説明

スプレーノズル

この発明は、流体をスプレー状に分配するポンプアクション式ノズル装置及びその製造方法に関する。本発明のスプレーノズルは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有する内部チャンバーを規定する本体を備える。入口は入口弁を含み、出口は出口弁を含む。流体は、チャンバーを規定する装置の本体の弾性的に膨張し又は変形する部分によって分配ノズルから分配され、それによってチャンバーを圧縮して流体を分配させる。好ましい実施形態では、出口は、チャンバーから出口オリフィスへ延びる出口流路を含む。1又はそれ以上のスプレー改変機構が好ましくは出口流路の内部に形成される。スプレーノズルは容器に嵌め込まれるようになっていて、又はそれと一体形成されるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スプレーノズルに関する。特に、但しそれに限られることなく、この発明は、ポンプアクション式のスプレーノズル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプアクション式のスプレーノズルは、加圧されていない容器又は他の流体供給源(source)から、流体をスプレー状に分配できる方法を提供するために一般に使用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のポンプアクション式のスプレーノズルは極めて設計が複雑な傾向にあり、さらに一般に多くの異なる構成部分を含む(通常、ポンプノズル装置では8から10の別個の構成部分、トリガー作動ノズル装置では10から14の別個の構成部分)。その結果、個々の構成部分を作るのに要する材料の量、及びそれに関する組立工程に起因して、ノズル装置を製造するのは非常にコストがかかる。さらに、従来のノズル装置の多くは大きくなりがちで(これは同様に原料コストを増大させる)、装置が取付けられる容器内部のこの大きさが常に決められる。このことはさらに、ノズルが容器の内容積の一部を占めるという欠点を生じさせ、これは、小さい容器では容器内部の利用可能な空間が限定されるという際立った問題となり得る。
【0004】
最後に、ポンプアクション装置の大きさは、又、それが取付けられる容器の大きさに応じて所定の大きさに決定される。このようにして、通常、小さい容器では装置の大きさは限定され、特に、細い首を有する小さい容器では、分配できる流体の量だけでなく、装置によって生じさせることができる圧力を制限し、そして、このために装置の性能に不利となる。
【0005】
このため:、(i)設計が単純で;(ii)少ない構成部分で利用でき;さらに(iii)操作が容易で有効に機能する、スプレーノズルが要望されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、第1の態様では、容器から流体をスプレー状に分配することが可能なポンプアクション式ノズル装置であって、前記ノズルは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有するチャンバー(chamber)を規定する本体を備え、前記入口は、少なくとも所定の最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が容器内の圧力より低くなった時にのみ、流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容する入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最低の閾値量だけチャンバー内部の圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ、流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張し又は変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張し又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少は前記チャンバー内部の圧力を増大させて流体を前記出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成され:
装置の前記出口は、使用時に前記出口弁を通って放出される流体のスプレーを生成するのに適することを特徴とするノズル装置の提供によって、従来のノズル装置の問題の解決を提供する。
【0007】
本発明のスプレーノズルは、極めて設計が単純で、かつ組立ノズル装置を作るため互いに嵌め込まれる、一般に6個を超えない分離した構成部分を含む装置を提供することにより、多くの従来のポンプアクション式スプレーノズルに関する前記問題を解決する。好ましい実施形態では、前記装置は、3個を超えない構成部分を含み、より好ましくは2個の構成部分を含み、最も好ましくは、前記装置は1つの一体形成された構成部分から作られる。"分離した構成部分"とは、前記部分がどんな方法にせよ接続されておらず、つまりこれらが他の部分と一体形成されていないことを意味する(但し、個々の分離した構成部分が1又はそれ以上の構成部分又は一部を含んでもよい)。構成要素の数を低減する鍵は、必要な構成要素が装置の本体の内部に一体形成できるということにある。例えば、前記チャンバー、入口、入口弁、出口、及び出口弁は、全て前記本体によって規定することができ、これにより、全ての構成要素及び組立品のコストを結果として増大させる分離した構成要素を含む必要性を低減する。
【0008】
装置の出口は、当業者に知られるあらゆる適切な手段によってスプレーを生成するようになっている。例えば、出口の出口オリフィスは、加圧下でそれを通って流れる流体が液滴に壊れるように構成される小孔であってよい。
【0009】
好ましくは、前記出口は、出口オリフィス、及び前記チャンバーを前記出口オリフィスへ接続させる出口流路を含む。前記出口弁は、好ましくは、前記出口流路の内部に配置されている。特に好ましくは、前記出口流路は、使用時に前記ノズル装置の出口オリフィスを通って分配される液滴の大きさを減少するよう構成される1又はそれ以上の内部のスプレー改変(spray-modifying)機構を含む、請求項2又は3記載のノズル装置。前記出口流路に存在する前記内部スプレー改変機構の例は、1又はそれ以上の膨張チャンバー、1又はそれ以上の渦チャンバー、1又はそれ以上の内部スプレーオリフィス(前記出口流路内を流れる流体のスプレーを生成するようになっている)、及び1又はそれ以上のベンチュリーチャンバーを含む。上記機構の1つ又は組合せを含むことは、使用時に出口流路を通って流れる液滴の破壊又は"霧化(atomisation)"に寄与することが知られている。最終的な効果は、ノズル装置の出口で細かいスプレーを作ることである。これらのスプレー改変機構、及び生成されたスプレーの特性に影響を与える効果は当業者に知られており、さらに、例えば国際特許公報番号WO01/89958に記載されており、その全体の内容は参照することにより本書に援用される。出口流路及び出口オリフィスより上流に出口弁を設けることは、液体が液滴に壊れてスプレーを形成するのに充分な力を出口流路に入る流体が有することを確実にする点は理解されるべきであろう。
【0010】
装置の本体
本体によって規定されるチャンバーは、本体の2又はそれ以上の相互接続された部分によって定義される。特に、ノズル装置のチャンバーが2つの相互接続された部分の間で規定され、これらは分離して形成されてチャンバーを規定するために互いに嵌合されることが好ましく、より好ましくは、2つの部分が1つの部品として互いに一体形成されている。後者の場合、2つの部分を同一の成形で共に成形し、さらにその後にチャンバーを規定するため互いに接続させることができるヒンジ又は折畳み可能な接続要素によって、2つの部分が互いに接続されることが好ましい。
【0011】
出口が、出口弁、出口オリフィス、及び前記出口弁を前記出口オリフィスへ接続させる出口流路を含む本発明の好ましい実施形態では、好ましくは前記チャンバーを規定する前記少なくとも2つの相互接続された部分は又、少なくとも前記出口流路を規定する。最も好ましくは、2つの相互接続された部分はそれらの間で前記出口弁を形成し、さらに又、完全な前記出口流路及び前記出口オリフィスを規定する。
【0012】
好ましくは、前記出口流路は、前記部分の1つの接合面及び他の前記部分の対向する接合面の間で規定される。前記接合面の1つ又はそれ以上は、それらの上に形成されて前記接合面が互いに接した時に前記出口流路を規定する1又はそれ以上の溝及び/又は凹部を含むことが好ましい。最も好ましくは、前記各接合面は、それらの上に形成されて前記接合面が互いに接した時に前記出口流路を規定するために並ぶ1つの溝及び/又は凹部を含む。
【0013】
溝及び/又は凹部は、好ましくはチャンバーから接合面の対向する端へ延び、そこでは、接合面が互いに接した時に出口流路の端によって規定される出口オリフィスが規定される。出口流路内に1又はそれ以上のスプレー改変機構が存在する好ましい実施形態では、国際特許公報番号WO01/89958に図解され及び記述されるように、1列に並ぶ凹部又は接合面に形成される他の形状によって機構が形成される。
【0014】
本体の2つの部分は、例えば超音波溶接又は熱溶接により、互いに取り外せないように固定してもよい。底部部品と上部部品が共に成形又は溶接される場合、それらは適合する(compatible)材料から製造されていることが好ましい。しかしながら、上記したように、本体が単一の材料から形成されることが好ましい。
【0015】
その代わり、2つの部分が溶接を用いずに(例えば、スナップ式の接続の提供により)互いにきつく/抵抗して固定するよう構成されていてもよい。例えば、ノズル装置を形成するため、一方の部分の端が他の部分の支持溝に嵌め込まれるように構成されてもよい。
【0016】
さらに他として、2つの部分が成形金型内で互いに接続され、それからプラスチック又は他の適合する材料が2つの部分の結合部の上に成形されることができる。これは、2つの部材を金型内部で同時に成形することで実行され、スプレーノズル装置を形成するため金型内でそれらを接続した後、2つの部分をつなぎ合わせるために適切なプラスチック材料をそれらの周囲に成形する。
【0017】
ある種の実施形態では、使用時にチャンバー及び/又は出口を洗浄するためそれらが分離できるよう、2つの部分が解放可能に取付けられてもよい。
【0018】
最も好ましくは、チャンバーを規定するノズル装置の本体の2つの部分が底部部品及び上部部品である。底部部品は、例えばねじ山又はスナップ式の接続のような適切な手段によって、容器の開口に嵌め込まれるようになっている。
【0019】
さらに、チャンバーを規定する本体の一部を形成するのに加え、底部部品は又、好ましい実施形態ではチャンバーから出口オリフィスへ通じる出口流路の一部のみならず、入口をも規定することが好ましい。
【0020】
それらの間でチャンバーを規定し、さらに好ましい実施形態では出口弁、出口流路、及び/又は出口オリフィスを規定するよう、上部部品は底部に嵌合されるようになっている。本発明の特定の好ましい実施形態では、底部及び上部部品はさらに出口オリフィスを規定する。又、上部部品は、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分を形成することが好ましい。
【0021】
材料
ノズル配置の本体はあらゆる適切な材料から製造することができる。
【0022】
チャンバーを規定するために互いに嵌合される2つの相互接続された部分を本体が含む、好ましい実施形態では、2つの部分は同一又は異なる材料から製造される。例えば、部分の1つが弾性変形可能なプラスチック又はゴム材料のような可撓性の/弾性変形可能な材料から作られ、前記部分の他方が硬質プラスチックのような硬い材料から作られてもよい。このような実施形態は、可撓性の/弾性変形可能な材料がチャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分を形成し、それはチャンバー内部の流体をスプレー状に放出するため操作者によって容易に押されることができるため、ある種の用途には好ましい。可撓性の材料は、操作者に又、柔らかい触感を提供する。好ましくは、底部部品が硬質プラスチック材料から形成され、上部部品が弾性変形可能な材料から形成される。このような実施形態は、2つの部品を別個に成形した後、組立てられたノズル装置を形成するためにそれらを互いに接続するか、又はバイインジェクション(bi-injection)成形工程を用い同一金型内で2つの部品を成形することによって製造することができる。後者の場合、2つの部分は同時に成形された後、成形金型内で互いに嵌合することができ、又はその代わりに、第1の材料から1つの部分が最初に成形され、第2の材料から第2の部分が第1の部分の上に直接成形されてもよい。
【0023】
その代わりに、2つの部分が硬い又は可撓性の材料のいずれかから作られてもよい。硬い及び可撓性の材料は、ノズル装置が形成されるあらゆる適切な材料である。例えば、アルミニウム箔のような金属材料、又はゴムのような可撓性材料からそれが形成される。しかし、好ましくは、前記装置の前記本体は硬質プラスチック材料又は可撓性のプラスチック材料から完全に形成される。ポンプアクション式ノズル装置は、好ましくは単一の硬い又は可撓性のプラスチック材料から形成される。
【0024】
"硬質プラスチック材料"は、一旦所定の形状に成形されると高い剛性度及び強度を有するが、プラスチックの厚みを薄くすることにより、より可撓性を有し又は弾性変形可能な部分を示すプラスチック材料を表すためにここで用いられる。このため、チャンバーを規定する本体の少なくとも一部を形成するため、プラスチックの薄い部分が設けられ、それは弾性変形するように構成される。
【0025】
"可撓性のプラスチック材料"は、前記チャンバーを圧縮するのを容易にするために前記本体の少なくとも一部の弾性変位(displacement)を可能とするよう、本来的に可撓性の/弾性変形可能なプラスチック材料を表すためにここで用いられる。プラスチックの可撓性の程度は、任意の既定の領域又は区域におけるプラスチックの厚みによって決まるであろう。このような"可撓性のプラスチック"材料は、例えばシャンプーボトル又はシャワージェル容器を作成する際に使用される。本発明のノズル装置の製造において、前記本体の一部は、構造に要求される剛性を提供するためにプラスチックの厚い部分から形成され、他の部分は、必要な変形特性を提供するためにプラスチックの薄い部分から構成される。ある領域に特別な剛性が必要な場合、一般に支持リブ(rib)として知られる厚い部分の骨格が必要に応じて存在してもよい。
【0026】
単一の材料から装置の本体を形成することは、以下に詳細に議論するように、1つの金型及び1回の成形操作で完全なノズル装置を成形できる長所を提供する。
【0027】
単一の材料からノズル装置を形成することは、特に好ましい実施形態では組立てられたスプレーノズルを形成するため上部部品が軸回転して底部部品と接触するよう、2つの部分が一体形成され折畳み可能な接続要素又はヒンジ接合で互いに接続されることは、複数の分離した構成部分を組立てる必要性を回避する。さらに、ノズル装置を1つの材料から形成することは、本体の2つの部分を一緒に溶接する可能性(例えば、熱又は超音波溶接)、又はプラスチック材料が硬い場合、その後に上部部品と底部の間にスナップ式の接続が形成される可能性を提供する。後者の選択肢は又、洗浄のため上部部品と底部とを定期的に切り離すことを可能とする。
【0028】
多くの用途に対し、必要な強度を提供し、2つの部分が互いにスナップ式で固定されるか、互いに溶接されることを可能とするため、ノズル装置は硬い材料から製造されている必要がある。このような場合、所定の最小閾値の圧力が加えられた時にのみ本体の変形可能な部分が変形し、このことはポンプアクションを従来のポンプアクション式のスプレーノズルのオン/オフ動作により近づけさせる。しかし、ある用途においては、可撓性の材料が好ましい。
【0029】
弾性変形するよう形成されている本体の一部は、硬質プラスチック材料の比較的薄い部分であってよく、それは圧力が加えられた時にチャンバーを圧縮するため弾性変形し、続いて加えられた圧力が除去された時に初期の弾性的に付勢された形状に戻る。その代わり、硬い部分に加えられた圧力によって周囲の弾性変形部分が変形し、それによって硬い部分がチャンバーを圧縮するために変位するよう、弾性変形するよう形成されている本体の一部が変形可能な部分に囲まれた硬い部分を含んでもよい。例えば、周囲の弾性変形部分は以下に類似していてもよく、すなわち硬い部分が変形可能な側壁に囲まれ、この側壁は硬質プラスチックから成る多数の折畳み片を含み、硬い部分に圧力が加えられると、側壁の折畳みが弾性的に圧縮されてチャンバーの容積を減少させるようにそれが形成されている。加えられた圧力が除去されると、側壁はその最初の形状に戻る。
【0030】
しかしながら、全ての場合に、出口の出口流路を規定する接合面は硬質プラスチック材料から形成されることが好ましい。可撓性の/弾性変形可能な材料がこの目的のために使用できるが、存在するあらゆるスプレー改変機構は一般に硬い材料から精密に形成される必要があるため、それらは一般にあまり好ましくない。
【0031】
このようにして、本発明のある種の実施形態では、出口及びチャンバーを規定する2つの部分の一方は2つの材料、すなわち出口流路及び出口オリフィスを規定する接合面を形成する硬い材料、並びにチャンバーを規定する弾性変形可能な材料、によって形成されてよい。
【0032】
出口弁
最適に機能するためには、チャンバーの出口が一方向性の弁を備え、又はそのように機能するようになっている必要がある。一方向性の弁は、チャンバー内部が所定の最小閾値の圧力に達した時(初期の弾性的に付勢された形状から弾性変形可能な壁が変位することにより内部チャンバーの容積が減少する結果として)にのみ、チャンバー内部に貯えられた製品を出口を通って分配することを可能とし、気密性のシールを形成するため、他の時点では出口を閉じる。チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値圧以下である時、弁の閉鎖は、本体の弾性変形部分に加えられた圧力が除去されて弾性変形可能な壁が再び初期の弾性的に付勢された形状になるにつれてチャンバーの容積が増大する際、空気が出口を通ってチャンバー内部へ吸い込まれるのを防止する。
【0033】
気密性のシールを形成可能な、あらゆる適切な一方向性の弁アッセンブリが出口に設けられてよい。弁がスプレーノズルの本体の構成部分によって形成されることが好ましい。最も好ましくは、弁は、出口流路を規定する接合面の間に形成される。
【0034】
本発明のある種の実施形態では、出口弁が接合面の一方によって形成され、出口流路の一部の長さを閉塞するため、対向する接合面に弾性的に付勢される。
【0035】
これに関して、チャンバー内部の圧力が弾性的に付勢された接合面を対向する接合面から変形させて離すのに充分であり、それにより、そこを通ってチャンバーから流体が流動可能な開通路を形成する時にのみ、弁は開いて流体がチャンバーから分配されるのを許容する。所定の最小閾値以下に圧力が低下すると、弾性的に付勢された面はその弾性的に付勢された形状に戻り、流路を閉鎖する。
【0036】
本発明のある種の実施形態では、弾性的に変形可能な接合面の少なくとも一部は、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分と一体形成されることが特に好ましい。
【0037】
本体が硬質プラスチック材料から完全に作られる実施形態では、弾性的に付勢された面(それは硬質プラスチックの薄い部分であろう)の弾性力は、装置が最適に機能するために必要とされる最小の圧力閾値を提供するのに充分ではないかも知れない。このような場合、必要な強度及び出口流路/弁における抵抗を提供するため、流路を横断して延びるプラスチックの厚いリブが形成されるであろう。
【0038】
その代わりに、出口流路/弁の上記部分に、硬い補強リブを設けることもできる。
【0039】
他の好ましい実施形態では、流路を閉塞してシールするため、出口流路を横断して延びる前記接合面の一方に形成される弾性変形可能な部材によって、出口弁が形成される。この部材は、装置の端の1つに沿って取付けられ、他の端(好ましくは反対の端)は自由であり、チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値を超えた時に自由端が変形するよう構成されている。前記自由端は出口通路の面に接し、圧力が所定の最小閾値以下である時にそれと共にシールを形成する。しかしながら、圧力が所定の最小閾値を超えると、チャンバー内部の流体が出口に向かって流れる開口を形成するため、部材の自由端は通路との接合面から変位する。好ましくは、弾性変形可能な部材は、出口通路又は流路の長さに沿って形成されるチャンバーの内部に位置する。最も好ましくは、最小閾値以下の圧力で前記部材の自由端とシールを形成する接合面は、前記部材の自由端との接点で先細となり(tapered)、又は傾斜する。これは、点でのシール接触(point seal contact)を提供し、より一層有効なシールを提供する。チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値以下である時に弾性変形可能な部材の自由端が傾斜と接触し、所定の最小閾値を超えた時にそれから離れて広がるように、接合面の傾斜又は先細りが配置されている必要があるのはもちろん理解されるであろう。
【0040】
その代わりに、前記弁は、底部又は上部部品の一方の接合面に形成される柱(post)又は栓であってもよく、流路を閉鎖してシールするために、それは対向する接合面と接触する。チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値を超えた時、チャンバー内部の流体がそれを通って出口から流れる開口を規定するために柱又は栓が変形できるよう、底部又は上部部品の変形可能な領域に柱又は栓が取付けられる。
【0041】
出口弁を開くためにチャンバー内部に達成されるべき所定の最低圧力は、関連する用途によって決まる。当業者であれば、適切な弾性変形可能な材料を選択し、さらに面が作られる方法を変えることにより(例えば、強化リブを含むことにより)、弾性変形可能な面の特性をどのように変えればよいかを理解するであろう。
【0042】
入口弁
本体の弾性変形可能な部分がその初期の弾性的に付勢された形状からチャンバー内部へ変位することにより、チャンバーが圧縮された時にのみ流体が出口を通って放出されることを確実にするため、ノズル装置の入口又はその内部に配置される一方向の入口弁を設けることが必要である。
【0043】
あらゆる適切な入口弁が使用される。
【0044】
入口弁は、チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値以下に低下した時に(チャンバーを圧縮するためにチャンバーの弾性変形可能な部分へ加えられた圧力が解放され、弾性変形可能な部分が再び初期の弾性的に付勢された形状へ戻る際にチャンバーの容積が増大する時に)のみ開き、流体がチャンバーに流入するのを許容するようになっている。この場合、入口弁は、入口の開口を覆って配置される弾性変形可能なフラップからなる、フラップ(flap)弁であってよい。好ましくは、フラップは、入口の開口に対し弾性的に付勢され、かつチャンバー内部の圧力が所定の最小閾値以下に低下した時に、流体が入口を通ってチャンバーへ吸い込まれるのを許容するよう変形するようになっている。しかしながら、その他の時間では入口は閉じられ、それによって流体がチャンバーから入口へ逆流するのを防止する。特に、弾性変形可能なフラップが、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分と一体の延長部として形成されることが好ましい。特に、底部が入口を規定し、本体の弾性変形可能な部分が上部部品によって形成されることが好ましい。従って、上部部品が弾性変形可能なフラップを含むことが好ましく、このフラップは入口の開口をチャンバーへ向かって覆うために前記チャンバーの内部へ延び、入口弁を形成する。
【0045】
その代わりに、フラップが入口の開口に対し弾性的に付勢されずに入口の開口の上に配置され、チャンバーが圧縮されてそこの圧力が増大した時にのみ、入口に押付けられるよう構成されてもよい。
【0046】
しかしながら、入口の開口に対し弾性的に付勢されたフラップ弁という簡単な設備には問題が生じ得る。特に、時間とともに、フラップが作られる材料の弾性限度が超えられ、正常に機能しなくなる。この問題は、可撓性のある材料に対してもより少ない程度で当てはまるが、特に、硬い材料の薄い部分からフラップが形成される本発明の実施形態に当てはまり、弁を開けるためにフラップが変形する時と同様、チャンバーが圧縮された時のフラップの変形に起因して生じ得る。結果として、流体は入口を通ってチャンバーから漏れて容器内に戻る。
【0047】
これらの理由のため、フラップ弁が複数の適応(adaptation)を含むことが好ましい。特に、入口が入口オリフィスの周囲に延びる隆起した縁を有することが好ましく、弾性変形可能なフラップはそれに接して入口の周囲にきついシールを形成する。縁を設けることで、フラップとの良好な接触を得ることが確実になる。縁が非常に小さい実施形態においては、適正なシールが得られることを確実にし、縁が破損するのを防止するため、入口の開口のどちらかの側に1又はそれ以上の付加的な支持リブを設けることが必要であろう。
【0048】
さらに好ましい態様は、フラップがその表面に突出部又は栓を有することである。突出部又は栓は、入口の開口の内部へ少し延び、形成されたシールをさらに高めるため側壁に接する。
【0049】
又、流体が入口を通ってチャンバーへ流入し、保持領域又は貯蔵領域に滴下するよう、チャンバーへ向かう入口の開口は、チャンバーの内部で高い位置に配置されることが好ましい。これは、チャンバーの主な保持/貯蔵領域から入口の開口を効果的に遠ざけ、流体が長期間にわたって入口弁の頂上に残ることを防止し、それにより、時間と共に漏れが生じる可能性を低減する。
【0050】
又、入口の開口にきつく接しさせるため、第2の強化フラップ又は部材が弾性変形可能なフラップの対向する表面に接することが好ましい。又、前記第2の強化フラップは、前記弾性変形可能なフラップの対向面の一部又はその近傍に接触することが好ましく、この対向面は、孔に掛かる主フラップの垂直圧を最大とするために入口オリフィスを覆う。又、このことは、シールの完全性を維持するのに役立つ。
【0051】
ロック(lock)
ノズル装置は、流体が誤って分配されるのを防ぐため、ロック手段が設けられていてもよい。
【0052】
このような実施形態では、ロックは本体の一体部分であり、本体に接続される分離した構成部分ではない。例えば、ロック手段は、本体(例えば、底部又は上部部品)の一部と一体に接続されるヒンジの棒状物 (hinged bar)又は部材であってよく、それは出口弁が開くことを前記棒状物又は部材が防止する位置に軸回転することができる。
【0053】
ロック手段は又、本体の弾性変形可能な部分の上に置かれてそれが圧縮されるのを防止するための剛性カバーを含んでもよい。必要な時に折り重ねられるよう、カバーはヒンジによってスプレーノズルと接続されてもよい。その代わり、硬質カバーは、使用時にチャンバーを圧縮するため下方にスライドするスライド可能な上蓋であってもよい。カバーは回転してそれを固定することができ、それによって装置の誤った作動を防止する。
【0054】
空気抜き/漏れ弁
装置はさらに空気漏れを含んでもよく、これを通して容器内部と外部環境の間のあらゆる圧力差を均等にするよう、空気が流れることができる。いくつかの場合、空気漏れは、単にスプレーノズルと容器の間の取付けの隙間を通して生じるが、これは、容器がひっくり返されたり振られた場合に漏れが生じるため好ましくない。好ましい実施形態では、スプレーノズルはさらに、例えば、空気が容器に流入するのを許容するが容器がひっくり返された時に容器から流体が漏れ出るのを防止する一方向弁のような空気漏れ弁を含む。
【0055】
あらゆる適切な一方向弁システムが充分である。しかしながら、空気漏れ弁は、分配装置の本体と一体に形成されることが好ましく、又は、さらに好ましくは分配装置の本体の2つの構成部分の間で形成される。
【0056】
最も好ましくは、空気漏れ弁は、分配ノズルのチャンバーを規定する上部部品と底部との間で形成される。
【0057】
好ましくは、空気漏れ弁は、装置の本体によって規定される通路 (channel)と共に配置される弁要素を含み、流体供給の内部を外部環境と連絡させる。最も好ましくは、弁要素は前記通路の側部に接するよう弾性的に付勢され、容器から流体が漏れ出るのを防止するため、それと共にシーリング嵌合(sealing engagement)を形成し、少なくとも最小閾値だけ容器内の圧力が外圧以下に低下した時、それを通って容器に空気が流入する開口を規定するため、弁要素はさらに通路の側部とのシーリング嵌合から弾性的に変形し又は変位する。容器の内部と外部の間の圧力差が最小閾値圧力以下に減少すると、弁要素は流路を閉塞する位置に戻る。
【0058】
好ましくは、弁要素は、通路の内部に延び、さらにシールを形成するため通路の側面に接して外側に延びる壁を含むプランジャー(plunger)である。好ましくは、外側に延びる壁は、さらに容器内部に向かって角度をなす。この構成は、弁要素の壁に働く容器内部の高圧が壁と流路の側面との接触を維持させることを意味する。このようにして完全なシールが維持され、それにより弁を通って液体が漏れ出ることを防止する。反対に、少なくとも最小閾値だけ容器内の圧力が外圧以下に低下した時、壁は容器側面から離れ、空気が容器内に流入するのを許容して圧力差を均等にし又は低減する。
【0059】
特に、プランジャーは、空気漏れ弁内に溜った残留物を追い出すためにドーム(dome)が押圧された時に多少動くことができる変形可能な底部又はフラップに取付けられることが好ましい。さらに、空気漏れ弁内に可動(例えば、弾性変形可能な)要素を設けると、弁が使用時に詰まることを防止するのに役立つので好ましい。
【0060】
本発明のある種の実施形態では、容器が激しく引っくり返され又は振られた時に、容器内の液体が強い力又は過度の力で弁要素と接触するのを防止するため、保護カバーが装置内面のメス型(female)チューブの開口に設けられることが好ましい。カバーは、空気及びある種の液体が流れ過ぎるのを許容するが、プランジャーの張出し端によって形成されるシールに液体が直接衝突するのを防止し、これによりシールが過度の力にさらされるのを防止する。
【0061】
他の実施形態では、空気漏れ弁の通路は、オス型(male)部分の代わりに弾性変形可能であってよい。この配置は、空気が容器に流入するのを許容するため、通路の側壁が変形するように構成することができる。
【0062】
弁要素と通路は、同一又は異なる材料から作ることができる。例えば、それらはいずれも半可撓性のプラスチックから製造することもでき、又はメス型要素は硬質プラスチックから製造し、オス型要素は弾性変形可能な材料から製造してもよい。
【0063】
長時間容器に貯蔵されるある種の製品については、時間と共にボトル内部に蓄積されるガスの問題がある。必然的に生じる圧力の上昇を除くため、放出(release)弁が要求される。上記した空気漏れ弁は、通路の側部に1又はそれ以上の微細な溝を設けることにより、この機能をさらに実行するために変更することができる。
【0064】
これらの微細な溝は、弁要素と通路の側部との間の接触によって形成されたシールをガスが通過することにより、ガスが容器からゆっくりと滲出するのを許容するが、滲出する液体の量を防止し又は最小化する。
【0065】
好ましくは、容器内部の圧力が増大してプランジャーが(容器に対して)外側に変形するように圧力が作用する時にのみ溝が露出するよう、通路の側壁に形成される溝が弁要素と通路の側部との間の接触点より外側の側面に形成される。過度のガスが放出されると、プランジャーは、溝が露出しない弾性的に付勢された位置に戻る。この過程で液体製品は失われない。
【0066】
その代わり、容器内のガス圧は、通路から変位してガスが流れることができる開口を規定するように弁要素を外側に動かすことができる。
【0067】
シール
少なくとも2つの構成部分を含む本発明の好ましい実施形態では、あらゆる流体がノズル装置から漏れ出るのを防止するため、少なくとも2つの相互接続された部分の間の結合部にシールが配置されていることが好ましい。あらゆる適切なシールが充分である。例えば、2つの部分は、互いに溶接され、又は1つの部分が他の部分とスナップ式でシーリング嵌合するよう構成され、又は他の部分の上面ときつく嵌まってそれと共にシールを形成するフランジをその周囲に有する。
【0068】
好ましくは、シールは、少なくとも2つの部分の一方の接合面に形成されるオス型突出部を含み、2つの部分が互いに結合された時、オス型突出部は、他の部分の対向する接合面に形成された対応する溝にシーリング嵌合する。
【0069】
2つの構成部分の結合部の間で、チャンバー内部及び/又は出口流路のどの位置からの流体の漏れも防止するよう、シールがチャンバー全体の周囲及び出口流路の側面に延びることが好ましい。
【0070】
出口流路を含むある種の実施形態では、突出部材は流路を横断して延び、出口弁の弾性変形可能な弁要素を形成してもよい。弁要素にその機能を実行できる十分な弾性を提供するよう、突出部の一部は通常は薄くなっている。
【0071】
本発明のある種の実施形態では、オス型突出部は溝にスナップ式に挿入されるよう構成され、又はその代わり、流しの孔に栓を嵌めるのと同様な方法で、オス型突出部が溝に抵抗して挿入されるよう構成される。
【0072】
浸漬管(dip tube)
大抵の場合、ノズル装置に浸漬管が一体形成され、又はその代わり、ノズル装置の本体は、分離した浸漬管が嵌め込まれる凹部を含む。浸漬管は、使用時に流体が容器の深い内部から吸い出されるのを可能とする。
【0073】
一方、いくつかの容器、特に、接着剤、香水ビン、及び鼻用スプレーのような容積の小さい容器では、装置それ自体が容器内に伸長し、使用時に製品をノズルに吸い出すことができ、又は、容器をひっくり返して分配装置に流体を呼び水として差すのが容易にできるため、浸漬管を省略することが好ましい。その代わり、浸漬管を必要とせずに流体がノズルの入口に直接吸い込まれる装置の一体部分として形成される、流体区画を装置がさらに含んでもよい。
【0074】
チャンバー
ノズル装置のチャンバーはあらゆる形状であってよく、関連する特定の装置や用途に合うよう、ドームの寸法や輪郭が選択されることはもちろん理解されるべきである。同様に、チャンバー内部の全ての流体はドームが圧縮されると放出され、又はその代わり、チャンバー内部にある流体の一部のみが分配され、これらは関連する用途によって決定される。
【0075】
本発明のある種の好ましい実施形態では、チャンバーは、本体の一般にドーム形の弾性変形可能な領域によって規定される。
【0076】
好ましくは、ノズル使用者の操作に便利なように、ドーム形の領域は本体の上面に形成される。ドーム形のチャンバーの1つの問題は、操作者によって圧縮された時、チャンバー内部に一定量のデッドスペースが存在し得ることであり、いくつかの用途に対しては、そのデッドスペースが最小化され又は事実上無視できることが好ましい。この特性を得るためチャンバーの対向壁に接触してその中の全ての内容物を押出すよう、チャンバーの弾性変形可能な壁を押下げるための平らなドーム又は他の形状のチャンバーが一般に好ましいことが知られている。このため、チャンバーを圧縮してその中の流体を分配するためドームが内側に押されるのに要する大きさを低減するという理由から、平らなドームが特に好ましい。それは又、最初の使用のためチャンバーへ呼び水を差すのに必要な押圧の合計を低減する。
【0077】
いくつかの場合、本体の弾性変形可能な部分は、変形に続いて元の弾性的に付勢された形状を保持するのに充分な弾性を有しないことがある。これは、流体が高粘度で、そのため入口からチャンバーへ吸込まれるのに抵抗する傾向にある場合であろう。このような場合、チャンバー内部に1又はそれ以上の弾性変形可能な柱を配置することで、特別な弾性力が提供され、それは、チャンバーが圧縮された時に曲がり、加えられた圧力が除かれると、本体の変形部分を元の弾性的に付勢された形状へ戻させる。
【0078】
その代わり、1又はそれ以上のプラスチックの厚いリブが、弾性変形可能な領域の端からこの部分の真ん中に向かって延びることができる。このリブは、本体の弾性変形可能な部分に圧力が加えられた時に、板バネのように圧縮して有効に機能することにより、弾性変形可能な領域の弾性力を上昇させ、加えられた圧力が除かれた時に、この部分を初期の弾性的に付勢された形状へ戻させる。
【0079】
さらに他の方法は、バネ又は他の弾性手段がチャンバー内部に配置されることである。上記のように、バネは壁が変形した時に圧縮され、加えられた圧力が除かれた時に、変形部分を初期の元の弾性的に付勢された形状へ戻させ、そうすることで、圧縮されたチャンバーを元の"圧縮されない形状"へ戻させる。
【0080】
2又はそれ以上のチャンバー
本発明のノズル装置は、2又はそれ以上の分離した内部チャンバーを含んでもよい。
【0081】
個々のチャンバーは、例えば同一容器内で流体で満たされた分離した区画である異なる流体源から、分離した入口を通って流体をノズル装置内へ吸い込む。
【0082】
一方、1又はそれ以上の付加的なチャンバーは入口を含まない。第2の流体の容器がチャンバー自体に用意されるよりはむしろ、第2の流体の所定量のみが各動作によって分配されることを許容するよう、付加的なチャンバー又はその出口が構成される。
【0083】
さらに他の方法として、付加的なチャンバーの1又はそれ以上のチャンバーがノズル装置の外部から空気を吸い込む。付加的なチャンバーが容器内の分離した区画から吸込まれた空気又はいくつかの他の流体を含むにせよ、両方のチャンバーが同時に圧縮されることにより、2又はそれ以上のチャンバーの内容物は出口を通って同時に放出される。その後、個々のチャンバーの内容物は、ノズル装置から放出される際か放出後、又は放出の前に、出口内で混合される。個々のチャンバーの相対容積及び/又は出口の大きさを変えることは、出口を通って放出される最終混合物に存在する成分の相対割合に影響を与えるため用いられることは理解されるべきである。さらに出口流路は、2又はそれ以上の分離した通路に分けられてもよく、各通路は分離したチャンバーから延び、上記したように個々の分離した流路は、放出に先立って流体が混合されるスプレーノズル流路に流体を供給する。
【0084】
空気を排除するための付加的なチャンバーが存在する場合、空気の排除が達成され、加えられた圧力が除かれ、それによってチャンバーが変形してその元の膨張した形状に戻されと、排除された分を補充してチャンバーに吸い込まれるためのより多くの空気が必要になることは理解されるべきである。このことは、出口を通って空気を吸い込む(すなわち、この付加的なチャンバーに気密な出口弁を設けない)か、又はより好ましくは、チャンバーを規定する本体内部の注入孔を通って空気を吸い込むことにより実現される。後者の場合、好ましくは、上記した入口弁と同様、注入孔に一方向弁が設けられる。この弁は、空気がチャンバー内部に吸い込まれることのみを許容し、チャンバーが圧縮された時に空気が孔を通って放出されることを防止する。
【0085】
多くの場合、ほぼ同一の圧力で空気と流体を容器から共に放出することが好ましい。これは、流体/液体を含むチャンバーに比べ、空気チャンバーがより多く(例えば、関係する用途に影響されるが3−200倍以上)圧縮されることを必要とする。これは、圧力が加えられた時、空気を含むチャンバーの圧縮が優先されるようにチャンバーが配置されることで実現され、それによって、空気と液体が同一又は実質的に同一の圧力で放出されることが可能となる。例えば、圧力が加えられた時、両方のチャンバーが一緒に圧縮される段階に達するまで空気チャンバーが最初に圧縮されるよう、空気を含むチャンバーが液体を含むチャンバーの背後に配置されてもよい。
【0086】
その代わり、空気圧が液体圧より高くなる又は低くなるようにノズル装置が適合してもよく、これは特定の用途には有益となる。
【0087】
チャンバーは、並んで配置されてもよく、又、1つのチャンバーの上にもう1つのチャンバーを重ねて配置されてもよい。1つの付加的なチャンバーが空気を含む好ましい実施形態では、空気チャンバーの圧縮が本体の弾性変形可能な部分を変形させてノズル装置のチャンバーを圧縮するように、付加的な空気チャンバーがノズル装置のチャンバーに対して配置される。
【0088】
好ましくは、各チャンバーの内部に存在する流体が同時に放出される。
【0089】
しかしながら、特定の用途において、1つのチャンバーが、その流体を他のチャンバーより前又は後に放出してもよいことは理解されるべきである。
【0090】
他の実施形態では、容器からの空気と流体は、別個のチャンバーよりは1つのチャンバーに存在している方がよい。このような場合、流体と空気が一緒に放出され、出口を通って流れる際に混合されてもよい。例えば、出口が拡張チャンバー、すなわち出口流路に配置される拡張されたチャンバーを含む場合、チャンバーから放出される内容物は流路の分離した枝路に分かれ、異なる位置で拡張チャンバーに入って混合を促進する。
【0091】
スプレーインサート部分(insert)
本発明の他の実施形態において、出口流路及び出口オリフィスは分離した構成単位又はインサート部分の形状であり、それはチャンバーの出口に接続されてノズル装置の出口を形成する。
【0092】
使用のため必要な位置に軸回転し、必要でない時にその位置から離れることができるよう、構成単位又はインサート部分はヒンジによって前記装置の本体に接続されている。
【0093】
容器との一体形成
大抵の場合、例えばスナップ式又はネジ接続のようないくつかの適切な手段により、スプレーノズルは容器に嵌め込むのに適合している。しかしながら、特定の場合、分配装置が一体部分として容器に組み込まれる。例えば、分配装置は、硬い容器又は袋のようなプラスチック容器の種々の形態と共に一体成形することができる。このことは、装置が好ましくは単一の材料として成形され、そのため同一又は類似の適合した材料から容器と共に一体に成形できることから可能となる。
【0094】
本発明の第2の態様によれば、ポンプアクション式のノズル装置を持つ容器が提供され、使用時に前記ノズル装置を通って容器内に貯えられた流体を容器から分配できるよう、上記に規定したようにノズル装置はその開口に嵌め込まれる。
【0095】
本発明の第3の態様によれば、ポンプアクション式のノズル装置を持つ容器が提供され、使用時に前記ノズル装置を通って容器内に貯えられた流体を容器から分配できるよう、上記に規定したようにノズル装置はそれと一体形成される。
【0096】
本発明の他の態様によれば、容器から流体をスプレー状に分配できるように構成されるポンプアクション式ノズル装置であって、前記ノズルは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有する内部チャンバーを規定する本体を備え、前記入口は、少なくとも最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が容器内の圧力より低くなった時にのみ、流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容する入口弁を含み、前記出口は、少なくとも所定の閾値量だけそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ、流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張し又は変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張し又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少はチャンバー内部の圧力を増大させて流体を出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成され:
前記本体は、前記チャンバーを規定するために互いに嵌め合わされる2つの部分を含み、第1の前記部分は硬い材料から完全に形成され、第2の前記部分は硬い材料の内部に収容される可撓性の/弾性変形可能な材料から形成され、組立てられたノズル装置を形成するため、前記第2の部分の前記硬い部分は、該第2の部分を前記第1の部分に固定するように構成されて、ヒンジ又は折畳み可能な接続要素によって前記硬い第1の部分に接続されることを特徴とするノズル装置が提供される。
【0097】
ノズル装置は上記したようなものであることが好ましい。
【0098】
さらに加えて、チャンバーの容積を減少させるため内側に変形し、前記チャンバーにある流体を出口から放出する本体の部分が、ピストン通路内に備えられたピストンであることが好ましい。ピストン通路は、通路全体を形成してもよく、その代わりにその一部を形成してもよい。
【0099】
ノズル装置は、ピストンを初期位置から内側へ変位させ、続いて初期位置に戻す手段を含むことが好ましい。これは、例えば、求められた時にピストンを変位させるよう動作可能で、ピストンに接続される引き金又はオーバーキャップ(over cap)のような、あらゆる適切な手段によって実現される。使用後にピストンが初期位置に戻るよう、ピストンを初期位置から内側に変位させる手段は弾性的に付勢されていることが好ましい。
【0100】
製造方法
本発明のノズル装置は、当業者に知られるあらゆる適切な方法で製造することができる。
【0101】
前述したように、本発明の好ましい実施形態は、2つの部分(底部及び上部部品)を有する本体を含み、これらは少なくとも装置のチャンバーを規定するため、より好ましくはチャンバー及び出口の少なくとも一部を規定するため、互いに嵌め合わされる。
【0102】
本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記方法は以下の工程を含む:(i)本体の前記部分を成形し;及び(ii)ノズル装置の本体を形成するため、本体の前記部分を互いに接続する。
【0103】
本体の各部分は分離した構成部分であってよく、この場合、構成部分が最初に形成され、その後にノズル装置を形成するために一緒に組立てられる。
【0104】
代わりに、より好ましくは、本体の2つの部分又は本体の部分の1つ、及び引き金アクチュエータは、互いに一体形成され、さらに曲げ可能/折畳み可能な接続要素によって接続されてもよい。このような場合、接続される部分は一度の成形工程で形成され、その後にノズル装置を形成するため、残りの部分と共に組立てられる。例えば、装置の好ましい実施形態の底部及び上部部品は一体形成され、さらに曲げ可能/折畳み可能な接続要素によって互いに接続されてもよい。このようにして、全体の装置が単一の材料から一度の成形工程で形成される。形成がされると、組立てノズル装置を形成するため、上部部品は折り重ねられて底部に接続される。
【0105】
その代わりとして、ノズル装置はバイインジェクション成形工程によって形成されてもよく、それによって、本体の第1の構成部分が形成された後、第1の部分の上に第2の部分が成形される。各部分は、同一又は異なる材料から成形されてよい。前述のように、引き金アクチュエータは、後でノズル装置の本体に嵌め込まれる分離した構成部分であってよく、又は本体の部分の1つと一体形成されてもよい。
【0106】
装置の組立てられた本体を形成するために本体の2つの部分が互いに接続されると、2つの部分を互いにしっかり付けるため、2つの部分の上に他のプラスチックが成形されてもよい。本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記方法は以下の工程を含む:(i)第1の工程で本体の第1の前記部分を成形し;及び(ii)ノズル装置の本体を形成するため、第2の工程で第1の前記部分の上に第2の前記部分を被覆成形(over-molding)する。
【0107】
前記少なくとも2つの部分は、バイインジェクション成形工程における同一の成形金型によって成形されることが好ましい。通常、第1の部分はノズル装置の底部部品であり、第2の部分は上部部品である。
【0108】
本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記方法は以下の工程を含む:(i)第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;及び(ii)組立ノズル装置の第2の前記部分を形成するため、骨格又はベースの上に被覆成形する。
【0109】
第2の部分の骨格は、被覆成形工程に先立って底部に取付けられてもよい。
【0110】
その代わり、第2の前記部分のための骨格が第1の部分に取付けられる前に、被覆成形が行われてもよい。
【0111】
被覆成形は、第1の部分及び第2の部分の骨格と同一の材料であってもよく、又は異なる材料であってもよい。
【0112】
特に、上部部品の骨格支持体と共に、底部が硬質プラスチック材料から最初に成形されることが好ましい。上部部品の骨格は、ヒンジ又は折畳み可能な接続要素で底部に接続されていることが好ましく、これにより最終製品の組立ての間、骨格が折り重ねられて底部に接続されることを可能とする。骨格は、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分を形成し適合性を有する可撓性の弾性変形可能なプラスチック材料で被覆成形される。弾性変形可能なプラスチック材料は又、出口弁及び入口弁のための弾性変形可能な弁要素を形成してもよい。それは又、操作者が装置を握った時に、それにしなやかな触感を与えるよう、ノズル表面の他の部分へ延びてもよい。上部部品の硬い骨格は、底部との接触点となる上部部品の外縁を形成し、スプレーノズル流路が存在する実施形態では、骨格はさらに、スプレー流路及び出口オリフィスを規定するため底部に形成される下部接合面と接触する上部接合面を形成する。
【0113】
本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記方法は以下の工程を含む:(i)第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;及び(ii) 前記骨格が本体の第1の部分に接続された時に前記インサート部分が本体の第2の部分の骨格内に保持され、前記骨格及びインサート部分が本体の第2の部分を形成するよう、本体のインサート部分を配置する。
【0114】
本発明のさらなる態様によれば、以上に述べたようなノズル装置の製造方法が提供され、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を備え、前記部分は、該部分が他の部分に対して可動するように接続要素によって互いに接続され、前記方法は以下の工程を含む:(i)1回の成形工程で、本体の部分と前記接続要素を共に成形し;及び(ii) ノズル装置の本体を形成するため、本体の前記部分を動かしてもう一方と嵌め合わせる。
【0115】
本発明のノズル装置は、複数の異なる成形技術によって製造されてもよい。
【0116】
発泡剤
プラスチック材料と共に、発泡剤が金型に加えられることが好ましい。沈み込み(sinkage)として知られる現象が生じないよう、発泡剤は成形されたプラスチック内にガスの泡を生成する。沈み込みの問題、及びこの問題に対処するための発泡剤の製造中での使用は、共に係属中の本出願人の国際特許公報No.WO03/049916に詳細に記載されており、その全体の内容は参照することにより本書に援用される。
【0117】
どのようにして本発明を実現するかは、以下の図面を参照し、単なる実施例によって記述される。
【0118】
図面の以下の説明において、同一の参照数字は、適合する異なった図面における同一又は対応する部分を示す。
【0119】
図1A及び1Bに示すノズル装置の実施形態は、2つの部分、すなわち、折畳み可能な接続要素103によって互いに接続される底部部品101及び上部部品102から形成される本体100を含む。
【0120】
この実施形態では、本体100は、単一の硬質プラスチック材料から1度の成形工程で形成される。装置は、図1A及び1Bに示す形状に成形され、組み立てられたノズル配置を形成するため、上部部品102が接続要素103付近で折り重ねられて底部101の上面に嵌め込まれる。底部101と上部部品102が互いに嵌め込まれると、上部部品102の下面の部分102aが底部101の上面の接合部分/表面101aに接する。底部101の上面の隆起部101bは、上部部品102の下面に形成された凹部102bに収容されて内部チャンバーを規定する。
【0121】
組立てられたノズル配置において、底部101bの隆起部に形成された溝104は、内部チャンバーから出口弁に至る出口流路の最初の部分を形成する。出口弁は、上部部品102の下面に形成される弾性変形可能なフラップ105によって形成され、フラップは底部の対向する接合面101aに形成される凹部106に収容される。底部及び上部部品が互いに接続されて出口流路を閉じる時、フラップ105は溝104の端を越えて延びる。以下に詳細に記述するように、内部チャンバーの圧力が所定の最小閾値を超えると、開いた流路を規定するため、フラップ105は溝104の端から弾性的に変形するよう構成される。フラップ105は又、以下に詳細に記述する尾根状突起112の延長として形成される。
【0122】
流体流路の残部は、それぞれ対応する溝及び/又は凹部107a、107b及び107cと共に、底部101の接合面101aに形成される1列の溝及び/又は凹部104a、104b及び104cによって規定される。部分104c及び107cは、使用時に出口流路を通過する液体に回転流を生じさせる円形の渦(swirl)チャンバーを形成するために並ぶ半円形の凹部である。使用時、液体は、それぞれ溝104d及び107dの並びによって形成される出口を通って、このチャンバーから放出される。
【0123】
底部101は又、隆起部101bに形成される凹部108a内に位置する入口オリフィス108を規定する。上部部品102の下面に形成される弾性変形可能なフラップ109は、組立てられたノズル配置において凹部108aに収容され、フラップは入口を閉塞するために入口に対して弾性的に付勢される。少なくとも所定の最小閾値だけチャンバー内部の圧力が取付けられている容器の圧力以下に低下した時、流体がチャンバーに吸い込まれるのを許容するよう、フラップ109は入口の開口から弾性的に変形して離れるよう構成される。入口108の開口には、シールを形成するためにそれに対しフラップ109が接する縁が設けられる。支持リブ108b及び108cは、フラップ109が縁に過大な力を掛けることを防止する。
【0124】
上部部品102の下面に形成される位置決め柱110a及び110bは、底部に形成される孔111a及び111bに収容され、底部と上部部品が互いにきつく接し続けるのを助ける。さらに、凹部102bの周囲に延びる尾根状突起112は、底部101の上面に対応して形成され隆起部101bの周囲に延びる溝113に収容され、溝とシーリング嵌合(sealing engagement)を形成する。底部101と上部部品102が互いにきつく接し続けるのを助けるため、尾根112及び溝は互いにきつく嵌合う。又、尾根及び溝は、あらゆる流体がチャンバーから漏れ出ること、及び上部部品と底部の間からあらゆる流体が染み出すことを防止するシールを形成する。又、このシールは、部分112a及び113aによって出口流路及び出口オリフィスを取り囲むよう延びる。
【0125】
又、本体は、上部部品102の下面に形成される弾性変形可能な要素115から成る空気抜き弁を含み、ノズル配置が組立てられた時、それは底部101の接合面101aに形成された開口116に収容される。開口116は溝115と共に、組立られたノズル配置において、空気が外部から容器内へ流入する流路を規定する。弾性変形可能な要素115の先端には張出しリム(flared rim)が設けられ、その縁は開口116の内壁に隣接して気密シールを形成する。ノズル配置から流体を放出した結果として容器内の圧力減少が存在すると、容器内部と外部環境との間の圧力差は、要素115の張出しリムを内側に変形させ、それにより空気が外部環境から容器内部へ流入するのを許容する。圧力差が均等になると、開口116を通るさらなるあらゆる流れを防止するため、張出しリムはその元の弾性的に付勢された形状に戻る。容器がひっくり返されても製品が弾性変形可能な要素115のリムを通って漏れることはなく、さらに、例えば容器を振ることにより加えられるあらゆる圧力は、単に張出しリムを開口116の壁に押し付けてよりきつく接しさせるだけであることも又、理解されるであろう。
【0126】
他の実施形態では、空気抜き弁は、孔の内部に置かれた柱又はフラップであってもよく、それは圧力差が存在する時に流路を開くため弾性変形可能であり、それにより空気が外部環境から容器内部へ流入するのを許容する。
【0127】
さらに別の実施形態では、弾性変形可能な上部部品102は、開口116に類似した開口の上に細い切込みを有する。この切込みは、圧力差が存在する時に開くよう構成されることができる。
【0128】
さらに別の代替案において、空気抜きは弾性変形可能な上部部品102の近傍に配置され、さらに、チャンバー内部の内容物を放出するために上部部品が下方に押された時、存在し得るあらゆる圧力差を均等にするため、空気弁が開いて空気がチャンバーへ流入し又はチャンバーから流出するように弾性変形可能な部材が変形するよう、空気抜きが構成される。
【0129】
使用時、操作者は、チャンバーを規定する本体の弾性変形可能な部分である上部部品の部分102bの外面を内側へ押す。上部部品のこの部分は容易に押されて底部の部分101bの上面に接し、それにより、それらの間で規定される内部チャンバーを圧縮してそこの圧力を増大させる。圧力が所定の最小閾値を超えると、フラップ105は、開口を規定するため弾性的に付勢された位置から変位し、この開口を通って液体は出口流路の残部を通りスプレー状に液体が放出される出口オリフィスへ流れることが可能である。チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値以下に低下するとすぐに、フラップ105は弾性的に付勢された位置に戻り、出口流路を閉じる。上部部品102の部分102bに加えられる圧力が除かれると、それは弾性的に付勢された位置に戻り、チャンバーの容積は増大する。このことは、チャンバー内部の圧力を減少させると共に、より多くの液体が入口を通ってチャンバーへ吸い上げられるのを許容するため、入口弁のフラップ109を変位させる。
【0130】
本発明の他の実施形態が図2に示される。
【0131】
この実施形態において、内部チャンバー201及び出口流路202のみが説明のために示される。実際には、図示しない入口が通常存在する。
【0132】
図2に示す実施形態は、硬質プラスチックから作られる底部、並びに、硬質プラスチックから作られる接合面部分102a及び弾性変形可能な部分102bを有する上部部品102を含み、この弾性変形可能な部分は、弾性変形可能な材料から作られて底部101の部分101bと共にチャンバー201を規定する。このノズル装置の実施形態は、バイインジェクション成形工程によって形成されてよく、これにより、底部及び上部部品102の部分102aが硬質プラスチックから成形され、弾性変形可能なプラスチックから作られる部分102bが部分102aの上に成形される。その後、底部101と上部部品102は互いに嵌合されて組立てられたノズル装置を形成する。任意に、部分102aと底部が同一の材料から成形され、折畳み可能な接続要素によって互いに接続されてもよい。
【0133】
図2に示す実施形態において、出口弁は再び、上部部品の対向する接合面に形成された凹部106に収容されるフラップ105を含む。凹部106の側面は、フラップ105がその下端で弾性的に付勢されてその端に接してきついシールを形成するよう、角度を付けられている。
【0134】
チャンバー201内に必要とされる圧力が得られると、それを通って流体が流れることができる開口を規定するため、フラップは側面106aから屈曲する。流体はそれから出口流路に沿って出口オリフィス(図示せず)に流れ、その流路上で、対向する接合面102a及び101aに形成されて並ぶ凹部によって形成される膨張チャンバー204を通過する。
【0135】
図3は、図2に示す実施形態の上部部品102及び底部101を示す。図示しないが、上記したように入口弁を形成するため、上部部品は又、底部101内に形成される入口108を覆うフラップ突起109を含む。この実施形態において、上部部品102は硬質プラスチックからなる骨組を含み、それは、上部部品の部分102aを形成し、さらに上記したように上部部品102の部分102bを形成する弾性変形可能な材料の領域を囲む。硬質プラスチック部分102aは、底部(図2に示すように)の部分101aに接して出口流路を規定する。図3に見られるように、出口流路202は、凹部301及び302の並びによって形成される第1の膨張チャンバー204と、凹部303及び304の並びによって形成される第2の出口チャンバーとを含む。
【0136】
上部部品102の接合面に形成されるクリップ305は、底部の接合面101aに形成される凹部306と嵌合し、上部部品と底部を位置決めすると共に固定する。
【0137】
図4は、本発明のノズル装置に組み込んでもよい他の出口弁アッセンブリの断面図である。
【0138】
フラップ105の代わりに、代替としての弁は、底部101に形成される凹部106に収容される栓401を含む。チャンバーから流体が、底部に形成されて供給溝を閉塞する部材403の所まで流れることができるよう、供給溝402が凹部内に形成される。チャンバー内部の圧力、及びそのために供給溝402の圧力が所定の最小閾値を超えると、栓と部材403との間にそれを通って流体が流れることができる通路を規定するために栓が弾性変形し、又は部材403が栓から弾性的に変形/屈曲して離れて通路を規定し、又はこれらの両方が起きる。底部の切欠部405によって形成される空洞404は、部材403が弾性的に変形/屈曲することができる空間を提供するのと同様、スプレー改変(spray modifying)膨張チャンバーを提供する。
【0139】
図5は、本発明のさらに代案となる実施形態であって、チャンバーを圧縮できるように本体の一部を弾性変形可能に利用する代わりに、チャンバーを規定する本体の一体部分としてピストンシリンダー501を組み込んだものを示す。ピストン502は、ピストンシリンダー501内にスライド可能に設けられている。チャンバー201を圧縮するためのピストンの移動、及びそれによるその中に貯えられた流体の放出は、図5に示す実施形態では、ピストン502が取付けられているアーム部503を矢印510方向へ押すことによって容易にされる。アーム部は、弾性変形可能なヒンジ504によって底部101に接続される。アーム部503に加えられた圧力がその後に除かれると、ヒンジ504に固有の弾性力によって、それは図5に示す位置に戻る。
【0140】
図6は、本発明のノズル装置のさらに別の代案となる実施形態を示す。流体をスプレー状に分配する装置は、2つの部分、すなわち、底部101及び上部部品102から形成される本体600を含む。底部101及び上部部品102は、折畳み可能な接続要素103によって互いに接続される。
【0141】
使用時に前記容器に貯えられた流体が前記装置に吸上げられ、そこから分配されるのを許容するよう、底部101は容器(図示せず)に嵌合するようになっている。
【0142】
この実施形態において、本体600は、硬質プラスチック材料から1度の成形工程で形成される。装置は、図6に示す形状に成形され、組立てられたノズル配置を形成するため、上部部品102が接続要素103付近で折り重ねられて底部101の上面に嵌め込まれる。底部101と上部部品102が互いに嵌め込まれると、上部部品102の下面の部分102aが底部101の上面の接合部分/表面101aに接する。底部101の上面の凹部101b及び101cは、上部部品102の下面に形成された対応する凹部102b及び102cと並び、2つの分離した内部チャンバーを規定する。
【0143】
各チャンバーは、底部に形成される入口オリフィス108を含む。図6に示すように、各入口オリフィスは、対応する凹部108a内に配置される。
【0144】
上部部品102が底部101に嵌合されると、弾性変形可能なフラップ109が対応する凹部108aに収容される。入口弁を形成するため、フラップ109は各入口オリフィスの開口に対して弾性的に付勢される。このようにして、流体がチャンバーに流入するのを許容するために前記フラップが入口オリフィスの開口から変位して離れるように、入口オリフィス内の圧力がチャンバー内部を超えた時にのみ、流体が2つのチャンバーに吸い込まれる。各入口オリフィス108は、装置が取付けられる容器内の分離した区画のような異なる流体供給に接続される。その代わりに、チャンバーの1つが容器又は外部環境から空気(又はあらゆる他の形態のガス)を吸い込んでもようい。後者の場合、空気吸入口が装置の本体の内部に単純に形成され、空気が外部環境から吸い込まれるのを許容する。
【0145】
出口は、接合面101a及び102aが互いに接した時にそれらによって規定される出口流路及び出口オリフィスを含む。流路は、それぞれ溝606、607及び608の並びと、溝609、610、及び611の並びとによって形成され、出口流路内に形成されるチャンバーは、それぞれ凹部612及び613の並びと、凹部614及び615の並びとによって形成される。
【0146】
そのため、使用時に凹部101b/102bによって形成されるチャンバーから分配される流体は、凹部612/614の並びによって形成されるチャンバーを通過した後、出口オリフィスから放出される前に、凹部613/615の並びによって形成されるチャンバーに流入する。使用時に凹部101c/102cによって形成されるチャンバーから分配される流体は、出口オリフィスから放出されるに先立ち、凹部613/615の並びによって形成されるチャンバーを通過し、そこでそれは他のチャンバーから分配された流体と混合される。
【0147】
流路内に形成されるチャンバーを設けることは、分配ノズルから分配される液滴を分解し、細かいスプレーを形成できるようにすることに寄与することが知られている。
【0148】
各チャンバーから通じる出口流路は又、チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値を超えた時にのみ流体が放出されるよう、チャンバーより上流に位置する出口弁(図示せず)を含む。弁は、出口流路内に弾性変形可能なフラップ又は他の部材を設けることによって形成することができ、チャンバー内部の圧力が所定の最小閾値になり又はそれを超えた時に、それを通って流体が流れることができる開口を規定するため、弁は、初期の弾性的に付勢されて出口流路を閉じる位置から変形することができる。
【0149】
上部部品及び底部が互いにきつく拘束されるのを確実にするため、装置は又、シーリング手段を含むことが好ましい。図6に示す実施形態では、適切なきついシールを形成するため、結合部の上にプラスチックが成形される。
【0150】
その代わり、出口流路を規定する凹部及び溝/凹部の側面を囲む尾根状突起が部品の1つに設けられ、この尾根状突起が対向する接合面に対応して形成された溝とシーリング嵌合を形成してもよい。底部101と上部部品102が互いにきつく接し続けるのを助けるため、尾根状突起及び対応する溝は互いにきつく嵌合う。又、尾根及び溝は、あらゆる流体がチャンバー又は出口流路から漏れ出ること、及び上部部品102と底部101の間からあらゆる流体が染み出すことを防止するシールを形成する。
【0151】
他の実施形態では、空気抜き弁は、孔の内部に置かれた柱又はフラップであってもよく、それは圧力差が存在する時に流路を開くため弾性変形可能であり、それにより空気が外部環境から容器内部へ流入するのを許容する。
【0152】
使用時に、組み立てられた装置の上面の部分102b及び102cを押すことにより、流体が分配ノズルから分配される。
【0153】
これらの部分は本体の弾性変形可能な部分を形成する。加えられた圧力が除かれると、部分102b及び102cはその初期の弾性的に付勢された位置に戻り、それによりチャンバーの容積を増大させ、それぞれ入口108を通って流体を各チャンバーへ吸い上げさせる。
【0154】
1つのチャンバー、例えば凹部101c/102cの並びによって形成されるチャンバーが空気を含む実施形態では、チャンバーを同時に圧縮することは、このチャンバーから放出される空気流を他のチャンバーから分配される液体と混合させる。この混合は、液体が出口から分配される際に液滴を分解し、細かいスプレーを形成するのに寄与する。
【0155】
図7は、2つの液体を同時にスプレー状に分配する本発明の代案となる実施形態を示す。この実施形態は多くの点で図6(同一の参照数字で示すように)に類似する。しかし、いくつかの違いがある。第1に、図7に示すように、上部部品102は、底部101に側面でなく前方で接続される。それゆえ、上部部品102は接続要素103を折り曲げ/折り畳むことによって単にひっくり返され、組立られた分配ノズルを形成するために底部101と嵌合する。
【0156】
図7に示す装置は又、2つの別個のスプレーを混合することによってそれらが分配ノズルの外側でのみ混合されるよう、2つの液体を別々に分配するよう構成され、これは特定の用途に好ましい。もちろん、代案となる実施形態において、出口流路は、図6に示す実施形態の出口流路と同様な方法で混合するよう構成されてもよいことは理解されるべきである。
【0157】
出口流路は又、流路が溝701及び702の並びによって形成される点で異なる。流路は、半円形の凹部703及び704の並びによって形成される渦チャンバーへ延びる。このようにして、使用時に各チャンバーから分配された流体は流路に沿って流れて渦チャンバーに入り、そこでは出口オリフィスから放出されるに先立って流体の流れに回転流が引き起こされる。渦チャンバーは当業者に知られており、この場合も出口から放出されるに先立ち、流滴を分解するために使用される。
【0158】
図6に示す実施形態とのさらなる相違は、図7に示す実施形態が又、2つの空気抜き弁を含むことである。空気抜き弁は上部部品102の下面に形成される弁要素115a及び115bによって形成され、これらはノズル装置が組立てられた際に、底部の接合面101aにそれぞれ形成される開口116a及び116bに収容される。組立てられたノズル配置において、開口116a及び116bは、いずれも外部から容器の分離した区画に空気が流入する流路を規定する。弾性変形可能な要素の先端には張出しリムが設けられ、その縁は開口の内壁に隣接して気密シールを形成する。ノズル配置から流体を放出した結果として容器内の圧力減少が存在すると、容器内部と外部環境との間の圧力差は、要素の張出しリムを内側に変形させ、それにより空気が外部環境から容器内部へ流入するのを許容する。圧力差が均等になると、開口を通るさらなるあらゆる流れを防止するため、張出しリムはその元の弾性的に付勢された形状に戻る。容器がひっくり返されても製品が弾性変形可能な要素のリムを通って漏れることはなく、さらに、例えば容器を振ることにより加えられるあらゆる圧力は、単に張出しリムを開口の壁に押し付けてよりきつく接しさせるだけであることも又、理解されるであろう。
【0159】
図に関する本発明の実施形態の記述は単に例示を目的としたものであり、発明の範囲を限定するよう解釈されるべきでないことは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0160】
【図1A】装置の内部構造を示すため本体の2つの部分が分離されている、本発明の組立てられたノズル装置の斜視図。
【図1B】図1に示す装置のさらなる斜視図。
【図2】本発明のさらなる実施形態の断面図。
【図3】図1に示す上部部品102の斜視図。
【図4】本発明のノズル装置に存在する出口弁の他の構成の断面図。
【図5】チャンバーを圧縮するためのピストン・アッセンブリを含む分配ノズルの断面図。
【図6】2つの内部チャンバーを有する本発明の分配ノズルの斜視図。
【図7】2つの内部チャンバーを有する本発明のさらなる実施形態を示す図。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器から流体をスプレー状に分配できるように構成されるポンプアクション式ノズル装置であって、前記ノズルはチャンバーを規定する本体を備え、前記チャンバーは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有し、前記入口は、少なくとも最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が容器内の圧力より低くなった時にのみ流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容する入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最低の閾値量だけそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張し又は変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張し又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少は前記チャンバー内部の圧力を増大させて流体を前記出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成され:
装置の前記出口は、使用時に前記出口弁を通って放出される流体のスプレーを生成するのに適することを特徴とする、ノズル装置。
【請求項2】
前記出口は、出口オリフィス、及び前記チャンバーを前記出口オリフィスへ接続させる出口流路を含む、請求項1記載のノズル装置。
【請求項3】
前記出口弁は、前記出口流路の内部に配置されている、請求項2記載のノズル装置。
【請求項4】
前記出口流路は、使用時に前記ノズル装置の出口オリフィスを通って分配される液滴の大きさを減少するよう構成される1又はそれ以上の内部スプレー改変機構を含む、請求項2又は3記載のノズル装置。
【請求項5】
前記内部スプレー改変機構は、1又はそれ以上の膨張チャンバー、1又はそれ以上の渦チャンバー、1又はそれ以上の内部スプレーオリフィス(前記出口流路内を流れる流体のスプレーを生成するようになっている)、及び1又はそれ以上のベンチュリーチャンバーから成る群から選ばれる、請求項4記載のノズル装置。
【請求項6】
容器内に貯えられている流体が使用時に分配できるよう、前記ノズルは前記容器の開口に嵌め込まれるようになっている、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項7】
容器内に貯えられている流体が使用時に分配できるよう、前記ノズルが前記容器と一体に形成されている、請求項1ないし5のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項8】
前記ノズル装置の前記本体が2又はそれ以上の相互接続された部分を含み、それは互いに接続された時に前記チャンバーを規定する、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項9】
前記ノズル装置の前記チャンバーが2つの相互接続された部分の間で規定される、請求項8記載のノズル装置。
【請求項10】
前記出口弁、前記出口オリフィス、及び前記出口を前記出口オリフィスへ接続させる出口流路は、好ましくは前記チャンバーを規定する前記少なくとも2つの相互接続された部分は又、少なくとも前記出口流路を規定する、請求項8又は9記載のノズル装置。
【請求項11】
前記2つの相互接続された部分はそれらの間で前記出口弁を形成し、さらに又、完全な前記出口流路及び前記出口オリフィスを規定する、請求項9又は10記載のノズル装置。
【請求項12】
前記出口流路は、前記部分の1つの接合面及び他の前記部分の対向する接合面の間で規定される、請求項10又は11記載のノズル装置。
【請求項13】
前記接合面の1つ又はそれ以上は、それらの上に形成されて前記接合面が互いに接した時に前記出口流路を規定する1又はそれ以上の溝及び/又は凹部を含む、請求項12記載のノズル装置。
【請求項14】
前記部分の1つが底部部品であり、他の前記部分が上部部品である、請求項9ないし13のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項15】
前記底部部品は、前記容器の開口に嵌め込まれるようになっている、請求項14に記載のノズル装置。
【請求項16】
前記底部部品は、前記チャンバーから前記出口へ通じる流路の一部を規定するのと同様に、好ましくは前記入口を規定する、請求項14又は15に記載のノズル装置。
【請求項17】
それらが前記チャンバーを規定すると共に、それらの間でノズルの出口へ通じる前記出口流路を規定するよう、前記上部部品が前記底部に嵌め込まれるようになっている、請求項14ないし16のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項18】
前記上部部品は、前記チャンバーを規定する前記本体の弾性変形可能な部分である、請求項14ないし17のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項19】
前記出口弁は、前記ノズル装置の前記本体の構成部分の間に形成されている、請求項9ないし18のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項20】
前記弁は、前記出口又はそれに通じる前記流路を閉塞するため、他の前記部分に弾性的に付勢される前記部分の1つの一部によって形成され、チャンバーの内部圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧を超えた時に、開いた出口又はそれに通じる流路を規定するため、前記弾性的に付勢される部分は前記他の前記部分から変形して離れるよう構成される、請求項19に記載のノズル装置。
【請求項21】
前記弁を含む出口は、前記少なくとも2つの部分の接合面の間に形成される、請求項20記載のノズル装置。
【請求項22】
前記接合面の1つは、対向する接合面に弾性的に付勢されて前記出口オリフィス又はそれに通じる前記流路を閉塞する弾性変形可能な弁要素を含み、前記弁要素は、前記チャンバーの内部圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧を超えた時に、開いた出口又はそれに通じる流路を規定するため、前記他の前記部分から変形して離れるよう構成される、請求項19又は20に記載のノズル装置。
【請求項23】
前記弁要素はフラップ又は栓の形状である、請求項22記載のノズル装置。
【請求項24】
前記入口弁は、入口の開口を覆って配置される弾性変形可能なフラップから成るフラップ弁であり、前記フラップは、前記チャンバー内部の圧力が少なくとも所定の最小閾値以下に低下した時、流体が前記チャンバーに吸い込まれるのを許容するよう変形するようになっていて、それに続いて他の全ての時間は弾性的に付勢された位置に戻る、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項25】
前記弾性変形可能なフラップは、前記チャンバーを規定する前記本体の弾性変形可能な部分と一体の延長部として形成される、請求項24記載のノズル装置。
【請求項26】
流体が誤って分配されることを防止するよう構成されるロック手段を分配装置が含む、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項27】
前記ロックは前記本体と一体に形成される、請求項26に記載のノズル装置。
【請求項28】
装置はさらに、前記容器の内部と外部環境との間のあらゆる圧力差を均等にするために空気が流れることができるが、容器がひっくり返された時に前記容器から流体が漏れ出るのを防止する空気抜き弁を含む、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項29】
前記空気抜き弁が前記ノズル装置の前記本体と一体に形成される、請求項28に記載のノズル装置。
【請求項30】
前記空気抜き弁が前記ノズル装置の前記本体の2つの構成部分の間で規定される、請求項29に記載のノズル装置。
【請求項31】
前記空気抜き弁は、装置の前記本体によって規定される通路の内部に配置されるとともに流体供給の内部を外部環境と連絡させる弁要素を含む、請求項28ないし30のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項32】
前記弁要素は、前記通路の側部に接するよう弾性的に付勢され、さらに前記容器からあらゆる流体が漏れ出るのを防止するため、それと共にシーリング嵌合を形成し、前記容器内の圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧以下に低下した時に、それを通って容器に空気が流入可能な開口を規定するため、前記弁要素はさらに、前記通路の側部との前記シーリング嵌合から弾性変形し又は変位するのに適する、請求項31に記載のノズル装置。
【請求項33】
前記弁要素は、前記通路の内部に延び、かつ外側に広がる壁を有するプランジャー形状であり、この壁はシールを形成するために前記通路の側面に接する、請求項31又は32に記載のノズル装置。
【請求項34】
前記プランジャーは、前記空気抜き弁内の残留物の蓄積及び硬化を防止するために前記チャンバーの容積を減少させるため、前記本体の前記弾性変形可能な部分に圧力が加えられた時、多少動くことができる変形可能な底部又はフラップの上に取付けられる、請求項33に記載のノズル装置。
【請求項35】
前記容器が激しく引っくり返され又は振られた時に、前記容器内の液体が強い力又は過度の力で前記弁要素と接触するのを防止するため、装置内面のメス型チューブの開口の上に保護カバーが設けられる、請求項34に記載のノズル装置。
【請求項36】
前記空気抜き弁はさらに、容器の内部圧力が所定の閾値を超えた時にガスが前記容器から流出するのを許容するようになっている、請求項30ないし35のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項37】
前記弁要素は、前記通路の側面に形成される1又はそれ以上の微細な溝を表出させるため、前記容器の内部圧力が所定の閾値を超えた時に変形するよう構成され、前記溝は、ガスが前記容器からゆっくりと滲出するのを許容するよう構成される、請求項36に記載のノズル装置。
【請求項38】
前記ノズル装置は、共に前記チャンバーを規定する少なくとも2つの相互接続された部分から形成される本体を含み、前記ノズル装置からのあらゆる流体の漏れを防止するため、前記少なくとも2つの部分の間にシール手段が配置される、請求項9ないし35のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項39】
前記少なくとも2つの部分が互いに溶接されている、請求項38に記載のノズル装置。
【請求項40】
前記少なくとも2つの部分が互いにスナップ式にシーリング嵌合するよう構成される、請求項38に記載のノズル装置。
【請求項41】
前記少なくとも2つの部分の一方は、前記他の部分の上面の周囲にきつく嵌められてそれと共にシールを形成するフランジを備える、請求項38に記載のノズル装置。
【請求項42】
前記シールは、前記少なくとも2つの部分の一方の接合面に形成されるオス型突出部を含み、オス型突出部は、前記2つの部分が互いに接続された時に、前記他の部分の対向する接合面に形成された対応する溝とシーリング嵌合する、請求項38に記載のノズル装置。
【請求項43】
前記2つの構成部分の間に形成される結合部において、前記少なくとも2つの部分の間に規定されるノズル装置のあらゆる位置からの流体の漏れを防止するよう、前記シールは前記チャンバー全体の周囲及び出口の周囲に延びる、請求項42に記載のノズル装置。
【請求項44】
前記本体の前記2つの部分は、前記チャンバーから前記出口オリフィスへ通じる出口流路を規定し、前記シールの前記突出部要素は、前記流路を横断して延びると共に出口弁の弾性変形可能な弁要素を形成する、請求項43に記載のノズル装置。
【請求項45】
前記本体は、使用時に流体が前記容器の深い内部から吸い出されるのを可能とするための浸漬管を支持し、又はそれと一体に形成されるようになっている、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項46】
前記装置は、組立てられたノズル装置を形成するために相互接続される最大で3個の分離した構成部分を含む、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項47】
前記装置は、組立てられたノズル装置を形成するために相互接続される2個の分離した構成部分を含む、請求項46に記載のノズル装置。
【請求項48】
前記装置は、1個の一体形成された構成部分を含む、請求項46に記載のノズル装置。
【請求項49】
前記出口流路及び前記出口オリフィスは分離した構成単位又はインサート部分の形状であり、それはチャンバーの出口に接続されてノズル装置の出口を形成する、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項50】
使用のため必要な位置に軸回転し、必要でない時にその位置から離れることができるよう、前記インサート部分がヒンジによって前記装置の本体に接続されている、請求項49に記載のノズル装置。
【請求項51】
前記出口流路は、使用時に前記ノズル装置の出口オリフィスを通って分配される液滴の大きさを減少するよう構成される1又はそれ以上の内部スプレー改変機構を含む、請求項49又は50に記載のノズル装置。
【請求項52】
前記内部スプレー改変機構は、1又はそれ以上の膨張チャンバー、1又はそれ以上の渦チャンバー、1又はそれ以上の内部スプレーオリフィス(前記出口流路内を流れる流体のスプレーを生成するようになっている)、及び1又はそれ以上のベンチュリーチャンバーから成る群から選ばれる、請求項51記載のノズル装置。
【請求項53】
容器内に貯えられている流体が使用時に前記容器からノズル装置を通って分配できるよう、容器の開口に嵌め込まれる請求項1ないし52のいずれかに記載のポンプアクション式のノズル装置を有する、容器。
【請求項54】
容器内に貯えられている流体が使用時に前記容器からノズル装置を通って分配できるよう、容器と一体に形成されている請求項1ないし52のいずれかに記載のポンプアクション式のノズル装置を有する、容器。
【請求項55】
請求項1ないし52のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i)前記本体の前記部分を成形し;
(ii)ノズル装置の前記本体を形成するため、前記本体の前記部分を互いに接続する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項56】
前記部分が別個に成形される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記部分は、同一又は異なる材料から形成される、請求項55又は56に記載の方法。
【請求項58】
請求項項1ないし52のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i)第1の工程で、前記本体の第1の前記部分を成形し;
(ii)前記ノズル装置の前記本体を形成するため、第2の工程で、第1の前記部分の上に第2の前記部分を被覆成形する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項59】
前記被覆成形が成形金型の原位置で行われる、請求項58に記載のノズル装置の製造方法。
【請求項60】
請求項1ないし52のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i) 第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;
(ii) 組立ノズル装置の第2の前記部分を形成するため、前記骨格又はベースの上に被覆成形する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項61】
前記被覆成形工程に先立ち、前記第2の部分の骨格が底部に嵌め込まれる、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記被覆成形は、前記第2の部分の骨格が前記第1の部分に嵌め込まれる前に行われる、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の部分及び前記第2の部分の骨格に対する前記被覆成形が同一の材料である、請求項60ないし62のいずれかに記載の方法。
【請求項64】
前記第1の部分及び前記第2の部分の骨格に対する前記被覆成形が異なる材料である、請求項60ないし62のいずれかに記載の方法。
【請求項65】
請求項1ないし52のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i)第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;及び
(ii) 前記骨格が本体の第1の部分に接続された時にインサート部分が前記本体の第2の部分の骨格内部に保持され、前記骨格及びインサート部分が本体の第2の部分を形成するよう、前記本体のインサート部分を配置する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項66】
請求項1ないし52のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し、前記部分は、該部分が他の部分に対して可動するように接続要素によって互いに接続され、
(i)1回の成形工程で、本体の部分と前記接続要素を共に成形し;及び
(ii) ノズル装置の本体を形成するため、本体の前記部分を動かしてもう一方と嵌め合わせる、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項67】
発泡剤がプラスチック材料と共に金型に加えられる、請求項27ないし38のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
容器から流体をスプレー状に分配できるように構成されるポンプアクション式ノズル装置であって、前記ノズルは内部チャンバーを規定する本体を備え、前記チャンバーは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有し、前記入口は、少なくとも最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が容器内の圧力より低くなった時にのみ流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容する入口弁を含み、前記出口は、少なくとも所定の閾値量だけそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張し又は変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張し又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少はチャンバー内部の圧力を増大させて流体を出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成され:
前記装置の出口は、使用時に前記出口弁から放出される流体のスプレーを生成するのに適することを特徴とする、ノズル装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器から流体をスプレー状に分配できるように構成されるポンプアクション式ノズル装置であって、前記ノズルはチャンバーを規定する本体を備え、前記チャンバーは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と、前記入口から分離し前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有し、前記入口は、少なくとも最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が容器内の圧力より低くなった時にのみ流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容する入口弁を含み、前記出口は、少なくとも最低の閾値量だけそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張し又は変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張し又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少は前記チャンバー内部の圧力を増大させて流体を前記出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成され:
装置の前記出口は、出口オリフィス並びに出口弁及び前記出口オリフィスを接続する出口流路を含み、前記出口は、使用時に前記出口オリフィスを通って放出される流体のスプレーを生成するようになっていて、前記装置の前記本体は硬い材料又は可撓性の材料から完全に形成され又はバイインジェクション成形として少なくとも部分的に形成され、使用時にその初期の形状から変形した形状に本体の前記変形可能な部分を変形させるため、チャンバーを規定する本体の部分に使用者が直接圧力を加えられるように前記装置が配置されていることを特徴とする、ノズル装置。
【請求項2】
前記出口弁は、前記出口流路の内部に配置されている、請求項1記載のノズル装置。
【請求項3】
前記出口流路は、使用時に前記ノズル装置の出口オリフィスを通って分配される液滴の大きさを減少するよう構成され、最終のスプレーオリフィス及び/又は最終の渦チャンバーを除く1又はそれ以上の内部のスプレー改変機構を含む、請求項1又は2記載のノズル装置。
【請求項4】
前記内部のスプレー改変機構は、1又はそれ以上の膨張チャンバー、1又はそれ以上の渦チャンバー、1又はそれ以上の内部スプレーオリフィス(前記出口流路内を流れる流体のスプレーを生成するようになっている)、及び1又はそれ以上のベンチュリーチャンバーから成る群から選ばれる、請求項3記載のノズル装置。
【請求項5】
前記内部のスプレー改変機構は、1又はそれ以上の膨張チャンバーを含む、請求項4記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項6】
前記内部のスプレー改変機構は、2又はそれ以上の膨張チャンバーを含む、請求項5記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項7】
前記内部のスプレー改変機構は、2つの渦チャンバーを含む、請求項4ないし6のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項8】
前記内部のスプレー改変機構は、3又はそれ以上の渦チャンバーを含む、請求項4ないし6のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項9】
前記内部のスプレー改変機構は、2つの内部スプレーオリフィスを含む、請求項4ないし8のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項10】
前記内部のスプレー改変機構は、3又はそれ以上の内部スプレーオリフィスを含む、請求項4ないし8のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項11】
前記内部のスプレー改変機構は、1又はそれ以上のベンチュリーを含む、請求項4ないし10のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項12】
容器内に貯えられている流体が使用時に分配できるよう、前記ノズルは前記容器の開口に嵌め込まれるようになっている、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項13】
容器内に貯えられている流体が使用時に分配できるよう、前記ノズルが前記容器と一体に形成されている、請求項1ないし11のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項14】
前記ノズル装置の前記本体が2又はそれ以上の相互接続された部分を含み、それは互いに接続された時に前記チャンバーを規定する、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項15】
前記ノズル装置の前記チャンバーが2つの相互接続された部分の間で規定される、請求項14記載のノズル装置。
【請求項16】
前記チャンバーを規定する前記少なくとも2つの相互接続された部分は又、少なくとも前記出口流路を規定する、請求項14又は15記載のノズル装置。
【請求項17】
前記少なくとも2つの相互接続された部分はそれらの間で前記出口弁を形成し、さらに又、完全な前記出口流路及び前記出口オリフィスを規定する、請求項15又は16記載のノズル装置。
【請求項18】
前記出口流路は、前記部分の1つの接合面及び他の前記部分の対向する接合面の間で規定される、請求項16又は17記載のノズル装置。
【請求項19】
前記接合面の1つ又はそれ以上は、それらの上に形成されて前記接合面が互いに接した時に前記出口流路を規定する1又はそれ以上の溝及び/又は凹部を含む、請求項18記載のノズル装置。
【請求項20】
前記部分の1つが底部部品であり、他の前記部分が上部部品である、請求項15ないし19のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項21】
前記底部部品は、前記容器の開口に嵌め込まれるようになっている、請求項20に記載のノズル装置。
【請求項22】
前記底部部品は、前記チャンバーから前記出口へ通じる流路の一部を規定するのと同様に、好ましくは前記入口を規定する、請求項20又は21に記載のノズル装置。
【請求項23】
それらが前記チャンバーを規定すると共に、それらの間でノズルの出口へ通じる前記出口流路を規定するよう、前記上部部品が前記底部に嵌め込まれるようになっている、請求項20ないし22のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項24】
前記上部部品は、前記チャンバーを規定する前記本体の弾性変形可能な部分である、請求項20ないし23のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項25】
前記出口弁は、前記ノズル装置の前記本体の構成部分の間に一体に形成されている、請求項14ないし24のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項26】
前記出口弁は、前記出口又はそれに通じる前記流路を閉塞するため、他の前記部分に弾性的に付勢される前記部分の1つの一部によって形成され、チャンバーの内部圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧を超えた時に、開いた出口又はそれに通じる流路を規定するため、前記弾性的に付勢される部分は前記他の前記部分から変形して離れるよう構成される、請求項25に記載のノズル装置。
【請求項27】
前記出口弁は、前記少なくとも2つの部分の接合面の間に形成される、請求項18に従属する場合の請求項26記載のノズル装置。
【請求項28】
構成部分の一方の前記接合面は、構成部分の他方の接合面に弾性的に付勢されて前記出口オリフィス又はそれに通じる前記流路を閉塞する弾性変形可能な弁要素を含み、前記弁要素は、前記チャンバーの内部圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧を超えた時に、開いた出口又はそれに通じる流路を規定するため、前記他の前記部分から変形して離れるよう構成される、請求項27に記載のノズル装置。
【請求項29】
前記弁要素はフラップ又は栓の形状である、請求項28記載のノズル装置。
【請求項30】
前記入口弁は、入口の開口を覆って配置される弾性変形可能なフラップから成るフラップ弁であり、前記フラップは、前記チャンバー内部の圧力が少なくとも所定の最小閾値以下に低下した時、流体が前記チャンバーに吸い込まれるのを許容するよう変形するようになっていて、それに続いて他の全ての時間は弾性的に付勢された位置に戻る、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項31】
前記弾性変形可能なフラップは、前記チャンバーを規定する前記本体の弾性変形可能な部分と一体の延長部として形成される、請求項30記載のノズル装置。
【請求項32】
第2の強化フラップ又は部材が前記弾性変形可能なフラップの対向する表面に隣接する、請求項30又は31記載のノズル装置。
【請求項33】
流体が誤って分配されることを防止するよう構成されるロック手段を分配装置が含む、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項34】
前記ロックは前記本体と一体に形成される、請求項33に記載のノズル装置。
【請求項35】
装置はさらに、前記容器の内部と外部環境との間のあらゆる圧力差を均等にするために空気が流れることができるが、容器がひっくり返された時に前記容器から流体が漏れ出るのを防止する空気抜き弁を含む、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項36】
前記空気抜き弁が前記ノズル装置の前記本体と一体に形成される、請求項35に記載のノズル装置。
【請求項37】
前記空気抜き弁が前記ノズル装置の前記本体の2つの構成部分の間で規定される、請求項36に記載のノズル装置。
【請求項38】
前記空気抜き弁は、装置の前記本体によって規定される通路の内部に配置されるとともに流体供給の内部を外部環境と連絡させる弁要素を含む、請求項35ないし37のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項39】
前記弁要素は、前記通路の側部に接するよう弾性的に付勢され、さらに前記容器からあらゆる流体が漏れ出るのを防止するため、それと共にシーリング嵌合を形成し、前記容器内の圧力が少なくとも最小閾値だけ外部圧以下に低下した時に、それを通って容器に空気が流入可能な開口を規定するため、前記弁要素はさらに、前記通路の側部との前記シーリング嵌合から弾性変形し又は変位するようになっている、請求項38に記載のノズル装置。
【請求項40】
前記弁要素は、前記通路の内部に延び、かつ外側に広がる壁を有するプランジャー形状であり、この壁はシールを形成するために前記通路の側面に接する、請求項38又は39に記載のノズル装置。
【請求項41】
前記プランジャーは、前記空気抜き弁内の残留物の蓄積及び硬化を防止するために前記チャンバーの容積を減少させるため、前記本体の前記弾性変形可能な部分に圧力が加えられた時、多少動くことができる変形可能な底部又はフラップの上に取付けられる、請求項40に記載のノズル装置。
【請求項42】
前記容器が激しく引っくり返され又は振られた時に、前記容器内の液体が強い力又は過度の力で前記弁要素と接触するのを防止するため、装置内面のメス型チューブの開口の上に保護カバーが設けられる、請求項41に記載のノズル装置。
【請求項43】
前記空気抜き弁はさらに、容器の内部圧力が所定の閾値を超えた時にガスが前記容器から流出するのを許容するようになっている、請求項35ないし42のいずれかに記載のノズル装置。
【請求項44】
前記弁要素は、前記通路の側面に形成される1又はそれ以上の微細な溝を表出させるため、前記容器の内部圧力が所定の閾値を超えた時に変形するよう構成され、前記溝は、ガスが前記容器からゆっくりと滲出するのを許容するよう構成される、請求項43に記載のノズル装置。
【請求項45】
前記ノズル装置は、共に前記チャンバーを規定する少なくとも2つの相互接続された部分から形成される本体を含み、前記ノズル装置からのあらゆる流体の漏れを防止するため、前記少なくとも2つの部分の間にシール手段が配置される、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項46】
前記少なくとも2つの部分が互いに溶接されている、請求項45に記載のノズル装置。
【請求項47】
前記少なくとも2つの部分が互いにスナップ式にシーリング嵌合するよう構成される、請求項45に記載のノズル装置。
【請求項48】
前記少なくとも2つの部分の一方は、前記他の部分の上面の周囲にきつく嵌められてそれと共にシールを形成するフランジを備える、請求項45に記載のノズル装置。
【請求項49】
前記シールは、前記少なくとも2つの部分の一方の接合面に形成されるオス型突出部を含み、オス型突出部は、前記2つの部分が互いに接続された時に、前記他の部分の対向する接合面に形成された対応する溝とシーリング嵌合する、請求項45に記載のノズル装置。
【請求項50】
前記2つの構成部分の間に形成される結合部において、前記少なくとも2つの部分の間に規定されるノズル装置のあらゆる位置からの流体の漏れを防止するよう、前記シールは前記チャンバー全体の周囲及び出口の周囲に延びる、請求項48又は49に記載のノズル装置。
【請求項51】
前記本体の前記2つの部分は、前記チャンバーから前記出口オリフィスへ通じる出口流路を規定し、前記シールの前記突出部要素は、前記流路を横断して延びると共に出口弁の弾性変形可能な弁要素を形成する、請求項50に記載のノズル装置。
【請求項52】
前記本体は、使用時に流体が前記容器の深い内部から吸い出されるのを可能とするための浸漬管を支持し、又はそれと一体に形成されるようになっている、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項53】
前記装置は、組立てられたノズル装置を形成するために相互接続される最大で3個の分離した構成部分から成る、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項54】
前記装置は、組立てられたノズル装置を形成するために相互接続される2個の分離した構成部分から成る、請求項53に記載のノズル装置。
【請求項55】
前記装置は、1個の一体形成された構成部分から成る、請求項53に記載のノズル装置。
【請求項56】
前記一体形成された構成部分は、完成されたノズル装置を形成するために当該部分を互いに組立て可能にする可撓性のヒンジ要素によって相互接続される2又はそれ以上の部分を含む、請求項55に記載のノズル装置。
【請求項57】
前記出口流路及び前記出口オリフィスは分離した構成単位又はインサート部分の形状であり、それはチャンバーの出口に接続されてノズル装置の出口を形成する、先行する全ての請求項のうちいずれか1に記載のノズル装置。
【請求項58】
使用のため必要な位置に回転し、必要でない時にその位置から離れることができるよう、前記インサート部分がヒンジによって前記装置の本体に接続されている、請求項57に記載のノズル装置。
【請求項59】
前記出口流路は、使用時に前記ノズル装置の出口オリフィスを通って分配される液滴の大きさを減少するよう構成される1又はそれ以上の内部のスプレー改変機構を含む、請求項57又は58又は51に記載のノズル装置。
【請求項60】
前記内部のスプレー改変機構は、1又はそれ以上の膨張チャンバー、1又はそれ以上の渦チャンバー、1又はそれ以上の内部スプレーオリフィス(前記出口流路内を流れる流体のスプレーを生成するようになっている)、及び1又はそれ以上のベンチュリーチャンバーから成る群から選ばれる、請求項59記載のノズル装置。
【請求項61】
前記内部のスプレー改変機構は、1又はそれ以上の膨張チャンバーを含む、請求項60記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項62】
前記内部のスプレー改変機構は、2又はそれ以上の膨張チャンバーを含む、請求項61記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項63】
前記内部のスプレー改変機構は、2つの渦チャンバーを含む、請求項60ないし62のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項64】
前記内部のスプレー改変機構は、3又はそれ以上の渦チャンバーを含む、請求項60ないし62のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項65】
前記内部のスプレー改変機構は、2つの内部スプレーオリフィスを含む、請求項項60ないし64のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項66】
前記内部のスプレー改変機構は、3又はそれ以上の内部スプレーオリフィスを含む、請求項項60ないし64のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項67】
前記内部のスプレー改変機構は、1又はそれ以上のベンチュリーを含む、請求項項60ないし66のいずれかに記載のポンプアクション式ノズル装置。
【請求項68】
容器内に貯えられている流体が使用時に前記容器からノズル装置を通って分配できるよう、容器の開口に嵌め込まれる請求項1ないし66のいずれかに記載のポンプアクション式のノズル装置を有する、容器。
【請求項69】
容器内に貯えられている流体が使用時に前記容器からノズル装置を通って分配できるよう、容器と一体に形成されている請求項1ないし68のいずれかに記載のポンプアクション式のノズル装置を有する、容器。
【請求項70】
請求項1ないし67のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i)前記本体の前記部分を成形し;
(ii)ノズル装置の前記本体を形成するため、前記本体の前記部分を互いに接続する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項71】
前記部分が別個に成形される、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記部分は、同一又は異なる材料から形成される、請求項70又は71に記載の方法。
【請求項73】
請求項項1ないし67のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i)第1の工程で、前記本体の第1の前記部分を成形し;
(ii)前記ノズル装置の前記本体を形成するため、第2の工程で、第1の前記部分の上に第2の前記部分を被覆成形する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項74】
前記被覆成形が成形金型の原位置で行われる、請求項73に記載のノズル装置の製造方法。
【請求項75】
請求項1ないし67のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i) 第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;
(ii) 組立ノズル装置の第2の前記部分を形成するため、前記骨格又はベースの上に被覆成形する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項76】
前記被覆成形工程に先立ち、前記第2の部分の骨格が底部に嵌め込まれる、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記被覆成形は、前記第2の部分の骨格が前記第1の部分に嵌め込まれる前に行われる、請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記第1の部分及び前記第2の部分の骨格に対する前記被覆成形が同一の材料である、請求項75ないし77のいずれかに記載の方法。
【請求項79】
前記第1の部分及び前記第2の部分の骨格に対する前記被覆成形が異なる材料である、請求項75ないし77のいずれかに記載の方法。
【請求項80】
請求項1ないし67のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し:
(i)第1の工程で、本体の第1の前記部分を第2の前記部分のための骨格又はベースと共に成形し;及び
(ii) 前記骨格が本体の第1の部分に接続された時にインサート部分が前記本体の第2の部分の骨格内部に保持され、前記骨格及びインサート部分が本体の第2の部分を形成するよう、前記本体のインサート部分を配置する、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項81】
請求項1ないし67のいずれかに記載のノズル装置の製造方法であって、前記ノズル装置は少なくとも2つの相互接続された部分を含む本体を有し、前記部分は、該部分が他の部分に対して可動するように接続要素によって互いに接続され、
(i)1回の成形工程で、本体の部分と前記接続要素を共に成形し;及び
(ii) ノズル装置の本体を形成するため、本体の前記部分を動かしてもう一方と嵌め合わせる、
工程を含むノズル装置の製造方法。
【請求項82】
発泡剤がプラスチック材料と共に金型に加えられる、請求項70ないし81のいずれかに記載の方法。
【請求項83】
容器から流体をスプレー状に分配できるように構成されるポンプアクション式ノズル装置であって、前記ノズルは内部チャンバーを規定する本体を備え、前記チャンバーは、流体がそれを通って前記チャンバーへ吸込まれる入口と前記チャンバーの内部に存在する流体がそれを通って前記ノズルから放出される出口とを有し、前記入口は、少なくとも最低の閾値量だけ前記チャンバー内部の圧力が容器内の圧力より低くなった時にのみ流体が前記入口を通って前記チャンバーへ流れることを許容する入口弁を含み、前記出口は、少なくとも所定の閾値量だけそこの圧力が出口における外部圧力を超えた時にのみ流体が前記チャンバーから流出して前記ノズルから放出されることを許容するよう構成された出口弁を含み、前記チャンバーを規定する前記本体の少なくとも一部は
(i)圧力を加えることに応じ、初期の弾性的に付勢された形状から膨張し又は変形した形状に弾性変形し、これにより、前記本体の一部が前記初期の形状から前記膨張し又は変形した形状に変形するのにつれて、前記本体の一部によって規定される前記チャンバーの容積が低下し、前記容積の減少はチャンバー内部の圧力を増大させて流体を出口弁を通って放出させ;及び
(ii)前記加えられた圧力が除かれると、引き続いてその初期の弾性的に付勢された形状に戻り、これにより、流体が前記入口弁を通って前記チャンバーに流入するよう、前記チャンバーの容積を増加させてそこの圧力を低下させる;ように構成され:
前記装置の出口は、使用時に前記出口弁から放出される流体のスプレーを生成するようになっていることを特徴とする、ノズル装置。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−517862(P2006−517862A)
【公表日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−502291(P2006−502291)
【出願日】平成16年2月17日(2004.2.17)
【国際出願番号】PCT/GB2004/000637
【国際公開番号】WO2004/073873
【国際公開日】平成16年9月2日(2004.9.2)
【出願人】(502393958)インクロ リミテッド (12)
【Fターム(参考)】