説明

スピーカ装置、電子機器、および情報処理装置

【課題】機器に内蔵されたスピーカ装置の内部で動作時に発生する振動の、他の内蔵装置への悪影響を抑制する。
【解決手段】スピーカ装置250におけるスピーカ本体251が、スピーカ筐体251bとそのスピーカ筐体251bに組み込まれた、振動して音を出す振動部251aとを備える。そして、スピーカ装置250が、スピーカ本体251のスピーカ筐体251bから延びた、中途には他の部分よりもバネ性を高める中途構造253が設けられた板状の腕252を備える。この、中途構造253は、腕252の板面に交わる方向に折れ曲がった構造によりバネ性が高められており、振動部251aで発生する振動を抑制する役割を果たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件は、電気信号を音に変換して発するスピーカ装置、そのようなスピーカ装置を搭載した電子機器、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気信号が入力され、その電気信号を音に変換して発するスピーカ装置が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。近年では、スピーカ装置の小型化が進み、例えばパーソナルコンピュータ等といった様々な機器にスピーカ装置が搭載されるようになってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−245295号公報
【特許文献2】特開平10−066179号公報
【特許文献3】特開2004−320089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、パーソナルコンピュータには、いわゆるHDD(Hard Disk Drive)等といった振動に弱い装置を搭載しているものが多い。一方、スピーカ装置の多くは、振動して音を出す振動部を内蔵している。
【0005】
近年では、パーソナルコンピュータについても小型化が進み、パーソナルコンピュータにスピーカ装置が搭載されるときの搭載位置がHDD等の搭載位置に近づく傾向がある。このため、パーソナルコンピュータにおいて、スピーカ装置の動作時に発生する振動が、HDD等といった振動に弱い装置に悪影響を及ぼしてしまうリスクが高まっている。
【0006】
尚、ここまで、パーソナルコンピュータを例に挙げて、内蔵のスピーカ装置の動作時に発生する振動による他の内蔵装置への悪影響を説明した。しかしながら、このような事態は、パーソナルコンピュータに限らず、振動に弱い装置とスピーカ装置とを内蔵している電子機器や情報処理装置であれば同様に生じ得る事態である。
【0007】
本件は上記事情に鑑み、機器に内蔵されつつも、動作時に発生する振動による他の内蔵装置への悪影響が抑制されたスピーカ装置、そのようなスピーカ装置を搭載した電子機器、および情報処理装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するスピーカ装置は、スピーカ筐体と、振動部と、腕とを備えている。
【0009】
振動部は、上記スピーカ筐体に組み込まれた、振動して音を出すものである。
【0010】
腕は、固定部を有し、上記スピーカ筐体から上記固定部まで延びた、中途には他の部分よりもバネ性を高める構造が設けられているものである。
【0011】
また、上記目的を達成する電子機器は、上記スピーカ装置、機器筐体、および情報記憶部を備えている。
【0012】
機器筐体は、上記固定部により上記スピーカ装置が固定されるものである。
【0013】
情報記憶部は、上記機器筐体に収納され、情報を記憶媒体に記憶するものである。
【0014】
また、上記目的を達成する情報処理装置は、上記スピーカ装置、装置筐体、情報記憶部、および情報処理部を備えている。
【0015】
装置筐体は、上記固定部により上記スピーカ装置が固定されるものである。
【0016】
情報記憶部は、上記装置筐体に収納され、情報を記憶媒体に記憶するものである。
【0017】
情報処理部は、上記装置筐体に収納され、情報処理を実行するものである。
【発明の効果】
【0018】
本件によれば、機器に内蔵されたスピーカ装置の内部で動作時に発生する振動の、他の内蔵装置への悪影響を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】基本形態について説明したスピーカ装置の第1実施形態を搭載したノート型のパーソナルコンピュータ(ノートPC)を、そのノートPCが開かれた開状態について示す斜視図である。
【図2】図1のノートPCを、そのノートPCが閉じられた閉状態ついて示す斜視図である。
【図3】図1に示す本体筐体から、第1実施形態のスピーカ装置が固定されているパネルを取り外し、そのパネルを、スピーカ装置が見えるように裏返して示した図である。
【図4】図3に示すスピーカ装置を、音を発する振動部を上に向けて示した図である。
【図5】比較例のスピーカ装置を示す図である。
【図6】腕の中途構造によって、スピーカ本体で動作時に発生する振動の、ネジ止め固定される端部への伝達、延いては、本体筐体への振動の伝達が抑制される様子を示す模式図である。
【図7】第2実施形態のスピーカ装置が固定されているパネルを、スピーカ装置が見えるように裏返して示した図である。
【図8】図7に示すスピーカ装置を、音を発する振動部を上に向けて示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本件のスピーカ装置、電子機器、および情報処理装置の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
まず、第1実施形態について説明する。
【0022】
図1は、本件のスピーカ装置の第1実施形態を搭載したノート型のパーソナルコンピュータ(ノートPC)を、そのノートPCが開かれた開状態について示す斜視図である。また、図2は、図1のノートPCを、そのノートPCが閉じられた閉状態ついて示す斜視図である。
【0023】
これらの図に示すノートPC10は、本件の電子機器の具体的な実施形態、および本件の情報処理装置の具体的な実施形態を兼ねたものである。
【0024】
このノートPC10は、表示装置100と本体装置200とを備えている。これら表示装置100は本体装置200に、表示装置100が本体装置200に対し矢印A方向に開閉自在となるように連結されている。図1には、表示装置100が本体装置200に対し開かれた開状態にあるノートPC10の外観図が示されている。また、図2には、表示装置100が本体装置200に対し閉じられた閉状態にあるノートPC10の外観図が示されている。
【0025】
表示装置100は、表示筐体101内に液晶パネル102が、表示画面102aが露出するように収納されたものである。
【0026】
表示筐体101は、ノートPC10が開状態にあるときに表示画面102aがユーザに向くように液晶パネル102を立たせて保持するものとなっている。また、この表示装置100では、表示画面102aに表示される像の明るさが、このノートPC10の周囲の照度に応じた明るさに自動調節されるようになっている。そして、表示装置100には、ノートPC10の周囲の光を表示筐体101内に受け入れる受光窓103が、表示画面102aの下側の位置に設けられている。そして、表示筐体101内には、この受光窓103の奥側の位置に、受光窓103から入射してくる光の照度を検出する不図示の照度センサが収容されている。
【0027】
本体装置200は、本体筐体201内に、可搬媒体である光ディスクをドライブするODD(Optical Disk Drive)202や、CPU203や、HDD204が収納されたものである。CPU203は、上記の表示画面102a等に表示される情報の生成等といった情報処理を実行する。HDD204は、各種情報を内蔵の磁気ディスクに記憶する。
【0028】
また、この本体筐体201は、上記の閉状態の際に表示装置100で覆われる上面に、キーボード205、トラックパッド206、左右2つのクリックボタン207、指紋認証のための指紋認証部208を備えている。
【0029】
また、この上面には、表示画面102aに対するサブ画面209が組み込まれている。このサブ画面209は、接触操作によって情報が入力される入力操作面を兼ねたものとなっている。そして、このサブ画面209の近傍には、その接触操作に用いられる操作ペン210の収納部211が設けられている。また、サブ画面209の近傍には、このサブ画面209を挟んで2つのスピーカ装置250が設置され、更に、サブ画面209の図中右側には各種操作ボタン212とカメラ213とが設けられている。
【0030】
サブ画面209の近傍に設置された2つのスピーカ装置250それぞれが、本件のスピーカ装置の第1実施形態に相当する。
【0031】
また、上記の本体筐体201が、スピーカ装置が固定される機器筐体および装置筐体を兼ねた一例に相当する。また、上記のHDD204が、機器筐体あるいは装置筐体に収納され、情報を記憶媒体に記憶する情報記憶部の一例に相当する。また、CPU203が、装置筐体に収納され、情報処理を実行する情報処理部の一例に相当する。
【0032】
ノートPC10は、概略、図1および図2を参照して説明した構成を有している。
【0033】
以下、このノートPC10に搭載されているスピーカ装置250について説明する。
【0034】
図3は、図1に示す本体筐体から、第1実施形態のスピーカ装置が固定されているパネルを取り外し、そのパネルを、スピーカ装置が見えるように裏返して示した図である。また、図4は、図3に示すスピーカ装置を、音を発する振動部を上に向けて示した図である。
【0035】
図3および図4に示すように、スピーカ装置250は、スピーカ本体251と、腕252とを備えている。
【0036】
スピーカ本体251は、振動部251aと、樹脂で形成されたスピーカ筐体251bとを有している。振動部251aは、電気信号を受けると振動して音を発するものである。また、スピーカ本体251では、振動部251aが保護キャップ251cで覆われている。
【0037】
ここで、本実施形態では特定はしないが、この振動部251aは、何らかの筐体に組み込まれて、振動して音を出すものであればどのようなタイプのものであっても良い。
【0038】
図3に示すパネル201aには、スピーカ本体251の振動部251aが覗くための丸窓が開いている。スピーカ本体251は、この丸窓から、図1に示すように振動部251aが覗いた状態でこのパネル201aに固定される。
【0039】
腕252は、スピーカ筐体251bから延び、その端部に固定部を有する。この固定部には貫通孔252aが開けられている。スピーカ本体251は、この固定部の貫通孔252aを貫通するネジ201bにより、パネル201aに、図3に示すようにネジ止め固定される。本実施形態のスピーカ装置250は、この腕252を、このスピーカ本体251を挟んで2つ備えている。
【0040】
また、この腕252は、スピーカ筐体251b側の端部と、貫通孔252aが開けられた固定部との間に、他の部分よりもバネ性が高い中途構造253が設けられている。本実施形態では、この腕252は板状のものとなっている。
【0041】
そして、この腕252における中途構造253は、スピーカ本体251において上記の振動部251aから音が出る側を正面側、この正面側とは反対の側を裏側と呼ぶとすると、次のような構造となっている。
【0042】
この中途構造253は、スピーカ本体251の裏側に向かってしばらく延びたところで折り返してスピーカ本体251の正面側に戻ってくるという構造となっている。
【0043】
つまり、この中途構造253は、腕252の、スピーカ筐体251b側の端部とネジ止め固定される固定部側の端部との間の最短経路を、スピーカ本体251の裏側に迂回する迂回経路となっている。そして、腕252では、このような迂回経路により中途構造253のバネ性が他の部分よりも高められている。この腕252が、スピーカ筐体から延び、固定部までの中途には他の部分よりもバネ性を高める構造が設けられている腕の一例に相当する。
【0044】
本実施形態では、この腕252が、スピーカ筐体251bを形成する樹脂と同じ樹脂でスピーカ筐体251bと一体的に形成されている。
【0045】
ここで、本実施形態のスピーカ装置250と比較する比較例について説明する。
【0046】
図5は、比較例のスピーカ装置を示す図である。
【0047】
この図5には、比較例のスピーカ装置250’が、図3と同様のパネル201a’に固定された状態で示されている。
【0048】
この比較例のスピーカ装置250’では、パネル201a’にネジ止め固定される固定用腕252’がスピーカ本体251’の外側面に設けられている。この固定用腕252’は、スピーカ筐体251b’に強固に固定されたものとなっている。
【0049】
この比較例のスピーカ装置250’では、固定用腕252’はスピーカ筐体251b’に強固に固定されていることで、スピーカ筐体251b’側の一端から反対側の他端まで高い剛性を有するものとなっている。その結果、スピーカ装置250’で動作時に発生する振動が、ほぼそのまま固定用腕252’を伝わってパネル201a’に達してしまう。
【0050】
この比較例におけるパネル201a’は、上述の本実施形態と同様にノートPCの本体筐体の一部である。ノートPCでは、本体筐体内の狭隘な空間に様々な電子部品や装置等いった内蔵物が組み込まれており、それらの内蔵物の中にはHDD等といった振動に弱い装置がある。この比較例では、スピーカ本体251’で動作時に発生する振動がほぼそのままパネル201a’に伝わってしまい、その結果、上記のような振動に弱い内蔵装置に悪影響を及ぼす恐れがある。
【0051】
これに対し、上述の本実施形態のスピーカ装置250では、腕252の中途構造253により、スピーカ本体251で動作時に発生する振動の固定用腕252への伝達、延いては、本体筐体201への振動の伝達が、以下に説明するように抑制される。
【0052】
図6は、腕の中途構造によって、スピーカ本体で動作時に発生する振動の、ネジ止め固定される端部への伝達、延いては、本体筐体への振動の伝達が抑制される様子を示す模式図である。
【0053】
スピーカ本体251内の振動部251aで発生しスピーカ筐体251bに伝わった振動Fは、まず、スピーカ筐体251bから腕252に伝わる。腕252は、ネジ止め固定される端部とスピーカ筐体251b側の端部と間に、上記のように迂回経路を辿る中途構造253を有している。この中途構造253は、迂回経路を辿ることで、スピーカ筐体251bからも、ネジ止め固定からも拘束を受けない自由部分となっている。そして、中途構造253はこのような自由部分となっていることで大きなバネ性を有することとなっている。上記のようにスピーカ筐体251bから腕252に伝わった振動Fは、図6に模式的に示すように、自由部分となっているこの中途構造253でそのほとんどが吸収される。その結果、腕252においてネジ止め固定される端部へのスピーカ筐体251bからの振動Fの伝達が抑制され、延いては、その振動Fの本体筐体201への伝達が抑制されることとなる。
【0054】
従って、本実施形態のスピーカ装置250によれば、ノートPC10に内蔵されつつも、動作時に発生する振動によるHDD等の他の内蔵装置への悪影響が抑制されることとなる。
【0055】
ここで、本実施形態では、上記のように、腕252が端部間の最短経路を迂回した迂回経路を経る中途構造253を有することで、その中途構造が自由部分となり結果的にバネ性が高められている。そして、そのような中途構造253により、スピーカ本体251で発生した振動が簡単に抑制されることとなっている。
【0056】
このことは、本件のスピーカ装置に対し、上記腕が、その腕の端部間の最短経路を迂回する迂回経路が中途に設けられたものであるという応用形態が好適であることを意味している。
【0057】
本実施形態における腕252は、この応用形態における腕の一例にも相当している。
【0058】
また、本実施形態では、上記の中途構造253が、腕252の板面に交わる方向に折れ曲がった構造となっている。本実施形態では、このような折れ曲がった構造により、ネジ止め箇所とスピーカ筐体251bとの間をあまり開けることなく、スペースを節約して中途構造253が設けられることとなっている。
【0059】
このことは、本件のスピーカ装置に対し、次のような応用形態が好適であることを意味している。
【0060】
この応用形態では、上記腕が、板状で、板面に交わる方向に折れ曲がった構造が中途に設けられたものであるとなっている。
【0061】
本実施形態における腕252は、この応用形態における腕の一例にも相当している。
【0062】
また、本実施形態では、スピーカ本体251は、樹脂で形成されたスピーカ筐体251bを有している。そして、本実施形態では、腕252が、スピーカ筐体251bを形成する樹脂と同じ樹脂でスピーカ筐体251bと一体的に形成されている。
【0063】
ここで、図5を参照して説明した比較例については、振動に弱いHDD等といった内蔵装置への悪影響を抑制するために、固定用腕252’のパネル201a’へのネジ止め固定を、例えばゴム等の緩衝物を介して行うことも考えられる。しかしながら、このような方法では部品点数が増え、製造コストの増加を招いてしまう。
【0064】
これに対し、本実施形態では、樹脂形成により、振動を抑制する腕252が、スピーカ筐体251bと一体的に形成されることで、振動に弱い他の装置への悪影響を抑制しつつも部品点数の増加延いては製造コストの増加が抑制されている。
【0065】
このことは、本件のスピーカ装置に対し、上記スピーカ筐体と上記腕が、樹脂で一体的に形成されたものであるという応用形態が好適であることを意味している。
【0066】
本実施形態におけるスピーカ筐体251bおよび腕252は、各々この応用形態における筐体および腕の各一例にも相当している。
【0067】
次に、第2実施形態について説明する。
【0068】
この第2実施形態は、スピーカ装置における腕の形状が、上述の第1実施形態と異なっている。以下、この第1実施形態との相違点に注目して第2実施形態についての説明を行う。尚、この第2実施形態では、スピーカ装置が搭載される電子機器や情報処理装置の実施形態については、上記の第1実施形態と同様のノートPCである。
【0069】
図7は、第2実施形態のスピーカ装置が固定されているパネルを、スピーカ装置が見えるように裏返して示した図である。また、図8は、図7に示すスピーカ装置を、音を発する振動部を上に向けて示した図である。
【0070】
尚、これらの図7および図8では、上記の図3および図4に示す構成要素と同等な構成要素については、図3および図4と同じ符号が付されており、以下では、それら同等な構成要素についての重複説明を省略する。
【0071】
図7および図8に示すように、本実施形態のスピーカ装置300は、板状で、板面に沿う方向に90度折れ曲がった中途構造302が中途に設けられ、両端がスピーカ筐体251bに固定された腕301を、スピーカ本体251を挟んで2つ備えている。
【0072】
また、各腕301には、スピーカ装置300をパネル201aに固定するためのネジ201bが貫通する貫通孔303aが開けられた円形の固定部303が設けられている。また、腕301は、上述の第1実施形態と同様、スピーカ筐体251bを形成する樹脂と同じ樹脂でスピーカ筐体251bと一体的に形成されている。
【0073】
本実施形態では、図7および図8に示す腕301が、本件のスピーカ装置における腕の一例に相当する。
【0074】
本実施形態の腕301における中途構造302は、腕301の端部間の最短経路を、スピーカ筐体251bから離れる方向に迂回した迂回経路を辿ることとなっている。本実施形態では、この迂回経路の中央に固定部303が設けられている。この固定部303はネジ止めによって拘束を受けることとなるが、腕301のうち固定部303とスピーカ筐体251bとの間にある中途構造302が自由部分となっている。これにより、中途構造302は、バネ性が高められている。そして、スピーカ本体251で発生した振動が、この自由部分で吸収されることで、固定部303への振動の伝達、延いては、本体筐体201への振動の伝達が抑制されることとなる。
【0075】
従って、本実施形態のスピーカ装置300でも、ノートPC10に内蔵されつつも、動作時に発生する振動によるHDD等の他の内蔵装置への悪影響が抑制されることとなる。
【0076】
また、本実施形態では、中途構造302が、腕301の板面に沿う方向に90度折れ曲がった構造となっている。本実施形態では、腕301のこのような構造により、例えば腕301とパネル201aとの間の空間について、スピーカ筐体251bのすぐそばまで他の部品の搭載空間として利用できる。
【0077】
このことは、本件のスピーカ装置に対し、上記腕が、板状で、板面に沿う方向に折れ曲がった構造が中途に設けられたものであるという応用形態が好適であることを意味している。
【0078】
本実施形態における腕301は、この応用形態における腕の一例にも相当している。
【0079】
尚、上記では、スピーカ装置を搭載した機器としてノートPCを例示したが、スピーカ装置の搭載対象の機器はこれに限るものではない。このような機器は、例えば、ノート型ではない一般的なデスクトップ型のパーソナルコンピュータであっても良く、さらに大容量のワークステーション等といった情報処理装置であっても良い。
【0080】
あるいは、例えば番組を録画してドライブ装置で媒体に記憶するテレビジョン装置等といった、スピーカ以外に、上記のドライブ装置やHDD等といった振動に弱い装置を内蔵するコンピュータ以外の電子機器であっても良い。
【0081】
以下、本件の指紋検出装置を含む種々の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0082】
(付記1)
スピーカ筐体と、
前記スピーカ筐体に組み込まれた、振動して音を出す振動部と、
固定部を有し、前記スピーカ筐体から前記固定部まで延びた、中途には他の部分よりもバネ性を高める構造が設けられている腕と、
を備えたことを特徴とするスピーカ装置。
【0083】
(付記2)
前記腕が、該腕の端部間の最短経路を迂回する迂回経路が中途に設けられたものであることを特徴とする付記1記載のスピーカ装置。
【0084】
(付記3)
前記腕が、板状で、板面に交わる方向に折れ曲がった構造が中途に設けられたものであることを特徴とする付記1または2記載のスピーカ装置。
【0085】
(付記4)
前記腕が、板状で、板面に沿う方向に折れ曲がった構造が中途に設けられたものであることを特徴とする付記1または2記載のスピーカ装置。
【0086】
(付記5)
前記スピーカ筐体と前記腕が、樹脂で一体的に形成されたものであることを特徴とする付記1から4のうちいずれか1項記載のスピーカ装置。
【0087】
(付記6)
スピーカ筐体と、
前記スピーカ筐体に組み込まれた、振動して音を出す振動部と、
固定部を有し、前記スピーカ筐体から前記固定部まで延びた、中途には他の部分よりもバネ性を高める構造が設けられている腕と、
を有するスピーカ装置;
前記固定部により前記スピーカ装置が固定される機器筐体;および、
前記機器筐体に収納され、情報を記憶媒体に記憶する情報記憶部;
を備えたことを特徴とする電子機器。
【0088】
(付記7)
スピーカ筐体と、
前記スピーカ筐体に組み込まれた、振動して音を出す振動部と、
固定部を有し、前記スピーカ筐体から前記固定部まで延びた、中途には他の部分よりもバネ性を高める構造が設けられている腕と、
を有するスピーカ装置;
前記固定部により前記スピーカ装置が固定される装置筐体;
前記装置筐体に収納され、情報を記憶媒体に記憶する情報記憶部;および、
前記装置筐体に収納され、情報処理を実行する情報処理部;
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0089】
10 ノートPC
100 表示装置
101 表示筐体
102 液晶パネル
102a 表示画面
103 受光窓
200 本体装置
201 本体筐体
201a,201a’ パネル
201b ネジ
202 ODD
203 CPU
204 HDD
205 キーボード
206 トラックパッド
207 クリックボタン
208 指紋認証部
209 サブ画面
210 操作ペン
211 収納部
212 操作ボタン
213 カメラ
250,250’,300 スピーカ装置
251,251’ スピーカ本体
251a 振動部
251b 筐体
252,301 腕
252’ 固定用腕
252a,301a 貫通孔
253,302 中途構造
303 固定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピーカ筐体と、
前記スピーカ筐体に組み込まれた、振動して音を出す振動部と、
固定部を有し、前記スピーカ筐体から前記固定部まで延びた、中途には他の部分よりもバネ性を高める構造が設けられている腕と、
を備えたことを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
前記腕が、該腕の端部間の最短経路を迂回する迂回経路が中途に設けられたものであることを特徴とする請求項1記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記腕が、板状で、板面に交わる方向に折れ曲がった構造が中途に設けられたものであることを特徴とする請求項1または2記載のスピーカ装置。
【請求項4】
スピーカ筐体と、
前記スピーカ筐体に組み込まれた、振動して音を出す振動部と、
固定部を有し、前記スピーカ筐体から前記固定部まで延びた、中途には他の部分よりもバネ性を高める構造が設けられている腕と、
を有するスピーカ装置;
前記固定部により前記スピーカ装置が固定される機器筐体;および、
前記機器筐体に収納され、情報を記憶媒体に記憶する情報記憶部;
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
スピーカ筐体と、
前記スピーカ筐体に組み込まれた、振動して音を出す振動部と、
固定部を有し、前記スピーカ筐体から前記固定部まで延びた、中途には他の部分よりもバネ性を高める構造が設けられている腕と、
を有するスピーカ装置;
前記固定部により前記スピーカ装置が固定される装置筐体;
前記装置筐体に収納され、情報を記憶媒体に記憶する情報記憶部;および、
前記装置筐体に収納され、情報処理を実行する情報処理部;
を備えたことを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−176449(P2011−176449A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−37592(P2010−37592)
【出願日】平成22年2月23日(2010.2.23)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】