説明

スライド開閉式扉による折畳式航空貨物コンテナ

【課題】作業工程を省略化できて簡略化し、楽な姿勢で組立及び折畳が可能且つ、利便性が高く、作業上の安全性を確保できる折畳航空貨物用コンテナを提供する。
【解決手段】コンテナ基台内部にスライド可能な開閉扉の巻き取り可能な装置を設けるとともに、その開閉扉先端には取手兼ストッパーメス部分及び開閉扉の両側にフックを設け、側面台形及び側面パネル内側外郭2面に開閉扉専用のガイドレールを敷設し、フックとガイドレールがかみ合いスライドさせ、開閉を可能とした構造を特徴とする航空貨物用折畳可能なコンテナ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は航空貨物用コンテナの側面台形部分、及び蓋部分をスライド可能な開閉扉を用いた折畳式コンテナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の航空貨物用折畳式コンテナは、そのコンテナを構成するフレームと、パネルを有し、ヒンジを用いた組立及び折畳の提案をしている(米国特開平US2010/0187228A1)。この図6は従来の折畳式コンテナの斜視図である。この斜視図は、コンテナ特有の形態である台形状張出し部分の折畳を可能とするため、その台形面側にコンテナの高さ及び幅に合わせた四角形のフレーム1を設け、L字型フレーム2a、2b付台形パネル二面3a,3bを有し、四角形のフレーム1に取り付けられた蝶番2箇所4で接続、内側から外側への開閉を可能とした上で側面台形面を構成し、一方、そのフレーム1内にある台形状張出し側面を形成するための台形屋根部パネル5、側面部大、小パネル6及び下部斜面パネル7を有し、そのパネルがフレーム1内に当該パネルが収納されていると共に、その形態として、屋根部パネルは蝶番8で四角形フレーム上部と接続され、同時に屋根蓋部パネル5、側面部大、小パネル6、及び下部斜面パネル7が連続蝶番9でパネルそれぞれが上部から下部に渡り接続され、その斜面パネルは、土台部分と蝶番10で接続されることで、おのおのが内側に折畳まれた状態から、側面台形パネル2a、2bを180度外側に開いた後、屋根蓋部パネル5を上方に持ち上げ、側面大、小パネル6を引き出した上で、斜面パネル7を最後に押し出すようにし、その台形パネルに取り付けてあるL字フレーム2内に入れ込む組立工程となっている。
【0003】
また、当該折畳式コンテナは、そのコンテナの折畳工程で、上記その屋根蓋の部分を水平にスライドさせ、斜め手前に下がり、後面パネルと重なる仕組みを施している。図7は従来の折畳式コンテナの断面図である。この図6によれは、その仕組みによる作業手順として、屋根蓋部パネル11が接合する側面パネル12上に設けられた、スライドを可能にするレール13を及び回転治具14を有し、そのレール及び治具は蓋パネルと接続され、側面パネル12に対し、蓋パネル11を後方に引き水平にスライドさせた後、その回転治具14により斜め下方向に回転することで、後面パネル15と重なる仕組みとなっている。尚、組立工程においては、逆の作業手順となる。
【0004】
上記工程及び仕組みを現行使用されているコンテナに用い、運用した場合、作業上での利便性の低下、及び実質的な作業者への負荷に加え、パネル接触に起因する事故の発生を考慮すると、その安全性の確保からも一般普及が進まず、従来どおりの一体成型されたコンテナで運用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】RELATED U.S.Application Dta Continuation−in part of application No.PCT/AU2008/000859,filed on Jun 13,2008 IMPROVEMENTS IN FOLDING CONTAINERS
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の折畳式航空貨物用コンテナは、その特徴である航空機胴体内部形状に合わせた、台形状の張り出し部分において、当該コンテナを構成する各フレーム、及び、そのフレーム内に設けられた複数で多種多様なパネルを有し、このパネル全てを蝶番で個々に連結し、組合せ、その台形状を形成するが、その組合せにおいて、このパネル一枚一枚が折れ曲り、重なり合うため、複雑な工程となり、当該コンテナ組立、折畳回数及び作業時間を考慮した場合、作業効率及び利便性が低くなる原因となっている。
【0007】
一般的に使用されている一体成型LD−3航空貨物用コンテナサイズを例にした場合、最大縦約1.4メートル、横約1.5メートル、そしてその高さは接地面から約1.6メートルで、従来考案されている当該折畳式コンテナにおいて、その折畳工程の一部である、上部蓋パネルの作業工程では、その高さ約1.6メートルの位置より、1.4メートルx1.5メートル四方のサイズを有する蓋パネルが、水平状態で手前に引き出され、斜め下にスライドした後に、側面パネルに重なり床面に折畳まれる仕組みは、蓋パネル1枚のサイズ及び、重量を考慮すればそのパネルを支えた状態での前記折畳に関する一連の作業が、作業員身体への実質的な負荷、及び、パネル取扱中のパネル接触により怪我をする危険な含む作業工程を有している。
【0008】
コンテナ組立作業時には、その折畳作業と逆の工程をたどることになるが、いずれの場合にも上記作業員身体への実質的な負荷がかかる構造的な問題点は、安全性を確保するため、スキルを有した作業員が複数程度必要となり、その作業員育成の訓練及び、教育への時間と費用がかかり、また、一定人数の作業員の確保が必要となることは、よりその確保に係る費用と作業員の管理面に関する追加作業が発生する。
【0009】
更に、蓋パネル部分の組立、折畳作業に伴う物理的な作業スペースにおいて、最低でも蓋パネル1枚分以上のそのスペースが必要で、且つ、その一定スペースが確保できない場合、作業が行えない。
【0010】
本発明は、組立、折畳に関する折畳箇所及び、回数を減らしたことで、その取扱いを容易とし、その結果、作業効率の向上及び、作業負担の軽減が図られることで、幅広い業種での利用を可能とし、且つ、作業に係る安全性の確保は、作業員の訓練、教育を不要とした上で、最小限での作業スペースで、その作業を可能とすることで、上述した問題点を解決したものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本考案は、航空貨物用折畳式コンテナの利便性、安全性の問題により、その普及が妨げられてきた課題を解決する事を目的とし、その手段として、航空貨物用折畳式コンテナにスライド可能な開閉扉を設け、その開閉によるコンテナを構成する各パネルを固定、または開放することで、コンテナの組立、及び折畳の簡素化、それに伴う利便性の向上、且つ、安全性が高いことを特徴とするコンテナを提供したものである。
【0012】
以上の手段を取るために、当該コンテナ基台内部に前記、スライド型開閉扉の巻き取り及び、収納を可能とする装置を設け、その扉はガイドレールとかみ合い、スライドを可能とし、その先端部は下部基台開閉扉排出入部の位置まで直接、もしくは、ガイドレールに沿って導かれ、そこに位置すると同時に、引出しが可能な状態となる。
【0013】
その折畳式コンテナは、基台部、側面パネル、側面パネルに延設した台形パネル及び、後面パネルを有し、コンテナ組立の際、基台上で蝶番により折畳まれていた、前記、側面パネル、後面パネルが、その基台上で、直立し、各パネル同士が固定された状態で、側面パネルに延設された台形パネルを内側から外側へ開くことで、その側面パネルと一直線の状態となる。
【0014】
その状態で、前記、引出し可能な状態のスライド型開閉扉先端部を引き上げ、上方向へスライドさせる事で、当該台形側面パネル2面の下部外郭から上部外郭に沿って設けられた2本のガイドレールとその開閉扉先端2箇所の受け部がかみ合い始め、当該扉が台形パネル及び側面パネルのガイドレールを経由、更に後面パネル方向へ押し続け、スライドさせることで、その両面はそのスライドされた位置まで開閉扉で閉ざされ、コンテナを構成する箱型となる。尚、その扉を基台方向に引き下げることでその扉が開き、箱型が解除されるこの構造は、今回、請求するスライド可能な開閉扉による組立、折畳に関する主な構造となる。
【0015】
最終的な組立の完成は、上記、上方にスライドさせた開閉扉が後面パネルに到達し、後面パネルと自動的にロックされた段階で組立終了となり、一方、当該後面でのパネルロック解除を行い、下部基台方向へスライドさせることにより折畳み可能な状態となる。
【発明の効果】
【0016】
上記の課題を、本考案により、台形パネル、側面パネル及び、蓋パネル部分をスライド可能な開閉扉を使用することで、その台形パネル側面、及び蓋パネル自体を無くすことで、組立及び折畳作業に伴う、台形張り出し部及び蓋部の複雑な工程を排除した簡素化は、コンテナの組立、折畳時間短縮を可能とし、且つ、組立、折畳に係る操作性を容易にし、作業効率及び、利便性を非常に高める。
【0017】
スライド可能な開閉扉を設ける事で、構造上の問題点であった蓋パネルの折畳工程では、課題で記載した問題点(蓋パネル本体を手前に引き出し、斜め下にスライドした後に、側面パネルに重なり床面に折畳まれる仕組で、組立作業の場合はその逆の工程作業)である工程を完全に排除することで、それに伴う作業員身体への実質的な作業負荷の回避、それに加え、安全性の確保、且つ専用の作業員を不要としたコンテナの組立、折畳作業を可能とした。
【0018】
コンテナの組立、折畳作業を行う作業スペースにおいても、構造上、従来の折畳式コンテナとは異なり、台形パネル、及び蓋パネル自体を無くしていることから、その組立、折畳工程において、コンテナ自体の大きさからはみ出ることは無く、必要最小限の作業スペースで作業が可能で、且つ、作業場所を選ばない形態となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】折畳式コンテナの斜視図である。
【図2】開閉扉の先端部の斜視図である。
【図3】折畳式コンテナの断面図である。
【図4】側面パネル斜視図である。
【図5】コンテナ内側から後面パネル上部を拡大した斜視図である。
【図6】台形張出し部分の斜視図である。
【図7】開閉扉の噴出口を二箇所とした断面図である。
【図8】従来の折畳式コンテナの斜視図である。
【図9】従来の折畳式屋根蓋部分からの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
折畳式コンテナ斜視図(図1)は、基台16、左右側面パネル17a、17b、左右側面パネルに延設された台形パネル18a、18b、後面パネル19、及び、その開閉扉専用ガイドレール20a、20bで構成され、これらのパネル有し、折畳を可能とする主な仕組みとして、基台上部と相対する側面パネル下部17a、17bを蝶番21及び、後面パネル19を蝶番22を設けるが、お互いのパネルが干渉しないよう、各パネルの折り曲げ位置の高さが調整され折畳を可能とさせる。
【0021】
このコンテナの組立において、斜視図(図1)では、基台16上に蝶番21、22を使用し折畳まれていた側面パネル2枚17a、17bを直立させ、その側面パネル2枚との間に、後面パネル19が挟まり直立状態になるよう配置し、その側面パネル17a、17b及び後面パネル19の計3枚が最終的にその基台上に直立した後、その相対するパネルの接合部同士を固定することで、当該コンテナの原型である箱状を形成する。尚、側面パネルに付属する台形型側面パネル18a、18bは、相対する側面パネル片側部分より蝶番23を設け、折曲げ可能な形態とし、開閉扉を導くためのガイドレール20a、20bも敷設されている。尚、台形型側面パネルは蝶番を使用した折り曲げ可能な形態のほか、側面パネルにその台形パネル用の収納部分を設け、台形パネルを進退可能な仕組とすることで、蝶番を使用した場合と同様の形態を可能とする。
【0022】
上記、そのコンテナの原型である箱状が形成された後、基台16から引き出されるスライド可能な開閉扉(図2)24が専用ガイドレール(図1)20a、20bに沿って、後面パネル(図1)19まで到達し、ロックされることでそのコンテナ組立が完了し、一方、折畳む場合、そのロックを解除し、前記逆の工程を行うことで折畳が可能となる。
【0023】
その詳細として、折畳式コンテナ断面図(図3)は、コンテナの下部に位置する基台16床下に、その内部に開閉扉24を巻き取り及び収納可能な装置25が設けられ、その装置は基台内部に納まる円筒状の外観を要し、その内部には巻き取り駆動部とスライド可能な開閉扉(図2)24の収納部を有すことで、巻き取り及び収納を可能とし、その装置の設置位置については、基台内部であれば場所は選ばないが、開閉に要す開閉扉の長さ、厚みの程度等を考慮し、設置位置の選択を行うが、図3における基台16位置については、設置例として中央部に位置するようにしている。
【0024】
その装置に組み込まれているスライド可能な開閉扉(図2)24は、一定の強度と耐久性のある部材を用い、且つ、薄さを確保した上で、その強度を持たせるため一定の間隔で心棒又は板状のものにテーパー26が入り、それぞれが連続し、結合され、よろい戸状の板を形成し、且つ、その板は、ガイドレールの直線、又はカーブ部分に沿って、柔軟に曲がる形状とし、その形状自体は、当該折畳式コンテナにおいて、その開閉扉の機能を有すものであれば特にその指定は無いが、一般的にその外観は各種開閉式のシャッターに類似する。
【0025】
それに加え、スライド可能な開閉扉24は、その扉の両側に凹状に似たガイドレール受け用の突起物、若しくはフック27設が設けられており、凸状の鉄道レールに似た形で成型されたガイドレール20とかみ合い、その上でスライドする構造が適するが、そのガイドレール部分における形状は、そのフックとガイドレールの間においては、できるだけ隙間を無くすと同時に、横ずれ防止と雨水等の浸入を防ぐ形態が好ましい。尚、ガイドレールの形状については、凹凸型で説明しているが、それ以外の形状で合っても開閉扉としての機能が確立できれば、形状についての如何は問わない。
【0026】
ガイドレール20及び開閉扉24において、そのコンテナの開閉に必要な全長を考慮し、その全長に対応するため、ガイドレール20を基台16内部に設けることでその全長を調整することを可能とするが、具体的には、前記開閉扉の巻き取り可能な装置25が設けられた位置から、基台噴出口28までの距離において、そのガイドレールに沿って開閉扉のスライドを可能とする形態をとる。
【0027】
その上で、スライド式開閉扉24を開閉させる場合、開閉扉の先端部に基台16部分から引き上げるための引き出し用取手兼、後面パネルと固定、開放可能なストッパーメス28を設け、スライド式開閉扉の外側表面の一部に、開閉サポート用の取手を設けることで、より確実にスライド作業における利便性が高い開閉が可能となる。
【0028】
各側面パネル(図1)17a、17bは台形型パネル18a、18bを有し、その側面パネル17a、17bは基台16上部と相対する面で折畳可能な蝶番21により接合され、組立工程時においては、内側に折畳まれている各2面パネルを外側に引き越し、直立した状態で止まる形態となる。 尚、各コンテナ側面パネル外側面に取手若しくはストラップ等を設け、組立、折畳の際に発生するパネル引起し又は、押し倒しの際に使用することが望ましい。
【0029】
上記、側面パネル17a、17bは、おのおの台形型パネル18a、18bを有しているが、当該コンテナ台形張出し部を形成するにおいて、その台形型パネルは、側面パネル17a、17bへの折畳収納を可能とするため、蝶番23で側面パネルと台形型パネルを接続し、内側に折畳んだ状態から外側へ開き、固定を可能とする仕組みとなる。尚、側面パネル17a、17b部に進退可能で引き出し用の取手若しくは、ストラップを設けた台形型パネル18a、18bを有し、上記折畳と同じような形状を確保する場合、雨戸に似た形態で収納する部分を側面パネルに設けることで、その部分へ台形型パネルを収納が可能となり、引き出しの際は、取手若しくはストラップ一方に引き、その最大限に引き出した部分で固定されるようにする。
【0030】
台形型側面パネル18a、18b及び、側面パネル17a、17bはガイドレールを有し、ガイドレール20は各パネル外郭に沿って敷設され、その敷設範囲については、当該先端部は台形パネル下部(図3)29、基台部にある開閉扉排出入口30に隣接する場所に位置し、そこを基点として台形パネル側面31と上面32、及び側面パネル上部33を通り後面パネルストッパー位置34まで到達するが、このガイドレールに導かれ、開閉扉24がスライドする経路となり、最終的にストッパー位置34で固定されることを意味する。
【0031】
図4は、側面パネルの後面パネル方向を拡大した斜視図である。この図のとおり、側面パネル17a、17bの両面が直立した状態で、コンテナ箱型を構成するために必要な後面パネル19との固定部分を作るため、凸型スリット35a、35bを側面パネルの両側の後面パネル側の縦方向基台部分まで設け、この凸型スリットを設けることで、これとかみ合うように受け部分である後面パネルのメス部分と結合する。
【0032】
側面パネル片側17a、17b及び後面パネル19のどちらかに、あらかじめその用途により、このコンテナに貨物を入れるための間口を設けることも可能としており、その形状として、側面及び、後面パネルサイズ以下の間口を設け、その間口を折畳式パネル、カーテン等を形状に合うように加工することが可能となる。
【0033】
後面パネル(図1)19は、相対する基台16上部及び後面パネル19下部に蝶番22を有し、内側に折畳まれている状態から、外側に向け、手前に引き上げることで、直立させる事が可能とし、直立させた場合、各側面パネル17a、17bの間に位置するように設けられているが、前記のとおり、その直立した状態で側面パネル17a、17b及び後面パネル19の固定を必要とする。図5は後面パネル斜視図でコンテナ内側から上部を拡大したものである。固定をさせる構造として、後面パネル19両側面2箇所に側面パネル17a、17bの凸部(図4)35a、35bの受けとして凹型のスリット36a、36bをパネル縦位置に有し、側面パネル各片面にある凸形状のオス部分と噛み合わせて固定するこの構造は、コンテナ自体の気密性及び、強度を確保することが可能となる。パネルに取手若しくはストラップを有し、その取手若しくは、そのストラップを設けることが好ましい。
【0034】
一方、後面パネルは当該コンテナ組立時における開閉扉(図2)24の最終到達点であり、その上面部分には開閉扉先端の受け部分であるストッパー本体37を設け、且つ、その受け部にストッパーオス部38を有し、その扉を固定させる機能を持たせるが,その固定方法としては、開閉扉先端に設けられたメス部28をストッパー本体のオス部で受け、はめ込むことで、コンテナの組立を完了させる方法を取っている。
【0035】
そのストッパー本体37の形状は、その開閉扉先端にあるメス開口部28に適合した大きさを持つ直方体状のオス部38を有し、そのオス部は片面前面が垂直に切り立ち39、その反対裏面40には、一定の角度と丸みを持たせると共に、ばね、若しくはそれに替わる代替機能を有する治具41を設け、そのストッパー本体内部で、オス部を上下に動かせる仕組みとする。
【0036】
そのストッパー本体37を用いた具体的な固定方法として、ストッパー本体にあるオス部裏面40に、開閉扉の先端メス28が達し、そのメスを引き続き後面パネル19方向へスライドさせることで、ストッパーオス部38に差し掛かった時に、その形状自体の特性及び上下に動くストッパーオス部の構造により、自動的にストッパーオス部が開閉扉先端メス部の重さで下がり、そのメス部分の開口部にオス部が重なり合った後、オス部が再度持ち上がり、メス部に挿入されることで固定される。 一方、固定を解除する場合、後面パネル外面に開放レバー42を設け、開放レバーを引き下げ、それに連動しストッパーが下がることで、メス部分が開放され、固定が解除される。
【0037】
台形型張り出し部斜視図(図6)において、台形パネル側基台16側面床部43には、その台形内寸幅及び長さに合わせた補強板上下44、45を2枚有し、お互いに蝶番46で接続されたまま、基台部上の床面に平らな状態で44、45で置かれ、この補強板2枚は蝶番により折り曲がり、組み立てが可能な仕組みとなっている。
【0038】
その補強板上44には引き上げ用の取手50及び、側面二箇所に固定具オス部48a、48bを設け、そのおのおのの補強板は蝶番46で接続され、折畳が可能となる形状で、補強板下45の片側を床面部分43に前後に可動するようなピアノヒンジ47を設けた上で固定し、一方、台形パネル18a、18b内側に台形パネル側補強板受具48a、48bを有し、組立の際、補強板にある取手が手前に引き上げられ、補強板の両側に設けられた固定具48a、48bは、台形パネル内側に設けられた補強板固定受具49a、49bに上から入り、台形パネル18a、18b両面が固定されることで、その補強板44、45により90度の角度51を保った台座が形成され、その補強板の位置はおのおの44、45となり、台形張出し部分の強度を確保するとともに、貨物も置くことが可能となる。尚、台形パネル部分の補強、及び貨物用台座の設置については、補助的な構造及び機能であり、その部分においての台座を設けるかの如何は問わない。
【0039】
上記、実施するための形態において説明した以外にも、同様のスライド可能な開閉扉の構造を用い、その形態としては、基台16部片側からの開閉のみならず、両側からも、その開閉扉を開閉可能としている。その形態として、図7のコンテナ断面図によれは、開閉扉用の噴出口二箇所29、54を両側基台部に設け、その二箇所からスライド可能な開閉扉専用のガイドレールを各パネルに敷設し、そこを開閉扉がスライドすることで、開口部の開閉が可能となる。
【0040】
その詳細として、台形パネル側(図7)29及び、後面パネル側54の両側基台部に開閉扉用の噴出口2箇所を設け、基台16内部には巻き取り及び収納可能な装置52、53を有し、ガイドレールをその噴出口両側から、台形パネル外郭を経由55及び側面パネル外郭を経由56するように敷設し、開閉扉をスライドさせることが可能となる。尚、基台内部において巻き取り及び収納可能な装置の設置において、その装置の設置数及び、その位置についても特に制限は無く、中央に設置し、両側にある噴出口29,54へガイドレールで案内される仕組でもかまわない。
【0041】
組立方法としては、基台16上の両側側面パネル(図1)17a、17bを手前に引き上げ、直立させ、側面パネルに延設される台形パネル18a、18bが開き側面パネルと一直線になった状態で、開閉扉がその両面からスライド可能な状態となり、おのおのの開閉扉のフックがガイドレール57、58とかみ合うことで開口部を閉じ、敷設されたガイドレール57、58に案内され、上部方向にスライドさせることで、台形パネル及び側面パネルが固定される。
【0042】
台形パネル面基台16開閉扉噴出口29からガイドレール57に案内された開閉扉は、台形パネル外郭55に沿い上方向にスライドし、その台形パネル上面の角位置で止まり、一方、後面パネル側基台開閉扉噴出口54かららガイドレール58も同様に案内された開閉扉は、後面パネルに隣接する側面パネル外郭56及び、上部外郭59を経由し、台形上面の角開閉扉接合位置60までスライドし、台形パネル側からスライドされた開閉扉と接合し止め具で固定され、組立が完了する一方、接合部分の止め具を開放し、おのおのの開閉扉を基台部開閉扉噴出口方向にスライドさせることで折畳可能な状態となる。尚、後面パネルの設置については、後面パネルを使用せず、組立は構造的に可能なことから、後面パネル設置について、その有無の如何は問わない。
【符号の説明】
【0043】
16…基台
17a…側面パネル右
17b…側面パネル左
18a…台形型パネル右
18b…台形型パネル左
19…後面パネル
20a…ガイドレール右
20b…ガイドレール左
21…蝶番(側面パネル)
22…蝶番(後面パネル)
23…蝶番(台形型パネル)
24…スライド開閉扉
25…開閉扉の巻き取り可能な装置
26…心棒又は板状のテーパー面
27…凹状に似た突起物若しくは、フック
28…開閉扉先端に設けられたメス部分
29…基台
30…開閉扉排出入口
31…ガイドレール台形パネル側面開閉扉移動面
32…ガイドレール台形パネル上面開閉扉移動面
33…ガイドレール側面パネル上面開閉扉移動面
34…後面ストッパー本体位置
35a…側面パネル凸型スリット
35b…側面パネル凸型スリット
36a…後面パネル凹型のスリット
36b…後面パネル凹型のスリット
37…後面パネルストッパー本体
38…後面パネル上部ストッパーオス部分
39…後面パネル上部ストッパーオス垂直断面部分
40…後面パネル上部ストッパーオス丸み部分
41…ばね
42…後面パネル外面開放レバー
43…台形パネル側基台床部
44…補強板上
45…補強板下
46…補強板用蝶番
47…ピアノヒンジ
48a…補強板固定具右
48b…補強板固定具左
49a…補強板固定受具右
49a…補強板固定受具左
50…補強板上部引き上げ用の取手
51…台座角度
52…台形張出し側基台内部巻き取り及び収納可能な装置本体
53…後面側基台内部巻き取り及び収納可能な装置本体
54…後面パネル側開閉扉用の噴出口
55…台形パネル側面外郭部
56…側面パネル後面パネル側外郭部
57…台形パネル側面外郭ガイドレール開閉扉移動面
58…側面パネル側面外郭ガイドレール開閉扉移動面
59…側面パネル上部外郭部
60…台形上面の角開閉扉接合位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台部と、左右側面パネルと、後面パネルと、左右側面パネルに延設した左右台形パネルと、前記基台部に開閉扉が収納され、ここからガイドレールに案内されて、前記左右延設パネルと左右側面パネルと、後面パネルとで形成される開口部を閉じる開閉扉となり、前記左右側面パネルと、後面パネルと、左右側面パネルに延設した左右台形パネルは、ガイドレールとともに基台上に折畳可能となっていることを特徴とする航空貨物用折畳可能なコンテナ。
【請求項2】
請求項1記載のコンテナの構造において、さらに基台部両面の2方向からガイドレールを設けたことを特徴とする航空貨物用折畳可能なコンテナ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−121625(P2012−121625A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286604(P2010−286604)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(510337942)
【Fターム(参考)】