スピーカ装置
【課題】着脱が可能な保護カバーを、エンクロージャの前面に特別な取付部位を具備することなく取り付けることを可能とする。
【解決手段】中高音用スピーカ3に対して同心円状の開口部2を持つエンクロージャ1と、エンクロージャ1の内部でかつ開口部2から音波を放出可能な位置に設置した低音用スピーカ4と、グリル部5aを有し着脱可能な保護カバー5とから構成し、保護カバー5は中高音スピーカユニット3の前面側を保護し、開口部2の縁端に保持部材6を介して保持可能とする。
【解決手段】中高音用スピーカ3に対して同心円状の開口部2を持つエンクロージャ1と、エンクロージャ1の内部でかつ開口部2から音波を放出可能な位置に設置した低音用スピーカ4と、グリル部5aを有し着脱可能な保護カバー5とから構成し、保護カバー5は中高音スピーカユニット3の前面側を保護し、開口部2の縁端に保持部材6を介して保持可能とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱自在の保護カバーを設けたスピーカ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常のスピーカ装置は、スピーカコーン等を保護するために、サランネットやパンチングメタル等を用いた保護カバーによって前面部が覆われていることが多い。しかし、スピーカ装置によって再生される音は保護カバーを通過するため、使用者の耳には保護カバーにより或る特定の周波数帯域の音が減衰して届くことになる。そのため、スピーカ装置を使用するときは保護カバーを外し、使用しないときは保護カバーを取り付けるといった着脱の容易な保護カバーが求められる。
【0003】
一方、スピーカ装置は保護カバーを取り付けたとき、或いは取り外したときの双方において、外観を損うことがないということも重要な要素である。
【0004】
そこで特許文献1においては、着脱可能な保護カバーを有するスピーカ装置が開示されている。この特許文献1に記載のスピーカ装置及び保護カバーの取付方法によると、保護カバーはねじ止めされていたり、磁石で固定されていたり、両面テープを用いて保持されている。また、剥離可能な接着剤を用いたり、特別な取付部位を持たせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−210661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし特許文献1に示すように、保護カバーが接着剤で接合されていれば、容易に着脱することができない。また、接着剤が規定量よりも多いと、接着剤が外観部分に露出し見栄えが悪くなる虞れがある。
【0007】
また、保護カバーをねじ止めする場合には、着脱にねじとドライバが必要であると共に、ねじを露出しないような構造を用いる必要があり、取り付けの容易性が損われる。
【0008】
着脱容易な取付部材を使用すると、保護カバーの着脱が容易であるが、保護カバーを取り外したときに取付部材が露出し、外観が損われることがある。
【0009】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、エンクロージャに特別な取付部位を具備することなく、保護カバーの着脱が可能なスピーカ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るスピーカ装置は、エンクロージャの開口部に向けて配置した中高音用スピーカと、前記エンクロージャの内部でかつ前記開口部から音が放出される位置に配置した低音用スピーカと、前記開口部に着脱可能な保護カバーとから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るスピーカ装置によれば、保護カバーを保持する特別な部位、部材をエンクロージャが具備することなく、保護カバーを容易に着脱できる。また、保護カバーにガイドを設け、ガイドは中高音用スピーカの軸と垂直となる面方向の位置決めを開口部の縁端を用いて行うようにすると、スピーカ等を破損することなく保護カバーを着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1のスピーカ装置の正面図である。
【図2】保護カバーを取り外した状態のスピーカ装置の正面図である。
【図3】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図4】傷防止用部材を設けた保護カバーの断面図である。
【図5】実施例2のスピーカ装置の正面図である。
【図6】保護カバーを取り外した状態のスピーカ装置の正面図である。
【図7】図5のB−B線に沿った断面図である。
【図8】保護カバーの取付部分の構成図である。
【図9】保護カバーの取付方法の説明図である。
【図10】保護カバーの取付方法の説明図である。
【図11】保護カバーの取付方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は実施例1のスピーカ装置の正面図、図2は保護カバーを取り外した状態の正面図、図3は図1のA−A線に沿った断面図である。中空の筐体から成るエンクロージャ1には、同心円状に配置された複数の開口部2が設けられ、その略中心にツイータと呼ばれる中高音用スピーカ3が配置されている。中高音用スピーカ3は開口部2の内側に保持され、外方に向けて音を発生させるようになっている。
【0015】
ウーファと呼ばれる低音用スピーカ4は、エンクロージャ1の下方内部において、スピーカコーン4aを内部上方に向けて配置されている。中高音用スピーカ3と低音用スピーカ4からの音は、開口部2を介してエンクロージャ1の外部に放出することによってスピーカ装置として機能する。
【0016】
また、エンクロージャ1の前面には、縁端に合成樹脂等の弾性体から成り傷防止部材としても機能する保持部材6を備えた保護カバー5が、開口部2の外周端に取り付けられている。保持部材6は弾性力によって開口部2に着脱可能な構造とされ、開口部2の縁端を乗り越えて取り付けられるようになっている。
【0017】
図4は合成樹脂等の傷防止用部材を保持部材6に用いた例を示し、保持部材6はエンクロージャ1を傷付けることがない。保護カバー5は開口部2を覆うことにより、中高音用スピーカ3の前面部と低音用スピーカ4のスピーカコーン4aを保護している。これにより、開口部2からの異物混入と、中高音用スピーカ3の破損を防止することができる。
【0018】
また保護カバー5には、中高音用スピーカ3と低音用スピーカ4からの音を放出するための網状又は格子状のグリル部5aが設けられている。このグリル部5aにより、使用者は保護カバー5を取り付けた状態でスピーカ装置を機能させることができ、使用形態が多様化する。
【0019】
このように、音が放出するために設けられる開口部2に、保護カバー5を保持部材6を介して保持することにより、エンクロージャ1に特別なねじ孔、接着材等の取付部位を設ける必要がない。これにより、外観を損ねることなく、保護カバー5の着脱が可能なスピーカ装置を得ることができる。
【0020】
低音用スピーカ4はエンクロージャ1の内部の中高音用スピーカ3の上側に配置してもよい。しかし、低音用スピーカ4を上側に配置すると、スピーカ装置の重心の位置が上昇し、転倒等の危険性が生ずる。従って、低音用スピーカ4はエンクロージャ1の内部で、中高音用スピーカ3よりも下方に配置することが望ましい。
【0021】
また、保護カバー5にはグリル部5aが設けられているが、枠体に防護ネットを張ったものでもよい。また、開口部2の縁端の保持部材6の摺動部分に、例えばフェルト、軟質樹脂、スポンジ等のフォーム材、テフロン(登録商標)等の低摩擦樹脂、又はこれらを積層したものから成る傷防止用部材を設けてもよい。このような傷防止用部材を設けることにより、エンクロージャ1の表面を傷付ける虞れを軽減できる。傷防止用部材はエンクロージャ1に設けてもよいが、保持部材6に設けると、外観を損ねることなく取り付けることができる。
【実施例2】
【0022】
図5は実施例2のスピーカ装置の正面図、図6は保護カバーを取り外した状態のスピーカ装置の正面図、図7は図5のB−B線に沿った断面図を示している。エンクロージャ11は内部を中空とした球体とされ、前部に複数個の開口部12が同心円状に配置され、これらの開口部12の後部に中高音用スピーカ3、更にその後部に音が放出される方向を同軸とするように低音用スピーカ4が配列されている。
【0023】
高音は低音に比べると波長が短く、回り込み難いという特性を有しているので、中高音用スピーカ3はエンクロージャ11の内部前方に取り付けることが好ましい。
【0024】
中高音用スピーカ3の後部の背面部3aと低音用スピーカ4のスピーカコーン4aの間には空間部が形成され、低音用スピーカ4からの音は円弧状に配列された開口部12から外部に放出されるようになっている。
【0025】
特に、本実施例2のようにスピーカ3、4を同軸上に配置する構造であれば、スピーカ3、4の音源を同軸、かつ近距離に配置することが可能となり、各スピーカ3、4の同期をとることが容易となる。円弧状に配列した開口部12に対して、中高音用スピーカ3を略中心の開口部12に設けると、低音と中高音の再生音が略軸対称に放射されるため、良好な音場が生成される。
【0026】
中央の開口部12を覆う半球状の保護カバー13の例えば3個の先端には、ガイド14が備えられており、ガイド14は中高音用スピーカ3の軸と垂直となす面方向の位置決めを開口部12の縁端を用いて取り付けを行う。これにより、保護カバー13をエンクロージャ11に取り付ける際に、安定して不慮の接触を防ぎ破損を防止することができる。なお、音声を再生する際には、保護カバー13を取り外すようにすれば、保護カバー13にグリル部を設けなくともよい。
【0027】
図8に示すように、保護カバー13の端部の3個所には、可動部15を介してガイド14が取り付けられている。可動部15は可動部材16を保護カバー13に固定し、ガイド14間に圧縮ばね等の弾性部材17を有している。また、可動部15には連結部18が内側に突出されている。
【0028】
保護カバー13を取り付ける場合には、ガイド14を開口部12の後端に接触し可動部材16を矢印aの方向に押し当て、弾性部材17を圧縮し、連結部18が開口部12を通るように可動部15を操作する。
【0029】
図9に示すように可動部15を更にa方向に移動し、図10に示すように連結部18が開口部12を通過する。図11に示すように手を離して可動部材16の押し当てを解除すると、弾性部材17の復元によって可動部材16が矢印b方向に戻り、連結部18が開口部12の縁端に係止する。
【0030】
なお、ガイド14は開口部12の外縁部を用いて位置決めを行っているが、開口部12の内縁部を用いることもできる。
【0031】
また、保護カバー13を取り外す際には、上述と逆の動作を行うことにより取り外すことができる。
【0032】
実施例2ではガイド14、可動部15は保護カバー13の3個所に設けたが、少なくとも2個所設けることにより着脱可能となる。なお、可動部15はこの構成に限定するものではない。
【符号の説明】
【0033】
1、11 エンクロージャ
2、12 開口部
3 中高音用スピーカ
4 低音用スピーカ
5、13 保護カバー
6 保持部材
14 ガイド
15 可動部
16 可動部材
17 弾性部材
18 連結部
【技術分野】
【0001】
本発明は、着脱自在の保護カバーを設けたスピーカ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常のスピーカ装置は、スピーカコーン等を保護するために、サランネットやパンチングメタル等を用いた保護カバーによって前面部が覆われていることが多い。しかし、スピーカ装置によって再生される音は保護カバーを通過するため、使用者の耳には保護カバーにより或る特定の周波数帯域の音が減衰して届くことになる。そのため、スピーカ装置を使用するときは保護カバーを外し、使用しないときは保護カバーを取り付けるといった着脱の容易な保護カバーが求められる。
【0003】
一方、スピーカ装置は保護カバーを取り付けたとき、或いは取り外したときの双方において、外観を損うことがないということも重要な要素である。
【0004】
そこで特許文献1においては、着脱可能な保護カバーを有するスピーカ装置が開示されている。この特許文献1に記載のスピーカ装置及び保護カバーの取付方法によると、保護カバーはねじ止めされていたり、磁石で固定されていたり、両面テープを用いて保持されている。また、剥離可能な接着剤を用いたり、特別な取付部位を持たせている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−210661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし特許文献1に示すように、保護カバーが接着剤で接合されていれば、容易に着脱することができない。また、接着剤が規定量よりも多いと、接着剤が外観部分に露出し見栄えが悪くなる虞れがある。
【0007】
また、保護カバーをねじ止めする場合には、着脱にねじとドライバが必要であると共に、ねじを露出しないような構造を用いる必要があり、取り付けの容易性が損われる。
【0008】
着脱容易な取付部材を使用すると、保護カバーの着脱が容易であるが、保護カバーを取り外したときに取付部材が露出し、外観が損われることがある。
【0009】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、エンクロージャに特別な取付部位を具備することなく、保護カバーの着脱が可能なスピーカ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための本発明に係るスピーカ装置は、エンクロージャの開口部に向けて配置した中高音用スピーカと、前記エンクロージャの内部でかつ前記開口部から音が放出される位置に配置した低音用スピーカと、前記開口部に着脱可能な保護カバーとから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るスピーカ装置によれば、保護カバーを保持する特別な部位、部材をエンクロージャが具備することなく、保護カバーを容易に着脱できる。また、保護カバーにガイドを設け、ガイドは中高音用スピーカの軸と垂直となる面方向の位置決めを開口部の縁端を用いて行うようにすると、スピーカ等を破損することなく保護カバーを着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1のスピーカ装置の正面図である。
【図2】保護カバーを取り外した状態のスピーカ装置の正面図である。
【図3】図1のA−A線に沿った断面図である。
【図4】傷防止用部材を設けた保護カバーの断面図である。
【図5】実施例2のスピーカ装置の正面図である。
【図6】保護カバーを取り外した状態のスピーカ装置の正面図である。
【図7】図5のB−B線に沿った断面図である。
【図8】保護カバーの取付部分の構成図である。
【図9】保護カバーの取付方法の説明図である。
【図10】保護カバーの取付方法の説明図である。
【図11】保護カバーの取付方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は実施例1のスピーカ装置の正面図、図2は保護カバーを取り外した状態の正面図、図3は図1のA−A線に沿った断面図である。中空の筐体から成るエンクロージャ1には、同心円状に配置された複数の開口部2が設けられ、その略中心にツイータと呼ばれる中高音用スピーカ3が配置されている。中高音用スピーカ3は開口部2の内側に保持され、外方に向けて音を発生させるようになっている。
【0015】
ウーファと呼ばれる低音用スピーカ4は、エンクロージャ1の下方内部において、スピーカコーン4aを内部上方に向けて配置されている。中高音用スピーカ3と低音用スピーカ4からの音は、開口部2を介してエンクロージャ1の外部に放出することによってスピーカ装置として機能する。
【0016】
また、エンクロージャ1の前面には、縁端に合成樹脂等の弾性体から成り傷防止部材としても機能する保持部材6を備えた保護カバー5が、開口部2の外周端に取り付けられている。保持部材6は弾性力によって開口部2に着脱可能な構造とされ、開口部2の縁端を乗り越えて取り付けられるようになっている。
【0017】
図4は合成樹脂等の傷防止用部材を保持部材6に用いた例を示し、保持部材6はエンクロージャ1を傷付けることがない。保護カバー5は開口部2を覆うことにより、中高音用スピーカ3の前面部と低音用スピーカ4のスピーカコーン4aを保護している。これにより、開口部2からの異物混入と、中高音用スピーカ3の破損を防止することができる。
【0018】
また保護カバー5には、中高音用スピーカ3と低音用スピーカ4からの音を放出するための網状又は格子状のグリル部5aが設けられている。このグリル部5aにより、使用者は保護カバー5を取り付けた状態でスピーカ装置を機能させることができ、使用形態が多様化する。
【0019】
このように、音が放出するために設けられる開口部2に、保護カバー5を保持部材6を介して保持することにより、エンクロージャ1に特別なねじ孔、接着材等の取付部位を設ける必要がない。これにより、外観を損ねることなく、保護カバー5の着脱が可能なスピーカ装置を得ることができる。
【0020】
低音用スピーカ4はエンクロージャ1の内部の中高音用スピーカ3の上側に配置してもよい。しかし、低音用スピーカ4を上側に配置すると、スピーカ装置の重心の位置が上昇し、転倒等の危険性が生ずる。従って、低音用スピーカ4はエンクロージャ1の内部で、中高音用スピーカ3よりも下方に配置することが望ましい。
【0021】
また、保護カバー5にはグリル部5aが設けられているが、枠体に防護ネットを張ったものでもよい。また、開口部2の縁端の保持部材6の摺動部分に、例えばフェルト、軟質樹脂、スポンジ等のフォーム材、テフロン(登録商標)等の低摩擦樹脂、又はこれらを積層したものから成る傷防止用部材を設けてもよい。このような傷防止用部材を設けることにより、エンクロージャ1の表面を傷付ける虞れを軽減できる。傷防止用部材はエンクロージャ1に設けてもよいが、保持部材6に設けると、外観を損ねることなく取り付けることができる。
【実施例2】
【0022】
図5は実施例2のスピーカ装置の正面図、図6は保護カバーを取り外した状態のスピーカ装置の正面図、図7は図5のB−B線に沿った断面図を示している。エンクロージャ11は内部を中空とした球体とされ、前部に複数個の開口部12が同心円状に配置され、これらの開口部12の後部に中高音用スピーカ3、更にその後部に音が放出される方向を同軸とするように低音用スピーカ4が配列されている。
【0023】
高音は低音に比べると波長が短く、回り込み難いという特性を有しているので、中高音用スピーカ3はエンクロージャ11の内部前方に取り付けることが好ましい。
【0024】
中高音用スピーカ3の後部の背面部3aと低音用スピーカ4のスピーカコーン4aの間には空間部が形成され、低音用スピーカ4からの音は円弧状に配列された開口部12から外部に放出されるようになっている。
【0025】
特に、本実施例2のようにスピーカ3、4を同軸上に配置する構造であれば、スピーカ3、4の音源を同軸、かつ近距離に配置することが可能となり、各スピーカ3、4の同期をとることが容易となる。円弧状に配列した開口部12に対して、中高音用スピーカ3を略中心の開口部12に設けると、低音と中高音の再生音が略軸対称に放射されるため、良好な音場が生成される。
【0026】
中央の開口部12を覆う半球状の保護カバー13の例えば3個の先端には、ガイド14が備えられており、ガイド14は中高音用スピーカ3の軸と垂直となす面方向の位置決めを開口部12の縁端を用いて取り付けを行う。これにより、保護カバー13をエンクロージャ11に取り付ける際に、安定して不慮の接触を防ぎ破損を防止することができる。なお、音声を再生する際には、保護カバー13を取り外すようにすれば、保護カバー13にグリル部を設けなくともよい。
【0027】
図8に示すように、保護カバー13の端部の3個所には、可動部15を介してガイド14が取り付けられている。可動部15は可動部材16を保護カバー13に固定し、ガイド14間に圧縮ばね等の弾性部材17を有している。また、可動部15には連結部18が内側に突出されている。
【0028】
保護カバー13を取り付ける場合には、ガイド14を開口部12の後端に接触し可動部材16を矢印aの方向に押し当て、弾性部材17を圧縮し、連結部18が開口部12を通るように可動部15を操作する。
【0029】
図9に示すように可動部15を更にa方向に移動し、図10に示すように連結部18が開口部12を通過する。図11に示すように手を離して可動部材16の押し当てを解除すると、弾性部材17の復元によって可動部材16が矢印b方向に戻り、連結部18が開口部12の縁端に係止する。
【0030】
なお、ガイド14は開口部12の外縁部を用いて位置決めを行っているが、開口部12の内縁部を用いることもできる。
【0031】
また、保護カバー13を取り外す際には、上述と逆の動作を行うことにより取り外すことができる。
【0032】
実施例2ではガイド14、可動部15は保護カバー13の3個所に設けたが、少なくとも2個所設けることにより着脱可能となる。なお、可動部15はこの構成に限定するものではない。
【符号の説明】
【0033】
1、11 エンクロージャ
2、12 開口部
3 中高音用スピーカ
4 低音用スピーカ
5、13 保護カバー
6 保持部材
14 ガイド
15 可動部
16 可動部材
17 弾性部材
18 連結部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンクロージャの開口部に向けて配置した中高音用スピーカと、前記エンクロージャの内部でかつ前記開口部から音が放出される位置に配置した低音用スピーカと、前記開口部に着脱可能な保護カバーとから成ることを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
前記保護カバーは前記開口部のうち、前記中高音用スピーカの音が放出される前記開口部の縁端に保持することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記保護カバーは前記開口部のうち前記低音用スピーカからの音が放出される前記開口部の縁端に保持することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記保護カバーはガイドを有し、該ガイドは前記中高音用スピーカの軸と垂直となす面方向の位置決めを前記開口部の縁端を用いて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記低音用スピーカは前記中高音用スピーカの後部に配置し音が放出される方向と同軸とすることを特徴とする請求項1又は4に記載のスピーカ装置。
【請求項6】
前記保護カバーは前記中高音用スピーカの前面を保護することを特徴とする請求項1〜5の何れか1つの請求項に記載のスピーカ装置。
【請求項1】
エンクロージャの開口部に向けて配置した中高音用スピーカと、前記エンクロージャの内部でかつ前記開口部から音が放出される位置に配置した低音用スピーカと、前記開口部に着脱可能な保護カバーとから成ることを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
前記保護カバーは前記開口部のうち、前記中高音用スピーカの音が放出される前記開口部の縁端に保持することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記保護カバーは前記開口部のうち前記低音用スピーカからの音が放出される前記開口部の縁端に保持することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記保護カバーはガイドを有し、該ガイドは前記中高音用スピーカの軸と垂直となす面方向の位置決めを前記開口部の縁端を用いて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記低音用スピーカは前記中高音用スピーカの後部に配置し音が放出される方向と同軸とすることを特徴とする請求項1又は4に記載のスピーカ装置。
【請求項6】
前記保護カバーは前記中高音用スピーカの前面を保護することを特徴とする請求項1〜5の何れか1つの請求項に記載のスピーカ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−176724(P2011−176724A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40475(P2010−40475)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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