スポンジホルダー
【課題】 台所等のスポンジを収納するスポンジホルダーにおいて、水切れが効率的に行われ且つ多種多様なスポンジに対応した使い勝手の良いスポンジホルダーを提供することにある。
【解決手段】 一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面２面と、前記略扇状平面の直線部を長辺とする矩形の平面２面とで構成され、略扇状平面の円弧方向が開口されてスポンジを斜めに収納することができ、前記矩形平面の少なくとも一部には水切り穴が設けられ且つ前記構成部材とスポンジの接触部分が少ない構造を合わせ持ち、前記略扇状平面の片方の平面には壁面に傾斜した状態で固定できる手段を持つことを趣旨とする。
【解決手段】 一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面２面と、前記略扇状平面の直線部を長辺とする矩形の平面２面とで構成され、略扇状平面の円弧方向が開口されてスポンジを斜めに収納することができ、前記矩形平面の少なくとも一部には水切り穴が設けられ且つ前記構成部材とスポンジの接触部分が少ない構造を合わせ持ち、前記略扇状平面の片方の平面には壁面に傾斜した状態で固定できる手段を持つことを趣旨とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、台所や風呂場等で使用される略直方体の清掃用スポンジの水切りホルダーに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のスポンジホルダーは、合成樹脂やステンレス線などで構成される容器状もしくは皿状のもので、スポンジを垂直に立てたり水平に寝かしたりして置くようになっており、容器の下部には水切り穴やスリットが設けられているものの、容器との接触部分が多かったり、水平に置くことにより水切れの効果が悪く、衛生的ではないといった問題点があった。
【０００３】
そこで、特許文献１に見られるように、スポンジを角度を付けて収納することにより水切れ効果を図った考案が提供されている。
【０００４】
しかしながらこの考案においては、スポンジと容器の接触部分が多く、水切れの機能は効果的ではなかった。また容器自体が置き式となっており、流し台の天面に置いた場合、切った水が天面を濡らしてしまうという問題があった。
【０００５】
一方で、特許文献２に見られるように、スポンジを斜めに収納せしめ、ラックの下面に設けた四角の開口部からスポンジを突出させることで最も下にくるスポンジの辺または角とその周辺が水切りラックの構成部材と一切接触しないことを特長とする水切りラックが提供されている。
【０００６】
しかしながらこの考案においては、ラックの下面に四角い開口部が設けられていることにより、比較的小さなスポンジやスリムなスポンジを収納した場合に、この開口部からスポンジが落下してしまうという致命的な問題点があった。また開口部からスポンジが突出しているため、スポンジを収納したあとで引き続き洗い物作業等を続けた場合、せっかく水が切れたスポンジに再び水がかかってしまうという問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】実開昭６１−１７４５６７号
【特許文献２】特許第３８９２８９６号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上記の諸事情を鑑みなされたものである。すなわち本発明の目的は、従来のスポンジホルダーの問題点を解決し、多種多様なスポンジに対応した使い勝手の良いスポンジホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するための手段として、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面２面と、前記略扇状平面の直線部を長辺とする矩形の平面２面とで構成され、略扇状平面の円弧方向が開口されてスポンジを斜めに収納することができ、前記矩形平面の少なくとも一部には水切り穴が設けられ且つ前記構成部材とスポンジの接触部分が少ない構造を合わせ持ち、前記略扇状平面の片方の平面には壁面に傾斜した状態で固定できる手段を持つことを趣旨とする。
【００１０】
また本発明によるスポンジホルダーの壁面に固定できる手段は、略扇状平面に設けられた穴に嵌合した吸盤によることを趣旨とする。
【００１１】
また本発明によるスポンジホルダーを壁面に固定した時、矩形平面の長辺が２度乃至１０度前傾又は後傾した状態になることを趣旨とする。
【００１２】
また本発明によるスポンジホルダーの略扇状平面の直線部の開放角度は、９０度未満であることを趣旨とする。
【００１３】
また本発明によるスポンジホルダーの略扇状平面の直線部の開放角度は９０度以上で、且つ矩形平面の内側に、各平面１面につき少なくとも１本以上の筋状凸部もしくは少なくとも２箇所以上の点状凸部を設けたことを趣旨とする。
【００１４】
なお本発明の目的に沿ったものであれば、上記手段を組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によるスポンジホルダーは、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面２面と、前記略扇状平面の直線部を長辺とする矩形の平面２面とで構成され、略扇状平面の円弧方向が開口されてスポンジを斜めに収納することができ、水がスポンジの角に集まることによってスポンジの水切れが早くなりスポンジを清潔に保てる。
【００１６】
本発明によるスポンジホルダーは、略扇状平面に設けられた穴に嵌合した吸盤により、流し台のシンク内等にくっ付けて使用することができる。
【００１７】
本発明によるスポンジホルダーを壁面に固定した時、略扇状平面が２度乃至１０度前傾又は後傾した状態になるため、斜めにスポンジを収納した際、略直方体のスポンジの８つの角の内、１つの角が最下端となるため、単にスポンジを斜めに収納して略直方体の短辺が最下端になる場合と比べ、水切りがより早くなるという効果がある。
【００１８】
本発明によるスポンジホルダーを構成する矩形平面２面の少なくとも一部に水切り穴が設けられているため、スポンジの角から滴下した水は効率よく下方向に排出される。
【００１９】
本発明によるスポンジホルダーの略扇状平面の直線部の開放角度は９０度未満であるため、直角の角を有する略直方体のスポンジを収納した際、ホルダーの矩形平面との接触が少なくなる。この場合、ホルダーに収納されたスポンジは、矩形平面の最上端の二辺によって吊下された状態となり、スポンジに吸収された水が矩形平面の内壁に接することなく下方向に直接移動しやすいという効果がある。
【００２０】
あるいは本発明によるスポンジホルダーの略扇状平面の直線部の開放角度は９０度以上で、且つ矩形平面の内側に、各平面１面につき少なくとも１本以上の筋状凸部もしくは少なくとも２箇所以上の点状凸部を有するため、収納したスポンジと矩形平面の接触部分が最小限に抑えられ、水切りが効果的に行えるという利点がある。
【００２１】
本発明によるスポンジホルダーに収納されるスポンジは、ホルダーより下部の露出がないため、スポンジを収納したあとで引き続き別の洗浄具で洗い物作業等を続けた場合、せっかく水が切れたスポンジに再び水がかかってしまうことが軽減される。
【００２２】
本発明によるスポンジホルダーは、比較的小さなスポンジやスリム状のスポンジを収納した場合でも落下する心配がない。例えばメラミンフォーム製のスポンジなどは使用中に磨耗してどんどん小さくなって行くが、水切り穴より小さくならない限り、落下することはない。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明によるスポンジホルダーの前面斜視図である。
【図２】本発明によるスポンジホルダーの背面斜視図である。
【図３】本発明によるスポンジホルダーの側面図である。
【図４】吸盤嵌合穴の断面図である。
【図５】本発明によるスポンジホルダーを吸盤で壁面にくっ付けた時の側面視断面図である。
【図６】本発明によるスポンジホルダーにスポンジを収納した時の正面図である。
【図７】第一の実施例を示す正面視断面図である。
【図８】第二の実施例を示す正面視断面図である。
【図９】第二の実施例を示す正面視断面図である。
【図１０】第二の実施例を示す正面視断面図である。
【図１１】本発明によるスポンジホルダーに小さなスポンジを収納した時の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【実施例１】
【００２５】
図１は、本発明によるスポンジホルダーの前面斜視図である。本実施の形態におけるスポンジホルダー３０は、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面１Ａと１Ｂ、及び前記略扇状平面の直線部１０ａと１０ｂを長辺とする矩形の平面２Ａと２Ｂとで構成され、略扇状平面の円弧７方向に開口部４を有する構成を成す。
【００２６】
更に詳しくは、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面１Ａと１Ｂはそれぞれ扇の要部９ａと９ｂを中心に一定の開放角度θａで延伸した直線部１０ａ及び１０ｂと、要部９ａ及び９ｂから一番遠い端点１２ａと１２ｂを繋いだ円弧７とから構成される。この時、要部９ａ及び９ｂは直線部１０ａと１０ｂの端点を直接繋いだ角の態様でも良いし、更にごく小さな辺または円弧を直線部１０ａと１０ｂの端点の中間に設けた態様であっても良い。
【００２７】
そして、前記略扇状平面の直線部１０ａと１０ｂを長辺とする矩形の平面２Ａと２Ｂが要部９ａと９ｂを中心として一定の開放角度θａで前記略扇状平面１Ａと１Ｂに連設されており、略扇状平面の円弧７方向に開口部４を有しているので、スポンジを上方から斜めに収納できる態様となる。
【００２８】
上記構成によるスポンジホルダー３０の矩形平面２Ａと２Ｂの少なくとも一部には、水切り用の穴３が設けられている。この水切り穴３は、少なくとも収納するスポンジの大きさより大きくあってはならず、複数の円形や長円形又は矩形などから構成される直径または間隔２ｍｍから１０ｍｍ程度の穴が望ましい。
【００２９】
図２は、本発明によるスポンジホルダー３０の背面斜視図である。本実施の形態におけるスポンジホルダー３０の背面には、吸盤２０を係止することができる嵌合穴５が設けられている。
【００３０】
吸盤２０には係止凸部２１が連設されており、スポンジホルダー３０の背面に設けられた嵌合穴５へ貫通させることにより、吸盤２０を固定することができる。
【００３１】
図３は、スポンジホルダー３０に吸盤２０を取り付けた状態を示す側面図である。この時、スポンジホルダー３０と吸盤２０の吸着面とは角度θｂの分だけ傾斜している。本図においてはスポンジホルダー３０は前傾する態様となるが、同様に角度θｂの分だけ後傾する態様であっても構わない。
【００３２】
図４は前記嵌合穴５の断面図である。嵌合穴５の背面側にはリブ６が傾斜状に設けられ、吸盤２０の嵌合凸部２１が前記リブ６に干渉しθｂの角度で傾斜して固定できるようになっている。
【００３３】
図５は、本発明によるスポンジホルダー３０を吸盤２０で壁面５０にくっ付けた時の側面視断面図である。スポンジホルダー３０と吸盤２０の吸着面を角度θｂの分だけ傾斜させた場合、スポンジホルダー３０に収納した略直方体のスポンジ４０は前傾し、角９ａが最下端となる。これにより、スポンジ４０に含まれた水は下方へと移動し、スポンジ４０の角から滴下される態様となる。
【００３４】
この時の角度θｂは、２度乃至１０度程度が望ましい。この態様により、単にスポンジを斜めに収納した時は最下端になる部位が略直方体の短辺となるのに比べ、傾斜させることにより水切りがスポンジの角一点で行えるため、水切り速度が早く、非常に衛生的にスポンジを使用することができる。
【００３５】
図６は第一の実施例によるスポンジホルダー３０にスポンジ４０を収納した状態を示す正面図であり、図７はその断面を示す正面視断面図である。
【００３６】
第一の実施例によるスポンジホルダー３０の略扇状平面の直線部１０ａと１０ｂの開放角度θｃは９０度未満であるため、直角の角を有する略直方体のスポンジ４０を収納した際、前記ホルダー３０の矩形平面２Ａ及び２Ｂとスポンジの平面との接触が少なくなる。この場合、前記ホルダー３０に収納されたスポンジ４０は、矩形平面２Ａ及び２Ｂの最上端の二辺１１ａ及び１１ｂによって吊下された状態となり、スポンジ４０に吸収された水が矩形平面２Ａと２Ｂの内壁に接することなく下方向に直接移動しやすいという効果がある。
【００３７】
直線部１０ａと１０ｂの開放角度θｃは、９０度未満であれば矩形平面２Ａ及び２Ｂとの接触度合いを軽減させることが可能となるが、７０度乃至８５度の角度が望ましい。
【実施例２】
【００３８】
図８、図９及び図１０は第二の実施例を示す正面視断面図である。第二の実施例によるスポンジホルダー３０の略扇状平面１Ａ及び１Ｂの直線部１０ａと１０ｂの開放角度θｄは９０度以上で、且つ矩形平面２Ａ及び２Ｂの内側に、各平面１面につき少なくとも１本以上の筋状凸部１３もしくは少なくとも２箇所以上の点状凸部１４を有するため、収納したスポンジ４０と矩形平面２Ａ及び２Ｂの接触部分が最小限に抑えられ、水切りが効果的に行えるという利点がある。
【００３９】
なおスポンジ４０と矩形平面２Ａ及び２Ｂとの接触を抑える目的であれば、前記筋状凸部１３あるいは点状凸部１４の大きさや形状に制限を設けるものではない。例えば矩形平面２Ａおよび２Ｂが波形状になっている態様でも構わない。
【００４０】
第一もしくは第二の実施例によるスポンジホルダー３０の略扇状平面１Ａ及び１Ｂは円弧７を有するのが望ましいが、より軽量化によるコストダウンを考慮した時、本発明の目的に沿ったものであれば、前記端点１２ａと１２ｂとを直線で繋いだ形状すなわち略逆三角形の態様であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【００４１】
本発明の態様を利用すれば、台所のスポンジだけではなく例えば風呂清掃用のスポンジなど略直方体のスポンジの水切りを効率的に行える。
【符号の説明】
【００４２】
１Ａ、１Ｂ 略扇状平面
２Ａ、２Ｂ 矩形平面
３ 水切り穴
４ 開口部
５ 吸盤嵌合穴
６ リブ
７ 円弧
８ 矩形平面の短辺
９ａ、９ｂ 略扇状平面の要部
１０ａ、１０ｂ 略扇状平面の直線部
１１ａ、１１ｂ 矩形平面の短辺
１２ａ、１２ｂ 直線部の端点
１３ 筋状凸部
１４ 点状凸部
２０ 吸盤
２１ 吸盤係止凸部
３０ スポンジホルダー
４０ 略直方体スポンジ
４１ 略直方体スポンジ
５０ シンク等の壁面
θａ 略扇状平面の開放角度
θｂ 壁面固定時の傾斜角度
θｃ 第一の実施例による矩形平面の開放角度
θｄ 第二の実施例による矩形平面の開放角度
【技術分野】
【０００１】
本発明は、台所や風呂場等で使用される略直方体の清掃用スポンジの水切りホルダーに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来のスポンジホルダーは、合成樹脂やステンレス線などで構成される容器状もしくは皿状のもので、スポンジを垂直に立てたり水平に寝かしたりして置くようになっており、容器の下部には水切り穴やスリットが設けられているものの、容器との接触部分が多かったり、水平に置くことにより水切れの効果が悪く、衛生的ではないといった問題点があった。
【０００３】
そこで、特許文献１に見られるように、スポンジを角度を付けて収納することにより水切れ効果を図った考案が提供されている。
【０００４】
しかしながらこの考案においては、スポンジと容器の接触部分が多く、水切れの機能は効果的ではなかった。また容器自体が置き式となっており、流し台の天面に置いた場合、切った水が天面を濡らしてしまうという問題があった。
【０００５】
一方で、特許文献２に見られるように、スポンジを斜めに収納せしめ、ラックの下面に設けた四角の開口部からスポンジを突出させることで最も下にくるスポンジの辺または角とその周辺が水切りラックの構成部材と一切接触しないことを特長とする水切りラックが提供されている。
【０００６】
しかしながらこの考案においては、ラックの下面に四角い開口部が設けられていることにより、比較的小さなスポンジやスリムなスポンジを収納した場合に、この開口部からスポンジが落下してしまうという致命的な問題点があった。また開口部からスポンジが突出しているため、スポンジを収納したあとで引き続き洗い物作業等を続けた場合、せっかく水が切れたスポンジに再び水がかかってしまうという問題点もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００７】
【特許文献１】実開昭６１−１７４５６７号
【特許文献２】特許第３８９２８９６号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００８】
本発明は、上記の諸事情を鑑みなされたものである。すなわち本発明の目的は、従来のスポンジホルダーの問題点を解決し、多種多様なスポンジに対応した使い勝手の良いスポンジホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するための手段として、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面２面と、前記略扇状平面の直線部を長辺とする矩形の平面２面とで構成され、略扇状平面の円弧方向が開口されてスポンジを斜めに収納することができ、前記矩形平面の少なくとも一部には水切り穴が設けられ且つ前記構成部材とスポンジの接触部分が少ない構造を合わせ持ち、前記略扇状平面の片方の平面には壁面に傾斜した状態で固定できる手段を持つことを趣旨とする。
【００１０】
また本発明によるスポンジホルダーの壁面に固定できる手段は、略扇状平面に設けられた穴に嵌合した吸盤によることを趣旨とする。
【００１１】
また本発明によるスポンジホルダーを壁面に固定した時、矩形平面の長辺が２度乃至１０度前傾又は後傾した状態になることを趣旨とする。
【００１２】
また本発明によるスポンジホルダーの略扇状平面の直線部の開放角度は、９０度未満であることを趣旨とする。
【００１３】
また本発明によるスポンジホルダーの略扇状平面の直線部の開放角度は９０度以上で、且つ矩形平面の内側に、各平面１面につき少なくとも１本以上の筋状凸部もしくは少なくとも２箇所以上の点状凸部を設けたことを趣旨とする。
【００１４】
なお本発明の目的に沿ったものであれば、上記手段を組み合わせた構成も採用可能である。
【発明の効果】
【００１５】
本発明によるスポンジホルダーは、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面２面と、前記略扇状平面の直線部を長辺とする矩形の平面２面とで構成され、略扇状平面の円弧方向が開口されてスポンジを斜めに収納することができ、水がスポンジの角に集まることによってスポンジの水切れが早くなりスポンジを清潔に保てる。
【００１６】
本発明によるスポンジホルダーは、略扇状平面に設けられた穴に嵌合した吸盤により、流し台のシンク内等にくっ付けて使用することができる。
【００１７】
本発明によるスポンジホルダーを壁面に固定した時、略扇状平面が２度乃至１０度前傾又は後傾した状態になるため、斜めにスポンジを収納した際、略直方体のスポンジの８つの角の内、１つの角が最下端となるため、単にスポンジを斜めに収納して略直方体の短辺が最下端になる場合と比べ、水切りがより早くなるという効果がある。
【００１８】
本発明によるスポンジホルダーを構成する矩形平面２面の少なくとも一部に水切り穴が設けられているため、スポンジの角から滴下した水は効率よく下方向に排出される。
【００１９】
本発明によるスポンジホルダーの略扇状平面の直線部の開放角度は９０度未満であるため、直角の角を有する略直方体のスポンジを収納した際、ホルダーの矩形平面との接触が少なくなる。この場合、ホルダーに収納されたスポンジは、矩形平面の最上端の二辺によって吊下された状態となり、スポンジに吸収された水が矩形平面の内壁に接することなく下方向に直接移動しやすいという効果がある。
【００２０】
あるいは本発明によるスポンジホルダーの略扇状平面の直線部の開放角度は９０度以上で、且つ矩形平面の内側に、各平面１面につき少なくとも１本以上の筋状凸部もしくは少なくとも２箇所以上の点状凸部を有するため、収納したスポンジと矩形平面の接触部分が最小限に抑えられ、水切りが効果的に行えるという利点がある。
【００２１】
本発明によるスポンジホルダーに収納されるスポンジは、ホルダーより下部の露出がないため、スポンジを収納したあとで引き続き別の洗浄具で洗い物作業等を続けた場合、せっかく水が切れたスポンジに再び水がかかってしまうことが軽減される。
【００２２】
本発明によるスポンジホルダーは、比較的小さなスポンジやスリム状のスポンジを収納した場合でも落下する心配がない。例えばメラミンフォーム製のスポンジなどは使用中に磨耗してどんどん小さくなって行くが、水切り穴より小さくならない限り、落下することはない。
【図面の簡単な説明】
【００２３】
【図１】本発明によるスポンジホルダーの前面斜視図である。
【図２】本発明によるスポンジホルダーの背面斜視図である。
【図３】本発明によるスポンジホルダーの側面図である。
【図４】吸盤嵌合穴の断面図である。
【図５】本発明によるスポンジホルダーを吸盤で壁面にくっ付けた時の側面視断面図である。
【図６】本発明によるスポンジホルダーにスポンジを収納した時の正面図である。
【図７】第一の実施例を示す正面視断面図である。
【図８】第二の実施例を示す正面視断面図である。
【図９】第二の実施例を示す正面視断面図である。
【図１０】第二の実施例を示す正面視断面図である。
【図１１】本発明によるスポンジホルダーに小さなスポンジを収納した時の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２４】
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【実施例１】
【００２５】
図１は、本発明によるスポンジホルダーの前面斜視図である。本実施の形態におけるスポンジホルダー３０は、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面１Ａと１Ｂ、及び前記略扇状平面の直線部１０ａと１０ｂを長辺とする矩形の平面２Ａと２Ｂとで構成され、略扇状平面の円弧７方向に開口部４を有する構成を成す。
【００２６】
更に詳しくは、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面１Ａと１Ｂはそれぞれ扇の要部９ａと９ｂを中心に一定の開放角度θａで延伸した直線部１０ａ及び１０ｂと、要部９ａ及び９ｂから一番遠い端点１２ａと１２ｂを繋いだ円弧７とから構成される。この時、要部９ａ及び９ｂは直線部１０ａと１０ｂの端点を直接繋いだ角の態様でも良いし、更にごく小さな辺または円弧を直線部１０ａと１０ｂの端点の中間に設けた態様であっても良い。
【００２７】
そして、前記略扇状平面の直線部１０ａと１０ｂを長辺とする矩形の平面２Ａと２Ｂが要部９ａと９ｂを中心として一定の開放角度θａで前記略扇状平面１Ａと１Ｂに連設されており、略扇状平面の円弧７方向に開口部４を有しているので、スポンジを上方から斜めに収納できる態様となる。
【００２８】
上記構成によるスポンジホルダー３０の矩形平面２Ａと２Ｂの少なくとも一部には、水切り用の穴３が設けられている。この水切り穴３は、少なくとも収納するスポンジの大きさより大きくあってはならず、複数の円形や長円形又は矩形などから構成される直径または間隔２ｍｍから１０ｍｍ程度の穴が望ましい。
【００２９】
図２は、本発明によるスポンジホルダー３０の背面斜視図である。本実施の形態におけるスポンジホルダー３０の背面には、吸盤２０を係止することができる嵌合穴５が設けられている。
【００３０】
吸盤２０には係止凸部２１が連設されており、スポンジホルダー３０の背面に設けられた嵌合穴５へ貫通させることにより、吸盤２０を固定することができる。
【００３１】
図３は、スポンジホルダー３０に吸盤２０を取り付けた状態を示す側面図である。この時、スポンジホルダー３０と吸盤２０の吸着面とは角度θｂの分だけ傾斜している。本図においてはスポンジホルダー３０は前傾する態様となるが、同様に角度θｂの分だけ後傾する態様であっても構わない。
【００３２】
図４は前記嵌合穴５の断面図である。嵌合穴５の背面側にはリブ６が傾斜状に設けられ、吸盤２０の嵌合凸部２１が前記リブ６に干渉しθｂの角度で傾斜して固定できるようになっている。
【００３３】
図５は、本発明によるスポンジホルダー３０を吸盤２０で壁面５０にくっ付けた時の側面視断面図である。スポンジホルダー３０と吸盤２０の吸着面を角度θｂの分だけ傾斜させた場合、スポンジホルダー３０に収納した略直方体のスポンジ４０は前傾し、角９ａが最下端となる。これにより、スポンジ４０に含まれた水は下方へと移動し、スポンジ４０の角から滴下される態様となる。
【００３４】
この時の角度θｂは、２度乃至１０度程度が望ましい。この態様により、単にスポンジを斜めに収納した時は最下端になる部位が略直方体の短辺となるのに比べ、傾斜させることにより水切りがスポンジの角一点で行えるため、水切り速度が早く、非常に衛生的にスポンジを使用することができる。
【００３５】
図６は第一の実施例によるスポンジホルダー３０にスポンジ４０を収納した状態を示す正面図であり、図７はその断面を示す正面視断面図である。
【００３６】
第一の実施例によるスポンジホルダー３０の略扇状平面の直線部１０ａと１０ｂの開放角度θｃは９０度未満であるため、直角の角を有する略直方体のスポンジ４０を収納した際、前記ホルダー３０の矩形平面２Ａ及び２Ｂとスポンジの平面との接触が少なくなる。この場合、前記ホルダー３０に収納されたスポンジ４０は、矩形平面２Ａ及び２Ｂの最上端の二辺１１ａ及び１１ｂによって吊下された状態となり、スポンジ４０に吸収された水が矩形平面２Ａと２Ｂの内壁に接することなく下方向に直接移動しやすいという効果がある。
【００３７】
直線部１０ａと１０ｂの開放角度θｃは、９０度未満であれば矩形平面２Ａ及び２Ｂとの接触度合いを軽減させることが可能となるが、７０度乃至８５度の角度が望ましい。
【実施例２】
【００３８】
図８、図９及び図１０は第二の実施例を示す正面視断面図である。第二の実施例によるスポンジホルダー３０の略扇状平面１Ａ及び１Ｂの直線部１０ａと１０ｂの開放角度θｄは９０度以上で、且つ矩形平面２Ａ及び２Ｂの内側に、各平面１面につき少なくとも１本以上の筋状凸部１３もしくは少なくとも２箇所以上の点状凸部１４を有するため、収納したスポンジ４０と矩形平面２Ａ及び２Ｂの接触部分が最小限に抑えられ、水切りが効果的に行えるという利点がある。
【００３９】
なおスポンジ４０と矩形平面２Ａ及び２Ｂとの接触を抑える目的であれば、前記筋状凸部１３あるいは点状凸部１４の大きさや形状に制限を設けるものではない。例えば矩形平面２Ａおよび２Ｂが波形状になっている態様でも構わない。
【００４０】
第一もしくは第二の実施例によるスポンジホルダー３０の略扇状平面１Ａ及び１Ｂは円弧７を有するのが望ましいが、より軽量化によるコストダウンを考慮した時、本発明の目的に沿ったものであれば、前記端点１２ａと１２ｂとを直線で繋いだ形状すなわち略逆三角形の態様であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【００４１】
本発明の態様を利用すれば、台所のスポンジだけではなく例えば風呂清掃用のスポンジなど略直方体のスポンジの水切りを効率的に行える。
【符号の説明】
【００４２】
１Ａ、１Ｂ 略扇状平面
２Ａ、２Ｂ 矩形平面
３ 水切り穴
４ 開口部
５ 吸盤嵌合穴
６ リブ
７ 円弧
８ 矩形平面の短辺
９ａ、９ｂ 略扇状平面の要部
１０ａ、１０ｂ 略扇状平面の直線部
１１ａ、１１ｂ 矩形平面の短辺
１２ａ、１２ｂ 直線部の端点
１３ 筋状凸部
１４ 点状凸部
２０ 吸盤
２１ 吸盤係止凸部
３０ スポンジホルダー
４０ 略直方体スポンジ
４１ 略直方体スポンジ
５０ シンク等の壁面
θａ 略扇状平面の開放角度
θｂ 壁面固定時の傾斜角度
θｃ 第一の実施例による矩形平面の開放角度
θｄ 第二の実施例による矩形平面の開放角度
【特許請求の範囲】
【請求項１】
台所や風呂場等で使用される略直方体のスポンジを収納する水切りホルダーであって、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面２面と、前記略扇状平面の直線部を長辺とする矩形の平面２面とで構成され、略扇状平面の円弧方向が開口されてスポンジを斜めに収納することができ、前記矩形平面の少なくとも一部には水切り穴が設けられ且つ前記構成部材と収納するスポンジの接触部分が少ない構造を合わせ持ち、前記略扇状平面の片方の平面には壁面に傾斜した状態で固定できる手段を持つことを特徴とするスポンジホルダー。
【請求項２】
壁面に固定できる手段は、略扇状平面に設けられた穴に嵌合した吸盤によることを特徴とする請求項１に記載のスポンジホルダー。
【請求項３】
壁面に固定した時、矩形平面の長辺が２度乃至１０度前傾又は後傾した状態になることを特徴とする請求項１又は２に記載のスポンジホルダー。
【請求項４】
略扇状平面の直線部の開放角度は、９０度未満であることを特徴とする請求項１から３に記載のスポンジホルダー。
【請求項５】
略扇状平面の直線部の開放角度は９０度以上で、且つ矩形平面の内側に、各平面１面につき少なくとも１本以上の筋状凸部もしくは少なくとも２箇所以上の点状凸部を設けたことを特徴とする請求項１から３に記載のスポンジホルダー。
【請求項１】
台所や風呂場等で使用される略直方体のスポンジを収納する水切りホルダーであって、一定の間隔で平行に相対して配置された略扇状の平面２面と、前記略扇状平面の直線部を長辺とする矩形の平面２面とで構成され、略扇状平面の円弧方向が開口されてスポンジを斜めに収納することができ、前記矩形平面の少なくとも一部には水切り穴が設けられ且つ前記構成部材と収納するスポンジの接触部分が少ない構造を合わせ持ち、前記略扇状平面の片方の平面には壁面に傾斜した状態で固定できる手段を持つことを特徴とするスポンジホルダー。
【請求項２】
壁面に固定できる手段は、略扇状平面に設けられた穴に嵌合した吸盤によることを特徴とする請求項１に記載のスポンジホルダー。
【請求項３】
壁面に固定した時、矩形平面の長辺が２度乃至１０度前傾又は後傾した状態になることを特徴とする請求項１又は２に記載のスポンジホルダー。
【請求項４】
略扇状平面の直線部の開放角度は、９０度未満であることを特徴とする請求項１から３に記載のスポンジホルダー。
【請求項５】
略扇状平面の直線部の開放角度は９０度以上で、且つ矩形平面の内側に、各平面１面につき少なくとも１本以上の筋状凸部もしくは少なくとも２箇所以上の点状凸部を設けたことを特徴とする請求項１から３に記載のスポンジホルダー。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【公開番号】特開２０１３−５９５９３（Ｐ２０１３−５９５９３Ａ）
【公開日】平成２５年４月４日（２０１３．４．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２１５５７９（Ｐ２０１１−２１５５７９）
【出願日】平成２３年９月１２日（２０１１．９．１２）
【出願人】（５９１１０９２１２）東和産業株式会社 (16)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年４月４日（２０１３．４．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年９月１２日（２０１１．９．１２）
【出願人】（５９１１０９２１２）東和産業株式会社 (16)
【Ｆターム（参考）】
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