説明

スライダ−チャック

【課題】 引き手つまみを連結体に強度を保持しつつ取り付けると共にデザイン性に優れたスライダ−チャックを提供することである。
【解決手段】 スライダ−4の連結用起立部4aに2重リングの連結体5を介して引き手つまみ6が取り付けられている。
引き手つまみ6はシリコン板など可撓性を有するコムや合成樹脂の板材で細長く形成された素材が二つ折りされ、二つ折りの折り返し部6a位置に円弧部6bが作られ、円弧部6bの中に2重リングの連結体5が通され、引き手つまみ6の二つ折りの折り返し部6aの外側に引き手つまみ6より硬質の材料で形成されたステンレス板の補強体7が重ねられてリベット8で固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライダ−チャックに取り付ける引き手つまみを改良したスライダ−チャックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来スライダ−チャックのスライダ−には引き手が取り付けられているが、引き手の長さは長短あって、かじかんだ手や手袋を装着した手では摘み難かったり、魚のぬめりが付着した手では掴み難いものがある。
特許文献1に主引き手に補助引き手を取り付けた提案や特許文献2に短い引手に長い雌雄混在接合部材を取り付けた提案がある。
しかし、特許文献1では主引き手に補助環を介して、補助環に補助引き手を取り付けているので、補助引き手の材料によって強度が不足して使用中に破損して補助環から外れることがある。
特許文献2においても強度が不足で雌雄混在接合部材が破損して外れてしまうことがある。
【特許文献1】特開2000−93212号公報
【特許文献2】特開2000−342308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする問題点は、引き手や引き手に連結された補助環に取り付ける補助引き手や雌雄混在接合部材が強度が不足で破損して外れてしまうことことである。
【0004】
本発明の目的は前記欠点に鑑み、引き手つまみを連結体に強度を保持しつつ取り付けると共にデザイン性に優れたスライダ−チャックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1は、連結体に折り返して取り付ける引き手つまみの折り返し部に補強体を重ねて取り付けたことを要旨とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、引き手つまみの二つ折りの折り返し部の強度が補強され、引き手つまみの破損が防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
スライダ−4の連結用起立部4aに2重リングの連結体5を介して引き手つまみ6が取り付けられている。
引き手つまみ6はシリコン板で細長く形成された素材が二つ折りされ、二つ折りの折り返し部6a位置に円弧部6bが作られ、円弧部6bの中に2重リングの連結体5が通され、引き手つまみ6の二つ折りの折り返し部6aの外側にステンレス板の補強体7が重ねられてリベット8で固定される。
【実施例1】
【0008】
以下、図示の実施例によって本発明を説明すると、図1から図3は第1実施例で、図1はスライダ−チャックの斜視図、図2はスライダ−チャックのスライダ−に取り付ける引き手つまみの製作工程を示す斜視図、図3(a)は引き手つまみの正面図で(b)は引き手つまみの断面側面図である。
【0009】
スライダ−チャック1は一対の帯状体2、3に夫々雄雌の歯爪2a、3aが固定されてスライダ−4で噛合離脱されて開閉される。
スライダ−4には連結用起立部4aが形成されて一般に市販のスライダ−チャックにはこの連結用起立部4aに引き手が取り付けられている。
図1ではスライダ−4の連結用起立部4aに2重リングの連結体5を介して引き手つまみ6が取り付けられている。
引き手つまみ6はシリコン板など可撓性を有するゴムや合成樹脂の板材で細長く形成された素材が二つ折りされ、二つ折りの折り返し部6a位置に円弧部6bが作られ、円弧部6bの中に2重リングの連結体5が通され、引き手つまみ6の二つ折りの折り返し部6aの外側に引き手つまみ6より硬質の材料で形成されたステンレス板の補強体7が重ねられてリベット8で固定される。
引き手つまみ6の長さはスライダ−チャック1が取り付けられる物によるが、例えば手袋を装着した手の指で確実に摘める長さに設定するとよい。
2重リングの連結体5は一重リングの連結体であってもよい。
リング形状は丸以外に三角形状であってもよい。
【0010】
スライダ−チャック1の引き手つまみ6が2重リングの連結体5に取り付けられる時、二つ折りの折り返し部6aにステンレス板の補強体7が重ねられてリベット8で固定されると、二つ折りの折り返し部6aに力が掛かっても破損することがない。
なお、補強体7は引き手つまみ6の内側に設けてもよい。
【0011】
前記のようにスライダ−チャックが構成されると、引き手つまみ6の二つ折りの折り返し部6aの強度が補強されると共に、細いステンレス板の補強体7で補強されるのでデザイン性を向上することが出来る。
【実施例2】
【0012】
図4は第2実施例で、図4(a)は引き手つまみ素材の斜視図で(b)は引き手つまみの断面側面図で(c)は引き手つまみの正面図である。
【0013】
第2実施例の引き手つまみ6はシリコン板で細長く形成された素材が二つ折りされ、内側にステンレスワイヤ−の補強体7′が重ねられ、二つ折りの折り返し部6a位置に円弧部6bが作られて円弧部6bの中に2重リングの連結体5が通され、他の部分は重ねられて固定される。
引き手つまみ6の内側に補強体7′を設けたので連結体5は補強体7′と接触するため引き手つまみ6の破損が効率よく防止できる。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【実施例3】
【0014】
図5は第3実施例で、図5はスライダ−チャックのスライダ−に引き手が取り付けられ、引き手に連結体を介して引き手つまみが取り付けられた斜視図である。
【0015】
第3実施例では市販のスライダ−チャックのスライダ−に引き手9が取り付けられた状態で、この引き手9に2重リングの連結体5を介して引き手つまみ6が取り付けられている。
2重リングの連結体5を介して引き手つまみ6が引き手9に取り付けられるようにすると必要に応じて着脱が自在になる。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【実施例4】
【0016】
図6は第4実施例で、図6はスライダ−チャックのスライダ−に引き手が取り付けられ、引き手に引き手つまみが取り付けられた斜視図である。
【0017】
第4実施例では市販のスライダ−チャックのスライダ−に引き手9が取り付けられた状態で、この引き手9を連結体として引き手つまみ6が取り付けられている。
他の構成は前記第1実施例と略同一である。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明はスライダ−チャックの全般に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施例で、スライダ−チャックの斜視図である。
【図2】同スライダ−チャックのスライダ−に取り付ける引き手つまみの製作工程を示す斜視図である。
【図3】同(a)は引き手つまみの正面図で(b)は引き手つまみの断面側面図である。
【図4】第2実施例で、(a)は引き手つまみ素材の斜視図で(b)は引き手つまみの断面側面図で(c)は引き手つまみの正面図である。
【図5】第3実施例で、スライダ−チャックのスライダ−に引き手が取り付けられ、引き手に連結体を介して引き手つまみが取り付けられた斜視図である。
【図6】第4実施例で、スライダ−チャックのスライダ−に引き手が取り付けられ、引き手に引き手つまみが取り付けられた斜視図である。
【符号の説明】
【0020】
1 スライダ−チャック
5、(9) 連結体
6 引き手つまみ
6a 二つ折りの折り返し部
7、7′ 補強体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結体に折り返して取り付ける引き手つまみの折り返し部に補強体を重ねて取り付けたことを特徴とするスライダ−チャック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−110110(P2008−110110A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−295548(P2006−295548)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000002495)ダイワ精工株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】