スポット割当計画作成装置およびスポット割当計画作成方法
【課題】自然災害の発生時など駐機スポットの緊急割当が必要になった場合でも、駐機スポットを効率的に提示する。
【解決手段】管制システム2から航空機に係る航空会社、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信し、スポット作業管理システム3から少スポット番号、航空会社、機種および駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信する。次に、外部入力情報からスポット割当計画のスポット割当モードを判定し、通常割当モード以外の場合には、フライト情報およびスポット割当モードに基づいてモード別スポット割当条件データベース104から割当候補のスポット番号を取得する。そして、このスポット番号とフライト情報とに基づいてスポット割当実績情報を参照し、航空機が駐機可能な駐機スポットの一覧を含むスポット割当決定画面を作成し、表示する。
【解決手段】管制システム2から航空機に係る航空会社、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信し、スポット作業管理システム3から少スポット番号、航空会社、機種および駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信する。次に、外部入力情報からスポット割当計画のスポット割当モードを判定し、通常割当モード以外の場合には、フライト情報およびスポット割当モードに基づいてモード別スポット割当条件データベース104から割当候補のスポット番号を取得する。そして、このスポット番号とフライト情報とに基づいてスポット割当実績情報を参照し、航空機が駐機可能な駐機スポットの一覧を含むスポット割当決定画面を作成し、表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機に対して空港内の駐機スポットを割当てるスポット割当計画作成装置およびスポット割当計画作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空港内において航空機は駐機スポットと呼ばれる地点に移動され、乗客や乗務員の搭乗、貨物の積込み、給油作業、清掃作業などフライトのための様々な準備が行われるが、これらは限られた時間内で行わなければならない。また、駐機スポットの数は限られていることから、航空機の運行を計画通りに行うためには駐機スポットにおける作業をスケジュール化して円滑に行う必要がある。
【0003】
現在、このような駐機スポットの管理作業は、コンピュータによって支援されており、例えば、航空機駐機要求を格納する第1の記憶手段と、駐機スポット属性情報を格納する第2の記憶手段と、スポット割当コストを格納する第3の記憶手段と、上記駐機要求、スポット属性情報及びスポット割当コストを用いて最適化演算により駐機要求を固定スポットに最大限割当てる固定スポット割当手段と、上記駐機要求を固定スポットに最大限割当てた結果、固定スポットに割当てられなかった未割当駐機要求を格納する第4の記憶手段と、スポット属性情報及びスポット割当コストを用いて上記未割当駐機要求をオープンスポットに割当てるオープンスポット割当手段と、上記固定スポット割当手段及びオープンスポット割当手段で得られた駐機計画を格納する第5の記憶手段とを備えたことを特徴とする駐機計画作成装置(特許文献1参照)などが従来技術として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-132500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来技術においては、通常時のスポット割当を円滑に行うことを主体としており、自然災害(天候不良等)の発生のために通常の計画とかけ離れたスポット割当を行わなければならない場合は考慮されていないため、特に航空機運行状況の変化が激しい状況下では、その都度ユーザの裁量による判断が要求されていた。そのため、ユーザの負荷が大きいと共に、過去の自然災害発生時における割当パターンと異なった割当てがなされるため非効率的であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、自然災害の発生時など駐機スポットを緊急に割当が必要になった場合でも、駐機スポットを効率的に提示可能なスポット割当計画作成装置およびスポット割当計画作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスポット割当計画作成装置は、航空機と通信を行う管制システムから少なくとも前記航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信するフライト情報受信部と、前記航空機の通常運行時における割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義されたスポット割当モードに対して、前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するモード別スポット割当条件データベースと、前記空港内の前記駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システムから少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信するスポット割当実績情報受信部と、少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用予定時刻を含むスポット割当計画情報を格納するスポット割当計画情報データベースと、外部入力情報を解析し、前記スポット割当モードを判定するモード判定部と、前記判定の結果が通常割当モード以外の場合に、前記フライト情報に含まれる前記航空会社および前記機種並びに前記スポット割当モードに基づいて前記モード別スポット割当条件データベースから前記スポット番号を取得する共に、このスポット番号と前記フライト情報に含まれる前記航空会社、前記機種、前記到着予定時刻および前記出発予定時刻とに基づいて前記スポット割当実績情報および前記スポット割当計画情報を参照し、前記航空機が駐機可能な前記駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から前記駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するスポット割当計画作成部と、前記作成されたスポット割当決定画面を表示する表示部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るスポット割当計画作成方法は、航空機と通信を行う管制システムおよび空港内の駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システムに接続されたコンピュータが行うスポット割当計画作成方法であって、前記管制システムから少なくとも前記航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信するフライト情報受信ステップと、前記スポット作業管理システムから少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信するスポット割当実績情報受信ステップと、前記航空機の通常運行時における割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義されたスポット割当モードを含む外部入力情報を解析し、前記スポット割当モードを判定するモード判定ステップと、前記判定の結果が通常割当モード以外の場合に、前記スポット割当モードに対して、前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するモード別スポット割当条件データベースから前記フライト情報に含まれる前記航空会社および前記機種並びに前記スポット割当モードに基づいて前記スポット番号を取得するスポット番号取得ステップと、前記取得されたスポット番号と前記フライト情報に含まれる前記航空会社、前記機種、前記到着予定時刻および前記出発予定時刻とに基づいて前記スポット割当実績情報並びに作成済みの少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用予定時刻を含むスポット割当計画情報を参照し、前記航空機が駐機可能な前記駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から前記駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するスポット割当決定画面作成ステップと、前記作成されたスポット割当決定画面を表示する表示ステップと、を有することを特徴とするスポット割当計画作成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自然災害の発生時など駐機スポットを緊急に割当が必要になった場合でも、駐機スポットを効率的に提示可能なスポット割当計画作成装置およびスポット割当計画作成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るスポット割当計画作成装置の全体構成例を示すブロック図。
【図2】空港内に複数設けられている駐機スポットを説明する図。
【図3】図1に示されるスポット割当計画作成装置および管理者端末に適用されるコンピュータの構成例を示す図。
【図4】図1に示されるフライト情報データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図5】図1に示されるスポット割当マスタ情報データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図6】図1に示されるモード別スポット割当条件データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図7】図1に示されるスポット割当実績情報データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図8】図1に示されるスポット割当計画情報データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図9】図1に示されるスポット割当情報編集部におけるスポット割当条件表示処理の具体例を示すフローチャート。
【図10】図1に示される管理者端末に表示されるモード別スポット割当条件登録画面の具体例を示す図。
【図11】図1に示される管理者端末に表示されるモード別スポット割当条件参照画面の具体例を示す図。
【図12】図1に示される管理者端末に表示されるモード別スポット割当条件修正画面の具体例を示す図。
【図13】図1に示されるスポット割当計画作成部におけるスポット割当計画・実績表示処理の具体例を示すフローチャート。
【図14】図1に示される管理者端末に表示されるスポット割当計画・実績参照画面の具体例を示す図。
【図15】図1に示されるスポット割当計画作成部におけるスポット割当計画作成処理の具体例を示すフローチャート。
【図16】図1に示される管理者端末に表示されるスポット割当対象選択画面の具体例を示す図。
【図17】図1に示される管理者端末に表示されるスポット割当決定画面の具体例を示す図。
【図18】図1に示される管理者端末に表示されるスポット割当計画・実績参照画面の具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスポット割当計画作成装置1の全体構成例を示す図である。同図に示されるように、スポット割当計画作成装置1は、航空機と通信を行う管制システム2、空港内の駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システム3および管理者が使用する管理者端末4にそれぞれ接続され、管制システム2とスポット作業管理システム3より取得される情報を解析して航空機に対して駐機スポットを割当てるスポット割当計画を作成するコンピュータである。図2は、空港内に複数設けられている駐機スポットを説明する図である。ここでは、空港内が複数のエリアに分割され、各エリア内に設けられた複数の駐機スポットがスポット番号で識別されていることが示されている。例えば、スポット番号がSP−33の駐機スポットを指定することで、航空機が駐機スポットへ誘導されている。
【0012】
図3は、図1に示されるスポット割当計画作成装置1および管理者端末4に適用されるコンピュータの構成例を示す図である。同図に示されるように、スポット割当計画作成装置1および管理者端末4に適用されるコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、入出力インターフェース54、システムバス55、入力装置56、表示装置57、補助記憶装置58および通信装置59から構成される。
【0013】
CPU51は、ROM52やRAM53に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する処理装置である。ROM52は、コンピュータを機能させるための基本プログラムや環境ファイルなどを記憶する読み取り専用の記憶装置である。RAM53は、CPU51が実行するプログラムおよび各プログラムの実行に必要なデータを記憶する記憶装置であり、高速な読み出しと書き込みが可能である。入出力インターフェース54は、各種のハードウェアとシステムバス55との接続を仲介する装置およびプログラムである。システムバス55は、CPU51、ROM52、RAM53および入出力インターフェース54で共有される情報伝達路である。
【0014】
また、入出力インターフェース54には、入力装置56、表示装置57、補助記憶装置58、および通信装置59などのハードウェアが接続されている。入力装置56は、ユーザからの入力を処理する装置であり、例えばキーボードやマウスなどである。表示装置57は、ユーザに対して演算結果や作成画面などを表示する装置であり、例えばCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。補助記憶装置58は、プログラムやデータを蓄積する大容量の記憶装置であり、例えばハードディスク装置などである。
【0015】
また、図1に示されるように、スポット割当計画作成装置1は、フライト情報受信部101、フライト情報データベース102、スポット割当マスタ情報データベース103、モード別スポット割当条件データベース104、スポット割当情報編集部105、入力部106、モード判定部107、スポット割当実績情報受信部108、スポット割当実績情報データベース109、スポット割当計画作成部110、表示部111、スポット割当計画情報データベース112およびスポット割当計画情報送信部113を機能として含んでいる。
【0016】
フライト情報受信部101は、航空機と通信を行う管制システム2から少なくとも航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を通信装置59によって受信するプログラムである。
【0017】
フライト情報データベース102は、フライト情報受信部101において受信されたフライト情報を格納するデータベースである。図4は、図1に示されるフライト情報データベース102の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、航空会社、機種、便名、到着予定時刻および出発予定時刻などが項目として挙げられている。
【0018】
スポット割当マスタ情報データベース103は、航空機へ駐機スポットを割当てる際の各種条件を格納するデータベースである。図5は、図1に示されるスポット割当マスタ情報データベース103の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、航空会社、機種、割当可能エリアおよび割当可能スポットが項目として挙げられている。
【0019】
モード別スポット割当条件データベース104は、航空機を駐機スポットへ割当てるスポット割当計画情報のスポット割当モードに対して、航空会社、機種および駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するデータベースである。スポット割当モードとは、自然災害の規模などスポット割当計画の作成に与える影響度や緊急度の大小に応じて予め定義される情報である。このスポット割当モードは、航空機の運行が当初計画通り(通常運行時)の際の割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義され、このスポット割当モードを切替えることで航空機に割当可能な駐機スポットを切り替えることができるものとする。本実施形態において通常時以外の割当計画のスポット割当モードは、次のように分類されるものとする。
【0020】
(1)モードA:大雪や台風などにより、近隣空港に離発着不可の場合(この場合、近隣空港へ到着できない便が駐機可能な範囲で着陸する可能性有)
例えば、災害の規模が極めて大きく、当初予定されていなかった多数の航空機が近隣空港から到着すると予想される場合については、通常時にはA航空の航空機のみがArea−1の駐機スポットに割当てられる場合であっても他の航空会社の航空機を同エリアに駐機可能とする割当がモードAで行われる。すなわち、モードAにおいては、通常の割当パターンと最も乖離度が大きい割当が行われる。
【0021】
(2)モードB:近隣空港の天候不良の為、ダイバード(一旦本空港へ着陸後、近隣空港の状況により出発する便など)などを行っても、通常割当では対応できない状況となった場合
例えば、災害の規模が小さく、影響度が小さく、本空港に到着する航空機の数は少ないことが予想される場合については、当初予定されていなかった航空機はオープンエリアの駐機スポットから優先的に駐機させるような割当がモードBで行われる。
【0022】
(3)モードC:その他の通常時と違うスポット割当が必要な場合
また、各モードについては、天候や空港特有の状況(スポットの工事等)等によって更にレベル分けを行い、割当条件を設定する。
【0023】
図6は、図1に示されるモード別スポット割当条件データベース104の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、スポット割当モード、レベル、航空会社、機種、割当優先度、割当可能エリアおよび割当可能スポットが項目として挙げられている。また、データ例は、スポット割当モードがモードA、レベルがLevel−3の場合には、C航空の機種3の航空機に対する割当条件は割当優先度を1として割当可能エリアがArea−3、割当可能スポットがSP−31等であることが示されている。
【0024】
スポット割当情報編集部105は、モード別スポット割当条件データベース104に格納されたモード別スポット割当条件を外部入力情報に基づいて編集するプログラムである。
【0025】
入力部106は、管理者端末4において入力された情報(外部入力情報)を取得し、モード判定部107およびスポット割当計画作成部110へ出力するプログラムである。
【0026】
モード判定部107は、入力部106から出力された外部入力情報を解析し、スポット割当モードを判定するプログラムである。
【0027】
スポット割当実績情報受信部108は、空港内の駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システム3から少なくともスポット番号、航空会社、機種、便名および駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を通信装置59によって受信するプログラムである。
【0028】
スポット割当実績情報データベース109は、スポット割当実績情報受信部108において受信されたスポット割当実績情報を格納するデータベースである。図7は、図1に示されるスポット割当実績情報データベース109の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、エリア、スポット番号、航空会社、機種、便名、便区分、到着時刻、出発時刻、遅延時間および遅延理由などが項目として挙げられている。例えば、データ例(1)は、スポット番号SP−33にB航空の便名B−157の航空機の到着が天候不良の影響で40分遅れて到着し、19:00に出発したスポット割当実績を示している。また、データ例(2)は、C航空の便名C−250の航空機が臨時で本空港を使用した際のスポット割当実績を示している。
【0029】
スポット割当計画作成部110は、モード判定部107における判定の結果が通常割当モード以外の場合に、フライト情報に含まれる航空会社および機種並びにスポット割当モードに基づいてモード別スポット割当条件データベース104からスポット番号を取得すると共に、このスポット番号とフライト情報に含まれる航空会社、機種、到着予定時刻および出発予定時刻とに基づいてスポット割当実績情報を参照し、航空機が駐機可能な駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するプログラムである。
【0030】
また、スポット割当計画作成部110は、スポット割当決定画面において選択された駐機スポットのスポット番号に対して、少なくとも航空会社、機種および駐機スポットの使用予定時刻(開始時刻および終了時刻)を関連付けたスポット割当計画情報を作成し、スポット割当計画情報データベース112へ登録・更新を行う機能を有する。
【0031】
表示部111は、スポット割当計画作成部110において作成されたスポット割当決定画面などの画面を管理者端末4へ表示するプログラムである。
【0032】
スポット割当計画情報データベース112は、スポット割当計画作成部110において作成されたスポット割当計画を格納するデータベースである。図8は、図1に示されるスポット割当計画情報データベース112の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、エリア、スポット番号、航空会社、機種、便名、便区分、到着予定時刻、出発予定時刻、スポット番号(変更前)、到着予定時刻(変更前)および出発予定時刻(変更前)が項目として挙げられている。例えば、データ例(1)は、当初はスポット番号SP−33に16:20に到着する予定であったB航空の便名B−157の航空機の到着が遅れ、到着予定時刻17:00のスポット割当計画に変更されたことを示している。また、データ例(2)は、C航空の便名C−250の航空機が臨時で本空港を使用することになり、作成されたスポット割当計画を示している。
【0033】
スポット割当計画情報送信部113は、スポット割当計画作成部110において作成されたスポット割当計画情報を管制システム2およびスポット作業管理システム3へ通信装置59によって送信するプログラムである。
【0034】
以下、スポット割当計画作成装置1の動作を図面に基づいて詳細に説明する。
【0035】
<スポット割当条件表示処理>
図9は、図1に示されるスポット割当情報編集部105におけるスポット割当条件表示処理の具体例を示すフローチャートである。
【0036】
S901においては、管理者端末4における入力情報を入力部106より取得する。
S902においては、取得された入力情報より表示画面の種別を判定する。ここで、種別が登録と判定された場合には、S903へ進み、参照と判定された場合には、S907へ進み、修正と判定された場合には、S910へ進む。
【0037】
S903においては、モード別スポット割当条件登録画面を表示する。図10は、図1に示される管理者端末4に表示されるモード別スポット割当条件登録画面の具体例を示す図である。ここでは、スポット割当モード、レベル、航空会社および機種の組み合わせに対して割当可能エリア、割当可能スポットおよび割当優先度を設定し、登録を行えることが示されている。
【0038】
S904においては、モード別スポット割当条件登録画面における入力終了要求の有無を判定する。ここで、モード別スポット割当条件登録画面内で終了ボタンが押下され、入力終了要求が行われたと判定された場合には、S905へ進む。これに対し、入力終了要求が行われていないと判定された場合には、入力終了要求が行われるまで表示状態が維持される。
【0039】
S905においては、モード別スポット割当条件登録画面において入力された割当条件を取得する。
【0040】
S906においては、入力された割当条件をモード別スポット割当条件データベース104へ登録し、処理を終了する。
【0041】
S907においては、モード別スポット割当条件参照画面を表示する。図11は、図1に示される管理者端末4に表示されるモード別スポット割当条件参照画面の具体例を示す図である。ここでは、モード別スポット割当条件登録画面より登録された割当条件がスポット割当モード、レベル、航空会社および機種の組合せ毎に複数表示されている。また、マウス選択によって割当条件を選択し、修正ボタンを押下することで後述するモード別スポット割当条件修正画面に遷移可能であることが示されている。
【0042】
S908においては、モード別スポット割当条件参照画面における割当条件の修正要求の有無を判定する。ここで、モード別スポット割当条件参照画面内で割当条件が選択され、修正ボタンが押下されることで、修正要求が有りと判定された場合には、S910へ進む。これに対し、修正要求無しと判定された場合には、S909へ進む。
【0043】
S909においては、モード別スポット割当条件参照画面における参照終了要求の有無を判定する。ここで、モード別スポット割当条件参照画面内で終了ボタンが押下され、参照終了要求有りと判定された場合には、処理を終了する。これに対し、参照終了要求無しと判定された場合には、参照終了要求が行われるまで表示状態が維持される。
【0044】
S910においては、モード別スポット割当条件修正画面を表示する。図12は、図1に示される管理者端末4に表示されるモード別スポット割当条件修正画面の具体例を示す図である。ここでは、モード別スポット割当条件参照画面において選択された割当条件に対してスポット番号を変更する修正を行う場合が示されている。また、削除ボタンが設けられており、ボタン押下によって割当条件の削除も可能であることが示されている。
【0045】
S911においては、モード別スポット割当条件修正画面における修正終了要求の有無を判定する。ここで、モード別スポット割当条件修正画面内で終了ボタンが押下され、修正終了要求有りと判定された場合には、S912へ進む。これに対し、修正終了要求無しと判定された場合には、修正終了要求が行われるまで表示状態が維持される。
【0046】
S912においては、モード別スポット割当条件修正画面において修正された割当条件を取得する。
【0047】
S913においては、修正された割当条件に基づいてモード別スポット割当条件データベース104を更新し、処理を終了する。
【0048】
<スポット割当計画・実績表示処理>
図13は、図1に示されるスポット割当計画作成部110におけるスポット割当計画・実績表示処理の具体例を示すフローチャートである。
【0049】
S1301においては、スポット割当計画情報データベース112よりスポット割当計画情報を取得する。
【0050】
S1302においては、スポット割当実績情報データベース109よりスポット割当実績情報を取得する。
【0051】
S1303においては、取得されたスポット割当計画情報とスポット割当実績情報を比較し、差異を抽出する。
【0052】
S1304においては、S1303における比較結果を反映したスポット割当計画・実績参照画面を表示する。図14は、図1に示される管理者端末4に表示されるスポット割当計画・実績参照画面の具体例を示す図である。ここでは、現在時刻が17:40の場合に、各スポット番号についてのスポット割当実績情報を現在時刻より左側、スポット割当計画情報を右側となるように時系列で併せて表示されている。また、横棒は各スポットにおける作業、横棒の下に記載された文字は航空機の便名を示しており、進捗状況により背景色が変化する。例えば、現在時刻においてスポット番号SP−33に駐機している便名B−157の航空機の作業には遅延が発生しており、計画当初の終了時刻は実線部で示されるように18:40であったが、予測される終了時刻は破線部で示されるように19:20であるとしてスポット割当計画が作成されていることが示されている。
【0053】
S1305においては、スポット割当計画・実績参照画面における表示終了要求の有無を判定する。ここで、表示終了要求有りと判定された場合には、処理を終了する。これに対し、表示終了要求無しと判定された場合には、S1301へ戻り、同様の処理を繰り返す。
【0054】
<スポット割当計画作成処理>
図15は、図1に示されるスポット割当計画作成部110におけるスポット割当計画作成処理の具体例を示すフローチャートである。
【0055】
S1501においては、フライト情報データベース102から最新のフライト情報を取得する。
【0056】
S1502においては、管理者端末4から入力された情報に基づいてモード判定部107で判定されたスポット割当計画のスポット割当モードおよびレベルを取得する。
【0057】
S1503においては、スポット割当対象選択画面を表示する。図16は、図1に示される管理者端末4に表示されるスポット割当対象選択画面の具体例を示す図である。ここでは、スポット割当計画作成条件を上部、スポットの割当対象となるフライト情報の一覧を下部に表示し、一覧の中から一の航空機を選択させる場合が示されている。
【0058】
S1504においては、スポット割当対象選択画面内における割当対象の選択の有無を判定する。ここで、割当対象の選択有りと判定された場合には、S1505へ進む。これに対し、割当対象の選択無しと判定された場合には、選択が行われるまで表示状態が維持される。
【0059】
S1505においては、管理者端末4より入力されたスポット割当モードに基づいて臨時割当か否かを判定する。ここで、臨時割当のスポット割当モードと判定された場合には、S1506へ進む。これに対し、通常割当のスポット割当モードと判定された場合には、S1508へ進む。
【0060】
S1506においては、フライト情報に含まれる航空会社および機種並びに入力されたスポット割当モードおよびレベルに基づいてモード別スポット割当条件データベース104から割当可能エリア、割当可能スポットおよび割当優先度を含むモード別スポット割当可能条件を取得する。
【0061】
S1507においては、フライト情報に基づいてスポット割当マスタ情報データベース103から割当可能エリア、割当可能スポットを取得する。この際、S1506において取得された割当可能エリアおよび割当可能スポットとの比較を行い、割当られる駐機スポットが航空機の機種などと適合しているか否かの確認が行われる。
【0062】
S1508においては、フライト情報に基づいてスポット割当マスタ情報データベース103から割当可能エリアおよび割当可能スポットを取得する。
【0063】
S1509においては、スポット割当実績情報データベース109およびスポット割当計画情報データベース112からスポット割当実績情報およびスポット割当計画情報をそれぞれ取得して、割当可能エリアおよび割当可能スポットとの比較を行い、実際に割当てることが可能なスポット番号を抽出して一覧を作成する。
【0064】
S1510においては、割当可能スポットの一覧を含むスポット割当決定画面を表示部111へ出力することによって管理者端末4へ表示し、ユーザに割当スポットの確定を促す。図17は、図1に示される管理者端末4に表示されるスポット割当決定画面の具体例を示す図である。ここでは、スポット割当計画作成条件を上部、航空機に対して割当可能なスポットの一覧を下部に表示し、一覧の中から一のスポット番号を選択させ、割当を行わせることが示されている。
【0065】
S1511においては、スポット割当決定画面における割当先の選択の有無を判定する。ここで、割当先のスポット番号の選択有りと判定された場合には、S1512へ進む。これに対し、選択無しと判定された場合には、選択が行われるまで表示状態が維持される。
【0066】
S1512においては、スポット割当決定画面において選択された駐機スポットのスポット番号に対して、フライト情報より取得された航空会社、機種および駐機スポットの使用予定時刻(開始時刻および終了時刻)を関連付けたスポット割当計画を作成する。
【0067】
S1513においては、作成されたスポット割当計画でスポット割当計画情報データベース112へ登録/更新を行う。図18は、図1に示される管理者端末4に表示されるスポット割当計画・実績参照画面の具体例を示す図である。ここでは、上述した図14と比較して、便名C−250の航空機に対して作成された新規の割当計画が反映された場合が示されており、網掛け表示されている横棒が該当箇所を表している。
【0068】
S1514においては、割当処理終了要求の有無を判定する。ここで、割当処理終了の要求有りと判定された場合には、処理を終了する。これに対し、要求無しと判定された場合には、S1501へ戻り、割当処理を継続する。
【0069】
このように、モード別に割当可能優先度条件順に割当スポット候補を判定することにより、例えば、大雪や台風などの発生によって近隣空港に離発着不可となり、近隣空港へ到着できない便が本空港へ多数緊急着陸する事態となった場合であってもスポット割当モードを切替えることにより、状況に応じた割当条件によって適切な割当スポット候補を効率的に抽出できる。すなわち、自然災害発生時でもモード別にスポット割当条件の優先度を切替えることにより、緊急時に適切なスポット割当候補を提示することが可能となりユーザの負荷を軽減することができる。
【0070】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。また、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。具体的には、上記実施形態では、作成されたスポット割当計画情報をデータベースに格納しておき、新たなスポット割当計画の作成時に参照する構成であったが、スポット割当実績情報と同様に、スポット作業管理システム3側から取得する構成としても良い。また、各モード内の割当条件、スポット割当モード、レベルの分類数を増やすことにより、自然災害発生時以外の運用パターンや各空港特有(スポットの工事の為に一時割当条件を変えたい場合など)の運用パターンに対応したスポット割当を実現することができる。
【符号の説明】
【0071】
1…スポット割当計画作成装置
2…管制システム
3…スポット作業管理システム
4…管理者端末
51…CPU
52…ROM
53…RAM
54…入出力インターフェース
55…システムバス
56…入力装置
57…表示装置
58…補助記憶装置
59…通信装置
101…フライト情報受信部
102…フライト情報データベース
103…スポット割当マスタ情報データベース
104…モード別スポット割当条件データベース
105…スポット割当情報編集部
106…入力部
107…モード判定部
108…スポット割当実績情報受信部
109…スポット割当実績情報データベース
110…スポット割当計画作成部
111…表示部
112…スポット割当計画情報データベース
113…スポット割当計画情報送信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機に対して空港内の駐機スポットを割当てるスポット割当計画作成装置およびスポット割当計画作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空港内において航空機は駐機スポットと呼ばれる地点に移動され、乗客や乗務員の搭乗、貨物の積込み、給油作業、清掃作業などフライトのための様々な準備が行われるが、これらは限られた時間内で行わなければならない。また、駐機スポットの数は限られていることから、航空機の運行を計画通りに行うためには駐機スポットにおける作業をスケジュール化して円滑に行う必要がある。
【0003】
現在、このような駐機スポットの管理作業は、コンピュータによって支援されており、例えば、航空機駐機要求を格納する第1の記憶手段と、駐機スポット属性情報を格納する第2の記憶手段と、スポット割当コストを格納する第3の記憶手段と、上記駐機要求、スポット属性情報及びスポット割当コストを用いて最適化演算により駐機要求を固定スポットに最大限割当てる固定スポット割当手段と、上記駐機要求を固定スポットに最大限割当てた結果、固定スポットに割当てられなかった未割当駐機要求を格納する第4の記憶手段と、スポット属性情報及びスポット割当コストを用いて上記未割当駐機要求をオープンスポットに割当てるオープンスポット割当手段と、上記固定スポット割当手段及びオープンスポット割当手段で得られた駐機計画を格納する第5の記憶手段とを備えたことを特徴とする駐機計画作成装置(特許文献1参照)などが従来技術として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003-132500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような従来技術においては、通常時のスポット割当を円滑に行うことを主体としており、自然災害(天候不良等)の発生のために通常の計画とかけ離れたスポット割当を行わなければならない場合は考慮されていないため、特に航空機運行状況の変化が激しい状況下では、その都度ユーザの裁量による判断が要求されていた。そのため、ユーザの負荷が大きいと共に、過去の自然災害発生時における割当パターンと異なった割当てがなされるため非効率的であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、自然災害の発生時など駐機スポットを緊急に割当が必要になった場合でも、駐機スポットを効率的に提示可能なスポット割当計画作成装置およびスポット割当計画作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るスポット割当計画作成装置は、航空機と通信を行う管制システムから少なくとも前記航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信するフライト情報受信部と、前記航空機の通常運行時における割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義されたスポット割当モードに対して、前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するモード別スポット割当条件データベースと、前記空港内の前記駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システムから少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信するスポット割当実績情報受信部と、少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用予定時刻を含むスポット割当計画情報を格納するスポット割当計画情報データベースと、外部入力情報を解析し、前記スポット割当モードを判定するモード判定部と、前記判定の結果が通常割当モード以外の場合に、前記フライト情報に含まれる前記航空会社および前記機種並びに前記スポット割当モードに基づいて前記モード別スポット割当条件データベースから前記スポット番号を取得する共に、このスポット番号と前記フライト情報に含まれる前記航空会社、前記機種、前記到着予定時刻および前記出発予定時刻とに基づいて前記スポット割当実績情報および前記スポット割当計画情報を参照し、前記航空機が駐機可能な前記駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から前記駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するスポット割当計画作成部と、前記作成されたスポット割当決定画面を表示する表示部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るスポット割当計画作成方法は、航空機と通信を行う管制システムおよび空港内の駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システムに接続されたコンピュータが行うスポット割当計画作成方法であって、前記管制システムから少なくとも前記航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信するフライト情報受信ステップと、前記スポット作業管理システムから少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信するスポット割当実績情報受信ステップと、前記航空機の通常運行時における割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義されたスポット割当モードを含む外部入力情報を解析し、前記スポット割当モードを判定するモード判定ステップと、前記判定の結果が通常割当モード以外の場合に、前記スポット割当モードに対して、前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するモード別スポット割当条件データベースから前記フライト情報に含まれる前記航空会社および前記機種並びに前記スポット割当モードに基づいて前記スポット番号を取得するスポット番号取得ステップと、前記取得されたスポット番号と前記フライト情報に含まれる前記航空会社、前記機種、前記到着予定時刻および前記出発予定時刻とに基づいて前記スポット割当実績情報並びに作成済みの少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用予定時刻を含むスポット割当計画情報を参照し、前記航空機が駐機可能な前記駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から前記駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するスポット割当決定画面作成ステップと、前記作成されたスポット割当決定画面を表示する表示ステップと、を有することを特徴とするスポット割当計画作成方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、自然災害の発生時など駐機スポットを緊急に割当が必要になった場合でも、駐機スポットを効率的に提示可能なスポット割当計画作成装置およびスポット割当計画作成方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係るスポット割当計画作成装置の全体構成例を示すブロック図。
【図2】空港内に複数設けられている駐機スポットを説明する図。
【図3】図1に示されるスポット割当計画作成装置および管理者端末に適用されるコンピュータの構成例を示す図。
【図4】図1に示されるフライト情報データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図5】図1に示されるスポット割当マスタ情報データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図6】図1に示されるモード別スポット割当条件データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図7】図1に示されるスポット割当実績情報データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図8】図1に示されるスポット割当計画情報データベースの記憶項目の具体例を示す図。
【図9】図1に示されるスポット割当情報編集部におけるスポット割当条件表示処理の具体例を示すフローチャート。
【図10】図1に示される管理者端末に表示されるモード別スポット割当条件登録画面の具体例を示す図。
【図11】図1に示される管理者端末に表示されるモード別スポット割当条件参照画面の具体例を示す図。
【図12】図1に示される管理者端末に表示されるモード別スポット割当条件修正画面の具体例を示す図。
【図13】図1に示されるスポット割当計画作成部におけるスポット割当計画・実績表示処理の具体例を示すフローチャート。
【図14】図1に示される管理者端末に表示されるスポット割当計画・実績参照画面の具体例を示す図。
【図15】図1に示されるスポット割当計画作成部におけるスポット割当計画作成処理の具体例を示すフローチャート。
【図16】図1に示される管理者端末に表示されるスポット割当対象選択画面の具体例を示す図。
【図17】図1に示される管理者端末に表示されるスポット割当決定画面の具体例を示す図。
【図18】図1に示される管理者端末に表示されるスポット割当計画・実績参照画面の具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るスポット割当計画作成装置1の全体構成例を示す図である。同図に示されるように、スポット割当計画作成装置1は、航空機と通信を行う管制システム2、空港内の駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システム3および管理者が使用する管理者端末4にそれぞれ接続され、管制システム2とスポット作業管理システム3より取得される情報を解析して航空機に対して駐機スポットを割当てるスポット割当計画を作成するコンピュータである。図2は、空港内に複数設けられている駐機スポットを説明する図である。ここでは、空港内が複数のエリアに分割され、各エリア内に設けられた複数の駐機スポットがスポット番号で識別されていることが示されている。例えば、スポット番号がSP−33の駐機スポットを指定することで、航空機が駐機スポットへ誘導されている。
【0012】
図3は、図1に示されるスポット割当計画作成装置1および管理者端末4に適用されるコンピュータの構成例を示す図である。同図に示されるように、スポット割当計画作成装置1および管理者端末4に適用されるコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random Access Memory)53、入出力インターフェース54、システムバス55、入力装置56、表示装置57、補助記憶装置58および通信装置59から構成される。
【0013】
CPU51は、ROM52やRAM53に格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する処理装置である。ROM52は、コンピュータを機能させるための基本プログラムや環境ファイルなどを記憶する読み取り専用の記憶装置である。RAM53は、CPU51が実行するプログラムおよび各プログラムの実行に必要なデータを記憶する記憶装置であり、高速な読み出しと書き込みが可能である。入出力インターフェース54は、各種のハードウェアとシステムバス55との接続を仲介する装置およびプログラムである。システムバス55は、CPU51、ROM52、RAM53および入出力インターフェース54で共有される情報伝達路である。
【0014】
また、入出力インターフェース54には、入力装置56、表示装置57、補助記憶装置58、および通信装置59などのハードウェアが接続されている。入力装置56は、ユーザからの入力を処理する装置であり、例えばキーボードやマウスなどである。表示装置57は、ユーザに対して演算結果や作成画面などを表示する装置であり、例えばCRT、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどである。補助記憶装置58は、プログラムやデータを蓄積する大容量の記憶装置であり、例えばハードディスク装置などである。
【0015】
また、図1に示されるように、スポット割当計画作成装置1は、フライト情報受信部101、フライト情報データベース102、スポット割当マスタ情報データベース103、モード別スポット割当条件データベース104、スポット割当情報編集部105、入力部106、モード判定部107、スポット割当実績情報受信部108、スポット割当実績情報データベース109、スポット割当計画作成部110、表示部111、スポット割当計画情報データベース112およびスポット割当計画情報送信部113を機能として含んでいる。
【0016】
フライト情報受信部101は、航空機と通信を行う管制システム2から少なくとも航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を通信装置59によって受信するプログラムである。
【0017】
フライト情報データベース102は、フライト情報受信部101において受信されたフライト情報を格納するデータベースである。図4は、図1に示されるフライト情報データベース102の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、航空会社、機種、便名、到着予定時刻および出発予定時刻などが項目として挙げられている。
【0018】
スポット割当マスタ情報データベース103は、航空機へ駐機スポットを割当てる際の各種条件を格納するデータベースである。図5は、図1に示されるスポット割当マスタ情報データベース103の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、航空会社、機種、割当可能エリアおよび割当可能スポットが項目として挙げられている。
【0019】
モード別スポット割当条件データベース104は、航空機を駐機スポットへ割当てるスポット割当計画情報のスポット割当モードに対して、航空会社、機種および駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するデータベースである。スポット割当モードとは、自然災害の規模などスポット割当計画の作成に与える影響度や緊急度の大小に応じて予め定義される情報である。このスポット割当モードは、航空機の運行が当初計画通り(通常運行時)の際の割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義され、このスポット割当モードを切替えることで航空機に割当可能な駐機スポットを切り替えることができるものとする。本実施形態において通常時以外の割当計画のスポット割当モードは、次のように分類されるものとする。
【0020】
(1)モードA:大雪や台風などにより、近隣空港に離発着不可の場合(この場合、近隣空港へ到着できない便が駐機可能な範囲で着陸する可能性有)
例えば、災害の規模が極めて大きく、当初予定されていなかった多数の航空機が近隣空港から到着すると予想される場合については、通常時にはA航空の航空機のみがArea−1の駐機スポットに割当てられる場合であっても他の航空会社の航空機を同エリアに駐機可能とする割当がモードAで行われる。すなわち、モードAにおいては、通常の割当パターンと最も乖離度が大きい割当が行われる。
【0021】
(2)モードB:近隣空港の天候不良の為、ダイバード(一旦本空港へ着陸後、近隣空港の状況により出発する便など)などを行っても、通常割当では対応できない状況となった場合
例えば、災害の規模が小さく、影響度が小さく、本空港に到着する航空機の数は少ないことが予想される場合については、当初予定されていなかった航空機はオープンエリアの駐機スポットから優先的に駐機させるような割当がモードBで行われる。
【0022】
(3)モードC:その他の通常時と違うスポット割当が必要な場合
また、各モードについては、天候や空港特有の状況(スポットの工事等)等によって更にレベル分けを行い、割当条件を設定する。
【0023】
図6は、図1に示されるモード別スポット割当条件データベース104の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、スポット割当モード、レベル、航空会社、機種、割当優先度、割当可能エリアおよび割当可能スポットが項目として挙げられている。また、データ例は、スポット割当モードがモードA、レベルがLevel−3の場合には、C航空の機種3の航空機に対する割当条件は割当優先度を1として割当可能エリアがArea−3、割当可能スポットがSP−31等であることが示されている。
【0024】
スポット割当情報編集部105は、モード別スポット割当条件データベース104に格納されたモード別スポット割当条件を外部入力情報に基づいて編集するプログラムである。
【0025】
入力部106は、管理者端末4において入力された情報(外部入力情報)を取得し、モード判定部107およびスポット割当計画作成部110へ出力するプログラムである。
【0026】
モード判定部107は、入力部106から出力された外部入力情報を解析し、スポット割当モードを判定するプログラムである。
【0027】
スポット割当実績情報受信部108は、空港内の駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システム3から少なくともスポット番号、航空会社、機種、便名および駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を通信装置59によって受信するプログラムである。
【0028】
スポット割当実績情報データベース109は、スポット割当実績情報受信部108において受信されたスポット割当実績情報を格納するデータベースである。図7は、図1に示されるスポット割当実績情報データベース109の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、エリア、スポット番号、航空会社、機種、便名、便区分、到着時刻、出発時刻、遅延時間および遅延理由などが項目として挙げられている。例えば、データ例(1)は、スポット番号SP−33にB航空の便名B−157の航空機の到着が天候不良の影響で40分遅れて到着し、19:00に出発したスポット割当実績を示している。また、データ例(2)は、C航空の便名C−250の航空機が臨時で本空港を使用した際のスポット割当実績を示している。
【0029】
スポット割当計画作成部110は、モード判定部107における判定の結果が通常割当モード以外の場合に、フライト情報に含まれる航空会社および機種並びにスポット割当モードに基づいてモード別スポット割当条件データベース104からスポット番号を取得すると共に、このスポット番号とフライト情報に含まれる航空会社、機種、到着予定時刻および出発予定時刻とに基づいてスポット割当実績情報を参照し、航空機が駐機可能な駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するプログラムである。
【0030】
また、スポット割当計画作成部110は、スポット割当決定画面において選択された駐機スポットのスポット番号に対して、少なくとも航空会社、機種および駐機スポットの使用予定時刻(開始時刻および終了時刻)を関連付けたスポット割当計画情報を作成し、スポット割当計画情報データベース112へ登録・更新を行う機能を有する。
【0031】
表示部111は、スポット割当計画作成部110において作成されたスポット割当決定画面などの画面を管理者端末4へ表示するプログラムである。
【0032】
スポット割当計画情報データベース112は、スポット割当計画作成部110において作成されたスポット割当計画を格納するデータベースである。図8は、図1に示されるスポット割当計画情報データベース112の記憶項目の具体例を示す図である。ここでは、エリア、スポット番号、航空会社、機種、便名、便区分、到着予定時刻、出発予定時刻、スポット番号(変更前)、到着予定時刻(変更前)および出発予定時刻(変更前)が項目として挙げられている。例えば、データ例(1)は、当初はスポット番号SP−33に16:20に到着する予定であったB航空の便名B−157の航空機の到着が遅れ、到着予定時刻17:00のスポット割当計画に変更されたことを示している。また、データ例(2)は、C航空の便名C−250の航空機が臨時で本空港を使用することになり、作成されたスポット割当計画を示している。
【0033】
スポット割当計画情報送信部113は、スポット割当計画作成部110において作成されたスポット割当計画情報を管制システム2およびスポット作業管理システム3へ通信装置59によって送信するプログラムである。
【0034】
以下、スポット割当計画作成装置1の動作を図面に基づいて詳細に説明する。
【0035】
<スポット割当条件表示処理>
図9は、図1に示されるスポット割当情報編集部105におけるスポット割当条件表示処理の具体例を示すフローチャートである。
【0036】
S901においては、管理者端末4における入力情報を入力部106より取得する。
S902においては、取得された入力情報より表示画面の種別を判定する。ここで、種別が登録と判定された場合には、S903へ進み、参照と判定された場合には、S907へ進み、修正と判定された場合には、S910へ進む。
【0037】
S903においては、モード別スポット割当条件登録画面を表示する。図10は、図1に示される管理者端末4に表示されるモード別スポット割当条件登録画面の具体例を示す図である。ここでは、スポット割当モード、レベル、航空会社および機種の組み合わせに対して割当可能エリア、割当可能スポットおよび割当優先度を設定し、登録を行えることが示されている。
【0038】
S904においては、モード別スポット割当条件登録画面における入力終了要求の有無を判定する。ここで、モード別スポット割当条件登録画面内で終了ボタンが押下され、入力終了要求が行われたと判定された場合には、S905へ進む。これに対し、入力終了要求が行われていないと判定された場合には、入力終了要求が行われるまで表示状態が維持される。
【0039】
S905においては、モード別スポット割当条件登録画面において入力された割当条件を取得する。
【0040】
S906においては、入力された割当条件をモード別スポット割当条件データベース104へ登録し、処理を終了する。
【0041】
S907においては、モード別スポット割当条件参照画面を表示する。図11は、図1に示される管理者端末4に表示されるモード別スポット割当条件参照画面の具体例を示す図である。ここでは、モード別スポット割当条件登録画面より登録された割当条件がスポット割当モード、レベル、航空会社および機種の組合せ毎に複数表示されている。また、マウス選択によって割当条件を選択し、修正ボタンを押下することで後述するモード別スポット割当条件修正画面に遷移可能であることが示されている。
【0042】
S908においては、モード別スポット割当条件参照画面における割当条件の修正要求の有無を判定する。ここで、モード別スポット割当条件参照画面内で割当条件が選択され、修正ボタンが押下されることで、修正要求が有りと判定された場合には、S910へ進む。これに対し、修正要求無しと判定された場合には、S909へ進む。
【0043】
S909においては、モード別スポット割当条件参照画面における参照終了要求の有無を判定する。ここで、モード別スポット割当条件参照画面内で終了ボタンが押下され、参照終了要求有りと判定された場合には、処理を終了する。これに対し、参照終了要求無しと判定された場合には、参照終了要求が行われるまで表示状態が維持される。
【0044】
S910においては、モード別スポット割当条件修正画面を表示する。図12は、図1に示される管理者端末4に表示されるモード別スポット割当条件修正画面の具体例を示す図である。ここでは、モード別スポット割当条件参照画面において選択された割当条件に対してスポット番号を変更する修正を行う場合が示されている。また、削除ボタンが設けられており、ボタン押下によって割当条件の削除も可能であることが示されている。
【0045】
S911においては、モード別スポット割当条件修正画面における修正終了要求の有無を判定する。ここで、モード別スポット割当条件修正画面内で終了ボタンが押下され、修正終了要求有りと判定された場合には、S912へ進む。これに対し、修正終了要求無しと判定された場合には、修正終了要求が行われるまで表示状態が維持される。
【0046】
S912においては、モード別スポット割当条件修正画面において修正された割当条件を取得する。
【0047】
S913においては、修正された割当条件に基づいてモード別スポット割当条件データベース104を更新し、処理を終了する。
【0048】
<スポット割当計画・実績表示処理>
図13は、図1に示されるスポット割当計画作成部110におけるスポット割当計画・実績表示処理の具体例を示すフローチャートである。
【0049】
S1301においては、スポット割当計画情報データベース112よりスポット割当計画情報を取得する。
【0050】
S1302においては、スポット割当実績情報データベース109よりスポット割当実績情報を取得する。
【0051】
S1303においては、取得されたスポット割当計画情報とスポット割当実績情報を比較し、差異を抽出する。
【0052】
S1304においては、S1303における比較結果を反映したスポット割当計画・実績参照画面を表示する。図14は、図1に示される管理者端末4に表示されるスポット割当計画・実績参照画面の具体例を示す図である。ここでは、現在時刻が17:40の場合に、各スポット番号についてのスポット割当実績情報を現在時刻より左側、スポット割当計画情報を右側となるように時系列で併せて表示されている。また、横棒は各スポットにおける作業、横棒の下に記載された文字は航空機の便名を示しており、進捗状況により背景色が変化する。例えば、現在時刻においてスポット番号SP−33に駐機している便名B−157の航空機の作業には遅延が発生しており、計画当初の終了時刻は実線部で示されるように18:40であったが、予測される終了時刻は破線部で示されるように19:20であるとしてスポット割当計画が作成されていることが示されている。
【0053】
S1305においては、スポット割当計画・実績参照画面における表示終了要求の有無を判定する。ここで、表示終了要求有りと判定された場合には、処理を終了する。これに対し、表示終了要求無しと判定された場合には、S1301へ戻り、同様の処理を繰り返す。
【0054】
<スポット割当計画作成処理>
図15は、図1に示されるスポット割当計画作成部110におけるスポット割当計画作成処理の具体例を示すフローチャートである。
【0055】
S1501においては、フライト情報データベース102から最新のフライト情報を取得する。
【0056】
S1502においては、管理者端末4から入力された情報に基づいてモード判定部107で判定されたスポット割当計画のスポット割当モードおよびレベルを取得する。
【0057】
S1503においては、スポット割当対象選択画面を表示する。図16は、図1に示される管理者端末4に表示されるスポット割当対象選択画面の具体例を示す図である。ここでは、スポット割当計画作成条件を上部、スポットの割当対象となるフライト情報の一覧を下部に表示し、一覧の中から一の航空機を選択させる場合が示されている。
【0058】
S1504においては、スポット割当対象選択画面内における割当対象の選択の有無を判定する。ここで、割当対象の選択有りと判定された場合には、S1505へ進む。これに対し、割当対象の選択無しと判定された場合には、選択が行われるまで表示状態が維持される。
【0059】
S1505においては、管理者端末4より入力されたスポット割当モードに基づいて臨時割当か否かを判定する。ここで、臨時割当のスポット割当モードと判定された場合には、S1506へ進む。これに対し、通常割当のスポット割当モードと判定された場合には、S1508へ進む。
【0060】
S1506においては、フライト情報に含まれる航空会社および機種並びに入力されたスポット割当モードおよびレベルに基づいてモード別スポット割当条件データベース104から割当可能エリア、割当可能スポットおよび割当優先度を含むモード別スポット割当可能条件を取得する。
【0061】
S1507においては、フライト情報に基づいてスポット割当マスタ情報データベース103から割当可能エリア、割当可能スポットを取得する。この際、S1506において取得された割当可能エリアおよび割当可能スポットとの比較を行い、割当られる駐機スポットが航空機の機種などと適合しているか否かの確認が行われる。
【0062】
S1508においては、フライト情報に基づいてスポット割当マスタ情報データベース103から割当可能エリアおよび割当可能スポットを取得する。
【0063】
S1509においては、スポット割当実績情報データベース109およびスポット割当計画情報データベース112からスポット割当実績情報およびスポット割当計画情報をそれぞれ取得して、割当可能エリアおよび割当可能スポットとの比較を行い、実際に割当てることが可能なスポット番号を抽出して一覧を作成する。
【0064】
S1510においては、割当可能スポットの一覧を含むスポット割当決定画面を表示部111へ出力することによって管理者端末4へ表示し、ユーザに割当スポットの確定を促す。図17は、図1に示される管理者端末4に表示されるスポット割当決定画面の具体例を示す図である。ここでは、スポット割当計画作成条件を上部、航空機に対して割当可能なスポットの一覧を下部に表示し、一覧の中から一のスポット番号を選択させ、割当を行わせることが示されている。
【0065】
S1511においては、スポット割当決定画面における割当先の選択の有無を判定する。ここで、割当先のスポット番号の選択有りと判定された場合には、S1512へ進む。これに対し、選択無しと判定された場合には、選択が行われるまで表示状態が維持される。
【0066】
S1512においては、スポット割当決定画面において選択された駐機スポットのスポット番号に対して、フライト情報より取得された航空会社、機種および駐機スポットの使用予定時刻(開始時刻および終了時刻)を関連付けたスポット割当計画を作成する。
【0067】
S1513においては、作成されたスポット割当計画でスポット割当計画情報データベース112へ登録/更新を行う。図18は、図1に示される管理者端末4に表示されるスポット割当計画・実績参照画面の具体例を示す図である。ここでは、上述した図14と比較して、便名C−250の航空機に対して作成された新規の割当計画が反映された場合が示されており、網掛け表示されている横棒が該当箇所を表している。
【0068】
S1514においては、割当処理終了要求の有無を判定する。ここで、割当処理終了の要求有りと判定された場合には、処理を終了する。これに対し、要求無しと判定された場合には、S1501へ戻り、割当処理を継続する。
【0069】
このように、モード別に割当可能優先度条件順に割当スポット候補を判定することにより、例えば、大雪や台風などの発生によって近隣空港に離発着不可となり、近隣空港へ到着できない便が本空港へ多数緊急着陸する事態となった場合であってもスポット割当モードを切替えることにより、状況に応じた割当条件によって適切な割当スポット候補を効率的に抽出できる。すなわち、自然災害発生時でもモード別にスポット割当条件の優先度を切替えることにより、緊急時に適切なスポット割当候補を提示することが可能となりユーザの負荷を軽減することができる。
【0070】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。また、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。具体的には、上記実施形態では、作成されたスポット割当計画情報をデータベースに格納しておき、新たなスポット割当計画の作成時に参照する構成であったが、スポット割当実績情報と同様に、スポット作業管理システム3側から取得する構成としても良い。また、各モード内の割当条件、スポット割当モード、レベルの分類数を増やすことにより、自然災害発生時以外の運用パターンや各空港特有(スポットの工事の為に一時割当条件を変えたい場合など)の運用パターンに対応したスポット割当を実現することができる。
【符号の説明】
【0071】
1…スポット割当計画作成装置
2…管制システム
3…スポット作業管理システム
4…管理者端末
51…CPU
52…ROM
53…RAM
54…入出力インターフェース
55…システムバス
56…入力装置
57…表示装置
58…補助記憶装置
59…通信装置
101…フライト情報受信部
102…フライト情報データベース
103…スポット割当マスタ情報データベース
104…モード別スポット割当条件データベース
105…スポット割当情報編集部
106…入力部
107…モード判定部
108…スポット割当実績情報受信部
109…スポット割当実績情報データベース
110…スポット割当計画作成部
111…表示部
112…スポット割当計画情報データベース
113…スポット割当計画情報送信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機と通信を行う管制システムから少なくとも前記航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信するフライト情報受信部と、
前記航空機の通常運行時における割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義されたスポット割当モードに対して、前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するモード別スポット割当条件データベースと、
前記空港内の前記駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システムから少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信するスポット割当実績情報受信部と、
少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用予定時刻を含むスポット割当計画情報を格納するスポット割当計画情報データベースと、
外部入力情報を解析し、前記スポット割当モードを判定するモード判定部と、
前記判定の結果が通常割当モード以外の場合に、前記フライト情報に含まれる前記航空会社および前記機種並びに前記スポット割当モードに基づいて前記モード別スポット割当条件データベースから前記スポット番号を取得する共に、このスポット番号と前記フライト情報に含まれる前記航空会社、前記機種、前記到着予定時刻および前記出発予定時刻とに基づいて前記スポット割当実績情報および前記スポット割当計画情報を参照し、前記航空機が駐機可能な前記駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から前記駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するスポット割当計画作成部と、
前記作成されたスポット割当決定画面を表示する表示部と、
を有することを特徴とするスポット割当計画作成装置。
【請求項2】
前記スポット割当計画作成部は、前記スポット割当決定画面において選択された前記駐機スポットに係るスポット番号に対して、少なくとも前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットの使用予定時刻を関連付けた新たなスポット割当計画情報を作成し、かつ、
前記作成されたスポット割当計画情報を前記管制システムおよび前記スポット作業管理システムへ送信するスポット割当計画情報送信部を更に有することを特徴とする請求項1記載のスポット割当計画作成装置。
【請求項3】
モード別スポット割当条件データベースに格納された前記モード別スポット割当条件を外部入力情報に基づいて編集するスポット割当情報編集部を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスポット割当計画作成装置。
【請求項4】
航空機と通信を行う管制システムおよび空港内の駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システムに接続されたコンピュータが行うスポット割当計画作成方法であって、
前記管制システムから少なくとも前記航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信するフライト情報受信ステップと、
前記スポット作業管理システムから少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信するスポット割当実績情報受信ステップと、
前記航空機の通常運行時における割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義されたスポット割当モードを含む外部入力情報を解析し、前記スポット割当モードを判定するモード判定ステップと、
前記判定の結果が通常割当モード以外の場合に、前記スポット割当モードに対して、前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するモード別スポット割当条件データベースから前記フライト情報に含まれる前記航空会社および前記機種並びに前記スポット割当モードに基づいて前記スポット番号を取得するスポット番号取得ステップと、
前記取得されたスポット番号と前記フライト情報に含まれる前記航空会社、前記機種、前記到着予定時刻および前記出発予定時刻とに基づいて前記スポット割当実績情報並びに作成済みの少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用予定時刻を含むスポット割当計画情報を参照し、前記航空機が駐機可能な前記駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から前記駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するスポット割当決定画面作成ステップと、
前記作成されたスポット割当決定画面を表示する表示ステップと、
を有することを特徴とするスポット割当計画作成方法。
【請求項5】
前記スポット割当決定画面において選択された前記駐機スポットに係るスポット番号に対して、少なくとも前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットの使用予定時刻を関連付けた新たなスポット割当計画情報を作成するスポット割当計画作成ステップと、
前記作成されたスポット割当計画情報を前記管制システムおよび前記スポット作業管理システムへ送信するスポット割当計画情報送信ステップを更に有することを特徴とする請求項4記載のスポット割当計画作成方法。
【請求項1】
航空機と通信を行う管制システムから少なくとも前記航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信するフライト情報受信部と、
前記航空機の通常運行時における割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義されたスポット割当モードに対して、前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するモード別スポット割当条件データベースと、
前記空港内の前記駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システムから少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信するスポット割当実績情報受信部と、
少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用予定時刻を含むスポット割当計画情報を格納するスポット割当計画情報データベースと、
外部入力情報を解析し、前記スポット割当モードを判定するモード判定部と、
前記判定の結果が通常割当モード以外の場合に、前記フライト情報に含まれる前記航空会社および前記機種並びに前記スポット割当モードに基づいて前記モード別スポット割当条件データベースから前記スポット番号を取得する共に、このスポット番号と前記フライト情報に含まれる前記航空会社、前記機種、前記到着予定時刻および前記出発予定時刻とに基づいて前記スポット割当実績情報および前記スポット割当計画情報を参照し、前記航空機が駐機可能な前記駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から前記駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するスポット割当計画作成部と、
前記作成されたスポット割当決定画面を表示する表示部と、
を有することを特徴とするスポット割当計画作成装置。
【請求項2】
前記スポット割当計画作成部は、前記スポット割当決定画面において選択された前記駐機スポットに係るスポット番号に対して、少なくとも前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットの使用予定時刻を関連付けた新たなスポット割当計画情報を作成し、かつ、
前記作成されたスポット割当計画情報を前記管制システムおよび前記スポット作業管理システムへ送信するスポット割当計画情報送信部を更に有することを特徴とする請求項1記載のスポット割当計画作成装置。
【請求項3】
モード別スポット割当条件データベースに格納された前記モード別スポット割当条件を外部入力情報に基づいて編集するスポット割当情報編集部を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2記載のスポット割当計画作成装置。
【請求項4】
航空機と通信を行う管制システムおよび空港内の駐機スポットにおける作業を管理するスポット作業管理システムに接続されたコンピュータが行うスポット割当計画作成方法であって、
前記管制システムから少なくとも前記航空機に係る航空会社、便名、機種並びに空港内の駐機スポットへの到着予定時刻および出発予定時刻を含むフライト情報を受信するフライト情報受信ステップと、
前記スポット作業管理システムから少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用時刻を含むスポット割当実績情報を受信するスポット割当実績情報受信ステップと、
前記航空機の通常運行時における割当パターンとの乖離度に対応して段階的に定義されたスポット割当モードを含む外部入力情報を解析し、前記スポット割当モードを判定するモード判定ステップと、
前記判定の結果が通常割当モード以外の場合に、前記スポット割当モードに対して、前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットを識別するスポット番号を関連付けたモード別スポット割当条件を格納するモード別スポット割当条件データベースから前記フライト情報に含まれる前記航空会社および前記機種並びに前記スポット割当モードに基づいて前記スポット番号を取得するスポット番号取得ステップと、
前記取得されたスポット番号と前記フライト情報に含まれる前記航空会社、前記機種、前記到着予定時刻および前記出発予定時刻とに基づいて前記スポット割当実績情報並びに作成済みの少なくとも前記スポット番号、前記航空会社、前記機種、前記便名および前記駐機スポットの使用予定時刻を含むスポット割当計画情報を参照し、前記航空機が駐機可能な前記駐機スポットの一覧を含み、かつ、この一覧から前記駐機スポットを選択可能なスポット割当決定画面を作成するスポット割当決定画面作成ステップと、
前記作成されたスポット割当決定画面を表示する表示ステップと、
を有することを特徴とするスポット割当計画作成方法。
【請求項5】
前記スポット割当決定画面において選択された前記駐機スポットに係るスポット番号に対して、少なくとも前記航空会社、前記機種および前記駐機スポットの使用予定時刻を関連付けた新たなスポット割当計画情報を作成するスポット割当計画作成ステップと、
前記作成されたスポット割当計画情報を前記管制システムおよび前記スポット作業管理システムへ送信するスポット割当計画情報送信ステップを更に有することを特徴とする請求項4記載のスポット割当計画作成方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−13961(P2011−13961A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−157889(P2009−157889)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】
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