説明

スペックルナビゲーションシステム

1実施形態は、表面(102)の連続する画像における画像特徴の変位を求めることによって、データ入力装置と該表面との間の相対的な動きを検出するためのレーザー位置決め装置に関連する。この装置は、平面状基板(102)、及びコリメーティングレンズ(108)を具現化する透明な封入剤を含む単一の一体型パッケージを形成する。コヒーレント光源(104)、センサーアレイ(106)及び関連する回路が共に平面状基板上に構成される。別の実施形態は、データ入力装置と表面の間の相対的な動きを検出する方法に関連する。コヒーレント光は、レーザーから放射され、平行化されて、所定の直径D及びほぼ均一な位相面を有する平行化照射ビームを形成する。スペックルパターンが、平行化照射ビームが表面に当たることによって生成されて、センサーアレイによって検出される。他の実施形態も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光学式位置決め装置(OPD)、及び、該装置を用いて動きを検出する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータマウスやトラックボールなどのポインティングデバイス(ポインティング装置)は、パーソナルコンピュータやワークステーションとのインターフェース及びそれらへのデータの入力のために利用されている。そのようなデバイスによれば、カーソルをモニタ上にすばやく再配置することができ、多くのテキスト、データベース及びグラフィカルプログラム(図形処理プログラム)に有用である。ユーザは、たとえば、マウスをある面上で動かして、マウスの移動方向にその移動に比例した距離だけカーソルを移動させることによってカーソルを制御する。あるいは、静止したデバイス上で手を動かすことを同じ目的のために使用することができる。
【特許文献1】米国特許第5,907,152号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
コンピュータマウスには、光学式マウスと機械式マウスがある。機械式マウスは、典型的には、動きを検出するための回転ボール、及び、カーソルを移動させるためにコンピュータによって使用されるディジタル信号を生成するための該ボールと接触した一対のシャフトエンコーダーを使用する。機械式マウスの1つの問題は、継続的に使用した後のよごれの蓄積などによって不正確になったり故障したりしがちであることである。さらに、機械構成部品、特にシャフトエンコーダーの運動及び結果として生じる摩耗のために、ポインティングデバイスの耐用年数が必然的に制限されてしまう。
【0004】
機械式マウスの上述の問題に対する1つの解決策として、光学式マウスが開発されてきた。光学式マウスは、より頑強で、より高いポインティング精度を提供することができるために、広く普及するようなった。
【0005】
光学式マウスにおける1つのアプローチは、かすめ入射(非常に小さい視射角での入射)またはそれに近い角度の入射で表面を照明する発光ダイオード(LED)、生成したイメージ(画像)を捕捉する2次元CMOS(相補型金属酸化膜半導体)検出器、連続する画像の相関をとって、マウスが移動した方向、距離、及び速度を決定するソフトウエアを用いる。この技術は、一般的に高い精度をもたらすが、設計が複雑で、画像処理要件が比較的高度であるという問題がある。さらに、かすめ入射での照明に起因して光学効率が低い。
【0006】
別のアプローチは、フォトダイオードなどの光センサーすなわち光検出器の1次元アレイを使用する。表面の連続するイメージが、撮像光学系(または結像光学系)によって捕捉され、フォトダイオードで変換され、比較されて、マウスの動きが検出される。動き検出を容易にするために、フォトダイオードをいくつかのグループをなすように直接接続することができる。これによって、フォトダイオードに対する要件を軽減することができ、迅速なアナログ処理が可能になる。そのようなマウスの1つの例が、Dandliker他による米国特許第5,907,152に開示されている。Dandliker他による該特許に開示されたマウスは、レーザーなどのコヒーレント光源を使用する点でも標準的な技術とは異なる。粗い表面から散乱されたコヒーレント光源からの光は、スペックルとして知られる光のランダムな強度(または輝度)分布を生じる。
【0007】
上述の従来のアプローチを用いるデバイスには、一般に、様々な不都合及び欠点がある。たとえば、それらは、一般に、個別の部品を使用して製造される多部品デバイスである。それらの個別の部品は、典型的には、光源、照射ビーム偏向器(illumination beam deviator)、一体型センサーアレイ及び回路、集光レンズや他の結像光学系を含む。
【0008】
本願は、光学式位置決め装置の新規な構成を開示する。開示する構成は、従来技術による装置に比べて、複雑でなく、部品が少なく、製造が簡単でありながら、装置の動きを十分正確に追跡するといった点で有利である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1実施形態は、表面の連続する画像における画像特徴の変位を決定することによってデータ入力装置と該表面との間の相対的な動きを検出するレーザー位置決め装置に関連する。この装置は、平坦な(または平面状の)基板と、コリメーティングレンズ(平行化レンズ)としても機能する透明な封入剤(カプセルの材料)を含む単一の一体型パッケージを形成する。コヒーレント光源、センサーアレイ及び関連する回路はいずれも平坦な基板上に構成される。
【0010】
別の実施形態は、データ入力装置と表面の間の相対的な動きを検出する方法に関連する。コヒーレント光は、レーザーから放射され、平行化されて、予め決められた直径D及びほぼ均一の位相面を有する平行化照射ビームを形成する。スペックルパターンが、平行化照射ビームが表面に当たることによって生成され、センサーアレイによって検出される。他の実施形態も開示される。
【0011】
本願の開示物の上記の及び他の種々の特徴や利点は、以下の詳細な説明及び添付の図面からより十分に理解されるが、それらの説明及び図面は、特許請求の範囲を、開示した特定の実施形態に限定するものとして解されるべきではなく、説明及び理解のためのものに過ぎない。
【実施例】
【0012】
図1Aは、本発明の1実施形態に従う、表面上にあるレーザー位置決め装置の断面図である。図示のように、レーザー位置決め装置は、平坦な(または平面状の)基板102、レーザー放射器104、センサーアレイ106、及びコリメーティングレンズ108を備える。図1Bは、コリメーティングレンズ108を具現化する透明な封入剤(またはカプセルの材料)の層110を具備する特定の実施形態を示す。封入剤の層110は、また、放射器104及びセンサーアレイ106を保護する機能も有する。他の実施形態では、コリメーティングレンズ108を、基板102を覆うパッケージに差し込むことができ、または、基板102を覆う成形された透明なプラスチックの一部とすることができ、または、他の方法で実施することができる。
【0013】
レーザー位置決め装置は、たとえば、コンピュータシステムへのユーザ入力用のマウス装置から構成することができる。平坦な基板102が散乱面120に対して一定の距離で平行に配置されるべく平坦な基板102が支持されるようにこの装置を構成することができる。この装置(したがって、平坦な基板102)を、表面120上を横方向に(すなわち表面120に沿って)移動させることができる。
【0014】
レーザー放射器104は、平坦な基板102上に構成される。レーザー104は、散乱面120に向かってコヒーレント光を放射する。好適な実施形態によれば、コリメーティングレンズ108は、コヒーレント光を受け取り、それから平行にされた照射ビーム(平行化照射ビーム)110を形成するために、レーザー104の近傍に構成(または配置)される。
【0015】
平行化照射ビーム110は、予め決められた直径Dを有し、表面120に向かって進むコヒーレント光の均一な位相面を具備する。好ましくは、平行化ビーム110の軌跡は散乱面120に対して垂直か、または、ほぼ垂直をなす。図1からわかるように、ビーム偏光器コンポーネントは不要である。
【0016】
平行化照射ビーム110は、表面120に入射して、反射側の半球内のほぼ全ての方向に光を散乱させる。このように散乱光が広く分散するために、センサー106の個々の配置の自由度が高まり、かつ、その配置の重要性が低減する。換言すれば、センサー106を、比較的ゆるい公差で配置することができるが、これには、レーザー位置決め装置の製造容易性を高めるという利点がある。
【0017】
センサーアレイ106は、有利なことに、レーザー104と同じ平坦な基板102上に構成することができる。さらに、センサーアレイ106は、2次元櫛形アレイまたは他のタイプの検出器アレイから構成することができる。検出素子の2次元櫛形アレイは、特定の方法及び関連する回路でグループ化される。検出素子の選択されたグループからの信号を組み合わせてグループ信号を生成することができ、2次元表面上の動きを決定するために、グループ信号から差分(または微分)信号を生成することができる。2次元櫛形アレイの1つの例を図6に示すが、これについては後述する。
【0018】
本発明の1実施形態によれば、散乱光をセンサーアレイ106にマッピングする(たとえば、散乱光をセンサーアレイ上に集める)ために集光レンズや他の結像光学部品は必要ではない。これは、装置の製造を簡単にし、かつ、コストを低減する点で有利である。
【0019】
センサーアレイ106に関連する回路を、散乱光から検出された信号である連続する画像フレームを捕捉するように構成できる。散乱光の画像フレームは、「スペックルパターン」と呼ばれる光学的特徴のパターンを含む。
【0020】
基板102が、表面120に対して横方向にわずかに変位した場合、スペックルパターンの変化は、スペックル「ボイリング(boiling:スペックルのランダムな及び/または急激な変化)」の程度(レベル)が低いパターンシフトによるものが支配的である(すなわち、該シフトの他にはパターンの変化がほとんどない)のが好ましい。本発明の1実施形態によれば、横方向シフトに起因する低レベルのスペックルボイリングを有するというこの状況を有利に達成することができる。なぜなら、平行化照射ビーム110が、均一な位相面を提供するからである。
【0021】
さらに、スペックルパターンにおけるスペックル構造の典型的なサイズ(たとえば、サイズの平均値または中央値)は、櫛形アレイ内の素子のグループ分けの周期性(ピッチ)に合致するのが好ましい。本発明の1実施形態によれば、平行化照射ビーム110の予め決められた直径を適切に設定することによって、スペックルのサイズを櫛形アレイの周期性に合致させるというこの条件を有利に達成することができる。
【0022】
図2は、本発明の1実施形態にしたがうレーザー位置決め装置用の一体型パッケージの斜視図である。図示のように、レーザー104及びセンサーアレイ106は、基板102に結合されている。センサーアレイ106は、より大きな集積回路202の一部とすることができる。この集積回路202は、検出された信号を処理し、及び、他の機能を実行するための回路を含むことができる。
【0023】
基板パッケージング(基板パッケージ材)204は、レーザー放射器104及びセンサーアレイ106を封入する(または包み込む)ことができる。本発明の1実施形態によれば、レーザー104からのコヒーレント光を平行化することができるように、コリメーティングレンズ108をパッケージング104に一体化することができる。あるいは、コリメーティングレンズ108を、基板パッケージ104に取り付けられた小型レンズとして実装することもできる。センサーアレイ106が表面120からの散乱光を検出できるようにするために、センサーアレイ106に近いパッケージングの部分を(光学的に)透明なものとすることができる。
【0024】
図3は、本発明の1実施形態にしたがう、表面に関していくつかの所定の寸法と角度θを有して該表面上に配置されたレーザー位置決め装置の断面図である。この図には、散乱面120から平坦な基板102までの高さ(距離)hが示されている。この図にはまた、表面120における平行化照射ビーム110の「フットプリント(照射面の面積)」の直径Dも示されている。図示のように、角度θは、照射ビーム110の光線路と、表面120からセンサーアレイ106のあるポイントまでの散乱光の光線路がなす角度であり、該ポイントは、良好な近似として、センサーアレイの中心(中心ポイント)によって表すことができる。
【0025】
櫛形アレイ検出の場合、好適な平行化ビームの直径Dは以下の式によって表される。
【0026】
【数1】

【0027】
上記式において、hは平坦な基板から表面までの高さ(距離)であり、λはコヒーレント光の波長であり、ξは0.25〜0.5の小数であり、Λは櫛形アレイの素子のグループ分けの周期(すなわち、複数のセンサピクセルの予め決められたピッチ(間隔))であり、θはセンサー上のあるポイントからビーム(の始点)までの線分によって張られる角度である。
【0028】
スペックルの空間周波数νと櫛形アレイの周期の逆数1/Λとの整合条件はν=1/Λと表すことができる。選択された周波数を、カットオフ周波数νmax=2NA/λのξ(0.25と0.5の間であるのが好ましい)の部分(または割合)として表し、NA=センサー上のあるポイントからビーム(の始点)までの線分によって張られる角度の1/2の正弦(サイン)=Dcosθ/(2h)を用いると、上記式1による好適なビーム径Dが得られる。たとえば、λ=850nm、Λ=50μm、h=5mm、ξ=0.3、θ=30°の場合、平行化ビームの直径Dは0.38mmである。
【0029】
図4は、本発明の1実施形態にしたがうレーザー位置決め装置による様々な速度での円運動を追跡した様子を示す4つのトレース図(a、b、c、d)である。これらのトレース図は、本発明の1実施形態にしたがうレーザー位置決め装置の実験用プロトタイプユニットを用いて作成された。
【0030】
それぞれの図面における追跡された運動は、およそ1cmの半径のほぼ円形の運動からなる。参照用の円形の軌跡402と対応する追跡トレース404を図4に示す。(a)でラベル付けされた左上の図では、円の周りの運動は1cm/秒の速度であった。(b)でラベル付けされた右上の図では、円の周りの運動は10cm/秒の速度であった。(c)でラベル付けされた左下の図では、円の周りの運動は25cm/秒の速度であった。(d)でラベル付けされた右下の図では、円の周りの運動は40cm/秒の速度であった。各図面からわかるように、運動の追跡は、種々の速度で適度に良好であった。
【0031】
本願は、レーザースペックルに基づく一体型光学ナビゲーションシステムを開示する。このシステムは、一体型である(または集積化されている)、小型及び薄型である、低コストである、ゆるい公差で構成可能である、光学効率がよい、といった点で有利である。
【0032】
有利なことに、レーザーとセンサとの共面性によって、単一の平面状のパッケージにそれらのコンポーネントを組み込むことができる。既存のシステムは、ビーム偏向器を用いるために、及び/または、センサーが照射の正反射方向(鏡面反射方向)の近くにある光学的形状を用いるために、共面パッケージングとすることができない。
【0033】
さらに、平行化照射を用いることによって、マウス装置が散乱面に対して横方向に変位(移動)されるときに、スペックルの「ボイリング」をほとんど生ぜずにシフト(移動)するスペックルパターンが生成されることは有利である。さらに、表面への照射角度が垂直であるために、コリメーティングレンズ以外に、照射ビーム偏向器または任意の他の追加の光学部品を必要としない点で有利である。
【0034】
2次元櫛形アレイセンサーを用いることによって、信号処理が簡単であり、消費電力が小さく、及び、単一の(または単純な)集積回路によって実施できるという利点がある。
【0035】
「マウス」タイプのポインティングデバイスや類似の用途では、持ち上がり検出(リフト検出)機構がしばしば望まれる。持ち上がり検出機構は、マウス装置が所定の高さΔhを超えて持ち上げられた場合に、マウス装置の追跡(トラッキング)を停止させる機構である。この所定の高さは、典型的には、1〜5mmの間の値に設定される。今説明しているシステムでは、マウス装置が表面120の上に上記所定の高さより高く持ち上げられた場合に、センサーアレイの視野から、表面120の照射部分を遮るように配置された(光学的に)不透明なナイフエッジ502によって、持ち上がり検出を実施することができる。この構成の幾何学配置を図5に示す。ナイフエッジ502の位置は、下記式2及び3によって与えられるセンサーアレイの中心からの水平距離x及び垂直距離yによって表すことができる。
【0036】
【数2】

【0037】
図5において、Δhは最大持ち上がり高さ、hはセンサーアレイ面から表面までの公称距離、wはセンサーアレイ幅、sはセンサーアレイとレーザーとの中心間距離、d=h−yはナイフエッジ502から表面120までの距離である。表面D(h,s)における照射ビーム径は、h及びsに依存し、式1(但し、θ=tan−1(s/h))によって与えられる。たとえば、λ=850nm、Λ=50μm、h=5mm、ξ=0.3、s=3mm、w=1mm、Δh=2.2mmの場合、平行化ビームの直径DはD=0.385mm、θ=31°、x=1.8mm、y=3.5mm、d=1.5mmであることがわかる。
【0038】
図6は、本発明の1実施形態にしたがう2次元櫛形アレイの略図である。1例として検出器素子の2次元アレイ602が図示されている。2次元アレイ602は、8×8マトリックスに編成された64個のサブアレイ604から構成される。かかるサブアレイ604の1つの拡大図が図中左側に示されている。
【0039】
各サブアレイ604は、4×4マトリックスに編成された16個の検出器素子から構成される。各サブアレイ604中の16個の検出器素子は、それぞれ、素子の8個のグループのうちの1つのグループのメンバー(要素)として識別される。各サブアレイ604の各検出器素子に関連付けられたグループ番号は、拡大図中の素子をラベル表示している数字(1、2、3、4、5、6、7、8)によって示されている。各グループからの信号はアレイ602全体についてグループ毎に電気的にまとめられる(結合される)。得られたグループ信号(1〜8まで番号付けされている)は(図の右側に示されているように)アレイ602から出力される。
【0040】
差動回路606を用いて、グループ信号の各対から差分信号(または差動信号)を生成する。第1の差分信号CCは、信号1と2の差分から生成される。第2の差分信号SCは、信号3と4の差分から生成される。第3の差分信号CSは、信号5と6の差分から生成される。第4の差分信号SSは、信号7と8の差分から生成される。これらの4つの差分信号は、x方向及びy方向における同相信号と直交信号の情報を含む。
【0041】
本発明のいくつかの特定の実施形態及び例についての上記説明は、例示及び説明のために提示されたものである。いくつかの上記の例によって本発明を説明し図示したが、それによって本発明が限定されるものと解釈するべきではない。それらは、本発明を網羅することも、開示した形態そのものに本発明を限定することも意図したものではなく、上記教示に照らして、本発明の範囲内で多くの変更、改良及び変形が可能である。本発明の範囲は、本願において開示し、及び、特許請求の範囲及びその等価物によって画定される一般的な領域を包含するものであることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1A】本発明の1実施形態による、ある面上にあるレーザー位置決め装置の断面図である。
【図1B】コリメーティングレンズを具現化する透明な封入剤の層を有する特定の実施形態を示す。
【図2】本発明の1実施形態による、レーザー位置決め装置用の一体型パッケージの斜視図である。
【図3】本発明の1実施形態にしたがう、いくつかの所定の寸法及び角度θを有して表面上に配置されたレーザー位置決め装置の断面図である。
【図4】本発明の1実施形態によるレーザー位置決め装置により、種々の速度の円運動を追跡した様子を示すトレース図である。
【図5】本発明の1実施形態による、持ち上がり検出のためのナイフエッジを有する、表面の上にあるレーザー位置決め装置の断面図である。
【図6】本発明の1実施形態による、2次元櫛形アレイの略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の連続する画像における光学的スペックルの変位を決定することによって、データ入力装置と該表面との間の相対的な動きを検出するためのレーザー位置決め装置であって、
平面状の基板と、
前記平面状の基板上に構成されたコヒーレント光源と、
前記平面状基板上に構成されたセンサーアレイ及び関連する回路と、
前記コヒーレント光源と前記表面との間に配置されたコリメーティングレンズ
を備えるレーザー位置決め装置。
【請求項2】
前記コリメーティングレンズは、
a)前記平面状基板を覆う透明なカプセル材の一部、
b)前記平面状基板を覆う成形された透明プラスチックの一部、
c)前記平面状基板を覆うパッケージに差し込まれる小型レンズ
のうちの1つとして実現される、請求項1のレーザー位置決め装置。
【請求項3】
持ち上がり検出のための不透明なエッジをさらに含む、請求項1のレーザー位置決め装置。
【請求項4】
前記エッジは、前記装置が前記平面状基板の上に所定の高さよりも高く持ち上げられた場合に、前記平面状基板の照射された部分を前記センサーアレイの視野から遮るように配置される、請求書3のレーザー位置決め装置。
【請求項5】
前記コリメーティングレンズは、前記コヒーレント光源からのコヒーレント光を受光して、前記表面に垂直かまたは垂直に近い角度で前記表面に送られる平行化照射ビームを提供するように構成される、請求項1のレーザー位置決め装置。
【請求項6】
前記平行化ビームの位相面が均一であることにより、前記平面状基板と前記表面との間の横方向の小さな変位が、ボイリングが最小化されたスペックルパターンのシフトを生じる、請求項5のレーザー位置決め装置。
【請求項7】
前記センサーアレイは2次元櫛形アレイから構成される、請求項1のレーザー位置決め装置。
【請求項8】
前記櫛形アレイは、集光レンズを使用することなく、前記表面の画像を形成する光を受光する、請求項7のレーザー位置決め装置。
【請求項9】
前記平行化照射ビームの所定の直径Dが、D=(h λ)/(ξΛcosθ)という式を満たし、ここで、hは前記表面に対する前記平面状基板の高さであり、λはコヒーレント光の波長であり、ξは0.25〜0.5の間の小数であり、Λは櫛形アレイの周期であり、θは前記センサー上のあるポイントからビームまでによって張られる角度である、請求項8のレーザー位置決め装置。
【請求項10】
前記平行化ビームの直径が前記所定の直径であることによって、前記表面におけるスペックルのサイズが前記櫛形アレイの周期に合致する、請求項9のレーザー位置決め装置。
【請求項11】
表面の連続する画像における光学的特徴の変位を決定することによって、データ入力装置と該表面との間の相対的な動きを検出する方法であって、
レーザーからコヒーレント光を放射するステップと、
前記コヒーレント光を平行化して、所定の直径Dを有し、前記表面に垂直な角度で前記表面に送られる平行化照射ビームを形成するステップと、
前記平行化照射ビームからのコヒーレント光を前記表面に当てることによってスペックルパターンを生成するステップと、
センサーアレイを用いて前記表面の画像を検出するステップ
を含む方法。
【請求項12】
持ち上がり検出のための不透明なエッジを用いることをさらに含む、請求項11の方法。
【請求項13】
前記平行化ビームの位相面がほぼ均一であることにより、前記平面状基板と前記表面との間の横方向の小さな変位が、スペックルパターンのシフトを生じる、請求項11の方法。
【請求項14】
前記センサーアレイは櫛形アレイから構成される、請求項11の方法。
【請求項15】
前記櫛形アレイは、該櫛形アレイと前記表面との間に結像レンズまたは集光レンズを用いることなく前記表面を直接撮像する、請求項14の方法。
【請求項16】
前記レーザー及びセンサーアレイはいずれも同じ平面状基板上に構成され、該基板は、前記表面に平行に配置されるように構成される、請求項14の方法。
【請求項17】
前記平行化照射ビームの前記所定の直径Dが、D=(h λ)/(ξΛcosθ)という式を満たし、ここで、hは前記表面に対する前記平面状基板の高さであり、λはコヒーレント光の波長であり、ξは0.25〜0.5の間の小数であり、Λは櫛形アレイの周期であり、θは前記センサー上のあるポイントからビームまでによって張られる角度である、請求項16の方法。
【請求項18】
前記平行化ビームの直径が前記所定の直径であることによって、前記表面におけるスペックルのサイズが前記櫛形アレイの周期に合致する、請求項14の方法。
【請求項19】
スペックルナビゲーションシステムであって、
コヒーレント光を放射するための手段と、
前記コヒーレント光を平行化して、所定の直径Dを有し、表面に垂直な角度で該表面に送られる平行化照射ビームを形成するための手段と、
前記平行化照射ビームからのコヒーレント光を前記表面に当てることによってスペックルパターンを生成するための手段と、
センサーアレイを用いて前記表面の画像を検出するための手段
を備えるシステム。
【請求項20】
持ち上がり検出のための不透明なエッジを用いることをさらに含む、請求項19のシステム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2009−520988(P2009−520988A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547338(P2008−547338)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/047802
【国際公開番号】WO2007/075367
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(507318738)サイプレス セミコンダクター コーポレイション (2)
【Fターム(参考)】