説明

スペクトル・アクセスのための分散型データーベース・アクセス

サービスに接続するために利用可能なホワイト・スペース・チャネルを特定するために用いることができるホワイト・スペース・データーをワイヤレスで得るためのブートストラップ技法。携帯用ワイヤレス・デバイス同士が協同して、ホワイト・スペース・データーを、このようなデーターを要求しているデバイスに提供することができる。要求元デバイスは、例えば、非許諾帯域を用いて、ホワイト・スペース・データーの要求を送信する。この要求を受信したデバイスは、データーのコピーを要求元デバイスに送信することができる。送信されたコピーは、受信デバイスによってローカル・データー・ストアから得ることができ、または受信デバイスが接続されているデーターベース・サーバーから提供することができる。後者の場合、受信デバイスは、データーベース・サーバーと要求元デバイスとの間でプロキシーとして役割を果たす。一旦ホワイト・スペース・データーが要求元デバイスによって受信されたなら、ホワイト・スペースにおける通信のためのチャネルを選択するために、これを用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[0001] ワイヤレス送信は、ラジオおよびテレビジョン・コンテンツのブロードキャストをサポートするというようなことのために、計算機間および他の設定においても、ワイヤレス・ネットワーキングに用いられている。異なるユーザー間における干渉を避けるために、ワイヤレス通信に利用可能な周波数スペクトルの異なる部分が、異なるユーザーに割り当てられる。
【0002】
[0002] 周波数スペクトルは、2つの主要セクター、即ち、許諾スペクトル(licensed spectrum)および非許諾スペクトル(unlicensed spectrum)に管理上分割されている。許諾スペクトルは、商用放送会社のような、組織による独占的使用のために、これらの組織に対する使用許諾に対して利用可能な周波数から成る。例えば、スペクトルの一部(「周波数帯域」、「帯域」、または「チャネル」としても知られている)を、加入者がかける音声呼およびデーター呼を表す情報を伝達する際に用いるために、セルラー通信会社に使用許諾することができ、またはテレビジョン・コンテンツを表すオーディオおよびビデオ・データーを搬送する信号を送信するために、メディア放送会社に使用許諾することもできる。一方、非許諾スペクトルは、公衆による自由な使用のために割り当てられているが、通例、非許諾スペクトルの使用では、ユーザー間の干渉を最小限に抑えるように設計されている、最大電力出力規制というような、何らかの規制にしたがって運用することが必要となる。
【0003】
[0003] いずれの地理的位置においても、許諾スペクトル全体をユーザーに割り当てることはできない。逆に、割り当てられない帯域があることもあり、これを「ホワイト・スペース」(white space)と呼ぶこともある。領域の中には、チャネルの使用許諾に関心がある組織よりも利用可能なチャネルの方が多い場合もあり、一部のチャネルがホワイト・スペースとして残ってしまう。また、許諾スペクトルの周波数帯域が組織に割り当てられるとき、通例、これらは連続的に割り当てられるのではなく、代わりに、2つの組織が互いに干渉するのを防止するために、割り当てられる帯域間にホワイト・スペースがある場合がある。簡略化した例では、許諾スペクトルの内300MHzおよび350MHz間のセクションが2つの組織間で分割される場合、300〜320MHz帯域を第1組織に割り当てることができ、330〜350MHz帯域を第2組織に付与して、320〜330MHz帯域をホワイト・スペースとして残すことができる。近年、未使用部分が非許諾スペクトルの一部であるかのように、ホワイト・スペースを非許諾送信機が使用できるようにすることが提案されている。しかしながら、このようなホワイト・スペースの使用は、非許諾ユーザーが許諾ユーザーと干渉することを防止する使用技法が基礎となる。
【0004】
[0004] 2008年11月に、連邦通信委員会(FCC)は、デバイスに非許諾ホワイト・スペースの使用を承認できることを述べた規則を発行した。提案する実施態様では、帯域を監視してその帯域が使用されていないと判断することによって、または非許諾使用者の地理的位置に適用可能な未割り当て帯域のデーターベースを調べることによって、非許諾ユーザーのデバイスが許諾スペクトルの許諾ユーザーとの干渉を回避することができる。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本願発明者は、携帯用ワイヤレス・デバイスは一般に受信機を有し、理論的に、この受信機は許諾スペクトルにおける未使用チャネルを検出するために用いることができるが、これらの受信機は一般に、許諾通信とノイズとの間で、FCC要件を満たす精度で区別する感度に欠けることを認識しており認めている。しかしながら、携帯用デバイスの近傍において利用可能なチャネルを識別するホワイト・スペース・データーは、携帯用ワイヤレス・デバイスには利用できないことが頻繁に起こる。ホワイト・スペース・データーへの容易なアクセスを欠くために、ホワイト・スペースの非許諾使用の採用が阻害されている。
【0006】
[0006] ホワイト・スペース・データーへのアクセスは、携帯用ワイヤレス・デバイスを、他の近隣携帯用ワイヤレス・デバイスからのホワイト・スペース・データーの要求に応答するように構成することによって、改善される。したがって、非許諾使用に利用可能な許諾スペクトルのチャネルを特定しようとする携帯用ワイヤレス・デバイスは、1つ以上の近隣デバイスに要求を送ることができる。このような要求に応答して1つ以上の近隣デバイスから受信した情報によって、ホワイト・スペース・データーを要求したデバイスが、未使用チャネルを選択することが可能となり、あるいは特定された非許諾ホワイト・スペースを用いて通信するために、この要求元のデバイスに送信および受信パラメーターを設定することができる。
【0007】
[0007] 実施態様の中には、要求元デバイスの近くにある他のワイヤレス・デバイスが要求を受信し、ローカルに格納されているホワイト・スペース・データーのコピーを第1デバイスに送信することによって応答できる場合もある。要求元デバイスが多数の応答を受信した場合、要求元デバイスは受信したコピーを合成して、ホワイト・スペースにおける非許諾使用のためにチャネルを選択することができる。任意に、受信側デバイスが、選択したチャネルを用いて、ホワイト・スペース・データーの信頼されている発行元への接続を形成することもできる。この接続を通じて、要求元デバイスは、信頼のおけるホワイト・スペース・データーのコピーをダウンロードすることができる。信頼されている発行元からのホワイト・スペース・データーは、次いで、ホワイト・スペース内におけるその後の通信のために、利用可能なチャネルを選択するために用いることができる。このチャネルは、最初に選択したチャネルと同じであってもよい。
【0008】
[0008] 他の実施形態では、要求元デバイスの近傍にある他のデバイスが応答して、それがプロキシーとして動作するために利用可能であることを示すことができ、要求元デバイスは、このデバイスを通じて、ホワイト・スペース・データーの信頼されている発行元への接続を確立することができる。次いで、要求元デバイスは、プロキシーとして動作する他のデバイスを通じた接続を用いて、信頼されている発行元からホワイト・スペース・データーをダウンロードすることができる。この接続は、要求元デバイスと信頼されている発行元との間で、安全を確保することができ、これによって要求元デバイスは、信頼されている発行元に更に接続することなく、データーを信頼することが可能になる。
【0009】
[0009] 要求元デバイスがホワイト・スペース・データーを信頼されている発行元からどのようにして得るかには関係なく、一旦そうしたなら、信頼されている発行元から得られたデーターをブロードキャストする、またはホワイト・スペース・データーの要求に最初に応答したデバイスに更新を送ることによってというようにして、信頼されている発行元からのホワイト・スペース・データーを他の近隣デバイスと任意に共有することもできる。
【0010】
[0010] ホワイト・スペース・データーを携帯用ワイヤレス・デバイスには利用可能にするこのような技法の態様は、ホワイト・スペース・データーを要求する携帯用ワイヤレス・デバイス、ホワイト・スペース・データーの要求に応答する携帯用ワイヤレス・デバイス、または双方の携帯用ワイヤレス・デバイス内に実装することができる。他の態様は、ホワイト・スペース・データーを要求する少なくとも1つのデバイスと、このような要求に応答する少なくとも1つのデバイスとを備えているシステムとして、実現することができる。また、態様は、ホワイト・スペース・データーを要求する、またはホワイト・スペース・データーの要求に応答するように、携帯用ワイヤレス・デバイスを動作させる方法として実現することもできる。更に、態様は、少なくとも1つのコンピューター読み取り可能媒体に記録されたコンピューター実行可能命令として実現することもでき、携帯用ワイヤレス・デバイスと関連のあるプロセッサーによって命令を実行すると、このような方法を実行する。
【0011】
[0011] 以上は、本発明の非限定的な摘要であり、本発明は、添付した特許請求の範囲によって定められるものとする。
[0012] 添付図面は、同じ拡縮率で描くことを意図していない。図面では、種々の図に示されている同じコンポーネントまたはほぼ同じコンポーネントは、各々、同様の番号で表されている。明確さを求めるために、各図面においてあらゆるコンポーネントに番号が付けられていないこともある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一部の実施形態による動作環境のブロック図である。
【図2】図2は、本発明の一部の実施形態にしたがってホワイト・スペース・データーを要求するように構成されている携帯用ワイヤレス・デバイスのブロック図である。
【図3】図3は、本発明の一部の実施形態にしたがってホワイト・スペース・データーの要求に応答するように構成されている携帯用ワイヤレス・デバイスのブロック図である。
【図4A】図4Aは、本発明の一部の実施形態にしたがって、ホワイト・スペースにおいて通信するように携帯用ワイヤレス・デバイスを構成する方法のフロー・チャートである。
【図4B】図4Bは、本発明の一部の実施形態にしたがって、多数の発行元から得られたホワイト・スペース・データーを合成する方法のフロー・チャートである。
【図5A】図5Aは、一部の実施形態にしたがって、ホワイト・スペース・データーの要求に応答するようにデバイスを動作させる方法のフロー・チャートである。
【図5B】図5Bは、本発明の一部の実施形態にしたがって、ホワイト・スペース・データーの要求に対してプロキシーとして役割を果たすように、デバイスを動作させる方法のフロー・チャートである。
【図6】図6は、信頼されている発行元として役割を果たすデーターベース・サーバーから、仲介プロキシーとして役割を果たす受信デバイスを用いて、ホワイト・スペース・データーを要求元デバイスに供給する方法の信号図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0021] 本願発明者は、携帯用ワイヤレス・デバイスの機能拡張は、このワイヤレス・デバイスがホワイト・スペース・データーのコピーを得ることができるようにし、近隣の他の携帯用ワイヤレス・デバイスとの相互作用によって、許諾スペクトルにおいて利用可能なチャネルを特定することによって、遂行できることを認識し認めている。ホワイト・スペース・データーを用いると、携帯用ワイヤレス・デバイスは、ホワイト・スペースの非許諾使用に対する連邦通信委員会(FCC)の要件を満たすように、許諾スペクトルにおいてチャネルを選択することができる。その結果、このデバイスは、通信に対する選択肢を広げることができ、携帯用デバイスのユーザーが高速で信頼性の高い通信を体験する可能性を高めることができる。
【0014】
[0022] 他の携帯用ワイヤレス・デバイスとの相互作用は、通信のためのホワイト・スペースの使用を制限しがちとなることがあるブートストラップ問題を解決することができる。最初にホワイト・スペース・チャネルを通じてホワイト・スペース・データーの発行源まで接続を確立することなく、ワイヤレス・ホワイト・スペース通信のための、送信および/または受信パラメーターのような、パラメーターを特定するために用いられる最新で信頼性のあるホワイト・スペース・データーを得ることができる。
【0015】
[0023] 図1は、一部の実施形態による動作環境100のブロック図である。動作環境100は、デバイス120A...120Eとして示されている多数のデバイスが、デバイス110に十分接近しており、デバイス110がデバイス20A...120Eの各々とワイヤレスで通信できる公衆の場所、または企業内の事務所というような、いずれの場所でもよい。図示した実施形態では、デバイス110および120A...120Eの各々を、ワイヤレス・ネットワークの他のインフラストラクチャー・コンポーネントのアクセス・ポイントではなく、ワイヤレス・クライアントと見なすことができる。したがって、これらのデバイスは、携帯用ワイヤレス・デバイスとすることができ、環境100内にあるこのようなデバイスの数は、これらのデバイスがこの環境に出入りするに連れて変化すると考えられる。更に、これらのデバイスがこの環境に出入りするように動作すると、ある場所において利用可能なホワイト・スペース・チャネルについてこれらが格納しているデーターが、古くなる場合もある。本発明の一部の実施形態によれば、本環境内にあるいずれかのデバイスがホワイト・スペース・データーにアクセスできるように、クライアント・デバイスが協調する。
【0016】
[0024] 図1に示す例では、デバイス110は、その近隣にある他のデバイスにホワイト・スペース・データーを要求する。この場合、近隣にあるデバイスとは、デバイス120A...120Eである。5つのこのようなデバイス120A...120Eが図1には示されているが、適した数の受信デバイス120A...120Eであればいくつでも、動作環境100にあってもよい。
【0017】
[0025] 要求元デバイス100は、ホワイト・スペース・チャネルにおいてワイヤレスで通信するために、ホワイト・スペース・データーを要求することができる。ホワイト・スペース・チャネルは、FCC規制にしたがって、環境100内にある許諾スペクトルにおいて未使用チャネルを識別するホワイト・スペース・チャネルのデーターベースから選択することができる。
【0018】
[0026] デバイス110がホワイト・スペースにおいて通信を開始している理由は、本発明にとって重要ではない。例えば、デバイス110は、ホワイト・スペース・サービス150として示されているサービスに接続することの希望を示すユーザー入力に応答して、ホワイト・スペース・データーの要求を開始することができる。このサービスへの接続は、ホワイト・スペースにおけるチャネルを用いて確立することができる。あるいは、デバイス110は、所望のデーター・レートでの通信は非許諾スペクトル内では受け入れられないという判断に応答して、ホワイト・スペースにおいて通信しようとすることもできる。例えば、無線信号の減衰は、信号の周波数の関数であることが分かっている。2.4GHzのような、非許諾スペクトルの2GHzよりも高い部分は、コンピューター間で非許諾通信に広く用いられている。対照的に、ディジタルTV送信に用いられる許諾スペクトルにおけるホワイト・スペースは、約700MHzというように、約1GHz未満となっている。非許諾スペクトルにおける送信は、許諾スペクトルが用いられた場合よりも約10倍減衰する可能性があり、非許諾スペクトルにおける通信の距離および/またはデーター・レートが制限される。
【0019】
[0027] 要求元デバイス110がホワイト・スペースにおいて通信を開始する理由には関係なく、要求元デバイス110は、利用可能なチャネルを特定する、適したホワイト・スペース・データーのコピーを既に格納しているのでなければ、ホワイト・スペース・データーを得ることができる。図1の例では、要求元デバイス110には前もって、利用可能なホワイト・スペース・チャネルを特定するホワイト・スペース・データーベースが設定されていないか、または要求元デバイス110は使用に適していないかもしれないデーターベースを有する可能性がある。例えば、要求元デバイス110は、古いか、または要求元デバイス110の現在の位置には適していないホワイト・スペース・データーベースのコピーを有することが考えられる。
【0020】
[0028] ホワイト・スペースにおいて通信する理由またはホワイト・スペース・データーを得る理由には関係なく、デバイス110は、環境100内にある他のワイヤレス・デバイスと通信することによって、ホワイト・スペース・データーを得ようとすることができる。したがって、デバイス110は、要求を1つ以上の他のワイヤレス・デバイスに送信することができる。このような要求を受信したデバイスは、デバイス110がホワイト・スペース・データーを受信しやすくなるように応答することができる。この例では、デバイス120A...120Eは、ホワイト・スペース・データーの要求をデバイス110から受信した受信デバイスとして役割を果たす。
【0021】
[0029] 図示する例では、データーベース・サーバー140は、信頼されているホワイト・スペース・データーベース141の発信元として役割を果たすことができる。データーベース・サーバー140は、例えば、政府機関、標準化事務所、または少なくとも特定の地理的位置においてホワイト・スペース割り当てに関する正確で最新の日付け情報を有することが証明されているその他の準政府機関によってホストされたサーバーであるとよい。しかしながら、図1に描かれているシナリオでは、要求元デバイス110はサーバー140との直接的な通信を行わない。要求元デバイス110がしかるべきホワイト・スペース・チャネルを選択することができれば、サーバー140と通信できてもよいが、要求元デバイス110は、ホワイト・スペース・チャネルを選択する前には、サーバー140に直接接続することができなければよい。にもかかわらず、要求元デバイスがサーバー140に格納されているデーターを用いてこのようなチャネルを選択すると、ブートストラップ問題が生ずる。
【0022】
[0030] このブートストラップ問題を解消するために、要求元デバイス110は、1つ以上の受信デバイス120A...120Eがホワイト・スペース・データーを要求元デバイス110に提供することに関与することを要求することができる。受信デバイス120A...120Eは、1つ以上の方法で、ホワイト・スペース・データーを提供することに関与することができる。例えば、1つ以上の受信デバイスは、これらが格納しているホワイト・スペース・データーのコピーを提供することができる。受信デバイスがホワイト・スペース・データーを提供することに関与できる方法の他の例として、受信デバイスが、サーバーまたはホワイト・スペース・データーを得ることができる他のコンピューター位置までのネットワーク接続を既に確立しているのであれば、この受信デバイスは、プロキシーとして役割を果たすことができ、要求元デバイス110が、既に確立されているネットワーク接続を用いて、このサーバーと通信してデーターを得ることを可能にする。
【0023】
[0031] 受信デバイス120A...120Eがコピーを提供することによって要求に応答する実施形態では、各受信デバイスはホワイト・スペース・データー141のローカル・コピーを有することができる。環境100全域にブロードキャストすることができるホワイト・スペース・データーの要求に応答して、受信デバイス120A...120Eの内1つ以上は、それらのホワイト・スペース・データーのコピーを送信することができる。図1の例では、受信デバイス120A、120B、および120Dは、各々、コピー141A、141B、および141Dをそれぞれ有している。このシナリオでは、受信デバイス120A、120B、および120Dは、各々、要求に応答することができる。
【0024】
[0032] 要求元デバイス110が多数のホワイト・スペース・データーのコピーを受信した場合、これらのデーターを合成するメカニズムを採用することもできる。場合によっては、要求元デバイス110は、これらのデーターの各コピーに付随する時間情報を用いて、最も新しいコピーを選択することができる。この時間情報は、バージョン情報のように、適した形態であればいずれでもなすことができ、データーがコピーされた元のホワイト・スペース・データーベースを、信頼されている発行元が作成した時刻、または最後に更新した時刻を示すことができる。他の例として、時間情報は、タイム・スタンプの形態とすることができ、いつデーターベースが作成されたか、またはいつ受信デバイスがデーターのコピーを受信したかを示す。
【0025】
[0033] 時間情報が記録されている特定のフォーマットには関係なく、時間情報を要求元デバイス110に伝達することができる。要求元デバイス110は、この時間情報を用いて、それが受信した最も新しい(most up-to-date)データーを特定し、ホワイト・スペース・チャネルを選択することができる。このようにチャネルを選択するためにホワイト・スペース・データーを識別するのは、規準が条件となるが、このように最も新しいバージョンは、そのチャネルを用いようとする時点よりも前における、閾値時間量以内の時間を示す時間値を有する。具体的な一例として、最も新しいバージョンは、使用時点よりも3日未満前に信頼されているソースからコピーされたことを示すタイム・スタンプを有する場合にのみ用いることができる。他の規準は、最も新しいバージョンが、次に新しいバージョンよりも少なくとも何らかの閾値時間量だけ新しいということにしてもよい。例えば、最も新しいバージョンは、次に新しいバージョンよりも少なくとも1日後のタイム・スタンプを有する。
【0026】
[0034] シナリオの中には、要求元デバイス110が、多数の受信デバイスから受信したデーターを合成し、合成したデーターに基づいてチャネルを選択するとよい場合もある。実施形態の中には、要求元デバイス110が、多数のコピーを受信したときには常にデーターを合成するとよい場合もある。他の実施形態では、受信したホワイト・スペース・データーのコピーのいずれもが、最も新しいコピーとして用いるための規準を満たさない場合、データーを合成するように要求元デバイス110を作動させるのであってもよい。
【0027】
[0035] ホワイト・スペース・データーからチャネルを選択するために応答がどのように用いられるかには関係なく、ホワイト・スペース通信を確立するために、選択したチャネルを要求元デバイス110によって用いることができる。しかしながら、実施形態の中には、選択したチャネルを一時的チャネル割り当てとしても用いるとよい場合もある。一時的チャネル割り当ての適性を確認するとよい。確認された場合、そのチャネル割り当てを更に別の通信に用いることができる。確認されない場合、他のチャネルを選択すればよい。
【0028】
[0036] 一例として、要求元デバイスは、初期チャネル割り当てを用いて、サーバー140との接続を形成することができる。サーバー140は、信頼されているホワイト・スペース・データーのソースである。次いで、要求元デバイス110は、信頼されているホワイト・スペース・データーのコピーをサーバー140からダウンロードして、初期チャネル割り当ての妥当性を確認することができる。実施形態の中には、要求元デバイス110がある地理的領域に対する全ホワイト・スペース・データーをダウンロードするとよい場合もある。このデーターベースは、ホワイト・スペース通信のためのチャネルを選択するために用いることができ、このチャネルは初期チャネル選択と同一であっても異なっていてもよい。
【0029】
[0037] 受信デバイスが、ホワイト・スペース・データーを得ようとする要求元デバイス110に関与することができる代わりの方法または追加の方法として、受信デバイス120A...120Eの内一部が、要求元デバイス110とサーバー140との間の間接接続をやり易くすることもできる。例えば、デバイス120Eが、データーベース・サーバー140にアクセスすることができるネットワーク130への接続を有することができる。すると、受信デバイス120Eは、プロキシーとして役割を果たすことができ、要求元デバイス110に、受信デバイス120Eがサーバー140と形成することができる接続を介して、サーバー140への接続を形成することを可能にする。
【0030】
[0038] デバイス120Eをサーバー140に接続するやり方は、本発明にとって重要ではない。ネットワーク130は、インターネットまたはデーターベース・サーバー140にアクセスすることができる適したネットワークであれば他のいずれでもよい。実施形態の中には、デバイス120Eがホワイト・スペース・チャネルを用いてネットワーク130に接続できる場合もある。
【0031】
[0039] デバイス120Eとサーバー140との間でどのように接続が形成されるかには関係なく、一旦この接続が確立されたなら、デバイス120Eは単に要求元デバイス110とサーバー140との間でパケットを中継するだけでよい。このように、要求元デバイス110は、サーバー140と通信するためには、適したプロトコルであればいずれでも用いることができる。実施形態の中には、通信用プロトコルが、セキュリティ連携(security association)を作成することを伴うとよい場合もある。これによって、要求元デバイスがサーバー140を信頼されているホワイト・スペース・データーのソースであることを認証することができ、および/またはサーバー140からのホワイト・スペース・データーが、受信デバイス120Eまたは他の仲介デバイスによって、意図せずにまたは悪意によって変更されていないことの確証を得ることができる。
【0032】
[0040] 要求元デバイス110が他の携帯用電子デバイスをプロキシーとして用いてサーバーに接続してデーターを受信する実施形態では、要求元デバイスは、このデーターに基づいて選択したチャネルが、使用のために利用可能であることを確認することができる。しかしながら、プロキシーを介して安全な接続が形成される実施形態では、この確認ステップを省略してもよい。
【0033】
[0041] ホワイト・スペース・データーをどのようにして得るかには関係なく、要求元デバイス110は、このデーターによって利用可能であることを示された1つ以上のホワイト・スペース・チャネル内にある周波数を用いて、チャネルを選択し通信を確立するために、このデーターを用いることができる。これらの通信の本質(nature)は本発明にとって重要ではない。一例として、ホワイト・スペース・サービスとの通信を開始することができる。ホワイト・スペース・サービス150は、ホワイト・スペース・チャネル上でアクセス可能な適したタイプのサービスであればいずれでもよい。例えば、サービス150は、ネットワーク130のようなネットワークへのアクセスを与えることができる。実施形態の中には、サービス150がホワイト・スペース・チャネル上でインターネット・アクセスを与えるものもある。
【0034】
[0042] 実施形態の中には、要求元デバイス110および受信デバイス120A...120Eが携帯用電子デバイスである場合もある。このようなデバイスは、古い(out-of-date)ホワイト・スペース・データーを有する虞がある。このようなデバイスは場所から場所に移動することがあるので、これらが格納するホワイト・スペース・データーは、これらのデバイスがホワイト・スペース・データーの更新コピーをダウンロードすることができるネットワークに接続されていない間に、単に時間経過のために古くなる可能性がある。また、携帯用デバイスがある場所から別の場所に移動している間に、データーのコピーが古くなることもある。しかしながら、本明細書において説明するホワイト・スペース・データーを得るための技法は、許諾スペクトルにおける通信を可能にするように構成されたワイヤレス・ネットワーク・インターフェースを有するいずれの計算機とでも用いることができることは認められてしかるべきである。
【0035】
[0043] 図2は、一部の実施形態による要求元デバイス110のブロック図である。先に論じたように、要求元デバイス110は、このデバイスの位置において用いることができるホワイト・スペース・データーのコピーを求めているデバイスである。一旦このコピーが要求元デバイス110によって得られたなら、このデバイスは、ホワイト・スペース・サービスにアクセスするように構成することができる。
【0036】
[0044] 要求元デバイス110は、ワイヤレス通信が可能な適したデバイスであればいずれによってでも実現することができる。例えば、そして限定ではなく、要求元デバイス110は、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、ラップトップ、移動体電話機、スマート・フォン、または他の適したワイヤレス通信デバイスのいずれかとして実現することができる。実施形態の中には、要求元デバイス110が、プロセッサー201、メモリー203、ワイヤレス・ネットワーク・インターフェース205Aおよび205B、ユーザー・インターフェース207、取得モジュール209、組み合わせモジュール211、接続モジュール213、および位置検出モジュール215を含むとよい場合がある。
【0037】
[0045] プロセッサー201は、当技術分野において周知の1つ以上のプロセッサー、または他の適した処理デバイスであればいずれでもよい。例えば、そして限定ではなく、プロセッサー201は、中央演算装置(CPU)、ディジタル信号プロセッサー(DSP)、コントローラー、アドレス可能コントローラー、汎用または特殊目的マイクロプロセッサー、マイクロコントローラー、アドレス可能マイクロプロセッサー、プログラマブル・プロセッサー、プログラマブル・コントローラー、専用プロセッサー、専用コントローラー、あるいは他のいずれかの適した処理デバイスの内のいずれでもよい。プロセッサー201は、コンピューター実行可能命令を実行して、要求元デバイス110のコンポーネントを制御して、ホワイト・スペース・データーを得て、本明細書において説明する技法を用いてホワイト・スペース・チャネルを特定し、このチャネルにおいて通信を行うことができる。
【0038】
[0046] メモリー203は、プロセッサー201に統合することもでき、および/または例えば、メモリー・バス(図示せず)を通じてプロセッサー201にアクセス可能とするとよい「オフ・チップ」メモリーを含むこともできる。メモリー203は、ソフトウェア・モジュールを格納することができ、プロセッサー201によってこのソフトウェア・モジュールを実行すると、所望の機能を実行する。例えば、実施形態の中には、取得モジュール209、組み合わせモジュール211、接続モジュール213、および位置検出モジュール215が、メモリー203に格納されているソフトウェア・モジュールであるとよい場合もある。しかし、モジュール209〜215は適した方法であればいずれでも実現することができる。メモリー203は、例えば、そして限定ではなく、RAM、ナノテクノロジーに基づくメモリー、1つ以上のフロッピー・ディスク、コンパクト・ディスク、光ディスク、揮発性および不揮発性メモリー・デバイス、磁気テープ、フラッシュ・メモリー、ハード・ディスク・ドライブ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ内の回路構成、または他の半導体デバイス、あるいは他の有形コンピューター記憶媒体というような、いずれかの適したタイプのコンピューター読み取り可能記憶媒体とすることができる。
【0039】
[0047] また、要求元デバイス110は、有線および/またはワイヤレス通信用に1つ以上のネットワーク・インターフェースを含むこともできる。ここでは、要求元デバイス110はネットワーク・インターフェース205Aおよび205Bを有する。ネットワーク・インターフェース205A〜205Bは、ネットワークを通じて通信するように構成されているハードウェアおよびソフトウェアの適した組み合わせであればいずれでもよい。例えば、各ネットワーク・インターフェース205Aおよび205Bは、ネットワーク・インターフェース・ドライバ、ならびにワイヤレス送信機および受信機、または同等に送受信機を含むネットワーク・インターフェース・カード(NIC)として実現することができる。ドライバーは、要求元デバイス110の他のコンポーネントから命令を受け取り、NICを用いて動作を実行するように構成されている。NICは、ワイヤレス・ネットワークを通じた通信または直接他のワイヤレス・デバイスとの通信のために信号を発生および受信するように構成することができる。
【0040】
[0048] 要求元デバイス110は、1つ以上のワイヤレス・ネットワーク・インターフェースを含むことができ、これらのインターフェースを通じて、ホワイト・スペース・データーの要求を送信することができ、1つ以上の応答を受信することができる。また、要求元デバイス110は、一旦チャネルが選択されたならホワイト・スペース通信に合わせて構成することができる1つ以上のワイヤレス・ネットワーク・インターフェースも含むことができる。ホワイト・スペース・データーが得られるワイヤレス・ネットワーク・インターフェース、およびホワイト・スペース通信が行われるワイヤレス・ネットワーク・インターフェースは、同じインターフェースであっても、異なるインターフェースであってもよい。
【0041】
[0049] 実施形態の中には、要求元デバイス110が、非許諾スペクトルを用いて、ホワイト・スペース・データーの要求を送り、応答を受信することができる場合もある。非許諾スペクトルは、許諾スペクトルよりも高い周波数範囲を用いる場合がある。したがって、ホワイト・スペース・データーを得るため、そしてホワイト・スペース通信を実行するためには、別個のワイヤレス・ネットワーク・インターフェースを採用するとよい。
【0042】
[0050] 具体的な例として、要求元デバイス110はBLUETOOTH(登録商標)通信またはIEEE802.11通信に従来用いられている周波数を用いて、ホワイト・スペース・データーの要求を送信し応答を受信することができる。対照的に、要求元デバイス110は、ホワイト・スペース通信には、ディジタルTV送信に割り当てられているスペクトルにおける周波数を用いることができる。これら異なる周波数範囲における通信をサポートするために、別個のネットワーク・インターフェースがあるとよい。したがって、要求元デバイス110は、2つのワイヤレス・ネットワーク・インターフェース205Aおよび205Bを内蔵するように示されている。
【0043】
[0051] 実施形態の中には、NICが多数の送受信機を含み、広いスペクトル範囲に亘る通信に対処できるようにしたものもある。例えば、ワイヤレス・ネットワーク・インターフェース205Aおよび205Bは、ソフトウェア定義ラジオを用いて実現することができ、このソフトウェア定義ラジオは、このような広帯域NICを用いて、ホワイト・スペース・データーを得るために用いられる周波数において通信するため、およびホワイト・スペース通信のためにしかるべくプログラミングすることができる。
【0044】
[0052] 実施形態の中には、要求元デバイスの現在地に基づいて、ホワイト・スペース・データーを得られる場合もある。したがって、要求元デバイス110は、位置検出モジュール215のような、その位置を判定するコンポーネントを含むのであってもよい。位置検出モジュール215は、ハードウェアおよびソフトウェアの適した組み合わせであればいずれを用いてでも実現することができる。尚、デバイス110の位置は、適したホワイト・スペース・データーを特定するという目的のために十分に精度が高ければよいことは認められてしかるべきである。状況によっては、異なる地理的領域には異なるホワイト・スペース・データーベースが定義されていることもある。許諾スペクトル・サービスの典型的なブロードキャストは、数十または数百平方マイルをカバーする。したがって、数マイル以内までに要求元デバイスの位置を判定することができれば、十分に精度が高いと考えられる。多くの場合、都市、大都市近郊、または要求元デバイス110が位置する国を特定できれば、しかるべきホワイト・スペース・データーベースを特定する目的には十分であると考えられる。
【0045】
[0053] 位置検出モジュール215は、いずれかの適した方法で、要求元デバイス110の位置を判定することができる。これより、位置検出モジュール215の様々な例を提示する。これらの例は、例示であり、網羅的であることを意図するのではない。何故なら、現在地は、適した方法であればいずれでも判定できるからである。
【0046】
[0054] 実施形態の中には、位置検出モジュール215が汎地球ナビゲーション衛星サービス(GNSS)を利用して、ナビゲーション衛星からの計算機100の現在地を判定するとよい場合もある。GNSSの例には、米国の汎地球測位サービス(GPS)、ヨーロッパ連合のGalileo測位システム(1012に予定されている)、ロシアのGLONASSシステム、中国のCompassシステムが含まれる。しかし、適したGNSSであればいずれでも、サポートすることができる。
【0047】
[0055] 実施形態の中には、位置検出モジュール215がワイヤレス・ビーコンを分析して、要求元デバイス100の現在地を判定できる場合もある。このようなビーコンは、ワイヤレス・ネットワーク・インターフェース205Aまたは205Bを通じて受信することができ、または他のいずれかの適した方法で得ることもできる。ビーコンが、現在地を判定するために用いることができる情報をどのように表すかは、ビーコン信号の発信源によって異なるのであってもよい。例えば、公衆陸線移動体ネットワーク(PLMN)は、各々、位置検出エリア識別(LAI)として知られている一意の識別子を有する。LAIは、標準化されている移動体国別コード(MCC)を含む。他の例として、IEEE802.11dのビーコン信号は、国別コードを含む。802.11dとの準拠は自由意志であり、国別コードはユーザーによって設定され、ビーコン信号分析サービスは、IEEE802.11dビーコンによって示される国別コードに頼る前に、様々なネットワークからの多数のビーコン信号間で契約(agreement)について検査するように構成することができる。
【0048】
[0056] 実施形態の中には、位置検出モジュール215がセルラー通信タワーからの信号を用いて、要求元デバイス110現在地を判定するとよい場合もある。例えば、三角測量の原理を用いて、要求元デバイス110の現在地を特定することができる。
【0049】
[0057] 実施形態の中には、位置検出モジュール215がユーザーに現在地を指定するように促すことができるものもある。ユーザー入力モジュールが、ユーザーに現在地を示すように、いずれかの適した方法で促すことができる。例えば、ユーザー・インターフェース207と共に地図を表示し、ポインティング・デバイスを用いて地図上でユーザーに彼女の位置を示させる。実施形態の中には、直前の指定の近くにあるエリアにおいて地図を拡大することによって、連続指定を用いるとよい場合もある。実施形態の中には、ユーザーが単純に、例えば、現在地である都市または国の名称を入力するものもある。しかし、ユーザーを促すのは、適した方法であればいずれでもよい。
【0050】
[0058] 取得モジュール209、組み合わせモジュール211、および接続モジュール213は、ホワイト・スペース・データーを得て、利用可能なホワイト・スペース・チャネルを特定し、ホワイト・スペース・サービスと通信することによってというように、ホワイト・スペース通信に合わせて要求元デバイス110を構成するために、それぞれ、用いることができるモジュールである。これらのモジュールは、ハードウェアおよびソフトウェアの適した組み合わせであればいずれでも実現することができる。モジュール209、211、および213は、方法400および下位方法(sub-method)450を実現するために用いることができる。これらの方法については、図4A〜図4Bを参照して以下で論ずる。
【0051】
[0059] 図3は、一部の実施形態による受信デバイス320のブロック図である。受信デバイス320は、受信デバイス120A...120Eの内の1つを表す。しかし、受信デバイス120A...120Eは同じ構成を有しても異なる構成を有してもよいことは認められてしかるべきである。
【0052】
[0060] 受信デバイス320は、プロセッサー301、メモリー302、ワイヤレス・ネットワーク・インターフェース305、およびユーザー・インターフェース307を有することができる。実施形態の中には、携帯用計算機が要求元デバイスとして役割を果たすこと、および受信デバイスとして役割を果たすこともある。したがって、図3に示すコンポーネントは、図2を参照して先に論じた対応するコンポーネントと同様の形態および機能を有していてもよい。
【0053】
[0061] しかし、受信デバイスとして役割を果たすためには、受信デバイス320は、図2に関して先に論じなかったコンポーネントを含むとよい。また、要求元デバイス320は、コンピューター記憶媒体に格納されているホワイト・スペース・データー315も有することができる。受信デバイスまたは要求元デバイスとして役割を果たすことができる各デバイスに格納されているホワイト・スペース・データーは、許諾スペクトルにおける全ての既知のチャネル割り当てを示す、全ホワイト・スペース・データーベースであるとよく、サーバー140(図1)のような、ホワイト・スペース・データーの信頼できるソースからコピーしたフォーマットにすることができる。
【0054】
[0062] しかしながら、実施形態の中には、ホワイト・スペース・データー315が利用可能なデーターの部分集合であってもよい場合がある。例えば、サーバー140は多数の地理的位置に対するチャネル割り当てを格納することができ、受信デバイス320は、その現在地に適用可能なチャネル割り当てのみを格納するのでもよい。更に、ホワイト・スペース通信用のチャネルを特定するために、全てのチャネル割り当てが分かっている必要はない。したがって、ホワイト・スペース・データー315は、チャネル割り当てではなく、利用可能なチャネルを指示すればよい。多数の利用可能なチャネルがあるシナリオでは、ホワイト・スペース・データー315は利用可能なチャネルの部分集合だけを示すのであってもよい。
【0055】
[0063] ホワイト・スペース・データーと共に最新データー・コピーを特定することができる時間情報も格納することができる。図3の例では、この時間情報はデーターベース・バージョン識別子の形態をなす。バージョン識別子317は、ホワイト・スペース・データー315をコピーした元のホワイト・スペース・データーベースのバージョンを示す。例えば、バージョン識別子317は、バージョン番号、および/またはホワイト・スペース・データー315を、データーベース・サーバー140(図1)のような、信頼のあるホワイト・スペース・データーベース源からダウンロードした時刻を示すことができる。
【0056】
[0064] 明示的に示されていないが、他の識別情報をホワイト・スペース・データー315と関連付けることもできる。例えば、ホワイト・スペース・データー315は、このホワイト・スペース・データーが有効である地理的領域のインディケーターを収容することができる。また、図3は、デバイスに格納されている最も新しいホワイト・スペース・データーを表す、ホワイト・スペース・データーの1つのコピーを示すことは認められてしかるべきである。しかしながら、実施形態の中には、受信デバイス320が、異なる地理的領域(図示せず)に対応するホワイト・スペース・データーの他のコピーを有しているとよい場合もある。
【0057】
[0065] 受信デバイス320は、受信デバイスが他のデバイスからのホワイト・スペース・データーの要求を受信しこれに応答することを可能にするコンポーネントを含むことができる。応答モジュール309、プロキシー・モジュール311、およびアクセス制御モジュール313は、ホワイト・スペース・データーをどのようにして要求元デバイス(例えば、図1および図2の要求元デバイス110)に提供するかを制御するために用いることができるモジュールである。モジュール309、311、および313は、ハードウェアおよびソフトウェアの適した組み合わせであればいずれでも実現することができる。
【0058】
[0066] 実施形態の中には、応答モジュール309がホワイト・スペース・データー315のコピーの要求に応答する場合もある。応答モジュール309はネットワーク・インターフェース305Aまたは305Bを通じて受信した通信を監視して、要求元デバイスからの要求を示す通信を探し出すことができる。しかし、応答モジュール309の動作を誘起するためには、適した手法であればいずれでも用いることができる。例えば、応答モジュールは、既知のプログラミング技法を用いて、通信がヘッダーまたはその他のフィールドを有し、この通信を要求として識別する値を収容するときに、通知を受信するようにネットワーク・インターフェースまたは他の適したコンポーネントに登録することができる。
【0059】
[0067] プロキシー・モジュール311は、データーベース・サーバーと要求元デバイスとの間においてプロキシー接続を確立し制御することができる。プロキシー・モジュール311は、適した方法であればいずれでも動作することができる。例えば、受信デバイス320は、ワイヤレス・ネットワーク・インターフェース305Aまたは305Bを通じて、要求元デバイスからのホワイト・スペース・データーを得るコマンドであるメッセージを受信することができる。プロキシー・モジュール311は、これらのコマンドを監視し、これらのコマンドの通知を受けることができ、またはこのようなコマンドに応答するように、いずれかの適した方法で誘起されるようにすることができる。それとは関係なく、このようなコマンドに応答する際、プロキシー・モジュール311は、サーバー140(図1)のような、信頼のおけるホワイト・スペース・データーのソースに要求を送ることができる。次いで、プロキシー・モジュール311は、このソースからの応答の全部または一部を要求元モジュールに転送することができる。
【0060】
[0068] 代替案として、プロキシー・モジュール311は、要求元デバイスとホワイト・スペース・データーのソースとの間における通信のための導管(conduit)として役割を果たすこともできる。この実施形態では、要求元デバイスからのメッセージをコマンドとして扱うのではなく、受信デバイスからのあらゆるメッセージを、処理せずに、サーバーに転送することもできる。このような実施形態では、プロキシー・モジュール311は、受信デバイス320内にネットワーク・スタックの比較的低レベルにおいてコンポーネントを含むことができる。このシナリオでは、プロキシー・モジュール311は、信頼のおけるホワイト・スペース・データーのソースの位置を特定する入力を受信することができる。プロキシー・モジュール311は、次いで、ホワイト・スペース・データーの要求であることのインディケーターを含むあらゆる受信メッセージを、信頼のおけるソースに転送する。
【0061】
[0069] モジュール309および311は、方法500および下位方法550を実現するように構成することができる。これらの方法については、図5Aおよび図5Bを参照して後に論ずる。
【0062】
[0070] 実施形態の中には、ワイヤレス・サービスのユーザーが、ホワイト・スペース・データーの要求としてフォーマットされたワイヤレス通信を受信したときに、受信デバイスが、要求に対して、共有するホワイト・スペース・データーを有するかまたはプロキシーとして役割を果たすことができるネットワーク接続を有するか応答するように、デバイスを構成するとよい場合がある。このように動作するようにワイヤレス・デバイスをプログラミングすることによって、他のユーザーも同様に彼らのデバイスを要求に応答するように構成することを促進することができ、これによってある領域において動作する多数のワイヤレス・デバイスの協同動作の結果、デバイスがホワイト・スペース・データーを得ることができる可能性を高めることができる。
【0063】
[0071] しかしながら、受信デバイスがホワイト・スペース・データーの要求を余りに多く受信すると、その性能が損なわれる虞がある。このような状況は、他に多くのワイヤレス・デバイスがある環境に受信デバイスが位置する場合、不意に発生する可能性があり、またはこの環境においてワイヤレス・デバイスを動作させている者の悪意の行為の結果発生することもあり得る。したがって、受信デバイス320はホワイト・スペース・データーの要求に応答するために振り向けられるリソースの量を制限するメカニズムを含むとよい。この例では、受信デバイス320はアクセス制御モジュール313を含む。
【0064】
[0072] アクセス制御モジュール313は、応答モジュール309がホワイト・スペース・データーベースの要求に応答するときに用いる時間量を制限することができる。例えば、アクセス制御モジュール313は、応答モジュール309がホワイト・スペース・データーの要求に応答する際に用いるその処理パワー、ネットワーク帯域幅、または他のリソースの消費を1、3、5、または10パーセント未満に制限することができる。しかし、リソース使用を制限する他の技法を採用することもできる。他の例として、アクセス制御モジュール313は、プロキシー接続が維持されている期間(例えば、0.5秒)を制限することができる。他の例として、アクセス制御モジュール313は、ランダムに決定される可能性がある、ある時間量だけ要求元デバイスを待たせた後で、要求元デバイスが受信デバイスのリソースを用いるようにすることもできる。または、受信デバイスは、ホワイト・スペース・データーの要求に応答した後、他のホワイト・スペース・データーの要求に応答するまでの時間を設定することもできる。
【0065】
[0073] 実施形態の中には、受信デバイスがホワイト・スペース・データーを要求する他のデバイスと協調するために振り向けるリソースの量に対する制限の本質(nature)、および制限の値を、方針によって決定するとよい場合もある。この方針は、適した方法であればいずれでも導き出すことができる。例えば、デバイスのオペレーティング・システムにデフォルトの方針を含ませることができる。あるいは、ユーザー入力または他の適した入力の形態によって方針を設定または修正することもできる。
【0066】
[0074] アクセス制御モジュール313は、適した組み合わせであればいずれでも動作することができる。例えば、アクセス制御モジュール313は、応答モジュール309および/またはプロキシー・モジュール311の動作を抑制し次いで可能にするコマンドを発行することができる。しかし、更に他の例として、要求に応答してホワイト・スペース・データーを提供することができるサーバーとの接続を形成するプロキシーとして役割を果たすために、アクセス制御モジュール313は、他の受信デバイスに接続を委託することができる。しかし、アクセス制御モジュール313は、適した方法であればいずれでも、応答デバイス320へのアクセスを制限できることは認められてしかるべきである。
【0067】
[0075] 尚、受信デバイス110および要求元デバイス320について別個に説明したが、実施形態の中には、1つのデバイスが状況に応じて要求元デバイス110または受信デバイス320のいずれかとして動作するように構成できるものもあることは認められてしかるべきである。例えば、一旦デバイスがホワイト・スペース・データーの要求のコピーを得たならば、このデバイスは、ホワイト・スペース・データーを提供することによって、他のデバイスからの要求に応答することができる。他の例として、データーベース・サーバーからホワイト・スペース・データーのコピーを受信したデバイスは、ホワイト・スペース・データーの最新コピーが入手可能であることを、本環境の中にある他のデバイスに広告することもできる。
【0068】
[0076] 以上、要求元デバイス110および受信デバイス例320について説明したので、図4Aおよび図4Bならびに図5Aおよび図5Bをそれぞれ参照して、これらのデバイスを動作させる方法について説明する。
【0069】
[0077] 図4Aは、ワイヤレス・デバイスをホワイト・スペース・サービスに接続する方法400のフロー・チャートである。方法400は、例えば、図2に示した要求元デバイス110の動作によって実行することができる。しかし、方法400は、適したやり方であればいずれでも実現することができる。
【0070】
[0078] 要求を送信するには、適したプロトコルであればいずれでも用いることができる。プロトコルは、ステップ401において、最初に低パワー・アテンション・シーケンス(attention sequence)を送信することを伴うことができる。このアテンション・シーケンスは、要求を周期的にしか監視していない受信デバイスが、この受信デバイスが要求を監視できるように、要求元デバイスが要求を送信する準備を行っていることを検出できるような期間を有することができる。
【0071】
[0079] しかし、適したプロトコルであれば他のいずれでも用いることができることは認められてしかるべきである。実施形態の中には、802.11または他のいずれかの適した規格にしたがって802.11ビーコン信号または他の制御通信における情報エレメントとして、要求をエンコードするとよい場合もある。規格にしたがって動作するデバイスは、その規格にしたがって送られるビーコンまたは制御通信を検出するように構成することができる。このようなシナリオでは、受信デバイスが、ステップ401によって例示したようなアテンション・シーケンスを用いずに、要求を収容するワイヤレス送信を検出することができる。
【0072】
[0080] 用いるプロトコルには関係なく、ステップ403において、要求元デバイスはホワイト・スペース・データーの要求を動作環境にワイヤレスで送信することができる。この要求は、受信デバイスがそれを要求として認識することを可能にする適した方法であればいずれでもエンコードすることができる。実施形態の中には、要求が、他のデバイスとの相互作用を通じてホワイト・スペース・データーを得る際に用いられる他の情報を収容するとよい場合もある。例えば、要求が要求元デバイスの地理的領域を特定することができる。他の選択肢の一例として、要求は、デバイスがプロキシー・デバイスを介してデーターベース・サーバーに接続することを望んでいるのか、または送信された要求を受信したデバイス(受信デバイス)のローカルに格納されているレポジトリーから直接データーベースのコピーを受信することを望んでいるのかを示すことができる。多数のホワイト・スペース・データーのソースを受け入れることができる場合、要求によって優先度を指定することができる。実施形態の中には、セキュリティ要求を示す場合もある。セキュリティ要求は、例えば、要求元デバイスが受信したホワイト・スペース・データーのコピーをどのように認証するのかを示すことができる。
【0073】
[0081] 実施形態の中には、非許諾公衆チャネル上で要求を送信する場合もある。例えば、要求を指定する情報エレメント(IE)を有する、プローブ要求またはIEEE802.11ビーコン信号のような、Wi−Fi制御メッセージを送ることができる。IEEE802.11は、2.4、3.6、および5GHz帯域におけるような、非許諾周波数において動作する。実施形態の中には、1.8GHzおよび3GHzの間の帯域において要求を送信する場合もある。送信された要求は、この要求に対する応答を受信するのを待っている間、周期的に繰り返すことができる。実施形態の中には、数個の異なる非許諾チャネル上で要求を送信する場合もある。
【0074】
[0082] ステップ405において、要求元デバイスにおいてホワイト・スペース・データーの1つ以上のコピーを受信する。例えば、1つ以上の受信デバイスが、ホワイト・スペース・データーのコピーを提供することによって、要求に応答することができる。実施形態の中には、要求を直接受信するデバイスがプロキシーとして動作して、ホワイト・スペース・データーがホワイト・スペース・データーベース・サーバーから要求元デバイスによって受信される場合もある。ホワイト・スペース・データーベースは、これらのデバイス間において開かれたワイヤレス・チャネルまたは安全なワイヤレス・チャネル上で受信することができる。実施形態の中には、受信したホワイト・スペース・データーのコピーを認証する場合もある。例えば、信頼されているソースと関連のある鍵を用いて、データーのコピーを受信するために安全なチャネルを確立することができる。しかし、適した形態の認証であればいずれでも用いることができる。
【0075】
[0083] 受信したホワイト・スペース・データーの各コピーは、データーベースのバージョン、およびそのデーターを用いることができる地理的領域を示すことができる。また、このデーターは、その地理的領域においてどの周波数帯域が用いられているかを示すこともできる。実施形態の中には、このデーターが、使用されている許諾チャネルのリストを提供できる場合もある。更に他の実施形態の中には、ホワイト・スペース・データーが、どの許諾チャネルがホワイト・スペースとして利用可能かを示すことができる場合もある。例えば、TV「チャネル2」が用いられていない場合、ホワイト・スペース・データーは、54から60MHzが利用可能なホワイト・スペース・チャネルであることを示すことができる。ホワイト・スペース・チャネルは、約50から810MHzにわたる許諾テレビジョン・スペクトルの下位帯域(sub-band)において利用することもできる。利用可能なチャネルは、チャネル番号または周波数範囲によってというように、いずれかの適した方法で特定することができる。更に、ホワイト・スペースとして使用するために指定された「チャネル」は、許諾されたユーザーに割り当てることができるチャネルに対応する必要はない。ホワイト・スペース・チャネルは、適した周波数範囲であればいずれにでも対応することができ、許諾されたユーザーの帯域幅よりも広いまたは狭い帯域幅を有することもできる。更に、ホワイト・スペース・チャネルの識別が、周波数範囲以外の情報を含むこともできる。例えば、ホワイト・スペース・データーは、許諾されたチャネルが選択時間においてのみ用いられていることを示すことができる。
【0076】
[0084] ホワイト・スペース・データーのフォーマットには関係なく、ステップ407において、ホワイト・スペース・データーの多数のコピーが受信され、合成する必要があるか否か判断する。ない場合、方法400はステップ411に進む。多数のコピーが受信されている場合、方法400はステップ409に進む。
【0077】
[0085] ステップ409において、コピーを合成して、ホワイト・スペース・スペクトルにおいて利用可能なチャネルを特定する。実施形態の中には、ホワイト・スペース・データーのコピーを合成する下位方法450を実行する場合もある。しかし、多数のデーターベースの受信は、いずれかの適した方法で解決すればよいことは認められてしかるべきである。下位方法450については、図4Bを参照しながら以下で論ずる。ステップ409においてホワイト・スペース・データーの適した合成を実行した後、方法400はステップ411に進む。
【0078】
[0086] ステップ411において、ホワイト・スペース・データーに基づいて、送信および受信パラメーターを選択する。例えば、これらのパラメーターは、デバイスがホワイト・スペースを用いて、許諾ブロードキャストと干渉することなく、通信することを可能にするとよい。実施形態の中には、ホワイト・スペース・チャネルを選択することによって、送信および受信パラメーターが選択される場合もある。ホワイト・スペース・データーのコピーまたは合成されたホワイト・スペース・データーのコピーによって利用可能であることが示されたチャネルの中から、チャネルを選択することができる。1つまたは複数のチャネルは、適した方法であればいずれでも選択することができる。
【0079】
[0087] 実施形態の中には、要求元デバイスが品質メトリックに基づいてホワイト・スペース・データーにおいて利用可能であることが示された全てのチャネルから選択を行う場合もある。例えば、要求元デバイスが、これらのチャネルの内1つにおいて接続が確立されるまで、異なるチャネルを用いてサーバーに接続しようとすることができる。実施形態の中には、デバイスが好ましい動作特性を有するチャネルを選択できる場合もある。例えば、デバイスが、好ましい伝搬特性を有するチャネル、または現在使用中の許諾チャネルから周波数が最も離れているチャネルを選択することもできる。実施形態の中には、ユーザーからの入力によってチャネルを選択する場合もある。
【0080】
[0088] 一旦チャネルが選択されたなら、ホワイト・スペース通信をそのチャネル上で実行することができる。しかし、実施形態の中には、選択されたチャネルが、他のデバイスから受信したホワイト・スペース・データーが正確であることを検証するために用いられる暫定チャネルとして役割を果たすとよい場合もある。したがって、ステップ413において、選択されたホワイト・スペース・チャネルを用いて、信頼のおけるホワイト・スペース・データーのソースに接続することができる。
【0081】
[0089] 図示した例では、暫定チャネルは、ホワイト・スペース・データーベース・サーバーに接続するために用いられる。例えば、デバイスは、インターネットへの接続を提供するホワイト・スペース・サービスを通じて、データーベース・サーバーに接続することができる。しかし、ホワイト・スペース・データーベース・サーバーへの接続は、直接、またはインターネット以外のネットワークを通じて形成されてもよい。
【0082】
[0090] ステップ415において、最新のホワイト・スペース・データーをホワイト・スペース・データーベース・サーバーからダウンロードすることができる。最新のコピーをデーターベース・サーバーからダウンロードした後、デバイスをブートストラップすることによって得られたいずれのコピーも破棄することができる。最新のコピーは、利用可能なホワイト・スペース・チャネルの更なる識別に用いることができる。
【0083】
[0091] ステップ417において、デバイスは、本環境内にある他のデバイスに最新のホワイト・スペース・データーをブロードキャストすることができ、またそうでなければ、最新のデーターの利用可能性を示すことができる。最新のホワイト・スペース・データーは、ステップ405においてデーター・コピーを受信したのと同様の方法でブロードキャストすることができる。例えば、非許諾スペクトルを通じてこのデーターをブロードキャストすることができる。しかし、適した方法であればいずれでもブロードキャストを送ることができる。このように、本環境内にあるデバイスは、それらがローカルに格納しているホワイト・スペース・データーのコピーを、ブロードキャストされた最新バージョンによって更新することができる。
【0084】
[0092] ステップ419において、415においてホワイト・スペース・データーベース・サーバーから得たホワイト・スペース・データーの最新コピーを用いて、利用可能なホワイト・スペース・チャネルを選択する。この選択されたチャネルは、以後、ホワイト・スペース・サービスとの通信を含む、ホワイト・スペース通信に用いることができる。
【0085】
[0093] 以上、方法400について論じたので、これより図4Bを参照して、多数のホワイト・スペース・データーのコピーを合成する下位方法450について論ずる。
[0094] ステップ451において、受信したコピーの内の1つが、ホワイト・スペース・データーの「最新」コピーであるか否か判定を行う。データーのコピーは、そのデーターがチャネルを選択するために用いられることになっている時刻よりも前において閾値時間以内に信頼のおけるソースから得られた場合に、「最新」と見なすことができる。データーベースの各コピー得られたときは、例えば、コピーと共に含まれている時間情報から判定することができる。閾値時間が1日(24時間)である場合、最後の24時間以内にデーターベース・サーバーから得られたデーターベースのコピーのみが新しいと見なされる。しかし、閾値時間は、1日、2日、または1週間というような、適した値であればいずれでもよい。
【0086】
[0095] ステップ451において、ホワイト・スペース・データーの最新コピーがないと判断された場合、下位方法450は誤りを示すことができ、本方法を終了する。しかし、受信したコピーが最新でない場合、あらゆる適した処置を講ずることができる。実施形態の中には、方法400がステップ403に戻り、ホワイト・スペース・データーの要求を再度ブロードキャストできる場合もある。他の代替案として、要求元デバイスが、アクティブなネットワーク接続を有し信頼のおけるホワイト・スペース・データーのソースへの接続のためにプロキシーとして役割を果たすことができる近隣のデバイスを特定することによってというようにして、他の方法でホワイト・スペース・データーを得る動作を開始することもできる。
【0087】
[0096] しかしながら、ステップ451において、少なくとも1つの最新のホワイト・スペース・データーのコピーがあると判断された場合、下位方法450はステップ453に進み、ホワイト・スペース・データーの多数の最新コピーが入手可能か否か判断する。入手可能でない場合、ステップ455において、1つのホワイト・スペース・データーの最新コピーを用いることを決定し、下位方法450は終了する。方法400は、特定した最新のホワイト・スペース・データーのコピーを用いて、ステップ411に進むことができる。
【0088】
[0097] ステップ453において、多数の最新コピーがあると判断された場合、下位方法450はステップ457に進み、受信したコピーの一部または全部を合成のために選択する。実施形態の中には、最新コピーの全てを選択する場合もある。他の実施形態では、最新コピーの部分集合のみを選択する場合もある。例えば、他の閾値時間を用いて、要求元デバイスからの距離、または信頼のおけるソースからデーターを得た以降の時間に基づいて、ホワイト・スペース・データーのどのコピーを選択すべきか判断してもよい。しかし、合成するコピーは、適した方法であればいずれでも選択することができる。
【0089】
[0098] ステップ459において、選択したコピーを合成して、利用可能なホワイト・スペース・チャネルを特定する。実施形態の中には、利用可能なチャネルは、選択したコピー全ての間において利用可能なチャネルの交点(intersection)として特定される。即ち、選択したホワイト・スペース・データーのコピー全てによって利用可能であると示されたチャネルのみが、合成されたデーターにおいて利用可能であると特定される。等価的に、選択したコピーのいずれかによって利用できないと特定されたチャネルはいずれも、他のコピーの1つ以上がそのチャネルが利用可能であることを示しても、合成データーを形成するときに利用できないと見なすことができる。尚、ステップ457において選択されなかったホワイト・スペース・データーのコピーはいずれも無視されることは認められてしかるべきである。勿論、ステップ457においてデーターのコピーが1つだけ選択された場合、そのコピーは、利用可能なチャネルを特定するために用いられる。ステップ459の後、下位方法450は終了し、方法400はステップ411に進む。先に記したように、下位方法450では、多数のホワイト・スペース・データーのコピーを解決するいくつかの方法について論じたが、適した方法であればいずれでも用いることができる。例えば、実施形態の中には、ホワイト・スペース・データーの最も新しいバージョンを用い、他の全てを無視するとよい場合もある。他の例として、受信デバイスをプロキシーとして用いて、データーベース・サーバーからホワイト・スペース・データーのコピーを受信した場合、他の全てのコピーを無視してもよい。更に他の例として、本方法は、受信したデーターベースの最初のコピーから利用可能なチャネルを特定し、後続のコピーを全て無視することもできる。
【0090】
[0099] 実施形態の中には、要求元デバイス110の取得モジュール209(図2)を、方法400のステップ401から407までを実行するように構成することができる場合もある。組み合わせモジュール211(図2)は、ステップ409(方法450)を実行するように構成することができる。接続モジュール213(図2)は、ステップ411から419までを実行するように構成することができる。しかし、要求元デバイス110のモジュール209〜213(図2)は、適した方法であればいずれでも構成することができる。
【0091】
[0100] 尚、方法400の実施形態の中には、いくつかのステップを任意に実行してもよく、図示した順序以外のシーケンスでステップを実行してもよい場合もあることは認められてしかるべきである。
【0092】
[0101] これより図5Aに移り、ホワイト・スペース・データーベースの要求に応答する方法500について論ずる。方法500は、例えば、図3に示した受信デバイス320のような、図1に示した受信デバイス120A...120Eのいずれかの動作によって実行することができる。しかし、方法500は、適したやり方であればいずれでも実現することができる。
【0093】
[0102] ステップ501において、受信デバイスは、ホワイト・スペース・データーの要求を表すワイヤレス送信を受信することができる。受信デバイスは、チャネルを監視してこのような要求を探し出し、受信デバイスが別の状況ではいずれかの適した方法で要求を監視しているまたは検出することができる通信内においてその要求を検出することができる。しかし、受信デバイスが別のやり方で受信することができるメッセージの中に要求が封入されている実施形態では、ステップ501における要求の受信は、これらのメッセージを処理する一部として行うことができる。
【0094】
[0103] 要求をどのようにして検出するかには関係なく、ステップ503において、受信デバイスは、ホワイト・スペース・データーの要求を処理する際に強いられる限度以内であるか否か判断する。例えば、受信デバイスの操作者が、要求に応答することに振り分けられるリソースの量を制限するように、デバイスを構成することができる。この限度は、時間量、プロセッサーまたは帯域幅使用の一部、あるいはホワイト・スペース・データー要求に応答することによって消費される可能性がある他のあらゆるリソースとして指定することができる。
【0095】
[0104] これらの限度を超えた場合、方法500は、ステップ505に示すように、ホワイト・スペース・データーの要求をいずれも無視することができる。尚、ステップ505は、明白な動作を伴わなくてもよく、あるいは要求の処理を終了することを含むこともできることは認められてしかるべきである。例えば、NICにおいて受信機をオフにすることによって、または要求の受信を妨げる他の動作によって、要求を無視することができる。
【0096】
[0105] しかしながら、受信デバイスが、どのような限度が該当するにしろ、その範囲以内にある場合、ステップ509において、ホワイト・スペース・データーがローカルに入手可能である、例えば、デバイスのコンピューター記憶媒体から入手可能であると判断する。この判断は、受信デバイスがホワイト・スペース・データーのいずれかのコピーを格納しているか否か単に判断することを伴えばよい。しかし、ステップ509における処理は、受信デバイスに格納されているホワイト・スペース・データーが最新であるか、または要求において特定されている地理的位置に対応するか否かチェックするというような、他のチェックを伴うこともできる。ホワイト・スペース・データーが入手可能であると判定された場合、ステップ511において、ローカルに入手可能なホワイト・スペース・データーを要求元デバイスに送信する。実施形態の中には、提供されるコピーが真性であることを明示するために、安全措置(security measure)を講ずる場合もある。
【0097】
[0106] ステップ509において、ホワイト・スペース・データーが入手可能でないと判断された場合、受信デバイスが他の措置を講じて要求元デバイスとの協調プロセスに参加して、要求元デバイスがホワイト・スペース・データーのコピーを得ることを可能にすることができる。図示した実施形態では、本方法はステップ513に進み、受信デバイスをプロキシーとして役割を果たすように構成することができ、このプロキシーを介して、ホワイト・スペース・データーをホワイト・スペース・データーベース・サーバーからダウンロードすることができる。
【0098】
[0107] 先に論じたように、実施形態の中には、ステップ509におけるプロキシーとしての受信デバイスの動作を、図5Bに示した下位方法550にしたがって実行するとよい場合もある。
【0099】
[0108] 下位方法550のステップ551において、受信デバイスがデーターベース・サーバーにアクセスすることができるネットワーク接続が存在するか否かについて判定を行う。このようなネットワーク接続が存在しない場合、下位方法550は終了する。
【0100】
[0109] ステップ551において、データーベース・サーバーへのネットワーク接続が存在すると判定された場合、下位方法550はステップ553に進む。
[0110] ステップ553において、受信デバイスと要求元デバイスとの間に、第1接続を形成する。ステップ555において、受信デバイスとデーターベース・サーバーとの間に第2接続を形成する。第1および第2接続は、集合的に、要求元デバイスからデーターベース・サーバーまで、端から端までのセキュリティを有することができる接続を規定することができ、提供されたホワイト・スペース・データーのコピーが真正であることを保証する。
【0101】
[0111] 下位方法550にしたがって、受信デバイスは、ステップ557から567にしたがって、受信したパケットを適切に導出することによって、要求元デバイスとデーターベース・サーバーとの間でプロキシーとして動作する。この例では、メッセージの導出は、端から端までのセキュリティを用いることができるように、変更なしでメッセージを転送することを含む。
【0102】
[0112] 受信したパケット毎に(ステップ557)、このパケットにホワイト・スペース要求というタグが付けられているか否か判定を行う(ステップ559)。付けられている場合、ステップ561において、データーベース・サーバーへの第2接続を用いて、このタグの付いたホワイト・スペース要求パケットを導出する。
【0103】
[0113] パケットにホワイト・スペース要求というタグが付けられていない場合、更にステップ563において、このパケットにホワイト・スペース・データー応答というタグが付けられているか否か更に判定を行う。付けられている場合、ステップ565において、要求元デバイスへの第1接続を用いて、ホワイト・スペース・データー応答パケットを導出する。
【0104】
[0114] このように、要求元デバイスは、受信デバイスを介して要求をデーターベース・サーバーに転送することができ、データーベース・サーバーは最新のホワイト・スペース・データーベースのコピーを、受信デバイスを介して、要求元デバイスに提供することができる。勿論、ホワイト・スペース要求またはホワイト・スペース応答というタグが付けられていないパケットは、適当に処理すればよい。
【0105】
[0115] パケットのしかるべき処置の後、受信デバイスのプロキシーとしての動作に関する他のパケットが受信されているか、または受信されることが期待されているか否か判定を行う。その通りである場合、下位方法550はステップ557に戻り、次に受信したパケットの処理を開始する。プロキシーとしての受信デバイスの動作に関するパケットが他には残っていない場合、下位方法550は終了することができる。任意に、第1および/または第2接続を終端することができ、これらの接続に関するリソースを解放することができる。
【0106】
[0116] 下位方法550は、受信デバイスが、要求元デバイスとデーターベース・サーバーとの間においてプロキシーとして動作する実施形態の一部を示す。尚、受信デバイスは、適した方法であればいずれでもプロキシーとして役割を果たすように構成できることは認められてしかるべきである。例えば、実施形態の中には、受信デバイスが、データーベース・サーバーから受信したホワイト・スペース・データーのコピーを保持する場合もある。実施形態の中には、ローカルに格納されているホワイト・スペース・データーのコピーに対する変更のみを、プロキシー・サーバーからダウンロードする場合もある。これらの変更はローカル・コピーに適用することができ、次いでこのローカル・コピーを要求元デバイスに転送する。他の例として、受信デバイスが、ホワイト・スペース・データーのローカル・コピーが古いか否か判断することもでき、古い場合、データーベースの新しいバージョンを要求元デバイスおよび受信デバイスの双方に提供することができるように、プロキシー接続を形成する。
【0107】
[0117] 実施形態の中には、受信デバイス320(図3)の応答モジュール309、プロキシー・モジュール311、およびアクセス制御モジュール313を、方法500および下位方法550のステップの一部または全部を実行するように構成できる場合もある。しかし、モジュール309〜313は、適した方法であればいずれでも構成することができる。
【0108】
[0118] 図6は、一部の実施形態による、要求元デバイス110、受信デバイス320、およびデーターベース・サーバー140間におけるメッセージの交換を示すシグナリング図600である。要求元デバイス110および受信デバイス120によってそれぞれ実行されるシグナリングおよび処理の詳細について、方法400および500を参照する。
【0109】
[0119] 信号601は、要求元デバイス110から受信デバイス320に送られる。信号601は、ホワイト・スペース・データーベースのコピーを要求元デバイス110に提供することの要求を収容する(図4Aのステップ403および図5Aのステップ501)。
【0110】
[0120] 一旦信号601が受信デバイス320によって受信されたなら、ホワイト・スペース・データーベースのローカル・コピーを提供すべきか、またはデーターベース・サーバー140への接続を介してコピーを提供すべきかについて、判定を行う(図5Aのステップ509)。前者の場合、受信デバイス320は、信号609を要求元デバイス110に送信する。信号609は、受信デバイス320によってローカルに格納されているホワイト・スペース・データーベースのコピーを含む(図5Aのステップ511)。
【0111】
[0121] 受信デバイス320がプロキシーとして動作することによって、データーベースをデーターベース・サーバー140から提供する場合、信号603をサーバー140に送って、プロキシー接続を確立する(図5Bのステップ553〜555)。プロキシー接続を確立した後、サーバー140は信号605を受信デバイス320に送る。信号605は、最新のホワイト・スペース・データーのコピーを収容する。実施形態の中には、信号605が単に受信デバイス320によってローカルに格納されているデーターベースのバージョンに関する変更だけを含めばよい場合もある。次いで、受信デバイス320は信号607を要求元デバイス110に送り、最新のデーターベースを転送する(図5Bのステップ557〜567)。
【0112】
[0122] 尚、シグナリング図600は、行われるかもしれないシグナリングの一部を省略してもよいことは認められてしかるべきである。追加のシグナリングを、例えば、用いてデバイス間に接続を確立し、認証情報を提供し、受信した情報の受信を承認することもできる。
【0113】
[0123] 以上のように本発明の少なくとも1つの実施形態の様々な態様について説明したので、種々の変更、修正、および改良は当業者には容易に想起されよう。
[0124] 例えば、ホワイト・スペース・データーの要求は、前述の情報とは異なる情報または追加の情報を収容することもできる。実施形態の中には、要求が要求元デバイス110の位置を指定するとよい場合もある。位置は、受信デバイスによって、それが接続すべきホワイト・スペース・データーのローカル・レポジトリーを特定するため、または要求に応答する特定の位置に適用可能なホワイト・スペース・データーを特定するために用いることができる。
【0114】
[0125] また、要求元デバイスのためにホワイト・スペース・データーを得ることに、受信デバイスが関与することができる多数の方法についても説明した。例えば、受信デバイスがローカル・ストアからのデーターのコピーを提供すること、またはプロキシーとして役割を果たし要求元デバイスをデーターのソースに接続させることができることを説明した。これらの技法は、単独でまたは一緒に用いることができる。代わりにまたは加えて、他の技法も用いることができる。例えば、受信デバイスがホワイト・スペース・データーのコピーを有していない場合、代わりに、近隣にある可能性がある他のデバイスに要求を発行することができる。
【0115】
[0126] 他の例として、データーベース・サーバー140のみが1つのホワイト・スペース・データーベース141と共に示されており、このデーターベース141は、環境100(図1)の許諾スペクトルにおけるチャネル割り当てを収容する、地理的に限られたデーターベースであってもよい。しかしながら、データーベース・サーバーは、要求元デバイス110が存在する領域以外の地理的領域についてのホワイト・スペース・データーも格納できることは認められてしかるべきである。このようなシナリオでは、要求内にある位置情報は、どのコピーが提供されるのかを示すとよい。
【0116】
[0127] 他の例として、ホワイト・スペース・データーを共有する方法を実行するモジュールは、受信デバイスおよび要求元デバイスのオペレーティング・システムの一部として実装することもできる。しかし、図2および図3におけるモジュールは、デバイスの適した部分であればいずれの中にあってもよい。
【0117】
[0128] このような変更、修正、および改良は、本開示の一部であることを意図しており、本発明の主旨および範囲に該当することを意図している。したがって、以上の説明および図面は一例に過ぎない。
【0118】
[0129] 前述した本発明の実施形態は、多数の方法のいずれでも実現することができる。例えば、これらの実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、またはその組み合わせを用いて実現することができる。ソフトウェアで実現する場合、1つのコンピューターに設けられているかまたは多数のコンピューター間で分散されているかには関係なく、いずれかの適したプロセッサーまたはプロセッサーの集合体上でソフトウェア・コードを実行することができる。
【0119】
[0130] 更に、コンピューターは、ラック実装コンピューター、デスクトップ・コンピューター、ラップトップ・コンピューター、またはタブレット・コンピューターというような、多数の形態のいずれでも具体化することができる。加えて、一般にはコンピューターと見なされないが適した処理能力を有するデバイスに、コンピューターを埋め込むこともできる。これらのデバイスには、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、スマート・フォン、または他のあらゆる適した携帯用または固定電子デバイスが含まれる。
【0120】
[0131] また、コンピューターは1つ以上の入力および出力デバイスも有することができる。これらのデバイスは、とりわけ、ユーザー・インターフェースを提示するために用いることができる。ユーザー・インターフェースを提示するために用いることができる出力デバイスの例には、出力の視覚的提示のためのプリンターまたは表示画面、または出力の可聴提示のためのスピーカーまたはその他の音響発生デバイスが含まれる。ユーザー・インターフェースのために用いることができる入力デバイスの例には、キーボード、ならびにマウス、タッチ・パッド、およびディジタル化タブレットのようなポインティング・デバイスが含まれる。その他の例として、コンピューターは音声認識によって、またはその他の可聴フォーマットで入力情報を受けることができる。
【0121】
[0132] このようなコンピューターは、1系統以上のネットワークによって、ローカル・エリア・ネットワークあるいは企業ネットワークまたはインターネットのようなワイド・エリア・ネットワークを含む、いずれかの適した形態で相互接続することができる。このようなネットワークは、適した技術であればそのいずれにも基づくことができ、適したプロトコルであればそのいずれにしたがって動作することもでき、ワイヤレス・ネットワーク、有線ネットワーク、または光ファイバー・ネットワークを含むことができる。
【0122】
[0133] また、本明細書において概要を説明した種々の方法またはプロセスは、種々のオペレーティング・システムまたはプラットフォームの内いずれか1つを採用する1つ以上のプロセッサー上で実行可能なソフトウェアとしてコード化することができる。加えて、このようなソフトウェアは、多数の適したプログラミング言語および/またはプログラミングまたはスクリプティング・ツールの内いずれかを用いて書くことができ、そしてフレームワークまたは仮想マシン上で実行される実行可能な機械語コードまたは中間コードとしてコンパイルすることもできる。
【0123】
[0134] これに関して、本発明は、1つ以上のプログラムがエンコードされたコンピューター読み取り可能媒体(または多数のコンピューター読み取り可能媒体)(例えば、コンピューター・メモリー、1つ以上のフロッピー・ディスク、光ディスク、磁気テープ、フラッシュ・メモリー、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイまたは他の半導体デバイス内にある回路構成、あるいはその他の一時的でない(non-transitory)有形コンピューター記憶媒体)として具体化することができる。このプログラムを1つ以上のコンピューターまたは他のプロセッサー上で実行すると、先に論じた本発明の種々の実施形態を実現する方法を実行する。1つ以上のコンピューター読み取り可能媒体は、そこに格納されている1つまたは複数のプログラムを1つ以上の異なるコンピューターまたは他のプロセッサーにロードして、先に論じた本発明の種々の態様を実現することができるように、移植可能にすることができる。
【0124】
[0135] 「プログラム」または「ソフトウェア」という用語は、本明細書では、先に論じたような本発明の種々の態様を実現するためにコンピューターまたはその他のプロセッサーをプログラミングするのに採用することができる、あらゆるタイプのコンピューター・コードまたはコンピューター実行可能命令の集合に言及するように、包括的な意味で用いられている。加えて、この実施形態の一態様によれば、実行すると本発明の方法を実行する1つ以上のコンピューター・プログラムは、1つのコンピューターまたはプロセッサー上に常駐する必要はなく、多数の異なるコンピューターまたはプロセッサー間でモジュール形式で分散して本発明の種々の態様を実現することもできる。
【0125】
[0136] コンピューター実行可能命令は、1つ以上のコンピューターまたは他のデバイスによって実行される、プログラム・モジュールというような、多くの形態にすることができる。一般に、プログラム・モジュールは、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データー構造等を含み、特定のタスクを実行するか、または特定の抽象データー・タイプを実装する。通例、プログラム・モジュールの機能は、種々の実施形態において所望に応じて組み合わせることまたは分散することができる。
【0126】
[0137] また、データー構造は、コンピューター読み取り可能媒体にいずれかの適した形態で格納することができる。図示の簡略化のために、データー構造は、当該データー構造において位置によって関係付けられたフィールドを有するように示すとよい。同様に、このような関係は、コンピューター読み取り可能媒体における位置をフィールド用のストレージに割り当てて、フィールド間に関係を伝えることによって、形成することができる。しかしながら、データー構造のフィールドにおける情報間で関係を確立するためには、適したメカニズムであればいずれでも用いることができ、ポインター、タグ、またはデーター・エレメント間で関係を確立するその他のメカニズムの使用によることを含む。
【0127】
[0138] 本発明の種々の態様は、単独で用いること、組み合わせて用いること、または以上で説明した実施形態では具体的に論じられなかった種々の構成で用いることもでき、したがって、その応用において、以上の説明に明記し図面に示した詳細およびコンポーネントの構成に限定されることはない。例えば、一実施形態において説明した態様は、他の実施形態において説明した態様と、いかようにでも組み合わせることができる。
【0128】
[0139] また、本発明は方法として具体化することもでき、その一例が示されている。この方法の一部として実行される動作(act)は、いずれかの適した方法で順序付けることができる。したがって、図示した順序とは異なる順序で動作が実行される実施形態も構築することができ、図示した実施形態では連続する動作として示されていても、いくつかの動作を同時に実行することも含むことができる。
【0129】
[0140] 「第1」、「第2」、「第3」等のような序数を請求項において使用して請求項の要素を修飾する場合、それ自体は優先順位も、時間的先行も、あるいは1つの請求項要素の他の要素に対する順序、即ち、方法の動作が実行される時間的順序も言外には含むことはなく、単に、請求項要素を区別するために、ある名称を有する1つの請求項要素を、同じ名称を有する他の要素(序数項の使用を除く)から区別する付箋として用いられるに過ぎない。
【0130】
[0141] また、本明細書において用いた言葉づかいや用語は、説明を目的にしているのであり、限定と見なしてはならない。「含む」、「備えている」、または「有する」、「収容する」、「伴う」、およびこれらの派生形は、本明細書では、その後に羅列される項目、その均等物、および付加的な項目も包含することを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用ワイヤレス・デバイスを少なくとも1つの他の携帯用ワイヤレス・デバイスの近傍において動作させる方法であって、
スペクトル・データーの要求をワイヤレスで送るステップと、
前記少なくとも1つの他の携帯用ワイヤレス・デバイスの少なくとも1つからの通信をワイヤレスで受信するステップであって、前記通信が、要求されたデーターの少なくとも1つのコピーを含む、ステップと、
前記少なくとも1つの携帯用デバイスから受信した情報に基づいて、送信および受信パラメーターを選択するステップと、
前記選択したパラメーターを用いて通信するように、前記デバイスを構成するステップと、
を備えている、方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、
前記要求されたデーターの少なくとも1つのコピーが、前記要求されたデーターの複数のコピーを含み、前記複数のコピーの各々が、前記要求されたデーターと関連付けられた時間値を含み、
前記送信および受信パラメーターを選択するステップが、各コピーの前記時間値に基づいて、前記複数のコピーの少なくとも一部を複合データーに組み合わせるステップを含む、方法。
【請求項3】
請求項2記載の方法において、
前記時間値の各々が、バージョン識別子を備えており、
前記送信および受信パラメーターを選択するステップが、前記複数のコピーの各々に関連付けられている前記バージョン識別子に基づいて、前記複数のコピーの前記少なくとも一部を選択するステップを含む、方法。
【請求項4】
請求項2記載の方法において、
前記要求されたデーターの各コピーが、利用可能なチャネルの識別を備えており、
前記送信および受信パラメーターを選択するステップが、前記複数のコピーの前記少なくとも一部において、前記要求されたデーターのコピーにおいて利用可能であると識別されたチャネルの交点を求めることによって、前記複数のコピーの前記少なくとも一部を組み合わせるステップを含む、方法。
【請求項5】
請求項1記載の方法において、要求をワイヤレスで送るステップが、前記要求を示す情報エレメントを備えているIEEE802.11ビーコン信号を送信するステップを含む、方法。
【請求項6】
請求項1記載の方法であって、更に、
前記選択した送信および受信パラメーターを用いて、ホワイト・スペース・データーベースのソースと通信するステップであって、前記ホワイト・スペース・データーベースが、許諾スペクトルにおいて利用可能なチャネルを識別する、ステップと、
前記選択した送信および受信パラメーターが、前記ホワイト・スペース・データーベースにおいて利用可能であると識別されているか否かチェックするステップと、
前記選択したパラメーターが利用可能であると識別されていない場合、前記ホワイト・スペース・データーベースから代わりのパラメーターを選択するステップと、
を備えている、方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、
当該方法が、更に、
前記少なくとも1つの他の携帯用ワイヤレス・デバイスの内1つの携帯用ワイヤレス・デバイスをプロキシー・デバイスとして特定するステップと、
前記プロキシー・デバイスを介して、前記要求されたデーターの信頼されているソースまでの安全な接続を確立するステップと、
を備えており、
前記少なくとも1つの他の携帯用ワイヤレス・デバイスの内前記少なくとも1つからの通信をワイヤレスで受信する前記ステップが、前記プロキシー・デバイスを介して、前記信頼されているソースから、前記要求されたデーターの信頼されているコピーを含む応答を受信するステップを含む、方法。
【請求項8】
請求項7記載の方法であって、更に、
前記少なくとも1つの他の携帯用ワイヤレス・デバイスの内要求元ワイヤレス・デバイスから要求を受信するステップと、
前記要求されたデーターの信頼されているコピーを送信することによって、前記要求に応答するステップと、
を備えている、方法。
【請求項9】
携帯用ワイヤレス・デバイスであって、
ワイヤレスで情報を送信および受信するためのワイヤレス・ネットワーク・インターフェースと、
前記ワイヤレス・ネットワーク・インターフェースを通じて要求元デバイスから受信した、ホワイト・スペース・データーの要求の受信を検出する応答モジュールと、
を備えており、前記要求が検出されたときに、
前記要求に応答してホワイト・スペース・データーを送信することが、ホワイト・スペース・データーを送信するリソースの割り当てに関する方針と整合するか否か判定を行い、
ホワイト・スペース・データーを送信することが前記方針と整合すると判定したときに、前記ホワイト・スペース・データーのコピーを前記要求元デバイスにワイヤレスで送信するように前記ワイヤレス・ネットワーク・インターフェースを制御し、前記ホワイト・スペース・データーが、許諾スペクトルにおいて利用可能なチャネルを識別する、携帯用ワイヤレス・デバイス。
【請求項10】
請求項9記載の携帯用ワイヤレス・デバイスにおいて、
前記ワイヤレス・デバイスが、更に、前記ホワイト・スペース・データーのコピーをローカルに格納するためのコンピューター記憶媒体を備えており、
前記ホワイト・スペース・データーのコピーを前記要求元デバイスにワイヤレスで送信する動作が、前記ホワイト・スペース・データーのローカルに格納されているコピーを前記要求元デバイスに送信することを含む、携帯用ワイヤレス・デバイス。
【請求項11】
請求項10記載の携帯用ワイヤレス・デバイスにおいて、前記要求が低電力アテンション・シーケンスを備えている、携帯用ワイヤレス・デバイス。
【請求項12】
請求項9記載の携帯用ワイヤレス・デバイスにおいて、
前記応答モジュールが、更に、プロキシーとして役割を果たすように構成され、これによって前記要求元デバイスからの要求が、ネットワークを通じてサーバーに伝達され、
前記ホワイト・スペース・データーのワイヤレスで伝達されたコピーが、前記サーバーから受信された通信を含み、この通信が前記要求元デバイスに中継される、携帯用ワイヤレス・デバイス。
【請求項13】
請求項9記載の携帯用ワイヤレス・デバイスにおいて、
前記許諾スペクトルが、1GHz未満の周波数を中心とするチャネルを備えており、
前記ワイヤレス・ネットワーク・インターフェースが、2GHzを超える周波数を中心とするチャネル上で通信するように構成されている、携帯用ワイヤレス・デバイス。
【請求項14】
請求項9記載の携帯用ワイヤレス・デバイスであって、更に、プロセッサーを備えており、前記応答モジュールが、前記プロセッサーによって実行可能なコードを備えている、携帯用ワイヤレス・デバイス。
【請求項15】
請求項9記載の携帯用ワイヤレス・デバイスにおいて、前記応答モジュールが、前記非許諾スペクトルのチャネルを監視して前記要求の受信を発見するように、前記ワイヤレス・ネットワーク・インターフェースを制御する、携帯用ワイヤレス・デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−520079(P2013−520079A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552888(P2012−552888)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2011/022291
【国際公開番号】WO2011/100103
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】