説明

スライドスイッチ装置

【課題】スライダのガタツキを抑制して操作感触に優れたスライドスイッチ装置を提供すること。
【解決手段】操作ノブ2を介して前記スライダ12をスライド操作したときに節度発生部によって節度感が生起されるスライドスイッチ装置において、この節度発生部が、スライダ12の平板部12aの裏面に形成されたカム部12h,12iと、ガイド基台11に保持されたコイルばね15と、このコイルばね15に弾性付勢されてカム部12h,12iに圧接する駆動体14とからなると共に、スライダ12の平板部12aにガイド基台11のガイド平面11aに弾接する弾性腕12c,12dを設け、これら弾性腕12c,12dとカム部12h,12iとをスライダ12の軸部12bから離間した位置に互いに同じ数だけ配置した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両シートに内蔵されたランバーサポートを電動操作するパワーシートスイッチ等に用いて好適なスライドスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車のパワーシートスイッチ等に用いられるスライドスイッチ装置は、ユーザが操作ノブを任意方向へ操作すると、操作ノブに連動して移動するスライダがスイッチ素子の接点を切換動作すると共に、節度発生機構により生起された節度感がユーザにフィードバックされるようになっている。このような節度発生機構を備えたスライドスイッチ装置として、従来より、スライダが載置されたガイド基台に節度調整具を嵌合固定し、このスライダに操作ノブが一体化される軸部を設けると共に、軸部の真下にコイルばねとボールを収納保持し、このボールをコイルばねの弾発力によって節度調整具のカム溝に圧接させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来例では、スライダにスイッチ素子の駆動部と係合する複数の脚部が設けてあり、これら脚部で節度調整具を厚み方向に挟持しているため、操作ノブを操作してスライダがガイド基台上をスライド移動すると、ボールが節度調整具のカム溝内を摺動して節度感が生起されると共に、節度調整具の厚み方向に関するスライダのぐらつきが少なくなるようなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−251028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された従来のスライドスイッチ装置は、スライダに設けた複数の脚部で節度調整具を厚み方向に挟持することにより、節度調整具の厚み方向に関するスライダのぐらつきを小さくしているが、脚部の挟持力を余りにも高く設定すると、脚部と節度調整具間の摺動抵抗が大きくなり過ぎてスライダを円滑にスライド操作することができなくなる。そこで、脚部を比較的小さな挟持力で節度調整具に当接させる必要があるが、その場合、初期位置でボールがカム溝の谷部に圧接されているときは、スライダをガタツキの少ない状態に保持することができるものの、初期位置にあるスライダをスライド操作してボールがカム溝の谷部から離れたとき、スライダがスライド方向にガタツキやすくなるという問題があった。特に、スライダが互いに直交する2方向を含む他方向へスライド操作可能である場合、スライダのスライド操作時にガタツキが発生しやすくなり、操作感触が著しく劣化することになる。
【0005】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、スライダのガタツキを抑制して操作感触に優れたスライドスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、スイッチ素子と、このスイッチ素子の接点を切換動作するスライダと、このスライダを移動可能に支持するガイド基台と、このガイド基台との間で前記スライダを挟持するケーシングと、このケーシングから突出する前記スライダの軸部に一体化された操作ノブと、前記ガイド基台と前記スライダとの間に介設された弾性体を有する節度発生部とを備え、前記操作ノブを介して前記スライダをスライド操作したときに前記節度発生部によって節度感が生起されるスライドスイッチ装置において、前記スライダに前記ガイド基台に圧接されて変形する弾性付勢部を設け、この弾性付勢部と前記節度発生部を前記軸部から離間した位置に互いに同じ数だけ配置するという構成にした。
【0007】
このように構成されたスライドスイッチ装置では、スライダを任意方向へスライド操作したとき、スライダが弾性付勢部と節度発生部からの弾発力をバランス良く受けてガイド基台上をスライド移動するため、スライダのガタツキを抑制して操作感触を向上することができる。
【0008】
上記の構成において、弾性付勢部がスライダに片持ち梁状に一体形成された弾性腕であると共に、節度発生部が、スライダの底面に形成されたカム部と、弾性体としてガイド基台に保持されたコイルばねと、このコイルばねに弾性付勢されてカム部に圧接する駆動体とからなると、スライダに弾性付勢部である弾性腕と節度発生部の構成要素であるカム部とを精度良く一体形成することができて好ましい。
【0009】
この場合において、スライダの移動方向に沿って延びる平面内に軸部を交点とする2つの直線を設定したとき、2つの弾性腕を一方の直線上に交点から等距離に形成すると共に、2つのカム部を他方の直線上に交点から等距離に形成すると、スライダの限られた領域に弾性腕とカム部をバランス良く配置することができて好ましい。
【0010】
また、この場合において、スライダが互いに直交する2方向へ移動可能であり、2つのカム部がいずれも略円錐状の凹面をなすように形成されていると、スライダを初期位置から異なる2方向へスムーズにスライド操作することができ、操作感触に優れた他方向スライドスイッチ装置を実現できる。
【0011】
また、上記の構成において、2つの弾性腕と2つのカム部がいずれもスライダの隅部に形成されていると、スライダのガタツキを効率良く抑えることができて好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のスライドスイッチ装置は、スライダに設けられてガイド基台に圧接する弾性付勢部と、スライダのスライド操作時に節度感を生起する節度発生部とが、スライダの軸部から離間した位置に互いに同じ数だけ配置してあるため、スライダを任意方向へスライド操作したとき、スライダが弾性付勢部と節度発生部からの弾発力をバランス良く受けてガイド基台上をスライド移動し、スライダのガタツキを抑制して操作感触を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態例に係るスライドスイッチ装置を搭載したシートスイッチユニットの平面図である。
【図2】該シートスイッチユニットの分解斜視図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う断面図である。
【図4】図1のスライドスイッチ装置に備えられるスライダの平面図である。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】該スライダを上面側から見た斜視図である。
【図8】該スライダを下面側から見た斜視図である。
【図9】該スライダがガイド基台上で初期位置にある状態を示す平面図である。
【図10】図9のX−X線に沿う断面図である。
【図11】該スライダがガイド基台上でスライド操作された状態を示す平面図である。
【図12】図11のXII−XII線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1に示すシートスイッチユニット1は、車両シートに内蔵されているランバーサポート等を操作するものであり、車両シートの座部の側方に設置されるようになっている。このシートスイッチユニット1の上面には、座席の前後位置や高さ位置等を調整する操作ノブ2と、リクライニング調整用の操作ノブ3と、背もたれの腰部分の突出量を調整する操作ノブ4とが列状に配置されている。操作ノブ2によって駆動される機構が本発明の実施形態例に係るスライドスイッチ装置であり、以下、このスライドスイッチ装置の詳細について説明し、他の操作ノブ3と操作ノブ4によって駆動されるスイッチ装置については説明を省略する。
【0015】
図2に示すように、本実施形態例に係るスライドスイッチ装置は、透孔5aを有するケーシング5と、ケーシング5の上面に配置された前記操作ノブ2と、ケーシング5の下面開口を蓋閉するベース体6と、複数のスイッチ素子7〜9等が実装された回路基板10と、ケーシング5とベース体6間に挟持されたガイド基台11と、ケーシング5とガイド基台11間に挟持されたスライダ12と、スライダ12の下面に係合されたカムプレート13と、一対の駆動体14および一対のコイルばね15等によって主に構成されている。
【0016】
ケーシング5とベース体6はネジ止め等の固定手段を用いて一体化されて装置の外殻をなし、これらケーシング5とベース体6の内部空間に操作ノブ2を除くスイッチ装置の構成部材が収納されている。
【0017】
回路基板10はベース体6の上面に固定されており、この回路基板10には操作ノブ2によって動作される3つのスイッチ素子7〜9だけでなく、操作ノブ3と操作ノブ4によって動作される他のスイッチ素子も実装されている。スイッチ素子7,8,9は上方へ突出するステム7a,8a,9aを有する公知のスライドスイッチであり、ステム7a,8a,9aをその軸線と直交する方向へ移動すると、内蔵された導体板(可動接点)がシーソ動作して固定接点に接離するようになっている(図3参照)。
【0018】
ガイド基台11は滑性に優れた合成樹脂の成形品からなり、図2に示すように、このガイド基台11には略矩形状のガイド平面11aの周囲に規制壁11bが形成されている。ガイド平面11aにはトラック形状の3つのガイド孔11c,11d,11eが穿設されており、そのうち1つのガイド孔11dの長軸方向は残り2つのガイド孔11c,11eの長軸方向に対して直交している。また、ガイド平面11aには2つの保持孔11f,11gが設けられており、図10と図12に示すように、これら保持孔11f,11gは段付き形状に形成されている。各保持孔11f,11gにはコイルばね15を介して棒状の駆動体14が収納されており、これら駆動体14はそれぞれ対応するコイルばね15の弾発力を受けてスライダ12の下面に付勢されている。
【0019】
スライダ12も滑性に優れた合成樹脂の成形品からなり、図4〜図8に示すように、このスライダ12は、水平方向に延びる平板部12aと、平板部12aから上方へ突出する軸部12bとを有している。軸部12bは透孔5aを挿通してケーシング5の上方へ突出しており、この軸部12bの先端に操作ノブ2を圧入することにより、スライダ12と操作ノブ2は一体化されている(図3参照)。スライダ12の平板部12aには2つの弾性腕12c,12dと3つの貫通孔12e,12f,12gが形成されており、平板部12aの裏面には2つのカム部12h,12iと一対のガイドレール12jが形成されている。
【0020】
図5に示すように、各弾性腕12c,12dは平板部12aに片持ち梁状に一体形成された弾性付勢部であり、これら弾性腕12c,12dの先端(自由端)をガイド基台11のガイド平面11aに圧接させることにより、スライダ12の平板部12aは各弾性腕12c,12dからの弾発力を受けてケーシング5の下面に付勢されるようになっている。また、各カム部12h,12iは下方を開放した略円錐状の凹面(窪み形状の面)であり、これらカム部12h,12iの中心に形成された谷部と円錐状斜面との境界部分は前述の節度感を生起させる形状を有している。各カム部12h,12iにはそれぞれコイルばね15に付勢された駆動体14が圧接されており、スライダ12の平板部12aは各弾性腕12c,12dだけでなく各コイルばね15からの弾発力も受けてケーシング5の下面に付勢されるようになっている。なお、各カム部12h,12iと対応する駆動体14およびコイルばね15により2組の節度発生部が構成されており、詳細については後述するが、スライダ12を任意方向へスライド操作したときに、各節度発生部から節度感(クリック感)が生起されるようになっている。
【0021】
ここで、図4に示すように、スライダ12の軸部12bの中心Oを通って交差する2つの直線B,Cを設定したとき、各弾性腕12c,12dは直線B上に配置されており、各カム部12h,12iは直線C上に配置されている。直線Bと直線Cはほぼ直交しており、各弾性腕12c,12dの先端と各カム部12h,12iの中心(谷部)は軸部12bを中心とする同一円上に略90度おきに交互に配置されている。
【0022】
カムプレート13は金属平板を所定形状にプレス抜きしたものからなり、中央部の一対のガイド溝13aと周囲の3つの逃げ部13bとを有している。このカムプレート13はガイド基台11のガイド平面11a上に載置され、スライダ12の平板部12aの裏面には形成された各ガイドレール12jがカムプレート13の対応するガイド溝13aに係合している。これにより、スライダ12がガイド溝13aの延設方向へスライド操作されたときだけ、スライダ12はガイド平面11aとカムプレート13に対してスライド移動するが、それ以外の方向へライド操作されたときは、スライダ12とカムプレート13が一体的にガイド平面11a上をスライド移動する。ただし、スライダ12とカムプレート13の相対位置が変化しても、カムプレート13は各弾性腕12c,12dの先端および各カム部12h,12iの中心と重ならないようになっている。
【0023】
前述した各スイッチ素子7,8,9のステム7a,8a,9aは、それぞれガイド基台11のガイド孔11c,11d,11eとカムプレート13の逃げ部13bを挿通した後、スライダ12の対応する貫通孔12e,12f,12g内に挿入されて係合している。これにより、スライダ12が図9のX1−X2方向へスライド操作されると、それに伴って貫通孔12eに係合するステム7aのみが同方向へスライド移動し、スイッチ素子7の接点が切換動作される。また、スライダ12が図9のY1−Y2方向へスライド操作されると、それに伴って貫通孔12fに係合するステム8aのみが同方向へスライド移動し、この場合はスイッチ素子8の接点が切換動作される。さらに、スライダ12が軸部12bを中心に正逆両方向へ所定角度だけ回転操作されると、それに伴って貫通孔12gに係合するステム9aのみが同方向へスライド移動し、この場合はスイッチ素子9の接点が切換動作される。
【0024】
このように構成されたスライドスイッチ装置において、図9に示すように、スライダ12がガイド基台11のガイド平面11a上の初期位置にあるとき、各弾性腕12c,12dの先端部はガイド平面11aに弾接されており、また、各駆動体14はそれぞれコイルばね15からの弾発力を受けてカム部12h,12iの谷部に圧接されている(図10参照)。したがって、スライダ12の平板部12aは、弾性付勢部である各弾性腕12c,12dからの弾発力と、節度発生部の弾性体である各コイルばね15からの弾発力とにより、ケーシング5の下面にバランス良く弾性付勢されて安定して状態に保持されている。
【0025】
この状態でユーザが操作ノブ2を介してスライダ12を任意方向、例えば図9のY1方向へスライド操作すると、スライダ12とカムプレート13が一体的にガイド平面11a上を同方向へスライド移動し、図11に示すように、平板部12aの外縁がガイド基台11の規制壁11bに当接した位置でスライダ12の同方向への移動は規制される。この間、スライダ12は各弾性腕12c,12dと各コイルばね15からの弾発力を受けてガイド平面11a上をスライド移動するため、スライダ12のガタツキは抑制されて良好な操作感触を得られる。また、このようにしてスライダ12が初期位置から任意方向へスライド移動すると、図12に示すように、各駆動体14が対応するカム部12h,12iの谷部を乗り越えて円錐状斜面へ移行し、そのときに生起される節度感が操作ノブ2を手動操作するユーザにフィードバックされる。そして、スライダ12のY1方向へのスライド移動に伴って、貫通孔12fに係合するステム8aが駆動されてスイッチ素子8の接点を切換動作するため、スイッチ素子8の接点切換信号に基づいて例えば座席の高さ位置が調整される。
【0026】
スライダ12を図9のY1以外の方向へスライド操作すると、そのスライド操作方向に応じて駆動されるスイッチ素子7,8,9の種類や切換信号が上記と異なり、例えばスライダ12を図9のY2方向へスライド操作すると、ステム8aが上記と逆向きに駆動されため、この場合はスイッチ素子8から別の接点切換信号が出力される。また、スライダ12を図9のX1−X2方向へスライド操作すると、スライダ12がガイド平面11aとカムプレート13に対してスライド移動し、この場合は貫通孔12eに係合するステム7aが駆動されてスイッチ素子7の接点を切換動作するため、スイッチ素子7の接点切換信号に基づいて例えば座席の前後位置が調整される。さらに、スライダ12を軸部12bを中心に正逆両方向へ所定角度だけ回転操作されると、スライダ12とカムプレート13が一体的にガイド平面11a上をスライドしながら同方向へ回動し、この場合は貫通孔12gに係合するステム9aが駆動されてスイッチ素子9の接点を切換動作するため、スイッチ素子9の接点切換信号に基づいて例えば座席の向きが調整される。これらの場合でも、スライダ12は各弾性腕12c,12dと各コイルばね15からの弾発力を受けてガイド平面11a上をスライド移動するため、スライダ12のガタツキは抑制されて良好な操作感触を得られる。
【0027】
以上説明したように、本実施形態例に係るスライドスイッチ装置では、スライダ12に設けられてガイド基台11のガイド平面11aに弾接する弾性付勢部(弾性腕12c,12d)と、スライダ12のスライド操作時に節度感を生起する節度発生部(カム部12h,12iと駆動体14およびコイルばね15)とが、スライダ12の軸部12bから離間した位置に互いに同じ数だけ配置してあるため、スライダ12を任意方向へスライド操作したとき、スライダ12が弾性付勢部と節度発生部からの弾発力をバランス良く受けてガイド平面11a上をスライド移動し、スライダ12のガタツキを抑制して操作感触を向上することができる。
【0028】
ここで、弾性付勢部がスライダ12の平板部12aに片持ち梁状に一体形成された弾性腕12c,12dからなると共に、節度発生部が、スライダ12の平板部12aの裏面に形成されたカム部12h,12iと、ガイド基台11の保持孔11f,11gに保持されたコイルばね(弾性体)15と、このコイルばね15に弾性付勢されてカム部12h,12iに圧接する駆動体14とで構成されているので、合成樹脂製のスライダ12に弾性付勢部(弾性腕12c,12d)と節度発生部の構成要素の一部(カム部12h,12i)とを精度良く一体形成することができる。
【0029】
そして、スライダ12の移動方向に沿って延びる平面内に軸部12bを交点Oとする2つの直線を設定したとき、2つの弾性腕12c,12dを一方の直線上に交点Oから等距離に形成すると共に、2つのカム部12h,12iを他方の直線上に交点Oから等距離に形成してあるので、スライダ12の限られた領域に2つの弾性腕12c,12dと2つのカム部12h,12iをバランス良く配置することができる。しかも、スライダ12が互いに直交する2方向(X−Y方向)へ移動可能であり、2つのカム部12h,12iがいずれも円錐状に形成されているので、スライダ12を初期位置から異なる2方向へスムーズにスライド操作することができ、操作感触に優れた多方向スライドスイッチ装置を実現できる。
【0030】
なお、上記実施形態例では、スライダ12が互いに直交する2方向(X−Y方向)と軸部12b回りの回転方向とに移動可能であるスライドスイッチ装置について説明したが、スライダ12が互いに直交する2方向(X−Y方向)だけ、あるいはX−Y方向のいずれか一方だけ移動可能なスライドスイッチ装置であっても良く、その場合はカムプレート13を省略できる。
【0031】
また、上記実施形態例では、節度発生部のカム部12h,12iを略円錐状の凹面(窪み形状の面)としているが、カム部の形状はスライダ12の操作方向に応じて適宜変更可能であり、例えば、スライダ12が互いに直交する2方向だけ移動可能である場合は、カム部を平面視十字状の窪みにすることができる。また、カム部12h,12iに棒状の駆動体14を圧接させるようにしているが、駆動体としてボールをカム部12h,12iに圧接させるようにしても良い。
【符号の説明】
【0032】
2 操作ノブ
5a 透孔
5 ケーシング
7a,8a,9a ステム
10 回路基板
11 ガイド基台
11a ガイド平面
11b 規制壁
11c,11d,11e ガイド孔
11f,11g 保持孔
12 スライダ
12a 平板部
12b 軸部
12c,12d 弾性腕(弾性付勢部)
12e,12f,12g 貫通孔
12h,12i カム部
14 駆動体
15 コイルばね(弾性体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイッチ素子と、このスイッチ素子の接点を切換動作するスライダと、このスライダを移動可能に支持するガイド基台と、このガイド基台との間で前記スライダを挟持するケーシングと、このケーシングから突出する前記スライダの軸部に一体化された操作ノブと、前記ガイド基台と前記スライダとの間に介設された弾性体を有する節度発生部とを備え、前記操作ノブを介して前記スライダをスライド操作したときに前記節度発生部によって節度感が生起されるスライドスイッチ装置であって、
前記スライダに前記ガイド基台に圧接されて変形する弾性付勢部を設け、この弾性付勢部と前記節度発生部を前記軸部から離間した位置に互いに同じ数だけ配置したことを特徴とするスライドスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記弾性付勢部が前記スライダに片持ち梁状に一体形成された弾性腕であると共に、前記節度発生部が、前記スライダの底面に形成されたカム部と、前記弾性体として前記ガイド基台に保持されたコイルばねと、このコイルばねに弾性付勢されて前記カム部に圧接する駆動体とからなることを特徴とするスライドスイッチ装置。
【請求項3】
請求項2の記載において、前記スライダの移動方向に沿って延びる平面内に前記軸部を交点とする2つの直線を設定したとき、2つの前記弾性腕を一方の直線上に交点から等距離に形成すると共に、2つの前記カム部を他方の直線上に交点から等距離に形成したことを特徴とするスライドスイッチ装置。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記スライダが互いに直交する2方向へ移動可能であり、2つの前記カム部がいずれも略円錐状の凹面をなすように形成されていることを特徴とするスライドスイッチ装置。
【請求項5】
請求項3または4の記載において、2つの前記弾性腕と2つの前記カム部がいずれも前記スライダの隅部に形成されていることを特徴とするスライドスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−65447(P2013−65447A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203157(P2011−203157)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】