説明

スピン処理装置及びスピン処理方法

【課題】基板に供給される複数種の処理液を分離して回収することができるスピン処理装置を提供することにある。
【解決手段】基板に複数種の処理液を順次供給して処理するスピン処理装置であって、カップ体1と、カップ体内に設けられ基板を保持して回転駆動される回転テーブル8と、上面が開口したリング状をなしていて、カップ体の内周と回転テーブルの外周との間に上下方向に駆動可能に設けられ回転する基板から飛散する処理液を受ける処理液受け体16と、基板に供給される処理液の種類に応じて処理液受け体を上下方向に駆動してその高さを設定するリニアモータ21と、カップ体に設けられ処理液受け体が受けた処理液を処理液受け体がリニアモータによって設定された高さに応じて分離して回収する第1乃至第3の分離流路27a〜27cを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は回転駆動される基板を複数種の処理液によって順次処理するスピン処理装置及びスピン処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、液晶表示装置や半導体装置の製造過程においては、矩形状のガラス基板や半導体ウエハなどの基板に回路パターンを形成するということが行われている。回路パターンを形成する場合、上記基板に対して現像処理、エッチング処理あるいはレジストの剥離処理などが行われる。これらの処理を行う場合、まず、基板に第1の処理液として現像液、エッチング液或いは剥離液などを供給して所定の処理を行い、ついで第2の処理液として純水などの洗浄液を供給して洗浄処理するということが行われる。
【0003】
現像液、エッチング液あるいは剥離液などの第1の処理液は高価であるため、回収して繰り返し使用するということが行われている。第1の処理液を繰り返して使用する場合、第1の処理液と第2の処理液とを混合させずに回収しなければならない。
【0004】
第1の処理液と第2の処理液との混合を避けるためには、基板に供給された第1の処理液と第2の処理液とをそれぞれ別々の経路で回収しなければならない。
一方、上記基板は上述した複数種の第1の処理液によって順次処理するということもある。たとえば、現像処理された基板をエッチング液でエッチング処理した後、洗浄液で洗浄処理し、ついで剥離液でレジストの剥離処理を行なった後、再度洗浄液で洗浄処理して次工程に搬送するということがある。
【0005】
そのような場合にも、上記エッチング液と剥離液とを繰り返して使用する場合には、これらの処理液に他の処理液や洗浄液を混合させずに分離回収することが要求される。
【0006】
従来、基板を複数の処理液によって処理するともに、それぞれの処理液を分離して回収するスピン処理装置としては特許文献1に示されるものが知られていた。特許文献1に示されたスピン処理装置は、カップ体内に基板を保持して回転駆動される回転テーブルを設け、上記カップ体内の、上記回転テーブルの径方向に環状の複数の仕切体を上下方向に駆動可能に設ける。
【0007】
そして、回転テーブルに保持された基板に処理液を供給して処理するとき、複数の仕切体のうちの1つを上昇させる。それによって、上記基板の回転によって生じる遠心力で飛散する処理液を、上昇させられた仕切体の内周面に衝突させて落下させる。
【0008】
各仕切体の内周面側に形成されたそれぞれの空間部に対応するカップ体の底部には回収管が接続されている。それによって、各空間部に落下する処理液を上記回収管によって別々に回収できるようになっている。
【0009】
つまり、複数の仕切体のうちのどれを上昇させるかによって、基板から飛散する処理液が落下する空間部を設定することができるから、基板に供給される複数種の処理液を各空間部毎に分離して回収することが可能となるというものである。
【特許文献1】特開2003−297801
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このような構成によると、回転テーブルの回転開始時や終了時にはその回転速度が変化するから、基板から飛散する処理液の飛散距離も回転速度に応じて変化することになる。つまり、回転速度が遅いときには処理液の飛散距離が小さくなる。
【0011】
処理液の飛散距離が小さくなると、基板から飛散した処理液は上昇させられた仕切体の内周面に届かないことがあるから、そのような場合には処理液が設定された空間部に落下せず、他の空間部に落下して回収されてしまうということがある。
【0012】
さらに、基板が一定速度で回転している場合であっても、基板から飛散する処理液の飛散距離は処理液の基板への供給状態の変化に応じて変化することがあるから、そのような場合にも基板からの処理液を設定された空間部に落下させて回収することができないということがある。
【0013】
基板から飛散する処理液を設定された空間部に落下させることができなければ、その処理液が他の処理液に混合してしまうことになるから、複数種の処理液を確実に分離回収することができないということになる。
【0014】
この発明は、基板を複数種の処理液によって処理する際、それぞれの処理液を確実に分離して回収することができるようにしたスピン処理装置及びスピン処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この発明は、基板に複数種の処理液を順次供給して処理するスピン処理装置であって、
カップ体と、
このカップ体内に設けられ上記基板を保持して回転駆動される回転テーブルと、
上面が開口したリング状をなしていて、上記カップ体の内周と上記回転テーブルの外周との間に上下方向に駆動可能に設けられ回転する上記基板から飛散する上記処理液を受ける処理液受け体と、
上記基板に供給される処理液の種類に応じて上記処理液受け体を上下方向に駆動してその高さを設定する上下駆動手段と、
上記カップ体に設けられ上記処理液受け体が受けた処理液をこの処理液受け体が上記上下駆動手段によって設定された高さに応じて分離して回収する分離回収手段と
を具備したことを特徴とするスピン処理装置にある。
【0016】
上記処理液受け体は内周壁、外周壁及び底壁を有し、この底壁は上記カップ体の径方向に対して傾斜していて、傾斜方向の下端側に位置する上記内周壁或いは外周壁のどちらか一方にはカップ体の内部を上記分離回収手段に連通させる連通部が設けられていることが好ましい。
【0017】
上記カップ体の内周と上記回転テーブルの外周との間には、周方向全長にわたる空間部が形成され、
上記処理液受け体は上記空間部に上下動可能に収容されていることが好ましい。
【0018】
上記分離回収手段は、上記カップ体の周壁の上下方向の異なる高さ位置に設けられた複数の分離流路を有することが好ましい。
【0019】
この発明は、基板に複数種の処理液を順次供給して処理するスピン処理方法であって、
カップ体内に設けられた回転テーブルに基板を保持して回転駆動する工程と、
回転する基板に上記処理液を供給する工程と、
上記基板から飛散する処理液を上記カップ体の内周と上記回転テーブルの外周との間で処理液の種類に応じて高さが設定される処理液受け体によって受ける工程と、
上記処理液受け体によって受けた処理液をその種類に応じて分離回収する工程と
を具備したことを特徴とするスピン処理方法にある。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、基板から飛散する処理液を受ける処理液受け体の高さを設定し、その高さに応じて処理液受け体が受けた処理液を分離するため、基板から飛散する処理液の飛散距離に係らず、複数種の処理液を確実に分離回収することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明の一実施の形態を図面を参照しながら説明する。
【0022】
図1に示すスピン処理装置はカップ体1を備えている。このカップ体1は筒状の周壁2を有し、この周壁2の上端には径方向中心に向かって高く傾斜した傾斜壁3が設けられている。
【0023】
上記カップ体1の底壁4の中心部には透孔5が形成されている。この透孔5には駆動源6が設けられている。この駆動源6の駆動軸7の上端には回転テーブル8が取付けられている。この回転テーブル8の上面の周辺部には周方向に所定間隔で複数の支持体11が設けられている。各支持体11の上面には偏心回転する係合ピン12が設けられている。
【0024】
そして、回転テーブル8には、たとえば半導体ウエハからなる基板Wが供給され、この基板Wの周縁部が上記係合ピン12によって係合保持される。つまり、上記係合ピン12を偏心回転させることで、上記基板Wが回転テーブル8に着脱可能に保持される。
【0025】
なお、上記回転テーブル8には、この上面及び外周面を覆うカバー13が設けられている。このカバー13の周壁は、上記カップ体1の底壁4に形成された透孔5の周囲に立設された環状壁5aの内周面に接近して対向している。それによって、カップ体1内に供給された処理液が上記透孔5から外部に流出するのが阻止されている。
【0026】
上記カップ体1内には、その周壁2と上記環状壁5aとによってカップ体1の内周と回転テーブル8の外周との間に、周方向全長にわたるリング状の空間部15が形成されている。この空間部15には空間部15と同様のリング状に形成された処理液受け体16が上下方向に移動可能に収容されている。
【0027】
上記処理受け受け体16は図2(a)、(b)に示すように環状の内周壁17と外周壁18が同心状に設けられていて、これら周壁17,18の下端は底壁19によって連結されて閉塞され、上面は開口している。上記底壁19は処理液受け体16の径方向内方から外方に向かって低く傾斜している。
なお、処理液受け体16は、全体或いは少なくとも表面が撥水性及び耐薬品性を備えた材料、たとえばフッ素樹脂などによって形成されている。なお、表面だけを撥水性とする場合には、フッ素樹脂などをコーティングすればよく、その場合、表面のうちの内面だけに撥水処理を行うようにしてもよい。
【0028】
上記処理液受け体16の底壁19の外底面には、上下駆動手段としてのリニアモータ21の駆動軸22が連結されている。なお、リニアモータ21はカップ体1の周方向に所定間隔で複数、この実施の形態では周方向に180度間隔で2つ配置されている。このリニアモータ21は上記回転テーブル8の駆動源6とともに制御装置23によって駆動が制御される。それによって、上記処理液受け体16は上記空間部15内で上下方向に段階的に高さが設定されるようになっている。
【0029】
上記処理液受け体16の周壁2の下端部には周方向に所定間隔、この実施の形態では90度間隔で周方向に沿って細長い4つの連通部としての流出孔25が形成されている。
【0030】
上記カップ体1の外周面の、上記処理液受け体16の流出孔25に対応する箇所、つまり周方向に90度間隔の箇所には、角筒状の流路集合体26の一端が接続されている。この流路集合体26の内部は分離回収手段を構成する第1乃至第3の分離流路27a〜27cに隔別されている。つまり、流路集合体26の一端部内において、上記第1乃至第3の分離流路27a〜27cの先端部は上下方向に区画されている。
【0031】
上記処理液受け体16は、その外周壁18に形成された流出孔25が流路集合体26の第1乃至第3の分離流路27a〜27cに順次対向するよう、上記リニアモータ21によって上下方向に段階的に駆動される。それによって、後述するように上記処理液受け体16に流入した処理液は、上記流出孔25が対向した流路集合体26の第1乃至第3の分離流路27a〜27cのうちの1に流れるようになっている。
【0032】
なお、各分離流路27a〜27cの先端部における高さ寸法は、上記流出孔25の高さ寸法よりも大きく設定されている。それによって、処理液受け体16を駆動して所定の高さに位置決めしたとき、流出孔25は複数の分離流路27a〜27cのうちの1つだけに確実に対向するようになっている。
【0033】
上記第1乃至第3の分離流路27a〜27cの他端には、この分離流路27a〜27cとともに分離回収手段を構成する第1乃至第3の回収タンク28a〜28cが接続されている。それによって、各分離流路27a〜27cを流れた処理液は第1乃至第3の回収タンク28a〜28cに分離回収されるようになっている。
【0034】
上記カップ体1の周壁2には周方向に所定間隔で複数、この実施の形態では180度間隔で2つの排気管29(1つのみ図示)の一端が接続されている。排気管29の他端は図示しない排気ブロアに接続されている。
【0035】
それによって、回転テーブル8に保持された基板Wの上面側の雰囲気が上記カップ体1内の空間部15を通じて排出されるようになっている。このように、基板Wの上面の雰囲気が流れることによって、カップ体1内に浮遊するミストが基板Wの上面に付着することなく円滑に排出されるようになっている。
【0036】
なお、カップ体1の周壁2内面に開口した排気管29の開口端には、この排気管29に後述するように基板Wから飛散した処理液が流入するのを防止するために、図示しない遮蔽板が所定の間隔で配置されている。
【0037】
上記回転テーブル8に保持された基板Wの上面には処理液が供給される。処理液の供給は、たとえばカップ体1の上方に配置された複数のノズル体、この実施の形態では3つのノズル体31a〜31cから選択的に供給されるようになっている。
第1のノズル体31aはたとえば現像液などの第1の処理液を供給し、第2のノズル体31bは純水などの第2の処理液を供給する。第3のノズル体31cはエッチング液などの第3の処理液を供給するようになっている。
【0038】
次に、上記構成のスピン処理装置によって基板Wを第1乃至第3の処理液によって順次処理する場合について図3(a)〜(c)を参照しながら説明する。
まず、図3(a)に示すように、処理液受け体16をリニアモータ21によって最下段に下降位置決めし、その外周壁18に形成された流出孔25を流路集合体26に形成された最下段の第1の分離流路27aに対向させる。
【0039】
その状態で、未処理の基板Wを保持した回転テーブル8を回転させるとともに、第1のノズル体31aから基板Wに第1の処理液である現像液を供給する。それによって、基板Wの上面に塗布されたレジストが第1の処理液によって現像処理されることになる。
【0040】
基板Wに供給された第1の処理液は、回転する基板Wの遠心力によってその外周縁から周囲に飛散し、カップ体1の空間部15で最下段の高さに位置決めされた処理液受け体16の上面開口から内部に流入する。処理液受け体16内に流入した第1の処理液は流出孔25を通って第1の分離流路27aを流れ、この第1の分離流路27aに接続された第1の回収タンク28aに回収される。つまり、第1の処理液である現像液を第1の回収タンク28aに分離回収することができる。
【0041】
第1の処理液による基板Wの処理が終了したならば、リニアモータ21を作動させて処理液受け体16を図3(b)に示すように中段の高さに位置決めし、その流出孔25を第2の分離流路27bに対向させる。処理液受け体16を中段の高さに位置決めしたならば、基板Wには第2のノズル体31bによって第2の処理液である純水を供給する。
【0042】
それによって、基板Wや処理液受け体16は純水によって洗浄され、その純水は処理液受け体16の流出孔25及び流路集合体26の第2の分離流路27bを通じて第2の回収タンク28bに回収される。つまり、基板Wを洗浄した現像液を含む純水を第2の回収タンク28bに分離回収することができる。
【0043】
基板Wと処理液受け体16を純水によって洗浄処理したならば、リニアモータ21を作動させて処理液受け体16を図3(b)に示す中段の高さ位置から図3(c)に示す最上段の高さに上昇させて位置決めし、その流出孔25を第3の分離流路27cに対向させる。
【0044】
ついで、第3のノズル体31cから第3の処理液としてのエッチング液を基板Wに向けて噴射供給する。それによって、基板Wの上面のレジストが露光されずに除去された部分がエッチング処理されることになる。
【0045】
基板Wに供給された第3の処理液は、処理液受け体16の流出孔25及び流路集合体26の第3の分離流路27cを通って第3の回収タンク28aに回収されることになる。つまり、第3の処理液としてのエッチング液に他の処理液が混合することなく、分離回収することができる。
【0046】
基板Wを第3の処理液であるエッチング液で処理したならば、リニアモータ21によって処理液受け体16を図3(b)に示す中段の高さ位置に設定し、基板Wに第2のノズル体31bから第2の処理液である純水を供給して洗浄処理する。それによって、エッチング液を含む純水は第2の回収タンク28bに回収されることになる。
【0047】
すなわち、上記構成のスピン処理装置によれば、第1乃至第3の処理液を、第1乃至第3の回収タンク28a〜28cに分離して回収することができる。それによって、処理液として高価である、第1の処理液としての現像液や第3の処理液としてのエッチング液を再利用することができる。
【0048】
カップ体1の内周と、回転テーブル8の外周との間の空間部15には上面が開口した処理液受け体16が高さ位置の調整可能に設けられている。そのため、回転する基板Wの上面に供給された処理液が基板Wに生じる遠心力によって飛散すると、その処理液は基板Wからの飛散距離に係らず、上記処理液受け体16の上面からその内部に確実に流入する。
【0049】
そして、処理液受け体16に流入した処理液は、処理液受け体16が設定された高さに応じてその外周壁18の流出孔25から流路集合体26の第1乃至第3の分離流路27a〜27cのうちの1つを流れ、その分離流路に接続された第1乃至第3の回収タンク28a〜28cのうちの1つに回収される。
【0050】
すなわち、処理液受け体16の高さを、基板Wに供給される処理液の種類に応じて変えることで、種類の異なる処理液を第1乃至第3の回収タンク28a〜28cに確実に分離して回収することができる。
【0051】
上記処理液受け体16は少なくとも表面が撥水性の高い材料で作られており、しかも底壁19は径方向外方、つまり外周壁18に形成された流出孔25に向かって低く傾斜している。そのため、処理液受け体16に流入した処理液は、その表面にほとんど付着残留することなく回収されるから、回収効率が向上し、経済性を高めることができる。
【0052】
上記処理液受け体16はカップ体1の周壁2と、回転テーブル8の外周との間に形成された空間部15に上下動可能に設けるようにした。上記空間部15の外周はカップ体1の周壁2によって覆われている。そのため、回転する基板Wから飛散する処理液の飛散距離が大きくなっても、その処理液は周壁2に衝突して落下するから、上記処理液受け体16によって確実に捕捉回収することができる。
【0053】
上記一実施の形態では基板に供給する処理液を変更する際、基板や処理液受け体を純水で洗浄するようにしたが、遠心力によって基板の上面に処理液が残留し難く、しかも処理液受け体の少なくとも表面が撥水性の材料で作られ、その表面にも処理液が付着残留し難いから、回収される処理液の純度低下をある程度、容認することができれば、処理液の種類を変更する都度、基板や処理液受け体を純水で洗浄処理しなくてもよい。
【0054】
また、基板に供給される処理液は現像液とエッチング液だけでなく、さらに剥離液を供給するようにしてもよく、或いは現像液、エッチング液及び剥離液以外の複数種の処理液を供給する場合であっても、この発明を適用することができる。
【0055】
処理液の種類が増加した場合には、その種類の数に応じてノズル体の数が増加するばかりか、流路集合体に形成される分離流路の数も増加することになる。その場合、分流流路の数に応じて処理液受け体はリニアモータによって上下方向に位置決めされることになる。
【0056】
また、分離回収手段を形成する流路集合体をカップ体の外周面に設けたが、透孔が形成された内周面に設けるようにしてもよい。その場合、処理液受け体の底壁はカップ体の径方向内方に向かって低く傾斜させ、さらに流出孔は外周壁に形成すればよい。
なお、処理液受け体の内面を処理液が付着残留し難いよう撥水処理しておけば、その底壁は傾斜させずに水平であっても、内部に流入した処理液を流路集合体の分離流路に流出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明の一実施の形態を示すスピン処理装置の概略的構成図。
【図2】(a)は処理液受け体の平面図、(b)は処理液受け体の側面図。
【図3】(a)は処理液受け体を最下段に位置決めしたときの説明図、(b)は処理液受け体を中段に位置決めしたときの説明図、(c)は処理液受け体を最上段に位置決めしたときの説明図。
【符号の説明】
【0058】
1…カップ体、8…回転テーブル、15…空間部、16…処理液受け体、17…内周壁、18…外周壁、19…底壁、21…リニアモータ(上下駆動手段)、25…流出孔(連通部)、26…流路集合体、27a〜27c…第1乃至第3の分離流路(分離回収手段)、28a〜28c…第1乃至第3の回収タンク(分離回収手段)、31a〜31c…第1乃至第3のノズル体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に複数種の処理液を順次供給して処理するスピン処理装置であって、
カップ体と、
このカップ体内に設けられ上記基板を保持して回転駆動される回転テーブルと、
上面が開口したリング状をなしていて、上記カップ体の内周と上記回転テーブルの外周との間に上下方向に駆動可能に設けられ回転する上記基板から飛散する上記処理液を受ける処理液受け体と、
上記基板に供給される処理液の種類に応じて上記処理液受け体を上下方向に駆動してその高さを設定する上下駆動手段と、
上記カップ体に設けられ上記処理液受け体が受けた処理液をこの処理液受け体が上記上下駆動手段によって設定された高さに応じて分離して回収する分離回収手段と
を具備したことを特徴とするスピン処理装置。
【請求項2】
上記処理液受け体は内周壁、外周壁及び底壁を有し、この底壁は上記カップ体の径方向に対して傾斜していて、傾斜方向の下端側に位置する上記内周壁或いは外周壁のどちらか一方にはカップ体の内部を上記分離回収手段に連通させる連通部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のスピン処理装置。
【請求項3】
上記カップ体の内周と上記回転テーブルの外周との間には、周方向全長にわたる空間部が形成され、
上記処理液受け体は上記空間部に上下動可能に収容されていることを特徴とする請求項1記載のスピン処理装置。
【請求項4】
上記分離回収手段は、上記カップ体の周壁の上下方向の異なる高さ位置に設けられた複数の分離流路を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスピン処理装置。
【請求項5】
基板に複数種の処理液を順次供給して処理するスピン処理方法であって、
カップ体内に設けられた回転テーブルに基板を保持して回転駆動する工程と、
回転する基板に上記処理液を供給する工程と、
上記基板から飛散する処理液を上記カップ体の内周と上記回転テーブルの外周との間で処理液の種類に応じて高さが設定される処理液受け体によって受ける工程と、
上記処理液受け体によって受けた処理液をその種類に応じて分離回収する工程と
を具備したことを特徴とするスピン処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−10554(P2010−10554A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−170306(P2008−170306)
【出願日】平成20年6月30日(2008.6.30)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】