説明

スピーカ配設システム及びスピーカ装置

【課題】ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカを配設する。
【解決手段】家屋における室内の天井1や壁に設置され、照明装置21,22を取り付け可能なライティングダクト10と、無線送信されたオーディオ信号を受信する赤外線受信機を有し、ライティングダクト10に取り付けられ、ライティングダクト10を介して電源電力の供給を受けて、赤外線受信機によって受信されたオーディオ信号が示す音を出力するスピーカ装置31,32と、オーディオ信号を生成するディジタルオーディオプレイヤ40と、ディジタルオーディオプレイヤ40によって生成されたオーディオ信号を、赤外線受信機に向けて無線送信する赤外線送信機41とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家屋における室内の天井や壁にスピーカ装置を配設するためのスピーカ配設システム及びスピーカ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、家屋や店舗などの屋内で音楽を流すために、屋内の天井に配設される照明装置が取付可能な照明取付具に、スピーカを取り付けるようにしたものがあった(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、スピーカやダウンライトなどの付帯設備が2種以上配設可能な器具本体を備えた照明システムが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−158363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示された従来の照明システムでは、スピーカなどの付帯設備を配設する際の付帯設備の信号ケーブルや電源ケーブルの配線について何ら考慮されていないため、付帯設備のケーブルが広範囲に亘って天井から露出した状態となるおそれがあり、スピーカなどの付帯設備が配設された場合に露出したケーブルによって天井が乱雑になるおそれがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカを配設することが可能なスピーカ配設システム及びスピーカ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るスピーカ配設システムは、屋内の天井や壁に設置され、照明装置を取り付け可能な照明取付具と、無線送信されたオーディオ信号を受信する信号受信手段を有し、前記照明取付具に取り付けられ、当該照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、前記信号受信手段によって受信されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置と、オーディオ信号を生成するオーディオソースと、前記オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、前記スピーカ装置の信号受信手段に向けて無線送信する信号送信手段とを備えることを特徴とする。このように構成することで、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカを配設することができるようになる。
【0007】
また、本発明に係るスピーカ配設システムは、屋内の天井や壁に設置され、当該天井や壁内に配線された屋内配線用ケーブルの一端に接続され、照明装置を取り付け可能な照明取付具と、前記照明取付具に取り付けられ、当該照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、前記屋内配線用ケーブルを介して入力されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置と、オーディオ信号を生成するオーディオソースと、前記オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、前記屋内の天井や壁に設置され前記屋内配線用ケーブルの他端に接続された信号受信手段に向けて無線送信する信号送信手段とを備えることを特徴とする。このように構成した場合であっても、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカを配設することができるようになる。
【0008】
前記オーディオ信号は、例えば、赤外線信号を含む所定の周波数帯の無線信号によって伝送される。
【0009】
さらに、本発明に係るスピーカ配設システムは、屋内の天井や壁に設置され、当該天井や壁内に配線された屋内配線用電力線に接続され、照明装置を取り付け可能な照明取付具と、前記照明取付具に取り付けられ、当該照明取付具を介して電源電力の供給を受けると共に、前記屋内配線用電力線に重畳されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置と、オーディオ信号を生成するオーディオソースと、前記オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、前記屋内配線用電力線に接続された電源コンセントを介して当該屋内配線用電力線に重畳させて電力線搬送させる信号伝送手段とを備えたことを特徴とする。このように構成した場合であっても、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカを配設することができるようになる。
【0010】
前記屋内配線用電力線は、互いに分離された複数の屋内配線用電力線からなり、前記照明取付具及びスピーカ装置は、前記複数の屋内配線用電力線のそれぞれに設けられており、前記複数の屋内配線用電力線間で前記オーディオ信号を送受信するための送受信装置を更に備える構成としてもよい。
【0011】
前記照明取付具は、例えば、前記照明装置を移動可能に取り付け可能なライティングダクトであり、前記スピーカ装置が移動可能に取り付けられる。
【0012】
本発明に係るスピーカ装置は、屋内の天井や壁に設置され、照明装置を取り付け可能な照明取付具に取り付けられるスピーカ装置であって、スピーカ筐体と、前記スピーカ筐体の内部に設けられたウーハ部と、前記スピーカ筐体の内部空間を分離するように配置されたネットワーク基板と、前記ウーハ部と前記ネットワーク基板の間に配される吸音材と、前記スピーカ筐体の内部に一端が設置されるバスレフダクトと、前記スピーカ筐体の前方に突出して設けられるツィータ部とを備えることを特徴とする。このように構成したことで、照明装置が取り付けられた場合と同様の室内外観となるようにスピーカ装置を取り付けることが可能となる。また、ネットワーク基板によって、吸音材の位置を安定させることができるとともに、ウーハ部の高域をカットすることができるようになる。
【0013】
前記バスレフダクトは、中空の柱状に形成され、長手方向の一部が前記スピーカ筐体の後方に突出するように当該スピーカ筐体の後方に設けられた開口部に設置されることが望ましい。この場合、スピーカ筐体の空間を広くとることができるようになり、低音の音質を向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカを配設することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係るスピーカ配設システム及びスピーカ配設システムに配設されるスピーカ装置の実施形態について説明する。
【0016】
[実施の形態1]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るスピーカ配設システムの構成の例を示す説明図である。図1に示すように、本例のスピーカ配設システムは、家屋や店舗の屋内の天井1に固定設置されるライティングダクト(配線ダクト)10と、ライティングダクト10に着脱可能に取り付けられた照明装置21,22と、ライティングダクト10に着脱可能に取り付けられたスピーカ装置31,32と、ディジタルオーディオプレーヤ40と、赤外線送信機41とを備えている。
【0017】
ライティングダクト10は、小型のスポットライトなどの照明装置21,22を任意の位置に取り付け可能な器具であり、取り付けられた照明装置21,22に対して電源電力を供給する構造を成している。このライティングダクト10は、例えば、端部に設けられた図示しないフィードインキャップを介して取り込んだ電力を内部に敷設された一対の線状導線を介して照明装置21,22に供給可能な構造を成している。なお、ライティングダクト10は、引っ掛けシーリングを介して電源コネクタに接続されていてもよい。
【0018】
スピーカ装置31,32は、それぞれ、スピーカ本体31a,32aと、スピーカ本体31a,32aを保持してライティングダクト10に取り付けるためのアーム31b,32b及びダクトホルダ31c,32cと、アンプユニット31d,32dとを含む。アンプユニット31d,32dには、それぞれ、赤外線受信機と、アンプとが内蔵されている。本例では、スピーカ本体31a,32aは、スポットライトなどの照明用の筐体を用いて製造されている。
【0019】
本例では、図1に示すように、スピーカ装置31,32は、それぞれ、ライティングダクト10に取り付けられている。そして、スピーカ装置31,32は、それぞれ、ライティングダクト10にダクトホルダ31c,32cを取り付けることによって、ライティングダクト10と任意の位置で電気的に接続される。ダクトホルダ31c,32cは、照明装置21,22用のものと同様、例えばJIS C 8366に規定されたものを用いることができる。
【0020】
スピーカ装置31,32におけるオーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、それぞれ、アンプユニット31d,32dからダクトホルダ31c,32cを介してスピーカ本体31a,32aに導入される。このため、オーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、外部に極力露出しないように配線されている。
【0021】
図1に示す例では、ディジタルオーディオプレーヤ40から出力されたオーディオ信号は、屋内の所定の位置に配置された赤外線送信機41によって変調され無線送信される。無線送信されたオーディオ信号は、各スピーカ装置31,32のアンプユニット31d,32dに内蔵されている赤外線受信機によって受信される。そして、受信されたオーディオ信号は、アンプユニット31d,32d内で復調されたのち増幅され、スピーカ本体31a,32aから音声出力される。
【0022】
上記の例では、ライティングダクト10が天井1に設置されることとしていたが、ライティングダクト10が室内の壁に取り付けられるものであってもよい。
【0023】
上述した第1の実施の形態では、屋内の天井1や壁に設置され、照明装置21,22を取り付け可能な照明取付具(ライティングダクト10)と、無線送信されたオーディオ信号を受信する信号受信手段(アンプユニット31d,32dに内蔵されている赤外線受信機)を有し、照明取付具に取り付けられ、その照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、信号受信手段によって受信されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置31,32と、オーディオ信号を生成するオーディオソース(ディジタルオーディオプレーヤ40)と、オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、スピーカ装置の信号受信手段に向けて無線送信する信号送信手段(赤外線送信機41)とを備える構成としたので、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することができるようになる。
【0024】
すなわち、照明装置21,22を取り付けるとともにその照明装置21,22に電源電力を供給するためのライティングダクト10にスピーカ装置31,32を取り付け、ライティングダクト10を介してスピーカ装置31,32に電力を供給する構成としたので、電源ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することが可能となる。
【0025】
また、赤外線受信機が内蔵されたアンプユニット31d,32dを備えたスピーカ装置31,32を、ダクトホルダ31c,32cによってライティングダクト10に取り付け、ディジタルオーディオプレイヤ40からのオーディオ信号を赤外線信号によりスピーカ装置31,32に無線送信する構成とし、赤外線受信機にて受信されたオーディオ信号がアンプユニット31d,32dからダクトホルダ31c,32cを介してスピーカ本体31a,32aに導入される構成としたので、オーディオ信号を伝送するための信号ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することが可能となる。
【0026】
また、スピーカ装置を設置するための電源ケーブルやオーディオ信号ケーブルを新たに配線したり、電池を用いたりすることなく、既存の照明装置を設置するための設備を用いて容易にスピーカ装置を取り付けることが可能となる。すなわち、照明用のダクトを利用する構成としているので、スピーカ装置を設置するための電気工事を行うことなく、スピーカ装置を取り付けることが可能となる。
【0027】
[実施の形態2]
図2は、本発明の第2の実施形態に係るスピーカ配設システムの構成の例を示す説明図である。図2に示すように、本例のスピーカ配設システムは、家屋や店舗の屋内の天井1に固定設置されるダウンライト用ホルダ11,12,13,14と、ダウンライト用ホルダ11,12に着脱可能に取り付けられたダウンライトなどの照明装置23,24と、ダウンライト用ホルダ13,14に着脱可能に取り付けられたスピーカ装置33,34と、ディジタルオーディオプレイヤ40と、赤外線送信機41と、屋内の壁2に設置されたアンプユニット50とを備えている。なお、上述した第1の実施の形態におけるスピーカ配設システムと同様の構成及び動作をするものについては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
【0028】
ダウンライト用ホルダ11,12,13,14は、それぞれ、天井1に埋設され、ダウンライトなどの照明装置23,24を取り付け可能なボルダであり、取り付けられた照明装置23,24に対して電源電力を供給する構造を成している。このダウンライト用ホルダ11,12,13,14のうちダウンライト用ホルダ13,14は、それぞれ、天井1や壁2の中や裏に配線されている「Fケーブル」あるいは「VAケーブル」と呼ばれるVVFケーブル(平型ビニール絶縁ビニールシースケーブル)などの屋内配線用ケーブル3が導入されているジョイントボックス4に接続されている。なお、屋内配線用ケーブル3の種類は、どのようなものであってもよい。
【0029】
また、ダウンライト用ホルダ11,12,13,14には、図示はしないが、取り付けられた照明装置23,24やスピーカ装置33,34に電源電力を供給するための電源ケーブルが天井1の中あるいは裏から導入されている。ダウンライト用ホルダ11,12,13,14は、取り付けられた照明装置23,24やスピーカ装置33,34に電源電力を供給可能な構造を成している。
【0030】
スピーカ装置33,34は、それぞれ、スピーカ本体33a,34aと、スピーカ本体33a,34aを保持してダウンライト用ホルダ13,14に取り付けるためのアーム33b,34b及びダクトホルダ33c,34cとを含む。本例では、スピーカ本体33a,34aは、スポットライトなどの照明用の筐体を用いて製造されている。
【0031】
本例では、図2に示すように、スピーカ装置33,34は、それぞれ、ダウンライト用ホルダ13,14に取り付けられている。スピーカ装置33,34は、それぞれ、ダウンライト用ホルダ13,14にダクトホルダ33c,34cを取り付けることによって、電源ケーブル及び屋内配線用ケーブル3と電気的に接続される。電気的に接続されたスピーカ装置33,34は、それぞれ、ダウンライト用ホルダ13,14を介してダクトホルダ33c,34cの取付部分から電源電力を取り込む。本例では、スピーカ本体33a,34aに導入されている電源ケーブルは、それぞれ、ダクトホルダ33c,34c内に導かれており、外部に極力露出しないように配線されている。
【0032】
スピーカ装置33,34におけるオーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、それぞれ、ダクトホルダ33c,34cを介してスピーカ本体33a,34aに導入される。このため、オーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、外部に極力露出しないように配線されている。なお、スピーカ装置33,34におけるオーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、ダウンライト用ホルダ13,14にダクトホルダ33c,34cが取り付けられた際に、ダウンライト用ホルダ13,14からジョイントボックス4に導入されている信号ケーブルと電気的に接続される。
【0033】
図2に示す例では、ディジタルオーディオプレイヤ40から出力されたオーディオ信号は、屋内の所定の位置に配置された赤外線送信機41によって無線送信される。無線送信されたオーディオ信号は、アンプユニット50に内蔵されている赤外線受信機によって受信される。そして、受信されたオーディオ信号が、アンプユニット50に内蔵されているアンプによって増幅され、屋内配線用ケーブル3及びジョイントボックス4を介してスピーカ装置33,34に導入され、スピーカ本体33a,34aから音声出力される。
【0034】
上述した第2の実施の形態では、屋内の天井1や壁2に設置され、天井1や壁2内に配線された屋内配線用ケーブル(例えばFケーブル)3の一端に接続され、照明装置を取り付け可能な照明取付具(ダウンライト用ホルダ13,14)と、照明取付具に取り付けられ、その照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、屋内配線用ケーブルを介して入力されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置33,34と、オーディオ信号を生成するオーディオソース(ディジタルオーディオプレイヤ40)と、オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、屋内の天井1や壁2に設置され屋内配線用ケーブル3の他端に接続された信号受信手段(アンプユニット50に内蔵されている赤外線受信機)に向けて無線送信する信号送信手段(赤外線送信機41)とを備える構成としたので、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することができるようになる。
【0035】
すなわち、ダウンライトなどの照明装置を取り付けるとともにその照明装置に電源電力を供給するためのダウンライト用ホルダ13,14にスピーカ装置33,34を取り付け、ダウンライト用ホルダ13,14を介してスピーカ装置33,34に電力を供給する構成としたので、電源ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することが可能となる。
【0036】
また、赤外線受信機が内蔵されたアンプユニット50を屋内配線用ケーブル3に接続し、その屋内配線用ケーブル3をジョイントボックス4に導入し、ジョイントボックス4及びダウンライト用ホルダ13,14を介してオーディオ信号をスピーカ装置33,34に伝送する構成とし、ディジタルオーディオプレイヤ40からのオーディオ信号を赤外線信号によりアンプユニット50に無線送信する構成とし、赤外線受信機にて受信されたオーディオ信号がアンプユニット50から屋内配線用ケーブル3、ジョイントボックス4及びダウンライト用ホルダ13,14を介してスピーカ本体33a,34aに導入される構成としたので、オーディオ信号を伝送するための信号ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することが可能となる。
【0037】
[実施の形態3]
図3は、本発明の第3の実施形態に係るスピーカ配設システムの構成の例を示す説明図である。図3に示すように、本例のスピーカ配設システムは、家屋や店舗の屋内の天井1に固定設置されるダウンライト用ホルダ11,12,13,14と、ダウンライト用ホルダ11,12に着脱可能に取り付けられたダウンライトなどの照明装置23,24と、ダウンライト用ホルダ13,14に着脱可能に取り付けられたスピーカ装置35,36と、ディジタルオーディオプレイヤ40と、赤外線送信機41とを備えている。なお、上述した第1の実施の形態及び第2の実施の形態におけるスピーカ配設システムと同様の構成及び動作をするものについては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
【0038】
本例では、ダウンライト用ホルダ13,14には、図示はしないが、取り付けられたスピーカ装置35,36に電源電力を供給するための電源ケーブルが天井1の中あるいは裏から導入されている。ダウンライト用ホルダ13,14は、取り付けられたスピーカ装置35,36に電源電力を供給可能な構造を成している。
【0039】
スピーカ装置35,36は、それぞれ、スピーカ本体35a,36aと、スピーカ本体35a,36aを保持してダウンライト用ホルダ13,14に取り付けるためのアーム35b,36b及びダクトホルダ35c,36cと、アンプユニット35d,36dとを含む。アンプユニット35d,36dには、それぞれ、赤外線受信機と、アンプとが内蔵されている。本例では、スピーカ本体35a,36aは、スポットライトなどの照明用の筐体を用いて製造されている。
【0040】
本例では、図3に示すように、スピーカ装置35,36は、それぞれ、ダウンライト用ホルダ13,14に取り付けられている。スピーカ装置35,36は、それぞれ、ダウンライト用ホルダ13,14にダクトホルダ35c,36cを取り付けることによって、電源ケーブルと電気的に接続される。電気的に接続されたスピーカ装置35,36は、それぞれ、ダウンライト用ホルダ13,14を介してダクトホルダ35c,36cの取付部分から電源電力を取り込む。本例では、スピーカ本体35a,36aに導入されている電源ケーブルは、それぞれ、ダクトホルダ35c,36c内に導かれており、外部に極力露出しないように配線されている。
【0041】
スピーカ装置35,36におけるオーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、それぞれ、アンプユニット35d,36dからダクトホルダ35c,36cを介してスピーカ本体35a,36aに導入される。このため、オーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、外部に極力露出しないように配線されている。
【0042】
図3に示す例では、ディジタルオーディオプレイヤ40から出力されたオーディオ信号は、屋内の所定の位置に配置された赤外線送信機41によって無線送信される。無線送信されたオーディオ信号は、各スピーカ装置35,36のアンプユニット35d,36dに内蔵されている赤外線受信機によって受信される。そして、受信されたオーディオ信号が、各スピーカ装置35,36のアンプユニット35d,36dに内蔵されているアンプによって増幅され、スピーカ本体35a,36aから音声出力される。
【0043】
上述した第3の実施の形態では、屋内の天井1や壁に設置され、照明装置21,22を取り付け可能な照明取付具(ダウンライト用ホルダ13,14)と、無線送信されたオーディオ信号を受信する信号受信手段(アンプユニット35d,36dに内蔵されている赤外線受信機)を有し、照明取付具に取り付けられ、その照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、信号受信手段によって受信されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置35,36と、オーディオ信号を生成するオーディオソース(ディジタルオーディオプレーヤ40)と、オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、スピーカ装置35,36の信号受信手段に向けて無線送信する信号送信手段(赤外線送信機41)とを備える構成としたので、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することができるようになる。
【0044】
すなわち、ダウンライトなどの照明装置を取り付けるとともにその照明装置に電源電力を供給するためのダウンライト用ホルダ13,14にスピーカ装置35,36を取り付け、ダウンライト用ホルダ13,14を介してスピーカ装置35,36に電力を供給する構成としたので、電源ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することが可能となる。
【0045】
また、赤外線受信機が内蔵されたアンプユニット35d,36dを備えたスピーカ装置35,36を、ダクトホルダ35c,36cによってダウンライト用ホルダ13,14に取り付け、ディジタルオーディオプレイヤ40からのオーディオ信号を赤外線信号によりスピーカ装置35,36に無線送信する構成とし、赤外線受信機にて受信されたオーディオ信号がアンプユニット35d,36dからダクトホルダ35c,36cを介してスピーカ本体35a,36aに導入される構成としたので、オーディオ信号を伝送するための信号ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することが可能となる。
【0046】
[実施の形態4]
図4は、本発明の第4の実施形態に係るスピーカ配設システムの構成の例を示す説明図である。図4に示すように、本例のスピーカ配設システムは、家屋や店舗の屋内の天井1に固定設置されるライティングダクト10と、ライティングダクト10に着脱可能に取り付けられた照明装置21,22と、ライティングダクト10に着脱可能に取り付けられたスピーカ装置31A,32Aと、ディジタルオーディオプレイヤ40と、無線送信機42とを備えている。なお、上述した第1の実施の形態におけるスピーカ配設システムと同様の構成及び動作をするものについては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
【0047】
スピーカ装置31A,32Aは、それぞれ、スピーカ本体31a,32aと、スピーカ本体31a,32aを保持してライティングダクト10に取り付けるためのアーム31b,32b及びダクトホルダ31c,32cと、アンプユニット31e,32eとを含む。アンプユニット31e,32eには、それぞれ、無線受信機と、アンプとが内蔵されている。
【0048】
本例では、無線送信機42は、例えば2.4GHz等の所定の周波数帯域の無線信号を送信する機能を有する。そして、アンプユニット31e,32eに内蔵されている無線受信機は、少なくとも無線送信機42によって送信される周波数帯域の無線信号を受信する機能を備えている。
【0049】
スピーカ装置31A,32Aにおけるオーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、それぞれ、アンプユニット31e,32eからダクトホルダ31c,32cを介してスピーカ本体31a,32aに導入される。このため、オーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、外部に極力露出しないように配線されている。
【0050】
図4に示す例では、ディジタルオーディオプレイヤ40から出力されたオーディオ信号は、屋内の所定の位置に配置された無線送信機42によって無線送信される。無線送信されたオーディオ信号は、各スピーカ装置31A,32Aのアンプユニット31e,32eに内蔵されている無線受信機によって受信される。そして、受信されたオーディオ信号が、各スピーカ装置31A,32Aのアンプユニット31e,32eに内蔵されているアンプによって増幅され、スピーカ本体31a,32aから音声出力される。
【0051】
上述した第4の実施の形態では、屋内の天井1や壁に設置され、照明装置21,22を取り付け可能な照明取付具(ライティングダクト10)と、無線送信されたオーディオ信号を受信する信号受信手段(アンプユニット31e,32eに内蔵されている無線受信機)を有し、照明取付具に取り付けられ、その照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、信号受信手段によって受信されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置31A,32Aと、オーディオ信号を生成するオーディオソース(ディジタルオーディオプレーヤ40)と、オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、スピーカ装置の信号受信手段に向けて無線送信する信号送信手段(無線送信機42)とを備える構成としたので、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することができるようになる。
【0052】
すなわち、照明装置21,22を取り付けるとともにその照明装置21,22に電源電力を供給するためのライティングダクト10にスピーカ装置31A,32Aを取り付け、ライティングダクト10を介してスピーカ装置31A,32Aに電力を供給する構成としたので、電源ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することが可能となる。
【0053】
また、無線受信機が内蔵されたアンプユニット31e,32eを備えたスピーカ装置31A,32Aを、ダクトホルダ31c,32cによってライティングダクト10に取り付け、ディジタルオーディオプレイヤ40からのオーディオ信号を無線信号によりスピーカ装置31A,32Aに送信する構成とし、無線受信機にて受信されたオーディオ信号がアンプユニット31e,32eからダクトホルダ31c,32cを介してスピーカ本体31a,32aに導入される構成としたので、オーディオ信号を伝送するための信号ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカを配設することが可能となる。
【0054】
[実施の形態5]
図5は、本発明の第5の実施形態に係るスピーカ配設システムの構成の例を示す説明図である。図5に示すように、本例のスピーカ配設システムは、家屋や店舗の屋内の1階及び2階の天井にそれぞれ固定設置されるライティングダクト10と、1階に設置されたライティングダクト10に着脱可能に取り付けられたスピーカ装置31B,32Bと、2階に設置されたライティングダクト10に着脱可能に取り付けられたスピーカ装置31C,32Cと、ディジタルオーディオプレイヤ40と、ディジタルオーディオプレイヤ40に接続されたPLC(Power Line Communication)ユニット51と、1階に設置されたPLCユニット51に接続された相間アダプタ61と、2階フロア内に設けられている電源コンセントに接続された相間アダプタ62とを備えている。なお、上述した第1〜第4の実施の形態におけるスピーカ配設システムと同様の構成及び動作をするものについては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
【0055】
本例では、ライティングダクト10には、天井や壁の中や裏に配線されている屋内配線用ケーブル3a,3bが接続されている。なお、屋内配線用ケーブル3a,3bは、上述した屋内配線用ケーブル3と同じものである。屋内配線用ケーブル3aは、PLCユニット51の電源ケーブルが接続され、1階に設置されているライティングダクト10と、分電盤5とに導入されている。屋内配線用ケーブル3bは、相間アダプタ62の電源ケーブルが接続され、2階に設置されているライティングダクト10と、分電盤5とに導入されている。本例では、ライティングダクト10は、屋内配線用ケーブル3a,3bから照明用電源コネクタを介して取り込んだ電力を照明装置やスピーカ装置31B,32B,31C,32Cに供給可能な構造を成している。
【0056】
スピーカ装置31B,32B,31C,32Cは、それぞれ、スピーカ本体31a,32aと、アーム31b,32b及びダクトホルダ31c,32cと、アンプユニット31f,32fとを含む。アンプユニット31f,32fには、それぞれ、PLCデコーダと、アンプとが内蔵されている。
【0057】
スピーカ装置31B,32B,31C,32Cは、それぞれ、ライティングダクト10にダクトホルダ31c,32cを取り付けることによって、ライティングダクト10と電気的に接続される。電気的に接続されたスピーカ装置31B,32B,31C,32Cは、それぞれ、照明用電源コネクタを介してライティングダクト10が取り込んだ電力を、電源電力として、ライティングダクト10を介してダクトホルダ31c,32cの取付部分から取り込む。本例では、スピーカ本体31a,32aに導入されている電源ケーブルは、それぞれ、ダクトホルダ31c,32c内に導かれており、外部に極力露出しないように配線されている。
【0058】
スピーカ装置31B,32B,31C,32Cにおけるオーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、それぞれ、アンプユニット31f,32fからダクトホルダ31c,32cを介してスピーカ本体31a,32aに導入される。このため、オーディオ信号を伝送するための信号ケーブルは、外部に極力露出しないように配線されている。
【0059】
図5に示す例では、ディジタルオーディオプレイヤ40から出力されたオーディオ信号は、屋内の所定の位置に配置されたPLCユニット51に入力される。PLCユニット51は、オーディオ信号を1階フロアに設けられている電源コンセントを介して屋内配線用ケーブル3aに伝送する。屋内配線用ケーブル3aに導入されたオーディオ信号は、照明用電源コネクタを介して1階に設置されているライティングダクト10に伝送されて、スピーカ装置31B,32Bが備えるアンプユニット31f,32fに入力される。そして、入力されたオーディオ信号は、アンプユニット31f,32fに内蔵されているアンプによって増幅され、スピーカ装置31B,32Bが備えるスピーカ本体31a,32aから音声出力される。
【0060】
また、PLCユニット51は、ディジタルオーディオプレイヤ40からのオーディオ信号を相間アダプタ61に伝送する。相間アダプタ61は、入力したオーディオ信号を無線送信する。1階フロアに設けられている相間アダプタ61によって無線送信されたオーディオ信号は、2階フロアに設けられている相間アダプタ62によって受信され、2階フロアに設けられている電源コンセントを介して屋内配線用ケーブル3bに伝送される。屋内配線用ケーブル3bに導入されたオーディオ信号は、照明用電源コネクタを介して2階に設置されているライティングダクト10に伝送され、スピーカ装置31C,32Cが備えるアンプユニット31f,32fに入力される。そして、入力されたオーディオ信号は、アンプユニット31f,32fに内蔵されているアンプによって増幅され、スピーカ装置31C,32Cが備えるスピーカ本体31a,32aから音声出力される。
【0061】
上述した第5の実施の形態では、家屋における室内(例えば1階フロア内)の天井や壁に設置され、天井や壁内に配線された屋内配線用電力ケーブル(例えばFケーブル)3a,3bにオーディオ信号を10〜450kHz程度の周波数の搬送波で変調した変調信号を重畳して伝送する電力線搬送(PLC)技術を利用している。このシステムは、屋内配線用電力ケーブル3aの一端に接続され、照明装置を取り付け可能な第1の照明取付具(1階フロアに設けられているライティングダクト10)と、屋内配線用電力ケーブル3aが接続されることなく屋内配線用電力ケーブル3bの一端に接続されて室内(例えば2階フロア内)の天井や壁に設置され、照明装置を取り付け可能な第2の照明取付具(2階フロアに設けられているライティングダクト10)と、第1の照明取付具に取り付けられ、第1の照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、屋内配線用電力ケーブル3aを介して入力されたオーディオ信号が示す音を出力する第1のスピーカ装置31B,32Bと、第2の照明取付具に取り付けられ、第2の照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、屋内配線用電力ケーブル3bを介して入力されたオーディオ信号が示す音を出力する第2のスピーカ装置31C,32Cと、記憶媒体に記憶されている音データからオーディオ信号を生成するオーディオ再生手段(ディジタルオーディオプレイヤ40)と、オーディオ再生手段によって生成されたオーディオ信号を屋内配線用電力ケーブル3aに接続された電源コンセントを介して屋内配線用電力ケーブル3aに重畳させて電力線搬送させる信号伝送手段(PLCユニット51)と、複数の屋内配線用ケーブル3a、3b間でオーディオ信号を送受信するための送受信装置(相間アダプタ61,62)とを備える構成としたので、ケーブルの露出により天井が乱雑となることなく屋内の天井にスピーカ装置を配設することができるようになる。
【0062】
また、相間アダプタ61,62によって無線信号によりオーディオ信号を送受信することで、互いに分離された複数の屋内配線用ケーブル3a、3b間でオーディオ信号を送受信することができるようになり、オーディオ信号をあるフロアから別のフロアに伝送することが可能となる。よって、屋内配線用ケーブルが屋内において区分けされて配線されていた場合であっても、オーディオ信号を各フロアに無線配信することが可能となる。
【0063】
なお、上述した各実施の形態においては特に言及していないが、配設された2つのスピーカ装置(例えばスピーカ装置31,32)によってステレオによる音出力を行うようにする場合には、左側からの音出力を担当するLスピーカ装置あるいは右側からの音出力を担当するRスピーカ装置にステレオ再生信号(オーディオ信号の一例)をまとめて送信し、自己が担当するオーディオ信号を取得するとともに、他方が担当するオーディオ信号を他方のスピーカ装置に無線送信あるいは有線送信するようにしてもよい。また、Lスピーカ装置及び右Rスピーカ装置それぞれにステレオ再生信号を送信し、各スピーカ装置で自己が担当するオーディオ信号を取得するようにしてもよい。この場合、各スピーカ装置に、Lスピーカ装置として使用するか、Rスピーカ装置として使用するか、モノラル再生用のスピーカ装置として使用するかを選択するためのスイッチを設けておき、そのスイッチ操作(リモートコントローラにより操作を含む)によってユーザが各スピーカ装置の担当を設定しておくようにしてもよい。
【0064】
なお、上述した第5の実施の形態では、2階フロア内に設けられている電源コンセントに接続された相間アダプタ62を含む構成としていたが、例えば図6に示すように、2階フロアに設けられているライティングダクト10に取り付けられた相間アダプタ63を含む構成としてもよい。この場合、1階フロアに設けられている相間アダプタ61によって無線送信されたオーディオ信号は、2階フロアのライティングダクト10に取り付けられている相間アダプタ63によって受信され、ライティングダクト10を経由してスピーカ装置31C,32Cが備えるアンプユニット31f,32fに入力される。そして、入力されたオーディオ信号は、アンプユニット31f,32fに内蔵されているPLCデコーダ及びアンプによってデコード及び増幅され、スピーカ装置31C,32Cが備えるスピーカ本体31a,32aから音声出力される。このように構成した場合であっても、同様に効果を得ることができる。
【0065】
ここで、上述した各実施の形態において配設されたスピーカ装置31〜36,31A,32A,31B,32B,31C,32Cの構成について説明する。図7は、スピーカ装置30の構成の例を示す側断面図である。図8は、スピーカ装置30を前方から見た正面図である。スピーカ装置30は、上述した各スピーカ装置31〜36,31A,32A,31B,32B,31C,32Cに共通する筐体及び筐体内部構成を有するスピーカ装置である。
【0066】
スピーカ装置30は、筐体301と、筐体301の前方に突出したツィータ部302と、中空の円柱状に形成され筐体301の後方に一部が突出したバスレフダクト303と、筐体301の左右に設けられ信号ケーブルが接続されるスピーカターミナル308a、308bとを備えている。筐体301は、照明装置の筐体と略同一の形状(同一の形状を含む。例えば、スポットライトやダウンライトの筐体と略同一の形状)に形成されているものとする。バスレフダクト303は、リングナット304により、筐体301の後方に設けられた開口部に長手方向の略中間部分が固定されている。バスレフダクト303の長手方向の略半分が筐体301の後方に突出するようにしているので、筐体301の内部空間を広く確保することができ、低音の音質を向上させることができるようになる。オーディオ信号や電源電力は、スピーカターミナル308a、308bを介して筐体301に導入される。
【0067】
スピーカ装置30の筐体301には、ネットワーク基板305と、フェルト(吸音材)306と、ウーハ部307とが収容されている。ネットワーク基板305は、図8及び図9に示すように、各種の回路部品305a,305b,305cが筐体301の後方側に搭載される基板であって、上下に設けられた孔305d,305eの部分で筐体301にネジ止めされる。このネットワーク基板305は、フェルト306の後方に配置されており、ウーハ部307の高域をカットする低音調整板(ローパスフィルタ)としての役割を担う。また、ネットワーク基板305は、フェルト306の後方に固定され、そのフェルト306が配される筐体301の前方とは反対の筐体301の後方側に回路部品305a,305b,305cが搭載されるようにしているので、フェルト306の筐体301後方側への移動を抑えることができ、ウーハ部307とともにフェルトの位置を安定させる役割を担う。
【0068】
上記のように、スピーカ装置30の筐体301が、照明装置の筐体と略同一の形状に形成されているので、照明装置が取り付けられた場合と同様の室内外観となるようにスピーカ装置を取り付けることが可能となる。また、スピーカ装置30において、ウーハ部307とネットワーク基板305の間にフェルト306を配置する構成としているので、ネットワーク基板305によって、フェルト306の位置を安定させることができるとともに、ウーハ部307の高域をカットすることができるようになる。
【0069】
また、上記のように、バスレフダクト303が、バスレフダクト303の長手方向の一部が筐体301の後方に突出するように、筐体301の後方に設けられた開口部に設置されるようにしているので、筐体301の後方の内部空間を広くとることができるようになり、低音の音質を向上させることが可能となる。なお、上記の例では、バスレフダクト303が中空の円柱状に形成されるものとしていたが、角柱状などの他の柱状に形成されているものであってもよい。
【0070】
なお、上述した各実施の形態を適宜組み合わせてスピーカ配設システムを構築するようにしてもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るスピーカ配設システムの例を示す説明図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るスピーカ配設システムの例を示す説明図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るスピーカ配設システムの例を示す説明図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に係るスピーカ配設システムの例を示す説明図である。
【図5】本発明の第5の実施形態に係るスピーカ配設システムの例を示す説明図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係るスピーカ配設システムの他の例を示す説明図である。
【図7】スピーカ配設システムにて配設されるスピーカ装置の構成の例を示す側断面図である。
【図8】スピーカ装置を正面から見た正面図である。
【図9】ネットワーク基板の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0072】
1…天井、2…壁、3,3a,3b…屋内配線用ケーブル、4…ジョイントボックス、10…ライティングダクト、21〜24…証明装置、30〜36,31A,32A,31B,32B,31C,32C…スピーカ装置、40…ディジタルオーディオプレイヤ、41…赤外線送信機、42…無線送信機、301…筐体、302…ツィータ部、303…バスレフダクト、305…ネットワーク基板、306…フェルト、307…ウーハ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内の天井や壁に設置され、照明装置を取り付け可能な照明取付具と、
無線送信されたオーディオ信号を受信する信号受信手段を有し、前記照明取付具に取り付けられ、当該照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、前記信号受信手段によって受信されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置と、
オーディオ信号を生成するオーディオソースと、
前記オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、前記スピーカ装置の信号受信手段に向けて無線送信する信号送信手段と
を備えることを特徴とするスピーカ配設システム。
【請求項2】
屋内の天井や壁に設置され、当該天井や壁内に配線された屋内配線用ケーブルの一端に接続され、照明装置を取り付け可能な照明取付具と、
前記照明取付具に取り付けられ、当該照明取付具を介して電源電力の供給を受けて、前記屋内配線用ケーブルを介して入力されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置と、
オーディオ信号を生成するオーディオソースと、
前記オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、前記屋内の天井や壁に設置され前記屋内配線用ケーブルの他端に接続された信号受信手段に向けて無線送信する信号送信手段と
を備えることを特徴とするスピーカ配設システム。
【請求項3】
前記オーディオ信号は、赤外線信号を含む所定の周波数帯の無線信号によって伝送される
請求項1または請求項2記載のスピーカ配設システム。
【請求項4】
屋内の天井や壁に設置され、当該天井や壁内に配線された屋内配線用電力線に接続され、照明装置を取り付け可能な照明取付具と、
前記照明取付具に取り付けられ、当該照明取付具を介して電源電力の供給を受けると共に、前記屋内配線用電力線に重畳されたオーディオ信号によって駆動されて音を出力するスピーカ装置と、
オーディオ信号を生成するオーディオソースと、
前記オーディオソースによって生成されたオーディオ信号を、前記屋内配線用電力線に接続された電源コンセントを介して当該屋内配線用電力線に重畳させて電力線搬送させる信号伝送手段と
を備えたことを特徴とするスピーカ配設システム。
【請求項5】
前記屋内配線用電力線は、互いに分離された複数の屋内配線用電力線からなり、
前記照明取付具及びスピーカ装置は、前記複数の屋内配線用電力線のそれぞれに設けられており、
前記複数の屋内配線用電力線間で前記オーディオ信号を送受信するための送受信装置を更に備える
ことを特徴とする請求項4記載のスピーカ配設システム。
【請求項6】
前記照明取付具は、前記照明装置及び前記スピーカ装置を移動自在に取り付け可能なライティングダクトである
請求項1から請求項5のうちいずれかに記載のスピーカ配設システム。
【請求項7】
屋内の天井や壁に設置され、照明装置を取り付け可能な照明取付具に取り付けられるスピーカ装置であって、
スピーカ筐体と、
前記スピーカ筐体の内部に設けられたウーハ部と、
前記スピーカ筐体の内部空間を分離するように配置されたネットワーク基板と、
前記ウーハ部と前記ネットワーク基板の間に配される吸音材と、
前記スピーカ筐体の内部に一端が設置されるバスレフダクトと、
前記スピーカ筐体の前方に突出して設けられるツィータ部と
を備えることを特徴とするスピーカ装置。
【請求項8】
前記バスレフダクトは、中空の柱状に形成され、長手方向の一部が前記スピーカ筐体の後方に突出するように当該スピーカ筐体の後方に設けられた開口部に設置される
請求項7記載のスピーカ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−224822(P2009−224822A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63779(P2008−63779)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(000103633)オーデリック株式会社 (10)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】