説明

スリム型プッシュスイッチ装置

【課題】軽量化及び薄型化できるスリム型プッシュスイッチ装置を提供する。
【解決手段】本発明のスリム型プッシュスイッチ装置は、上、下部ベースフィルム110、120;上、下部ベースフィルム110、120の間に介在されて表面と裏面が上、下部ベースフィルム110、120の対向面に付着され、固定接点132、142が上部ベースフィルム110の上面に露出した一対の第1及び第2導電板130、140;固定接点132、142に縁部が当接され、中央の頂点部は第2導電板140の固定接点142上に離間して配置したドーム状の可動接点部材160;上部ベースフィルム110の上面に付着され、可動接点部材160が受容される空間部151を形成するスペーサーフィルム150からなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指などで押圧するドーム状の可動接点部材が弾性変形及び復元してハウジング内に備えられた複数の固定接点と接続または離間することによって、スイッチ機能を行うようにしたプッシュスイッチ装置に関するもので、特に装置の全体厚さをさらに薄く構成したスリム型プッシュスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の小型プッシュスイッチ装置として、図7に示したような構成のものを広く使用している。すなわち、従来のプッシュスイッチ装置は第1金属板1及び第2金属板2をインサートして成形した底を有し、上部が開放されたボックス型のハウジング3と、前記ハウジング3の内部空間3aに受容されたドーム状の可動接点部材4と、前記可動接点部材4が上方に移動することを規制しながらハウジング3内部の接点部分にホコリなどが侵入することを防止する保護蓋5から構成されている。
【0003】
また、第1金属板1の一部はハウジング3の内部空間3aの底面に露出して固定接点6を構成し、第2金属板2の一部はハウジング3内に搭載された可動接点部材4の縁部と接触するように底面から露出している。また、第1及び第2金属板1、2の他端部はそれぞれハウジング3の外壁面に露出する外部接続用端子(不図示)を構成するようになっている。
【0004】
このように構成された従来の小型プッシュスイッチ装置は、回路基板上に実装されて図示しなかった操作体の下方に配置される。この状態で、操作体を通じて可動接点部材4を指などで上側から押し下げると、可動接点部材4が保護蓋5と一緒に下方に弾性変形することによって、可動接点部材4の頂点部が反転して第1金属板1の固定接点6に当接する。それによって、スイッチ回路がオフ状態からオン状態に変換するようになる。また、このようなオン状態で指などの押圧操作力を除去すると、可動接点部材4が自体弾性復元力により元の形状に復帰するため、可動接点部材4の頂点部が第1金属板1の固定接点6から離間してスイッチ回路はオフ状態に戻るようになる。
【0005】
ところが、前述した従来の小型プッシュスイッチ装置は、第1及び第2金属板1、2をハウジング3の製造時インサート成形して一体化する構成であるため、ハウジングの底部は第1及び第2金属板1、2をインサート成形により埋設できる程度の厚さを確保しなければならない。またハウジング3の内部空間3aはドーム状の可動接点部材4が受容される所であるため、可動接点部材4を受容できる程度の空間を確保しなければならない。したがって、前述したような従来の小型プッシュスイッチ装置の厚さは通常3mm以上に製造するため、これ以上に薄型化することが難しい構造になっている。
【0006】
したがって、このようなプッシュスイッチ装置は比較的小型であり、大部分は携帯用や小型電子製品に使用する。また、最近はこれらの電子製品に対して使用及び携帯の便利性のために製品の重さと厚さをさらに減らすことを要求している実情であるが、このようなニーズを満たすことができない問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的はドーム状の可動接点部材が弾性変形及び復元してハウジング内の固定接点と接続または離間することによって、スイッチ機能を行うようにしたプッシュスイッチ装置において、その厚さサイズをさらに減少させて、このプッシュスイッチ装置を採用する電子製品の軽量化及び薄型化のニーズを満たすことができるスリム型プッシュスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述の目的を達成するために、本発明は、上、下部ベースフィルム;前記上、下部ベースフィルムの間に介在されて表面と裏面が上、下部ベースフィルムの対向面に付着され、外部接点は上、下部ベースフィルムの外部に露出し、固定接点は上部ベースフィルムの上面に露出する一対の第1及び第2導電板;前記第1導電板の固定接点に縁部が当接され、中央の頂点部は第2導電板の固定接点上に離間して配置したドーム状の可動接点部材;前記上部ベースフィルムの上面に付着され、前記可動接点部材が受容される空間部を形成するスペーサーフィルム;及び前記スペーサーフィルムの上面に付着され、前記可動接点部材の上面を覆う保護フィルムからなったスリム型プッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0009】
また本発明において、前記上部ベースフィルムには、第1及び第2導電板の固定接点と対応する位置に内部露出孔を形成し、この内部露出孔を通じて前記第1及び第2導電板の固定接点をスペーサーフィルムの空間部に露出させるスリム型プッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0010】
また本発明において、前記上部ベースフィルムとスペーサーフィルムの間には、前記第1及び第2導電板の固定接点を露出させる貫通孔が形成された補強板をさらに備えるスリム型プッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0011】
さらに本発明において、前記補強板と前記スペーサーフィルムの間には、前記第1及び第2導電板の固定接点を露出させる貫通孔が形成された絶縁フィルムをさらに備えるスリム型プッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0012】
さらに本発明において、前記下部ベースフィルムには、前記第1及び第2導電板の外部接点と対応する位置に外部露出孔を形成し、この外部露出孔を通じて前記第1及び第2導電板の外部接点が外部に露出するスリム型プッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0013】
またさらに本発明において、前記第1及び第2導電板の縁部には、上、下部ベースフィルムの間の側方向に露出する複数の外部接点片を延設したスリム型プッシュスイッチ装置に特徴がある。
【0014】
またさらに本発明は、前記下部ベースフィルムと第1及び第2導電板の間に介在された補強用金属板と、前記補強用金属板と第1及び第2導電板の間に介在された絶縁フィルムをさらに備え、前記補強用金属板の縁部には、前記保護フィルムの上面一部を覆うことができるように長く延びた複数の切曲げ固定片を形成したスリム型プッシュスイッチ装置に特徴がある。
【発明の効果】
【0015】
このような特徴的構成を有する本発明のスリム型プッシュスイッチ装置によれば、スイッチ機能を行うための第1及び第2導電板と、これを維持するための上、下部ベースフィルムを薄い導電板と合成樹脂材のフィルムで製造して積層することによって、スイッチ装置の厚さを最大限薄く構成できる。また、各構成部品は薄い導電板と合成樹脂材のフィルムをプレス機械で成形加工して製造し、これらの各構成を順に接着剤などの付着手段で固定して組立てるので、従来に比べて製造コストの節減、及び組立工程の単純化による生産性の向上が可能である効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置を示した分解斜視図である。
【図2a】本発明の第1実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置の作動状態を示した図面で、図1のA−A線に沿って取った断面図である。
【図2b】本発明の第1実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置の作動状態を示した図面で、図1のA−A線に沿って取った断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置を示した分解斜視図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置を示した断面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置を示した分解斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置の組立状態を示した斜視図である。
【図7】従来のプッシュスイッチ装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置について図面を参照して詳細に説明する。
【第1実施形態】
【0018】
まず、図1及び図2は本発明の第1実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置を示した図面である。ここに示したように、このスイッチ装置は上、下部ベースフィルム110、120、第1及び第2導電板130、140、スペーサーフィルム150、可動接点部材160及び保護フィルム170から構成される。
【0019】
まず、上、下部ベースフィルム110、120は、絶縁性材質の合成樹脂、例えばポリイミド(Polyimide)からなる厚さ0.01mm〜0.1mmの薄いフィルムからなり、プレス機械による成形加工で形成される。上、下部ベースフィルム110、120の材質は前述したポリイミドに限定するものではなく、絶縁性を有して薄いフィルム形態に製造できるものであれば適用可能である。
【0020】
第1及び第2導電板130、140は、前記上、下部ベースフィルム110、120の間に介在されるもので、導電性材質、例えばリン青銅からなる厚さ0.01mm〜0.1mmの薄い板状部材からなり、プレス機械による成形加工で形成される。
【0021】
第1及び第2導電板130、140の外形及びサイズは、前記上、下部ベースフィルム110、120と同一に形成することが好ましく、材質は前述したリン青銅に限定するものではなく、導電性を有し薄い板状に製造できるものであれば適用可能である。また、第1及び第2導電板130、140の表面と裏面は上、下部ベースフィルム110、120の対向面にそれぞれ付着されるもので、上、下部ベースフィルム110、120の対向面に接着剤(不図示)を塗布することによって付着させることができる。
【0022】
また、第1及び第2導電板130、140はスイッチ機能を行うための外部接点131、141と固定接点132、142をそれぞれ備えている。外部接点131、141は上、下部ベースフィルム110、120の外部に露出し、固定接点132、142は上部ベースフィルム110の上面に露出するもので、本発明の第1実施形態においては、前記外部接点131、141が下部ベースフィルム120の底面に露出していることを一例として示した。
【0023】
すなわち、前記下部ベースフィルム120には前記第1及び第2導電板130、140の外部接点131、141と対応する位置に外部露出孔121、122が形成され、この外部露出孔121、122を通じて前記第1及び第2導電板130、140の外部接点131、141が外部に露出する。この時、第1及び第2導電板130、140の外部接点131、141はプレス機械による成形加工時エンボス加工を通じて下方に突出させて形成することが好ましい。したがって外部接点131、141が外部露出孔121、122を通過して下部ベースフィルム120の底面から若干突出させることによって、図示しなかった外部の接続端子に容易に電気的に接続できる。
【0024】
また、前記上部ベースフィルム110には前記第1及び第2導電板130、140の固定接点132、142と対応する位置に内部露出孔111、112を形成し、第1及び第2導電板130、140の固定接点132、142が前記上部ベースフィルム110の内部露出孔111、112を通じて上部ベースフィルム110の上面に露出するように構成されている。この時、第1及び第2導電板130、140の固定接点132、142はプレス機械による成形加工時エンボス加工を通じて上方に突出させて形成する。したがって、固定接点132、142が内部露出孔111、112を通過して上部ベースフィルム110の上面から若干突出させることによって、後述する可動接点部材160に容易に電気的に接続できる。
【0025】
スペーサーフィルム150は、前記上部ベースフィルム110の上面に付着されて可動接点部材160が受容される空間部151を形成する。スペーサーフィルム150は、上、下部ベースフィルム110、120と同様に、絶縁性材質の合成樹脂、例えばポリイミドからなる厚さ0.01mm〜0.1mmの薄いフィルムからなり、プレス機械による成形加工で形成される。スペーサーフィルム150の外形及びサイズは上、下部ベースフィルム110、120と同一であり、上部ベースフィルム110の上面に付着される対向面に接着剤(不図示)を塗布して付着させることができる。
【0026】
可動接点部材160は、弾性及び電導性に優れた金属材料、例えばステンレススチール板材をプレス機械により加工してドーム状に製造したもので、前記スペーサーフィルム150の空間部151に受容され、その縁部は第1導電板130の固定接点132に当接され、中央の頂点部は第2導電板140の固定接点142上に離間して設けられる。
【0027】
この時、前述したドーム状の可動接点部材160は多様な形状を有することができ、そのうちいずれか適当なものを選択して使用すればよい。また、この可動接点部材160の形状に合せて第1及び第2導電板130、140の形状も相異なるように設計できる。
【0028】
例えば、第1実施形態に適用した可動接点部材160のように、縁部に90度の等間隔で4個の接点aを有する十字状の場合、第1導電板130は中央に孔を形成し、且つ環状に形成して可動接点部材160の4個の接点aが接触できるようにする。これと共に、第2導電板140は前記第1導電板130の孔内に位置するように、前記孔より小さなサイズの板状に形成して可動接点部材160の頂点部下部に位置させる構成も可能である。このような第1及び第2導電板130、140の構成は、図示しなかったが、接点aが縁部の周り全体に亘って形成される円状の可動接点部材にも同一に適用できる。
【0029】
また、前記可動接点部材160と第1及び第2導電板130、140は、図5及び図6に示したように、後述する第3実施形態に適用した可動接点部材360と、第1及び第2導電板330、340の形状を適用することができる。
【0030】
図1及び図2を再び参照すると、保護フィルム170は、スペーサーフィルム150の上面に付着され、前記可動接点部材160の上面を覆って可動接点部材160が離脱しないようにすると共に、内部の接点部へ異質物が流入することを防止するためのものである。保護フィルム170は上、下部ベースフィルム110、120と同様に、絶縁性材質の合成樹脂、例えばポリイミドからなる厚さ0.01mm〜0.1mmの薄いフィルムからなり、プレス機械による成形加工で形成される。保護フィルム170の外形及びサイズは上、下部ベースフィルム110、120と同一であり、スペーサーフィルム150の上面に付着される対向面に接着剤(不図示)を塗布して付着させることができる。
【0031】
このような構成を有した本発明の第1実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置によれば、下部ベースフィルム120の底面に露出した第1及び第2導電板130、140の外部接点131、141を、例えば回路基板上の接続端子と電気的に接続して使用する。
【0032】
したがって、可動接点部材160を指などで上側から押し下げると、可動接点部材160が保護フィルム170と一緒に下方に弾性変形することによって、可動接点部材160の頂点部が反転すると共に、図2bに示したように、第2導電板140の固定接点142に当接することによって、スイッチ回路がオフからオン状態に変換するようになる。またこのようなオン状態で指などの押圧操作力を除去すると、可動接点部材160が自体弾性復元力により元の形状に復帰するので、可動接点部材160の頂点部が図2aに示したように第2導電板140の固定接点142から離間してスイッチ回路はオフ状態に戻る。これによってスイッチ機能が行われる。
【0033】
このように作動する本発明の第1実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置において、スイッチ機能を行うための第1及び第2導電板130、140と、これを維持するための上、下部ベースフィルム110、120は、薄い板状部材と合成樹脂材のフィルムが積層された構成を有するので、スイッチ装置の厚さを0.5〜1mm程度に最大限薄く構成できる。また、各構成部品は薄い板状部材と合成樹脂材のフィルムをプレス機械で加工して形成し、接着剤などの付着手段で固定して組立てる構成であるので、製造及び組立作業の単一化により作業性及び生産性が向上できる。
【第2実施形態】
【0034】
図3及び図4は本発明の第2実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置を示した図面である。第2実施形態のスリム型プッシュスイッチ装置は、第1実施形態の構成において、上部ベースフィルム110、120とスペーサーフィルム150の間に第1及び第2導電板130、140の固定接点132、142を露出させる貫通孔181が形成された補強板180をさらに付着させた構成に差があり、その他の構成は第1実施形態の構成と同様である。したがって、同一の部分についての詳細な説明は省略する。
【0035】
前記補強板180はスリム型プッシュスイッチ装置を構造的に補強するために備えたもので、構造的強度を有する厚さ0.01mm〜0.1mmの薄い板状部材からなり、プレス機械による成形加工で形成される。補強板180の外形及びサイズは、前記上、下部ベースフィルム110、120と同一に形成され、上部ベースフィルム110の付着面に接着剤(不図示)を塗布することによって付着させることができる。
【0036】
この時、補強板180が絶縁性材質からなる場合、補強板180と可動接点部材160の間を絶縁する必要がない。しかし、補強板180の材質を例えばステンレススチールのような導電性金属板材で構成する場合、補強板180と可動接点部材160の間を電気的に絶縁する必要がある。このために、補強板180とスペーサーフィルム150の間に第1及び第2導電板130、140の固定接点132、142を露出させる貫通孔191が形成された絶縁フィルム190をさらに付着することが好ましい。
【0037】
前記絶縁フィルム190は、上、下部ベースフィルム110、120と同様に、絶縁性材質の合成樹脂、例えばポリイミドからなる厚さ0.01〜0.1mmの薄いフィルムからなり、プレス機械による成形加工で形成される。絶縁フィルム190の外形及びサイズは上、下部ベースフィルム110、120と同一であり、補強板180の上面に付着される対向面に接着剤(不図示)を塗布して付着させることができる。
【0038】
このような本発明の第2実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置によれば、前述した第1実施形態に比べて補強板180をさらに備えることによって、スリム型プッシュスイッチ装置を構造的により一層補強できる。
【第3実施形態】
【0039】
図5及び図6は本発明の第3実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置を示した図面で、第3実施形態のスリム型プッシュスイッチ装置は、第1実施形態の構成において、他の形状を有する可動接点部材360と第1及び第2導電板330、340を適用した構成に差がある。
【0040】
また下部ベースフィルム320に外部露出孔を形成せず、前記第1及び第2導電板330、340の縁部に上、下部ベースフィルム310、320の間の側方向に露出する複数の外部接点片331、341を形成した構成に差がある。
【0041】
さらに本発明の第3実施形態は、前記下部ベースフィルム320と第1及び第2導電板330、340の間に介在された補強用金属板380と、前記補強用金属板380と第1及び第2導電板330、340の間に介在された絶縁フィルム390をさらに備えた構成に差がある。その他の構成は前述した第1実施形態と同様であるので、同一の構成についての説明は省略する。
【0042】
まず、可動接点部材360は長方形のドーム状に形成され、両対向側縁部には2個の接点aを有した形状を適用した。これによって、第1導電板330と第2導電板340は前記2個の接点aを基準に左、右に配置し、第1導電板330は前記2個の接点aと接触可能な位置まで固定接点332を延設し、第2導電板340は可動接点部材360の頂点部と接触可能な位置まで固定接点342を延設した構成になっている。
【0043】
この時、前記可動接点部材360は、前述した第1及び第2実施形態に適用した「+」字状の可動接点部材160を適用することもでき、図示しなかったが、円状の可動接点部材を適用することもできる。
【0044】
補強用金属板380はスリム型プッシュスイッチ装置を構造的に補強し、組立状態を堅固に維持するためのもので、構造的強度を有する金属材質、例えばステンレススチールからなる厚さ0.01mm〜0.1mmの薄い板状部材からなり、プレス機械による成形加工で形成される。補強用金属板380の外形及びサイズは、前記上、下部ベースフィルム310、320と同一に形成し、下部ベースフィルム320の上面に接着剤(不図示)を塗布することによって付着させることができる。
【0045】
また、前記補強用金属板380は縁部に長く延びた複数の切曲げ固定片381が形成されており、この切曲げ固定片381を曲げて前記保護フィルム370の上面の一部を覆うことができるようになっている。
【0046】
絶縁フィルム390は、補強用金属板380の上面に付着されて補強用金属板380と第1及び第2導電板330、340の間を絶縁するようになる。上、下部ベースフィルム310、320と同様に、絶縁性材質の合成樹脂、例えばポリイミドからなる厚さ0.01mm〜0.1mmの薄いフィルムからなり、プレス機械による成形加工で形成される。絶縁フィルム390の外形及びサイズは上、下部ベースフィルム310、320と同一であり、補強用金属板380の上面に付着される対向面に接着剤(不図示)を塗布して付着させることができる。
【0047】
このような本発明の第3実施形態に係るスリム型プッシュスイッチ装置によれば、上、下部ベースフィルム310、320の間において側方向に露出した第1及び第2導電板330、340の外部接点片331、341を、例えば回路基板上の接続端子と電気的に接続して使用する。
【0048】
また、前述した第1実施形態に比べて補強用金属板380をさらに備えることによって、スリム型プッシュスイッチ装置を構造的にさらに補強でき、且つ各構成部品を積層させて付着した後、補強用金属板380の切曲げ固定片381を「コ」の字状に曲げて保護フィルム370上面の一部を覆うことによって、各構成部品の固定状態をさらに堅固に維持できる。
【0049】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
以上のように、プッシュスイッチ装置の厚さサイズをさらに減少させることによって、このプッシュスイッチ装置を採用する電子製品の軽量化及び薄型化のニーズを満たすことができる。従って、本発明の産業利用性はきわめて高いものといえる。
【0051】
一方、本明細書内で本発明をいくつかの好ましい実施形態によって記述したが、当業者ならば、添付の特許請求範囲に開示した本発明の範疇及び思想から外れずに、多くの変形及び修正がなされ得ることがわかるはずである。
【符号の説明】
【0052】
110、120、310、320 上、下部ベースフィルム
111、112 内部露出孔
121、122 外部露出孔
130、140、330、340 第1及び第2導電板
131、141 外部接点
132、142、332、342 固定接点
150、350 スペーサーフィルム
151、351 空間部
160、360 可動接点部材
170、370 保護フィルム
180 補強板
181、191 貫通孔
190、390 絶縁フィルム
380 補強用金属板
381 切曲げ固定片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上、下部ベースフィルム;
前記上、下部ベースフィルムの間に介在されて表面と裏面が上、下部ベースフィルムの対向面に付着され、外部接点は上、下部ベースフィルムの外部に露出し、固定接点は上部ベースフィルムの上面に露出する一対の第1及び第2導電板;
前記第1導電板の固定接点に縁部が当接され、中央の頂点部は第2導電板の固定接点上に離間して配置したドーム状の可動接点部材;
前記上部ベースフィルムの上面に付着され、前記可動接点部材が受容される空間部を形成するスペーサーフィルム;及び
前記スペーサーフィルムの上面に付着され、前記可動接点部材の上面を覆う保護フィルムからなったことを特徴とするスリム型プッシュスイッチ装置。
【請求項2】
前記上部ベースフィルムには、第1及び第2導電板の固定接点と対応する位置に内部露出孔を形成し、この内部露出孔を通じて前記第1及び第2導電板の固定接点をスペーサーフィルムの空間部に露出させることを特徴とする請求項1に記載のスリム型プッシュスイッチ装置。
【請求項3】
前記上部ベースフィルムとスペーサーフィルムの間には、前記第1及び第2導電板の固定接点を露出させる貫通孔が形成された補強板をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のスリム型プッシュスイッチ装置。
【請求項4】
前記補強板と前記スペーサーフィルムの間には、前記第1及び第2導電板の固定接点を露出させる貫通孔が形成された絶縁フィルムをさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のスリム型プッシュスイッチ装置。
【請求項5】
前記下部ベースフィルムには、前記第1及び第2導電板の外部接点と対応する位置に外部露出孔を形成し、この外部露出孔を通じて前記第1及び第2導電板の外部接点が外部に露出することを特徴とする請求項1に記載のスリム型プッシュスイッチ装置。
【請求項6】
前記第1及び第2導電板の縁部には、上、下部ベースフィルムの間の側方向に露出する複数の外部接点片を延設したことを特徴とする請求項1に記載のスリム型プッシュスイッチ装置。
【請求項7】
前記下部ベースフィルムと第1及び第2導電板の間に介在された補強用金属板と、前記補強用金属板と第1及び第2導電板の間に介在された絶縁フィルムをさらに備え、前記補強用金属板の縁部には、前記保護フィルムの上面一部を覆うことができるように長く延びた複数の切曲げ固定片を形成したことを特徴とする請求項1に記載のスリム型プッシュスイッチ装置。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−101873(P2013−101873A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245574(P2011−245574)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(510298263)マグマ カンパニー リミテッド (5)
【氏名又は名称原語表記】MAGMA CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75−2,Pungmu−dong,Gimpo−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】