スピーカ装置
【課題】スピーカの不使用時に保護カバーによりスピーカユニットを覆い、衝撃や埃等から保護する。
【解決手段】 保護カバー12によりスピーカユニット3を覆う場合には、サブエンクロージャ4を駆動用モータ7により駆動ギア8、ラックギヤ6を介してメインエンクロージャ1の内部に移動する。次いで、保護カバー12をメインエンクロージャ1の外表面に沿って、中高音用スピーカユニット3の前面に移動させる。駆動用モータ13の回転によりローラ14が反時計方向に回転し、保護カバー12を矢印方向に移動する。保護カバー12の移動が終了すると、保護カバー12は中高音用スピーカユニット3の前面を完全に閉止する。
【解決手段】 保護カバー12によりスピーカユニット3を覆う場合には、サブエンクロージャ4を駆動用モータ7により駆動ギア8、ラックギヤ6を介してメインエンクロージャ1の内部に移動する。次いで、保護カバー12をメインエンクロージャ1の外表面に沿って、中高音用スピーカユニット3の前面に移動させる。駆動用モータ13の回転によりローラ14が反時計方向に回転し、保護カバー12を矢印方向に移動する。保護カバー12の移動が終了すると、保護カバー12は中高音用スピーカユニット3の前面を完全に閉止する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動の保護カバーを有するスピーカ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般的なスピーカ装置においては、スピーカユニット特にスピーカコーンの保護のため、また埃等からの保護のために、スピーカエンクロージャに取り外しが可能なように、サランネット等の布による保護カバーを設ける構造とされている。
【0003】
また、スピーカの保護のために、特許文献1のようにスピーカを鳴らさない場合には、シャッタを閉止する構成のものも知られている。
【0004】
更には、特許文献2のように前面を覆うすだれ式のシャッタを配置することがある。スピーカから音を出力するときには、すだれの方向を変えてスピーカの音が通るような構造とし、スピーカから音を出力しないときにはすだれを閉じて、スピーカを埃等から保護している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−121384号公報
【特許文献2】実開平5−39094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば特許文献1では、スピーカの不使用時はスピーカエンクロージャからシャッタ構造の蛇腹状の保護カバーが、スピーカを覆うように設けられている。しかし、スピーカを覆う保護カバーがスピーカの前面部を通過するため、エンクロージャよりもスピーカが奥まった配置となる。従って、スピーカから発する音がシャッタ溝や奥まったスピーカの角部等で音の回折を起こし、スピーカから出力される音が乱れるという問題がある。
【0007】
また、特許文献2においては、スピーカエンクロージャに配置されたすだれ状のシャッタのそれぞれの角度を調整することにより、スピーカ使用時と収納時で蓋をしたり開放したりする動作を行う。しかし、スピーカの使用時にすだれ状のシャッタがスピーカの前面部にあるため、スピーカからの音は十分に通過することがなく、同様に音の回折によりスピーカからの音が乱れるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、保護カバーを設けても発音時には保護カバーが除去され、音の回折が発生せず、音が乱れることのないスピーカ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るスピーカ装置は、サブエンクロージャの内部にスピーカユニットを備え、前記サブエンクロージャをメインエンクロージャに対し前後進を可能とし、スピーカの不使用時には前記サブエンクロージャを前記メインエンクロージャの内部に後進させ、保護カバーにより前記スピーカユニットの前面部を覆うようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るスピーカ装置によれば、スピーカの使用時には保護カバーは、メインエンクロージャの外側、又はメインエンクロージャの内側に収納される。発音時のスピーカはメインエンクロージャの表面から突出し、スピーカから発せられた音はメインエンクロージャによる音の反射や、音の回折が起こらず、スピーカからの音を殆ど乱れることなく発生できる。
【0011】
スピーカの不使用時には、保護カバーによりスピーカコーンを不慮の事故による破損から保護でき、またスピーカユニットを埃等から防護できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1のスピーカ装置のスピーカ使用時の断面図である。
【図2】スピーカ使用時の斜視図である。
【図3】スピーカ非使用時の初期状態の断面図である。
【図4】保護カバーの回転移動を始めた状態の断面図である。
【図5】保護カバーを閉じた状態の断面図である。
【図6】スピーカ収納時の状態の斜視図である。
【図7】実施例2のスピーカ使用時の通常の状態の正面図である。
【図8】スピーカ装置のスピーカ使用時の側面から見た断面図である。
【図9】スピーカ使用時の通常の状態の上面から見た断面図である。
【図10】スピーカの不使用時の状態の側面から見た断面図である。
【図11】スピーカの不使用時の状態の上面から見た断面図である。
【図12】スピーカの不使用時の状態でシャッタが閉じた状態の正面図である。
【図13】スピーカの不使用時の状態でシャッタが閉じた状態の側面から見た断面図である。
【図14】スピーカの不使用時の状態でシャッタが閉じた状態の上面から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は実施例1のスピーカ装置のスピーカ使用時の断面図、図2は斜視図である。球形のメインエンクロージャ1内のほぼ中央にウーファと呼ばれる低音用スピーカユニット2が配置され、また低音用スピーカユニット2の前方に音の放射方向が同軸に配置され、メインエンクロージャ1よりも前部に中高音用スピーカユニット3が突出されている。
【0015】
中高音用スピーカユニット3は背部を半球形としたサブエンクロージャ4の前部に固定され、サブエンクロージャ4の後方には低音用スピーカユニット2の振動板から成るスピーカコーン2aが隙間をおいて設けられている。
【0016】
また、サブエンクロージャ4はその後方の上下部にそれぞれ移動板5が平行に設けられ、サブエンクロージャ4はメインエンクロージャ1に対し前後方向に移動可能とされている。移動板5の表面に設けられたラックギヤ6が、メインエンクロージャ1に固定された駆動用モータ7により駆動される駆動ギア8と嵌合されている。駆動ギア8の回転により、ラックギヤ6を介して移動板5は前後進し、駆動ギア8とラックギヤ6の嵌合はローラ9により付勢されている。
【0017】
スピーカコーン2aとサブエンクロージャ4の背面板4aとの間は空間部とされ、低音用スピーカユニット2からの発音はこの空間部を介してサブエンクロージャ4に円弧状に設けられた低音用開口部11から外部に放出されるようになっている。
【0018】
メインエンクロージャ1の周囲には、中高音用スピーカユニット3の前面を保護するシャッタである保護カバー12が設けられ、保護カバー12は所定幅の円弧状とされている。メインエンクロージャ1には保護カバー12を回転駆動させるための駆動用モータ13、ローラ14が設けられている。スピーカ装置の使用中には、保護カバー12はメインエンクロージャ1の後方外側に位置し、中高音用スピーカユニット3の前方には音を遮断する遮蔽物はない。また、メインエンクロージャ1には保護カバー12を所定位置で検出する検出スイッチ15が設けられている。
【0019】
スピーカ装置の不使用時には、保護カバー12は低音用スピーカユニット2の前方に回転移動する。これにより、低音用スピーカユニット2から発音された低音を出力するための低音用開口部11を閉塞し、更に中高音用スピーカユニット3のスピーカコーン3aを保護すると共に、低音用スピーカユニット2の低音用スピーカコーン2aを保護する。
【0020】
図3はスピーカ装置の非使用時の状態を示し、保護カバー12を中高音用スピーカユニット3の前面に移動させる前の初期状態を示している。サブエンクロージャ4が駆動用モータ7により駆動ギア8、ラックギヤ6を介してメインエンクロージャ1の内部に移動した状態にある。
【0021】
図4は保護カバー12をメインエンクロージャ1の外表面に沿って、中高音用スピーカユニット3の前面に移動させ始めた状態を示している。駆動用モータ13の回転によりローラ14が反時計方向に回転し、保護カバー12は矢印で示す反時計方向に移動する途中にある。
【0022】
図5は保護カバー12の移動が終了し、中高音用スピーカユニット3の前面を完全に閉止した状態の断面図、図6はその斜視図を示している。このとき、保護カバー12により検出スイッチ15が押され、保護カバー12が閉止したことを検出して駆動用モータ13の回転を停止する。
【0023】
この状態では、低音用開口部11と中高音用スピーカユニット3の前面を保護カバー12により覆い、埃、外部からの不慮の事故等からスピーカコーン2a、3aを保護することができる。
【0024】
なお実施例1では、駆動用モータにより、サブエンクロージャ4、保護カバー12の動作を行っているが、駆動源には他にもワイヤ、リニアモータ、リンク等を使用することもできる。このようなサブエンクロージャ4は自動で移動させているが、手動で行うようにすることもできる。
【実施例2】
【0025】
図7は実施例2のスピーカ装置のスピーカ使用時の正面図、図8は側方から見た断面図、図9は上方から見た断面図である。箱状のメインエンクロージャ21内にサブエンクロージャ22が内蔵され、サブエンクロージャ22はメインエンクロージャ21に対し上下のローラ23を介して前後進自在とされている。サブエンクロージャ22の前面上部には中高音用スピーカユニット24が設けられ、その下部に低音用スピーカユニット25が配置されている。
【0026】
メインエンクロージャ21の両側面にはガイド溝26が内設され、それぞれのガイド溝26内には例えば蛇腹から成る可撓性を有する保護カバー27が収納されている。メインエンクロージャ21の内側中央には駆動用モータ28が設けられ、駆動用モータ28には減速ギヤユニット29を介してスクリュねじ30が突出されている。また、サブエンクロージャ22の後部にはスクリュねじ受け31が設けられ、スクリュねじ受け31にはスクリュねじ30が螺合されている。
【0027】
それぞれの保護カバー27の駆動には、両側のメインエンクロージャ21とサブエンクロージャ22の間のメインエンクロージャ21側には、保護カバー27に密接して駆動用ローラ32が配置されている。駆動用ローラ32は駆動用モータ33により回転されるようになっている。
【0028】
使用状態においては、中高音用スピーカユニット24、低音用スピーカユニット25の前面には保護カバー27も覆いなどもない。また、このときサブエンクロージャ22により中高音用スピーカユニット24、低音用スピーカユニット25がメインエンクロージャ21から突出しているため、音の回折が生ぜず音を忠実に再現できる。
【0029】
図10は保護カバー27を閉止する途中の状態の側方から見た断面図、図11は上方から見た断面図を示している。駆動用モータ28が回転し、回転駆動が減速ギヤユニット29に伝達され、スクリュねじ30が回転をする。このスクリュねじ30の回転により、スクリュねじ受け31を介してサブエンクロージャ22は、ローラ23により円滑に後方に移動しメインエンクロージャ21内に収容される。
【0030】
図12は不使用時にスピーカ装置の前面を保護カバー27が閉止した状態の正面図、図13は側方から見た断面図、図14は上方から見た断面図であり、保護カバー27は完全に低音用スピーカユニット25と中高音用スピーカユニット24の前面に覆っている。
【0031】
図10、図11に示すようにサブエンクロージャ22が後方に移動することにより、スピーカ装置の前面に保護カバー27を閉める空間が形成されている。駆動用モータ33を回転させることにより、駆動用ローラ32が回転し、左右に配置された保護カバー27がガイド溝26により誘導されて前進する。これにより、保護カバー27が両側から中高音用スピーカユニット24と低音用スピーカユニット25の前面部に移動して閉止がなされる。
【0032】
スピーカ装置を使用する場合には、逆の動きにより保護カバー27が開いてガイド溝26内に収納され、中高音用スピーカユニット24と低音用スピーカユニット25が現われ、良好に音を発生することができる。
【符号の説明】
【0033】
1、21 メインエンクロージャ
2、25 低音用スピーカユニット
3、24 中高音用スピーカユニット
5、22 サブエンクロージャ
11 低音用孔部
12、27 保護カバー
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動の保護カバーを有するスピーカ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、一般的なスピーカ装置においては、スピーカユニット特にスピーカコーンの保護のため、また埃等からの保護のために、スピーカエンクロージャに取り外しが可能なように、サランネット等の布による保護カバーを設ける構造とされている。
【0003】
また、スピーカの保護のために、特許文献1のようにスピーカを鳴らさない場合には、シャッタを閉止する構成のものも知られている。
【0004】
更には、特許文献2のように前面を覆うすだれ式のシャッタを配置することがある。スピーカから音を出力するときには、すだれの方向を変えてスピーカの音が通るような構造とし、スピーカから音を出力しないときにはすだれを閉じて、スピーカを埃等から保護している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−121384号公報
【特許文献2】実開平5−39094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば特許文献1では、スピーカの不使用時はスピーカエンクロージャからシャッタ構造の蛇腹状の保護カバーが、スピーカを覆うように設けられている。しかし、スピーカを覆う保護カバーがスピーカの前面部を通過するため、エンクロージャよりもスピーカが奥まった配置となる。従って、スピーカから発する音がシャッタ溝や奥まったスピーカの角部等で音の回折を起こし、スピーカから出力される音が乱れるという問題がある。
【0007】
また、特許文献2においては、スピーカエンクロージャに配置されたすだれ状のシャッタのそれぞれの角度を調整することにより、スピーカ使用時と収納時で蓋をしたり開放したりする動作を行う。しかし、スピーカの使用時にすだれ状のシャッタがスピーカの前面部にあるため、スピーカからの音は十分に通過することがなく、同様に音の回折によりスピーカからの音が乱れるという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、上述の問題点を解消し、保護カバーを設けても発音時には保護カバーが除去され、音の回折が発生せず、音が乱れることのないスピーカ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明に係るスピーカ装置は、サブエンクロージャの内部にスピーカユニットを備え、前記サブエンクロージャをメインエンクロージャに対し前後進を可能とし、スピーカの不使用時には前記サブエンクロージャを前記メインエンクロージャの内部に後進させ、保護カバーにより前記スピーカユニットの前面部を覆うようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るスピーカ装置によれば、スピーカの使用時には保護カバーは、メインエンクロージャの外側、又はメインエンクロージャの内側に収納される。発音時のスピーカはメインエンクロージャの表面から突出し、スピーカから発せられた音はメインエンクロージャによる音の反射や、音の回折が起こらず、スピーカからの音を殆ど乱れることなく発生できる。
【0011】
スピーカの不使用時には、保護カバーによりスピーカコーンを不慮の事故による破損から保護でき、またスピーカユニットを埃等から防護できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1のスピーカ装置のスピーカ使用時の断面図である。
【図2】スピーカ使用時の斜視図である。
【図3】スピーカ非使用時の初期状態の断面図である。
【図4】保護カバーの回転移動を始めた状態の断面図である。
【図5】保護カバーを閉じた状態の断面図である。
【図6】スピーカ収納時の状態の斜視図である。
【図7】実施例2のスピーカ使用時の通常の状態の正面図である。
【図8】スピーカ装置のスピーカ使用時の側面から見た断面図である。
【図9】スピーカ使用時の通常の状態の上面から見た断面図である。
【図10】スピーカの不使用時の状態の側面から見た断面図である。
【図11】スピーカの不使用時の状態の上面から見た断面図である。
【図12】スピーカの不使用時の状態でシャッタが閉じた状態の正面図である。
【図13】スピーカの不使用時の状態でシャッタが閉じた状態の側面から見た断面図である。
【図14】スピーカの不使用時の状態でシャッタが閉じた状態の上面から見た断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は実施例1のスピーカ装置のスピーカ使用時の断面図、図2は斜視図である。球形のメインエンクロージャ1内のほぼ中央にウーファと呼ばれる低音用スピーカユニット2が配置され、また低音用スピーカユニット2の前方に音の放射方向が同軸に配置され、メインエンクロージャ1よりも前部に中高音用スピーカユニット3が突出されている。
【0015】
中高音用スピーカユニット3は背部を半球形としたサブエンクロージャ4の前部に固定され、サブエンクロージャ4の後方には低音用スピーカユニット2の振動板から成るスピーカコーン2aが隙間をおいて設けられている。
【0016】
また、サブエンクロージャ4はその後方の上下部にそれぞれ移動板5が平行に設けられ、サブエンクロージャ4はメインエンクロージャ1に対し前後方向に移動可能とされている。移動板5の表面に設けられたラックギヤ6が、メインエンクロージャ1に固定された駆動用モータ7により駆動される駆動ギア8と嵌合されている。駆動ギア8の回転により、ラックギヤ6を介して移動板5は前後進し、駆動ギア8とラックギヤ6の嵌合はローラ9により付勢されている。
【0017】
スピーカコーン2aとサブエンクロージャ4の背面板4aとの間は空間部とされ、低音用スピーカユニット2からの発音はこの空間部を介してサブエンクロージャ4に円弧状に設けられた低音用開口部11から外部に放出されるようになっている。
【0018】
メインエンクロージャ1の周囲には、中高音用スピーカユニット3の前面を保護するシャッタである保護カバー12が設けられ、保護カバー12は所定幅の円弧状とされている。メインエンクロージャ1には保護カバー12を回転駆動させるための駆動用モータ13、ローラ14が設けられている。スピーカ装置の使用中には、保護カバー12はメインエンクロージャ1の後方外側に位置し、中高音用スピーカユニット3の前方には音を遮断する遮蔽物はない。また、メインエンクロージャ1には保護カバー12を所定位置で検出する検出スイッチ15が設けられている。
【0019】
スピーカ装置の不使用時には、保護カバー12は低音用スピーカユニット2の前方に回転移動する。これにより、低音用スピーカユニット2から発音された低音を出力するための低音用開口部11を閉塞し、更に中高音用スピーカユニット3のスピーカコーン3aを保護すると共に、低音用スピーカユニット2の低音用スピーカコーン2aを保護する。
【0020】
図3はスピーカ装置の非使用時の状態を示し、保護カバー12を中高音用スピーカユニット3の前面に移動させる前の初期状態を示している。サブエンクロージャ4が駆動用モータ7により駆動ギア8、ラックギヤ6を介してメインエンクロージャ1の内部に移動した状態にある。
【0021】
図4は保護カバー12をメインエンクロージャ1の外表面に沿って、中高音用スピーカユニット3の前面に移動させ始めた状態を示している。駆動用モータ13の回転によりローラ14が反時計方向に回転し、保護カバー12は矢印で示す反時計方向に移動する途中にある。
【0022】
図5は保護カバー12の移動が終了し、中高音用スピーカユニット3の前面を完全に閉止した状態の断面図、図6はその斜視図を示している。このとき、保護カバー12により検出スイッチ15が押され、保護カバー12が閉止したことを検出して駆動用モータ13の回転を停止する。
【0023】
この状態では、低音用開口部11と中高音用スピーカユニット3の前面を保護カバー12により覆い、埃、外部からの不慮の事故等からスピーカコーン2a、3aを保護することができる。
【0024】
なお実施例1では、駆動用モータにより、サブエンクロージャ4、保護カバー12の動作を行っているが、駆動源には他にもワイヤ、リニアモータ、リンク等を使用することもできる。このようなサブエンクロージャ4は自動で移動させているが、手動で行うようにすることもできる。
【実施例2】
【0025】
図7は実施例2のスピーカ装置のスピーカ使用時の正面図、図8は側方から見た断面図、図9は上方から見た断面図である。箱状のメインエンクロージャ21内にサブエンクロージャ22が内蔵され、サブエンクロージャ22はメインエンクロージャ21に対し上下のローラ23を介して前後進自在とされている。サブエンクロージャ22の前面上部には中高音用スピーカユニット24が設けられ、その下部に低音用スピーカユニット25が配置されている。
【0026】
メインエンクロージャ21の両側面にはガイド溝26が内設され、それぞれのガイド溝26内には例えば蛇腹から成る可撓性を有する保護カバー27が収納されている。メインエンクロージャ21の内側中央には駆動用モータ28が設けられ、駆動用モータ28には減速ギヤユニット29を介してスクリュねじ30が突出されている。また、サブエンクロージャ22の後部にはスクリュねじ受け31が設けられ、スクリュねじ受け31にはスクリュねじ30が螺合されている。
【0027】
それぞれの保護カバー27の駆動には、両側のメインエンクロージャ21とサブエンクロージャ22の間のメインエンクロージャ21側には、保護カバー27に密接して駆動用ローラ32が配置されている。駆動用ローラ32は駆動用モータ33により回転されるようになっている。
【0028】
使用状態においては、中高音用スピーカユニット24、低音用スピーカユニット25の前面には保護カバー27も覆いなどもない。また、このときサブエンクロージャ22により中高音用スピーカユニット24、低音用スピーカユニット25がメインエンクロージャ21から突出しているため、音の回折が生ぜず音を忠実に再現できる。
【0029】
図10は保護カバー27を閉止する途中の状態の側方から見た断面図、図11は上方から見た断面図を示している。駆動用モータ28が回転し、回転駆動が減速ギヤユニット29に伝達され、スクリュねじ30が回転をする。このスクリュねじ30の回転により、スクリュねじ受け31を介してサブエンクロージャ22は、ローラ23により円滑に後方に移動しメインエンクロージャ21内に収容される。
【0030】
図12は不使用時にスピーカ装置の前面を保護カバー27が閉止した状態の正面図、図13は側方から見た断面図、図14は上方から見た断面図であり、保護カバー27は完全に低音用スピーカユニット25と中高音用スピーカユニット24の前面に覆っている。
【0031】
図10、図11に示すようにサブエンクロージャ22が後方に移動することにより、スピーカ装置の前面に保護カバー27を閉める空間が形成されている。駆動用モータ33を回転させることにより、駆動用ローラ32が回転し、左右に配置された保護カバー27がガイド溝26により誘導されて前進する。これにより、保護カバー27が両側から中高音用スピーカユニット24と低音用スピーカユニット25の前面部に移動して閉止がなされる。
【0032】
スピーカ装置を使用する場合には、逆の動きにより保護カバー27が開いてガイド溝26内に収納され、中高音用スピーカユニット24と低音用スピーカユニット25が現われ、良好に音を発生することができる。
【符号の説明】
【0033】
1、21 メインエンクロージャ
2、25 低音用スピーカユニット
3、24 中高音用スピーカユニット
5、22 サブエンクロージャ
11 低音用孔部
12、27 保護カバー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブエンクロージャの内部にスピーカユニットを備え、前記サブエンクロージャをメインエンクロージャに対し前後進を可能とし、スピーカの不使用時には前記サブエンクロージャを前記メインエンクロージャの内部に後進させ、保護カバーにより前記スピーカユニットの前面部を覆うようにしたことを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
前記スピーカユニットの使用時には、前記保護カバーを後方に移動し、前記サブエンクロージャは前記メインエンクロージャの前部よりも前方に突出することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記サブエンクロージャは自動又は手動で前後進を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記メインエンクロージャに他のスピーカユニットを配置し、前記他のスピーカユニットは前記スピーカユニットと音の放出方向を同軸として配置したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記保護カバーは前記メインエンクロージャの外表面に沿って移動することを特徴とする請求項1〜4の何れか1つの請求項に記載のスピーカ装置。
【請求項6】
前記保護カバーは前記スピーカユニットの非使用時に前記メインエンクロージャの内部に収納したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載のスピーカ装置。
【請求項1】
サブエンクロージャの内部にスピーカユニットを備え、前記サブエンクロージャをメインエンクロージャに対し前後進を可能とし、スピーカの不使用時には前記サブエンクロージャを前記メインエンクロージャの内部に後進させ、保護カバーにより前記スピーカユニットの前面部を覆うようにしたことを特徴とするスピーカ装置。
【請求項2】
前記スピーカユニットの使用時には、前記保護カバーを後方に移動し、前記サブエンクロージャは前記メインエンクロージャの前部よりも前方に突出することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ装置。
【請求項3】
前記サブエンクロージャは自動又は手動で前後進を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカ装置。
【請求項4】
前記メインエンクロージャに他のスピーカユニットを配置し、前記他のスピーカユニットは前記スピーカユニットと音の放出方向を同軸として配置したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載のスピーカ装置。
【請求項5】
前記保護カバーは前記メインエンクロージャの外表面に沿って移動することを特徴とする請求項1〜4の何れか1つの請求項に記載のスピーカ装置。
【請求項6】
前記保護カバーは前記スピーカユニットの非使用時に前記メインエンクロージャの内部に収納したことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つの請求項に記載のスピーカ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−176725(P2011−176725A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40476(P2010−40476)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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