説明

スライドドア仮固定治具

【課題】車体に対するスライドドアの建て付け状態を確認できるスライドドア仮固定治具を提供すること。
【解決手段】スライドドアSDによって塞がれるスライドドア用開口部を有する車体BDに、スライドドアSDを仮固定するためのスライドドア仮固定治具1であって、車体BDに取り付け自在な車体取り付け体3と、スライドドアSDを取り付け自在なスライドドア取り付け体2と、車体取り付け体3に取り付けられる第1屈曲アーム11、スライドドア取り付け体2に取り付けられる第2屈曲アーム12、及び第1屈曲アーム11と第2屈曲アーム12とを連結する一対のリンク13,14を有するダブルリンク機構4と、ダブルリンク機構4が車体の前後方向に最も伸びた状態でのみ、スライドドア取り付け体2を第2屈曲アーム12に対して回転可能に連結する回転機構5と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スライドドア仮固定治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体に取り付けられるドアのうちの後部ドアをスライドドアにより構成した車両が知られている。このような車両では、スライドドア及び車体は、それぞれ、プレス成形等によって別個に形成されている。
一方、車体及びドアに塗装を施す塗装工程では、車両の色調を統一するために、これら車体及びドアには、同時に塗装が施される。
そこで、塗装工程において、車体とスライドドアとに同時に塗装を施すために、車体にスライドドアを仮固定するスライドドア仮固定治具が提案されている(特許文献1及び2参照)。
このスライドドア仮固定治具によれば、車体にスライドドアを仮固定した状態で、スライドドアが開閉可能となっている。
【特許文献1】特開2007−120189号公報
【特許文献2】特許3957289号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1で提案されたスライドドア仮固定治具では、スライドドアの閉状態においても、車体とスライドドアとの間に隙間が形成されている。そのため、スライドドア固定治具により車体にスライドドアを仮固定した状態では、車体に対するスライドドアの建て付け状態を確認できないという問題があった。
また、特許文献1及び2で提案されたスライドドア仮固定治具では、治具全体の重量が重くて治具の着脱が困難であった。
【0004】
従って、本発明は、車体に対するスライドドアの建て付け状態を確認できるスライドドア仮固定治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のスライドドア仮固定治具は、スライドドアによって塞がれるスライドドア用開口部を有する車体に、スライドドアを仮固定するためのスライドドア仮固定治具であって、前記車体に取り付け自在な車体取り付け体と、前記スライドドアを取り付け自在なスライドドア取り付け体と、前記車体取り付け体に取り付けられる第1屈曲アーム、前記スライドドア取り付け体に取り付けられる第2屈曲アーム、及び前記第1屈曲アームと前記第2屈曲アームとを連結する一対のリンクを有するダブルリンク機構と、前記ダブルリンク機構が前記車体の前後方向に最も伸びた状態でのみ、前記スライドドア取り付け体を前記第2屈曲アームに対して回転可能に連結する回転機構と、を備えることを特徴とする。
【0006】
また、前記回転機構は、前記第2屈曲アームに取り付けられ、ピン部材を有する第1リンクと、前記スライドドア取り付け体に取り付けられ、前記ピン部材が係合されることで前記スライドドア取り付け体の動作軌跡を規制するスリットを有する第2リンクと、を備えることが好ましい。
【0007】
また、前記第1リンクには、前記スライドドアの回転動作のためのリンクロッドが連結されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明のスライドドア仮固定治具によれば、車体に対するスライドドアの建て付け状態を確認できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のスライドドア仮固定治具の好ましい一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るスライドドア仮固定治具1の概略構成を示す斜視図である。図2〜図5は、それぞれ、スライドドア仮固定治具1の平面図であり、図2は、スライドドアSDが閉位置に位置する状態を示し、図3は、スライドドアSDが閉位置から開位置に移動する途中の状態を示す。また、図4は、スライドドアSDが開位置に位置する状態を示し、図5は、スライドドアSDが開位置に位置する場合に、スライドドアSDを回転させた状態を示す図である。図6は、図4の部分拡大図である。図7は、スライドドア仮固定治具1の正面図である。
【0010】
スライドドア仮固定治具1は、スライドドアSDによって塞がれるスライドドア用開口部BD1を有する車体に、スライドドアSDを仮固定するために用いられる。
【0011】
スライドドア仮固定治具1は、図1に示すように、スライドドアSDを取り付け自在なスライドドア取り付け体2と、車体BDに取り付け自在な車体取り付け体3と、スライドドアを閉位置と開位置との間で移動させる一対のダブルリンク機構4と、スライドドア取り付け体2を回転可能とする一対の回転機構5と、スライドドアSDが閉位置に位置した状態及び開位置に位置した状態をそれぞれ保持するスライドドア位置保持機構6(図6参照)と、を備える。
ここで、スライドドアSDの閉位置とは、スライドドアSDがスライドドア用開口部BD1を塞ぐ位置、即ち、スライドドアSDが完成車の場合と同じ状態で正規に閉じる位置を示す(図2参照)。スライドドアSDの開位置とは、スライドドアSDがスライドドア用開口部BD1を塞がない位置を示す(図4及び図5参照)。
【0012】
スライドドア取り付け体2は、図1に示すように、板状であり、スライドドアSDの内面に取り付けられている。
車体取り付け体3は、略三角形の板状であり、車体BDにおけるスライドドア用開口部BD1の前側に配置された支柱BD2の内面に取り付けられている。
【0013】
一対のダブルリンク機構4及び一対の回転機構5は、図1に示すように、それぞれ、上下方向に対となるように配置されている。
【0014】
ダブルリンク機構4は、図2〜図4に示すように、スライドドア取り付け体2を移動させることにより、スライドドアSDを閉位置と開位置の間で移動可能に連結する。
【0015】
このダブルリンク機構4は、第1屈曲アーム11と、第2屈曲アーム12と、一対のリンク13,14と、を備えて構成される。
第1屈曲アーム11は、一箇所の屈曲部11cを有する略くの字形状を有している。この第1屈曲アーム11は、基端11a側が車体取り付け体3に固定されている。
第2屈曲アーム12は、2箇所の同方向に屈曲する屈曲部12c,12dを有しており、先端12b側がスライドドア取り付け体2に対して回動自在に連結されている。
【0016】
一対のリンク13,14は、それぞれ、第1屈曲アーム11と第2屈曲アーム12とを連結している。
より具体的には、一対のリンク13,14のうちの一方のリンク13は、基端13a側が第1屈曲アーム11の屈曲部11cよりも基端11a側に連結されており、先端13b側が第2屈曲アーム12の基端12a側に連結されている。このリンク13は、第1屈曲アーム11及び第2屈曲アーム12のそれぞれに対して回動自在に連結されている。
一対のリンク13,14のうちの他方のリンク14は、基端14a側が第1屈曲アーム11の先端11b側に連結されており、先端14b側が第2屈曲アーム12の屈曲部12c近傍に連結されている。このリンク14は、第1屈曲アーム11及び第2屈曲アーム12のそれぞれに対して回動自在に連結されている。
【0017】
このダブルリンク機構4によれば、一対のリンク13,14を第1屈曲アーム11に対して回動させて、これら一対のリンク13,14を車体の幅方向に沿って延びた状態(図2参照)から車体の前後方向に沿って延びた状態(図4参照)に変化させるとことにより、スライドドア取り付け体2の位置を移動させられる。
【0018】
回転機構5は、スライドドア取り付け体2が第2屈曲アーム12に対して回転可能となるように連結する。
この回転機構5は、図4及び図5に示すように、第2屈曲アーム12と、リンク14と、第1リンク15と、この第1リンク15に設けられたピン部材16と、第2リンク17と、リンクロッド18と、を備えて構成される。
【0019】
第1リンク15は、図4〜図6に示すように、平面視において略三角形の板状部材である。この第1リンク15の3つの頂点のうちの1つの頂点の近傍は、第2屈曲アーム12の屈曲部12dの近傍に回動自在に連結されている。
ピン部材16は、略円柱形状を有しており、第1リンク15における第2屈曲アーム12に連結された頂点に隣接する頂点のうちの一方の頂点近傍に設けられている。
【0020】
第2リンク17は、板状であり、スライドドア取り付け体2に対して略垂直に取り付けられて固定されている。
この第2リンク17には、ピン部材16が係合されるスリット171が形成されている。このスリット171は、第2リンク17の一部が所定の幅で所定の長さの円弧状に切り取られて形成されている。
【0021】
より具体的には、スリット171は、図6に示すように、スライドドアSDの開状態において、このスライドドアSDを回転させた場合におけるピン部材16の移動の軌跡に対応した第1の部分171aと、スライドドアSDを閉位置から開位置に移動させる場合におけるピン部材16の移動の軌跡に対応して形成された第2の部分171bと、を備える。
【0022】
第1の部分171aは、第2屈曲アーム12とスライドドア取り付け体2との連結部P1を中心とした円弧状に形成されている。また、第1の部分171aにおけるスリット171の半径Lは、第2屈曲アーム12とスライドドア取り付け体2との連結部P1から第2屈曲アーム12と第2リンク17との連結部P2までの長さL1と、第2屈曲アーム12と第2リンク17との連結部P2からピン部材16までの長さL2と、の和に略等しく構成されている。
第2の部分171bにおける第2屈曲アーム12とスライドドア取り付け体2との連結部P1からスリット171までの長さL3は、第1の部分171aにおけるスリット171の半径Lよりも短く構成されている。
【0023】
リンクロッド18は、図4及び図5に示すように、リンク14と第1リンク15とを連結している。より具体的には、リンクロッド18の基端18a側は、リンク14の先端14b側に回動自在に連結されている。また、リンクロッド18の先端18b側は、第1リンク15における第2屈曲アーム12に連結された頂点に隣接する頂点のうちのピン部材16が設けられていない頂点近傍に回動自在に連結されている。
このリンクロッド18は、軸部181と、この軸部181の両端部にそれぞれ連結された一対の軸受け182と、を備える。リンクロッド18は、軸部181と一対の軸受け182との連結部分の長さを調整することにより、長さが調整自在となっている。
【0024】
この回転機構5によれば、図4及び図5に示すように、ダブルリンク機構4が車体の前後方向に最も伸びた状態(一対のリンク13,14が車体の幅方向に延びた状態)で、スライドドア取り付け体2と第2屈曲アーム12との連結部P1を中心として、スライドドアSDを回転させられる。
【0025】
スライドドア位置保持機構6は、スライドドアSDが閉位置に位置した状態、及びスライドドアSDが開位置に位置した状態のそれぞれを保持する。
スライドドア位置保持機構6は、図6及び図7に示すように、2つのピン部材保持体61,62を備える。ピン部材保持体61,62は、第2リンク17のスリット171の一端側及び他端側にそれぞれ配置されている。ピン部材保持体61,62は、それぞれ、弾性を備えた薄い金属板等で構成されており半円弧形状を有している。
【0026】
ピン部材16は、ピン部材保持体61に挟まれることで第2リンク17に保持される(図2、図6及び図7参照)。これにより、閉位置にあるスライドドアSDの位置が保持され、容易には動かないようになっている。
また、ピン部材16は、ピン部材保持体62に挟まれることで第2リンク17に保持される(図5及び図6参照)。これにより、開位置にあるスライドドアSDの位置が保持され、容易には動かないようになっている。
【0027】
スライドドア仮固定治具1を構成する各部材の少なくとも一部(例えば、車体取り付け体3、スライドドア取り付け体2、第1屈曲アーム11、第2屈曲アーム12、一対のリンク13,14、第1リンク15、第2リンク17)は、アルミニウムやアルミニウム合金等の軽金属で構成されている。これにより、スライドドア仮固定治具1の軽量化が図られている。
従って、スライドドア仮固定治具1の搬送作業やスライドドア仮固定治具1の車体BDへの取り付け作業が容易になり、作業の効率化を図れる。
【0028】
次に、スライドドア仮固定治具1の動作について説明する。
まず、図2に示すように、ダブルリンク機構4の一対のリンク13,14が車体の幅方向に延びた状態で、車体取り付け体3を車体BDの支柱BD2の内面に取り付けると共に、スライドドア取り付け体2をスライドドアSDの内面に取り付ける。これにより、車体BDにスライドドアSDが仮固定される。
この状態では、スライドドアSDは、完成車においてスライドドアSDを閉めた位置と同じ位置(閉位置)に位置している。
この状態で、スライドドアSDの建て付け状態を確認する。
【0029】
次に、図2〜図4に示すように、スライドドアSDを閉位置(図2参照)から開位置(図4参照)に向けて移動させる。すると、ダブルリンク機構4の一対のリンク13,14は、それぞれ、第1屈曲アーム11との連結部を中心として所定方向(図2〜図4では反時計回り)に回動する。また、一対のリンク13,14に連結されている第2屈曲アーム12は、一対のリンク13,14の回転に伴って車体の後方に向けて移動する。これにより、第2屈曲アーム12の先端12b側に連結されたスライドドア取り付け体2及びこのスライドドア取り付け体2に取り付けられたスライドドアSDも車体の後方に向けて移動する。
【0030】
一対のリンク13,14は、車体の幅方向に沿って延びた状態(図2参照)から車体の前後方向に沿って延びた状態(図4参照)となるまで回動する。この一対のリンク13,14が車体の前後方向に沿って延びた状態におけるスライドドアSDの位置(ダブルリンク機構4が車体の前後方向に最も伸びた状態におけるスライドドアSDの位置)がスライドドアSDの開位置となる。
このスライドドアSDが開位置に位置する状態において、シーラの塗布やスライドドアSDの内面側の塗装が行われる。
【0031】
ここで、図4に示すように、スライドドアSDが開位置に位置した状態では、リンクロッド18によって第2リンク17の位置が調整され、第2屈曲アーム12とスライドドア取り付け体2との連結部P1、第2屈曲アーム12と第2リンク17との連結部P2、及びピン部材16が略同一直線上に並ぶ。また、上述したように、第1の部分171aにおけるスリット171の半径Lは、第2屈曲アーム12とスライドドア取り付け体2との連結部P1から第2屈曲アーム12と第2リンク17との連結部P2までの長さL1と、第2屈曲アーム12と第2リンク17との連結部P2からピン部材16までの長さL2との和と略等しく構成されている(図6参照)。
これにより、スライドドアSDが開位置に位置した状態では、スリット171に係合されているピン部材16がスリット171の第1の部分171aの形状に沿って容易に移動できるので、スライドドア取り付け体2は、第2屈曲アーム12に対して回転可能となる。
【0032】
これに対して、図2に示すスライドドアSDが閉位置に位置した状態や、図3に示すスライドドアSDの閉位置から開位置への移動途中の状態では、リンクロッド18によって第2リンク17の位置が調整されて、第2屈曲アーム12とスライドドア取り付け体2との連結部P1、第2屈曲アーム12と第2リンク17との連結部P2、及びピン部材16が直線上には並ばない。即ち、図2や図3で示す状態では、スライドドア取り付け体2と第2リンク17との連結部からピン部材までの長さL3は、スリット171の半径Lよりも短くなる。
これにより、スライドドアSDが開位置に位置していない状態では、スライドドア取り付け体2の回転に伴うピン部材16の移動は規制される。そのため、スライドドアSDが開位置に位置していない状態では、スライドドアSDの回転は規制される。
【0033】
本実施形態のスライドドア仮固定治具1によれば、以下のような効果を奏する。
スライドドアSDがスライドドア用開口部BD1を塞ぐ閉位置と、スライドドアSDがスライドドア用開口部BD1を塞がない開位置との間でスライドドアSDを移動させるダブルリンク機構4を設けた。よって、閉位置において車体BDに対するスライドドアSDの建て付け状態を確認できる。
【0034】
また、スライドドアSDが開位置に位置する状態において、スライドドアSDと車体BDとが重なる部分をなくすことができる。よって、車体BD及びスライドドアSDに安定して塗装を施せる。
【0035】
尚、従来は、スライドドアSDに塗装を施した後に、このスライドドアSDを車体BDに組み付けて建て付け状態を確認する検査をしており、この検査によってスライドドアSDに施された塗装が損傷する場合があった。この点、本発明のスライドドア仮固定治具1によれば、スライドドアSDに塗装を施す前に、このスライドドアSDの建て付け状態を確認する検査ができ、この検査によってスライドドアSDに施された塗装が損傷するおそれを回避できる。
【0036】
また、回転機構5を、スライドドアSDが開位置に位置する状態で回転可能とし、スライドドアSDが開位置に位置しない状態での回転を規制する構成とした。よって、スライドドアSDを閉位置から開位置に移動させる途中にスライドドアSDが回転しないので、スライドドアSDや車体の損傷を防止できる。
【0037】
また、リンクロッド18の長さを調節自在とした。これにより、スライドドアSDの移動範囲や回動範囲の調整ができる。よって、スライドドアSDの閉位置を微調整でき、スライドドアSDの建て付け状態を正確に検査できる。
【0038】
また、スライドドアSDが閉位置に位置する場合に、図2に示すように、ダブルリンク機構4及び回転機構5が重なり合うように構成した。これにより、閉位置におけるスライドドアSDの車体BDに対するがたつき量を小さくできる。よって、スライドドアSDを閉位置に位置させやすくなり、スライドドアSDの建て付けの検証をより確実に行える。
【0039】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係るスライドドア仮固定治具の概略構成を示す斜視図である。
【図2】スライドドア仮固定治具の平面図であり、スライドドアが閉位置に位置する状態を示す図である。
【図3】スライドドア仮固定治具の平面図であり、スライドドアが閉位置から開位置に移動する途中の状態を示す図である。
【図4】スライドドア仮固定治具の平面図であり、スライドドアが開位置に位置する状態を示す図である。
【図5】スライドドア仮固定治具の平面図であり、スライドドアが開位置に位置する場合に、スライドドアを回転させた状態を示す図である。
【図6】図4の部分拡大図である。
【図7】図1に示すスライドドア仮固定治具の正面図である。
【符号の説明】
【0041】
1 スライドドア仮固定治具
2 スライドドア取り付け体
3 車体取り付け体
4 ダブルリンク機構
5 回転機構
11 第1屈曲アーム
12 第2屈曲アーム
13,14 リンク
15 第1リンク
16 ピン部材
17 第2リンク
18 リンクロッド
171 スリット
BD 車体
BD1 スライドドア用開口部
SD スライドドア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドドアによって塞がれるスライドドア用開口部を有する車体に、スライドドアを仮固定するためのスライドドア仮固定治具であって、
前記車体に取り付け自在な車体取り付け体と、
前記スライドドアを取り付け自在なスライドドア取り付け体と、
前記車体取り付け体に取り付けられる第1屈曲アーム、前記スライドドア取り付け体に取り付けられる第2屈曲アーム、及び前記第1屈曲アームと前記第2屈曲アームとを連結する一対のリンクを有するダブルリンク機構と、
前記ダブルリンク機構が前記車体の前後方向に最も伸びた状態でのみ、前記スライドドア取り付け体を前記第2屈曲アームに対して回転可能に連結する回転機構と、を備えることを特徴とするスライドドア仮固定治具。
【請求項2】
前記回転機構は、前記第2屈曲アームに取り付けられ、ピン部材を有する第1リンクと、前記スライドドア取り付け体に取り付けられ、前記ピン部材が係合されることで前記スライドドア取り付け体の動作軌跡を規制するスリットを有する第2リンクと、を備えることを特徴とする請求項1に記載のスライドドア仮固定治具。
【請求項3】
前記第1リンクには、前記スライドドアの回転動作のためのリンクロッドが連結されていることを特徴とする請求項2に記載のスライドドア仮固定治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−111198(P2010−111198A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284131(P2008−284131)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】