説明

スライムの洗浄方法

【課題】スライムの洗浄速度が速く、スライムの洗浄時間を短縮することができ、スライムの除去効率を向上させることができるスライムの洗浄方法を提供する。
【解決手段】スライムの洗浄方法は、水タンク等の機器又は水配管等の内壁面に付着したスライムに洗浄剤としての過酸化物を作用させてスライムの洗浄を行うにあたり、該洗浄を減圧状態で行うものである。過酸化物としては、酸素と水に分解する過酸化水素が最も好ましい。その過酸化水素を過酸化水素水として用い、過酸化水素水中の過酸化水素の濃度は0.1〜10質量%であることが好ましい。また、減圧状態の圧力は0.001〜0.09MPaに設定され、スライムの洗浄は酸性条件下で行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水タンク、熱交換器等の機器、水配管等の配管の内壁面に付着したスライムを洗浄剤としての過酸化水素により洗浄するスライムの洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水タンク等の機器、水配管等の配管に水が長期間に亘って貯留又は循環されていると、それらの内壁面にはバクテリア等の菌類により生成された粘質物であるスライムが付着する。このスライムの付着量が増加すると水の流れを阻害し、機器又は配管を閉塞させるおそれがあるとともに、熱交換器においては熱伝導が低下して熱交換効率が悪化するという問題があった。従って、このようなスライムを洗浄、除去する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1にはスライムを過酸化水素水によって洗浄除去する方法が開示されている。具体的には、スライムの付着した冷却器チューブを1〜2%濃度の過酸化水素に5分間浸漬したところ、スライムが分離し、微細粒子となって水中に分散したとされている。この方法によれば、過酸化水素水によるスライムの剥離分散作用が発揮され、スライムを微粒子状態にして分散させることができる。
【0004】
さらに、スライムの洗浄効果を高める方法が特許文献2に記載されている。すなわち、過酸化水素、縮合リン酸アンモニウム及び尿素化合物を有効成分とする洗浄剤組成物を、クーリングタワーを循環する全水量の30質量%使用し、常温(20℃)にて2時間クーリングタワー全回路を循環させて洗浄を行ったとされている。その結果、スライムを完全に除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特公昭42−16521号公報
【特許文献2】特開平8−132093号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、洗浄の対象となるスライムは、機器や配管の内壁面に強く付着していることから、過酸化水素を含む洗浄剤がスライムと接触しただけでは、スライムの表面部分は剥離、分散させることはできても、スライムの内部まで剥離、分散させることは困難である。前記特許文献1及び2に記載されている従来構成のスライム洗浄方法は、いずれも常圧下においてスライムを洗浄する方法であることから、洗浄剤の洗浄能力によってスライム表面の洗浄効果を高めることはできても、スライムの内部まで洗浄作用を及ぼすことは難しい。そのため、スライムの洗浄速度が遅く、洗浄に時間を要し、除去効率が低いという問題があった。
【0007】
そこで本発明の目的とするところは、スライムの洗浄速度が速く、スライムの洗浄時間を短縮することができ、スライムの除去効率を向上させることができるスライムの洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のスライムの洗浄方法は、機器又は配管の内壁面に付着したスライムに洗浄剤としての過酸化物を作用させてスライムの洗浄を行うにあたり、該洗浄を減圧状態で行うことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明のスライムの洗浄方法は、請求項1に係る発明において、前記過酸化物は過酸化水素又は過炭酸ナトリウムであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明のスライムの洗浄方法は、請求項2に係る発明において、前記過酸化水素又は過炭酸ナトリウムを水溶液として用い、水溶液中の過酸化水素又は過炭酸ナトリウムの濃度は、0.1〜10質量%であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明のスライムの洗浄方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項に係る発明において、前記減圧状態の圧力は、0.001〜0.09MPaであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次のような効果を発揮することができる。
請求項1に係る発明のスライムの洗浄方法では、機器又は配管の内壁面に付着したスライムに洗浄剤としての過酸化物を作用させてスライムの洗浄を行うにあたり、該洗浄を減圧状態で行う。このため、過酸化物として例えば過酸化水素を用いた場合には、減圧状態で機器又は配管内の洗浄液中の溶存酸素が除去され、過酸化水素の分解が促される。過酸化水素の分解により生成する酸素ガスの気泡が機器又は配管の内壁面に付着したスライムを剥離させると同時に、過酸化水素の分解により生成した酸素(発生期の酸素)がスライムを酸化、分解させる。言い換えれば、減圧状態と、過酸化物との相乗的な働きに基づいて、スライムの酸化、分解を著しく促進させることができる。
【0012】
従って、本発明のスライムの洗浄方法によれば、スライムの洗浄速度が速く、スライムの洗浄時間を短縮することができ、スライムの除去効率を向上させることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本実施形態のスライムの洗浄(除去)方法は、水タンク、熱交換器、冷却器、凝縮器等の機器、水配管等の配管の内壁面に付着したスライムを洗浄、除去するためのものである。すなわち、スライムの洗浄方法は、前記機器又は配管の内壁面に付着したスライムに洗浄剤としての過酸化物を作用させてスライムの洗浄を行うにあたり、該洗浄を減圧状態で行うものである。
【0014】
前記スライムは、水タンク等の機器や水配管等の配管内に水が長期間に亘って接触していることにより、バクテリア等の菌類により生成される粘質物、水酸化鉄、珪酸塩等の無機物、藻類等の有機物、それらの複合体などの総称を意味する。このスライムは機器又は配管の内壁面に強く付着している。
【0015】
前記過酸化物としては、過酸化水素(H)のほか、過炭酸ナトリウム(Na)、過酢酸(CHCOOOH)等も用いられる。これらの過酸化物のうち、過酸化水素は分解したとき酸素と水を生成し、環境を汚染することがなく、取扱性が良好であることから最も好ましい。次いで、過炭酸ナトリウムは有効酸素量が多く、医薬用外劇物、危険物の指定を受けないことから望ましい。
【0016】
前記過酸化水素は不安定な化合物であり、次式のような反応により分解して水と酸素を生成する。
2H → 2HO+O
過酸化物として過酸化水素又は過炭酸ナトリウムを使用する場合水溶液として用いられ、該水溶液中の過酸化水素の濃度は0.1〜10質量%であることが好ましく、1.5〜10質量%であることがさらに好ましい。過酸化水素水又は過炭酸ナトリウムの濃度が0.1質量%より低い場合には、過酸化水素又は過炭酸ナトリウムによるスライムの洗浄が十分に促進されず、洗浄効率が低下して好ましくない。その一方、10質量%より高い場合には、スライムに対して過酸化水素又は過炭酸ナトリウムが過剰になる傾向を示し、過剰の過酸化水素又は過炭酸ナトリウムが機器や配管を腐食させたりする弊害をもたらすおそれがあることから好ましくない。
【0017】
前記減圧状態における圧力は、常圧(0.1MPa)より低い圧力であればよいが、0.001〜0.09MPaであることが好ましく、0.005〜0.05MPaであることがさらに好ましい。この圧力が0.001MPaを下回る場合には、そのような高真空を得るための設備の構築が難しく、現実的ではない。その一方、0.09MPaを上回る場合には、減圧による効果が得られ難く、減圧に基づくスライムの洗浄効果が低下する。
【0018】
この減圧により、機器又は配管内の洗浄液中に存在する溶存酸素が除去される。すなわち、過酸化水素の分解反応によって生成する酸素が除去されることによって、過酸化水素の分解反応の進行が促される。そして、過酸化水素の分解反応により生成する酸素ガスの気泡が機器又は配管の内壁面に付着したスライムを剥離すると同時に、その酸素(発生期の酸素)がスライムを酸化して分解するようになっている。
【0019】
このスライムの洗浄方法を実施する際には、前処理として酸による洗浄又はアルカリによる洗浄を行うことができる。酸による洗浄を行うことにより、スケールとしての炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩を溶解させることができる。このような酸による前処理を例えばpH5以下の酸性条件下に、0.001〜0.09MPaという減圧状態で行うことにより、炭酸塩等のスケールを効率良く溶解させることができる。
【0020】
また、アルカリによる洗浄を行うことにより、スケールとしての二酸化珪素等を溶解させることができる。このようなアルカリによる前処理を例えばpH9以上のアルカリ性条件下に、0.001〜0.09MPaという減圧状態で微細気泡を吹き込みながら行うことにより、二酸化珪素等のスケールを効率良く溶解させることができる。
【0021】
次に、本実施形態におけるスライムの洗浄方法について作用を説明する。
さて、機器又は配管の内壁面に付着したスライムを洗浄する場合には、機器又は配管内に過酸化水素水を注入するとともに、機器又は配管内を所定の減圧状態に設定する。すると、機器又は配管の内壁面に付着したスケールは、減圧作用により内壁面から剥がれるような力を受ける。同時に、機器又は配管内に注入された過酸化水素は分解して酸素ガスを発生し、その気泡がスライムを剥がすように作用するとともに、発生した酸素(発生期の酸素)がスライムを酸化、分解する。
【0022】
加えて、機器又は配管内の洗浄液中に溶存する酸素ガスが減圧下で洗浄液表面から空気中に揮散される。つまり、過酸化水素の分解反応で生成する酸素が系外へ除去されることから、過酸化水素の分解反応の進行が促進される。その結果、機器又は配管の内壁面に強く付着しているスライムに対して繰り返し酸素ガスの気泡を接触させることができ、スライムに対する剥離作用を高めることができるとともに、剥がれたスライムを新たな酸素で酸化、分解することができる。言い換えれば、減圧状態と、過酸化水素によるスライム酸化、分解反応とが相俟って相乗的に作用し、スライムの洗浄を著しく進行させることができる。
【0023】
以上説明した実施形態によって発揮される効果を以下にまとめて記載する。
(1)本実施形態のスライムの洗浄方法では、スライムに過酸化物としての過酸化水素を作用させてスライムの洗浄を行うにあたり、該洗浄を減圧状態で行う。このため、減圧状態で機器又は配管内の洗浄液中の溶存酸素が除去され、過酸化水素の分解が促される。過酸化水素の分解により生成する酸素ガスの気泡が機器又は配管の内壁面に付着したスライムを剥離させると同時に、過酸化水素の分解により生成した酸素(発生期の酸素)がスライムを酸化、分解させることができる。
【0024】
従って、本実施形態のスライムの洗浄方法によれば、スライムの洗浄速度が速く、スライムの洗浄時間を短縮することができ、スライムの除去効率を向上させることができるという効果を発揮することができる。
(2)前記過酸化物が過酸化水素又は過炭酸ナトリウムであることにより、過酸化水素又は過炭酸ナトリウムの分解反応によって生成する酸素により、機器又は配管の内壁面に付着したスライムの剥離を促がすことができるとともに、スライムの酸化、分解を促進することができる。しかも、過酸化水素の分解生成物は酸素と水であり、環境を汚染させることがない。
(3)前記過酸化水素又は過炭酸ナトリウムを水溶液として用い、その水溶液中の過酸化水素又は過炭酸ナトリウムの濃度は0.1〜10質量%である。このため、過酸化水素の分解により十分な酸素の発生を図ることができる。
(4)前記減圧状態の圧力は0.001〜0.09MPaである。従って、減圧に基づくスライムの剥離やさらにはスライムの酸化、分解の効率を高めることができる。
【実施例】
【0025】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1、2及び比較例1)
圧力容器内に、表1〜表3に示す濃度に調整した過酸化水素水を注入し、そこにバイオフィルムを発生させたアクリル樹脂板を投入した。その後、圧力容器内の圧力を0.1MPa(常圧、比較例1)、0.005MPa(実施例1)及び0.01MPa(実施例2)に設定し、アクリル樹脂板表面に発生したバイオフィルムの洗浄を行った。そして、バイオフィルムが剥がれ、アクリル樹脂板の一部が露出し始めるまでの洗浄時間(分)と、バイオフィルムが全て剥がれてアクリル樹脂板の全面が露出するまでの洗浄時間(分)を測定した。
【0026】
圧力が0.005MPa(実施例1)の場合の結果を表1に示し、圧力が0.01MPa(実施例2)の場合の結果を表2に示し、圧力が0.1MPa(比較例1)の場合の結果を表3に示した。
【0027】
また、実施例1及び2における圧力容器内の洗浄液のpHは5であった。
【0028】
【表1】

表1に示したように、実施例1においてはスライムの洗浄を過酸化水素水により0.005MPaという減圧状態で行ったことから、アクリル樹脂板の一部が露出し始めるまでの時間が2.5分という短時間であるとともに、アクリル樹脂板の全面が露出するまでの時間が20分以内という短時間の結果が得られた。
【0029】
【表2】

表2に示したように、実施例2ではスライムの洗浄を過酸化水素水により0.01MPaという減圧状態で行ったことから、アクリル樹脂板の一部が露出し始めるまでの時間が2.5分という短時間であるとともに、アクリル樹脂板の全面が露出するまでの時間が25分以内という短時間の結果が得られた。
【0030】
【表3】

表3に示したように、比較例1ではスライムの洗浄を過酸化水素水により常圧で行ったことから、アクリル樹脂板の一部が露出し始めるまでの時間が60分という長い時間を要するとともに、アクリル樹脂板の全面が露出するまでの時間も120分以上という長時間を要する結果であった。
(実施例3〜5及び比較例2)
前記実施例1において、バイオフィルムを塩化ビニル樹脂パイプに発生させ、過酸化水素水の濃度を表4〜表7に示すように変更し、圧力を0.1MPa(常圧、比較例2)、0.01MPa(実施例3)、0.02〜0.03MPa(実施例4)及び0.05MPa(実施例5)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスライムの洗浄を実施した。
【0031】
そして、バイオフィルムが剥がれ、塩化ビニル樹脂パイプの一部が露出し始めるまでの洗浄時間(分)と、バイオフィルムが全て剥がれて塩化ビニル樹脂パイプの全面が露出するまでの洗浄時間(分)を測定した。
【0032】
圧力が0.01MPa(実施例3)の場合の結果を表4に示し、圧力が0.02〜0.03MPa(実施例4)の場合の結果を表5に示し、圧力が0.05MPa(実施例5)の場合の結果を表6に示し、圧力が0.1MPa(比較例2)の場合の結果を表7に示した。
【0033】
また、実施例3〜5における圧力容器内の洗浄液のpHは5であった。
【0034】
【表4】

表4に示したように、実施例3においてはスライムの洗浄を過酸化水素水により0.01MPaという減圧状態で行ったことから、塩化ビニル樹脂パイプの一部が露出し始めるまでの時間が2.5分という短時間であるとともに、塩化ビニル樹脂パイプの全面が露出するまでの時間が15分以内という短時間の結果が得られた。
【0035】
【表5】

表5に示したように、実施例4ではスライムの洗浄を過酸化水素水により0.02〜0.03MPaという減圧状態で行ったことから、塩化ビニル樹脂パイプの一部が露出し始めるまでの時間が7.5分以内という短時間であるとともに、塩化ビニル樹脂パイプの全面が露出するまでの時間が90分以内という短時間の結果が得られた。
【0036】
【表6】

表6に示したように、実施例5ではスライムの洗浄を過酸化水素水により0.05MPaという減圧状態で行ったことから、塩化ビニル樹脂パイプの一部が露出し始めるまでの時間が12.5分以内という時間であるとともに、塩化ビニル樹脂パイプの全面が露出するまでの時間が120分以内という結果が得られた。
【0037】
【表7】

表7に示したように、比較例2ではスライムの洗浄を過酸化水素水により常圧で行ったことから、塩化ビニル樹脂パイプの一部が露出し始めるまでの時間が90分〜120分以上という長い時間を要するとともに、塩化ビニル樹脂パイプの全面が露出するまでの時間も120分以上という長時間を要する結果であった。
(実施例6及び比較例3)
前記実施例1において、バイオフィルムを塩化ビニル樹脂パイプに発生させ、過酸化水素水を過炭酸ナトリウム水溶液に変更し、その濃度を表8及び表9に示すように変更し、圧力を0.1MPa(常圧、比較例3)及び0.01MPa(実施例6)に変更した以外は、実施例1と同様にしてスライムの洗浄を実施した。
【0038】
そして、バイオフィルムが剥がれ、塩化ビニル樹脂パイプの一部が露出し始めるまでの洗浄時間(分)と、バイオフィルムが全て剥がれて塩化ビニル樹脂パイプの全面が露出するまでの洗浄時間(分)を測定した。
【0039】
圧力が0.01MPa(実施例6)の場合の結果を表8に示し、圧力が0.1MPa(比較例3)の場合の結果を表9に示した。
【0040】
【表8】

表8に示したように、実施例6においてはスライムの洗浄を過炭酸ナトリウム水溶液により0.01MPaという減圧状態で行ったことから、塩化ビニル樹脂パイプの一部が露出し始めるまでの時間が2.5分という短時間であるとともに、塩化ビニル樹脂パイプの全面が露出するまでの時間が15分以内という短時間の結果が得られた。
【0041】
【表9】

一方、表9に示したように、比較例3ではスライムの洗浄を過炭酸ナトリウム水溶液により常圧で行ったことから、塩化ビニル樹脂パイプの一部が露出し始めるまでの時間が90分〜120分以上という長い時間を要するとともに、塩化ビニル樹脂パイプの全面が露出するまでの時間も120分以上という長時間を要する結果であった。
【0042】
なお、前記実施形態を次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記洗浄液を強制的に撹拌したり、循環させたりしてスライムの剥離や酸化、分解を促進するように構成することもできる。
【0043】
・ 前記洗浄剤の過酸化物によるスライムの剥離及び酸化、分解を促進させるため、洗浄液を加熱したりすることができる。
・ 前記洗浄時における減圧状態は、減圧度を徐々に高めたり、徐々に低くしたり等、スライムの溶解程度によって適宜変化させることができる。
【0044】
・ 前記洗浄剤としての過酸化物を、スライムの種類等に応じて複数の過酸化物を選択し、それらを組合せて使用することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器又は配管の内壁面に付着したスライムに洗浄剤としての過酸化物を作用させてスライムの洗浄を行うにあたり、該洗浄を減圧状態で行うことを特徴とするスライムの洗浄方法。
【請求項2】
前記過酸化物は過酸化水素又は過炭酸ナトリウムであることを特徴とする請求項1に記載のスライムの洗浄方法。
【請求項3】
前記過酸化水素又は過炭酸ナトリウムを水溶液として用い、水溶液中の過酸化水素又は過炭酸ナトリウムの濃度は、0.1〜10質量%であることを特徴とする請求項2に記載のスライムの洗浄方法。
【請求項4】
前記減圧状態の圧力は、0.001〜0.09MPaであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のスライムの洗浄方法。

【公開番号】特開2013−49037(P2013−49037A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189826(P2011−189826)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(511212712)株式会社 ダイユー (3)
【出願人】(500433225)学校法人中部大学 (105)
【出願人】(000195111)ショーワ株式会社 (10)
【Fターム(参考)】