スピードコントローラ
【課題】軽量で、かつ、大型化することなく、高い冷却性能を備えたスピードコントローラを提供する。
【解決手段】スイッチング素子50と、駆動制御回路4と、第1回路基板31と、良熱伝導体の中間層10cの表裏に第1および第2絶縁層11,12が積層され、スイッチング素子50の露出面50fに第1絶縁層11が接触する可撓性を有するシート状の第1ヒートシンク10と、ケーシングと、ケーシングの開口に対応して設けられ、第1ヒートシンク10の第2絶縁層12と接触する接触面21を有し、当該接触面21は第1実装面F1に実装されたスイッチング素子50の露出面50fよりも広い面積において第2絶縁層12と接触し、前記開口から熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンク20とを備えている。
【解決手段】スイッチング素子50と、駆動制御回路4と、第1回路基板31と、良熱伝導体の中間層10cの表裏に第1および第2絶縁層11,12が積層され、スイッチング素子50の露出面50fに第1絶縁層11が接触する可撓性を有するシート状の第1ヒートシンク10と、ケーシングと、ケーシングの開口に対応して設けられ、第1ヒートシンク10の第2絶縁層12と接触する接触面21を有し、当該接触面21は第1実装面F1に実装されたスイッチング素子50の露出面50fよりも広い面積において第2絶縁層12と接触し、前記開口から熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンク20とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線で遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータの駆動制御に用いるスピードコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
無線で遠隔操縦される模型の自動車や、オートバイ、船、飛行機などの移動体においては、動力源であるモータの制御装置としてスピードコントローラが用いられている。このスピードコントローラは、たとえば、バッテリーなどの直流電源からモータに流れる電流の通電時間をスイッチング素子を用いて可変にして該モータの回転スピードを制御している。
【0003】
すなわち、スピードコントローラは、前記直流電源からの電力をスイッチングするものであり、ON/OFFのデューティー比を変えることでモータの回転速度を制御している。なお、デューティー比とは、周期的な現象において、ある期間に占めるその期間で現象が継続される期間の割合であり、デューティー比Dは下記の式(1)で求められる。
D=τ/T …(1)
但し、τ:関数がゼロでない期間(スピードコントローラがON状態の時間)
T:関数の周期
【0004】
前記スイッチング素子としては、たとえばFET(Field-Effect Transistor :電界効果トランジスタ)等が用いられる。前記スイッチング素子にはモータを駆動するための大電流が流れ、それによって該スイッチング素子が発熱するため、該スイッチング素子の熱暴走によりモータのコントロールができなくなるおそれがある。
【0005】
そのため、スイッチング素子に放熱部材を密着させたり、前記放熱部材にフィンを密着させる放熱構造が提案されている(特許文献1参照)。
また、スイッチング素子の上方に空冷ファンを設けることがなされている。
【特許文献1】特開昭62−214652号(図2,図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、モータのハイパワー化の要望が大きく、そのため、モータへの駆動電流の増加に伴い大型のフィンや大型の空冷ファンを用いる傾向にある。
しかし、フィンや空冷ファンが大型化すると、スピードコントローラの配置の選択性を狭めてしまうと共に、模型の重量が増加する。
【0007】
したがって、本発明の目的は、軽量で、かつ、大型化することなく、高い冷却性能を備えたスピードコントローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本第1発明のスピードコントローラは、遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、第1実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部または全部が複数個整列して実装される第1回路基板と、良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記スイッチング素子の露出面に前記第1絶縁層が接触する可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、前記第1回路基板の前記所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本第1発明によれば、スイッチング素子の露出面に良熱伝導体を有する第1ヒートシンクが接触しており、スイッチング素子の熱が第1ヒートシンクの第1絶縁層を介して中間層に伝熱される。第1ヒートシンクの熱は前記中間層において均一化するので、スイッチング素子間における温度のバラツキ(ヒートスポット)が生じにくい。
第1ヒートシンクはセラミック質の第2ヒートシンクが接触しており、前記中間層から第2絶縁層を介して第1ヒートシンクの熱が第2ヒートシンクに伝熱される。セラミック質の第2ヒートシンクとして高い熱放射率のものを用いることで大型のフィンや大型のファンを用いる必要がなくなるから、スピードコントローラが大型化することなく、軽量、かつ、小型であっても十分な冷却効果を得ることができる。
【0010】
ここで、熱放射率とは、物体において吸収される熱のうち、当該物体により、その後、外部へ放出(放射)される熱の割合を意味する。より詳しくは、黒体の熱放射強度はEに等しく、その温度において最大の熱放射能を示し、実在の固体面の熱放射強度qは、同一温度の黒体の熱放射強度Eより必ず小さく、q/Eで実在の物体の熱放射率εが定義される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本第1発明において、前記第1回路基板が前記第1実装面の反対側の面に第2実装面を更に有し、前記第2実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部が複数個整列して実装される場合、前記第1ヒートシンクの前記第1絶縁層が前記第2実装面に実装された前記スイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1ヒートシンクが前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられているのが好ましい。
この態様は、1枚の回路基板の両面にスイッチング素子が実装されている場合に適用され、第2実装面に実装されたスイッチング素子の熱は第1絶縁層を介して中間層に伝熱され、前記中間層において折り曲げられた部位を介して第1実装面と第2ヒートシンクとの間に伝熱され、更に第2絶縁層を介して第2ヒートシンクに伝熱される。
【0012】
本第1発明において、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板を更に備え、前記第2回路基板は第3実装面を有し、前記第3実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部が複数個整列して実装される場合、前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層が前記第3実装面に実装された前記スイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1ヒートシンクが前記第1回路基板の第1実装面および前記第2回路基板の前記第3実装面に沿って折り曲げられているのが好ましい。
この態様は、2枚の回路基板にスイッチング素子がそれぞれ実装されている場合に適用され、第3実装面に実装されたスイッチング素子の熱は第2絶縁層を介して中間層に伝熱され、前記中間層において第1実装面と第2ヒートシンクとの間に伝熱され、更に第2ヒートシンクに伝熱される。
【0013】
本第2発明は、遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、1つの所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの一群が複数個整列して実装される実装面を有する第1回路基板と、別の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの別の一群が複数個整列して実装され前記実装面に対面する別の実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記1つの実装面に実装された一群の前記スイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第2絶縁層が前記別の実装面に実装された前記別の一群のスイッチング素子の露出面に接触するように前記一対のスイッチング素子の群の間に挿入され、可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、前記第各回路基板の前記所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記実装面上の前記所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1回路基板に沿って折り曲げられた前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えている。
この態様は、2枚の回路基板にスイッチング素子が互いに対面するように実装されている場合に適用することができる。
【0014】
第1および第2回路基板に実装されたスイッチング素子の熱は、それぞれ、第1および第2絶縁層を介して中間層に伝熱される。前記中間層の熱は第1ヒートシンクの折り曲げられた部位を介して第1回路基板と第2ヒートシンクとの間の部位に伝熱され、更に、第2絶縁層を介して第2ヒートシンクに伝熱される。サラミック質の第2ヒートシンクは熱放射により熱を逃がす。
【0015】
本第3発明は、遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、第1所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第1群が複数個整列して実装される第1実装面、ならびに、前記第1実装面とは反対側の面であって第2所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第2群が複数個整列して実装される第2実装面を有する第1回路基板と、第3所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第3群が複数個整列して実装され前記第2実装面に対面する第3実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記第1および第2実装面に実装された前記第1群および第2群のスイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第2絶縁層が前記第3実装面に実装された前記第3群のスイッチング素子の露出面に接触するように前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、前記各回路基板の前記各所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記第1所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1ヒートシンクにおける前記第1実装面に沿った前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えている。
この態様は、2枚の回路基板にスイッチング素子が3層実装されている場合に適用することができる。
【0016】
第1〜第3実装面に実装された第1〜第3群のスイッチング素子は、各々、絶縁層に接触しており、したがって、素子の熱は絶縁層を介して中間層に伝熱される。中間層において熱は均一化されるのでヒートスポットが生じにくい。
前記2枚の基板の間の中間層の熱は、中間層において折り曲げられた部位を介して前記第1回路基板と前記第2ヒートシンクとの間の中間層に伝熱され、この中間層の熱は、更に、第2絶縁層を介して第2ヒートシンクに伝熱される。
第2ヒートシンクは熱放射により熱を逃がす。
【0017】
本第4発明は、遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、第1所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第1群が複数個整列して実装される第1実装面、ならびに、前記第1実装面とは反対側の面であって第2所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第2群が複数個整列して実装される第2実装面を有する第1回路基板と、第3所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第3群が複数個整列して実装され前記第2実装面に対面する第3実装面、ならびに、前記第3実装面とは反対側の面であって第4所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第4群が複数個整列して実装される第4実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記第1および第2実装面に実装された前記第1群および第2群のスイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の一つのヒートシンクと、良熱伝導体の中間層の表裏に第3および第4絶縁層が積層され、前記第3絶縁層が前記第3および第4実装面に実装された前記第3群および第4群のスイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第4絶縁層が前記第2絶縁層に接触するように前記第2回路基板の第3および第4実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の別のヒートシンクと、前記各回路基板の前記各所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記第1所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記一つのヒートシンクにおける前記第1実装面に沿った前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記一つのヒートシンクの前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質のヒートシンクとを備えている。
この態様は、2枚の回路基板の両面にスイッチング素子がそれぞれ実装されている場合、すなわち、4層のスイッチング素子が実装されている場合に適用することができる。
【0018】
第1群〜第4群のスイッチング素子の熱は、第1または第3絶縁層を介して中間層に伝熱される。中間層は良熱伝導体であるから、各スイッチング素子においてヒートスポットは生じにくい。
第3群および第4群のスイッチング素子の熱は前記シート状の別のヒートシンクの第4絶縁層から前記シート状の1つのヒートシンクの第2絶縁層を介して当該1つのヒートシンクの中間層に伝熱される。更に、当該1つのヒートシンクの折り曲げ部分を介して中間層の熱が第1回路基板とセラミック質のヒートシンクとの間に伝熱され、当該セラミック質のヒートシンクから熱放射される。
【0019】
前記4層のスイッチング素子が実装されているスピードコントローラにおいて、前記駆動制御回路を構成する素子が実装される第3回路基板を更に備え、前記第3回路基板と前記第1回路基板との間に前記第2回路基板が配置されるように前記第3回路基板が設けられ、前記シート状のヒートシンクと前記各スイッチング素子およびセラミック質のヒートシンクとが接触する圧力が得られるように、前記セラミック質のヒートシンクと前記第3回路基板との間で前記シート状の一対のヒートシンクと前記第1および第2回路基板とを挟み付けるようにしてもよい。
この場合、界面における接触圧が容易に得られる。
【0020】
前記スイッチング素子の群同士が互いに対面するように実装されたスピードコントローラにおいて、前記互いに略平行な回路基板の互いに対面する前記実装面に配置されたスイッチング素子は、互いに同数、同形、同大で、かつ、互いに真向かいに配置されているのがこのましい。
この態様によれば、スイッチング素子の全面において均一かつ大きな接触圧が確実に得られる。
【0021】
本発明において、前記セラミック質のヒートシンクの前記接触面が前記ケーシング内に収容され、かつ、前記接触面の反対側の放射面、ならびに、前記接触面と前記放射面との間の4つの各側面の少なくとも一部が前記ケーシングから露出しているのが好ましい。
この態様によれば、セラミック質のヒートシンクの側面からの熱放射が期待できる。
【0022】
この場合、前記セラミック質のヒートシンクの放射面には、少なくとも互いに対向する一対の上縁部を切り欠いた段部が形成され、この段部に前記ケーシングの開口を形成する開口縁部が当接しているのが好ましい。
この場合、ネジ等を用いることなく、セラミック質のヒートシンクをケーシングに固定することができる。
【0023】
本発明において、前記所定領域を除く前記回路基板の一部が前記ケーシングから突出した突出部を更に備え、前記直流電源または前記モータに前記給電経路を介して接続される複数の端子が前記突出部に設けられているのが好ましい。
この態様によれば、ケーシングから突出した突出部からも熱放射が期待できる。
【0024】
本発明の好ましい例において、前記回路基板または回路基板群は第1縁およびこの第1縁に対向または隣接する第2縁とを有し、前記回路基板の第1縁および第2縁の近傍には、それぞれ、前記直流電源または前記モータの端子に接続されるケーブルを接続するための端子が配置される。
この態様によれば、端子間に余裕ができ接続作業が容易になる。
【0025】
本発明の好ましい例において、前記第1縁の近傍には前記直流電源に接続される2つの第1端子が配置され、かつ、前記第1縁の外方には前記直流電源が配置され、前記第2縁には前記モータに接続される複数の第2端子が接続される。
この場合、直流電源および端子をコンパクトに配置することができる。
【0026】
本発明において、前記回路基板または回路基板群は互いに隣接ないし対向する第1縁〜第4縁を有し、前記第1および第2縁の近傍には、それぞれ前記直流電源または前記モータの端子に接続されるケーブルを接続するための端子が配置され、前記第3縁の近傍には前記スピードコントローラの設定状態を表示する表示器が配置され、前記第4縁において前記第1ヒートシンクが折り曲げられていてもよい。
【0027】
本発明において、前記駆動制御回路を構成する素子が実装される第3回路基板を更に備え、前記第3回路基板と前記第1回路基板との間に前記第2回路基板が配置されるように前記第3回路基板が設けられていてもよい。
【0028】
本発明において、前記第1ヒートシンクは、前記中間層に沿った面方向の熱伝導率が前記中間層に直交する直交方向の熱伝導率よりも大きいのが好ましい。
本態様によれば、熱伝導率の異方性により熱が拡散し局所的に高温になるのを抑制し得る。
なお、「熱伝導率」とは、一つの物質内での熱の伝わり易さを表す値をいい、具体的には、熱流束密度(単位時間に単位面積を通過する熱エネルギー)を温度勾配で除算した物理量で表される。
【0029】
本発明において、前記第2ヒートシンクはアルミナ(Al2 O3 )を主成分とするのが好ましい。
本態様によれば、アルミナを主成分とするヒートシンクは窒化アルミを主成分とするヒートシンクに比べ一般に安価であるから、スピードコントローラのコストアップを抑制し得る。
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。以下に示す各実施例では、本発明を模型の車両に適用した場合について例示して説明する。
図1〜図9は実施例1を示す。
【0031】
機器構成:
図7に示すように、車両(遠隔操縦可能な模型の一例)1は、送信器2から送信される電波を当該車両1に搭載された受信器3で受信することにより操縦者により操縦可能である。
前記車両1には、前記受信器3、スピードコントローラC、モータ6、車輪7および直流電源(バッテリ)8などが搭載されている。
【0032】
操縦者が送信器2を用いて無線信号を発信させると、当該無線信号を受信器3が受信し、受信した信号に基づき、スピードコントローラCが、直流電源8から前記モータ6への給電経路6cを入切させることでモータ6を駆動制御する。
【0033】
スピードコントローラC:
図8に示すように、スピードコントローラCは、駆動制御回路4、スイッチング回路5、操作部61、表示回路62、コネクタ63および電源回路64を備えている。 前記操作部61は、通常運転モードと設定モードとを切り替えるためのスライドスイッチや、設定モード時にスピードコントローラCに対する設定のための操作入力を受け付けるためのスイッチを備える。
前記スライドスイッチにより通常運転モードが選択されている場合には、スピードコントローラCは、コネクタ63を介して受信した信号に基づき駆動制御回路4でスイッチング回路5を制御することで、直流電源8から前記モータ6への給電経路6cを入切させることでモータ6を駆動制御する。
前記スライドスイッチにより設定モードが選択されている場合には、スピードコントローラCは、表示回路62により設定モードである旨を報知するとともに設定状態を報知し、例えば、図示しない無線操縦器の操作レバーの操作量に対するゲイン・オフセット調整などを行ったり、スイッチング回路5のスイッチング周波数を切り替え設定したりできるように構成されている。スイッチング周波数の切り替え設定は、操作レバーの操作量、操作レバーの操作速度あるいはモータ6の回転数などに応じて連続的にまたは段階的に可変するように設定できたり、所定の固定的な周波数に設定できるように構成してもよい。
【0034】
スイッチング回路5:
図9に示すように、前記スイッチング回路5は、モータの各端子6aごとに複数ずつ並列接続されたスイッチング素子50(50a、50b)を備えている。本実施例1では、モータ6に3極の端子6aが設けられており、当該端子6aに対応する第1〜第3群のスイッチング素子群51〜53が設けられている。
また、第1〜第3群のスイッチング素子群51〜53は、それぞれ直流電源8(図9)の正極に対応したスイッチング素子50aと負極に対応したスイッチング素子50bとを備えている。本実施例1では、駆動制御対象のモータ6が3相ブラシレスモータであり、このモータ6を全波駆動するため上述のような構成をとったが、3相ブラシレスモータを半波駆動する場合には、正極に対応したスイッチング素子50aまたは負極に対応したスイッチング素子50bのいずれか一方のみがあればよい。
【0035】
駆動制御回路4:
前記駆動制御回路4は、受信器3から発信されたモータ6を制御するための指令信号に基づいて各スイッチング素子50の入切のタイミングを制御する。
【0036】
3層の素子群51〜53:
図2に示すように、前記スピードコントローラCは、第1〜第3回路基板31〜33と、第1および第2ヒートシンクシンク10,20と、図5に示すケーシング9とを備えている。
【0037】
図1に示すように、第3回路基板33の上方には第2回路基板32が設けられている。第2回路基板32の上方には第1回路基板31が設けられている。第1回路基板31の上方には第2ヒートシンク20が設けられている。
第1および第2回路基板31,32の間と、第1回路基板31および第2ヒートシンク20の間には、第1回路基板31に沿って折り曲げられた第1ヒートシンク10が設けられている。
【0038】
第1回路基板31:
図1および図2に示すように、前記第1回路基板31は、第1および第2実装面F1,F2を備えている。
【0039】
第1実装面F1;
前記第1実装面F1は、第1回路基板31の上面31uに形成されている。
図3に示すように、第1実装面F1の第1所定領域D1内には前記モータ6(図9)の前記1つの端子6aに対応する第1群51の前記スイッチング素子50が縦横に複数個整列して実装されている。
【0040】
第2実装面F2;
図1に示すように、前記第2実装面F2は第1回路基板31の下面31dに形成されている。すなわち、第2実装面F2は、第1回路基板31における前記第1実装面F1とは反対側の面に形成されている。
図3の破線で示す前記第2実装面F2の第2所定領域D2内には、モータ6(図9)の前記1つの端子6aに対応する第2群52の前記スイッチング素子50が縦横に複数個整列して実装されている。
【0041】
第2回路基板32:
図1に示すように、第2回路基板32は前記第1回路基板31に略平行に、かつ、近接して対向配置されている。
第3実装面F3;
前記第3実装面F3は第2回路基板32の上面32uに形成されている。すなわち、第3実装面F3は前記第2実装面F2に対面する位置に設定されている。
図3に示すように、第3実装面F3の第3所定領域D3内には、モータ6(図9)の前記1つの端子6aに対応する前記第3群53のスイッチング素子50が縦横に複数個整列して実装されている。
【0042】
図1、図2および図3に示すように、互いに略平行な第1および第2回路基板31,32の互いに対面する前記実装面F2,F3に配置されたスイッチング素子50は、互いに同数、同形、同大で、かつ、互いに真向かいに配置されている。
スイッチング素子50は、好ましくは面実装される略直方体の板形状のFET(電界効果トランジスタ)であり、回路基板31,32に半田付けされる実装面およびその反対側の露出面50fが他の4面よりも十分大きく、実装面からは基板配線を通じてスイッチング素子50から回路基板31,32への放熱が、上記露出面50fにおいては第1ヒートシンク10への放熱が効率よく行われる。
【0043】
第1ヒートシンク10:
図1に示すように、第1ヒートシンク10は良熱伝導体の中間層10cの表裏に第1および第2絶縁層11,12が積層されてなる。
第1ヒートシンク10は可撓性を有している。そのため、前記第1絶縁層11は前記第1および第2実装面F1,F2に実装された前記第1群51および第2群52のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、かつ、前記第2絶縁層12が第2ヒートシンク20の接触面21および前記第3実装面F3に実装された前記第3群53のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように第1回路基板31の第1および第2実装面F1,F2に沿って折り曲げられている。
【0044】
前記第2ヒートシンク20、第1および第2回路基板31,32にはネジ部材71が挿通されており、ネジ部材71がナット72に螺合していることで、第2ヒートシンク20と第2回路基板32との間に第1回路基板31が挟み付けられている。
そのため、シート状の第1ヒートシンク10と各スイッチング素子50および厚板ブロック状の第2ヒートシンク20とは、互いに接触する圧力が得られ、互いに圧接する。
【0045】
したがって、第2ヒートシンク20の接触面21と、第1群51の各スイッチング素子50の露出面5fとが、第1ヒートシンク10の第2絶縁層12および第1絶縁層11にそれぞれ圧接される。同様に、第2群52および第3群53の各スイッチング素子50の露出面50fは、第1ヒートシンク10の第1絶縁層11および第2絶縁層12にそれぞれ圧接される。
【0046】
ケーシング9:
図5に示す前記ケーシング9は、図1および図3に示す前記各回路基板31〜33の各所定領域D1〜D3と、該第1所定領域D1〜D3に実装された各スイッチング素子50と、図1に示す駆動制御回路4とを収容している。図3に示す第1回路基板31の第1実装面F1上の第1所定領域D1に対応する位置には、図5に示すように、当該第1所定領域D1と概ね同じ大きさの開口9aが設けられている。
【0047】
第2ヒートシンク20:
前記第2ヒートシンク20は、ケーシング9の外に向って熱を放射するものであり、前記ケーシング9の前記開口9aに対応して設けられている。
図1に示すように、第2ヒートシンク20は、第1ヒートシンク10における第1実装面F1に沿った第2絶縁層12と接触する接触面21を有している。前記接触面21は第1実装面F1に実装された第1群51のスイッチング素子50の露出面50fよりも広い面積において第2絶縁層12と接触しており、前記第1群51のスイッチング素子50の露出面50fの全域およびその周辺において前記第1ヒートシンク10の第2絶縁層12に接触している。
【0048】
図1に示す第2ヒートシンク20の前記接触面21は、図5および図6(a),(b)に示すように、ケーシング9内に収容され、かつ、接触面21(図1)の反対側の放射面22、ならびに、図1の接触面21と放射面22との間の4つの各側面23の少なくとも上部が、図6(a),(b)に示すように、ケーシング9から露出している。
【0049】
図3に示す第1回路基板31および第2回路基板32において、前記所定領域D1〜D3を除く前記回路基板の一部は、図5に示す前記ケーシング9から突出した突出部31b,32a,32bを備えている。
前記突出部31b,32a,32bには複数の端子41,42が設けられている。前記端子41,42は、図7に示す前記直流電源8またはモータ6に給電経路8c,6cを介して接続される。
【0050】
すなわち、図3に示す前記回路基板群31〜33は、第1縁E1およびこの第1縁E1に対向する第2縁E2を有している。前記回路基板31,32の第1縁E1および第2縁E2の近傍には、前記突出部31b,32a,32bが形成され、該突出部31b,32a,32bには、それぞれ、図9に示す直流電源8またはモータ6の各端子6a,8aに接続される各ケーブルを接続するための前記端子41,42(図5)が配置されている。
【0051】
具体的には、前記第2回路基板32の第1縁E1側の突出部32aには2個の第1端子41が設けられている。前記第1端子41には、図7に示す直流電源8に接続された給電経路8cを構成する電源ケーブルが接続される。
図5に示す第1および第2回路基板31,32の第2縁E2側の突出部31b,32bには合計3個の第2端子42が設けられている。前記第2端子42は、図9に示すモータ6に接続された前記給電経路6cを構成する給電ケーブルにそれぞれ接続される。
【0052】
したがって、図3に示す第1回路基板31の前記第1縁E1の突出部32aには、直流電源8(図9)に接続される2つの第1端子41が配置され、当該第1縁E1の外方には図5の前記直流電源8が配置されている。一方、図3の第1および第2回路基板31,32の前記第2縁E2には前記モータ6(図9)に接続される複数の第2端子42が接続されている。
【0053】
図6の前記ケーシング9は上下に2分割されており、その分割面に前記突出部31b,32a,32bが突出する切欠き90が形成されている。
【0054】
前記回路基板群31〜33は互いに対向ないし隣接する第1縁E1〜第4縁E4を有している。
前述したように、前記第1および第2縁E1,E2の近傍には、前記端子41,42が配置されており、該端子41,42には、それぞれ図5の前記直流電源8または前記モータ6の各端子8a,6a(図9)に接続されるケーブル8c,6cが接続される。
図3に示す第3縁E3の近傍にはスピードコントローラCの設定状態を表示する表示器45が配置されている。
表示器45は、青、緑、黄、赤の4色のチップLEDにより構成され、それぞれのチップLEDの点灯/消灯や点滅などによりスピードコントローラCの設定状態を表示する。
前記第1ヒートシンク10は、第4縁E4において折り曲げられている。
なお、表示部45が配置された第3縁E3の近傍を欠落させ、最下層の回路基板33に、青、緑、黄、赤の4色のリードフレーム型LEDを実装し、リードフレームの足の長さを所定の長さに調整することで、最上層の回路基板31相当の高さまたはそれ以上にケーシング9の天板に近接して配置してもよい。この場合は、前記第1ヒートシンク10は、第4縁E4において折り曲げられる代わりに、第3縁E3側で折り曲げられてもよい。
【0055】
前述したように、図1に示す第3回路基板33の上面33uには駆動制御回路4(図7)を構成する素子400が実装されている。
前記第3回路基板33は、該第3回路基板33と前記第1回路基板31との間に前記第2回路基板32が配置されるように設けられている。
【0056】
図1に示すように、第2回路基板32から第1回路基板31までの距離H1は、第3回路基板33から第2回路基板32までの距離H2よりも小さく設定されている。
【0057】
第1ヒートシンク10:
前記第1ヒートシンク10は、前記中間層10cに沿った面方向の熱伝導率が前記中間層10cに直交する直交方向の熱伝導率よりも大きいシート状の部材が用いられる。
そのため、第1ヒートシンク10の第1絶縁層11または第2絶縁層12を介して、発熱源であるスイッチング素子50の露出面50fから中間層10cに熱伝導等により伝熱された後、中間層において面方向に熱が伝達される。したがって、各スイッチング素子50の温度が平均化される。
このように全てのスイッチング素子50の温度が第1ヒートシンク10により均一化されることで、例えば、スイッチング素子50の過熱を検知し、過熱時にスイッチング素子50を強制的にOFFさせてスピードコントローラCの損傷を防止するための過熱防止機能の発動頻度を減らすことができる。特に、スイッチング素子50をスイッチング素子群51〜53として並列接続して使用する場合には、スイッチング素子50のON抵抗に反比例して発熱量が増えるため、スイッチング素子50のON抵抗のバラツキにより発熱ムラが発生する恐れがあり、第1ヒートシンク10による温度均一化の効果により、本質的に過熱を緩和し、過熱防止機能の発動頻度を減らすことができる。
【0058】
前記中間層10cは、複数のグラファイトシートの積層体からなり、該グラファイトシートは、黒鉛粉末をバインダー樹脂と混合してシート状に成形したり、膨張黒鉛を圧延してシート状に成形することで得られる。前記中間層10cの厚みは、たとえば、0.1mm〜2.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
【0059】
なお、前記絶縁層としてはPETなどの樹脂フィルムや樹脂コートの他に両面テープのような粘着層を採用することができる。
【0060】
本発明において、前記第2ヒートシンク20としてはアルミナ(Al2 O3 )を主成分とするセラミック質の熱放射性固体物を採用することができる。アルミナを主成分とするセラミック質の第2ヒートシンク20としては、たとえば、特開昭63−140292号に開示された陶磁器熱放射性固体物を採用することができる。
前記陶磁器熱放射性固体物としては、たとえば、アルミナの含有量が95.0重量%以上で、0.93〜0.98の熱放射率および30〜60W/m・kの熱伝導率を有するものを好的に採用することができる。
なお、高価であるが、窒化アルミを主成分とするセラミック質の熱放射性固体物を採用してもよい。
【0061】
以下に述べる各実施例では、前述した実施例1と異なる部分を主に説明する。なお、以下の各実施例において、実施例1と同一部分または相当部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【実施例2】
【0062】
図10〜図15は実施例2を示す。
4層の素子群を有するスピードコントローラC:
図10に示すように、本実施例4では、第1および第2回路基板31,32の各両面にそれぞれ複数のスイッチング素子50が実装されていると共に、一対の第1ヒートシンク10A,10Bが設けられている。
【0063】
第2回路基板32の第3実装面F3の反対側の面、すなわち、第2回路基板32の下面32dには第4所定領域D4が設けられている。前記第4所定領域D4には、図示しないモータの端子に対応するスイッチング素子50のうちの第4群54が複数個整列して実装される第4実装面F4が形成されている。
【0064】
第1ヒートシンク10A,10B;
上側の第1ヒートシンク(一つのヒートシンク)10Aは、良熱伝導体の中間層10cの表裏に第1および第2絶縁層11,12が積層されてなる。下方の第1ヒートシンク(別のヒートシンク)10Bは、良熱伝導体の中間層10cの表裏に第3および第4絶縁層13,14が積層されてなる。すなわち、前記上下のヒートシンク10A,10Bの部材自体は前記第1ヒートシンク10(図1)と同じものが用いられる。
【0065】
図10〜図12に示すように、前記上側の第1ヒートシンク10Aの第1絶縁層11は、第1および第2実装面F1,F2に実装された第1群51および第2群52のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、第1回路基板31の第1および第2実装面F1,F2に沿って折り曲げられている。
前記下側の第1ヒートシンク10Bの第3絶縁層13は、第3および第4実装面F3,F4に実装された第3群53および第4群54のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、かつ、前記第4絶縁層14が前記第2絶縁層12に接触するように第2回路基板32の第3および第4実装面F3,F4に沿って折り曲げられている。
【0066】
第1および第2端子41,42;
図11に示すように、第1および第2回路基板31,32の第1縁E1側の突出部31a,32aには第1端子41がそれぞれ1個づつ設けられている。前記2個の第1端子41には、図7に示す直流電源8に接続された給電経路8cを構成する電源ケーブルが接続される。
図12に示すように、第1および第2回路基板31,32の第2縁E2側の突出部31bには3個の第2端子42が設けられている。前記第2端子42は、図7に示すモータ6に接続された前記給電経路6cを構成する給電ケーブルが接続される。
【0067】
なお、給電ケーブルを介してモータ6に接続される図12、図14および図15の第2端子42は、第1および第2回路基板31,32から3箇所づつ引き出し、各基板31,32間がハンダ付けで接続されている。一方、電源ケーブルを介して直流電源8に接続される第1端子41は、極性ごとに基板31,32が分けられている。
つまり、実施例1では、図9のモータ6に接続される3極の端子6aに対応した図1の第1〜第3群のスイッチング素子群51〜53をそれぞれ群ごとに層を形成させるように回路基板31,32に実装したが、本実施例においては、図13の直流電源8の正極に対応した図10のスイッチング素子50aと、直流電源8(図13)の負極に対応したスイッチング素子50bとを別々の回路基板31,32に実装することで、前記回路基板31,32間を橋渡しする大電流用ピンコネクタの削減を実現している。
【0068】
図10において、前記第3回路基板33の下面33dには駆動制御回路4(図7)を構成する素子400が設けられている。
【0069】
ケーシング9;
図10に示すように、ブロック状のヒートシンク20の放射面22には、互いに対向する一対の上縁部を切り欠いた段部24が形成されている。この段部24には、ケーシング9の開口9aを形成する開口縁部9bが当接している。
したがって、第2ヒートシンク20の段部24がケーシング9の開口縁部9bに押え付けられていることにより、第2ヒートシンク20がケーシング9と第1回路基板31との間に固定される。
【0070】
シート状の第1ヒートシンク10A,10Bと各スイッチング素子50およびブロック状の第2ヒートシンク20とが接触する圧力が得られるように、セラミック質の第2ヒートシンク20と第3回路基板33との間で、一対の第1ヒートシンク10A,10Bと第1および第2回路基板31,32とが挟み付けられている。
ケーシング9は上下に2分割されており、その分割面に前記突出部31b,32a,32bが突出する切欠き90が形成されているが、下側のケーシング9に、上側のケーシング9に向けて貫通孔を形成し、上側のケーシング9に、下側ケーシング9に形成された貫通孔から挿入されるネジと螺合するための雌ネジ構造を設けてもよい。ネジを用いて上側ケーシング9と下側ケーシング9とを結合することで、上側ケーシング9により第2ヒートシンク20をより強固に第2ヒートシンク20および第1回路基板31へ押圧固定できる。
また、スイッチング素子50への制御信号を第1および第2回路基板31,32間で橋渡しする信号用ピンコネクタ49は、各第1および第2回路基板31,32で半田付けされる。各第1および第2回路基板31,32の信号用ピンコネクタ49への半田付けの高さ方向の位置を調整することで、一対の第1ヒートシンク10A,10Bを挟み込み、押圧するようにしてもよい。なお、この場合、信号用ピンコネクタ49は、少なくとも回路基板31,32の2縁以上に設けられることが好ましい。
【0071】
なお、本実施例2では、図12の表示器45が最下層の第3回路基板33の第3縁E3に実装され、図13および図14の窓91から視認できる。
【実施例3】
【0072】
図16は実施例3を示す。
1層の素子群を有するスピードコントローラC:
図3に示すように、第1回路基板31の上面31uには全てのスイッチング素子50が実装されている。第2ヒートシンク20の接触面21とスイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。したがって、第2ヒートシンク20の接触面21と第1ヒートシンク10の第1絶縁層11は、それぞれ、第1ヒートシンク10の第2絶縁層12とスイッチング素子50の露出面50fとに密着されている。
【実施例4】
【0073】
図17は実施例4を示す。
2層の素子群を有するスピードコントローラC:
図17に示すように、第1回路基板31の上面31uおよび下面31dには複数のスイッチング素子50からなる第1群51および第2群52がそれぞれ実装されている。
第2ヒートシンク20の接触面21と前記第1群51のスイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。
【0074】
第1回路基板31の下方には押え板34が設けられており、該押え板34の上面34uと、前記第2群52のスイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。
【0075】
すなわち、第1ヒートシンク10の第1絶縁層11が第1および第2実装面F1,F2に実装されたスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、第1ヒートシンク10が第1回路基板31の第1および第2実装面F1,F2に沿って折り曲げられている。
【実施例5】
【0076】
図18は実施例5を示す。
2層の素子群を有するスピードコントローラC:
図18に示すように、第1回路基板31の上面31uと、第2回路基板32の上面32uには、複数のスイッチング素子50がそれぞれ実装されている。
【0077】
第2ヒートシンク20の接触面21と前記スイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。第1回路基板31の下面31dとスイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。
【0078】
第1ヒートシンク10の第2絶縁層12は、前記第1および第3実装面F1,F3にそれぞれ実装されたスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、第1ヒートシンク10が第1回路基板31の実装面F1および第2回路基板32の実装面F3に沿って折り曲げられている。
【実施例6】
【0079】
図19は実施例6を示す。
2層の素子群を有するスピードコントローラC:
図19に示すように、第1回路基板31の下面31dと、第2回路基板32の上面31uには、複数のスイッチング素子50がそれぞれ実装されている。
【0080】
第1ヒートシンク10の第1絶縁層11は1つの実装面F2に実装された一群のスイッチング素子50の露出面50fに接触し、かつ、第1ヒートシンク10の第2絶縁層12が別の実装面F3に実装された別の一群のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、前記一対のスイッチング素子50の間に挿入されている。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は無線で遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータの駆動制御に用いるスピードコントローラに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施例1にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図2】ヒートシンクおよび回路基板を示す分解された側面図である。
【図3】ヒートシンクおよび回路基板を示す分解された平面図である。
【図4】実装状態のヒートシンクおよび回路基板を示す側面図および平面図である。
【図5】スピードコントローラを示す平面図である。
【図6】スピードコントローラを示す側面図である。
【図7】スピードコントローラが搭載された模型および送信器を示す概略構成図である。
【図8】スピードコントローラを示す概略構成図である。
【図9】スピードコントローラ、モータ、受信器および直流電源を示す概略構成図である。
【図10】本発明の実施例2にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図11】実装状態のヒートシンクおよび回路基板を示す斜視図である。
【図12】実装状態のヒートシンクおよび回路基板を示す斜視図である。
【図13】スピードコントローラを示す斜視図である。
【図14】スピードコントローラを示す斜視図である。
【図15】スピードコントローラを示す斜視図である。
【図16】本発明の実施例3にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図17】本発明の実施例4にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図18】本発明の実施例5にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図19】本発明の実施例6にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0083】
1:車両(模型の一例)
4:駆動制御回路
6:モータ
6a:モータの端子
6c,8c:給電経路
8:直流電源(バッテリー)
9:ケーシング
10:第1ヒートシンク
10A,10B:ヒートシンク
10c:中間層
11:第1絶縁層
12:第2絶縁層
20:第2ヒートシンク
21:接触面
22:放射面
23:側面
24:段部
31:第1回路基板
31a,31b,32a,32b:突出部
33:第3回路基板
41:第1端子
42:第2端子
50:スイッチング素子
51:第1群
52:第2群
53:第3群
54:第4群
C:スピードコントローラ
D1:第1所定領域
D2:第2所定領域
D3:第3所定領域
D4:第4所定領域
E1:第1縁
E2:第2縁
E3:第3縁
E4:第4縁
F1:第1実装面
F2:第2実装面
F3:第3実装面
F4:第4実装面
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線で遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータの駆動制御に用いるスピードコントローラに関する。
【背景技術】
【0002】
無線で遠隔操縦される模型の自動車や、オートバイ、船、飛行機などの移動体においては、動力源であるモータの制御装置としてスピードコントローラが用いられている。このスピードコントローラは、たとえば、バッテリーなどの直流電源からモータに流れる電流の通電時間をスイッチング素子を用いて可変にして該モータの回転スピードを制御している。
【0003】
すなわち、スピードコントローラは、前記直流電源からの電力をスイッチングするものであり、ON/OFFのデューティー比を変えることでモータの回転速度を制御している。なお、デューティー比とは、周期的な現象において、ある期間に占めるその期間で現象が継続される期間の割合であり、デューティー比Dは下記の式(1)で求められる。
D=τ/T …(1)
但し、τ:関数がゼロでない期間(スピードコントローラがON状態の時間)
T:関数の周期
【0004】
前記スイッチング素子としては、たとえばFET(Field-Effect Transistor :電界効果トランジスタ)等が用いられる。前記スイッチング素子にはモータを駆動するための大電流が流れ、それによって該スイッチング素子が発熱するため、該スイッチング素子の熱暴走によりモータのコントロールができなくなるおそれがある。
【0005】
そのため、スイッチング素子に放熱部材を密着させたり、前記放熱部材にフィンを密着させる放熱構造が提案されている(特許文献1参照)。
また、スイッチング素子の上方に空冷ファンを設けることがなされている。
【特許文献1】特開昭62−214652号(図2,図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年では、モータのハイパワー化の要望が大きく、そのため、モータへの駆動電流の増加に伴い大型のフィンや大型の空冷ファンを用いる傾向にある。
しかし、フィンや空冷ファンが大型化すると、スピードコントローラの配置の選択性を狭めてしまうと共に、模型の重量が増加する。
【0007】
したがって、本発明の目的は、軽量で、かつ、大型化することなく、高い冷却性能を備えたスピードコントローラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本第1発明のスピードコントローラは、遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、第1実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部または全部が複数個整列して実装される第1回路基板と、良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記スイッチング素子の露出面に前記第1絶縁層が接触する可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、前記第1回路基板の前記所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本第1発明によれば、スイッチング素子の露出面に良熱伝導体を有する第1ヒートシンクが接触しており、スイッチング素子の熱が第1ヒートシンクの第1絶縁層を介して中間層に伝熱される。第1ヒートシンクの熱は前記中間層において均一化するので、スイッチング素子間における温度のバラツキ(ヒートスポット)が生じにくい。
第1ヒートシンクはセラミック質の第2ヒートシンクが接触しており、前記中間層から第2絶縁層を介して第1ヒートシンクの熱が第2ヒートシンクに伝熱される。セラミック質の第2ヒートシンクとして高い熱放射率のものを用いることで大型のフィンや大型のファンを用いる必要がなくなるから、スピードコントローラが大型化することなく、軽量、かつ、小型であっても十分な冷却効果を得ることができる。
【0010】
ここで、熱放射率とは、物体において吸収される熱のうち、当該物体により、その後、外部へ放出(放射)される熱の割合を意味する。より詳しくは、黒体の熱放射強度はEに等しく、その温度において最大の熱放射能を示し、実在の固体面の熱放射強度qは、同一温度の黒体の熱放射強度Eより必ず小さく、q/Eで実在の物体の熱放射率εが定義される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本第1発明において、前記第1回路基板が前記第1実装面の反対側の面に第2実装面を更に有し、前記第2実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部が複数個整列して実装される場合、前記第1ヒートシンクの前記第1絶縁層が前記第2実装面に実装された前記スイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1ヒートシンクが前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられているのが好ましい。
この態様は、1枚の回路基板の両面にスイッチング素子が実装されている場合に適用され、第2実装面に実装されたスイッチング素子の熱は第1絶縁層を介して中間層に伝熱され、前記中間層において折り曲げられた部位を介して第1実装面と第2ヒートシンクとの間に伝熱され、更に第2絶縁層を介して第2ヒートシンクに伝熱される。
【0012】
本第1発明において、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板を更に備え、前記第2回路基板は第3実装面を有し、前記第3実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部が複数個整列して実装される場合、前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層が前記第3実装面に実装された前記スイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1ヒートシンクが前記第1回路基板の第1実装面および前記第2回路基板の前記第3実装面に沿って折り曲げられているのが好ましい。
この態様は、2枚の回路基板にスイッチング素子がそれぞれ実装されている場合に適用され、第3実装面に実装されたスイッチング素子の熱は第2絶縁層を介して中間層に伝熱され、前記中間層において第1実装面と第2ヒートシンクとの間に伝熱され、更に第2ヒートシンクに伝熱される。
【0013】
本第2発明は、遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、1つの所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの一群が複数個整列して実装される実装面を有する第1回路基板と、別の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの別の一群が複数個整列して実装され前記実装面に対面する別の実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記1つの実装面に実装された一群の前記スイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第2絶縁層が前記別の実装面に実装された前記別の一群のスイッチング素子の露出面に接触するように前記一対のスイッチング素子の群の間に挿入され、可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、前記第各回路基板の前記所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記実装面上の前記所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1回路基板に沿って折り曲げられた前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えている。
この態様は、2枚の回路基板にスイッチング素子が互いに対面するように実装されている場合に適用することができる。
【0014】
第1および第2回路基板に実装されたスイッチング素子の熱は、それぞれ、第1および第2絶縁層を介して中間層に伝熱される。前記中間層の熱は第1ヒートシンクの折り曲げられた部位を介して第1回路基板と第2ヒートシンクとの間の部位に伝熱され、更に、第2絶縁層を介して第2ヒートシンクに伝熱される。サラミック質の第2ヒートシンクは熱放射により熱を逃がす。
【0015】
本第3発明は、遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、第1所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第1群が複数個整列して実装される第1実装面、ならびに、前記第1実装面とは反対側の面であって第2所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第2群が複数個整列して実装される第2実装面を有する第1回路基板と、第3所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第3群が複数個整列して実装され前記第2実装面に対面する第3実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記第1および第2実装面に実装された前記第1群および第2群のスイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第2絶縁層が前記第3実装面に実装された前記第3群のスイッチング素子の露出面に接触するように前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、前記各回路基板の前記各所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記第1所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1ヒートシンクにおける前記第1実装面に沿った前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えている。
この態様は、2枚の回路基板にスイッチング素子が3層実装されている場合に適用することができる。
【0016】
第1〜第3実装面に実装された第1〜第3群のスイッチング素子は、各々、絶縁層に接触しており、したがって、素子の熱は絶縁層を介して中間層に伝熱される。中間層において熱は均一化されるのでヒートスポットが生じにくい。
前記2枚の基板の間の中間層の熱は、中間層において折り曲げられた部位を介して前記第1回路基板と前記第2ヒートシンクとの間の中間層に伝熱され、この中間層の熱は、更に、第2絶縁層を介して第2ヒートシンクに伝熱される。
第2ヒートシンクは熱放射により熱を逃がす。
【0017】
本第4発明は、遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、第1所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第1群が複数個整列して実装される第1実装面、ならびに、前記第1実装面とは反対側の面であって第2所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第2群が複数個整列して実装される第2実装面を有する第1回路基板と、第3所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第3群が複数個整列して実装され前記第2実装面に対面する第3実装面、ならびに、前記第3実装面とは反対側の面であって第4所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第4群が複数個整列して実装される第4実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記第1および第2実装面に実装された前記第1群および第2群のスイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の一つのヒートシンクと、良熱伝導体の中間層の表裏に第3および第4絶縁層が積層され、前記第3絶縁層が前記第3および第4実装面に実装された前記第3群および第4群のスイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第4絶縁層が前記第2絶縁層に接触するように前記第2回路基板の第3および第4実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の別のヒートシンクと、前記各回路基板の前記各所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記第1所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記一つのヒートシンクにおける前記第1実装面に沿った前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記一つのヒートシンクの前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質のヒートシンクとを備えている。
この態様は、2枚の回路基板の両面にスイッチング素子がそれぞれ実装されている場合、すなわち、4層のスイッチング素子が実装されている場合に適用することができる。
【0018】
第1群〜第4群のスイッチング素子の熱は、第1または第3絶縁層を介して中間層に伝熱される。中間層は良熱伝導体であるから、各スイッチング素子においてヒートスポットは生じにくい。
第3群および第4群のスイッチング素子の熱は前記シート状の別のヒートシンクの第4絶縁層から前記シート状の1つのヒートシンクの第2絶縁層を介して当該1つのヒートシンクの中間層に伝熱される。更に、当該1つのヒートシンクの折り曲げ部分を介して中間層の熱が第1回路基板とセラミック質のヒートシンクとの間に伝熱され、当該セラミック質のヒートシンクから熱放射される。
【0019】
前記4層のスイッチング素子が実装されているスピードコントローラにおいて、前記駆動制御回路を構成する素子が実装される第3回路基板を更に備え、前記第3回路基板と前記第1回路基板との間に前記第2回路基板が配置されるように前記第3回路基板が設けられ、前記シート状のヒートシンクと前記各スイッチング素子およびセラミック質のヒートシンクとが接触する圧力が得られるように、前記セラミック質のヒートシンクと前記第3回路基板との間で前記シート状の一対のヒートシンクと前記第1および第2回路基板とを挟み付けるようにしてもよい。
この場合、界面における接触圧が容易に得られる。
【0020】
前記スイッチング素子の群同士が互いに対面するように実装されたスピードコントローラにおいて、前記互いに略平行な回路基板の互いに対面する前記実装面に配置されたスイッチング素子は、互いに同数、同形、同大で、かつ、互いに真向かいに配置されているのがこのましい。
この態様によれば、スイッチング素子の全面において均一かつ大きな接触圧が確実に得られる。
【0021】
本発明において、前記セラミック質のヒートシンクの前記接触面が前記ケーシング内に収容され、かつ、前記接触面の反対側の放射面、ならびに、前記接触面と前記放射面との間の4つの各側面の少なくとも一部が前記ケーシングから露出しているのが好ましい。
この態様によれば、セラミック質のヒートシンクの側面からの熱放射が期待できる。
【0022】
この場合、前記セラミック質のヒートシンクの放射面には、少なくとも互いに対向する一対の上縁部を切り欠いた段部が形成され、この段部に前記ケーシングの開口を形成する開口縁部が当接しているのが好ましい。
この場合、ネジ等を用いることなく、セラミック質のヒートシンクをケーシングに固定することができる。
【0023】
本発明において、前記所定領域を除く前記回路基板の一部が前記ケーシングから突出した突出部を更に備え、前記直流電源または前記モータに前記給電経路を介して接続される複数の端子が前記突出部に設けられているのが好ましい。
この態様によれば、ケーシングから突出した突出部からも熱放射が期待できる。
【0024】
本発明の好ましい例において、前記回路基板または回路基板群は第1縁およびこの第1縁に対向または隣接する第2縁とを有し、前記回路基板の第1縁および第2縁の近傍には、それぞれ、前記直流電源または前記モータの端子に接続されるケーブルを接続するための端子が配置される。
この態様によれば、端子間に余裕ができ接続作業が容易になる。
【0025】
本発明の好ましい例において、前記第1縁の近傍には前記直流電源に接続される2つの第1端子が配置され、かつ、前記第1縁の外方には前記直流電源が配置され、前記第2縁には前記モータに接続される複数の第2端子が接続される。
この場合、直流電源および端子をコンパクトに配置することができる。
【0026】
本発明において、前記回路基板または回路基板群は互いに隣接ないし対向する第1縁〜第4縁を有し、前記第1および第2縁の近傍には、それぞれ前記直流電源または前記モータの端子に接続されるケーブルを接続するための端子が配置され、前記第3縁の近傍には前記スピードコントローラの設定状態を表示する表示器が配置され、前記第4縁において前記第1ヒートシンクが折り曲げられていてもよい。
【0027】
本発明において、前記駆動制御回路を構成する素子が実装される第3回路基板を更に備え、前記第3回路基板と前記第1回路基板との間に前記第2回路基板が配置されるように前記第3回路基板が設けられていてもよい。
【0028】
本発明において、前記第1ヒートシンクは、前記中間層に沿った面方向の熱伝導率が前記中間層に直交する直交方向の熱伝導率よりも大きいのが好ましい。
本態様によれば、熱伝導率の異方性により熱が拡散し局所的に高温になるのを抑制し得る。
なお、「熱伝導率」とは、一つの物質内での熱の伝わり易さを表す値をいい、具体的には、熱流束密度(単位時間に単位面積を通過する熱エネルギー)を温度勾配で除算した物理量で表される。
【0029】
本発明において、前記第2ヒートシンクはアルミナ(Al2 O3 )を主成分とするのが好ましい。
本態様によれば、アルミナを主成分とするヒートシンクは窒化アルミを主成分とするヒートシンクに比べ一般に安価であるから、スピードコントローラのコストアップを抑制し得る。
【実施例1】
【0030】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。以下に示す各実施例では、本発明を模型の車両に適用した場合について例示して説明する。
図1〜図9は実施例1を示す。
【0031】
機器構成:
図7に示すように、車両(遠隔操縦可能な模型の一例)1は、送信器2から送信される電波を当該車両1に搭載された受信器3で受信することにより操縦者により操縦可能である。
前記車両1には、前記受信器3、スピードコントローラC、モータ6、車輪7および直流電源(バッテリ)8などが搭載されている。
【0032】
操縦者が送信器2を用いて無線信号を発信させると、当該無線信号を受信器3が受信し、受信した信号に基づき、スピードコントローラCが、直流電源8から前記モータ6への給電経路6cを入切させることでモータ6を駆動制御する。
【0033】
スピードコントローラC:
図8に示すように、スピードコントローラCは、駆動制御回路4、スイッチング回路5、操作部61、表示回路62、コネクタ63および電源回路64を備えている。 前記操作部61は、通常運転モードと設定モードとを切り替えるためのスライドスイッチや、設定モード時にスピードコントローラCに対する設定のための操作入力を受け付けるためのスイッチを備える。
前記スライドスイッチにより通常運転モードが選択されている場合には、スピードコントローラCは、コネクタ63を介して受信した信号に基づき駆動制御回路4でスイッチング回路5を制御することで、直流電源8から前記モータ6への給電経路6cを入切させることでモータ6を駆動制御する。
前記スライドスイッチにより設定モードが選択されている場合には、スピードコントローラCは、表示回路62により設定モードである旨を報知するとともに設定状態を報知し、例えば、図示しない無線操縦器の操作レバーの操作量に対するゲイン・オフセット調整などを行ったり、スイッチング回路5のスイッチング周波数を切り替え設定したりできるように構成されている。スイッチング周波数の切り替え設定は、操作レバーの操作量、操作レバーの操作速度あるいはモータ6の回転数などに応じて連続的にまたは段階的に可変するように設定できたり、所定の固定的な周波数に設定できるように構成してもよい。
【0034】
スイッチング回路5:
図9に示すように、前記スイッチング回路5は、モータの各端子6aごとに複数ずつ並列接続されたスイッチング素子50(50a、50b)を備えている。本実施例1では、モータ6に3極の端子6aが設けられており、当該端子6aに対応する第1〜第3群のスイッチング素子群51〜53が設けられている。
また、第1〜第3群のスイッチング素子群51〜53は、それぞれ直流電源8(図9)の正極に対応したスイッチング素子50aと負極に対応したスイッチング素子50bとを備えている。本実施例1では、駆動制御対象のモータ6が3相ブラシレスモータであり、このモータ6を全波駆動するため上述のような構成をとったが、3相ブラシレスモータを半波駆動する場合には、正極に対応したスイッチング素子50aまたは負極に対応したスイッチング素子50bのいずれか一方のみがあればよい。
【0035】
駆動制御回路4:
前記駆動制御回路4は、受信器3から発信されたモータ6を制御するための指令信号に基づいて各スイッチング素子50の入切のタイミングを制御する。
【0036】
3層の素子群51〜53:
図2に示すように、前記スピードコントローラCは、第1〜第3回路基板31〜33と、第1および第2ヒートシンクシンク10,20と、図5に示すケーシング9とを備えている。
【0037】
図1に示すように、第3回路基板33の上方には第2回路基板32が設けられている。第2回路基板32の上方には第1回路基板31が設けられている。第1回路基板31の上方には第2ヒートシンク20が設けられている。
第1および第2回路基板31,32の間と、第1回路基板31および第2ヒートシンク20の間には、第1回路基板31に沿って折り曲げられた第1ヒートシンク10が設けられている。
【0038】
第1回路基板31:
図1および図2に示すように、前記第1回路基板31は、第1および第2実装面F1,F2を備えている。
【0039】
第1実装面F1;
前記第1実装面F1は、第1回路基板31の上面31uに形成されている。
図3に示すように、第1実装面F1の第1所定領域D1内には前記モータ6(図9)の前記1つの端子6aに対応する第1群51の前記スイッチング素子50が縦横に複数個整列して実装されている。
【0040】
第2実装面F2;
図1に示すように、前記第2実装面F2は第1回路基板31の下面31dに形成されている。すなわち、第2実装面F2は、第1回路基板31における前記第1実装面F1とは反対側の面に形成されている。
図3の破線で示す前記第2実装面F2の第2所定領域D2内には、モータ6(図9)の前記1つの端子6aに対応する第2群52の前記スイッチング素子50が縦横に複数個整列して実装されている。
【0041】
第2回路基板32:
図1に示すように、第2回路基板32は前記第1回路基板31に略平行に、かつ、近接して対向配置されている。
第3実装面F3;
前記第3実装面F3は第2回路基板32の上面32uに形成されている。すなわち、第3実装面F3は前記第2実装面F2に対面する位置に設定されている。
図3に示すように、第3実装面F3の第3所定領域D3内には、モータ6(図9)の前記1つの端子6aに対応する前記第3群53のスイッチング素子50が縦横に複数個整列して実装されている。
【0042】
図1、図2および図3に示すように、互いに略平行な第1および第2回路基板31,32の互いに対面する前記実装面F2,F3に配置されたスイッチング素子50は、互いに同数、同形、同大で、かつ、互いに真向かいに配置されている。
スイッチング素子50は、好ましくは面実装される略直方体の板形状のFET(電界効果トランジスタ)であり、回路基板31,32に半田付けされる実装面およびその反対側の露出面50fが他の4面よりも十分大きく、実装面からは基板配線を通じてスイッチング素子50から回路基板31,32への放熱が、上記露出面50fにおいては第1ヒートシンク10への放熱が効率よく行われる。
【0043】
第1ヒートシンク10:
図1に示すように、第1ヒートシンク10は良熱伝導体の中間層10cの表裏に第1および第2絶縁層11,12が積層されてなる。
第1ヒートシンク10は可撓性を有している。そのため、前記第1絶縁層11は前記第1および第2実装面F1,F2に実装された前記第1群51および第2群52のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、かつ、前記第2絶縁層12が第2ヒートシンク20の接触面21および前記第3実装面F3に実装された前記第3群53のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように第1回路基板31の第1および第2実装面F1,F2に沿って折り曲げられている。
【0044】
前記第2ヒートシンク20、第1および第2回路基板31,32にはネジ部材71が挿通されており、ネジ部材71がナット72に螺合していることで、第2ヒートシンク20と第2回路基板32との間に第1回路基板31が挟み付けられている。
そのため、シート状の第1ヒートシンク10と各スイッチング素子50および厚板ブロック状の第2ヒートシンク20とは、互いに接触する圧力が得られ、互いに圧接する。
【0045】
したがって、第2ヒートシンク20の接触面21と、第1群51の各スイッチング素子50の露出面5fとが、第1ヒートシンク10の第2絶縁層12および第1絶縁層11にそれぞれ圧接される。同様に、第2群52および第3群53の各スイッチング素子50の露出面50fは、第1ヒートシンク10の第1絶縁層11および第2絶縁層12にそれぞれ圧接される。
【0046】
ケーシング9:
図5に示す前記ケーシング9は、図1および図3に示す前記各回路基板31〜33の各所定領域D1〜D3と、該第1所定領域D1〜D3に実装された各スイッチング素子50と、図1に示す駆動制御回路4とを収容している。図3に示す第1回路基板31の第1実装面F1上の第1所定領域D1に対応する位置には、図5に示すように、当該第1所定領域D1と概ね同じ大きさの開口9aが設けられている。
【0047】
第2ヒートシンク20:
前記第2ヒートシンク20は、ケーシング9の外に向って熱を放射するものであり、前記ケーシング9の前記開口9aに対応して設けられている。
図1に示すように、第2ヒートシンク20は、第1ヒートシンク10における第1実装面F1に沿った第2絶縁層12と接触する接触面21を有している。前記接触面21は第1実装面F1に実装された第1群51のスイッチング素子50の露出面50fよりも広い面積において第2絶縁層12と接触しており、前記第1群51のスイッチング素子50の露出面50fの全域およびその周辺において前記第1ヒートシンク10の第2絶縁層12に接触している。
【0048】
図1に示す第2ヒートシンク20の前記接触面21は、図5および図6(a),(b)に示すように、ケーシング9内に収容され、かつ、接触面21(図1)の反対側の放射面22、ならびに、図1の接触面21と放射面22との間の4つの各側面23の少なくとも上部が、図6(a),(b)に示すように、ケーシング9から露出している。
【0049】
図3に示す第1回路基板31および第2回路基板32において、前記所定領域D1〜D3を除く前記回路基板の一部は、図5に示す前記ケーシング9から突出した突出部31b,32a,32bを備えている。
前記突出部31b,32a,32bには複数の端子41,42が設けられている。前記端子41,42は、図7に示す前記直流電源8またはモータ6に給電経路8c,6cを介して接続される。
【0050】
すなわち、図3に示す前記回路基板群31〜33は、第1縁E1およびこの第1縁E1に対向する第2縁E2を有している。前記回路基板31,32の第1縁E1および第2縁E2の近傍には、前記突出部31b,32a,32bが形成され、該突出部31b,32a,32bには、それぞれ、図9に示す直流電源8またはモータ6の各端子6a,8aに接続される各ケーブルを接続するための前記端子41,42(図5)が配置されている。
【0051】
具体的には、前記第2回路基板32の第1縁E1側の突出部32aには2個の第1端子41が設けられている。前記第1端子41には、図7に示す直流電源8に接続された給電経路8cを構成する電源ケーブルが接続される。
図5に示す第1および第2回路基板31,32の第2縁E2側の突出部31b,32bには合計3個の第2端子42が設けられている。前記第2端子42は、図9に示すモータ6に接続された前記給電経路6cを構成する給電ケーブルにそれぞれ接続される。
【0052】
したがって、図3に示す第1回路基板31の前記第1縁E1の突出部32aには、直流電源8(図9)に接続される2つの第1端子41が配置され、当該第1縁E1の外方には図5の前記直流電源8が配置されている。一方、図3の第1および第2回路基板31,32の前記第2縁E2には前記モータ6(図9)に接続される複数の第2端子42が接続されている。
【0053】
図6の前記ケーシング9は上下に2分割されており、その分割面に前記突出部31b,32a,32bが突出する切欠き90が形成されている。
【0054】
前記回路基板群31〜33は互いに対向ないし隣接する第1縁E1〜第4縁E4を有している。
前述したように、前記第1および第2縁E1,E2の近傍には、前記端子41,42が配置されており、該端子41,42には、それぞれ図5の前記直流電源8または前記モータ6の各端子8a,6a(図9)に接続されるケーブル8c,6cが接続される。
図3に示す第3縁E3の近傍にはスピードコントローラCの設定状態を表示する表示器45が配置されている。
表示器45は、青、緑、黄、赤の4色のチップLEDにより構成され、それぞれのチップLEDの点灯/消灯や点滅などによりスピードコントローラCの設定状態を表示する。
前記第1ヒートシンク10は、第4縁E4において折り曲げられている。
なお、表示部45が配置された第3縁E3の近傍を欠落させ、最下層の回路基板33に、青、緑、黄、赤の4色のリードフレーム型LEDを実装し、リードフレームの足の長さを所定の長さに調整することで、最上層の回路基板31相当の高さまたはそれ以上にケーシング9の天板に近接して配置してもよい。この場合は、前記第1ヒートシンク10は、第4縁E4において折り曲げられる代わりに、第3縁E3側で折り曲げられてもよい。
【0055】
前述したように、図1に示す第3回路基板33の上面33uには駆動制御回路4(図7)を構成する素子400が実装されている。
前記第3回路基板33は、該第3回路基板33と前記第1回路基板31との間に前記第2回路基板32が配置されるように設けられている。
【0056】
図1に示すように、第2回路基板32から第1回路基板31までの距離H1は、第3回路基板33から第2回路基板32までの距離H2よりも小さく設定されている。
【0057】
第1ヒートシンク10:
前記第1ヒートシンク10は、前記中間層10cに沿った面方向の熱伝導率が前記中間層10cに直交する直交方向の熱伝導率よりも大きいシート状の部材が用いられる。
そのため、第1ヒートシンク10の第1絶縁層11または第2絶縁層12を介して、発熱源であるスイッチング素子50の露出面50fから中間層10cに熱伝導等により伝熱された後、中間層において面方向に熱が伝達される。したがって、各スイッチング素子50の温度が平均化される。
このように全てのスイッチング素子50の温度が第1ヒートシンク10により均一化されることで、例えば、スイッチング素子50の過熱を検知し、過熱時にスイッチング素子50を強制的にOFFさせてスピードコントローラCの損傷を防止するための過熱防止機能の発動頻度を減らすことができる。特に、スイッチング素子50をスイッチング素子群51〜53として並列接続して使用する場合には、スイッチング素子50のON抵抗に反比例して発熱量が増えるため、スイッチング素子50のON抵抗のバラツキにより発熱ムラが発生する恐れがあり、第1ヒートシンク10による温度均一化の効果により、本質的に過熱を緩和し、過熱防止機能の発動頻度を減らすことができる。
【0058】
前記中間層10cは、複数のグラファイトシートの積層体からなり、該グラファイトシートは、黒鉛粉末をバインダー樹脂と混合してシート状に成形したり、膨張黒鉛を圧延してシート状に成形することで得られる。前記中間層10cの厚みは、たとえば、0.1mm〜2.0mm程度のものを用いるのが好ましい。
【0059】
なお、前記絶縁層としてはPETなどの樹脂フィルムや樹脂コートの他に両面テープのような粘着層を採用することができる。
【0060】
本発明において、前記第2ヒートシンク20としてはアルミナ(Al2 O3 )を主成分とするセラミック質の熱放射性固体物を採用することができる。アルミナを主成分とするセラミック質の第2ヒートシンク20としては、たとえば、特開昭63−140292号に開示された陶磁器熱放射性固体物を採用することができる。
前記陶磁器熱放射性固体物としては、たとえば、アルミナの含有量が95.0重量%以上で、0.93〜0.98の熱放射率および30〜60W/m・kの熱伝導率を有するものを好的に採用することができる。
なお、高価であるが、窒化アルミを主成分とするセラミック質の熱放射性固体物を採用してもよい。
【0061】
以下に述べる各実施例では、前述した実施例1と異なる部分を主に説明する。なお、以下の各実施例において、実施例1と同一部分または相当部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【実施例2】
【0062】
図10〜図15は実施例2を示す。
4層の素子群を有するスピードコントローラC:
図10に示すように、本実施例4では、第1および第2回路基板31,32の各両面にそれぞれ複数のスイッチング素子50が実装されていると共に、一対の第1ヒートシンク10A,10Bが設けられている。
【0063】
第2回路基板32の第3実装面F3の反対側の面、すなわち、第2回路基板32の下面32dには第4所定領域D4が設けられている。前記第4所定領域D4には、図示しないモータの端子に対応するスイッチング素子50のうちの第4群54が複数個整列して実装される第4実装面F4が形成されている。
【0064】
第1ヒートシンク10A,10B;
上側の第1ヒートシンク(一つのヒートシンク)10Aは、良熱伝導体の中間層10cの表裏に第1および第2絶縁層11,12が積層されてなる。下方の第1ヒートシンク(別のヒートシンク)10Bは、良熱伝導体の中間層10cの表裏に第3および第4絶縁層13,14が積層されてなる。すなわち、前記上下のヒートシンク10A,10Bの部材自体は前記第1ヒートシンク10(図1)と同じものが用いられる。
【0065】
図10〜図12に示すように、前記上側の第1ヒートシンク10Aの第1絶縁層11は、第1および第2実装面F1,F2に実装された第1群51および第2群52のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、第1回路基板31の第1および第2実装面F1,F2に沿って折り曲げられている。
前記下側の第1ヒートシンク10Bの第3絶縁層13は、第3および第4実装面F3,F4に実装された第3群53および第4群54のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、かつ、前記第4絶縁層14が前記第2絶縁層12に接触するように第2回路基板32の第3および第4実装面F3,F4に沿って折り曲げられている。
【0066】
第1および第2端子41,42;
図11に示すように、第1および第2回路基板31,32の第1縁E1側の突出部31a,32aには第1端子41がそれぞれ1個づつ設けられている。前記2個の第1端子41には、図7に示す直流電源8に接続された給電経路8cを構成する電源ケーブルが接続される。
図12に示すように、第1および第2回路基板31,32の第2縁E2側の突出部31bには3個の第2端子42が設けられている。前記第2端子42は、図7に示すモータ6に接続された前記給電経路6cを構成する給電ケーブルが接続される。
【0067】
なお、給電ケーブルを介してモータ6に接続される図12、図14および図15の第2端子42は、第1および第2回路基板31,32から3箇所づつ引き出し、各基板31,32間がハンダ付けで接続されている。一方、電源ケーブルを介して直流電源8に接続される第1端子41は、極性ごとに基板31,32が分けられている。
つまり、実施例1では、図9のモータ6に接続される3極の端子6aに対応した図1の第1〜第3群のスイッチング素子群51〜53をそれぞれ群ごとに層を形成させるように回路基板31,32に実装したが、本実施例においては、図13の直流電源8の正極に対応した図10のスイッチング素子50aと、直流電源8(図13)の負極に対応したスイッチング素子50bとを別々の回路基板31,32に実装することで、前記回路基板31,32間を橋渡しする大電流用ピンコネクタの削減を実現している。
【0068】
図10において、前記第3回路基板33の下面33dには駆動制御回路4(図7)を構成する素子400が設けられている。
【0069】
ケーシング9;
図10に示すように、ブロック状のヒートシンク20の放射面22には、互いに対向する一対の上縁部を切り欠いた段部24が形成されている。この段部24には、ケーシング9の開口9aを形成する開口縁部9bが当接している。
したがって、第2ヒートシンク20の段部24がケーシング9の開口縁部9bに押え付けられていることにより、第2ヒートシンク20がケーシング9と第1回路基板31との間に固定される。
【0070】
シート状の第1ヒートシンク10A,10Bと各スイッチング素子50およびブロック状の第2ヒートシンク20とが接触する圧力が得られるように、セラミック質の第2ヒートシンク20と第3回路基板33との間で、一対の第1ヒートシンク10A,10Bと第1および第2回路基板31,32とが挟み付けられている。
ケーシング9は上下に2分割されており、その分割面に前記突出部31b,32a,32bが突出する切欠き90が形成されているが、下側のケーシング9に、上側のケーシング9に向けて貫通孔を形成し、上側のケーシング9に、下側ケーシング9に形成された貫通孔から挿入されるネジと螺合するための雌ネジ構造を設けてもよい。ネジを用いて上側ケーシング9と下側ケーシング9とを結合することで、上側ケーシング9により第2ヒートシンク20をより強固に第2ヒートシンク20および第1回路基板31へ押圧固定できる。
また、スイッチング素子50への制御信号を第1および第2回路基板31,32間で橋渡しする信号用ピンコネクタ49は、各第1および第2回路基板31,32で半田付けされる。各第1および第2回路基板31,32の信号用ピンコネクタ49への半田付けの高さ方向の位置を調整することで、一対の第1ヒートシンク10A,10Bを挟み込み、押圧するようにしてもよい。なお、この場合、信号用ピンコネクタ49は、少なくとも回路基板31,32の2縁以上に設けられることが好ましい。
【0071】
なお、本実施例2では、図12の表示器45が最下層の第3回路基板33の第3縁E3に実装され、図13および図14の窓91から視認できる。
【実施例3】
【0072】
図16は実施例3を示す。
1層の素子群を有するスピードコントローラC:
図3に示すように、第1回路基板31の上面31uには全てのスイッチング素子50が実装されている。第2ヒートシンク20の接触面21とスイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。したがって、第2ヒートシンク20の接触面21と第1ヒートシンク10の第1絶縁層11は、それぞれ、第1ヒートシンク10の第2絶縁層12とスイッチング素子50の露出面50fとに密着されている。
【実施例4】
【0073】
図17は実施例4を示す。
2層の素子群を有するスピードコントローラC:
図17に示すように、第1回路基板31の上面31uおよび下面31dには複数のスイッチング素子50からなる第1群51および第2群52がそれぞれ実装されている。
第2ヒートシンク20の接触面21と前記第1群51のスイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。
【0074】
第1回路基板31の下方には押え板34が設けられており、該押え板34の上面34uと、前記第2群52のスイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。
【0075】
すなわち、第1ヒートシンク10の第1絶縁層11が第1および第2実装面F1,F2に実装されたスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、第1ヒートシンク10が第1回路基板31の第1および第2実装面F1,F2に沿って折り曲げられている。
【実施例5】
【0076】
図18は実施例5を示す。
2層の素子群を有するスピードコントローラC:
図18に示すように、第1回路基板31の上面31uと、第2回路基板32の上面32uには、複数のスイッチング素子50がそれぞれ実装されている。
【0077】
第2ヒートシンク20の接触面21と前記スイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。第1回路基板31の下面31dとスイッチング素子50の露出面50fとの間には第1ヒートシンク10が介挿されている。
【0078】
第1ヒートシンク10の第2絶縁層12は、前記第1および第3実装面F1,F3にそれぞれ実装されたスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、第1ヒートシンク10が第1回路基板31の実装面F1および第2回路基板32の実装面F3に沿って折り曲げられている。
【実施例6】
【0079】
図19は実施例6を示す。
2層の素子群を有するスピードコントローラC:
図19に示すように、第1回路基板31の下面31dと、第2回路基板32の上面31uには、複数のスイッチング素子50がそれぞれ実装されている。
【0080】
第1ヒートシンク10の第1絶縁層11は1つの実装面F2に実装された一群のスイッチング素子50の露出面50fに接触し、かつ、第1ヒートシンク10の第2絶縁層12が別の実装面F3に実装された別の一群のスイッチング素子50の露出面50fに接触するように、前記一対のスイッチング素子50の間に挿入されている。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は無線で遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータの駆動制御に用いるスピードコントローラに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施例1にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図2】ヒートシンクおよび回路基板を示す分解された側面図である。
【図3】ヒートシンクおよび回路基板を示す分解された平面図である。
【図4】実装状態のヒートシンクおよび回路基板を示す側面図および平面図である。
【図5】スピードコントローラを示す平面図である。
【図6】スピードコントローラを示す側面図である。
【図7】スピードコントローラが搭載された模型および送信器を示す概略構成図である。
【図8】スピードコントローラを示す概略構成図である。
【図9】スピードコントローラ、モータ、受信器および直流電源を示す概略構成図である。
【図10】本発明の実施例2にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図11】実装状態のヒートシンクおよび回路基板を示す斜視図である。
【図12】実装状態のヒートシンクおよび回路基板を示す斜視図である。
【図13】スピードコントローラを示す斜視図である。
【図14】スピードコントローラを示す斜視図である。
【図15】スピードコントローラを示す斜視図である。
【図16】本発明の実施例3にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図17】本発明の実施例4にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図18】本発明の実施例5にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【図19】本発明の実施例6にかかるスピードコントローラのスイッチング素子の実装状態を模式的に示す拡大側面図である。
【符号の説明】
【0083】
1:車両(模型の一例)
4:駆動制御回路
6:モータ
6a:モータの端子
6c,8c:給電経路
8:直流電源(バッテリー)
9:ケーシング
10:第1ヒートシンク
10A,10B:ヒートシンク
10c:中間層
11:第1絶縁層
12:第2絶縁層
20:第2ヒートシンク
21:接触面
22:放射面
23:側面
24:段部
31:第1回路基板
31a,31b,32a,32b:突出部
33:第3回路基板
41:第1端子
42:第2端子
50:スイッチング素子
51:第1群
52:第2群
53:第3群
54:第4群
C:スピードコントローラ
D1:第1所定領域
D2:第2所定領域
D3:第3所定領域
D4:第4所定領域
E1:第1縁
E2:第2縁
E3:第3縁
E4:第4縁
F1:第1実装面
F2:第2実装面
F3:第3実装面
F4:第4実装面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、
前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、
前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、
第1実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部または全部が複数個整列して実装される第1回路基板と、
良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記スイッチング素子の露出面に前記第1絶縁層が接触する可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、
前記第1回路基板の前記所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、
前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えたスピードコントローラ。
【請求項2】
請求項1において、前記第1回路基板は前記第1実装面の反対側の面に第2実装面を更に有し、
前記第2実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部が複数個整列して実装され、
前記第1ヒートシンクの前記第1絶縁層が前記第2実装面に実装された前記スイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1ヒートシンクが前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられているスピードコントローラ。
【請求項3】
請求項1において、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板を更に備え、
前記第2回路基板は第3実装面を有し、
前記第3実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部が複数個整列して実装され、
前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層が前記第3実装面に実装された前記スイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1ヒートシンクが前記第1回路基板の第1実装面および前記第2回路基板の前記第3実装面に沿って折り曲げられているスピードコントローラ。
【請求項4】
遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、
前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、
前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、
1つの所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの一群が複数個整列して実装される実装面を有する第1回路基板と、
別の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの別の一群が複数個整列して実装され前記実装面に対面する別の実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、
良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記1つの実装面に実装された一群の前記スイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第2絶縁層が前記別の実装面に実装された前記別の一群のスイッチング素子の露出面に接触するように前記一対のスイッチング素子の群の間に挿入され、可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、
前記第各回路基板の前記所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記実装面上の前記所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、
前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1回路基板に沿って折り曲げられた前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えたスピードコントローラ。
【請求項5】
遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、
前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、
前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、
第1所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第1群が複数個整列して実装される第1実装面、ならびに、前記第1実装面とは反対側の面であって第2所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第2群が複数個整列して実装される第2実装面を有する第1回路基板と、
第3所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第3群が複数個整列して実装され前記第2実装面に対面する第3実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、
良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記第1および第2実装面に実装された前記第1群および第2群のスイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第2絶縁層が前記第3実装面に実装された前記第3群のスイッチング素子の露出面に接触するように前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、
前記各回路基板の前記各所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記第1所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、
前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1ヒートシンクにおける前記第1実装面に沿った前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えたスピードコントローラ。
【請求項6】
遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、
前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、
前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、
第1所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第1群が複数個整列して実装される第1実装面、ならびに、前記第1実装面とは反対側の面であって第2所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第2群が複数個整列して実装される第2実装面を有する第1回路基板と、
第3所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第3群が複数個整列して実装され前記第2実装面に対面する第3実装面、ならびに、前記第3実装面とは反対側の面であって第4所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第4群が複数個整列して実装される第4実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、
良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記第1および第2実装面に実装された前記第1群および第2群のスイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の一つのヒートシンクと、
良熱伝導体の中間層の表裏に第3および第4絶縁層が積層され、前記第3絶縁層が前記第3および第4実装面に実装された前記第3群および第4群のスイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第4絶縁層が前記第2絶縁層に接触するように前記第2回路基板の第3および第4実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の別のヒートシンクと、
前記各回路基板の前記各所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記第1所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、
前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記一つのヒートシンクにおける前記第1実装面に沿った前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記一つのヒートシンクの前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質のヒートシンクとを備えたスピードコントローラ。
【請求項7】
請求項6において、前記駆動制御回路を構成する素子が実装される第3回路基板を更に備え、
前記第3回路基板と前記第1回路基板との間に前記第2回路基板が配置されるように前記第3回路基板が設けられ、
前記シート状のヒートシンクと前記各スイッチング素子およびセラミック質のヒートシンクとが接触する圧力が得られるように、前記セラミック質のヒートシンクと前記第3回路基板との間で前記シート状の一対のヒートシンクと前記第1および第2回路基板とを挟み付けたスピードコントローラ。
【請求項8】
請求項4もしくは5において、前記互いに略平行な回路基板の互いに対面する前記実装面に配置されたスイッチング素子は、互いに同数、同形、同大で、かつ、互いに真向かいに配置されているスピードコントローラ。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1項において、前記セラミック質のヒートシンクの前記接触面が前記ケーシング内に収容され、かつ、前記接触面の反対側の放射面、ならびに、前記接触面と前記放射面との間の4つの各側面の少なくとも一部が前記ケーシングから露出しているスピードコントローラ。
【請求項10】
請求項9において、前記セラミック質のヒートシンクの放射面には、少なくとも互いに対向する一対の上縁部を切り欠いた段部が形成され、この段部に前記ケーシングの開口を形成する開口縁部が当接しているスピードコントローラ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項において、前記所定領域を除く前記回路基板の一部が前記ケーシングから突出した突出部を更に備え、前記直流電源または前記モータに前記給電経路を介して接続される複数の端子が前記突出部に設けられたスピードコントローラ。
【請求項12】
請求項2から5のいずれかにおいて、前記回路基板または回路基板群は第1縁およびこの第1縁に対向または隣接する第2縁とを有し、
前記回路基板の第1縁および第2縁の近傍には、それぞれ、前記直流電源または前記モータの端子に接続されるケーブルを接続するための端子が配置されているスピードコントローラ。
【請求項13】
請求項9において、前記第1縁の近傍には前記直流電源に接続される2つの第1端子が配置され、かつ、前記第1縁の外方には前記直流電源が配置され、前記第2縁には前記モータに接続される複数の第2端子が接続されているスピードコントローラ。
【請求項14】
請求項2から5のいずれかにおいて、前記回路基板または回路基板群は互いに隣接ないし対向する第1縁〜第4縁を有し、
前記第1および第2縁の近傍には、それぞれ前記直流電源または前記モータの端子に接続されるケーブルを接続するための端子が配置され、
前記第3縁の近傍には前記スピードコントローラの設定状態を表示する表示器が配置され、
前記第4縁において前記第1ヒートシンクが折り曲げられているスピードコントローラ。
【請求項15】
請求項3ないし6のいずれか1項において、前記駆動制御回路を構成する素子が実装される第3回路基板を更に備え、
前記第3回路基板と前記第1回路基板との間に前記第2回路基板が配置されるように前記第3回路基板が設けられたスピードコントローラ。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか1項において、前記第1ヒートシンクは、前記中間層に沿った面方向の熱伝導率が前記中間層に直交する直交方向の熱伝導率よりも大きいスピードコントローラ。
【請求項17】
請求項1から14のいずれか1項において、前記第2ヒートシンクはアルミナを主成分とするスピードコントローラ。
【請求項1】
遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、
前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、
前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、
第1実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部または全部が複数個整列して実装される第1回路基板と、
良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記スイッチング素子の露出面に前記第1絶縁層が接触する可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、
前記第1回路基板の前記所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、
前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えたスピードコントローラ。
【請求項2】
請求項1において、前記第1回路基板は前記第1実装面の反対側の面に第2実装面を更に有し、
前記第2実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部が複数個整列して実装され、
前記第1ヒートシンクの前記第1絶縁層が前記第2実装面に実装された前記スイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1ヒートシンクが前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられているスピードコントローラ。
【請求項3】
請求項1において、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板を更に備え、
前記第2回路基板は第3実装面を有し、
前記第3実装面の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子の一部が複数個整列して実装され、
前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層が前記第3実装面に実装された前記スイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1ヒートシンクが前記第1回路基板の第1実装面および前記第2回路基板の前記第3実装面に沿って折り曲げられているスピードコントローラ。
【請求項4】
遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、
前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、
前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、
1つの所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの一群が複数個整列して実装される実装面を有する第1回路基板と、
別の所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの別の一群が複数個整列して実装され前記実装面に対面する別の実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、
良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記1つの実装面に実装された一群の前記スイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第2絶縁層が前記別の実装面に実装された前記別の一群のスイッチング素子の露出面に接触するように前記一対のスイッチング素子の群の間に挿入され、可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、
前記第各回路基板の前記所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記実装面上の前記所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、
前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1回路基板に沿って折り曲げられた前記第1ヒートシンクの前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えたスピードコントローラ。
【請求項5】
遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、
前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、
前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、
第1所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第1群が複数個整列して実装される第1実装面、ならびに、前記第1実装面とは反対側の面であって第2所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第2群が複数個整列して実装される第2実装面を有する第1回路基板と、
第3所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第3群が複数個整列して実装され前記第2実装面に対面する第3実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、
良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記第1および第2実装面に実装された前記第1群および第2群のスイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第2絶縁層が前記第3実装面に実装された前記第3群のスイッチング素子の露出面に接触するように前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の第1ヒートシンクと、
前記各回路基板の前記各所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記第1所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、
前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記第1ヒートシンクにおける前記第1実装面に沿った前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質の第2ヒートシンクとを備えたスピードコントローラ。
【請求項6】
遠隔操縦可能な模型に搭載されたモータを駆動制御するために当該模型に搭載された直流電源から前記モータへの給電経路を入切するスピードコントローラにおいて、
前記モータの各端子ごとに複数ずつ並列接続されて設けられ、前記給電経路を入切するスイッチング素子と、
前記モータを制御するための指令信号に基づいて前記各スイッチング素子の入切のタイミングを制御する駆動制御回路と、
第1所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第1群が複数個整列して実装される第1実装面、ならびに、前記第1実装面とは反対側の面であって第2所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第2群が複数個整列して実装される第2実装面を有する第1回路基板と、
第3所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第3群が複数個整列して実装され前記第2実装面に対面する第3実装面、ならびに、前記第3実装面とは反対側の面であって第4所定領域内に前記モータの前記1以上の端子に対応する前記スイッチング素子のうちの第4群が複数個整列して実装される第4実装面を有し、前記第1回路基板に略平行に、かつ、近接して対向配置された第2回路基板と、
良熱伝導体の中間層の表裏に第1および第2絶縁層が積層され、前記第1絶縁層が前記第1および第2実装面に実装された前記第1群および第2群のスイッチング素子の露出面に接触するように、前記第1回路基板の第1および第2実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の一つのヒートシンクと、
良熱伝導体の中間層の表裏に第3および第4絶縁層が積層され、前記第3絶縁層が前記第3および第4実装面に実装された前記第3群および第4群のスイッチング素子の露出面に接触するように、かつ、前記第4絶縁層が前記第2絶縁層に接触するように前記第2回路基板の第3および第4実装面に沿って折り曲げられた可撓性を有するシート状の別のヒートシンクと、
前記各回路基板の前記各所定領域と前記スイッチング素子と前記駆動制御回路とを収容し、前記第1回路基板の前記第1実装面上の前記第1所定領域に対応する位置に開口が設けられたケーシングと、
前記ケーシングの前記開口に対応して設けられ、前記一つのヒートシンクにおける前記第1実装面に沿った前記第2絶縁層と接触する接触面を有し、当該接触面は前記第1実装面に実装された前記スイッチング素子の前記露出面よりも広い面積において前記一つのヒートシンクの前記第2絶縁層と接触し、前記ケーシングの外に向かって熱を放射するセラミック質のヒートシンクとを備えたスピードコントローラ。
【請求項7】
請求項6において、前記駆動制御回路を構成する素子が実装される第3回路基板を更に備え、
前記第3回路基板と前記第1回路基板との間に前記第2回路基板が配置されるように前記第3回路基板が設けられ、
前記シート状のヒートシンクと前記各スイッチング素子およびセラミック質のヒートシンクとが接触する圧力が得られるように、前記セラミック質のヒートシンクと前記第3回路基板との間で前記シート状の一対のヒートシンクと前記第1および第2回路基板とを挟み付けたスピードコントローラ。
【請求項8】
請求項4もしくは5において、前記互いに略平行な回路基板の互いに対面する前記実装面に配置されたスイッチング素子は、互いに同数、同形、同大で、かつ、互いに真向かいに配置されているスピードコントローラ。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか1項において、前記セラミック質のヒートシンクの前記接触面が前記ケーシング内に収容され、かつ、前記接触面の反対側の放射面、ならびに、前記接触面と前記放射面との間の4つの各側面の少なくとも一部が前記ケーシングから露出しているスピードコントローラ。
【請求項10】
請求項9において、前記セラミック質のヒートシンクの放射面には、少なくとも互いに対向する一対の上縁部を切り欠いた段部が形成され、この段部に前記ケーシングの開口を形成する開口縁部が当接しているスピードコントローラ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項において、前記所定領域を除く前記回路基板の一部が前記ケーシングから突出した突出部を更に備え、前記直流電源または前記モータに前記給電経路を介して接続される複数の端子が前記突出部に設けられたスピードコントローラ。
【請求項12】
請求項2から5のいずれかにおいて、前記回路基板または回路基板群は第1縁およびこの第1縁に対向または隣接する第2縁とを有し、
前記回路基板の第1縁および第2縁の近傍には、それぞれ、前記直流電源または前記モータの端子に接続されるケーブルを接続するための端子が配置されているスピードコントローラ。
【請求項13】
請求項9において、前記第1縁の近傍には前記直流電源に接続される2つの第1端子が配置され、かつ、前記第1縁の外方には前記直流電源が配置され、前記第2縁には前記モータに接続される複数の第2端子が接続されているスピードコントローラ。
【請求項14】
請求項2から5のいずれかにおいて、前記回路基板または回路基板群は互いに隣接ないし対向する第1縁〜第4縁を有し、
前記第1および第2縁の近傍には、それぞれ前記直流電源または前記モータの端子に接続されるケーブルを接続するための端子が配置され、
前記第3縁の近傍には前記スピードコントローラの設定状態を表示する表示器が配置され、
前記第4縁において前記第1ヒートシンクが折り曲げられているスピードコントローラ。
【請求項15】
請求項3ないし6のいずれか1項において、前記駆動制御回路を構成する素子が実装される第3回路基板を更に備え、
前記第3回路基板と前記第1回路基板との間に前記第2回路基板が配置されるように前記第3回路基板が設けられたスピードコントローラ。
【請求項16】
請求項1から13のいずれか1項において、前記第1ヒートシンクは、前記中間層に沿った面方向の熱伝導率が前記中間層に直交する直交方向の熱伝導率よりも大きいスピードコントローラ。
【請求項17】
請求項1から14のいずれか1項において、前記第2ヒートシンクはアルミナを主成分とするスピードコントローラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−94144(P2010−94144A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−264836(P2008−264836)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】
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