スプリンクラーヘッド
【課題】消火用のスプリンクラーヘッドにおいて、安価に製造可能であり所望の散水性能が得られるスプリンクラーヘッドを提供する。
【解決手段】本体の1一端側が給水配管と接続され内部にノズルが設置されており、他端側は平時ノズルを閉塞する弁3を支持しており火災時には分解作動する感熱分解部4が設置されており、本体1の外周部にはノズルより放出された水を四方へ飛散させるデフレクター5を先端に設置可能なデフレクター係止部2Gを備え、デフレクター5のノズル側の面にはディスクDが設置されており、該ディスクDは縁部に脚D1を有し、該脚D1をデフレクター5上の穴に挿通させて設置した。
【解決手段】本体の1一端側が給水配管と接続され内部にノズルが設置されており、他端側は平時ノズルを閉塞する弁3を支持しており火災時には分解作動する感熱分解部4が設置されており、本体1の外周部にはノズルより放出された水を四方へ飛散させるデフレクター5を先端に設置可能なデフレクター係止部2Gを備え、デフレクター5のノズル側の面にはディスクDが設置されており、該ディスクDは縁部に脚D1を有し、該脚D1をデフレクター5上の穴に挿通させて設置した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリンクラーヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スプリンクラーヘッドは天井や壁面に設置され、火災の際に作動して水を散布し消火を行うものである。スプリンクラーヘッドの一例として、感熱分解部の下方にデフレクターが設置されているスプリンクラーヘッドがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載のスプリンクラーヘッドは、天井面とフラットに形成されたカバープレート65を備えている。カバープレート65により天井内部に配置されたデフレクター51や感熱分解部分40は隠され、室内側からは見えないように構成されている。
【0004】
上記のスプリンクラーヘッドは、室内の美観を損ねず意匠性に優れたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−339901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のスプリンクラーヘッドは感熱分解部40の下方にデフレクター51が設置されている。デフレクターはノズルから放出された水を四方に飛散する作用を有しており、縁部には複数のスリットが形成されている。
【0007】
しかしながら所望の散水性能を得るために、デフレクター51上に突起状のディスクを設置する場合があるが、ディスクは散水性能やその形状によりデフレクターと一体形成をするのが困難な場合が多い。一般的にディスクは切削加工により形成してから板状のデフレクターに組み付けるため加工工数が多くコストアップの要因となっていた。
【0008】
そこで本発明では、上記問題に鑑み、安価に製造可能であり所望の散水性能が得られるスプリンクラーヘッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく本発明は以下のスプリンクラーヘッドを提供する。
本発明は、本体の一端側は給水配管と接続され内部にノズルが設置されており、他端側は平時ノズルを閉塞する弁を支持しており火災時には分解作動する感熱分解部が設置されており、本体の外周部にはノズルより放出された水を四方へ飛散させるデフレクターを先端に設置可能なデフレクター係止部を備えるスプリンクラーヘッドにおいて、
デフレクターのノズル側の面にはディスクが設置されており、該ディスクは縁部に脚を有し、該脚をデフレクター上の穴に挿通させて設置したことを特徴とする。
【0010】
ディスクを設置することでデフレクターの散水性能が安定する。例えばノズルから放出される水が乱流であった場合にディスクが設置されていると水はディスクに衝突した後にデフレクター上を流れることから、ディスクに水を衝突させることにより乱流状態であった水を整流化してデフレクター上へ流す効果がある。
【0011】
また、ディスクを板材からプレス成形することで、切削加工では加工が難しい形状を容易に形成することが可能となる。例えば非円形である多角形形状や表面に溝や穴、突起等の形状を容易に形成することができる。上記のような非円形のディスクをデフレクターに設置することで所望の散水性能を得ることが可能となる。
【0012】
前記本発明は、デフレクターを貫通したディスクの脚の先端が屈曲されている。
これにより、ディスクがデフレクター上に固定設置され、ノズルから放出された水の勢いで外れたり傾いたりすることを防止することができる。
【0013】
前記本発明は、ディスクの断面形状が非円形である。
これにより、ディスクの形状を円形以外の形状、例えば矩形や星型、楕円形にすることができ、目的の散水性能を得ることができる。さらにプレス加工により形成することで上記のような円形以外の形状を容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ディスクをプレス加工により形成することで切削加工では加工が難しい形状を容易に形成することができ、ディスクの断面形状が非円形の形状のものを製作することができる。それにより目的の散水性能を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のスプリンクラーヘッドの断面図
【図2】図1のスプリンクラーヘッドの本体の正面図
【図3】図2の側面図
【図4】感熱分解部の断面図
【図5】感熱分解部の分解斜視図
【図6】シリンダー・プランジャーの分解断面図
【図7】デフレクターの平面図
【図8】ディスクの斜視図
【図9】図1のスプリンクラーヘッドの施工時における断面図
【図10】図9のX−X断面図
【図11】図9のY部拡大図
【図12】ディスクの他の実施形態の説明図
【図13】スリットの他の実施形態の説明図(図7のZ−Z断面図)
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のスプリンクラーヘッドの実施形態について図1〜図13を参照して説明する。
スプリンクラーヘッドAは、本体1、弁体3、感熱分解部4、デフレクター5、サポートカップ6、カバープレート7を備えており、コンシールド型スプリンクラーヘッドとして構成されている。
【0017】
図1から図3に示す本体1は中空状であり、一端は充水された配管と接続可能な牡ネジが形成された配管接続部1Aとなっている。配管接続部1Aの他端側は放水口1Bとなっている。放水口1Bの端は弁体3によって閉塞されている。
【0018】
配管接続部1Aと放水口1Bの間には外周部の断面形状が多角形であるサポートカップ係止部1Cが形成されている。サポートカップ係止部1Cより放水口1B側には、サポートカップ係止部1Cの外周部より大きな外周を有する鍔部が形成されており、その鍔部の縁から放水側に向けて筒状のフレーム部2が形成されている。本体1は前述の配管接続部1Aと配管接続部1Aより大きな外周面を有するフレーム部2とで構成されている。
【0019】
フレーム部2の外周横断面形状は、円の2箇所を平行に切欠いた形状をしており、具体的には切欠かれた2箇所の直線部と各直線部の間の円弧部とが形成されている。従ってフレーム部2の外周面には断面円弧状の曲面部2Aと断面直線状の平面部2Bが形成されている。平面部2Bはフレーム部2の外周面を配管接続部1Aの側から後述する梁状部2Jまで切り欠くように形成された切欠面部として形成されており、そこに開口2Eが形成されている。フレーム部2の下部の外周断面形状は、平面部2Bが無くなり曲面部2Aと同じ半径寸法である円形となっている。即ち平面部2Bの下方にはフレーム部2の周方向に沿って架設した円弧状部分でなる梁状部2Jが形成されている。この梁状部2Jはフレーム部2の筒軸を中心とする対向位置に形成されている。
【0020】
フレーム部2の内周下部(曲面部2Aの下部と梁状部2Jの内周面)には内側に向かって拡張して形成された内方フランジ2Cが形成されている。曲面部2Aの下部に位置する内方フランジ2Cにはレバー挿通溝2D、2Dが形成されている(図1)。
【0021】
レバー挿通溝2Dから略90°回転したフレーム部2の平面部2Bには開口2Eが形成されている。開口2Eはフレーム部2の内側を曲線部2Aの外径寸法より小さく且つ2つの平面部2B間の寸法より大きい径寸法で切削することで形成される。
【0022】
開口2Eの下方に位置する梁状部2Jの内方フランジ2Cは、後述する感熱分解部4のレバー11が係止されるレバー係止部2Fとなる。開口2Eの下方の梁状部2Jにレバー係止部2Fを設けたことで、レバー係止部2Fに放水口1B側からフレーム部2の下端側へ荷重を印加すると、梁状部2Jは印加された荷重によって弾性変形するが、開口2Eを設けない場合と比較して梁状部2Jの弾性変形による変形量を大きくすることができる。そしてこの梁状部2Jの弾性変形(たわみ)がバネ力となり、そのバネ力はスプリンクラーヘッドAが作動した際に感熱分解部4の構成部品を外へはね飛ばす作用を有しておりロッジメントの防止に機能する。
【0023】
レバー挿通溝2Dの外周側にはフレーム部2の下端より下方へ垂下して形成されたデフレクター係止部2Gが形成されている。フレーム部2と放水口1Bとの境には、弁体3が収容可能な段部2Hが形成されている。段部2Hにより弁体3が振動や衝撃等によって放水口1Bから位置ずれした際の移動を段部2H内に留めて弁体3が放水口1Bから位置ずれして放水口1B内の水が漏れることを防止している。
【0024】
弁体3は円盤形状であり、前述の段部2Hに収容される。弁体3は後述するコンプレッションスクリュー21により放水口1Bの端に押圧され放水口1Bを閉塞している。
【0025】
感熱分解部4はフレーム部2の梁状部2Jに形成された内方フランジ2C(レバー係止部2F)に係止され、火災時には火災の熱によって分解作動して弁体3を解放する。感熱分解部4は、レバー11、支持板12、バランサー13、シリンダー14、プランジャー15、低融点合金16、セットスクリュー17から構成される。
【0026】
感熱分解部4は図4に示すようなユニット部品として構成され、ユニット部品として保管、運搬が可能である。スプリンクラーヘッドの組立時においても図4で示すユニット部品の状態で本体1に組み込まれる。
【0027】
レバー11は、一対で用いられており一端が内方フランジ2Cに係止され外方に屈曲した形状をしている。レバー11の上部には左右対称に設けられた突起11Aが形成され(図5)、下部には矩形の穴11Bが穿設されている。一対のレバー11の間には支持板12とバランサー13が係止され、支持板12は突起11Aと係止し、バランサー13は下部の穴11Bに係止される。バランサー13の中心部には穴13Aが穿設されており、該穴13Aにシリンダー14が挿入される。
【0028】
シリンダー14は円筒形状をしており、内部には段が形成され、大径部14Aと小径部14Bが形成されている。大径部14Aには円環状の低融点合金16が収容されている。また大径部14A側の端には鍔部14Cが形成されており、該鍔部14Cがバランサー13の穴13Aと係合する。小径部14Bの内径は環状の低融点合金16の内径と略等しい。
【0029】
小径部14Bの先端はヒートコレクター18、19を挟んだ状態で折り曲げられ、ヒートコレクター18、19がシリンダー14に設置される。ヒートコレクター18、19は熱伝導性が良好な銅や銅合金等の金属から形成され、火災による熱を吸収してシリンダー14内の低融点合金16に伝える作用を有する。
【0030】
プランジャー15の外周部は段により大径部15Aと小径部15Bが形成されている。大径部15の外径はシリンダー14の大径部14Aの内径より僅かに小さく形成される。小径部15Bの外径はシリンダー14の小径部の内径および低融点合金16の内径より僅かに小さく形成される。
【0031】
プランジャー15は、シリンダー14の大径部14A側から挿通され、小径部15Bと、大径部15Aと小径部15Bの境の段部15Cとが低融点合金16に接触する。プランジャー15をシリンダー14に挿通した状態において、プランジャー15の外周面はシリンダー14Bおよび低融点合金16の内周面と摺動可能となっている。
【0032】
プランジャー15には貫通穴15Dが穿設されており、貫通穴15Dの中間にはセットスクリュー17の先端が接触する段部15Eが形成されている。
【0033】
セットスクリュー17は筒形をしており外部には牡ネジ17Aが螺刻されている。牡ネジ17Aを支持板12の牝ネジ12Aに螺入すると、セットスクリュー17の先端がプランジャー15の段部15Eを押圧するので低融点合金16はプランジャー15の段部15Eとシリンダー14の底部14Dにより圧縮方向の力が作用した状態にある。
【0034】
また一対のレバー11に係合した支持板12とバランサー13もレバー11との係止が強まる方向へ力が印加され、レバー11と支持板12、バランサー13の係合状態が保持される。これにより感熱分解部4がユニットとして構成される。
【0035】
感熱分解部4と弁体3の間にはサドル20が設置される。サドル20は金属の板材から形成されており、一面には一対のレバー11が係合する凹部20Aが形成されている。凹部20A、20Aの間には、牝ネジ20Bが螺刻されており、該牝ネジ20Bにはコンプレッションスクリュー21が螺入されている。このコンプレッションスクリュー21とサドル20は本発明の荷重発生部材を構成する。
【0036】
コンプレッションスクリュー21を感熱分解部4側から弁体3に向かって牝ネジ20Bに螺入すると、コンプレッションスクリュー21の先端が弁体3を押圧して、弁体3が放水口1Bの端に押圧され放水口1Bを閉塞するとともに、一対のレバー11が係止されているフレーム部2の内方フランジ2Cを下方に押圧する。これによって梁状部2Jが弾性変形し極僅かな変位が生じる。このような梁状部2Jのたわみによる変位によって、分解作動時に感熱分解部4の構成部品をフレーム部2の外にはじき飛ばすバネ力が生じる。本実施形態ではコンプレッションスクリュー21とサドル20による簡易な部品構成と簡単な組立作業によって、弁体3の止水性と梁状部2Jのたわみ変形とに必要な荷重を得ることができる。
【0037】
デフレクター5は、平板状で周囲に切欠き状のスリット5Aが複数形成されている。スリット5Aは、目的の散水性能を得るために設けられるものである。スリット5Aはデフレクター5の上面から下面まで切欠いた形状が一般的であるが、この他にスリット5Aをデフレクター5の上面のみ凹んだ形状にしてもよい。
【0038】
デフレクター5上には半球型のディスクDが固定設置されている。ディスクDは薄板をプレス加工によって半球状に形成したものであり、周縁に複数の脚D1が垂下して形成されている。脚D1はデフレクター5上に穿設された穴5Fに挿入された後、脚D1を屈曲させてディスクDがデフレクター5上に固定設置される。
【0039】
デフレクター5にはガイドピン5Cが嵌合される穴5B、5Bが穿設されており、該穴5Bにガイドピン5Cの一端が挿通され、カシメ固定される。ガイドピン5Cは本体1のデフレクター係止部2Gに穿設された穴5Eに挿通されている。ガイドピン5Cは穴5Eに挿通された状態で摺動可能である。ガイドピン5Cの他端側には鍔部5Dが形成されており、本体1のデフレクター係止部2Gの穴5Eの端面に係止可能である。
【0040】
図1において、ガイドピン5Cの上端は、後述のベースプレート6Eと接触または近接した状態で配置され、ガイドピン5Cがこれ以上上方に移動することを阻止している。こればガイドピン5Cの下端側に固定されたデフレクター5上にあるディクスDが感熱分解部4との干渉を防ぐ作用を有する。
【0041】
サポートカップ6は、本体1のフレーム部2の外側を覆う有底円筒形状の部材である。サポートカップ6の底部6Aには前述の本体1のサポートカップ係止部1Cと嵌合可能な開口6Bが形成されている。サポートカップ係止部1Cと開口6Bを嵌合させることで、サポートカップ6が本体1に対して回転することを防止できる。
【0042】
開口6Bの周縁には外側へ向かって立設した筒状部6Cが形成されている。筒状部6Cの端面の位置はサポートカップ係止部1Cの端面より配管接続部1A側にあり、筒状部6Cの端は本体1の配管接続部1Aとサポートカップ係止部1Cとの間の括れ部1D付近に位置する。筒状部6Cの根元の数箇所に切り込みを入れた後、切り込みの上部を外周側から括れ部1D側に押圧して切り込みの上部を括れ部1D側に変形させ係合部6Dを形成することで係合部6Dと括れ部1Dが係合され、サポートカップ6を本体1に固定設置することができる。
【0043】
サポートカップ6の底面内側には前述の開口6Bと同様な開口が形成されたベースプレート6Eが設置されている。またサポートカップ6の底面6Aの周縁付近には均等間隔で複数の開口6Fが穿設されている。開口6Fはサポートカップの底面6Aから側面6Gにまで及んでいる。側面6Gの端面側には螺旋溝6Hが形成されている。
【0044】
カバープレート7は、サポートカップ6内の本体1や感熱分解部4、デフレクター5を覆い隠す薄板状の蓋7Aと、円筒形状のリテーナー7Bから構成される。カバープレート7は、本体1の配管接続部1Aを消火設備配管に接続した後にサポートカップ6に接続されることから、前述の本体1やサポートカップ6とは別部品として組立てられる。
【0045】
蓋7Aは円盤形状であり材質は熱を伝播しやすい銅や銅合金を用いる。リテーナー7Bは筒状であり下端から垂下した複数の脚の先端が折り曲げられ、蓋7Aとの接続面7Cが形成されている。接続面7Cと蓋7Aは低融点合金7Dにより接合される。低融点合金7Dは前述のシリンダー14内の低融点合金16より融点が低いものを用いる。
【0046】
リテーナー7Bの周面には前述のサポートカップ6の螺旋溝6Hと螺合可能な突起7Eが形成されている。該突起7Eはリテーナー7Bの周面に切り込みを入れ、突起7Eが斜め下方に突出するように形成されている。突起7Eはストッパーの作用を有しておりサポートカップ6の螺旋溝6Hと螺合状態の際にリテーナー7Bを下方に引き抜こうとすると突起7Eが螺旋溝6Hに引っ掛かり抜け止めとなる。
【0047】
逆にサポートカップ6にリテーナー7Bを嵌め入れる際には突起7Eは螺旋溝6H上で弾性変形して螺旋溝6H上を通過することが可能である。従って、サポートカップ6にリテーナー7Bを嵌め込む際にはリテーナー7Bをサポートカップ6に押し込むワンプッシュ操作で設置可能である。
【0048】
続いて、本発明のスプリンクラーヘッドの組立手順および施工手順について説明する。
【0049】
先ず、本体1のフレーム部2の端から弁体3を段部2H内に嵌め入れる。続いてコンプレッションスクリュー21が螺合されたサドル20をフレーム部2内に入れる。
【0050】
さらにサドル20の凹部20Aの位置にレバー11が係合するように、予め組立てておいた図4の状態の感熱分解部4をフレーム部2内に挿入する。その際、レバー11を内方フランジ2Cのレバー挿通溝2Dを通過させてフレーム部2内に挿入し、レバー11の先端が内方フランジ2Cより奥へ挿通した後に感熱分解部4を回転させて凹部20Aとレバー11を係合させる。さらに感熱分解部4を回転させ、レバー11の位置がレバー挿通溝2Dから略90°回転した位置にセットする。
【0051】
続いて感熱分解部4のセットスクリュー17の貫通穴からコンプレッションスクリュー21を回転可能なレンチやドライバー等の工具を挿通させ、コンプレッションスクリュー21を牝ネジ20Bに螺入させる。するとコンプレッションスクリュー21の先端が弁体3を押圧するとともにレバー11の先端が内方フランジ2Cを押圧して内方フランジ2Cを弾性変形させる。コンプレッションスクリュー21を所定のトルクで締め付けることにより弁体3が放出口1Bを押圧する荷重を所定範囲内にコントロールすることが可能である。このようにフレーム部2の内部に弁体3等の構成部品をすべて入れた後に、貫通穴に工具を挿入しコンプレッションスクリュー21を牝ネジ20Bに螺合させることで組立作業が完了するので、組立作業を容易に行うことができる。
【0052】
次にデフレクター5を本体1に設置する。ガイドピン5Cを本体1のデフレクター係止部2Gに穿設された穴5Eに挿通した後、ガイドピン5Cの端とデフレクター5の穴5Bをカシメ固定する。
【0053】
続いて、サポートカップ6を本体1に設置する。本体1のサポートカップ係止部1Cとサポートカップ6の筒状部6Cを嵌め合わせた状態で、筒状部6Cの根元の数箇所に切り込みを穿設する。その後切り込みの上部を筒状部6Cの外周側から括れ部1Dに向かって押圧すると、切り込みの上部が括れ部1Dの外周形状に沿って変形され係合部6Dが形成される。係合部6Dと括れ部1Dが係合されてサポートカップ6が本体1に固定完了となる。ここまででスプリンクラーヘッドの製品としての組立手順は完了する。
【0054】
カバープレート7は、上記の製品を配管に接続して天井ボードWを施工した後(図9の状態)にサポートカップ6に接続される。カバープレート7の設置は、カバープレート7の突起7Eをサポートカップ6の螺旋溝6Hに螺合させて接続する。
【0055】
このとき消火設備配管の接続口と天井面との間の距離は、設計上や施工上、消火設備配管の接続口ごとに異なることがある。このような場合にはサポートカップ6に対するリテーナー7Bの差し込み長さを調整することで、個々の接続口と天井面との間の距離に対応して設置することが可能である。
【0056】
例えば図1ではサポートカップ6に対してリテーナー7Bが最も深く差し込まれているが、図1よりも配管の接続口と天井面との間が離れている場合にはリテーナー7Bの差し込み長さを浅くすればよい。
【0057】
そしてこの場合に、本実施形態ではデフレクター係止部2Gを天井面にできるだけ近いフレーム部2の開口端側に設けられており、デフレクター5の移動範囲が大きい。このためリテーナー7Bの差し込み長さが浅く、デフレクター5が図1よりも下方位置でカバープレート7の裏面に載置させた状態になったとしても問題なく施工することができる。即ちコンシールド型スプリンクラーヘッドAの施工上の取付調整代を大きく取ることができ施工が容易になる。
【0058】
以上によって図1に示すスプリンクラーヘッドの組立および施工が完了する。
【0059】
次に本発明のスプリンクラーヘッドAの作用・効果について説明する。
【0060】
フレーム部2には、配管接続部1Aの外方に突出する外周面が形成されており、該外周面における対向位置に、感熱分解部4のレバー11が係止する梁状部2J(内方フランジ2C)と、該外周面を配管接続部1Aの側から梁状部2Jまで欠如する開口2Eとを有するため、フレーム部2を大幅に軽量化することができる。したがって、消火設備配管に作用する荷重を軽減することができ、また運搬時、消火設備配管への取付作業時の重量負荷による負担も軽減できる。
【0061】
フレーム部2には相互に対向位置に梁状部2Jが形成されているため、感熱分解部4のレバー11の押圧荷重を双方の梁状部2Jに均等に掛けることができ、各梁状部2Jのたわみによるバネ力を均等に発揮させることができる。このため感熱分解部4を長年に亘って継続的に安定して保持することができる。また、各梁状部2Jのたわみによる均等なバネ力は、感熱分解部4の分解作動時に、その構成部品をフレーム部の軸方向ではね飛ばすことができロッジメント防止に機能させることができる。
【0062】
フレーム部2には感熱分解部4を挿入可能な開口端が形成されている。したがってフレーム部2の開口端から感熱分解部4を挿入できるので、感熱分解部4を容易に組み込むことができる。また、本実施形態の感熱分解部4はユニット部品であるため、フレーム部2の内部に組み込みながら感熱分解部4を組み立てる必要がなく、組立作業を簡略化することができる。
【0063】
フレーム部2の開口2Eは梁状部2Jの外周面よりもフレーム部2の中心軸側の内方位置に設けられている。こうすることで、梁状部2Jの内周面の切削加工と同時に開口2Eを形成することが可能となる。したがって開口2Eを形成するための専用工程に依存しなくても、開口2Eを形成して梁状部2Jを設ける製造コストを低減することができる。
【0064】
本実施形態では配管接続部1Aとフレーム部2が一体構造の鍛造加工体であるため、それらが別部品である場合と比較して部品点数を削減することができ、コストダウンを図ることが可能である。
【0065】
フレーム部2の内方フランジ2Cには感熱分解部4のレバー11を挿通させるレバー挿通溝2Dが形成されているので、感熱分解部4をフレーム部2に挿入する際に内方フランジ2Cが邪魔にならず作業性良く容易に挿入することができる。
そして感熱分解部4は、レバー11をレバー挿通溝2Dに挿通させた後にフレーム部2の軸回りに回転させることでレバー11が内方フランジ2Cに対して係止する。このため組立作業を容易に行うことができる。
【0066】
本実施形態ではフレーム部2の開口端の外側にデフレクター5を備えている。このためデフレクター5およびディスクDはスプリンクラーヘッドの仕様・用途に応じて様々な形状のものを取り付けることで容易に別個の製品を構成することが可能である。つまり、デフレクター5を設置する前の段階の構成品は様々な製品に共通して使用することができ、所望のスプリンクラーヘッドの仕様・用途に応じたデフレクター5およびディスクDを設置することで簡易に仕様の異なる製品をつくることができる。
【0067】
本発明の変形例として、図12に示すようにディスクの形状を非円形型にすることができる。具体的には図12(a)に示す楕円型、同図(b)の星型、同図(c)の矩形型がある。これら形状は切削加工が難しい形状であるが、プレス加工によって容易に形成することが可能となる。
【0068】
また、デフレクター5のスリット形状として図13(a)に示すデフレクターの上面のみ凹ませたスリット5Aの他の実施形態として同図(b)のように縁に向かってデフレクター5の下面側に傾いて形成させたり、あるいは同図(c)では逆に縁に向かうに従いデフレクター5の上面側に傾いたもの、同図(d)ではスリットがディスクD側から中間部までは凹み状で、中間部からデフレクター5の縁までは切欠かれた形状としてもよい。
【0069】
上記以外の変形例として、ディスクDを意図的にデフレクター5の中心から外れた位置に設置することも可能であり、これによりノズルから放出された水を特定方向のみに散布することができる。また、ディスクDはデフレクター5上に複数設置することも可能である。
【0070】
本実施形態では、デフレクター係止部2Gをフレーム部2の外周面におけるレバー挿通溝2Dの外方位置に設けている。こうすることで感熱分解部4のレバー11の位置とデフレクター係止部2Gとが離間するため、感熱分解部4の分解作動時のロッジメントを有効に防止できる。即ち外周面にデフレクター係止部2Gを設けたフレーム部2の内周面にはレバー挿通溝2Dが位置する。このため感熱分解部4のレバー11はデフレクター係止部2Gの内周面側位置で係止することができない。したがってレバー11はデフレクター係止部2Gから離れた位置にある内方フランジ2Cに対して係止せざるを得ない。これによってスプリンクラーヘッドAの作動時に感熱分解部4が分解作動してレバー11が飛散・落下する際にレバー11がガイドピン5Cと衝突することを防止することができ、分解作動時のロッジメントを防止することができる。
【符号の説明】
【0071】
A スプリンクラーヘッド
1 本体
1A 配管接続部
1B 放水口
2 フレーム部
2B 平面部
2C 内方フランジ
2D レバー挿通溝
2E 開口(開口部)
2F レバー係止部
2G デフレクター係止部
2H 段部
2J 梁状部
3 弁体
4 感熱分解部
5 デフレクター
5A スリット
6 サポートカップ
7 カバープレート7
11 レバー
12 支持板
13 バランサー
14 シリンダー
15 プランジャー
16、32 低融点合金
17 セットスクリュー
20 サドル
21 コンプレッションスクリュー
D ディスク
D1 脚
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリンクラーヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
スプリンクラーヘッドは天井や壁面に設置され、火災の際に作動して水を散布し消火を行うものである。スプリンクラーヘッドの一例として、感熱分解部の下方にデフレクターが設置されているスプリンクラーヘッドがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に記載のスプリンクラーヘッドは、天井面とフラットに形成されたカバープレート65を備えている。カバープレート65により天井内部に配置されたデフレクター51や感熱分解部分40は隠され、室内側からは見えないように構成されている。
【0004】
上記のスプリンクラーヘッドは、室内の美観を損ねず意匠性に優れたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−339901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のスプリンクラーヘッドは感熱分解部40の下方にデフレクター51が設置されている。デフレクターはノズルから放出された水を四方に飛散する作用を有しており、縁部には複数のスリットが形成されている。
【0007】
しかしながら所望の散水性能を得るために、デフレクター51上に突起状のディスクを設置する場合があるが、ディスクは散水性能やその形状によりデフレクターと一体形成をするのが困難な場合が多い。一般的にディスクは切削加工により形成してから板状のデフレクターに組み付けるため加工工数が多くコストアップの要因となっていた。
【0008】
そこで本発明では、上記問題に鑑み、安価に製造可能であり所望の散水性能が得られるスプリンクラーヘッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく本発明は以下のスプリンクラーヘッドを提供する。
本発明は、本体の一端側は給水配管と接続され内部にノズルが設置されており、他端側は平時ノズルを閉塞する弁を支持しており火災時には分解作動する感熱分解部が設置されており、本体の外周部にはノズルより放出された水を四方へ飛散させるデフレクターを先端に設置可能なデフレクター係止部を備えるスプリンクラーヘッドにおいて、
デフレクターのノズル側の面にはディスクが設置されており、該ディスクは縁部に脚を有し、該脚をデフレクター上の穴に挿通させて設置したことを特徴とする。
【0010】
ディスクを設置することでデフレクターの散水性能が安定する。例えばノズルから放出される水が乱流であった場合にディスクが設置されていると水はディスクに衝突した後にデフレクター上を流れることから、ディスクに水を衝突させることにより乱流状態であった水を整流化してデフレクター上へ流す効果がある。
【0011】
また、ディスクを板材からプレス成形することで、切削加工では加工が難しい形状を容易に形成することが可能となる。例えば非円形である多角形形状や表面に溝や穴、突起等の形状を容易に形成することができる。上記のような非円形のディスクをデフレクターに設置することで所望の散水性能を得ることが可能となる。
【0012】
前記本発明は、デフレクターを貫通したディスクの脚の先端が屈曲されている。
これにより、ディスクがデフレクター上に固定設置され、ノズルから放出された水の勢いで外れたり傾いたりすることを防止することができる。
【0013】
前記本発明は、ディスクの断面形状が非円形である。
これにより、ディスクの形状を円形以外の形状、例えば矩形や星型、楕円形にすることができ、目的の散水性能を得ることができる。さらにプレス加工により形成することで上記のような円形以外の形状を容易に形成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ディスクをプレス加工により形成することで切削加工では加工が難しい形状を容易に形成することができ、ディスクの断面形状が非円形の形状のものを製作することができる。それにより目的の散水性能を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のスプリンクラーヘッドの断面図
【図2】図1のスプリンクラーヘッドの本体の正面図
【図3】図2の側面図
【図4】感熱分解部の断面図
【図5】感熱分解部の分解斜視図
【図6】シリンダー・プランジャーの分解断面図
【図7】デフレクターの平面図
【図8】ディスクの斜視図
【図9】図1のスプリンクラーヘッドの施工時における断面図
【図10】図9のX−X断面図
【図11】図9のY部拡大図
【図12】ディスクの他の実施形態の説明図
【図13】スリットの他の実施形態の説明図(図7のZ−Z断面図)
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のスプリンクラーヘッドの実施形態について図1〜図13を参照して説明する。
スプリンクラーヘッドAは、本体1、弁体3、感熱分解部4、デフレクター5、サポートカップ6、カバープレート7を備えており、コンシールド型スプリンクラーヘッドとして構成されている。
【0017】
図1から図3に示す本体1は中空状であり、一端は充水された配管と接続可能な牡ネジが形成された配管接続部1Aとなっている。配管接続部1Aの他端側は放水口1Bとなっている。放水口1Bの端は弁体3によって閉塞されている。
【0018】
配管接続部1Aと放水口1Bの間には外周部の断面形状が多角形であるサポートカップ係止部1Cが形成されている。サポートカップ係止部1Cより放水口1B側には、サポートカップ係止部1Cの外周部より大きな外周を有する鍔部が形成されており、その鍔部の縁から放水側に向けて筒状のフレーム部2が形成されている。本体1は前述の配管接続部1Aと配管接続部1Aより大きな外周面を有するフレーム部2とで構成されている。
【0019】
フレーム部2の外周横断面形状は、円の2箇所を平行に切欠いた形状をしており、具体的には切欠かれた2箇所の直線部と各直線部の間の円弧部とが形成されている。従ってフレーム部2の外周面には断面円弧状の曲面部2Aと断面直線状の平面部2Bが形成されている。平面部2Bはフレーム部2の外周面を配管接続部1Aの側から後述する梁状部2Jまで切り欠くように形成された切欠面部として形成されており、そこに開口2Eが形成されている。フレーム部2の下部の外周断面形状は、平面部2Bが無くなり曲面部2Aと同じ半径寸法である円形となっている。即ち平面部2Bの下方にはフレーム部2の周方向に沿って架設した円弧状部分でなる梁状部2Jが形成されている。この梁状部2Jはフレーム部2の筒軸を中心とする対向位置に形成されている。
【0020】
フレーム部2の内周下部(曲面部2Aの下部と梁状部2Jの内周面)には内側に向かって拡張して形成された内方フランジ2Cが形成されている。曲面部2Aの下部に位置する内方フランジ2Cにはレバー挿通溝2D、2Dが形成されている(図1)。
【0021】
レバー挿通溝2Dから略90°回転したフレーム部2の平面部2Bには開口2Eが形成されている。開口2Eはフレーム部2の内側を曲線部2Aの外径寸法より小さく且つ2つの平面部2B間の寸法より大きい径寸法で切削することで形成される。
【0022】
開口2Eの下方に位置する梁状部2Jの内方フランジ2Cは、後述する感熱分解部4のレバー11が係止されるレバー係止部2Fとなる。開口2Eの下方の梁状部2Jにレバー係止部2Fを設けたことで、レバー係止部2Fに放水口1B側からフレーム部2の下端側へ荷重を印加すると、梁状部2Jは印加された荷重によって弾性変形するが、開口2Eを設けない場合と比較して梁状部2Jの弾性変形による変形量を大きくすることができる。そしてこの梁状部2Jの弾性変形(たわみ)がバネ力となり、そのバネ力はスプリンクラーヘッドAが作動した際に感熱分解部4の構成部品を外へはね飛ばす作用を有しておりロッジメントの防止に機能する。
【0023】
レバー挿通溝2Dの外周側にはフレーム部2の下端より下方へ垂下して形成されたデフレクター係止部2Gが形成されている。フレーム部2と放水口1Bとの境には、弁体3が収容可能な段部2Hが形成されている。段部2Hにより弁体3が振動や衝撃等によって放水口1Bから位置ずれした際の移動を段部2H内に留めて弁体3が放水口1Bから位置ずれして放水口1B内の水が漏れることを防止している。
【0024】
弁体3は円盤形状であり、前述の段部2Hに収容される。弁体3は後述するコンプレッションスクリュー21により放水口1Bの端に押圧され放水口1Bを閉塞している。
【0025】
感熱分解部4はフレーム部2の梁状部2Jに形成された内方フランジ2C(レバー係止部2F)に係止され、火災時には火災の熱によって分解作動して弁体3を解放する。感熱分解部4は、レバー11、支持板12、バランサー13、シリンダー14、プランジャー15、低融点合金16、セットスクリュー17から構成される。
【0026】
感熱分解部4は図4に示すようなユニット部品として構成され、ユニット部品として保管、運搬が可能である。スプリンクラーヘッドの組立時においても図4で示すユニット部品の状態で本体1に組み込まれる。
【0027】
レバー11は、一対で用いられており一端が内方フランジ2Cに係止され外方に屈曲した形状をしている。レバー11の上部には左右対称に設けられた突起11Aが形成され(図5)、下部には矩形の穴11Bが穿設されている。一対のレバー11の間には支持板12とバランサー13が係止され、支持板12は突起11Aと係止し、バランサー13は下部の穴11Bに係止される。バランサー13の中心部には穴13Aが穿設されており、該穴13Aにシリンダー14が挿入される。
【0028】
シリンダー14は円筒形状をしており、内部には段が形成され、大径部14Aと小径部14Bが形成されている。大径部14Aには円環状の低融点合金16が収容されている。また大径部14A側の端には鍔部14Cが形成されており、該鍔部14Cがバランサー13の穴13Aと係合する。小径部14Bの内径は環状の低融点合金16の内径と略等しい。
【0029】
小径部14Bの先端はヒートコレクター18、19を挟んだ状態で折り曲げられ、ヒートコレクター18、19がシリンダー14に設置される。ヒートコレクター18、19は熱伝導性が良好な銅や銅合金等の金属から形成され、火災による熱を吸収してシリンダー14内の低融点合金16に伝える作用を有する。
【0030】
プランジャー15の外周部は段により大径部15Aと小径部15Bが形成されている。大径部15の外径はシリンダー14の大径部14Aの内径より僅かに小さく形成される。小径部15Bの外径はシリンダー14の小径部の内径および低融点合金16の内径より僅かに小さく形成される。
【0031】
プランジャー15は、シリンダー14の大径部14A側から挿通され、小径部15Bと、大径部15Aと小径部15Bの境の段部15Cとが低融点合金16に接触する。プランジャー15をシリンダー14に挿通した状態において、プランジャー15の外周面はシリンダー14Bおよび低融点合金16の内周面と摺動可能となっている。
【0032】
プランジャー15には貫通穴15Dが穿設されており、貫通穴15Dの中間にはセットスクリュー17の先端が接触する段部15Eが形成されている。
【0033】
セットスクリュー17は筒形をしており外部には牡ネジ17Aが螺刻されている。牡ネジ17Aを支持板12の牝ネジ12Aに螺入すると、セットスクリュー17の先端がプランジャー15の段部15Eを押圧するので低融点合金16はプランジャー15の段部15Eとシリンダー14の底部14Dにより圧縮方向の力が作用した状態にある。
【0034】
また一対のレバー11に係合した支持板12とバランサー13もレバー11との係止が強まる方向へ力が印加され、レバー11と支持板12、バランサー13の係合状態が保持される。これにより感熱分解部4がユニットとして構成される。
【0035】
感熱分解部4と弁体3の間にはサドル20が設置される。サドル20は金属の板材から形成されており、一面には一対のレバー11が係合する凹部20Aが形成されている。凹部20A、20Aの間には、牝ネジ20Bが螺刻されており、該牝ネジ20Bにはコンプレッションスクリュー21が螺入されている。このコンプレッションスクリュー21とサドル20は本発明の荷重発生部材を構成する。
【0036】
コンプレッションスクリュー21を感熱分解部4側から弁体3に向かって牝ネジ20Bに螺入すると、コンプレッションスクリュー21の先端が弁体3を押圧して、弁体3が放水口1Bの端に押圧され放水口1Bを閉塞するとともに、一対のレバー11が係止されているフレーム部2の内方フランジ2Cを下方に押圧する。これによって梁状部2Jが弾性変形し極僅かな変位が生じる。このような梁状部2Jのたわみによる変位によって、分解作動時に感熱分解部4の構成部品をフレーム部2の外にはじき飛ばすバネ力が生じる。本実施形態ではコンプレッションスクリュー21とサドル20による簡易な部品構成と簡単な組立作業によって、弁体3の止水性と梁状部2Jのたわみ変形とに必要な荷重を得ることができる。
【0037】
デフレクター5は、平板状で周囲に切欠き状のスリット5Aが複数形成されている。スリット5Aは、目的の散水性能を得るために設けられるものである。スリット5Aはデフレクター5の上面から下面まで切欠いた形状が一般的であるが、この他にスリット5Aをデフレクター5の上面のみ凹んだ形状にしてもよい。
【0038】
デフレクター5上には半球型のディスクDが固定設置されている。ディスクDは薄板をプレス加工によって半球状に形成したものであり、周縁に複数の脚D1が垂下して形成されている。脚D1はデフレクター5上に穿設された穴5Fに挿入された後、脚D1を屈曲させてディスクDがデフレクター5上に固定設置される。
【0039】
デフレクター5にはガイドピン5Cが嵌合される穴5B、5Bが穿設されており、該穴5Bにガイドピン5Cの一端が挿通され、カシメ固定される。ガイドピン5Cは本体1のデフレクター係止部2Gに穿設された穴5Eに挿通されている。ガイドピン5Cは穴5Eに挿通された状態で摺動可能である。ガイドピン5Cの他端側には鍔部5Dが形成されており、本体1のデフレクター係止部2Gの穴5Eの端面に係止可能である。
【0040】
図1において、ガイドピン5Cの上端は、後述のベースプレート6Eと接触または近接した状態で配置され、ガイドピン5Cがこれ以上上方に移動することを阻止している。こればガイドピン5Cの下端側に固定されたデフレクター5上にあるディクスDが感熱分解部4との干渉を防ぐ作用を有する。
【0041】
サポートカップ6は、本体1のフレーム部2の外側を覆う有底円筒形状の部材である。サポートカップ6の底部6Aには前述の本体1のサポートカップ係止部1Cと嵌合可能な開口6Bが形成されている。サポートカップ係止部1Cと開口6Bを嵌合させることで、サポートカップ6が本体1に対して回転することを防止できる。
【0042】
開口6Bの周縁には外側へ向かって立設した筒状部6Cが形成されている。筒状部6Cの端面の位置はサポートカップ係止部1Cの端面より配管接続部1A側にあり、筒状部6Cの端は本体1の配管接続部1Aとサポートカップ係止部1Cとの間の括れ部1D付近に位置する。筒状部6Cの根元の数箇所に切り込みを入れた後、切り込みの上部を外周側から括れ部1D側に押圧して切り込みの上部を括れ部1D側に変形させ係合部6Dを形成することで係合部6Dと括れ部1Dが係合され、サポートカップ6を本体1に固定設置することができる。
【0043】
サポートカップ6の底面内側には前述の開口6Bと同様な開口が形成されたベースプレート6Eが設置されている。またサポートカップ6の底面6Aの周縁付近には均等間隔で複数の開口6Fが穿設されている。開口6Fはサポートカップの底面6Aから側面6Gにまで及んでいる。側面6Gの端面側には螺旋溝6Hが形成されている。
【0044】
カバープレート7は、サポートカップ6内の本体1や感熱分解部4、デフレクター5を覆い隠す薄板状の蓋7Aと、円筒形状のリテーナー7Bから構成される。カバープレート7は、本体1の配管接続部1Aを消火設備配管に接続した後にサポートカップ6に接続されることから、前述の本体1やサポートカップ6とは別部品として組立てられる。
【0045】
蓋7Aは円盤形状であり材質は熱を伝播しやすい銅や銅合金を用いる。リテーナー7Bは筒状であり下端から垂下した複数の脚の先端が折り曲げられ、蓋7Aとの接続面7Cが形成されている。接続面7Cと蓋7Aは低融点合金7Dにより接合される。低融点合金7Dは前述のシリンダー14内の低融点合金16より融点が低いものを用いる。
【0046】
リテーナー7Bの周面には前述のサポートカップ6の螺旋溝6Hと螺合可能な突起7Eが形成されている。該突起7Eはリテーナー7Bの周面に切り込みを入れ、突起7Eが斜め下方に突出するように形成されている。突起7Eはストッパーの作用を有しておりサポートカップ6の螺旋溝6Hと螺合状態の際にリテーナー7Bを下方に引き抜こうとすると突起7Eが螺旋溝6Hに引っ掛かり抜け止めとなる。
【0047】
逆にサポートカップ6にリテーナー7Bを嵌め入れる際には突起7Eは螺旋溝6H上で弾性変形して螺旋溝6H上を通過することが可能である。従って、サポートカップ6にリテーナー7Bを嵌め込む際にはリテーナー7Bをサポートカップ6に押し込むワンプッシュ操作で設置可能である。
【0048】
続いて、本発明のスプリンクラーヘッドの組立手順および施工手順について説明する。
【0049】
先ず、本体1のフレーム部2の端から弁体3を段部2H内に嵌め入れる。続いてコンプレッションスクリュー21が螺合されたサドル20をフレーム部2内に入れる。
【0050】
さらにサドル20の凹部20Aの位置にレバー11が係合するように、予め組立てておいた図4の状態の感熱分解部4をフレーム部2内に挿入する。その際、レバー11を内方フランジ2Cのレバー挿通溝2Dを通過させてフレーム部2内に挿入し、レバー11の先端が内方フランジ2Cより奥へ挿通した後に感熱分解部4を回転させて凹部20Aとレバー11を係合させる。さらに感熱分解部4を回転させ、レバー11の位置がレバー挿通溝2Dから略90°回転した位置にセットする。
【0051】
続いて感熱分解部4のセットスクリュー17の貫通穴からコンプレッションスクリュー21を回転可能なレンチやドライバー等の工具を挿通させ、コンプレッションスクリュー21を牝ネジ20Bに螺入させる。するとコンプレッションスクリュー21の先端が弁体3を押圧するとともにレバー11の先端が内方フランジ2Cを押圧して内方フランジ2Cを弾性変形させる。コンプレッションスクリュー21を所定のトルクで締め付けることにより弁体3が放出口1Bを押圧する荷重を所定範囲内にコントロールすることが可能である。このようにフレーム部2の内部に弁体3等の構成部品をすべて入れた後に、貫通穴に工具を挿入しコンプレッションスクリュー21を牝ネジ20Bに螺合させることで組立作業が完了するので、組立作業を容易に行うことができる。
【0052】
次にデフレクター5を本体1に設置する。ガイドピン5Cを本体1のデフレクター係止部2Gに穿設された穴5Eに挿通した後、ガイドピン5Cの端とデフレクター5の穴5Bをカシメ固定する。
【0053】
続いて、サポートカップ6を本体1に設置する。本体1のサポートカップ係止部1Cとサポートカップ6の筒状部6Cを嵌め合わせた状態で、筒状部6Cの根元の数箇所に切り込みを穿設する。その後切り込みの上部を筒状部6Cの外周側から括れ部1Dに向かって押圧すると、切り込みの上部が括れ部1Dの外周形状に沿って変形され係合部6Dが形成される。係合部6Dと括れ部1Dが係合されてサポートカップ6が本体1に固定完了となる。ここまででスプリンクラーヘッドの製品としての組立手順は完了する。
【0054】
カバープレート7は、上記の製品を配管に接続して天井ボードWを施工した後(図9の状態)にサポートカップ6に接続される。カバープレート7の設置は、カバープレート7の突起7Eをサポートカップ6の螺旋溝6Hに螺合させて接続する。
【0055】
このとき消火設備配管の接続口と天井面との間の距離は、設計上や施工上、消火設備配管の接続口ごとに異なることがある。このような場合にはサポートカップ6に対するリテーナー7Bの差し込み長さを調整することで、個々の接続口と天井面との間の距離に対応して設置することが可能である。
【0056】
例えば図1ではサポートカップ6に対してリテーナー7Bが最も深く差し込まれているが、図1よりも配管の接続口と天井面との間が離れている場合にはリテーナー7Bの差し込み長さを浅くすればよい。
【0057】
そしてこの場合に、本実施形態ではデフレクター係止部2Gを天井面にできるだけ近いフレーム部2の開口端側に設けられており、デフレクター5の移動範囲が大きい。このためリテーナー7Bの差し込み長さが浅く、デフレクター5が図1よりも下方位置でカバープレート7の裏面に載置させた状態になったとしても問題なく施工することができる。即ちコンシールド型スプリンクラーヘッドAの施工上の取付調整代を大きく取ることができ施工が容易になる。
【0058】
以上によって図1に示すスプリンクラーヘッドの組立および施工が完了する。
【0059】
次に本発明のスプリンクラーヘッドAの作用・効果について説明する。
【0060】
フレーム部2には、配管接続部1Aの外方に突出する外周面が形成されており、該外周面における対向位置に、感熱分解部4のレバー11が係止する梁状部2J(内方フランジ2C)と、該外周面を配管接続部1Aの側から梁状部2Jまで欠如する開口2Eとを有するため、フレーム部2を大幅に軽量化することができる。したがって、消火設備配管に作用する荷重を軽減することができ、また運搬時、消火設備配管への取付作業時の重量負荷による負担も軽減できる。
【0061】
フレーム部2には相互に対向位置に梁状部2Jが形成されているため、感熱分解部4のレバー11の押圧荷重を双方の梁状部2Jに均等に掛けることができ、各梁状部2Jのたわみによるバネ力を均等に発揮させることができる。このため感熱分解部4を長年に亘って継続的に安定して保持することができる。また、各梁状部2Jのたわみによる均等なバネ力は、感熱分解部4の分解作動時に、その構成部品をフレーム部の軸方向ではね飛ばすことができロッジメント防止に機能させることができる。
【0062】
フレーム部2には感熱分解部4を挿入可能な開口端が形成されている。したがってフレーム部2の開口端から感熱分解部4を挿入できるので、感熱分解部4を容易に組み込むことができる。また、本実施形態の感熱分解部4はユニット部品であるため、フレーム部2の内部に組み込みながら感熱分解部4を組み立てる必要がなく、組立作業を簡略化することができる。
【0063】
フレーム部2の開口2Eは梁状部2Jの外周面よりもフレーム部2の中心軸側の内方位置に設けられている。こうすることで、梁状部2Jの内周面の切削加工と同時に開口2Eを形成することが可能となる。したがって開口2Eを形成するための専用工程に依存しなくても、開口2Eを形成して梁状部2Jを設ける製造コストを低減することができる。
【0064】
本実施形態では配管接続部1Aとフレーム部2が一体構造の鍛造加工体であるため、それらが別部品である場合と比較して部品点数を削減することができ、コストダウンを図ることが可能である。
【0065】
フレーム部2の内方フランジ2Cには感熱分解部4のレバー11を挿通させるレバー挿通溝2Dが形成されているので、感熱分解部4をフレーム部2に挿入する際に内方フランジ2Cが邪魔にならず作業性良く容易に挿入することができる。
そして感熱分解部4は、レバー11をレバー挿通溝2Dに挿通させた後にフレーム部2の軸回りに回転させることでレバー11が内方フランジ2Cに対して係止する。このため組立作業を容易に行うことができる。
【0066】
本実施形態ではフレーム部2の開口端の外側にデフレクター5を備えている。このためデフレクター5およびディスクDはスプリンクラーヘッドの仕様・用途に応じて様々な形状のものを取り付けることで容易に別個の製品を構成することが可能である。つまり、デフレクター5を設置する前の段階の構成品は様々な製品に共通して使用することができ、所望のスプリンクラーヘッドの仕様・用途に応じたデフレクター5およびディスクDを設置することで簡易に仕様の異なる製品をつくることができる。
【0067】
本発明の変形例として、図12に示すようにディスクの形状を非円形型にすることができる。具体的には図12(a)に示す楕円型、同図(b)の星型、同図(c)の矩形型がある。これら形状は切削加工が難しい形状であるが、プレス加工によって容易に形成することが可能となる。
【0068】
また、デフレクター5のスリット形状として図13(a)に示すデフレクターの上面のみ凹ませたスリット5Aの他の実施形態として同図(b)のように縁に向かってデフレクター5の下面側に傾いて形成させたり、あるいは同図(c)では逆に縁に向かうに従いデフレクター5の上面側に傾いたもの、同図(d)ではスリットがディスクD側から中間部までは凹み状で、中間部からデフレクター5の縁までは切欠かれた形状としてもよい。
【0069】
上記以外の変形例として、ディスクDを意図的にデフレクター5の中心から外れた位置に設置することも可能であり、これによりノズルから放出された水を特定方向のみに散布することができる。また、ディスクDはデフレクター5上に複数設置することも可能である。
【0070】
本実施形態では、デフレクター係止部2Gをフレーム部2の外周面におけるレバー挿通溝2Dの外方位置に設けている。こうすることで感熱分解部4のレバー11の位置とデフレクター係止部2Gとが離間するため、感熱分解部4の分解作動時のロッジメントを有効に防止できる。即ち外周面にデフレクター係止部2Gを設けたフレーム部2の内周面にはレバー挿通溝2Dが位置する。このため感熱分解部4のレバー11はデフレクター係止部2Gの内周面側位置で係止することができない。したがってレバー11はデフレクター係止部2Gから離れた位置にある内方フランジ2Cに対して係止せざるを得ない。これによってスプリンクラーヘッドAの作動時に感熱分解部4が分解作動してレバー11が飛散・落下する際にレバー11がガイドピン5Cと衝突することを防止することができ、分解作動時のロッジメントを防止することができる。
【符号の説明】
【0071】
A スプリンクラーヘッド
1 本体
1A 配管接続部
1B 放水口
2 フレーム部
2B 平面部
2C 内方フランジ
2D レバー挿通溝
2E 開口(開口部)
2F レバー係止部
2G デフレクター係止部
2H 段部
2J 梁状部
3 弁体
4 感熱分解部
5 デフレクター
5A スリット
6 サポートカップ
7 カバープレート7
11 レバー
12 支持板
13 バランサー
14 シリンダー
15 プランジャー
16、32 低融点合金
17 セットスクリュー
20 サドル
21 コンプレッションスクリュー
D ディスク
D1 脚
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の一端側は給水配管と接続され内部にノズルが設置されており、他端側は平時ノズルを閉塞する弁を支持しており火災時には分解作動する感熱分解部が設置されており、本体の外周部にはノズルより放出された水を四方へ飛散させるデフレクターを先端に設置可能なデフレクター係止部を備えるスプリンクラーヘッドにおいて、
デフレクターのノズル側の面にはディスクが設置されており、該ディスクは縁部に脚を有し、該脚をデフレクター上の穴に挿通させて設置したことを特徴とするスプリンクラーヘッド。
【請求項2】
デフレクターを貫通したディスクの脚の先端が屈曲されている請求項1記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項3】
ディスクの断面形状が非円形である請求項1または請求項2記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項1】
本体の一端側は給水配管と接続され内部にノズルが設置されており、他端側は平時ノズルを閉塞する弁を支持しており火災時には分解作動する感熱分解部が設置されており、本体の外周部にはノズルより放出された水を四方へ飛散させるデフレクターを先端に設置可能なデフレクター係止部を備えるスプリンクラーヘッドにおいて、
デフレクターのノズル側の面にはディスクが設置されており、該ディスクは縁部に脚を有し、該脚をデフレクター上の穴に挿通させて設置したことを特徴とするスプリンクラーヘッド。
【請求項2】
デフレクターを貫通したディスクの脚の先端が屈曲されている請求項1記載のスプリンクラーヘッド。
【請求項3】
ディスクの断面形状が非円形である請求項1または請求項2記載のスプリンクラーヘッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−40165(P2012−40165A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183772(P2010−183772)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000199186)千住スプリンクラー株式会社 (87)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000199186)千住スプリンクラー株式会社 (87)
【Fターム(参考)】
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