説明

スプレー容器

【課題】噴霧の終期においても良好な霧状のスプレーパターンが得られるスプレー容器を提供する。
【解決手段】ノズルヘッド(90)の押下げでノズルから噴霧することで容器本体内が減圧することにより、弁体形成筒(50)が付勢力により上昇して弁体部(54)が弁座部(34)へ当接することで液体の噴出を阻止可能に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器本体内の液体を霧状にして噴出するスプレー容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器体内に収納された液体を霧状にして噴霧するスプレー式噴霧器の中に、容器体内に加圧空気を供給し液体をサクションチューブを介してノズルに連通する流路内に押上げ、プッシュボタンの下降により噴霧バルブを開放して液体を霧状に流出させるものが知られており、その中に、前記流路内にスロートを設け、スロートを通過する液体に加圧空気を噴射して液体を微粒化するものが従来技術として知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−154575号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、噴霧により容器体内が減圧すると、ノズルに連通する流路内の液圧および液体に噴射する加圧空気の圧力が減少して、良好な霧状のスプレーパターンが得られなくなり、最後にはストリーム状になるという課題があった。
【0005】
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、噴霧の終期においても良好な霧状のスプレーパターンが得られるスプレー容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は、容器本体1内に加圧空気を供給して容器本体内を蓄圧するポンプ手段10と、
前記容器本体の口頸部3上面へ、上端部を係合させて前記容器本体内へ垂下する周壁21に空気逃し孔21cを形成すると共に、前記周壁21下端から内向きフランジ21dを介して噴出パイプ嵌合筒21eを垂設し、さらに、前記内向きフランジ21dの外周部に環状溝21fを設けた空気逃し孔付きのアダプタ部材20と、
前記アダプタ部材20の周壁21内面へ上下動自在に嵌合させた筒壁31外面と前記空気逃し孔21cより下方の前記周壁21部分内面との間に前記空気逃し孔21cへ連通する空気逃し路21gを設け、かつ、該筒壁31下端部を前記環状溝21fへ通気可能に嵌合させると共に、前記筒壁31上端部から内向きフランジ33を介して垂下した内筒を弁座部34とした垂下部材30と、
前記弁体形成筒30内に保持され、かつ、上端面を弁体部54として、該弁体部を前記弁座部34へ当接させた上方付勢の弁体形成筒50と、
前記容器本体の口頸部3外面へ嵌合させたキャップ70と、
該キャップのフランジ状頂壁71b内から起立する押下げ可能なノズルヘッド90とを備え、
前記ポンプ手段10の作動で前記容器本体内の噴出パイプ100を介して前記アダプタ部材20内面と前記弁体形成筒50外面との間の空間内へ流入した加圧液体が前記弁体形成筒50を付勢力に抗して下降させて前記弁体部54を開き、前記アダプタ部材20内の空気を前記環状溝21f、空気逃し路21gおよび前記空気逃し孔21cを介して前記アダプタ部材20外へ排気すると共に、前記加圧液体は前記弁座部34と前記弁体部54との間を介して前記ノズルヘッドへ連通する第1噴出路X内へ流入可能に設け、
前記ポンプ手段10の操作で、前記ノズルヘッド90のノズルから噴霧することで前記容器本体内が減圧することにより、前記弁体形成筒50が付勢力により上昇して前記弁座部34を閉じることで液体の噴出を阻止可能に設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記アダプタ部材20の周壁21の上部を大内径部21aに、かつ下部を小内径部21bに形成して、該大内径部21aと小内径部21bとの境界部に前記空気逃し孔21cを形成すると共に、前記垂下部材30の筒壁31上端部から外向きフランジ35を介して外筒36を垂下させて、該外筒36を前記空気逃し孔21cより上方の前記周壁21部分内面へ気密かつ上下動自在に嵌合させたことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明は、前記垂下部材30の筒壁31上端部内面へ上端部を嵌合させて垂下する周壁41に液流入孔41dを形成した保持筒40を備え、
前記弁体形成筒50の周壁51面からフランジを介して起立する嵌合筒52を上方付勢状態で前記保持筒40の周壁41内へ上下動自在に嵌合させ、
さらに、前記保持筒40下面と前記アダプタ部材20の内向きフランジ21dとの間隙および前記保持筒40外面と前記筒壁31内面との空間を、前記液流入孔41dおよび前記弁体部54を介して前記第1噴出路Xへ連通する第2噴出路Yに形成したことを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記キャップ70は、周壁71a上端にフランジ状の頂壁71bが形成されたキャップ本体71と、前記フランジ状の頂壁71bの内周面に嵌合された環状板72a内縁から嵌合筒72cを起立するノズルヘッド装着部材72とから構成され、前記ノズルヘッド90は前記嵌合筒72cへ上下動自在に装着されていることを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、前記弾性体80は、前記環状板72aの周縁部下面から垂下する短筒72d内へ嵌合させたリング状の弾性部材から構成され、かつ、該弾性体の内周部上面に前記ノズルヘッド90下端が当接していることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明は、前記垂下部材30の筒壁31上端に設けた前記内向きフランジ33上面から規制筒37を起立して、該規制筒上端を前記弾性体80下面へ当接させたことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、加圧液体が流入可能な主筒91下部に横孔91aを形成すると共に、横孔下縁にフラランジ状壁91bを形成し、前記フランジ状壁部91bの外周面と前記規制筒37上部内面との間隙、前記フランジ状壁部61上面と前記弾性体80下面との間隙および前記横孔91aを前記第1噴出路Xの一部に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、噴霧により容器本体内が減圧すると、弁体形成筒50が付勢部材の力により上昇して弁座部34を閉じるため、圧力がある値以下になった液体は、弁座部34とノズルヘッド90とを連通させる第1噴出路X内へ流入することができず、このため液切れがよくなって噴霧パターンが悪いストリーム状の噴出を防止することができる。
【0014】
また、本発明は、加圧液体がアダプタ部材20内の空気を空気逃し孔21cを介してアダプタ部材20外へ排気するため、ノズルヘッド90に到る第1及び第2噴出路X、Y内への加圧液体の流入が円滑に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るスプレー容器の一部断面図で、容器本体内に加圧空気を供給する前の状態を示すものである。
【図2】容器本体内を蓄圧した状態を示す図1相当図である。
【図3】ノズルヘッドを押下げて噴霧する状態を示す作用説明図である。
【図4】要部の一部を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は容器本体内に加圧空気を供給する前の状態を示すもので、同図において、1は容器本体で、胴部2上端から肩部を介して口頸部3が立設され、また胴部2下端からフランジを介して嵌合筒4が垂下されている。
【0018】
10はポンプ手段で、シリンダ11、筒状ピストン13、排気ロッド14から構成されている。容器本体1内へ起立するシリンダ11の下端部は容器本体1の胴部2下端から下方へ延設されて拡径した内外2重筒11aに形成され、内外2重筒11aは嵌合筒4へアンダーカットを介して嵌合されている。
【0019】
シリンダ11の上端部内には弁孔を有する裁頭円錐状の弁座12aが設けられており、その下端はフランジ状の連結板12bを介してシリンダ11内面に連結されており、またフランジ状の連結板12bの外周部上面から起立筒12cが起立している
【0020】
15はシリンダバルブで、起立筒12cとシリンダ11との間隙内に下方筒部を嵌着させた弾性筒15aの上端部を下方へ弯曲状に屈曲させると共に、この屈曲部の下端部で囲まれた筒状空間を閉塞板15bで閉塞して、閉塞板15b下面をシール部を介して弁座12aへ当接させており、また弾性筒15aの弯曲状の屈曲部には複数の流出孔15cが形成されている。
【0021】
シリンダ11内に往復動自在に嵌挿された筒状ピストン13の上端部は小内径部13aに形成されて、その内面には複数の縦溝が縦設されている。筒状ピストン13の上面には弁板13bが載置されており、また筒状ピストン13の上端部外面は厚肉部に形成され、厚肉部には弁保持筒13cが嵌合されており、弁保持筒13cの上端部は大外径部に形成されてシリンダ11内面に摺動自在に接触している。この弁保持筒13cの内面に弁板13bの周面から突設した弾性連結板13dが連結されている。この弁板13bとシリンダバルブ12との間のシリンダ内空間は加圧室Aを形成する。
【0022】
筒状ピストン13の下端部は下方大径のテーパ状部13hを介して拡径されて、シリンダ11の内外2重筒11a内へ嵌合可能な嵌合部13eに形成されていると共に、テーパ状部13hには通気孔13fが形成されており、また嵌合部13eの下端からは外向きフランジを介してシリンダ11の内外2重筒11a外面へ遊嵌可能な操作筒13gが立設されている。
【0023】
排気ロッド14はその上端部が縮径されて筒状ピストン13の小内径部13a内へ摺動自在に嵌合されている。一方、排気ロッド14の下端に形成された頭部14aの周縁から柔軟フランジ板を介して嵌合筒14bを垂下して、これを筒状ピストン13の下端内へ嵌着させている。
【0024】
20は空気逃し孔付きのアダプタ部材で、容器本体内へ垂下する周壁21の上端に形成した外向きフランジ22をパッキンを介して容器本体1の口頸部3上面へ当接させている。周壁21の上部は大内径部21aに、また下部は小内径部21bに形成されて、大内径部21aと小内径部21bとの境界部に空気逃し孔21cが形成されている。
【0025】
周壁21下端部から内向きフランジ21dを介して噴出パイプ嵌合筒21eが垂設され、内向きフランジ21dの周縁部に環状溝21fが形成されている。また空気逃し孔21cより下方の周壁21部分内面に空気逃し孔21cと環状溝21fとに連通する縦溝を設けて空気逃し路21gに形成する。なお、大内径部21aの上部は拡径部21hに形成して後述するキャップのノズルヘッド装着部材の嵌合用とするのが好ましい。
【0026】
30は垂下部材で、アダプタ部材20の周壁21内面へ嵌合させた筒壁31下端部を下方小内径のテーパ状部32に形成して、このテーパ状部32を環状溝21fへ通気可能に嵌合させると共に、筒壁31上端部から内向きフランジ33を介して内筒34を垂下する。この内筒34は弁座部を構成する。この弁座部から後述のノズルヘッドに連通する流路を第1噴出路Xとする。また筒壁31上端部から外向きフランジ35を介して外筒36を垂下させて、外筒36を空気逃し孔21cより上方の周壁部分内面へ気密に嵌合させる。外筒36は下方大内径のテーパ状部に形成する。なお、上記では空気逃し路21gはアダプタ部材20の周壁21内面に設けられているが、これに限らず外筒36より下方の筒壁31部分外面に形成することも可能である。
【0027】
筒壁31上端に設けた内向きフランジ33上面から規制筒37を起立して、規制筒37上端を後述する弾性体80下面へ当接させると共に、内向きフランジ33の内周部上面から後述のコイルバネ(付勢部材)を嵌合させる嵌合筒38を起立させる。なお、後述の保持筒40嵌合用の短筒39を筒壁31の内側に垂下させる。
【0028】
40は保持筒で、筒壁31上端部内面と短筒39外面との間隙内へ周壁41の上端部を嵌合させて筒壁31内に垂下する。周壁41は上端部が大内径部41aに、上下中間部が中間径部41bに、下端部が小内径部41cに、それぞれ形成されており、大外径部41aと中間径部41bとの境界部に液流入孔41dが形成されている。
【0029】
周壁41下面は閉塞されていて、この周壁下面とアダプタ部材20の内向きフランジ21d上面との間隙および周壁41外面と筒壁31内面との空間は、液流入孔41dおよび弁座部34を介して第1噴出路Xへ連通する第2噴出路Yに形成する。
【0030】
50は弁体形成筒で、有頂周壁51の下部外面からフランジを介して起立する嵌合筒52を保持筒40の周壁41の中間径部41b内面へ上下動自在に嵌合させており、かつ、周壁51の頂壁53の周縁部を弯曲状の弁体部54として、弁体部54を弁座部34へ当接させている。弁体形成筒50は周壁51下部外面に嵌合されたコイルバネ(付勢部材)55によって上方付勢されている。
【0031】
70はキャップで、容器本体の口頸部3外面へ凹凸の係合手段を介して回動不能に嵌合された周壁71a上端にフランジ状の頂壁71bが形成されたキャップ本体71と、ノズルヘッド装着部材72とから構成されている。ノズルヘッド装着部材72はフランジ状頂壁71bの内周面に嵌合された環状板72a内縁から抜止め段部付嵌合筒72cを起立すると共に、環状板72aの周縁部下面から短筒72dを垂下し、短筒72d下端に固定フランジ72eを形成して、固定フランジ72eをキャップ本体71の頂壁71b下面とアダプタ部材20の外向きフランジ22上面との間に嵌合させると共に、固定フランジ72eの内周部下面から嵌合筒72fを垂下して、嵌合筒72fをアダプタ部材20の周壁21の拡径部21h内面へ凹凸の係合手段を介して嵌合させている。
【0032】
80は弾性体で、環状板72a下面と短筒72d内面とから形成される凹部内へ外周部部が嵌合されたリング状の弾性部材から構成されている。
【0033】
90はノズルヘッドで、加圧液体が流入可能な主筒91を覆う有頂の内外2重筒からなる覆筒92から構成され、主筒91の底部は下方小径のテーパ状筒部に形成されており、テーパ状筒部は垂下部材30のコイルバネ(付勢部材)を係止する嵌合筒38の上端に近接している。主筒91の下部には複数の横孔91aが形成され、横孔91aの外面には弾性体80の内縁が当接している。また横孔91より上方の主筒91部分外面には抜止め段部が形成され、これが抜止め段部付嵌合筒72c内へ上下動自在に嵌合されている。また横孔91a下縁にはフランジ状壁91bが形成され、コイルバネ(付勢部材)を係止する嵌合筒38とフランジ状壁91bより下方の主筒91部分外面にはコイルバネ(付勢部材)91cが嵌合されている。このフランジ状壁部61の外周面と規制筒37上部内面との間隙、フランジ状壁部91bの上面と弾性体80下面との間隙および横孔91aは第1噴出路Xの一部を形成する。覆筒92には主筒91の内部と連通する流路が形成されていて、この流路には渦流化手段とノズルとが設けられている。
【0034】
100は噴出パイプで、噴出パイプ嵌合筒21eに上端を嵌合させて容器本体内に垂下する。101はキャップ外面へ嵌合されたオーバーキャップである。
【0035】
次に作用について説明する。
ノズルヘッド90のノズルから噴霧させるには、筒状ピストン13をシリンダ11内へ押し込めばよく、するとシリンダ11の加圧室A内の空気が加圧され、これがシリンダバルブ15の閉塞板15bを弁座12aから離間させて流出孔15cから容器本体内に流出し、容器本体内を蓄圧して液体を加圧する。噴霧に際しては、筒状ピストン13を何回か押し引きして容器本体内に加圧空気を供給する。これにより液体が噴出パイプ100内に流入する。液体が噴出パイプ100内に流入すると、容器本体内が負圧化するが、これは図示しない外気導入孔を介して外気が容器本体内に導入されるため解消される。
【0036】
再度の噴霧のためには、まず頭部14a押圧により排気ロッド14を押し込んで弁板13bを強制的に押上げることにより加圧空気を強制的に抜いた後、筒状ピストン13を引くと、加圧室Aが負圧化し外気が通気孔13fを介してシリンダ11から加圧室A内に流入する。
【0037】
図3に示すように筒状ピストン13の押し込みにより、加圧液体がアダプタ部材20内に流入して弁体形成筒50を押し下げるため、弁体部54が弁座部34から離間して、第2噴出路Y内に流入した加圧液体は液流入孔41dから弁座部34と弁体部54との間を通って第1噴出路X内に流入する。一方、アダプタ部材20の空気は環状溝21f、空気逃し路21g、空気逃し孔21cを介して容器本体内へ排気される。
【0038】
次いで、ノズルヘッド90を押下げるとノズルから噴霧する。噴霧により容器本体内の圧力が減少すると、アダプタ部材20内の液体の圧力も減少するため、容器本体内の圧力が所定値以下になると、弁体形成筒50はコイルスプリング(付勢部材)のばね力により上昇して弁体部54が弁座部34に当接するため、液体は第1噴出路X内に流入できず、このためストリーム状の噴霧が防止される。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は容器本体内の液体を霧状にして噴出するスプレー容器の分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0040】
1 容器本体
3 口頸部
10 ポンプ手段
20 空気逃し孔付きのアダプタ部材
21 周壁
21c 空気逃し孔
21e 噴出パイプ嵌合筒
21f 環状溝
21g 空気逃し路
30 垂下部材
33 内向きフランジ
34 弁座部
36 外筒
37 規制筒
40 保持筒
41d 液流入孔
50 弁体形成筒
54 弁体部
60 垂下筒
70 キャップ
71 キャップ本体
72 ノズルヘッド装着部材
72a 環状板
72c 抜止め段部付嵌合筒
80 弾性体
90 ノズルヘッド
100 噴出パイプ
X 第1噴出路
Y 第2噴出路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体(1)内に加圧空気を供給して容器本体内を蓄圧するポンプ手段(10)と、
前記容器本体の口頸部(3)上面へ、上端部を係合させて前記容器本体内へ垂下する周壁(21)に空気逃し孔(21c)を形成すると共に、前記周壁(21)下端から内向きフランジ(21d)を介して噴出パイプ嵌合筒(21e)を垂設し、さらに、前記内向きフランジ(21d)の周縁部に環状溝(21f)を設けた空気逃し孔付きのアダプタ部材(20)と、
前記アダプタ部材(20)の周壁(21)内面へ嵌合させた筒壁(31)外面と前記空気逃し孔(21c)より下方の前記周壁(21)部分内面との間に前記空気逃し孔(21c)へ連通する空気逃し路(21g)を設け、かつ、該筒壁(31)下端部を前記環状溝(21f)へ通気可能に嵌合させると共に、前記筒壁(31)上端部から内向きフランジ(33)を介して垂下した内筒を弁座部(34)とした垂下部材(30)と、
前記垂下部材(30)内に保持され、かつ、上端面を弁体部(54)として、該弁体部を前記弁座部(34)へ当接させた上方付勢の弁体形成筒(50)と、
前記容器本体の口頸部(3)外面へ嵌合させたキャップ(70)と、
該キャップのフランジ状頂壁(71b)内から起立するノズルヘッド(90)とを備え、
前記ポンプ手段(10)の作動で前記容器本体内の噴出パイプ(100)を介して前記アダプタ部材(20)内面と前記弁体形成筒(50)外面との間の空間内へ流入した加圧液体が前記弁体形成筒(50)を付勢部材の付勢力に抗して下降させて前記弁体部(54)を開き、前記アダプタ部材(20)内の空気を前記環状溝(21f)、空気逃し路(21g)および前記空気逃し孔(21c)を介して前記アダプタ部材(20)外へ排気すると共に、前記加圧液体は前記弁座部(34)と前記弁体部(54)との間を介して前記ノズルヘッドへ連通する第1噴出路(X)内へ流入可能に設け、
前記ノズルヘッド(90)のノズルから噴霧することで前記容器本体内が減圧することにより、前記弁体形成筒(50)が付勢部材の付勢力により上昇して前記弁座部(34)を閉じることで液体の噴出を阻止可能に設けた
ことを特徴とするスプレー容器。
【請求項2】
前記アダプタ部材(20)の周壁(21)の上部を大内径部(21a)に、かつ下部を小内径部(21b)に形成して、該大内径部(21a)と小内径部(21b)との境界部に前記空気逃し孔(21c)を形成すると共に、前記垂下部材(30)の筒壁(31)上端部から外向きフランジ(35)を介して外筒(36)を垂下させて、該外筒(36)を前記空気逃し孔(21c)より上方の前記周壁(21)部分内面へ気密に嵌合させたことを特徴とする請求項1記載のスプレー容器。
【請求項3】
前記垂下部材(30)の筒壁(31)上端部内面へ上端部を嵌合させて垂下する周壁(41)に液流入孔(41d)を形成した保持筒(40)を備え、
前記弁体形成筒(50)の周壁(51)外面からフランジを介して起立する嵌合筒(52)を上方付勢状態で前記保持筒(40)の周壁(41)内へ上下動自在に嵌合させ、
さらに、前記保持筒(40)下面と前記アダプタ部材(20)の内向きフランジ(21d)との間隙および前記保持筒(40)外面と前記筒壁(31)内面との空間を、前記液流入孔(41d)および前記弁体部(54)を介して前記第1噴出路(X)へ連通する第2噴出路(Y)に形成したことを特徴とする請求項1または2記載の記載スプレー容器。
【請求項4】
前記キャップ(70)は、周壁(71a)上端にフランジ状の頂壁(71b)が形成されたキャップ本体(71)と、前記フランジ状の頂壁(71b)の内周面に嵌合された環状板(72a)内縁から嵌合筒(72c)を起立するノズルヘッド装着部材(72)とから構成され、前記ノズルヘッド(90)は前記嵌合筒(72c)へ上下動自在に装着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のスプレー容器。
【請求項5】
前記弾性体(80)は、前記環状板(72a)の周縁部下面から垂下する短筒(72d)内へ嵌合させたリング状の弾性部材から構成されていることを特徴とする請求項4に記載のスプレー容器。
【請求項6】
前記垂下部材(30)の筒壁(31)上端に設けた前記内向きフランジ(33)上面から規制筒(37)を起立して、該規制筒上端を前記弾性体(80)下面へ当接させたことを特徴とする請求項5に記載のスプレー容器。
【請求項7】
加圧液体が流入可能な主筒(91)下部に横孔(91a)を形成すると共に、横孔下縁にフラランジ状壁(91b)を形成し、前記フランジ状壁部(91b)の外周面と前記規制筒(37)上部内面との間隙、前記フランジ状壁部(61)上面と前記弾性体(80)下面との間隙および前記横孔(91a)を前記第1噴出路(X)の一部に形成したことを特徴とする請求項5または6に項記載のスプレー容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−52882(P2013−52882A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190204(P2011−190204)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】