Array ( [harmful] => 0 [next] => Array ( [id] => A,2007-139530 [meishou] => 薄型熱電対及びその製造方法 ) [prev] => Array ( [id] => A,2007-139528 [meishou] => 核医学診断装置及びトランスミッション撮像方法 ) ) スルフォラファンの測定方法

スルフォラファンの測定方法

【課題】分析単価が安価で、連続分析可能なスルフォラファンの測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】スルフォラファンの測定方法であって、試料を液体クロマトグラフィーで分離する工程およびスルフォラファンを蒸発光散乱検出器で検出する工程を含む、前記方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品産業分野、医学分野等において有用なスルフォラファンの測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スルフォラファンはアブラナ科植物に特徴的な含硫化合物であり、スルフォラファンの摂取は肝臓の解毒酵素群を活性化することが報告されている。このスルフォラファンはブロッコリーとその新芽(スプラウト)に豊富に含まれ、現在、パウダー、タブレットなど種々の形態の「ブロッコリースルフォラファン」が商品化されている。しかし、これら商品の多くは、スルフォラファンの効能を謳っているにもかかわらず、含量が保証されていないことからその測定方法が望まれていた。
【0003】
スルフォラファンは紫外可視領域に極大吸収を持たない分子構造であることから、通常の紫外可視検出器などを利用した分析機器での定量がとくに難しく、また含量が微量であるため示差屈折計でも検出ができなかった。これまで、他の夾雑物の混在条件でガスクロマトグラフィー/質量分析計(以下GC/MSと省略する)で、スルフォラファン該当分子イオンピークを抽出する定量分析が行われた例がある(非特許文献1)。しかし、GC/MSでの分析はGC/MSが高額な機器であること、分析にかかる費用が高価であること、MSでの定量分析は不安定であり再現性が得にくいこと、夾雑物質の混在下でのスルフォラファンの分析と純粋なスルフォラファン標準品の分析ではイオン化条件が異なりイオン化効率が異なると考えられるため、正しい定量結果を得られているか不明であること、質量分析計(以下MSと省略する)の試料導入部が汚れやすく多数試料の連続分析が不可能であること等、の難点があった。このため安価で信頼性が高く連続分析が可能なスルフォラファンの測定方法が望まれていた。
【0004】
【非特許文献1】N.V.Matusheski:J.Agric.Food Chem.,(49),1867−1872(2001).
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、分析単価が安価で、連続分析可能なスルフォラファンの測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、スルフォラファンが液体クロマトグラフィーを原理とする分離カラムに十分に保持されること、そして蒸発光散乱検出器により試料中のスルフォラファンの定量に必要とされる十分な感度および安定性が得られることを見出した。また、分離カラム、検出条件、分離条件、試料溶液の調製法を鋭意検討した結果、スルフォラファンを夾雑物質と分離し、かつ効果的に測定できる条件を見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)スルフォラファンの測定方法であって、試料を液体クロマトグラフィーで分離する工程およびスルフォラファンを蒸発光散乱検出器で検出する工程を含む、前記方法。
(2)液体クロマトグラフィーが逆相クロマトグラフィーである、(1)に記載の方法。
(3)液体クロマトグラフィーにおける移動相として、水とアセトニトリルとt−ブチルアルコールの混合液を用いる、(2)に記載の方法。
(4)試料が植物抽出物である、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)植物抽出物が、ハロゲン化炭化水素を含む抽出液を用いて抽出されたものである、(4)に記載の方法。
(6)逆相クロマトグラフィーのための分離カラムおよび蒸発光散乱検出器を備える、スルフォラファンを測定するための装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、分析単価が安価で、連続分析可能なスルフォラファンの測定方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明においてスルフォラファンは、以下の式:
【化1】

の構造を有する化合物をさす。
【0010】
スルフォラファンはアブラナ科植物に特徴的な含硫化合物であり、スルフォラファンの摂取は肝臓の解毒酵素群を活性化することが報告されている。ブロッコリーとブロッコリースプラウトはスルフォラファンを豊富に含むことが知られ、機能性食材として期待されている。
【0011】
本発明の測定方法は、液体クロマトグラフィーによって試料からスルフォラファンを分離することを特徴とする。本発明においては、分配クロマトグラフィー、特に逆相クロマトグラフィー(逆相LLC)を用いる。また、好ましくはHPLC(高速液体クロマトグラフィー)を用いる。分配クロマトグラフィーは、吸着性のあまり強くない担体に水または適当な溶媒を保持させてカラムをつくり、これと混合しない溶媒を移動相として、試料をカラム中に通すと、試料成分は両液相の間に分配されるので、その分配係数の差によっって生じる移動速度の差に基づき分離する液相クロマトグラフィーの一種である。本発明における液相クロマトグラフィーは、スルフォラファンのアルキル基またはスルフォキサイド基を認識するものであれば特に制限されない。
【0012】
本発明における分配クロマトグラフィーにおけるカラム充填剤としては、固定相を担体表面に結合した化学結合型充填剤が好ましい。化学結合型充填剤としては、多孔性シリカゲルやセラミックマイクロ粒子等の担体に、疎水性基、例えば、オクタデシル基、オクチル基、アミノプロピル基、ニトリル基、フェニル基、フェニルメチル基、ジクロロフェニル基、メチル基、トリメチル基、ブチル基を導入したものを使用できる。本発明においては、C4〜C18の炭素鎖を有する飽和脂肪族炭化水素基で修飾されたシリカゲルを使用するのが好ましい。特に、多孔性シリカゲルにオクタデシル基を導入した化学結合型充填剤(ODS−シリカとも称される)が充填された分離カラムを用いるのが好ましい。また、上記化学結合型充填剤は、エンドキャッピング処理を行ったものが好ましい。
【0013】
より具体的には、本発明の液体クロマトグラフィーにおける分離カラムとしては、例えば、YMC−Pack Pro C18(YMC社製)、Hydrospere C18(YMC社製)、YMC−Pack ODS−AM(YMC社製)、YMC−Pack PolymerC18(YMC社製)、YMC−Pack C8(YMC社製)、YMC−Pack C4(YMC社製)、YMC−Pack TMS(YMC社製)、YMC−Pack Ph(YMC社製)、YMC−Pack CN(YMC社製)、TSKgel ODS−100V(東ソー社製)、TSKgel ODS−80TM(東ソー社製)、TSKgel ODS−120T(東ソー社製)、等を使用することができ、特に、YMC−Pack Pro C18(YMC社製)を使用するのが好ましい。
【0014】
本発明における液体クロマトグラフィーでは、移動相として、スルフォラファンが溶解しうる水および有機溶媒の混合液を使用する。有機溶媒としては、水と混和できるものであれば特に制限されないが、極性溶媒を用いるのが好ましい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールおよびt−ブチルアルコールなどの低級アルコール、ホルムアミド、アセトニトリル、酢酸、アセトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、フェノール、n−ブタノール等、ならびにこれらの混合液が挙げられる。水と有機溶媒の混合比率は、容量比で、通常、6:4〜9:1、好ましくは、8:2〜9:1である。あるいは、移動相において、有機溶媒と水の濃度勾配、例えば、アセトニトリル/水の6/4〜9/1の濃度勾配を使用することもできる。水としては、検出系に影響を与えないものであれば特に制限されず、冷水、温水のいずれも用いることができる。本発明において有機溶媒としては、アセトニトリル、低級アルコール、特にt−ブチルアルコール、およびこれらの混合液を用いるのが好ましい。その場合、水とアセトニトリルおよびt−ブチルアルコールの合計との比は、上記の水と有機溶媒の混合比率と同様である。アセトニトリルとt−ブチルアルコールの混合比率は、容量比で、通常、1:1〜1:5、好ましくは、1:1〜1:2である。このような移動相を用いることにより、スルフォラファンを十分に分離カラムに保持させ、また他の夾雑物からの最適な分離を得ることが可能である。
【0015】
また、移動相のpHは、通常、4.0〜8.0、好ましくは6.0〜7.5である。pHは、移動相に酸を添加することにより調整することができ、酸としては、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸などの有機酸および塩酸などの無機酸を使用することができる。本発明においては、有機酸、特に酢酸を用いるのが好ましい。
【0016】
本発明の液体クロマトグラフィーにおける移動相の流速は、当業者であれば分離能等に合わせて適宜選択することができ、通常、0.1〜3.0mL/分、好ましくは0.5〜1.5mL/分である。分離カラムの温度は、分離の対象となるスルフォラファンの検出に影響を及ぼさない範囲であれば特に制限されず、通常、20〜60℃、好ましくは35〜45℃である。
【0017】
本発明はまた、試料から上記クロマトグラフィーによって分離したスルフォラファンを蒸発光散乱検出器(ELSD)を用いて測定することを特徴とする。蒸発光散乱検出器は、液体クロマトグラフィーの分離カラムより溶出する溶出液を圧縮ガスと混合してネブライザーにて噴霧し、その霧を加温することにより移動相を蒸発させるとともに、目的化合物を微粒子化し、該微粒子に光を照射してその散乱光を検出する検出器である。移動相に目的化合物が含まれると、含まれない場合と比較して散乱光の強度が変化するため、この散乱光の強度の変化量から、移動相に含まれる目的化合物を検出、定量することができる。本発明の測定方法には、スルフォラファンの検出および定量が包含される。光散乱検出器の形態としては、例えば、Low Angle Laser Light Scattering(LALLS)、Multi Angle Laser Light Scattering (MALLS)、Right Angle Laser Light Scattering (RALLS)、Two Angle Laser Light Scattering (TALLS)等が挙げられる。
【0018】
蒸発光散乱検出器に導入することができる溶出液の流量は、例えば0.1cm3/分〜10cm3/分程度である。圧縮ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気等の不活性ガスを用いることができる。当該ガスは、通常、1.0〜3.0L/分、特に1.5〜2.0L/分の流量でカラム溶出液と混合するのが好ましい。噴霧ガス圧は、通常、0.8〜3.5bar、好ましくは1.5〜2.5barである。加温条件(ドリフト管温度)は、通常、30〜60℃、好ましくは35〜45℃である。
【0019】
上記のような条件で検出を行うことにより、試料から優れた安定性、再現性および感度で、スルフォラファンを検出することができる。
【0020】
また、本発明のスルフォラファンの測定方法は、測定誤差をなくすため自動化されていることが好ましい。本発明の方法を実施するための自動化された分析装置の光学的機序の説明については、例えば、Kim & Ornstein,1983,Cytometry,3:419−427;OrnsteinおよびKimの米国特許第4,412,004号明細書;Tycko et al.,1985,Appl.Optics,24:1355−1365;Tyckoの米国特許第4,735,504号明細書;並びにMohandas et al.,1986,Blood,68:506−513を参照されたい。
【0021】
本発明の測定方法の対象となる試料としては、スルフォラファンを含みうるものであれば特に制限されない。本発明の方法は、植物、好適にはアブラナ科植物、特にブロッコリーおよびブロッコリースプラウト、ならびにその加工品におけるスルフォラファンの測定に好適に使用できる。本発明の方法は、スルフォラファンを含みうる食品および医薬品等の製品におけるスルフォラファンの含有量を測定するためにも好適に使用できる。食品としては、スープ類、ジュース類、乳飲料、ココア飲料、ゼリー状飲料などの液状飲食品、プリン、ヨーグルトなどの半固形飲食品、パン、菓子、うどんなどの麺類、クッキー、チョコレート、キャンディ、せんべいなどの菓子、ふりかけ、バター、ジャムなどのスプレッド類等のいずれの形態の食品も測定対象となりうる。また、医薬形態の食品または医薬品としては、細粒、錠剤、顆粒剤、カプセル剤等いずれの形態のものも測定対象となりうる。
【0022】
上記植物、食品および医薬品等はそのまま、または好適に処理して、液体クロマトグラフィーに供する。例えば、抽出物、凍結乾燥物、濃縮物、破砕物、懸濁液、溶液、分散液等として調製する。
【0023】
スルフォラファンの測定にあたっては、上記植物、食品または医薬品等の抽出物を調製し、これを試料として液体クロマトグラフィーに供するのが好ましい。抽出物の調製方法は特に制限されず、当技術分野で通常用いられる方法を使用できる。測定対象が水分を多く含む場合は、乾燥処理を行った後抽出を行うのが好ましい。乾燥処理としては、噴霧乾燥、熱風乾燥、低温除湿乾燥等を使用できる。凍結乾燥は常法に準じて行うことができ、例えば、対象物を凍結乾燥器内に配設し、−25〜−15℃程度で24時間程度予備凍結させ後、1mmHg以下の減圧度で24〜48時間程度凍結乾燥させることにより行われる。
【0024】
抽出溶媒としては、例えば、水、低級1価アルコール(メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等)、液状多価アルコール(グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール等)、低級エステル(酢酸エチル等)、炭化水素(ベンゼン、ヘキサン、ペンタン等)、ハロゲン化炭化水素(ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロメタン、テトラクロロエチレン、四塩化炭素、クロロホルム等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル等)、アセトニトリル等が挙げられ、これを単独でまたは組み合わせて用いることができる。本発明においては、抽出溶媒として、ハロゲン化炭化水素、特にジクロロメタンを用いるのが好ましい。
【0025】
また、抽出溶媒のpHは、通常、2〜8、好ましくは4〜6である。pHは、抽出溶媒に酸を添加することにより調整することができ、酸としては、トリフルオロ酢酸、ギ酸、酢酸などの有機酸および塩酸等の無機酸を使用することができる。本発明においては、有機酸、特に酢酸を用いるのが好ましい。抽出時間は、通常12〜72時間、好ましくは12〜24時間である。
【0026】
また本発明の方法においては、液体クロマトグラフィーに供する前に、試料に対し加水分解処理を行うことが好ましい。抽出物の調製においては、抽出溶媒による抽出を行う前に、試料またはその粉末もしくは乾燥粉末に対し、加水分解処理を行うことが好ましい。加水分解処理を行うことにより、配糖体であるスルフォラファン前駆体をスルフォラファンに変換することができる。ブロッコリー等の植物においては、スルフォラファンよりもスルフォラファン前駆体の占める割合が高いが、スルフォラファン前駆体は、調理における加熱処理や生体内の消化作用等によりスルフォラファンに変換されるため、試料に含まれるスルフォラファンだけでなく、スルフォラファン前駆体も合わせて測定することが好ましい。上記のように加水分解処理によりスルフォラファン前駆体を全てスルフォラファンに変換した後で本発明の方法によりスルフォラファンを測定することにより、試料において有効スルフォラファン量を測定することができる。
【0027】
加水分解処理は、配糖体であるスルフォラファン前駆体の糖を除去しうる処理であって、スルフォラファンを分解しない処理であれば特に制限されない。酸で処理することにより、スルフォラファン前駆体を加水分解してスルフォラファンに変換することができる。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸および酢酸等の有機酸が挙げられ、塩酸を用いるのが好ましい。pH1.0〜4.0の条件下、通常25〜50℃、好ましくは30〜40℃で、通常12〜48時間、好ましくは12〜24時間反応させる。塩酸を用いる場合、通常0.05〜2M、好ましくは0.1〜1Mの濃度の水溶液を用いる。
【0028】
以下、抽出物の調製方法の一実施形態について記載する。測定対象となる試料、例えば、植物、医薬品および食品を粉末化する。このとき水分の多い試料は、凍結乾燥した後、粉末化する。得られた粉末に塩酸等の酸を加えて含硫配糖体(スルフォラファン前駆体)を加水分解し、これを凍結乾燥した後、ジクロロメタンを加えて抽出する。得られた抽出物をろ過し、ろ液をシリカカートリッジに供してスルフォラファンを吸着させ、続いてメタノールで溶出することにより、夾雑物を除去する。溶出液を濃縮・乾固させ、メタノール等のスルフォラファンを溶解しうる溶媒に再度溶解することにより、抽出物を調製する。
【0029】
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0030】
1.試薬および材料
スルフォラファン標準品はLKT Laboratories社より購入し、酢酸アンモニウム、アセトニトリル、水、ジクロロメタンは和光純薬より購入した。ブロッコリー、ブロッコリースプラウト、ブロッコリーパウダー、ブロッコリータブレットは、一般に市販されているものを購入した。
【0031】
2.HPLC装置および蒸発光散乱検出器(ELSD)
HPLCは日本分光社製システム(ポンプ:PU−980、カラム恒温槽:CO−965、オートサンプラー:AS−851)を、カラムはYMC社製 YMC−Pack Pro C18(4.6×150mm)を使用した。また検出器は、Sedere社光散乱検出器SEDEX55、Applied Biosystems社製ESI TOF型質量分析計を使用した。
【0032】
3.HPLC分析条件
カラムはYMC社製 YMC−Pack Pro C18(4.6×150mm)を使用し、カラム温度を40℃に設定し、移動相は水/アセトニトリル/t−ブチルアルコール混合液(8:1:1、5mM酢酸アンモニウムを含む)、流速1mL/分で溶出した。酢酸アンモニウムは質量分析のために加えたものであり、本発明の蒸発光散乱検出器による検出のためには添加する必要はない。蒸発光散乱検出器は、ドリフト管温度を40℃に設定し、窒素をガスとして用い、噴霧ガス圧を2.0barに設定した。質量分析計は、ポジティブモードとし、スプレー電圧を2900V、ノズル電圧を100V、ノズル温度を140℃、窒素噴霧ガス流速を0.3mL/分に設定し、MSデータは分子量100〜800の範囲で3秒ごとにスキャンしデータの取り込みを行った。
【0033】
4.試料溶液の調製
ブロッコリー、ブロッコリースプラウトは水で洗浄し、真空凍結乾燥した後、粉末化した。ブロッコリースプラウト加工製品はそのまま破砕し、粉末化した。乾燥粉末1gに対し0.1M塩酸水溶液を30mL加え、30℃で24時間反応させ含硫配糖体を加水分解し、真空凍結乾燥した。この凍結乾燥物100mgに6mLのジクロロメタンを加え、30℃で24時間抽出し、45μmポアサイズのミニザルトRC15フィルターでろ過した。ろ液をSepPakシリカカートリッジに供し、2mLの酢酸エチルにより洗浄し、カートリッジに吸着するスルフォラファンを3mLのメタノールで溶出した。溶出液をロータリーエバポレーターによって濃縮・乾固し、100μLのメタノールに再溶解し、測定試料溶液とした。
【0034】
5.スルフォラファン検量線の作成
スルフォラファン標準品を、メタノールを使用して、それぞれ50、100、200、300、400、500μg/mLの濃度に調製し、各20μLをHPLCにインジェクトし、スルフォラファン導入量とELSDで検出されたピーク面積により、検量線を作成した(図4)。
【0035】
図1にブロッコリー抽出液のHPLC−ELSDの溶出パターンを示す、図2にMSでのスルフォラファンの分子量(178.0、M+H)における検出結果を示す。スルフォラファンのピークは他の夾雑ピークより完全に分離し、その保持時間は図1、2において完全に一致した。これより図1で得られたクロマトグラフで矢印で示されたピークはスルフォラファンと確認された。また、図3にスルフォラファンのピーク画分のMSスペクトルを示す。図3の結果から、分子量100〜800までの間にスルフォラファンに相当するピークが得られていること、また他の夾雑物を含まない純粋な画分であることが示された。
【0036】
図4にスルフォラファンの検量線を示す。スルフォラファンは本発明の方法により、1〜10μgの範囲において良好な相関関係で定量できることがわかる。ブロッコリーにおいては、スルフォラファンの含量はおよそ0.04〜0.17重量%(乾燥重量あたり)であり、ブロッコリースプラウトでは約1.2重量%(乾燥重量あたり)であり、本発明で得られる検量線はスルフォラファンの定量に必要十分な感度を有することがわかる。
【0037】
表1にブロッコリーとブロッコリースプラウトの定量結果を示す。定量値のばらつきはn=3で0.008%程であり、本発明による定量結果は信頼性、再現性が高いことが示された。なお、ブロッコリーパウダーとブロッコリータブレットのスルフォラファン含量は<0.001%であり、ブロッコリー製品の製造中においてスルフォラファンが分解した可能性が考えられた。
【0038】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】ブロッコリー抽出液のHPLC−ELSDの溶出パターンを示す。
【図2】スルフォラファンの分子量におけるMSでの検出結果を示す。
【図3】スルフォラファンのピーク画分のMSスペクトルを示す。
【図4】スルフォラファン導入量とELSDで検出されたピーク面積により作成した検量線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スルフォラファンの測定方法であって、試料を液体クロマトグラフィーで分離する工程およびスルフォラファンを蒸発光散乱検出器で検出する工程を含む、前記方法。
【請求項2】
液体クロマトグラフィーが逆相クロマトグラフィーである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
液体クロマトグラフィーにおける移動相として、水とアセトニトリルとt−ブチルアルコールの混合液を用いる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
試料が植物抽出物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
植物抽出物が、ハロゲン化炭化水素を含む抽出液を用いて抽出されたものである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
逆相クロマトグラフィーのための分離カラムおよび蒸発光散乱検出器を備える、スルフォラファンを測定するための装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−139529(P2007−139529A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−332291(P2005−332291)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り (1)研究集会名:日本食品科学工学会第52回大会 主催者名:社団法人日本食品科学工学会 開催日:2005年8月29日〜31日(2)研究集会名:日本食品科学工学会 平成17年度東北支部大会 主催者名:社団法人日本食品科学工学会 東北支部 開催日:2005年11月12日講演集発行日:2005年11月14日
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,285)
【出願人】(505426945)株式会社プロジェクト・エム (6)