に溶解し、CNBr(22g、209.5mmol)で室温にて処理した。混合物を24時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、塩化メチレン(300ml)で希釈して、10%KCO水溶液(2×100ml)で洗浄した。混合物を乾燥させて(NaSO)濃縮した後、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜5% MeOH/CHCl)により精製し、固体3.9g(82%)として7を得た。1HNMR (CDCl3, 400MHz)δ7.52 (d, J = 1.8Hz, 1H), 7.37(dd, J = 1.8, 8.2 Hz, 1H), 6.82 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.83(m, 2H), 3.41(m, 2H), 2.00(m, 2H), 1.86(m, 2H)
【0246】
5−ブロモ−スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン (13):
5−ブロモ−1,2−ジヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,4’−ピペリジン]−1’−シアノ 12(3.3g、10.8mmol)をエチレングリコール(10ml)に懸濁した。混合物をNaOH(1.8g、45mmol)中で処理し、130℃に15分間加熱した。それを塩化メチレン(500ml)で希釈し、10%KCO(2×100m)水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(30%MeOH/CHCl)により精製し、明セラミック白色の固体1.8g(60%)、融点256〜258℃として13を得た。1HNMR (DMSO-d6, 400MHz)δ10.6(br s, 1H, NH), 7.57(d, J = 1.84Hz, 1H), 7.36(d, J = 8.2Hz, 1H), 6.79(d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.05 (br s, 1H, NH), 3.06(m, 2H), 2.84(m, 2H), 1.64(m, 2H), 1.55(m, 2H), 13C NMR (DMSO-d6, 100MHz) d 180.93, 140.64, 137.98, 130.42, 126.75, 113.20, 111.45, 46.24, 40.92, 32.94. Anal.Calcd for C12H13BrN2O: C, 51.26; H, 4.66; N, 9.9 実測値: C, 50.87; H, 4.91; N, 9.67
【0247】
実施例33
5−ブロモ−1’−(2−ナフトイル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン
【0248】
【化55】

【0249】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:5−ブロモ−スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(本明細書に記載の調製)
−酸:ナフタレン−2−カルボン酸
ES-MS m/e(%):435.4(M+H+)
【0250】
実施例34
1’−(4−クロロベンゾイル)−4−メチルスピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン
【0251】
【化56】

【0252】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:4−メチルスピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン(1,5−ジクロロ−3−メチル−3−アザペンタン塩酸塩から出発して、5−ブロモ−スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オンと同様に調製)
−酸:4−クロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):355.4(M+H+)
【0253】
実施例35
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)スピロ[1−ベンゾフラン−3,4’−ピペリジン]
【0254】
【化57】

【0255】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:スピロ[1−ベンゾフラン−3,4’−ピペリジン](CAS 38309-60-3)
−酸:3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):362.4(M+H+)
【0256】
実施例36
1’−(2−ナフトイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
【0257】
【化58】

【0258】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン](CAS 33042-66-9)
−酸:ナフタレン−2−カルボン酸
ES-MS m/e(%):340.5(M+H+)
【0259】
実施例37
1’−(4−tert−ブチルベンゾイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
【0260】
【化59】

【0261】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン](CAS 33042-66-9)
−酸:4−tert−ブチル−安息香酸
ES-MS m/e(%):346.5(M+H+)
【0262】
実施例38
1’−[(2,2−ジフルオロ−1,3−ベンゾジオキソール−4−イル)カルボニル]スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
【0263】
【化60】

【0264】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン](CAS 33042-66-9)
−酸:2,2−ジフルオロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−カルボニルクロリド(CAS 143096-86-0)
ES-MS m/e(%):370.4(M+H+)
【0265】
実施例39
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
【0266】
【化61】

【0267】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン](CAS33042-66-9)
−酸:3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):358.4(M+H+)
【0268】
実施例40
1’−(2,3−ジクロロベンゾイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
【0269】
【化62】

【0270】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン](CAS 33042-66-9)
−酸:2,3−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):358.4(M+H+)
【0271】
実施例41
1’−[(5−クロロ−1H−インダゾール−7−イル)カルボニル]スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
【0272】
【化63】

【0273】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン](CAS 33042-66-9)
−酸:5−クロロ−1H−インダゾール−7−カルボン酸(WO 2006013048に記載)
ES-MS m/e(%):364.4(M+H+)
【0274】
実施例42
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
【0275】
【化64】

【0276】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン](CAS 428-38-6)
−酸:3,4−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):360.4(M+H+)
【0277】
実施例43
1’−(2,3−ジクロロベンゾイル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
【0278】
【化65】

【0279】
一般手順2記載のアミドカップリング:
−アミン:2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン](CAS 428-38-6)
−酸:2,3−ジクロロ−安息香酸
ES-MS m/e(%):360.4(M+H+)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化66】


[式中、
Xは、Oであり、Yは、C=Oであるか、
Xは、Oであり、Yは、CHであるか、
Xは、C=Oであり、Yは、NRであるか、
Xは、CHであり、Yは、Oであるか、又は
X−Yは、CH=CHであるか、若しくは
X−Yは、CH−CHであるか、又は
Xは、C=Oであり、Yは、Oであるか、若しくは
Xは、CHであり、Yは、NRであり;
、R、R及びRは、各々独立に、
水素、
ハロ、
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルキル、
ハロ−C1−6−アルキル、
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルコキシ、又は
ハロ−C1−6−アルコキシであり;
及びR5’は、各々独立に、水素又はメチルであり;
は、水素又はC1−6−アルキルであり;
、R7’、R、R8’、及びRは、各々独立に、
水素、
ハロ、
ハロ−C1−6−アルキル、
1−6−アルキル、
1−6−アルコキシ、
ハロ−C1−6−アルコキシ、
ニトロ、若しくは
シアノから選択されるか、
又はR及びR、R7’及びR8’、R及びR若しくはR8’及びRは、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する{ここで、
−R−R−又は−R7’−R8’−は、
−N(R10)−N=CH−若しくは−CH=N−N(R10)−
(式中、R10は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−N(R11)−CH=CH−若しくは−CH=CH−N(R12)−
(式中、R11は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−O−(CR1616’−O−
(式中、nは、1又は2であり、R16及びR16’は、各々独立に、水素、ハロ又はC1−6−アルキルである)、
−N(R17)−CH=N−若しくは−N=CH−N(R17)−
(式中、R17は、水素又はC1−6−アルキルである)、又は
−N(R18)−C(O)−CH−若しくは−CH−C(O)−N(R18)−
(式中、R18は、水素又はC1−6−アルキルである)である}]
の化合物又はその薬学的に許容しうる塩。
【請求項2】
、R、R及びRが、各々独立に、
水素、
ハロ、
1−6−アルキル、又は
場合によりOHで置換されている、C1−6−アルコキシである、請求項1記載の式(I)の化合物。
【請求項3】
及びR7’が、各々独立に、水素又はハロである、請求項1または2記載の式(I)の化合物。
【請求項4】
及びR8’が、各々独立に、水素、ハロ又はC1−6−アルコキシである、請求項1〜3のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項5】
及びR又はR7’及びR8’が、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する{ここで、
−R−R−又は−R7’−R8’−は、
−N(R10)−N=CH−若しくは−CH=N−N(R10)−
(式中、R10は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−N(R11)−CH=CH−若しくは−CH=CH−N(R12)−
(式中、R11は、水素又はC1−6−アルキルである)、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−O−(CR1616’−O−
(式中、nは、1又は2であり、R16及びR16’は、各々独立に、水素、ハロ又はC1−6−アルキルである)、又は
−N(R17)−CH=N−若しくは−N=CH−N(R17)−
(式中、R17は、水素又はC1−6−アルキルである)である}、請求項1〜4のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項6】
が、水素、ハロ又はC1−6−アルキルである、請求項1〜5のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項7】
及びR又はR8’及びRが、一緒に結合して、フェニル部分と共に環を形成する{ここで、
−R−R−又は−R8’−R−は、
−C(R12)=C(R13)−C(R14)=C(R15)−
(式中、R12、R13、R14及びR15は、各々独立に、水素、ハロ、ハロ−C1−6−アルキル、C1−6−アルキル、C1−6−アルコキシ、ハロ−C1−6−アルコキシ、ニトロ、又はシアノから選択される)、
−N(R18)−C(O)−CH−若しくは−CH−C(O)−N(R18)−
(式中、R18は、水素又はC1−6−アルキルである)である}、請求項1〜6のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項8】
6−メトキシ−1’−(2−ナフトイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−6−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−5−メトキシ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−5−フルオロ−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−6−(2−ヒドロキシエトキシ)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]−3−オン、
1’−(4−tert−ブチルベンゾイル)−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]、
1’−[(5−メトキシ−1H−インドール−7−イル)カルボニル]−3H−スピロ[2−ベンゾフラン−1,4’−ピペリジン]、
5−ブロモ−1’−(2−ナフトイル)スピロ[インドール−3,4’−ピペリジン]−2(1H)−オン、
1’−(2−ナフトイル)スピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]、又は
1’−(3,4−ジクロロベンゾイル)−2,3−ジヒドロスピロ[インデン−1,4’−ピペリジン]
から選択される、式(I)の化合物。
【請求項9】
式(II):
【化67】


の化合物を、式(III−b):
【化68】


の酸塩化物と反応させて、式(I)の化合物(式中、R〜R10並びにX及びYは、請求項1に定義されたとおりである)を得る工程を含む、請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項10】
式(II):
【化69】


の化合物を、式(III−a):
【化70】


の酸と反応させて、式(I)の化合物(式中、R〜R10並びにX及びYは、請求項1に定義されたとおりである)を得る工程を含む、請求項1記載の式(I)の化合物の製造方法。
【請求項11】
請求項9及び10のいずれか一項記載の方法により得られる式(I)の化合物。
【請求項12】
月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害の予防又は治療において使用するための、請求項1〜8のいずれか一項記載の式(I)の化合物。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれか一項記載の式(I)の化合物を含む、医薬組成物。
【請求項14】
月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害に対して有用である、請求項13記載の医薬組成物。
【請求項15】
医薬の製造のための、請求項1〜8のいずれか一項記載の式(I)の化合物の使用。
【請求項16】
医薬が、月経困難症、高血圧、慢性心不全、バソプレシンの分泌異常、肝硬変、ネフローゼ症候群、強迫性障害、不安及び抑鬱障害に対して有用である、請求項15記載の使用。
【請求項17】
本明細書に上述の発明。

【公表番号】特表2010−513384(P2010−513384A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542006(P2009−542006)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063879
【国際公開番号】WO2008/077810
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】