説明

スフィンゴシン‐1‐リン酸(S1P)レセプター拮抗薬およびその使用方法

本発明は、スフィンゴシン‐1‐リン酸拮抗薬として有用なある種の特定のベンズアミドを提供する。そのようなものとして、本明細書において説明する化合物は、スフィンゴシン‐1‐リン酸レセプターの調節に関連する多くの疾患を治療するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願との相互参照)
本出願は、2008年8月12日に出願された米国仮特許出願第61/088,217号の権利を主張する;この米国仮特許出願の開示全体を、その特定の言及により本明細書に合体させる。
【0002】
本発明は、一般に、ある種の置換ベンズアミド、およびその拮抗薬、例えば、スフィンゴシン‐1‐リン酸レセプターの拮抗薬としての使用に関する。本発明は、特に、スフィンゴシン‐1‐リン酸レセプター調節に関連する疾患を治療するためのこれらの化合物および製薬組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
スフィンゴシンは、下記の一般式で示す化学構造を有する化合物であり、式中、Y1は水素である。構成成分としてスフィンゴシンを有する各種のスフィンゴ脂質が、神経系内の細胞の細胞膜表面上のような生体中に広く分布していることは知られている。
【化1】

【0004】
スフィンゴ脂質は、生体中で重要な役割を有する脂質の1つである 。脂肪代謝異常と称する疾患は、身体中の特定のスフィンゴ脂質の蓄積によって生じる。細胞膜上に存在するスフィンゴ脂質は、細胞増殖を調節するように機能し;細胞の成長および分化に関与し;神経に作用し;細胞の感染および悪性腫瘍に関連する等である。スフィンゴ脂質の多くの生理学的役割は、今後の課題である。最近、スフィンゴシンの誘導体であるセラミドが、細胞情報伝達のメカニズムにおいて重要な役割を有する可能性が示唆されており、アポトーシスおよび細胞周期に対するその作用についての研究が報告されている。
【0005】
スフィンゴシン‐1‐リン酸は、デノボまたはスフィンゴミエリンサイクル(動物細胞内の)の一部として合成されるセラミドに由来する重要な細胞内代謝産物である。また、スフィンゴシン‐1‐リン酸は、昆虫、酵母および植物中でも見出されている。
酵素のセラミダーゼはセラミドに作用してスフィンゴシンを放出し、このスフィンゴシンは、細胞質ゾルおよび小胞体中の遍在性酵素であるスフィンゴシンキナーゼによってリン酸化されてスフィンゴシン‐1‐リン酸を生じる。また、逆反応もスフィンゴシンホスファターゼ類の作用によって生じ得、これらの酵素は、同調して、代謝産物の細胞内濃度(この濃度は常に低い)を調節するように作用する。血漿中では、そのような濃度は0.2〜0.9μMに達し得、上記代謝産物は、リポタンパク質、特にHDLに伴って見出される。また、スフィンゴシン‐1‐リン酸形成は、スフィンゴイド塩基の異化作用における本質的な段階であることに留意すべきである。
【0006】
スフィンゴシン‐1‐リン酸は、そのプレカーサーと同様に、細胞内および細胞間の双方においておそらくは特異的に活動するが、セラミドおよびスフィンゴシンとは極めて異なる機能を有する強力なメッセンジャー分子である。これら種々のスフィンゴ脂質代謝産物間のバランスは、健康のために重要であり得る。例えば、細胞内においては、スフィンゴシン‐1‐リン酸は、スフィンゴシン‐1‐リン酸が抑制する細胞死(アポトーシス)とは対照的に、細胞分裂(有糸分裂)を促進する。また、細胞内においては、スフィンゴシン‐1‐リン酸は、種々の細胞外刺激に応答してのカルシウム動員および細胞増殖を調節するように機能する。現在の見解によれば、細胞中のスフィンゴシン‐1‐リン酸とセラミドおよび/またはスフィンゴシンとの量間のバランスはこれらの生存能力にとって臨界的であることが示唆されているようである。リゾリン脂質類、特に、幾分かの構造的類似性を有するリゾホスファチジン酸と同様に、スフィンゴシン‐1‐リン酸は、細胞表面上の5種類の特異的Gタンパク質結合レセプターとの相互作用により、多くの細胞外作用を発揮する。これらの作用は、新生血管の成長、血管成熟、心臓発達および免疫にとって、さらに指向性細胞運動にとって重要である。
【0007】
スフィンゴシン‐1‐リン酸は、その異化作用に関与する酵素を欠くヒト血小板中に比較的高濃度で保存されており、成長因子、サイトカイン並びにレセプター作用薬および抗原のような生理的刺激物の活性化時に血流中に放出される。また、スフィンゴシン‐1‐リン酸は、血小板凝集および血栓症において重要な役割を有し、循環器疾患を悪化させ得る。他方では、高密度リポタンパク質(HDL)中の比較的高濃度の代謝産物は、アテローム発生に対して有益な関与を有し得る。例えば、スフィンゴシン‐1‐リン酸は、スフィンゴシルホスホリルコリンおよびリゾスルファチドのような他のリゾ脂質と一緒になって、血管内皮近くでの強力な抗動脈硬化シグナル伝達分子である一酸化窒素の産生を刺激することにより、HDLの有益な臨床効果に関与するという最近の示唆が存在する。さらに、リゾホスファチジン酸と同様に、スフィンゴシン‐1‐リン酸は、ある種のタイプの癌のマーカーであり、細胞分裂または増殖におけるその役割は癌発生に対して影響を有し得るという証拠が存在する。これらは、現在、医学研究者の間で大きな関心を引き付けているトピックスであり、スフィンゴシン‐1‐リン酸代謝における治療的介入の可能性は活発に研究中である。
【0008】
真菌および植物はスフィンゴ脂質を有し、これらの生物体に含まれる主要なスフィンゴシンは、下記の式を有する。これらの脂質が真菌および植物の細胞増殖において重要な役割を有することは知られているが、その役割の詳細は、今後の課題である。
【化2】

【0009】
最近、スフィンゴ脂質およびその関連化合物の誘導体が、代謝経路の抑制または刺激による多様な生物学的活性を示すことが知られてきている。これらの化合物としては、プロテインキナーゼCの抑制剤、アポトーシス誘導剤、免疫抑制性化合物、抗真菌性化合物等がある。これらの生物学的活性を有する物質は、種々の疾患に対する有用な化合物であることが期待されている。
【0010】
スフィンゴシンの誘導体は、種々の特許において調製されている。例えば、米国特許第4,952,683号、第5,110,987号、第6,235,912 B1号および第6,239,297 B1号を参照されたい。
また、ある種のスフィンゴシン誘導体に類似するが、スフィンゴシンレセプターに対するリガンドであるとは報告されていない化合物も、各種の特許および公開特許出願において報告されている。例えば、米国特許第5,294,722号、第5,102,901号、第5,403,851号および第5,580,878号;米国特許出願公開公報第2003/0125371 A2号を参照されたい。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、スフィンゴシン‐1‐リン酸拮抗薬として有用であるある種の特定のベンズアミドを提供する。そのようなものとして。本明細書において説明する化合物は、スフィンゴシン‐1‐リン酸レセプターの調節に関連する多種多様な疾患の治療において有用である。
【0012】
本発明の1つの実施態様においては、下記の構造を有する化合物またはその製薬上許容し得る塩を提供する:
【化3】


(式中、各R1は、個々に、‐Hまたは低級アルキルであり;
各R2およびR3は、個々に、‐H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハライド、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボキシル、トリフルオロメチル、‐N(R4)2、‐CN、‐CO2R4、‐CH2OH、‐OCF3、‐OCHF2または‐NO2であり;各R2は、カルボニル成分に対してメタ‐またはパラ‐位置にあり;
各R4は、個々に、H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、オキシカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボキシレート、アルキルアミド、アミノ、アルキルアミノまたはアミノカルボニルであり;
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6は、各々、個々に、C、N、OまたはSであり;
Xは、H、F、Cl、BrまたはIであり;
各nは、個々に、1〜5であり;そして、
pは、0または1である;
但し、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6が、各々、Cである場合、pは1であり、各R2は‐Hであり、R3はClではないことを条件とする)。
【0013】
もう1つの実施態様においては、本発明の少なくとも1種の化合物を、それ用の製薬上許容し得る担体中に含む製薬組成物を提供する。
本発明のさらなる実施態様においては、スフィンゴシン‐1‐リン酸レセプターの調節に関連する疾患の治療方法を提供する。そのような方法は、例えば、治療を必要とする対象者に、治療上有効量の本発明の少なくとも1種の化合物を含有する製薬組成物を投与することによって実施し得る。
【0014】
本発明のさらにもう1つの実施態様においては、S1P1、S1P2およびS1P3レセプターのようなスフィンゴシン‐1‐リン酸レセプターの調節に関連する疾患の治療方法を提供する。そのような方法は、例えば、治療を必要とする対象者に、治療上有効量の本発明の少なくとも1種の化合物またはこれらの化合物の任意の組合せ、或いはこれらの化合物の製薬上許容し得る塩、水和物、溶媒和物、結晶形並びに個々の異性体、鏡像体およびジアステレオマーを投与することによって実施し得る。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記の一般的説明および以下の詳細な説明は、共に、例示で且つ説明目的のみであり、特許請求している本発明を限定するものではないことを理解すべきである。本出願において使用するとき、単数形の使用は、特に他で断らない限り、複数形を包含する。本出願において使用するとき、“または”は、他に断らない限り、“および/または”を意味する。さらにまた、用語“含む(including)”、並びに“含む(includes)”および“含む(included)”のような他の形の使用も、限定するものではない。本明細書において使用する項の見出しは、構成目的のみであり、説明する主題を限定するものと解釈すべきではない。
【0016】
特定の定義を示さない限り、本明細書において説明する分析化学、合成有機および無機化学に関連して使用する用語、並びにこれらの化学の実験室手順および方法は、当該技術において既知のものである。標準の化学記号は、そのような記号によって示される正式名称と互換的に使用する。従って、例えば、用語“水素”および“H”は、同一の意味を有するものと理解されたい。標準方法を、化学合成、化学分析および配合において使用し得る。
【0017】
本明細書において使用するとき、“アルキル”は、1個から約100個までの炭素原子を有する直鎖、枝分れ鎖または環状のヒドロカルビル基を称する。アルキルが本明細書において登場する場合、常に、“1〜100個”または“C1〜C100”のような数値範囲は、所定範囲内の各整数を示す;例えば、“C1〜C100 アルキル”は、アルキル基が、1個のみの炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子等、100個までの炭素原子および100個の炭素原子を含み得ることを意味するが、用語“アルキル”は、炭素原子の数値範囲が指定されていない場合も包含する。“置換アルキル”は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、複素環、アリール、ヘテロアリール、アリールオキシ、ハロゲン、ハロアルキル、シアノ、ニトロ、アミノ、低級アルキルアミノ、低級ジアルキルアミノ、アミド、アジド、アシル(‐C(O)R6)、アルコキシメチル、メルカプト(‐S‐R6)、スルホキシ(‐S(O)‐R6)、スルホニル(‐S(O)2‐R6)、スルホンアミド(‐S(O)2N(R6)2)、カルボネート(‐OC(O)‐O‐R6)、オキシアシル(‐OC(O)‐R6)、カルボキシル(‐C(O)OH)、エステル(‐C(O)OR6)、カルバメート(‐OC(O)‐N(R6)2)から典型的に選ばれる置換基を担持するアルキル成分を称する;上記において、R6は、Hまたは低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたは複素環等である。本明細書において使用するとき、“低級アルキル”は、1個〜約6個の炭素原子を有するアルキル成分を称する。
【0018】
本明細書において使用するとき、“アルケニル”は、少なくとも1個の炭素‐炭素二重結合を有し且つ約2個から約100個までの範囲内の炭素原子を有する直鎖、枝分れ鎖または環状のヒドロカルビル基を称し、“置換アルケニル”は、上記したような1個以上の置換基をさらに担持するアルケニル基を称する。本明細書において使用するとき、“低級アルケニル”は、1〜約6個の炭素原子を有するアルケニル成分を称する。
本明細書において使用するとき、“アルキニル”は、少なくとも1個の炭素‐炭素三重結合を有し且つ約2個から約100個までの範囲内の炭素原子を有する直鎖または枝分れ鎖のヒドロカルビル基を称し、“置換アルキニル”は、上記したような1個以上の置換基をさらに担持するアルキニル基を称する。本明細書において使用するとき、“低級アルキニル”は、2〜約6個の炭素原子を有するアルキニル成分を称する。
【0019】
本明細書において使用するとき、“シクロアルキル”は、約3個から約8個までの範囲内の炭素原子を典型的に含有する環状(即ち、環含有)アルキル成分を称し、“置換シクロアルキル”は、上述したような1個以上の置換基をさらに担持するシクロアルキル基を称する。
本明細書において使用するとき、“アリール”は、6個から14個までの範囲内の炭素原子を有する芳香族基を称し、“置換アリール”は、上述したような1個以上の置換基をさらに担持するアリール基を称する。
【0020】
本明細書において使用するとき、“ヘテロアリール”は、環構造の1部として1個以上のヘテロ原子(例えば、N、OまたはS等)を含有し且つ環構造中に5個から14個までの範囲内の総原子数(即ち、炭素原子およびヘテロ原子)を有する芳香族成分を称する。“置換ヘテロアリール”は、上述したような1個以上の置換基をさらに担持するヘテロアリール基を称する。
本明細書において使用するとき、“複素環(heterocyclicまたはheterocycle)”は、環構造の1部として1個以上のヘテロ原子(例えば、N、OまたはS等)を含有し且つ3個から14個までの範囲内の炭素原子を有する非芳香族環状(即ち、環含有)基を称し、“置換複素環”は、上述したような1個以上の置換基をさらに担持する複素環基または複素環を称する。
【0021】
本明細書において使用するとき、“ハロゲン”または“ハライド”は、フロリド、クロリド、ブロミドまたはイオジドを称する。また、用語“フルオロ”、“クロロ”、“ブロモ”および“ヨード”も、ハロゲン化置換基、例えば、“トリフルオロメチル”を示す場合に使用し得る。
本明細書において使用するとき、“ヒドロキシアルキル”は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル等のようなアルキル‐OHを称する。
本明細書において使用するとき、“アルキルアシル”は、エタノン、プロパノン等のようなアルキルケトンを称する。
【0022】
本明細書において使用するとき、“製薬上許容し得る塩”は、生物学的有効性および遊離塩基の特性を保持し、且つ塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p‐トルエンスルホン酸、サリチル酸等のような無機酸との反応によって得られる塩を称する。
【0023】
当業者であれば、本発明のある種の化合物が、鏡像体形またはジアステレオマージ形で存在し得るように、1個以上の不斉中心を含有し得ることは容易に理解できるであろう。特に断らない限り、本発明の範囲は、全ての鏡像体、ジアステレオマーおよびラセミ混合物を包含する。本発明のある種の化合物は、製薬上許容し得る酸または塩基との塩を形成し得、本明細書において説明する化合物のそのような製薬上許容し得る塩も本発明の範囲内にある。
【0024】
本発明は、下記の構造を有する化合物またはその製薬上許容し得る塩を提供する:
【化4】


(式中、各R1は、個々に、‐Hまたは低級アルキルであり;
各R2およびR3は、個々に、‐H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハライド、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボキシル、トリフルオロメチル、‐N(R4)2、‐CN、‐CO2R4、‐CH2OH、‐OCF3、‐OCHF2または‐NO2であり;各R2は、カルボニル成分に対してメタ‐またはパラ‐位置にあり;
各R4は、個々に、H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、オキシカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボキシレート、アルキルアミド、アミノ、アルキルアミノまたはアミノカルボニルであり;
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6は、各々、個々に、C、N、OまたはSであり;
Xは、H、F、Cl、BrまたはIであり;
各nは、個々に、1〜5であり;そして、
pは、0または1である;
但し、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6が、各々、Cである場合、pは1であり、各R2は‐Hであり、R3はClではないことを条件とする)。
【0025】
本発明のある実施態様においては、Xは、F、ClまたはBrである。
ある実施態様においては、上記各R2は、個々に、アルキル、ハライド、アルコキシまたは‐NO2である。
1つの実施態様においては、前頁の構造体は、必要に応じて、下記の化合物の1つまたは全てを除外する。
【化5】

【0026】
【化6】

【0027】
本発明のある実施態様においては、下記の構造を有する化合物を提供する。
【化7】


(式中、Xは、ClまたはBrであり;
R2および各R3は、個々に、‐H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハライド、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボキシル、トリフルオロメチル、‐N(R4)2、‐CN、‐CO2R4、‐CH2OH、‐OCF3、‐OCHF2または‐NO2であり;
各R4は、個々に、H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、オキシカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボキシレート、アルキルアミド、アミノ、アルキルアミノまたはアミノカルボニルであり;そして、
nは、1〜5である)。
【0028】
本発明のある実施態様においては、下記の構造を有する化合物を提供する。
【化8】


(式中、Xは、Cl、FまたはBrであり;
R2および各R3は、個々に、‐H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハライド、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボキシル、トリフルオロメチル、‐N(R4)2、‐CN、‐CO2R4、‐CH2OH、‐OCF3、‐OCHF2または‐NO2であり;
各R4は、個々に、H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、オキシカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボキシレート、アルキルアミド、アミノ、アルキルアミノまたはアミノカルボニルであり;そして、
nは、1〜5である)。
【0029】
他の実施態様においては、pが1であり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6が、各々、Cである化合物を提供する。本発明のこの実施態様に従う化合物としては、限定するものではないが、下記の構造のいずれか1つを有する化合物がある。
【化9】

【0030】
【化10】

【0031】
他の実施態様においては、pが0であり、Z1がOであり、Z3、Z4、Z5およびZ6が、各々、Cである化合物を提供する。本発明のこの実施態様に従う化合物としては、限定するものではないが、下記の構造のいずれか1つを有する化合物がある。
【化11】

【0032】
【化12】

【0033】
他の実施態様においては、pが1であり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6の少なくとも1つがNである化合物を提供する。本発明のこの実施態様に従う化合物としては、限定するものではないが、下記の構造のいずれか1つを有する化合物がある。
【化13】

【0034】
本発明の化合物は、当業者にとって周知の種々の方法で調製することができる。下記に示すスキームAは、本発明の化合物への典型的な合成経路を説明している。
スキームA
【化14】

【0035】
本発明の化合物は、Guirado, A.等(Tetrahedron, 58, 2002, 5087)によって開示された、また、本明細書において引用している他の出典からの方法に基く変法によって合成することができる。例えば、スキームAを参照するに、アミドの存在下でのクロラールの作用によって、アルコールへの円滑な転移が生じた。アルコールは、PCl5、SOCl2等のような適切な試薬によってクロリドに転換し得る。最終工程は、クロリドと適切なアミンとの温和な条件下での反応、その後の当業者にとって周知の適切な精密処理および精製手順である。
【0036】
本発明の化合物を、Fliprアッセイを使用して、S1P3活性について試験した。各化合物を、ヒトS1P3レセプターを安定的に発現するT24細胞中のヒトS1P3レセプターの活性化を賦活するまたは阻害する能力について評価することができる。細胞1万個/ウェルを、使用する1日前に、384ウェルのポリ‐D‐リシンコーティングプレートに塗抹する。上記S1P3レセプター発現細胞系の増殖培地は、10%の木炭処理ウシ胎仔血清(FBS)、1%の抗生剤‐抗真菌剤および400μg/mLのジェネティシン(genetecin)を添加したMcCoy's 5A培地である。試験当日、細胞を、20mM HEPESを添加したハンクス平衡塩溶液(Hank's Balanced Salt Solution) (HBSS/Hepes緩衝液)で2回洗浄する。その後、細胞に、1.25mM プロべネシド(Probenecid)を含むHBSS/Hepes緩衝液中に希釈した2μMのFluo‐4でもって染料を取込ませ、37℃で40分間インキュベートする。細胞外染料は、細胞プレートをFLIPR (蛍光イメージングプレートリーダー;Molecular Devices社)内に入れる前に、細胞プレートを4回洗浄することによって除去する。リガンドをHBSS/Hepes緩衝液中で希釈し、384ウェルマイクロプレート中で調合する。陽性対照のスフィンゴシン‐1‐リン酸(S1P)を、4mg/mLの無脂肪酸ウシ血清アルブミンを含むHBSS/Hepes緩衝液中に希釈する。FLIPRは、12.5μLをリガンドマイクロプレートから細胞プレートに移して、蛍光測定を行い、75秒間は毎秒読取りを行い、その後の2.5分間は10秒毎に読み取りを行う。各薬物を、0.61nM〜10,000nMの濃度範囲に亘って試験する。Ca+2応答についてのデータを、任意蛍光単位で取得し、Ca+2 濃度には変換しない。IC50値は、Levenburg Marquardtアルゴリズムを使用して、線形回帰分析によって判定する。アッセイ結果は、下記の表に示している。
【0037】
【表1】

【0038】

【0039】

【0040】

【0041】

【0042】

【0043】

【0044】
本発明の化合物、組成物および方法によって治療することのできる疾患としては、限定するものではないが、下記の症状がある:
アレルギーおよび他の炎症疾患:じんましん、気管支喘息、並びに肺気腫および慢性閉塞性肺疾患のような他の気道炎症;
心機能:除脈、鬱血性心不全、心不整脈、アテローム性動脈硬化症の予防および治療、および虚血/再灌流傷害;
抗線維化:眼、心臓、肝臓および肺の線維症、増殖性硝子体網膜症、瘢痕性類天疱瘡、角膜、結膜およびテノン嚢における外科誘発性線維症;
疼痛および炎症疾患:急性疼痛、慢性疼痛の再燃、筋骨格痛、内臓痛、糖尿病性神経障害に関連する疼痛、関節リウマチ、慢性の膝および関節痛、腱炎、骨関節炎、骨液包炎、神経因性疼痛。
【0045】
本発明の化合物は、医薬的に有効な投与量で投与し得る。そのような投与量は、通常、所望の治療効果を得るのに必要な最低投与量である;慢性疼痛の治療においては、この量は、おおよそ、疼痛によって生じる不快感を許容レベルまで低下させるのに必要な量である。一般に、そのような投与量は、1〜1000mg/日の範囲内、より好ましくは10〜500mg/日の範囲内であろう。しかしながら、投与すべき化合物の実際の量は、与えられたいずれの症例においても、疼痛の重篤度、患者の年齢および体重、患者の一般的な健康状態、疼痛の原因および投与経路のような関連状況を配慮する医師が決定するであろう。
【0046】
上記化合物は、哺乳類、特に、人間の疼痛の治療において有用である。急性疼痛および慢性疼痛は、双方とも本発明の化合物および組成物を投与することによって治療し得る。“急性疼痛”とは、切傷、圧壊、熱傷のような損傷によって或いは唐辛子中の活性成分であるカプサイシンへの暴露時に経験する刺激のような化学的刺激によってもたらされる瞬時(通常は高閾値)の疼痛を意味する。“慢性疼痛”とは、限定することなしに、神経因性疼痛、内臓痛(クローン病および過敏性腸症候群(IBS)によってもたらされる疼痛のような)および関連痛のような急性疼痛以外の疼痛を意味する。
【0047】
好ましくは、患者には、上記化合物を、錠剤、液剤、カプセル剤、粉末剤等のような任意の許容し得る剤形で経口投与する。しかしながら、他の経路も、特に患者が嘔気に悩んでいる場合、望ましくまたは必要であり得る。そのような他の経路としては、例外なく、経皮、非経口、皮下、経鼻、髄腔内、筋肉内、静脈内および直腸内の伝達方式がある。さらに、製剤も、活性化合物の放出を一定時間に亘って遅延させるように、或いは治療過程において所定時間で放出する薬物の量を慎重に調整するように設計し得る。
【0048】
本発明のもう1つの実施態様においては、本発明の少なくとも1種の化合物をそれ用の製薬上許容し得る担体中に含む製薬組成物を提供する。用語“製薬上許容し得る”とは、担体、希釈剤または賦形剤が、製剤の他の成分と適合性があり、製剤の受容者に対して有害であってはならないことを意味する。
【0049】
本発明の製薬組成物は、固形物、溶液、エマルジョン、分散液、ミセル、リポソーム等の形で使用することができ、得られる組成物は、本発明の1種以上の化合物を、活性成分として、腸内または非経口投与に適する有機または無機の担体または賦形剤との混合物中に含む。発明化合物は、例えば、錠剤、ペレット、カプセル、坐薬、溶液、エマルジョン、懸濁液および使用するのに適する任意の他の剤形用の通常の製薬上許容し得る無毒性担体と混合し得る。使用し得る担体としては、グルコース、ラクトース、アラビアゴム、ゼラチン、マンニトール、澱粉ペースト、三ケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ジャガイモ澱粉、尿素、中鎖長トリグリセリド、デキストラン、および固体、半固体または液体剤形の製剤の製造において使用するのに適する他の担体がある。さらに、補助剤、安定化剤、増粘剤、着色剤および香料も使用し得る。発明化合物は、製薬組成物中に、経過または疾患状態に対して所望の効果を生じさせるに十分な量で含ませる。
【0050】
発明化合物を含有する製薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ、口内錠(lozenge)、水性または油性懸濁液、分散性粉末または顆粒、エマルジョン、硬質または軟質カプセル、シロップまたはエリキシル剤のような経口使用に適する剤形であり得る。経口使用を意図する組成物は、製薬組成物を製造する技術にとって既知の任意の方法に従って調製することができ、そのような組成物は、医薬的に格調があり且つ口当たりの良い製剤を提供するために、スクロース、ラクトースまたはサッカリンのような甘味化剤;ペパーミント、ウィンターグリーンまたはチェリー油のような香味料;着色剤および防腐剤からなる群から選ばれる1種以上の薬剤を含有し得る。また、発明化合物を無毒の製薬上許容し得る賦形剤との混合物中に含有する錠剤も、既知の方法によって製造し得る。使用する賦形剤は、例えば、(1) 炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性希釈剤;(2) コーンスターチ、ジャガイモ澱粉またはアルギン酸のような造粒剤および崩壊剤;(3) トラガカントゴム、コーンスターチ、ゼラチンまたはアカシアのような結合剤;および、(4) ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクのような潤滑剤であり得る。錠剤はコーティーングしなくてもよく、或いは錠剤を既知の方法によってコーティーングして、胃腸管内での崩壊および吸収を遅らせ、それによって長時間に亘る持続作用をもたらすこともできる。例えば、モノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリンのような時間遅延物質を使用し得る。
【0051】
ある場合には、経口使用のための製剤は、発明化合物を不活性固形希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリンと混合している硬質ゼラチンカプセルの形であり得る。また、製剤は、発明の化合物を水または油性媒体、例えば、ピーナツ油、液状パラフィンまたはオリーブ油と混合している軟質ゼラチンカプセルの形であり得る。
【0052】
製薬組成物は、滅菌注射用懸濁液の形であり得る。この懸濁液は、既知の方法に従い、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して調合し得る。また、滅菌注射用製剤は、無毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液、例えば、1,3‐ブタンジオール中の溶液であり得る。滅菌固定油は、通常、溶媒または懸濁用媒質として使用する。この目的においては、合成モノ‐またはジグリセリド;脂肪酸類(オレイン酸のような);胡麻油、ココナツ油、ピーナツ油、綿実油等のような天然産植物油;或いはオレイン酸エチルのような合成脂肪族ビヒクル等のような任意の無菌性固定油を使用し得る。緩衝剤、防腐剤、酸化防止剤等を、必要に応じて混入し得る。
【0053】
また、発明化合物は、薬物の直腸投与用の坐薬の形で投与し得る。これらの組成物は、発明化合物を、常温では固体であるが直腸空洞内では液化および/または溶解して薬物を放出する、ココアバター、合成のポリエチレングリコールのグリセリドエステルのような適切な無刺激性賦形剤と混合することによって調製し得る。
個々の対象者は症状の重篤度において幅広い変動を示し得、また、各薬物はそれ独自の治療特性を有するので、各対象者に対して使用する正確な投与方式および投与量は、医師の判断力に委ねられている。
【0054】
本明細書において説明する化合物および製薬組成物は、スフィンゴシン‐1‐リン酸レセプターの拮抗薬による治療に対して応答性である疾患の治療および/または症状の軽減用の、ヒトのような哺乳類における医薬品として有用である。従って、本発明のさらなる実施態様においては、スフィンゴシン‐1‐リン酸レセプターの調節に関連する疾患の治療方法を提供する。そのような方法は、例えば、治療を必要とする対象者に、治療上有効な量の少なくとも1種の発明化合物を含有する製薬組成物を投与することによって実施することができる。本明細書において使用するとき、用語“治療上有効な量”とは、治療を必要とする対象者の生物学的または医療的応答を引き出す製薬組成物の量を意味し、この量は、研究者、獣医、医師または他の臨床医によって探究される。幾つかの実施態様においては、必要とする対象者は、哺乳類である。幾つかの実施態様においては、上記哺乳類はヒトである。
【0055】
以下の実施例は、本発明を説明することのみを意図し、決して本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例】
【0056】
【化15】

【0057】
4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ベンズアミド(化合物6)の調製
4‐ブロモベンズアミド(2.42g、11.7ミリモル)とクロラール(2.2mL、22.6ミリモル)の混合物を、120℃で20分間加熱した。THF (およそ2mL)を加えて混合を促進させてもよい。混合物を室温に冷却し、混合物を真空下に18時間蒸発させ、乾燥させた。中間生成物の4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐ヒドロキシエチル)ベンズアミドは、さらに精製することなく、その後の工程において使用するのに十分に純粋であった。
【0058】
クロロホルム(15mL)中の4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐ヒドロキシエチル)ベンズアミド(0.67g、1.93ミリモル)の溶液を、PCl5 (0.42g、1.91ミリモル)で処理した。混合物を、室温に冷却し砕氷に注ぐ前に、50℃に30分間加熱した。有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過した。4‐ブロモ‐N‐(1,2,2,2‐テトラクロロエチル)ベンズアミド溶液を室温に冷却し、その後、4‐クロロアニリン (0.52mL、4.0ミリモル)を添加し、混合物を18時間撹拌した。混合物を2M HClで失活させ、エーテルで抽出した。有機溶液をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、シリカゲル上で濃縮した。この物質をMPLCにおいて7:3 CH2Cl2:ヘキサンによって精製して、4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ベンズアミド(化合物6)を固形物として得た。生成物は、エーテル中のような適切な再結晶化によってさらに精製し得る。
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.65 (d、J = 8.4Hz、2H)、7.59 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.19 (d、J = 9.0Hz、2H)、6.77 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.53 (d、J = 9.0Hz、1H)、6.33 (d、J = 9.3Hz、1H)。
【0059】
以下の化合物を、スキームAにおいて示した一般方法に従い、化合物6について上記で説明したようにして調製した。
4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(p‐トリルアミノ)エチル)ベンズアミド (化合物7)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.65 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.58 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.04 (d、J = 8.4Hz、2H)、6.74 (d、J = 8.4Hz、2H)、6.52 (d、J = 9.3Hz、1H)、6.35 (d、J = 9.0Hz、1H)。
【0060】
4‐クロロ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ベンズアミド (化合物10)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.72 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.43 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.19 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.77 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.53 (d、J = 9.3Hz、1H)、6.33 (d、J = 9.6Hz、1H)。
【0061】
4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリブロモ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ベンズアミド (化合物12)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.65 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.58 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.04 (d、J = 8.4Hz、2H)、6.74 (d、J = 8.4Hz、2H)、6.52 (d、J = 9.3Hz、1H)、6.35 (d、J = 9.0Hz、1H)。
【0062】
6‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ニコチンアミド (化合物28)
1H NMR (300MHz、CD3OD) δ回転異性体として出現、8.75 (d、J = 2.4Hz、1H)、8.44 (brs、1H)、8.15 (dd、J = 8.4、2.4Hz、1H)、7.42 (d、J = 8.1Hz、1H)、7.16 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.75 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.34 (d、J = 9.6Hz、1H)。
【0063】
5‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ピコリンアミド (化合物29)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ8.62〜8.61 (m、1H)、8.50 (d、J = 9.9Hz、1H)、8.12 (dd、J = 8.4、0.6Hz、1H)、8.04〜8.00 (m、1H)、7.18 (d、J = 9.0Hz、2H)、6.78 (d、J = 8.0Hz、2H)、6.28 (t、J = 9.6Hz、1H)、4.55 (d、J = 9.6Hz、1H)。
【0064】
(+)‐4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ベンズアミド (化合物30)
この化合物は、上記の化合物6のキラルHPLC分離 (Chiralpak IA、40%MeOH、100バールでの0.1%DEA/CO2)から得られた。
[α] = +96.1° (c 1.08、CHCl3)。
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.65 (d、J = 8.4Hz、2H)、7.59 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.19 (d、J = 9.0Hz、2H)、6.77 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.53 (d、J = 9.0Hz、1H)、6.33 (d、J = 9.3Hz、1H)。
【0065】
(−)‐4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ベンズアミド (化合物31)
この化合物は、上記の化合物6のキラルHPLC分離 (Chiralpak IA、40%MeOH、100バールでの0.1%DEA/CO2)から得られた。
[α] = −99.2° (c 1.12、CHCl3)。
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ 1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.65 (d、J = 8.4Hz、2H)、7.59 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.19 (d、J = 9.0Hz、2H)、6.77 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.53 (d、J = 9.0Hz、1H)、6.33 (d、J = 9.3Hz、1H)。
【0066】
3,4‐ジフルオロ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ベンズアミド (化合物32)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.68〜7.62 (m、1H)、7.55〜7.50 (m、1H)、7.26〜7.17 (m、3H)、6.76 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.53 (d、J = 9.3Hz、1H)、6.31 (t、J = 9.0Hz、1H)、4.51 (d、J = 8.4Hz、1H)。
【0067】
(−)‐5‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ピコリンアミド (化合物34)
化合物34は、化合物29と同一のNMRを有するが、(−)旋光を有する。化合物34は、上記の化合物29のキラルHPLC分離 (Chiralpak IA、30%MeOH、100バールでのCO2)から得られ、第1溶出ピーク(−)鏡像体を集めた。
[α] = −121° (CHCl3中c 0.69)。
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ8.62〜8.61 (m、1H)、8.50 (d、J = 9.9Hz、1H)、8.12 (dd、J = 8.4、0.6Hz、1H)、8.04〜8.00 (m、1H)、7.18 (d、J = 9.0Hz、2H)、6.78 (d、J = 8.0Hz、2H)、6.28 (t、J = 9.6Hz、1H)、4.55 (d、J = 9.6Hz、1H)。
【0068】
5‐ブロモ‐N‐(1‐(4‐クロロフェニルアミノ)‐2,2,2‐トリフルオロエチル)ピコリンアミド (化合物35)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ = 8.55 (d、J = 2.4Hz、1H)、8.28 (d、J = 9.3Hz、1H)、8.09 (d、J = 8.1Hz、1H)、7.99 (dd、J = 2.4、8.7Hz、1H)、7.14 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.71 (d、J = 9.0Hz、2H)、6.25〜6.12 (m、1H)、4.47 (d、J = 10.2Hz、1H)。
【0069】
5‐クロロ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)ピコリンアミド (化合物36)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ = 8.51〜8.47 (m、2H)、8.18 (d、J = 9.3Hz、1H)、7.88〜7.84 (m、1H)、7.17 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.77 (d、J = 8.4Hz、2H)、6.28 (t、J = 10.2Hz、1H)、4.54 (d、J = 9.6Hz、1H)。
【0070】
5‐ブロモ‐N‐(2‐クロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)‐2,2‐ジフルオロエチル)ピコリンアミド (化合物37)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ = 8.53 (d、J = 2.1Hz、1H)、8.35 (d、J = 9.6Hz、1H)、8.08 (d、J = 8.7Hz、1H)、7.99〜7.95 (m、1H)、7.14〜7.11 (m、2H)、6.73〜6.70 (m、2H)、6.26〜6.16 (9m、1H)、4.55 (d、J = 10.2Hz、1H)。
【0071】
4‐ブロモ‐N‐[1‐(4‐クロロフェニルアミノ)‐2,2,2‐トリフルオロ‐エチル]‐ベンズアミド (化合物13)は、上述の一般的方法におけるクロラールの代わりに、2,2,‐トリフルオロ‐1‐メトキシ‐エタノールを使用し、以下の手順変更によって調製した:
4‐ブロモベンズアミド (0.78g、3.9ミリモル)と2,2,2‐トリフルオロ‐1‐メトキシ‐エタノール (0.51mL、4.3ミリモル)の混合物を、100℃で18時間加熱した。混合物を蒸発させ、残留物をクロロホルムで希釈し、シリカゲル上で濃縮した。生成物をSiO2 MPLCカラムにおいて1%MeOH:CH2Cl2 によって精製して、中間体4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリフルオロ‐1‐ヒドロキシエチル)ベンズアミドを得、この中間体を上述の一般的方法において使用して化合物13を調製した。
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.64〜7.56 (m、2H)、7.18 (d、J = 9.0Hz、2H)、6.70 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.33 (d、J = 9.3Hz、1H)、6.26〜6.18 (m、1H)。
【0072】
4‐ブロモ‐N‐[2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロ‐3‐フルオロ‐フェニルアミノ)‐エチル]‐ベンズアミド (化合物14)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.65 (d、J = 8.7Hz、2H)、7.60 (d、J = 9.3Hz、2H)、7.21 (t、J = 8.1Hz、1H)、6.67 (dd、J = 11.1、3.0Hz、1H)、6.59〜6.55 (m、1H)、6.30 (d、J = 9.0Hz、1H)、4.59 (brs、1H)。
【0073】
フラン‐2‐カルボン酸(2,2,2‐トリクロロ‐1‐p‐トリルアミノ‐エチル)‐アミド (化合物15)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.44 (dd、J = 0.9、1.8Hz、1H)、7.22 (dd、J = 0.9、3.6Hz、1H)、7.04 (d、J = 7.8Hz、2H)、6.85 (d、J = 9.3Hz、1H)、6.74 (d、J = 8.4Hz、2H)、6.52 (dd、J = 1.8、3.6Hz、1H)、6.32 (t、J = 9.6Hz、1H)、4.43 (d、J = 9.3Hz、1H)、2.24 (s、3H)。
【0074】
フラン‐2‐カルボン酸(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロ‐3‐フルオロ‐フェニルアミノ)‐エチル)‐アミド (化合物16)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.46 (dd、J = 0.6、1.8Hz、1H)、7.24 (dd、J = 0.6、3.3Hz、1H)、7.19 (t、J = 8.7Hz、1H)、6.90 (d、J = 9.3Hz、1H)、6.66 (dd、J = 3.0、11.1Hz、1H)、6.59〜6.53 (m、2H)、6.26 (d、J = 9.3Hz、1H)、4.66 (brs、1H)。
【0075】
5‐ブロモ‐フラン‐2‐カルボン酸(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロ‐フェニルアミノ)‐エチル)‐アミド (化合物17)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.20〜7.17 (m、3H)、6.76〜6.71 (m、3H)、6.48 (d、J = 3.3Hz、1H)、6.27 (d、J = 9.3Hz、1H)。
【0076】
N‐{2,2,2‐トリクロロ‐1‐[(4‐フルオロ‐3‐メチルフェニル)アミノ]エチル}‐2‐フラミド (化合物18)
1H NMR (500MHz、CDCl3) δ7.48 (s、1H)、7.24 (d、J = 3.5Hz、1H)、6.88 (t、J = 8.5Hz、1H)、6.80 (d、J = 9.5Hz、1H)、6.66〜6.54 (mの群、3H)、6.25 (t、J = 9.5Hz、1H)、4.35 (d、J = 9.5Hz、1H)、2.20 (s、3H)。
【0077】
N‐{2,2,2‐トリクロロ‐1‐[(2‐フルオロ‐4‐メチルフェニル)アミノ]エチル}‐2‐フラミド (化合物19)
1H NMR (500MHz、CDCl3) δ7.48 (s、1H)、7.24 (d、J = 3.5Hz、1H)、6.93〜6.84 (mの群、3H)、6.54 (dd、J = 2.0、1.5Hz、1H)、6.31 (t、J = 9.5Hz、1H)、4.66 (dd、J = 6.5、2.5Hz、1H)、2.25 (s、3H)。
【0078】
N‐{2,2,2‐トリクロロ‐1‐[(2‐フルオロフェニル)アミノ]エチル}‐2‐フラミド (化合物20)
1H NMR (500MHz、CDCl3) δ7.48 (dd、J = 1.0、0.5Hz、1H)、7.25 (d、J = 3.5Hz、1H)、7.05〜7.01 (m、3H)、6.86 (d、J = 10.0Hz、1H)、6.81〜6.78 (m、1H)、6.55〜6.54 (m、1H)、6.36 (t、J = 9.5Hz、1H)、4.80 (dd、J = 2.5、6.5Hz、1H)。
【0079】
N‐{2,2,2‐トリクロロ‐1‐[(4‐フルオロ‐2‐メチルフェニル)アミノ]エチル}‐2‐フラミド (化合物21)
1H NMR (500MHz、CDCl3) δ7.48 (s、1H)、7.25 (dd、J = 3.0、1.0Hz、1H)、6.85〜6.81 (m、2H)、6.55 (dd、J = 2.0、1.9Hz、1H)、6.28 (d、J = 9.0Hz、1H)、4.28 (brs、1H)、2.23 (s、3H)。
【0080】
N‐{2,2,2‐トリクロロ‐1‐[(2,6‐ジメチルフェニル)アミノ]エチル}‐2‐フラミド (化合物22)
1H NMR (500MHz、CDCl3) δ7.47 (d、J = 1.0Hz、1H)、7.11 (d、J = 7.0Hz、1H)、6.98 (d、J = 7.5Hz、1H)、6.86 (t、J = 7.5Hz、1H)、6.76 (d、J = 9.5Hz、1H)、6.50 (dd、J = 1.5、4.0Hz、1H)、6.17 (t、J = 10.5Hz、1H)、4.09 (d、J = 10.5Hz、1H)、2.41 (s、6H)。
【0081】
N‐{2,2,2‐トリクロロ‐1‐[(4‐クロロフェニル)アミノ]エチル}‐2‐フラミド (化合物23)
1H NMR (500MHz、CDCl3) δ7.40 (t、J = 1.0Hz、1H)、7.17 (dd、J = 6.5、0.5Hz、1H)、7.11 (dd、J = 4.5、2.0Hz、1H)、6.22 (t、J = 9.0Hz、1H)、4.42 (d、J = 9.0Hz、1H)。
【0082】
N‐{2,2,2‐トリクロロ‐1‐[(3‐フルオロフェニル)アミノ]エチル}‐2‐フラミド (化合物24)
1H NMR (500MHz、CDCl3) δ7.58〜7.56 (m、3H)、7.45 (s、1H)、7.20〜7.16 (m、1H)、6.84 (d、J = 9.5Hz、1H)、6.65〜6.51 (mの群、2H)、6.33 (t、J = 9.5Hz、1H)、4.60 (d、J = 6.5Hz、1H)。
【0083】
N‐{2,2,2‐トリクロロ‐1‐[(4‐フルオロフェニル)アミノ]エチル}‐2‐フラミド (化合物27)
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.45 (dd、J = 0.6、1.5Hz、1H)、7.22 (dd、J = 0.6、3.6Hz、1H)、6.95〜6.85 (m、3H)、6.80〜6.75 (m、2H)、6.52 (dd、J = 1.8、3.3Hz、1H)、6.25 (d、J = 9.9Hz、1H)、4.4 (brs、1H)。
【0084】
4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)フラン‐2‐カルボキサミド (化合物33)は、報告されている方法に従って調製した(Ulrich, H. et al J Org. Chem., 33, 1968, 2887参照)。
ベンゼン(4mL)中の4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐ヒドロキシエチル)フラン‐2‐カルボキサミド (上記6におけるようにして調製) (0.566g、1.67ミリモル)、1‐クロロ‐4‐イソシアネート‐ベンゼン (0.264g、1.68ミリモル)およびトリエチルアミン (2滴)の溶液を、95℃で1.5時間加熱した。混合物を減圧下に蒸発させた。残留物をクロロホルムで溶媒和させ、シリカゲル上で濃縮した。オートカラムにおいてヘキサン中30%ジクロロメタンによってクロマトグラフィー精製して、4‐ブロモ‐N‐(2,2,2‐トリクロロ‐1‐(4‐クロロフェニルアミノ)エチル)フラン‐2‐カルボキサミド(化合物33)を白色固形物として得た;422mg (57%)。
1H NMR (300MHz、CDCl3) δ7.46 (d、J = 0.9Hz、1H)、7.23 (d、J = 0.9Hz、1H)、7.18 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.80 (d、J = 9.6Hz、1H)、6.74 (d、J = 8.7Hz、2H)、6.26 (t、J = 9.6Hz、1H)、4.52 (d、J = 9.3Hz、1H)。
【0085】
本発明をこれらの特定の実施態様に関連して説明してきたが、他の修正および変更も本発明の精神を逸脱することなく可能であることを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の構造を有する化合物またはその製薬上許容し得る塩:
【化1】


(式中、各R1は、個々に、‐Hまたは低級アルキルであり;
各R2およびR3は、個々に、‐H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハライド、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボキシル、トリフルオロメチル、‐N(R4)2、‐CN、‐CO2R4、‐CH2OH、‐OCF3、‐OCHF2または‐NO2であり;各R2は、カルボニル成分に対してメタ‐またはパラ‐位置にあり;
各R4は、個々に、H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、オキシカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボキシレート、アルキルアミド、アミノ、アルキルアミノまたはアミノカルボニルであり;
Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6は、各々、個々に、C、N、OまたはSであり;
Xは、H、F、Cl、BrまたはIであり;
各nは、個々に、1〜5であり;そして、
pは、0または1である;
但し、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6が、各々、Cである場合、pは1であり、各R2は‐Hであり、R3はClではないことを条件とする)。
【請求項2】
前記Xが、F、ClまたはBrである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
前記各R2が、個々に、アルキル、ハライド、アルコキシまたは‐NO2である、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
pが1であり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6が、各々、Cである、請求項1記載の化合物。
【請求項5】
下記の構造のいずれか1つを有する、請求項4記載の化合物:
【化2】

【請求項6】
pが0であり、Z1がOであり、Z3、Z4、Z5およびZ6が、各々、Cである、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
下記の構造のいずれか1つを有する、請求項6記載の化合物:
【化3】


【化4】

【請求項8】
pが1であり、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5およびZ6の少なくとも1つがNである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
下記の構造を有する、請求項8記載の化合物:
【化5】

【請求項10】
下記の構造を有する、請求項1記載の化合物:
【化6】

(式中、Xは、Cl、FまたはBrであり;
R2および各R3は、個々に、‐H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハライド、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボキシル、トリフルオロメチル、‐N(R4)2、‐CN、‐CO2R4、‐CH2OH、‐OCF3、‐OCHF2または‐NO2であり;
各R4は、個々に、H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、オキシカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボキシレート、アルキルアミド、アミノ、アルキルアミノまたはアミノカルボニルであり;そして、
nは、1〜5である)。
【請求項11】
下記の構造を有する、請求項1記載の化合物:
【化7】

(式中、Xは、Cl、FまたはBrであり;
R2および各R3は、個々に、‐H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、複素環、アリール、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、ハライド、ヒドロキシ、アルコキシ、アルキルアミノ、アルキルカルボキシル、トリフルオロメチル、‐N(R4)2、‐CN、‐CO2R4、‐CH2OH、‐OCF3、‐OCHF2または‐NO2であり;
各R4は、個々に、H、直鎖または枝分れ鎖のアルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルカルボニル、ホルミル、オキシカルボニル、カルボキシル、アルキルカルボキシレート、アルキルアミド、アミノ、アルキルアミノまたはアミノカルボニルであり;そして、
nは、1〜5である)。
【請求項12】
請求項1の少なくとも1種の化合物を、それ用の製薬上許容し得る担体中に含む、製薬組成物。
【請求項13】
治療を必要とする対象者に、治療上有効量の請求項1記載の少なくとも1種の化合物を含有する製薬組成物を投与することを特徴とする、スフィンゴシン‐1‐リン酸レセプターの調節に関連する疾患の治療方法。
【請求項14】
前記疾患が、疼痛、緑内障、ドライアイ、血管形成障害、循環器疾患または創傷治癒である、請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記疾患が、慢性疼痛である、請求項13記載の方法。
【請求項16】
前記疾患が、急性疼痛である、請求項13記載の方法。
【請求項17】
前記製薬組成物を経口投与する、請求項13記載の方法。
【請求項18】
治療を必要とする対象者に、治療上有効量の請求項1記載の少なくとも1種の化合物、またはこれらの化合物の任意の組合せ、或いはこれらの化合物の製薬上許容し得る塩、水和物、溶媒和物、結晶形並びに個々の異性体、鏡像体およびジアステレオマーを投与することを特徴とする、スフィンゴシン‐1‐リン酸レセプターの調節に関連する疾患の治療方法。
【請求項19】
前記疾患が、スフィンゴシン‐1‐リン酸3レセプターに関連する、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記疾患が、じんましん、気管支喘息、並びに肺気腫および慢性閉塞性肺疾患のような他の気道炎症;除脈、鬱血性心不全、心不整脈、アテローム性動脈硬化症の予防および治療、および虚血/再灌流傷害のような心臓機能;眼線維症、心線維症、肝線維症および肺線維症、増殖性硝子体網膜症、瘢痕性類天疱瘡、角膜、結膜およびテノン嚢における外科誘発性線維症のような抗線維化;並びに、急性疼痛、慢性疼痛の再燃、筋骨格痛、内臓痛、糖尿病性神経障害に関連する疼痛、関節リウマチ、慢性の膝および関節痛、腱炎、骨関節炎、滑液包炎、神経因性疼痛のような疼痛および炎症疾患からなる群から選ばれる、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記疾患が、じんましん、気管支喘息、並びに肺気腫および慢性閉塞性肺疾患のような他の気道炎症;除脈、鬱血性心不全、心不整脈、アテローム性動脈硬化症の予防および治療、および虚血/再灌流傷害のような心臓機能;眼線維症、心線維症、肝線維症および肺線維症、増殖性硝子体網膜症、瘢痕性類天疱瘡、角膜、結膜およびテノン嚢における外科誘発性線維症のような抗線維症;並びに、急性疼痛、慢性疼痛の再燃、筋骨格痛、内臓痛、糖尿病性神経障害に関連する疼痛、関節リウマチ、慢性の膝および関節痛、腱炎、骨関節炎、滑液包炎、神経因性疼痛のような疼痛および炎症疾患である、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記疾患が、急性疼痛である、請求項19記載の方法。

【公表番号】特表2012−500205(P2012−500205A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523131(P2011−523131)
【出願日】平成21年8月12日(2009.8.12)
【国際出願番号】PCT/US2009/053524
【国際公開番号】WO2010/019646
【国際公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(390040637)アラーガン インコーポレイテッド (117)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】