説明

スリーブを有する外科手術アクセスアセンブリおよび調整可能なファスナー

【課題】低侵襲外科手術手順に用いられる外科手術アクセスアセンブリを提供する。
【解決手段】外科手術アクセスアセンブリ100は、近位端部110aと遠位端部とを有するアクセス部材100であって、アクセス部材は、アクセス部材を通す少なくとも1つの管腔を有し、長手方向軸を規定する、アクセス部材と、近位端部と遠位端部とを有する膜132を含む組織係合部材130であって、近位端部と遠位端部とは、両側の開口部を有し、膜は、アクセス部材を受容するための、膜を通す通路を有し、組織係合部材の長さは、収縮力を提供するように、ユーザーによって選択的に調整可能である、組織係合部材と、膜の一部分から近位へ延在するスリーブ140であって、スリーブは、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有し、スリーブの遠位端部が、膜の一部分によって規定されるスリーブと、アクセス部材とスリーブとを連結する締結部材150とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2011年3月30日に出願した米国仮特許出願第61/469,247の優先権および利益を主張する。上記出願の全部の内容が、本明細書において参照することによって援用される。
【0002】
(背景)
1.技術分野
本開示は、低侵襲外科手術手順、例えば、内視鏡型の手順または腹腔鏡型の手順に用いられるアクセスアセンブリに関し、より具体的に、アクセス部材、組織係合部材、スリーブ、およびアクセス部材をスリーブに結合させるための締結部材を有するアクセスアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術の背景
今日、患者への外傷および回復時間の両方を減少させるために、従来の手順において典型的に必要とされたより大きな切開と比較されると、多くの外科手術手順が、皮膚の小さな切開を通して行われる。概して、このような手順は、患者の腹に行われた場合の手順が「腹腔鏡的」と呼ばれる以外は、「内視鏡的」と呼ばれる。本開示を通して、用語、低侵襲は、内視鏡と腹腔鏡との両方を含むように理解されるべきである。典型的な低侵襲外科手術の間に、外科手術用物体、例えば、外科手術アクセス部材(例えば、トロカールおよび/またはカニューレアセンブリ)、内視鏡、または他の器具が、組織の切開を通って患者の体内に挿入される。患者の体内に外科手術用物体を導入する前に、通気気体は、より大きく、よりアクセス可能な作業エリアを生成するために、標的外科手術の部位を囲むエリアを拡大するように使用され得る。従って、実質的に流体の漏れない密閉のメンテナンスは、通気気体の漏れと、拡大された外科手術部位の収縮または虚脱とを最小限にすることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この目的のために、さまざまなアクセス部材が、低侵襲手順の進行の間に使用され、かつ当技術分野において広く既知である。さまざまな組織切開部位内に挿入され得、かつ通気された外科手術部位の状況を維持するために、適所に固定され得るアクセス部材に対する継続的なニーズが存在する。さらに、さまざまな組織切開および体の表面状況を収容し、外科手術部位において状況を変化させるように適合し、その一方で、外科手術部位を囲む組織を損傷から保護することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要約)
さまざまな実施形態に従って、本開示は、アクセス部材、組織係合部材、アクセス部材を受容するためのスリーブ、およびアクセス部材とスリーブとを連結するための締結部材を有する外科手術アクセスアセンブリを対象とする。
【0006】
アクセス部材は、概して、近位端部および遠位端部を有する砂時計形のプロフィールと、アクセス部材を通して延在する少なくとも1つの管腔とを有し、長手方向軸を規定する。アクセス部材の近位端部および遠位端部は、組織の層内にアクセス部材を固定することを支援するためのフランジを含み得る。
【0007】
組織係合部材が、外科手術部位の全周の周りに配置されている。組織係合部材は、近位端部および遠位端部を有する膜を含む。膜の近位端部と遠位端部とは、それぞれ、体の表面と内部組織壁とを係合する。膜の近位端部は、弓状またはインゲン豆形のプロフィールを有する弾性リングによって規定される。組織係合部材の長さは、収縮力を提供するように、例えば、切開を収縮させるように、ユーザーによって選択的に調整可能であり得る。
【0008】
遠位リングの外側円周に取り付けられ、そしてその周りに延在するのは、組織係合部材によって規定された通路を通して近位へ延在するスリーブである。スリーブは、両側の開口部と、アクセス部材を受容するための、スリーブを通す通路とを有する。スリーブは、アクセス部材との実質的に流体の漏れない密閉を形成する。従って、スリーブは、そこに配置されたアクセス部材と共に、組織係合部材内に挿入され得る。代替的な実施形態において、スリーブは、遠位リングの一部分に取り付けられ得、またはリング自身に取り付けられ得る。スリーブは、締結部材を受容する、スリーブの外側円周上の突起ポケットを含み得る。
【0009】
締結部材は、アクセス部材とスリーブとを円周的に係合し、連結する。締結部材は、より固定的な連結を提供するために、アクセス部材とスリーブとの周りに締め付けられ得る。締結部材は、溝のある表面を有し、締結部材がスリーブとアクセス部材との周りに配置された後に、溝のある表面を受容するための受容部材をさらに含むバンドであり得る。受容部材は、受容部材からバンドの外への望まれていない戻りを防止するためのポールをさらに含み得る。実施形態において、締結部材は、その長さに沿って間隔を空けられた突起部を有し、間隔を空けられた突起部をしっかりと受容するためのアパーチャまたはチャンネルを有する受容部材を有するバンドであり得る。他の実施形態において、締結部材は、分離可能な部材から形成され得、各分離可能な部材は、アパーチャを有する第2の突起部に接続された突起部を有する。
【0010】
組織の層内に外科手術アクセスアセンブリを設置する方法も開示される。オペレータは、膜の遠位端部にわたって近位に膜の近位リングおよび近位端部を配置させ、膜の遠位端部でのところに遠位リングを挿入する。次に、オペレータは、組織部位内に組織係合部材を挿入し、体の表面上にスリーブを延在させる。組織係合部材は、膜の長さを短くするために、膜の近位端部の周りに巻かれ得る。近位リングの周りに膜の近位端部を巻くことはまた、スリーブの長さを所望の長さまで短くさせる。代替的には、スリーブの余分な長さは、オペレータによって除去され得る。次に、オペレータは、膜の一部分から近位へ延在するスリーブ内にアクセス部材を挿入する。次に、アクセス部材は、調整可能な締結部材の使用を介してスリーブにしっかりと連結される。オペレータは、スリーブの外側円周上に形成されたポケット内に締結部材を挿入し、所望の圧縮力が生成されるように締結部材を調整し、それによって実質的に流体の漏れない密閉を形成させる。
【0011】
一旦アクセス部材およびスリーブがしっかりと連結されると、スリーブおよびアクセス部材が、組織係合部材内に挿入される。代替的には、アクセス部材、スリーブ、および組織係合部材は、互いに関連して、組織の層内に挿入され得る。アクセス部材上に近位へ延在する余分なスリーブが、外科手術アクセスアセンブリの使用の前に除去され得る。次に、外科手術器具がアクセス部材を通して挿入され得、低侵襲手順が行われ得る。
【0012】
本開示のさまざまな局面は、添付の図面に関連して読まれるときに、以下のより詳細な説明からより容易に理解される。
【0013】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
外科手術アクセスアセンブリであって、該外科手術アクセスアセンブリは、
近位端部と遠位端部とを有するアクセス部材であって、該アクセス部材は、該アクセス部材を通る少なくとも1つの管腔を有し、長手方向軸を規定する、アクセス部材と、
近位端部と遠位端部とを有する膜を含む組織係合部材であって、該近位端部と該遠位端部とは、両側の開口部を有し、該膜は、該アクセス部材を受容するための、該膜を通る通路を有し、該組織係合部材の長さは、収縮力を提供するように、ユーザーによって選択的に調整可能である、組織係合部材と、
該膜の一部分から近位へ延在するスリーブであって、該スリーブは、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有し、該スリーブの該遠位端部が、該膜の一部分によって規定され、該スリーブは、該アクセス部材を受容するための、該スリーブを通す通路を有する、スリーブと、
該アクセス部材と該スリーブとを連結する締結部材と
を含む、外科手術アクセスアセンブリ。
(項目2)
上記スリーブの外側円周は、上記締結部材を受容するためのチャンネルを有する、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目3)
上記チャンネルは、少なくとも1つの開口部を有する、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目4)
上記締結部材は、溝のある表面を含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目5)
上記締結部材は、角度のあるリッジを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目6)
上記締結部材は、上記溝のある表面をしっかりと係合する受容部材を含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目7)
上記締結部材は、ポールを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目8)
上記ポールが、解放部材に取り付けられている、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目9)
上記組織係合部材は、少なくとも1つの端部上に弾性の環状部材を含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目10)
上記弾性の環状部材は、上記膜の少なくとも1つの端部に固定可能に取り付けられている、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目11)
上記締結部材は、接続された突起部を含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目12)
上記突起部をしっかりと係合する受容部材をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目13)
上記締結部材は、複数の分離可能な部材を含み、各分離可能な部材は、アパーチャを有する第2の突起部に接続された第1の突起部を有する、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目14)
上記第2の突起部は、別の分離可能な部材の上記第1の突起部をしっかりと係合する、上記項目のいずれかに記載の外科手術アクセスアセンブリ。
(項目15)
外科手術アクセスアセンブリを設置するシステムであって、該システムは、
組織係合部材を規定するために、スリーブの外側表面に沿って組織係合部材の近位端部を滑らせる手段であって、該組織係合部材は、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有する膜を含み、該膜は、該膜を通す通路を有し、該スリーブは、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有し、該膜の一部分から延在し、該スリーブの該遠位端部が、該組織係合部材の表面によって規定され、該スリーブは、アクセス部材を受容するための、該スリーブを通す通路を有し、該アクセス部材は、近位端部および遠位端部と、該アクセス部材を通す少なくとも1つの管腔とを有し、長手方向軸を規定する、手段と、
該膜の該近位端部にわたって該膜または該スリーブからの余分な材料を配置する手段と、
該アクセス部材を該スリーブ内に挿入する手段と、
締結部材を用いて、該アクセス部材と該スリーブとを連結する手段と、
該組織係合部材内に該アクセス部材およびスリーブを挿入する手段と
を含み、該組織係合部材は組織内に挿入されるように構成されている、システム。
(項目16)
上記アクセス部材を通して外科手術器具を挿入する手段をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目17)
低侵襲手順を行う手段をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目18)
上記アクセス部材から外科手術器具を取り外す手段をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目19)
上記スリーブから上記アクセス部材を取り外す手段をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目20)
上記スリーブからの余分な材料を除去する手段をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目21)
上記スリーブの外側円周は、上記締結部材を受容するためのチャンネルを有する、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目22)
上記締結部材を上記チャンネル内に挿入する手段をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目23)
上記チャンネルは、少なくとも1つの開口部を有する、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目24)
上記締結部材は、溝のある表面を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目25)
上記締結部材は、角度のあるリッジを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目26)
上記締結部材は、上記溝のある表面をしっかりと係合する受容部材を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目27)
上記締結部材は、ポールを含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目28)
上記ポールが、解放部材に取り付けられている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目29)
上記組織係合部材は、少なくとも1つの端部上に弾性の環状部材を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目30)
上記弾性の環状部材は、上記膜の少なくとも1つの端部に固定可能に取り付けられている、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目31)
上記締結部材は、接続された突起部を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目32)
上記突起部をしっかりと係合する受容部材をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目33)
上記締結部材は、複数の分離可能な部材を含み、各分離可能な部材は、アパーチャを有する第2の突起部に接続された第1の突起部を有する、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目34)
上記第2の突起部は、別の分離可能な部材の上記第1の突起部をしっかりと係合する、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目15A)
外科手術アクセスアセンブリを設置する方法であって、該方法は、
組織係合部材を規定するために、スリーブの外側表面に沿って組織係合部材の近位端部を滑らせることであって、該組織係合部材は、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有する膜を含み、該膜は、該膜を通す通路を有し、該スリーブは、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有し、該膜の一部分から延在し、該スリーブの該遠位端部が、該組織係合部材の表面によって規定され、該スリーブは、アクセス部材を受容するための、該スリーブを通す通路を有し、該アクセス部材は、近位端部および遠位端部と、該アクセス部材を通す少なくとも1つの管腔とを有し、長手方向軸を規定する、ことと、
該膜の該近位端部にわたって該膜または該スリーブからの余分な材料を配置することと、
該組織係合部材を組織内に挿入することと、
該アクセス部材を該スリーブ内に挿入することと、
締結部材を用いて、該アクセス部材と該スリーブとを連結することと、
該組織係合部材内に該アクセス部材およびスリーブを挿入することと
を含む、方法。
(項目16A)
上記アクセス部材を通して外科手術器具を挿入することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目17A)
低侵襲手順を行うことをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目18A)
上記アクセス部材から外科手術器具を取り外すことをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目19A)
上記スリーブから上記アクセス部材を取り外すことをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目20A)
上記スリーブからの余分な材料を除去することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目21A)
上記スリーブの外側円周は、上記締結部材を受容するためのチャンネルを有する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目22A)
上記締結部材を上記チャンネル内に挿入することをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目23A)
上記チャンネルは、少なくとも1つの開口部を有する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目24A)
上記締結部材は、溝のある表面を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目25A)
上記締結部材は、角度のあるリッジを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目26A)
上記締結部材は、上記溝のある表面をしっかりと係合する受容部材を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目27A)
上記締結部材は、ポールを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目28A)
上記ポールが、解放部材に取り付けられている、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目29A)
上記組織係合部材は、少なくとも1つの端部上に弾性の環状部材を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目30A)
上記弾性の環状部材は、上記膜の少なくとも1つの端部に固定可能に取り付けられている、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目31A)
上記締結部材は、接続された突起部を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目32A)
上記突起部をしっかりと係合する受容部材をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目33A)
上記締結部材は、分離可能な部材を含み、各分離可能な部材は、アパーチャを有する第2の突起部に接続された第1の突起部を有する、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目34A)
上記第2の突起部は、別の分離可能な部材の上記第1の突起部をしっかりと係合する、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0014】
(摘要)
外科手術アクセスアセンブリが開示され、アクセス部材、組織係合部材、膜の一部分から延在するスリーブ、およびアクセス部材とスリーブとを連結するための締結部材を含む。アクセス部材は、近位端部および遠位端部と、アクセス部材を通して配置された少なくとも1つの管腔とを含み、長手方向軸を規定する。組織係合部材は、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有する膜を含み、膜は、アクセス部材を受容するための、膜を通す通路を有する。組織係合部材の長さは、収縮力を提供するように、ユーザーによって選択的に調整可能であり得る。スリーブは、膜の一部分から近位へ延在する。スリーブは、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有し、スリーブの遠位端部が、膜の一部分によって規定される。締結部材は、アクセス部材とスリーブとを連結する。組織部位内に外科手術アクセスアセンブリを設置し、かつ固定する方法も開示される。
【0015】
本開示のさまざまな代表的な実施形態は、以下の図面を参照して本明細書において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、アクセス部材、組織係合部材、スリーブ、および締結部材を含む外科手術アクセスアセンブリの部品の側面透視図である。
【図2】図2は、組織係合する部材およびスリーブが1組のリングの周りに形成されるように表される、アクセス部材を有しない図1の外科手術アクセスアセンブリの側面透視図である。
【図3】図3は、組織の層内に挿入する前に表される、図2に示される外科手術アクセスアセンブリの側面透視図である。
【図4】図4は、断面線4−4に沿って取られた、図3に示される外科手術アクセスアセンブリの断面図である。
【図5】図5は、組織の層内に挿入されるときの、図4に示されるような外科手術アクセスアセンブリの側面断面図である。
【図6】図6は、スリーブの余分な長さが組織の層から離れて引っ張られるときの、図5に示されるような外科手術アクセスアセンブリの断面図である。
【図7】図7は、余分な長さがオペレータによって近位リングの周りに巻かれるときの、図6に示されるような外科手術アクセスアセンブリの側面図である。
【図8】図8は、外科手術アクセス部材を通して配置された外科手術器具を有する外科手術アクセス部材がスリーブ内に挿入されるときの、図7に示されるような外科手術アクセスアセンブリの側面断面図である。
【図9】図9は、バンドと、受容部材とを有する締結部材の側面透視図である。
【図10】図10は、受容部材と、バンドの一部分との拡大された詳細図である。
【図11】図11は、図10に示される受容部材と、バンドとの分解組立図である。
【図12】図12は、受容部材内に挿入されたバンドを有する、図10に示されるような断面線12−12に沿って取られた締結部材の断面図である。
【図13】図13は、図12に示される受容部材の断面の拡大された詳細図である。
【図14】図14は、断面線14−14に沿って取られた、図13に示されるような受容部材の断面図である。
【図15】図15は、受容部材から係合解除されているバンドを有する、図13に示されるような受容部材の側面断面図である。
【図16】図16は、外科手術器具なしに、取り外しの準備をされるスリーブの余分な長さを有する、図8に示されるような外科手術アクセスアセンブリの断面図である。
【図17】図17は、その長さに沿って間隔を空けられた突起部を有する締結部材の実施形態である。
【図18】図18は、分離可能な部材を有する締結部材の実施形態である。
【図19】図19は、組織係合部材の一部分に取り付けられた遠位端部を有するスリーブの実施形態である。
【図20】図20は、遠位リングに直接に取り付けられた遠位端部を有するスリーブの実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(詳細な説明)
本開示は、ここで、図面を参照して、外科手術アクセスアセンブリの実施形態を詳細に説明し、同様の参照数字は、各図面において同一または実質的に類似な部分を示す。説明を通して、用語「近位」は、オペレータに最も近いアセンブリの部分を指し、その一方で、用語「遠位」は、オペレータから最も遠いアセンブリの部分を指す。低侵襲手順のための切開の点から議論されたが、本開示された外科手術アクセスアセンブリが、自然的に生じた開口(例えば、口、肛門、または膣)において使用され得る。
【0018】
最初に図1を参照すると、外科手術アクセスアセンブリ100の部品が、組み立ての前に示される。外科手術アクセスアセンブリ100は、概して、砂時計の形状、近位端部110aおよび遠位端部110b(図8)を有するアクセス部材110を含み、長手方向軸A1(図8)を規定する。アクセス部材110の近位端部110aおよび遠位端部110bは、実質的に長手方向軸A1に垂直である。フランジ112aは、アクセス部材110の近位端部110aを規定し、フランジ112bは、外科手術アクセス部材110の遠位端部110bを規定する。フランジ112a、bは、外科手術アクセスアセンブリ100を組織の層500(図5)内、または別の物体に固定するために役に立ち得る。アクセス部材110は、内部体の表面と接触するのに適切である圧縮可能な要素、例えば、フォームで作られ得る。
【0019】
アクセス部材110を通して長手方向軸A1に沿って延在するのは、少なくとも1つの管腔120であり、実施形態において複数の管腔120である。管腔120は、アクセス部材110の近位端部110aに配置された入口アパーチャ120aと、アクセス部材110の遠位端部110bに配置された出口アパーチャ120b(図8)とを有する。管腔120は、実質的に長手方向軸A1に平行して配置されている。管腔120は、外科手術アクセスアセンブリ100を通して挿入されるべきである外科手術器具600(図8)のような物体のためのパスを提供する。管腔120はまた、組織の層500以下の内部体腔500b(図5)に導入されるべきである通気流体のためのパスを提供し得る。上に概して説明されたタイプのアクセス部材は、米国特許出願公開第2009/0093752A1および第2010/0240960A1に開示され、上記出願の全部の内容は、本明細書において参照することによって援用される。
【0020】
当面には、図4を参照すると、組織係合部材130は、近位端部132aおよび遠位端部132bを有する部材132を含む。組織係合部材130は、外科手術部位を規定する組織の層500の全周の周りに配置されるように構成されている。組織係合部材130は、体の表面500a(図5)の一部分を覆い、組織層500内に、そして内部組織壁500c(図5)上まで延在する。膜132の遠位端部132bは、組織の層500内に挿入する際に、内部組織壁500cと接触するリング134bを含む。膜132の遠位端部132bでのリング134bは、弾性要素であり、膜132が、弾性要素上に配置される。膜132の近位端部132aはまた、リング134aによって規定され、体の表面500aと接触する。リング134aは、弓状またはインゲン豆形のプロフィールを有する弾性部材である。他の断面プロフィールは、膜132の近位端部132aでの弾性リングに対して考えられる。膜132のリング134aおよび近位端部132aは、概して、リング134aが膜132の近位端部132aから分離可能であるように取り付けられる。このような取り付けは、例えば、縫合または加熱による溶解によって完成され得る。
【0021】
組織係合部材130は、摩擦係合によって引き起こされた損傷、動作の間の偏位、または低侵襲手順の間に引き起こされた有害な力から組織層500を保護する。このように、組織係合部材130は、内部体の表面との延長された接触に対して適切な材料で作られる。
【0022】
膜132は、膜132の遠位端部132bでのリング134bの外側表面にわたって配置され、組織係合部材130によって規定された通路を通して近位へ延在し、そしてスリーブ140を規定する。スリーブ140は、組織係合部材130から近位へ延在し、近位端部140aおよび遠位端部140bを有する。従って、膜132の遠位端部132bは、リング134bの外側円周によって規定され、スリーブ140の遠位端部140bは、リング134bの内側円周によって規定される。スリーブ140の近位端部140aおよび遠位端部140bは、両側の開口部と、アクセスアセンブリ110を受容するように構成されている、スリーブ140を通す通路とを規定する。
【0023】
当面には、図19〜20を参照すると、440で示されたスリーブ部材の代替的な実施形態が示される。スリーブ440は、実質的に、前述のスリーブ140に類似しており、しかしながら、スリーブ440は、膜を有する継続的な長さの材料から作られず、リング134bの周りに輪にされない。むしろ、スリーブ440の遠位端部440bは、膜432の一部分に取り付けられる。同様に、組織係合部材430の膜432の遠位端部432bは、リング134bに直接に取り付けられる。このような取り付けは、例えば、熱密閉または溶接、縫合、または接着によって完成される。スリーブ440の遠位端部440bは、膜432の一部分によって規定され、スリーブ440の遠位端部440bと膜132との取り付けが前述のように完成される。
【0024】
スリーブ440の遠位端部は、図20に示されるように、前述の方式でリング134bに取り付けられ得ることがさらに考えられる。
【0025】
当面には、図8を向けると、アクセス部材110を受容する際に、スリーブ140の内側表面は、アクセス部材110の外側表面との実質的に流体の漏れない密閉を形成する。アクセス部材110の外側表面およびスリーブ140の内側表面は、摩擦的に係合し得、または潤滑の表面処置は、簡単の挿入のために提供され得る。アクセス部材110とスリーブ140との間の実質的に流体の漏れない密閉は、組織の層500以下の内部体腔500bまたは組織の開口部の外部と内部との間の流体の通路から通気流体の漏れを抑制する。このように、さまざまな大きさおよび構成のアクセス部材が、外科手術部位内に挿入され得、スリーブ140との係合は、通気された作業空間が、以下の内部体腔内に維持されることを保証する。従って、外科手術アクセスアセンブリ100は、組織の層において使用されるべきである一般的大きさのアクセス部材の使用を可能にすると同時に、通気流体の損失を最小限にする。
【0026】
スリーブ140は、組織係合部材130に対する動きのために構成されている。一旦アクセス部材110がスリーブ140内に挿入されると、連結されたアクセス部材110およびスリーブ140は、組織の層500内に所望の位置決めのために、膜132の一部分に沿って遠位へ並進され得る。
【0027】
スリーブ140は、その外側円周においてポケット142を含み得る。ポケット142は、スリーブ140の一部分であり、スリーブ140の表面から突き出ており、スリーブ140の外側円周の周りに部分的または全体的に延在する。ポケット142は、ポケット142の外側壁とスリーブ140の外側表面とによって形成されたチャンネルを含む。ポケット142は、スリーブ140の残りに対して緩んでいる場合もあり、締結部材150を受け取り、かつ開放するための少なくとも1つのアパーチャ142a(図1)を有し、それにより、締結部材150は、スリーブ140とスリーブ140を通して配置されたアクセス部材110とを円周的に係合し得、かつ連結し得る。
【0028】
ここで図9〜15を参照すると、締結部材150が詳細に議論される。図9に示されるように、締結部材150は、アクセス部材110およびスリーブ140の外側円周を囲むのに十分な長さを有するバンド152を含む。溝のある表面152aは、バンド152の表面対して角度で配置されている一連のリッジ152aから形成される。締結部材150はまた、所望の位置にバンド152を受け取り、かつ固定する受容部材154を含む。
【0029】
図10に示されるように、受容部材154の一部分は、バンド152の端部にしっかりと取り付けられる。また、解放部154bが示され、以下により議論されるように、解放部154bは、受容部材154とバンド152との係合にわたってオペレータ制御を与える。
【0030】
図11を向けると、受容部材154は、解放部154bが取り付けられる上部フレーム154aと、底部フレーム154aとを含む。解放部は、ポール154cに連結され、ポール154cは、解放部154bに取り付けられた第1の端部154cと、バンド152の表面を係合するウエッジ型のプロフィールを有する第2の端部154cとを有するリッジ部材である。ポール154cの第1の端部154cは、示されるようなピン−スロットの構成で、または取り付けの任意の他の適切な方法によって解放部に取り付けられる。
【0031】
図12を参照すると、バンド152と受容部材154との係合が示される。完全に組み立てられた場合に、受容部材154は、チャンネル154dを規定し、バンド152は、チャンネル154dを通して並進する。受容部材154に挿入する際に、バンド152は、輪を形成する。前に図1〜3において理解されるように、締結部材150がポケット154に配置されるときに、この輪は、アクセス部材110とスリーブ140とを円周的に係合する。
【0032】
図13を参照すると、溝のある表面152aは、一連のレッジと、角度のあるリッジ152aによって形成された間隔とによって規定される。バンド152がチャンネル154dを通して並進されるときに、ポール152cが配置される角度は、ポール152cの第2の端部154cに、角度のあるリッジ152aにわたって滑らせる。さらに、受容部材154は、第1または前方ストップ155と、第2または後方ストップ157とを含む。第1のストップ155は、第1の方向においてポール154cの移動を制限し、それにより、ポール154cの第2の端部154cは、バンド152のノッチに居座る。第2のストップ157は、第2の、反対側の方向においてポール154cの移動を制限する。
【0033】
バンド152が、受容部材154の外へバンド152を並進させる傾向がある力を受けられる場合に、ポール154cは、それがリッジ152aの間の空間に向かって付勢されるように、リッジ152aと干渉する。従って、ポール154cは、受容部材154の外へのバンド152の運動を抑制する。従って、締結部材150は、アクセス部材110およびスリーブ140の周りに固定され得、かつ締め付けられ得、しかし、バンド152は、オペレータの介入なしに、チャンネル154dの外へ滑らない場合もある。
【0034】
リッジ152aが角度で配置されるときに、ポール154cは、各リッジ152aにわたって各リッジ152aの頂点へ滑り、次に、付勢の力でリッジ152aの間の間隔内に押される。ポール154cと溝のある表面152a(図9)との係合は、バンド152aの長さに対して継続的に繰り返され得る。図14のチャンネル154dを通す前面図に示されるように、バンド152は、干渉なしに、チャンネル154dを通して自由に並進する。
【0035】
図15を参照すると、受容部材154からのバンド152の係合解除が示される。締結部材150が解かされることが所望である場合において、解放部154bは、オペレータによって係合され得る。解放部154bが、オペレータによってチャンネル154dから離れて押されるときに、ポール154c上の付勢の力が克服され、ポール154cがチャンネル154dに配置されるときに、ポール154cは、バンド152から離れて動かされる。ポール154cからの干渉なしに、バンド152は、受容部材154内に、または外へ自由に並進される。
【0036】
当面には、図17を参照すると、締結部材250が示される。締結部材250は、アクセス部材110およびスリーブ140の外側円周を囲むのに十分な長さを有するバンド252を含む。前述の締結部材150と同様に、締結部材250は、スリーブ140の円周の周りのポケット142に配置されるべきである。
【0037】
バンド252は、間隔のある突起部252aを含む。突起部252aは、示されるようなビーズであり得、または任意の他の所望の形状であり得る。突起部252aは、接続部材252bによって相互接続されており、それらの間の間隔252cを有する、バンド252に沿うポイントにおいて配置される。突起部252aは、等しい長さの間隔252cを有する正規区間において間隔を空けられ得、または所望のようなさまざまな区間において配置され得る。
【0038】
締結部材250はまた、バンド252を受容するアパーチャ254aを有する受容部材254を含む。アパーチャ254aは、突起部252aをしっかりと係合し得、または接続部材252bと、突起部252aの間の間隔252cとを係合するように構成され得る。
【0039】
図18を向けると、別の実施形態において、締結部材350は、少なくとも、第1の突起部352aと、突起部352aの間の間隔352cを通して配置された接続部材352bとを有する分離可能な部材352から形成されている。受容部材354は、突起部352aをしっかりと係合するためのアパーチャ354aを有する。従って、一連の分離可能な部材の連続する第1の突起部352aが、アパーチャ354a内に挿入され得、締結部材350を形成させる。前述のような締結部材150および250と同じように、締結部材350は、アクセス部材110およびスリーブ140の円周の周りのポケット142に配置され得る。
【0040】
図1に戻って参照すると、組織係合部材130およびスリーブ140は、完全に解体され、巻いていないように示される。組織係合部材140は、組織の層500内に挿入する前に、膜132の近位端部132bの近位に、膜132の遠位端部132bが置かれるように逆にされる。締結部材150は、ポケット142を通して配置され得、またはその後に挿入され得る。膜132の遠位端部132bに置かれるべきであるリング134bは、スリーブ140の近位端部140aにわたって、膜132の遠位端部132bとスリーブ140の遠位端部140bが形成される所望の長さまで滑らせられる。
【0041】
ここで図2を向けると、組織係合部材130およびスリーブ140は、それらが組織の層500(図3)内に挿入される準備されるように示される。リング134aに取り付けられた、膜132の近位端部132aは、リング134aの近位、そして外側へ上げられる。カフ136は、近位リング134aと膜132が逆にされるポイントとの間に形成される。遠位リング134bは、カフ136に沿うポイントにおいて配置される。
【0042】
図3を参照すると、リング134bは、カフ136を通して遠位へ滑らせられ、その最後の残りの位置において、膜132の遠位端部132bと、スリーブ140の遠位端部140bとを規定する。適所にリング134bを用いて、組織係合部材130およびスリーブ140は、それらが組織の層500に配置されるべきであるように完全に規定される。
【0043】
ここで、図5を参照すると、遠位リング134bは、組織の層500に一致して通すように圧縮され、かつ変形される。このように、遠位リング134bは、弾性であり、むしろ組織の層500内に挿入する際に実質的に変形されるように十分な柔軟性である材料、例えば、ゴムまたはフォームで作られる。遠位リング134bが、組織の層500を通過したときに、遠位リングは、その本来の環状の形に逆戻る。スリーブ140と、近位リング134aとは、組織の層500の上の近位に配置されるままである。
【0044】
図6を参照すると、組織係合部材130およびスリーブ140が組織の層500に配置されるように示される。オペレータは、外科手術部位の特定のニーズに適合するように、組織係合部材130およびスリーブ140を調整する。膜132の近位端部132aが、組織の層500上の近位へ並進されるときに、スリーブ140から、材料がリング134bの下に滑る。従って、オペレータは、スリーブ140の長さを変化させ得る。
【0045】
ここで、図7を向けると、リング134aは、それがオペレータによって巻かれるように示される。余分な薄膜132およびスリーブ140の材料は、リング134aにわたって巻かれ、リング134aは、体の表面500aに向かって巻かれる。円形のプロフィールを有するリングと比較されると、リング134aの弓状またはインゲン豆形のプロフィールは、リング134aの周りの運動に対抗する、体の表面550aにわたって配置された平坦なエッジを提供することによって、リング134aにわたって配置された材料を巻かないことを抑制する。
【0046】
前述のスリーブ440の代替的な実施形態において、リング134aを巻くことは、組織係合部材130の長さを短くさせ、しかしながらスリーブ440の長さを変化させない。
【0047】
当面には、図16を参照すると、アクセス部材110にわたって近位に延在するスリーブ140の余分な長さがオペレータによって除去され得ることがさらに考えられる。外科手術部位の性質または手順の性質によって強いられる拘束のために、前述のようにリング134aを巻くことによって緩みを持ち上げることにより、スリーブ140の余分な長さを切除することが好ましくあり得る。
【0048】
図8を向けると、組織の層500内に配置された組織係合部材130を用いて、アクセス部材110が、スリーブ140内に挿入される。アクセス部材110とスリーブ140との間に形成された実質的に流体の漏れない密閉を維持することを支援するために、締結部材150のバンド152は、受容部材154(図9)内に挿入される。受容部材154との溝のある表面152a(図9)の係合は、オペレータがアクセス部材110およびスリーブ140の周りに加えられた圧縮力を制御することを可能にする。締結部材150は、所望の角度に対して締め付けられ得、スリーブ140が、アクセス部材110に対して独立的に動くことを保証する。
【0049】
次に、スリーブ140内に配置されたアクセス部材110は、組織の層500内に挿入され得る。アクセス部材110およびスリーブ140が長手方向軸に沿って遠位へ挿入されるときに、スリーブ140の外側表面は、膜132と接触している。スリーブ140の十分な長さがアクセス部材110の遠位に存在しなければならない。それにより、アクセス部材110およびスリーブ140が組織の層内に遠位へ並進されるときに、スリーブ140は、アクセス部材110から離れて巻かれず、または滑らせられない。スリーブ140および膜132は、摩擦的に係合し得、または組織の層500内に簡単に挿入するように、潤滑の表面処置を提供され得る。
【0050】
組織の層500内に固定された外科手術アクセスアセンブリ100を用いて、1つ以上の外科手術器具600は、アクセス部材110の管腔120を通して挿入され得る。管腔120は、外科手術アクセスアセンブリ100の近位ポイントから組織の層500以下の内部体腔500bまでの防げられていないパスを提供する。従って、オペレータは、内部体腔500b内に低侵襲手順を行うように外科手術器具600を制御し得る。
【0051】
代替的には、近位リング134aが、さらに巻かれ、それにより、アクセス部材110およびスリーブ140が組織の層500内に配置されるまでに、スリーブ140が短くされる。アクセス部材110の近位端部110aでのフランジ112aとアクセス部材110の遠位端部110bでのフランジ112bとを用いて組織の層500に固定されたアクセス部材110を用いて、リング134aの追加の巻きは、組織の層500を収縮させ得、外科手術部位を広げ得る。
【0052】
この方法において、さまざまな大きさのアクセス部材は、外科手術アクセス部材より大きな直径を有する組織の切開または自然的に生じた開口を通って利用され得る。外科手術アクセス部材は、スリーブが切開内に位置決めされる前、その間またはその後に挿入され得ることが考えられる。また、任意のスリーブを通す開口部の大きさは、スリーブを取り外す必要なしに、被検体が切開を通して除去され、そして/または通過されること(例えば、病気の内部解剖物の永久的除去、および/または体内に戻される前に、体の外側に操作されるべきである結腸の一部分の一時的な肱置)を可能にし得、それによって、癌細胞の散布等を介した伝染に対抗して、スリーブを通して切開に保護層を提供する。なおさらに、スリーブを用いて、ユーザーは、外科手術手順の進行の間に、切開の大きさを選択的に増大させ得る(例えば、外科医は、最初の比較的に小さな切開を作り得、それにより、外科手術アクセスポートは、スリーブが使用されることなしに切開内に維持され、そしてその後、外科医は、行うのが正当であることを決心した場合に、より大きな切開を作り、それにより、外科手術アクセス部材は、存在するスリーブを用いて切開内に維持される)。外科医が、彼または彼女が最初により小さな切開を用いて、彼または彼女の観察に基づいて切開を拡大することを決定するまでに、より大きな切開を作るのを待ち得るので、上記柔軟性は、外科医が、外科手術手順の間に作られた切開の大きさを最小にすることを可能にし得る。この柔軟性はまた、切開の大きさにかかわらず、外科医が最初に小さな切開を作るかまたは最初により大きな切開を作るかを選ぶことにかかわらず、外科医が同じの外科手術アクセス部材を利用することを可能にし、それによって、異なる大きさの外科手術アクセス部材に対するニーズを除去する。これらの前述の利点は、本明細書に説明される実施形態の全部に適用可能であることが留意されるべきである。
【符号の説明】
【0053】
100 外科手術アクセスアセンブリ
110 アクセス部材
112a、112b フランジ
120 管腔
130 組織係合部材
132 膜
140 スリーブ
150 締結部材
152 バンド
154 受容部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術アクセスアセンブリであって、該外科手術アクセスアセンブリは、
近位端部と遠位端部とを有するアクセス部材であって、該アクセス部材は、該アクセス部材を通る少なくとも1つの管腔を有し、長手方向軸を規定する、アクセス部材と、
近位端部と遠位端部とを有する膜を含む組織係合部材であって、該近位端部と該遠位端部とは、両側の開口部を有し、該膜は、該アクセス部材を受容するための、該膜を通る通路を有し、該組織係合部材の長さは、収縮力を提供するように、ユーザーによって選択的に調整可能である、組織係合部材と、
該膜の一部分から近位へ延在するスリーブであって、該スリーブは、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有し、該スリーブの該遠位端部が、該膜の一部分によって規定され、該スリーブは、該アクセス部材を受容するための、該スリーブを通す通路を有する、スリーブと、
該アクセス部材と該スリーブとを連結する締結部材と
を含む、外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記スリーブの外側円周は、前記締結部材を受容するためのチャンネルを有する、請求項1に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記チャンネルは、少なくとも1つの開口部を有する、請求項2に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記締結部材は、溝のある表面を含む、請求項1に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記締結部材は、角度のあるリッジを含む、請求項3に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記締結部材は、前記溝のある表面をしっかりと係合する受容部材を含む、請求項4に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記締結部材は、ポールを含む、請求項5に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項8】
前記ポールが、解放部材に取り付けられている、請求項7に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項9】
前記組織係合部材は、少なくとも1つの端部上に弾性の環状部材を含む、請求項1に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項10】
前記弾性の環状部材は、前記膜の少なくとも1つの端部に固定可能に取り付けられている、請求項7に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項11】
前記締結部材は、接続された突起部を含む、請求項1に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項12】
前記突起部をしっかりと係合する受容部材をさらに含む、請求項11に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項13】
前記締結部材は、複数の分離可能な部材を含み、各分離可能な部材は、アパーチャを有する第2の突起部に接続された第1の突起部を有する、請求項1に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項14】
前記第2の突起部は、別の分離可能な部材の前記第1の突起部をしっかりと係合する、請求項13に記載の外科手術アクセスアセンブリ。
【請求項15】
外科手術アクセスアセンブリを設置するシステムであって、該システムは、
組織係合部材を規定するために、スリーブの外側表面に沿って組織係合部材の近位端部を滑らせる手段であって、該組織係合部材は、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有する膜を含み、該膜は、該膜を通す通路を有し、該スリーブは、両側の開口部を有する、近位端部および遠位端部を有し、該膜の一部分から延在し、該スリーブの該遠位端部が、該組織係合部材の表面によって規定され、該スリーブは、アクセス部材を受容するための、該スリーブを通す通路を有し、該アクセス部材は、近位端部および遠位端部と、該アクセス部材を通す少なくとも1つの管腔とを有し、長手方向軸を規定する、手段と、
該膜の該近位端部にわたって該膜または該スリーブからの余分な材料を配置する手段と、
該アクセス部材を該スリーブ内に挿入する手段と、
締結部材を用いて、該アクセス部材と該スリーブとを連結する手段と、
該組織係合部材内に該アクセス部材およびスリーブを挿入する手段と
を含み、該組織係合部材は組織内に挿入されるように構成されている、システム。
【請求項16】
前記アクセス部材を通して外科手術器具を挿入する手段をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
低侵襲手順を行う手段をさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記アクセス部材から外科手術器具を取り外す手段をさらに含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記スリーブから前記アクセス部材を取り外す手段をさらに含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記スリーブからの余分な材料を除去する手段をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項21】
前記スリーブの外側円周は、前記締結部材を受容するためのチャンネルを有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項22】
前記締結部材を前記チャンネル内に挿入する手段をさらに含む、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記チャンネルは、少なくとも1つの開口部を有する、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記締結部材は、溝のある表面を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項25】
前記締結部材は、角度のあるリッジを含む、請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記締結部材は、前記溝のある表面をしっかりと係合する受容部材を含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記締結部材は、ポールを含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記ポールが、解放部材に取り付けられている、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記組織係合部材は、少なくとも1つの端部上に弾性の環状部材を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項30】
前記弾性の環状部材は、前記膜の少なくとも1つの端部に固定可能に取り付けられている、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記締結部材は、接続された突起部を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項32】
前記突起部をしっかりと係合する受容部材をさらに含む、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記締結部材は、複数の分離可能な部材を含み、各分離可能な部材は、アパーチャを有する第2の突起部に接続された第1の突起部を有する、請求項15に記載のシステム。
【請求項34】
前記第2の突起部は、別の分離可能な部材の前記第1の突起部をしっかりと係合する、請求項33に記載のシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−210409(P2012−210409A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−74150(P2012−74150)
【出願日】平成24年3月28日(2012.3.28)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】