説明

スマート技術を使用したフィルム供給包装装置またはシステム

最適または所定の性能特性を実現するだけでなく、包装用または梱包用フィルムの経済的使用を達成するように、作動性能に改善と同様に診断、作動性能および安全性の特性のため様々な作動状態やデータが検出、決定でき、その後使用できるようなフィルム包装機械または装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルム包装機械または装置に関し、特に、様々な作動条件やデータを検出、測定し、該検出、測定した作動条件やデータを用いて診断や作動性能、安全特性はもとより、作動性能を改善して最適な或いは所定の性能特性を実現するのみならず、包装用または梱包用フィルムの経済的使用を達成することを可能としたフィルム包装機械または装置に関する。
【背景技術】
【0002】
品物、荷物またはパレット貨物を包装用または梱包用フィルムで包むためにフィルムを供給し、更に包装または梱包する機械または装置は、当然ながら技術的によく知られている。そのようなフィルム供給、包装または梱包機械または装置の例は、2001年3月6日付けTurfanの米国特許第6,195,961号、1998年8月4日付けTurfanの米国特許第5,787,691号、1996年5月21日付けMorantzの米国特許第5,517,807号、更に1986年5月13日付けHaloilaの米国特許第4,587,796号に開示されている。上記特許開示に加え或いはそれに関連した形で、いくつかの異なるタイプの従来のフィルム供給、包装または梱包機械が存在するが知られている。簡単な例として、図1に、ターンテーブル式のフィルム供給、包装または梱包機械100を示す。そのようなターンテーブル式フィルム供給、包装または梱包機械100では、パレット積みされた貨物(以下、単にパレット貨物と記載する)(図示せず)がターンテーブル102上に配置される。包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体104が、直立した支柱または支持マスト106上で鉛直方向に往復動可能に取付けられる。これにより、パレット貨物がターンテーブル102の回転軸を中心として回転し、かつ、包装用または梱包用のフィルム供給搬送組立体104が、その最高位置から最低位置へ或いは最低位置から最高位置へ鉛直方向往復動するとき、パレット貨物は、包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体104から供給された包装用または梱包用フィルムによって、該包装用または梱包用フィルム内に包装または梱包される。
【0003】
更に、図2に、回転アーム式のフィルム包装または梱包機械200を示す。回転アーム式フィルム供給、包装または梱包機械200では、フィルム包装または梱包ステーション204が直立の枠体202の中心部に形成される。包装用または梱包用フィルム材料に包装または梱包されるパレット貨物(図示せず)がフィルム包装または梱包ステーション204に配置される。回転アーム組立体206が、直立した枠体202の上フレーム部材208に回転可能に取付けられ、フィルム包装または梱包ステーション204の周囲を回転するようになっている。包装または梱包用のフィルムの供給搬送組立体210が、回転アーム組立体206上で鉛直方向に往復動可能に取付けられる。これにより、回転アーム組立体206がフィルム包装または梱包ステーション204の周囲を回転すると共に、供給搬送組立体210がその最高位置から最低位置へ、或いは、最低位置から最高位置へ鉛直方向往復動する間、供給搬送組立体210から供給される包装用フィルムまたは梱包用フィルムによって、パレット貨物が該包装用または梱包用フィルム内に包装または梱包される。
【0004】
最後に、図3に、回転リング式のフィルム包装または梱包機械300を示す。回転リング式のフィルム供給、包装または梱包機300では、フィルム包装または梱包ステーション304が直立した枠体302の中心部に形成される。包装用または梱包用フィルム材料によって包装または梱包されるパレット貨物(図示せず)が、フィルム包装または梱包ステーション304に配置される。回転リング部材306が、フィルム包装または梱包ステーション304の周囲を回転するようにフレーム部材308に回転可能に取付けられる。フレーム部材308が、直立した枠体302上で鉛直方向に往復動可能に取付けられる。更に、包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体(図示せず)が回転リング部材306上に固定されるようになっている。これにより、回転リング部材306がフィルム包装または梱包ステーション304の周囲を回転すると共に、フレーム部材308がその最高位置から最低位置へ、また最低位置から最高位置へ鉛直方向往復動する間、包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体から供給された包装用または梱包用フィルムによって、パレット貨物が包装用または梱包用フィルム内に包装または梱包される。
【0005】
包装用または梱包用のフィルムでパレット貨物を包装または梱包する際、従来のどのタイプの包装または梱包機械が用いられても、フィルム包装または梱包処理または手順の望ましい1つの作動目標は、例えば、どれだけの力または張力が包装フィルムに付与されるかを決定可能とすることであり、その関連で、実際に包装フィルムに印加される力または張力が、作動出力特性として装置に予め入力された所望フィルム力または張力に一致することを効果的に確認することが望ましい。フィルム包装装置で検知または監視すべき他の作動目標は、実際に包装フィルムに所定のプレストレッチ量を達成可能とするには、どれだけのプレストレッチが包装フィルムに付与されるかということである。フィルム包装装置で検知または監視すべき更に他の作動目標は、例えば、1つの荷物を包装するために、どれだけの包装フィルムが実際に使用されるか、或いは、1つの包装フィルムロールでどれくらいの荷物が包装できるかということである。最終的には、上述したこれらの作動特徴または特性を監視し知ることによって、フィルム包装装置またはシステムの最適操作が可能となる。更に、フィルム包装装置またはシステム内に、以下の事をオペレーターに効果的に伝えることができる様々な操作メンテナンス機構または安全機構を組込むことが望ましい。オペレーターに伝える事としては、例えば包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体に取付けられた包装フィルムロール上に残っている包装フィルム量が残り少なくなってきていることや、フィルム駆動ロールを覆いかつ通常はオペレーター保護のために閉鎖位置または係止位置に配置されるドアが現実には開いた状態にあり、それ故装置は危険モードで作動している状態にあるかもしれないということ、或いは、包装フィルムロールを装着するマンドレルまたはスピンドルが、装置を危険な作動状態に置くことにもなる開放位置または脱着位置にあることである。出願人が知っている従来技術には、上述した様々な作動上の特徴および特性の全てを提供しているものはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、当該分野においては、フィルム供給、包装システムまたは装置によって実行されるべき最適なフィルム包装処理を達成するため、更にシステムまたは装置が事実上オペレーター保護の観点から安全作動状態で操作されていることを確実にするために、上述した様々な作動上の特徴または特性を測定し、監視し、制御できる新規かつ改良されたフィルム供給、包装システムまたは装置を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述およびその他の目的は、本発明の内容と原理に従い、新規でかつ改良されたフィルム供給、包装システムまたは装置を提供することにより達成されるが、該装置においては包装用または梱包用フィルムへの所定のプレストレッチ量を付与するように、駆動モータとベルトプーリー駆動システムによって異なる速度で駆動される一対の駆動ローラーが包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体に設けられる。入口側ターゲットローラーと入口側ピンチローラーは、上記一対の駆動ローラーと共働すると共に一対の駆動ローラーの入口側に設けられ、出口側ターゲットローラーと出口側ピンチローラーもまた、一対の駆動ローラーと共働すると共に一対の駆動ローラーの出口側に設けられる。入口側ターゲットローラーと出口側ターゲットローラーの双方にはセンサーターゲットが取付けられ、第1と第2の近接センサーがこれらターゲットローラーの近傍に夫々配置され、ターゲットローラーがフィルム速度に比例する速度で回転する際のセンサーターゲットの有無を実際に検知する。第1のまたは入口側ターゲットローラーでのフィルム速度は第2のまたは出口側ターゲットローラーでのフィルム速度とは異なり、この速度差がフィルムに付与されるプレストレッチ量となる。近接センサーは、例えば特定のターゲットローラーが1回転する毎、センサーターゲットを検知する毎にパルス信号をし、またこれらのパルス信号は、包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体に取付けられた第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)に送出され、次いで第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)は、実際に各包装荷物に使用されている包装用または梱包用フィルムの量だけでなく、実際に包装用または梱包用フィルムに付与されたプレストレッチ量、或いは更に、例えば単一のフィルムロールを使用することで実際に包装または梱包できる荷物の数を計算することができる。フィルム速度とフィルム使用量を示す、ターゲットローラー近接センサーからの上記データ信号の全ては、次に第1と第2の無線送出モジュールまたはトランシーバーにより、包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体上の第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)から遠隔配置された操作コンソールにある第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)へ送出される。これによりオペレーターはそのようなデータを監視でき、必要に応じて装置またはシステム構成部品にどんな変更をも行うことができる。
【0008】
適当な歪ゲージやロードセルを組込むテンションローラーは、包装用または梱包用フィルムに付与されている張力を測定するように、前記一対の駆動ローラーに連動する。歪ゲージやロードセルは、包装用または梱包用フィルムに付与された張力レベルを表わす走査信号を、遠隔配置された操作コンソール等に置かれた第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)に直接送出することで、第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)は包装用または梱包用フィルムに付与されている実際の張力を実際に測定または決定することが可能となる。加えて、本発明のフィルム包装または梱包システムまたは装置の全体にもまた、幾つかの付加的な作動上の安全機能が設けられる。例えば、フィルムロール取付スピンドルまたはマンドレルに取付けられたフィルムロール上に残っているフィルム量を監視するように、包装用または梱包用フィルム供給、包装システムまたは装置の枠体内にはフォトアイが組込まれる。フォトアイは、例えばマンドレルまたはスピンドルの外周に対して所定量、半径方向にオフセットされることで、フィルムロール上のフィルム径がもはやフォトアイによって捕捉されない程、フィルムロール上のフィルムが減少した際に、フォトアイは低フィルムレベルを表わす信号を出力することになる。この信号もまた、第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)に直接送られることで、操作コンソールに配されるオペレーターは、残りわずかとなった包装用または梱包用フィルムロールを新規の未使用の包装用または梱包用フィルムロールと交換するため、必要な操作を開始することができる。
【0009】
引き続き更に、包装用または梱包用フィルムのロールを取付けるスピンドルまたはマンドレルは、鉛直方向に直立した作動位置から、マンドレルまたはスピンドルからの空のフィルムロールの取外し、およびマンドレルまたはスピンドルへの新規の未使用フィルムロールの取付けが容易となるようにマンドレルまたはスピンドルを配置する、斜めに傾斜した脱着位置へ回転可能である。或いはまた、例えば新規の未使用フィルムロールがマンドレルまたはスピンドルに取付けられた後は、同マンドレルまたはスピンドルは、装置またはシステムが、荷物を包装用または梱包用フィルム内に包装または梱包するために使用できるように、その通常の鉛直方向に直立した作動位置へ回転、復帰する。また、マンドレルまたはスピンドルはフィンガを備えた回転枠体に取付けられ、同フィンガは、マンドレルまたはスピンドルを備えた枠体が実際にその通常の鉛直方向に直立した作動位置へ復帰した際に信号を出力するように包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体の枠体に取付けられたリミットスイッチと共働する。また、この信号は操作コンソールに置かれる第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)に直接送出される。従って、そのような信号がリミットスイッチによって生成されない場合には、実際にマンドレルまたはスピンドルが未だその通常の鉛直方向に直立した作動位置へ復帰していないことになり、このような場合には第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)は、フィルム供給包装装置またはシステムの作動を開始しなくなる。
【0010】
最後に、本発明による新規の改良されたフィルム供給包装システムまたは装置に組込まれるもう1つの安全機能は、オペレーターを第1と第2の駆動ローラー使用に伴う損傷から保護するために、第1と第2の駆動ローラーに対し通常は閉鎖位置に置かれるドアに連携する第3の近接センサーを設けたことにあることを記しておく。更に詳細には、通常、第1と第2の駆動ローラーを覆うドアには、例えばデッドボルト型係止部材を備えた係止機構が設けられる。これにより、係止機構がその係止位置へ移動され、その位置において例えばデッドボルト係止部材がその突出位置へ移動された時、デッドボルト係止部材のこの突出位置は、この第3の近接センサーによって検知されることになる。第3の近接センサーは、信号を出力し、その信号をフィルム供給、包装システムまたは装置の作動を開始できる第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)に送出することになる。もし仮に第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)が第3の近接センサーからの上記信号を受信しない場合には、フィルム供給、包装システムまたは装置の作動が防止される。
【0011】
最後に、少なくとも1つのマン−マシンインターフェース(HMI)が遠隔配置された操作コンソールに設けられる。マン−マシンインターフェース(HMI)は、例えばキーボード、キーパッド、多数のUSBポート、スクリーンモニター等、様々に異なる構成または構造からなるものでも良く、それによりオペレーターは、例えば第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)と効果的にインターフェースをとることができ、更に第1と第2の無線通信モジュールまたはトランシーバーを介して第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)とインターフェースをとることで包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体の様々な出力構造物を事実上制御することができる。更に注目すべきは、上述したように、例えば1または複数ののUSBポートからなるマン−マシンインターフェース(HMI)を設けることで、オペレーターは効果的に電話、ラップトップ型コンピューター、ノート型パソコン、ノートパッド等にプラグインでき、例えば第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)に格納される全データを、その後の使用に備えて、遠隔に配置されているデータ保存サーバ等にダウンロードまたは送出できることにある。オペレーターのラップトップ型コンピューター、ノート型パソコン、ノートパッド等からの制御コマンドは、同様にして、例えば実際に最適な出力性能レベルを達成する上で包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体の様々な動力駆動構造物に対する様々な動力駆動信号を変更するように、第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)へ送出するために第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)へ入力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来技術としての、第1の従来型ターンテーブル式フィルム包装または梱包機械の斜視図である。
【図2】従来技術としての、第2の従来型回転アーム式包装または梱包機械の斜視図である。
【図3】従来技術としての、第3の従来型回転リング式包装または梱包機械の斜視図である。
【図4】本発明の原理と教示によって構成された、包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体の斜視図であって、パレット貨物に対面する包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体の側方から見た図である。
【図5】図4に開示した包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体の斜視図であって、包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体においてパレット貨物から見て外方を向いた側面から見た図である。
【図6】図4に開示した包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体の概略的斜視図であって、同包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体が包装ステーションに配置されたパレット貨物の周囲で相対移動可能であることを示し、更に包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体が、制御キャビネット内に配置された例えばプログラマブル論理制御装置(PLC)と通信することを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の様々な他の特徴やそれに付随する利点は、複数の図面を通じ類似する参照文字が類似または対応部分を示している添付図面を参照しつつ、以下の詳細な記述から一層充分に理解されよう。
【0014】
図面、特に図4、5には、図1〜図3に開示のフィルム包装または梱包機械、システムまたは装置で使用可能な、本発明の原理および教示による包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体(以下、単にフィルム供給搬送組立体と記載する)400の全体が示されている。フィルム供給搬送組立体400は、例えば図6に略示するように、包装または梱包ステーションにあるパレット貨物401に対して相対的に回転するように角運動するようになっている。より詳細には、例えば、図示するフィルム供給搬送組立体400は縦型スピンドルまたはマンドレル402を具備し、該スピンドルまたはマンドレルには、図6において参照番号403で示す包装用または梱包用フィルムロールを取付けられる。更に、例えば第1と第2のプレストレッチ駆動ローラー404、406およびテンションローラー408が、フィルム供給搬送組立体400に取付けられる。テンションローラーには歪みゲージやロードセル(図示せず)が設けられる。更に詳細には、第1と第2の駆動ローラー404、406を駆動するために、フィルムロール取付マンドレルまたはスピンドル402から離れた位置において、駆動モータ410がフィルム供給搬送組立体400に取付けられ、該駆動モータ410の出力駆動軸に第1の駆動プーリ412が連結されている。更に、第1の従動プーリ414が、第1のプレストレッチ駆動ローラー404を取付けるローラー軸の上端部分に連結されており、第1の駆動プーリ412と第1の従動プーリ414とが第1の駆動ベルト416を介して相互接続されている。第2の従動プーリ418が第1の従動プーリ414に同軸状に取付けられている。第3の従動プーリ420が、第2のプレストレッチ駆動ローラー406を取付けるローラー軸の上端部分に連結されている。第2の駆動ベルト422によって、第2と第3の従動プーリ418、420が相互連結される。第1と第2のプレストレッチ駆動ローラー404、406間の相対的な回転速度によって、実際上、包装用または梱包用フィルムに付与されるプレストレッチ量が決定される。従って、ここでは、第1と第2の駆動ローラー404、406間に所定の回転速度比を達成するように、従動プーリ414、418、420の特定のサイズを所定の関係をもって整合させることによって、包装用または梱包用フィルムに付与されるプレストレッチの量または割合が決定または変更される。こうした第1と第2の駆動ローラー404、406間の異なる複数の速度比によって、上述した包装用または梱包用フィルムに付与されるプレストレッチ量が規定または決定される。
【0015】
図5から明らかなように、入口側遊動ピンチローラー424がフィルム供給搬送組立体400に回転可能に取付けられており、該入口側遊動ピンチローラー424の上端部分および下端部分がフィルム供給搬送組立体の枠体430の上側および下側部材426、428の間に延在している。同様に、入口側遊動ターゲットローラー432がフィルム供給搬送組立体400に回転可能に取付けられており、該入口側遊動ターゲットローラー432の上端部分および下端部分がフィルム供給搬送組立体の枠体430の上側および下側部材426、428の間に延在している。こうして、入口側遊動ピンチローラー424および入口側遊動ターゲットローラー432は、縦型スピンドルまたはマンドレル402に取付けられた包装用または梱包用フィルムロールからの包装用または梱包用フィルムの繰出または給送方向に関して、第1と第2の駆動ローラー404、406の上流側に位置する。入口側遊動ターゲットローラー432の上端部分にはセンサーターゲット434が設けられている。該センサーターゲットは、単純に、入口側遊動ターゲットローラー432外周壁部分にねじ込まれる締めネジの頭部とすることができよう。更に入口側遊動ターゲットローラー432が1回転する毎に、入口側遊動ターゲットローラーのセンサーターゲット434の有無を検知または走査できるように、第1の近接センサー436がフィルム供給搬送組立体の枠体430の壁部材437に取付けられている。
【0016】
同様に、図4から理解されように、出口側遊動ピンチローラー438がフィルム供給搬送組立体400に回転可能に取付けらており、該出口側遊動ピンチローラー438の上端部分および下端部分がフィルム供給搬送組立体の枠体430の上側および下側部材426、428の間に延在している。同様に、出口側遊動ターゲットローラー440がフィルム供給搬送組立体400に回転可能に取付けられており、該出口側遊動ターゲットローラー440の上端部分および下端部分がフィルム供給搬送組立体の枠体430の上側および下側部材426、428の間に延在している。入口側遊動ピンチローラー424およびターゲットローラー432の場合と同様に、出口側遊動ピンチローラー438および出口側遊動ターゲットローラー440は、縦型スピンドルまたはマンドレル402に取付けられた包装用または梱包用フィルムロールからの包装用または梱包用フィルムの繰出または給送方向において、第1と第2の駆動ローラー404、406の下流側に位置している。
【0017】
出口側遊動ターゲットローラー440の上端部分にも、先のセンサーターゲット434と同様に、センサーターゲット442が設けられている。該センサーターゲットは、出口側遊動ターゲットローラー440外周壁部分にねじ込まれる締めネジの頭部とすることができよう。更に出口側遊動ターゲットローラー440が1回転する毎に、出口側遊動ターゲットローラーのセンサーターゲット442の有無を検知または走査できるように、第2の近接センサー444がフィルム供給搬送組立体の枠体430の別の壁部材に取付けられている。こうして、縦型スピンドル402に回転可能に取付けられた包装用または梱包用フィルムロールから繰出される包装用または梱包用フィルムのフィルム軌道は、包装用または梱包用フィルムの包装または梱包対象となるパレット貨物に向けてフィルムが導かれるように、まず包装用または梱包用フィルムロールから、第1のピンチローラー424と第1のターゲットローラー432の間を通過し、更に第1と第2の駆動ローラー404、406の間またはその周りを通過し、テンションローラー408の外面部分の周りを通過し、そして第2のピンチローラー438と第2のターゲットローラー440の間を通過する。
【0018】
フィルム供給搬送組立体の枠体430上への第1と第2のターゲットローラー432、440の配置、第1と第2のターゲットローラー432、440上へのセンサーターゲット434、442の配置、および、フィルム供給搬送組立体の枠体430上への第1と第2の近接センサー436、444の配置に関して、ここで留意すべきは、第1と第2の近接センサー436、444が、ターゲットローラー432、440の回転速度、即ちターゲットローラーにおけるフィルムの直線速度を示す、センサーターゲット434、442の有無を検知するたびに、第1と第2の近接センサー436、444がパルスを生成し、該パルスは、図5に示すように、フィルム供給搬送組立体400に取付けられた第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)446に送出されることである。第1と第2のターゲットローラー432、440の回転速度は夫々、各ターゲットローラーにおけるフィルムの直線速度を示しているが、それらは互いに異なっており、このフィルムの速度差が、同フィルムがローラー404、406またはローラー間を通過する際にフィルムに付与されるプレストレッチ量を決定することは理解されよう。テンションローラー408、特に同ローラーに組込まれた歪みゲージやロードセルからの信号もまた、第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)446に送出される。
【0019】
第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)446は第1の無線通信モジュールまたはトランシーバー448に連結されており、該第1の無線通信モジュールまたはトランシーバー448は、フィルム供給搬送組立体400上において該第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)446に隣接して配置されている。第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)446は、包装用または梱包用フィルムの使用量と、包装用または梱包用フィルムのプレストレッチのレベルの双方を算出する。包装用または梱包用フィルムの使用量およびプレストレッチのレベルは、近接センサー436、444から派生または受信した信号の関数となっている。次いで、例えば包装用または梱包用フィルムのプレストレッチ、および、特定の包装または梱包操作に使用されるフィルムの量に関する上記データや演算値は、第1の無線通信モジュールまたはトランシーバー448により、例えば図6に示したような主操作コンソール等452に設置可能な第2の無線通信モジュールまたはトランシーバー450に送出される。主操作コンソール等452には、また、例えばキーボード、キーパッド、複数のUSBポート、スクリーンモニター等の1または複数の種類の適当なマン−マシンインターフェース(HMI)456を設けてもよい。
【0020】
このように、上述した様々なデータおよび演算値は、包装または梱包システムが最適性能を達成するために、作動パラメータを修正する目的だけでなく、監視目的でオペレーターに対して表示されるようにしてもよい。既述したように、マン−マシンインターフェース(HMI)456は、オペレーターが電話、ラップトップ型コンピューター、ノート型パソコン、ノートパッド等に効果的にプラグインできるように、例えば1または複数ののUSBポートを備えていてもよい。それにより、例えば第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)454に格納されている全データを、遠隔のデータ保存サーバ等にダウンロードまたは送出して、その後に使用できるようにすることができる。例えば、フィルム供給搬送組立体400の様々な動力駆動機構に対する様々な動力信号を変更することによって、実際に最適な出力性能レベルを達成するように、オペレーターのラップトップ型コンピューター、ノート型パソコン、ノートパッド等から第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)454へ制御コマンドを入力し、データを第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)446へ送出することができる。例えば、包装用または梱包用フィルムに付与すべき所定の張力レベルは、そのような張力レベルデータを操作コンソール452に入力することによって、第1と第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)446、454を介して駆動モータ410を制御するオペレーター本人によって予めセットすることができる。こうして、低過ぎる或いは高過ぎるフィルムの張力が、例えば、テンションローラー408に設けた歪みゲージによって第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)454へ送出されたときに、操作コンソール452にいるオペレーターが、制御信号をマン−マシンインターフェース(HMI)456から第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)454、第2の無線通信モジュールまたはトランシーバー450、第1の無線通信モジュールまたはトランシーバー448および第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)446を介して駆動モータ410に送出することによって、駆動モータ410の制御を変更することができる。
【0021】
同様の方法で、オペレーターは包装用または梱包用フィルムに付与されているプレストレッチ量、或いは、包装または梱包されている荷物毎に使用されるフィルム量を同じように監視することができる。こうして、例えば、オペレーターは、第1と第2の駆動ローラー404、406の一方、或いは、それに関連するプーリ駆動414、418、420に対してなされるべき必要な変更を命じ或いは開始することで、第1と第2の駆動ローラー404、406の相対速度を、最適または所望のプレストレッチパラメータに応じて変更することができる。実際に使用されているフィルムの量が予め定めた目標値や所定の目標値からずれている場合、同様の変更または改善を行なうことができる。或いは、上述した様々な検知データ、情報、値、パーセンテージ、比率等に基づいて、オペレーターは、単純に、適当なメンテナンスが装置に必要であると決定してもよい。例えば、それは単に包装用または梱包用フィルムがフィルム供給搬送組立体400上のローラー列を介して不正確に通されたり、または経路化されたことかもしれない。また、フィルム包装または梱包システムを有する上記構成要素に関連して、実際に第1と第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)446、454間での双方向通信を可能にするためには、第1と第2の無線通信モジュール448、450はトランシーバー等であることが好ましい。更に、既述したように、複数のUSBポートを設けることで、例えばラップトップ型コンピューター、ノート型パソコン、同様な可搬型コンピューター、プリンター、携帯電話、ルーター、インターネットコネクター等の他の補助装置を主操作コンソール452と連動させることができ、それによりオペレーターは上記補助装置を用いてフィルム包装または梱包システムの作動要素を制御することができる。
【0022】
更に、例えばフィルム供給搬送組立体400を有する本発明のシステムまたは装置もまた、他の様々な安全上または操作上の要素または構成が設けられる。例えば、フィルム供給搬送組立体400には、オペレーターに対し、フィルム包装または梱包処理に関係して供給されるフィルムロールに残っているフィルムの量が残り少ない状態において、今まさに切れかかっている状態を指示する手段が設けられる。より詳細には、図5に示すように、フィルム供給搬送組立体400には光検出器としてのフォトアイ458が設けられ、該フォトアイはフィルム供給搬送組立体400の上壁部材426内に取付けられる。フォトアイ458は、フォトアイの視線がフィルムロール取付スピンドル402の外周面部分に対し一直線上に一致するように、包装用または梱包用フィルムロールが現に取付けられているフィルムロール取付マンドレルまたはスピンドル402の円筒軸に対して僅かにオフセットさせて半径方向位置に配置される。このように、フィルムロール取付スピンドル402上のフィルムロールを構成する包装用または梱包用フィルムが徐々に使い果たされていくと、フォトアイ451がフィルムロールのフィルムロール芯上に巻かれた状態のフィルムを検知しなくなるときが到来し、そのとき、警告または他の信号を生成して第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)454に直接送出し、これを受け第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)454が警告または警戒信号をオペレーターに聞かせたり、マン−マシンインターフェース(HMI)456上で見せたり読ませたりする。その際には、当然ながらオペレーターは操作コンソール452により装置またはシステムを停止し、フィルム供給搬送組立体400上に包装用または梱包用フィルムが十分に供給されない状態で包装または梱包処理が行われないように、他のオペレーターによって、空になった、または空に近い包装用または梱包用フィルムロールをフィルムロール取付スピンドル402から取外させ、新しい包装用または梱包用フィルムロールと交換させるようになっている。
【0023】
上述した包装用または梱包用フィルムのロールの交換に関連して、フィルムロール取付マンドレルまたはスピンドル402は、図4、5に示すように、通常は鉛直に直立した作動位置に配置されている。然しながら、フィルムロール取付スピンドル402は実際には、通常の鉛直直立作動位置に対し或いは同位置から、例えば約45度の角運動によって外側に傾けることが可能となっており、これにより実際にフィルムロール取付スピンドル402からの包装用または梱包用フィルムの空ロールの取外し作業、および、フィルムロール取付スピンドル402上への包装用または梱包用フィルムの新ロールの取付作業を容易にしている。
【0024】
フィルム供給搬送組立体400に組込まれる安全機能として、リミットスイッチがブラケットハウジング460内に配設されている。該ブラケットハウジングは、フィルム供給搬送組立体400の枠体430において、フィルムロール取付マンドレルまたはスピンドル402および該マンドレルまたはスピンドル上の包装用または梱包用フィルムロールを効果的に収容する部分の側壁部材437に取付けられている。更に、図4に示すように、縦型フィルムロール取付スピンドル402は、底部横断部材464と一対の対向直立側方部材466、468とから成る略U字状の取付ブラケットに固定される。側方部材466、468の上端部分は、部位472、474において搬送組立体の枠体430の対向する側壁部材437、470に回転可能に取付けられており、縦型フィルムロール取付スピンドル402の上方自由端部分を図5において右側へ円弧を描くように外側下方に傾け、そして、これとは反対に、縦型フィルムロール取付スピンドル402の底端部分を図4において上方へ右側に傾けられるようになっている。
【0025】
更に図4に示すように、底部横断部材464と、対向する一対の直立側方部材466、468の間で形成される略U字状の取付ブラケットのより低い隅部にはコーナーブラケット476、478が設けられる。これらのコーナーブラケットは、縦型フィルムロール取付スピンドル402や略U字状の取付ブラケットが、外方に回転、傾斜した脱着位置から通常の作動位置へ回転する際に、同ブラケット476、478がフィルム供給搬送組立体400の側壁部材437、470の下端部分と係合することで、その適切な配置を通り過ぎてしまうのを効果的に防止するものである。更に図5に示すように、U字状ブラケットの直立する側方部材466もまた、ブラケットハウジング460の内部に配置されて、縦型フィルムロール取付スピンドル402が自身の通常の直立作動位置に復帰した際に前記リミットスイッチと係合し閉成するフィンガ480が設けられる。
【0026】
従って、ブラケットハウジング460内に配置されたリミットスイッチは、縦型フィルムロール取付スピンドル402とその略U字状取付ブラケット464、466、468が、実際にその通常鉛直方向に直立した作動位置に復帰したことを効果的に検知するために設けられている。リミットスイッチが、フィルムロール取付スピンドル402の通常の鉛直方向に直立した配置を検知しない場合、第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)454に対しては適当な信号が出力されなくなり、それにより第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)454は、装置またはシステムが作動することを効果的に防止する。
【0027】
フィルム供給搬送組立体400に組込まれる更なる安全機能として、第3の近接センサー482が用いられる。該センサーは、例えば、フィルム供給搬送組立体400において第1と第2の駆動ローラー404、406を収容する部分の天井を効果的に形成するフィルム供給搬送組立体400の上壁部材426に配置されている。フィルム供給搬送組立体400の該ハウジング部分は、通常、ヒンジによって開放位置と閉鎖位置との間で移動可能にフィルム供給搬送組立体400に取付けられたドア(図示せず)によって覆われる。図示しないドアは、作動サイクル中は第1と第2の駆動ローラー404、406を覆うまたは包囲する閉鎖位置にあり、それによりオペレーターが誤って第1と第2の駆動ローラー404、406に接触する危険な状態にあわないようにしている。然しながら、ドア(図示せず)は、例えば第1と第2の駆動ローラー404、406間の正弦波的な経路沿いに包装用または梱包用フィルムを手で装着する必要がある、例えば起動処理の間には、その開放位置に移動されるかもしれない。ドア(図示せず)には、例えば、デッドボルト式の係止装置に類似する、例えば係止機構を配設することができ、ドア(図示せず)が係止されると、デッドボルトが近接センサー482によって有効に検知できる係止位置に移動される。従って、第1と第2の駆動ローラー404、406を覆って包囲するドア(図示せず)が、突出した係止位置に配置されたデッドボルト部材により、閉鎖位置へ移動し係止されるという事実を、近接センサー482が検知しない場合、近接センサー482は第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)446に信号を発し、同様にフィルム包装または梱包装置またはシステムがフィルム包装または梱包処理サイクルを開始するのを効果的に防止する。
【0028】
こうして、本発明の原理と教示によれば、一対の駆動ローラーを駆動モータとベルトプーリー駆動システムによって異なる速度で駆動して包装用または梱包用フィルムに所定のプレストレッチ量を付与するようにした新規の改良されたフィルム供給包装システムが開示さる。入口側ターゲットローラーと入口側ピンチローラーは、一対の駆動ローラーと共働し、一対の駆動ローラーの入口側に設けられる。出口側ターゲットローラーと出口側ピンチローラーもまた、一対の駆動ローラーと共働し、該一対の駆動ローラーの出口側に設けられている。入口側ターゲットローラーと出口側ターゲットローラーの双方にはセンサーターゲットが取付けられており、該ターゲットローラーの近傍には第1と第2の近接センサーが夫々配置されている。第1と第2の近接センサーは、ターゲットローラーがフィルム速度に比例する速度で回転する際のセンサーターゲットの有無を実際に検知する。第1のまたは入口側ターゲットローラーにおけるフィルム速度は、第2のまたは出口側ターゲットローラーにおけるフィルム速度とは異なっており、この速度差によってフィルムに付与されるプレストレッチ量が決まる。近接センサーは、例えば特定のターゲットローラーが1回転しセンサーターゲットを検知する毎に、パルス信号を出力する。該パルス信号は、フィルム供給搬送組立体に取付けられた第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)に送出され、次いで第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)が、実際に各包装荷物に使用されている包装用または梱包用フィルムの量だけでなく、実際に包装用または梱包用フィルムに付与されたプレストレッチ量、或いは、更に、例えば単一のフィルムロールを使用することで実際に包装または梱包できる荷物の数を計算することができる。
【0029】
適当な歪ゲージやロードセルを組込んだテンションローラーは、包装用または梱包用フィルムに付与されている張力を測定するように前記一対の駆動ローラーと共働している。第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)が、包装用または梱包用フィルムに付与されている実張力を実際に測定または決定できるように、歪ゲージやロードセルは、感知した張力値を示す信号を第1と第2の無線通信モジュールまたはトランシーバーを介して遠隔配置された操作コンソールに設けられた第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)に送出する。フィルム速度とフィルム使用量を示すターゲットローラー近接センサーからの上記データ信号や、包装用または梱包用フィルムに付与される張力レベルを示すテンションローラーからの上記データ信号の全てに対し、オペレーターは、遠隔配置された操作コンソールに設けられているマン−マシンインターフェースを使ってアクセスでき、これによりオペレーターはそのようなデータを監視したり、また必要に応じて装置またはシステム構成部品にどんな変更をも行うことができる。
【0030】
また更に、新規でかつ改良された本発明のフィルム包装または梱包システムまたは装置にもまた、幾つかの付加的な作動上の安全機能が設けられている。例えば、フィルムロール取付スピンドルまたはマンドレルに取付けられたフィルムロール上に残っているフィルム量を監視するように、フィルム供給、包装システムまたは装置の枠体内にはフォトアイが組込まれている。フォトアイは、例えばマンドレルまたはスピンドルの外周部分に対して所定量、半径方向にオフセットされることで、フィルムロール上のフィルム径がもはやフォトアイによって捕捉されない程、フィルムロール上のフィルムが減少した際に、フォトアイは低フィルムレベルを表わす信号を出力することになる。この信号は、第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)に直接送られることで、再度、操作コンソールに配されるオペレーターは、残りわずかとなった包装用または梱包用フィルムのロールを新規の未使用の包装用または梱包用フィルムロールと交換するための必要な作業を開始することができる。引き続き更に、包装用または梱包用フィルムのロールを取付けるスピンドルまたはマンドレルは、鉛直方向に直立した作動位置から、マンドレルまたはスピンドルからの空のフィルムロールの取外し、およびマンドレルまたはスピンドルへの新規の未使用フィルムロールの取付けが容易となるようにマンドレルまたはスピンドルを配置する、斜めに傾斜した脱着位置へ回転可能である。従って、例えば新規の未使用フィルムロールがマンドレルまたはスピンドルに取付けられた後は、同マンドレルまたはスピンドルは、装置またはシステムが、荷物を包装用または梱包用フィルム内に包装または梱包するために使用できるように、その通常の鉛直方向に直立した作動位置へ回転、復帰する。また、マンドレルまたはスピンドルはフィンガを備えた回転枠体に取付けられており、同フィンガは、マンドレルまたはスピンドルを備えた枠体が実際にその通常の鉛直方向に直立した作動位置へ復帰した際に信号を出力するように、フィルム供給搬送組立体の枠体に取付けられたリミットスイッチと共働する。この信号は第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)に直接送出される。従って、そのような信号がリミットスイッチによって生成されない場合には、実際にマンドレルまたはスピンドルが未だその通常の鉛直方向に直立した作動位置へ復帰していないことを示しており、このような場合、第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)は、フィルム供給包装装置またはシステムの作動を開始しない。
【0031】
最後に、本発明による新規の改良されたフィルム供給包装システムまたは装置に組込まれる他の安全機能は、オペレーターを第1と第2の駆動ローラー使用に伴う損傷から保護するために、第1と第2の駆動ローラーに対し通常は閉鎖位置に配置されるドアに連携する第3の近接センサーを設けたことにある。更に詳細には、通常、第1と第2の駆動ローラーを覆うドアには、例えばデッドボルト型係止部材を備えた係止機構が設けられる。これにより、係止機構がその係止位置へ移動され、その位置において、例えばデッドボルト係止部材がその突出位置へ移動されると、デッドボルト係止部材の該突出位置は、第3の近接センサーによって検知される。第3の近接センサーは信号を出力し、該信号がフィルム供給、包装システムまたは装置の作動を開始できる第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)に送出される。第1のプログラマブル論理制御装置(PLC)が第3の近接センサーからの上記信号を受信しない場合には、フィルム供給、包装システムまたは装置の作動が防止される。
【0032】
上記教示に基づいて、本発明についての数多くの変形例や改良が可能である。それ故、添付された請求の範囲内において、ここで詳しく記述したものとは別の形を以て本発明を実施することができよう。
【符号の説明】
【0033】
400 フィルム供給搬送組立体
401 梱包ステーションにあるパレット貨物
402 フィルムロール取付スピンドル
404 第1のプレストレッチ駆動ローラー
406 第2のプレストレッチ駆動ローラー
408 テンションローラー
410 駆動モータ
412 第1の駆動プーリ
414 第1の従動プーリ
416 第1の駆動ベルト
418 第2の従動プーリ
420 第3の従動プーリ
422 第2の駆動ベルト
424 入口側遊動ピンチローラー
426 上壁部材
426 上側部材
428 下側部材
430 枠体
432 入口側遊動ターゲットローラー
434 センサーターゲット
436 第1の近接センサー
437 壁部材
438 出口側遊動ピンチローラー
440 出口側遊動ターゲットローラー
442 センサーターゲット
444 第2の近接センサー
446 1のプログラマブル論理制御装置(PLC)
448 第1の無線通信モジュールまたはトランシーバー
450 第2の無線通信モジュールまたはトランシーバー
451 フォトアイ
452 主操作コンソール
454 第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)
456 マシンインターフェース(HMI)
458 フォトアイ
460 ブラケットハウジング
464 底部横断部材
466 側方部材
468 側方部材
476 コーナーブラケット
478 コーナーブラケット
480 フィンガ
482 第3の近接センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム包装または梱包装置において使用される包装用または梱包用フィルムの供給搬送組立体において、
梱包される荷物の周りに巻きつける包装用または梱包用フィルムを供給するためのフィルム供給搬送組立体と、
前記フィルム供給搬送組立体に取付けられて包装用または梱包用フィルムのロールを支持するスピンドルにおいて、前記フィルム供給搬送組立体によって前記包装用または梱包用フィルムロールから供給された包装用または梱包用フィルムが梱包対象の荷物を包装するために使用されることになる前記スピンドルと、
前記スピンドルに取付けられた前記包装用または梱包用フィルムロールから包装または梱包対象の前記荷物に向けて前記フィルムを駆動する第1と第2の駆動ローラーと、
センサーターゲットを取付け、前記スピンドルから前記包装または梱包対象の荷物に向かう前記フィルムの給送方向において前記第1と第2の駆動ローラーの向かい合った上流側および下流側に配置される第1と第2のターゲットローラーにおいて、該第1と第2のターゲットローラーの各々におけるフィルムの速度に対応する速度で夫々回転する前記第1と第2のターゲットローラーと、
前記第1と第2のターゲットローラーに近接配置され、包装用または梱包用フィルムが前記第1と第2のターゲットローラーを超えて導かれるに伴って前記第1と第2のターゲットローラーの夫々が1回転する毎に、前記第1と第2のターゲットローラー上に夫々配された前記センサーターゲットの有無を検知すると共に、前記第1と第2のターゲットローラーの夫々の前記センサーターゲットの夫々の、前記検知された有無を示す信号を出力する第1と第2の近接センサーと、
前記フィルム供給搬送組立体に取付けられて前記第1と第2の近接センサーからの前記信号を受けると共に、前記包装用または梱包用フィルムが前記第1と第2のターゲットローラーの夫々を通過する際の包装用または梱包用フィルムの各速度間の差の関数として、包装用または梱包用フィルムに付与されるプレストレッチ量を演算するプログラマブル論理制御装置(PLC)とを具備することを特徴とする組立体。
【請求項2】
前記プログラマブル論理制御装置(PLC)は、前記第1と第2の駆動ローラーの上流側に配置された前記第1のターゲットローラーの近傍に配置された前記第1の近接センサーにより出力された前記信号の関数として、包装または梱包処理に供給、使用された包装用または梱包用フィルムの量を演算可能であることを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
更に、前記フィルム供給搬送組立体に取付けられて包装用または梱包用フィルムに付与された張力を測定するテンションローラーを具備することを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項4】
更に、前記フィルム供給搬送組立体に取付けられて前記スピンドル上の包装用または梱包用フィルムの低フィルム空乏状態を検知する光検出器を具備することを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項5】
包装用または梱包用フィルムのロールを支持する前記スピンドルは、傾斜したフィルム脱着位置と、鉛直方向に直立した作動位置との間で回転可能であり、
新規の未使用のフィルムロールが前記スピンドルに取付けられた後、前記鉛直方向に直立した作動位置へ復帰する前記スピンドルの移動を確認するリミットスイッチが、前記フィルム供給搬送組立体に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項6】
前記フィルム供給搬送組立体の不作動期間時においてオペレーターによる前記第1と第2の駆動ローラーへのアクセスを可能にする開放位置と、前記フィルム供給搬送組立体の作動期間時においてオペレーターの損傷を防止するように前記第1と第2の駆動ローラーを覆う閉鎖位置との間で回転可能にドアが前記フィルム供給搬送組立体に取付けられており、
前記ドアが前記閉鎖位置にあることを確認するため、係止機構の有無を検知する第3の近接センサーが前記フィルム供給搬送組立体に取付けられることを特徴とする請求項1に記載の組立体。
【請求項7】
その上に包装用または梱包用フィルムのロールを支持する前記スピンドルは、傾斜したフィルム脱着位置と、鉛直方向に直立した作動位置との間で回転可能であり、
新規の未使用のフィルムロールが前記スピンドルに取付けられた後、前記鉛直方向に直立した作動位置へ復帰する前記スピンドルの移動を確認するリミットスイッチが、前記フィルム供給搬送組立体に取付けられていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項8】
前記フィルム供給搬送組立体の不作動期間時においてオペレーターによる前記第1と第2の駆動ローラーへのアクセスを可能にする開放位置と、前記フィルム供給搬送組立体の作動期間時においてオペレーターの損傷を防止するように前記第1と第2の駆動ローラーを覆う閉鎖位置との間で回転可能にドアが前記フィルム供給搬送組立体に取付けられており、
前記ドアが前記閉鎖位置にあることを確認するため、係止機構の有無を検知する第3の近接センサーが前記フィルム供給搬送組立体に取付けられることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項9】
前記フィルム包装または梱包装置は、ターンテーブル式フィルム包装または梱包装置、回転アーム式フィルム包装または梱包装置および回転リング式フィルム包装または梱包装置からなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項10】
操作コンソールと、
前記操作コンソールに取付けられる第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)と、
オペレーターが前記第1と第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)によって前記操作コンソールから前記第1と第2の駆動ローラーを制御できるように前記操作コンソールに取付けられたマン−マシンインターフェース(HMI)とを更に具備することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項11】
前記マン−マシンインターフェース(HMI)は、電話、キーボード、キーパッド、USBポート、ラップトップ型コンピューター、ノート型コンピューター、ノートパッド型コンピューターおよびスクリーンモニターの1つを具備する郡から選択されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項12】
前記マン−マシンインターフェース(HMI)は、オペレーターが、その後の使用のために前記第1と第2のプログラマブル論理制御装置(PLC)の少なくとも一方からのデータのダウンロードを可能にすることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項13】
フィルム包装または梱包装置を用いて包装用または梱包用フィルムを供給し、該包装用または梱包用フィルム内に梱包されるべき荷物を包装する方法において、
梱包対象となる荷物の周りに巻きつける包装用または梱包用フィルムを供給するために、前記装置上にフィルム供給搬送組立体を取付け、
前記フィルム供給搬送組立体上にスピンドルを取付けて包装用または梱包用フィルムのロールを支持し、以て前記フィルム供給搬送組立体によって前記包装用または梱包用フィルムのロールから供給された包装用または梱包用フィルムが、梱包対象の荷物を包装するために使用されるようにし、
前記フィルム供給搬送組立体上に第1と第2の駆動ローラーを取付けて、前記スピンドルに取付けられた包装用または梱包用フィルムのロールから包装または梱包対象となる荷物に向けてフィルムを駆動し、
センサーターゲットを取付けた第1と第2のターゲットローラーを、前記スピンドルから前記包装または梱包対象の荷物に向かう前記フィルムの給送方向において、前記第1と第2の駆動ローラーの上流側および下流側に取付け、前記第1と第2のターゲットーラーの各々におけるフィルムの速度に対応する速度で夫々回転させ、
前記第1と第2のターゲットローラーの近傍に第1と第2の近接センサーを取付け、包装用または梱包用フィルムが前記第1と第2のターゲットローラーを超えて導かれるに伴って前記第1と第2のターゲットローラーの夫々が1回転する毎に、前記第1と第2のターゲットローラー上に夫々配された前記センサーターゲットの有無を検知させると共に、前記第1と第2のターゲットローラーの夫々の前記各センサーターゲットの前記検知び有無を示す信号を出力させ、
前記フィルム供給搬送組立体に取付けられたプログラマブル論理制御装置(PLC)を使用して前記第1と第2の近接センサーからの前記信号を受けると共に、前記包装用または梱包用フィルムが前記第1と第2のターゲットローラーの夫々を通過する際の包装用または梱包用フィルムの各速度間の差の関数として、包装用または梱包用フィルムに付与されるプレストレッチ量を演算することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−528055(P2012−528055A)
【公表日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513087(P2012−513087)
【出願日】平成22年5月5日(2010.5.5)
【国際出願番号】PCT/US2010/033671
【国際公開番号】WO2010/138282
【国際公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【出願人】(591203428)イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド (309)
【Fターム(参考)】