説明

スピロインドリノン誘導体

X、R1、R2、R3、R4およびRが、本明細書において記載された通りである、式(I)のスピロインドリノン誘導体、ならびにその医薬として許容される塩およびエステルが提供される。本発明の化合物は、細胞増殖性疾患、特に腫瘍性疾患の治療または抑制において有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
p53タンパク質は、癌発生の予防において中心的な役割を果たす腫瘍抑制タンパク質である。それは細胞統合性を保護し、そして増殖停止またはアポトーシスの誘導によって、永続的な損傷を受けた細胞クローンの増殖を防止する。分子レベルにおいて、p53は細胞周期およびアポトーシスの調節に関与する遺伝子の一団を活性化することができる転写因子である。p53は、細胞レベルでMDM2によって堅固に調節される、強力な細胞周期阻害剤である。MDM2およびp53は、フィードバック制御ループを形成する。MDM2はp53と結合し、そしてp53調節遺伝子を転写活性化する能力を阻害することができる。さらにMDM2は、p53のユビキチン依存性分解を媒介する。p53は、MDM2遺伝子の発現を活性化することができ、したがってMDM2タンパク質の細胞レベルを上昇させることができる。このフィードバック制御ループは、MDM2およびp53の両方が正常な増殖細胞において低レベルで維持されることを保証する。MDM2はまた、細胞周期において中心的な役割を果たすE2Fの補因子である。
【0002】
MDM2とp53(E2F)との比は、多くの癌において調節されていない。例えば、p16INK4/p19ARF遺伝子座において頻繁に生じる分子欠損は、MDM2タンパク質の分解に影響を及ぼすことが示されている。野生型p53を有する腫瘍細胞におけるMDM2−p53相互作用の阻害は、p53の蓄積、細胞周期停止、および/またはアポトーシスを引き起こすはずである。したがってMDM2拮抗薬は、単剤、または広範囲の他の抗腫瘍治療との併用での癌治療における新規手法を提供し得る。この方法の実現可能性は、MDM2−p53相互作用の阻害のための異なる高分子ツール(例えば抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド)を使用することによって示された。MDM2はまた、p53の場合のように保存された結合領域を通じてE2Fと結合し、そしてサイクリンAのE2F依存性転写を活性化し、このことは、MDM2拮抗薬がp53変異細胞において効果を有し得ることを示唆している。
【0003】
MDM2拮抗薬としての一連のスピロインドリノンが、以前にJ.Am Chem.Soc,2005,127,10130において開示されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、MDM2−p53相互作用の小分子阻害剤であるスピロインドリノン誘導体を提供する。無細胞および細胞系アッセイにおいて、本発明の化合物は、MDM2タンパク質とp53様ペプチドとの相互作用を阻害することが示されている。細胞系アッセイにおいて、これらの化合物は機構的な作用を示す。癌細胞と野生型p53とのインキュベーションにより、p53の蓄積、ならびにG1期およびG2期における細胞周期停止が起こり、その結果、インビトロにおいて野生型p53細胞に対する強力な抗増殖活性をもたらす。対照的にこれらの活性は、変異型p53を有する癌細胞で、同程度の化合物濃度において観察されなかった。したがって、MDM2拮抗薬の活性はその作用機構と関連しているらしい。これらの化合物は、強力かつ選択的な抗癌剤であり得る。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本発明は、式
【0006】
【化1】

【0007】
[式中、
Xは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシおよびビニルからなる群から選択され、
1およびR2の一方は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から選択され、そして他方は水素であり、
3およびR4の一方は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から選択され、そして他方は水素であり、
Rは、水素、低級アルキルおよび置換低級アルキルからなる群から選択される]
で表されるスピロインドリノン、ならびにその医薬として許容される塩およびエステルに関する。
【0008】
以下の式II
【0009】
【化2】

【0010】
[式中、
Xは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、またはビニルであり、
1は水素であり、
3は水素であり、
2/R4は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニルおよび置換シクロアルケニルからなる群から独立して選択され、ならびに
Rは、水素、低級アルキルまたは置換低級アルキルである]
として示される立体化学的構造を有する、式Iで表される化合物、ならびにその医薬として許容される塩およびエステルが好ましい。
【0011】
Xが塩素または臭素であり、
1が水素であり、
3が水素であり、
4が:
【0012】
【化3】

【0013】
からなる群から選択される置換フェニルまたは置換ヘテロアリールを含む、置換フェニルまたは置換ヘテロアリールであり、
2が、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から独立して選択され、ならびに
Rが水素、低級アルキル、または置換低級アルキルである式IIの化合物がさらに好ましい。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態において、
Xが−Clであり;
1およびR3が水素であり;
4が3−クロロ−フェニルであり;
2が、無置換である、またはハロゲン、−OH、−C2-6アルキニル、−O−C2-8アルケニル、または−C1-8アルキルおよび−O−C1-8アルキルからなる群から独立して選択される置換基によって一回もしくは二回置換される−フェニルであって、当該C1-8アルキルは無置換であるか、また−OHによって一回もしくは二回置換されていてもよく、あるいは
−C2-8アルケニルであり;ならびに
Rが水素、あるいは
無置換である、または
−N−(C1-8アルキル)2
−O−C1-8アルキル、
−O−C(O)−C1-8アルキル、
−OH、
−NH−C(O)−C1-8アルキル、
−C(O)−OH、
−C(O)−NH−C1-8アルキル(当該アルキル基は、無置換であるか、または−OHによって1回もしくは2回置換される)、
−C(O)−NH−C3-6シクロアルキル、
−C(O)−NH2
−C(O)−NH−ピペリジニル(当該ピペリジルは、無置換であるか、または−S(O)2−CH3によって置換される)
によって置換されるC1-8アルキルである、式IまたはIIの化合物;ならびに
その薬学的に許容される塩およびエステルが提供される。
【0015】
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(3−ジメチルアミノプロピル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−メトキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセトキシエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
【0016】
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセチルアミノエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−フルオロカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
【0017】
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’S,3R,8’R)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−エチニル−2−ヒドロキシ−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−[2−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−5−ヨード−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、および
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−[2−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−5−エチニル−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン
の式で表される化合物が最も好ましい。
【0018】
本明細書において示された種々の置換基(R値)は、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、(例えば、ベンゾジオキシル基を形成する)ジオキソ−低級アルキレン、ハロゲン、ヒドロキシ、CN、CF3、NH2、N(H,低級アルキル)、N(低級アルキル)2、アミノカルボニル、カルボキシ、NO2、低級アルコキシ、チオ−低級アルコキシ、低級アルキルスルホニル、アミノスルホニル、低級アルキルカルボニル、低級アルキルカルボニルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキル−カルボニル−NH、フルオロ−低級アルキル、フルオロ−低級アルコキシ、低級アルコキシ−カルボニル−低級アルコキシ、カルボキシ−低級アルコキシ、カルバモイル−低級アルコキシ、ヒドロキシ−低級アルコキシ、NH2−低級アルコキシ、N(H,低級アルキル)−低級アルコキシ、N(低級アルキル)2−低級アルコキシ、ベンジルオキシ−低級アルコキシ、モノ−またはジ−低級アルキルで置換されたアミノ−スルホニル、および場合によりハロゲン、ヒドロキシ、NH2、N(H,低級アルキル)、またはN(低級アルキル)2で置換され得る低級アルキルからなる群から独立して選択される、1〜5個の、好ましくは1〜3個の置換基で置換されてもよい。アリール、ヘテロアリール、およびヘテロ環における好ましい置換基は、ハロゲン、低級アルコキシ、低級アルキル、およびアミノである。
【0019】
アルキル、アルケニル、アルキニル、または同様の基は、両方の末端で同一部分に結合される場合、環状構造が生じ得、ここで前記部分の二つの水素は、アルキル、アルケニル、アルキニル、または同様の基の2つの末端で置換され、その結果テトラリン、大員環、またはスピロ化合物のような環状構造を作り出す。
【0020】
用語「アルキル」は、1〜約20個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素基のことである。特定の実施形態において、アルキル置換基は低級アルキル置換基であってもよい。用語「低級アルキル」は、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基のことであり、そして特定の実施形態において、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である。アルキル基の例は、限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、およびs−ペンチルを含む。
【0021】
本明細書において使用される「シクロアルキル」は、炭素原子のみ、好ましくは3〜6個の炭素原子からなる、飽和である任意の安定な単環または多環系のことを意図している。シクロアルキルの例は、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、シクロオクチル、ビシクロアルキル、またはスピロ化合物を含み、当該ビシクロアルキルは、ビシクロオクタン、例えば[2.2.2]ビシクロオクタンまたは[3.3.0]ビシクロオクタン、ビシクロノナン、例えば[4.3.0]ビシクロノナン、およびビシクロデカン、例えば[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)を含む。
【0022】
本明細書において使用される用語「アルケニル」は、一つの二重結合を含み、そして2〜8個の、好ましくは2〜6個の炭素原子を有する不飽和の直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素基を意味する。かかる「アルケニル基」の例は、ビニル(エテニル)、アリル、イソプロペニル、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、および5−ヘキセニルである。
【0023】
用語「シクロアルケニル」は、炭素原子のみからなり、少なくともその一つの環が部分的に不飽和である任意の安定な単環または多環系のことを意図している。
【0024】
シクロアルケニルの例は、限定されないが、シクロペンテニルまたはシクロヘキセニルを含む。
【0025】
本明細書において使用される用語「アルキニル」は、一つの三重結合を含み、そして2〜6個の、好ましくは2〜4個の炭素原子を有する不飽和の直鎖または分岐鎖脂肪族炭化水素基を意味する。かかる「アルキニル基」の例は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、および5−ヘキシニルである。
【0026】
定義において使用される用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、ヨウ素、または臭素を、好ましくはフッ素および塩素を意味する。
【0027】
「アリール」は、一価の、単環または二環の芳香族性炭素環式炭化水素基、好ましくは6〜10員の芳香環系を意味する。好ましいアリール基は、限定されないが、フェニル、ナフチル、トリル、およびキシリルを含む。
【0028】
「ヘテロアリール」は、2つまでの環を含む芳香族ヘテロ環系を意味する。好ましいヘテロアリール基は、限定されないが、チエニル、フリル、インドリル、ピロリル、ピリジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアキソリル(thiaxolyl)、キノリニル、ピリミジニル、イミダゾール、およびテトラゾリルを含む。
【0029】
二環であるアリールまたはヘテロアリールの場合において、一方の環がアリールであり、他方がヘテロアリールであってもよく、そして両方が置換されるかまたは無置換であることが理解されるべきである。
【0030】
「ヘテロ環」は、1〜3個の炭素原子が窒素、酸素または硫黄原子から選択されるヘテロ原子によって置き換えられている、置換または無置換の、5〜8員の単環式または二環式、芳香族または非芳香族炭化水素を意味する。例は、ピロリジン−2−イル;ピロリジン−3−イル;ピペリジニル;モルホリン−4−イルなどを含む。
【0031】
「ヘテロ原子」は、N、OおよびSから選択される原子を意味する。
【0032】
「アルコキシ、アルコキシル、または低級アルコキシ」は、酸素原子と結合した任意の上記低級アルキル基のことである。通常の低級アルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、またはプロポキシ、ブチルオキシなどを含む。複数のアルコキシ側鎖、例えばエトキシエトキシ、メトキシエトキシ、メトキシエトキシエトキシなど、および置換アルコキシ側鎖、例えばジメチルアミノエトキシ、ジエチルアミノエトキシ、ジメトキシ−ホスホリルメトキシなどが、アルコキシの意味の範囲内にさらに含まれる。
【0033】
医薬として許容される担体、賦形剤などにおける、「医薬として許容される」とは、薬理学的に許容され、そして特定の化合物が投与される対象に対して実質的に無毒であることを意味する。
【0034】
「医薬として許容される塩」は、本発明の化合物の生物学的効果および特性を保持する従来型の酸付加塩または塩基付加塩のことであり、そして好適な無毒性の有機もしくは無機酸、または有機もしくは無機塩基から形成される。実例の酸付加塩は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、および硝酸から得られるもの、ならびに有機酸、例えばp−トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸、トリフルオロ酢酸などから得られるものを含む。実例の塩基付加塩は、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、および水酸化4級アンモニウム、例えば水酸化テトラメチルアンモニウムから得られるものを含む。医薬品(すなわち薬剤)の塩への化学修飾は、化合物の改善された物理および化学的安定性、吸湿性、流動性、および溶解性を得るための、薬化学者に周知の技術である。例えばAnsel他,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems(第6版、1995)の196ページ、および1456〜1457ページを参照。
【0035】
式IまたはIIの化合物、およびそれらの塩は、少なくとも一つの不斉炭素原子を有し、従ってラセミ体混合物、または異なる立体異性体として存在してもよい。種々の異性体は、既知の分離法、例えばクロマトグラフィーによって単離され得る。本発明は全ての立体異性体を含む。
【0036】
本発明の化合物は、細胞増殖性疾患、とくに腫瘍性疾患の治療または抑制において有用である。これらの化合物または前記化合物を含む製剤は、固形腫瘍、例えば乳房、結腸、肺および前立腺の腫瘍の治療または抑制において有用であり得る。
【0037】
結果的に、本発明はまた、医薬としての使用のための式IまたはIIの化合物を提供する。特に本発明は、癌、より具体的には固形腫瘍、特に乳房、結腸、肺および前立腺の腫瘍の治療における医薬としての使用のための式IまたはIIの化合物を提供する。
【0038】
本発明の化合物の治療上有効な量は、疾患の症状を防止、緩和、または改善するために、あるいは処置されるべき対象を延命するために有効な化合物量を意味する。治療上有効な量の決定は、当技術分野における技術の範囲内である。
【0039】
本発明の化合物の治療上有効な量または投与量は、幅広い制限内で変化し得、そして当技術分野において既知の方法で決定され得る。かかる投与量は、投与される特定の化合物(単数もしくは複数)、投与経路、処置される条件、および処置される対象を含む、各々の特定の場合において、個々の必要性に応じて調節されるだろう。一般的に、体重約70Kgの成人への経口または非経口投与の場合において、約10mg〜約10,000mg、好ましくは約200mg〜約1,000mgの一日投与量が好適であるべきであるが、上限は、指示された場合においては超えてもよい。一日投与量は、単回投与で、または分割された投与量で投与され得、あるいは非経口投与のために連続的注入で与えられてもよい。
【0040】
本発明の製剤は、経口、経鼻、局所性(口腔および舌下を含む)、直腸、膣内、および/または非経口投与に好適であるものを含む。当該製剤は、通常は単位投薬剤形で存在し、そして薬学の分野において周知の任意の方法によって製造されてもよい。単一の投薬剤形を製造するために担体材料と組み合わされ得る活性成分の量は、処置されるべき対象、および特定の投与形式に依存して変化するだろう。一般的には、単一の投薬剤形を製造するために担体材料と組み合わされ得る活性成分の量は、治療効果を生む式IまたはIIの化合物量であろう。一般的に100パーセントの内、この量は約1〜約99パーセントの活性成分、好ましくは約5〜約70パーセントの活性成分、最も好ましくは約10〜約30パーセントの活性成分の範囲であろう。
【0041】
これらの製剤または組成物を製造する方法は、本発明の化合物と担体、および場合により一つ以上の副成分とを結合させるステップを含む。一般的に当該製剤は、本発明の化合物と液体担体、もしくは微粉化された固体担体、または両方とを均一かつ密に結合させ、その後必要ならば当該産物を成形することによって製造される。
【0042】
経口投与のために好適である本発明の製剤は、カプセル、カシェ(cachet)、サシェ(sachet)、丸薬、錠剤、ロゼンジ(香味基剤、通常スクロースおよびアカシア、またはトラガカントを使用)、粉末、顆粒の形態で、または水性もしくは非水性液体の溶液もしくは懸濁液として、または水中油型もしくは油中水型エマルションとして、またはエリキシル剤もしくはシロップとして、またはトローチ(不活性基剤、例えばゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアを使用)、および/または口腔洗浄剤などとして、あらかじめ決定された量の本発明の化合物を活性成分として各々含有して存在し得る。本発明の化合物はまた、急速静注剤、舐剤、またはペースト剤として投与され得る。
【0043】
「有効量」は、疾患の症状を防止、緩和、または改善するために、あるいは処置されるべき対象を延命するために有効である量を意味する。
【0044】
「IC50」は、具体的に測定された活性の50%を阻害するために必要な特定の化合物の濃度のことである。IC50は特に、以下に記載した通りに測定され得る。
【0045】
「医薬として許容されるエステル」は、通常にエステル化された、カルボキシル基もしくはヒドロキシ基を有する式IまたはIIの化合物のことであり、当該エステルは式Iの化合物の生物学的有効性および特性を保持しており、そしてインビボ(生物中)において、各々対応する活性なカルボン酸またはアルコールへと切断される。
【0046】
式IまたはIIにおける本発明の化合物は、以下の一般的スキームに従って合成され得る。式I〜IIの化合物は、一般的合成経路において試薬または薬剤を置き換えることで製造され得ることが当業者にとって明白であろう。出発原料は市販であるか、また当業者にとって既知である、文献に記載の確立された方法のいずれかによって合成され得る。キラルクロマトグラフィーによる精製を使用することで、式IIの化合物は、光学的に純粋なまたは豊富なエナンチオマーとして得られる。
【0047】
【化4】

【0048】
一般的に、好適に選択されたアルデヒドIは、リチウムヘキサメチルジシラミド、クロロトリアルキルシランおよび塩化アセチルとワンポット法または多段階法で反応して、2−アザ−1,3−ブタジエンIIを生成され得(スキームII)、そして粗生成物として使用され得る。Ghosez,L.他は、2−アザ−1,3−ブタジエンの製造、およびヘテロ環を形成するためのアザ・ディールス−アルダー反応におけるそれらの使用を報告した(参考文献:Tetrahedron 1995,11021;J.Am.Chem.Soc.1999,2617;およびそれらで引用された文献)。好適に選択されたアルデヒドIは市販か、または文献記載の確立された複数の方法のいずれかで合成され得る。
【0049】
【化5】

【0050】
オキシインドールIII は、好適に置換されたアルデヒドまたはケトンと、塩基の存在中、加熱条件下、プロトン性溶媒、例えばメタノール、エタノール、または非プロトン性溶媒、例えばトルエン、o−キシレンと反応して中間体IVを生成し得る。一般的に使用される塩基は、ピロリジンまたはピペリジンのいずれかである。中間体IVはその後、2−アザ−1,3−ブタジエンIIと、トルエンまたはo−キシレン中、100℃〜160℃で加熱しながら無水条件下で反応して、他の少量の生成物と共に見られる、主生成物としてのスピロインドリノンVおよびV’のラセミ体混合物を生成し得る。出発原料である6位置換オキシインドールIII は市販であるか、または文献記載の方法、例えばKraynack,E.A.;Dalgard,J.E.;Gaeta,F.C.A.Tetrahedron Letters,1998,39,7679−7682に従って製造されるかのいずれかである(スキーム2)。
【0051】
【化6】

【0052】
中間体IVは、保護されて中間体VIを生成し得る。保護基は、エチルクロロホルメート、二炭酸ジ−tert−ブチル、SEM−Cl、臭化ベンジル、および塩基、例えば4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)、トリエチルアミン、NaH、またはLiHを使用することによって、文献記載の確立された方法に従って結合され得る。保護基の形成およびそれらの脱保護の例は、Greene,T.W.他「Protective Groups in Organic Synthesis,第2版,John Wiley&Sons Inc」において包括的に記載かつ概説されている。同様の方法で、中間体VIは、スキーム1で製造された選択されたブタジエンIIと、トルエンまたはo−キシレン中、110℃〜160℃で加熱しながら無水条件で反応して、他の少量の立体異性体と共に2つのエナンチオマーのラセミ体混合物として見られる、主生成物としての中間体VII およびVII ’を形成し得る(スキーム3)。VおよびV’、またはVII およびVII ’のラセミ体混合物は、キラル超液体クロマトグラフィー(SFC)、またはキラルHPLC、またはキラルカラムクロマトグラフィー分離によって2つのキラル体エナンチオマーへと容易に分割されて、2つのキラル体エナンチオマーを生成し得る。
【0053】
Vは、制御された条件下において選択的に保護されてVII を生成し得る。この場合において、本明細書において有用な保護基Pgは、エチルカーバメート、またはtert−ブチルカーバメート(BOC)であり得る(スキーム4)。スキーム3におけるIVからVIへの変換と同様に、保護基は、ジクロロメタン中室温または低温で、エチルクロロホルメートまたは二炭酸ジ−tert−ブチル、および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)のような塩基を使用することによって結合され得る。
【0054】
【化7】

【0055】
トリアジノンXIIの合成は、スキーム5に記載される。有機塩基、またはCs2CO3、LiH、もしくはNaHのような無機塩基のいずれか、および市販試薬であるアルキルブロモアセテート(BrCH2COOR’、R’=Me、Et、tBu)を使用することによって、N−アルキル化された中間体VIIIは、VII から良好な収率で製造され得る。
【0056】
トルエン中加熱条件下で、ローソン試薬によってラクタムカルボニルをチオカルボニルへと選択的に変換する、引き続き行なわれる反応は、中間体IXを高収率で提供する。メタノール中、封管容器中で加熱条件下、ヒドラジン一水和物または無水ヒドラジンを用いるIXの処理は、中間体Xをもたらす。アルキル化試薬R−L、およびLiHまたはNaHのような塩基が、Xを中間体XIへと変換するために使用され得る。Rは、低級アルキル、置換低級アルキル、低級シクロアルキル、置換低級シクロアルキル基である。Lは優れた脱離基であり、例えばCl、Br、I、OMs、OTf、OTsなどである。VII からXIへのこれらの変換において、有用なPg基はトリメチルシロキシエトキシメチル(SEM)である。トリメチルシロキシエトキシメチル(SEM)基は、二段階による脱保護反応によって除去されて、式IIの化合物XIIを形成する:1)室温でジクロロメタン中、トリフルオロ酢酸;2)加熱条件下(100℃)、メタノール中、ヒューニッヒ・ベース(iPr2NEt)。
【0057】
【化8】

【0058】
2がエチニル−1−プロピニルで置換されたフェニル基から選択される時、化合物XII−bへの経路を得るために別の合成法が使用され得る。通常は、対応するヨードまたはブロモ置換されたフェニルであるR2を有する類縁体XII−aが、スキーム1〜5における方法に従って最初に製造され、その後触媒量のパラジウムで媒介される薗頭反応を行い、エチニルまたは他の置換アルキニル基で置換された対応するフェニルとしてのR2を有するXII−bを生成する(スキーム6)。
【0059】
【化9】

【0060】
スキーム5に記載された方法と同様に、式IにおけるXIIおよびXII’のラセミ体混合物は、出発原料VII を式IのVII およびVII ’のラセミ体混合物で置き換えることによって製造され得る。化合物XIIおよびXII’、中間体VおよびV’、または中間体VII およびVII ’の全ては、ラセミ体混合物として最初は生成された。上の反応スキームにおけるこれらのラセミ体混合物の全てはまた、スキーム7における方法と同様、キラル体のエナンチオマー対へと速やかに分離され得る。
【0061】
【化10】

【実施例】
【0062】
以下の実施例および参考例は、本発明の理解を助けるために提供され、その真の範囲は添付の特許請求の範囲に記載されている。
【0063】
実施例1a
中間体である、E/Z−6−クロロ−3−(3−クロロ−ベンジリデン)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンの製造
【0064】
【化11】

【0065】
メタノール(109ml)中、6−クロロオキシインドール(16.2g、92mmol)(クレッセント(Crescent))および3−クロロ−ベンズアルデヒド(12.9g、92mmol)(アルドリッチ)の混合物へ、ピロリジン(6.55g、92mmol)(アルドリッチ)を一滴ずつ加えた。当該混合物をその後、70℃で3時間加熱した。4℃へ冷却後、当該混合物を濾過し、そして生じる沈殿物を回収し、乾燥してE/Z−6−クロロ−3−(3−クロロ−ベンジリデン)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンの混合物を鮮黄色固体として得た(収量25.2g、95%)。
【0066】
実施例1b
中間体である、E/Z−6−クロロ−3−(3−クロロ−ベンジリデン)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンの製造
【0067】
【化12】

【0068】
実施例1aで製造されたE/Z−6−クロロ−3−(3−クロロ−ベンジリデン)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(2.3g、7.9mmol)のN,N−ジメチル−ホルムアミド(20ml)溶液へ、0℃でNaH(ミネラルオイル中60%)(0.32g、7.9mmol)(アルドリッチ)を加え、その後2−(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド(1.32g、7.9mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)溶液を一滴ずつ加えた。反応混合物を0℃で0.5時間撹拌し、その後氷−水へ注いだ。当該粗生成物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥した。溶媒を除去し、そして残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:5)で精製し、E/Z−6−クロロ−3−(3−クロロ−ベンジリデン)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オンを黄色油として得た(収量3.0g、90%)。
【0069】
実施例1c
中間体である、1−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエンの製造
【0070】
【化13】

【0071】
1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(1.61g、10mmol)(アルドリッチ)へ、窒素下、室温でn−ブチルリチウム(2.5M、4mL、10mmol)(アルドリッチ)を加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。それから乾燥テトラヒドロフラン(30ml)を加え、その後5−フルオロ−2−メチル−ベンズアルデヒド(1.38g、10mmol)(Platte)を加えた。当該混合物を室温で0.5時間撹拌後、トリメチルシリルクロリド(1.1g、10mmol)(アルドリッチ)を一滴ずつ加えた。その後、当該混合物の温度を冷えた氷浴上で0℃へと冷却した。この混合物へトリエチルアミン(1.4g、3.6mmol)を一度に加え、その後一滴ずつ塩化アセチル(1g、3.6mmol)のジエチルエーテル(50ml)溶液を加えた。冷浴を取り除き、そして当該混合物を室温で1時間撹拌した。当該混合物を窒素下、セライト上で速やかにろ過し、そしてろ液を減圧下濃縮し、粗生成物の1-(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエンを黄色粘性物質として得、そして更なる精製をせずに次のステップのために使用した。
【0072】
同様の変換が、Ghosez,L.,Bayard,Ph.,Nshimyumukiza,P.,Gouverneur,V.,Sainte,F.,Beaudegnies,R.,Rivers,M.,Fhque−Hesbain,A.−M.およびWynants,C.によって、Tetrahedron 1995,11021−11042において報告されている。
【0073】
実施例1d
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0074】
【化14】

【0075】
実施例1cで製造された1−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエンのトルエン(50mL)溶液へ、実施例1bで製造されたE/Z−6−クロロ−3−(3−クロロ−ベンジリデン)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(3.0g、7.14mmol)を加えた。反応混合物を、窒素下、封管容器中、148℃で40分間撹拌した。当該溶液を室温へ冷却後、メタノール(50mL)を加え、その後当該混合物を濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製し、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを灰色がかった白色の固体として得た(収量2.1g、49%)。
【0076】
実施例1e
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0077】
【化15】

【0078】
実施例1dで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(1.0g、1.67mmol)のN,N−ジメチル−ホルムアミド(20mL)溶液へ、室温でブロモ酢酸tert−ブチル(0.8g、4.1mmol)、および炭酸セシウム(3.0g、9.20mmol)を加えた。当該反応混合物を窒素下で4時間撹拌し、その後飽和NH4Cl溶液へと注いだ。当該混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:4)で精製し、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量0.58g、48.7%)。
【0079】
実施例1f
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0080】
【化16】

【0081】
トルエン(20mL)中、実施例1eで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(1g、1.4mmol)、および2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン2,4−ジスルフィド(1.5g、3.75mmol)(アルドリッチ)の混合物を、120℃で0.5時間加熱した。当該混合物を室温に冷却し、その後濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを灰色がかった白色泡状物質として得た(収量1.0g、92%)。
【0082】
実施例1g
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0083】
【化17】

【0084】
メタノール(50ml)中、実施例1fで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(1g、1.37mmol)、およびヒドラジン一水和物(5g、約64mmol)(アルドリッチ、64〜65%)の混合物を容器中に封管し、そして110℃で24時間加熱した。当該混合物を室温に冷却し、その後濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル)によって精製し、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを灰色がかった白色固体として得た(収量0.3g、34%)。
【0085】
実施例1h
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0086】
【化18】

【0087】
実施例1gにおいて製造された、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.15g、0.23mmol)のN,N−ジメチル−ホルムアミド(20mL)溶液へ、0℃でLiH(0.2g、25mmol)(アルドリッチ)を加え、その後ヨードメタン(0.39g、2.74mmol)を加えた。当該反応混合物を室温まで昇温し、そして室温で2時間撹拌した。当該混合物を酢酸エチルで希釈し、その後飽和NH4Cl溶液で洗浄した。水層を酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機層をMgSO4で乾燥した。溶媒を除去し、そして残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを得た(収量0.15g、98%)。
【0088】
実施例1i
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0089】
【化19】

【0090】
実施例1hで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.15g、0.22mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液へ、トリフルオロ酢酸(10mL)を加えた。当該反応混合物を室温で3時間撹拌した。当該反応混合物を濃縮した。残渣を飽和NaHCO3水溶液で中和し、その後酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、そして濃縮した。残渣へメタノール(20mL)およびN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(1mL、6.6mmol)を加えた。反応混合物を100℃で1時間加熱し、その後室温まで冷却し、濃縮した。残渣を酢酸エチルおよび水で分配した。有機層を分離し、そして濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル:トリエチルアミン=100:0.1)で精製し、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量85mg、72%)。
HRMS(ES+) m/z C2823Cl2FN42+H[(M+H)+]計算値:537.1255。実測値:537.1255。
【0091】
実施例1j
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0092】
【化20】

【0093】
実施例1iで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(80mg)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCによって行い、キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得(34mg、42%)(RO5170566−000)、そしてキラル体の(6’S,3S,8’R)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(33mg、41%)(RO5170579−000)。
【0094】
実施例2
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0095】
【化21】

【0096】
実施例1iに記載された方法と同様の方法で、実施例1gにおいて製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(65mg、0.1mmol)を、トリフルオロ酢酸(10mL)と、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミン(1mL)と反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(25mg、47%)。
HRMS(ES+) m/z C2721Cl2FN42+H[(M+H)+]計算値:523.1099。実測値:523.1099。
【0097】
実施例3a
中間体である1−(1−メチレン−プロピル)−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエンの製造
【0098】
【化22】

【0099】
実施例1cに記載した方法と同様の方法で、エチルアクロレイン(2.1g、22mmol)(TCI−US)を5−フルオロ−2−メチル−ベンズアルデヒドの代わりに出発原料として使用して、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(3.2g、20mmol)、n−ブチルリチウム(2.5M、8mL、20mmol)、トリメチルシリルクロリド(2.2g、20mmol)、トリエチルアミン(2.9g、27mmol)、および塩化アセチル(2g、27mmol)と反応させて1−(1-メチレン−プロピル)−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエンを得、そして更なる精製をせずに次のステップのために使用した。
【0100】
実施例3b
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(1−メチレン−プロピル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0101】
【化23】

【0102】
実施例1dに記載した方法と同様の方法で、実施例1bで製造したE/Z−6−クロロ−3−(3−クロロ−ベンジリデン)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(3g、7.1mmol)を、実施例3aで製造した1−(1−メチレン−プロピル)−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエン(19g、96mmol)とトルエン(200mL)中で反応させて、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロ−フェニル)−2’−(1−メチレン−プロピル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量3.5g、90%)。
【0103】
実施例3c
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(1−メチレン−プロピル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0104】
【化24】

【0105】
実施例1eにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例3bで製造したラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロ−フェニル)−2’−(1−メチレン−プロピル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(7g、12.8mmol)を、ブロモ酢酸tert−ブチル(10g、51mmol)および炭酸セシウム(11g、34mmol)と、N,N−ジメチル−ホルムアミド(50mL)中室温で反応させて、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(1−メチレン−プロピル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを黄色泡状物質として得た(収量5.7g、67%)。
【0106】
実施例3d
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(1−メチレン−プロピル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0107】
【化25】

【0108】
実施例1fに記載した方法と同様の方法で、実施例3cで製造したラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(1−メチレン−プロピル)−2,3−ジヒドロ−1’−[{tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(4.7g、7.1mmol)を、2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン2,4−ジスルフィド(6g、15mmol)(アルドリッチ)とトルエン(100mL)中120℃で反応させ、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(1−メチレン−プロピル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量3.5g、73%)。
【0109】
実施例3e
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0110】
【化26】

【0111】
実施例1gにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例3dで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−(1−メチレン−プロピル)−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(1.9g、2.8mmol)を、ヒドラジン一水和物(4g、約51mmol)(アルドリッチ、64〜65%)と、メタノール中、封管容器中120℃で反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量1.2g、71%)。
【0112】
実施例3f
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0113】
【化27】

【0114】
実施例1hにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例3eで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.11g、0.18mmol)を、LiH(0.2g、25mmol)(アルドリッチ)およびヨードメタン(3g、21mmol)と、N,N−ジメチル−ホルムアミド(20mL)中で反応させて、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量0.11g、99%)。
【0115】
実施例3g
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0116】
【化28】

【0117】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例3fで製造された(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.11g、0.18mmol)をトリフルオロ酢酸と、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミンとメタノール中で反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量61mg、70%)。
HRMS(ES+) m/z C2524Cl242+H[(M+H)+]計算値:483.1349。実測値:483.1348。
【0118】
実施例3h
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0119】
【化29】

【0120】
実施例3gで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(58mg)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCによって行い、キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得(19mg、33%)(RO5174040−000)、そしてキラル体の(6’S,3S,8’R)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(23mg、40%)(RO5174041−000)。
【0121】
実施例4a
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0122】
【化30】

【0123】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例3eで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.11g、0.18mmol)をトリフルオロ酢酸と、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミンとメタノール中で反応させて、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(43mg、55%)。
HRMS(ES+) m/z C2422Cl242+H[(M+H)+]計算値:469.1193。実測値:469.1189。
【0124】
実施例4b
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0125】
【化31】

【0126】
実施例4aで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(43mg)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCによって行い、キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得(21mg、50%)(RO5186112−000)、そしてキラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(18mg、42%)。
【0127】
実施例5a
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(3−ジメチルアミノプロピル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0128】
【化32】

【0129】
実施例1hにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例3eで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.12g、0.20mmol)をLiH(0.3g、38mmol)(アルドリッチ)、および3−ジメチルアミノプロピルクロリド塩酸塩(0.8g、5mmol)(アルドリッチ)と、N,N−ジメチル−ホルムアミド(10mL)中、100℃で3時間反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(3−ジメチルアミノプロピル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量0.12g、88%)。
【0130】
実施例5b
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(3−ジメチルアミノプロピル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0131】
【化33】

【0132】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例5eで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(3−ジメチルアミノプロピル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.12g、0.18mmol)をトリフルオロ酢酸と、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミンとメタノール中で反応させて、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(3−ジメチルアミノプロピル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量57mg、57%)。
HRMS(ES+) m/z C2933Cl252+H[(M+H)+]計算値:554.2084。実測値:554.2083。
【0133】
実施例6a
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−メトキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0134】
【化34】

【0135】
実施例1hにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例3eで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.1g、0.17mmol)をLiH(0.3g、38mmol)(アルドリッチ)および2−ブロモエチルメチルエーテル(5g、36mmol)(アルドリッチ)とN,N−ジメチル−ホルムアミド(10mL)中、室温で10時間反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−メトキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色固体として得た(収量0.1g、89%)。
【0136】
実施例6b
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−メトキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0137】
【化35】

【0138】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例6aで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(3−ジメチルアミノプロピル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.1g、0.18mmol)をトリフルオロ酢酸と反応させ、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミンとメタノール中で反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−メトキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量38mg、47%)。
HRMS(ES+) m/z C2728Cl243+H[(M+H)+]計算値:527.1611。実測値:527.1610。
【0139】
実施例7a
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセトキシエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0140】
【化36】

【0141】
実施例1hにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例3eで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.5g、0.83mmol)をLiH(0.2g、25mmol)(アルドリッチ)および酢酸2−ブロモエチル(1.2g、7mmol)(アルドリッチ)と、N,N−ジメチル−ホルムアミド(30mL)中、室温で72時間反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセトキシエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量0.51g、90%)。
【0142】
実施例7b
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセトキシエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0143】
【化37】

【0144】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例6aで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセトキシエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.51g、0.74mmol)をトリフルオロ酢酸とジクロロメタン中、室温で5時間反応させ、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミンとメタノール中100℃で0.5時間反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセトキシエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量0.35g、85%)。
HRMS(ES+) m/z C2828Cl244+H[(M+H)+]計算値:555.1561。実測値:555.1558。
【0145】
実施例8a
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0146】
【化38】

【0147】
実施例7bで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセトキシエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(0.3g、0.54mmol)のテトラヒドロフラン(25mL)およびメタノール(15mL)の溶液へ、水酸化ナトリウム水溶液(1N、10mL)を加えた。当該反応混合物を室温で2時間撹拌し、その後HCl水溶液で「pH」7へと中和した。当該混合物をその後、酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、MgSO4で乾燥し、濃縮し、そして減圧下乾燥してラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(0.22g、79%)。
HRMS(ES+) m/z C2626Cl243+H[(M+H)+]計算値:513.1455。実測値:513.1452。
【0148】
実施例8b
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0149】
【化39】

【0150】
実施例8aで製造された、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(220mg)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCによって行い、キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得(90mg、41%)(RO5184375−000)、そしてキラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(98mg、45%)(RO5174422−000)。
【0151】
実施例9a
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセチルアミノエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0152】
【化40】

【0153】
実施例1hにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例3eで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(50mg、0.083mmol)を、LiH(0.2g、25mmol)(アルドリッチ)、NaI(0.2g)、およびN−(2−クロロエチル)アセトアミド(1g、8mmol)(アルファ(Alfa))を、N,N−ジメチル−ホルムアミド(30mL)中、室温で72時間反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセチルアミノエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量32mg、56%)。
【0154】
実施例9b
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセチルアミノエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0155】
【化41】

【0156】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例9aで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセチルアミノエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(32mg、0.047mmol)を、トリフルオロ酢酸と、ジクロロメタン中室温で1時間反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセチルアミノエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量15mg、57%)。
HRMS(ES+) m/z C2829Cl253+H[(M+H)+]計算値:554.1720。実測値:554.1716。
【0157】
実施例10a
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−tert−ブトキシカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0158】
【化42】

【0159】
実施例3eで製造された、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.75g、1.25mmol)のN,N−ジメチル−ホルムアミド(50mL)溶液中へ、室温でブロモ酢酸tert−ブチル(3g、15mmol)および炭酸セシウム(1g、3.1mmol)を加えた。当該反応混合物を窒素下で5時間撹拌し、その後飽和NH4Cl溶液へ注いだ。当該混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−tert−ブトキシカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色固体として得た(収量0.7g、78%)。
【0160】
実施例10b
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0161】
【化43】

【0162】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例10aで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−tert−ブトキシカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.59g、0.83mmol)を、トリフルオロ酢酸(10mL)と、ジクロロメタン(20mL)中室温で18時間反応させ、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミン(1mL)と、メタノール(10mL)中100℃で1時間反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量0.3g、69%)。
HRMS(ES+) m/z C2624Cl244+H[(M+H)+]計算値:527.1248。実測値:527.1247。
【0163】
実施例11a
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−フルオロカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0164】
【化44】

【0165】
実施例10bで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(1g、1.9mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液へ、0℃でフッ化シアヌル(1g、7.3mmol)(アルファ)およびピリジン(2g、25mmol)を加えた。当該混合物を0℃で2時間撹拌後、当該混合物をH2Oおよびジクロロメタン間で分配した。有機層を分離し、そして水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせて、MgSO4で乾燥し、濃縮してラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−フルオロカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを黄色固体として得、そして更なる精製をせずに次のステップのために使用した(収量:0.61g、60%)。
【0166】
実施例11b
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0167】
【化45】

【0168】
11aで製造された、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−フルオロカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンのテトラヒドロフラン(30mL)溶液へ、封管容器中、2−アミノエタノール(0.3g、4.9mmol)(アルドリッチ)、N−メチルモルホリン(0.3g、3mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(7mg、0.075mmol)を加えた。当該混合物をマイクロ波照射下、100℃で30分間加熱した後、当該混合物を酢酸エチルで希釈し、H2Oで洗浄した。有機層を分離し、Na2SO4で乾燥し、そして濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(メタノール:酢酸エチル=1:8)で精製し、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量:92mg、28%)。
HRMS(ES+) m/z C2829Cl254+H[(M+H)+]計算値:570.1670。実測値:570.1671。
【0169】
実施例11c
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0170】
【化46】

【0171】
実施例11bで製造された、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(80mg)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCによって行い、キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’、7’、8’、9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得(28mg、35%)(RO5185374−000)、そしてキラル体の(6’S,3S,8’R)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(30mg、38%)(RO5185375−000)。
【0172】
実施例12a
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0173】
【化47】

【0174】
実施例11bにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例11aで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−フルオロカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(0.15g、0.28mmol)を、シクロプロピルアミン(アルドリッチ)、N−メチルモルホリン、および4−ジメチルアミノピリジンと反応させて、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを黄色固体として得た(収量85mg、54%)。
HRMS(ES+) m/z C2929Cl253+H[(M+H)+]計算値:566.1720。測定値:566.1721。
【0175】
実施例12b
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0176】
【化48】

【0177】
実施例12aにおいて製造された、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(75mg)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCによって行い、キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得(27mg、36%)(RO5185379−000)、そしてキラル体の(6’S,3S,8’R)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(23mg、31%)。
【0178】
実施例13a
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0179】
【化49】

【0180】
実施例11aで合成されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−フルオロカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(0.2g、0.38mmol)を、アンモニア−メタノール溶液(7N、20mL)中室温で24時間撹拌した。当該反応混合物を濃縮し、そして残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=9:1)で精製し、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量98mg、49%)。
HRMS(ES+) m/z C2625Cl253+H[(M+H)+]計算値:526.1407。実測値:526.1408。
【0181】
実施例13b
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0182】
【化50】

【0183】
実施例13aで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(90mg)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCによって行い、キラル体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得(36mg、40%)(RO5185390−000)、そしてキラル体の(6’S,3S,8’R)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(38mg、42%)(RO5185391−000)。
【0184】
実施例14a
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0185】
【化51】

【0186】
実施例11bにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例11aで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−フルオロカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(0.2g、0.38mmol)を、1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イルアミントリフルオロ酢酸塩(0.2g)、N−メチルモルホリン、および4−ジメチルアミノピリジンと反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量45mg、17%)。
HRMS(ES+) m/z C3236Cl265S+H[(M+H)+]計算値:687.1918。実測値:687.1918。
【0187】
実施例14b
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0188】
【化52】

【0189】
実施例14aで製造された、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(40mg)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCによって行い、キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得(15mg、38%)(RO5185394−000)、そしてキラル体の(6’S,3S,8’R)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(15mg、38%)(RO5185395−000)。
【0190】
実施例15a
中間体である、1−イソプロペニル−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエンの製造
【0191】
【化53】

【0192】
実施例1cにおいて記載された方法と同様の方法で、5−フルオロ−2−メチル−ベンズアルデヒドの代わりに2−メタクロレイン(2g、20mmol)(アクロス)を出発原料として使用して、1、1、1、3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(3.2g、20mmol)、n−ブチルリチウム(2.5M、8mL、20mmol)、トリメチルシリルクロリド(2.2g、20mmol)、トリエチルアミン(2.7g、27mmol)、および塩化アセチル(2.0g、27mmol)と反応させて、1−イソプロペニル−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエンを得、そして更なる精製をせずに次のステップのために使用した。
【0193】
実施例15b
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0194】
【化54】

【0195】
実施例1dにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例1bで製造されたE/Z−6−クロロ−3−(3−クロロベンジリデン)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(8g、20mmol)を、実施例15aで製造された1−イソプロペニル−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエン(21g、99mmol)とトルエン(200mL)中で反応させ、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色粘性物質として得た(3.5g、33%)。
【0196】
実施例15c
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0197】
【化55】

【0198】
実施例1eにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例15bで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(3g、5.64mmol)を、ブロモ酢酸tert−ブチルおよび炭酸セシウムと、N,N−ジメチル−ホルムアミド中で反応させ、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量:2.98g、79%)。
【0199】
実施例15d
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0200】
【化56】

【0201】
実施例1fにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例15cで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(1.6g、2.48mmol)を、2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン2,4−ジスルフィド(3g、7.5mmol)(アルドリッチ)と、トルエン(100mL)中、120℃で反応させて、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量1.5g、91%)。
【0202】
実施例15e
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0203】
【化57】

【0204】
実施例1gにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例15dで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(1.5g、2.27mmol)を、ヒドラジン一水和物(9g、約0.1mol)(アルドリッチ、64〜65%)と、メタノール(20ml)中、封管容器中120℃で反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色固体として得た(収量0.9g、68%)。
【0205】
実施例15f
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0206】
【化58】

【0207】
実施例1hにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例15eで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.9g、1.54mmol)を、LiH(アルドリッチ)およびヨードメタンと、N,N−ジメチル−ホルムアミド中で反応させて、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを灰色がかった白色の固体として得た(収量0.9g、97%)。
【0208】
実施例15g
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0209】
【化59】

【0210】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例15fで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.9g,1.5mmol)をトリフルオロ酢酸と反応させ、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミンとメタノール中で反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量0.6g、85%)。
HRMS(ES+) m/z C2422Cl242+H[(M+H)+]計算値:469.1193。実測値:469.1189。
【0211】
実施例15h
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0212】
【化60】

【0213】
実施例15gで製造された、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(0.6g)からの2つのエナンチオマーの分離をキラルSFCによって行い、キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得(0.24g、40%)(RO5202217−000)、そしてキラル体の(6’S,3S,8’R)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(0.24g、40%)(RO5202218−000)。
【0214】
実施例16
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0215】
【化61】

【0216】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例15eで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(24mg、0.04mmol)をトリフルオロ酢酸と、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミンとメタノール中で反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(18mg、99%)。
HRMS(ES+) m/z C2320CI242+H[(M+H)+]計算値:455.1036。実測値:455.1038。
【0217】
実施例17a
中間体である、ラセミ体の(2’S,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0218】
【化62】

【0219】
実施例15bにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例1bで製造されたE/Z−6−クロロ−3−(3−クロロベンジリデン)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(420mg、1mmol)を、実施例15aで製造された1−イソプロペニル−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエン(2g、10.5mmol)とトルエン中で反応させ、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色粘性物質として得た(170mg、32%)。
【0220】
得られる他の生成物は、ラセミ体の(2’S,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランであった:白色泡状物質(160mg、30%)。
【0221】
実施例17b
中間体である、ラセミ体の(2’S,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0222】
【化63】

【0223】
実施例15cにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例17aで製造されたラセミ体の(2’S,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(160mg、0.3mmol)を、ブロモ酢酸tert−ブチルおよび炭酸セシウムと、N,N−ジメチル−ホルムアミド中で反応させ、ラセミ体の(2’S,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量:110mg、56%)。
【0224】
実施例17c
中間体である、ラセミ体の(2’S,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0225】
【化64】

【0226】
実施例15dにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例17bで製造されたラセミ体の(2’S,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(110mg、0.17mmol)を、2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン2,4−ジスルフィド(アルドリッチ)と、トルエン中110℃で反応させ、ラセミ体の(2’S,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量70mg、62%)。
【0227】
実施例17d
中間体である、ラセミ体の(6’S,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0228】
【化65】

【0229】
実施例15eにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例17cで製造されたラセミ体の(2’S,3R,4’S)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2’−イソプロペニル−2,3−ジヒドロ−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−2−オキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(70mg、0.11mmol)を、ヒドラジン一水和物(6g、2.1mmol)(アルドリッチ、64〜65%)と、メタノール(2ml)中、封管容器中120℃で24時間反応させ、ラセミ体の(6’S,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色固体として得た(収量33mg、51%)。
【0230】
実施例17e
ラセミ体である、(6’S,3R,8’R)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0231】
【化66】

【0232】
実施例16において記載された方法と同様の方法で、実施例17dで製造されたラセミ体の(6’S,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(33mg、0.056mmol)を、トリフルオロ酢酸と、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミンと、メタノール中100℃で反応させ、ラセミ体の(6’S,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(21mg、82%)。
HRMS(ES+) m/z C2320Cl242+H[(M+H)+]計算値:455.1036。実測値:455.1036。
【0233】
実施例18a
中間体、2−アリルオキシ−5−ヨード−ベンズアルデヒドの製造
【0234】
【化67】

【0235】
2−ヒドロキシ−5−ヨード−ベンズアルデヒド(16g、64.5mmol)(アルドリッチ)のN,N−ジメチル−ホルムアミド(100mL)溶液へ、K2CO3(16g、115mmol)および臭化アリル(20g、165mmol)(アルドリッチ)を加えた。当該反応混合物を、100℃で3時間撹拌し、その後室温へ冷却し、そして水へ注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、ろ過し、そして濃縮して2−アリルオキシ−5−ヨード−ベンズアルデヒドを白色固体として得た(収量:18g、97%)。
【0236】
実施例18b
中間体、1−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエンの製造
【0237】
【化68】

【0238】
実施例1cにおいて記載された方法と同様の方法で、5−フルオロ−2−メチル−ベンズアルデヒドの代わりに、実施例18aで製造された2−アリルオキシ−5−ヨード−ベンズアルデヒド(19g、65mmol)を出発原料として使用して、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(11g、68mmol)、n−ブチルリチウム(2.5M、17mL、68mmol)、トリメチルシリルクロリド(7.4g、68mmol)、トリエチルアミン(9.4g、92mmol)、および塩化アセチル(7.2g、92mmol)と反応させて、1−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエンを得、更なる精製をせずに次のステップのために使用した。
【0239】
実施例18c
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−2’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0240】
【化69】

【0241】
実施例1dにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例1bで製造されたE/Z−6−クロロ−3−(3−クロロベンジリデン)−1−(2−トリメチルシラニル−エトキシメチル)−1,3−ジヒドロ−インドール−2−オン(6g、15mmol)を、実施例18bで製造された1−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−3−トリメチルシリルオキシ−2−アザ−1,3−ブタジエン(26g、65mmol)とトルエン(100mL)中で反応させ、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−2’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(5g、44%)。
【0242】
実施例18d
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−2’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0243】
【化70】

【0244】
実施例1eにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例18cで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−2’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(5g、6.6mmol)を、ブロモ酢酸tert−ブチルおよび炭酸セシウムと、N,N−ジメチル−ホルムアミド中で反応させ、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−2’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量:2.8g、49%)。
【0245】
実施例18e
中間体である、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−2’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2−ジオキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0246】
【化71】

【0247】
実施例1fにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例18dで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−2’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2,6’−ジオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(2.8g、3.3mmol)を、2,4−ビス−(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン2,4−ジスルフィド(2g、5mmol)(アルドリッチ)と、トルエン中120℃で反応させ、ラセミ体の(2’R,3R,4’S)−2’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2−ジオキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色泡状物質として得た(収量1.8g、62%)。
【0248】
実施例18f
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0249】
【化72】

【0250】
実施例1gにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例18eで製造されたラセミ体の(2’R,3R,4’S)−2’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−1’−[(tert−ブトキシカルボニル)メチル]−6−クロロ−4’−(3−クロロフェニル)−2,3−ジヒドロ−2−ジオキソ−6’−チオキソスピロ[インドール−3,3’−ピペリジン]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(1.8g、2.0mmol)を、ヒドラジン一水和物(8g、約89mmol))(アルドリッチ、64〜65%)と、メタノール(20ml)中、封管容器中120℃で反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色固体として得た(収量0.73g、45%)。
【0251】
実施例18g
中間体である、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2オキソスピロ(3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランの製造
【0252】
【化73】

【0253】
実施例1hにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例18fで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.73g、0.9mmol)を、LiH(アルドリッチ)およびヨードメタンと、N,N−ジメチル−ホルムアミド中で反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシランを白色固体として得た(収量0.66g、90%)。
【0254】
実施例18g
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0255】
【化74】

【0256】
実施例1iにおいて記載された方法と同様の方法で、実施例18gで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロ−2−オキソスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン−3’−オン)]−1−メトキシエチルトリメチルシラン(0.41g、0.5mmol)を、トリフルオロ酢酸と反応させ、その後N,N’−ジイソプロピルエチルアミンとメタノール中反応させ、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量0.31g、90%)。
HRMS(ES+) m/z C3025Cl2IN43+H[(M+H)+]計算値:687.0421。実測値:687.0421。
【0257】
実施例19
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−エチニル−2−ヒドロキシ−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0258】
【化75】

【0259】
実施例18gで製造された、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(70mg、0.1mmol)の無水テトラヒドロフラン(14mL)溶液へ、トリメチルシリルアセチレン(20mg、0.2mmol)(アルファ)、CuI(39mg、0.2mmol)(アルドリッチ)、およびトリエチルアミン(21mg、0.2mmol)を加えた。反応混合物を窒素下で10分間脱気した後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(14mg、0.02mmol)(ストレム(Strem))を加え、そして当該反応混合物を窒素下100℃で3時間加熱した。反応混合物を室温へ冷却し、そして水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。
【0260】
残渣へメタノール(2mL)を加え、そしてNaOH水溶液(1N、2ml、20mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−エチニル−2−ヒドロキシ−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを灰色がかった白色固体として得た(収量21mg、38%)。
HRMS(ES+) m/z C2922Cl243+H[(M+H)+]計算値:545.1142。実測値545.1142。
【0261】
実施例20
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−[2−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−5−ヨード−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0262】
【化76】

【0263】
実施例18gで製造されたラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(2−ヒドロキシ−5−ヨード−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(118mg、0.17mmol)の溶液へ、OsO4(4%水溶液、0.22g、0.03mmol)、N−メチルモルホリンN−オキシド(40mg、0.34mmol)(アルドリッチ)を加えた。反応混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を濃縮し、そして当該残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=9:1)で精製し、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−[2−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−5−ヨード−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを白色固体として得た(収量80mg、65%)。
HRMS(ES+) m/z C3027Cl2IN45+H[(M+H)+]計算値:721.0476。実測値:721.0478。
【0264】
実施例21
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−[2−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−5−エチニル−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンの製造
【0265】
【化77】

【0266】
実施例18gで製造された白色固体の、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−[2−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−5−ヨード−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン(80mg、0.11mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液へ、トリメチルシリルアセチレン(22mg、0.22mmol)(アルファ)、CuI(42mg、0.22mmol)(アルドリッチ)、およびトリエチルアミン(22mg、0.22mmol)を加えた。反応混合物を窒素下で10分間脱気後、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(15mg、0.02mmol)(ストレム)を加え、そして反応混合物を窒素下100℃で1時間加熱した。反応混合物を室温へ冷却し、そして水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。
【0267】
当該残渣へメタノール(10mL)を加え、そしてNaOH水溶液(1N、1ml、10mmol)を加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、水、食塩水で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製し、ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−[2−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−5−エチニル−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオンを灰色がかった白色固体として得た(収量51mg、64%)。
HRMS(ES+) m/z C3228Cl245+H[(M+H)+]計算値:619.1510.実測値:619.1505。
【0268】
実施例22
インビトロ活性アッセイ
p53とMDM2との間の相互作用を阻害する化合物の能力を、組み換えGSTでタグをしたMDM2が、p53のMDM2相互作用領域と類似するペプチドと結合する、HTRF(均一時間分解蛍光)アッセイによって測定した(Lane他)。GST−MDM2タンパク質と(N末端をビオチン化された)p53−ペプチドとの結合を、ユーロピウム(Eu)でラベル化した抗GST抗体と、ストレプトアビジンが結合したアロフィコシアニン(APC)との間のFRET(蛍光共鳴エネルギー移動)によって記録した。黒色平底384ウェルプレート(コスター)中、90nM ビオチン化ペプチド、160ng/ml GST−MDM2、20nM ストレプトアビジン−APC(パーキンエルマーワラック)、2nM Euラベル化抗GST抗体(パーキンエルマーワラック)、0.2%ウシ血清アルブミン(BSA)、1mM ジチオスレイトール(DTT)、および20mM トリス−ホウ酸生理食塩水(TBS)バッファーを含む、全容量40μLで、以下のように試験を行なった:各々のウェルへ、10μLのGST−MDM2(840ng/ml作用液)の反応バッファー液を加えた。各々のウェルへ、10μLの希釈された化合物(反応バッファーで1:5に希釈)を加え、振盪により混合した。各々のウェルへ、20μLのビオチン化p53ペプチド(180nM作用液)の反応バッファー液を加え、そして振盪機上で混合した。37℃で1時間インキュベートした。20μLのストレプトアビジン−APCとEu−抗GST抗体との混合物(6nM Eu−抗GST、および60nM ストレプトアビジン−APC作用液)のTBSバッファー液(0.2%BSA入り)を加え、室温で30分間振盪し、そして865および615nmでTRFの可能なプレートリーダー(ビクター5、パーキンエルマーワラック)を使用して読み取った。指定しない限り、試薬をシグマ・ケミカル社から購入した。
【0269】
本発明の生物学的活性を示すIC50は、約10μM未満で活性を示す。
【0270】
実施例の生物学的活性値は以下の通りである:
【0271】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式
【化1】

[式中、
Xは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、およびビニルからなる群から選択され;
1およびR2の一方は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から選択され、そして他方は水素であり;
3およびR4の一方は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から選択され、そして他方は水素であり;
Rは、水素、低級アルキル、および置換低級アルキルからなる群から選択される]
で表される化合物、またはその医薬として許容される塩もしくはエステル。
【請求項2】
以下の式
【化2】

[式中、
Xは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、およびビニルからなる群から選択され;
1およびR2の一方は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から選択され、そして他方は水素であり;
3およびR4の一方は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から選択され、そして他方は水素であり;
Rは、水素、低級アルキル、および置換低級アルキルからなる群から選択される]
で表される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬として許容される塩もしくはエステル。
【請求項3】
Xが、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、およびビニルからなる群から選択され、
1が水素であり、
3が水素であり、
2/R4が、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から独立して選択され、ならびに
Rが、水素、低級アルキル、および置換低級アルキルからなる群から選択される、請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
Xが塩素または臭素であり、
4が、
【化3】

からなる群から選択される置換フェニルまたは置換ヘテロアリールを含む、置換フェニルまたは置換ヘテロアリールであり、ならびに
2が、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から独立して選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
Xが−Clであり;
1およびR3が水素であり;
4が3−クロロ−フェニルであり;
2が、無置換である、またはハロゲン、−OH、−C2-6アルキニル、−O−C2-8アルケニル、または−C1-8アルキルおよび−O−C1-8アルキルからなる群から独立して選択される置換基によって一回もしくは二回置換される−フェニルであって、前記C1-8アルキルは無置換であるか、また−OHによって一回もしくは二回置換されていてもよく、あるいは
−C2-8アルケニルであり;ならびに
Rが水素、あるいは
無置換である、または
−N−(C1-8アルキル)2
−O−C1-8アルキル、
−O−C(O)−C1-8アルキル、
−OH、
−NH−C(O)−C1-8アルキル、
−C(O)−OH、
−C(O)−NH−C1-8アルキル(前記アルキル基は、無置換であるか、または−OHによって1回もしくは2回置換される)、
−C(O)−NH−C3-6シクロアルキル、
−C(O)−NH2
−C(O)−NH−ピペリジニル(前記ピペリジルは、無置換であるか、または−S(O)2−CH3によって置換される)
によって置換されるC1-8アルキルである、請求項1または2に記載の化合物;または
その医薬として許容される塩もしくはエステル。
【請求項6】
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−フルオロ−2−メチルフェニル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(3−ジメチルアミノプロピル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−メトキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、および
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセトキシエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシエチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アセチルアミノエチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−ヒドロキシカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−(2−フルオロカルボニル−メチル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(2−シクロプロピルアミノ)カルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、および
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−2’−(2−アミノカルボニル−メチル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−[(1−メタンスルホニル−ピペリジン−4−イル)アミノカルボニル−メチル]−6’−(1−メチレン−プロピル)−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
キラル体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’S,3R,8’R)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−イソプロペニル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6’−(2−アリルオキシ−5−ヨード−フェニル)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−(5−エチニル−2−ヒドロキシ−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−[2−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−5−ヨード−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン、および
ラセミ体の(6’R,3R,8’S)−6−クロロ−8’−(3−クロロフェニル)−6’−[2−(2,3−ジヒドロキシ−プロポキシ)−5−エチニル−フェニル)−2’−メチル−6’,7’,8’,9’−テトラヒドロスピロ[3H−インドール−3,7’−(2H−ピリド[2,1−c][1,2,4]トリアジン)]−2,3’(1H)−ジオン
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
以下の式
【化4】

[式中、
Xは、水素、ハロゲン、シアノ、ニトロ、エチニル、シクロプロピル、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシおよびビニルからなる群から選択され、
1およびR2の一方は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から選択され、そして他方は水素であり、
3およびR4の一方は、低級アルキル、置換低級アルキル、低級アルケニル、置換低級アルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、置換ヘテロ環、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、および置換シクロアルケニルからなる群から選択され、そして他方は水素であり、
Rは、水素、低級アルキルおよび置換低級アルキルからなる群から選択される]
で表される化合物、またはその医薬として許容される塩もしくはエステル、ならびに医薬として許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項10】
医薬としての使用のための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
癌、特に固形腫瘍、より特に乳房、結腸、肺および前立腺の腫瘍の治療における医薬としての使用のための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
癌、特に固形腫瘍、より特に乳房、結腸、肺および前立腺の腫瘍の治療のための医薬の製造のための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
実質的に本明細書において先に記載された新規化合物、方法、工程、および使用。

【公表番号】特表2010−527954(P2010−527954A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508795(P2010−508795)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055831
【国際公開番号】WO2008/141975
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】