スリットバルブ付きキャップ
【課題】スリットバルブを覆う蓋体の開放側への付勢を、部品点数の増加を伴うことなく実現することができるスリットバルブ付きキャップを提案する。
【解決手段】本発明のスリットバルブ付きキャップは、貫通開口15を取り囲む筒体16を備えるキャップ本体10と、筒体16の内側に配設されるスリットバルブ30と、キャップ本体10にヒンジhを介して連結する蓋体20とを備え、蓋体20は、ヒンジhに隣接して配設され蓋体20を開放側へ付勢する弾性部材40を有し、弾性部材40は、筒体16に向けて伸延する延設部42と、筒体16を越えて延設部42とスリットバルブ30とを繋ぐ連結部43とを備え、弾性部材40、延設部42、連結部43、及びスリットバルブ30を同一の軟質材にて形成するとともに、これらをインサート成形、或いは二色成形にてキャップ本体10及び蓋体20に固定保持ことを特徴とする。
【解決手段】本発明のスリットバルブ付きキャップは、貫通開口15を取り囲む筒体16を備えるキャップ本体10と、筒体16の内側に配設されるスリットバルブ30と、キャップ本体10にヒンジhを介して連結する蓋体20とを備え、蓋体20は、ヒンジhに隣接して配設され蓋体20を開放側へ付勢する弾性部材40を有し、弾性部材40は、筒体16に向けて伸延する延設部42と、筒体16を越えて延設部42とスリットバルブ30とを繋ぐ連結部43とを備え、弾性部材40、延設部42、連結部43、及びスリットバルブ30を同一の軟質材にて形成するとともに、これらをインサート成形、或いは二色成形にてキャップ本体10及び蓋体20に固定保持ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリットバルブを備えるキャップに関するものであって、特に、このスリットバルブを覆う蓋体の開放側への付勢を、部品点数の増加を伴うことなく実現することができるものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料や洗顔料等を収納する容器としては、内容物を所期する量だけ容易に吐出することができ、しかも良好な液切れ性能を発揮することができるものとして、例えば特許文献1に記載されているように、スリットバルブを備えるキャップを装着したものが知られている。ここでスリットバルブとは、ゴムやエラストマー等の軟質材からなり、容器の胴部等を押圧し容器内を加圧することによって弾性変形させて、その頂部に設けた十字状の切り込み(スリット)を瞬時に開放させることで、適量の内容物が吐出できるように構成されているものである。この場合、スリットバルブの周囲には、同文献の図2に記載されているように、スリットバルブを隣接して取り囲む筒体を設けて、不用意にスリットバルブに手が触れないように保護することが一般的である。
【0003】
ところで、ヒンジ付きの蓋体においては、片手でもこれを簡単に開放させることができ、しかも繰り返し使用しても高い耐久性を安定的に発揮できる点で、例えば特許文献2に記載の振り出し容器のキャップのように、蓋体をキャップ本体にヒンジ連結するとともに軟質材からなる弾性部材を用いて蓋体に開放側への付勢力を与えることが特に好適であるところ、スリットバルブ付きのキャップにおいては、上述したようにスリットバルブが筒体に隣接して取り囲まれているため、このスリットバルブとは別の弾性部材を新たに配設することが通常であった。このため、キャップ全体としての部品点数が増加する上、これを取り付ける工数も嵩むこととなっていて、未だ改善の余地が残されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−347813号公報
【特許文献2】特開2004−26261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、ヒンジ連結する蓋体を備えるスリットバルブ付きキャップに関し、このスリットバルブを取り囲む筒体を設けていてもなお、蓋体を開放側へ付勢する弾性部材とスリットバルブとを同一の軟質材にて一体連結して、部品点数及び取り付け工数の増加を抑制することができるスリットバルブ付きキャップを提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、容器内に通じる貫通開口を有し該貫通開口を取り囲む筒体を備えるキャップ本体と、該筒体の内側に配設され容器内の加圧に伴いスリットを解放して容器内の内容物を適量吐出させるスリットバルブと、該スリットバルブを覆い隠し該キャップ本体にヒンジを介して連結する蓋体とを備えるスリットバルブ付きキャップであって、
前記蓋体は、前記ヒンジに隣接して配設され該蓋体を開放側へ付勢する弾性部材を有し、
前記弾性部材は、前記筒体に向けて伸延する延設部と、該筒体を越えて該延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ連結部とを備え、該弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを同一の軟質材にて一体連結するとともに、これら弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを、インサート成形、或いは二色成形にて前記キャップ本体及び前記蓋体に固定保持することを特徴とするスリットバルブ付きキャップである。
【0007】
前記連結部は、前記筒体の側壁に設けた貫通孔を通して前記延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ挿通部であることが好ましい。
【0008】
前記連結部は、前記筒体の先端を乗り越えて前記延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ迂回部であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
蓋体を開放側へ付勢する弾性部材を、スリットバルブを取り囲む筒体に向けて伸延する延設部と、筒体を越えて延設部とスリットバルブとを繋ぐ連結部とを備えるものとし、弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを同一の軟質材にて一体連結するとともに、これら弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを、インサート成形、或いは二色成形にてキャップ本体及び蓋体に固定保持したので、内容物を適量で吐出させ、また蓋体を片手で簡単に開放させることができる機能は維持したまま、部品点数及び取り付け工数の増加を抑えることができる。
【0010】
連結部を、筒体の側壁に設けた貫通孔を通して延設部とスリットバルブとを繋ぐ挿通部とするか、又は筒体の先端を乗り越えて延設部とスリットバルブとを繋ぐ迂回部とする場合は、連結部の構成が簡易となり、必要最小限の軟質材で構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第1の実施の形態につき、キャップを容器の口部に装着するとともに蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図である。
【図2】図1に示すスリットバルブ付きキャップにつき、要部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図3】図5に示すスリットバルブ付きキャップのA−Aに沿う断面図である。
【図4】図2に示すスリットバルブ付きキャップの下面図(図2に示す矢印に沿う矢視図)である。
【図5】図4に示すB−Bに沿う断面図である。
【図6】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第1の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図である。
【図7】図6に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【図8】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第2の実施の形態につき、蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図である。
【図9】図8に示すスリットバルブ付きキャップの下面図(図8に示す矢印に沿う矢視図)である。
【図10】図9に示すC−Cに沿う断面図である。
【図11】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第2の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図である。
【図12】図11に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【図13】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第3の実施の形態につき、蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図である。
【図14】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第3の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図である。
【図15】図14に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第1の実施の形態につき、キャップを容器の口部に装着するとともに蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図であって、図2は、図1に示すスリットバルブ付きキャップにつき、要部を拡大して示す部分拡大断面図であって、図3は、図5に示すスリットバルブ付きキャップのA−Aに沿う断面図であって、図4は、図2に示すスリットバルブ付きキャップの下面図(図2に示す矢印に沿う矢視図)であって、図5は、図4に示すB−Bに沿う断面図であって、図6は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第1の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図であって、図7は、図6に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【0013】
図1において、符号1は、本発明のスリットバルブ付きキャップを装着する容器の一例である。図示の例で容器1は、底部1aの縁部から同径のまま立ち上がる胴部1bを有し、肩部1cを介して胴部1bよりも小径となる口部1dと一体連結するものであるが、その内側に内容物を収納できるものであれば、どのようなタイプの容器でもよい。また、口部1dの外面壁には、図示の例ではねじとなる係合部nが設けられている。
【0014】
ここで、本発明のスリットバルブ付きキャップは、図1に示すように、容器1の口部1dに装着されるキャップ本体10と、キャップ本体10にヒンジhを介して連結する蓋体20と、キャップ本体10に取り付けられて容器内の内容物を注出するスリットバルブ30と、ヒンジhに隣接して設けられ蓋体20を開放側へ付勢する弾性部材40とを備えるものである。
【0015】
キャップ本体10は、図2に拡大して示すように、容器1の口部1dを覆い隠す上部壁11を備えており、上部壁11の裏面には、口部1dを取り囲む内筒12、及び内筒12を取り囲む外筒13を備えている。また、内筒12の内面壁には、係合部nに対応する被係合部n’を設けている。これにより、キャップ本体10を、ねじ止めにて容器1に固定保持することができる。さらに、図3及び図5に示すように、内筒12と外筒13の間には少なくとも1個(図示の例では2個)の係止リブ14を設け、また口部1dには小突起1e及び大突起1fを設けることが好ましく、これによりキャップ本体10を最後までねじ込んだ後は、抜け出し方向への回転が阻止されるので、キャップ本体10が不用意に外れてしまうことがなくなる。なお、係合部n及び被係合部n’は、アンダーカット係合するものであってもよい。
【0016】
ここで、第1の実施の形態における外筒13は、図2に示すように、ヒンジhを設けた側が、上部壁11と連結する上部外筒13aと、この上部外筒13aと分離する下部外筒13bとに別れて設けられているものであり、これらの相互間には隙間13cが形成されている。
【0017】
上部壁11の裏面には、図2に示すように口部1dの内面壁に液密に当接する環状壁11a、及び口部1dの頂部に液密に当接する環状リブ11bが形成されていて、これらによって容器1内の内容物の漏れ出しが有効に阻止されている。
【0018】
また、図2に示すように上部壁11には、その表裏を貫いて容器1内に通じる貫通開口15が形成されている。また、上部壁11の表面には、貫通開口15を取り囲んで立ち上がる筒体16が設けられていて、さらに筒体16の上部外面壁には、外側に向けて突出する外側爪部16aが設けられている。
【0019】
第1の実施の形態において、筒体16には、少なくともヒンジhを設けた側に、筒体16の側壁を貫く貫通孔17aが形成されている。図示の例で貫通孔17aは、筒体16を水平方向に貫くとともに上部壁11の表裏も貫通するように設けられていて、さらにヒンジhに対して反対側にも同様の貫通孔17aが形成されている。
【0020】
蓋体20は、図6に示すように、間隔をあけて設けた2個のヒンジhによってキャップ本体10と一体連結するものである。また図2及び図6に示すように蓋体20は、キャップ本体10に覆い被さる天壁21と、2個のヒンジhの相互間に位置する天壁21の縁部を残してこの天壁21を取り囲む周壁22とを備えている。図2に示すように天壁21の裏面には、その中央部をキャップ本体10側に向けて突出させた突出部23と、キャップ本体10の筒体16を取り囲む蓋体筒部24と、ヒンジhを設けた側に形成され、後述する弾性部材と連結する連結壁25とを備えていて、蓋体筒部24の下部内面壁には、内側に向けて突出する内側爪部24aが形成されている。また周壁22には、ヒンジhに対して反対側に指掛かり部26を設けている。
【0021】
スリットバルブ30は、図2に示すように、キャップ本体10の筒体16の内側に設けられている。ここでスリットバルブ30は、ゴムやエラストマー等の軟質材により形成されていて、凹状に湾曲した頂壁31の端縁に下方に向けて広がる筒状の傾斜部32を一体連結するとともに、この傾斜部32の下端にて環状の基部33に一体連結している。さらに頂壁31には、図示の例では十字状に設けられたスリット31aが形成されている。なお、スリット31aは、一字状や星状等、内容物の種類に応じた形状のものが適宜採用される。また、図2及び図4に示すように頂壁31の裏面には、スリット31aを取り囲む環状体31bが設けられている。
【0022】
弾性部材40は、図6に示すように、2個のヒンジhの相互間に隙間sをあけて設けられ、図2に示すように、一端側に設けた連結片41が、蓋体20の連結壁25に接続するものである。また、他端側には、図2及び図6に示すように、キャップ本体10の外筒13及び上部壁11に沿って延在する延設部42が設けられていて、スリットバルブ30及び延設部42は、筒体16を越える連結部43にて相互に連結している。
【0023】
第1の実施の形態において、連結部43は、図2に示すように、基部33と延設部42とを貫通孔17aを通して一体連結する挿通部43aとして設けられるものである。これにより、弾性部材40、延設部42、挿通部43a、及びスリットバルブ30は、同一の軟質材にて形成される。なお、これら弾性部材40等をキャップ本体10及び蓋体20に設けるに当たっては、弾性部材40等及びキャップ本体10等の何れか一方を予め成形しておき、これを他方の金型に装填して成形するインサート成形や、或いは何れか一方を成形し、これを金型の一部に残したまま他の金型と組み合わせて成形する二色成形によって一体連結することが好ましく、これにより、両方の部材の組み立て工数を十分に削減することができる上、両者を確実に固着させることができる。なお、第1の実施の形態における弾性部材40等は、インサート成形にて設けることが好適である。
【0024】
そして、第1の実施の形態においては、図2に示すように、弾性部材40の他端側に、キャップ本体10の隙間13cを通して内筒12と外筒13との間に配置される保持部44を設けることが好ましく、これにより弾性部材40を、キャップ本体10に対して抜け止め保持することができる。
【0025】
さらに、第1の実施の形態においては、図5及び図6に示すように、延設部42に一体連結するとともに上部壁11に設けた環状溝11cに嵌まり込むリング45を設けることが好ましく、これによりスリットバルブ30の下方側への抜け出しを確実に阻止することができる。一方、上方側への抜け出しも、図2に示すように貫通孔17aの下方に設けた挿通部43a、及び図5に示すように上部壁11の下方に設けた基部33によって、確実に防止することができる。
【0026】
上記のような構成となるスリットバルブ付きキャップは、図2に示すように蓋体20を閉めると、筒体16の外側爪部16aと蓋体筒部24の内側爪部24aが係合して、蓋体20を閉鎖姿勢に維持することができる。この時、蓋体20の突出部23は、スリットバルブ30の頂壁31に当接しているので、容器1の胴部1bを押圧しても頂壁31が持ち上がってスリットが開放することがなく、内容物の不用意な漏れ出しを有効に防止することができる。
【0027】
そして、内容物を注出するに当たっては、指掛かり部26に指を当てて押し上げることで、弾性部材40が元の直線状の形状に復元し、その際発生する付勢力によって、図6、図7に示すように蓋体20を開放姿勢に変移させることができる。なお、弾性部材40は、スリットバルブ30と同一材料となる軟質材で形成されているので、繰り返し使用しても、初期の付勢力は安定的に維持される。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態で説明したものと同一の機能を果たすものについては、同一の符号を付して説明は省略する。
図8は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第2の実施の形態につき、蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図であって、図9は、図8に示すスリットバルブ付きキャップの下面図(図8に示す矢印に沿う矢視図)であって、図10は、図9に示すC−Cに沿う断面図であって、図11は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第2の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図であって、図12は、図11に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【0029】
第2の実施の形態において、図8に示す、筒体16の側壁を貫く貫通孔17bは、第1の実施の形態における貫通孔17aに代えて、キャップ本体10の径方向外側から内側に向かって上方に傾斜しつつ筒体16の内周面に沿って設けられるものであり、また挿通部43bは、挿通部43aに代えて、貫通孔17bに対応する形状にて設けられるものである。また、第1の実施の形態と同様に、貫通孔17bは、少なくともヒンジhを設けた側に形成されるものであるが、図8〜図12に示す例では、ヒンジhに対して反対側にも同様の貫通孔17bを設けている。
【0030】
また、第2の実施の形態においても、弾性部材40等及びキャップ本体10等をインサート成形や二色成形にて固着させることができる。なお、第2の実施の形態における弾性部材40等は、二色成形にて設けることが好適である。
【0031】
なお、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態にて設けた保持部44及びリング45を備えていないが、第1の実施の形態と同様にして設けることも可能である。
【0032】
次に、本発明の第3の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態、及び第2の実施の形態で説明したものと同一の機能を果たすものについては、同一の符号を付して説明は省略する。
図13は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第3の実施の形態につき、蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図であって、図14は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第3の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図であって、図15は、図14に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【0033】
第3の実施の形態において連結部43は、図13〜図15に示すように、筒体16の先端を乗り越えて、弾性部材40の延設部42とスリットバルブ30の基部33とを繋ぐ迂回部43cとして設けられるものである。また、第3の実施の形態においても、弾性部材40等及びキャップ本体10等をインサート成形や二色成形にて固着させることができるが、第3の実施の形態における弾性部材40等は、二色成形にて設けることが好適である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、蓋体を開放側へ付勢する弾性部材とスリットバルブとを同一の軟質材にて一体連結して設けることができるので、内容物を適量で吐出させ、また蓋体を片手で簡単に開放させることができる機能は維持しつつ、部品点数及び取り付け工数を増加させることがないスリットバルブ付きキャップを提供できる。
【符号の説明】
【0035】
1 容器
10 キャップ本体
15 貫通開口
16 筒体
17a、17b 貫通孔
20 蓋体
30 スリットバルブ
31a スリット
40 弾性部材
42 延設部
43 連結部
43a、43b 挿通部
43c 迂回部
h ヒンジ
【技術分野】
【0001】
本発明は、スリットバルブを備えるキャップに関するものであって、特に、このスリットバルブを覆う蓋体の開放側への付勢を、部品点数の増加を伴うことなく実現することができるものである。
【背景技術】
【0002】
化粧料や洗顔料等を収納する容器としては、内容物を所期する量だけ容易に吐出することができ、しかも良好な液切れ性能を発揮することができるものとして、例えば特許文献1に記載されているように、スリットバルブを備えるキャップを装着したものが知られている。ここでスリットバルブとは、ゴムやエラストマー等の軟質材からなり、容器の胴部等を押圧し容器内を加圧することによって弾性変形させて、その頂部に設けた十字状の切り込み(スリット)を瞬時に開放させることで、適量の内容物が吐出できるように構成されているものである。この場合、スリットバルブの周囲には、同文献の図2に記載されているように、スリットバルブを隣接して取り囲む筒体を設けて、不用意にスリットバルブに手が触れないように保護することが一般的である。
【0003】
ところで、ヒンジ付きの蓋体においては、片手でもこれを簡単に開放させることができ、しかも繰り返し使用しても高い耐久性を安定的に発揮できる点で、例えば特許文献2に記載の振り出し容器のキャップのように、蓋体をキャップ本体にヒンジ連結するとともに軟質材からなる弾性部材を用いて蓋体に開放側への付勢力を与えることが特に好適であるところ、スリットバルブ付きのキャップにおいては、上述したようにスリットバルブが筒体に隣接して取り囲まれているため、このスリットバルブとは別の弾性部材を新たに配設することが通常であった。このため、キャップ全体としての部品点数が増加する上、これを取り付ける工数も嵩むこととなっていて、未だ改善の余地が残されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−347813号公報
【特許文献2】特開2004−26261号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、ヒンジ連結する蓋体を備えるスリットバルブ付きキャップに関し、このスリットバルブを取り囲む筒体を設けていてもなお、蓋体を開放側へ付勢する弾性部材とスリットバルブとを同一の軟質材にて一体連結して、部品点数及び取り付け工数の増加を抑制することができるスリットバルブ付きキャップを提案するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、容器内に通じる貫通開口を有し該貫通開口を取り囲む筒体を備えるキャップ本体と、該筒体の内側に配設され容器内の加圧に伴いスリットを解放して容器内の内容物を適量吐出させるスリットバルブと、該スリットバルブを覆い隠し該キャップ本体にヒンジを介して連結する蓋体とを備えるスリットバルブ付きキャップであって、
前記蓋体は、前記ヒンジに隣接して配設され該蓋体を開放側へ付勢する弾性部材を有し、
前記弾性部材は、前記筒体に向けて伸延する延設部と、該筒体を越えて該延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ連結部とを備え、該弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを同一の軟質材にて一体連結するとともに、これら弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを、インサート成形、或いは二色成形にて前記キャップ本体及び前記蓋体に固定保持することを特徴とするスリットバルブ付きキャップである。
【0007】
前記連結部は、前記筒体の側壁に設けた貫通孔を通して前記延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ挿通部であることが好ましい。
【0008】
前記連結部は、前記筒体の先端を乗り越えて前記延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ迂回部であることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
蓋体を開放側へ付勢する弾性部材を、スリットバルブを取り囲む筒体に向けて伸延する延設部と、筒体を越えて延設部とスリットバルブとを繋ぐ連結部とを備えるものとし、弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを同一の軟質材にて一体連結するとともに、これら弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを、インサート成形、或いは二色成形にてキャップ本体及び蓋体に固定保持したので、内容物を適量で吐出させ、また蓋体を片手で簡単に開放させることができる機能は維持したまま、部品点数及び取り付け工数の増加を抑えることができる。
【0010】
連結部を、筒体の側壁に設けた貫通孔を通して延設部とスリットバルブとを繋ぐ挿通部とするか、又は筒体の先端を乗り越えて延設部とスリットバルブとを繋ぐ迂回部とする場合は、連結部の構成が簡易となり、必要最小限の軟質材で構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第1の実施の形態につき、キャップを容器の口部に装着するとともに蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図である。
【図2】図1に示すスリットバルブ付きキャップにつき、要部を拡大して示す部分拡大断面図である。
【図3】図5に示すスリットバルブ付きキャップのA−Aに沿う断面図である。
【図4】図2に示すスリットバルブ付きキャップの下面図(図2に示す矢印に沿う矢視図)である。
【図5】図4に示すB−Bに沿う断面図である。
【図6】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第1の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図である。
【図7】図6に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【図8】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第2の実施の形態につき、蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図である。
【図9】図8に示すスリットバルブ付きキャップの下面図(図8に示す矢印に沿う矢視図)である。
【図10】図9に示すC−Cに沿う断面図である。
【図11】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第2の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図である。
【図12】図11に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【図13】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第3の実施の形態につき、蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図である。
【図14】本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第3の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図である。
【図15】図14に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第1の実施の形態につき、キャップを容器の口部に装着するとともに蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図であって、図2は、図1に示すスリットバルブ付きキャップにつき、要部を拡大して示す部分拡大断面図であって、図3は、図5に示すスリットバルブ付きキャップのA−Aに沿う断面図であって、図4は、図2に示すスリットバルブ付きキャップの下面図(図2に示す矢印に沿う矢視図)であって、図5は、図4に示すB−Bに沿う断面図であって、図6は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第1の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図であって、図7は、図6に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【0013】
図1において、符号1は、本発明のスリットバルブ付きキャップを装着する容器の一例である。図示の例で容器1は、底部1aの縁部から同径のまま立ち上がる胴部1bを有し、肩部1cを介して胴部1bよりも小径となる口部1dと一体連結するものであるが、その内側に内容物を収納できるものであれば、どのようなタイプの容器でもよい。また、口部1dの外面壁には、図示の例ではねじとなる係合部nが設けられている。
【0014】
ここで、本発明のスリットバルブ付きキャップは、図1に示すように、容器1の口部1dに装着されるキャップ本体10と、キャップ本体10にヒンジhを介して連結する蓋体20と、キャップ本体10に取り付けられて容器内の内容物を注出するスリットバルブ30と、ヒンジhに隣接して設けられ蓋体20を開放側へ付勢する弾性部材40とを備えるものである。
【0015】
キャップ本体10は、図2に拡大して示すように、容器1の口部1dを覆い隠す上部壁11を備えており、上部壁11の裏面には、口部1dを取り囲む内筒12、及び内筒12を取り囲む外筒13を備えている。また、内筒12の内面壁には、係合部nに対応する被係合部n’を設けている。これにより、キャップ本体10を、ねじ止めにて容器1に固定保持することができる。さらに、図3及び図5に示すように、内筒12と外筒13の間には少なくとも1個(図示の例では2個)の係止リブ14を設け、また口部1dには小突起1e及び大突起1fを設けることが好ましく、これによりキャップ本体10を最後までねじ込んだ後は、抜け出し方向への回転が阻止されるので、キャップ本体10が不用意に外れてしまうことがなくなる。なお、係合部n及び被係合部n’は、アンダーカット係合するものであってもよい。
【0016】
ここで、第1の実施の形態における外筒13は、図2に示すように、ヒンジhを設けた側が、上部壁11と連結する上部外筒13aと、この上部外筒13aと分離する下部外筒13bとに別れて設けられているものであり、これらの相互間には隙間13cが形成されている。
【0017】
上部壁11の裏面には、図2に示すように口部1dの内面壁に液密に当接する環状壁11a、及び口部1dの頂部に液密に当接する環状リブ11bが形成されていて、これらによって容器1内の内容物の漏れ出しが有効に阻止されている。
【0018】
また、図2に示すように上部壁11には、その表裏を貫いて容器1内に通じる貫通開口15が形成されている。また、上部壁11の表面には、貫通開口15を取り囲んで立ち上がる筒体16が設けられていて、さらに筒体16の上部外面壁には、外側に向けて突出する外側爪部16aが設けられている。
【0019】
第1の実施の形態において、筒体16には、少なくともヒンジhを設けた側に、筒体16の側壁を貫く貫通孔17aが形成されている。図示の例で貫通孔17aは、筒体16を水平方向に貫くとともに上部壁11の表裏も貫通するように設けられていて、さらにヒンジhに対して反対側にも同様の貫通孔17aが形成されている。
【0020】
蓋体20は、図6に示すように、間隔をあけて設けた2個のヒンジhによってキャップ本体10と一体連結するものである。また図2及び図6に示すように蓋体20は、キャップ本体10に覆い被さる天壁21と、2個のヒンジhの相互間に位置する天壁21の縁部を残してこの天壁21を取り囲む周壁22とを備えている。図2に示すように天壁21の裏面には、その中央部をキャップ本体10側に向けて突出させた突出部23と、キャップ本体10の筒体16を取り囲む蓋体筒部24と、ヒンジhを設けた側に形成され、後述する弾性部材と連結する連結壁25とを備えていて、蓋体筒部24の下部内面壁には、内側に向けて突出する内側爪部24aが形成されている。また周壁22には、ヒンジhに対して反対側に指掛かり部26を設けている。
【0021】
スリットバルブ30は、図2に示すように、キャップ本体10の筒体16の内側に設けられている。ここでスリットバルブ30は、ゴムやエラストマー等の軟質材により形成されていて、凹状に湾曲した頂壁31の端縁に下方に向けて広がる筒状の傾斜部32を一体連結するとともに、この傾斜部32の下端にて環状の基部33に一体連結している。さらに頂壁31には、図示の例では十字状に設けられたスリット31aが形成されている。なお、スリット31aは、一字状や星状等、内容物の種類に応じた形状のものが適宜採用される。また、図2及び図4に示すように頂壁31の裏面には、スリット31aを取り囲む環状体31bが設けられている。
【0022】
弾性部材40は、図6に示すように、2個のヒンジhの相互間に隙間sをあけて設けられ、図2に示すように、一端側に設けた連結片41が、蓋体20の連結壁25に接続するものである。また、他端側には、図2及び図6に示すように、キャップ本体10の外筒13及び上部壁11に沿って延在する延設部42が設けられていて、スリットバルブ30及び延設部42は、筒体16を越える連結部43にて相互に連結している。
【0023】
第1の実施の形態において、連結部43は、図2に示すように、基部33と延設部42とを貫通孔17aを通して一体連結する挿通部43aとして設けられるものである。これにより、弾性部材40、延設部42、挿通部43a、及びスリットバルブ30は、同一の軟質材にて形成される。なお、これら弾性部材40等をキャップ本体10及び蓋体20に設けるに当たっては、弾性部材40等及びキャップ本体10等の何れか一方を予め成形しておき、これを他方の金型に装填して成形するインサート成形や、或いは何れか一方を成形し、これを金型の一部に残したまま他の金型と組み合わせて成形する二色成形によって一体連結することが好ましく、これにより、両方の部材の組み立て工数を十分に削減することができる上、両者を確実に固着させることができる。なお、第1の実施の形態における弾性部材40等は、インサート成形にて設けることが好適である。
【0024】
そして、第1の実施の形態においては、図2に示すように、弾性部材40の他端側に、キャップ本体10の隙間13cを通して内筒12と外筒13との間に配置される保持部44を設けることが好ましく、これにより弾性部材40を、キャップ本体10に対して抜け止め保持することができる。
【0025】
さらに、第1の実施の形態においては、図5及び図6に示すように、延設部42に一体連結するとともに上部壁11に設けた環状溝11cに嵌まり込むリング45を設けることが好ましく、これによりスリットバルブ30の下方側への抜け出しを確実に阻止することができる。一方、上方側への抜け出しも、図2に示すように貫通孔17aの下方に設けた挿通部43a、及び図5に示すように上部壁11の下方に設けた基部33によって、確実に防止することができる。
【0026】
上記のような構成となるスリットバルブ付きキャップは、図2に示すように蓋体20を閉めると、筒体16の外側爪部16aと蓋体筒部24の内側爪部24aが係合して、蓋体20を閉鎖姿勢に維持することができる。この時、蓋体20の突出部23は、スリットバルブ30の頂壁31に当接しているので、容器1の胴部1bを押圧しても頂壁31が持ち上がってスリットが開放することがなく、内容物の不用意な漏れ出しを有効に防止することができる。
【0027】
そして、内容物を注出するに当たっては、指掛かり部26に指を当てて押し上げることで、弾性部材40が元の直線状の形状に復元し、その際発生する付勢力によって、図6、図7に示すように蓋体20を開放姿勢に変移させることができる。なお、弾性部材40は、スリットバルブ30と同一材料となる軟質材で形成されているので、繰り返し使用しても、初期の付勢力は安定的に維持される。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態で説明したものと同一の機能を果たすものについては、同一の符号を付して説明は省略する。
図8は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第2の実施の形態につき、蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図であって、図9は、図8に示すスリットバルブ付きキャップの下面図(図8に示す矢印に沿う矢視図)であって、図10は、図9に示すC−Cに沿う断面図であって、図11は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第2の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図であって、図12は、図11に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【0029】
第2の実施の形態において、図8に示す、筒体16の側壁を貫く貫通孔17bは、第1の実施の形態における貫通孔17aに代えて、キャップ本体10の径方向外側から内側に向かって上方に傾斜しつつ筒体16の内周面に沿って設けられるものであり、また挿通部43bは、挿通部43aに代えて、貫通孔17bに対応する形状にて設けられるものである。また、第1の実施の形態と同様に、貫通孔17bは、少なくともヒンジhを設けた側に形成されるものであるが、図8〜図12に示す例では、ヒンジhに対して反対側にも同様の貫通孔17bを設けている。
【0030】
また、第2の実施の形態においても、弾性部材40等及びキャップ本体10等をインサート成形や二色成形にて固着させることができる。なお、第2の実施の形態における弾性部材40等は、二色成形にて設けることが好適である。
【0031】
なお、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態にて設けた保持部44及びリング45を備えていないが、第1の実施の形態と同様にして設けることも可能である。
【0032】
次に、本発明の第3の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、第1の実施の形態、及び第2の実施の形態で説明したものと同一の機能を果たすものについては、同一の符号を付して説明は省略する。
図13は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第3の実施の形態につき、蓋体を閉鎖した姿勢で示す側面視での断面図であって、図14は、本発明に従うスリットバルブ付きキャップの第3の実施の形態につき、蓋体を開放した姿勢で示す平面図であって、図15は、図14に示すスリットバルブ付きキャップの側面視での断面図である。
【0033】
第3の実施の形態において連結部43は、図13〜図15に示すように、筒体16の先端を乗り越えて、弾性部材40の延設部42とスリットバルブ30の基部33とを繋ぐ迂回部43cとして設けられるものである。また、第3の実施の形態においても、弾性部材40等及びキャップ本体10等をインサート成形や二色成形にて固着させることができるが、第3の実施の形態における弾性部材40等は、二色成形にて設けることが好適である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、蓋体を開放側へ付勢する弾性部材とスリットバルブとを同一の軟質材にて一体連結して設けることができるので、内容物を適量で吐出させ、また蓋体を片手で簡単に開放させることができる機能は維持しつつ、部品点数及び取り付け工数を増加させることがないスリットバルブ付きキャップを提供できる。
【符号の説明】
【0035】
1 容器
10 キャップ本体
15 貫通開口
16 筒体
17a、17b 貫通孔
20 蓋体
30 スリットバルブ
31a スリット
40 弾性部材
42 延設部
43 連結部
43a、43b 挿通部
43c 迂回部
h ヒンジ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器内に通じる貫通開口を有し該貫通開口を取り囲む筒体を備えるキャップ本体と、該筒体の内側に配設され容器内の加圧に伴いスリットを解放して容器内の内容物を適量吐出させるスリットバルブと、該スリットバルブを覆い隠し該キャップ本体にヒンジを介して連結する蓋体とを備えるスリットバルブ付きキャップであって、
前記蓋体は、前記ヒンジに隣接して配設され該蓋体を開放側へ付勢する弾性部材を有し、
前記弾性部材は、前記筒体に向けて伸延する延設部と、該筒体を越えて該延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ連結部とを備え、該弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを同一の軟質材にて一体連結するとともに、これら弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを、インサート成形、或いは二色成形にて前記キャップ本体及び前記蓋体に固定保持することを特徴とするスリットバルブ付きキャップ。
【請求項2】
前記連結部は、前記筒体の側壁に設けた貫通孔を通して前記延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ挿通部である請求項1に記載のスリットバルブ付きキャップ。
【請求項3】
前記連結部は、前記筒体の先端を乗り越えて前記延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ迂回部である請求項1に記載のスリットバルブ付きキャップ。
【請求項1】
容器内に通じる貫通開口を有し該貫通開口を取り囲む筒体を備えるキャップ本体と、該筒体の内側に配設され容器内の加圧に伴いスリットを解放して容器内の内容物を適量吐出させるスリットバルブと、該スリットバルブを覆い隠し該キャップ本体にヒンジを介して連結する蓋体とを備えるスリットバルブ付きキャップであって、
前記蓋体は、前記ヒンジに隣接して配設され該蓋体を開放側へ付勢する弾性部材を有し、
前記弾性部材は、前記筒体に向けて伸延する延設部と、該筒体を越えて該延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ連結部とを備え、該弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを同一の軟質材にて一体連結するとともに、これら弾性部材、延設部、連結部、及びスリットバルブを、インサート成形、或いは二色成形にて前記キャップ本体及び前記蓋体に固定保持することを特徴とするスリットバルブ付きキャップ。
【請求項2】
前記連結部は、前記筒体の側壁に設けた貫通孔を通して前記延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ挿通部である請求項1に記載のスリットバルブ付きキャップ。
【請求項3】
前記連結部は、前記筒体の先端を乗り越えて前記延設部と前記スリットバルブとを繋ぐ迂回部である請求項1に記載のスリットバルブ付きキャップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−112401(P2013−112401A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−262367(P2011−262367)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
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