説明

スルホニルオキシインドール誘導体及びそれを含有する医薬組成物

【課題】 選択性に優れ、強いβアドレナリン受容体刺激作用を有し、肥満、糖尿病、高脂血症、過敏性腸症候群、急性又は慢性下痢、頻尿、尿失禁、尿路結石等の予防及び治療剤として有用である化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式〔I〕で表されるスルホニルオキシインドール誘導体又はその生理的に許容される塩。
【化1】


(式中、RはH等、
、RはH、低級アルキル等、
はH、低級アルキル等、
は低級アルキル、
はH等、
は、X−R、OSO−R又はX−A−R10等、
はO、S又はNH、
は低級アルキル等、
はフェニル、ナフチル、ヘテロアリール等、
はO、S、NH又はSO
は低級アルキレン部分等、
10はフェニル基、ナフチル基、ヘテロアリールを意味する。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、特にβアドレナリン受容体刺激作用を有する新規なスルホニルオキシインドール誘導体及びそれを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
交感神経のβアドレナリン受容体にはβとβの2つのサブタイプが存在することが知られている。βアドレナリン受容体作動薬は心機能亢進剤又は昇圧剤として有用であり、βアドレナリン受容体作動薬は気管支拡張剤として有用であり、現在それぞれ臨床上使用されている。
【0003】
これらの2つのサブタイプとは異なった第3のサブタイプとして単離されたβアドレナリン受容体(β受容体)(非特許文献1)は脂肪細胞に存在し、皮下や内臓等に付着した白色脂肪組織の中性脂肪を分解し、褐色脂肪組織では熱産生する機能を有すると考えられている。従って、βアドレナリン受容体の機能低下は体脂肪の蓄積を引き起こすと考えられることから肥満症との関連性が示唆されており、また、インスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)の発症との関連性も報告されている。このようなことから、βアドレナリン受容体作動薬は肥満、糖尿病の予防・治療剤として期待されている。
【0004】
また、膀胱平滑筋にはβ受容体が存在し、蓄尿時には交感神経刺激によるβ受容体を介して膀胱が弛緩する。最近になって、ヒト膀胱はβ受容体の中でも主にβ受容体を介し弛緩する事が判明し(非特許文献2)、βアドレナリン受容体作動薬は頻尿、尿失禁の予防・治療剤としても期待されている。また、βアドレナリン受容体作動薬は高脂血症、過敏性腸症候群、急性又は慢性下痢、尿路結石、うつ病の予防・治療剤としても有用であるとされている。
【0005】
βアドレナリン受容体作動薬のβ又はβ受容体刺激作用との乖離が不十分であると、副作用として頻脈又は手足の振戦等が発現する可能性があるので、βアドレナリン受容体作動薬を開発するためにはβ受容体刺激作用が強力であり、しかも、β及びβ受容体を刺激しないか、刺激してもその活性が低い化合物が望まれている。本明細書では、このようにβ受容体刺激作用が強く、かつ、β又はβ受容体の刺激作用との乖離の大きい性質を有する化合物を、「選択性に優れた化合物」と表現することもある。
【0006】
βアドレナリン受容体刺激作用を有する化合物として、特許文献1には下記化1で示される2−〔3−(7−メトキシインドール−3−イル)−2−プロピルアミノ〕−1−(3−クロロフェニル)エタノール等が記載されており、これらの化合物がβアドレナリン受容体刺激作用を有すると記載されている。
【0007】
【化1】

【0008】
しかし特許文献1に記載されている化合物は、いずれもインドール環の4〜7位にスルホン酸エステル基を有しておらず、またエタノール部分1位に結合しているベンゼン環上の置換基に関して、本発明の化合物とは構造が全く異なる。
【0009】
また、特許文献2には下記一般式化2で示される化合物が記載されており、これらの化合物がβアドレナリン受容体刺激作用を有すると記載されている。
【0010】
【化2】

〔式中、Rは置換もしくは無置換の低級アルキル基、または式:-X−R1e−C(=O)NR1a1b等(Xは単結合または式:−O−、−S−、−N(R1c)−、−N(R1c)C(=O)−、−C(=O)N(R1c)−、−N(R1c)SO−、=SON(R1c)−、または−C(=O)NHSO−で表される基);
【0011】
は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基等;
【0012】
は水素原子または置換もしくは無置換の低級アルキル基、またはRとRが一緒になって式:−X−R1e−C(=O)−で表される2価の基を表す;
【0013】
、R、R、およびRは水素原子または置換されていてもよい低級アルキル基;
【0014】
は水素原子、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換の低級アルキル基、・・・置換もしくは無置換の低級アルキルスルホニル、・・・置換もしくは無置換の低級アルキルスルホニルアミノ基、または置換もしくは無置換のベンゼンスルホニルアミノ基;
【0015】
およびR10は水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換の低級アルキル基等;
【0016】
、R,およびR10のうち2つが一緒になってメチレンジオキシ基、式:−NR8aC(=O)CR8b=CR8c−で表される基を形成していてもよい〕
【0017】
しかし特許文献2に記載されている化合物は、いずれもインドール環の4〜7位にスルホン酸エステル基を有しておらず、本発明の化合物とは構造が全く異なる。
【0018】
【特許文献1】国際公開第96/16938号パンフレット
【0019】
【特許文献2】国際公開第03/106418号パンフレット
【0020】
【非特許文献1】エモリンら(Emorine, L. J.)著,「サイエンス(Science)」,1989年,第245巻,p.1118-1121
【0021】
【非特許文献2】山口著,「ウロロジイ(Urology)」,2002年,第59巻,Supplement 5A,p.25-29
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、βアドレナリン受容体に対して強い刺激作用を有し、かつ選択性に優れた新規なスルホニルオキシインドール誘導体及びその生理的に許容される塩を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は下記一般式〔I〕で表される新規なスルホニルオキシインドール誘導体又はその生理的に許容される塩に関する。
【0024】
【化3】

【0025】
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、トリフルオロメチル基、ベンジルオキシ基、低級アルコキシ基、水酸基、アミノ基又はモノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基を意味し、
【0026】
及びRは同一又は異なって水素原子、低級アルキル基又はRとRが一緒になった環状低級アルキル基を意味し、
【0027】
は水素原子又は置換されていてもよい低級アルキル基を意味し、
OSO及びRはインドール環の4位、5位、6位又は7位のいずれかに結合し、
【0028】
は置換されていてもよい低級アルキル基、環状低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいヘテロアリール基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基又は環状アミノ基を意味し、
あるいは、OSOがインドール環の7位に結合する場合はRとRが一緒になって直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分を形成してもよく、
【0029】
は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を意味し、
【0030】
はトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、フルオロメトキシ基、X−R、OSO−R又はX−A−R10で表される基を意味し、
【0031】
は酸素原子、硫黄原子又はNHを意味し、
【0032】
は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基又は低級アルキニル基を意味し、
【0033】
は置換されていてもよい低級アルキル基、環状低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基を意味し、
【0034】
は酸素原子、硫黄原子、NH又はSOを意味し、
【0035】
は直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分、直鎖又は分枝鎖の低級アルケニレン部分又は直鎖又は分枝鎖の低級アルキニレン部分を意味し、
【0036】
10は置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、環状低級アルキル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノカルボニル基、環状アミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、ヘテロアリールアミノカルボニル基、アミノ基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基又は環状アミノ基を意味する。
【0037】
ただし、Aがメチレンである場合は、R10はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基又は環状アミノ基以外の基である。)
【0038】
生理的に許容される塩とは生理的に許容される酸付加塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩又は有機塩基との塩を意味する。具体的には、酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩及びシュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、マロン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、グルコン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。アルカリ金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等の無機アルカリ塩が挙げられ、アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩が挙げられ、また、有機塩基としての塩としては、例えば、アンモニア、メチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ジシクロヘキシルアミンとの塩が挙げられる。
【0039】
一般式〔I〕で表される化合物及びその生理的に許容される塩は水和物及び/又は溶媒和物の形で存在することもあるので、これらの水和物、溶媒和物もまた本発明の化合物に包含される。
【0040】
また、一般式〔I〕で表される化合物は1個以上の不斉炭素を有する。すなわち水酸基が結合している炭素原子が不斉炭素であり、さらに、RとRが互いに異なる基のときは、これらの基が結合している炭素原子が不斉炭素となる。従って、一般式〔I〕において2種以上の立体異性体が存在しうる。これらの立体異性体及びその混合物もまた本願発明の化合物に包含される。水酸基が結合している炭素原子の立体はR配置であるほうが好ましい。
【0041】
本明細書における用語を以下に説明する。
【0042】
「低級アルキル基」及び「低級アルキル」部分は、炭素数1〜8の直鎖又は分枝鎖のアルキル基を意味し、具体例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、オクチルが挙げられる。
【0043】
「環状低級アルキル基」は、炭素数3〜8の環状のアルキル基を意味し、具体例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。
【0044】
「低級アルコキシ基」及び「低級アルコキシ」部分は、炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖のアルコキシ基を意味し、具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシが挙げられる。
【0045】
「低級アルケニル基」は、炭素数2〜8の「低級アルキル基」の有する炭素-炭素単結合のうち、少なくとも1箇所を二重結合に換えた炭素鎖を意味し、具体例としては、ビニル、アリル、3−ブテニル、イソブテニル、1,4−ヘプタジエニルが挙げられる。
【0046】
「低級アルキニル基」は、炭素数2〜8の「低級アルキル基」の有する炭素-炭素単結合のうち、少なくとも1箇所を三重結合に換えた炭素鎖を意味し、具体例としては、エチニル、プロパルギル、2−ブチニル、3−ブチニル、4−ヘプチニルが挙げられる。
【0047】
「低級アルキレン」部分は、炭素数1〜6の炭素-炭素単結合からなる2価の炭素鎖を意味し、具体例としては、メチレン、エチレンが挙げられる。
【0048】
「低級アルケニレン」部分は、炭素数2〜8の炭素-炭素単結合のうち、少なくとも1箇所を二重結合に換えた2価の炭素鎖を意味し、具体例としては、ビニレン、プロぺニレンが挙げられる。
【0049】
「低級アルキニレン」部分は、炭素数2〜8の炭素-炭素単結合のうち、少なくとも1箇所を三重結合に換えた2価の炭素鎖を意味し、具体例としては、エチニレン、プロピニレンが挙げられる。
【0050】
「ハロゲン原子」とはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を意味する。
【0051】
「環状アミノ基」及び「環状アミノ」部分は、窒素原子を少なくとも1個含み、酸素原子及び硫黄原子を含んでいてもよい4員環から7員環の環状アミン又はベンゼン環に縮合した窒素原子を少なくとも1個含み、酸素原子及び硫黄原子を含んでいてもよい4員環から7員環の環状アミンを意味し、具体例としては、アゼチジル、ピロリジル、ピペリジル、モルホリル、チオモルホリル、ヘキサヒドロアゼピニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、インドリル、イソインドリル、1−オキソイソインドリル、1,3−ジオキソイソインドリルが挙げられる。
【0052】
「低級アルカノイル」部分は、炭素数1〜5個の直鎖又は分枝鎖アルカノイル基を意味し、具体例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイルが挙げられる。
【0053】
「ヘテロアリール基」は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれた1個から4個のヘテロ原子を含む5員環もしくは6員環の不飽和複素環又はベンゼン環に縮合した酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれた1個から4個のヘテロ原子を含む5員環もしくは6員環の不飽和複素環を意味し、例えば、チエニル、フリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジル、インドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、キノリニル、イソキノリニルが挙げられる。
【0054】
「置換されていてもよい低級アルキル基」は、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、環状低級アルキル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノカルボニル基、環状アミノカルボニル基、アミノ基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基、環状アミノ基から選ばれる1個〜5個の置換基で置換されていてもよい低級アルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、クロロメチル、メトキシメチル、2−メトキシエチル、シクロプロピルメチル、ヒドロキシメチル、メトキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメチル、カルバモイルメチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、2,2−ジクロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2−アミノエチル、3−クロロプロピル、3−ニトロプロピル、3−シアノプロピル、3−(メチルアミノ)プロピル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、3−(1−ピロリジル)プロピルが挙げられる。
【0055】
「置換されていてもよいフェニル基」は、ハロゲン原子、低級アルキル基、フェニル基、低級アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、低級アルキルチオ基、水酸基、ヒドロキシ低級アルキル基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、カルバモイル基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノカルボニル基、環状アミノカルボニル基、アミノ基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基、環状アミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基、低級アルカノイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、カルバモイルアミノ基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノカルボニルアミノ基、環状アミノカルボニルアミノ基、スルファモイル基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノスルホニル基および環状アミノスルホニル基から選ばれる1個〜5個の置換基で置換されてもよいフェニル基を意味し、例えば、フェニル、2−、3−又は4−クロロフェニル、2−、3−又は4−ブロモフェニル、2−、3−又は4−フルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,3−ジブロモフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2−、3−又は4−メチルフェニル、2−、3−又は4−メトキシフェニル、2−、3−又は4−アミノフェニル、4−メチルアミノフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3−ジメチルアミノフェニル、2−、3−又は4−シアノフェニル、2−、3−又は4−ニトロフェニル、4−ビフェニル、2−トリフルオロメトキシフェニル、4−エチルチオフェニル、2−、3−又は4−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシメチルフェニル、4−カルボシキルフェニル、4−メトキシカルボニルフェニル、2−(メタンスルホニルアミノ)フェニル、4−(ベンゼンスルホニルアミノ)フェニル、2−、3−又は4−(アセチルアミノ)フェニル、4−(ベンゾイルアミノ)フェニル、4−(エトキシカルボニルアミノ)フェニルが挙げられる。
【0056】
「置換されていてもよいナフチル基」は、上述の「置換されていてもよいフェニル基」で述べられた置換から選ばれる1個〜7個の置換基で置換されてもよいナフチル基を意味し、例えば、ナフタレン、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−クロロナフチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−メチルナフチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−又は8−メトキシナフチル、6,7−ジブロモ−2−ナフチル、3−アセチルアミノ−1−ナフチルが挙げられる。
【0057】
「置換されていてもよいヘテロアリール基」とは、上述の「置換されていてもよいフェニル基」で述べられた置換から選ばれる1個〜5個の置換基で置換されてもよいヘテロアリール基を意味し、例えば、チエニル、フリル、ベンゾチエニル、ピリジル、キノリニル、インドリル、2−クロロ−3−チエニル、3−メチル−2−チエニル、2−メチル−3−インドリル、4−メチルアミノ−3−ピリジル、6−シアノ−2−イソキノリニルが挙げられる。
【0058】
「フェノール性水酸基の保護基、水酸基の保護基、アミノ基の保護基及びスルホンアミドの保護基」としては、有機合成分野で通常用いられる、還元、又は加水分解等により容易に脱離可能な置換基に加えて、生体内で酵素的あるいは非酵素的に脱離可能な置換基を意味する。
【0059】
「フェノール性水酸基の保護基」としては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、アリル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、フェナシル基、アセチル基、プロピオニル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、カルバモイル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基及びベンジルオキシカルボニル基が挙げられる。
【0060】
「アミノ基の保護基」としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、p−トルエンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、メタンスルホニル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ピバロイルオキシメチル基、アセトキシメチル基、アセトキシメトキシカルボニル基、1−アセトキシエトキシカルボニル基及びアラニル基が挙げられる。
【0061】
「水酸基の保護基」としては、例えば前述の「フェノール性水酸基の保護基」に加え、tert-ブチルジメシルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基等のシリル系保護基が挙げられる。
【0062】
「アルコールの反応性エステル残基」としては、例えばハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ等の低級アルキルスルホニルオキシ基及びベンゼンスルホニルオキシ、p−トルエンスルホニルオキシ等のアリールスルホニルオキシ基が挙げられる。
【0063】
本発明の化合物は一般式〔I〕で表されるが、好適なものは、一般式〔I〕において、ベンゼン環と水酸基が置換した不斉炭素の立体配置がR配置であり、Rが水素原子、水酸基又はアミノ基であり、Rが水素原子である化合物及びその生理学的に許容される塩である。
【0064】
より好適な化合物は、一般式〔I〕において、ベンゼン環と水酸基が置換した不斉炭素の立体配置がR配置であり、OSOがインドール環の6位又は7位に結合した基であり、Rが水素原子、水酸基又はアミノ基であり、R及びRが同一又は異なって水素原子、メチル基であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子又は低級アルキル基であり、Rが低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基又は置換されていてもよいヘテロアリール基であるか、あるいはRとRが一緒になって直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分を形成している化合物及びその生理学的に許容される塩である。
【0065】
更に好適な化合物は、ベンゼン環と水酸基が置換した不斉炭素の立体配置がR配置であり、OSOがインドール環の7位に結合した基であり、Rが水素原子、水酸基又はアミノ基であり、R及びRが同一又は異なって水素原子、メチル基であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子又は低級アルキル基であり、Rが低級アルキル基であるか、あるいはRとRが一緒になって直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分を形成している化合物又はその生理的に許容される塩である。
【0066】
特に好適な化合物は、ベンゼン環と水酸基が置換した不斉炭素の立体配置がR配置であり、OSOがインドール環の7位に結合した基であり、Rが水素原子、水酸基又はアミノ基であり、R及びRが同一又は異なって水素原子、メチル基であり、Rが水素原子であり、Rが水素原子又は低級アルキル基であり、Rが低級アルキル基であるか、あるいはRとRが一緒になって直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分を形成しており、RがX−R、OSO−R又はX−A−R10であり、Rは低級アルキル基又は低級アルケニル基であり、Rは置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基であり、Aが直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分又は直鎖又は分枝鎖の低級アルケニレン部分であり、R10が置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基である化合物又はその生理的に許容される塩である。
【0067】
最も好適な化合物の具体例としては、下記表1、表2の化合物及びその立体異性体又はその生理的に許容される塩が挙げられる。
【0068】
【化4】

【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【0071】
表註)表中の略号は次の意味を示す。
Me=メチル
【0072】
本発明に含まれる化合物の具体例として、後記実施例の化合物に加えて、下記表3の化合物及びその立体異性体又はその生理的に許容される塩が挙げられる。
【0073】
【化5】

【0074】
【表3】

【0075】
表註)表中の略号は次の意味を示す。
Me=メチル、
Et=エチル、
Pr=イソプロピル、
Ph=フェニル、
Py=ピリジル
【0076】
本発明の化合物の製造法について以下に述べる。一般式〔I〕で表される本発明の化合物は、例えば下記の製造法1〜4により製造することができる。
【0077】
製造法1
一般式〔I〕で表される本発明の化合物は、下記一般式〔II〕
【0078】
【化6】

【0079】
(式中、Pは水酸基の保護基を意味し、Yはアルコールの反応性エステル残基を意味し、R及びRは前掲に同じ。)
で表される化合物と下記一般式〔III〕
【0080】
【化7】

【0081】
(式中、R、R、R、R及びRは前掲に同じ。)
で表される化合物と反応させた後に、保護基Pを除去することにより製造することができる。
【0082】
保護基Pは、容易にかつ選択的に除去できる基が好ましく、例えば、tert-ブチルジメシルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基、トリエチルシリル基等のシリル系保護基やtert−ブチル基およびテトラヒドロピラニル基が挙げられる。これらの保護基は、ギ酸、塩酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸等の酸により容易に除去される。さらに、シリル系保護基の場合は、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド、フッ化ナトリウム等から発生するフッ素アニオンによっても容易に除去される。
【0083】
一般式〔II〕で表される化合物と一般式〔III〕で表される化合物との反応は、適当な溶媒中又は無溶媒下で行われる。使用する溶媒は原料化合物の種類等に従って適宜選択されるが、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらの溶媒は単独であるいは2種以上混合して用いられる。本反応は塩基の存在下で行なわれ、塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリあるいはトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基が挙げられるが、一般式〔II〕の化合物に対して過剰量の一般式〔III〕の化合物を使用することでも可能である。また、一般式〔II〕の化合物において、Yが塩素、臭素又はアリールスルホニルオキシ基である化合物を用いる場合は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリ金属ヨウ化物を添加すると反応は円滑に進行する。反応温度は用いる原料化合物の種類によって異なるが、通常約20℃〜約200℃である。本反応に用いる一般式〔III〕の化合物は酸付加塩の形で使用することもでき、この場合、反応に添加する塩基は一般式〔III〕の化合物をフリーのアミンに戻すための量が加算されなければならない。酸付加塩としては、塩酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩及びシュウ酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
【0084】
一般式〔II〕において、Yが塩素又は臭素である化合物4は、例えば下記製法(1A)により製造することができる。
【0085】
【化8】

【0086】
(式中、Yは塩素又は臭素を意味し、R、R及びPは前掲に同じ。)
【0087】
化合物2は化合物1のカルボニル基のα位を塩素化又は臭素化することにより合成できる。塩素化剤としては、例えば、塩素、N-クロロコハク酸イミド、塩化スルフリル、塩化第二銅が挙げられる。臭素化剤としては、例えば、臭素、N-ブロモコハク酸イミド、フェニルトリメチルアンモニウム トリブロミド、ピリジニウム ヒドロブロミド ジブロミド、2−ピロリドン ヒドロトリブロミド、臭塩化第二銅が挙げられる。
【0088】
化合物3は化合物2のカルボニル基を還元することにより合成できる。使用する還元剤としては、ジボラン、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム及びそのアルコキシ錯体又は遷移金属塩、トリアルキルシラン等が挙げられる。また、化合物3の光学異性体は、(+)−又は(−)−B−クロロジイソピノカンフェニルボランや、(R)−又は(S)−B−ジイソピノカンフェニル−9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン等の不斉還元剤を使用するか、(R)−又は(S)−テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール等の不斉触媒存在下でのボラン還元により合成することができる。
【0089】
化合物4は化合物3の水酸基に保護基Pを導入することにより合成できる。
【0090】
一般式〔III〕の化合物のうち、Rが水素原子である下記一般式〔IIIa〕
【0091】
【化9】

(式中、R、R、R及びRは前掲に同じ。)
で表される化合物は、例えば下記一般式〔IIIb〕
【0092】
【化10】

【0093】
(式中、R及びRは前掲に同じ。)
で表される化合物のインドール環の3位に、−CH−C(R)(R)−NH基(式中、R及びRは前掲に同じ。)を導入することにより製造することができる。
【0094】
−CH−C(R)(R)−NH基は、例えば J. Org. Chem., 25, 1548-1558 (1960)、J. Org. Chem., 51, 4294-4295 (1986)、特開平11−255743号公報又は国際公開第00/44721号パンフレットに記載の方法を適用することでインドール環の3位に導入することができる。
【0095】
また、一般式〔III〕の化合物のうち、Rが置換されていてもよい低級アルキル基である下記一般式〔IIIc〕
【0096】
【化11】

【0097】
(式中、R5aは置換されていてもよい低級アルキル基を意味し、R、R、R及びRは前掲に同じ。)
【0098】
で表される化合物は、例えば一般式〔IIIa〕のNH基をアミノ基の保護基Pで保護し、インドール1位にR5a基を導入した後に、Pを脱離することにより製造することができる。保護基Pとしては、容易にかつ選択的に除去できる基が好ましく、例えば、tert-ブトキシカルボニル基やアセチル基等が挙げられる。これらの保護基は、ギ酸、塩酸、臭化水素酸、トリフルオロ酢酸等の酸により容易に除去される。
【0099】
一般式〔III〕の化合物は、RとRが互いに異なる基である場合、1個の不斉炭素を有する。そのエナンチオマーは、例えば特開2000−319256号公報又は特開平11−255743号公報に記載の方法を適用することで製造することができる。
【0100】
製造法2
一般式〔I〕で表される本発明の化合物は、下記一般式〔IV〕
【0101】
【化12】

【0102】
(式中、R、R、R、R、R及びPは前掲に同じ。)
で表される化合物と一般式〔V〕
【化13】

【0103】
(式中、Rは前掲に同じ。)
で表される化合物を反応させた後、保護基Pを除去することにより製造することができる。
【0104】
一般式〔IV〕で表される化合物と一般式〔V〕の化合物との反応は、適当な溶媒中で行われ、使用する溶媒はアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン等が挙げられ、これらの溶媒は単独であるいは2種以上混合して用いられる。本反応は塩基の存在下に行うのが好ましく、塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリあるいはトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。なお、ピリジンを溶媒として用いる場合にはピリジンが塩基をかねるため、新たな塩基は必要ない。反応温度は通常、約−20℃〜約100℃である。
【0105】
一般式〔IV〕で表される化合物は、例えば前述の一般式〔II〕で表される化合物と、下記一般式〔VI〕
【0106】
【化14】

【0107】
(式中、Pはフェノール性水酸基の保護基を意味し、R、R、R及びRは前掲に同じ。)
【0108】
で表される化合物を製造法1に記載と同様の方法により反応させ、水酸基の保護基を除去した後に、2級アミノ基に保護基Pを新たに導入することにより下記一般式〔VII〕
【0109】
【化15】

【0110】
(式中、R、R、R、R、R、P及びPは前掲に同じ。)
【0111】
で表される化合物を合成し、最後に一般式〔VII〕で表される化合物の保護基Pを除去することにより製造することができる。フェノール性水酸基の保護基Pとアミノ基の保護基Pの組み合わせは、最終工程で保護基Pを選択的に除去できるように適宜選択される。
【0112】
製造法3
本発明化合物のうち、一般式〔I〕におけるRがX−R11で表される基であり、Xが酸素原子、硫黄原子、又はNHであり、R11が低級アルキル基、環状低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基又はA−R12で表される基であり、Aが直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分、直鎖又は分枝鎖の低級アルケニレン部分又は直鎖又は分枝鎖の低級アルキニレン部分であり、R12が環状低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基又はヘテロアリールアミノカルボニル基である下記一般式〔Ia〕
【0113】
【化16】

【0114】
(式中、Xは酸素原子、硫黄原子又はNHを意味し、R11は低級アルキル基、環状低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基又はA−R12で表される基を意味し、Aは直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分、直鎖又は分枝鎖の低級アルケニレン部分又は直鎖又は分枝鎖の低級アルキニレン部分を意味し、R12は環状低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基又はヘテロアリールアミノカルボニル基を意味し、R、R、R4、R、R及びRは前掲に同じ。)
で表される化合物は、例えば下記一般式〔VIII〕
【0115】
【化17】

【0116】
(式中、R、R、R、R、R、R、X及びPは前掲に同じ。)
で表される化合物を下記一般式〔IX〕
【0117】
【化18】

【0118】
(式中、Yはアルコールの反応性エステル残基を意味し、R11は前掲に同じ。)
で表される化合物と反応をおこない、保護基Pを除去することにより製造することができる。
【0119】
化合物〔VIII〕と化合物〔IX〕との反応は、適当な溶媒中又は無溶媒下で行われる。使用する溶媒はメタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、ピリジン等が挙げられ、これらの溶媒は単独であるいは2種以上混合して用いられる。本反応は塩基の存在下に行うのが好ましく、塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリ、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸アルカリあるいはトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。なお、ピリジンを溶媒として用いる場合にはピリジンが塩基をかねるため、新たな塩基は必要ない。反応温度は通常、約0℃〜約150℃である。
【0120】
一般式〔VIII〕においてXがNHである化合物9は、例えば下記製法(3A)により製造することができる。
【0121】
【化19】

【0122】
(式中、R、R、R、R、R、R、Y及びPは前掲に同じ。)
【0123】
化合物7は、製法(1A)に記載の方法により化合物5から得られる化合物6を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、又は重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸アルカリと反応させることにより合成することができる。溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、水、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらの溶媒は単独であるいは2種以上混合して用いられる。反応温度は、通常約0℃〜約150 ℃、好ましくは約20℃〜約80℃である。
【0124】
化合物7と化合物〔III〕から化合物8への反応は、適当な溶媒中又は無溶媒下で行われる。溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、1−メチル−2−ピロリドン等が挙げられ、これらの溶媒は単独であるいは2種以上混合して用いられる。反応温度は、通常約0℃〜約200 ℃、好ましくは約20℃〜約120 ℃である。また、本反応にトリメチルシリルアセトアミド、ビストリメチルシリルアセトアミドを添加してもよい。
【0125】
化合物9は、化合物8の2級アミノ基に保護基Pを導入した後に、ニトロ基を還元することにより合成できる。ニトロ基の還元方法としては、亜鉛末、還元鉄、錫末、塩化第1錫、塩化チタンなどの還元剤を用いる方法、ラネーニッケル存在下にヒドラジンなどの水素供与体を用いる方法、ラネーニッケル、パラジウム炭素、水酸化パラジウム、酸化白金等の触媒の存在下での接触水素還元又は接触水素移動還元などが挙げられる。
【0126】
製造法4
製造法3に記載した、一般式〔Ia〕で表される化合物のうち、XがNHであり、R11がCH−R13であり、R13が低級アルキル基、環状低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基又はA−R14で表される基であり、Aが直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分、直鎖又は分枝鎖の低級アルケニレン部分又は直鎖又は分枝鎖の低級アルキニレン部分であり、R14が環状低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基又は置換されていてもよいヘテロアリール基である下記一般式〔Ib〕
【0127】
【化20】

【0128】
(式中、R13は低級アルキル基、環状低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基又はA−R14で表される基を意味し、Aは直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分、直鎖又は分枝鎖の低級アルケニレン部分又は直鎖又は分枝鎖の低級アルキニレン部分を意味し、R14は環状低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を意味し、R、R、R、R、R及びRは前掲に同じ。)
で表される化合物は、例えば前述の化合物9から下記製法(4A)または製法(4B)により製造することができる。
【0129】
【化21】

(式中、R、R、R、R、R、R、R13及びPは前掲に同じ。)
【0130】
製法(4A)に記載した化合物11は、化合物9と化合物10を縮合剤の存在した、適当な溶媒中でアミド化反応させることにより合成できる。縮合剤としてはジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、ジフェニルホスホリルアジド、1,1’−カルボニルジイミダゾール、クロロ炭酸エチル等が挙げられ、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等を用いる場合には、N-ヒドロキシコハク酸イミド、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール等を添加して反応させてもよい。また、溶媒としてはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル等が挙げられ、これらの溶媒は単独であるいは2種以上混合して用いられる。反応温度は通常、約0℃〜約50℃である。
【0131】
化合物11の保護基Pを除去後、アミド基を還元することにより化合物〔Ib〕を製造することができる。アミド還元反応に使用する還元剤としては、ジボラン、水素化アルミニウムリチウム及びそのアルコキシ錯体又は遷移金属塩、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素、オキシ塩化リンあるいはカルボン酸(例えば酢酸、トリフルオロ酢酸)を添加した水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。本還元反応はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン、ジグライム等のエーテル類やベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類等の溶媒中で行われ、用いる還元剤によって適宜選択される。反応温度は還元剤の種類等により異なるが、通常約0℃〜約160℃である。
【0132】
製法(4B)に記載した化合物13は、化合物9と化合物12を適当な溶媒中還元条件下に縮合・還元反応させることにより、1段階で製造することができる。本反応における還元条件下とは、他の部分に存在するカルボニル基、カルボキシル基及びベンジル基等の置換基に影響を及ぼすことなく、中間に生成するイミン部分のみを還元し得る還元剤の存在下あるいは接触水素還元条件下を意味する。還元剤としては、例えば水素化シアノホウ素ナトリウム、ボランジメチルアミン錯体、ボラントリメチルアミン錯体、ボラントリエチルアミン錯体、ボランピリジン錯体が挙げられる。本反応は適当な溶媒中で行われ、好適な溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類が挙げられる。反応温度は通常約0℃〜約100℃である。本反応を接触水素還元条件下に行う場合、触媒として、パラジウム、酸化白金等が用いられる。反応温度は通常約0℃〜約100℃で、好ましい溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類が挙げられる。
【0133】
上記製造法1〜4において、一般式〔I〕中、R、R、R、R及びRのいずれかにカルボキシル基、水酸基、アミノ基、モノ置換低級アルキルアミノ基又はそれらを含む基が存在する化合物を製造する場合には、該当箇所を適当な保護基で保護した化合物を用いた後、最終工程もしくは途中の工程で脱保護反応を行うことにより、効率良く目的の化合物〔I〕を製造することができる。使用する保護基は、保護する官能基の種類、製造方法及び他の箇所に使用されている保護基との兼ね合いにより、適宜、選択される。
【0134】
上記製造法1〜4において使用するカルボキシル基、フェノール性水酸基、水酸基、アミノ基等の保護基の導入と脱保護は、例えば、T. W. Green, P. G. M. Muts著 「Protective Groups in Organic Synthesis」Jhon Wiley & Sons, Inc, Second Edition, 1991. の該当箇所に記載されている方法等により容易に行うことができる。
【0135】
製造法1〜4において製造される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶、再沈殿等の常法によって単離・精製することができる。
【0136】
また、製造法1〜4によって製造される本発明の化合物は、反応条件により塩、遊離酸又は遊離塩基の形で得られるが、これらの化合物は常法により所望の塩、遊離酸又は遊離塩基の形に変換することができる。
【0137】
製造法1〜4において、一般式〔II〕、〔III〕、〔IV〕、〔V〕、〔VI〕、〔VII〕、〔VIII〕又は〔IX〕で表される原料化合物が不斉炭素を有するときは、その不斉炭素に関する立体配置は、生成物である一般式〔I〕の化合物においても保持されている。例えば、製造法1において、ラセミ体である一般式〔II〕の化合物と、R及びRが同一の基である一般式〔III〕の化合物からはラセミ体である一般式〔I〕の化合物が得られ、RとRが互いに異なる基である一般式〔III〕の化合物からはジアステレオマー混合物である一般式〔I〕の化合物が得られる。また、特定の立体配置を有する一般式〔II〕の化合物及び一般式〔III〕の化合物からは、立体配置が保持された一般式〔I〕の化合物が得られる。
【0138】
また、製造法1〜4によって製造される本発明の化合物又は原料化合物がラセミ体又はジアステレオマー混合物である場合には、分別晶折やカラムクロマトグラフィー等の方法を適用することでそれぞれの立体異性体を分離することができる。
【0139】
薬理試験
本発明の代表的化合物についてヒトβアドレナリン受容体に対する作用を調べた。
【0140】
ヒトβ3及びヒトβ2アドレナリン受容体発現細胞株の作製方法は、国際公開第96/16938号パンフレットに、ヒトβ1アドレナリン受容体発現細胞株の作製方法は、国際公開第2000/44721号パンフレットに従って調製した。
【0141】
ヒトにおける各βアドレナリン受容体の発現量に関して、β3アドレナリン受容体は主に白色脂肪組織において低発現、β1アドレナリン受容体は主に心臓において高発現、β2アドレナリン受容体は主に骨格筋において高発現であることが推測されている。そこで本試験ではヒト組織における各受容体発現量比を反映した発現細胞株を樹立することを目的とするため、ヒトβ3アドレナリン受容体発現細胞株は発現量の低い細胞株CHO/pKREX10−24−1A(13,000 receptor/cell)、ヒトβ1アドレナリン受容体発現細胞株は発現量の高い細胞株CHO/pKREX23−30−2C(320,000 receptor/cell)、ヒトβ2アドレナリン受容体発現細胞株は発現量の高い細胞株CHO/pKREX21−109−3(600,000 receptor/cell)を選択し、以下の試験に使用した。
【0142】
試験例:ヒトβアドレナリン受容体の刺激作用
【0143】
ヒトβ3アドレナリン受容体発現細胞株CHO/pKREX10−24−1Aを10%ウシ胎児血清、及び200μg/mlのG−418を含むMEM―Dulbecco培地で2〜3日間37℃、5%CO2存在下において培養した。培地を除去した後、リン酸緩衝化生理食塩水(カルシウム、マグネシウム不含)を用いて一度洗浄し、0.5mM EDTAを含むリン酸緩衝化生理食塩水中(カルシウム、マグネシウム不含)で37℃、5%CO2存在下5分間静置することによって細胞を剥がした。遠心分離によりCHO/pKREX10−24−1A細胞を集め、20mM HEPES、1mM アスコルビン酸及び0.5mM 3−イソブチル−1−メチルキサンチンを含むハンクス平衡塩液中に約5×10細胞/mlになるように懸濁した。この懸濁液100μlと、試験化合物を同平衡塩液中500μl中で混合し、37℃、30分間反応させた後、5分間の煮沸により反応を停止した。反応液を遠心分離した後、上清中のサイクリックAMP量をcAMP EIA System(Bioscience社製)を用いて測定した。
【0144】
また、ヒトβ3アドレナリン受容体発現細胞株CHO/pKREX10−24−1Aの代わりにヒトβ1アドレナリン受容体発現細胞株CHO/pKREX23−30−2Cもしくはヒトβ2アドレナリン受容体発現細胞株CHO/pKREX21−109−3を用いて同様の操作を行い、サイクリックAMP量を測定した。
【0145】
10−6M(−)−イソプロテレノールを添加時又は非添加時のサイクリックAMP量をそれぞれ100%、0%とし、本発明化合物添加時のサイクリックAMP量の相対値を内因活性(I.A.)として算出した。30%以上のI.A.値を示した化合物について、各化合物の濃度反応曲線から最小二乗法により50%のサイクリックAMP蓄積をひき起こす濃度(EC50)も算出した。試験結果を表4に示す。
【0146】
【表4】

【0147】
表註)*試験化合物10−6M添加時のサイクリックAMP量の相対値;**実施例58の化合物を意味する;***内因性活性が低いため算出不能;****(−)−イソプロテレノール。
【0148】
本試験ではEC50値が低く、かつ、I.A.値が高い化合物は、その受容体に対する刺激作用が強いと評価される。従って、表4から明らかなように、本発明化合物はヒトβ3アドレナリン受容体に対して強い刺激作用が認められるが、ヒトβ及びヒトβアドレナリン受容体に対する刺激作用は非常に弱いものであった。以上の結果から、本発明の化合物は選択性に優れたヒトβ3アドレナリン受容体作動薬としてその効果が期待される。
【0149】
本発明の化合物は、β3アドレナリン受容体作動薬として、肥満、糖尿病、高脂血症、過敏性腸症候群、急性又は慢性下痢、頻尿、尿失禁、尿路結石、うつ病等の予防及び治療剤として有用である。また、本発明の化合物は消化性潰瘍、急性又は慢性胃炎、胆道ジスキネジアー、胆嚢炎等に伴う腹痛、悪心、嘔吐、上腹部不快感等の症状の改善薬としても有用である。
【0150】
本発明の化合物はβアドレナリン受容体作動薬として使用する場合、経口投与,非経口投与あるいは直腸内投与のいずれでもよいが、経口投与が好ましい。投与量としては、投与方法,患者の症状・年齢,処置形式(予防又は治療)等により異なるが、通常10ng/kg/日〜10mg/kg/日、好ましくは0.1μg/kg/日〜1mg/kg/日、さらに好ましくは1μg/kg/日〜100μg/kg/日である。
【0151】
本発明の化合物は通常、製剤用担体と混合して調製した製剤の形で投与される。製剤用担体としては、製剤分野において常用され、かつ本発明の化合物と反応しない物質が用いられる。具体的には、例えば乳糖,ブドウ糖,マンニット,デキストリン,デンプン,白糖,メタケイ酸アルミン酸マグネシウム,合成ケイ酸アルミニウム,結晶セルロース,カルボキシメチルセルロースナトリウム,ヒドロキシプロピルデンプン,カルボキシメチルセルロースカルシウム,イオン交換樹脂,メチルセルロース,ゼラチン,アラビアゴム,ヒドロキシプロピルセルロース,低置換度ヒドロキシプロピルセルロース,ヒドロキシプロピルメチルセルロース,ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコール,軽質無水ケイ酸,ステアリン酸マグネシウム,タルク,カルボキシビニルポリマー,酸化チタン,ソルビタン脂肪酸エステル,ラウリル硫酸ナトリウム,グリセリン,脂肪酸グリセリンエステル,精製ラノリン,グリセロゼラチン,ポリソルベート,マクロゴール,植物油,ロウ,非イオン界面活性剤,プロピレングリコール,水等が挙げられる。
【0152】
剤型としては、錠剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,シロップ剤,懸濁剤,坐剤,ゲル剤,注射剤等が挙げられる。これらの製剤は常法に従って調製される。なお、液体製剤にあっては、用時、水又は他の適当な媒体に溶解又は懸濁する形であってもよい。また錠剤,顆粒剤は周知の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、一般式〔I〕で表される化合物の生理的に許容される塩を水に溶解させて調製されるが、必要に応じて等張化剤を溶解させてもよく、またpH調節剤,緩衝剤や保存剤を添加してもよい。
【0153】
これらの製剤は、本発明の化合物を0.01重量%以上、好ましくは0.05〜70重量%の割合で含有することができる。これらの製剤はまた、治療上有効な他の成分を含有していてもよい。
【発明の効果】
【0154】
本発明の化合物は、選択性に優れ、強いβアドレナリン受容体刺激作用を有するので、肥満、糖尿病、高脂血症、過敏性腸症候群、急性又は慢性下痢、頻尿、尿失禁、尿路結石、うつ病等の予防及び治療剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0155】
参考例および実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本願発明はこれら実施例等に限定されるものではない。化合物の同定は水素核磁気共鳴吸収スペクトル(H−NMR)、液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)等により行った。
【0156】
実施例で得た化合物について、LC−MSのm/z (MH+)とLC保持時間を表16に示す。
LC−MSの測定条件
イオン化;大気圧化学イオン化(APCI)法
分離カラム;Chromolith SpeedROD RP-18e(直径4.6 mm x 50 mm、メルク社製)
移動相;記載が無い場合は、CH3CN:0.05%トリフルオロ酢酸水溶液 = 80:20
流速;1.0 ml/ 分
検出波長;254 nm
【0157】
以下において、本明細書の記載を簡略化するために次に示すような略号を使用することもある。
【0158】
Me :メチル、
Pr :イソプロピル、
Bu :tert−ブチル、
Boc :tert−ブトキシカルボニル、
THF :テトラヒドロフラン、
DMF :ジメチルホルムアミド、
DMSO:ジメチルスルホキシド、
J :結合定数、
s :単一線、
d :二重線、
dd :二個の二重線、
t :三重線、
br :ブロード、
m :多重線。
【0159】
参考例または実施例において原料化合物として使用した(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−ベンジルオキシ−1H−インドールは、特開2000−319256号公報に記載の方法により、3−(2−アミノ−2−メチルプロピル)−7−ベンジルオキシ−1H−インドールは、J. Am. Chem. Soc., 69, 3140-3142 (1947) に記載の方法により、3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ベンジルブロミドは、Tetrahedron, 54, 3999-4012 (1998) に記載の方法により、3−アセチルベンゼンチオールは、Helv. Chim. Acta., 22, 360-364 (1939) に記載の方法により、2−ホルミル−1H−インドールは、J. Am. Chem. Soc., 71, 3541-3542 (1949) に記載の方法により、7−ホルミルキノリンは、J. Med. Chem., 36, 3308-3320 (1993) に記載の方法によりそれぞれ合成した。
【0160】
参考例1:(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0161】
(第1工程)
(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−ベンジルオキシ−1H−インドール112gを酢酸エチル800mlに溶解後、二炭酸ジ−tert−ブチル105gの酢酸エチル200ml溶液を加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を減圧留去後、残渣にヘキサン400mlを加え、不溶固体を濾取、乾燥して(R)−7−ベンジルオキシ−3−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]−1H−インドール146gを得た。
【0162】
(第2工程)
第1工程の生成物60gにメタノール500mlと5%パラジウム炭素(約50%の水分含有)6gを加え、室温、常圧で3時間水素添加した。触媒を濾去後、溶媒を減圧留去し、残渣にヘキサン250mlを加え、不溶固体を濾取、乾燥して(R)−3−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]−7−ヒドロキシ−1H−インドール46gを結晶として得た。融点164〜166℃
【0163】
(第3工程)
第2工程の生成物20.4gを酢酸エチル150mlに溶解後、トリエチルアミン13.3mlを加え、氷冷攪拌下にメタンスルホニルクロリド6.5mlを滴下した。室温で1.5時間撹拌後、反応液を水、10%クエン酸水溶液、水、10%炭酸カリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(100:1、v:v)で溶出して、(R)−3−[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)プロピル]−7―メタンスルホニルオキシ−1H−インドール23.6gをアモルファス固体として得た。
【0164】
(第4工程)
第3工程の生成物23.6gにエタノール35mlを加えた後、4mol/l塩化水素-酢酸エチル溶液70mlを氷冷下で滴下した。室温で1.5時間撹拌後、溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸エチル200mlと10%炭酸カリウム水溶液100mlを加え攪拌した。酢酸エチル層を分取後、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、標記化合物16.3g を結晶として得た。融点135〜137℃
【0165】
H-NMR (DMSO-d,δppm):0.99 (3H, d, J = 6.2 Hz), 1.80 (2H, br), 2.65 (2H, d, J = 6.6 Hz), 3.09 (1H, m), 3.40 (3H, s), 6.99-7.09 (2H, m), 7.22 (1H, s), 7.52 (1H, d, J = 8.1 Hz), 11.25 (1H, s).
【0166】
参考例2〜4
【0167】
参考例1における(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−ベンジルオキシ−1H−インドールおよび/又はメタンスルホニルクロリドの代わりに、対応するトリプタミン誘導体および/又はピリジン−3−スルホニルクロリドを用いて参考例1と同様に反応・処理し、表5に示す化合物を得た。
【0168】
【化22】

【0169】
【表5】

【0170】
参考例5:2−ブロモメチル−6−クロロベンゾチアゾールの製造
【0171】
(第1工程)
2,4−ジクロロアニリン4.86gをクロロホルム50mlに溶解後、ピリジン2.67mlと無水酢酸3.11mlを加え、室温で16時間撹拌した。反応液を水、希塩酸、水、10%炭酸カリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣にジイソプロピルエーテル50mlを加え、不溶固体を濾取、乾燥して2,4−ジクロロアセトアニリド6gを結晶として得た。
【0172】
(第2工程)
第1工程の生成物3gにトルエン30mlと五硫化二燐2gを加え、90℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、デカンテーションにより不溶の固体を除去した後、10%水酸化ナトリウム水溶液で抽出した。氷冷下で10%塩酸を加えて中和した後、酢酸エチルで抽出した。水、10%炭酸カリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄し後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、2,4−ジクロロチオアセトアニリド2.31gを油状物として得、精製することなく次の反応に使用した。
【0173】
(第3工程)
第2工程の生成物2.31gに1−メチルピロリドン10mlと1,1,3,3−テトラメチルグアニジン3.68gを加え、150℃で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、酢酸エチルを加え、水、5%水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(3:1、v:v)で溶出して、6−クロロ−2−メチルベンゾチアゾール1.33gを結晶として得た。
【0174】
H-NMR (CDCl3,δppm):2.83 (3H,s), 7.40 (1H, dd, J = 8.7, 2.1 Hz), 7.80 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.85 (1H, d, J = 8.7 Hz).
【0175】
(第4工程)
第3工程の生成物1.28gの四塩化炭素30ml溶液に2,2−アゾビスイソブチロニトリル0.1gとN−ブロモスクシンイミド2.14gを加えた後、16時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、不溶の固体を濾別し、濾液を水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(3:1、v:v)で溶出して標記化合物0.59gを結晶として得た。
【0176】
H-NMR (CDCl3,δppm):4.79 (2H,s), 7.46 (1H, dd, J = 8.6, 2.1 Hz), 7.86 (1H, d, J = 2.1 Hz), 7.92 (1H, d, J = 8.6 Hz).
【0177】
参考例6〜13
【0178】
参考例5の第1工程における2,4−ジクロロアニリンの代わりに、2,3−ジクロロアニリンを用いて参考例5と同様に反応・処理し、表6に示す参考例6の化合物を得た。また、参考例5の第4工程における5−クロロ−2−メチルベンゾチアゾールの代わりに、対応するメチル体を用いて参考例5の第4工程と同様に反応・処理し、表6に示す参考例7〜13の化合物を得た。
【0179】
【表6】

【0180】
参考例14:3−クロロシンナミルクロリドの製造
【0181】
(第1工程)
3−クロロ桂皮酸7.3gをTHF 60mlに溶解後、トリエチルアミン5.42mlを加え、氷冷攪拌下にクロロギ酸エチル3.82mlを滴下した。10分間攪拌した後、析出固体を濾別し、濾液に氷冷下で水素化ホウ素ナトリウム3.78gの水30ml溶液を滴下した。室温で3時間撹拌後、反応液を氷冷し、10%塩酸を加えて中和した。ジイソプロピルエーテルで抽出後、5%水酸化ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去して3−クロロシンナミルアルコール6.5gを油状物として得た。
【0182】
(第2工程)
第1工程の生成物1.69gのジクロロメタン40ml溶液に、氷冷攪拌下でトリフェニルホスフィン4.02gと四臭化炭素4.97gを加えた後、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(3:1、v:v)で溶出して標記化合物3.43gを油状物として得た。
【0183】
H-NMR (CDCl3,δppm):4.12 (2H, d, J = 7.5 Hz), 6.39 (1H, m), 6.57 (1H, d, J = 15.5 Hz), 7.21-7.27 (3H, m), 7.36 (1H, s).
【0184】
参考例15、16
【0185】
参考例14の第1工程における3−クロロ桂皮酸の代わりに、対応するカルボン酸を用いて参考例14と同様に反応・処理し、表7に示す化合物を得た。
【0186】
【表7】

【0187】
参考例17:3−[[N−(tert−ブトキシカルボニル)−N−メチル]アミノ]ベンジルブロミドの製造
【0188】
3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ベンジルブロミド1gをDMF 15mlに溶解後、氷冷攪拌下で60%水素化ナトリウム(鉱油含有)0.21gとヨウ化メチル5gを加え、室温で14時間攪拌した。反応液を氷冷し、水を加えた後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(8:1、v:v)で溶出して標記化合物0.96gを油状物として得た。
【0189】
H-NMR (CDCl3,δppm):1.46 (9H, s), 3.26 (3H, s), 4.43 (2H, s), 7.08-7.31 (4H, m).
【0190】
参考例18:(R)−3−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼンの製造
【0191】
(第1工程)
3−ベンジルオキシアセトフェノン14.2gのTHF 180ml 溶液に、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミド21.6gを加え、室温で15時間撹拌した。不溶物を濾去後、濾液を減圧下濃縮し、残渣にジイソプロピルエーテルを加え、水で2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(5:1、v:v)で溶出して3−ベンジルオキシフェナシルブロミド20gを油状物として得た。
【0192】
(第2工程)
第1工程の生成物17.5gおよび(R)−テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール3gのTHF100ml溶液中に、室温攪拌下でボラン−THF錯体の1モルTHF溶液をゆっくり滴下した。1時間攪拌後、氷冷下で飽和塩化アンモニウム水溶液100mlを滴下し、THFを減圧留去した。得られた水溶液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルムで溶出して(R)−3−ベンジルオキシ−(2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル)ベンゼン15gを油状物として得た。
【0193】
(第3工程)
第2工程の生成物15gおよびイミダゾール5gのDMF150ml溶液中に、氷冷攪拌下でtert−ブチルジメチルシリルクロリド11gを加えた。室温で15時間攪拌後、ジイソプロピルエーテルと水を加えて分液し、ジイソプロピルエーテル層を飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(20:1、v:v)で溶出して標記化合物18.8gをアモルファス固体として得た。
【0194】
H-NMR (CDCl3,δppm):-0.09 (3H, s), 0.10 (3H,s), 0.89 (9H,s), 3.41-3.49 (2H, m), 4.81 (1H, m), 5.02-5.10 (2H, m), 6.89-6.93 (2H, m), 6.98 (1H, m), 7.25 (1H, m), 7.30-7.45 (5H, m).
【0195】
参考例19:(R)−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−トリフルオロメトキシベンゼン
参考例18における3−ベンジルオキシアセトフェノンの代わりに、3−トリフルオロメトキシアセトフェノンを用いて参考例18と同様に反応・処理し、標記化合物を得た。
【0196】
参考例20:(R)−3−ベンジルチオ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼンの製造
【0197】
3−アセチルベンゼンチオール3.9gのDMF30ml溶液に、炭酸カリウム1.4gとベンジルブロミド2mlを加え、60℃で1時間加熱攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和重曹水、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/ジエチルエーテル(2:1、v:v)で溶出して3−(ベンジルチオ)アセトフェノン1.52gを得た。
参考例18における3−ベンジルオキシアセトフェノンの代わりに、3−(ベンジルチオ)アセトフェノンを用いて参考例18と同様に反応・処理し、標記化合物を油状物として得た。
【0198】
参考例21:(R)−3−(3−ニトロベンジルチオ)−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼンの製造
参考例20におけるベンジルブロミドの代わりに、3−ニトロベンジルブロミドを用いて参考例20と同様に反応・処理し、標記化合物を油状物として得た。
【0199】
参考例22:(R)−3−ベンジルスルホキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼンの製造
【0200】
参考例20で得た(R)−3−ベンジルチオ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼン0.44gのジクロロメタン10ml溶液に、メタクロロ過安息香酸0.52gを加え、室温で16時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(5:1、v:v)で溶出して、標記化合物0.45gを油状物として得た。
【0201】
H-NMR (CDCl3,δppm):-0.13 (3H, s), 0.08 (3H,s), 0.87 (9H,s), 3.22-3.38 (2H, m), 4.30 (2H, s), 4.81 (1H, dd, J = 6.6, 5.1 Hz), 7.04 (2H, d, J = 7.0 Hz), 7.18-7.34 (3H, m), 7.43 (1H, m), 7.50-7.70 (3H, m).
【0202】
参考例23:(R)−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−メトキシベンゼンの製造
【0203】
(第1工程)
参考例18で得た(R)−3−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼン5gにエタノール50mlと5%パラジウム炭素(約50%の水分含有)0.5gを加え、室温、常圧で3時間水素添加した。触媒を濾去後、溶媒を減圧留去し、(R)−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−ヒドロキシベンゼンを含む油状物3.5gを得、精製することなく第2工程に使用した。
【0204】
(第2工程)
第1工程の生成物0.4gのDMF 10ml溶液に、氷冷攪拌下、60%水素化ナトリウム(鉱油含有)0.06gを加えた後、ヨウ化メチル0.26gを滴下した。室温で3時間撹拌後、反応液に1規定塩酸20mlを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(30:1、v:v)で溶出して標記化合物0.38gを油状物として得た。
【0205】
H-NMR (CDCl3,δppm):-0.08 (3H, s), 0.11 (3H,s), 0.93 (9H,s), 3.45 (2H, d, J = 6.0 Hz), 3.81 (3H, s), 4.83 (1H, t, J = 6.0 Hz), 6.82 (1H, m), 6.89-6.92 (2H, m), 7.24 (1H, m).
【0206】
参考例24〜38
参考例23のヨウ化メチルの代わりに、対応するハロゲン化物を用いて参考例23と同様に反応・処理し、表8に示す化合物を得た。
【0207】
【化23】

【0208】
【表8】

【0209】
参考例39:(R)−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−(2−フェニルエトキシ)ベンゼン
【0210】
(第1工程)
(R)−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−ヒドロキシベンゼン0.5g、トリフェニルホスフィン0.79g、2−フェニルエタノール0.37gのTHF20ml溶液中に、氷冷攪拌下ジエチルアゾジカルボキシレート0.55gを滴下した。室温で18時間攪拌後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルに溶解した。この溶液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(50:1、v:v)で溶出して、標記化合物0.55gを油状物として得た。
【0211】
H-NMR (CDCl3,δppm):-0.08 (3H, s), 0.10 (3H,s), 0.89 (9H,s), 3.10 (2H, t, J = 7.1 Hz), 3.40-3.45 (2H, m), 4.17 (2H, t, J = 7.1 Hz), 4.80 (1H, m), 6.81 (1H, m), 6.89-6.91 (2H, m), 7.20-7.35 (6H, m).
【0212】
参考例40:(R)−4−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−メタンスルホニルオキシベンゼンの製造
【0213】
(第1工程)
3,4−ジヒドロキシアセトフェノン15.2gのDMF 10ml溶液に臭化ベンジル17.8mlおよびジイソプロピルエチルアミン43.5mlを加えた後、78時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却後、トルエン600mlを加え、水、1規定塩酸、水、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。トルエンを約100mlまで減圧留去し、氷冷により析出した固体を濾取した。トルエン/ヘキサン(1:1,v:v)にて洗浄後、乾燥して4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシアセトフェノン12.3gを得た。
【0214】
(第2工程)
第1工程の生成物を参考例19の第1工程と同様に臭素化を行ない、4−ベンジルオキシ−3−ヒドロキシフェナシルブロミドを固体として得た。
【0215】
(第3工程)
第2工程の生成物2.1gおよびトリエチルアミン1gのジクロロメタン50ml溶液にメタンスルホニルクロリド0.82gのジクロロメタン10ml溶液を滴下した後、室温で15時間攪拌した。反応液を水、1規定塩酸、飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(5:1〜3:1,v:v)で溶出して4−ベンジルオキシ−3−メタンスルホニルオキシフェナシルブロミド1.47gを固体として得た。
【0216】
(第4工程、第5工程)
第3工程の生成物を用いて参考例19の第2工程および第3工程と同様に還元反応およびシリル化反応を行ない、標記化合物1.8gを油状物として得た。
【0217】
H-NMR (CDCl3,δppm):-0.05 (3H, s), 0.11 (3H,s), 0.89 (9H,s), 3.06 (3H, s), 3.50 (1H, dd, J = 11.1, 4.7 Hz), 3.56 (1H, dd, J = 11.1, 7.3 Hz), 4.77 (1H, dd, J = 7.3, 4.7 Hz), 5.11 (2H, s), 7.04 (1H, d, J = 8.6 Hz), 7.24 (1H, m), 7.33-7.46 (6H, m).
【0218】
参考例41:(R)−3−ベンゼンスルホニルオキシ−4−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼンの製造
【0219】
参考例40の第3工程におけるメタンスルホニルクロリドの代わりに、ベンゼンスルホニルクロリドを用いて参考例40と同様に反応・処理し、標記化合物を油状物として得た。
【0220】
参考例42:3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0221】
(第1工程)
3−ニトロフェナシルブロミド24.4gおよび(R)−テトラヒドロ−1−メチル−3,3−ジフェニル−1H,3H−ピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール4.2gのTHF200ml溶液中に、室温攪拌下でボラン−THF錯体の1モルTHF溶液をゆっくり滴下した。1時間攪拌後、氷冷下で飽和塩化アンモニウム水溶液200mlを滴下し、THFを減圧留去した。得られた水溶液を酢酸エチルで抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルムで溶出して得られた結晶にヘキサン/ジイソプロピルエーテル(3:2、v:v)100mlを加え攪拌した。不溶の結晶を濾取後、乾燥して(R)−3−ニトロ−(2−ブロモ−1−ヒドロキシエチル)ベンゼン18.7gを得た。
(第2工程)
第1工程の生成物12.0gのTHF49ml溶液に、2規定水酸化ナトリウム水溶液98mlを加え、室温で1時間撹拌した。反応液に酢酸エチル700mlを加え分液後、有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、粗製の(R)−(3−ニトロフェニル)オキシラン8.2gを油状物として得、精製することなく次の反応に用いた。
【0222】
(第3工程)
第2工程の生成物8.2gのDMF65ml溶液に(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール17.0gを加え、90℃で16時間攪拌した。反応液を室温まで放冷後、酢酸エチル600mlを加え、水、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(40:1、v:v)で溶出して、3−[(2R)−2−[[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ニトロフェニル)エチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール18.1gをアモルファス固体として得た。
【0223】
(第4工程)
第3工程の生成物18.1gのクロロホルム350ml溶液中に、二炭酸ジ−tert−ブチル10.9gを加え、室温で16時間撹拌した。反応液を減圧下に溶媒留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(60:1,v:v)で溶出して、3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ニトロフェニル)エチル]−N−(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール20.5gをアモルファス固体として得た。
【0224】
(第5工程)
還元鉄8g、塩化アンモニウム2g、エタノール100ml、水50mlからなる混合物に、第4工程の生成物20.5gを加え、2時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷後、不溶物を濾去し、濾液のエタノールを減圧留去した。得られた水溶液中に5%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした後、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(100:1、v:v)で溶出して、標記化合物17.6g をアモルファス固体として得た。
【0225】
H-NMR (CDCl3,δppm):1.20 (9H, s), 1.27 (3H, d, J = 6.8 Hz), 2.68-2.90 (2H, m), 3.10-3.19 (4H, m), 3.35-3.98 (3H, m), 4.27 (1H, m), 4.59 (1H, m), 6.53-6.76 (3H, m), 6.85-7.14 (4H, m), 7.51 (1H, m), 8.82 (1H, s).
【0226】
参考例43:(R)−3−[2−[N−[2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0227】
参考例42の第2工程における(R)−3−(2−アミノプロピル)−7―メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの代わりに、3−(2−アミノエチル)−7―メタンスルホニルオキシ−1H−インドールを用いて参考例42と同様に反応・処理し、標記化合物を得た。
【0228】
参考例44:3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0229】
参考例1における(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−ベンジルオキシ−1H−インドールの代わりに、実施例1の化合物である3−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−ベンジルオキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールを用いて参考例1の第1工程、第2工程と同様に反応・処理し、標記化合物を得た。
【0230】
実施例1:3−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−ベンジルオキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0231】
【化24】

【0232】
(第1工程)
(R)−3−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼン2.53gに(R)−3−(2−アミノプロピル)−7―メタンスルホニルオキシ−1H−インドール2.41g、ジイソプロピルエチルアミン0.93gおよびアセトニトリル60mlを加えた後、18時間加熱還流した。室温に冷却後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル60mlに溶解して、水、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(50:1、v:v)で溶出して、3−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−ベンジルオキシフェニル)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール3.2gをアモルファス固体として得た。
【0233】
(第2工程)
第1工程の生成物3.2gのエタノール25ml溶液中に、4mol/l塩化水素-酢酸エチル溶液75mlを氷冷下で滴下した。室温で2時間撹拌後、溶媒を減圧留去し、残渣に酢酸エチル60mlと10%炭酸カリウム水溶液20mlを加え攪拌した。分液後、酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(10:1、v:v)で溶出して、標記化合物2.14g をアモルファス固体として得た。
【0234】
実施例2: 3−[(2R)−2−[[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0235】
実施例1の化合物0.31gにエタノール20mlと5%パラジウム炭素(約50%の水分含有)0.1gを加え、室温、常圧で18時間水素添加した。触媒を濾去後、溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(10:1、v:v)で溶出して、標記化合物0.2gをアモルファス固体として得た。
実施例3〜21
実施例1における(R)−3−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼンおよび/又は(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの代わりに、対応するベンゼン体および/又はインドール誘導体を用いて実施例1と同様に反応・処理し、表9に示す化合物をアモルファス固体として得た。
【0236】
【化25】

【0237】
【表9】

【0238】
実施例22:3−[(2R)−2−[[(2R)−2−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0239】
(第1工程)
3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシフェニル)エチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール0.62gおよびトリエチルアミン0.19gのジクロロメタン15ml溶液中に、ベンゼンスルホニルクロリド0.26gを添加した。室温で18時間攪拌後、反応液を1規定塩酸、続いて飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル/ヘキサン(5:1、v:v)で溶出して、3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール0.66gをアモルファス固体として得た。
【0240】
(第2工程)
第1工程の生成物0.66gを4mol/l塩化水素−酢酸エチル溶液10mlに溶解し室温で2時間攪拌した。反応液に10%炭酸カリウム水溶液10mlを加えてアルカリ性とし、有機層を分取、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(10:1、v:v)で溶出して、標記化合物0.38gをアモルファス固体として得た。
【0241】
実施例23〜29
実施例22におけるベンゼンスルホニルクロリドの代わりに、対応する各種スルホニルクロリド誘導体を用いて実施例22と同様に反応・処理し、表10に示す化合物をアモルファス固体として得た。
【0242】
【化26】

【0243】
【表10】

【0244】
実施例30:3−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−(3−ピリジン)スルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0245】
(第1工程)
参考例42の第2工程における(R)−3−(2−アミノプロピル)−7―メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの代わりに、(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−(3−ピリジン)スルホニルオキシ−1H−インドールを用いて参考例42と同様に反応・処理し、3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−(3−ピリジン)スルホニルオキシ−1H−インドールを得た。
【0246】
(第2工程)
第1工程の生成物を実施例22の第2工程と同様に反応・処理して脱Boc化を行なった後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム/メタノール、10:1、v:v)を用いて精製して標記化合物をアモルファス固体として得た。
【0247】
実施例31:(R)−3−[2−[[2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]エチル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0248】
参考例43の化合物である(R)−3−[2−[N−[2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールを用いて、実施例22の第2工程と同様に反応・処理して脱Boc化を行なった後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム/メタノール、10:1、v:v)を用いて精製して、標記化合物をアモルファス固体として得た。
【0249】
実施例32:3−[(2R)−2−[[(2R)−2−(4−ヒドロキシ−3−メタンスルホニルオキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造の製造
【0250】
実施例1における(R)−3−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼンの代わりに、参考例40の化合物である(R)−4−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−メタンスルホニルオキシベンゼンを用いて実施例1と同様に反応・処理して得た3−[(2R)−2−[[(2R)−2−(4−ベンジルオキシ−3−メタンスルホニルオキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール0.2gをエタノール10mlに溶解後、20%水酸化パラジウム炭素0.2gを加え、50℃、常圧で1.5時間水素添加した。触媒を濾去後、溶媒を減圧留去し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム/メタノール、10:1、v:v)を用いて精製して標記化合物0.12gをアモルファス固体として得た。
【0251】
実施例33:3−[(2R)−2−[[(2R)−2−(3−ベンゼンスルホニルオキシ−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造の製造
【0252】
実施例32における(R)−4−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−メタンスルホニルオキシベンゼンの代わりに、(R)−3−ベンゼンスルホニルオキシ−4−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼンを用いて実施例32と同様に反応・処理し、標記化合物0.12gをアモルファス固体として得た。
【0253】
実施例34:3−[(2R)−2−[(2R)−2−ヒドロキシエチル−2−[3−(2−ナフチルメチルアミノ)フェニル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0254】
(第1工程)
3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール0.3gをDMF5mlに溶解後、炭酸カリウム0.084g、ナフチルメチルブロミド0.132gを加え、80℃で5時間加熱攪拌した。反応液を室温まで放冷後、溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル30mlに溶解、水、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(3:1、v:v)で溶出して3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−ヒドロキシエチル−2−[3−(2−ナフチルメチルアミノ)フェニル]]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール0.112gをアモルファス固体として得た。
【0255】
(第2工程)
第1工程の生成物0.112gのエタノール0.2ml溶液中に、4mol/l塩化水素-酢酸エチル溶液0.6mlを加えた後、室温で2時間撹拌した。反応液に酢酸エチル10mlと10%炭酸カリウム水溶液5mlを加え攪拌した後、酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水で洗浄の後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(10:1、v:v)で溶出して、標記化合物0.074g をアモルファス固体として得た。
【0256】
実施例35〜75
実施例34における3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールおよび/又はナフチルメチルブロミドの代わりに、(R)−3−[2−[N−[2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールおよび/又は対応するブロモ体又はクロロ体を用いて実施例34と同様に反応・処理し、表11、表12に示す化合物をアモルファス固体として得た。
【0257】
【化27】

【0258】
【表11】

【0259】
【表12】

【0260】
実施例76:3−[(2R)−2−[(2R)−2−ヒドロキシエチル−2−[3−[(1−メチル−1H−インドール−2−イル)メチルアミノ]フェニル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
(第1工程)
3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール0.3gのTHF3ml溶液に酢酸40μlと2−ホルミル−1−メチル−1H−インドール0.3gを加えた後、氷冷下で水素化シアノホウ素ナトリウム0.073gを加えた。室温で64時間攪拌した後、50℃で6時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチル30mlに溶解後、10%炭酸カリウム水溶液、水、飽和食塩水の順で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(3:2、v:v)で溶出して3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−ヒドロキシエチル−2−[3−[(1−メチル−1H−インドール−2−イル)メチルアミノ]フェニル]]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール0.28gをアモルファス固体として得た。
【0261】
(第2工程)
第1工程の生成物0.28gを、実施例34の第2工程と同様に反応・処理して脱Boc化を行なった後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム/メタノール、50:1〜9:1、v:v)を用いて精製して標記化合物0.12gをアモルファス固体として得た。
【0262】
実施例77〜88
実施例76における3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールおよび/又は2−ホルミル−1−メチル−1H−インドールの代わりに、(R)−3−[2−[N−[2−(3−アミノフェニル)−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]エチル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールおよび/又は対応するアルデヒドを用いて実施例76と同様に反応・処理し、表13に示す化合物をアモルファス固体として得た。
【0263】
【化28】

【0264】
【表13】

【0265】
実施例89:3−[(2R)−2−[(2R)−2−ヒドロキシエチル−2−[3−[(インドリン−4−イル)メチルアミノ]フェニル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
(第1工程)
実施例83の中間体として得られる3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−[3−[(4−インドリル)メチルアミノ]フェニル]−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール250mgの酢酸1ml溶液に水素化シアノホウ素ナトリウム74mgを加え、室温で2時間攪拌した。反応液に10%炭酸カリウム水溶液10mlを加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン/酢酸エチル(3:2、v:v)で溶出して、3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−[3−[(インドリン−4−イル)メチルアミノ]フェニル]−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール152mgをアモルファス固体として得た。
【0266】
(第2工程)
第1工程の生成物152mgを、実施例34の第2工程と同様に反応・処理して脱Boc化を行なった後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム/メタノール、12:1〜6:1、v:v)を用いて精製して標記化合物100mgをアモルファス固体として得た。
【0267】
実施例90、91
実施例89における3−[(2R)−2−[(2R)−2−ヒドロキシエチル−2−[3−(4−インドリルメチルアミノ)フェニル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの代わりに、対応するインドールを用いて実施例89と同様に反応・処理し、表14に示す化合物をアモルファス固体として得た。
【0268】
【表14】

【0269】
実施例92:(R)−3−[2−[[2−[3−[(3−ヒドロキシベンジル)アミノ]フェニル]−2−ヒドロキシエチル]アミノ]エチル]−1H−インドールの製造
【0270】
実施例52の化合物273mgのジクロロメタン15ml溶液中に、氷冷攪拌下で三臭化ホウ素の1モルジクロロメタン溶液1.19mlを滴下した。室温で15時間攪拌後、反応液にメタノール2mlを氷冷下で加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水で中和した。混合物をクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(10:1〜7:1、v:v)で溶出して、標記化合物を140mgアモルファス固体として得た。
【0271】
実施例93:3−[(2R)−2−[[(2R)−2−[3−[(3−ヒドロキシベンジル)アミノ]フェニル]−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1H−インドールの製造
【0272】
3−[(2R)−2−[[(2R)−2−[3−[(3−メトキシベンジル)アミノ]フェニル]−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−1H−インドール(実施例64の化合物)を用いて実施例92と同様に反応・処理し、標記化合物をアモルファス固体として得た。
【0273】
実施例94:3−[(2R)−2−[[(2R)−2−[3−(3−アミノベンジルオキシ)フェニル]−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0274】
(第1工程)
実施例1における(R)−3−ベンジルオキシ−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]ベンゼンの代わりに、(R)−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−(3−ニトロベンジルオキシ)ベンゼン(参考例32の化合物)を用いて実施例1の第1工程と同様に反応・処理し、3−[(2R)−2−[[(2R)−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−[3−(3−ニトロベンジルオキシ)フェニル]エチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールを得た。
【0275】
(第2工程)
還元鉄283mg、塩化アンモニウム126mg、エタノール12ml、水6mlからなる混合物に、第1工程の生成物541mgを加え、2時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷後、不溶物を濾去し、濾液のエタノールを減圧留去した。得られた水溶液中に5%水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性とした後、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール(70:1、v:v)で溶出して、3−[(2R)−2−[[(2R)−2−[3−(3−アミノベンジルオキシ)フェニル]−2−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール491mgを得た。
【0276】
(第3工程)
第1工程の生成物152mgを、実施例1の第2工程と同様に反応・処理して脱シリル化を行なった後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム/メタノール、12:1〜6:1、v:v)を用いて精製して標記化合物323mgをアモルファス固体として得た。
【0277】
実施例95〜99
【0278】
実施例94における(R)−[2−ブロモ−1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)エチル]−3−(3−ニトロベンジルオキシ)ベンゼンおよび/又は(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの代わりに、対応するニトロ体および/又はトリプタミン誘導体を用いて実施例94と同様に反応・処理し、表15に示す化合物をアモルファス固体として得た。
【0279】
【化29】

【0280】
【表15】

【0281】
実施例100:3−[(2R)−2−[[(2R)−2−[3−[(3−アミノベンゼン)スルホニルオキシ]フェニル]−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0282】
(第1工程)
実施例22におけるベンゼンスルホニルクロリドの代わりに、(3−ニトロベンゼン)スルホニルクロリドを用いて実施例22の第1工程と同様に反応・処理し、3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−[3−[(3−ニトロベンゼン)スルホニルオキシ]フェニル]エチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールを得た。
【0283】
(第2工程)
第1工程の生成物384mgにエタノール40mlと10%パラジウム炭素40mgを加え、室温、常圧で4時間水素添加した。触媒を濾去後、溶媒を減圧留去し、3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−[3−[(3−アミノベンゼン)スルホニルオキシ]フェニル]−2−ヒドロキシエチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールを得た。
(第3工程)
第2工程の生成物685mgを実施例22の第2工程と同様に反応・処理して脱Boc化を行なった後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロロホルム/メタノール、10:1、v:v)を用いて精製して標記化合物250mgをアモルファス固体として得た。
【0284】
実施例101:(R)−3−[2−[[2−[3−[(3−アミノベンジル)アミノ]フェニル]−2−ヒドロキシエチル]アミノ]エチル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0285】
還元鉄1g、塩化アンモニウム250mg、エタノール10ml、水5mlからなる混合物に、(R)−3−[−2−[[2−ヒドロキシ−2−[3−[(3−ニトロベンジル)アミノ]フェニル]エチル]アミノ]エチル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドール(実施例36の化合物)200mgを加え、3時間加熱還流した。反応液を室温まで放冷後、不溶物を濾去し、濾液のエタノールを減圧留去した。得られた水溶液中に飽和重曹水を加えて塩基性とした後、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム/メタノール/トリエチルアミン(100:10:1、v:v:v)で溶出して、標記化合物120mgをアモルファス固体として得た。
【0286】
実施例102:3−[(2R)−2−[[(2R)−2−[3−[(3−アミノベンジル)アミノ]フェニル]−2−ヒドロキシエチル]アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの製造
【0287】
実施例36における3−(2−アミノエチル)−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールの代わりに(R)−3−(2−アミノプロピル)−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールを用いて得られた3−[(2R)−2−[N−[(2R)−2−ヒドロキシ−2−[3−[(3−ニトロベンゼン)スルホニルオキシ]フェニル]エチル]−N−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル]−7−メタンスルホニルオキシ−1H−インドールを、実施例101と同様にしてニトロ基の還元を行い、標記化合物をアモルファス固体として得た。
【0288】
【表16】

【0289】
製剤例:(錠剤の製法)
【0290】
常法に従って、実施例1の化合物、乳糖、トウモロコシデンプン及びヒドロキシプロピルセルロースを、常法に従い顆粒状とし、これに結晶セルロース、軽質無水ケイ酸及びステアリン酸マグネシウムを添加混合し、圧縮成型して、1錠100mg の錠剤1000錠を調製した。
【0291】
【表17】

【産業上の利用可能性】
【0292】
本発明の化合物は、選択性に優れ、強いβアドレナリン受容体刺激作用を有するので、肥満、糖尿病、高脂血症、過敏性腸症候群、急性又は慢性下痢、頻尿、尿失禁、尿路結石、うつ病等の予防及び治療剤として有用である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式〔I〕で表されるスルホニルオキシインドール誘導体又はその生理的に許容される塩。
【化1】

(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、トリフルオロメチル基、ベンジルオキシ基、低級アルコキシ基、水酸基、アミノ基又はモノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基を意味し、
及びRは同一又は異なって水素原子、低級アルキル基又はRとRが一緒になった環状低級アルキル基を意味し、
は水素原子又は置換されていてもよい低級アルキル基を意味し、
OSO及びRはインドール環の4位、5位、6位又は7位のいずれかに結合し、
は置換されていてもよい低級アルキル基、環状低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいヘテロアリール基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基又は環状アミノ基を意味し、
あるいは、OSOがインドール環の7位に結合する場合はRとRが一緒になって直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分を形成してもよく、
は水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基又は低級アルコキシ基を意味し、
はトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、フルオロメトキシ基、X−R、OSO−R又はX−A−R10で表される基を意味し、
は酸素原子、硫黄原子又はNHを意味し、
は水素原子、低級アルキル基、低級アルケニル基又は低級アルキニル基を意味し、
は置換されていてもよい低級アルキル基、環状低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基を意味し、
は酸素原子、硫黄原子、NH又はSOを意味し、
は直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分、直鎖又は分枝鎖の低級アルケニレン部分又は直鎖又は分枝鎖の低級アルキニレン部分を意味し、
10は置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、環状低級アルキル基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノカルボニル基、環状アミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、ヘテロアリールアミノカルボニル基、アミノ基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基又は環状アミノ基を意味する。
ただし、Aがメチレンである場合は、R10はハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、モノもしくはジ置換低級アルキルアミノ基又は環状アミノ基以外の基である。)
【請求項2】
ベンゼン環と水酸基が置換した不斉炭素の立体配置がR配置である請求項1記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項3】
が水素原子、水酸基又はアミノ基であり、Rが水素原子である請求項2記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項4】
及びRが同一又は異なって水素原子又はメチル基であり、OSOがインドール環の6位又は7位に結合した基である請求項3記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項5】
が水素原子又は低級アルキル基であり、Rが低級アルキル基、置換されていてもよいフェニル基又は置換されていてもよいヘテロアリール基である請求項4記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項6】
OSOがインドール環の7位に結合した基であり、RとRが一緒になって直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分を形成している請求項4記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項7】
OSOがインドール環の7位に結合した基であり、Rが低級アルキル基である請求項5記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項8】
がX−R又はX−A−R10で表される基である請求項7記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項9】
がX−A−R10で表される基であり、R10が置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基である請求項8記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項10】
がNHであり、Aが直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分又は直鎖又は分枝鎖の低級アルケニレン部分である請求項9記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項11】
がOSO−Rで表される基であり、Rが置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基である請求項7記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項12】
がX−A−R10で表される基であり、Aが直鎖又は分枝鎖の低級アルキレン部分又は直鎖又は分枝鎖の低級アルケニレン部分であり、R10が置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよいナフチル基、置換されていてもよいヘテロアリール基である請求項6記載の化合物又はその生理的に許容される塩。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物又はその生理的に許容される塩を含有する医薬組成物。
【請求項14】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物又はその生理的に許容される塩を有効成分とするβアドレナリン受容体作動薬。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物又はその生理的に許容される塩を有効成分とすることを特徴とする肥満、糖尿病、高脂血症、過敏性腸症候群、急性又は慢性下痢、頻尿、尿失禁、尿路結石あるいはうつ病の予防・治療剤。

【公開番号】特開2006−111553(P2006−111553A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299077(P2004−299077)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【出願人】(000002912)大日本住友製薬株式会社 (332)
【Fターム(参考)】