説明

スラックス

【課題】 すっきりとした美しい外観となるスラックスを提供することを目的とする。
【解決手段】 裏地11は左側身頃布地11Lと右側身頃布地11Rの2つの部材からなり、これらがそれぞれ伸縮性を有する1枚布で構成されている。裏地11の縫着箇所は、ウエストの周部分14g,15g、ファスナー取付け部分14a,15a、ファスナー取付け部分の下の正面中央線14b,15b、背面中央線14f,15f、内股線14c,14e,15c,15eのみであり、ダーツや布地を重ね付けした部分は存在しない。従って裏地11に凹凸が殆どなく、外観がすっきりする。また裏地11によって身体を適度に締め付け多少体形の矯正が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はスラックスに関するものであり、特に外観のシルエットを美しく見せることのできるスラックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にスラックスには裏地が設けられており、これには、下着の透け防止や滑りを良好にする目的や、表地がウール素材の場合等においてウールのチクチク感を遮断する目的がある。裏地の材料には、ポリエステル製織物やキュプラ製織物若しくはレーヨン製織物が専ら用いられ、表地に対して、ウエスト周部分とファスナーの取付け部分で縫着されている。またウエスト部分はヒップ部分に対して周が短いから、ヒップ部周りの長さに合わせて布地を裁断し、ウエスト部分の余剰分をダーツにより縮め、ヒップの膨らみを確保している(従来例[1])。
【0003】
ところで最近では、スラックスのうちのカルソンパンツにおいて、表地の裏面にガードル部を縫着したものが提案されている。具体的には、ストレッチネットとパワーネットをヒップ下の箇所で2重になる様にして表地の裏側に重ね、これらをウエスト周辺部及び外脇縫目や股間の内脇縫目で表地に縫いつけたもの(例えば特許文献1参照)や、強弾性を有する生地を脚袖付きガードルの形状とし、このガードル部を表地に対して正・背面中心線及び股刳り部並びにガードル部の股下縫合線の最下位置で縫着したもの(例えば特許文献2参照)が提案されている(従来例[2])。これらは、体形が或る程度そのまま外観に表れるカルソンパンツにあって、身体をガードル部によって引き締め、カルソンパンツ表地をガードル部に沿わせる様にすることで、上記矯正したヒップ形状を外に現す様にしたものである。
【0004】
上記ガードル部付きカルソンパンツの場合は、これを履くことで綺麗なヒップラインを実現する人がいる反面、上記の如く表地がガードル部に沿う様に縫着されているので、着用者のヒップ形状によっては殊にヒップの下部分において表地が引き連れた様になり、却って望ましくないヒップ部分の外観となる場合がある。
【0005】
また上記カルソンパンツの場合は、ファスナーがなく、脱ぎ着する際には生地を引き伸ばしつつ引き下げ/引き上げるものであるから、弾性の強い生地を用いることが可能なのであるが、ファスナーを用いたスラックスにおいては、強い弾性生地によって引っ張られるからファスナーが閉まり難く、また閉めた状態においてもファスナーが引っ張られて引きつった様になり、壊れ易くなる虞がある。
【0006】
これらの欠点のないものとして、特許文献3には、ファスナーを有する通常のスラックスやキュロットスカートにおいて、表地に対してガードル部をウエスト周り及び前立部横の部分(ファスナー取付箇所の横部分)で縫着したものとし、このガードル部に線状の腹部矯正帯状部やヒップアップ矯正帯状部を取り付け、これにより体型の矯正を行うと共に、腹中心部やウエスト周りの帯状部には引きの弱い生地を用いたものが提案されている(従来例[3])。該スラックスの場合は、表地に対してガードル部が股下部や外脇線では縫着されておらず、縫着箇所が比較的上方部分に留まるから、スラックスのヒップ下部分に引き連れが生じることがなく、また上記の如く線状の腹部矯正帯状部やヒップアップ矯正帯状部を除いて、腹中心部やウエスト周りに引きの弱い生地が用いられているので、ファスナーの開閉が容易となるというものである。
【特許文献1】特許第3008616号公報(例えばその段落[0013]〜[0018])
【特許文献2】特許第2794626号公報(例えば請求項1,段落[0013],[0016])
【特許文献3】特許第2670567号公報(例えばその段落[0003],[0011]〜[0014])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、殊に表地として薄手の柔らかな生地を用いた場合には、ガードル部において補強の為に布地や帯状部を重ね付けした箇所等が存在したり、弾性力の異なる布地を接ぎ合わせる為の縫着箇所が存在したり、また裏地のダーツ部分の様に布地が重ねられた箇所が存在すると、当該箇所が分厚くなる為にこの凹凸が外観に響き、美しいシルエットを損ねることとなる。
【0008】
そこで本発明においては、外観に余分な凹凸の表れないすっきりとした美しいシルエットを呈するスラックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るスラックスは、表地の裏側に腹・ヒップ部回りないし太もも部を有する裏地を備え、ウエスト位置を起点とした縦方向のファスナーを有するスラックスにおいて、前記表地に対する前記裏地の縫着が、ウエストの周部分と前記ファスナーの取付け部分でのみなされ、前記裏地が、左側身頃布地と右側身頃布地の2つの部材からなり、該左・右側身頃布地がそれぞれ伸縮性を有する1枚布で構成され、これら左側身頃布地と右側身頃布地の互いの縫着が、前記ファスナー取付け部分での縫着を除く正面及び背面中央線においてなされ、且つ該左側身頃布地及び該右側身頃布地の太もも部の内股線において筒体を形成する様に縫着されたものであり、前記裏地における縫製箇所が、前記表地に対する前記縫着箇所と、前記左・右側身頃布地の互いの前記縫着箇所と、前記太もも部の内股線の前記縫着箇所のみであることを特徴とする(以下、これを本第1の発明と称することがある)。
【0010】
或いは本発明に係るスラックスは、表地の裏側に腹・ヒップ部回りないし太もも部を有する裏地を備え、ウエスト位置を起点とした縦方向のファスナーを有するスラックスにおいて、前記表地に対する前記裏地の縫着が、ウエストの周部分と前記ファスナーの取付け部分でのみなされ、前記裏地が、左側身頃布地と右側身頃布地の2つの部材からなり、該左・右側身頃布地がそれぞれ伸縮性を有する1枚布で構成され、これら左側身頃布地と右側身頃布地の互いの縫着が、前記ファスナー取付け部分での縫着を除く正面及び背面中央線においてなされたものであり、前記裏地における縫製箇所が、前記表地に対する前記縫着箇所と、前記左・右側身頃布地の互いの前記縫着箇所のみであることを特徴とする(以下、これを本第2の発明と称することがある)。尚この本第2の発明における本第1の発明との違いは、該本第2の発明では太もも部の内股線の縫着箇所がないという点であり、他は同じである。
【0011】
上記本第1,2の発明では、上述の様に表地に対する裏地の縫着がウエストの周部分とファスナーの取付け部分のみであるから、上記従来例[2]の様にヒップの下部分において表地が引き連れることがない。また上記裏地は、通常のガードル程の締め付け力はないものの、伸縮性を有する布であるから、適度にヒップや腹を引き締めることができ、美しいシルエットを現出できる。そしてこの裏地の上に表地がふわりと載ることで、締め付け作用のある裏地に表地がぴったりと沿ったものよりも、却ってヒップラインが美しく見える。加えてこの様に裏地が過度に締め付けるものでないから、スラックスのファスナーの開閉操作もらくに行える。
【0012】
更に裏地の縫着箇所が、上記の如く本第2の発明では表地に対する前記縫着箇所と、左・右側身頃布地の互いの前記縫着箇所のみであり、本第1の発明ではこれらに加えて太もも部の内股線の縫着箇所のみであって、通常のスラックスの裏地の様なダーツが設けられておらず、且つ左・右側身頃布地がそれぞれ1枚布で構成されて縫い合わせ箇所が非常に少ないから、ダーツ部分や縫い合わせ部分による隆起が無く、従ってその分、表地に凹凸がうつらずにすっきりとした外観となる。殊に表地が柔らかい薄手生地の場合には裏地の凹凸がうつり易いことから、本第1,2の発明は特に有効である。
【0013】
そしてダーツを設けなくても、裏地の左・右側身頃布地は伸縮性を有する布であるから、ウエストサイズに合わせて布地を裁断し、ヒップ部の膨らみについては該裏地が伸びることによってサイズの確保が可能である。
【0014】
上記の様に左・右側身頃布地(裏地)が伸びることにより適度なフィット感を得ることができるものであるところ、この裏地のストレッチ方向としては経方向,緯方向のいずれか一方でも良いが、2方向にすることで一層効果が明確になる。また左・右側身頃布地(裏地)の伸長率(JIS L1096:1999 B法(定荷重法))としては50%以上が望ましく、より望ましくは80%以上であり、より一層望ましくは100%以上である。但し、あまりに伸長率が高すぎると、寸法安定性が悪くなる懸念があるので、300%以下であることが好ましく、より好ましくは250%以下である。そして最も好ましくは150%〜180%である。他方、スラックス使用時の着用感や見栄え等を良好にする(殊に復元性が悪いために伸びきった様になる状態、所謂ワライの問題が起こらない様にする)為には、伸長回復率(JIS L1096:1999 B−1法(定荷重法)、伸長回復率は30秒後の値を測定)が80%以上であることが望ましく、より好ましくは85%以上であり、より一層好ましくは90%以上である。更に実質的に100%であることが最も好ましいが、実際には通常99%以下である。
【0015】
加えて本第1,2の発明においては、前記左側身頃布地及び前記右側身頃布地における脚袖端部分が、それぞれヘム組織となったものであることが好ましい。この様にヘム組織とすることにより、裾部分の解けが生じない。勿論、裾纏りがないから、裾纏りの厚みが表にうつることがない。
【0016】
更に本第1,2の発明においては、前記左側身頃布地及び前記右側身頃布地が編物により構成されたものであって、収縮力が異なる部分を有するものであることが好ましい。例えばヒップの下部分等の様に強く締め付けたい箇所について、そこの収縮力を高くすることにより、体形をより好ましい形状に補正することが可能となる。
【0017】
この様な収縮力にグラデーションのある構成の編物としては、例えば特公平7−116663号公報に開示されたもの等が挙げられ、つまり、非伸縮性繊維糸と、伸縮力の異なる2種以上の伸縮性繊維糸とを交編することにより、高伸縮力糸を含む部分と低伸縮力を含む部分を形成する伸縮性編地とし、上記両部分の境界部分について、高伸縮糸のバンド部と低伸縮糸のバンド部が交互に混在させる様にし、且つこの高伸縮糸のバンド部の幅を、低伸縮糸を含む部分に向かって段階的に小さくしたものが挙げられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、裏地にダーツを設ける必要がなく、また2重布部分がなく、縫製箇所が非常に少ないので、裏地に凹凸が殆どなく、従ってたとえ表地が薄手の柔らかな生地であっても、凹凸うつりの殆ど無いすっきりとしたシルエットを呈する。しかも裏地によって適度に体形を補正することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1に係るスラックス10を表す正面図である。図2は該スラックス10における裏地11の生地の平面図であって、その(a)は右側身頃布地11R、(b)は左側身頃布地11Lを表している。
【0020】
該スラックス10は表地12と裏地11から構成され、スラックス10の前部分には、ウエスト位置を起点とした縦方向のファスナー13が設けられている。
【0021】
上記裏地11は腹・ヒップ部回り11L1,11R1ないし太もも部11L2,11R2に至るものであって、該裏地11の左側身頃布地11Lと右側身頃布地11Rはそれぞれ1枚布で構成されている(図2)。尚太もも部11L2,11R2は、太もも中央の細くなった箇所辺りまでの長さである。
【0022】
該裏地11は表地12の裏側に設けられており、表地12に対する裏地11の縫着箇所は、ウエストの周部分14g,15gと、ファスナー13の取付け部分14a,15aのみであり、通常の裏地の表地に対する縫い合わせ方と同じである。
【0023】
左側身頃布地11Lと右側身頃布地11Rの互いの縫着は、ファスナー取付け部分の下の正面中央線(正面中央線のうちのファスナー13取付け部分14a,15aを除いた箇所)14b,15bと、背面中央線14f,15fのみでなされている。また左側身頃布地11L自身において太もも部11L2の内股線14c,14eが縫着されて筒体を形成し、右側身頃布地11R自身において太もも部11R2の内股線15c,15eが縫着されて筒体を形成している。尚上記背面中央線14f,15fの下方部分において縮める様にシャーリングを入れた縫着としても良い。
【0024】
左側身頃布地11L及び右側身頃布地11R(裏地11)の素材は、ポリエステル糸とポリウレタン糸が交編された伸縮性の経編地であって、伸長率が180%、伸長回復率が90%であり、脚袖端部分14d,15dがヘム組織となっている。またこれら左側身頃布地11L及び右側身頃布地11R(裏地11)の色はベージュ色である。
【0025】
尚、ヘム組織を備えた編地の作製法としては、例えば、所定サイズの伸縮性経編地片と伸縮性経編地片の間に、少なくとも1ウエールの鎖編みによる抜き糸を配置し、この抜き糸によって上記両伸縮性経編地片の耳部の糸を絡ませて、これら伸縮性経編地片を結合する様にして伸縮性経編地を製編するという方法が挙げられる。そして上記抜き糸の箇所が左・右側身頃布地11L,11Rの脚袖端部分14d,15dに位置する様に裁断することにより、脚袖端部分14d,15dがヘム組織となったものが得られる。
【0026】
表地12は、例えばポリエステルベネシャンやポリエステルツイルからなる薄手の柔らかい織物であり、例えば色はベージュ色である。
【0027】
図3の(a)は裏地11を表す正面図、(b)は背面図であり、裏地11の縫着箇所を××で示し、また表地12を仮想線(2点鎖線)で示している。裏地11の縫着箇所は上記の通り、ウエストの周部分14g,15g、ファスナー取付け部分14a,15a、ファスナー下正面中央線14b,15b、背面中央線14f,15f、内股線14c,14e,15c,15eのみであり、ダーツや布地を重ね付けした部分は存在しない。
【0028】
従って裏地11には凹凸が殆どなく、しかも内股線14c,14e,15c,15eやファスナー下正面中央線14b,15b及び背面中央線14f,15fの下方部分は脚の内側となって殆ど隠れるから、外観される凹凸は背面中央線14f,15fの上方部分しかない。従って表地12に裏地11の凹凸が殆ど表れず、すっきりとしたシルエットを呈する。更に上記裏地11はベージュ色であるから、表地がベージュ色やその他の淡色或いは白色等の様に透け易い生地であっても、色映りが殆どない。よって実施形態1のスラックス10においてはあたかも裏地が存在しないかの如くの外観となる。
【0029】
加えて裏地11(左側身頃布地11L,右側身頃布地11R)は伸縮性があるので、適度に腹部や臀部を締め付けることができ、着用者の体形を幾ばくか矯正することができ、しかもウエスト周り及びファスナー取り付け部分以外は表地12と切り離されているので、裏地11による締め付けが表地12を引っ張ると言うことがなく、裏地11の上に表地12がそっと重なる様になるので、外から美しいシルエットとして見える。
【0030】
一方伸縮性が過度にある訳ではないので、ファスナー13の開閉操作に際して引っ張られて閉め難いということがなく、また閉じた状態のときファスナーがはちきれた様になることもなく、ファスナーを殆ど痛めない。
【0031】
加えて実施形態1のスラックスの製造にあたって、表地12に対する裏地11の縫着箇所は通常の裏地の縫着箇所と全く同じであるから、製造工程数を簡略化できる。
【0032】
<実施形態2>
本実施形態2のスラックスは、裏地の左側身頃布地及び右側身頃布地として、太もも部分が筒状に製編された編地を用いたものであり、これ以外は上記実施形態1と同じ構成である。
【0033】
尚上記の様に実施形態2のスラックスでは太もも部分が筒状となった左・右側身頃布地であるから、上記実施形態1における内股線14c,14e,15c,15eの縫着箇所がないものとなる。
【0034】
本実施形態2のスラックスにおいても、裏地が適度に身体を締め付けて体形を多少矯正することができ、また裏地の伸縮性は弱いものであるから、ファスナーの開閉に支障を生じない。加えて表地に裏地の凹凸が殆ど表れず、すっきりとした外観のシルエットとなる。
【0035】
以上、例を挙げて本発明をより具体的に説明したが、本発明はもとより上記例によって制限を受けるものではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0036】
例えば上記実施形態では裏地11の色をベージュ色としたが、表地の色に合わせた色としても良い。そして表地の色としては、上記実施形態の如くベージュ色等の淡色や白色に限らず、黒色などの濃色であっても構わない。また表地12の素材としても上記実施形態の如く薄手の柔らかな素材に限らず、様々な生地を適用でき、例えばウールや綿,ナイロン(ポリアミド系合成繊維)製織物等のあらゆる織物、また比較的ハイゲージの編物も適用可能である。
【0037】
更に上記実施形態では裏地11の太もも部11L2,11R2の長さとして太もも中央辺りのものを示したが、これよりも短いものであっても良く、或いは膝の近くまで至る長いものであっても良い。
【0038】
また上記実施形態の様にファスナーが正面中央に設けられたものに限らず、例えば左脇に設けられたものであっても良い。尚この場合、左側身頃布地と右側身頃布地の縫着における正面中央線の箇所についてはその全域が縫着されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態1に係るスラックスを表す正面図である。
【図2】実施形態1のスラックス10における裏地11の生地の平面図である。
【図3】(a)は実施形態1の裏地を表す正面図、(b)は該裏地を表す背面図である。
【符号の説明】
【0040】
10 スラックス
11 裏地
11L 左側身頃布地
11R 右側身頃布地
11L1,11R1 腹・ヒップ部回り
11L2,11R2 太もも部
12 表地
13 ファスナー
14a,15a ファスナー取付け部分
14b,15b ファスナー取付け部分の下の正面中央線
14c,14e,15c,15e 内股線
14d,15d 脚袖端部分
14f,15f 背面中央線
14g,15g ウエストの周部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表地の裏側に腹・ヒップ部回りないし太もも部を有する裏地を備え、ウエスト位置を起点とした縦方向のファスナーを有するスラックスにおいて、
前記表地に対する前記裏地の縫着が、ウエストの周部分と前記ファスナーの取付け部分でのみなされ、
前記裏地は、左側身頃布地と右側身頃布地の2つの部材からなり、該左・右側身頃布地がそれぞれ伸縮性を有する1枚布で構成され、
これら左側身頃布地と右側身頃布地の互いの縫着が、前記ファスナー取付け部分での縫着を除く正面及び背面中央線においてなされ、
且つ該左側身頃布地及び該右側身頃布地の太もも部の内股線において筒体を形成する様に縫着されたものであり、
前記裏地における縫製箇所が、前記表地に対する前記縫着箇所と、前記左・右側身頃布地の互いの前記縫着箇所と、前記太もも部の内股線の前記縫着箇所のみであることを特徴とするスラックス。
【請求項2】
表地の裏側に腹・ヒップ部回りないし太もも部を有する裏地を備え、ウエスト位置を起点とした縦方向のファスナーを有するスラックスにおいて、
前記表地に対する前記裏地の縫着が、ウエストの周部分と前記ファスナーの取付け部分でのみなされ、
前記裏地は、左側身頃布地と右側身頃布地の2つの部材からなり、該左・右側身頃布地がそれぞれ伸縮性を有する1枚布で構成され、
これら左側身頃布地と右側身頃布地の互いの縫着が、前記ファスナー取付け部分での縫着を除く正面及び背面中央線においてなされたものであり、
前記裏地における縫製箇所が、前記表地に対する前記縫着箇所と、前記左・右側身頃布地の互いの前記縫着箇所のみであることを特徴とするスラックス。
【請求項3】
前記左側身頃布地及び前記右側身頃布地における脚袖端部分が、それぞれヘム組織となったものである請求項1または2に記載のスラックス。
【請求項4】
前記左側身頃布地及び前記右側身頃布地が編物により構成されたものであって、収縮力が異なる部分を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載のスラックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−200049(P2006−200049A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−10377(P2005−10377)
【出願日】平成17年1月18日(2005.1.18)
【出願人】(000003160)東洋紡績株式会社 (3,622)
【出願人】(591038820)株式会社デサント (42)
【出願人】(000000147)伊藤忠商事株式会社 (43)