スプレー装置のアクチュエータキャップ
ディスペンサーのオーバーキャップは、容器に取り付け可能なハウジングを含む。容器は、放出端を持つ傾斜作動バルブステムを含む。バルブステムの放出端は、ハウジングの放出オリフィスと流体連通するように構成されている。駆動ユニットがハウジング内に配置されており、この駆動ユニットはソレノイド、バイメタルアクチュエータ、圧電リニアモータ、または電気応答性ワイヤを含み、バルブステムに横方向の運動を与え、容器のバルブを開くように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示物は一般にスプレー装置からの流体の放出に関し、より具体的には加圧エアロゾル容器から流体を放出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル容器の放出装置は典型的に、エアロゾル容器のノズルに係合するためのアクチュエータ機構を含む。従来のアクチュエータ機構は、下方に圧力を加えてノズルを押し容器内のバルブを開くモータ被駆動連結手段を含む。典型的には、このようなアクチュエータ機構は扱いにくく、独立して使用できるように、また手で持って扱えるようにするには適していない。さらに、このようなアクチュエータ機構の多くは大量の電力を消費する。
【0003】
エアロゾル容器の従来のアクチュエータの一例は、ベースとそこから垂直に延出するプレートを含む。ブラケットがプレートから横方向に延出し、容器を支持するように構成される。ソレノイドが容器の上端にわたるようにブラケットに取り付けられる。U字型ブラケットがソレノイドの軸に固定され、第1の位置と第2の位置との間を移動可能である。ソレノイドに通電すると、U字型ブラケットは下方へ押されて第2の位置へと至り、容器のバルブステムに係合してこれを押す。そうすることで容器内のバルブを開き流体を放出させる。
【0004】
別の例では、エアロゾル容器から流体を自動的にスプレーする装置が、容器の上端に取り付けられたバルブユニットを含む。バルブユニットは、内部に配置されたバルブとこのバルブを開くための垂直に押下可能なバルブロッドを含む。フローティングバルブが装置内に配置され、垂直に押下可能なバルブロッドに装着される。バイメタル部材が装置内に配置され、付与される熱のレベルに応じて素早く形状を変えるように構成される。使用状態にある場合、バイメタル部材はフローティングバルブを下方に押し、バルブを開いて容器から流体を放出させることができる。
【0005】
さらに別の例では、スプレーディスペンサーはバイメタル部材を利用し、プランジャまたはバルブステムを垂直に作動させて容器内からエアロゾル流体を解放する。
【0006】
さらに、別の例は、垂直に作動可能なプランジャをその上に取り付けたアクチュエータ機構を有するオーバーキャップを含む。このオーバーキャップはエアロゾル容器の上端に取り付けられ、容器はそこから外側に延出するバルブ要素を含む。このバルブ要素は、第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間を垂直に押下可能である。使用中は、アクチュエータ機構は信号を受け取りソレノイドによってプランジャを下方に駆動させバルブステムを垂直に押下する。そうすることでバルブ要素の出口を通って流体を放出させる。
【0007】
さらに別の例では、容器を流体で満たすためのフレキシブルノズルが4枚のフラップを有するノズルを含む。形状記憶ワイヤが4枚のフラップそれぞれと一体化している。形状記憶ワイヤはニチノールなどの変形可能な材料または圧電材料からなる。形状記憶ワイヤに熱または電気を与えたり与えるのを止めたりすると、ワイヤは収縮位置と拡張位置との間を交互に変形し、容器を満たす過程で流体の流れを調整する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1実施形態によると、ディスペンサーのオーバーキャップは、容器に取り付け可能なハウジングを含む。この容器は、放出端を有する傾斜作動バルブステムを含む。バルブステムの放出端はハウジングの放出オリフィスと流体連通するように構成される。駆動ユニットがハウジング内に配置され、この駆動ユニットは、バルブステムに横方向の動きを与えて容器のバルブを開くように構成された、バイメタルアクチュエータ、圧電リニアモータ、または電気応答性ワイヤを含む。
【0009】
本発明の別の実施形態によると、ディスペンサーのオーバーキャップは、傾斜作動バルブステムを有する容器に取り付けられるように構成されたハウジングを含む。このハウジングは、放出オリフィスを含む。散布部材がバルブステムの一部分に配置されるように構成され、この散布部材の導管がバルブステムの放出端およびハウジングの放出オリフィスと流体連通する。駆動ユニットがハウジング内に配置され、この駆動ユニットは、散布部材に横方向の動きを与えるように構成されたソレノイドを含む。
【0010】
本発明の別の実施形態によると、ディスペンサーのアクチュエータは、放出オリフィスのある傾斜作動バルブステムを有する容器を含む。散布部材がバルブステムの一部分に配置され、その散布部材の導管がバルブステムの放出オリフィスと流体連通する。散布部材と係合して傾斜作動バルブステムを動作位置に置くための手段を有する駆動ユニットが提供される。
【0011】
本発明の他の態様や利点は、以下の詳細な記述を考察することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】アクチュエータオーバーキャップの1実施形態の等角図である。
【図2】図1のオーバーキャップの正面図である。
【図3】図1のオーバーキャップの背面図である。
【図4】図1のオーバーキャップの右側面図である。
【図5】図1のオーバーキャップの左側面図である。
【図6】図1のオーバーキャップの上面図である。
【図7】流体の容器に取り付けられた図1のオーバーキャップの等角図である。
【図8】取り外し可能なキャップとブラケットを示す、図1のオーバーキャップの分解等角図である。
【図9】明瞭にするためにブラケットの一部を取り除き、図7の直線9−9に沿って切り取った一部断面拡大正面図である。
【図10】ハウジングの一部を取り除いた図1のオーバーキャップの等角図である。
【図11】図10のオーバーキャップの別の等角図である。
【図12】図10のオーバーキャップの上面図である。
【図13】図10のオーバーキャップの正面図である。
【図14】図10のオーバーキャップの背面図である。
【図15】図10のオーバーキャップの右側面図である。
【図16】図10のオーバーキャップの左側面図である。
【図17】AC電源コネクタを含む、図1に示したものと同様のオーバーキャップの別の実施形態を示す図である。
【図18A】明瞭にするためにオーバーキャップからブラケットを取り除いた、図1〜16のオーバーキャップ内のソレノイドの作動前位置と作動後位置を示す図である。
【図18B】明瞭にするためにオーバーキャップからブラケットを取り除いた、図1〜16のオーバーキャップ内のソレノイドの作動前位置と作動後位置を示す図である。
【図19】第1の動作シーケンスに係る図1〜16のオーバーキャップの動作を示す、タイミング図である。
【図20】ソレノイドを図1〜16のオーバーキャップ内に位置させ得る種々の向きを示す図である。
【図21】ソレノイドがバイメタルアクチュエータに代えられていることを除いて図20のオーバーキャップに類似するオーバーキャップの別の実施形態を示す図である。
【図22】ソレノイドが圧電リニアモータに代えられていることを除いて図20のオーバーキャップに類似するオーバーキャップのさらに別の実施形態を示す図である。
【図23】電気応答性ワイヤを利用するオーバーキャップの別の実施形態の等角図である。
【図24】先に点線で示されたオーバーキャップの一部を取り除いた図23のオーバーキャップの平面図である。
【図25】フレーム、流体容器、ソレノイドを示す装置の別の実施形態の等角図である。
【図26】図25の装置の正面図である。
【図27】図25の装置の右側面図である。
【図28】図25の装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜6は、ほぼ円筒形のハウジング20を有するアクチュエータオーバーキャップ10を示す。このハウジング20は、ベース部分22と取り外し可能なキャップ24を含む。ベース部分22は、従来通りのエアロゾル容器30の上端28に保持されるように構成された円筒形セクション26からなり、これは図7に示されており以下により詳細に説明する。柱32が円筒形セクション26の上端34から上方に延出している。この柱32は、その外壁に長円形のプッシュボタン38がある湾曲した先端36を含む。プッシュボタン38には凹形のくぼみ40がさらに設けられている。円筒形の棒42(図8を参照)が、柱32のプッシュボタン38のほぼ反対側の内壁44に設けられている。
【0014】
取り外し可能なキャップ24は、円筒形セクション26の上端34にほぼ等しい直径の円筒形の底部分46を含む。側壁48がキャップ24の底部分46と上部分50との間に延出している。側壁48は、キャップ24の長手軸線52を中心に外側にテーパー付けされているため、底部分46付近のキャップ24の断面直径は上部分50付近のキャップ24の断面直径よりも小さい。キャップ24の均一なテーパー付け部分は、段状部分54によって切り落とされている。段状部分54は、キャップ24の長手軸線52に向かって内側に延出する第1のテーパー面56と第2のテーパー面58を含む。第1のテーパー面56と第2のテーパー面58は、キャップ24の底部分46付近の溝62の両側に配置された第1の端60a、60bをそれぞれ含む。テーパー面56、58は、第1の端60a、60bからキャップ24の、溝62と反対側で上部分50に隣接する部分64に向かって上方に湾曲している。
【0015】
取り外し可能なキャップ24の上面66は凸形で、円形の周縁68によって囲まれている。上面66の中央には楕円形状の放出オリフィス70が配置されている。放出オリフィス70の周辺には、切頭円錐形の壁72がキャップ24の内部へと下方に垂下している。湾曲した溝74が放出オリフィス70と周縁68との間に配置されている。この溝74は平坦な底76を含み、そこには矩形切り欠き78が配置される。開口80も溝74と周縁68との間に設けられている。開口80内には光伝達棒82が締まりばめによって保持されている。
【0016】
図8〜16に示すように、ベース部分22は、円筒形セクション26の上端34に配置されたプラットフォーム90を含む。このプラットフォーム90の寸法は、キャップ24をベース部分22に装着する際に取り外し可能なキャップ24の底部分46と摩擦係合するように決められている。図9は、プラットフォーム90が内方に段の付いた部分からなり、これが側壁94と上部分96を含むことを示す。側壁94は、キャップ24の底部分46付近の内壁102にある環状部分100をぴったりと受け取るように構成された円周切り欠き98を含む。さらに、付加的な保持支持手段が溝62によって提供されており、これはキャップ24をベース部分22に配置する際に柱32をぴったり受けるように寸法が決められている。セクション26にキャップ24を配置する場合、ユーザは溝62と柱32とを合わせ、キャップ24がベース部分22の上端34と接触しプラットフォーム90と締まりばめを形成するまで、このキャップを下方にスライドさせる。ベース部分22の下端104もまた、エアロゾル容器30の上端28にはまるように形成されている。オーバーキャップ10の別の実施形態では、キャップ24とベース部分22が一体的なユニットを形成し、これが締まりばめによって容器30の上に装着される。実際にはハウジング20が1つの構成要素からなるのかそれより多い構成要素からなるのかに関わらず、ハウジング20を当業者によって知られているあらゆる方法で容器30に保持してよい。例えば、米国特許第4,133,448号、第5,027,982号、第5,649,645号に記載されているオーバーキャップ保持構造(これら全体が参照として本明細書中に援用される)を本明細書に記載した実施形態のいずれかと共に使用してよい。さらに、本明細書に記載したオーバーキャップ10の外観のいずれも当業者によって知られているあらゆる方法で修正してよく、例えば、段状部分54をなくすこともできるし、ハウジング20に違う形状を設けることもできる。
【0017】
オーバーキャップ10は、特定の条件が起こると容器30から流体を放出する。この条件とは手作業によるオーバーキャップ10の作動でもよいし、タイマーまたはセンサからの電気信号に応答したオーバーキャップ10の自動的な作動でもよい。放出される流体は、キャリヤ液、脱臭液などに配された芳香剤や殺虫剤でよい。流体は、消毒剤、エアフレッシュナー、臭気除去剤、かび防止剤、防虫剤などの他の活性剤、および/またはアロマセラピー的特徴を持つものからなってもよい。或いは、流体は容器から散布可能な当業者に知られているあらゆる流体を含む。したがってオーバーキャップ10は、任意の数の異なる流体配合物(fluid formulations)を散布するように構成されている。
【0018】
容器30は、当業者に知られているあらゆるサイズおよび容量のエアロゾル容器でよい。ただし、容器30はその上端28にクリンプ(ひだ形成)された取り付けカップ142を有する本体140(図17参照)からなるのが好ましい。取り付けカップ142はほぼ円筒形状で、その円周に延出する外壁144を含む。台座146が取り付けカップ142のベース148の中心部分から上方に延出している。容器30内のバルブアセンブリは、台座146から上方に延出するバルブステム172を含む。バルブステム172は、全体が参照によって本明細書中に援用される米国特許第4,068,782号に記載されているものに類似する傾斜作動型である。バルブステム172の先端を容器30の長手軸線52から十分な角度、すなわち動作位置へと傾けると、バルブアセンブリが開き容器30の中身がバルブステム172の放出オリフィスまたは端(図示せず)を通って放出される。容器30の中身は、連続的に放出されても計量された用量で放出されてもよい。さらに、容器30の中身の放出を任意の数の方法で行ってよく、例えば放出は一部計量された用量または複数の連続放出を含んでもよい。
【0019】
垂直作動バルブステムに対して傾斜作動バルブステムを本実施形態と共に使用するのが特に有益である。傾斜作動バルブステムを使用することの利点の一つは、垂直作動バルブステムと比べると、バルブステムを動作位置に置くのに必要な力がより小さいことである。より小さい作動力は使用されている特定の駆動機構による電力消費の減少につながり、これによってよりシンプル、より小型、かつ/またはより低コストの駆動機構がもたらされる。さらに、電力消費の減少によって電源の寿命も延長するであろう。このような利点や他の利点は、本開示物を読み進めることで当業者には容易に明らかになるであろう。
【0020】
上記のように、ハウジング20は容器30の上端28に保持されるように構成されている。図9は、本実施形態がベース部分22の内周184の周りに退避部180、182を含むことを示す。この退避部180、182は、取り付けカップ142と共に締まりばめを形成する面186a、186bと、ベース部分22を容器30に動作可能に装着する場合の容器30のそれぞれのネックによって定められる。
【0021】
図10〜16を参照すると、ブラケット200がプラットフォーム90から上方に延出して示されている。ブラケット200は、第1の壁202と、この第1の壁202に平行で且つこれから離間しており、チャンネル206を定める第2の壁204とを含む。第1のプレート208が第1の壁202と第2の壁204の間で、チャンネル206の先端210に配置されている。リブ216が第1の壁202の外面218に設けられており、その上に制御回路が配置されたプリント回路基板230を支持する。第2の壁204には、その両側に第1のフレーム部材234、第2のフレーム部材236が設けられている。第1のフレーム部材234、第2のフレーム部材236は3本のAA電池のセットからなるDC電源238を保持するように構成されている。本実施形態の電源238は、この電池の他の電源との互換性を示すべく概略的に示されている。幾つかの実施形態では、AA電池をリチャージャブルニッケルカドミウムバッテリーパックに代えることができ、このバッテリーパックは図17に示すようなAC電源コンセント244に接続するために使用できる電気リード線242を有する。別の実施形態では、DC電源238全体を当業者に知られているような適当な電源トランスやAC/DCコンバータを有するAC電源アダプターに代えてもよい。
【0022】
制御回路によって、駆動機構または駆動ユニット260の電気的作動が流体を容器30から放出させることができる。図18Aおよび18Bは、プリント回路基板230上に配置されたスイッチ262を示す。スイッチ262は、手作業によるプッシュボタン38の押下によってスイッチ262が作動するように、プッシュボタン38と動作可能に位置合わせされている。さらに、ユーザ選択可能スイッチアセンブリ264がプリント回路基板230の上部分付近に配置されている。ユーザ選択可能スイッチアセンブリ264は、そこから上方に延出するフィンガ266を含む。このフィンガ266は、(以下により詳細に説明するように)回路の異なる動作モードを選択するために使用され得る。フィンガ266は、キャップ24がベース部分22に係合しているときは切り欠き78内にはまっているため、ユーザはフィンガ266を動作させる操作が可能である。プリント回路基板230上に配置された発光ダイオード(LED)268がキャップ24の光伝達棒82付近に位置している。
【0023】
図8、9、11、15、16、18A、18Bに示すように、ソレノイド270の形態の駆動ユニット260がチャンネル206内に配置されている。本実施形態では、ソレノイド270はオハイオ州バンダリアにあるサイアバージェス社によって販売されているレデックス(登録商標)Cフレーム、サイズC5、DC作動ソレノイドである。しかしながら、当業者に知られている他のソレノイドを本明細書に記載した原理から逸脱することなく利用してよい。例えば、ソレノイド270はインディアナ州ミシャウォーカにあるトライテックLLCが製造するソレノイド、例えばシリーズ1551ソレノイドアクチュエータでもよい。ソレノイド270は、ねじ(図示せず)によって第1の壁202に装着される取り付けブレース274を含む。アーマチュア278がソレノイド270からプラットフォーム90に向かって下方に延出している。本実施形態では、アーマチュア278はバルブステム172および容器30の長手軸線52にほぼ平行である。アーマチュア278は、先端282にスロット280a、280bを含む。
【0024】
図9、12、15、16を特に参照すると、散布部材290が示されている。本実施形態では、散布部材290は上端294と下端296をそれぞれ有する円筒形部材からなる。図9を参照すると、ハウジング20が容器30上に配置されている場合、バルブステム172の先端は散布部材290の下端296付近の円形開口(図示せず)内に着座している。図12で分かるように、穴300がその開口から散布部材290の上端294を通って延出している。他の実施形態では、散布部材290は非円筒形状からなり、かつ/または部材290の全長または一部の長さにわたって変化する断面寸法を含む。例えば、穴300の放出端は穴300の他の部分よりも狭くてもよいし、穴300の他の部分に対して角度が付けられてもよい。さらに散布部材290の全長にわたって延出する穴300の全体または一部は円筒形でもあらゆる他の形状でもよく、例えば、散布部材290の上端295付近の穴300の放出端は正方形でもよい。散布部材290の上端294は、放出オリフィス70から垂下する切頭円錐形壁72付近に、かつ/またはこの壁の内部に配置される。散布部材290は、その上端294と放出オリフィス70が位置合わせされるように中心に置かれるのがよい。図10、12、15は、散布部材290が横方向に延出するアーム302も含むことを示す。コイルばね304がチャンネル206内の第1のプレート208とアーム302の先端306との間に締まりばめによって固定されている。図9、11、12、16は、同様に散布部材290から横方向に延出する第2のアームまたはベルクランク308を示す。
【0025】
図9および16を参照すると、ベルクランク308の先端310は溝314を定める2つの部材312a、312bを含む。コネクタ318がベルクランク308の先端310とアーマチュア278の先端282との間に延出している。本実施形態のコネクタ318は矩形のプラスチック部分からなるが、他の形状および材料を使用してもよいことが予想される。コネクタ318は、第1の端324および第2の端326のそれぞれに穴を含む。第1のピン328が第1の端324付近のコネクタ318およびアーマチュア278のスロット280a、280bへと挿入される。これと同様に、第2のピン330が第2の端326付近のコネクタ318およびベルクランク308内の穴へと挿入される。したがって、コネクタ318はアーマチュア278をベルクランク308に機械的に接続する。
【0026】
バルブアセンブリを開き容器30の中身を放出する前に、アーマチュア278、コネクタ318、ベルクランク308は、図18Aに示すような作動前位置332に位置している。オーバーキャップ10が作動前位置332に位置している場合には、バルブステム172の先端は容器30の長手軸線52に平行であるのが好ましい。或いは、散布部材290およびバルブステム172はバルブアセンブリを開くには不十分な距離だけ横方向に変位していてもよい。アーマチュア278、コネクタ318、ベルクランク308が図18Bに示すような作動位置334へと移行すると、散布部材290およびバルブステム172は容器30の長手軸線52から十分な距離だけ傾斜して完全にバルブアセンブリを開く。或いは、作動位置334にある場合にはバルブステム172を部分的に開いた位置へと変位させてもよい。
【0027】
図18Bを参照し、本実施形態のソレノイド270の作動をより具体的に説明する。作動信号を受け取るとソレノイド270に通電し、アーマチュア278を容器30の長手軸線52にほぼ平行な経路に沿って下方へと磁気駆動する。アーマチュア278の線形運動は、機械的連結手段として作用するコネクタ318によるベルクランク308の回転変位へと変換される。ベルクランク308の回転変位によって散布部材290が長手軸線52を中心に回転する。これと同様に、散布部材290の回転によってその下端296がバルブステム172に係合し、また長手軸線52を横切る力が加わることでバルブステム172を回転変位させ、作動位置334へと押しやる。ソレノイド270の作動を停止すると、アーマチュア278はソレノイド270に向かって上方へと押しやられ、それによってコネクタ318およびベルクランク308は上述の作動前位置332に戻ることができる。バルブステム172を開いた状態で保持するようにこれに作用する横方向の力が一切なければ、バルブステム172は容器30の長手軸線52にほぼ平行な閉じた位置へと戻り流体の放出を防ぐ。バルブステム172が閉じた位置へと戻るのは、ばね304、機械的に連結されたアーマチュア278によって加えられる力、容器30のバルブアセンブリによって加えられる力の1つまたはそれより多くのによって行われてよい。
【0028】
ソレノイド270は適当な時間駆動され、かつ/または適当に変位されてバルブステム172を完全にもしくは部分的に開くことが予想される。具体的な移動距離および/または要素、例えばアーマチュア278、コネクタ318、ベルクランク308のいずれの長さは、要素間の機械的関係を調整し、バルブステム172を部分的にまたは完全に傾斜させるように当業者に知られている方法で修正してよい。必ずではないが、アーマチュア278は所定の時間(「スプレー期間」)だけ放出位置に保持されるのが好ましい。スプレー期間の時間は、典型的には約170ミリ秒に等しい。実際には、所望であれば容器の中身全てが排出されるまでアーマチュア278を放出位置に保持することができる。さらに、アーマチュア278を単一の作動信号の発生に応答して複数回変位させ、複数の連続的な放出を行ってもよい。複数の連続的な放出は、持続的に放出する容器からの一回の放出が望ましくない場合または断続的な放出が望まれる場合に有益かもしれない。
【0029】
図19は、使用状態にあるオーバーキャップ10の動作を示す本実施形態のタイミング図を示す。最初に、フィンガ266を「オフ」位置から4つの動作モード350、352、354、356(図18Aおよび18B参照)の1つへと移動させることでオーバーキャップ10に通電すると、オーバーキャップ10は立ち上がり遅延期間に入る。4つの動作モード350、352、354、356はそれぞれ連続するスプレー期間の間の所定のスリープ期間に相当する。例えば、第1の動作モード350は5分間のスリープ期間に相当し、第2の動作モード352は7分半のスリープ期間に相当し、第3の動作モード354は15分間のスリープ期間に相当し、第4の動作モード356は30分間のスリープ期間に相当する。本発明の例では、第1の動作モード350が選択されたとする。立ち上がり遅延期間が終了すると、ソレノイド270は第1のスプレー期間中にオーバーキャップ10から流体を放出するように指示される。立ち上がり遅延期間は約3秒間であることが好ましく、スプレー期間は典型的には約170ミリ秒間である。第1のスプレー期間が終了すると、オーバーキャップ10は5分間の第1のスリープ期間に入る。第1のスリープ期間が終了すると、ソレノイド270は第2のスプレー期間中に流体を放出するように作動される。その後オーバーキャップ10は5分間の第2のスリープ期間に入る。本発明の例では、第2のスリープ期間は手作業によるオーバーキャップ10の作動によって中断され、流体は第3のスプレー期間中に散布される。その後はスリープ期間とスプレー期間が交互に来る自動的な動作が続く。スリープ期間中いつでも、ユーザはプッシュボタン38を押すことで手作業によってオーバーキャップ10を選択可能な期間または一定期間だけ作動させることができる。手作業によるスプレー動作が終了すると、オーバーキャップ10途中のスリープ期間を完了させる。その後スプレー動作が行われる。
【0030】
別の実施形態では、スイッチアセンブリ264をフォトセルモーションセンサに代え、かつ/またはこれを補充してもよい。当業者に知られている他の動作検出器、例えば受動型赤外線もしくは焦電モーションセンサ(pyro-electric motion sensor)、赤外線反射モーションセンサ、超音波モーションセンサ、レーダーもしくはマイクロ波無線モーションセンサを利用してもよい。フォトセルは周辺光を集め、制御回路がその光の強度のあらゆる変化を検出できるようにする。フォトセル出力のフィルタ処理は、制御回路によって行われる。閾値光条件に到達している、例えば所定のレベルの光強度の変化に到達していると制御回路が判断すると、制御回路は信号を発し、ソレノイド270を作動させる。例えば、オーバーキャップ10が明るい浴室に配置されている場合、センサを通過する人物は十分な量の周辺光がセンサに到達するのを遮断するため、制御回路にソレノイド270を作動させ、流体を放出させる。
【0031】
スイッチアセンブリ264を振動センサ、臭いセンサ、熱センサ、または当業者に知られているあらゆる他のセンサに代えるかまたはこれらに補充してもよいことも想像される。或いは、スイッチアセンブリ264の代わりにまたはこれと組合わせて1以上のセンサをオーバーキャップに設けてもよい。当業者はユーザのニーズを満たすべくあらゆるタイプのセンサを単独でまたはスイッチアセンブリ264および/もしくは他のセンサと組合わせて設けてよいことが予想される。特定の1実施形態では、スイッチアセンブリ264およびセンサは同じオーバーキャップに設けられる。このような実施形態では、ユーザはオーバーキャップ10の駆動ユニット260を自動的に動作させるためにタイマーベースのスイッチアセンブリ264を使用することを選択してもよいし、オーバーキャップ10の作動に先立って所与のイベントを検出するためにセンサを選択してもよい。或いは、オーバーキャップ10はタイマーとセンサベースの動作モードで同時に動作してもよい。
【0032】
オーバーキャップ10が動作状態にある場合、LED268は光伝達棒82を照射する。LED268はスリープ期間中15秒ごとに1回断続的に点滅する。選択された動作モードに応じて、LED268の点滅頻度はスプレー期間が迫ると増え始める。LED268がより頻繁に照射することによって、オーバーキャップ10が流体の中身を大気中に放出しようとしていることを視覚的に示す役目を果している。
【0033】
駆動ユニット260を本明細書に記載した原理から逸脱することなく別の動作方向に配置できることが想像される。図20に示すように、駆動ユニット260の中心軸線392が容器30の長手軸線52と垂直になるように、駆動ユニット260を第1の位置390に配置してよい。別の実施形態では、駆動ユニット260の軸線392は容器30の長手軸線52に対して45°の角度にある第2の位置394に配置される。実際には、駆動ユニット260を任意の数の方向に位置させてよく、その場合駆動ユニット260の軸線392は容器30の長手軸線52に平行であり、垂直であり、あらゆる他の角度をとる。散布部材290および駆動ユニット260と動作上つながったままになるようにベルクランク308および/またはコネクタ318を調整できる方法は、当業者には明らかであろう。
【0034】
バルブステム172に回転運動および横方向の力を与えるために他の連結手段および機械システムを使用してよいことも予測される。例えば、図20は容器30の長手軸線に対して45°の角度で配置された駆動ユニット260を有する実施形態を示す。連結システム400は、第1のアーム402、第2のアーム404、第3のアーム406を含む。第1のアーム402は、ピン410によってソレノイド270のアーマチュア408に装着される。第2のアーム404は、ピン412、414によって第1のアーム402および第3のアーム406にそれぞれ装着される。第3のアーム406も散布部材290の一部分に一体的に装着される。ソレノイド270が作動すると、アーマチュア408の線形運動によって第1のアーム402が散布部材290に向かって下方且つ横方向に移動させられる。第2のアーム404によって第1のアーム402に機械的に連結する第3のアーム406は長手軸線52を中心に回転変位する。本実施形態における第3のアーム406の回転変位によって散布部材290はソレノイド270から離れて上に開示した実施形態とは反対方向に傾斜する。ただし、先の実施形態と同様に、散布部材290の回転によってその下端296がバルブステム172と係合しこれを回転変位させる。バルブステム172の回転変位は、バルブステム172に作用してこれを傾斜させ、容器30内のバルブアセンブリを開いて流体を放出させる横方向の力成分を含む。駆動ユニット260をバルブステム172および/または容器30の長手軸線52に対してあらゆる角度で置いてよいことが想像される。さらに、例えばアーム402〜406の1つまたはそれより多くのサイズを縮小することでここに示したオーバーキャップのいずれかに収まるように本実施形態の連結システム400を修正してよいことも想像される。
【0035】
図20は、駆動ユニット260が容器30の長手軸線52を横断するように配置されるさらに別の実施形態を示す。作動シーケンス中、延出した位置においてアーマチュア408が散布部材290に衝撃を与えるように、アーマチュア408は容器30の長手軸線52に垂直な方向成分を持つ経路に沿って方向付けられる。このような横方向の力を散布部材290に加えることによって散布部材は長手軸線52を中心に回転し、バルブステム172は開いた位置に配置される。そうすることで容器30の中身を放出することができる。別の実施形態では、散布部材290をなくし、作動シーケンス中にアーマチュア408がバルブステム172に直接衝撃を与えるように構成される。別の実施形態では、連結システム(図示せず)がアーマチュア408の先端と散布部材290の一部分との間に設けられる。
【0036】
図21に示す別の実施形態では、駆動ユニット260のソレノイドがバイメタルアクチュエータ460に代わっている。バイメタルアクチュエータ460は、熱を与えられると所定の方法で収縮および膨張するバイメタル素子462を含む。従来のバイメタル素子は異なる熱膨張特性を呈する少なくとも2枚の金属ストリップからなる。このような2枚の金属ストリップを例えばろう付け、溶接、リベットによって合わせることで、バイメタルアクチュエータは周知のレベルの熱を与えられると所定の物理的変位を起こす。バイメタルアクチュエータ460は、タイマーまたはセンサからの電気信号に応答する内蔵型の熱源を含んでもよい。例えば、特定の時間の終了に応答してヒーターを作動させるように、既に本明細書に記載した制御回路を構成してもよい。当業者ならば、多くの異なるタイプのヒーターを本明細書に記載した実施形態で使用してよいこと、例えば金属酸化物抵抗器などの電気抵抗ヒーターをバイメタルアクチュエータ460で使用してよいことを認識するであろう。
【0037】
本実施形態では、周知のレベルの熱がバイメタルアクチュエータ460に与えられると、バイメタル素子462の先端464は容器30の長手軸線52およびアクチュエータ460の長手軸線466を実質的に横切る方向に曲がる。例えば本実施形態では、バイメタル素子462はピン468によってベルクランク308に固定される。バイメタル素子462は熱を与えられると曲がり、素子462の先端464は回路基板230に向かって横方向に曲がる。バイメタル素子462が曲がることによって、ベルクランク308および散布部材290の制御回路230に向かった回転変位が生じる。散布部材290の回転によって、上述の方法と同じ方法で容器30から流体が放出される。熱の供給が終了するかまたは冷却動作が行われると、バイメタル素子462は図21に示すような作動前位置へと湾曲する。バイメタルアクチュエータ460は本明細書に開示した方法論および構造のいずれとともに使用されることが意図されている。さらに、バイメタルアクチュエータ460をオーバーキャップ10内の任意の数の位置に同様に配置してよく、例えば図21は長手軸線52に平行そして垂直に配置されるバイメタルアクチュエータ460を示す。
【0038】
図22に示す別の実施形態では、駆動ユニット260のソレノイドが圧電リニアモータ470に代えられている。圧電リニアモータ470は、特定のレベルの電気が与えられると所定の方法で線形に収縮および膨張する圧電素子472を含む。従来の圧電アクチュエータは複数の圧電プレートまたはディスクを重ねることで製造されており、プレートまたはディスクのスタックはその軸線に平行な方向に線形に膨張する。本実施形態の圧電リニアモータ470は、ドイツのカールスルーエ(Karlruhe)にあるPhysik Instrumente GmbH & Co.によって製造されているものと同じモータからなってもよい。当業者に知られている他の圧電デバイスを本明細書に記載した実施形態で使用してよく、例えば圧電チューブアクチュエータを本明細書に記載した実施形態で使用してよいことも予想される。
【0039】
本実施形態では、周知の電圧が圧電素子472に印加されると、この素子は圧電リニアモータ470の長手軸線474に平行な方向に線形に膨張する。圧電素子472の先端はピン476によってベルクランク308に装着されている。圧電素子472の膨張によってこの素子がベルクランク308に衝撃を与え、他の実施形態に関して上述した方法と同様の方法で散布部材290の回転変位を生じさせる。圧電リニアモータ470の通電停止によって、圧電素子472が収縮し散布部材290およびバルブステム172は図22に示すような非作動位置へと戻る。圧電リニアモータ470は本明細書に記載した方法論および構造のいずれと共に使用されることが意図されている。さらに、圧電リニアモータ470をオーバーキャップ10内の任意の数の位置に同様に配置してよく、例えば図22は長手軸線52に平行、軸線52に垂直、および軸線52に対して45°の角度をなす圧電リニアモータ470を示す。
【0040】
図23および24に示されるさらに別の実施形態では、駆動ユニット260が電気応答性ワイヤ480、例えば形状記憶合金(SMA)に代えられている。本実施形態では、SMAはニッケル−チタン合金であり、カリフォルニア州のサンラファエルにあるモンド・トロニクス社によってマッスルワイヤ(登録商標)というブランド名で販売されている。電気応答性ワイヤ480は、周知のレベルの熱を供給されると予想可能な方法で収縮および膨張する。電気応答性ワイヤ480が電源に接続されると、ワイヤ480の抵抗がワイヤ480の変形に必要な熱を発生する。
【0041】
本実施形態では、キャップ486の内面484にワイヤ取り付け部482aおよび482bが設けられている。キャップ486は、容器30の上端28でキャップ486を保持するように構成された下端488を含む。電気応答性ワイヤ480は、ワイヤ取り付け部482aの周りに巻きつけられた第1の端490と、ワイヤ取り付け部482bの周りに巻きつけられた第2の端492を含む。しかし他の実施形態では、電気応答性ワイヤ480は機械的にまたは他の手段によってワイヤ取り付け部482a、482bに固定される。作動前位置では、電気応答性ワイヤ480はバルブステム172から離間しているかまたは容器30のバルブアセンブリを開かない程度にバルブステム172に接触している。作動信号を受け取ると、電気応答性ワイヤ480は収縮し、バルブアセンブリを完全にまたは部分的に開くのに十分な横方向の動きをバルブステム172に与える。他の実施形態ではワイヤ取り付け部482a、482bは面486のバルブステム172に、より近接してもよいし、又はこれから離れるようにしてもよいことが予想される。さらに、ワイヤ取り付け部482a、482bを面486の外周上においてより間隔を狭く配置してもよく、幾つかの実施形態では、バルブステム172の横方向の変位が大きくなるであろうことも予測される。別の実施形態では、電気応答性ワイヤ480は、バルブステム172に直接接触するのではなくバルブステム172と流体連通している散布部材(図示せず)に接触する。この部材は、例えば上述の散布部材290に似た部材である。電気応答性ワイヤ480の通電停止によってワイヤは作動前位置へと膨張し、そうすることでバルブステム172が作動前位置に戻ることができる。電気応答性ワイヤ480の収縮・膨張シーケンスは、上述の動作方法論と同じように回路によって制御されてよい。さらに、キャップ486の形状、放出オリフィス494の変位、または容器30上におけるキャップ486の保持方法などの本実施形態の構造上の構成要素は、本明細書に記載した実施形態に照らして修正してよい。これと同様に、本明細書に記載した実施形態のいずれも、内面484または本実施形態に関して本明細書に開示したあらゆる他の構造を含むように修正してよいことが予想される。
【0042】
図25〜28に示す別の実施形態では、容器30はフレーム550を有する装置500内に配置されている。フレーム550は、ベース部分552とテーパー付き円筒形壁554を含む。凹部556がベース部分552内に設けられており、容器30を受けるように構成されている。柱558がベース部分552と一体化しており、そこから上方に延出している。柱558は、容器30の長手方向の最大長さを越えて延出している。張り出し部分560が柱558の上端562において柱から垂直に延出しており、ベース部分552の一部分の上に懸かっている。上述のソレノイド270と同様でよいアーマチュア566を伴うソレノイド564が張り出し部分560に設けられた開口568内に取り付けられている。フィンガ570が柱558から延出しており、容器30のネックでクランプされて容器を柱558にほぼ平行に保持する。アーマチュア566は容器30に向かって下方に延出しており、その先端574には穴572が設けられている。アーマチュア566は、容器30から上方に延出するバルブステム172にほぼ平行である。上述の散布部材290と同じでよい部材576が、バルブステム172と流体連通しており、アーマチュア566に向かって上方に延出している。部材576は、そこからほぼ横方向に延出するアーム578も含む。剛性のU字型ワイヤ580が、第1の脚582および第2の脚584を含み、第1の脚582はアーマチュア566の穴572内に保持され、第2の脚584はアーム578の開口588内に保持される。
【0043】
本明細書に記載した動作シーケンスまたは方法論のいずれを含んでよい動作シーケンスの際には、フレーム550内の制御回路(図示せず)がタイマーの経過、センサ入力、手作業による作動に応答して電気信号を生成する。この信号によって容器30の長手軸線52にほぼ平行な経路に沿ったアーマチュア566の運動が開始される。上述のコネクタ318と同じように動作するU字型ワイヤ580によって、アーマチュア566の線形運動がアーム578および部材576の回転変位に変換される。部材576の回転変位によって、横方向の力がバルブステム172に作用する。上述のように、バルブステム172に十分な横方向の力を加えることによって、容器30のバルブアセンブリが開き流体を大気中に放出する。
【0044】
本明細書に記載した実施形態のいずれも、別の実施形態に関連して開示した構造または方法論のいずれを含むように修正してよい。さらに、本開示物は具体的に示されているタイプのエアロゾル容器に限定されない。さらに、本明細書に開示した実施形態のいずれのオーバーキャップもあらゆるタイプのエアロゾル容器で動作するように修正してよい。
【0045】
<関連出願の相互参照>
該当なし。
【0046】
<連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載>
該当なし。
【0047】
<シーケンシャルリスト>
該当なし。
【産業上の利用可能性】
【0048】
当業者には、上の記載に照らして本発明に対する多数の修正が明らかであろう。したがって、本記載は単なる例示とみなされ、当業者が本発明を作成し、使用し、本発明を実施するための最良の形態を教示できるようにするために提示されている。添付の特許請求の範囲内となる全ての修正に対する独占的な権利を保持している。
【技術分野】
【0001】
本開示物は一般にスプレー装置からの流体の放出に関し、より具体的には加圧エアロゾル容器から流体を放出するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル容器の放出装置は典型的に、エアロゾル容器のノズルに係合するためのアクチュエータ機構を含む。従来のアクチュエータ機構は、下方に圧力を加えてノズルを押し容器内のバルブを開くモータ被駆動連結手段を含む。典型的には、このようなアクチュエータ機構は扱いにくく、独立して使用できるように、また手で持って扱えるようにするには適していない。さらに、このようなアクチュエータ機構の多くは大量の電力を消費する。
【0003】
エアロゾル容器の従来のアクチュエータの一例は、ベースとそこから垂直に延出するプレートを含む。ブラケットがプレートから横方向に延出し、容器を支持するように構成される。ソレノイドが容器の上端にわたるようにブラケットに取り付けられる。U字型ブラケットがソレノイドの軸に固定され、第1の位置と第2の位置との間を移動可能である。ソレノイドに通電すると、U字型ブラケットは下方へ押されて第2の位置へと至り、容器のバルブステムに係合してこれを押す。そうすることで容器内のバルブを開き流体を放出させる。
【0004】
別の例では、エアロゾル容器から流体を自動的にスプレーする装置が、容器の上端に取り付けられたバルブユニットを含む。バルブユニットは、内部に配置されたバルブとこのバルブを開くための垂直に押下可能なバルブロッドを含む。フローティングバルブが装置内に配置され、垂直に押下可能なバルブロッドに装着される。バイメタル部材が装置内に配置され、付与される熱のレベルに応じて素早く形状を変えるように構成される。使用状態にある場合、バイメタル部材はフローティングバルブを下方に押し、バルブを開いて容器から流体を放出させることができる。
【0005】
さらに別の例では、スプレーディスペンサーはバイメタル部材を利用し、プランジャまたはバルブステムを垂直に作動させて容器内からエアロゾル流体を解放する。
【0006】
さらに、別の例は、垂直に作動可能なプランジャをその上に取り付けたアクチュエータ機構を有するオーバーキャップを含む。このオーバーキャップはエアロゾル容器の上端に取り付けられ、容器はそこから外側に延出するバルブ要素を含む。このバルブ要素は、第1の閉じた位置と第2の開いた位置との間を垂直に押下可能である。使用中は、アクチュエータ機構は信号を受け取りソレノイドによってプランジャを下方に駆動させバルブステムを垂直に押下する。そうすることでバルブ要素の出口を通って流体を放出させる。
【0007】
さらに別の例では、容器を流体で満たすためのフレキシブルノズルが4枚のフラップを有するノズルを含む。形状記憶ワイヤが4枚のフラップそれぞれと一体化している。形状記憶ワイヤはニチノールなどの変形可能な材料または圧電材料からなる。形状記憶ワイヤに熱または電気を与えたり与えるのを止めたりすると、ワイヤは収縮位置と拡張位置との間を交互に変形し、容器を満たす過程で流体の流れを調整する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1実施形態によると、ディスペンサーのオーバーキャップは、容器に取り付け可能なハウジングを含む。この容器は、放出端を有する傾斜作動バルブステムを含む。バルブステムの放出端はハウジングの放出オリフィスと流体連通するように構成される。駆動ユニットがハウジング内に配置され、この駆動ユニットは、バルブステムに横方向の動きを与えて容器のバルブを開くように構成された、バイメタルアクチュエータ、圧電リニアモータ、または電気応答性ワイヤを含む。
【0009】
本発明の別の実施形態によると、ディスペンサーのオーバーキャップは、傾斜作動バルブステムを有する容器に取り付けられるように構成されたハウジングを含む。このハウジングは、放出オリフィスを含む。散布部材がバルブステムの一部分に配置されるように構成され、この散布部材の導管がバルブステムの放出端およびハウジングの放出オリフィスと流体連通する。駆動ユニットがハウジング内に配置され、この駆動ユニットは、散布部材に横方向の動きを与えるように構成されたソレノイドを含む。
【0010】
本発明の別の実施形態によると、ディスペンサーのアクチュエータは、放出オリフィスのある傾斜作動バルブステムを有する容器を含む。散布部材がバルブステムの一部分に配置され、その散布部材の導管がバルブステムの放出オリフィスと流体連通する。散布部材と係合して傾斜作動バルブステムを動作位置に置くための手段を有する駆動ユニットが提供される。
【0011】
本発明の他の態様や利点は、以下の詳細な記述を考察することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】アクチュエータオーバーキャップの1実施形態の等角図である。
【図2】図1のオーバーキャップの正面図である。
【図3】図1のオーバーキャップの背面図である。
【図4】図1のオーバーキャップの右側面図である。
【図5】図1のオーバーキャップの左側面図である。
【図6】図1のオーバーキャップの上面図である。
【図7】流体の容器に取り付けられた図1のオーバーキャップの等角図である。
【図8】取り外し可能なキャップとブラケットを示す、図1のオーバーキャップの分解等角図である。
【図9】明瞭にするためにブラケットの一部を取り除き、図7の直線9−9に沿って切り取った一部断面拡大正面図である。
【図10】ハウジングの一部を取り除いた図1のオーバーキャップの等角図である。
【図11】図10のオーバーキャップの別の等角図である。
【図12】図10のオーバーキャップの上面図である。
【図13】図10のオーバーキャップの正面図である。
【図14】図10のオーバーキャップの背面図である。
【図15】図10のオーバーキャップの右側面図である。
【図16】図10のオーバーキャップの左側面図である。
【図17】AC電源コネクタを含む、図1に示したものと同様のオーバーキャップの別の実施形態を示す図である。
【図18A】明瞭にするためにオーバーキャップからブラケットを取り除いた、図1〜16のオーバーキャップ内のソレノイドの作動前位置と作動後位置を示す図である。
【図18B】明瞭にするためにオーバーキャップからブラケットを取り除いた、図1〜16のオーバーキャップ内のソレノイドの作動前位置と作動後位置を示す図である。
【図19】第1の動作シーケンスに係る図1〜16のオーバーキャップの動作を示す、タイミング図である。
【図20】ソレノイドを図1〜16のオーバーキャップ内に位置させ得る種々の向きを示す図である。
【図21】ソレノイドがバイメタルアクチュエータに代えられていることを除いて図20のオーバーキャップに類似するオーバーキャップの別の実施形態を示す図である。
【図22】ソレノイドが圧電リニアモータに代えられていることを除いて図20のオーバーキャップに類似するオーバーキャップのさらに別の実施形態を示す図である。
【図23】電気応答性ワイヤを利用するオーバーキャップの別の実施形態の等角図である。
【図24】先に点線で示されたオーバーキャップの一部を取り除いた図23のオーバーキャップの平面図である。
【図25】フレーム、流体容器、ソレノイドを示す装置の別の実施形態の等角図である。
【図26】図25の装置の正面図である。
【図27】図25の装置の右側面図である。
【図28】図25の装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1〜6は、ほぼ円筒形のハウジング20を有するアクチュエータオーバーキャップ10を示す。このハウジング20は、ベース部分22と取り外し可能なキャップ24を含む。ベース部分22は、従来通りのエアロゾル容器30の上端28に保持されるように構成された円筒形セクション26からなり、これは図7に示されており以下により詳細に説明する。柱32が円筒形セクション26の上端34から上方に延出している。この柱32は、その外壁に長円形のプッシュボタン38がある湾曲した先端36を含む。プッシュボタン38には凹形のくぼみ40がさらに設けられている。円筒形の棒42(図8を参照)が、柱32のプッシュボタン38のほぼ反対側の内壁44に設けられている。
【0014】
取り外し可能なキャップ24は、円筒形セクション26の上端34にほぼ等しい直径の円筒形の底部分46を含む。側壁48がキャップ24の底部分46と上部分50との間に延出している。側壁48は、キャップ24の長手軸線52を中心に外側にテーパー付けされているため、底部分46付近のキャップ24の断面直径は上部分50付近のキャップ24の断面直径よりも小さい。キャップ24の均一なテーパー付け部分は、段状部分54によって切り落とされている。段状部分54は、キャップ24の長手軸線52に向かって内側に延出する第1のテーパー面56と第2のテーパー面58を含む。第1のテーパー面56と第2のテーパー面58は、キャップ24の底部分46付近の溝62の両側に配置された第1の端60a、60bをそれぞれ含む。テーパー面56、58は、第1の端60a、60bからキャップ24の、溝62と反対側で上部分50に隣接する部分64に向かって上方に湾曲している。
【0015】
取り外し可能なキャップ24の上面66は凸形で、円形の周縁68によって囲まれている。上面66の中央には楕円形状の放出オリフィス70が配置されている。放出オリフィス70の周辺には、切頭円錐形の壁72がキャップ24の内部へと下方に垂下している。湾曲した溝74が放出オリフィス70と周縁68との間に配置されている。この溝74は平坦な底76を含み、そこには矩形切り欠き78が配置される。開口80も溝74と周縁68との間に設けられている。開口80内には光伝達棒82が締まりばめによって保持されている。
【0016】
図8〜16に示すように、ベース部分22は、円筒形セクション26の上端34に配置されたプラットフォーム90を含む。このプラットフォーム90の寸法は、キャップ24をベース部分22に装着する際に取り外し可能なキャップ24の底部分46と摩擦係合するように決められている。図9は、プラットフォーム90が内方に段の付いた部分からなり、これが側壁94と上部分96を含むことを示す。側壁94は、キャップ24の底部分46付近の内壁102にある環状部分100をぴったりと受け取るように構成された円周切り欠き98を含む。さらに、付加的な保持支持手段が溝62によって提供されており、これはキャップ24をベース部分22に配置する際に柱32をぴったり受けるように寸法が決められている。セクション26にキャップ24を配置する場合、ユーザは溝62と柱32とを合わせ、キャップ24がベース部分22の上端34と接触しプラットフォーム90と締まりばめを形成するまで、このキャップを下方にスライドさせる。ベース部分22の下端104もまた、エアロゾル容器30の上端28にはまるように形成されている。オーバーキャップ10の別の実施形態では、キャップ24とベース部分22が一体的なユニットを形成し、これが締まりばめによって容器30の上に装着される。実際にはハウジング20が1つの構成要素からなるのかそれより多い構成要素からなるのかに関わらず、ハウジング20を当業者によって知られているあらゆる方法で容器30に保持してよい。例えば、米国特許第4,133,448号、第5,027,982号、第5,649,645号に記載されているオーバーキャップ保持構造(これら全体が参照として本明細書中に援用される)を本明細書に記載した実施形態のいずれかと共に使用してよい。さらに、本明細書に記載したオーバーキャップ10の外観のいずれも当業者によって知られているあらゆる方法で修正してよく、例えば、段状部分54をなくすこともできるし、ハウジング20に違う形状を設けることもできる。
【0017】
オーバーキャップ10は、特定の条件が起こると容器30から流体を放出する。この条件とは手作業によるオーバーキャップ10の作動でもよいし、タイマーまたはセンサからの電気信号に応答したオーバーキャップ10の自動的な作動でもよい。放出される流体は、キャリヤ液、脱臭液などに配された芳香剤や殺虫剤でよい。流体は、消毒剤、エアフレッシュナー、臭気除去剤、かび防止剤、防虫剤などの他の活性剤、および/またはアロマセラピー的特徴を持つものからなってもよい。或いは、流体は容器から散布可能な当業者に知られているあらゆる流体を含む。したがってオーバーキャップ10は、任意の数の異なる流体配合物(fluid formulations)を散布するように構成されている。
【0018】
容器30は、当業者に知られているあらゆるサイズおよび容量のエアロゾル容器でよい。ただし、容器30はその上端28にクリンプ(ひだ形成)された取り付けカップ142を有する本体140(図17参照)からなるのが好ましい。取り付けカップ142はほぼ円筒形状で、その円周に延出する外壁144を含む。台座146が取り付けカップ142のベース148の中心部分から上方に延出している。容器30内のバルブアセンブリは、台座146から上方に延出するバルブステム172を含む。バルブステム172は、全体が参照によって本明細書中に援用される米国特許第4,068,782号に記載されているものに類似する傾斜作動型である。バルブステム172の先端を容器30の長手軸線52から十分な角度、すなわち動作位置へと傾けると、バルブアセンブリが開き容器30の中身がバルブステム172の放出オリフィスまたは端(図示せず)を通って放出される。容器30の中身は、連続的に放出されても計量された用量で放出されてもよい。さらに、容器30の中身の放出を任意の数の方法で行ってよく、例えば放出は一部計量された用量または複数の連続放出を含んでもよい。
【0019】
垂直作動バルブステムに対して傾斜作動バルブステムを本実施形態と共に使用するのが特に有益である。傾斜作動バルブステムを使用することの利点の一つは、垂直作動バルブステムと比べると、バルブステムを動作位置に置くのに必要な力がより小さいことである。より小さい作動力は使用されている特定の駆動機構による電力消費の減少につながり、これによってよりシンプル、より小型、かつ/またはより低コストの駆動機構がもたらされる。さらに、電力消費の減少によって電源の寿命も延長するであろう。このような利点や他の利点は、本開示物を読み進めることで当業者には容易に明らかになるであろう。
【0020】
上記のように、ハウジング20は容器30の上端28に保持されるように構成されている。図9は、本実施形態がベース部分22の内周184の周りに退避部180、182を含むことを示す。この退避部180、182は、取り付けカップ142と共に締まりばめを形成する面186a、186bと、ベース部分22を容器30に動作可能に装着する場合の容器30のそれぞれのネックによって定められる。
【0021】
図10〜16を参照すると、ブラケット200がプラットフォーム90から上方に延出して示されている。ブラケット200は、第1の壁202と、この第1の壁202に平行で且つこれから離間しており、チャンネル206を定める第2の壁204とを含む。第1のプレート208が第1の壁202と第2の壁204の間で、チャンネル206の先端210に配置されている。リブ216が第1の壁202の外面218に設けられており、その上に制御回路が配置されたプリント回路基板230を支持する。第2の壁204には、その両側に第1のフレーム部材234、第2のフレーム部材236が設けられている。第1のフレーム部材234、第2のフレーム部材236は3本のAA電池のセットからなるDC電源238を保持するように構成されている。本実施形態の電源238は、この電池の他の電源との互換性を示すべく概略的に示されている。幾つかの実施形態では、AA電池をリチャージャブルニッケルカドミウムバッテリーパックに代えることができ、このバッテリーパックは図17に示すようなAC電源コンセント244に接続するために使用できる電気リード線242を有する。別の実施形態では、DC電源238全体を当業者に知られているような適当な電源トランスやAC/DCコンバータを有するAC電源アダプターに代えてもよい。
【0022】
制御回路によって、駆動機構または駆動ユニット260の電気的作動が流体を容器30から放出させることができる。図18Aおよび18Bは、プリント回路基板230上に配置されたスイッチ262を示す。スイッチ262は、手作業によるプッシュボタン38の押下によってスイッチ262が作動するように、プッシュボタン38と動作可能に位置合わせされている。さらに、ユーザ選択可能スイッチアセンブリ264がプリント回路基板230の上部分付近に配置されている。ユーザ選択可能スイッチアセンブリ264は、そこから上方に延出するフィンガ266を含む。このフィンガ266は、(以下により詳細に説明するように)回路の異なる動作モードを選択するために使用され得る。フィンガ266は、キャップ24がベース部分22に係合しているときは切り欠き78内にはまっているため、ユーザはフィンガ266を動作させる操作が可能である。プリント回路基板230上に配置された発光ダイオード(LED)268がキャップ24の光伝達棒82付近に位置している。
【0023】
図8、9、11、15、16、18A、18Bに示すように、ソレノイド270の形態の駆動ユニット260がチャンネル206内に配置されている。本実施形態では、ソレノイド270はオハイオ州バンダリアにあるサイアバージェス社によって販売されているレデックス(登録商標)Cフレーム、サイズC5、DC作動ソレノイドである。しかしながら、当業者に知られている他のソレノイドを本明細書に記載した原理から逸脱することなく利用してよい。例えば、ソレノイド270はインディアナ州ミシャウォーカにあるトライテックLLCが製造するソレノイド、例えばシリーズ1551ソレノイドアクチュエータでもよい。ソレノイド270は、ねじ(図示せず)によって第1の壁202に装着される取り付けブレース274を含む。アーマチュア278がソレノイド270からプラットフォーム90に向かって下方に延出している。本実施形態では、アーマチュア278はバルブステム172および容器30の長手軸線52にほぼ平行である。アーマチュア278は、先端282にスロット280a、280bを含む。
【0024】
図9、12、15、16を特に参照すると、散布部材290が示されている。本実施形態では、散布部材290は上端294と下端296をそれぞれ有する円筒形部材からなる。図9を参照すると、ハウジング20が容器30上に配置されている場合、バルブステム172の先端は散布部材290の下端296付近の円形開口(図示せず)内に着座している。図12で分かるように、穴300がその開口から散布部材290の上端294を通って延出している。他の実施形態では、散布部材290は非円筒形状からなり、かつ/または部材290の全長または一部の長さにわたって変化する断面寸法を含む。例えば、穴300の放出端は穴300の他の部分よりも狭くてもよいし、穴300の他の部分に対して角度が付けられてもよい。さらに散布部材290の全長にわたって延出する穴300の全体または一部は円筒形でもあらゆる他の形状でもよく、例えば、散布部材290の上端295付近の穴300の放出端は正方形でもよい。散布部材290の上端294は、放出オリフィス70から垂下する切頭円錐形壁72付近に、かつ/またはこの壁の内部に配置される。散布部材290は、その上端294と放出オリフィス70が位置合わせされるように中心に置かれるのがよい。図10、12、15は、散布部材290が横方向に延出するアーム302も含むことを示す。コイルばね304がチャンネル206内の第1のプレート208とアーム302の先端306との間に締まりばめによって固定されている。図9、11、12、16は、同様に散布部材290から横方向に延出する第2のアームまたはベルクランク308を示す。
【0025】
図9および16を参照すると、ベルクランク308の先端310は溝314を定める2つの部材312a、312bを含む。コネクタ318がベルクランク308の先端310とアーマチュア278の先端282との間に延出している。本実施形態のコネクタ318は矩形のプラスチック部分からなるが、他の形状および材料を使用してもよいことが予想される。コネクタ318は、第1の端324および第2の端326のそれぞれに穴を含む。第1のピン328が第1の端324付近のコネクタ318およびアーマチュア278のスロット280a、280bへと挿入される。これと同様に、第2のピン330が第2の端326付近のコネクタ318およびベルクランク308内の穴へと挿入される。したがって、コネクタ318はアーマチュア278をベルクランク308に機械的に接続する。
【0026】
バルブアセンブリを開き容器30の中身を放出する前に、アーマチュア278、コネクタ318、ベルクランク308は、図18Aに示すような作動前位置332に位置している。オーバーキャップ10が作動前位置332に位置している場合には、バルブステム172の先端は容器30の長手軸線52に平行であるのが好ましい。或いは、散布部材290およびバルブステム172はバルブアセンブリを開くには不十分な距離だけ横方向に変位していてもよい。アーマチュア278、コネクタ318、ベルクランク308が図18Bに示すような作動位置334へと移行すると、散布部材290およびバルブステム172は容器30の長手軸線52から十分な距離だけ傾斜して完全にバルブアセンブリを開く。或いは、作動位置334にある場合にはバルブステム172を部分的に開いた位置へと変位させてもよい。
【0027】
図18Bを参照し、本実施形態のソレノイド270の作動をより具体的に説明する。作動信号を受け取るとソレノイド270に通電し、アーマチュア278を容器30の長手軸線52にほぼ平行な経路に沿って下方へと磁気駆動する。アーマチュア278の線形運動は、機械的連結手段として作用するコネクタ318によるベルクランク308の回転変位へと変換される。ベルクランク308の回転変位によって散布部材290が長手軸線52を中心に回転する。これと同様に、散布部材290の回転によってその下端296がバルブステム172に係合し、また長手軸線52を横切る力が加わることでバルブステム172を回転変位させ、作動位置334へと押しやる。ソレノイド270の作動を停止すると、アーマチュア278はソレノイド270に向かって上方へと押しやられ、それによってコネクタ318およびベルクランク308は上述の作動前位置332に戻ることができる。バルブステム172を開いた状態で保持するようにこれに作用する横方向の力が一切なければ、バルブステム172は容器30の長手軸線52にほぼ平行な閉じた位置へと戻り流体の放出を防ぐ。バルブステム172が閉じた位置へと戻るのは、ばね304、機械的に連結されたアーマチュア278によって加えられる力、容器30のバルブアセンブリによって加えられる力の1つまたはそれより多くのによって行われてよい。
【0028】
ソレノイド270は適当な時間駆動され、かつ/または適当に変位されてバルブステム172を完全にもしくは部分的に開くことが予想される。具体的な移動距離および/または要素、例えばアーマチュア278、コネクタ318、ベルクランク308のいずれの長さは、要素間の機械的関係を調整し、バルブステム172を部分的にまたは完全に傾斜させるように当業者に知られている方法で修正してよい。必ずではないが、アーマチュア278は所定の時間(「スプレー期間」)だけ放出位置に保持されるのが好ましい。スプレー期間の時間は、典型的には約170ミリ秒に等しい。実際には、所望であれば容器の中身全てが排出されるまでアーマチュア278を放出位置に保持することができる。さらに、アーマチュア278を単一の作動信号の発生に応答して複数回変位させ、複数の連続的な放出を行ってもよい。複数の連続的な放出は、持続的に放出する容器からの一回の放出が望ましくない場合または断続的な放出が望まれる場合に有益かもしれない。
【0029】
図19は、使用状態にあるオーバーキャップ10の動作を示す本実施形態のタイミング図を示す。最初に、フィンガ266を「オフ」位置から4つの動作モード350、352、354、356(図18Aおよび18B参照)の1つへと移動させることでオーバーキャップ10に通電すると、オーバーキャップ10は立ち上がり遅延期間に入る。4つの動作モード350、352、354、356はそれぞれ連続するスプレー期間の間の所定のスリープ期間に相当する。例えば、第1の動作モード350は5分間のスリープ期間に相当し、第2の動作モード352は7分半のスリープ期間に相当し、第3の動作モード354は15分間のスリープ期間に相当し、第4の動作モード356は30分間のスリープ期間に相当する。本発明の例では、第1の動作モード350が選択されたとする。立ち上がり遅延期間が終了すると、ソレノイド270は第1のスプレー期間中にオーバーキャップ10から流体を放出するように指示される。立ち上がり遅延期間は約3秒間であることが好ましく、スプレー期間は典型的には約170ミリ秒間である。第1のスプレー期間が終了すると、オーバーキャップ10は5分間の第1のスリープ期間に入る。第1のスリープ期間が終了すると、ソレノイド270は第2のスプレー期間中に流体を放出するように作動される。その後オーバーキャップ10は5分間の第2のスリープ期間に入る。本発明の例では、第2のスリープ期間は手作業によるオーバーキャップ10の作動によって中断され、流体は第3のスプレー期間中に散布される。その後はスリープ期間とスプレー期間が交互に来る自動的な動作が続く。スリープ期間中いつでも、ユーザはプッシュボタン38を押すことで手作業によってオーバーキャップ10を選択可能な期間または一定期間だけ作動させることができる。手作業によるスプレー動作が終了すると、オーバーキャップ10途中のスリープ期間を完了させる。その後スプレー動作が行われる。
【0030】
別の実施形態では、スイッチアセンブリ264をフォトセルモーションセンサに代え、かつ/またはこれを補充してもよい。当業者に知られている他の動作検出器、例えば受動型赤外線もしくは焦電モーションセンサ(pyro-electric motion sensor)、赤外線反射モーションセンサ、超音波モーションセンサ、レーダーもしくはマイクロ波無線モーションセンサを利用してもよい。フォトセルは周辺光を集め、制御回路がその光の強度のあらゆる変化を検出できるようにする。フォトセル出力のフィルタ処理は、制御回路によって行われる。閾値光条件に到達している、例えば所定のレベルの光強度の変化に到達していると制御回路が判断すると、制御回路は信号を発し、ソレノイド270を作動させる。例えば、オーバーキャップ10が明るい浴室に配置されている場合、センサを通過する人物は十分な量の周辺光がセンサに到達するのを遮断するため、制御回路にソレノイド270を作動させ、流体を放出させる。
【0031】
スイッチアセンブリ264を振動センサ、臭いセンサ、熱センサ、または当業者に知られているあらゆる他のセンサに代えるかまたはこれらに補充してもよいことも想像される。或いは、スイッチアセンブリ264の代わりにまたはこれと組合わせて1以上のセンサをオーバーキャップに設けてもよい。当業者はユーザのニーズを満たすべくあらゆるタイプのセンサを単独でまたはスイッチアセンブリ264および/もしくは他のセンサと組合わせて設けてよいことが予想される。特定の1実施形態では、スイッチアセンブリ264およびセンサは同じオーバーキャップに設けられる。このような実施形態では、ユーザはオーバーキャップ10の駆動ユニット260を自動的に動作させるためにタイマーベースのスイッチアセンブリ264を使用することを選択してもよいし、オーバーキャップ10の作動に先立って所与のイベントを検出するためにセンサを選択してもよい。或いは、オーバーキャップ10はタイマーとセンサベースの動作モードで同時に動作してもよい。
【0032】
オーバーキャップ10が動作状態にある場合、LED268は光伝達棒82を照射する。LED268はスリープ期間中15秒ごとに1回断続的に点滅する。選択された動作モードに応じて、LED268の点滅頻度はスプレー期間が迫ると増え始める。LED268がより頻繁に照射することによって、オーバーキャップ10が流体の中身を大気中に放出しようとしていることを視覚的に示す役目を果している。
【0033】
駆動ユニット260を本明細書に記載した原理から逸脱することなく別の動作方向に配置できることが想像される。図20に示すように、駆動ユニット260の中心軸線392が容器30の長手軸線52と垂直になるように、駆動ユニット260を第1の位置390に配置してよい。別の実施形態では、駆動ユニット260の軸線392は容器30の長手軸線52に対して45°の角度にある第2の位置394に配置される。実際には、駆動ユニット260を任意の数の方向に位置させてよく、その場合駆動ユニット260の軸線392は容器30の長手軸線52に平行であり、垂直であり、あらゆる他の角度をとる。散布部材290および駆動ユニット260と動作上つながったままになるようにベルクランク308および/またはコネクタ318を調整できる方法は、当業者には明らかであろう。
【0034】
バルブステム172に回転運動および横方向の力を与えるために他の連結手段および機械システムを使用してよいことも予測される。例えば、図20は容器30の長手軸線に対して45°の角度で配置された駆動ユニット260を有する実施形態を示す。連結システム400は、第1のアーム402、第2のアーム404、第3のアーム406を含む。第1のアーム402は、ピン410によってソレノイド270のアーマチュア408に装着される。第2のアーム404は、ピン412、414によって第1のアーム402および第3のアーム406にそれぞれ装着される。第3のアーム406も散布部材290の一部分に一体的に装着される。ソレノイド270が作動すると、アーマチュア408の線形運動によって第1のアーム402が散布部材290に向かって下方且つ横方向に移動させられる。第2のアーム404によって第1のアーム402に機械的に連結する第3のアーム406は長手軸線52を中心に回転変位する。本実施形態における第3のアーム406の回転変位によって散布部材290はソレノイド270から離れて上に開示した実施形態とは反対方向に傾斜する。ただし、先の実施形態と同様に、散布部材290の回転によってその下端296がバルブステム172と係合しこれを回転変位させる。バルブステム172の回転変位は、バルブステム172に作用してこれを傾斜させ、容器30内のバルブアセンブリを開いて流体を放出させる横方向の力成分を含む。駆動ユニット260をバルブステム172および/または容器30の長手軸線52に対してあらゆる角度で置いてよいことが想像される。さらに、例えばアーム402〜406の1つまたはそれより多くのサイズを縮小することでここに示したオーバーキャップのいずれかに収まるように本実施形態の連結システム400を修正してよいことも想像される。
【0035】
図20は、駆動ユニット260が容器30の長手軸線52を横断するように配置されるさらに別の実施形態を示す。作動シーケンス中、延出した位置においてアーマチュア408が散布部材290に衝撃を与えるように、アーマチュア408は容器30の長手軸線52に垂直な方向成分を持つ経路に沿って方向付けられる。このような横方向の力を散布部材290に加えることによって散布部材は長手軸線52を中心に回転し、バルブステム172は開いた位置に配置される。そうすることで容器30の中身を放出することができる。別の実施形態では、散布部材290をなくし、作動シーケンス中にアーマチュア408がバルブステム172に直接衝撃を与えるように構成される。別の実施形態では、連結システム(図示せず)がアーマチュア408の先端と散布部材290の一部分との間に設けられる。
【0036】
図21に示す別の実施形態では、駆動ユニット260のソレノイドがバイメタルアクチュエータ460に代わっている。バイメタルアクチュエータ460は、熱を与えられると所定の方法で収縮および膨張するバイメタル素子462を含む。従来のバイメタル素子は異なる熱膨張特性を呈する少なくとも2枚の金属ストリップからなる。このような2枚の金属ストリップを例えばろう付け、溶接、リベットによって合わせることで、バイメタルアクチュエータは周知のレベルの熱を与えられると所定の物理的変位を起こす。バイメタルアクチュエータ460は、タイマーまたはセンサからの電気信号に応答する内蔵型の熱源を含んでもよい。例えば、特定の時間の終了に応答してヒーターを作動させるように、既に本明細書に記載した制御回路を構成してもよい。当業者ならば、多くの異なるタイプのヒーターを本明細書に記載した実施形態で使用してよいこと、例えば金属酸化物抵抗器などの電気抵抗ヒーターをバイメタルアクチュエータ460で使用してよいことを認識するであろう。
【0037】
本実施形態では、周知のレベルの熱がバイメタルアクチュエータ460に与えられると、バイメタル素子462の先端464は容器30の長手軸線52およびアクチュエータ460の長手軸線466を実質的に横切る方向に曲がる。例えば本実施形態では、バイメタル素子462はピン468によってベルクランク308に固定される。バイメタル素子462は熱を与えられると曲がり、素子462の先端464は回路基板230に向かって横方向に曲がる。バイメタル素子462が曲がることによって、ベルクランク308および散布部材290の制御回路230に向かった回転変位が生じる。散布部材290の回転によって、上述の方法と同じ方法で容器30から流体が放出される。熱の供給が終了するかまたは冷却動作が行われると、バイメタル素子462は図21に示すような作動前位置へと湾曲する。バイメタルアクチュエータ460は本明細書に開示した方法論および構造のいずれとともに使用されることが意図されている。さらに、バイメタルアクチュエータ460をオーバーキャップ10内の任意の数の位置に同様に配置してよく、例えば図21は長手軸線52に平行そして垂直に配置されるバイメタルアクチュエータ460を示す。
【0038】
図22に示す別の実施形態では、駆動ユニット260のソレノイドが圧電リニアモータ470に代えられている。圧電リニアモータ470は、特定のレベルの電気が与えられると所定の方法で線形に収縮および膨張する圧電素子472を含む。従来の圧電アクチュエータは複数の圧電プレートまたはディスクを重ねることで製造されており、プレートまたはディスクのスタックはその軸線に平行な方向に線形に膨張する。本実施形態の圧電リニアモータ470は、ドイツのカールスルーエ(Karlruhe)にあるPhysik Instrumente GmbH & Co.によって製造されているものと同じモータからなってもよい。当業者に知られている他の圧電デバイスを本明細書に記載した実施形態で使用してよく、例えば圧電チューブアクチュエータを本明細書に記載した実施形態で使用してよいことも予想される。
【0039】
本実施形態では、周知の電圧が圧電素子472に印加されると、この素子は圧電リニアモータ470の長手軸線474に平行な方向に線形に膨張する。圧電素子472の先端はピン476によってベルクランク308に装着されている。圧電素子472の膨張によってこの素子がベルクランク308に衝撃を与え、他の実施形態に関して上述した方法と同様の方法で散布部材290の回転変位を生じさせる。圧電リニアモータ470の通電停止によって、圧電素子472が収縮し散布部材290およびバルブステム172は図22に示すような非作動位置へと戻る。圧電リニアモータ470は本明細書に記載した方法論および構造のいずれと共に使用されることが意図されている。さらに、圧電リニアモータ470をオーバーキャップ10内の任意の数の位置に同様に配置してよく、例えば図22は長手軸線52に平行、軸線52に垂直、および軸線52に対して45°の角度をなす圧電リニアモータ470を示す。
【0040】
図23および24に示されるさらに別の実施形態では、駆動ユニット260が電気応答性ワイヤ480、例えば形状記憶合金(SMA)に代えられている。本実施形態では、SMAはニッケル−チタン合金であり、カリフォルニア州のサンラファエルにあるモンド・トロニクス社によってマッスルワイヤ(登録商標)というブランド名で販売されている。電気応答性ワイヤ480は、周知のレベルの熱を供給されると予想可能な方法で収縮および膨張する。電気応答性ワイヤ480が電源に接続されると、ワイヤ480の抵抗がワイヤ480の変形に必要な熱を発生する。
【0041】
本実施形態では、キャップ486の内面484にワイヤ取り付け部482aおよび482bが設けられている。キャップ486は、容器30の上端28でキャップ486を保持するように構成された下端488を含む。電気応答性ワイヤ480は、ワイヤ取り付け部482aの周りに巻きつけられた第1の端490と、ワイヤ取り付け部482bの周りに巻きつけられた第2の端492を含む。しかし他の実施形態では、電気応答性ワイヤ480は機械的にまたは他の手段によってワイヤ取り付け部482a、482bに固定される。作動前位置では、電気応答性ワイヤ480はバルブステム172から離間しているかまたは容器30のバルブアセンブリを開かない程度にバルブステム172に接触している。作動信号を受け取ると、電気応答性ワイヤ480は収縮し、バルブアセンブリを完全にまたは部分的に開くのに十分な横方向の動きをバルブステム172に与える。他の実施形態ではワイヤ取り付け部482a、482bは面486のバルブステム172に、より近接してもよいし、又はこれから離れるようにしてもよいことが予想される。さらに、ワイヤ取り付け部482a、482bを面486の外周上においてより間隔を狭く配置してもよく、幾つかの実施形態では、バルブステム172の横方向の変位が大きくなるであろうことも予測される。別の実施形態では、電気応答性ワイヤ480は、バルブステム172に直接接触するのではなくバルブステム172と流体連通している散布部材(図示せず)に接触する。この部材は、例えば上述の散布部材290に似た部材である。電気応答性ワイヤ480の通電停止によってワイヤは作動前位置へと膨張し、そうすることでバルブステム172が作動前位置に戻ることができる。電気応答性ワイヤ480の収縮・膨張シーケンスは、上述の動作方法論と同じように回路によって制御されてよい。さらに、キャップ486の形状、放出オリフィス494の変位、または容器30上におけるキャップ486の保持方法などの本実施形態の構造上の構成要素は、本明細書に記載した実施形態に照らして修正してよい。これと同様に、本明細書に記載した実施形態のいずれも、内面484または本実施形態に関して本明細書に開示したあらゆる他の構造を含むように修正してよいことが予想される。
【0042】
図25〜28に示す別の実施形態では、容器30はフレーム550を有する装置500内に配置されている。フレーム550は、ベース部分552とテーパー付き円筒形壁554を含む。凹部556がベース部分552内に設けられており、容器30を受けるように構成されている。柱558がベース部分552と一体化しており、そこから上方に延出している。柱558は、容器30の長手方向の最大長さを越えて延出している。張り出し部分560が柱558の上端562において柱から垂直に延出しており、ベース部分552の一部分の上に懸かっている。上述のソレノイド270と同様でよいアーマチュア566を伴うソレノイド564が張り出し部分560に設けられた開口568内に取り付けられている。フィンガ570が柱558から延出しており、容器30のネックでクランプされて容器を柱558にほぼ平行に保持する。アーマチュア566は容器30に向かって下方に延出しており、その先端574には穴572が設けられている。アーマチュア566は、容器30から上方に延出するバルブステム172にほぼ平行である。上述の散布部材290と同じでよい部材576が、バルブステム172と流体連通しており、アーマチュア566に向かって上方に延出している。部材576は、そこからほぼ横方向に延出するアーム578も含む。剛性のU字型ワイヤ580が、第1の脚582および第2の脚584を含み、第1の脚582はアーマチュア566の穴572内に保持され、第2の脚584はアーム578の開口588内に保持される。
【0043】
本明細書に記載した動作シーケンスまたは方法論のいずれを含んでよい動作シーケンスの際には、フレーム550内の制御回路(図示せず)がタイマーの経過、センサ入力、手作業による作動に応答して電気信号を生成する。この信号によって容器30の長手軸線52にほぼ平行な経路に沿ったアーマチュア566の運動が開始される。上述のコネクタ318と同じように動作するU字型ワイヤ580によって、アーマチュア566の線形運動がアーム578および部材576の回転変位に変換される。部材576の回転変位によって、横方向の力がバルブステム172に作用する。上述のように、バルブステム172に十分な横方向の力を加えることによって、容器30のバルブアセンブリが開き流体を大気中に放出する。
【0044】
本明細書に記載した実施形態のいずれも、別の実施形態に関連して開示した構造または方法論のいずれを含むように修正してよい。さらに、本開示物は具体的に示されているタイプのエアロゾル容器に限定されない。さらに、本明細書に開示した実施形態のいずれのオーバーキャップもあらゆるタイプのエアロゾル容器で動作するように修正してよい。
【0045】
<関連出願の相互参照>
該当なし。
【0046】
<連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載>
該当なし。
【0047】
<シーケンシャルリスト>
該当なし。
【産業上の利用可能性】
【0048】
当業者には、上の記載に照らして本発明に対する多数の修正が明らかであろう。したがって、本記載は単なる例示とみなされ、当業者が本発明を作成し、使用し、本発明を実施するための最良の形態を教示できるようにするために提示されている。添付の特許請求の範囲内となる全ての修正に対する独占的な権利を保持している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に取り付け可能なハウジングであって、前記容器は放出端を有する傾斜作動バルブステムを含み、前記バルブステムの放出端が前記ハウジングの放出オリフィスと流体連通するように構成されるハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記バルブステムに横方向の動きを与えて前記容器のバルブを開くように構成された、バイメタルアクチュエータ、圧電リニアモータ、または電気応答性ワイヤを含む駆動ユニットと、を備える、
ディスペンサーのオーバーキャップ。
【請求項2】
前記ハウジングは容器上に取り付けられる、請求項1記載のオーバーキャップ。
【請求項3】
前記ハウジングは容器に取り外し可能に取り付けられる、請求項1記載のオーバーキャップ。
【請求項4】
前記駆動ユニットの長手軸線が容器の長手軸線に平行に配置される、請求項1記載のオーバーキャップ。
【請求項5】
前記横方向の動きは電子信号の受信に応答して与えられる、請求項1記載のオーバーキャップ。
【請求項6】
前記電子信号はセンサによって生成される、請求項5記載のオーバーキャップ。
【請求項7】
前記電子信号はタイミング回路によって生成される、請求項5記載のオーバーキャップ。
【請求項8】
前記電子信号は手作業によるプッシュボタンの押下によって生成される、請求項5記載のオーバーキャップ。
【請求項9】
放出オリフィスのある傾斜作動バルブステムを有する容器と、
前記バルブステムの一部分に配置された散布部材であって、前記散布部材の導管が前記バルブステムの前記放出オリフィスと流体連通する散布部材と、
前記散布部材と係合して前記傾斜作動バルブステムを動作位置に置くための手段を有する駆動ユニットとを備える、
ディスペンサーのアクチュエータ。
【請求項10】
前記駆動ユニットはソレノイドを含む、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記駆動ユニットはバイメタルアクチュエータ、圧電リニアモータ、電気応答性ワイヤの少なくとも1つを含む、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記傾斜作動バルブステムを動作位置に置くことによって流体の連続的な用量が前記容器から放出される、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記散布部材および前記駆動ユニットは前記容器に装着されたオーバーキャップ内に配置される、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項14】
前記駆動ユニットの長手軸線が前記容器の長手軸線に平行に配置される、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項15】
傾斜作動バルブステムを有する容器に取り付けられるように構成され、放出オリフィスを含むハウジングと、
前記バルブステムの一部分に配置されるように構成された散布部材であって、その導管が前記バルブステムの放出端および前記ハウジングの放出オリフィスと流体連通する散布部材と、
前記ハウジング内に配置され、前記散布部材に横方向の動きを与えるように構成されたアーマチュアを有するソレノイドを含む駆動ユニットであって、前記アーマチュアは前記ハウジングの長手軸線にほぼ平行な経路に沿って移動するように構成された駆動ユニットとを備える、
ディスペンサーのオーバーキャップ。
【請求項16】
傾斜作動バルブステムを有する容器をさらに含む、請求項15記載のオーバーキャップ。
【請求項17】
前記ハウジングの前記長手軸線は前記容器の長手軸線に平行である、請求項16記載のオーバーキャップ。
【請求項18】
傾斜作動バルブステムを有する容器に取り付けられるように構成され、放出オリフィスを含むハウジングと、
前記バルブステムの一部分に配置されるように構成された散布部材であって、その導管が前記バルブステムの放出端および前記ハウジングの前記放出オリフィスと流体連通する散布部材と、
前記ハウジング内に配置され、アーマチュアを有するソレノイドを含む駆動ユニットであって、前記アーマチュアの動きが前記アーマチュアと前記散布部材との間に設けられた機械的連結手段によって前記散布部材の回転変位に変換される駆動ユニットとを備える、
ディスペンサーのオーバーキャップ。
【請求項19】
傾斜作動バルブステムを有する容器をさらに含む、請求項18記載のオーバーキャップ。
【請求項20】
前記機械的連結手段はベルクランク、コネクタ、アーム、ピンの少なくとも1つを含む、請求項18記載のオーバーキャップ。
【請求項21】
前記機械的連結手段はそこに設けられた第1の穴および第2の穴を有するコネクタを含む、請求項18記載のオーバーキャップ。
【請求項22】
前記アーマチュアの先端がスロットを含み、第1のピンが前記スロットおよび前記コネクタの前記第1の穴を通って延出する、請求項21記載のオーバーキャップ。
【請求項23】
前記散布部材はそこから延出するベルクランクを含み、第2のピンが前記ベルクランクの穴および前記コネクタの前記第2の穴を通って延出する、請求項22記載のオーバーキャップ。
【請求項24】
前記ソレノイドの作動によって前記コネクタは前記ベルクランクを回転変位させ、これによって前記散布部材を回転変位させる、請求項23記載のオーバーキャップ。
【請求項1】
容器に取り付け可能なハウジングであって、前記容器は放出端を有する傾斜作動バルブステムを含み、前記バルブステムの放出端が前記ハウジングの放出オリフィスと流体連通するように構成されるハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、前記バルブステムに横方向の動きを与えて前記容器のバルブを開くように構成された、バイメタルアクチュエータ、圧電リニアモータ、または電気応答性ワイヤを含む駆動ユニットと、を備える、
ディスペンサーのオーバーキャップ。
【請求項2】
前記ハウジングは容器上に取り付けられる、請求項1記載のオーバーキャップ。
【請求項3】
前記ハウジングは容器に取り外し可能に取り付けられる、請求項1記載のオーバーキャップ。
【請求項4】
前記駆動ユニットの長手軸線が容器の長手軸線に平行に配置される、請求項1記載のオーバーキャップ。
【請求項5】
前記横方向の動きは電子信号の受信に応答して与えられる、請求項1記載のオーバーキャップ。
【請求項6】
前記電子信号はセンサによって生成される、請求項5記載のオーバーキャップ。
【請求項7】
前記電子信号はタイミング回路によって生成される、請求項5記載のオーバーキャップ。
【請求項8】
前記電子信号は手作業によるプッシュボタンの押下によって生成される、請求項5記載のオーバーキャップ。
【請求項9】
放出オリフィスのある傾斜作動バルブステムを有する容器と、
前記バルブステムの一部分に配置された散布部材であって、前記散布部材の導管が前記バルブステムの前記放出オリフィスと流体連通する散布部材と、
前記散布部材と係合して前記傾斜作動バルブステムを動作位置に置くための手段を有する駆動ユニットとを備える、
ディスペンサーのアクチュエータ。
【請求項10】
前記駆動ユニットはソレノイドを含む、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記駆動ユニットはバイメタルアクチュエータ、圧電リニアモータ、電気応答性ワイヤの少なくとも1つを含む、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記傾斜作動バルブステムを動作位置に置くことによって流体の連続的な用量が前記容器から放出される、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記散布部材および前記駆動ユニットは前記容器に装着されたオーバーキャップ内に配置される、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項14】
前記駆動ユニットの長手軸線が前記容器の長手軸線に平行に配置される、請求項9記載のアクチュエータ。
【請求項15】
傾斜作動バルブステムを有する容器に取り付けられるように構成され、放出オリフィスを含むハウジングと、
前記バルブステムの一部分に配置されるように構成された散布部材であって、その導管が前記バルブステムの放出端および前記ハウジングの放出オリフィスと流体連通する散布部材と、
前記ハウジング内に配置され、前記散布部材に横方向の動きを与えるように構成されたアーマチュアを有するソレノイドを含む駆動ユニットであって、前記アーマチュアは前記ハウジングの長手軸線にほぼ平行な経路に沿って移動するように構成された駆動ユニットとを備える、
ディスペンサーのオーバーキャップ。
【請求項16】
傾斜作動バルブステムを有する容器をさらに含む、請求項15記載のオーバーキャップ。
【請求項17】
前記ハウジングの前記長手軸線は前記容器の長手軸線に平行である、請求項16記載のオーバーキャップ。
【請求項18】
傾斜作動バルブステムを有する容器に取り付けられるように構成され、放出オリフィスを含むハウジングと、
前記バルブステムの一部分に配置されるように構成された散布部材であって、その導管が前記バルブステムの放出端および前記ハウジングの前記放出オリフィスと流体連通する散布部材と、
前記ハウジング内に配置され、アーマチュアを有するソレノイドを含む駆動ユニットであって、前記アーマチュアの動きが前記アーマチュアと前記散布部材との間に設けられた機械的連結手段によって前記散布部材の回転変位に変換される駆動ユニットとを備える、
ディスペンサーのオーバーキャップ。
【請求項19】
傾斜作動バルブステムを有する容器をさらに含む、請求項18記載のオーバーキャップ。
【請求項20】
前記機械的連結手段はベルクランク、コネクタ、アーム、ピンの少なくとも1つを含む、請求項18記載のオーバーキャップ。
【請求項21】
前記機械的連結手段はそこに設けられた第1の穴および第2の穴を有するコネクタを含む、請求項18記載のオーバーキャップ。
【請求項22】
前記アーマチュアの先端がスロットを含み、第1のピンが前記スロットおよび前記コネクタの前記第1の穴を通って延出する、請求項21記載のオーバーキャップ。
【請求項23】
前記散布部材はそこから延出するベルクランクを含み、第2のピンが前記ベルクランクの穴および前記コネクタの前記第2の穴を通って延出する、請求項22記載のオーバーキャップ。
【請求項24】
前記ソレノイドの作動によって前記コネクタは前記ベルクランクを回転変位させ、これによって前記散布部材を回転変位させる、請求項23記載のオーバーキャップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公表番号】特表2010−526735(P2010−526735A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507456(P2010−507456)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/005889
【国際公開番号】WO2008/140732
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/US2008/005889
【国際公開番号】WO2008/140732
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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