説明

スピンダス・トリフォリアトゥスから得られる抗痙攣薬活性を有するサポニンの混合物を含むハーブ抽出物

ハーブ抽出物を含む医薬組成物であって、受容体部位すなわち、GABA−Aアゴニスト部位、グルタミン酸−AMPA部位、グルタミン酸−カイニン酸部位、グルタミン酸−NMDAアゴニスト部位、グルタミン酸−NMDAグリシン(ストリキニーネ非感受性)部位およびナトリウムチャネル(2型)と結合親和性を有するサピンダス・トリフォリアトゥスの果実の果皮から調製されるサポニン混合物を含み、抗痙攣活性にて主な仲介的な役割を有する医薬組成物。ハーブ抽出物の製法;水性抽出物中サポニン混合物からの6つの純物質の単離;および上記の抽出物を医薬上許容される添加物と組み合わせて含む医薬組成物。鼻腔内投与による組成物の抗痙攣活性を介した片頭痛の予防的治療法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(技術分野)
本発明はハーブ抽出物を含む医薬組成物であって、受容体部位すなわち、GABA−Aアゴニスト部位、グルタミン酸−AMPA部位、グルタミン酸−カイニン酸部位、グルタミン酸−NMDAアゴニスト部位、グルタミン酸−NMDAグリシン(ストリキニーネ非感受性)部位およびナトリウムチャネル(2型)と結合親和性を有するサピンダス・トリフォリアトゥス(Sapindus trifoliatus)の果皮から調製されるサポニン混合物を含む医薬組成物に関する。これらの受容体部位は抗痙攣活性にて主な仲介的な役割を有することが知られている。
ハーブ抽出物を有する組成物は最大電気ショック発作(MES)モデルにて抗痙攣活性を示す。抗痙攣薬は片頭痛の予防的治療にて特に有用であり、本研究は片頭痛の予防的治療を標的とする。
本発明はさらにハーブ抽出物の製法;水性抽出物中サポニン混合物からの6つの純化合物の単離;および上記の抽出物を医薬上許容される添加物と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
本発明はまた上記の治療法、特に医薬組成物の鼻腔内投与による片頭痛の予防的治療法に関する。
【0002】
(背景技術)
痙攣は慢性疾患の1つであって、中枢神経系におけるニューロンの異常放電によって生じ、それ故発作の機能活動を示す。偏頭痛(hemicrania)は、最近片頭痛(migraine)としてより広く知られるが、典型的には前兆を有するまたは前兆の無い本質的には一側性の、激しい拍動痛発作によって特徴付けられる慢性突発性疾患である。発作に付随した症状は食欲不振、悪心、および嘔吐ならびに光および音恐怖症である。片頭痛の病態生理は本質的には多因子性および複合的である。片頭痛の臨床的特徴を説明するためにいくつかの理論/仮説が提案された。
【0003】
i)血管拡張理論、片頭痛の進行における脳血管拡張の関係に基づく[Wolf、H.G.、およびTunis、M.M.、Analysis of Cranial Artery Pressure Pulse Waves in Patients with Vascular Headache of the Migraine Type、Trans. Assoc. Am. Physicians、1952、65、240-244;Kimball、R.W.ら、Effect of Serotonin in Migraine、Neurology、1960、10、135-139]。
長年にわたって、脳動脈が関係すると考えられる片頭痛の血管拡張理論の変形が提案された。近年、この理論の問題が表面化した[Ferrari、M.D.ら、Arch. Neurol、1995、52、135-139;Goadsby、P. J.およびGundlach、A. L.、Localization of 3H-dihydroergotamine Binding Sites in the Cat Central Nervous Systems:relevance to Migraine、Ann. Neurol.、1991、29(1)、91-9+94]。
ii)神経学的理論、片頭痛がニューロンの異常発火および脳ニューロンにおける神経伝達物質の放出の結果として生じることを提示する[Pearce、J. M.、Migraine:A Cerebral Disorder、Lancet、1984、2(8394)、86-89;Welch、Kら、Central Neurogenic Mechanisms of Migraine、Neurology、1993、43 (suppl)、S21-25]。
iii)神経原性硬膜炎症理論、片頭痛が髄膜特に硬膜、脳周囲の膜の炎症および拡張と関係することを提案する[Moskowitz、M.A.、Neurogenic Inflammation in the Pathophysiology and Treatment of Migraine、Neurology、1993、43(6 suppl 3)、S 16-20;Goadsby、P.J.ら、Release of Vasoactive Peptides in the Extracerebral Circulation of Humans and the Cat during Activation of the Trigeminovascular System、Ann. Neurol.、1988、23、193-196]。
しかしながら、かねてから提案している多くの上記および他の理論/仮説が反論されて異議を唱えられている。
【0004】
抗片頭痛治療は本質的には急性/頓挫および予防的な成分から成る。
最近、いくつかの片頭痛の新規治療法および予防法が開発された。酒石酸エルゴタミンおよびジヒドロエルゴタミンの導入成功以来[Practice parameter:Appropriate Use of Ergotamine Tartarate and Dihydroergotamine in the Treatment of Migraine and Status Migrainosus(Summary Statement):Report of the Quality Standards Sub-Committee of American Academy of Neurology、Neurology、March 1995、45(3 Pt 1)、585-587]、広範囲の薬物が今日片頭痛を治療および予防するのに入手可能である。
最近の10年間は新種の薬物すなわち「トリプタン」(セロトニン5−HTアゴニストの原型である)を使用する片頭痛の急性頓挫療法にて著しい進歩が証明された年であった(Peroutka、S. Developments in 5-hydroxytryptamine receptor pharamacology in migraine. Neurol. Clin. 1990、8:829-839)。「トリプタン」は、主に5−HT1B/D受容体機構を介して作用するが、経鼻および経口投与可能であって、即時に作用することがわかっていて一般に片頭痛発作に対して1時間後プラセボと比較して(27%以下)70%の寛解を提供する。しかしながら、「トリプタン」の中には薬力学的および薬物動態学的な不都合を示すものがあって、片頭痛の有効な薬物治療に関するそれらの使用を制限する。
【0005】
頓挫性治療で利用可能なものに比べて片頭痛の予防的治療用の薬剤数は多くはない。既存の予防的治療用の薬剤は:
i)プロプラノロール、メタプロロール、ナドロール、アテノロール、およびチモロールのようなβ−遮断薬は、発作の頻度を減らすのに有効である[Stensrud、P.およびSjaastad O.、Comparative Trial of Tenormin(atenolol)and Inderal(propranolol)in Migraine、Headache、July 1980、20(4)、204;Kangasniemiら、Classic Migraine:Effective Prophylaxis with Metoprolol;Cephalagia、1987、suppl 6、464;Diamond、S.およびMedina J.L.、Double Blind Study of Propranolol in the Prophylaxis、Headache、March 1976、16(1)、24-27;Nadelmann、J.W.ら、Propranolol in the Prophlaxis of Migraine、Headache、April 1986、26(4)、175-182]。
しかしながら、予防を達成するそれらの役割がカテコールアミン作動系を介してであるか5−HT受容体を介してであるかは明らかでない。
【0006】
ii)フルナリジンおよびベラパミルのようなカルシウムイオン拮抗薬は、発作の頻度を減らす[Welch, K.ら、Central Neurogenic Mechanisms of Migraine、Neurology、1993、43(suppl)、S21-25]。
iii)メチセルニドおよびピゾチリンのようなセロトニン5−HT受容体アンタゴニスト。前者は発作が重篤で、再発率が高く他の薬物療法に反応しない場合特に有効である[Welch、K.ら、Central Neurogenic Mechanisms of Migraine、Neurology、1993、43(suppl)、S21-25]。
【0007】
iv)アミトリプチリンおよびのトリプチリンのような三環系抗うつ薬、発作が緊張、うつおよび不眠によって増悪する場合投与される[Couch、J.およびHassanein、R.S.、Amitriptyline in Migraine Prophylaxis、Arch. Neurol.、1979、36、695-699]。
v)フェネルジンおよびイソカルボキサジドのようなモノアミンオキシダーゼ阻害薬、頭痛が標準治療に反応する場合投与される。これらの薬物は内因性5−HT値を増加させる能力があってそれによって片頭痛予防に有用であると考えられる[Peatfield、R.C.ら、Drug Treatment of Migraine Handbook of Clinical Neurology:(Rose F.C ed.)、Raven Press、New York、1986、4、173-216]。
【0008】
vi)バルプロ酸ナトリウム、バルプロ酸およびジバルプロックスのような抗てんかん薬、片頭痛発作が発作、躁病または不安に関係する場合有効である[Jensen、R.ら、Sodium Valproate has a Prophylactic Effect in Migraine without Aura:A Triple Blind、Placebo Controlled Crossover Study、Neurology、April 1994、44(4)、647-51;Mathew、N.T.ら、Migraine Prophylaxis with Divalpro、Arch. Neurology、1995、52、281]
を含むが、それらに制限されない。
しかしながら、便秘、反動性頭痛、昏睡、うつ、陰萎、脱毛、悪心、筋攣縮、疼痛、間欠性跛行、体重増加、幻覚、特発性腹膜後線維化症、傾眠、口渇、視力障害、尿閉、不整脈、起立性低血圧、肝毒性、脱毛、振戦などのようないくつかの副作用および欠点に加えて、上記薬物の投与および使用の論理的根拠は未だあまり明らかでない。
【0009】
選択的治療薬の上記欠点および非利用性によって副作用および毒性プロフィールのより少ない予防的および頓挫治療に関するより新規の有効な抗片頭痛薬の研究に至った。
新規の標的が片頭痛およびてんかんの、それらはいくつかの臨床的特徴を共有して多くの例で、同一の薬剤に反応するが、予防的治療に研究されている。これは同様の機序がそれら各々の病態生理に関係することを示す[Cutrer、F.M、Antiepileptic Drugs:How they Work in Headache、Headache、2001、(suppl)1、s3-s10]。
これらの中で、薬物の分類としての抗痙攣薬は片頭痛予防に期待できる。これらの薬物は電位依存性イオンチャネル、リガンド依存性イオンチャネル、GABA(γ−アミノ酪酸)、グルタミン酸、グリシン、電位/リガンド混合依存性イオンチャネルおよびNMDA(N−メチル−D−アスパラギン酸)関連の複数の機序を通して作用する[Cutrer. F.M、Antiepileptic Drugs:How they Work in Headache、Headache、2001、(suppl)1、s3-s10]。
【0010】
中枢神経系では、GABAは主要な抑制性神経伝達物質であってバルプロ酸ナトリウムおよびガバペンチンのような既知の抗痙攣薬はGABAの神経伝達を調節して片頭痛を防止するのに有効であることが示された[Hering、R.およびKinitzky、A.、Sodium Valproate in the Prophylactic Treatment of Migraine:A Double Blind Study v/s Placebo、Cephalgia、1992、12(2)、81-84;Cutrer、F.M.ら、Possible Mechanism of Valproate in Migraine Prophylaxis;Cephalagia、1997、17(2)、93-100;Magnus、L.、Non Epileptic use of Gabapentine、Epilepsia、1999、40(suppl 6)、S66-S72]。
三叉神経痛の治療に用いられる、カルバマゼピンのような他のものもまた、主にナトリウムチャネルを介して片頭痛の予防に有効であることが示された[Rompel、H.およびBauermeister、P.W.、Aetiology of Migraine and Prevention with Carbamazepine (Tegretol):Results of Double Cross Over Study、S. Afri. Med. J.、1970;44、75-78]。ラモトリギンはまた、電位依存性ナトリウムチャネルを遮断するグルタミン酸アンタゴニストであるが前兆を伴う片頭痛予防に有効であることが示された[Lampl、C.ら、Lamotrigine in the Prophylactic treatment of Migraine-Aura:A Pilot Study、Cephalalgia、1999、19(1)、58-63]。さらに、トピラメートはその作用機序がGABA−A受容体作用の増強と同時に電位依存性ナトリウムおよびカルシウムチャネル、AMPA(α−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソオキサゾールプロピオン酸)/カイニン酸グルタミン酸受容体の阻害を含むが片頭痛の予防薬として広範な調査中である[Cutrer、F.M.、Antiepileptic Drugs:How they Work in Headache、Headache、2001、(suppl)1、s3-s10]。
【0011】
抗痙攣薬であるトピラメートはラットおよびマウスにおける最大電気ショック発作試験にて非常に有効である[Shank、R.P.ら、Topiramate:Preclinical Evaluation of Structurally Novel Anticonvulsants、Epilepsia、1994、35(2)、450-460]。片頭痛予防におけるトピラメートの有効性が最近実証された[Von Seggern、R.L.ら、Efficacy of Topiramate in Migraine Prophylaxis:A Retrospective Chart Analysis、Headache、2002、42(8)、804-809]。新規抗痙攣薬のトピラメートおよびガバペンチンの役割は予防的な片頭痛治療にて評価されていて神経因性疼痛の治療におけるそれらの論理的根拠および使用が最近報告された[Corbo、J.、The Role of Anticonvulsants in Preventive Migraine Therapy、Curr. Pain Headache Rep.、2003、7(1)、63-66;Chong、M.S.およびLibretto、S.E.、The Rationale and Use of Topiramate for Treating Neuropathic Pain. Clin. J. Pain 2003;19(1)59-68]。
【0012】
鼻腔以外の経路を介する片頭痛予防関連の薬物投与に関して試験済み/試験中の全ての抗痙攣薬およびそれらの作用機序は不明であると本明細書にて言及されるだろう。
鼻スプレーまたは点鼻薬は片頭痛に即効することが知られている。例えば、ジヒドロエルゴタミン、コハク酸スマトリプタンおよびリドカインを含有する鼻スプレー/点鼻薬が報告されて市販されている[Selby、G.およびLance、J.W.、Observations on 500 Cases of Migraine and Allied Vascular Headache、J. Neurol. Neurosurg. Pschiatry、1960、23、23-32;Boureau、F.ら、A Clinical Comparison of Sumatriptan Nasal Spray and Dihydroergotamine Nasal Spray in the Acute Treatment of Migraine、Int. J. Clin. Pract.、2000、54、281-286;Maizels、M.ら、Intranasal Lidocane for Treatment of Migraine:A Randomized Double Blind Controlled Trial、JAMA、1996、276(40)、319-321;Diamond、S.、A Fresh Look at Migraine Therapy、Post Grad. Med.、2001、109(1)、49-60]。
【0013】
リタ(Ritha)またはアリシュタ(Arishta)としても知られる、サピンダス科に属する、エス・トリフォリアトゥスが、抽出物の投与を介した片頭痛の有力な治療および軽減が報告された[Nadkarni、A.K.、The Indian Materia Medica、Vol I、2nd Edition、1982、pp 1102-03、published by Bombay Popular Prakashan、Bombay、India]。一般に行われる治療はエス・トリフォリアトゥスの抽出物の水溶液を調製してそれを鼻腔に投与することからなる。
しかしながら、活性成分の濃度、治療投与量および期間を記載する入手可能な書類報告は1つもなくこの治療形態が治療用か予防用かもまた不明である。加えて、エス・トリフォリアトゥスの抽出物を含有する水溶液は、適当な保存期間または安定性を有しないため、一般に投与前に、新たに調製される。より重要なことに、リタは潜在的な刺激物であって高粘性の果肉様溶液は鼻腔投与した場合鼻粘膜の損傷および重度の刺激を引き起こすことが知られている。上記の欠点は改善されなければ、片頭痛の治療としてのエス・トリフォリアトゥスの使用を厳しく制限する。
PCT出願のWO01/89544(D. B. Guptaら)は片頭痛の予防的治療に有用な、医薬上許容される添加物と混合したpH3.5ないし7.0を有するエス・トリフォリアトゥスおよびエンブリカ・オフィシナリスの抽出混合物を含有する医薬組成物を開示する。出願人はエス・トリフォリアトゥスおよびエンブリカ・オフィシナリスの抽出混合物を含有する、上記組成物が片頭痛の予防的治療に相乗効果を有してさらに、安定性があって鼻腔内投与する場合、鼻粘膜の損傷または刺激を引き起こさないと報告した。
【0014】
上記の特許出願はまた:
a)エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮およびエンブリカ・オフィシナリスの乾燥果実を密封容器内で、浸漬中窒素ガスで系全体を浄化しながら、1ないし8日間、好ましくは7日間水に浸す;
b)浸漬後得られた抽出物を濾過する;
c)以下の段階すなわち浸漬および濾過段階の前;浸漬および濾過段階の後;浸漬段階後で濾過前のいずれか1つで医薬上許容される添加物を加える;
d)溶液のpHを3.5ないし7.0の範囲内に調整する;
e)水で所望の濃度に溶液を作製する;および
f)最後に処方した溶液を、密封前に窒素ガスで浄化した瓶内に保存する;
の工程を含む上記組成物の製法を開示する。
【0015】
該組成物で使用される医薬上許容される添加物は、
i)アストリンゼン例えば、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバン)、
ii)懸濁剤例えば、キサンタンガム、グアールガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなど、
iii)等張剤例えば、塩化ナトリウム、
iv)保存料例えば、塩化ベンザルコニウム、クロルブタノール、メチルパラベンナトリウム、プロピルパラベンナトリウムおよびフェネチルアルコール、
v)金属イオン封鎖剤例えば、ジナトリウムEDTA、
vi)抗酸化剤例えば、メタ重亜硫酸ナトリウム、および
vii)pH調整剤例えば、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウムなど
を含む。
【0016】
しかしながら、上記の組成物は以下の欠点、すなわち
a)2つの活性主薬、すなわちエス・トリフォリアトゥスおよびエンブリカ・オフィシナリスの利用に関係する;
b)少なくとも7日間かかる活性主薬の長期の抽出および浸漬過程に関係する;
c)浸漬および抽出期間中窒素ガスを使用する;
d)多くの医薬上許容される添加物を使用する;および特に
e)組成物にて既知の刺激性および腐食性化学物質である、ミョウバンを使用する;
ことに関係する。
【0017】
全てを同時に服用することは製造の費用および時間の増加をもたらすのみならず組成物の安全性を低下させる。
それ故、既存の方法の欠点に対応し、さらに、安全で、費用のかからない便利な、片頭痛の治療法の必要があって、それが本発明の対象を形成する。
【0018】
(発明の対象)
それ故、受容体部位すなわち、GABA−Aアゴニスト部位、グルタミン酸−AMPA部位、グルタミン酸−カイニン酸部位、グルタミン酸−NMDAアゴニスト部位、グルタミン酸−NMDAグリシン(ストリキニーネ非感受性)部位およびナトリウムチャネル(2型)との結合親和性に関する様々な障害の治療用の医薬組成物を、抗痙攣活性にて主な仲介的な役割を有することが知られているが、提供することが本発明の対象である。
本発明の別の対象は安全で、耐性良好の、非毒性の、逆効果または副作用が最小および可逆的である、片頭痛の治療用の医薬組成物を提供することである。
本発明のさらなる対象は選択的、簡潔で、効率的および費用効率の良い、該組成物の製法を提供することである。
【0019】
(発明の開示)
片頭痛の新たな予防標的を同定および特徴化する試みにおいて、本発明者はエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、ハーブ抽出物が優れた抗痙攣活性を示すことを見出した。該抽出物によって示される抗痙攣活性は特に、片頭痛の予防的治療にて安定性が高いことがわかる。
加えて、該抽出物はGABA−Aアゴニスト部位、グルタミン酸−AMPA部位、グルタミン酸−カイニン酸部位、グルタミン酸−NMDAアゴニスト部位、グルタミン酸−NMDAグリシン(ストリキニーネ非感受性)部位およびナトリウムチャネル(2型)と受容体結合親和性を示すことが見出され、新規であってこれまで知られていないことは別として、効率の高い、便利で、安全性の高い安価な片頭痛の予防的治療法を提供する。
【0020】
さらに、本発明者はエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有するハーブ抽出物が、活性主薬、すなわちサポニン混合物が0.5ないし24時間およびそれ以上という短期間で水またはアルコールまたはそれらの混合物を使用して、さらに重要なことに窒素のような不活性大気ガスなしで、エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮から抽出される、過程によって調製可能であることを見出した。
加えて、本発明者はエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する水性、アルコールまたは水アルコール抽出物が従来技術の組成物と比較してより少ない医薬上許容される添加物を利用して医薬組成物に処方可能であることを見出した。
【0021】
さらに、本発明者はエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する水性、アルコールまたは水アルコール抽出物が該組成物にてミョウバンのようなアストリンゼンを利用せずに鼻腔経路を介する投与用の医薬組成物に構成可能であることを見出した。
最後に、本発明者はエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する水性、アルコールまたは水アルコール抽出物が4−8(%w/w)のヘデラゲニンを含有すると推測されることを見出した。該抽出物は鼻腔内投与した場合、鼻粘膜の損傷または刺激を引き起こさず、よって安全で、簡潔、便利で費用のかからない、片頭痛の治療法を提供する。
【0022】
要約すれば、本発明はエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含む抽出物を含有する医薬組成物であって、さらに0.001ないし1.0(%w/v)のヘデラゲニンを含み、優れた抗痙攣活性を示し、鼻腔内投与した場合でも片頭痛の予防的治療に適する医薬組成物を提供する。本発明はまた上記抽出物の簡便な製法、
i)相乗効果を得るためのエンブリカ・オフィシナリスの使用を省く;
ii)アストリンゼンとしてのミョウバン使用の必要を省く;
iii)より少ない添加物を利用する;
iv)鼻粘膜の損傷または刺激を引き起こさない;および
v)簡潔な方法にて短期間で調製可能であって不活性大気ガス状態を必要としない;
方法を提供し、商業規模で利点を総合的に提供して安全、簡潔、便利および費用効率の良い片頭痛の治療法を提供する。
【0023】
かくして、上記に従って:
本発明の一の態様にて、有用な薬理活性を有する、植物種エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物が提供される。
本発明の別の態様にて、抗痙攣活性を有する、植物種エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物が提供される。
本発明のさらに別の態様にて、片頭痛の予防的治療に有用な植物種エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物が提供される。
【0024】
本発明のさらに別の態様にて、抗痙攣活性を介する仲介される、片頭痛の予防的治療用の植物種エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物が提供される。
本発明のさらに別の態様にて、エス・トリフォリアトゥスの果皮由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物が提供され、上記の抽出物がヒト使用に有効性が高く片頭痛の予防的治療、軽減および治療用に使用可能であることが提供される。
本発明のその上さらに別の態様にて、エス・トリフォリアトゥスの果皮由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物の製法が提供される。
【0025】
本発明のさらに別の態様にて、エス・トリフォリアトゥスの果皮由来のトリテルペノイドサポニン混合物からの純化合物の製法が提供される。
本発明の別の態様は抗痙攣活性に仲介的な役割を有する、選択的な受容体に対するインビトロにおける受容体結合親和性に関するエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物の評価である。
本発明のさらに別の態様は鼻腔内投与による最大電気ショック発作(MES)試験モデルのラットにおけるサピンダス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物のインビボにおける抗痙攣活性の評価である。
【0026】
本発明のさらなる態様は鼻腔内投与によるペンチレンテトラゾール(PTZ)発作試験モデルのラットにおけるエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物のインビボにおける抗痙攣活性の評価である。
本発明のその上さらなる態様は回転棒行動試験における鼻腔内投与によるラットの運動協調性への効果に関するサピンダス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物の評価である。
本発明のさらに別の態様は鼻腔内、静脈内および経口投与によるマウスおよびラットにおけるエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、水性、アルコールまたは水アルコール抽出物の急性致死量(LD50)を定量することである。
【0027】
本発明の別の態様は特定の兆候の治療に有用な医薬有効量のエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、抽出物を含有する医薬組成物を提供することである。
本発明の最後の態様は片頭痛の予防的治療に有用な医薬有効量のエス・トリフォリアトゥス由来のトリテルペノイドサポニン混合物を含有する、抽出物を含有する医薬組成物を提供することである。
【0028】
(略語/注釈の説明)
本文を通して使用される以下の略語/注釈は以下のことを言う:
[1]エス・トリフォリアトゥスの果皮
[2]サポニン混合物を含有するエス・トリフォリアトゥスの果皮の抽出物
[3]エス・トリフォリアトゥスの果皮の水性抽出物の凍結乾燥にて得られる乾燥粉末
[4]医薬上許容される添加物と混合したサピンダス・トリフォリアトゥスの果皮の凍結乾燥した水性抽出物[3]を含有する医薬組成物
[5−10]純化合物はエス・トリフォリアトゥスの果皮の抽出物から単離した純粋なサポニン(ヘデラゲニン誘導体)である。
【0029】
(発明の詳細な記載)
エス・トリフォリアトゥスは、リタまたはアリシュタとして知られるがサピンダス科に属する。該植物の果実は強壮剤、下剤、催吐薬および去痰薬として治療的に使用される[Nadkarni、A.K.、The Indian Materia Medica、Vol I、2nd Edition、1982、pp 1102-03、published by Bombay Popular Prakashan、Bombay、India]。それはまた抗痙攣および鎮痛作用を有する。それはまた痔疾、ヒステリー、てんかんおよび抗着床の治療に使用される[Pharmaceutical Investigations of Certain Medicinal Plants and Compound Formulations used in Ayurveda and Siddha、Published by CCRAS、New Delhi、India、1996、pp 22-25]。
果実の62%を構成する、該植物の果実の果皮はグルコース、サポニンおよび1次代謝産物を含有する。酸加水分解で果実内に存在するサポニンはトリテルペノイドヘデラゲニン、D−グルコース、L−ラムノースおよびD−キシロースおよびアラビノースを与える[The Wealth of India、Vol IX、CSIR Publication、by NISCOM、New Delhi、India、1998、pp 227-29]。
エス・トリフォリアトゥスの味は辛くて苦い。それは催吐作用を有するすなわち嘔吐および悪心を引き起こして経口投与した場合、胃粘膜の刺激を引き起こすことで知られる(Sharma、Dravyagunavignan、VIII Ed.、1986、pp 384-86)。
【0030】
上記のように、エス・トリフォリアトゥスの鼻腔投与は片頭痛の治療に指示される[Nadkarni、M.K.、The Indian Materia Medica、Vol I、2nd Edition、1982、pp 1102-03、published by Bombay Popular Prakashan、Bombay、India]。一般に行われる治療はエス・トリフォリアトゥスの水溶液を調製して同一物を鼻腔投与することから成る。しかしながら、有効濃度の活性成分、好ましい必要量および治療期間について従来技術からの指摘は1つもない。さらに、治療用または予防用として使用されるか否かも不明であって最も重要なことに、その作用機序も不明である。加えて、従来技術にて言われるような適当な保存期間または安定性がないので、該処方溶液はいつでも新たに調製される必要がある。
エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮は本発明の通り医薬組成物[4]の調製にて使用されて、活性成分すなわちエス・トリフォリアトゥスの果実の果皮[1]はそのまま粗形態でまたは使用前に粉砕されるいずれかで使用可能である。
エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮[1]は水またはアルコールまたはそれらの混合物で0.5ないし20時間、好ましくは14−16時間外界温度で浸透させて抽出可能である。別法として、該果皮を水またはアルコールまたはそれらの混合物で4−5時間沸騰させて抽出可能である。
【0031】
適当なアルコールはC1−6の炭素原子、直鎖および枝分かれの両方を有するものから選択可能である。好ましいアルコールはエタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノールおよびtert−ブタノールである。混合物が使用される場合水のアルコールに対する比率は重要ではなく個々に選択可能である。
3つの抽出形態全てから得られる抽出物すなわち水、アルコールおよび水アルコール抽出物[2]はTLCおよびHPLCによって明らかなように主要なサポニンおよび他の代謝産物があることを示す。
水性/アルコールまたは水アルコール抽出物[2]内にあるサポニンが単離および同定された。エス・トリフォリアトゥスの水性/アルコール、水アルコール抽出物[2]をn−ブタノールで分離した。ブタノール層を濃縮して固体を得た。これをメタノール中に溶解してシリカゲルに吸着させた。メタノールの割合を増加させながら(2、4、6など)カラムをクロロホルム−メタノールで溶離させた。分離物を収集して6つの粗化合物を得た。シリカゲルにおける反復閃光クロマトグラフィーによってさらなる精製を行い、再びメタノールの割合を増加させながら(2、4、6など)クロロホルム−メタノールを使用して化合物5−10を得た。
【0032】

【0033】
該抽出物の酸加水分解は唯一のアグリコンを産生し、それはヘデラゲニンとして同定された。それ故、水性/アルコール内にある上記のサポニンまたは水性/アルコール抽出物[2]の評価をヘデラゲニンと推定した。ヘデラゲニンの内容を50%メタノールHClで沸騰させて抽出して評価した。全混合物を蒸発乾固させた。これをメタノールで復元してHPLCで評価した。ヘデラゲニン濃度は該抽出物の4−8%w/wの間にあると見出された。
水性/アルコール内にあるサポニンまたは水性/アルコール抽出物[2]は9ヶ月間安定する。
上記のハーブ抽出物はGABA−Aアゴニスト部位、グルタミン酸−AMPA部位、グルタミン酸−カイニン酸部位、グルタミン酸−NMDAアゴニスト部位、グルタミン酸−NMDAグリシン(ストリキニーネ非感受性)部位およびナトリウムチャネル(2型)と結合親和性を示す。本明細書の初めに記載されるように、上記の抽出物によって示される受容体結合親和性は新規であってこれまで知られておらず本発明の重要な態様を構成する。
【0034】
該抽出物[2]はヒステリー、てんかん、疼痛、喘息などのような、特定の兆候の治療、特に片頭痛の予防的治療に有用である。該抽出物[3]によって示される受容体結合活性は抗痙攣活性に有用である。この抗痙攣活性は片頭痛の予防的治療に有用であると考えられる。
インビトロ受容体結合試験はエス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]が受容体部位と結合親和性を示し、抗痙攣活性にて主な仲介的な役割を有することを明らかする。
選択的受容体結合親和性試験はGABAアゴニスト部位、グルタミン酸−AMPA部位、グルタミン酸−カイニン酸部位、グルタミン酸−NMDAアゴニスト部位、グルタミン酸−NMDAグリシン(ストリキニーネ非感受性)部位およびナトリウムチャネル(2型)に関してNOVASCREEN(登録商標)、米国で行われた。
【0035】
エス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]を使用する上記の試験にて得られた結果を以下の表−1にて開示する。
該抽出物はそのまままたは好ましくは凍結乾燥させて使用可能であって得られた凍結乾燥物質を使用前に適量の水で復元して所望の濃度を達成する。同様に、アルコール抽出物の場合溶媒を減圧下で蒸発乾固させてさらに使用前に適量の水で復元して所望の濃度を達成する。水アルコール抽出物は初めに減圧下で蒸発させて凍結乾燥させてさらに水で復元可能である。
【0036】
【表1】

)サピンダス・トリフォリアトゥスの水性抽出物から得られる凍結乾燥粉末を言う
【0037】
さらに、エス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]は1.74μg/mlのIC50値(Ki1.70μg/ml)を有する、GABAアゴニスト部位と用量依存的な結合親和性を示した。サピンダス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]はまた140μg/mlのIC50値(Ki113μg/ml)を有する、グルタミン酸−NMDAアゴニスト部位と用量依存的な結合親和性を示した。
GABAアゴニスト部位およびグルタミン酸−NMDAに関するIC50/Ki定量試験は該抽出物がGABAアゴニスト部位およびグルタミン酸−NMDAアゴニスト部位と用量依存的な結合親和性を有することを示す。
インビボ試験から該抽出物[3]がラットにて後肢の伸展相を抑制して、さらに、最大電気ショック発作(MES)モデルにて用量依存的であることが観察される。これは明らかに鼻腔内投与における発作拡散の抑制を示す。
【0038】
刺激性試験
ラットにおける3%w/v以下の該活性成分[1]およびイヌにおける1%w/v以下の該活性成分[1]の28日間鼻腔内投与は鼻道、鼻甲介、気管および肺に対する刺激性がなかった。該動物の他の臓器にて投与効果は観察されなかった。
【0039】
MESモデルにおける抗痙攣活性に関する評価法の説明
さらにインビボ動物モデルを使用してエス・トリフォリアトゥスの抽出物の結合親和性の性質を機能アッセイにて調査した。
サピンダス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]の有効性を評価するために、片頭痛におけるその予防的治療の可能性に関して、抗痙攣薬としてのその役割をインビボ動物モデルにて評価した。最大電気ショック発作(MES)([Swinyard、Eら、Comparitive Assays of Antiepileptic Drugs in Mice and Rats、J. Pharmacol. Exp. Ther.、1952、106、319-330]試験モデルを有効性評価に関して使用した。グルタミン酸−NMDA、グルタミン酸−AMPA/カイニン酸部位、グリシン部位および電位依存性Naチャネルのような受容体の作用する薬物はMES誘発発作を阻害することが知られている[Lin、S.S.およびSun、L.R.、A Novel Anticonvulsant with a Dual Mechanism of Action、CNS Drug Reviews、1999、5(4)、365-378;White、H.S.ら、The Early Identification of Anticonvulsant Activity:Role of maximal Electroshock and Subcutaneous Pentylenetetrazole Seizure Models、Ital. J. Neurol. Sci.、1995、16(1-2)、73-77]。
【0040】
オスのウィスターラット(150−200g)を試験にて使用した。食塩水に溶解した該抽出物[3]を0.25mg/kgないし25mg/kgの用量範囲にて250μl/kgの体積で鼻腔内投与した。試験化合物または等量のビヒクル(対照実験として)または標準薬物のいずれかの投与後、いずれかの振戦または痙攣に関してラットを観察した。鼻腔内投与30分後ラットに電気痙攣測定器(インコ社、インド)を使用して双極耳介電極による電気ショック(100Hz、150mA、0.2秒)を行った。後肢伸展の持続のみならず発生、潜伏時間を書き留めた。死亡もあれば記録した。後肢の持続性伸展成分の阻害はMES誘発発作拡散を阻害する試験化合物の能力を示す。
【0041】
発生および死亡値を比率として表してフィッシャー検定で分析した。最大電気ショック誘発痙攣の後肢伸展の発症および持続の潜伏時間を平均して平均±標準偏差として表した。平均値を一方向分散分析さらに多重比較用のダンネットt検定または2つの平均を比較するためのステューデントt検定で分析した。p<0.05を統計的に有意とした。Graph Pad(登録商標)ソフトウェア、米国を使用して統計分析を行った。ED50値をプロビット分析で計算した[Finney、D.J.、Probit Analysis、Cambridge University Press、London、1947]。
2.5mg/kgないし25mg/kgの用量範囲にて250μl/kgの体積で鼻腔内投与した抽出物[3]はラットにおけるMES誘発発作における後肢強直伸展を阻害した。以下に開示されるように、サピンダス・トリフォリアトゥスの抽出物のED50を7.72mg/kg、鼻腔内、一方バルプロ酸ナトリウムを67.70mg/kg、腹腔内に決定した。ED50は電気ショックによる後肢強直伸展への保護を表して同様に表−IIに開示される。
【0042】
【表2】

)各治療レベル5−10における動物数
【0043】
エス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]は鼻腔内投与にてラットにおけるPTZ誘発痙攣に対する保護を引き起こさなかった。
【0044】
PTZモデルにおける抗痙攣活性に関する評価法の説明
ペンチレンテトラゾール(PTZ)発作試験[Snead、O.C.、Pharmacological Models of Generalized Absence Seizures in Rodents、J. Neurol. Transm.、1992、(suppl)35、7-19]モデルを有効性評価に関して行った。オスのウィスターラット(150−200g)を該試験にて使用した。食塩水に溶解した該抽出物[3]を鼻腔への点鼻に関する溶解度および注入能に基づいて250mg/kgないし375mg/kgの2つの高濃度にて250μl/kgの体積で鼻腔内投与した。試験化合物または等量のビヒクル(対照実験として)または標準薬物のいずれかの投与後、いずれかの振戦または痙攣に関してラットを観察した。鼻腔内投与15分後ラットにペンチレンテトラゾール(60mg/kg、腹腔内、2ml/kg)を投与して全身発作同様にミオクローヌス発作の発生および潜伏時間を30分間で書き留めた。また重症度0−5のスケールで位置付けた。死亡もあれば記録した。以下のように重症度を以下のように位置付けた:
ステージ0−反応なし、
ステージ1−耳および顔面の痙攣、
ステージ2−直立姿勢のないミオクローヌス発作、
ステージ3−ミオクローヌス発作、両側前肢クローヌスを伴う直立姿勢、
ステージ4−慢性強直発作、および
ステージ5−全身慢性−強直発作、姿勢制御の喪失。
【0045】
ジアゼパム(4mg/kg、腹腔内、2ml/kg)を標準対照として使用した。重症度ステージ5の全身慢性痙攣の欠如は実際化合物の保護能を示す。
【0046】
データの統計分析
発生および死亡値を比率として表してフィッシャー検定で分析した。ミオクローヌス発作および全身慢性発作の発症に関する潜伏時間を平均して平均±標準偏差として表した。平均値を一方向分散分析さらに多重比較用のダンネットt検定または2つの平均を比較するためのステューデントt検定で分析した。重症度ランキングを平均して平均±標準偏差として表して中央値をクラスカル−ワリスノンパラメトリック検定さらにダン検定で分析してランクの合計を比較した。p<0.05を統計的に有意とした。Graph Pad(登録商標)ソフトウェア(米国)を使用してあらゆる統計分析を行った。ED50値をプロビット分析で計算した[Finney、D.J.、Probit Analysis、Cambridge University Press、London、1947]。
エス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]はラットにて試験した投与量で神経学的障害の欠如を示す鼻腔内投与で運動協調性に影響しなかった。
【0047】
ラットにおける回転棒行動試験にての運動協調性の評価法に関する説明
動物モデルにて鎮静または死亡を示さない抗痙攣活性を有する薬物を安全とする。従ってエス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]の効果をラットにおける回転棒行動試験にて同様に評価した。
前処置したオスのウィスターラット(150−200g)を、回転棒(レチカ社、スペイン)試験に試験化合物または等量のビヒクルの鼻腔内処置後0、5、10、15、20、30および45分間隔で60秒間曝した[Dunham、M.S.およびMiya T.A.、A Note on Simple Apparatus for Detecting Neurological Deficit in Rats and Mice、J. Amer. Pharmac. Assoc. Sci. Edit.、1957、46、208-209]。食塩水に溶解した該抽出物[3]を鼻腔への点鼻に関する溶解度および注入能に基づいて250mg/kgないし375mg/kgの2つの高濃度にて250μl/kgの体積で鼻腔内投与した。60秒間の平衡不能を該化合物による運動協調性の欠如とした。ジアゼパム(4mg/kg、腹腔内、2ml/kg)を標準対照として使用した。該試験を受ける動物数を比率として表してフィッシャー検定で分析した。
【0048】
ラットに鼻腔内投与した250mg/kgないし375mg/kgの2つの高濃度にて250μl/kgの体積で、エス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]は回転棒行動試験にて処置後45分までには運動協調性に影響しなかった。対照群と比較してエス・トリフォリアトゥス処置ラットにて顕著な振戦または痙攣はなかった。動物モデルにて鎮静または死亡を示さない抗痙攣活性を有する薬物を安全とする。
さらに試験は該抽出物[3]が、抗痙攣活性にて主な仲介的な役割を有する受容体と親和性を示すが、しかしながら、化学または電気的起源の痙攣を誘発または増強しないことを示す。
受容体結合およびインビボ試験からの臨床前薬理学的データは明らかに該抽出物[3]の抗痙攣活性を示す。抗痙攣活性は鎮静を伴わない鼻腔内投与によるMESモデルにて決定された。
【0049】
鼻腔内投与を使用してエス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]の急性致死量(LD50)に関する毒物学的試験をマウスおよびラットの両方で行った。さらに、他の投与(静脈内および経口の両方)による致死量の調査もまた行った。マウスおよびラットを該抽出物処置後14日間観察した。
エス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]の急性致死量(LD50、mg/kg)はマウスにて>270(鼻腔内)、>1250(経口)および>150(静脈内)であって一方ラットにて>90(鼻腔内)、>1000(経口)および>80(静脈内)であることが見出された。
エス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]はさらに安全性薬理試験にて安全であることが見出された。該試験は血管攣縮原性、抗凝集および溶血効果と同様に中枢神経系、心臓血管、消化管、泌尿器系を含む。
【0050】
活性成分エス・トリフォリアトゥス[1]は、9.05mg/mlの水性抽出物10ml/kg経口および1ml/kg鼻腔内の3%当量の最大強度で、マウスにおけるペントバルビトン誘発睡眠時間、自発運動、電気ショック&PTZ誘発発作、酢酸誘発捻転およびアーウィンバッテリーにて有意な効果を全く示さなかった。また、該抽出物[3]は10ml/kg経口および0.25ml/kg鼻腔内でラットにおける運動協調性および尾部縮退試験による鎮痛活性にて有意な効果を全く示さなかった。
活性成分エス・トリフォリアトゥス[1]は、9.05mg/mlの水性抽出物10ml/kg経口および1ml/kg鼻腔内の3%当量の最大強度で意識のある自由に動くラットの心臓血管系(血圧および心拍数において)、消化管系、泌尿器系および自律神経系にてラットにおいて有意な効果を全く示さなかった。
インビトロ試験にてエス・トリフォリアトゥスの水性抽出物[3]は、ラット、ウサギおよびヒト血液にて100μg/mlまで溶血を全く示さなかった。
モルモット回腸におけるインビトロ平滑筋収縮試験にて、エス・トリフォリアトゥスの水性抽出物[3]は30μg/mlまで血管攣縮原性または抗ムスカリン活性を示さなかった。
【0051】
エス・トリフォリアトゥスの水性抽出物[3]は1000μg/mlまでインビトロにて抗血小板凝集効果を示さなかった。
0.004、0.013、0.027および0.08(%w/v)のヘデラゲニンと同等の凍結乾燥したエス・トリフォリアトゥスの水性抽出物[3]を含有する鼻スプレー[4]のバッチを適当な医薬上許容される担体またはビヒクルと組み合わせて処方した(表−III)。
該処方の調製過程でバッチ体積の75%の精製水を使用した。クロロブタノールをエタノールに溶解して攪拌下でそれに加えた。さらにフェニルエチレンアルコールを攪拌下で加えた。該溶液が透明になった後塩化ナトリウムを攪拌下で該溶液に加えた。0.004、0.013、0.027および0.08(%w/v)のヘデラゲニンと同等の凍結乾燥したエス・トリフォリアトゥスの水性抽出物[3]を加え、攪拌して均一な分散を得た。この分散を二重ナイロン生地で濾過した。キサンタンガムを攪拌下でバッチ体積の15%の精製水に溶解した。該分散をキサンタンガム溶液に加えて30分間攪拌して該分散を均一化した。該分散のpHを確認して25%w/vのクエン酸ナトリウムの精製水中溶液を使用して4.5−6.5の間に調整して10分間攪拌した。該分散の最終体積を精製水で作製した。
【0052】
エス・トリフォリアトゥスの抽出物を含有する医薬組成物
該抽出物[2]は点鼻薬、鼻スプレー、鼻用粉末、半固形鼻用製剤、鼻洗浄、鼻スティックとして投与可能である。
該組成物は1日当たり200μlの投与量の鼻スプレーとして組成物内のヘデラゲニンの範囲が0.001−1.00%(%w/v)、好ましくは0.004(%w/v)である量にてエス・トリフォリアトゥスの果皮の抽出物[2]を含有してもよい。
適当な医薬上許容される担体は張性を調整するための塩化ナトリウム;粘性を調整するためのキサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボマーなど;pHを調整するためのクエン酸、リン酸二水素カリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウムなどおよび保存料としてクロルブタノール、フェニルエチルアルコール、パラベンなどを含む。
片頭痛治療用のエス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]を含有する鼻スプレー[4]に好ましい単位処方を表−IIIに示す。
【0053】
【表3】

【0054】
該生成物を適当な容器に入れ、スプレーポンプおよびアクチュエーターホールディングキャップで蓋をする。
【0055】
エス・トリフォリアトゥスの抽出物を含有する処方[4]の投与
上記の方法によって調製されるエス・トリフォリアトゥスの抽出物を含有する処方[4]は片頭痛治療用の2つのスプレーで1日2回(各2X50μl)すなわち1日200μl鼻腔内投与可能である。
本発明はさらに以下の実施例で説明するが、これに制限されるものではない。
【0056】
実施例1
エス・トリフォリアトゥスの果皮の水による抽出
地元の供給業者から得たサピンダス・トリフォリアトゥスの果実の乾燥果皮を開始物質として使用した。100gの果皮を400mlの蒸留水に浸漬して16時間継続して放置した。浸透液を収集し、遠心分離してワットマン濾紙で濾過して透明な抽出物を得た(300ml)。抽出操作を同量の溶媒で3回繰り返した。2回目および3回目の浸透で得た浸透液は各400mlであった。これらをためて凍結乾燥して褐色の粉末[3]を収率68%で得た。
【0057】
実施例2
エス・トリフォリアトゥスの果皮のn−ブタノールによる抽出
サピンダス・トリフォリアトゥスの果実の乾燥果皮(50.05g)を250mlのn−ブタノールに浸漬して16時間継続して放置した。浸透液を収集し、遠心分離してワットマン濾紙(1号)で濾過して透明な抽出物を得た(208ml)。抽出操作を同量の溶媒で3回繰り返した。2回目および3回目の浸透で得た浸透液は各、244mlおよび250mlであった。これらをためて凍結乾燥して褐色の粉末を収率13.51%で得た。
【0058】
実施例3
エス・トリフォリアトゥスの果皮のイソ−プロパノールによる抽出
サピンダス・トリフォリアトゥスの果実の乾燥果皮(50.06g)を250mlのイソ−プロピルアルコール(IPA)に浸漬して16時間継続して放置した。浸透液を収集し、遠心分離してワットマン濾紙(1号)で濾過して透明な抽出物を得た(205ml)。抽出操作を同量の溶媒で3回繰り返した。2回目および3回目の浸透で得た浸透液は各、240mlおよび246mlであった。これらをためて凍結乾燥して褐色の粉末を収率5.4%で得た。
【0059】
実施例4
エス・トリフォリアトゥスの果皮の水エタノールによる抽出
サピンダス・トリフォリアトゥスの果実の乾燥果皮(25g)を100mlの水エタノールに浸漬して16時間継続して放置した。浸透液を収集し、遠心分離してワットマン濾紙(1号)で濾過して透明な抽出物を得た(86ml)。これを凍結乾燥して褐色の粉末を収率55.0%で得た。
【0060】
実施例5
エス・トリフォリアトゥスの果皮からのサポニンの単離
サピンダス・トリフォリアトゥスの抽出物の果実の乾燥果皮(1kg)を5リットルの水に浸漬して16時間継続して放置した。浸透液を収集し、遠心分離して透明な抽出物を得た(3.75l)。抽出操作を各3リットルの水でさらに2回繰り返した。2回目および3回目の浸透で得た浸透液は各2.95リットルおよび3.4リットルであった。これらをn−ブタノールで分割して255gの固体を得た。固体を180mlのメタノールに溶解して130gのシリカゲル(60−120メッシュ)に吸着させた。カラムをクロロホルム−メタノールでメタノールの割合を増加させながら(2、4、6など)溶離した。各500mlの分画を収集して化合物を得た。さらにシリカゲル上の反復フラッシュクロマトグラフィーに付して精製して化合物5−10を得、さらにスペクトル法で特徴化および同定した。
【0061】
実施例6
0.004(%w/v)のヘデラゲニンと同等の凍結乾燥したエス・トリフォリアトゥスの抽出物[3]の水性抽出物を含有する鼻スプレー[4]の調製
750mlの精製水を使用した。クロロブタノール(4g)をエタノール中に溶解して攪拌下で加えた。さらにフェニルエチルアルコール(2.5g)を攪拌下で加えた。該溶液が透明になった後塩化ナトリウム(9.0g)を該溶液に攪拌下で加えた。さらに1.51gの凍結乾燥したエス・トリフォリアトゥスの水性抽出物[3]を加えて攪拌して均一な分散を得た。この分散を二重ナイロン生地で濾過した。キサンタンガム(1.5g)を攪拌下で150mlの精製水に溶解した。該分散をキサンタンガム溶液に加えて30分間攪拌して該分散を均一化した。該分散のpHを確認して25%w/vのクエン酸ナトリウムの精製水中溶液を使用して4.5−6.5の間に調整して10分間攪拌した。さらに該分散の体積を精製水で1リットルにした。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受容体部位、すなわち、GABA−Aアゴニスト部位、グルタミン酸−AMPA部位、グルタミン酸−カイニン酸部位、グルタミン酸−NMDAアゴニスト部位、グルタミン酸−NMDAグリシン(ストリキニーネ非感受性)部位およびナトリウムチャネル(2型)と結合親和性を有する鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物であって、
i.0.001ないし1.0(%w/v)のヘデラゲニンを含む、エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮の抽出物、および
ii.医薬上許容される添加物
を含む、抗痙攣医薬組成物。
【請求項2】
抽出物が0.004%ないし0.08(%w/v)の量でヘデラゲニンを含む、請求項1記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項3】
抽出物が凍結乾燥粉末または水溶液形態である、請求項1記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項4】
抗痙攣活性を介した、片頭痛の予防的治療に適している、請求項1記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項5】
医薬上許容される添加物が張性;粘性;pHを調整する薬剤および保存料を含む請求項1記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項6】
張性を調整する薬剤が塩化ナトリウムである請求項5記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項7】
粘性を調整する薬剤が、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールおよびカルボマーから選択される請求項5記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項8】
pHを調整する薬剤が、クエン酸、クエン酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、酢酸、酢酸ナトリウムおよび酢酸アンモニウムから選択される請求項5記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項9】
保存料がクロルブタノール、フェニルエチルアルコールおよびパラベンから選択される請求項5記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項10】
pHが4.5−6.5の範囲にある請求項1ないし9記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項11】
組成物が点鼻薬、鼻スプレー、鼻用粉末、半固形鼻用製剤、鼻洗浄、鼻スティック等から選択される形態である請求項1ないし10記載の鼻腔投与用の抗痙攣医薬組成物。
【請求項12】
4ないし8%w/wのヘデラゲニンを含有する抽出物の製法であって、
a)エス・トリフォリアトゥスの果実の果皮を水またはアルコールあるいはそれらの混合物で0.5ないし24時間外界温度ないし沸点で抽出し、
b)サポニンの混合物を含有する水性、アルコール性または水性アルコール性抽出物を凍結乾燥してサポニンの混合物を含有する、凍結乾燥粉末を得、および
c)水で凍結乾燥粉末を復元して0.001ないし1.0(%w/v)のヘデラゲニン濃度を達成する
工程を含む方法。
【請求項13】
アルコールがC1−4アルコールから選択される、請求項12記載の方法。
【請求項14】
1−4アルコールがメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノールおよびtert−ブタノールである、請求項12または13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
抗痙攣医薬組成物の製法であって
i)請求項12記載の凍結乾燥したエス・トリフォリアトゥスの水性抽出物をクロロブタノールおよびフェニルエチルアルコールの水および塩化ナトリウム中混合液に加えて、均一な分散液を得;
ii)濾過し;
iii)上記の分散液をキサンタンガムの精製水中分散液と混合し;
iv)pHを4.5ないし6.5の間に調整する
ことを含む方法。
【請求項16】
抗痙攣効果にて仲介的な役割を有するGABA−Aアゴニスト部位、グルタミン酸NMDAアゴニスト部位、グルタミン酸NMDAグリシン(ストリキニーネ非感受性)部位およびナトリウムチャネル(2型)のような特異的な受容体に対するインビトロ受容体結合親和性を示す、請求項1および12記載の抽出物。
【請求項17】
最大電気ショック発作(MES)試験モデルのラットにおけるインビボ抗痙攣活性が鼻腔投与によって示される、請求項1および12記載の抽出物。
【請求項18】
鼻腔内投与によってラットのMESモデルにて示される抗痙攣活性が有効量範囲でラットの運動協調性を喪失させない請求項16記載の抽出物。
【請求項19】
鼻腔内投与による医薬組成物の抗痙攣活性を介した片頭痛の予防的治療法。

【公表番号】特表2006−501251(P2006−501251A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−532654(P2004−532654)
【出願日】平成15年8月27日(2003.8.27)
【国際出願番号】PCT/IN2003/000289
【国際公開番号】WO2004/019960
【国際公開日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【出願人】(502425916)ルピン・リミテッド (27)
【氏名又は名称原語表記】LUPIN LIMITED
【Fターム(参考)】