説明

スピロ抗生物質誘導体

本発明は、式(I)
【化1】



(式中、
R1は、H、アルキル、アルコキシ、シアノ又はハロゲンを表し;
U及びXの一方は、CH若しくはNを表し、他方はCHを表し、又は、Uの場合、CRaを表してもよく、Xの場合、CRbを表してもよく;
Raは、ハロゲンを表し;
Rbは、ハロゲン又はアルコキシを表し;
BはNを表し、DはCH2を表し、AはCH(OH)CH2若しくはCH2CH2を表し、又は
BはCHを表し、DはCH2若しくはOを表し、AはOCH2、CH2CH(OH)、CH(OH)CH2、CH(OH)CH(OH)、CH=CH、CH2CH2若しくはNHCOを表し、又は
BはC(OH)を表し、DはCH2を表し、AはOCH2、CH2CH(OH)、CH(OH)CH2、CH(OH)CH(OH)、CH=CH、CH2CH2若しくはNHCOを表し;
R2は、H、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はアルコキシカルボニルアルキルを表し;
Eは、ナフチル又は二核複素環基を表す;)の化合物、
及びそれらの化合物の塩に関する。
これらの化合物は、抗菌剤として有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なスピロ抗生物質誘導体、それらを含有する医薬抗菌組成物、及び感染症(例、細菌感染症)の治療のための医薬の製造におけるこれらの化合物の使用に関する。これらの化合物は、中でもグラム陽性及びグラム陰性の好気性及び嫌気性菌、並びにマイコバクテリアを含む多様なヒト及び動物の病原体に対して有効な、有用な抗菌剤である。
【背景技術】
【0002】
抗生物質の広範な使用は、微生物に対して選択的進化圧を与え、遺伝子ベースの耐性機構を生じてきた。現代の医療及び社会経済的行動は、例えば人工関節内で、病原菌の遅延した増殖状態を形成し、また例えば免疫障害を有する患者における長期間宿主保有の支持により、耐性の発達の問題を悪化させている。
【0003】
病院の環境では、主な感染源である、益々多数のStaphylococcus aureus、Streptococcus pneumoniae、Enterococcus spp.、及びPseudomonas aeruginosa株が多剤耐性となっており、従って治療が不可能ではなくとも困難である:
S. aureusは、β-ラクタム、キノロン、及び現在はバンコマイシンにも耐性である;
S. pneumoniaeは、ペニシリン又はキノロン抗生物質、及び新しいマクロライドに対してさえも、耐性となっている;
Enteroccocciは、キノロン及びバンコマイシンに耐性であり、β-ラクタム抗生物質は、これらの株に対して全く効果を有さない;
Enterobacteriaceaは、セファロスポリン及びキノロンに耐性である;
P. aeruginosaは、β-ラクタム及びキノロンに耐性である。
【0004】
更に、現在使用されている抗生物質を用いた治療中に選択されたAcinetobacter spp.又はC. difficileのような新たに出現した生物が、実際に病院環境内で問題となっている。
【0005】
加えて、持続性感染症の原因となる微生物は、消化性潰瘍又は心疾病のような重篤な慢性疾病の原因物質又は補助因子として益々認識されている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、式(I)
【0007】
【化1】

【0008】
(式中、
R1は、H、アルキル、アルコキシ、シアノ又はハロゲンを表し;
U及びXの一方は、CH若しくはNを表し、他方はCHを表し、又はUの場合、CRaを表してもよく、Xの場合、CRbを表してもよく;
Raは、ハロゲンを表し;
Rbは、ハロゲン又はアルコキシを表し;
BはNを表し、DはCH2を表し、AはCH(OH)CH2若しくはCH2CH2を表し、又は
BはCHを表し、DはCH2若しくはOを表し、AはOCH2、CH2CH(OH)、CH(OH)CH2、CH(OH)CH(OH)、CH=CH、CH2CH2若しくはNHCOを表し、又は
BはC(OH)を表し、DはCH2を表し、AはOCH2、CH2CH(OH)、CH(OH)CH2、CH(OH)CH(OH)、CH=CH、CH2CH2若しくはNHCOを表し;
R2は、H、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はアルコキシカルボニルアルキルを表し;
Eは、ナフチル又は二核複素環基(特に、二核複素環基)を表す;)
の化合物、及び式(I)の化合物の塩に関する。
【0009】
以下の段落にて、本発明による化合物の様々な化学部分の定義を提供し、別の明白に示される定義が、より広い又は狭い定義を提供する以外は、明細書及び特許請求の範囲全体において均一に適用されることを意図する。
【0010】
単独で又は組み合わせにて使用される用語“アルキル”は、1〜4個の炭素原子を含む、飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル基を指す。アルキル基の代表的な例は、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルを含む。表現“(C1-Cx)アルキル”(xは整数)は、1〜x個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルキル基を指す。
【0011】
単独で又は組み合わせにて使用される用語“アルコキシ”は、1〜4個の炭素原子を含む、飽和の直鎖又は分岐鎖アルキコシ基を指す。アルキコシ基の代表的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ及びtert-ブトキシを含む。表現“(C1-Cx)アルキコシ”は、1〜x個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖アルキコシ基を指す。
【0012】
用語“ハロゲン”は、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素、好ましくはフッ素又は塩素を指す。
【0013】
用語“アルケニル”は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を伴う2〜4個の炭素原子を含む、直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を指す。アルケニルの代表的な例は、エテニル及び2-プロペニル(とりわけ2-プロペニル)を含むが、これらに限定されるものではない。
【0014】
用語“ヒドロキシアルキル”は、ヒドロキシで1回置換され、かつ1〜4個の炭素原子を含む、飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル基を指す。ヒドロキシアルキルの代表的な例は、ヒドロキシメチル及び2-ヒドロキシエチルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0015】
用語“アルコキシカルボニルアルキル”は、アルキル基がアルコキシカルボニル基で1回置換され、かつ1〜4個の炭素原子を含む、飽和の直鎖又は分岐鎖アルキル基を指し、ここでアルコキシ基は、1〜4個の炭素原子を含む、飽和の直鎖又は分岐鎖アルコキシ基である。アルコキシカルボニルアルキルの代表的な例は、メトキシカルボニルメチルを含むが、これに限定されるものではない。
【0016】
用語“二核複素環基”は、1,4-ジオキサン単位、1,3-ジオキソラン単位、モルホリン-3-オン単位又はチオモルホリン-3-オン単位と縮合したベンゼン又はピリジン環を指す。ベンゼン環を含む“二核複素環基”は、前記ベンゼン環上でハロゲン原子(該ハロゲン原子は、フッ素原子が好ましい)により置換されていてもよい。従って、二核複素環基の代表的な例は、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジン-6-イル、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]チアジン-6-イル、7-フルオロ-3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]チアジン-6-イル、2,3-ジヒドロ-[1,4]ジオキシノ[2,3-c]ピリジン-7-イル及び3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]チアジン-6-イルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0017】

【化2】

において、
AがOCH2基を表す場合、これは特にOCH2基の酸素原子が、R1基を支持する二環系に結合し、OCH2基のCH2基が、B基に結合することを意味する。このことは、A基を形成する全基に、変更するべき所は変更して適用できる。換言すれば、基の左部分は、常に該左部分に隣接する基の右部分に結合している。
【0018】
更に、原子の近隣に配置される記号“*”は、基と、分子のそれ以外との結合点を示すよう使用される。例えば:
【0019】
【化3】

は、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]チアジン-6-イル基を示す。
【0020】
より詳細には、本発明は、式(ICE)
【化4】

(式中、
R1は、アルコキシ(特に、メトキシ)を表し;
UはNを表し、XはCHを表し、又はU及びXの各々はCHを表し、又は各々、UはCHを表し、XはNを表し;
BはNを表し、DはCH2を表し、AはCH(OH)CH2を表し、又は
BはCHを表し、DはCH2を表し、AはOCH2、CH(OH)CH(OH)、CH=CH若しくはNHCOを表し、又は
BはCHを表し、DはOを表し、AはCH(OH)CH2を表し、又は
BはC(OH)を表し、DはCH2を表し、AはCH2CH2を表し;
R2は、H、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はアルコキシカルボニルアルキルを表し;
Eは、二核複素環基を表す;)
の化合物でもある式(I)の化合物、並びに式(ICE)の化合物の塩に関する。
【0021】
好ましくは、式(ICE)の化合物は、以下の特徴の少なくとも一つを有するであろう。
R1は、(C1-C3)アルコキシ(特にメトキシ)を表し;
R2は、H又はアルケニル(とりわけH又はアリル、特にH)を表し;
Eは、式
【0022】
【化5】

(式中、環Pは、以下から選択される
【0023】
【化6】

(式中、Qは、O又はSである))
の二核複素環基を表す。
【0024】
好ましい式(I)の化合物は、以下の特徴の少なくとも一つが存在する化合物である:
R1は、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ又はシアノを表し;
R2は、H、アルキル、アルケニル又はヒドロキシアルキルを表し;
UはNを表し、XはCHを表し、又はU及びXの各々はCHを表し、又はUはCHを表し、XはNを表し;
BはNを表し、DはCH2を表し、AはCH(OH)CH2を表し、又は
BはCHを表し、DはCH2を表し、AはOCH2、CH2CH2、CH=CH若しくはNHCOを表し、又は
BはCHを表し、DはOを表し、AはCH(OH)CH2を表し、又は
BはC(OH)を表し、DはCH2を表し、AはCH2CH2を表し;
Eは、式
【0025】
【化7】

(式中、
Yは、CH又はNであり、
環Pは、以下から選択される
【0026】
【化8】

(式中、Qは、O又はSである))
の二核複素環基を表す。
【0027】
より好ましい式(I)の化合物は、以下の特徴の少なくとも一つが存在する化合物である:
R1は、(C1-C3)アルコキシを表し;
R2は、H又はアルケニルを表し;
BはNを表し、DはCH2を表し、AはCH(OH)CH2を表し、又は
BはCHを表し、DはCH2を表し、AはOCH2、CH2CH2、CH=CH若しくはNHCOを表し、又は
BはC(OH)を表し、DはCH2を表し、AはCH2CH2を表し;
Eは、式
【0028】
【化9】

(式中、
Yは、CH又はNであり、
環Pは、以下から選択される
【0029】
【化10】

(式中、Qは、O又はSである))
の二核複素環基を表す。
【0030】
特に好ましい式(I)の化合物は、以下の特徴の少なくとも一つが存在する化合物である:
R1は、メトキシ又はエトキシ(特にメトキシ)を表し;
R2は、Hを表し;
Eは、式
【0031】
【化11】

(式中、
環Pは、以下から選択される
【0032】
【化12】

(式中、Qは、O又はSである))
の二核複素環基を表す。
【0033】
本発明の第一の変形によれば、式(I)の化合物は、U及びXの両方がCHを表す化合物であろう。
本発明の第二の変形によれば、式(I)の化合物は、UがNを表し、XがCHを表す化合物であろう。
本発明の第三の変形によれば、式(I)の化合物は、UがCHを表し、XがNを表す化合物であろう。
一般に、U及びXの両方がCHを表し、又はUがNを表し、XがCHを表す式(I)の化合物が好ましいであろう。
更に、Eが2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル、3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]オキサジン-6-イル又は3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]チアジン-6-イルを表す、一般式(I)又は式(ICE)の化合物が、特に好ましいであろう。
【0034】
以下の式(I)の化合物(又はその塩、特にその薬学的に許容される塩)の主な実施態様は、同等に好ましいであろう。
【0035】
本発明の第一の主な実施態様によれば、式Iの化合物は、BがNを表す化合物である;それらの化合物は、明細書及び特許請求の範囲全体において、集合的に“式(IN)の化合物”と示される。
本発明の第二の主な実施態様によれば、式Iの化合物は、BがCHを表す化合物である;それらの化合物は、明細書及び特許請求の範囲全体において、集合的に“式(ICH)の化合物”と示される。
【0036】
式(ICH)の化合物は、以下の立体配置に一致するものが好ましいであろう:
【0037】
【化13】

【0038】
本発明の第三の主な実施態様によれば、式Iの化合物は、BがC(OH)を表す化合物である;それらの化合物は、明細書及び特許請求の範囲全体において、集合的に“式(ICOH)の化合物”と示される。
【0039】
以下の式(I)の化合物:
(5R,6R,8S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-6-ヒドロキシメチル-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6R,8S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-6-ヒドロキシメチル-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-キノリン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
6-{8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
6-{8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
(5R,6R)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6R)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6S)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6S)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6R)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6R)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6S)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6S)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6R)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5R,6R)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5R,6S)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5R,6S)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5S,6R)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5S,6R)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5S,6S)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5S,6S)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5R,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-アミド;
トランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-アミド;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
-トランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
トランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
シス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン;
トランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン;
シス-6-{8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン;
トランス-6-{8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
トランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-6-{8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
トランス-6-{8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-キナゾリン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
及びその塩(特に薬学的に許容される塩)が、特に好ましい。
【0040】
式(I)の化合物は、ヒト及び動物の医療における化学療法の活性化合物として、また無機及び有機材料、特に全種類の有機材料、例えばポリマー、潤滑油、塗料、繊維、皮、紙及び木を維持する物質としての使用に適切である。
【0041】
本発明によるこれらの化合物は、特に細菌及び細菌様生物に対して活性である。従って、それらは、ヒト及び動物の医療における、これら病原体を原因とする局所及び全身感染症、並びにStreptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Moraxella catarrhalis、Staphylococcus aureus、Enterococcus faecalis、E. faecium、E. casseliflavus、S. epidermidis、S. haemolyticus、又はPeptostreptococcus spp.による感染に関連した肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、気管支炎、扁桃炎、及び乳突炎;Streptococcus pyogenes、Groups C及びG streptococci、Corynebacterium diphtheriae、又はActinobacillus haemolyticumによる感染に関連した咽頭炎、リウマチ熱、及び糸球体腎炎;Mycoplasma pneumoniae、Legionella pneumophila、Streptococcus pneumoniae、Haemophilus influenzae、又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連した気道感染症;例えば非限定的にβ-ラクタム、バンコマイシン、アミノグリコシド、キノロン、クロランフェニコール、テトラサイクリン及びマクロライド等の公知の抗菌剤に耐性の株を含む、S. aureus、S. haemolyticus、E. faecalis、E. faecium、E. duransを原因とする心内膜炎及び骨髄炎を含む血液及び組織感染性;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococci(即ち、S. epidermidis、S. haemolyticus等)、Streptococcus pyogenes、Streptococcus agalactiae、Streptococcal C-F群(minute colony streptococci)、viridans streptococci、Corynebacterium minutissimum、Clostridium spp.、又はBartonella henselaeによる感染に関連した非併発性皮膚及び軟組織感染症及び膿瘍、並びに産褥熱;Staphylococcus aureus、コアグラーゼ陰性staphylococcal種、又はEnterococcus spp.による感染に関連した非併発性急性尿路感染症;尿道炎及び子宮頚管炎;Chlamydia trachomatis、Haemophilus ducreyi、Treponema pallidum、Ureaplasma urealyticum、又はNeiserria gonorrheaeによる感染に関連した性感染症;S. aureus(食中毒及び毒素ショック症候群)、又はA、B、及びC群streptococciによる感染に関連した毒素疾患;Helicobacter pyloriによる感染に関連した潰瘍;Borrelia recurrentisによる感染に関連した全身性熱性症候群;Borrelia burgdorferiによる感染に関連したライム病;Chlamydia trachomatis、Neisseria gonorrhoeae、S. aureus、S. pneumoniae、S. pyogenes、H. influenzae、又はListeria spp.による感染に関連した結膜炎、角膜炎、及び涙嚢炎;Mycobacterium avium、又はMycobacterium intracellulareによる感染に関連した播種性鳥型結核菌複合体(MAC)病;Mycobacterium tuberculosis、M. leprae、M. paratuberculosis、M. kansasii、又はM. cheloneiを原因とする感染症;Campylobacter jejuniによる感染に関連した胃腸炎;Cryptosporidium spp.による感染に関連した消化管内原虫;viridans streptococciによる感染に関連した歯性感染症;Bordetella pertussisによる感染に関連した持続性の咳;Clostridium perfringens又はBacteroides spp.による感染に関連したガス壊疽;並びにHelicobacter pylori又はChlamydia pneumoniaeによる感染に関連したアテローム性動脈硬化症又は心血管系疾病を含む、細菌感染症に関連した疾患の予防及び化学療法に特に適切である。
【0042】
本発明による式(I)の化合物は、更に、例えばE. coli、Klebsiella pneumoniae及び他のEnterobacteriaceae、Acinetobacter spp.、Stenothrophomonas maltophilia、Neisseria meningitidis、Bacillus cereus、Bacillus anthracis、Corynebacterium spp.、Propionibacterium acnes並びにbacteroide spp.等の細菌により仲介される感染症の治療用の医薬の製造に有用である。
【0043】
本発明による式(I)の化合物は、更に、Plasmodium malaria、Plasmodium falciparum、Toxoplasma gondii、Pneumocystis carinii、Trypanosoma brucei及びLeishmania spp.を原因とする原虫感染症の治療に有用である。
【0044】
病原体の本リストは、単なる例として解釈するべきであり、限定を意図するものでは全くない。
【0045】
従って、本発明の一局面は、本発明による式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の、細菌感染症の予防又は治療用の医薬の製造のための使用に関する。
【0046】
ヒトと同様、細菌感染症は、豚、反芻動物、馬、犬、猫及び家禽のような他の種においても、式(I)の化合物(又はその薬学的に許容される塩)を使用して治療し得る。
【0047】
本発明はまた、式(I)の化合物の薬理学的に許容される塩、並びに組成物及び製剤にも関する。
【0048】
式(I)の化合物に対する任意の参照は、適宜及び便宜的に、その化合物の塩(特に薬学的に許容される塩)も指すことを理解するべきである。
【0049】
表現“薬学的に許容される塩”は、無毒の、無機又は有機の酸及び/又は塩基付加塩を指す。"Salt selection for basic drugs", Int. J. Pharm. (1986), 33, 201-217を参照することができる。
【0050】
本発明による医薬組成物は、活性薬剤として少なくとも一種の式(I)の化合物(又はその薬学的に許容される塩)と、場合により担体及び/又は希釈剤及び/又は補助剤とを含有し、また追加の公知の抗生物質も含有し得る。
【0051】
上述したように、式(I)の化合物、それらの塩、及びその製剤を含有する、治療的に有用な薬剤も、本発明の範囲内に含まれる。一般に式(I)の化合物は、当該技術分野にて周知の、かつ許容されるモードを用いて、単独で又は任意の他の治療薬と組み合わせて投与されるであろう。それらの治療的に有用な薬剤は、以下の経路:例えば錠剤、糖衣錠、被覆錠剤、丸剤、半固体、軟若しくは硬カプセル剤、例えば軟及び硬ゼラチンカプセル剤、液剤若しくは油液剤、乳剤、縣濁剤、若しくはシロップ剤として経口で、静脈内、筋内及び皮下注射(例えば、注射用溶液若しくは縣濁液として)を含む非経口で、坐薬として経直腸で、例えば粉末製剤として、微結晶として若しくはスプレー剤(例、液体エアゾル)として吸入若しくは通気により、例えば活性成分を含有するプラスター等の経皮送達システム(TDS)を介して経皮的に、局所的に又は鼻腔内にのうちの一つにより投与し得る。本発明の物質は、カテーテル若しくは人工関節のような、移植に予想されるデバイスの含浸又は被覆にも使用し得る。薬学的に有用な薬剤は、保存、安定化のための添加剤、例えばUV安定剤、乳化剤、甘味剤、着香剤(aromatiser)、浸透圧を変更するための塩、緩衝剤、被覆添加剤及び酸化防止剤を含有してもよい。
【0052】
本発明の別の局面は、患者における細菌感染症の予防又は治療方法に関し、該方法は、前記患者に薬学的に活性な量の式(I)による誘導体、又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0053】
なお、式(I)の化合物に関して示される優先性(化合物自体、その塩、化合物又はその塩を含有する組成物、化合物又はその塩の使用等のいずれも)は、いずれも、変更するべき所は変更して、式(ICE)の化合物、式(IN)の化合物、式(ICH)の化合物及び式(ICOH)の化合物に適用される。
【0054】
更に、式(I)の化合物は、例えば外科器具から病原菌及び細菌を除去し、又は部屋若しくは領域を無菌にするための、清浄目的に使用することもできる。そのような目的のために、式(I)の化合物は、溶液又はスプレー製剤中に含まれ得る。
【0055】
式(I)の化合物は、本発明に従って、以下に記載する手順を用いて製造することができる。
【0056】
式(I)の化合物の調製

略語:
明細書及び実施例全体において、以下の略語が使用される:
AcOH 酢酸
AD-mix α 1,4-ビス(ジヒドロキニン)フタラジン、K3Fe(CN)6、K2CO3及びK2OsO4.2H2O
AD-mix β 1,4-ビス(ジヒドロキニジン)フタラジン、K3Fe(CN)6、K2CO3及びK2OsO4.2H2O
aq. 水性
Bn ベンジル
DCC N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド
1,2-DCE 1,2-ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DEAD ジエチルアゾジカルボキシレート
DIAD ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DIBAH 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
1,2-DME 1,2-ジメトキシエタン
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMPU 1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミドン
EA 酢酸エチル
EDC 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
ESI 電子スプレーイオン化
Ether ジエチルエーテル
EtOH エタノール
h 時間
HATU O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート
Hex ヘキサン
HMPT ヘキサメチル亜リン酸トリアミド
HOBT 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HV 高真空条件
KHMDS カリウムヘキサメチルジシラジド
KOtBu カリウムtert-ブトキシド
LC 液体クロマトグラフィー
LDA リチウムジイソプロピルアミド
LiHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
MCPBA メタ-クロロ過安息香酸
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
MS 質量分析法
MsCl 塩化メタンスルホニル
org. 有機
Pd/C 炭素上パラジウム
PTSA パラ-トルエンスルホン酸
sat. 飽和
TBDMS tert-ブチルジメチルシリル
TBDPS tert-ブチルジフェニルシリル
TEA トリエチルアミン
Tf トリフリル(=トリフルオロメタンスルホニル)
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
Ts トシル
p-TsCl パラ-トルエンスルホニルクロリド
rt 室温
【0057】
一般的な調製方法:
以下のセクションa)〜n)において、式(I)の化合物の調製のための一般的方法を記載する。
a)式(I)の化合物は、本発明に従って、式(II)
【0058】
【化14】

【0059】
(式中、R1、R2、U、X、A、B、D及びEは、式(I)に定義した通りである)
の化合物を、式(III)
【0060】
【化15】

【0061】
(式中、L0及びL00は、両方ともハロゲン、OCCl3、イミダゾリル若しくはスクシンイミジルオキシであり、又はL0はハロゲンであり、L00はOCCl3である)
の化合物と反応させることにより製造し得る。
【0062】
この反応は、好ましくは、例えばDCM又はTHF等の乾燥非プロトン性溶媒中、TEA又はピリジン等の有機塩基の存在下、-30°〜+40℃の温度で行われる。
【0063】
b)式(I)(式中、AはCH(OH)CH2であり、BはNであり、DはCH2である)の化合物は、式(IV)
【0064】
【化16】

【0065】
(式中、R1、U、及びXは、式(I)に定義した通りである)
の化合物を、
式(V)
【0066】
【化17】

【0067】
(式中、E及びR2は、式(I)に定義した通りである)
の化合物と反応させることにより製造し得る。
【0068】
式(IV)のエポキシド誘導体と、式(V)のピペリジン誘導体との反応は、好ましくは、例えばDMF等の極性溶媒中、炭酸アルカリ(例えば炭酸カリウム)及びリチウム塩(例えば過塩素酸リチウム)の存在下、40〜100℃の温度で行われる。
【0069】
c)式(I)(式中、U及びXは、式(I)に定義した通りであり、AはOCH2であり、DはO又はCH2であり、BはCHである)の化合物は、式(VI)
【0070】
【化18】

【0071】
(式中、L1はOHであり、R1、U及びXは、式(I)に定義した通りである)の化合物を、式(VII)
【0072】
【化19】

【0073】
(式中、D、R2及びEは、式(I)に定義した通りである)
の化合物と反応させることにより製造し得る。
【0074】
この反応は、光延条件(O. Mitsunobu, Synthesis (1981), 1に概説されるように)下、即ち、DEAD又はDIAD及びPPh3の存在下で行われる。反応は、例えばDMF、THF、又はDCM等の幅広い溶媒中、幅広い温度(-78℃〜50℃)で行うことができる。
【0075】
式(I)の化合物への代替的経路は、各々、TsCl、トリフルオロメタンスルホン酸無水物又はMsClを用いて、DCM、MeCN又はTHFのような乾燥非プロトン性溶媒中、TEA等の有機塩基の存在下、-40℃〜60℃で処理することによる例えばトシラート、トリフラート又はメシラートのような、式(VII)のアルコールの活性化を必要とし得る。一旦活性化されると、式(VII)のアルコールは、NaH又はK2CO3等の無機塩基又はLiHMDS等の有機塩基により-20℃〜60℃で生成した、式(VI)(式中、L1=O-である)の化合物の誘導体と反応する。
【0076】
式(I)(式中、U及びXは、式(I)に定義した通りであり、AはOCH2であり、DはO又はCH2であり、BはCHである)の化合物はまた、式(VIa)
【0077】
【化20】

【0078】
(式中、L1はハロゲンであり、R1、U及びXは、式(I)に定義した通りである)
の化合物を、式(VII)
【0079】
【化21】

【0080】
(式中、D、R2及びEは、式(I)に定義した通りである)
の化合物と反応させることにより製造し得る。
【0081】
この反応は、DMF、MeCN又はTHFのような乾燥非プロトン性溶媒中、NaH等の金属水素化物の存在下、及び必要であればCuI等の銅(I)塩の存在下、-20℃〜60℃で生成した式(VII)の化合物のナトリウム又はリチウム塩を用いて行う。
【0082】
d)式(I)(式中、U及びXは、式(I)に定義した通りであるが、XがNであり、UがCHである場合を除き、更にAはNHCOであり、DはCH2又はOであり、BはCHである)の化合物は、式(VIII)
【0083】
【化22】

【0084】
(式中、L1はNH2であり、R1、U及びXは、式(I)に定義した通りであるが、XがNであり、UがCHである場合を除く)
の化合物を、式(IX)
【0085】
【化23】

【0086】
(式中、D、R2及びEは、式(I)に定義した通りである)
の化合物と反応させることにより製造し得る。
【0087】
式(VIII)のアニリン誘導体と、式(IX)のシクロヘキサンカルボン酸誘導体との反応は、好ましくは、DCC、EDC、HOBT、HATU又はジ-(N-スクシンイミジル)-カーボネート等の活性化剤の存在下、DCM、MeCN又はDMF等の乾燥非プロトン性溶媒中、-20℃〜60℃で行われる(G. BenzによるComprehensive Organic Synthesis, B. M. Trost, I. Fleming, Eds; Pergamon Press: New York (1991), vol. 6, p. 381参照)。代替的に、カルボン酸は、塩化オキサリル又は塩化チオニルと、ニートで又はDCM等の溶媒中で-20°〜60℃で反応させて、その対応する酸塩化物に変換することにより活性化され得る。
【0088】
e)式(I)(式中、U及びXは、式(I)に定義した通りであり、AはNHCOであり、DはCH2又はOであり、BはCHである)の化合物は、以前定義した式(VIa)の化合物又は式(X)
【0089】
【化24】

【0090】
(式中、L1はトリフルオロメタンスルホニルであり、R1、U及びXは、式(I)に定義した通りである)の化合物のいずれかを、
式(XI)
【0091】
【化25】

【0092】
(式中、D、R2及びEは、式(I)に定義した通りである)
の化合物と反応させることにより製造し得る。
【0093】
この反応は、パラジウムで触媒されるBuchwald-Hartwig条件(J. Am. Chem. Soc. (1996), 118, 10333)、又は銅で触媒される条件(J. Am. Chem. Soc. (2002), 124, 7421)下にて行われる。様々なパラジウム源及びリガンド、並びに(例えば)ジオキサン及びトルエンを含む多様な溶媒を使用し得る。
【0094】
f)式(I)(式中、AはCHOHCHOHであり、DはCH2又はOであり、BはCHである)の化合物は、式(XII)
【0095】
【化26】

【0096】
(式中、R1、U、X、R2及びEは、式(I)に定義した通りである)の化合物を、Chem. Rev. (1994), 94, 2483に記載されているように、水/2-メチル-2-プロパノール混合物中、メタンスルホンアミドの存在下、AD-mix α又はAD-mix βで処理することによるシス-ジヒドロキシ化により製造し得る。誘導の方向は、AD-mix α中のジヒドロキニンベースのリガンド、又はAD-mix β中のジヒドロキニジンベースのリガンドのいずれかである、AD混合物中に含まれるキラルリガンドに依存する。
【0097】
g)式(I)(式中、AはCHOHCH2であり、DはOであり、BはCHであり、又はDはCH2であり、BはCH若しくはC(OH)である)の化合物は、式(XIII)
【0098】
【化27】

【0099】
(式中、L1はLiであり、R1、U及びXは、式(I)に定義した通りである)
の化合物を、
式(XIV)
【0100】
【化28】

【0101】
(式中、BはCH又はC(OH)であり、D、R2及びEは、式(I)に定義した通りである)の化合物と、例えばTHF又はエーテル等の乾燥溶媒中、-78℃〜20℃の温度で反応させることにより製造し得る。
【0102】
h)式(I)(式中、U及びXは、式(I)に定義した通りであり、AはCH=CHであり、DはCH2又はOであり、BはCHである)の化合物は、式(XV)
【0103】
【化29】

【0104】
(式中、R1、U及びXは、式(I)に定義した通りである)
の化合物を、
式(XVI)
【0105】
【化30】

【0106】
(式中、Rは1-フェニル-1H-テトラゾール-5-イル又はベンゾチアゾール-2-イルであり、D、R2及びEは、式(I)に定義した通りである)の化合物と、(P. R. BlakemoreによりJ. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 (2002), 2563-2585に概説されるように)1,2-DME、DMF又はトルエン等の溶媒中、KHMDS又はLiHMDSの存在下、-78℃〜0℃の温度で反応させることにより製造し得る。
【0107】
i)式(I)(式中、AはCH=CHであり、DはCH2又はOであり、BはCHである)の化合物はまた、式(VI)(式中、L1は、臭素等のハロゲンである)の化合物を、式(XVII)
【0108】
【化31】

【0109】
(式中、R’は、n-ブチル等のアルキルであり、D、R2及びEは、式(I)に定義した通りである)の化合物と、(J. Am. Chem. Soc. (1987), 109(18), 5478-86に概説されるように)Stilleカップリング条件下、パラジウム塩の存在下で反応させることにより製造し得る。
【0110】
j)式(I)(式中、AはCH2CH2であり、BはCHであり、DはCH2若しくはOであり、又はBはCOHであり、DはCH2である)の化合物は、式(Ia)
【0111】
【化32】

【0112】
(式中、AはCH=CH又はC≡Cであり、R1、U、X、B、D、R2及びEは、式(I)と同一の意味を有する)の化合物を、THF、酢酸エチル、MeOH等の溶媒中、1〜10barの圧力下、パラジウム又は白金等の貴金属触媒上で0℃〜40℃にて接触水素化することにより製造し得る。
【0113】
k)式(I)(式中、R2は、ヒドロキシアルキルである)の化合物は、対応する式(XVIII)
【0114】
【化33】

【0115】
(式中、R1、U、X、A、B、D及びEは、式(I)と同一の意味を有し、Lは、1〜4個の炭素原子からなる直鎖又は分岐鎖のアルカンジイル基を表し、PGは、アルコール官能基のための保護基(例、ベンジル、アセチル、TBDMS又はTBDPS)である)の誘導体の脱保護により製造し得る。アルコール官能基のための多様な保護基、及びそれらを脱保護する戦略は、例えばP. J. Kocienski, ‘Protecting Groups’, Thieme (1994)等の参考書中に記載されている。例えば、tert-ブチルジメチルシリル又はtert-ブチルジフェニルシリル保護基は、フッ素アニオン(例えば、HF又はフッ化テトラブチルアンモニウムにより提供)の存在下、又はTFA等の酸の存在下、THF又はDCM等の溶媒中、水の存在下で除去し得る。反応は、0℃〜50℃で行われる。
【0116】
l)式(I)(式中、R2は(CH2)kOHであり、ここでkは、2〜4の整数である)の化合物は、対応する誘導体(式中、R2は(CH2)k-1COOR’であり、ここでR’はアルキル又はアリールアルキルである)を、THF等の溶媒中、LiBH4又はLiAlH4等の水素化ホウ素又は水素化アルミニウム還元剤を用いて、-20℃〜40℃で還元することにより製造し得る。代替的に、エステル官能基を、水、又は水とTHF若しくはMeOHのような極性プロトン性若しくは非プロトン性有機溶媒との混合物中、例えばNaOH、KOH又はLiOH等の水酸化アルカリを用いて、-10℃〜50℃で対応する酸に加水分解する。得られたカルボン酸を、THF等の溶媒中、BH3. THF錯体等のボラン誘導体を用いて、-10℃〜40℃で更に対応するアルコールに還元する。
【0117】
m)式(I)(式中、AはCH2CH2であり、DはCH2であり、BはNである)の化合物は、式(XIX)
【0118】
【化34】

【0119】
(式中、R1、U及びXは、式(I)に定義した通りである)
の化合物を、以前定義した式(V)の化合物と反応させることにより製造し得る。
【0120】
反応は、ジオキサン等の有機溶媒中、必要であれば酢酸等の有機溶媒の存在下、40℃〜140℃で行われる。
【0121】
n)式(I)(式中、AはCH2CH(OH)であり、BはCHであり、DはCH2若しくはOであり、又はBはCOHであり、DはCH2である)の化合物は、式(I)(式中、AはCH(OH)CH(OH)である)の化合物を、その対応する環状カーボネートに転換した後、貴金属触媒上で水素化分解することにより製造し得る。転換の第一のステップは、例えばDCM又はTHF等の不活性溶媒中、TEA又はピリジン又はカルボニルジイミダゾール(carbonyldimidazole)等の有機塩基の存在下、-78℃〜50℃の範囲の温度、好ましくは0℃〜20℃の範囲の温度で、ホスゲン、ジホスゲン又はトリホスゲンのいずれかで処理して行われる。続いて、中間体の環状カーボネートを、EA等の溶媒中、水素の存在下、Pd/C等の触媒系を用いた水素化分解により、ホモベンジルアルコールに転換する。
【0122】
上述した一般的な調製方法に従って得られた式(I)の化合物を、次に、所望であれば、それらの塩、とりわけそれらの薬学的に許容される塩に変換し得る。
【0123】
なお、式(I)の化合物がエナンチオマー混合物の形態で得られる場合は常に、エナンチオマーは、当業者周知の方法を用いて(例えば、ジアステレオマー塩の形成及び分離、又はキラル固定相上でのクロマトグラフィーにより)分離し得る。式(I)の化合物がジアステレオマー混合物の形態で得られる場合は常に、それらはシリカゲルクロマトグラフィー、HPLC、及び結晶化技術の適切な組み合わせにより分離し得る。
中間体の調製:
式(II)の中間体は、下のスキーム1に示す合成経路を用いて得ることができる。
【0124】
【化35】

【0125】
スキーム1において、U、X、A、B、D、E、R1及びR2は、式(I)と同一の意味を有する。
【0126】
式(II-1)の化合物のケタール官能基は、例えばMeOH中の希釈HClのような酸性条件下で、又は水-溶媒混合物、例えばMeOH/水若しくはTHF/水中、Amberlite IR120H若しくはDOWEX 50W8等の酸性樹脂を用いることにより、除去し得る。式(II-2)の中間体は、MeCN等の極性溶媒中、KOH等の水酸化アルカリの存在下、20〜100℃でヨウ化トリメチルスルホキソニウム又はヨウ化トリメチルスルホニウムと反応させることにより、対応する式(II-3)のエポキシド誘導体に転換し得る(J. Am. Chem. Soc. (1965), 87, 1353-1364及びTetrahedron Lett. (1987), 28, 1877-1878に記載されているように)。式(II-3)のエポキシド誘導体を、EtOH等のプロトン性溶媒中、50〜90℃でアニリン誘導体E-NH2で処理して、式(II)の中間体を得ることができる。
【0127】
式(V)のピペリジン誘導体は、下のスキーム2に示す合成経路を用いて得ることができる。
【0128】
【化36】

【0129】
スキーム2において、PG1は、例えばベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル又はアリルオキシカルボニル等の保護基であり、E及びR2は、式(I)と同一の意味を有する。
【0130】
式(V-1)のエポキシドを、EtOH等のプロトン性溶媒中、50〜90℃で式E-NH2のアニリン誘導体と反応させ得る。得られた式(V-2)のアミノアルコール誘導体を、DCM又はTHF等の非プロトン性溶媒中、例えばホスゲン、トリホスゲン、カルボニルジイミダゾール又は炭酸ジスクシニジル等の活性化炭酸誘導体と-10°〜+40℃で反応させ得る。得られた式(V-3)のオキサゾリジノンを、P. J. Kocienski, “Protecting groups”, Thieme (1994)等の参考書中に列挙されている標準的な方法を用いて脱保護し得る。例えば、PG1がベンジルオキシカルボニル基の場合、これはパラジウム等の貴金属上での水素化により除去し得る。
【0131】
式(VII)のアルコール誘導体、式(IX)のカルボン酸誘導体、式(XI)のアミド誘導体及び式(XX)
【0132】
【化37】

【0133】
(式中、D及びEは、式(I)に定義した通りであり、R2は、H、アルキル、アルケニル、アルコキシカルボニルアルキル又は-L-OBn基のいずれかであり、ここでLは、1〜4個の炭素原子からなる直鎖又は分岐鎖アルカンジイル基を表す)のアルデヒド誘導体は、以下のスキーム3〜5に概略するように得ることができる。
【0134】
式(VIIa)アルコール誘導体、式(IXa)のカルボン酸誘導体、式(XIa)のアミド誘導体及び式(XXa)のアルデヒド誘導体(式中、BはCHであり、DはCH2であり、R2及びEは、対応する式(VII)、式(IX)、式(XI)及び式(XX)の誘導体に定義した通りである)に関しては、スキーム3に示す合成経路を用いる。
【0135】
【化38】

【0136】
スキーム3において、R”は、(C1-C4)アルキル基であり、E及びR2は、式(I)と同一の意味を有する。
【0137】
式(VII-1)のエポキシドを、EtOH等のプロトン性溶媒中、+50℃〜+90℃でアニリン誘導体E-NH2と反応させ得る。次に、得られた式(VII-2)のアミノアルコール誘導体を、式(V-3)の化合物を得るために使用した方法と同一の方法に従って、それらの対応する式(VII-3)のオキサゾリジノン誘導体に変換し得る。式(VII-3)のエステルを、THF又はMeOH等の溶媒中、NaBH4又はLiBH4等のホウ化水素還元剤を用いて-10°〜50℃で還元して、対応する式(VIIa)のアルコールに転換し得る。また式(VII-3)のエステルを、水-ジオキサン混合物中、0°〜50℃でLiOH等の水酸化アルカリで処理して、式(IXa)のシクロヘキサンカルボン酸誘導体を得ることができ、これを標準的な方法(例えば、酸をその対応する酸塩化物に転換した後、アンモニアと反応させる)により、式(XIa)のアミドに変換し得る。式(VII-3)のエステルと式(VIIa)のアルコールは、両方とも、各々、例えばDIBAHのような嵩高いヒドリド試薬を用いた制御還元、又はSwern (D. Swern et al., J. Org. Chem. (1978), 43, 24802482参照)若しくはDess Martin(D. B. Dess and J. C. Martin, J. Org. Chem. (1983), 48, 4155参照)条件下での酸化のいずれかにより、それらの対応するアルデヒド(XXa)に転換し得る。
【0138】
式(VIIb)のアルコール誘導体、式(IXb)のカルボン酸誘導体、式(XIb)のアミド誘導体及び式(XXb)のアルデヒド誘導体(式中、BはCHであり、DはOであり、Eは、対応する式(VII)、式(IX)、式(XI)及び式(XX)の誘導体に定義した通りである)に関しては、スキーム4に示す合成経路を用いる。
【0139】
【化39】

【0140】
スキーム4において、Eは、式(I)と同一の意味を有し、Lは、1〜4個の炭素原子からなる直鎖又は分岐鎖のアルカンジイル基を表す。
【0141】
式(VII-4)の化合物のアルコール官能基を、Swern又はDess Martin条件等の標準的なプロトコールを用いて、対応する式(VII-5)のケトンに酸化し得る。前記ケトンを、MeCN等の溶媒中、ヨウ化トリメチルスルホニウム又はヨウ化トリメチルスルホキソニウムとの20℃〜80℃での反応により、対応する式(VII-6)のエポキシド誘導体に更に転換し得る。代替的に、式(VII-6)のエポキシド誘導体は、ケトンをWittigオレフィン化反応によりアルケンに転換した後、例えばMCPBA等の過酸を用いてエポキシ化して得ることができる。エポキシドは、式(V-3)の化合物の合成に関して記載したものと同一の手順を用いて、対応する式(VII-7)のスピロ誘導体に転換し得る。式(VII-7)の誘導体のシリル保護基は、上記のセクションk)に記載したように除去し得る。第一級アルコールを、標準的な方法により、対応する式(IXb)及び式(XIb)のカルボン酸及びアミドに転換し得る。R2aが-L-OBnである特定の場合、更なる脱保護ステップを必要とすることが理解される。代替的に、式(VIIb)の化合物は、Swern又はDess Martinプロトコールを用いて、対応する式(XXb)のアルデヒドに転換し得る。式(VII-4)の化合物のベンジルエーテルを更に遊離アルコールに転換し、更に合成して式(I)(式中、R2はアルキル、アルケニル又はアルキルオキシカルボニルである)の化合物にアクセスし得る。
【0142】
式(VIIc)のアルコール誘導体、式(IXc)のカルボン酸誘導体、式(XIc)のアミド誘導体及び式(XXc)のアルデヒド誘導体(式中、BはC(OH)であり、DはCH2であり、R2はH、アルキル、アルケニル又はアルコキシカルボニルアルキルであり、Eは、対応する式(VII)、式(IX)、式(XI)及び式(XX)の誘導体に定義した通りである)に関しては、スキーム5に示す合成経路を用いる。
【0143】
【化40】

【0144】
スキーム5において、Eは、式(I)に定義した通りであり、R2はH、アルキル、アルケニル又はアルコキシカルボニルアルキルであり、Rxはアルキル(例、エチル)を表す。R2がアルコキシカルボニルアルキルの場合、アルキル基Rxは、式(VII-10)の化合物の両方のエステル官能基を区別し得るものであり、即ち、エステル官能基-COORxが選択的に除去されて(更に合成し得る)ものであることが理解される。
【0145】
1-ヒドロキシ-4-オキソ-シクロヘキサンカルボン酸エチルエステル(DE19742492に従って調製)又はその式(VII-8)の誘導体を、前述した方法論に従って、その対応する式(VII-9)のエポキシド及び式(VII-10)のオキサゾリジノンに転換し得る。次に、式(VII-10)のエチルエステル誘導体を、NaBH4又はLiAlH4等のアルミニウム又はホウ素還元剤を用いた還元により、その対応する式(VIIc)のアルコールに転換し得る。式(VII-10)のエチルエステル誘導体は、例えばDIBAH等のアルミニウム還元剤を用いた還元により、式(XXc)のアルデヒドにも転換し得る。エステルはまた、式(IXc)の酸に加水分解され、対応する式(XIc)の第一級アミドに更に転換され得る。これら4つの構成単位は、BがCHであり、DがCH2である実施例と同一の方法論を用いて、更に転換され得る。
【0146】
式(XIVa)(式中、BはCH又はC(OH)であり、DはCH2であり、R2はH、アルキル、アルケニル又はアルコキシカルボニルアルキルであり、Eは、対応する式(XIV)の誘導体に定義した通りである)の中間体は、スキーム6に記載するように得られる。
【0147】
【化41】

【0148】
スキーム6において、Eは、式(I)と同一の意味を有し、R2はH、アルキル、アルケニル又はアルコキシカルボニルアルキルであり、BはCH又はC(OH)を表し、Rzはアルキル(例、エチル)を表す。しかしながら、R2がアルコキシカルボニルアルキルの場合、アルキル基Rzは、式(XIV-3)の化合物の両方のエステル官能基を区別し得るものであり、即ち、エステル官能基COORzが選択的に除去され得るものであることが理解される。
【0149】
式(XIV-1)のケトン誘導体(これは、R2がHであり、Rzがエチルの場合、Can. J. Chem. (1976), 54, 3569-79 (B=CH)又はOrganic Letters (2005), 7, 5673-5676 (R=C(OH)に従って得ることができる)は、式(VII-6)の化合物の調製に記載したものと同一の方法論を用いて、又はケトン誘導体を、メチリデントリフェニルホスホランを用いたWittig反応によりそれらのメチリデン類似体に転換し、例えばMCPBA等の過酸を用いた続くエポキシ化により、それらの対応する式(XIV-2)のエポキシドに転換し得る。エポキシドは、式(I)及び式(II)の化合物の形成に使用した方法論に従って、更に対応する式(XIV-3)のオキサゾリジノンに転換し得る。最終的に、式(XIV-3)の化合物のエステル官能基をDIBAHを用いて還元して、式(XIVa)のアルデヒドを得る。
【0150】
式(XIVb)(式中、BはCHであり、DはOであり、R2はH、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルケニル又はアルコキシカルボニルアルキルであり、Eは対応する式(XIV)の誘導体に定義した通りである)の化合物は、下のスキーム7に示す合成経路により製造し得る。
【0151】
【化42】

【0152】
スキーム7において、PGは、TBDMS又はTBDPS等の保護基であり、E及びR2は、式(I)と同一の意味を有する。
【0153】
対応するtert-ブチル-ジメチルシリルエーテル(Chemistry - A European Journal (2002), 8(7), 1670-81)と同様に得られた式(XIV-4)の化合物を、THF中、n-BuLiの存在下、メチリデントリフェニルホスホランを用いて-70℃〜0℃でWittig反応に供し得る。得られた式(XIV-5)のメチリデン誘導体を、Chem. Rev. (1994), 94, 2483に記載されているように、水/2-メチル-2-プロパノール混合物中、メタンスルホンアミドの存在下、AD混合物(AD-mix α又はAD-mix β)を用いて処理することにより、不斉シス-ジヒドロキシ化に供し得る。誘導の方向は、AD-mix α中のジヒドロキニンベースのリガンド、又はAD-mix β中のジヒドロキニジンベースのリガンドのいずれかである、混合物中に含まれるキラルリガンドに依存する。得られた式(XIV-6)のジオールを、DCM等の溶媒中、TEAの存在下、0℃〜rtで選択的にp-TsClと反応させ得る。対応する式(XIV-7)のトシラートを、NaHの存在下、-20℃〜rtで式(XIV-8)のエポキシドに転換し得る。次に、エポキシドを、前述したようにアニリンE-NH2と反応させ得る。式(XIV-9)のアミノアルコール誘導体を、前述したように、対応する式(XIV-10)のオキサゾリジノンに転換し得る。次に、この中間体を酸性条件下(例、AcOH)で処理して、対応する式(XIV-11)のジオールを与えることができ、これは過ヨウ素酸切断後、式(XIV-12)の化合物に転換し得る。次に、式(XIV-12)の化合物を、標準的な方法を用いた一つ又はそれ以上のステップにおいて、式(XIVb)の所望の化合物に変換し得る。
【0154】
式(XV)のアルデヒドは、文献手順に従って、又は対応する式(X)(L1=Br)の誘導体から、J. Org. Chem. (1980), 45, 1514に記載されているように、n-BuLi等のアルキルリチウムで-80℃〜-30℃の範囲の温度にて処理した後、リチオ種をDMFでクエンチして調製し得る。式(XV)のアルデヒドを生成する代替的経路は、式(X)(式中、L1=OTf、Br又はCl)の誘導体を、典型的な宮浦-鈴木カップリング条件下でトランス-フェニルビニルボロン酸と反応させ(Synth. Commun. (1981), 11, 513参照)、又は典型的なStilleカップリング条件下で、例えばジオキサン-水混合物のようなaq.溶媒中、パラジウム塩、K2CO3又はNa2CO3等の無機塩基を使用して、20〜100℃の範囲の温度でビニルトリブチルスズと反応させることからなる。対応するアルケンは、オゾン分解(O3流、その後ジメチルスルフィド又はPPh3のいずれかでクエンチする)により、又はaq.アセトン中、NaIO4を用いて中間体ジオールを過ヨウ素酸切断して、式(XV)のアルデヒドに直接転換し得る。ジオールは、アセトン-水又はDCM-水混合物等のaq.溶媒中、NMO等の共酸化剤の存在下、触媒量の4酸化オスミウムを用いて得られる(Cha, J. K. Chem. Rev. (1995), 95, 1761-1795参照)。
【0155】
式(XVII)(式中、DはO又はCH2である)の中間体は、J. Org. Chem. (1990), 55, 1857に記載されているように、ビニルスズ中間体のE:Z混合物を生成する、水素化トリブチルスズ及び触媒量のパラジウム又はモリブデン錯体を使用した、式(XVII-1)
【0156】
【化43】

【0157】
(式中、D、R2及びEは、式(I)に定義した通りである)のアルキン誘導体のハイドロスタンネーション反応により得られる。必要なアルキンは、対応する式(XX)のアルデヒドから、Tetrahedron Lett. (1972), 3769に記載されているCorey-Fuchsプロトコール(gem-ジブロミドの形成後、n-BuLiで処理)を用いて、又はジメチル-2-オキソプロピルホスホネートジアゾ誘導体(通称、大平試薬、Synth. Com. (1989), 19, 561)又はSynlett (2003), 59及びSynlett (1996), 521に記載されているジメチルジアゾメチルホスホネートを用いて得ることができる。BがC(OH)であり、DがCH2であるアルキンは、WO 2004/035569に従って得ることができる。
【0158】
式(XVIII)(式中、AはCHOHCH2であり、BはCHであり、DはOであり、R1は、CH2OHである)の化合物である式(XVIIIa)の中間体は、下のスキーム8に示す合成経路により得ることができる。
【0159】
【化44】

【0160】
スキーム8において、U、X、E及びR1は、式(I)と同一の意味を有し、PGは、例えばTBDMS又はTBDPS等の保護基を表す。
【0161】
式(XVIII-1)のブロモ誘導体を、THF又はエーテル等の溶媒中、n-BuLiとの反応により-80°〜30℃でインサイツで生成するそれらのリチオ種に変換し、式(XIV-12)のアルデヒドと反応させて、式(XVIIIa)化合物を得ることができる。
【0162】
式(XIX)の中間体は、WO 2006/021448に記載されているように、例えばPdCl2(PPh3)2等のパラジウム触媒の存在下、トリブチルビニルスズと式(VIa)の中間体又は式(X)の中間体とのStilleカップリングにより得られる。
【0163】
出発物質:
出発物質の式(II-1)(式中、AはCH2CH2であり、BはC(OH)であり、DはCH2である)のケタールは、EA又はMeOH等の溶媒中、対応するアセチレンケタール(例えばJ. Am. Chem. Soc. (1988), 110, 1626-28 (R2=H)に従って得られる)又は対応する式(II-1a)のビニルケタールの、例えばパラジウム等の貴金属上での水素化により得ることができる。
【0164】
式(II-1)(式中、AはCH=CHであり、BはCHであり、DはO又はCH2である)の化合物である、出発物質の式(II-1a)のビニルケタールは、下のスキーム9に示す合成経路を用いて得ることができる。
【0165】
【化45】

【0166】
スキーム9において、U、X及びR1は、式(XV)と同一の意味を有し、D及びR2は、式(I)と同一の意味を有し、R’は1-フェニル-1H-テトラゾール-5-イルを表す。
【0167】
以前定義した式(XV)のアルデヒド誘導体を、Blakemore, P. RによりJ. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 (2002), 2563-2585に概説されるように、1,2-DME、DMF又はトルエン等の溶媒中、LiHMDS又はKHMDS等の塩基の存在下、-80℃〜-30℃で式(II-1-1)のスルホン誘導体と反応させ得る。
【0168】
式(II-1-1)のスルホン誘導体は、対応するアルコール(該アルコールは、式(II-1-9)の化合物の脱保護、又は式(II-1-5)の化合物をNaBH4若しくはLiBH4により還元して得られる。式(II-1-9)又は式(II-1-5)の化合物の調製は、本願にて後に記載する。)から、DEAD又はDIAD及びPPh3の存在下、1-フェニル-1H-テトラゾール-5-チオールとの光延カップリング(O. Mitsunobu Synthesis (1981), 1に概説されるように)を用いて生成される。反応は、DMF、THF又はDCM等の幅広い溶媒中、幅広い温度(-78℃〜50℃)にて行われ得る。中間体スルフィドを形成する代替的経路は、各々、p-TsCl、トリフルオロメタンスルホン酸無水物又はMsClを用いて、DCM、MeCN又はTHF等の乾燥非プロトン性溶媒中、TEA等の有機塩基の存在下、-40℃〜60℃で処理することによる例えばトシラート、トリフラート又はメシラートのような、アルコールの活性化を必要とする。一旦活性化されると、アセトン中、0℃〜65℃の範囲の温度でのNaI又はKIとの反応により、対応するヨウ化物が形成される。後者は、1-フェニル-1H-テトラゾール-5-チオールのアルキル化剤としての役割を果たす。アルキル化反応は、EtOH等の溶媒中、KOH又はNaOH等の無機塩基の存在下、-20℃〜70℃の範囲の温度で行われる。スルフィドを、酸化反応を介して対応するスルホンに転換する。DCM等の溶媒中、MCPBA、又はaq. MeOH等の溶媒中、オキソン(登録商標)(Tetrahedron Letters (1981), 22, 1287参照)、又はEtOH中、七モリブデン酸アンモニウム四水和物の存在下、aq.過酸化水素(J. Org. Chem. (1963), 28, 1140参照)等の幅広い酸化剤を使用し得る。
【0169】
式(II-1)(式中、AはNHCOである)のケタールは、式(II-1-2)
【0170】
【化46】

【0171】
のカルボン酸から出発して(上記の“一般的な調製方法”のセクションd)に記載した戦略に従って)、又は式(II-1-3)
【0172】
【化47】

【0173】
のアミドから出発して(上記の“一般的な調製方法”のセクションe)に記載した戦略に従って)調製し得る。式(II-1-2)及び式(II-1-3)において、D及びR2は、式(I)と同一の意味を有する。
【0174】
DがCH2である式(II-1-2)のカルボン酸及び式(II-1-3)のアミド(以後、各々、式(II-1-2a)のカルボン酸及び式(II-1-3a)のアミド)は、(例えば)下のスキーム10に示す合成経路を用いて調製し得る(ここで、R2がヒドロキシアルキルの場合に必要な側鎖R2上の保護/脱保護ステップが、省略されている)。
【0175】
【化48】

【0176】
スキーム10において、R2は、式(I)と同一の意味を有する。
【0177】
出発化合物、4-ピペリジン-1-イル-シクロヘキサ-3-エンカルボン酸メチルエステル(US 4,221,800に記載されているように調製)を、式R2-Hal(Halはハロゲン原子)のハライドと反応させ得る(スキーム10)。加水分解後、式(II-1-4)のケトンを、対応する式(II-1-5)のケタール誘導体に変換した後、前述した方法又は当業者周知の方法を用いて、式(II-1-2a)のカルボン酸又は式(II-1-3a)のアミドに変換し得る。
【0178】
DがOである式(II-1-2)のカルボン酸及び式(II-1-3)のアミド(以後、各々、式(II-1-2b)のカルボン酸及び式(II-1-3b)のアミド)は、(例えば)下のスキーム11に示す合成経路を用いて調製し得る(ここで、R2がヒドロキシアルキルの場合に必要である側鎖R2上の保護/脱保護ステップが、省略されている)。
【0179】
【化49】

【0180】
スキーム11
スキーム11において、PG1及びPG2は、オルトゴナルな保護基を表し、即ち、保護基PG1は、保護基PG2に影響を与えず除去することができ(例えば、PG1はベンジルであり、PG2は、例えばtert-ブチルジメチルシリル若しくはtert-ブチルジフェニルシリル等のシリル保護基を表し、又は逆の場合も同様)、R2は、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はアルコキシカルボニルアルキルを表す。
【0181】
式(II-1-6)の化合物を、アリル-トリメチル-シラン、又は塩化アリル及び1,1,1,2,2,2-ヘキサメチル-ジシランと反応させ得る(スキーム11)。次に、得られた式(II-1-7)の化合物の保護基PG1を除去して、遊離アルコールを中間的に得、これを式(II-1-8)のケトン誘導体に酸化し得る。ケトンの保護により、式(II-1-9)のケタール誘導体が得られ、これを次に当該技術分野にて周知の方法を用いて対応するケタール(II-1-10)に転換し、更に前述した、又は当業者周知の方法を用いて、式(II-1-2b)のカルボン酸及び式(II-1-3b)のアミドに変換し得る。
【0182】
式(II-1)(式中、AはOCH2である)の化合物である式(II-1b)のケタールは、上記の“一般的な調製方法”のセクションc)に記載されているものと同一の戦略に従って、式(VIa)(式中、L1はBrである)の化合物、及び商業的に入手可能であるか又は前述した中間体から誘導される、必要な式(II-1-12)又は式(II-1-14)のケタールアルコール(それらの構造は、下のスキーム12に示す)から出発して調製し得る。
【0183】
【化50】

【0184】
例えば、スキーム12(ここで、R2がヒドロキシアルキルの場合に必要であり得る側鎖R2上の保護/脱保護ステップが、省略されている)に示すように、式(II-1-11)又は式(II-1-13)の化合物を、エタンジオールを用いて、乾燥溶媒中、例えばパラ-トルエンスルホン酸等の酸触媒の存在下、20℃〜140℃でケタール化し得る。得られた式(II-1-12)又は式(II-1-14)の中間体をNaH等の金属水素化物で処理して得られたアルコラートを、次に式(VIa)の化合物と反応させ得る。
【0185】
代替的に、式(II-1b)のエーテルは、式(II-1-11)又は式(II-1-13)のアルコールを、上述した光延カップリングプロトコールを用いて、式(VI)の化合物と反応させることによっても得ることができる。
【0186】
式(IV)のエポキシドは、WO 00/78748、WO 2004/02490、WO 02/008224又はWO 2006/032466に記載されているように調製し得る。
【0187】
式(V-1)(式中、PG1は、ベンジルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル又はアリルオキシカルボニル等の保護基である)のエポキシドは、US 4244961、及び/又は当業者周知の標準的な方法に従って調製し得る。
【0188】
必要な式(VI)のキノリン、[1,5]-ナフチリジン及びキナゾリン誘導体は、文献手順に従って調製される。例えば、4-ヒドロキシ-[1,5]-ナフチリジン(L1=OH、U=N及びX=CH)及び4-ヒドロキシ-キノリン(L1=OH及びU=X=CH)は、対応するアミノピリジン又はアニリンから、エトキシメチレンマロン酸ジエチルと反応させて4-ヒドロキシカルボン酸エステル誘導体を生成し、続いて酸に加水分解した後、不活性溶媒中で熱脱カルボキシル化することにより調製し得る(J. T. Adams, J. Am. Chem. Soc. (1946), 68, 1317)。これらの誘導体に至る他の経路は、置換アミノピリジン又はアニリンを、2,2-ジメチル-[1,3]ジオキサン-ジオン及びトリエチルオルトホルメートと縮合させた後、得られた2,2-ジメチル-5-[(アリールアミノ)メチリデン]-1,3-ジオキサン-4,6-ジオン中間体を、還流ジフェニルエーテル中で加熱することを用いる。キナゾリン(L1=OH、Cl、NH2、X=N及びU=CH)は、T. A. WilliamsonによるHeterocyclic Compounds (1957), 6, 324に記載されているような標準的な経路により調製し得る。
【0189】
式(VII-1)のエポキシドは、Tetrahedron (1995), 51, 10259-280、及び/又は当業者周知の標準的な方法に従って調製し得る。
【0190】
式(VII-4)(式中、LはCH2である)のテトラヒドロピラン誘導体は、J. Chem. Soc. Perkin 1 (1995), 2487-95を用いて調製し得る。他方の場合、式(VII-4)の化合物は、下のスキーム13に示す合成経路を用いて調製し得る。
【0191】
【化51】

【0192】
スキーム13において、PGは、アルコール官能基のための、シリル基とは異なる保護基(例、アセチル、パラ-メトキシベンジル又はメトキシエトキシメチル)を表し、Lは、2〜4個の炭素原子からなるアルカンジイル鎖である。
【0193】
例えばJ. Org. Chem. (1984), 49, 3994-4003に従って調製し得る、式(VII-4-1)のテトラヒドロピラン誘導体のアルコール官能基は、従来の方法を用いて保護し得る(スキーム13参照)。このように得られた式(VII-4-2)の中間体を、次に、Bioorg. Med. Chem. (2006), 14, 3349-3367に記載されているプロトコールに従って、式(VII-4-3)のそのアリル誘導体に変換し得る。次に、式(VII-4-3)のアリル誘導体を、当業者周知の標準的な方法を用いて、式(VII-4)の所望の化合物に変換し得る。
【0194】
必要な式(VIII)のキノリン及び[1,5]-ナフチリジン誘導体は、商業的に入手可能であるか、又はAustr. J. Chem. (2003), 56, 39,及びWO 96/33195に記載されているように調製し得る。
【0195】
必要な式(X)のキノリン、[1,5]-ナフチリジン及びキナゾリン誘導体は、対応する式(VI)(式中、L1はOHである)の誘導体から、WO 00/40554、WO 02/008224及びWO 2004/002490に記載されているものと類似の手順に従って調製される。
【0196】
必要な式(VIa)のキノリン、[1,5]-ナフチリジン及びキナゾリン誘導体は、商業的に入手可能であるか、又は文献手順に従って調製される。例えば、L1=Br及びU=X=CHである化合物は、WO 2003/087098に従って調製され、L1=Br、U=N及びX=CHである化合物は、WO 2006/032466に従って調製され、L1=Cl及びU=X=CHである化合物は、WO 2004/089947に従って調製される。
【0197】
式(XIII)のリチオ誘導体は、対応するフェノールから、DMF中、40℃でPBr3と反応させた後、THF又はエーテル等の溶媒中、-80〜-30℃でn-BuLiと反応させることにより調製し得る。
【0198】
必要な式(XV)のキノリン及び[1,5]-ナフチリジンアルデヒド誘導体は、商業的に入手可能であるか、又はJ. Med. Chem. (1970), 13, 1117、WO 2006/046552、WO 2006/021448又はWO 2006/032466に記載されているように調製される。
【0199】
以下の実施例に、本発明の特定の実施態様を記載する。これらは、本発明をその範囲を如何様にも限定することなく、より詳細に説明する役割を果たす。

実施例
【実施例1】
【0200】
(5R,6R,8S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-6-ヒドロキシメチル-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン及び(5R,6R,8S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-6-ヒドロキシメチル-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
【0201】
1.i. (2R,3S,6R)-6-アリル-2-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-オール:
(2R,3S,6R)-6-アリル-2-ヒドロキシメチル-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-オール(Eur. J. Org. Chem. (2003), 2418-2427に記載されているように得た;31.55g、185.4mmol)の氷冷DCM(650ml)溶液に、イミダゾール(24.96g、2eq.)を加えた。tert-ブチルクロロジフェニルシラン(50.45g、210.7mmol)のDCM(130ml)溶液を90分間かけて滴加した。2時間後、aq. sat. NaHCO3(250ml)を加えた。クロマトグラフィー(Hex/EA 5:1)後の収量は、51.52g(68%;黄色油状物)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.74-7.68 (m, 4H); 7.47-7.38 (6H); 5.87-5.76 (m, 3H); 5.10-5.04 (m, 2H); 4.19-4.15 (m, 2H); 3.89 (dd, J=5.3, 10.0Hz, 1H); 3.79 (dd, J=7.3, 10.0Hz, 1H); 3.68(m, 1H); 2.70 (br s, 1H); 2.38 (m, 1H); 2.28 (m, 1H); 1.09 (s, 9H).
【0202】
1.ii. (2RS)-3-[(2R,5S,6R)-6-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-5-ヒドロキシ-5,6-ジヒドロ-2H-ピラン-2-イル]-プロパン-1,2-ジオール:
中間体1.i(51.52g、126.1mmol)の2-メチル-2-プロパノール(560ml)、EA(15ml)及び水(560ml)溶液に、フェリシアン化カリウム(189.48g、3eq.)、K2CO3(67.10g、3eq.)、(DHQD)2PHAL(1.5121g、0.015eq.)及びオスミウム酸カリウム二水和物(0.1907g、0.004eq.)を加えた。反応混合物を2日間撹拌し、亜硫酸水素ナトリウム(150.92g)を加えた。二層をデカントし、aq.層をEA(2x350ml)で2回抽出した。処理及びクロマトグラフィー(Hex/EA 1:1、次いでEA)後の収量は、36.33g(65%;黄色油状物)であった。化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
1H NMR (d6-DMSO) δ: 7.71-7.65 (m, 4H); 7.47-7.40 (m, 6H); 5.80-5.65 (m, 2H); 4.95(m,1H); 4.50-4.35 (m, 3H); 3.92-3.28 (m, 7H); 1.80-1.65 (m, 1.33H); 1.17 (m, 0.67H); 0.99(s,9H).
【0203】
1.iii. (2R,3S,6R)-2-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-6-((4RS)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル)-3,6-ジヒドロ-2H-ピラン-3-オール:
中間体1.ii(34.83g、78.7mmol)のDCM(575ml)溶液に、rtでPTSA(0.90g、4.7mmol)及び2,2-ジメトキシプロパン(24ml、195.2mmol)を加えた。2時間後、水(100ml)及び飽和NaHCO3(200ml)を加え、2相を分離した。aq.層をDCM(260ml)で抽出した。クロマトグラフィー(Hex/EA 1:1)後の収量は、36.19g(黄色油状物)であった。化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.72-7.67 (m, 4H); 7.50-7.39 (m, 6H); 5.85-5.77 (m, 2H); 4.23-3.41(m, 8H); 2.80 (br s, 1H); 2.06 (m, 0.33H); 1.80-1.65 (1.67H); 1.40 (s, 3H); 1.33(s, 3H); 1.09(s,9H).
【0204】
1.iv. (2R,3S,6R)-2-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-6-((4RS)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル)-テトラヒドロ-ピラン-3-オール:
中間体1.iii(36.16g、74.9mmol)のEA(600ml)溶液に、酸化白金水和物(1.1g、4.8mmol)を加えた。反応混合物を水素下で2時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を乾燥する迄濃縮して、表題のアルコール(36.18g、収率99%)を濃厚な油状物として得た。化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
MS (ESI, m/z): 485.2 [M+H+].
【0205】
1.v. (2R,6S)-2-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-6-((4RS)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル)-ジヒドロ-ピラン-3-オン:
中間体1.iv(12g、24.75mmol)のDCM(100ml)溶液に、Dess-Martinペルヨージナン(DCM中15重量%、50ml)溶液を加えた。混合物をrtで4時間撹拌した。反応混合物をDCM(30ml)で希釈し、sat. NaHCO3(30ml)で洗浄した。処理及びクロマトグラフィー(Hex/EA 3:1)後の収量は、10.9g(91%;無色油状物)であった。化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.72-7.61 (m, 4H); 7.46-7.38 (m, 6H); 4.55 (m, 1H); 4.32 (m, 1H); 4.13-3.90 (m, 7H); 3.59 (m, 1H); 2.65-2.59 (m, 2H); 2.2-2.05 (m, 1.33H); 1.91-1.71 (m, 2.66H); 1.42 (s, 3H); 1.38 (s, 2H); 1.36 (s, 1H); 1.05 (s, 9H).
【0206】
1.vi. tert-ブチル-(2S,6S)-{6-[(4RS)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル)-3-メチレン-テトラヒドロ-ピラン-2-イルメトキシ}-ジフェニル-シラン:
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(11.1g、31.0mmol)の-78℃に冷却したTHF(75ml)中の懸濁液に、n-BuLi(Hex中2.5N、12.5ml、31.2mmol)を加えた。混合物をこの温度で15分間、次いで0℃で45分間撹拌した。-78℃に冷却した後、中間体1.v(7.5g、15.5mmol)のTHF(25ml)溶液を加えた。反応物を同一温度で1時間撹拌した後、徐々にrtへ暖めた。反応は、3時間継続した。ブライン(100ml)を加えて反応混合物をクエンチした。二層を分離し、aq.層をEA(100ml)で抽出した。クロマトグラフィー(Hex/EA 5:1)後の収量は、7.3g(99%;無色油状物)であった。この化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.72-7.67 (m, 4H); 7.46-7.38 (m, 6H); 4.85-4.79 (m, 2H); 4.26-4.22(m, 2H); 4.12-3.71 (数個のm, 3H); 3.57 (t, J= 7.8Hz, 0.33H); 3.52 (t, J=8.0Hz, 1H); 2.30 (m, 2H); 1.92 (m, 0.33H); 1.77-1.57 (m, 3.66H); 1.39 (s, 3H); 1.35 (s, 1H); 1.32 (s, 2H); 1.07 (s, 9H).
【0207】
1.vii. (2R,3R,6S)-2-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-6-((4RS)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル)-3-ヒドロキシメチル-テトラヒドロ-ピラン-3-オール:
中間体1.vi(7.4g、15.4mmol)の2-メチル-2-プロパノール(75ml)及び水(75ml)溶液に、AD mix β(22g)及びメタンスルホンアミド(1.9g)を加えた。反応混合物をrtで20時間撹拌した。亜硫酸水素ナトリウム(25g)を加えた。二層をデカントし、aq.層をEA(200ml)で抽出した。処理及びクロマトグラフィー(EA/Hept 3:2)後の収量は、6.0g(75%;無色油状物)であった。この化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.71-7.66 (m, 4H); 7.50-7.40 (m, 6H); 4.17-3.41 (数個のm, 9H); 3.05(br s, 1H); 2.75 (br s, 1H); 2.06 (m, 0.33H); 1.78-1.55 (m, 5.66H); 1.39 (s, 3H); 1.35(s, 1H); 1.32 (s, 2H); 1.09 (s, 9H).
【0208】
1.viii. トルエン-4-スルホン酸(2R,3R,6S)-2-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-6-(4RS)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル)-3-ヒドロキシ-テトラヒドロ-ピラン-3-イルメチルエステル:
中間体1.vii(6g、11.65mmol)の氷冷DCM(60ml)溶液に、4-DMAP(2.15g)及びp-TsCl(2.7g)を加えた。反応物をこの温度で1時間撹拌した。反応混合物をrt迄暖め、反応は2時間継続した。この時点で、DMAP(0.5g)及びp-TsCl(1g)を加えた。2時間後、反応混合物を乾燥する迄濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(Hept/EA 2:1、次いで1:2)にかけて、表題の化合物(4.8g、収率61%)を無色油状物として得た。この化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
MS (ESI, m/z): 629.3 [M+H+].
【0209】
1.ix. tert-ブチル-(3R,4R,6S)[6-((4RS)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル)-1,5-ジオキサ-スピロ[2.5]オクタ-4-イルメトキシ]-ジフェニル-シラン:
中間体1.viii(4.8g、7.17mmol)の氷冷THF(70ml)溶液に、NaH(0.7g)を加えた。MeOH(4ml)を滴加し、rtへ暖めるとともに、反応は2時間継続した。飽和NaHCO3(100ml)及びEA(200ml)を加えて反応混合物をクエンチした。二層をデカントし、aq.層をEA(200ml)で1回抽出した。クロマトグラフィー(Hept/EA 2:1)後の収量は、3.77g(無色油状物)であった。この化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.69-7.64 (m, 4H); 7.47-7.39 (m, 6H); 4.23-4.17 (m, 1H); 4.08-4.02(m, 1H); 3.91-3.85 (m, t, J=7.8Hz, 0.33H); 3.52 (t, J=7.9Hz, 0.66H); 3.39(m, 1H); 2.77 (d, J=4.3Hz, 0.66H); 2.75 (d, J=4.3Hz, 0.33H); 2.66 (d, J=4.3Hz, 0.66H); 2.65(d, J=4.3Hz, 0.33H); 2.10 (m, 1H); 1.97 (m, 0.33H); 1.76-1.67 (m, 5.66H); 1.39 (s, 3H); 1.35 (s, 1H); 1.32 (s, 2H); 1.07 (s, 9H).
MS (ESI, m/z): 497.0 [M+H+].
【0210】
1.x. (2R,3R,6S)-2-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-3-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミノ)-メチル]-6-((4RS)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル)-テトラヒドロ-ピラン-3-オール:
中間体1.ix(3.77g、7.6mmol)及び2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミン(1.15g、1eq.)のEtOH(27ml)及び水(3ml)溶液を、90℃で40時間加熱した。冷却後、溶媒を真空除去し、残留物をSiO2上のクロマトグラフィー(Hept/EA 2:1)にかけて、未反応アニリンが幾分か混入した表題のアミノアルコール(3.2g、収率65%)を得た。
MS (ESI, m/z): 648.1 [M+H+].
【0211】
1.xi. (5R,6R,8S)-6-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-((4RS)-2,2-ジメチル-[1,3]ジオキソラン-4-イルメチル)-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
中間体1.x(3.2g、4.94mmol)のDCM(25ml)中の氷冷混合物に、ピリジン(1.2ml)及びトリスホスゲン(0.8g)を加えた。反応物を0℃で1時間撹拌した。飽和NaHCO3(100ml)を加えて反応混合物をクエンチした。二層をデカントし、org.層を乾燥する迄濃縮した。残留物をEA(200ml)中に取り上げ、sat.硫酸銅溶液(100ml)、水(2x50ml)、及びブライン(100ml)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、濾過し、乾燥する迄濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(Hept/EA 2:1)にかけて、表題のオキサゾリジノン(2.3g、収率69%)を無色泡状体として得た。この化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
MS (ESI, m/z): 674.0 [M+H+].
【0212】
1.xii. 6-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
中間体1.xi(2.3g、3.41mmol)のTHF(5ml)、AcOH(15ml)及び水(5ml)溶液を、60℃で4時間加熱した。冷却後、反応混合物を乾燥する迄濃縮し、残留物を飽和NaHCO3とEA(200ml)間に分割した。aq.層をEA(200ml)で更に抽出した。処理後、2.1gの茶色泡状体を得た。材料を更に精製せずに続行した。この化合物は、エピマーの2:1混合物として得られた。
MS (ESI, m/z): 634.1 [M+H+].
【0213】
1.xiii. [(5R,6R,8S)-6-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-8-イル]-アセトアルデヒド:
中間体1.xii(粗、3.41mmol)のアセトン(30ml)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(1.82g,2.5eq.)の水(10ml)溶液を加えた。反応は40分間継続した。水(100ml)を加えた。揮発物を真空除去し、残留物をEA(2x150ml)で抽出した。クロマトグラフィー(Hept-EA 1-1)後の収量は、2.0g(収率97%;白色固体)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 9.77 (t, J=1.8Hz, 1H); 7.69-7.64 (m, 4H); 7.50-7.39 (m, 6H); 7.00(d, J=2.1Hz, 1H); 6.88 (dd, J=2.1, 8.8Hz, 1H); 6.81 (d, J=8.8Hz, 1H); 4.34 (m, 1H); 4.29-4.24 (m, 4H); 4.00-3.92 (m, 4H); 3.42 (d, J= 9.2Hz, 1H); 2.76 (ddd, J=2.0, 7.6, 16.8Hz, 1H); 2.51 (ddd, J=1.7, 5.2, 16.8Hz, 1H); 2.11-1.72 (m, 4H); 1.07 (s, 9H).
【0214】
1.xiv. (5R,6R,8S)-6-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-((2R)-[2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン及び(5R,6R,8S)-6-(tert-ブチル-ジフェニル-シラニルオキシメチル)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-((2S)-[2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
8-ブロモ-2-メトキシ-[1,5]ナフチリジン(1.2g、5mmol;WO 2006/032466に従って調製)のTHF(25ml)溶液に、-78℃でn-BuLi(Hex中2.5N、2ml、5mmol)を加えた。混合物を同一温度で25分間撹拌し、中間体1.xiii(2g、3.32mmol)のTHF(15ml)溶液を素早く加えた。反応は15分間継続し、10%NaHSO4(50ml)を加えた。次に、反応物をrtに暖めた。二層をデカントし、aq.層をEA(100ml)で抽出した。処理及びクロマトグラフィー(Hept/EA 2:1)後の収量は、第一異性体(27%;帯黄色泡状体)0.7g、及びそのエピマーが一部混入した第二異性体(23%;帯黄色泡状体)0.6gであった。
第一溶離異性体:MS (ESI, m/z): 762.0 [M+H+].
第二溶離異性体:MS (ESI, m/z): 762.0 [M+H+].
【0215】
1.xv. (5R,6R,8S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-6-ヒドロキシメチル-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン及び(5R,6R,8S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-6-ヒドロキシメチル-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
中間体1.xivの第一溶離異性体(0.1g、0.13mmol)のTFA-水(4-1、2.5ml)溶液を、rtで一夜撹拌した。乾燥する迄濃縮した後、残留物を飽和NaHCO3(10ml)とEA(30ml)間に分割した。固体NaHCO3(0.2g)を加えた。二層をデカントし、org.層をNa2SO4上で乾燥し、濾過し、乾燥する迄濃縮した。残留物をMeOH中で20分間撹拌し、乾燥する迄濃縮した。クロマトグラフィー(DCM/MeOH 19:1)後の収量は、(0.045g、収率65%;白色泡状体)であった。
1H NMR (d6-DMSO) δ: 8.79 (d, J=4.5Hz, 1H); 8.27 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.78 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.27 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.10 (d, J=2.6Hz, 1H); 6.97 (dd, J=2.6, 8.9Hz, 1H); 6.84 (d, J=8.9Hz, 1H); 5.62 (m, 1H); 5.44 (d, J=4.8Hz, 1H); 4.75 (t, J=5.5Hz, 1H); 4.23 (m, 4H); 4.12-4.06 (m, 2H); 4.03 (s, 3H); 3.71-3.65 (m, 2H); 3.60-3.51 (m, 2H); 2.16 (m, 1H); 2.05-1.77 (m, 5H).
MS (ESI, m/z): 523.8[M+H+].
中間体1.xivの第二溶離異性体(そのエピマーが混入した、0.1g)から出発し、同一の反応の連続を行って、第二のエピマー(0.048g、収率70%)を白色泡状体として得た。この化合物は、その微量のエピマーが混入していた。
1H NMR (d6-DMSO) δ: 8.78 (d, J=4.5Hz, 1H); 8.26 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.78 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.26 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.11 (d, J=2.6Hz, 1H); 6.98 (dd, J=2.6, 8.9Hz, 1H); 6.85 (d, J=8.9Hz, 1H); 5.76 (m, 1H); 5.42 (d, J=5.3Hz, 1H); 4.78 (t, J=5.8Hz, 1H); 4.23 (m, 4H); 4.12-4.06 (m, 2H); 4.05 (s, 3H); 3.91 (t, J=5.0Hz, 1H); 3.71-3.62 (m, 3H); 2.40 (m, 1H); 2.00-1.96 (m, 2H); 1.75 (m, 1H); 1.63-1.49 (m, 2H).
MS (ESI, m/z): 523.8[M+H+].
【実施例2】
【0216】
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-キノリン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
2.i. シス/トランス-4-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミノ)-メチル]-4-ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸エチルエステル:
Tetrahedron, 1995, 51, 10259-80に従って得た1-オキサ-スピロ[2.5]オクタン-6-カルボン酸エチルエステル(4.5g、24.4mmol)及び2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミン(3.7g、24.4mmol)のEtOH/水(9:1、100ml)溶液を、一夜加熱還流した。混合物を真空濃縮し、クロマトグラフィー(Hex:EA 2:1)により精製して、表題のアミノアルコール(7.7g、収率94%)を橙色油状物として与えた。
1H NMR (DMSO d6) δ: 6.60-6.50 (m, 1H); 6.20-6.10 (m, 2H); 5.90-5.70 (m, 1H); 4.10-3.90 (m, 6H); 3.90-3.80 (m, 2H); 2.40-2.20 (m, 1H); 1.80-1.40 (m, 7H), 1.40-1.20 (m, 2H); 1.10-1.00 (m, 4H).
【0217】
2.ii. シス及びトランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸エチルエステル:
トリホスゲン(2.7g、9mmol)を中間体2.i(7.7g、23mmol)及びTEA(9.6ml、69mmol)のDCM(300ml)溶液に一部ずつ加えた。混合物をrtで4時間撹拌し、sat. NaHCO3を加え、混合物を15分間激しく撹拌した。反応混合物をDCMで希釈し、処理し、クロマトグラフィー(Hex:EA 1:1)にかけて、最初にトランス化合物(2g)を、次にシス-誘導体(4g)を帯黄色油状物として与えた。
トランス-異性体:
1H NMR (DMSO d6) δ: 7.11 (d, J=2.5Hz, 1H); 6.97 (dd, J=2.5, 8.8Hz, 1H); 6.85 (d, J=8.8Hz, 1H); 4.30-4.15 (m, 4H); 4.10-4.00 (m, 3H); 3.74 (s, 2H); 2.50-2.35 (m, 1H); 2.00-1.80 (m, 4H); 1.80-1.40 (m, 4H); 1.18 (t, J=7.1Hz, 3H).
シス-異性体:
1H NMR (DMSO d6) δ: 7.11 (d, J=2.5Hz, 1H); 6.97 (dd, J=2.5, 8.8Hz, 1H); 6.85 (d, J=8.8Hz, 1H); 4.30-4.15 (m, 4H); 4.10-4.00 (m, 3H); 3.74 (s, 2H); 2.50-2.35 (m, 1H); 2.00-1.60 (m, 8H); 1.18 (t, J=7.1Hz, 3H).
【0218】
2.iii. シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸:
中間体2.ii(シス異性体、4g、11mmol)及びLiOH. H2O(0.46g、11mmol)のTHF:MeOH:H2O(2:2:1、150ml)中の混合物を、rtで一夜激しく撹拌した。混合物を1M HClで酸性化し、EAで希釈した。処理後の収量は、3.24g(収率88%;帯灰色固体)であった。
1H NMR (DMSO d6) δ: 7.11 (d, J=2.5Hz, 1H); 6.97 (dd, J=2.5, 8.8Hz, 1H); 6.85 (d, J=8.8Hz, 1H); 4.30-4.15 (m, 4H); 4.10-4.00 (m, 1H); 3.74 (s, 2H); 2.20-2.05 (m, 1H); 2.00-1.60 (m, 8H).
【0219】
2.iv. シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-ヒドロキシメチル-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
BH3. THF錯体(THF中1M、6.7ml)を、中間体2.iii(1.5g、4.5mmol)のTHF溶液に加えた。混合物をrtで3時間撹拌し、MeOHで注意深くクエンチし、真空濃縮した。残留物を数回MeOH中に溶解し、再び濃縮した。最終的に、生成物をエーテル:EAから結晶化させて、表題のアルコール(0.95g、収率66%)を無色固体として与えた。
1H NMR (DMSO d6) δ: 7.14 (d, J=2.5Hz, 1H); 7.02 (dd, J=2.5, 8.8Hz, 1H); 6.85 (d, J=8.8Hz, 1H); 4.49 (t, J=5.3Hz, 1H); 4.30-4.15 (m, 4H); 3.79 (s, 2H); 3.30-3.15 (m, 2H); 2.00-1.50 (m, 6H); 1.50-1.35 (m, 1H); 1.20-1.00 (m, 2H).
【0220】
2.v. シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-キノリン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
アルコール2.iv(0.32g、1mmol)、6-メトキシ-キノリン-4-オール(0.265g、1mmol)及びトリフェニルホスフィン(0.29g、1.1mmol)のTHF(15ml)溶液に、DIAD(0.22ml、1.1mmol)を滴加した。混合物をrtで一夜撹拌し、真空濃縮し、クロマトグラフィー(EA:MeOH 9:1)により精製し、エーテル/MeOHから結晶化させて、表題の化合物(0.14g、収率30%)をベージュ色固体として与えた。
1H NMR (DMSO d6) δ: 8.57 (d, J=5.1Hz, 1H); 7.87 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.45-7.35 (m, 2H); 7.11 (d, J=2.5Hz, 1H); 7.05-6.90 (m, 2H); 6.85 (d, J=8.8Hz, 1H); 4.30-4.15 (m, 4H); 4.15 (d, J=6.0Hz, 2H); 3.90 (s, 3H); 3.76 (s, 2H); 2.10-1.95 (m, 3H); 1.95-1.80 (m, 2H); 1.80-1.65 (m, 2H); 1.65-1.50 (m, 2H).
MS (ESI, m/z): 476.7 [M+H+].
【実施例3】
【0221】
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
中間体2.iv(1mmol)及び6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-オール(1mmol;WO 2004/014361に従って調製)から出発し、実施例2、ステップ2.vの手順を用いて、表題の化合物を調製した。表題の化合物を、無色固体(0.32g、収率68%)として単離した。
1H NMR (DMSO d6) δ: 8.60 (d, J=5.19Hz, 1H); 8.20 (d, J=9.03Hz, 1H); 7.25-7.18 (m, 2H); 7.11 (d, J=2.58Hz, 1H); 6.97 (dd, J=2.64, 8.85Hz, 1H); 6.85 (d, J=8.82Hz, 1H); 4.30-4.15 (m, 4H); 4.14 (d, J=6.03Hz, 2H); 4.02 (s, 3H); 3.76 (s, 2H); 2.10-1.95 (m, 3H); 1.95-1.80 (m, 2H); 1.80-1.50 (m, 4H).
MS (ESI, m/z): 477.7 [M+H+].
【実施例4】
【0222】
3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2RS)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
4.i. 4-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミノ)-メチル]-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸ベンジルエステル:
1-オキサ-6-アザ-スピロ[2.5]オクタン-6-カルボン酸ベンジルエステル(US 4353901に従って調製;0.495g;2mmol)及び2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミン(0.30g、2mmol)から、実施例2、ステップ2.iの手順に従って、表題の化合物を橙色油状物として得た。処理及びクロマトグラフィー(溶離液:Hex/EA 2:1、1:1)後の収量は、0.61g(77%)であった。
MS (ESI, m/z): 291.2 [M+H+].
【0223】
4.ii. 3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸ベンジルエステル:
アミノアルコール4.i(0.30g、0.75mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順に従って、表題の化合物(0.34g、100%)を調製した。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.45-7.30 (m, 5H); 7.08 (d, J=2.6Hz, 1H); 6.98 (dd, J=2.6, 8.8Hz, 1H); 6.85 (d, J=8.8Hz, 1H); 5.16 (s, 2H); 4.30-4.15 (m, 4H); 4.10-3.90 (br, 2H); 3.70 (s, 2H); 3.60-3.30 (m, 2H); 2.10-1.90 (m, 2H); 1.90-1.60 (m, 2H).
【0224】
4.iii. 3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
中間体4.ii(0.34g、0.8mmol)のEA(50ml)溶液を、通常のH2雰囲気下で、10% Pd/C(0.085g、0.1eq)を用いて6時間水素化した。触媒を濾去し、濾液を真空濃縮した。表題のアミン(0.12g、収率51%)を帯茶色油状物として単離した。
MS (ESI, m/z): 291.2 [M+H+].
【0225】
4.iv. 3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2RS)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
中間体4.iii(0.12g、0.4mmol)、6-メトキシ-4-オキシラニル-キノリン(0.083g、0.4mmol、WO 00/78748に従って調製)、K2CO3(0.08g、0.58mmol)及びLiClO4(0.048g、0.46mmol)のDMF(4ml)中の混合物を、90℃で一夜加熱した。混合物を水中に注ぎ、EAで希釈した。処理及びクロマトグラフィー(1% NH4OHを含有するEA:MeOH 9:1)後の収量は、0.065g(収率32%;ベージュ色泡状体)であった。
1H NMR (DMSO d6) δ: 8.73 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.94 (dd, J=1.65, 8.1Hz, 1H); 7.59 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.45-7.35 (m, 2H); 7.11 (d, J=2.5Hz, 1H); 7.00 (dd, J=2.6, 8.8Hz, 1H); 6.85 (d, J=8.8Hz, 1H); 5.49 (br, 2H); 4.30-4.15 (m, 4H); 3.92 (s, 3H); 3.78 (s, 2H); 2.80-2.60 (m, 6H); 1.95-1.80 (m, 4H).
【実施例5】
【0226】
6-{8-[(2RS)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン:
5.i. 4-ヒドロキシ-4-[(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]チアジン-6-イルアミノ)-メチル]-ピペリジン-1-カルボン酸ベンジルエステル:
1-オキサ-6-アザ-スピロ[2.5]オクタン-6-カルボン酸ベンジルエステル(US 4353901に従って調製;0.366g;1.4mmol)及び6-アミノ-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン(0.267g、1.4mmol)から出発し、実施例2、ステップ2.iの手順に従って、表題の化合物を帯黄色泡状体として得た。処理及びクロマトグラフィー(溶離液:Hex:EA 1:1、次いでEA)後の収量は、0.57g(90%)であった。
MS (ESI, m/z): 427.9 [M+H+].
【0227】
5.ii. 2-オキソ-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[1,4]チアジン-6-イル)-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸ベンジルエステル:
中間体5.i(0.3g、0.75mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順を用いて、表題の化合物(0.27g、収率67%)を無色固体として調製した。
MS (ESI, m/z): 453.9 [M+H+].
【0228】
5.iii. 6-(2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル)-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン:
中間体5.ii(0.26g、0.58mmol)のTFA(6ml)溶液を、rtで30時間撹拌した。混合物を真空濃縮し、DCMとNH4OH間に分割し、処理して、表題のアミン(0.19g、収率100%)を帯黄色固体として与えた。
MS (ESI, m/z): 319.9 [M+H+].
【0229】
5.iv. 6-{8-[(2RS)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン:
アミン5.iii(0.19g、0.59mmol)及び6-メトキシ-4-オキシラニル-キノリン(0.59mmol)から出発し、実施例4、ステップ4.ivの手順に従って、表題の化合物(0.027g、収率9%)をベージュ色固体として得た。
MS (ESI, m/z): 521.0 [M+H+].
【実施例6】
【0230】
(5RS,6RS)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2RS)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
6.i. (3RS,4RS)-4-アリル-1-オキサ-6-アザ-スピロ[2.5]オクタン-6-カルボン酸tert-ブチルエステル:
(3RS)-3-アリル-4-オキソ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(2g、8.3mmol、EP 438233に従って調製)のMeCN(30ml)溶液を、KOH(3.28g、58.5mmol)及びヨウ化トリメチルスルホニウム(1.78g、8.77mmol)で処理した。混合物を65℃で30分間撹拌した。該混合物をrtに冷却し、Celiteで濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィー(Hex/EA 9:1)により精製して、表題のエポキシド(1.2g、収率57%)を無色油状物として与えた。
1H NMR (CDCl3) δ: 5.90-5.60 (m, 1H); 5.15-5.05 (m, 2H); 4.20-3.40 (m, 4H); 3.00-2.80(m, 2H); 2.60-2.40 (m, 4H); 2.20-2.00 (m, 1H); 1.51 (s, 9H).
【0231】
6.ii. (3RS, 4RS)-3-アリル-4-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミノ)-メチル]-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル:
中間体6.i(0.6g、2.4mmol)及び2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミン(0.358g、2mmol)から出発し、実施例2、ステップ2.iの手順に従って、表題の化合物を帯黄色油状物として得た。処理及びクロマトグラフィー(溶離液:Hex/EA 4:1、次いで2:1)後の収量は、0.45g(47%)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 6.75-6.70 (m, 1H); 6.35-6.25 (m, 2H); 5.95-5.75 (m, 1H); 5.20-5.00(m, 2H); 4.30-4.20 (m 4H); 3.90-3.70 (m, 1H); 3.40-3.00 (m, 4H), 2.40-2.30 (m, 1H), 2.00-1.60 (m, 6H), 1.47 (s, 9H).
【0232】
6.iii. (5RS,6RS)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸tert-ブチルエステル:
中間体6.ii(0.45g、1.1mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順に従って、表題の化合物(0.55g、収率100%)を調製した。これを帯茶色油状物として回収し、精製することなく、次のステップにて粗で使用した。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.09 (d, J=2.6Hz, 1H); 7.01 (dd, J=2.6, 8.8Hz, 1H); 6.88(d,J=8.8Hz, 1H); 5.95-5.65 (m, 1H); 5.20-5.00 (m, 2H); 4.30-4.20 (m, 4H); 4.00-3.80 (m, 2H); 3.65-3.55 (m, 1H); 3.30-2.80 (m, 2H), 2.40-1.90 (m, 3H), 1.80-1.60(m,2H), 1.47 (s, 9H).
【0233】
6.iv. (5RS,6RS)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
中間体6.iii(0.48g、1.1mmol)溶液をDCM(10ml)中に溶解し、TFA(2ml)で処理した。混合物をrtで2時間撹拌し、真空濃縮し、DCMとNH4OH間に分割し、処理して、0.37g(収率100%)の橙色油状物を与えた。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.09 (d, J=2.6Hz, 1H); 7.01 (dd, J=2.6, 8.8Hz, 1H); 6.88 (d, J=8.8Hz, 1H); 5.95-5.75 (m, 1H); 5.20-5.00 (m, 2H); 4.30-4.20 (m, 4H); 4.00-3.80 (m, 1H); 3.70-3.60 (m, 1H); 3.20-3.00 (m, 2H), 2.90-2.75 (m, 1H), 2.40-1.80 (m, 6H).
【0234】
6.v. (5RS,6RS)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8[(2RS) 2 ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
アミン6.iv(0.37g、1.1mmol)及び6-メトキシ-4-オキシラニル-キノリン(1.1mmol)から出発し、実施例4、ステップ4.ivの手順に従って、表題の化合物を得た。クロマトグラフィー(1% NH4OHを含有するEA:MeOH 9:1)後に、表題の化合物(0.3g、収率51%)を黄色油状物として得た。
MS (ESI, m/z): 531.7 [M+H+].
【実施例7】
【0235】
(5RS,6RS)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2RS)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル(異性体の混合物):
7.i. (3RS)-3-tert-ブトキシカルボニルメチル-4-オキソ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル:
ジイソプロピルアミン(13.5ml、96mmol)のTHF(300ml)溶液に、n-BuLi(Hex中2.5M、32ml)を-78℃で滴加した。混合物を-10℃に暖め、-78℃に再び冷却した。次に、4-オキソ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(10g、50mmol)のTHF(50ml)溶液を滴加し、混合物を-78℃で更に15分間撹拌した。次に、tert-ブチルブロモアセテート(12.6ml、85mmol)のTHF(30ml)及びHMPT(5ml)溶液を滴加し、混合物を-78℃で4時間撹拌した後、徐々にrtへ暖めた。混合物をsat. aq. NH4Cl中に取り上げ、EAで抽出した。処理及びクロマトグラフィー(溶離液Hex/EA 4:1)後の収量は、7.6g(50.6%;帯黄色油状物)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 4.40-4.20 (m, 2H); 3.25-3.15 (m, 1H); 3.00-2.80 (m, 2H); 2.70-2.40 (m, 3H); 2.30-2.10 (m, 1H); 1.51 (s, 9H), 1.46 (s, 9H).
【0236】
7.ii. (3RS)-3-tert-ブトキシカルボニルメチル-4-メチレン-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル:
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(8.5g、23.9mmol)をTHF(23ml)中に懸濁させ、KOtBu(2.7g、23.9mmol)で処理した。得られた黄色縣濁液をrtで1時間撹拌した。中間体7.i(3.0g、9.6mmol)のTHF溶液を滴加し、混合物をrtで2時間撹拌し、水中に取り上げ、エーテルで希釈した。処理及びクロマトグラフィー(Hex:EA 9:1)後の収量は、1.8g(60%;無色油状物)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 4.80 (s, 1H); 4.75 (s, 1H); 4.60-4.20 (m, 4H); 2.80-2.60 (m, 1H); 2.50-2.25 (m, 3H); 2.25-2.10 (m, 1H); 1.48 (s, 9H); 1.46 (s, 9H).
【0237】
7.iii. (3RS,4RS)-4-tert-ブトキシカルボニルメチル-1-オキサ-6-アザ-スピロ[2.5]オクタン-6-カルボン酸tert-ブチルエステル:
中間体7.ii(1.8g、5.8mmol)のDCM(34ml)、水(40ml)及び1Mリン酸緩衝液(pH8、22.5ml)溶液に、MCPBA(70%、1.7g、6.9mmol)を加えた。混合物をrtで2日間激しく撹拌した。処理及びクロマトグラフィー(Hex/EA 4:1)後の収量は、1.65g(87%;無色油状物)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 4.00-3.00 (m, 4H); 2.77 (t, J=4.4Hz, 1H); 2.65 (t, J=4.4Hz, 1H); 2.30-1.6 (m, 5H); 1.48 (s, 9H); 1.46 (s, 9H).
【0238】
7.iv. (3RS,4RS)-3-tert-ブトキシカルボニルメチル-4-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミノ)-メチル]-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル:
エポキシド7.iii(1.65g、5.04mmol)及び2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミン(0.762g、5.04mmol)から、実施例2、ステップ2.iの手順を用いて、表題の化合物を橙色油状物として得た。処理及びクロマトグラフィー(溶離液Hex/EA 2:1)後の収量は、1.9g(79%)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 6.70-6.60 (m, 1H); 6.30-6.10 (m, 2H); 4.25-4.10 (m, 4H); 3.70-3.60(m, 1H); 3.40-2.90 (m, 3H); 2.60-2.50 (m, 1H); 2.40-2.20 (m, 1H); 1.80-1.60(m,3H); 1.48 (s, 9H); 1.46 (s, 9H).
【0239】
7.v. (5RS,6RS)-6-tert-ブトキシカルボニルメチル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸tert-ブチルエステル:
中間体7.iv(1.9g、3.97mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順を用いて、表題の化合物(1.2g、収率60%)を調製した。クロマトグラフィー(Hex:EA 2:1)後、これをベージュ色固体として回収した。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.10-7.05 (m, 1H); 7.00-6.95 (m, 1H); 6.86 (d, J=8.8Hz, 1H); 4.30-4.25 (m, 4H); 3.90-3.20 (m, 5H); 3.20-3.00 (m, 1H); 2.50-1.50 (m, 6H); 1.48 (s, 9H); 1.43 (s, 9H).
【0240】
7.vi. (5RS,6RS)-[3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル]-酢酸メチルエステル:
中間体7.v(1.7g、3.36mmol)のMeOH(15ml)溶液を、HClのMeOH(15ml) sat.溶液で処理した。混合物をrtで3時間、及び60℃で90分間撹拌した。混合物を真空濃縮し、NH4OHとDCM間に分割した。処理及びクロマトグラフィー(1% NH4OHを含有するEA:MeOH 9:1)後の収量は、1g(83%;無色泡状体)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.09 (d, J=2.6Hz, 1H); 7.01 (dd, J=2.6, 8.8Hz, 1H); 6.87 (d, J=8.8Hz, 1H); 4.30-4.20 (m, 4H); 4.00-3.80 (m, 1H); 3.70-3.60 (m, 1H); 3.20-2.80 (m, 3H), 2.60-2.20 (m, 3H), 2.10-1.70 (m, 2H).
【0241】
7.vii. (5RS,6RS)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2RS)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル(異性体の混合物):
中間体7.vi(0.9g、2.5mmol)及び6-メトキシ-4-オキシラニルキノリンから出発し、実施例4、ステップ4.ivの手順を用いて、表題の化合物(1.1g、収率78%)を、クロマトグラフィー(溶離液 1%NH4OHを含有するEA:MeOH 9:1)後、ベージュ色固体として得た。
MS (ESI, m/z): 563.8 [M+H+].
【実施例8】
【0242】
(5RS,6RS)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2RS)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン(異性体の混合物):
化合物7.vii(0.2g、0.35mmol)のTHF(5ml)溶液を、LiBH4(15mg、2eq)で処理した。混合物をrtで3時間、及び80℃で3時間撹拌した。スパチュラ先端のLiAlH4を加え、混合物をrtで1時間撹拌し、2滴の希釈HClでクエンチし、Celiteで濾過し、濃縮した。クロマトグラフィー(溶離液:1%NH4OHを含有するEA:MeOH 9:1)後の収量は、0.1g(無色泡状体)であった。
MS (ESI, m/z): 537 [M+H+].
【実施例9】
【0243】
シス/トランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-アミド:
6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イルアミン(0.158g、0.9mmol)及び中間体2.vi(0.3g、0.9mmol)のピリジン(5ml)溶液を-20℃に冷却し、POCl3(0.1ml、1.2eq)を滴加した。混合物をこの温度で1時間撹拌した後、徐々にrtへ暖めた。得られた濃厚な縣濁液を水で希釈し、濾過した。結晶をEtOH及びエーテルで洗浄し、HV下で乾燥して、表題の化合物(0.29g、収率66%)を無色固体として与えた。
1H NMR (DMSO d6) δ: 9.83 (s, 1H); 8.69 (d, J=5.1Hz, 1H); 8.43 (d, J=5.1Hz, 1H); 8.28 (d, J=9.1Hz, 1H); 7.32 (d, J=9.1Hz, 1H); 7.12 (d, J=2.6Hz, 1H); 6.98 (dd, J=2.6, 8.9Hz, 1H); 8.87 (d, J=8.9Hz, 1H); 4.30-4.20 (m, 4H); 4.16 (s, 3H); 3.78 (s, 2H); 3.90-3.80 (m, 1H); 2.10-1.60 (m, 8H).
MS (ESI, m/z): 490.6 [M+H+].
【実施例10】
【0244】
シス又はトランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン(異性体1):
10.i. シス/トランス-6-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-スピロ[2.5]オクタン-6-オール:
シス/トランス-4-ヒドロキシ-4-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-シクロヘキサノン(2.0g;6.6mmol;WO 2004/035569に従って調製)及びヨウ化トリメチルスルホニウム(1.43g,1.05eq)から出発し、実施例6、ステップ6.iの手順を用いて、表題の化合物(1.83g;収率87%)を無色固体として得た。
1H NMR (DMSO d6) δ: 8.66 (d, J=4.5Hz, 1H); 8.24 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.54 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.24 (d, J=9.0Hz, 1H); 4.34及び4.31 (s, 1H); 4.03 (s, 3H); 3.30-3.10 (m, 2H); 2.59及び2.54 (s, 2H); 2.20-2.00 (m, 2H); 1.90-1.50 (m, 6H); 1.20-1.00 (m, 2H).
【0245】
10.ii. シス及びトランス-1-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミノ)-メチル]-4-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-シクロヘキサン-1,4-ジオール:
EtOH/H2O(9:1、10ml)中の中間体10.i(0.9g、2.86mmol)と2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミン(0.432g、2.86mmol)とを、実施例2、ステップ2.iの手順に従って反応させた。混合物を真空濃縮し、クロマトグラフィー(EA/MeOH 9:1)により精製して、0.61gの異性体1、及び0.11gの異性体2を、各々無色泡状体として与えた。
【0246】
異性体1:
1H NMR (DMSO d6) δ: 8.66 (d, J=4.5Hz, 1H); 8.24 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.53 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.24 (d, J=9.0Hz, 1H); 6.56 (dd, J=1.6, 7.4Hz, 1H); 6.20-6.10 (m, 2H); 4.85 (t, J=5.9Hz, 1H); 4.20-4.00 (m, 6H); 4.03 (s, 3H); 3.30-3.10 (m, 2H); 2.86 (d, J=5.9Hz, 2H); 1.80-1.60 (m, 6H); 1.55-1.35 (m, 4H).
MS (ESI, m/z): 466.0 [M+H+].
【0247】
異性体2:
1H NMR (DMSO d6) δ: 8.66 (d, J=4.5Hz, 1H); 8.24 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.53 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.24 (d, J=9.0Hz, 1H); 6.56 (dd, J=1.6, 7.4Hz, 1H); 6.20-6.10 (m, 2H); 4.85 (t, J=5.9Hz, 1H); 4.20-4.00 (m, 6H); 4.03 (s, 3H); 3.30-3.10 (m, 2H); 2.86 (d, J=5.9Hz, 2H); 1.80-1.60 (m, 6H); 1.55-1.35 (m, 4H).
MS (ESI, m/z): 466.0 [M+H+].
【0248】
10.iii. シス又はトランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン(異性体1):
中間体10.ii(異性体1、0.60g、1.23mmol)及びトリホスゲン(0.153g、0.4eq)から出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順を用いて、表題の化合物をベージュ色固体として得た。処理及びエーテル中での撹拌後の収量は、0.63g(収率99%)であった。
1H NMR (DMSO d6) δ: 8.69 (d, J=4.5Hz, 1H); 8.24 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.59 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.27 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.12 (d, J=2.6Hz, 1H); 6.98 (dd, J=2.6, 8.9Hz, 1H); 6.86 (d, J=8.9Hz, 1H); 4.30-4.20 (m, 4H); 4.05 (s, 3H); 3.76 (s, 2H); 3.30-3.10 (m, 2H); 2.05-1.60 (m, 10H).
MS (ESI, m/z): 492.0 [M+H+].
【実施例11】
【0249】
シス又はトランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン(異性体2):
この化合物は、中間体10.ii.(異性体2、0.1g、0.2mmol)及びトリホスゲン(0.025g、0.4eq)から、実施例2、ステップ2.iiの手順に従って、ベージュ色固体として得た。処理及びエーテル中での粗材料の撹拌後の収量は、0.09g(85%)であった。
1H NMR (DMSO d6) δ: 8.69 (d, J=4.5Hz, 1H); 8.25 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.58 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.27 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.12 (d, J=2.6Hz, 1H); 7.02 (dd, J=2.6, 8.9Hz, 1H); 6.86 (d, J=8.9Hz, 1H); 4.30-4.20 (m, 4H); 4.05 (s, 3H); 3.81 (s, 2H); 3.30-3.10 (m, 2H); 2.10-2.00 (m, 2H); 1.90-1.60 (m, 8H).
MS (ESI, m/z): 492.0 [M+H+].
【実施例12】
【0250】
シス又はトランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン(異性体1):
12.i. シス及びトランス6-({1,4-ジヒドロキシ-4-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-シクロヘキシルメチル}-アミノ)-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン:
中間体10.i(1.5g、4.8mmol)及び6-アミノ-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン(0.86g、4.8mmol)から出発し、実施例2、ステップ2.i.の手順に従って、表題の化合物をベージュ色固体として得た。処理及びクロマトグラフィー(溶離液:EA/MeOH 9:1)後の収量は、異性体1が0.90g、及び異性体2が0.24gであった。
異性体1:MS (ESI, m/z): 494.8[M+H+].
異性体2:MS (ESI, m/z): 494.8[M+H+].
【0251】
12.ii. シス又はトランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン(異性体1):
化合物12.i(異性体1、0.9g、1.8mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iの手順を用いて、表題の化合物(0.5g、収率53%)をベージュ色固体として得た。
1H NMR (DMSO d6) δ: 10.58 (s, 1H); 8.68 (d, J=4.5Hz, 1H); 8.24 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.56 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.40 (d, J=2.3Hz, 1H); 7.32 (d, J=8.5Hz, 1H); 7.23 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.07 (dd, J=2.3, 8.5Hz, 1H); 4.34 (s, 1H); 4.05 (s, 3H); 3.81 (s, 2H); 3.41 (s, 2H); 3.30-3.10 (m, 2H); 2.50-2.40 (br, 1H); 2.05-1.60 (m, 10H).
MS (ESI, m/z): 520.9 [M+H+].
【実施例13】
【0252】
シス又はトランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン(異性体2):
実施例12、ステップ12.iで得た異性体2(0.24g、0.48mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順を用いて、表題の化合物(0.066g、収率26%)をベージュ色固体として得た。
1H NMR (DMSO d6) δ: 10.58 (s, 1H); 8.68 (d, J=4.5Hz, 1H); 8.24 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.56 (d, J=4.5Hz, 1H); 7.40 (d, J=2.3Hz, 1H);7.32 (d, J=8.5Hz, 1H); 7.23 (d, J=9.0Hz, 1H); 7.07 (dd, J=2.3, 8.5Hz, 1H); 4.34 (s, 1H); 4.05 (s, 3H); 3.84 (s, 2H); 3.41 (s, 2H); 3.30-3.10 (m, 2H); 2.50-2.40 (br, 1H); 2.05-1.60 (m, 10H).
MS (ESI, m/z): 520.9 [M+H+].
【実施例14】
【0253】
シス又はトランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン(異性体1):
14.i. シス及びトランス6-({1,4-ジヒドロキシ-4-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-シクロヘキシルメチル}-アミノ)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン:
中間体10.i(0.5g、1.6mmol)及び6-アミノ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン(0.26g、1.6mmol)から出発し、実施例2、ステップ2.iの手順に従って、表題の化合物をベージュ色固体として得た。処理及びクロマトグラフィー(溶離液:EA/MeOH 9:1)後、0.22gの異性体1、及び0.08gの異性体2が得られた。
異性体1:MS (ESI, m/z): 487.8 [M+H+].
異性体2:MS (ESI, m/z): 487.8 [M+H+].
【0254】
14.ii. シス又はトランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン(異性体1):
実施例14、ステップ14.iで得られた異性体1(0.1g、0.21mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順を用いて、表題の化合物(0.080g、収率76%)をベージュ色固体として得た。
MS (ESI, m/z): 505.0 [M+H+].
【実施例15】
【0255】
シス又はトランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン(異性体2):
実施例14、ステップ14.iで得られた異性体2(0.08g、0.17mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順を用いて、表題の化合物(0.014g、収率17%)をベージュ色固体として調製した。
MS (ESI, m/z): 504.9 [M+H+].
【実施例16】
【0256】
シス/トランス-6-{8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン:
16.i. 5-(1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イルメチルスルファニル)-1-フェニル-1H-テトラゾール:
8-ヨードメチル-1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカン(WO 2003/095438に従って調製、26g、92mmol)溶液をEtOH(200ml)中に溶解し、1-フェニル-1H-テトラゾール-5-チオール(18.9g、106mmol)及びKOH(6.7g、120mmol)を加え、混合物を80℃で2.5時間撹拌した。少量の水を加え、混合物を真空濃縮した。残留物を水及びEA中に取り上げた。処理後の収量は、30.9g(100%;帯黄色油状物)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 7.80-7.60 (m, 5H); 3.95 (s, 4H); 3.37 (d, J=6.6Hz, 2H); 2.00-1.75(m, 5H); 1.60-1.30 (m, 4H).
【0257】
16.ii. 5-(1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イルメタンスルホニル)-1-フェニル-1H-テトラゾール:
中間体16.i(30g、90.2mmol)をEtOH(500ml)中に溶解し、aq. H2O2(35%、70ml)及びモリブデン酸アンモニウム(22.3g、18mmol)で処理した。混合物を65℃で1.5時間撹拌した。混合物を水中に取り上げ、EtOHを減圧除去した。aq.残留物をEAで抽出した。処理及びクロマトグラフィー(Hex:EA 2:1、1:1)後の収量は、25g(76%;無色固体)であった。
MS (ESI, m/z): 364.9 [M+H+].
【0258】
16.iii. 8-[(E)-2-(1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デカ-8-イル)-ビニル]-2-メトキシ-[1,5]ナフチリジン:
6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-カルバルデヒド(2.0g、10.6mmol、WO 2006/032466に従って調製)及び中間体16.ii(4.5g、12.3mmol)の1,2-DME(60ml)中の懸濁液を、-60℃に冷却した。KHMDS(THF中0.5M、42ml、20.9mmol)を1時間かけて滴加した。得られた黒色溶液を、2時間かけてrtに到達させた。これを水(40ml)及びEA(200ml)で希釈した。処理及びクロマトグラフィー(Hex/EA 1:1)後の収量は、2.47g(71%;黄色油状物)であった。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.52 (d, J=4.8Hz, 1H); 8.08, (d, J=9.1Hz, 1H); 7.47 (d, J=4.8Hz, 1H); 7.35 (d, J=16.2Hz, 1H); 6.90 (d, J=9.1Hz, 1H); 6.59 (dd, J=7.2, 16.2Hz, 1H); 3.96 (s, 3H); 3.82 (s, 4H); 2.30-2.15 (m, 1H); 1.80-1.40 (m, 8H).
【0259】
16.iv. 4-[(E)-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-ビニル]-シクロヘキサノン:
中間体16.iii(2.4g、7.4mmol)のTHF:H2O:HOAc(2:2:3、280ml)溶液を、3日間加熱還流した。混合物を濃縮し、残留物をEA及びNaHCO3溶液中に取り上げた。処理後の収量は、2.2g(100%;無色固体)であった。
MS (ESI, m/z): 283.0 [M+H+].
16.v. シス/トランス-2-メトキシ-8-[(E)-2-(1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-6-イル)-ビニル]-[1,5]ナフチリジン:
中間体16.iv(2.06g、7.3mmol)から出発し、実施例6、ステップ6.iの手順を用いて、表題の化合物を調製した。クロマトグラフィー(Hex:EA 1:1、次いでEA)後、これを黄色油状物(1.4g、収率64%)として単離した。
MS (ESI, m/z): 297.1 [M+H+].
【0260】
16.vi. シス/トランス-6-({1-ヒドロキシ-4-[(E)-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-ビニル]-シクロヘキシルメチル}-アミノ)-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン:
中間体16.v(0.43g、1.45mmol)及び6-アミノ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン(0.24g、1.43mmol)から出発し、実施例2、ステップ2.iの手順に従って、表題の化合物を黄色油状物として得た。処理及びクロマトグラフィー(溶離液EA/MeOH 9:1)後の収量は、0.45g(67%)であった。
MS (ESI, m/z): 460.7 [M+H+].
【0261】
16.vii. シス/トランス-6-{8-[(E)-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-ビニル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン:
異性体の混合物16.vi(0.45g、0.98mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iの手順を用いて、表題の化合物(0.082g、収率17%)をベージュ色泡状体として得た。
MS (ESI, m/z): 487.1 [M+H+].
【0262】
16.viii. シス/トランス-6-{8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン:
上記の中間体16.vii(0.082g、0.17mmol)のMeOH:THF(1:1、3ml)溶液を、Pd/C上で6時間水素化した。触媒を濾去し、濾液を真空濃縮した。クロマトグラフィー(EA:MeOH 9:1)後の収量は、0.015g(収率18%;ベージュ色固体)であった。
MS (ESI, m/z): 489.1 [M+H+].
【実施例17】
【0263】
シス/トランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン(異性体の混合物):
17.i. シス/トランス-6-メトキシ-4-[2-(1-オキサ-スピロ[2.5]オクタ-6-イル)-ビニル]-キノリン:
6-メトキシ-キノリン-4-カルバルデヒド(3.0g、15.9mmol)から出発し、実施例167のステップ16.iii〜16.vの手順に従って、表題のエポキシドを調製した。クロマトグラフィー(EA)後、エポキシドを帯黄色油状物(0.9g)として単離した。
MS (ESI, m/z): 296.1 [M+H+].
【0264】
17.ii. シス/トランス-1-[(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イルアミノ)-メチル]-4-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-シクロヘキサノール:
中間体178.i(0.37g、0.85mmol)及び6-アミノ-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン(0.19g、1.25mmol)から出発し、実施例2、ステップ2.iの手順に従って、表題の化合物を帯黄色油状物として得た。処理及びクロマトグラフィー(溶離液 EA:MeOH 9:1)後の収量は、0.38gであった。
MS (ESI, m/z): 446.9 [M+H+].
【0265】
17.iii. シス/トランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン(異性体の混合物):
この化合物(0.17g、収率41%)は、異性体の混合物17.iii(0.38g、0.85mmol)から出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順を用いて、橙色泡状体として得た。
MS (ESI, m/z): 472.9 [M+H+].
【実施例18】
【0266】
シス/トランス-6-{8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン(異性体の混合物):
18.i. シス/トランス-6-({1-ヒドロキシ-4-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-シクロヘキシルメチル}-アミノ)-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン:
中間体17.i(0.90g、3.05mmol)及び6-アミノ-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン(0.55g、3.05mmol)から出発し、実施例2、ステップ2.iの手順に従って、表題の化合物を帯黄色油状物として得た。処理及びクロマトグラフィー(溶離液 EA/MeOH 9:1)後の収量は、0.56g(異性体の混合物として)であった。
MS (ESI, m/z): 475.9 [M+H+].
18.ii. シス/トランス-6-{8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン(異性体の混合物):
この化合物(0.1g、収率17%)は、異性体の混合物17.ii(0.56g、1.17mmol)及びトリホスゲンから出発し、実施例2、ステップ2.iiの手順を用いて、ベージュ色固体として得た。
MS (ESI, m/z): 502.0 [M+H+].
【実施例19】
【0267】
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-キナゾリン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン:
中間体2.iv(0.25g、0.78mmol)のDMF溶液に、0℃で4-クロロ-6-メトキシ-キナゾリン(0.152g、1eq)及びNaH分散物(パラフィンオイル中60%、0.034g、1.1eq)を加えた。混合物をrtで一夜撹拌し、水とEA間に分割した。処理後、生成物をエーテルから結晶化させて、0.09gの無色固体(収率24%)を得た。
1H NMR (DMSO d6) δ: 8.68 (s, 1H); 7.86 (d, J=9.1Hz, 1H); 7.60 (dd, J=9.1, 2.9Hz 1H); 7.42 (d, J=2.9Hz, 1H); 7.10 (d, J= 2.4 Hz, 1H); 6.97 (dd, J=2.4, 9.3Hz, 1H); 6.85(d, J=9.3Hz, 1H); 4.46 (d, J=6.0Hz, 2H); 4.30-4.15 (m, 4H); 3.93 (s, 3H); 3.76(s,2H); 2.10-1.95 (m, 3H); 1.95-1.80 (m, 2H); 1.80-1.50 (m, 4H).
【0268】
本発明の化合物の薬理学的特性
インビトロでのアッセイ
実験方法:
これらのアッセイは、“Methods for dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically, 4th ed.; Approved standard: NCCLS Document M7-A4; National Committee for Clinical Laboratory Standards: Villanova, PA, USA, 1997”の記載に従って実施した。NCCLSガイドライン(National Committee for Clinical Laboratory Standards. Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility)に従って、ミクロ希釈法によりカチオン調整Mueller-Hinton Broth (BBL)中で最小阻害濃度(MICs;mg/l)を測定した。試験培地のpHは、7.2〜7.3であった。
【0269】
結果:
全実施例化合物を、数種のGram陽性菌及びGram陰性菌に対して試験した。下の表に、典型的な抗菌試験結果を示す(MICは、mg/lで表す)。
【0270】
【表1】

【0271】
なお、S. aureus A798に関して、以下の結果が得られている(MICは、mg/lで表す):
【0272】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】


(式中、
R1は、H、アルキル、アルコキシ、シアノ又はハロゲンを表し;
U及びXの一方は、CH若しくはNを表し、他方はCHを表し、又は、Uの場合、CRaを表してもよく、Xの場合、CRbを表してもよく;
Raは、ハロゲンを表し;
Rbは、ハロゲン又はアルコキシを表し;
BはNを表し、DはCH2を表し、AはCH(OH)CH2若しくはCH2CH2を表し、又は
BはCHを表し、DはCH2若しくはOを表し、AはOCH2、CH2CH(OH)、CH(OH)CH2、CH(OH)CH(OH)、CH=CH、CH2CH2若しくはNHCOを表し、又は
BはC(OH)を表し、DはCH2を表し、AはOCH2、CH2CH(OH)、CH(OH)CH2、CH(OH)CH(OH)、CH=CH、CH2CH2若しくはNHCOを表し;
R2は、H、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル又はアルコキシカルボニルアルキルを表し;
Eは、ナフチル又は二核複素環基を表す;)の化合物、
又はそれらの化合物の塩。
【請求項2】
R1が、(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ又はシアノを表す;請求項1に記載の式(I)の化合物、
又はそれらの化合物の塩。
【請求項3】
R1が、メトキシを表す;請求項1に記載の式(I)の化合物、
又はそれらの化合物の塩。
【請求項4】
U及びXの両方がCHを表し、又はUがNを表し、XがCHを表す;請求項1に記載の式(I)の化合物。
又はそれらの化合物の塩。
【請求項5】
Eが、式
【化2】

(式中、
Yは、CH又はNであり、
環Pは、以下から選択される
【化3】

(式中、Qは、O又はSである))
の二核複素環基を表す;請求項1に記載の式(I)の化合物、
又はそれらの化合物の塩。
【請求項6】
R2が、H又はアルケニルを表す;請求項1に記載の式(I)の化合物、
又はそれらの化合物の塩。
【請求項7】
以下の化合物から選択される、請求項1に記載の式Iの化合物:
(5R,6R,8S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-6-ヒドロキシメチル-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6R,8S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-6-ヒドロキシメチル-1,7-ジオキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-キノリン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
6-{8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
6-{8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
(5R,6R)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6R)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6S)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6S)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6R)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6R)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6S)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6S)-6-アリル-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6R)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5R,6R)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5R,6S)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5R,6S)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5S,6R)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5S,6R)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5S,6S)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5S,6S)-{3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカ-6-イル}-酢酸メチルエステル;
(5R,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5R,6S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6R)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2R)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
(5S,6S)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-6-(2-ヒドロキシ-エチル)-8-[(2S)-2-ヒドロキシ-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3,8-ジアザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-アミド;
トランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-8-カルボン酸(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-アミド;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
トランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
トランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
シス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン;
トランス-6-{8-ヒドロキシ-8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン;
シス-6-{8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン;
トランス-6-{8-[2-(6-メトキシ-[1,5]ナフチリジン-4-イル)-エチル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]オキサジン-3-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
トランス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
シス-6-{8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
トランス-6-{8-[(E)-2-(6-メトキシ-キノリン-4-イル)-ビニル]-2-オキソ-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカ-3-イル}-4H-ベンゾ[1,4]チアジン-3-オン;
シス-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル)-8-(6-メトキシ-キナゾリン-4-イルオキシメチル)-1-オキサ-3-アザ-スピロ[4.5]デカン-2-オン;
又はこれらの化合物の一つの塩。
【請求項8】
医薬としての、請求項1に定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
活性主成分として、請求項1に定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩、及び少なくとも一種の治療的に不活性な賦形剤を含有する医薬組成物。
【請求項10】
細菌感染症の予防又は治療用の医薬の製造のための、請求項1に定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩の使用。

【公表番号】特表2010−502589(P2010−502589A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526247(P2009−526247)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【国際出願番号】PCT/IB2007/053472
【国際公開番号】WO2008/026172
【国際公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】