説明

スルホポリエステルおよびリン酸エステル界面活性剤を有する耐水性サンスクリーン配合物

ホスフェート界面活性剤およびスルホポリエステルの組合せを含む、太陽放射線吸収用のサンスクリーン組成物である。本発明のサンスクリーン配合物は安定な水中油エマルションであり、必要なホスフェート界面活性剤がスルホポリエステルを含まない配合物よりも少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本件は米国仮出願整理番号第60/799,572(2006年5月11日出願)への優先権を主張し、その開示の全部が参照により本明細書に組込まれる。
発明の分野
本発明は、改善された耐水性を有するサンスクリーン配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
サンスクリーン配合物は、皮膚上で乾燥している場合には、直接水に接触させた場合にわずかな耐水性を有する。水泳または汗による洗い落としは、存在するUV吸収剤の配合および性質に応じて様々な程度で起こる。加えて、有機UV吸収剤は、角質層に浸透して表皮に入り、そして更に真皮に入る場合があることが公知である。
【0003】
多くのポリマーがサンスクリーン配合物を改善させる物質として使用されてきた。ポリマーは、均一な塗布においてサンスクリーンフィルター(紫外光吸収剤)の皮膚上の分配を助けることによってサンスクリーン配合物のSPFを増大させること、および、疎水性の性質を増大させることと油相の粘度を増大させることとの両者によってその耐水性を増大させることの両者が可能である。これらの一般的に油相の可溶性ポリマーは多くの形で存在し、そしてワックス、ポリオレフィン、オレフィンとビニルピロリジノンとの共重合体、オレフィンおよびマレイン酸エステル、アクリレート共重合体、シリコーン等として当該分野で公知である。これらのポリマーは、油配合物、水中油エマルション配合物、および油中水エマルション配合物において有効である場合がある。
【0004】
サンスクリーン配合物はしばしばエマルションである。利点は両相に由来し、その各々は皮膚に対する利点を与え、そして各相は異なる含有成分を皮膚に運ぶことができる。エマルションを形成するために、界面活性剤を一般的に用いて分離に対して安定な配合物を与える。好適な界面活性剤は多くの型のもので、ノニオン性、アニオン性、両性、またはカチオン性であることができる。水中油エマルション用の殆どの典型的なものはアニオン性界面活性剤である。これらの界面活性剤は全配合物基準で、約1%から約10%の量で使用する。通常、界面活性剤が多いほど配合物はより安定で、そして逆に、界面活性剤が少ないほど配合物の安定性は悪い。また、通常、存在する界面活性剤が多いほど皮膚への適用後のサンスクリーン配合物の耐水性が低い。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、ホスフェート界面活性剤および水分散性スルホポリエステルポリマーの組合せが上述の問題に対処することを見出した。例えば、本発明のサンスクリーン配合物は、安定な水中油エマルションであり必要とするホスフェート界面活性剤がより少ない。加えて、ホスフェート界面活性剤のみ、またはスルホポリエステルのみよりも大きい耐水性が得られる。本発明の水分散性スルホポリエステル含有配合物は、サンスクリーン配合物において使用するために推奨されてきた典型的な油相可溶性ポリマーよりも耐水性が顕著により良好である。
【0006】
発明の要約
本発明の態様は、太陽放射線吸収用の組成物に関する。該組成物は、スルホポリエステルポリマー、リン酸エステル界面活性剤、および紫外光吸収化合物を含む。
【0007】
別の態様は、太陽放射線吸収用の組成物を製造する方法に関する。該方法は、リン酸エステル界面活性剤またはリン酸エステル界面活性剤ブレンド物および紫外光吸収化合物および油を混合および加熱して油相を形成すること;スルホポリエステルポリマーと水とを混合して水相を形成すること;油相および水相を組合せおよび混合してエマルションを形成すること、を含む。
【0008】
更に別の態様は、太陽放射線吸収用の組成物を製造する方法に関する。該方法は、リン酸エステル界面活性剤またはリン酸エステル界面活性剤ブレンド物、スルホポリエステルポリマーおよび紫外光吸収化合物を混合することを含む。
更に別の態様は、該組成物を皮膚に適用することを含む組成物の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
発明の詳細な説明
本発明は、改善された耐水性を有するサンスクリーン配合物に関する。水分散性スルホポリエステルポリマーと、リン酸エステル界面活性剤またはリン酸エステル界面活性剤ブレンド物の量との組合せは、サンスクリーン配合物において有利な効果を有する。優れた配合物耐水性が、両成分の組合せで相乗的な影響を示すことがインビトロ試験について見出された。事実、ある油溶性ポリマーが、耐水性保護を損なう一方、水分散性スルホポリエステルは実際に耐水性を改善することが示された。加えて、本発明において、サンスクリーン組成物はエマルションを安定化させるために製造者によって推奨されるものよりも顕著に少ない量のリン酸エステル界面活性剤またはブレンド物を含む。リン酸エステルまたはリン酸エステルブレンド物の、油相基準で10%未満の量は有用かつ許容可能である。
【0010】
本発明において使用するために好適なスルホポリエステルポリマーは、Eastman AQ(登録商標)ポリマーおよびEastman AQ共重合体として公知のものである。好適なスルホポリエステルの例は、Eastman AQ38(登録商標)、またはガラス転移温度(Tg)もしくは軟化点約38℃を有するスルホポリエステルポリマーである。Eastman AQ55(登録商標)、またはガラス転移温度(Tg)もしくは軟化点約55℃を有するスルホポリエステルポリマーもまた本発明のサンスクリーン組成物において有用である。一般的に、好適なポリマーは、ジメチル−5−スルホイソフタル酸ナトリウムおよびそのもとの酸および塩から調製されるようなポリマーであり、イソフタル酸、テレフタル酸およびこれらのエステルのようなコモノマーに由来することができる。このような酸コモノマーとともに普通用いるジオールは、ジエチレングリコール、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等である。
【0011】
ポリマーは、グリコール残基およびジカルボン酸残基を有するエーテル基およびスルホネート基、ならびに芳香族核に結合したスルホネート基を含む少なくとも1種の2官能コモノマーで金属塩の形のものを含む水分散性または水消散性のスルホポリエステルまたはポリエステルアミド(以後、まとめてスルホポリエステルという)から選択できる。このようなポリマーは、当業者によく知られており、Eastman Chemical Companyから商標名Eastman AQポリマーで入手可能である。このようなスルホポリエステルは、例えば温度約80℃未満で溶解、分散または他には水性分散体中に消散させることができる。このようなポリエステルは、Charles Kiblerが1973年5月22日に出願した米国特許第3,734,874(その開示は参照により本明細書に組込まれる)において更により詳細に記載されている。本明細書で用いる用語「残基」または「成分」は、特定の反応スキームまたは後続の配合物または化学製品における化学種の結果生成物である部分を、該部分が該化学種から実際得られるか否かに関わらず意味することを当業者は理解するであろう。よって、例えば、ポリエステル中のエチレングリコール残基は、エチレングリコールを用いてポリエステルを調製するか否かに関わらず、ポリエステル中の1つ以上の−OCH2CH2O−繰り返し単位を意味する。
【0012】
前述のポリエステル物質は、米国特許第3,734,874;3,779,993;3,828,010;4,233,196;5,006,598;5,543,488;5,552,511;5,552,495;5,571,876;5,605,764;5,709,940;6,007,749および6,162,890(これらの記載は参照により本明細書に組込まれる)に記載されるポリエステル調製技術に従って調製し、そして本明細書における用語「酸」の使用は、酸反応剤の種々の、エステル形成するかまたは縮合可能な誘導体,例えば、これらの特許において述べる調製において採用するようなこれらのジメチルエステルを包含する。中でも有用なスルホモノマーとしては、スルホネート基が芳香族核,例えばベンゼン、ナフタレン、ビフェニル等に結合しているもの、または、核が脂環式化合物,例えば1,4−シクロヘキサンジカルボン酸におけるものである。
【0013】
リン酸エステル界面活性剤、またはこのような界面活性剤のブレンド物で他のこのような脂肪族アルコール成分を有するものとして更に言及する好適なリン酸エステル表面活性物質は、以下の型:直鎖アルコールリン酸エステル、分岐アルキルアルコールリン酸エステル、アラルキルリン酸エステル、アルカリルアルキルリン酸エステル、およびアルコキシル化リン酸エステル,例えばエトキシル化アルコールリン酸エステル、プロポキシル化アルコールリン酸エステルのものであり、リン酸エステルは、モノリン酸エステル、ジリン酸エステル、およびこれらのブレンド物を意味する。「アルコールリン酸エステル」および「アルコキシル化リン酸エステル」において上記で言及されるアルキル基は、約8から約30個の炭素に由来する脂肪族界面活性剤の範囲のアルコールである。同様に、上記で言及されるアラルキル、アルカリルアルキルリン酸エステルは、前記の部分において、繰り返すが界面活性剤の範囲のアルコールまたはオレフィンに由来する約8から約30個の炭素を含む基を含む。
【0014】
これらの特殊なリン酸エステル界面活性剤のうち、Crodafos(登録商標)CES(Croda,Inc,Edison,NJ 08837から入手可能)として公知であるような1つの組合せは特に有用であることが立証されている。この組成物は実際にホスフェート界面活性剤、脂肪族アルコール、およびエトキシル化アルコールリン酸エステルの界面活性剤ブレンド物である。これは以下のINCI名:セテアリルアルコール(および)ジセチルホスフェート(および)セテス−10ホスフェートを有する。
【0015】
他のこのような好適なリン酸エステルの組合せは、米国特許6,117,915において見出すことができ、これは参照により本明細書に組込まれる。リン酸エステルと脂肪族アルコールとの両者を含むもの等のこのような物質は、水性媒体中で液晶構造を形成すると考えられる。これらの物質のこの特徴は、見出される相対的な耐水性の要因となる場合がある。この説明される液晶構造への言及は、“Sunscreen Formulas with Multilayer Lamella Structure,”T.Gao,J.Tien,およびY.Choi,Cosmetics&Toiletries Magazine,Volume 118,No.10,October,2003に見出すことができる。
【0016】
他の好適なリン酸エステル界面活性剤は、CrodaによってCrodafos(登録商標)CP−50(セチルホスフェート(および)ステアリン酸)、CS20(セテアリルアルコール(および)セテス−20ホスフェート(および)ジセチルホスフェート)、N10(オレス−10ホスフェート)、N5(オレス−5ホスフェート(および)ジオレイルホスフェート)、およびN3(オレス−3ホスフェート)として与えられる。これらは単独でまたは好適な脂肪族アルコールとともに使用できる。更に他のこのような好適なリン酸エステル界面活性剤は、DSM(およびAmphisol商標名によって公知である)により与えられる。例はセチルリン酸カリウムである。別の好適なリン酸エステルはPPG−5セテス−10ホスフェートである。
【0017】
好適なリン酸エステルはまた、4つの成分:脂肪酸、負に帯電したホスフェート基、アルコールおよび骨格から形成される、ホスフェート界面活性剤の特別な型であるリン脂質である。これらはホスホグリセリド、スフィンゴミエリン、および他のこのような関連のリン酸エステルであることができる。具体的な例は、レシチンおよびセファリンである。リン脂質は普通、各々の鎖中12〜20炭素原子の(脂肪酸由来の)長鎖脂肪族基を有し、そしてグリセロール部分の酸素原子を介してリンに結合した2つのこのような鎖を有し、そして両性またはアニオン性であることができる。
【0018】
ホスフェート界面活性剤とスルホポリエステルとの組合せは、UV吸収剤の公知の類で好適である。このようなUV吸収剤の類の包括的でない列挙としては、アントラニレート、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、カンファー(Champhor)、シンナメート、ジベンゾピメタン、イミダゾール、無機粒状物、マノネート(Manonate)、パラアミノ安息香酸、フェノール、フェニルトリアゾン、サリチレートおよびトリアゾンが挙げられる。
【0019】
ホスフェート界面活性剤とスルホポリエステルとの組合せに親和性であるUV吸収剤の包括的でない列挙としては、メンチルアントラニレート、ベンゾフェノン、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、ベンゾフェノン−5、ベンゾフェノン−9、ドロメトリゾール、ドロメトリゾールトリシロキサン、ベンジリデンカンファー、カンファーベンザルコニウムメトスルフェート、ベンジリデンカンファースルホン酸、シノキセート、エチルヘキシルメトキシシンナメート、フェルラ酸、オクトクリレン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、フェニルジベンジルイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウム(Disodium Phenyl Dibenzylimidaxole Tetrasulfonate)、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ポリシリコーン−15、PABA、エチルヘキシルジメチルPABA、ジガロイルトリオレエート、ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、エチルヘキシルサリチレート、ホモサレート、TEAサリチレート、エチルヘキシルトライアゾン、メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、テレフタリリデンジカンファースルホン酸、ビス−(エチルヘキシルオキシフェノールメトキシ)フェニルトリアジン、二酸化チタン、および酸化亜鉛が挙げられる。
【0020】
ホスフェート界面活性剤とスルホポリエステルとの組合せは、サンスクリーン配合物の多くの型に対して好適である。例えば、該組合せはサンスクリーンのスプレー、クリーム、ローション、メーキャップおよび他のスキンケア製品およびリップケア製品のための水中油エマルションに好適である。スルホポリエステルは、サンスクリーン水中油配合物において使用する濃度,典型的には1〜3%では粘度に実質的に寄与しない。更に大幅に高いスルホポリエステル濃度(全配合物の約25%以下)は粘度に実質的に寄与しない。一方、ホスフェート界面活性剤は、より高濃度で粘度に寄与する場合があり、濃度が配合物の約10%未満で粘度への幾らかかの寄与が存在し、濃度約5%で粘度への寄与がより少なく、そして3%濃度で、粘度への寄与が更により少ない。好適なリン酸エステル界面活性剤は、典型的にはアニオン性または両性の界面活性剤である。好適なリン酸エステル界面活性剤ブレンド物の例としては、セテアリルアルコール、ジセチルホスフェート、およびセテス−10ホスフェートが挙げられる。ホスフェート界面活性剤の例はセチルホスフェートであり、これは塩型であってもよい。
【0021】
本発明の組成物がエマルションの形である場合、エマルションは油相を15から50%または25から50%の量で有することができる。更に、リン酸エステルは、油相の質量の約10%未満であることができる。
【0022】
スルホポリエステルの膜形成特性に作用させるために可塑剤が含まれていてもよく、そしてこれは紫外吸収剤の皮膚への送達速度に影響する場合がある。これらの可塑剤としては、限定するものではないが、プロピレングリコール、グリセリン、メチルペンタンジオール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、オクタンジオール、フェノキシエタノール、シクロヘキサンジメタノール、グリコール酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、クエン酸トリエチル、アセトキシクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、酢酸,プロピオン酸等のグリセロールエステル、およびこれらの混合物等の含有成分が挙げられる。
【0023】
配合物中に組込まれる可塑剤の典型的なレベルは、スルホポリエステルポリマーの質量基準で、ゼロから約25%以上である。実際には、可塑剤のレベルは、皮膚表面に送達されるUV吸収剤がより少ないように制限しなければならない場合がある。通常、可塑剤は、ポリマー膜の割れ(cracking)、剥がれ落ち(flaking)、または他には皮膚から落ちるのが早過ぎることを防ぐための有効量で使用するが、形成される膜が触ると粘着するようになるほどには多くない。どのくらい多くの可塑剤が必要であるかを評価する他の手法は、種々のレベルの可塑剤をポリマー分散体に添加し、次いでこれから形成される膜のTgを測定することである。ポリマー膜がTg(ポリマー分散体からの[少なくとも8時間環境温度で乾燥された]乾燥膜のDSCによって測定する場合)約40℃以下を有する場合、可塑剤は殆どまたは全く必要ない。しかし、乾燥ポリマー膜のTgが約40℃超である場合、良好な膜形成および十分な伸長を伴う膜を実現するためには、可塑剤を添加してTgを40℃以下、30℃以下、および更に25℃以下(これは実験的に評価される)に低減できる。乾燥膜Tg40℃以下が得られるように可塑剤が配合物に添加されたならば、膜の皮膚からの割れまたは剥がれ落ちの傾向は最小化されることになる。
【0024】
配合物に添加すべき可塑剤の最大量を評価するために、膜が粘着性になること、または極めて高摩擦の表面を有することに可塑剤量が寄与する場合には、多すぎる可塑剤が添加されている。指針としては、ポリマー膜のTgが−20℃超、または−10℃超、および更に0℃以上であるのがよい。
【0025】
しかし、添加される可塑剤は必須でなくてもよい。UV吸収剤がポリマーに対する可塑剤としても作用して皮膚(または他の基材)上に形成される膜のTgを40℃以下まで低下させる場合があるからである。これはまた、実験的に評価でき、そして配合物中に使用する所望のUV吸収剤に左右される。
【0026】
全配合物質量基準での、スルホポリエステルおよびホスフェート界面活性剤の典型的な使用レベルは、約1から約25%、約1から約10%、または約1から約5%のスルホポリエステルであり、そしてホスフェート界面活性剤については、約1%から約5%、より好ましくは約1%から約4%および更により好ましくは約1から約3%である。
【0027】
ホスフェート界面活性剤とスルホポリエステルとの組合せの、従来技術に対する利点は、配合物が安定な水中油エマルションであることである。エマルションは一般的に60日間より長く安定である。本発明の組成物はまた、必要なホスフェート界面活性剤が、エマルションを安定化させるための界面活性剤の製造によって必要な量よりも少ない。更に、ホスフェート界面活性剤のみ、またはスルホポリエステルのみよりも大きい耐水性(海水等)が観察されている。スルホポリエステル含有配合物は、サンスクリーン配合物において使用するために推奨されてきた典型的な油相可溶性ポリマーと比べて耐水性が顕著に良好である。
【0028】
リン酸エステル界面活性剤を伴うスルホポリエステルはまた、海水中、または高イオン強度の水中で極めて耐水性である。海水は、典型的には無機塩,例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、マグネシウム塩等を総濃度約3.5質量%で含む。よって、海水泳ではポリマー/界面活性剤マトリクス中に保持されているUV吸収剤の皮膚への効果が、サンスクリーン配合物からの適用後に、他のポリマー界面活性剤の組合せよりも低くなる。
【0029】
加えて、UV吸収剤は、リン酸エステル界面活性剤と組合されてスルホポリエステルとともに皮膚上に存在する場合に汗によって除去される傾向がより小さい。汗は、配合物から顔に適用されたUV吸収剤を眼の中に洗い入れるという不運な状況をしばしば有する。汗は高イオン強度を有するため、スルホポリエステルおよびリン酸エステル界面活性剤の組合せは、サンスクリーンまたはフェイストリートメント配合物から適用される皮膚上でのUV吸収剤の保持を助ける。汗の典型的なイオン強度は約50から約130ミリモル/リットルであり、そして塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化カリウム、および他の有機塩からなる。追加の化合物,例えばビカーボネートおよび尿素が典型的に含まれる。
【0030】
加えて、サンスクリーン配合物中の、リン酸エステル界面活性剤を伴うスルホポリエステルは、スルホポリエステルなしの配合物から適用される同様の配合物よりも多くのUV吸収剤を皮膚表面上で保持する。スルホポリエステルは、有機UV吸収剤を皮膚上のポリマー膜中に組込むと考えられ、UV吸収剤は皮膚内に浸透するよりもそこに存在する方が好ましい。
【0031】
他の含有成分,例えばエモリエント剤、香料、防腐剤、キレート剤、pHを調整するための中和剤、緩衝剤、有機または無機の紫外光吸収剤、色素または顔料、アルコール,例えばエタノール、シリコーン、皮膚潤滑剤、皮膚栄養剤、ビタミン等がサンスクリーン配合物中に含まれることができる。
【0032】
一般的に、本発明のサンスクリーン組成物は、約80℃以下で、一般的にUV吸収剤、ホスフェート界面活性剤、および他の油溶性含有成分(例えばエモリエント剤)を含む油相含有成分を混合および加熱することにより形成する。油相含有成分が溶解状態にある場合、スルホポリエステルおよび他の水溶性含有成分(例えば防腐剤、キレート剤)を含む加熱した水相中に混合しながら油を注ぎ入れる。混合は、低せん断撹拌または高せん断均質化(homogenization),例えば、高速ローターステーターミキサー、衝撃(impingement)ミキサー等により与えられるものであることができる。水相はまた、約80℃以下に加熱されていることができ、そして混合物はまた、約80℃以下に加熱されていることができる。
【0033】
他の好適な手順としては、水相を加熱油相中に注ぎ入れること(繰り返すが、任意に加熱しながら)が挙げられる。加熱はまた、高せん断混合プロセス(これは摩擦による熱も与える)によって与えることができる。混合は、当業者に公知の要因に応じて高せん断または低せん断であることができ、そして一般的に界面活性剤の性質、UV吸収剤の溶解性、添加剤、イオン量、撹拌器の構成および型等によって影響される。2相が好適に混合されたならば、他の成分,例えば防腐剤、中和剤、緩衝剤等を添加できる。
【0034】
例:
例1〜5−配合物
以下の配合物は、油溶性含有成分をブレンドおよび加熱し、次いで、最大速度に設定した、高せん断ローターステーターミキサー(Janke and Kunkel GMBH,IKA−Labortechnik Ultra−Turrax T50)によって与えられる混合条件下で、残りの含有成分のグリセリン、EDTA、AQ38ポリマー(水中に予分散された)および水を含有する水相中に油相をゆっくり注ぎ入れ、高せん断を10分間続けることにより調製した。次いで、少なくとも35℃に冷却されるまでパドルブレードスターラーでブレンド物をゆっくり撹拌した。トリエタノールアミンを添加して最終pHを6に調整した。
【0035】
【表1】

【0036】
【表2】

【0037】
エマルションは、54℃で2ヶ月間試験した場合に安定であった。全試料の粘度は、容器からポンプスプレーノズルで細かいスプレーに霧化するのに十分に低かった。
【0038】
例1〜5のインビトロ耐水性試験(公認されたサンスクリーンの試験および開発の実験室によって実施および説明する試験)
各サンスクリーンスプレー配合物の試料は、SPFおよび耐水性について、手袋をした指先で速度1.5mg/cm2にてサンスクリーン配合物を粗化ポリ(メチルメタクリレート)スライド(Heiloscience.comから入手可能)上に注意深く塗布することにより試験した。試料を15分間乾燥させ、次いでSPFについてLabsphere UV−1000S紫外透過分析計を用いて測定した。次いで試料を、水道水を充填した容器内に浸漬し、その間水を穏やかに撹拌し、そしてその中に20分間浸したままにした。パネルを浴から回収し、乾燥させ、次いで、撹拌している水に20分間再び再浸漬し、回収して乾燥させた。SPFを再測定し、該試料についてはじめに測定したものと比較した。
【0039】
各試料についての水浸漬後のSPFの保持パーセントを記録し、そして以下の表に示す。市販の対照サンスクリーンとの比較で、試料はSPF約30を有すると判断された。
【0040】
【表3】

【0041】
データから分かるように、最良の耐水性(またはSPF保持)は、AQ38含有配合物で観察された。
【0042】
例6〜9
例1〜5において調製した通りの配合物を形成したが、上記の配合物中のポリマーを排除して以下のものに置き換えた。すなわち配合物における相違点のみは以下の表中に記す通りである:
【0043】
【表4】

【0044】
耐水性は先の5つの例のように評価した。耐水性を以下の表に示す。比較のために、2005年に購入した市販のサンスクリーンを同じ試験条件に対照として供した。主要な消費者製品会社によるこのSPF30製品は、SPF保持パーセント46%を有していた。
【0045】
【表5】

【0046】
繰り返すが、最良の耐水性およびSPF保持はAQ38ポリマーの結果として観察された。
【0047】
例10
2%セチルホスフェート、カリウム塩、Amphisol(登録商標)K(DSMから入手可能)を2%のCrodafos CESに置き換えた他は例3と同一の配合物を調製した。試料は6ヶ月に亘って環境温度で貯蔵するのに安定で、かつオーブン中54℃で少なくとも2ヶ月加速貯蔵するのに安定であることが分かった。
【0048】
例11
1%のクエン酸トリエチルを添加してポリマーを可塑化し、そしてEastman AQ55をAQ38に同じ量で置き換える他は例3と同一の配合物を調製する。
【0049】
例12
例1による配合物を、UV吸収剤の移動性について、顔面の片側で約2mg/cm2の速度で眼付近の皮膚の4cm2のパッチへ眼の横から約1cmで顔面皮膚に適用することにより試験する。この適用を、例3の配合物の顔の逆側での顔面皮膚への同様の適用と比較する。高温かつ高湿の条件下30分間で、顔面皮膚の汗が生じる。高温かつ高湿の条件から出ると汗は出なくなる。例1および3によるサンスクリーン配合物が適用される面積の、365nm紫外光でのUVランプ照射を用いた試験により、例1の面積は、UV吸収剤の皮膚上での横方向のマイグレーションによって約5cm2の大面積に広がることが明らかになる。しかし、配合物3によるUV吸収剤は、これらが適用されたのと同じ面積であり、AQ38ポリマーを含有するこの生成物においてはUV吸収剤のマイグレーションが殆どまたは全く生じないことが観察される。
【0050】
皮膚上のこの同じ比較における例8および9の配合物の比較は、例9のAQ38含有配合物でUV吸収剤のマイグレーションを殆どまたは全く示さないが、対照ポリマーAntaron V220を含む例8のUV吸収剤の幾らかかのマイグレーションを示す。
【0051】
例13
スルホポリエステルAの調製。すりガラスのヘッド、撹拌器軸、窒素入口および側枝を有する丸底フラスコに、100モルパーセントのジカルボン酸および100モルパーセントのジオールを基準とした82モルパーセントのイソフタル酸、18モルパーセントのジメチル−5−スルホイソフタル酸ナトリウム(SIP)、54モルパーセントのジエチレングリコール(DEG)、および46モルパーセントの1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)を充填した。触媒を添加してフラスコを200℃のBelmont浴中に1時間、窒素掃引下で浸漬した。浴の温度を1時間230℃に上げた。1時間後、浴の温度を280℃に上げてフラスコを45分間更に長く0.5から0.1mmHgの減圧下で加熱した。フラスコを室温まで放冷した。共重合体をフラスコから取出して3mm未満の顆粒に粉砕した。スルホポリエステルAは、Tg53℃(示差走査熱量測定によって評価した場合)を有しており、そしてインヘレント粘度(I.V.)0.33dl/gは、60質量%のフェノールと40質量%のテトラクロロエタンとからなる溶媒100ml当り0.50グラムのポリマーを用いて23℃で測定した。
【0052】
スルホポリエステルAポリマー顆粒の分散体を、500ミリリットルのビーカー中で136グラムの脱イオン水を80℃に加熱することによって調製した。次いで、撹拌しながら64グラムのポリマー顆粒を添加し、そして撹拌を30分間続けた。加熱で蒸発した水の質量を冷却された配合物とし、ほぼ透明のポリマー分散体を得た。
【0053】
例14
本発明に従い、紫外光吸収剤を含む、皮膚上に膜を与える配合物を、以下の構成成分:(a)47.7グラムの例13の分散体;および(b)2.61gのクエン酸トリエチルを組合せることによって調製した。これらを一緒にブレンドして50.3gのポリマー−可塑剤ブレンド物を形成した。これに、(c)4.08グラムのエチルヘキシルメトキシシンナメート(Uninul(登録商標)MC−80,BASF,Incから入手可能)を添加した。更なるブレンドおよび60℃への1時間の加熱の後、次いでブレンド物を冷却した。粘性で若干不透明の分散体を形成した。
【0054】
分散体を被験者の手の前腕の皮膚に速度0.01グラム毎平方センチメートルで、小ブラシを用いて適用した。液体を急速に(5分未満)乾燥させて膜にした。乾燥膜を皮膚上に3時間置いたままにし、次いで除去して、完全に回収して液体クロマトグラフィによってエチルヘキシルメトキシシンナメートについて分析した。膜は紫外光吸収化学物質の殆ど(2つの実験で69〜78%)を保持した。
【0055】
逆に、活性含有成分,エチルヘキシルメトキシシンナメートを皮膚に上記のほぼ2倍量(0.00143グラム毎平方センチメートル)適用した場合には、活性含有成分の全体量は1時間以内に皮膚内に吸収された。これは、配合物が液体として適用されても、化学物質が乾燥膜中に封じ込められている場合には、皮膚内に吸収される紫外光吸収化学物質が大幅に少ないことを示す。
【0056】
例15
A1.この例は、スルホポリエステルと組合された実質的に水不溶性のUV吸収剤の用途および配合物耐水性を示す。
【0057】
撹拌および約80℃への加温をしながら以下の含有成分を順に添加することによって、UV吸収剤を含む油相を調製した。
【0058】
【表6】

【0059】
次いで、まず水とAQポリマーを除く全含有成分とを組合せ、そして約75℃に加温することにより水相を調製した。
【0060】
【表7】

【0061】
次いで、AQ38ポリマーペレットを添加し、溶解するまで撹拌を続けた。次いで高速で撹拌しながら油相を水相に添加してプレエマルションを形成した。次いで、温かいブレンド物を10分間、ローターステーターホモジナイザーを用いて均質化し、次いでエマルションが環境温度まで冷却されるまで遅い撹拌を再開した。次いで防腐剤をエマルション中に撹拌して入れた。
防腐剤ブレンド物(Phenonip(登録商標),Clariantより) 1
pHをチェックし、必要な場合には水酸化ナトリウムで6から7の間に調整した。
【0062】
A2.上記と同一であるがEastman AQ38ポリマーを水で置き換えたサンスクリーンローション対照を調製した。
【0063】
例16
B.この例は、スルホポリエステルと組合された水溶性UV吸収剤の用途および配合物耐水性を示す。
【0064】
撹拌および約75℃への加温をしながら以下の含有成分を順に添加することによって、油溶性UV吸収剤を含む油相を調製した。
【0065】
【表8】

【0066】
水溶性UV吸収剤を含む以下の含有成分を組合せることによって水相も調製した。初めに、まず以下の水の一部(4.57%)を70℃まで加温し、次いでEastman AQ38ポリマーペレット(ポリエステル−5)を添加してペレットが溶解するまで撹拌することにより、Eastman AQ38ポリマーの分散体を調製した。次いで、残りの水と他の含有成分とを順に添加して溶解させて透明な分散体を形成し、最終水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを6.1に調整した。
【0067】
【表9】

【0068】
速く撹拌しながら温かい(80℃)油相を温かい(70℃)水相中に注いだ。次いで、組合されたエマルションブレンド物を、3000rpmで10分間、混合ヘッド直径4.5cmおよびスリット開口0.2cmを有するJanke&Kunkel IKA−Labortechnik Ultra−Turrax,T−50 Modelで混合することにより均質化した。得られた水中油エマルションはpH6.2を有していた。
【0069】
サンスクリーンローション配合物試料を、独立の臨床試験ラボ、AMA Laboratories,New City,NYへSPF試験に供した。FDA手順を用い、供された配合物を用いて、静的SPF(Static SPF)(どの被験体も水に暴露される前)および極耐水SPF(Very Water Resistant SPF)(被験体が、水中の4回の20分浸漬および各水浸漬に続く空気乾燥時間を受けた後)の両者について5つの被験体でこれらのブラインドテストを実施した。水暴露後のSPF保持パーセントは、極耐水SPFを静的SPFで除し、次いでその結果に100を乗ずることにより算出した。この値は、サンスクリーン配合物を適用し、これを乾燥させ、そして次いで水泳または汗により水に暴露した後に予想されるSPF保護を想定すると考えられる。
【0070】
以下の表中のサンスクリーンローションについてはインビボ試験の結果が与えられる。比較のために、UVA保護を有し「ウォータープルーフ」と宣伝される、有数の米国供給業者から2005年に販売された市販のSPF30サンスクリーンが含まれる。
【0071】
【表10】

【0072】
対照を除く全てが高い静的SPFを有し、そして全てが、極耐水手順に対する水暴露後に極めて良好なSPF保持を有していたことに留意されたい。水溶性UV吸収剤(ベンゾフェノン−4)を相当部分含む例Bによる配合物でも、優れたVWR SPFおよびSPF保持%を与えた。
【0073】
本発明を、その特定の例示的な態様を特に参照しながら詳細に説明してきたが、本発明の精神および範囲の範囲内での変更および改変が可能であることが当業者に理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)スルホポリエステルポリマー;
b)リン酸エステル界面活性剤またはリン酸エステル界面活性剤ブレンド物;および
c)紫外光吸収化合物
を含む、太陽放射線吸収用の組成物。
【請求項2】
組成物が油相を約15から50%の量で有するエマルションであり、そして前記界面活性剤が該油相の質量の約10%未満である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
スルホポリエステルの量が、組成物の全質量基準で約1%から約5%である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
界面活性剤が、セテアリルアルコール、ジセチルホスフェート、セテス−10ホスフェートおよびセチルホスフェートのうち少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
人間の皮膚に適用するように配合されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
人間の皮膚に適用された時点で耐海水性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
人間の皮膚に適用された時点で、イオン量約50から約130ミリモル/リットルを有する水性媒体に対して耐性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
人間の皮膚に適用された時点で、イオン量約3.5質量%無機塩を有する水性媒体に対して耐性である、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
スルホポリエステルが、(Tg)約38℃を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
配合物を適用することにより得た乾燥膜がTg約0から約40℃を有するように、可塑剤が添加されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
可塑剤が、プロピレングリコール、グリセリン、メチルペンタンジオール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、オクタンジオール、フェノキシエタノール、シクロヘキサンジメタノール、グリコール酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸ジエチル、クエン酸トリエチル、アセトキシクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、酢酸およびプロピオン酸のグリセロールエステルからなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
エマルションが相分離に対して少なくとも60日間安定である、請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
紫外光の吸収を低減させる、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種の脂肪族アルコールを更に含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
界面活性剤が液晶形成界面活性剤である、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
エマルション製品、スプレー製品、クリーム製品、ローション製品、メーキャップ製品、およびリップケア製品からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
リン酸エステル界面活性剤またはリン酸エステル界面活性剤ブレンド物と、紫外光吸収化合物と油とを混合および加熱して油相を形成すること;
スルホポリエステルポリマーと水とを混合して水相を形成すること;
油相と水相とを組合せおよび混合してエマルションを形成すること;
を含む、太陽放射線吸収用の組成物を製造する方法。
【請求項18】
油相が約15から50%の量であり、そして界面活性剤が該油相の質量の約10%未満である、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
スルホポリエステルの量が、組成物の全質量基準で約1%から約5%である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
界面活性剤が、セテアリルアルコール、ジセチルホスフェート、セテス−10ホスフェートおよびセチルホスフェートのうち少なくとも1種を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
界面活性剤が、液晶形成界面活性剤である、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記化合物が可塑剤を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
可塑剤が、プロピレングリコール、グリセリン、メチルペンタンジオール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、オクタンジオール、フェノキシエタノール、シクロヘキサンジメタノール、グリコール酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸ジエチル、クエン酸トリエチル、アセトキシクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、酢酸およびプロピオン酸のグリセロールエステルからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
リン酸エステル界面活性剤またはリン酸エステル界面活性剤ブレンド物、スルホポリエステルポリマー、および紫外光吸収化合物を混合することを含む、太陽放射線吸収用の組成物を製造する方法。
【請求項25】
スルホポリエステルの量が、組成物の全質量基準で約1%から約5%である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
界面活性剤が、セテアリルアルコール、ジセチルホスフェートおよびセテス−10ホスフェートまたはセチルホスフェートを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
界面活性剤が液晶形成界面活性剤である、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物が可塑剤を含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
可塑剤が、プロピレングリコール、グリセリン、メチルペンタンジオール、ブチレングリコール、へキシレングリコール、オクタンジオール、フェノキシエタノール、シクロヘキサンジメタノール、グリコール酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、サリチル酸、酒石酸ジエチル、クエン酸トリエチル、アセトキシクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、トリアセチン、酢酸およびプロピオン酸のグリセロールエステルからなる群から選択される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
請求項1に記載の組成物を皮膚に適用することを含む、組成物の使用方法。

【公表番号】特表2009−536948(P2009−536948A)
【公表日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−509868(P2009−509868)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/011354
【国際公開番号】WO2007/133662
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(594055158)イーストマン ケミカル カンパニー (391)
【Fターム(参考)】