スラブ構成板材の製造方法、ボイド保持装置、ボイド及びスラブ構成板材
【課題】ボイドの位置決めをするための構造をスラブ内に設けることなく、ボイドを所望の位置に位置決めしたスラブ構成板材を提供する。
【解決手段】格子体s1の枡に応じて配置された状態でボイドAを保持するボイド保持装置8を設け、格子体s1上に打設された生コンクリート71に、ボイド保持装置8によって、ボイドAを押し込む。これにより、ボイドAの溝A1に生コンクリート71が侵入し、生コンクリート71を硬化させて構成されたスラブ構成板材では、溝A1でコンクリートとボイドAが係合し、ボイドAはコンクリート側に確実に固定される。
【解決手段】格子体s1の枡に応じて配置された状態でボイドAを保持するボイド保持装置8を設け、格子体s1上に打設された生コンクリート71に、ボイド保持装置8によって、ボイドAを押し込む。これにより、ボイドAの溝A1に生コンクリート71が侵入し、生コンクリート71を硬化させて構成されたスラブ構成板材では、溝A1でコンクリートとボイドAが係合し、ボイドAはコンクリート側に確実に固定される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイドが埋め込まれたスラブ製造方法、該製造方法に用いられるボイド保持装置、該製造方法に用いられるボイド及びスラブ構成板材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡スチレン等からなる矩形、球体等に形成されたボイドと称される成形物をコンクリートスラブ内に埋設したコンクリートスラブが公知となっている。このコンクリートスラブは、ボイドによって軽量化が図られ、床スパンを大きく取ることが出来る等の利点を有する。
ところで、スラブの強度を維持させるために、鉄筋の周囲に十分なコンクリートが存在する必要があり、ボイド表面と鉄筋の距離が所定距離以上離れていなければならないため、ボイドの位置を正確に設定する必要がある。
【0003】
一方、生コンクリートに対するボイドの比重が極めて小さいため、コンクリート打設時にボイドに浮力が作用し、生コンクリート内でのボイドの位置を高い精度で保持することが難しいといった問題があった。万一、生コンクリート打設時に、ボイドの位置が狂い、ボイドと鉄筋が所定距離以下に接近するようなことがあると、設計上期待される強度が得られなくなるといった不都合が生じる。
このため、従来では、特許文献1に記載されているように、格子状に組みつけられた鉄筋において、縦横の鉄筋で仕切られた升目ごとにボイドを配置し、鉄筋に一体的に固定されたパネルバスケット型にボイドを収容し、位置決めする構造が提案されている。
【特許文献1】特開2005−315065号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている技術では、ボイドを固定するための位置決め装置としてパネルバスケット型が用いられているが、この位置決め装置を設けることによって、重量が増加するといった問題があった。これは、軽量化という、ボイドを埋設する目的に反するものであり、ボイドを設けることにより発揮される効果を減殺する構造となっていた。
【0005】
本発明の目的は、ボイドの位置決めをするための構造をスラブ内に設けることなく、ボイドを所望の位置に位置決めし得るスラブ構成板材の製造方法、ボイド保持装置、該製造方法に用いられるボイド及びスラブ構成板材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
(1) 格子状に組み付けられた鉄筋と、
前記鉄筋の間に設けられるボイドと、
が埋設されたスラブ構成板材を形成するための方法であって、
水平に配置された型枠内の底面に沿って鉄筋を格子状に配置し、
前記型枠内へ、前記鉄筋が埋まるまで生コンクリートを打設し、
生コンクリートが侵入可能であって、侵入硬化したコンクリートによって、コンクリートからの離脱が抑制される係止部を下部に備えるボイドを格子体の各枡毎に配置し、
前記配置された各ボイドの下部を前記打設された生コンクリート内へ圧入し、
前記圧入された各ボイドを圧入した位置に固定し、
前記打設された生コンクリートを硬化させることを特徴するスラブ構成板材の製造方法。
【0007】
(2) 格子状に組み付けられた複数の鉄筋と、
隣接する鉄筋で画成された各枡に対応して、それぞれ配置されるボイドと、
が埋設されたスラブ構成板材を形成するための方法に用いられる装置であって、
前記枡の位置に応じた位置にそれぞれ配置され、ボイドを保持する保持部を複数有する本体を備え、
前記本体は、前記各保持部内に設けられ、保持されたボイドを前記保持部内に一時的に固定する固定手段とを有し、
前記固定手段は、所定値以上の力で離脱方向へ引き出すことにより、固定状態が解除されることを特徴とするボイド保持装置。
【0008】
(3) スラブ内に埋設されるボイドであって、
生コンクリート内に没する下部に設けられ、生コンクリートが硬化した際には、硬化したコンクリートに係合し、コンクリートからの離脱を抑制する係止部を有することを特徴とするボイド。
【0009】
(4) 2つの梁の間に架設されるスラブ構成板材であって、
板状本体の一方の側面に沿って埋設され、縦横に組み付けられた複数の鉄筋と、
架設される梁に対して交差する方向に配列され、頂点部が梁の反対側に突出している複数のトラス筋と、
隣接する前記鉄筋で画成された枡の位置に配置され、一端部がコンクリート内に埋没し、他端部が板状本体の他方の側面に露出している複数のボイドと、
を有することを特徴とするスラブ構成板材。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、型枠に投入された生コンクリートに、係止部が設けられたボイド下部を押し込むことによって、係止部に生コンクリートが侵入する。侵入した生コンクリートが硬化することで、係止部において硬化したコンクリートからボイドが離脱不能な状態となり、ボイドと硬化したコンクリートは一体化される。これにより、ボイドは押し込まれた位置において位置決めされる。このように、位置決めされたボイドは、次に生コンクリートが打設された際、最初に打設され、硬化したコンクリートによって固定されているので、浮力により移動することなく、適正な位置でスラブ内に埋設される。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、ボイドを保持部内に固定させることによって、予め格子体の枡に応じた位置に複数のボイドを同時に配置させることができ、各枡内でのボイドの生コンクリートへの押し込みが容易となる。さらに、生コンクリートの硬化後は、本体を上昇させることにより、固定手段の固定状態が解除され、容易にボイドを保持部から離脱させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、ボイドに硬化したコンクリートと係合し得る係止部を形成することにより、生コンクリート硬化後は、係止部によってコンクリートに固定されることとなり、ボイドを鉄筋側に固定して位置決めするための特別の構成を要せずに、ボイドの位置決めが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、鉄筋に対して、適正な位置にボイドが予め固定されているため、更に生コンクリートを打設する際に、ボイドが動くことがなく、スラブを作り上げる作業が容易となる。また、ボイドを位置決めするための固定具が用いられていない為、軽量となり、建設現場における設置作業が容易となり、作業の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の好適実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、ボイドスラブを成形する手順を示すための分解斜視図、図2は、ボイドスラブ1の内部構造を示す全体斜視図である。
ボイドスラブ1は、図2に示されているように、内部にスラブ骨格Sを有している。スラブ骨格Sは、下側の格子体s1と上側の格子体s2と、各格子体s1、s2の間に配置された、3角形状のトラス筋6とを備えている。
【0014】
下側の格子体s1は、主筋下端鉄筋5aと配力筋下端鉄筋4aとが直交して格子状に組み合わされて構成され、上側の格子体s2は、主筋上端鉄筋5bと配力筋上端鉄筋4bとが直交して、下側と上側とで同じ格子形状に組み合わされた構成となっている。そして、配力筋下端鉄筋4a,主筋下端鉄筋5a,配力筋上端鉄筋4b,主筋上端鉄筋5bによって、多数の平面格子状に組立てられた格子空間Gが形成され、該空間G内に、球形のボイドAが収容された構成となっている。
下側の格子体s1と上側の格子体s2との間には、3角形状のトラス筋6が設けられ、格子体s1と格子体s2との間隔を維持している。
【0015】
このように構成されたスラブ1は、以下のような手順で、構造物内に構築される。図3は、型枠9の正面断面図である。図1、図3に示されているように、型枠9の底面に沿って、下側の格子体s1を配置する。格子体s1と底面との間には、鉄筋が組み上げて構成されたスペーサs3が配置され、格子体s1と底面との間に隙間が形成される。格子体s1の対向する端辺には、三角形状に屈曲形成された2つのトラス筋6a、6bを一組して所定間隔で立設されており、頂点部が上方へ向くように配置されている。2つのトラス筋6a、6bは、格子体s1の対向する短辺にそれぞれ配置された2つの主筋下端鉄筋5a1、5a2上に固定され、頂点において相互に接続された構成となっており、全体として四角推形状となるように構成されている。このように複数個配置されたトラス筋6の各頂点には、これらを連結する連結筋5cが載置され、各トラス筋6に溶接固定されている。これにより、主筋下端鉄筋5a1、5a2、トラス筋6、連結筋5cによって、トラスが形成され、曲荷重に対する剛性が確保される。トラス筋6で構成されるトラスは、必ずしも両端に設けられていなくても良い。
【0016】
図1に示される型枠9の状態で、格子体s1が埋まる程度(図3参照)まで、生コンクリート71を打設する。図3に示されているように、ボイドAを予め保持したボイド保持装置8を上方から生コンクリート71へ向けて下降させ、ボイドAの下部(例えば、ボイドAの体積の1/3〜1/2程度)が生コンクリート71内に浸かるまでボイドAを生コンクリート71内へ押し込む。
【0017】
ボイド保持装置8は、生コンクリート71が硬化するまで、上記押し込んだ位置で固定される。ボイド保持装置8は、例えば型枠9に対して固定される。固定方法としては、型枠9とボイド保持装置8の側面において、対向する位置にフックを設け、固定位置において相互が離れないように、上下方向の移動を抑止する構成のものであればよい。ボイド保持装置8の平面形状は、型枠9の内法に合わせた形状に構成される。
つまり、ボイド保持装置8を、上記ボイドAを生コンクリート内へ押し込んだ位置とした(図9の位置)際、ボイド保持装置8は、型枠9の内側に嵌り込み、ボイド保持装置8の水平方向の位置(即ち、ボイドAの水平方向の位置)は、型枠9によって位置決めされる構成となっている。
【0018】
図4に示されているように、ボイド保持装置8は、格子体s1の主筋下端鉄筋5aと配力筋下端鉄筋4aで画成された矩形の枡ss1にそれぞれ対応した位置に、ボイドAを保持する保持部81を備えており、ボイド保持装置8によって生コンクリート71に押し込まれたボイドAは、それぞれ枡ss1の内側に配置される。
【0019】
図5は、ボイドAの正面図及び断面正面図である。ボイドAは、図5(A)に示されているように、球形に形成され、発泡スチレン等から構成されている。ボイドAの下部には、周方向に溝A1が形成され、係止部が構成されている。この溝A1に生コンクリート71が侵入し、硬化することによって、溝A1と硬化したコンクリートが係合し、ボイドAはコンクリートに固定される。溝A1は、全周に渡って連続して設けられている必要はなく、等間隔で周方向に設けられていてもよい。
【0020】
図6は、係止部の他の構成を示すボイドAの正面図及び断面側面図である。ボイドAの下部に水平に3角形状の孔A2が形成され、係止部が設けられている。この孔A2の部分を生コンクリート71内に押し込むことによって、孔A2内に生コンクリート71が侵入し、これが硬化することによって、硬化したコンクリートにボイドAが固定される。
また、係止部は、上記のような凹部でなくてもよく、表面から突出した凸部あってもよい。いずれの場合にも、水平面か、上側に望む面を有する部分を設けることにより、該面に生コンクリートが接触して硬化することで、ボイドAの位置決めが可能となる。
【0021】
このようなボイドAは、固定手段82を介して、ボイド保持装置8の保持部81内に一時的に固定される。図7及び図8は、ボイド保持装置8の保持部81の断面図である。保持部81は、ボイドAの外周形状に沿って形成された球面状の凹部となっており、その頂点部に、ファスナー82aが設けられている。一方ボイドAの頂点部にもファスナー82aに係合するファスナー82bが設けられている。ファスナー82aとファスナー82bの結合強度は、ボイドAの自重により生じる力よりも強く、ボイドAが係止部により硬化したコンクリートに固定されている力よりも小さい強度に設定されている。
保持部81の形状は、ボイドAの表面形状に沿って湾曲しているので、ボイドAを生コンクリート71へ押し込む際に、ボイドAに加わる圧力を分散でき、ボイドAの変形を抑制することができる。
【0022】
生コンクリート71が硬化した後、ボイド保持装置8を引き上げると、各ボイドAは、コンクリート側に固定されているので、固定手段のファスナーが解除されて、図9に示されているように、ボイドAはコンクリート71側に残る。図10に示されているように、型枠9を取り除くことにより、ハーフPC工法に用いられるハーフPC(プレキャストコンクリート)材2が得られる。
このようなハーフPC材2は、トラス筋6の上端部と連結鉄筋5c、及び各ボイドAの上半分が片側面上に露出した構成となっている。トラス筋6と連結筋5cによって構成されるトラスによって、ハーフPC材2に加わる曲荷重に対する強度が補強されている。
【0023】
上記スラブ構成板材としてのハーフPC材を、製造工場等、製造施設が用意された場所で多数製造し、これを建設現場へ輸送する。建設現場において、ハーフPC材を床材として架設する。図11は、架設されたハーフPC材2の状態を示す斜視図である。図11に示されているように、梁上に複数のハーフPC材2を隣接させて架設する。両端辺に沿って配置されている複数のトラス筋6上に、等間隔で複数の配力筋上端鉄筋4bを載置固定し、その上に等間隔で複数の主筋上端鉄筋5bを載せる。
【0024】
主筋上端鉄筋5bと配力筋上端鉄筋4bとによって、格子体s2が構成され、隣接する主筋上端鉄筋5bと配力筋上端鉄筋4bとによって、枡ss2が構成される。枡ss2は、枡ss1に対向する位置に配置され、枡ss2と枡ss1との間にボイドAの中心が位置するように配置される。
なお、配力筋上端鉄筋4bは、複数のハーフPC材2を跨いで配置され、交差する各主筋上端鉄筋5bにそれぞれ固定される。上記格子体s2を組み付けた後、生コンクリートを打設する。この際、既にボイドAは、最初に打設したコンクリートに固定され、位置決めされているため、ハーフPC材2の上に打設した際には動くとこなく、格子体s2の鉄筋等との間隔が適切な距離となるように維持される。
【0025】
図12に示されているように、最後に打設した生コンクリートが硬化する(硬化した部分は符号72で示す)ことによって、スラブ1が完成する。この際、ボイドAを位置決めするために設けられる特別の構造物を含んでいないので、スラブ1の軽量化を一層図ることができる。
さらに、図13及び図14は、固定手段の他の構成を示す断面図である。ボイドAが、発泡スチレン等の軟性の物質である場合には、保持部81の頂点部に、先端が鋭利なピン82cを設け、ピン82cの周囲に凸部821を設ける。保持部81にボイドAを装着する場合には、係止部が設けられた下部を下側にして、保持部81にボイドAを押し込む。これにより、ピン82cがボイドAの頂点に刺さり、ピン82cの凸部821がボイドAとの間の摩擦抵抗を強くさせ、ボイドAの自重程度ではピン82cが抜けない構成となっている。ボイドAがコンクリートに係合した場合には、容易にピン82cは、ボイドAから抜けるため、ボイドAの離脱は容易になされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】製造工程を示すボイドスラブの分解斜視図である。
【図2】ボイドスラブの全体透視斜視図である。
【図3】型枠の正面断面図である。
【図4】ボイド保持装置の部分拡大斜視図である。
【図5】ボイドの全体図である。
【図6】ボイドの他の構成例を示す全体図である。
【図7】ボイド保持装置の部分断面図である。
【図8】ボイド保持装置の部分断面図である。
【図9】型枠に打設した状態を示す正面断面図である。
【図10】ハーフPC材の全体斜視図である。
【図11】ハーフPC材を配置した状態を示す斜視図である。
【図12】スラブとして完成された状態を示す正面断面図である。
【図13】固定手段の他の構成を示す断面図である。
【図14】固定手段の他の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ボイドスラブ
8 ボイド保持装置
81 保持部
82a、82b ファスナー(固定手段)
A ボイド
A1 溝(係止部)
S スラブ骨格
s1、s2 格子体
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイドが埋め込まれたスラブ製造方法、該製造方法に用いられるボイド保持装置、該製造方法に用いられるボイド及びスラブ構成板材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、発泡スチレン等からなる矩形、球体等に形成されたボイドと称される成形物をコンクリートスラブ内に埋設したコンクリートスラブが公知となっている。このコンクリートスラブは、ボイドによって軽量化が図られ、床スパンを大きく取ることが出来る等の利点を有する。
ところで、スラブの強度を維持させるために、鉄筋の周囲に十分なコンクリートが存在する必要があり、ボイド表面と鉄筋の距離が所定距離以上離れていなければならないため、ボイドの位置を正確に設定する必要がある。
【0003】
一方、生コンクリートに対するボイドの比重が極めて小さいため、コンクリート打設時にボイドに浮力が作用し、生コンクリート内でのボイドの位置を高い精度で保持することが難しいといった問題があった。万一、生コンクリート打設時に、ボイドの位置が狂い、ボイドと鉄筋が所定距離以下に接近するようなことがあると、設計上期待される強度が得られなくなるといった不都合が生じる。
このため、従来では、特許文献1に記載されているように、格子状に組みつけられた鉄筋において、縦横の鉄筋で仕切られた升目ごとにボイドを配置し、鉄筋に一体的に固定されたパネルバスケット型にボイドを収容し、位置決めする構造が提案されている。
【特許文献1】特開2005−315065号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載されている技術では、ボイドを固定するための位置決め装置としてパネルバスケット型が用いられているが、この位置決め装置を設けることによって、重量が増加するといった問題があった。これは、軽量化という、ボイドを埋設する目的に反するものであり、ボイドを設けることにより発揮される効果を減殺する構造となっていた。
【0005】
本発明の目的は、ボイドの位置決めをするための構造をスラブ内に設けることなく、ボイドを所望の位置に位置決めし得るスラブ構成板材の製造方法、ボイド保持装置、該製造方法に用いられるボイド及びスラブ構成板材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上のような問題を解決する本発明は、以下のような構成を有する。
(1) 格子状に組み付けられた鉄筋と、
前記鉄筋の間に設けられるボイドと、
が埋設されたスラブ構成板材を形成するための方法であって、
水平に配置された型枠内の底面に沿って鉄筋を格子状に配置し、
前記型枠内へ、前記鉄筋が埋まるまで生コンクリートを打設し、
生コンクリートが侵入可能であって、侵入硬化したコンクリートによって、コンクリートからの離脱が抑制される係止部を下部に備えるボイドを格子体の各枡毎に配置し、
前記配置された各ボイドの下部を前記打設された生コンクリート内へ圧入し、
前記圧入された各ボイドを圧入した位置に固定し、
前記打設された生コンクリートを硬化させることを特徴するスラブ構成板材の製造方法。
【0007】
(2) 格子状に組み付けられた複数の鉄筋と、
隣接する鉄筋で画成された各枡に対応して、それぞれ配置されるボイドと、
が埋設されたスラブ構成板材を形成するための方法に用いられる装置であって、
前記枡の位置に応じた位置にそれぞれ配置され、ボイドを保持する保持部を複数有する本体を備え、
前記本体は、前記各保持部内に設けられ、保持されたボイドを前記保持部内に一時的に固定する固定手段とを有し、
前記固定手段は、所定値以上の力で離脱方向へ引き出すことにより、固定状態が解除されることを特徴とするボイド保持装置。
【0008】
(3) スラブ内に埋設されるボイドであって、
生コンクリート内に没する下部に設けられ、生コンクリートが硬化した際には、硬化したコンクリートに係合し、コンクリートからの離脱を抑制する係止部を有することを特徴とするボイド。
【0009】
(4) 2つの梁の間に架設されるスラブ構成板材であって、
板状本体の一方の側面に沿って埋設され、縦横に組み付けられた複数の鉄筋と、
架設される梁に対して交差する方向に配列され、頂点部が梁の反対側に突出している複数のトラス筋と、
隣接する前記鉄筋で画成された枡の位置に配置され、一端部がコンクリート内に埋没し、他端部が板状本体の他方の側面に露出している複数のボイドと、
を有することを特徴とするスラブ構成板材。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、型枠に投入された生コンクリートに、係止部が設けられたボイド下部を押し込むことによって、係止部に生コンクリートが侵入する。侵入した生コンクリートが硬化することで、係止部において硬化したコンクリートからボイドが離脱不能な状態となり、ボイドと硬化したコンクリートは一体化される。これにより、ボイドは押し込まれた位置において位置決めされる。このように、位置決めされたボイドは、次に生コンクリートが打設された際、最初に打設され、硬化したコンクリートによって固定されているので、浮力により移動することなく、適正な位置でスラブ内に埋設される。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、ボイドを保持部内に固定させることによって、予め格子体の枡に応じた位置に複数のボイドを同時に配置させることができ、各枡内でのボイドの生コンクリートへの押し込みが容易となる。さらに、生コンクリートの硬化後は、本体を上昇させることにより、固定手段の固定状態が解除され、容易にボイドを保持部から離脱させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、ボイドに硬化したコンクリートと係合し得る係止部を形成することにより、生コンクリート硬化後は、係止部によってコンクリートに固定されることとなり、ボイドを鉄筋側に固定して位置決めするための特別の構成を要せずに、ボイドの位置決めが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、鉄筋に対して、適正な位置にボイドが予め固定されているため、更に生コンクリートを打設する際に、ボイドが動くことがなく、スラブを作り上げる作業が容易となる。また、ボイドを位置決めするための固定具が用いられていない為、軽量となり、建設現場における設置作業が容易となり、作業の効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の好適実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は、ボイドスラブを成形する手順を示すための分解斜視図、図2は、ボイドスラブ1の内部構造を示す全体斜視図である。
ボイドスラブ1は、図2に示されているように、内部にスラブ骨格Sを有している。スラブ骨格Sは、下側の格子体s1と上側の格子体s2と、各格子体s1、s2の間に配置された、3角形状のトラス筋6とを備えている。
【0014】
下側の格子体s1は、主筋下端鉄筋5aと配力筋下端鉄筋4aとが直交して格子状に組み合わされて構成され、上側の格子体s2は、主筋上端鉄筋5bと配力筋上端鉄筋4bとが直交して、下側と上側とで同じ格子形状に組み合わされた構成となっている。そして、配力筋下端鉄筋4a,主筋下端鉄筋5a,配力筋上端鉄筋4b,主筋上端鉄筋5bによって、多数の平面格子状に組立てられた格子空間Gが形成され、該空間G内に、球形のボイドAが収容された構成となっている。
下側の格子体s1と上側の格子体s2との間には、3角形状のトラス筋6が設けられ、格子体s1と格子体s2との間隔を維持している。
【0015】
このように構成されたスラブ1は、以下のような手順で、構造物内に構築される。図3は、型枠9の正面断面図である。図1、図3に示されているように、型枠9の底面に沿って、下側の格子体s1を配置する。格子体s1と底面との間には、鉄筋が組み上げて構成されたスペーサs3が配置され、格子体s1と底面との間に隙間が形成される。格子体s1の対向する端辺には、三角形状に屈曲形成された2つのトラス筋6a、6bを一組して所定間隔で立設されており、頂点部が上方へ向くように配置されている。2つのトラス筋6a、6bは、格子体s1の対向する短辺にそれぞれ配置された2つの主筋下端鉄筋5a1、5a2上に固定され、頂点において相互に接続された構成となっており、全体として四角推形状となるように構成されている。このように複数個配置されたトラス筋6の各頂点には、これらを連結する連結筋5cが載置され、各トラス筋6に溶接固定されている。これにより、主筋下端鉄筋5a1、5a2、トラス筋6、連結筋5cによって、トラスが形成され、曲荷重に対する剛性が確保される。トラス筋6で構成されるトラスは、必ずしも両端に設けられていなくても良い。
【0016】
図1に示される型枠9の状態で、格子体s1が埋まる程度(図3参照)まで、生コンクリート71を打設する。図3に示されているように、ボイドAを予め保持したボイド保持装置8を上方から生コンクリート71へ向けて下降させ、ボイドAの下部(例えば、ボイドAの体積の1/3〜1/2程度)が生コンクリート71内に浸かるまでボイドAを生コンクリート71内へ押し込む。
【0017】
ボイド保持装置8は、生コンクリート71が硬化するまで、上記押し込んだ位置で固定される。ボイド保持装置8は、例えば型枠9に対して固定される。固定方法としては、型枠9とボイド保持装置8の側面において、対向する位置にフックを設け、固定位置において相互が離れないように、上下方向の移動を抑止する構成のものであればよい。ボイド保持装置8の平面形状は、型枠9の内法に合わせた形状に構成される。
つまり、ボイド保持装置8を、上記ボイドAを生コンクリート内へ押し込んだ位置とした(図9の位置)際、ボイド保持装置8は、型枠9の内側に嵌り込み、ボイド保持装置8の水平方向の位置(即ち、ボイドAの水平方向の位置)は、型枠9によって位置決めされる構成となっている。
【0018】
図4に示されているように、ボイド保持装置8は、格子体s1の主筋下端鉄筋5aと配力筋下端鉄筋4aで画成された矩形の枡ss1にそれぞれ対応した位置に、ボイドAを保持する保持部81を備えており、ボイド保持装置8によって生コンクリート71に押し込まれたボイドAは、それぞれ枡ss1の内側に配置される。
【0019】
図5は、ボイドAの正面図及び断面正面図である。ボイドAは、図5(A)に示されているように、球形に形成され、発泡スチレン等から構成されている。ボイドAの下部には、周方向に溝A1が形成され、係止部が構成されている。この溝A1に生コンクリート71が侵入し、硬化することによって、溝A1と硬化したコンクリートが係合し、ボイドAはコンクリートに固定される。溝A1は、全周に渡って連続して設けられている必要はなく、等間隔で周方向に設けられていてもよい。
【0020】
図6は、係止部の他の構成を示すボイドAの正面図及び断面側面図である。ボイドAの下部に水平に3角形状の孔A2が形成され、係止部が設けられている。この孔A2の部分を生コンクリート71内に押し込むことによって、孔A2内に生コンクリート71が侵入し、これが硬化することによって、硬化したコンクリートにボイドAが固定される。
また、係止部は、上記のような凹部でなくてもよく、表面から突出した凸部あってもよい。いずれの場合にも、水平面か、上側に望む面を有する部分を設けることにより、該面に生コンクリートが接触して硬化することで、ボイドAの位置決めが可能となる。
【0021】
このようなボイドAは、固定手段82を介して、ボイド保持装置8の保持部81内に一時的に固定される。図7及び図8は、ボイド保持装置8の保持部81の断面図である。保持部81は、ボイドAの外周形状に沿って形成された球面状の凹部となっており、その頂点部に、ファスナー82aが設けられている。一方ボイドAの頂点部にもファスナー82aに係合するファスナー82bが設けられている。ファスナー82aとファスナー82bの結合強度は、ボイドAの自重により生じる力よりも強く、ボイドAが係止部により硬化したコンクリートに固定されている力よりも小さい強度に設定されている。
保持部81の形状は、ボイドAの表面形状に沿って湾曲しているので、ボイドAを生コンクリート71へ押し込む際に、ボイドAに加わる圧力を分散でき、ボイドAの変形を抑制することができる。
【0022】
生コンクリート71が硬化した後、ボイド保持装置8を引き上げると、各ボイドAは、コンクリート側に固定されているので、固定手段のファスナーが解除されて、図9に示されているように、ボイドAはコンクリート71側に残る。図10に示されているように、型枠9を取り除くことにより、ハーフPC工法に用いられるハーフPC(プレキャストコンクリート)材2が得られる。
このようなハーフPC材2は、トラス筋6の上端部と連結鉄筋5c、及び各ボイドAの上半分が片側面上に露出した構成となっている。トラス筋6と連結筋5cによって構成されるトラスによって、ハーフPC材2に加わる曲荷重に対する強度が補強されている。
【0023】
上記スラブ構成板材としてのハーフPC材を、製造工場等、製造施設が用意された場所で多数製造し、これを建設現場へ輸送する。建設現場において、ハーフPC材を床材として架設する。図11は、架設されたハーフPC材2の状態を示す斜視図である。図11に示されているように、梁上に複数のハーフPC材2を隣接させて架設する。両端辺に沿って配置されている複数のトラス筋6上に、等間隔で複数の配力筋上端鉄筋4bを載置固定し、その上に等間隔で複数の主筋上端鉄筋5bを載せる。
【0024】
主筋上端鉄筋5bと配力筋上端鉄筋4bとによって、格子体s2が構成され、隣接する主筋上端鉄筋5bと配力筋上端鉄筋4bとによって、枡ss2が構成される。枡ss2は、枡ss1に対向する位置に配置され、枡ss2と枡ss1との間にボイドAの中心が位置するように配置される。
なお、配力筋上端鉄筋4bは、複数のハーフPC材2を跨いで配置され、交差する各主筋上端鉄筋5bにそれぞれ固定される。上記格子体s2を組み付けた後、生コンクリートを打設する。この際、既にボイドAは、最初に打設したコンクリートに固定され、位置決めされているため、ハーフPC材2の上に打設した際には動くとこなく、格子体s2の鉄筋等との間隔が適切な距離となるように維持される。
【0025】
図12に示されているように、最後に打設した生コンクリートが硬化する(硬化した部分は符号72で示す)ことによって、スラブ1が完成する。この際、ボイドAを位置決めするために設けられる特別の構造物を含んでいないので、スラブ1の軽量化を一層図ることができる。
さらに、図13及び図14は、固定手段の他の構成を示す断面図である。ボイドAが、発泡スチレン等の軟性の物質である場合には、保持部81の頂点部に、先端が鋭利なピン82cを設け、ピン82cの周囲に凸部821を設ける。保持部81にボイドAを装着する場合には、係止部が設けられた下部を下側にして、保持部81にボイドAを押し込む。これにより、ピン82cがボイドAの頂点に刺さり、ピン82cの凸部821がボイドAとの間の摩擦抵抗を強くさせ、ボイドAの自重程度ではピン82cが抜けない構成となっている。ボイドAがコンクリートに係合した場合には、容易にピン82cは、ボイドAから抜けるため、ボイドAの離脱は容易になされる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】製造工程を示すボイドスラブの分解斜視図である。
【図2】ボイドスラブの全体透視斜視図である。
【図3】型枠の正面断面図である。
【図4】ボイド保持装置の部分拡大斜視図である。
【図5】ボイドの全体図である。
【図6】ボイドの他の構成例を示す全体図である。
【図7】ボイド保持装置の部分断面図である。
【図8】ボイド保持装置の部分断面図である。
【図9】型枠に打設した状態を示す正面断面図である。
【図10】ハーフPC材の全体斜視図である。
【図11】ハーフPC材を配置した状態を示す斜視図である。
【図12】スラブとして完成された状態を示す正面断面図である。
【図13】固定手段の他の構成を示す断面図である。
【図14】固定手段の他の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ボイドスラブ
8 ボイド保持装置
81 保持部
82a、82b ファスナー(固定手段)
A ボイド
A1 溝(係止部)
S スラブ骨格
s1、s2 格子体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
格子状に組み付けられた鉄筋と、
前記鉄筋の間に設けられるボイドと、
が埋設されたスラブ構成板材を形成するための方法であって、
水平に配置された型枠内の底面に沿って鉄筋を格子状に配置し、
前記型枠内へ、前記鉄筋が埋まるまで生コンクリートを打設し、
生コンクリートが侵入可能であって、侵入硬化したコンクリートによって、コンクリートからの離脱が抑制される係止部を下部に備えるボイドを格子体の各枡毎に配置し、
前記配置された各ボイドの下部を前記打設された生コンクリート内へ圧入し、
前記圧入された各ボイドを圧入した位置に固定し、
前記打設された生コンクリートを硬化させることを特徴するスラブ構成板材の製造方法。
【請求項2】
格子状に組み付けられた複数の鉄筋と、
隣接する鉄筋で画成された各枡に対応して、それぞれ配置されるボイドと、
が埋設されたスラブ構成板材を形成するための方法に用いられる装置であって、
前記枡の位置に応じた位置にそれぞれ配置され、ボイドを保持する保持部を複数有する本体を備え、
保持されたボイドを前記保持部内に一時的に固定する固定手段とを有し、
前記固定手段は、所定値以上の力で離脱方向へ引き出すことにより、固定状態が解除されることを特徴とするボイド保持装置。
【請求項3】
スラブ内に埋設されるボイドであって、
生コンクリート内に没する下部に設けられ、生コンクリートが硬化した際には、硬化したコンクリートに係合し、コンクリートからの離脱を抑制する係止部を有することを特徴とするボイド。
【請求項4】
2つの梁の間に架設されるスラブ構成板材であって、
板状本体の一方の側面に沿って埋設され、縦横に組み付けられた複数の鉄筋と、
架設される梁に対して交差する方向に配列され、頂点部が梁の反対側に突出している複数のトラス筋と、
隣接する前記鉄筋で画成された枡の位置に配置され、一端部がコンクリート内に埋没し、他端部が板状本体の他方の側面に露出している複数のボイドと、
を有することを特徴とするスラブ構成板材。
【請求項1】
格子状に組み付けられた鉄筋と、
前記鉄筋の間に設けられるボイドと、
が埋設されたスラブ構成板材を形成するための方法であって、
水平に配置された型枠内の底面に沿って鉄筋を格子状に配置し、
前記型枠内へ、前記鉄筋が埋まるまで生コンクリートを打設し、
生コンクリートが侵入可能であって、侵入硬化したコンクリートによって、コンクリートからの離脱が抑制される係止部を下部に備えるボイドを格子体の各枡毎に配置し、
前記配置された各ボイドの下部を前記打設された生コンクリート内へ圧入し、
前記圧入された各ボイドを圧入した位置に固定し、
前記打設された生コンクリートを硬化させることを特徴するスラブ構成板材の製造方法。
【請求項2】
格子状に組み付けられた複数の鉄筋と、
隣接する鉄筋で画成された各枡に対応して、それぞれ配置されるボイドと、
が埋設されたスラブ構成板材を形成するための方法に用いられる装置であって、
前記枡の位置に応じた位置にそれぞれ配置され、ボイドを保持する保持部を複数有する本体を備え、
保持されたボイドを前記保持部内に一時的に固定する固定手段とを有し、
前記固定手段は、所定値以上の力で離脱方向へ引き出すことにより、固定状態が解除されることを特徴とするボイド保持装置。
【請求項3】
スラブ内に埋設されるボイドであって、
生コンクリート内に没する下部に設けられ、生コンクリートが硬化した際には、硬化したコンクリートに係合し、コンクリートからの離脱を抑制する係止部を有することを特徴とするボイド。
【請求項4】
2つの梁の間に架設されるスラブ構成板材であって、
板状本体の一方の側面に沿って埋設され、縦横に組み付けられた複数の鉄筋と、
架設される梁に対して交差する方向に配列され、頂点部が梁の反対側に突出している複数のトラス筋と、
隣接する前記鉄筋で画成された枡の位置に配置され、一端部がコンクリート内に埋没し、他端部が板状本体の他方の側面に露出している複数のボイドと、
を有することを特徴とするスラブ構成板材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−149598(P2008−149598A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341008(P2006−341008)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(504162730)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(504162730)
【Fターム(参考)】
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