説明

スリットコイル用ハッカー

【課題】クレーンフックに大形のハッカーが掛けられている時に、隣接している複数のスリットコイルを仕分けて吊り上げるための吊り上げ作業を、専用の小形のハッカーに交換することを必要とせずに行えるようにする。
【解決手段】スリットコイル用ハッカー11は、スリットコイルの中心空間Sに挿入されて当該スリットコイルを吊り上げるための水平な棒状吊り部12を有し、前記棒状吊り部12の上面12aに、当該棒状吊り部12の上面12aの一部を嵩上げするための嵩上げ部材17を着脱可能に取り付けている。ハッカー11の棒状吊り部12を、嵩上げ部材17の部分が端側のスリットコイル1aの位置にくるようにコイル内に挿入し、次いで若干上昇させると端側のスリットコイル1aのみが若干上昇する(図の状態)。次いで後退させて、棒状吊り部12を中心空間Sから抜くと、端側のスリットコイル1aのみを吊り上げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、隣接している複数のスリットコイルを仕分けて吊り上げるためのスリットコイル用ハッカー関する。
【背景技術】
【0002】
ロール成形設備において、鋼帯などの金属帯がコイル状に巻回された幅の広い原材料の圧延コイル(生コイルと呼ぶ)は、その後ロール成形すべき製品に合わせてスリッターにより所定の幅にスリットされて複数のスリットコイルに分割され、それぞれコイル外周を締め付ける結束バンドで結束される。
【0003】
この場合、分割した複数のスリットコイルのすべてが同一幅でなく、幅を異なるスリットコイルを含む場合がある。
例えば、コイル幅が1300mmの生コイルに対して、成形ラインに必要なスリット幅(板幅)が200mmとすると、スリット幅200×6条=1200mmであり、100mm(=1300−1200)の歩留まりロスが生じる。
その場合、他の成形ラインでスリット幅300mmのスリットコイルを必要としているとすれば、200mm×5条と300mm×1条との組合せを選定すると、歩留まりロスがゼロとなる。この場合、スリット幅200mmのスリットコイルが5つと、スリット幅300mmのスリットコイルが1つである。
このように、生コイルをスリッターで複数条にスリットした時に、幅の異なるスリットコイルを含む場合は、それらの複数のスリットコイル(スリットコイル群と呼ぶ)は、図示略のクレーンのフックに掛けた大形のハッカーにて一旦、仕分け台に運ばれる。図10に示すように、運ばれたスリットコイル群Gは、スリット幅300mmのスリットコイル1aが端側に配された隣接状態で仕分け台(コイル置台)2に置かれる。スリット幅200mmのスリットコイルを1bで示す。
仕分け台2は、通常、同図に示すように、床面Fに対して傾斜した受け材2aとこの受け材2aと直角(鉛直線に対しては傾斜)の凭れ材2bとを有し、スリットコイル群Gは図示の通り、凭れ材2bで支えられるように傾斜した状態で受け材2a上に置かれる。
【0004】
仕分け台2に置かれた複数のスリットコイルは、スリット幅毎に仕分けられ、それぞれ所定の場所に搬送される。
仕分け台で仕分ける作業を上記の場合について説明すると、まず、スリットコイル群の搬送に用いた前記大形のハッカー5を小形のハッカー5’に交換して、この小形のハッカー5’で端側の幅300mmのスリットコイル1aを吊って所定の場所へ搬送する。
次いで、小形のハッカー5’を再び大形のハッカー5に交換して、残った幅200mmのスリットコイル群の5つのコイルを一括して吊って、所定の場所に搬送する。
なお、ハッカーの大形、小形の違いは基本的には、コイルの中心空間Sに挿入してコイルを吊る棒状吊り部12、12’が長いか短いかの差異であり、また、当然に剛性の大小の差異がある。
【0005】
図11に示した特許文献1のハッカー7(スリットコイルのハンドリング装置)は、各スリットコイルに横バンド掛け(円周から外周に向けた半径方向に結束バンドで結束すること)することを可能にするために、隣接するスリットコイルを互いに分離させる分離機構部9を持つものであるが、ハッカー7の下部フレーム8に複数のスライダ9aをそれぞれスライド可能に設けるとともに、各スライダの隣接するものどうしが所定距離だけ離隔できるようにしたスリットコイル用のハッカー(ハンドリング装置)である。
複数のスライダ9aは、下部フレーム8に固定した台部材9b上に設けられ、ボールネジ9cで駆動されてスライドし、ワイヤ9dで隣接するものどうしの間隔が規定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−118062
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
異なるスリット幅のスリットコイルを含むスリットコイル群をスリット幅毎に仕分ける作業を、大形ハッカー5と小形ハッカー5’とを用いて行う上記従来方法は、ハッカーを大形のものから小形のものに交換する作業に手間と時間を要し、作業性が低い。
また、工場内の複数の成形ラインが稼動している状態の場合には、各成形ラインでもクレーン作業が必要となるので、ハッカー交換作業に時間を取られると、「クレーン待ち」が頻繁に起こり、生産ラインがストップする場合もある。
【0008】
上記のような異なるスリット幅のスリットコイルを含む場合に限らず、スリット幅がすべて同じであるスリットコイル群の場合でも、端側のスリットコイルを、小形のハッカーでなく大形のハッカーで吊り上げる必要が生じることもあり、この場合にも同様な問題が生じる。
【0009】
特許文献1のハッカーは、複数のスリットコイルをまとめて吊り上げて、各スリットコイルを互いに離間させるものであって、端側のスリットコイルのみを吊り上げる用途には使用できない。
【0010】
本発明は上記従来の欠点を解消するためになされたもので、クレーンフックに大形のハッカーが掛けられている時に、隣接している複数のスリットコイルを仕分けて吊り上げる吊り上げ作業を、専用の小形のハッカーに交換することを必要とせずに能率的に行うことができ、かつ構造が簡単で安価なスリットコイル用のハッカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決する請求項1の発明は、隣接している複数のスリットコイルを仕分けて吊り上げるためのスリットコイル用ハッカーであって、
スリットコイルの中心空間に挿入されて当該スリットコイルを吊り上げるための水平な棒状吊り部を有し、前記棒状吊り部の上面に、当該棒状吊り部の上面の一部を嵩上げするための嵩上げ部材を着脱可能に取り付けたことを特徴とする。
【0012】
請求項2は、請求項1のスリットコイル用ハッカーにおいて、棒状吊り部の上面の吊り部長手方向に間隔をあけた複数箇所にそれぞれピン穴をあけ、各ピン穴にそれぞれ嵩上げ部材取り付け用のピンを着脱可能に挿入し、前記嵩上げ部材の下面に、前記各ピンを嵌入させるピン穴をあけたことを特徴とする。
【0013】
請求項3は、請求項1又は2のスリットコイル用ハッカーにおいて、嵩上げ部材の上面にピン穴をあけ、このピン穴にコイル転倒防止用のピンを着脱可能に挿入したことを特徴とする。
【0014】
請求項4は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスリットコイル用ハッカーにおいて、嵩上げ部材を、その長さ方向中心が棒状吊り部におけるハッカー重心を通る鉛直線上に位置するように設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のスリットコイル用ハッカーによれば、棒状吊り部の上面に、当該棒状吊り部の上面の一部を嵩上げするための嵩上げ部材を着脱可能に取り付けたので、ハッカーを水平に前進させてその棒状吊り部をスリットコイルの中心空間に挿入し、嵩上げ部材の部分をコイル置台上のスリットコイル群の端側のスリットコイルの位置に合わせてハッカーを若干上昇させると、前記端側のスリットコイルのみが若干上昇する。次いで、ハッカーを水平に後退させて棒状吊り部をスリットコイル群の中心空間から抜き、次いで、ハッカーを吊り上げると、前記端側のスリットコイルのみが吊り上げられる。
このスリットコイル用ハッカーは、嵩上げ部材を外した時は、棒状吊り部の長い通常の大形ハッカーとして使用できる。すなわち、スリットコイル群全体を吊り上げ可能な大形のハッカーとしての機能と、1つのスリットコイルのみを吊り上げ可能な小形ハッカーとしての機能とを持つ。
したがって、異なるスリット幅のスリットコイルを含むスリットコイル群をスリット幅毎に仕分ける際のコイル吊り作業に用いて好適である。
すなわち、スリッターで複数条にスリットされたスリットコイル群を、嵩上げ部材を外した本発明のスリットコイル用ハッカーを用いて一旦、仕分け台に運び、そのスリットコイル用ハッカーに嵩上げ部材を取り付けて、仕分け台上のスリットコイル群における端側のスリット幅の異なるスリットコイルのみを吊り上げて、所定の場所に搬送することができる。このように、小形のハッカーに交換する作業が不要となり、異なるスリット幅のスリットコイルを含むスリットコイル群をスリット幅毎に仕分ける際のコイル吊り作業の作業性が向上する。
ただし、スリット幅がすべて同じであるスリットコイル群の場合にも、端側のスリットコイルのみを吊り上げる場合に適用できる。
また、吊り上げる端側のスリットコイルは1つに限らず、複数でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例のスリットコイル用ハッカーを用いて仕分け台(コイル置台)上の端側のスリットコイルを吊り上げる作業を説明する図で、ハッカーをスリットコイル群に接近させた状態を示す。
【図2】図1に続いてハッカーの棒状吊り部をスリットコイルの中心空間に挿入した状態を示す。
【図3】図2に続いてハッカーを若干上昇させて、端側のスリットコイルを若干上昇させた状態を示す。
【図4】図3に続いてハッカーを後退させて、棒状吊り部をスリットコイル群の中心空間から抜いた状態を示す。
【図5】端側のスリットコイルを別の場所に搬送した後の残ったスリットコイル群を吊り上げる状況を説明する図である。
【図6】端側のスリットコイルを別の場所に搬送した後の残ったスリットコイル群における端側のスリットコイルを吊り上げる場合の使用状況を説明する図である。
【図7】端側のスリットコイルを別の場所に搬送した後の残ったスリットコイル群における端側のスリットコイルを、嵩上げ部材を取り替えたハッカーで吊り上げる場合の使用状況を説明する図である。
【図8】図2の一部が断面となるA−A矢視図(コイル中心線方向に見た図)である。
【図9】(イ)は上記のスリットコイル用ハッカーにおける棒状吊り部及びこれに取り付けられた嵩上げ部材を示す斜視図、(ロ)は嵩上げ部材の縦断面図、(ハ)は嵩上げ部材の横断面図である。
【図10】仕分け台に置かれた複数のスリットコイルにおけるスリット幅の異なる端側のスリットコイルのみを吊り上げる場合の従来作業を説明するための図である。
【図11】従来のスリットコイル用ハッカーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明のスリットコイル用ハッカーの実施例を、図1〜図9を参照して説明する。
【実施例1】
【0018】
図1は本発明の一実施例のスリットコイル用ハッカー11を用いて仕分け台(コイル置台)2上の端側のスリットコイル1aを吊り上げる作業を説明する図で、スリットコイル用ハッカー(以下、場合により単にハッカーと言う)11をスリットコイル群Gに接近させた状態を示す。
仕分け台2に置かれたスリットコイル群Gは、図10で説明したものと同様に、端側のスリットコイル1aがスリット幅300mmで、他の5つのスリットコイル1bがスリット幅200mmの6つのスリットコイルの場合である。
【0019】
仕分け台2は、通常、図1などに示すように、床面Fに対して傾斜した受け材2aとこの受け材2aと直角(鉛直線に対しては傾斜)の凭れ材2bとを有し、スリットコイル群Gは図示の通り、凭れ材2bで支えられるように傾斜した状態で受け材2a上に置かれる。
前記受け材2aは図8に示すように、コイルの正面からみて左右両側にあり、コイル1の下面を受けるそれぞれ内側に傾斜した受け面2cを持ち、左右の受け材2aの凭れ材2bと反対側の一端部を連結する横材2d(図1参照)が受け材2aの下面に溶接固定されて、前記の通り床面Fに対して傾斜し、また、他端部の上面に凭れ材2bが固定されている。受け材2aの他端部を連結する横材2eが受け材2aの他端面に溶接固定され、この横材2eの上面に凭れ材2bを支える斜め材2fが溶接固定されている。
【0020】
このハッカー11の本体5は、スリットコイルの中心空間Sに挿入されて当該スリットコイルを吊り上げるための水平な棒状吊り部12と、図示略のクレーンフックで吊られる被吊り部15を取り付けた上側水平フレーム13と、両者12、13の片側の端部を一体連結する縦フレーム14とがC形をなす構造のいわゆるC形フックである。ハッカー11は、ハッカー本体16の棒状吊り部12に、当該棒状吊り部12の上面12aの一部を嵩上げするための嵩上げ部材17を着脱可能に取り付けた構造である。
【0021】
図9(イ)の斜視図にも示すように、前記棒状吊り部12の上面の吊り部長手方向に間隔をあけた複数箇所にピン穴12bが設けられ、各ピン穴12bにそれぞれ嵩上げ部材取り付け用のピン18が着脱可能に挿入され、一方、図9(ロ)、(ハ)にも示すように、前記嵩上げ部材17の下面には、前記各ピン18を嵌入させるピン穴17aが設けられ、嵩上げ部材17は、前記ピン穴17aに棒状吊り部12側のピン18を嵌入させることで、棒状吊り部12に着脱可能に取り付けられている。この嵩上げ部材17は、その長さ方向中心(中心線を図1等でCで示す)が棒状吊り部12におけるハッカー重心を通る鉛直線上に位置するように設けられている。
この実施例では、棒状吊り部12の上面に、ピン穴17bをあけ、このピン穴17bにコイル転倒防止用のピン19を着脱可能に挿入している。ピン穴17bの位置は、スリットコイルを、その側面がこのピン穴17bに挿入されたピン19に当たるように嵩上げ部材17上に載せた時、スリットコイルの幅方向中心がハッカー重心を通る位置にくるような位置としている。
棒状吊り部12の上面は円弧面となっており、嵩上げ部材17の上面も同様に円弧面となっている。
【0022】
上記のハッカー11を用いて、仕分け台2上の幅広の端側のスリットコイル1aを吊り上げる作業を説明する。
図1のように、嵩上げ部材17を取り付けたハッカー11を、その棒状吊り部12がスリットコイルの中心空間Sに向かう高さにて、スリットコイル群Gに接近させ、次いで、ハッカー11を前進(図1等で右方へ移動)させて、棒状吊り部12をスリットコイルの中心空間Sに挿入する。この場合、嵩上げ部材17の先端が、端側のスリットコイル1aに隣接するスリットコイル1bに達しないで、端側のスリットコイル1aのスリット幅の領域にとどまる程度にて挿入する。
次いで、この状態でハッカー11を上昇させて、嵩上げ部材17を端側のスリットコイル1aの内面に当てる。図2はこの段階の状態を示す。
次いで、ハッカー11をさらに上昇させると、図3に示すように、端側のスリットコイル1aのみが吊り上げられる。この場合、ハッカー11の上昇は、図示の通り、棒状吊り部12が内側のスリットコイル1bの内面に接触しない範囲にとどめる。
次いで、ハッカー11を水平に後退させて、図4に示すように、幅狭の残りのスリットコイル群G’の中心空間Sから抜く。
こうして、端側のスリットコイル1aのみを吊り上げることができる。吊り上げた幅広のスリットコイル1aは、所定の場所に搬送する。
【0023】
残りのスリットコイル群G’は、嵩上げ部材17を外したハッカー(すなわちハッカー本体5であり、図10で説明した大形ハッカー5である)で、通常と同様に吊り上げることができる。図5は、嵩上げ部材17を外した棒状吊り部12が残りのスリットコイル群G’の中心空間Sに挿入された状態を示す。このまま吊り上げて所定の場所に搬送することができる。
【実施例2】
【0024】
残された幅狭のスリットコイル群G’のうちの端側のスリットコイル1bのみを吊り上げる場合には、図6のように、コイル転倒防止用のピン19の挿入位置を、そのスリットコイル1bの幅に対応する位置に変えて行うことも可能である。この場合は当然、嵩上げ部材17の所定位置に、コイル転倒防止ピン用のピン穴をあけておく。
端側のスリットコイル1bを吊り上げる要領は、前述と同様である。
なお、この場合は、吊り上げようとするスリットコイル1bの重心位置がハッカー11の重心位置からずれるので、重心がずれても吊り上げの安全上支障のない場合に限る。
【実施例3】
【0025】
また、残された幅狭のスリットコイル群G’のうちの端側のスリットコイル1bのみを吊り上げる場合に、嵩上げ部材を、図7のように、幅狭のスリットコイル1bに対応する専用の短い嵩上げ部材17’と取り替えて行ってもよい。
この嵩上げ部材17’を取り付けたハッカー11で端側のスリットコイル1bを吊り上げる要領は、前述と同様である。
この場合、嵩上げ部材17’の上面に設けたコイル転倒防止用のピン19は、これに図7のようにスリットコイル1bの側面を当てたとき、スリットコイル1bの幅中心がハッカー重心を通る鉛直線上にくる位置とする。
【実施例4】
【0026】
嵩上げ部材17を棒状吊り部12に着脱可能に固定する手段は、上述のピン穴12b、17aとピン18とによるものに限らず、種々の手段を採用することができる。
また、コイル転倒防止手段もピン穴17bとピン19とによるものに限らず、種々の手段を採用することができる。
上述の実施例では、ハッカー11で1つのスリットコイルのみを吊り上げる場合について説明したが、スリットコイル群のなかの例えば2つあるいは3つなど一部の複数スリットコイルを吊り上げる場合にも当然適用できる。
また、上述の説明では、異なるスリット幅のスリットコイルを含むスリットコイル群をスリット幅毎に仕分ける際のコイル吊り作業を行う場合として説明したが、この場合に限らず、幅の広い原材料の圧延コイルをスリッターで同一スリット幅の複数のスリットコイル群にスリットした場合でも、一部のスリットコイルを吊り上げる場合に適用できる(この場合の吊り上げ作業は、図6、図7で説明した場合と同様である)。
したがって、スリットコイル群を置くコイル置台は仕分け台に限らない。また、スリットコイル群がコイル置台上に置かれている場合に限定されない。
【0027】
実施例の図に示したハッカー本体5の形状は、模式的に示したものであり、図に示した形状に限るものではない。特に、図示の被吊り部15は、ハッカー姿勢調整機能を持たせた構造を模式的に示したものであるが、ハッカー姿勢調整機能を持たない単なる被吊り部であってもよい。
【符号の説明】
【0028】
1a 幅広のスリットコイル
1b 幅狭のスリットコイル
G、G’ スリットコイル群
2 仕分け台(コイル置台)
2a 受け材
2b 凭れ材
5 ハッカー本体
11 ハッカー(スリットコイル用ハッカー)
12 棒状吊り部
12a 上面
12b (嵩上げ部材取付用の)ピン穴
13 上側水平フレーム
14 縦フレーム
15 被吊り部
17 嵩上げ部材
17a (嵩上げ部材取付用の)ピン穴
17b (コイル転倒防止ピン用の)ピン穴
18 (嵩上げ部材取付用の)ピン
19 (コイル転倒防止用の)ピン
S、S’ スリットコイルの中心空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接している複数のスリットコイルを仕分けて吊り上げるためのスリットコイル用ハッカーであって、
スリットコイルの中心空間に挿入されて当該スリットコイルを吊り上げるための水平な棒状吊り部を有し、前記棒状吊り部の上面に、当該棒状吊り部の上面の一部を嵩上げするための嵩上げ部材を着脱可能に取り付けたことを特徴とするスリットコイル用ハッカー。
【請求項2】
前記棒状吊り部の上面の吊り部長手方向に間隔をあけた複数箇所にそれぞれピン穴をあけ、各ピン穴にそれぞれ嵩上げ部材取り付け用のピンを着脱可能に挿入し、前記嵩上げ部材の下面に、前記各ピンを嵌入させるピン穴をあけたことを特徴とする請求項1記載のスリットコイル用ハッカー。
【請求項3】
前記嵩上げ部材の上面にピン穴をあけ、このピン穴にコイル転倒防止用のピンを着脱可能に挿入したことを特徴とする請求項1又は2記載のスリットコイル用ハッカー。
【請求項4】
前記嵩上げ部材を、その長さ方向中心が棒状吊り部におけるハッカー重心を通る鉛直線上に位置するように設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスリットコイル用ハッカー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−116472(P2011−116472A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−273384(P2009−273384)
【出願日】平成21年12月1日(2009.12.1)
【出願人】(000006839)日鐵住金建材株式会社 (371)
【Fターム(参考)】