説明

スラリーアイス製造装置

【課題】製氷効率が良く、かつ、簡略化した構造で小型化できるとともに、増加した氷粒子によって管が閉塞することもなく、しかもスラリーアイスを製氷する装置の能力を最大限に活かすことができるスラリーアイス製造装置を提供する。
【解決手段】内管4と、その内管4の外周面との間に冷媒流路5となる空間を有して内管4の外周面を覆う外管7とを備える製氷機3と、海水等のブライン又は真水を貯える貯氷タンク2とを有し、海水等のブライン又は真水を貯氷タンク2から製氷機3の内管4内に移送し、内管4内で氷粒子を生成して該氷粒子とブライン又は真水からなるスラリーアイスを製造し、そのスラリーアイスを貯氷タンク2に移送するスラリーアイス製造装置であって、貯氷タンク2と製氷機3とを直結し、内管4の中心軸と略同一軸心で回転して、内管4内のスラリーアイスを貯氷タンク2に移送するスクリュー25を備えたオーガ6を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海水等のブライン又は真水を原料として、微細な氷粒子を含むスラリーアイスを製造することができるスラリーアイス製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、魚体に傷が付きにくく、しかも魚の鮮度を長期間保持するために、海水等のブラインからスラリーアイスを製造し、このスラリーアイスにより魚を冷却保存することが行なわれている。この保存方法は、微小な氷粒子が魚全体を包み込むので、砕氷に比べ急速かつ均一に冷却することができ、鮮度低下を遅らせることができる。
【0003】
この方法に用いられるスラリーアイス製造装置としては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載のスラリーアイス製造装置50は、図9に示すように、海水等のブラインaを貯える貯氷タンク51と、海水等のブラインaから微細な氷粒子を製造して、氷粒子と海水等のブラインaからなるスラリーアイスbを製造する製氷機52と、貯氷タンク51から製氷機52に海水等のブラインaを供給するための供給管53と、製氷機52から貯氷タンク51にスラリーアイスを排出するための排出管54と、貯氷タンク51と製氷機52との間で海水等のブラインaを循環させるポンプ55とを有し、貯氷タンク51と製氷機52とを供給管53および排出管54の2つの管で連通連結したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−132649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記スラリーアイス製造装置50は、海水等のブラインaやスラリーアイスbを移送するために、供給管53と排出管54の2つの管が必要になり、装置が大型化する問題がある。また、上記スラリーアイス製造装置50は、スラリーアイスbの製氷機52から貯氷タンク51への排出が排出管54を介して行なわれるので、スラリーアイスbが排出管54を流れる間に、外気からの熱が排出管54を介してスラリーアイスbに伝わり、氷粒子の一部が融解することがあり、製氷効率の低下が問題となる。また、スラリーアイスb中の氷粒子の割合が増加すると、増加した氷粒子によって排出管54が閉塞して故障しやすくかつ故障すると修理時間がかかるので、保守・点検に手間がかかるという問題も発生してしまう。
【0006】
また、スラリーアイスを短時間で製造するために、製氷機52にて製造する氷粒子を増加させることがある。排出管54から貯氷タンク51に送り込むときのスラリーアイスbに侵入する熱量は、管内を流入する氷粒子の増加にともない増大する傾向となる。このため、スラリーアイスbを製氷する時間の短縮を図ると製氷効率が低下してしまうという製氷構造上の課題があった。
【0007】
この対策として、大量のスラリーアイスbを短時間で製造するために、製氷機52とポンプ55を増設することが考えられる。しかし、増設した製氷機52毎に、供給管53と排出管54の2つの管が必要になるので、増設スペースを大きく取る必要が生じる。このため、製氷機52の増設が空間的に行なえない場所などでは、スラリーアイス製造装置50の能力が、装置を設置するスペースに影響を大きく受けていた。
【0008】
そこで、本発明は、製氷機から貯氷タンクへ移送されるスラリーアイスと外気との接触面を軽減させ、ポンプ55を必要としない製氷構造とすることにより、製氷効率が良く、かつ、簡略化した構造で小型化できるとともに、増加した氷粒子によって管が閉塞することもなく、しかもスラリーアイスを製氷する装置の能力を最大限に活かすことができるスラリーアイス製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、上記した従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、
内管と、その内管の外周面との間に冷媒流路となる空間を有して内管の外周面を覆う外管とを備える製氷機と、海水等のブライン又は真水を貯える貯氷タンクとを有し、前記海水等のブライン又は真水を前記貯氷タンクから前記製氷機の内管内に移送し、前記内管内で氷粒子を生成して該氷粒子と前記ブライン又は真水からなるスラリーアイスを製造し、そのスラリーアイスを前記貯氷タンクに移送するスラリーアイス製造装置であって、
前記貯氷タンクと前記製氷機とを直結し、
前記内管の中心軸と略同一軸心で回転して、前記内管内のスラリーアイスを前記貯氷タンクに移送するスクリューを備えたオーガを設けたことを特徴とするスラリーアイス製造装置に関する。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記オーガは、前記内管の中心軸と略同一軸心で回転する筒状部を備え、その筒状部の外周面に前記スクリューが設けられることを特徴する請求項1に記載のスラリーアイス製造装置に関する。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記貯氷タンクに複数の前記製氷機を直結したことを特徴する請求項1に記載のスラリーアイス製造装置に関する。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、貯氷タンクと製氷機とを直結するだけで、製氷機により製造されたスラリーアイスは、オーガのスクリューによって製氷機の内管内から貯氷タンクに移送されるとともに、貯氷タンクに移送されたスラリーアイスの量に相当する量の海水等のブライン又は真水が貯氷タンクから製氷機の内管内に移送される。このため、従来のような供給管と排出管を省略して、貯氷タンクと製氷機とを直結するだけで、製氷機と貯氷タンクとの間で海水等のブライン又は真水とスラリーアイスを移送することができるので、簡略化した構造で小型化することができる。
また、貯氷タンクと製氷機とを直結したので、製氷機から貯氷タンクへ移送されるスラリーアイスと外気との接触面が軽減され、従来のようにスラリーアイスが排出管を流れる間に氷粒子の一部が融解して製氷効率が悪くなるという問題も生じない。
また、貯氷タンクと製氷機とを直結したので、製氷機から貯氷タンクに移送されるスラリーアイス中の氷粒子の割合が増加しても、従来のように氷粒子による排出管の閉塞が生じるおそれがなく、保守・点検が容易となる。
また、貯氷タンクと製氷機とを直結したので、製氷機から貯氷タンクへ移送されるスラリーアイスの氷粒子を増加させても、そのスラリーアイスにポンプや配管から熱が侵入することがない。このため、製氷機にて製造するスラリーアイスの氷粒子を増加させることにより、スラリーアイスを製氷する時間の短縮を図っても、製氷効率が低下しない。
また、貯氷タンクと製氷機とを直結しただけの簡略化した構造で小型化したものであるので、複数の製氷機を貯氷タンクに直結しても、増設スペースを大きく取らずに済ますことができる。このため、装置を設置するスペースに影響を受けることなく、スラリーアイスを製氷する装置の能力を最大限に活かすことができる。
【0013】
請求項2に係る発明によれば、スラリーアイスが製氷機の内管内から貯氷タンクに移送される際、オーガのスクリューの送り作用により、スラリーアイスが筒状部の外周面と内管の内面との間を流れ、海水等のブライン又は真水が貯氷タンクから製氷機の内管内に移送される際、海水等のブライン又は真水が筒状部内を流れるようになるので、貯氷タンクと製氷機の内管との間で海水等のブライン又は真水とスラリーアイスとを円滑に移送することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によれば、前記貯氷タンクに複数の前記製氷機を直結したことにより、複数の製氷機によってスラリーアイスを製造することができるので、大量のスラリーアイスを短時間で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1実施形態のスラリーアイス製造装置を示す斜視図である。
【図2】図1のスラリーアイス製造装置の製氷機近傍の部分拡大縦断面図である。
【図3】図1の移送管の左側面図である。
【図4】図1の製氷機を右端から見た側面図である。
【図5】第2実施形態のスラリーアイス製造装置を示す部分拡大縦断面図である。
【図6】第2実施形態の変形例のスラリーアイス製造装置を示す部分縦断面図である。
【図7】第2実施形態の変形例のスラリーアイス製造装置を示す部分縦断面図である。
【図8】図6の製氷機を貯氷タンクに複数直結したスラリーアイス製造装置を示す斜視図である。
【図9】従来のスラリーアイス製造装置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係るスラリーアイス製造装置の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0017】
本発明の第1実施形態のスラリーアイス製造装置1は、図1、2に示すように、海水等のブライン又は真水を貯える箱型の貯氷タンク2と、海水等のブライン又は真水から氷粒子を生成して、この氷粒子と前記ブライン又は真水からなるスラリーアイスを製造する製氷機3とを有する。
【0018】
製氷機3は、図1、2に示すように、内管4と、内管4の外周面との間に冷媒流路5となる空間を有して内管4の外周面を覆う外管7と、内管4の内部に回転可能に配設された回転部材8と、回転部材8の外周面から半径方向に突出する掻き取り部9とを備え、内管4の中心軸が略横向きになるように配設されている。
【0019】
内管4は、円筒状体に形成され、その内部に海水等のブライン又は真水を収容して凍らせるための空間を有する製氷部4aと、製氷部4aの左端(貯氷タンク2側)に連結された移送部4bとを備え、製氷部4aの右端が蓋部材10により閉塞され、移送部4bの左端が開放している。また、内管4は、移送部4bの左端フランジ19に設けたねじ孔20にボルト等の固定部材(図示省略)を差し込んで締め付けることにより貯氷タンク2の壁面2aに直結している。内管4の貯氷タンク2の壁面2aへの直結位置は、限定されるものではないが、図1に示すように、中央部から下部の間が好ましい。後述するように貯氷タンク2の上部には氷粒子が集まるので、貯氷タンク2内の海水等のブライン又は真水を貯氷タンク2から製氷機3へ移送するときに、氷粒子が一緒に移送されないようにすることができるからである。
【0020】
製氷部4aと移送部4bとの連結は、移送部4bの右端フランジ21と製氷部4aの左端フランジ22とを円形の板部材12を介して重ね合わせた状態で、ボルト等の固定部材23でフランジ21、22同士を固定することにより行われる。蓋部材10は、ステンレス鋼等の金属材料や合成樹脂で形成することができる。
【0021】
回転部材8は、内管4内部において内管4の中心軸と略同軸に配設された回転軸であり、蓋部材10の内部に取り付けられたベアリングと、板部材12の内部に取り付けられたベアリングとによって支持されている。板部材12は、その中心部よりも外径寄りの位置に円周方向に延びる環状の貫通孔13が形成されている。製氷機3の横側には、モータ軸14が回転部材8の回転軸と同軸になるように電動モータ15が配設されており、モータ軸14と回転部材8がカップリング11を介して連結されている。これにより、回転部材8は、モータ軸14の回転に伴って回転する。
【0022】
冷媒流路5の下部左端寄りの位置には冷媒入口16が、上部右端寄りには冷媒出口17が夫々設けられており、冷媒は、冷媒入口16より供給され冷媒流路5を通過し、冷媒出口17より排出されるという工程を繰り返す。こうして冷媒が冷媒流路5を循環することにより、内管4の製氷部4a内部の海水等のブライン又は真水が冷却され、内管4の製氷部4aの内面に氷粒子が生成することとなる。
【0023】
掻き取り部9は、回転部材8の外周面に固定配設されており、回転部材8の半径方向へ向けて突出している。また、掻き取り部9の半径方向先端には、内管4の製氷部4a内面に生成される氷粒子を掻き取るスクレーパ18が設けられている。スクレーパ18は、長方形状の板状体であり、その長手方向の両端が夫々、内管4の製氷部4aの両端に至るように形成されている。
【0024】
内管4の移送部4b内には、移送部4bの中心軸と略同一軸心で回転する筒状部24と、その筒状部24の外周面24aに設けられるスクリュー25とからなるオーガ6を備える。スクリュー25は、図2、3に示すように、筒状部24の回転方向とは逆方向に巻きながら軸方向に延びるように筒状部24の外周面24a右端から外周面24a左端まで形成されている。また、スクリュー25の外径方向側縁25aは、移送部4bの内面4c近傍まで延びて、移送部4bの内面4cとの間で微小隙間を形成している。
【0025】
筒状部24には、図3に示すように、その左端内面と右端内面(図示せず)に円形の支持部26が形成されている。支持部26は、その中心部に形成された円形の貫通孔27に円筒部材28が嵌め込まれている。また、支持部26は、その中心部よりも外径寄りの位置に円周方向に伸びる半環状の貫通孔34が2つ形成されている。円筒部材28には、内管4の製氷部4a内部から延びる回転部材8が挿入されており、内面に形成したキー溝29と回転部材8に形成したキー30とが係合している。これにより、回転部材8とオーガ6とが一体に回転するようになっている。
【0026】
製氷機3は、図2〜4に示すように、蓋部材10の右側面と移送部4bの右端フランジ21にそれぞれ設けた金属製の支持部材31、32によって支持されている。支持部材31、32は、L字状に形成されており、そのL字状の上部の位置でボルト等の固定部材33により、蓋部材10の下部と移送部4bの右端フランジ21の下部に固定されている。
【0027】
上記のように構成されたスラリーアイス製造装置1は、次のようにして動作する。まず、スラリーアイス製造装置1は、貯氷タンク2と製氷機3の製氷部4a内に海水等のブライン又は真水が充填される。次に、冷媒を冷媒流路5に循環させるとともに、図3に示す向きにオーガ6を回転させると、製氷部4a内の海水等のブライン又は真水が冷媒と熱交換しながら冷却されてその一部が氷粒子となり、この氷粒子と海水等のブライン又は真水とからなるスラリーアイスが製造される。製氷部4a内のスラリーアイスは、オーガ6のスクリュー25の送り作用により、オーガ6の筒状部24の外周面24aと移送部4bの内面4cとの間を通って貯氷タンク2に移送される。
【0028】
スラリーアイスが貯氷タンク2に移送されると、海水等のブライン又は真水よりも比重が小さい氷粒子が比重差によって貯氷タンク2の上方に移動し、貯氷タンク2の上部に集まる。このとき、貯氷タンク2内の海水等のブライン又は真水は、移送されたスラリーアイスの量に相当する量が貯氷タンク2内からオーガ6の筒状部24内を通って内管4の製氷部4aに移送される。
【0029】
海水等のブライン又は真水が製氷部4a内に移送されると、上記と同様に、冷媒と熱交換しながら冷却されて海水等のブライン又は真水の一部が氷粒子となり、氷粒子と海水等のブライン又は真水とからなるスラリーアイスが製造され、上記と同様に貯氷タンク2にスラリーアイスが移送される。このように、このスラリーアイス製造装置1は、移送部4b内のオーガ6により、海水等のブライン又は真水を貯氷タンク2と製氷機3との間で循環させることにより、スラリーアイスが製造される。また、スラリーアイス製造装置1は、海水等のブライン又は真水の循環を連続的に行なうことで、貯氷タンク2内の氷粒子と海水等のブライン又は真水の比率を調節することができる。
【0030】
スラリーアイス製造装置1は、貯氷タンク2と製氷機3とを直結しただけの構成であり、従来のような供給管や排出管が省略されているので、構造が簡略化されて小型化されている。
【0031】
また、スラリーアイス製造装置1は、貯氷タンク2と製氷機3とを直結したので、従来のようにスラリーアイスが排出管を流れる間に氷粒子の一部が融解して熱効率が悪くなるという問題も生じない。
【0032】
また、スラリーアイス製造装置1は、貯氷タンク2と製氷機3とを直結したので、製氷機3から貯氷タンク2に移送されるスラリーアイス中の氷粒子の割合が増加しても、従来のように氷粒子による排出管の閉塞が生じることがなく、保守・点検が容易である。
【0033】
また、スラリーアイス製造装置1は、製氷機3から貯氷タンク2へのスラリーアイスの移送がオーガ6によって行われるので、従来のようにポンプや配管から侵入熱が発生することがない。このため、スラリーアイス中の氷粒子の割合を増やしたり、スラリーアイスの移送量を大きくしたりしても、スラリーアイスを製氷する効率が低下しにくく、大量のスラリーアイスを短時間で製造することができる。
【0034】
また、スラリーアイス製造装置1は、貯氷タンク2と製氷機3とを直結しただけの簡単な構造で小型化したものであるので、複数の製氷機3を貯氷タンク2に直結しても、増設スペースを大きく取らずに済ますことができる。このため、スラリーアイス製造装置1を設置するスペースに影響を受けることなく、スラリーアイスを製氷するスラリーアイス製造装置1の能力を最大限に活かすことができる。
【0035】
また、スラリーアイス製造装置1は、内管4の移送部4b内のオーガ6の送り作用によって製氷部4aからのスラリーアイスの排出が促進されるので、内管4内に生成する氷粒子の割合を増加させることによりスラリーアイスの製造速度を速めても、氷粒子による負荷が掻き取り部9にかかりにくい。
【0036】
また、スラリーアイス製造装置1は、真水からでもスラリーアイスを製造することができる。このため、スラリーアイス製造装置1によって製造されたスラリーアイスは、野菜を冷やすためのチラー水としても使用することができる。
【0037】
次に、第2実施形態のスラリーアイス製造装置41について説明する。なお、第2実施形態のスラリーアイス製造装置41は、第1実施形態のスラリーアイス製造装置1と対応する部分は、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0038】
第2実施形態のスラリーアイス製造装置41は、図5に示すように、内管4が製氷部4aのみで構成され、製氷部4aの左端フランジ22が貯氷タンク2の排出口35に連結され、さらに、オーガ6がスクリュー25のみで構成されたものである。
【0039】
この場合、スクリュー25は、回転部材8の排出口35内に位置する部分から外径方向に延びる柱部42を形成し、この柱部42の先端部に軸方向側面25bを固定することにより、回転部材8の回転軸と略同一軸心で回転するようになっている。
【0040】
この第2実施形態のスラリーアイス製造装置41では、冷媒を冷媒流路5に循環させるとともに、オーガ6のスクリュー25を回転させると、製氷機3によって製造されたスラリーアイスが内管4の製氷部4a内から排出口35を通って貯氷タンク2へ移送されるとともに、移送されたスラリーアイスの量に相当する量の海水等のブライン又は真水が、貯氷タンク2から排出口35を通って内管4の製氷部4a内に移送される。
【0041】
上記第2実施形態のスラリーアイス製造装置41では、図6に示すように、スクリュー25を回転部材8のモータ15側に設けてもよく、回転部材8の貯氷タンク2側とモータ15側の両方に設けることもできる。スクリュー25を回転部材8のモータ15側に設ける場合は、回転部材8のモータ15側から外径方向に延びる柱部43を形成し、この柱部43の先端部にスクリュー25の軸方向側面25bを固定する。
【0042】
また、図7に示すように、スクリュー25は、内管4の製氷部4a内に設けることができる。この場合、スクリュー25は、掻き取り部9に軸方向に延びる柱部44を形成し、柱部44の側面に内径方向側縁25cを固定することにより、回転部材8の回転軸と略同一軸心で回転するように設けられる。
【0043】
上記第1実施形態と第2実施形態のスラリーアイス製造装置1、41では、製氷機3を貯氷タンク2に1つ直結したが、図8に示すように、製氷機3を貯氷タンク2に2つ直結してもよい。なお、図8では、製氷機3を2つ設けられているが、2つに限定されるものではなく、製氷機3を2つ以上連結してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 スラリーアイス製造装置
2 貯氷タンク
3 製氷機
4 内管
5 冷媒流路
6 オーガ
7 外管
24 筒状部
24a 外周面
25 スクリュー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内管と、その内管の外周面との間に冷媒流路となる空間を有して内管の外周面を覆う外管とを備える製氷機と、海水等のブライン又は真水を貯える貯氷タンクとを有し、前記海水等のブライン又は真水を前記貯氷タンクから前記製氷機の内管内に移送し、前記内管内で氷粒子を生成して該氷粒子と前記ブライン又は真水からなるスラリーアイスを製造し、そのスラリーアイスを前記貯氷タンクに移送するスラリーアイス製造装置であって、
前記貯氷タンクと前記製氷機とを直結し、
前記内管の中心軸と略同一軸心で回転して、前記内管内のスラリーアイスを前記貯氷タンクに移送するスクリューを備えたオーガを設けたことを特徴とするスラリーアイス製造装置。
【請求項2】
前記オーガは、前記内管の中心軸と略同一軸心で回転する筒状部を備え、その筒状部の外周面に前記スクリューが設けられることを特徴する請求項1に記載のスラリーアイス製造装置。
【請求項3】
前記貯氷タンクに複数の前記製氷機を直結したことを特徴する請求項1又は2に記載のスラリーアイス製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−36628(P2013−36628A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170495(P2011−170495)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(504212596)株式会社 泉井鐵工所 (3)
【出願人】(509093026)公立大学法人高知工科大学 (95)