説明

スルホン化共重合体を含有する自動食器洗い用組成物

ビルダー、並びに、(a)炭素数4〜6のモノエチレン性不飽和ジカルボン酸(又はジカルボキシレート)モノマー又はその無水物に由来する構造単位を有する共重合体約30mol%〜60mol%、(b)炭素数3〜8のモノエチレン性不飽和モノカルボン酸(又はモノカルボキシレート)モノマーに由来する構造単位を有する共重合体約30mol%〜60mol%、及び(c)スルホン酸(スルホネート)基を有するモノエチレン性不飽和モノマーに由来する構造単位を有する重合体約5mol%〜15mol%を含む水溶性共重合体を含むADW組成物であって、該水溶性共重合体の重量平均分子量が約1000〜約50000であり、該共重合体が過酸化水素により重合される、ADW組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スルホン酸(又はスルホネート)基を含有するマレイン酸系の水溶性共重合体を含む自動食器洗い用組成物(ADW)に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの自動食器洗い用組成物は、カルシウムイオン捕捉能を有する分散剤重合体を組み込んでいる。カルボキシル基を有する多くのアクリル酸系の重合体、マレイン酸/アクリル酸系の共重合体等が、カルシウムイオン捕捉能、クレー分散能等を有することが従来から知られているため、洗浄剤組成物、無機顔料分散剤、凝集体試薬、スケール防止剤、キレート化剤、繊維処理剤等において広く使用されている。
【0003】
アクリル酸系の重合体を生産する方法として、特許文献1、特許文献2等が開示されている。更に、マレイン酸/アクリル酸系の共重合体を生産する方法として、特許文献3、特許文献4、特許文献5及び特許文献6のような各種文献が開示されており、したがって、上記能力の改善が試されている。
【0004】
しかしながら、マレイン酸/アクリル酸系の共重合体は、高カルシウムイオン捕捉能を有する一方で、特に水の硬度が高い条件では、クレー分散能の効果をほとんど発揮しない。これは、特にマレイン酸系の重合体は、マレイン酸に由来する構造単位の含有量が増加するとゲル化防止特性(硬度抵抗性、即ち硬度構成成分の存在下での重合体の水溶解度)が顕著に低下するためである。日本の水のような硬度が低い軟水の場合にはそれ程大きな問題はないが、世界的に、上記共重合体の使用は、米国及び中国のような水の硬度が高い地域で大きな問題を引き起こす。
【0005】
更に、アクリル酸系の重合体は、マレイン酸に由来する構造単位を有しないことに起因して或る程度はクレー分散能を発揮するが、アクリル酸系の重合体が十分なカルシウムイオン捕捉能を有するとは言い難い。
【0006】
水溶性共重合体は、マレイン酸/アクリル酸系の共重合体又はアクリル酸系の重合体と比較して、高い硬度下で好適なカルシウムイオン捕捉能、クレー分散能及び炭酸カルシウム堆積抑制能を発揮する。しかしながら、水溶性共重合体は、洗浄剤用の粉末状の添加物として使用される場合に、洗浄剤が黄色く着色するという問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭62−270605号公報
【特許文献2】特開平5−239114号公報
【特許文献3】特開平5−247143号公報
【特許文献4】特公平3−2167号公報
【特許文献5】特公平3−14046号公報
【特許文献6】特許第2574144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述の事項を考慮して、粉末状の洗浄剤配合物として使用される場合に、粉末状の作用物質が黄色く着色をすることを抑制すると同時に、高い水の硬度下でさえ高い炭酸カルシウム堆積抑制能を発揮することが可能である組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、過酸化水素によって重合される水溶性共重合体を含む組成物を提供する自動食器洗い用(ADW)洗浄剤組成物に関する。
【0010】
水溶性共重合体は、少なくとも、(a)炭素数4〜6のモノエチレン性不飽和ジカルボン酸(又はジカルボキシレート)モノマー又はその無水物に由来する構造単位(「モノマー(a)」)、30重量%〜60重量%、(b)炭素数3〜8のモノエチレン性不飽和モノカルボン酸(又はモノカルボキシレート)モノマーに由来する構造単位(「モノマー(b)」)、30重量%〜60重量%、及び(c)スルホン酸(又はスルホネート)基を有するモノエチレン性不飽和モノマーに由来する構造単位(「モノマー(c)」)、5重量%〜15重量%を含み、水溶性共重合体の重量平均分子量は重合時に1000以上50000以下である。
【0011】
本発明の更に別の態様によれば、水溶性共重合体を含むADW粉末組成物が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、粉末状の洗浄剤配合物として使用される場合に、粉末状の作用物質が黄色く着色することを抑制すると同時に、高い水の硬度下でさえ高い炭酸カルシウム堆積抑制能を発揮することが可能である組成物が提供され得る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
パーセント、部及び比は全て、別記しない限りは組成物の総重量に基づく。列挙される成分に関するような重量は全て、別記しない限りは活性レベルに基づくため、市販の材料中に含まれ得る溶媒又は副生成物は含まない。「重量パーセント」という用語は、本明細書中では「重量%」として示され得る。
【0014】
本明細書中で使用される場合、分子量は全て、別記しない限りはグラム/モルとして表わされる重量平均分子量である。
【0015】
本明細書中では、「〜を含む」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を加えることができることを意味する。この用語は、「〜から成る」及び「本質的に〜から成る」という用語を包含する。組成物及び方法/プロセスは、本明細書中に記載される本発明の必須要素及び限定、並びに本明細書中に記載される更なる又は任意の成分、構成成分、工程又は限定のいずれかを含む可能性があり、それらから成る可能性があり、また本質的にそれらから成る可能性がある。
【0016】
「重合体」という用語は、本明細書中で使用される場合、1つのタイプのモノマーの重合により作製されるか、又は2つ(即ち、共重合体)以上のタイプのモノマーにより作製される材料を包含する。
【0017】
「水溶性」という用語は、本明細書中で使用する場合、物質が本組成物において水に可溶であることを意味する。概して、物質は、25℃で水溶媒の少なくとも約0.1重量%、好ましくは少なくとも約1重量%、より好ましくは少なくとも約5重量%、更に好ましくは少なくとも約15重量%の濃度で可溶であるべきである。
【0018】
≪水溶性共重合体≫
ADW組成物は、必須構成成分として水溶性共重合体を含む。水溶性共重合体は、(a)炭素数4〜6のモノエチレン性不飽和ジカルボン酸(又はジカルボキシレート)モノマー又はその無水物に由来する構造単位約30mol%〜約60mol%、(b)炭素数3〜8のモノエチレン性不飽和モノカルボン酸(又はモノカルボキシレート)モノマーに由来する構造単位約30mol%〜約60mol%、及び(c)スルホン酸(又はスルホネート)基を有するモノエチレン性不飽和モノマーに由来する構造単位約5mol%〜約15mol%を含む。水溶性共重合体は、約1000〜約50000、より好ましくは約6000〜約15000、最も好ましくは約8300〜約13000の重量平均分子量を有する。
【0019】
以下、水溶性共重合体の各々の構成成分について、各項目で詳述する。
【0020】
モノマー(a)としての炭素数4〜6のモノエチレン性不飽和ジカルボン酸(又はジカルボキシレート)の例としては、マレイン酸、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸及びシトラコン酸及びそれらの塩、並びに上記酸が無水形態を有することができる場合にはそれらの無水物が挙げられる。これらは、単独で又は混合物として組み合わせて使用され得る。更に、これらの例示化合物の誘導体は、水溶性共重合体の特性が損なわれず、且つ重合反応が阻害されないような程度に使用することができる。マレイン酸(又はマレエート)又は無水マレイン酸が特に好ましい。
【0021】
モノマー(b)としての炭素数3〜8のモノエチレン性不飽和モノカルボン酸(又はモノカルボキシレート)の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸及びα−ヒドロキシアクリル酸及びそれらの酸の塩が挙げられる。これらは、単独で又は混合物として組み合わせて使用され得る。更に、これらの例示化合物の誘導体は、水溶性共重合体の特性が損なわれず、且つ重合反応が阻害されないような程度に使用することができる。アクリル酸及びメタクリル酸、並びに上記酸の塩が特に好ましい。
【0022】
モノマー(c)としてのスルホン酸(又はスルホネート)基を有するモノエチレン性不飽和モノマーの例としては、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート及び2−ヒドロキシ−3−ブテンスルホン酸並びにそれらの塩が挙げられる。それらは、単独で又は混合物として組み合わせて使用され得る。3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブテンスルホン酸及びそれらの塩が好ましい。水溶性共重合体水溶液又は水溶性共重合体を含有する粉末の炭酸カルシウム堆積抑制能が高くなるため、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸及びその塩が特に好ましい。更に、得られるべき共重合体の経時安定性が高いため、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸及びその塩は、スルホン酸(又はスルホネート)基を有するモノエチレン性不飽和モノマーとして好ましい。
【0023】
更に、本発明で使用される場合「〜エート(−ate)」という用語は、例えばナトリウム若しくはカリウムのようなアルカリ金属の塩、カルシウム若しくはマグネシウムのようなアルカリ土類金属の塩、アンモニウム塩、又はモノエタノールアミン若しくはトリエタノールアミンのような有機アミンの塩を指す。これらは、単独で又は混合物として組み合わせて使用され得る。ナトリウム又はカリウムのようなアルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩が特に好ましい。以下、これらはそれぞれ、本発明では単に「〜エート」として示される。
【0024】
水溶性共重合体は、上記のモノマー(a)〜モノマー(c)に由来する構造に加えて、別のモノマー(モノマー(d)と称する)に由来する構造を含んでもよい。モノマー(d)は特に限定されず、モノマー(d)がモノマー(a)〜モノマー(c)と共重合することが可能なモノエチレン性不飽和モノマーであり、且つモノマー(d)が、得られる共重合体の水溶解度を損なわない限りは、水溶性モノマー及び水不溶性モノマーの一方であり得る。
【0025】
共重合体におけるこれらのモノマー(a)〜モノマー(d)の組成比は、モル比で(a)/(b)/(c)/(d)=30〜70/30〜70/2〜16/0〜5、好ましくは40〜60/40〜60/5〜15/0〜5であり、総計100mol%である。
【0026】
≪自動皿洗い用洗浄剤組成物≫
本発明における共重合体は、固体自動皿洗い用組成物、液体自動皿洗い用組成物及び自動皿洗い用組成物の錠剤/単位用量形態を包含するADW組成物中に存在する。
【0027】
ADW組成物は、低起泡性非イオン性界面活性剤(LFNI)を含んでもよい。LFNIは、約0.25%〜約4%の量で存在し得る。LFNIは、それらがゲル自動洗浄剤に付与する改善された水シーティング作用(特にガラスからの)のため自動洗浄剤で最も典型的に使用される。好ましいLFNIとしては、非イオン性アルコキシル化界面活性剤、特に第一級アルコールに由来するエトキシレート、及びポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン逆ブロック重合体のようなより高級な界面活性剤とのそれらのブレンドが挙げられる。PO/EO/PO重合体型界面活性剤は、特に卵のような一般的な食品汚れ成分に関連して起泡抑制作用又は脱泡作用を有することが既知である。好ましい実施形態では、LFNIは、炭素数約8〜約20のモノヒドロキシアルコール又はアルキルフェノール(環式炭素原子を含まない)と、平均してアルコール又はアルキルフェノール1mol当たり約6mol〜約15molのエチレンオキシドとの反応に由来するエトキシ化界面活性剤である。特に好ましいLFNIは、アルコール1mol当たり平均約6mol〜約15mol、好ましくは約7mol〜約12mol、最も好ましくは約7mol〜約9molのエチレンオキシドと縮合された炭素数約16〜約20の直鎖脂肪アルコール(C−16〜C−20アルコール)、好ましくはC−18アルコールに由来する。好ましくは、そのようにして得られるエトキシ化非イオン性界面活性剤は、平均に対して狭いエトキシレート分布を有する。
【0028】
LFNIは、最大約15重量%の量でプロピレンオキシドを任意に含有することができる。BASF−Wyandotte Corp.(ミシガン州ワイアンドット)によるPLURONIC(登録商標)及びTETRONIC(登録商標)と称されるブロック重合体界面活性剤化合物のうち或る特定のものは、本発明のゲル自動洗浄剤に適している。同様に使用され得るLFNIとしては、BASF Corp.から「SLF−18 Poly−tergent」として市販されている約8のエトキシ化度を有するC−18アルコールポリエトキシレートが挙げられる。
【0029】
ADW組成物は、通常ADW組成物の約0重量%〜約30重量%、好ましくは約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の範囲で分散剤重合体を更に含有してもよい。分散剤重合体は、米国特許第4,659,802号明細書に記載されたエトキシ化カチオンジアミン又はエトキシ化カチオンポリアミンであり得る。他の適切な分散剤重合体としては、Rohm & Haasにより供給されるACUSOL(登録商標)480N及びACUSOL 588(登録商標)のようなアクリル酸、マレイン酸及びメタクリル酸から合成される共重合体、並びにRohm & Haasから入手可能なAcusol 425N(登録商標)の商品名で販売されているアクリル酸−マレイン酸(比80/20)ホスホノ末端基分散剤共重合体が挙げられる。ALCOSPERSE(登録商標)重合体(Alcoにより供給)のようなカルボキシレートモノマー及びスルホネートモノマーの両方を含有する重合体もまた、許容可能な分散剤重合体である。一実施形態では、商品名ALCOSPERSE(登録商標)725で販売されているALCOSPERSE(登録商標)重合体は、下記構造を有するスチレン及びアクリル酸の共重合体である:
【0030】
【化1】

【0031】
ALCOSPERSE(登録商標)725はまた、金属腐食阻害の有益性を提供し得る。
【0032】
他の分散剤重合体は、米国特許第4,530,766号明細書及び同第5,084,535号明細書並びに欧州特許出願第66,915号明細書(1982年12月15日に公開)で開示された不飽和脂肪族カルボン酸の低分子量共重合体を含む低分子量変性ポリアクリレート共重合体である。
【0033】
皿洗い用組成物は、鉱物硬度及び分散性(dispersancy)の制御に役立つ洗浄剤ビルダーを利用してもよい。無機ビルダー並びに有機ビルダーを使用することができる。かかる皿洗い用製品の実施形態は、ホスフェート、ホスフェートオリゴマー又は重合体及びそれらの塩、シリケートオリゴマー又は重合体及びそれらの塩、アルミノシリケート、マグネシオアルミノシリケート、シトレート、メチルグリシン二酢酸及び/又はその塩、グルタミン酸二酢酸及び/又はその塩並びにそれらの混合物から成る群から選択され得る。ホスフェート洗浄剤ビルダーとしては、ポリホスフェートのアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアルカノールアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。本発明におけるシリケートビルダーは、それらがゲル洗浄剤組成物のスポッティング/フィルミング特性に悪い影響を及ぼさない程度に可溶である任意のシリケートである。アルミノシリケートビルダーは、自動皿洗い用洗浄剤にとって好ましくないが、本組成物に使用することができる。カーボネートビルダーとしては、1973年11月15日に公開された独国特許出願第2,321,001号明細書に開示されているようなアルカリ土類金属カーボネート及びアルカリ金属カーボネートが挙げられる。炭酸ナトリウム及びセスキ炭酸ナトリウムの様々な等級及びタイプを使用することができ、それらのうち或る特定のものは、他の成分、特に洗浄性界面活性剤用のキャリアとして特に有用である。有機洗浄剤ビルダーとしては、多種多様なポリカルボキシレート化合物が挙げられる。他の有用なビルダーとしては、エーテルヒドロキシポリカルボキシレート、無水マレイン酸とエチレン又はビニルメチルエーテルとの共重合体、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン−2,4,6−トリスルホン酸、及びカルボキシメチルオキシコハク酸、エチレンジアミン四酢酸及びニトリロ三酢酸のようなポリ酢酸の様々なIアルカリ金属塩、アンモニウム塩及び置換アンモニウム塩、並びにメリット酸、コハク酸、オキシジコハク酸、ポリマレイン酸、ベンゼン1,3,5−トリカルボン酸、カルボキシメチルオキシコハク酸及びそれらの可溶性塩のようなポリカルボキシレートが挙げられる。シトレートビルダー、例えばクエン酸及びその可溶性塩(特に、ナトリウム塩)は、再生可能な供給源からのそれらの入手可能性及びそれらの生分解性に起因して、強力洗濯洗浄剤及び自動皿洗い用配合物にとって特に重要なポリカルボキシレートビルダーである。メチルグリシン二酢酸及び/又はその塩(MGDA)もまた、本組成物においてビルダーとして使用され得る。好ましいMGDA化合物は、メチルグリシン二酢酸の塩である。適切な塩としては、二アンモニウム1.0塩、二カリウム塩、及び好ましくは二ナトリウム塩が挙げられる。グルタミン酸二酢酸及び/又はその塩(GLDA)もまた、本組成物においてビルダーとして利用され得る。好ましいGLDA化合物は、グルタミン酸二酢酸の塩である。適切な塩としては、二アンモニウム塩、二カリウム塩及び好ましくは二ナトリウム塩が挙げられる。1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(HEDP)もまた、本組成物においてビルダーとして利用され得る。
【0034】
好ましくは、本発明におけるビルダーは、ホスフェートを含有しない。より好ましくは、ビルダーは、GLDA若しくはMGDA又はそれらの組合せのような生分解性ビルダーである。
【0035】
香料を組成物に添加してもよい。洗浄剤組成物は、腐食抑制剤及び/又は錆止め助剤として有効な作用物質を含有することができる。
【0036】
「洗浄剤酵素」は本明細書中で使用される場合、ゲル洗浄剤組成物において洗浄効果、染み抜き効果又は他の有益な効果を有する任意の酵素を意味する。好ましい酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ及びリパーゼのようなヒドロラーゼである。アミラーゼ及び/又はプロテアーゼ(現在市販されているタイプ及び改良タイプの両方を含む)は、自動皿洗いに非常に好ましい。本発明における酵素含有組成物は、約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.005重量%〜約8重量%、最も好ましくは約0.01重量%〜約6重量%の酵素を含むことができる。
【0037】
本発明における組成物はまた、1つ又は複数の遷移金属選択的金属イオン封鎖剤、「キレート剤」又は「キレート化剤」、例えば鉄及び/又は銅及び/又はマンガンキレート化剤を任意に含有し得る。本発明での使用に適したキレート化剤は、アミノカルボキシレート、ホスホネート(特に、アミノホスホネート)、多官能基置換芳香族キレート化剤及びそれらの混合物から成る群から選択され得る。本発明での使用のための市販のキレート化剤としては、BEQUESTシリーズ並びにMonsanto、DuPont及びNalco, Inc.からのキレート剤が挙げられる。
【0038】
洗浄剤組成物は好ましくは、低起泡性であり、洗浄用媒質中で容易に可溶であり、且つ洗浄性能の改善に最もつながる、例えば、望ましくは約pH6.5〜約pH12.5、好ましくは約pH7.0〜約pH12.0、より好ましくは約pH8.0〜約pH12.0の範囲のpH値で最も有効であり得る。pH調節構成成分は、望ましくは水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム又はセスキ炭酸ナトリウム若しくはセスキ炭酸カリウム、ケイ酸ナトリウム若しくはケイ酸カリウム、ホウ酸、重炭酸ナトリウム若しくは重炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウム若しくはホウ酸カリウム及びそれらの混合物から選択される。
【0039】
一実施形態は、水、増粘剤、ビルダー又はキレート剤、並びに任意に低分子量脂肪族アルコール又は芳香族アルコール、低分子量アルキレングリコール、低分子量アルキレングリコールエーテル、低分子量エステル、低分子量アルキレンアミン、低分子量アルカノールアミン及びそれらの混合物から成る群から選択される有機溶媒を含むゲルADW組成物に関する。
【0040】
任意の量での任意の添加剤成分が、ゲル洗浄剤組成物で使用され得る。例えば、添加剤成分は、ナノ粒子、官能基化された表面分子、重合体、界面活性剤、共界面活性剤、金属イオン、タンパク質、色素、酸、蛍光増白剤、着色剤、充填剤塩、ヒドロトロープ、防腐剤、酸化防止剤、殺菌剤、殺真菌剤、カラースペックル、可溶化剤、キャリア及びそれらの混合物から成る群から選択され得る。
【0041】
非常に典型的には、洗濯洗浄剤、洗濯洗浄剤添加物、硬質表面クリーナー、合成の及び石鹸系の洗濯バー、織物柔軟剤及び織物処理液、固形分及びあらゆる種類の処理物品のような本発明における洗浄用組成物は幾つかの添加剤を要するが、漂白剤添加物のような或る特定の簡素に配合される製品は、例えば酸素漂白剤及び界面活性剤(本明細書中に記載されるような)のみを要し得る。適切な洗濯又は洗浄用添加剤材料の包括的なリストは、国際公開第99/05242号明細書に見出すことができる。
【0042】
一般的な洗浄用添加剤としては、ビルダー、酵素、上記で論述されない重合体、漂白剤、米国特許第5,804,542号明細書に開示されているもののような漂白活性化剤(例えば、Aldrich)、触媒材料等(本明細書中、上記で既に定義されている任意の材料を除く)が挙げられる。本発明における他の洗浄用添加剤としては、石鹸泡起泡増進剤、石鹸泡抑制剤(消泡剤)等、上述するもの以外の分散剤重合体(例えば、BASF Corp.又はRohm & Haasからの)のような種々の活性成分又は特殊材料、カラースペックル、シルバーケア、錆止め及び/又は腐食防止剤、色素、充填剤、殺菌剤、アルカリ度供給源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定剤、香料前駆体(pro−perfumes)、香料、可溶化剤、キャリア、加工助剤、顔料並びに液体配合物に関して、溶媒、キレート化剤、転染阻害剤、分散剤、光沢剤、石鹸泡抑制剤、色素、構造弾性化剤、織物柔軟剤、耐摩耗剤、ヒドロトロープ、加工助剤及び他の織物ケア剤、表面及びスキンケア剤が挙げられ得る。かかる他の洗浄用添加剤及び使用水準の適切な例は、米国特許第5,576,282号明細書、米国特許出願第6,306,812号明細書及び同第6,326,348号明細書に見出される。
【0043】
≪共重合体を生産する方法≫
本発明におけるADW組成物に適した水溶性共重合体を生産する方法は特に限定されず、好ましくは連鎖移動剤を使用することによるラジカル重合開始剤の存在下での水性溶媒中での重合を包含する。ラジカル重合開始剤として、過酸化水素、過硫酸塩又はそれら両方の組合せが、特に好ましく使用される。
【0044】
以下、各条件を詳述する。
【0045】
<溶媒>
共重合体の生産方法で使用され得る溶媒は、重合時に使用されるモノマーの溶解度を促進又は改善するのに適した任意の物質であり得る。好ましくは、溶媒は、水又は一般的に水溶液である。しかしながら、有機材料は、重合が不都合に影響を及ぼされない程度に適切な溶媒として使用され得る。
【0046】
有機溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール及びイソプロピルアルコールのような低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン及びジエチルケトンのような低級ケトン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル及びジオキサンのようなエーテル、並びにジメチルホルムアルデヒドのようなアミドが挙げられる。これらは、単独で使用されてもよく、混合物として組み合わせて使用されてもよい。
【0047】
<モノマーの添加方法>
共重合体の生産方法におけるモノマーの添加方法を順次記載する。
【0048】
モノマー(a)は、モノマー(a)の総使用量に対して最初に負荷される量として、50重量%以上、好ましくは80重量%以上の量、特に好ましくは総量で添加される。重合の後半での未反応物の量が増加して、共重合体中のモノマー(a)が一様に導入されず、その結果カルシウムイオン捕捉能及び得られる共重合体のゲル化防止能の低下をもたらすため、最初に負荷される量が50重量%未満であることは好ましくない。中和度は後に記載されることに留意されたい。
【0049】
モノマー(b)は、実質的に連続的な滴下により、モノマー(b)の総使用量に対して70重量%以上、好ましくは90重量%以上の量、特に好ましくは総量で反応系に添加される。モノマー(b)のブロック重合が初期重合で行われて、共重合体が高分子量を有する可能性があり、その結果カルシウムイオン捕捉能、硬度が高い水中でのクレー分散能及びゲル化防止能に対して悪影響をもたらすため、滴下比が70重量%未満である(即ち、最初に負荷される量が、30重量%以上である)ことは好ましくない。モノマー(b)の滴下時間は、30分〜240分、好ましくは60分〜180分、特に好ましくは90分〜150分である。滴下時間が30分よりも短い場合、モノマー(b)のブロック重合が起こり、滴下時間が240分を超過する場合、モノマー(a)のブロック重合が起きる。したがって、両事例とも、カルシウムイオン捕捉能、硬度が高い水中でのクレー分散能及びゲル化防止能に悪い影響を及ぼすため、両事例とも好ましくない。中和度は以下で記載されることに留意されたい。
【0050】
モノマー(c)及びモノマー(d)の添加方法は特に限定されない。各モノマーの最初に負荷される量と、モノマーが滴下される量との比、及びモノマーが滴下される場合の滴下時間は、モノマーの反応性を考慮して適切に設定され得る。中和度は以下で記載される。
【0051】
<モノマーの中和度>
モノマーの中和度は、重合開始剤が負荷される前の段階でモノマー(a)〜モノマー(d)の総量に対して50mol%〜100mol%、好ましくは50mol%〜95mol%である。モノマー(a)の導入効率が減じて、その結果得られる共重合体のカルシウムイオン捕捉能及び共重合体のゲル化防止能の低下をもたらすため、中和度が50mol%未満であるか、又は100mol%を超過することは好ましくない。モノマーに関する中和剤の例としては、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム及び水酸化マグネシウムのようなアルカリ土類金属の水酸化物、アンモニア並びにモノエタノールアミン及びトリエタノールアミンのような有機アミンの塩が挙げられる。これらは、単独で又は混合物として組み合わせて使用され得る。水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムのようなアルカリ金属の水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好ましい。以下、これらは単に「中和剤」と示される。
【0052】
重合時(即ち、モノマーの滴下時)の中和度は特に限定されず、中和度が、後に記載される重合pHに関する範囲内に存在する限りは、任意の適切な中和度に設定され得る。中和度は、モノマーの反応性を考慮して中和剤を用いて適切に設定され得る。
【0053】
<重合開始剤>
共重合体の生産方法における重合開始剤は特に限定されない。重合は好ましくは、ラジカル重合開始剤を使用することにより実施される。過酸化水素、過硫酸塩又はそれら両方の組合せが、特に好ましく使用される。連鎖移動剤及び開始剤それぞれの分解促進剤としての多価金属イオンが使用され得る。以下、開始剤について具体的に記載する。
【0054】
<ラジカル重合開始剤>
ラジカル重合開始剤の例としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムのような過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)のようなアゾ系の化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過酸化ジ−t−ブチル及びクメンヒドロペルオキシドのような有機過酸化物、並びに過酸化水素が挙げられる。これらは、必要に応じて単独で又は組み合わせて使用され得る。更に、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムのような過硫酸塩、過酸化水素及びそれらの化合物の組合せが特に好ましい。水溶性共重合体水溶液は、重合時の必須構成成分として過酸化水素を包含する。したがって、過酸化水素は生産プロセスの簡素化及び生産コストの減少に寄与するため、開始剤又は連鎖移動剤としての過酸化水素の使用は好ましい。過硫酸塩及び過酸化水素の組合せは、重合技法として最も好ましい。
【0055】
ラジカル重合開始剤の使用量は、モノマー1mol当たり総計で2g〜10g、好ましくは3g〜8gである。モノマーの残留量が著しく増加するため、使用量は2g未満であることは好ましくない。更に、以下の理由から使用量が10gを超過するのも同様に好ましくない:開始剤の添加効果はこれ以上見出されず、使用量が経済的に不利であり、また得られる共重合体の純度含有量が、開始剤の過剰量に応じて減少し、その結果カルシウムイオン捕捉能のような物理特性の低下をもたらす。
【0056】
ラジカル重合開始剤の添加方法は、特に限定されない。しかしながら、その分解特性を考慮すると、ラジカル重合開始剤が実質的に連続的に滴下される量は、ラジカル重合開始剤の総使用量に関して、好ましくは所要の既定量の50重量%以上、特に好ましくは80重量%以上、最も好ましくは総量である。
【0057】
滴下時間は特に限定されず、滴下時間は、得られる重合体の分子量及び分子量分布に影響を及ぼすため、望ましい場合には適切に設定されることが好ましい。過硫酸塩(例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム)のような比較的迅速に分解される開始剤は、モノマーの滴下が終結される時間まで滴下されることが好ましく、開始剤の滴下は、好ましくはモノマーの滴下が終結された後の30分のうちに、特に好ましくはモノマーの滴下が終結された後の5分〜20分のうちに終結される。以上のことから、共重合体中のモノマーの残留量が顕著に低減され得るような効果を見出すことができる。開始剤の滴下がモノマーの滴下が終結される前に終結される場合でさえ、重合は悪影響がないことに留意されたい。そして、開始剤の滴下時間は、得られる共重合体中のモノマーの残留量に応じて設定され得る。
【0058】
開始剤の滴下が開始される時間は限定されず、適切に設定され得る。例えば、開始剤の滴下は、そのように望ましい場合にはモノマーの滴下が開始される前に開始されてもよい。或いは、特に2つ以上の開始剤が組み合わせて使用される場合、一方の開始剤の滴下が開始され、既定の時間の経過又は滴下の終結後に、別の開始剤の滴下が開始されてもよい。開始剤の滴下が開始される時間は、開始剤の分解速度及びモノマーの反応性に応じて適切に設定され得る。
【0059】
<連鎖移動剤>
連鎖移動剤は、重合に悪影響がない程度に、ラジカル重合開始剤と組み合わせて必要に応じて共重合体用の分子量調節剤として使用され得る。連鎖移動剤の例としては、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩及び次亜リン酸塩が挙げられるが、特にこれらに限定されない。これらは、単独で又は組み合わせて使用され得る。
【0060】
連鎖移動剤の使用量は好ましくは、重量比で開始剤の量の2倍以下である。共重合体の純度含有量の減少が引き起こされるため、連鎖移動剤の量は開始剤の量の2倍を超過することは好ましくない。更に、連鎖移動剤の添加方法、及び連鎖移動剤が滴下される場合の滴下時間は特に限定されず、配合者の好みに応じて設定され得る。
【0061】
<多価金属イオン>
多価金属イオンは、開始剤と組み合わせて必要に応じてラジカル重合開始剤の分解促進剤として使用され得る。使用することができる有効な多価金属イオンは、例えばFe2+、Fe3+、Cu2+、Cu+、V2+、V3+又はVO2+である。これらは、単独で又は組み合わせて使用され得る。水溶性共重合体水溶液は、過酸化水素を含むことを特徴とするが、多価金属イオンの添加は、過酸化水素の分解を引き起こす。したがって、望ましい効果を得るためにはより多くの過酸化水素を添加する必要があるため、多価金属イオンを添加することは好ましくない。
【0062】
多価金属イオンが添加される場合、多価金属イオンの添加方法は特に限定されない。多価イオンは、好ましくはモノマーの滴下が終結される前に添加され、特に好ましくは多価金属イオンの総量が初期段階で負荷される。更に、使用量は、好ましくは反応液の総量に対して100ppm以下である。添加の効果がもはや見出されず、且つ得られる共重合体が著しく着色され、そのため共重合体を洗浄剤組成物として使用することができないため、使用量が100ppmを超過することは好ましくない。
【0063】
多価金属イオンが添加される場合、多価金属イオンの供給形態は特に限定されず、任意の金属化合物及び金属は、それらが重合体反応系でイオン化される限りは使用することができる。金属化合物及び金属の例としては、オキシ三塩化バナジウム、三塩化バナジウム、シュウ酸バナジウム、硫酸バナジウム、無水バナジウム酸、メタバナジン酸アンモニウム、次亜バナジン酸硫酸アンモニウム[(NH4)2SO4・VSO4・6H2O]、バナジン酸硫酸アンモニウム[(NH4)V(SO4)2・12H2O]、酢酸銅(II)、臭化銅(II)、アセチル酢酸銅(II)、塩化第二銅、塩化銅アンモニウム、炭酸銅、塩化銅(II)、クエン酸第二銅(II)、ギ酸銅(II)、水酸化銅(II)、硝酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅(II)、マレイン酸銅、リン酸銅、硫酸銅(II)、塩化第一銅、シアン化銅(I)、ヨウ化銅、酸化銅(I)、チオシアン酸銅、アセチル酢酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム、シュウ酸第二鉄アンモニウム、硫酸第一鉄アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウム、クエン酸鉄、フマル酸鉄、マレイン酸鉄、乳酸第一鉄、硝酸第二鉄、ペンタカルボニル鉄、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄のような水溶性金属塩、五酸化バナジウム、酸化鉄(II)、酸化第一鉄及び酸化第二鉄のような金属酸化物、硫酸銅(II)及び硫酸鉄のような金属硫化物、銅粉並びに鉄粉が挙げられる。重合用のモノマー組成物は、上記モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤及び多価金属イオンのような添加物を含む。重合反応が阻害されず、且つ得られる水溶性共重合体の物理特性が阻害されないような程度に、例示添加物以外の別の添加物がモノマー組成物中に含まれてもよいことに留意されたい。
【0064】
<他の重合条件>
共重合体の生産方法における他の重合条件は、重合時のpH、温度、濃度及び圧力である。これらの条件について順次詳述する。
【0065】
<重合時のpH>
初期負荷が終結される時点での(即ち、滴下により添加されるべきモノマーの滴下の開始直前、又は重合開始剤の滴下がモノマーの滴下前に開始される場合、重合開始剤の滴下の開始直前の)重合時のpHは、5〜13、好ましくは5〜12、より好ましくは8〜12である。その後、モノマーの滴下の開始に従って、重合は開始されて、以下の設定が好ましくは実施される:pHは重合の進行に伴って徐々に低下する。反応物のpHは、モノマーの滴下が終結される時点で4〜8に調節されることが好ましい。
【0066】
概して、モノマー(a)の重合性は、モノマー(b)の重合性と比較して困難である。したがって、モノマー(a)は、初期負荷の段階で大量に添加される。しかしながら、その場合、モノマー(a)の濃度は、重合の早期にモノマー(b)と比較して圧倒的に大きいため、モノマー(a)のブロック重合が起こり得る。上述を考慮すると、本発明における生産方法では、pHは、モノマー(a)の重合性を制御する目的で調節されなくてはならず、その結果pHは、上記範囲(5〜13)内で設定される。モノマー(a)は、ジカルボン酸を有するモノマーであり、モノマーの考え得るタイプは、以下の3つのタイプに分類される:両方のカルボキシル基が酸性であるタイプ、基の一方が酸性であるタイプ及び基が共に、中性であるタイプ。これらのうち、基の一方が酸性であるタイプ、即ち半中性タイプが最も重合性に富み、そのためモノマー(a)の重合性は、半中性タイプのモノマー(a)の分子の存在量を制御することにより制御することができる。即ち、重合の早期に、モノマー(a)の重合性はまた、半中性タイプの分子の存在量がある程度抑制され、重合が進行して、その結果モノマー(a)自体の濃度が減少するため、半中性タイプの分子の量は増大されなくてはならない。本発明者等は、これらの見解を考慮してpHの上記設定に到達した。
【0067】
「モノマーの添加方法」という表題の項で記載される「中和剤」は、必要に応じてpH調節剤として適切に使用しさえすればよいことに留意されたい。最終的なpHは、必要に応じて重合の終結後に「中和剤」を適切に使用することにより所望のpHに設定しさえすればよいことに留意されたい。
【0068】
<重合温度>
重合時の温度は、初期負荷では特に限定されない。温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、特に好ましくは重合溶媒の沸点付近であり、更に好ましくは、モノマー又は重合開始剤の滴下の開始により引き起こされる重合の開始から重合の終結までの(又は得られた共重合体がエージングされる更なる期間が重合の終結(モノマー、重合開始剤を含む全ての構成成分の滴下の終結)後に設定される場合にはエージングの終結までの)期間中に重合溶媒の沸点である。pH及び濃度が、重合の終結後に調節される場合、温度は特に限定されず、適切に設定され得る。
【0069】
重合開始剤の分解効率が低下し、且つ得られる共重合体中のモノマーの残留量が増加するため、重合時の温度が80℃未満であることは好ましくない。更に、温度制御が容易となるため、重合の良好な再現性及び得られるべき共重合体の安定な品質を得ることができることから、沸点での重合が好ましい。
【0070】
<重合濃度>
重合反応用のモノマー組成物の重合時の各モノマーの濃度は特に限定されない。初期負荷の濃度は、35重量%〜75重量%、好ましくは40重量%〜70重量%、特に好ましくは45重量%〜60重量%である。生産性を考慮すると、またモノマー(a)の反応性が低下するため、初期負荷での各モノマーの濃度が35重量%未満であることは好ましくない。モノマーの水溶解度はもはや見出されず、且つスラリー様生成物又は沈殿剤が反応液中で生成されて、その結果非均一重合をもたらすため、濃度が75重量%を超過することは好ましくない。
【0071】
更に、重合の終結時の重合体の固形分濃度は、35重量%〜65重量%、好ましくは40重量%〜60重量%、特に好ましくは45重量%〜60重量%である。滴下物(即ち、各モノマー)の濃度は、濃度が上記範囲に対応するように調節される。重合の終結時の35重量%未満の重合体の固形分濃度は、重合体の固形分濃度の極端な減少をもたらす。したがって、モノマーの重合性が低下するため、得られる共重合体中のモノマーの残留量が増大して、生産性が低減することから、35重量%未満の重合体の濃度は、経済効率を考慮すると好ましくない。逆に、65重量%よりも高い重合体の固形分濃度は、その濃度が重合体の固形分濃度の極端な増加をもたらすため、反応溶液が高い粘度を有して、一様な重合を得ることができず、重合体は極端に高い分子量を有する場合があり、特に硬度が高い水中でのクレー分散能に悪影響を及ぼすことから、好ましくない。更に、得られる共重合体の溶液粘度が高くなるため、65重量%よりも高い重合体の濃度は、同様に取扱いを考慮すると好ましくない。重合後の重合体の固形分濃度は適切に調節され得ることに留意されたい。
【0072】
<重合圧力>
重合時の圧力は特に限定されない。重合は、高い圧力下、正常圧力(大気圧)下及び減圧下のいずれかで実施され得る。
【0073】
<重合設備>
水溶性共重合体水溶液は、必須構成成分として過酸化水素を含む。その結果、開始剤又は連鎖移動剤としての過酸化水素の使用は、生産プロセスの簡素化及び生産コストの低減に寄与する。しかしながら、この時点で、重合体系中の金属イオンの存在が、過酸化水素の分解を誘導する。金属イオンが重合溶液中に残存する場合、金属イオンが添加された後に過酸化水素が添加される場合でさえ、過酸化水素の分解は時間とともに進行する可能性があり、それにより余分な過酸化水素を添加する必要がある。したがって、重合設備、特に重合炉は好ましくは、金属イオンが溶出しないような様式で加工に付される。設備の材料の具体例としては、SUS316、及びガラス内張処理に付されたステンレス鋼のようなガラス内張処理に付された金属が挙げられる。
【0074】
<重合時の過酸化水素の濃度>
重合時の過酸化水素の重量比は、乾燥後の共重合体の色調が改善されるため、重合溶液の固形分に関して10ppm以上に設定されることが好ましい。
【0075】
水溶性共重合体水溶液の好ましい生産方法で、全てのモノマー及び開始剤の反応器への滴下が終結される場合(重合の終結時)の重合溶液中の過酸化水素の含有量は、水溶性共重合体水溶液の固形分に関して重量比で約10ppm〜約50000ppmに設定される。水溶性水溶液の固形分を求める方法は、本明細書中の下記で提示する試験方法にて提供される。また、水溶性共重合体水溶液は概して、約33%〜99%の水を含む。上述したように水溶性共重合体水溶液を生産することにより、乾燥後の共重合体の色調は改善される。更に、水溶性共重合体水溶液の粘度の経時安定性が改善される。
【0076】
水溶性共重合体の生産工程が以下で記載するようにエージング工程(重合後に反応器(重合炉)中での連続する加熱及びインキュベーションの工程)又は中和工程を含む場合、エージング工程又は中和工程が終結される時点での(重合溶液がエージング処理又は中和処理に付された反応器から取り出される時点での)過酸化水素の含有量は、重合溶液(水溶性共重合体水溶液)の固形分に関して10ppm以上50000ppm以下に設定される。上述のような水溶性共重合体水溶液を生産することにより、乾燥後の共重合体の色調が改善される。更に、経時的な水溶性共重合体水溶液の粘度安定性は改善される。
【0077】
重合工程の終結後、又はエージング工程の終結若しくは中和工程の終結後の過酸化水素の含有量は、重合溶液(水溶性共重合体水溶液)の固形分に対して好ましくは25ppm以上20000ppm以下、より好ましくは50ppm以上10000以下、最も好ましくは100ppm以上5000以下である。過酸化水素の含有量は、重合工程、エージング工程及び中和工程の中での最終工程の時点で上記範囲に調節されることが望ましいことに留意されたい。
【0078】
<エージング/中性剤工程>
エージング工程及び中和工程は、重合が終結される時点で必要に応じて設けることができる。残留モノマー量がエージング工程により低減され得るため、エージング工程を設けることが好ましい。反応液(重合液、重合溶液)中の過酸化水素の量が、エージング工程中又は中和工程中に著しく低減するため、添加量及び添加時間は好ましくは、過酸化水素の含有量が重合溶液の固形分に対して10ppm以下にならないように提供される。重合液が着色されるため、過酸化水素の含有量が、エージング工程又は中和工程中の重合溶液の固形分に対して10ppm以下であることは好ましくない。好ましい方法では、過酸化水素は、エージング工程又は中和工程で添加され、その結果過酸化水素の含有量は、水溶性共重合体の含有量に対して10ppm以上50000ppm以下に維持される。
【0079】
エージング工程では、エージング時間は適切に確定される。即ち、エージング時間が延長されると、残留モノマー量を低減させることができ、残留モノマー量がより長いエージング時間で低減される速度、その結果生産効率が低減する。したがって、エージング時間は、許容可能な残留モノマー量と生産効率との間でのバランスにより確定される。
【0080】
<水溶性共重合体水溶液の組成>
水溶性共重合体水溶液は、必須構成成分として過酸化水素を含む。水溶性共重合水溶液は過酸化水素を含み、そのため水溶性共重合溶液は、貯蔵安定性に優れており、水溶性共重合体水溶液が洗浄剤原材料として使用される場合に、洗浄剤は黄色く着色されるのを防止する。
【0081】
水溶性共重合体溶液中の過酸化水素の組成比(含有量)は、水溶性共重合体水溶液の固形分に対して重量比で10ppm〜50000ppmである。本発明における「重量比で」という語句は、過酸化水素の組成比が以下の式で表わされることを意味する:水溶性共重合体水溶液の固形分に対する過酸化水素の組成比(%)=過酸化水素の重量/水溶性共重合体水溶液の固形分の重量×100、又は同様に、水溶性共重合体水溶液の固形分に対する過酸化水素の組成比(ppm)=過酸化水素の重量/水溶性共重合体水溶液の固形分の重量×100×10000。
【0082】
本発明における水溶性共重合体水溶液の固形分の重量は、水溶性共重合体、残留モノマー、開始剤残渣等の重量を包含する。本発明では、水溶性共重合体水溶液の固形分は、以下で記載される<共重合体水溶液の固形分(固形分濃度)の測定>という項での方法により測定される値である。固形分に対する過酸化水素の組成比が10ppm未満(重量比)である場合、水溶性共重合体水溶液の貯蔵安定性の改善効果を得ることが困難になる。更に、水溶性共重合体水溶液が洗浄剤原材料として使用される場合に、洗浄剤が黄色く着色されるのを防ぐことが困難になる。他方で、固形分に関して過酸化水素の組成比が50000ppm(重量比)を超過する場合、水溶性共重合体水溶液が洗浄剤中でブレンドされる場合に、洗浄剤の性能は低下する傾向にある。
【0083】
水溶性共重合体水溶液の固形分に関する過酸化水素の組成比は、好ましくは25ppm以上20000ppm以下、より好ましくは50ppm以上10000ppm以下、最も好ましくは100ppm以上5000ppm以下である。水溶性共重合体水溶液の固形分に対する過酸化水素の組成比が上記範囲内である場合、水溶性共重合体水溶液の経時的な粘度変化もまた抑制され得る。
【0084】
水溶性共重合水溶液は、必須構成成分として水を含む。水溶性共重合体水溶液は、水溶性共重合体水溶液の総重量に基づいて33重量%〜99重量%の水を含むことを特徴とする。33%未満(重量比)の水濃度は、水溶性共重合体水溶液の粘度が増大して、その結果、困難な取扱いをもたらすため好ましくない。99%以上(重量比)の水濃度は、移動又は貯蔵時のコストが増大するため好ましくない。
【0085】
概して、残留モノマー量は、可能な限り小さいことが好ましい。具体的には、モノエチレン性モノカルボン酸(又はモノカルボキシレート)の残留量は、水溶性共重合体水溶液の固形分に対して、好ましくは1500ppm以下、より好ましくは1000ppm以下、更に好ましくは700ppm以下である。モノエチレン性ジカルボン酸(ジカルボキシレート)の残留量は、水溶性共重合体水溶液の固形分に対して、好ましくは15000ppm以下、より好ましくは10000ppm以下、更に好ましくは7000ppm以下である。スルホン酸(又はスルホネート)基を有するモノエチレン性不飽和モノマーの残留量は、水溶性共重合体水溶液の固形分に対して、好ましくは15000ppm以下、より好ましくは10000以下、更に好ましくは7000ppm以下である。
【0086】
水溶性共重合体水溶液は、使用前に、水に不溶である化合物と一緒に混合されてもよいことに留意されたい。
【0087】
更に、水溶性共重合体溶液の乏しい色調は、水溶性共重合体溶液を含有する粉末に乏しい色調をもたらす要因の1つである。従って、水溶性共重合体水溶液の色調は、良好であることが好ましい。具体的には、水溶性共重合体水溶液の濃度が45重量%に調節される場合、b値は、好ましくは13以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。
【0088】
<水溶性共重合体水溶液を含有する粉末(粉末組成物)>
粉末(粉末組成物)は、本発明における水溶性共重合体水溶液を乾燥させることにより得られ得る。水溶性共重合体水溶液は、過酸化水素を含有し、その結果優れた色調を有し、且つその「黄変」を防止する粉末を生じる。
【0089】
粉末は、優れた色調及びカルシウム堆積抑制能を有し、それにより好ましくは洗浄剤添加物等として使用される。蒸留水中に粉末を溶解させることにより、45重量%水溶液が調製される場合、そのb値は、好ましくは13以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下である。粉末が蒸留水中に溶解される場合にあまり着色されないほど、乾燥粉末もあまり着色されない。45重量%水溶液が調製される場合にb値が13を超過する場合、洗浄剤のような最終製品は、大幅に着色されて、それにより粉末のブレンド量は、必要な量と同等以下でなくてはならない。
【0090】
本発明の水溶性共重合体水溶液は概して、加熱条件下で乾燥される。水溶液が標準圧力で乾燥される場合、乾燥は、乾燥効率を考慮して好ましくは80℃〜200℃で実施される。更に、乾燥は、好ましくは標準圧力又は減圧で実施され、窒素のような不活性ガス雰囲気下で実施されてもよい。一般的な乾燥手段(例えば、ドラム乾燥又は噴霧乾燥)を乾燥に適用させることができる。
【0091】
本発明の粉末は、水溶性共重合体、残留モノマーのような共重合体用の原材料の残渣、重合中に発生する副生成物、及び副生成物が乾燥プロセス中に修飾された副生成物を含む。
【0092】
更に、水溶性共重合体水溶液中に含有される水溶性共重合体の特性、例えばモノマー(d)の特性に起因して、水溶性共重合体水溶液を単独で乾燥することにより粉末様生成物を得ることが困難である場合、水溶性共重合体水溶液は、適切な粉末助剤と組み合わせて乾燥させることができる。適切な粉末助剤の例としては、高いガラス転移温度を有する無機化合物及び重合体が挙げられる。
【0093】
更に、本発明の水溶性共重合体を含有する粉末は、粉末が使用される用途で要される別の構成成分と組み合わせて、本発明の水溶性共重合体水溶液を乾燥させることにより生産され得る。
【0094】
即ち、本発明の粉末は、粉末助剤、又は粉末が使用される用途で要される別の構成成分を更に含んでもよい。
【実施例】
【0095】
≪試験方法≫
<重量平均分子量>
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ)を用いて測定される値を指す。
【0096】
測定装置:昭和電工株式会社により製造される「Shodex SYSTEM−2」
カラム:カラムは、昭和電工株式会社により製造される「Asahipak GF−710 HQ」及び「Ashipak GF−310 HQ」を順次接続することにより準備される。
溶離液:0.1N酢酸ナトリウム/アセトニトリル=7/3(容量比)
流速:0.5mL/分
温度:40℃
検量線:検量線は、ポリアクリル酸の標準サンプル(双和化学産業株式会社の製品)を使用することにより作成される。
検出器:RI
【0097】
<固形分測定方法>
重合後の共重合体を含有する反応液の固形分は、170℃での熱風乾燥機による反応液の1時間処理後に残存する不揮発性分を固形分と捉えることにより計算される。
【0098】
【表1】

【0099】
【表2】

【0100】
【表3】

【0101】
パーセント及び比は全て、別記しない限り重量に基づいて算出される。単位用量ADW組成物の場合、パーセント及び比は全て、それぞれ固体組成物又は液体組成物の総量に基づき、組成物(複数可)を封入し得る任意の包装及び/又はフィルムの重量を含まない。パーセント及び比は全て、別記しない限り総組成物に基づいて算出される。
【0102】
本明細書全体にわたって付与されるあらゆる最大数値限定は、あらゆるより小さな数値限定を包含すると理解されるべきである(かかるより小さな数値限定が、あたかも本明細書中に明確に描かれているかのように)。本明細書全体にわたって付与されるあらゆる最小数値限定は、あらゆるより大きな数値限定を包含する(かかるより高い数値限定が、あたかも本明細書中に明確に描かれているかのように)。本明細書全体にわたって付与されるあらゆる数値範囲は、かかるより広い数値範囲の範疇に収まるあらゆるより狭い数値範囲を包含する(かかるより狭い数値範囲が全て、あたかも本明細書中に明確に描かれているかのように)。
【0103】
本明細書中に開示される寸法及び他の値は、列挙される正確な数値範囲に厳密に限定されると理解されるべきではない。代わって、別記しない限り、かかる値はそれぞれ、列挙される値及びその値の周辺の機能的に等価な範囲の両方を意味すると意図される。例えば、「40mm」と開示される寸法は、「約40mm」を意味すると意図される。
【0104】
任意の相互参照される特許若しくは出願、又は任意の関連特許若しくは出願を包含する本明細書中で引用されるあらゆる文献は、明示的に除外されるか、又はそうでなければ限定されない限りは、その全体が参照により本明細書に援用される。任意の文献の引用は、本明細書中に開示されるか、又は特許請求される任意の発明に関してそれが従来技術であるということ、又はそれが単独で若しくは任意の他の参照文献(単数又は複数)と任意の組合せで、任意のかかる本発明を教示するか、示唆するか又は開示することを認めることではない。更に、この文献中の用語の任意の意義又は定義が、参照により援用される文献中で同じ用語の任意の意義又は定義と相反する限りにおいて、この文献でその用語に割り当てられる意義又は定義が支配する。
【0105】
本発明の特定の実施形態を示し、且つ記載してきたが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、様々な他の変更及び修飾が為され得ることは当業者に明らかであろう。したがって、本発明の範囲内であるかかる変更及び修飾全てを、添付の特許請求の範囲で網羅すると意図される。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明のADW組成物は、洗浄剤組成物中で適切に使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルダー、並びに、
(a)炭素数4〜6のモノエチレン性不飽和ジカルボン酸(又はジカルボキシレート)モノマー又はその無水物に由来する構造単位を有する共重合体約30mol%〜60mol%、
(b)炭素数3〜8のモノエチレン性不飽和モノカルボン酸(又はモノカルボキシレート)モノマーに由来する構造単位を有する共重合体約30mol%〜60mol%、及び
(c)スルホン酸(スルホネート)基を有するモノエチレン性不飽和モノマーに由来する構造単位を有する重合体約5mol%〜15mol%
を含む水溶性共重合体を含むADW組成物であって、
該水溶性共重合体の重量平均分子量が約1000〜約50000であり、
該水溶性重合体が過酸化水素により重合される、
ADW組成物。
【請求項2】
前記水溶性共重合体は、前記過酸化水素及び更なるラジカル重合開始剤により重合される、請求項1に記載のADW組成物。
【請求項3】
前記ビルダーは、シトレート、MGDA、GLDA及びそれらの混合物から成る群から選択される、請求項1に記載のADW組成物。
【請求項4】
前記共重合体は、アクリル酸、マレイン酸及び3−アリルオキシ−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸を含む、請求項1に記載のADW組成物。
【請求項5】
酵素、アルカリビルダー、キレート剤ビルダー、漂白剤、漂白助剤、香料、脱泡剤、殺菌剤、腐食抑制剤、香料、色素及びそれらの混合物から成る群から選択される洗浄添加剤添加物を更に含む、請求項1に記載のADW組成物。
【請求項6】
非イオン性界面活性剤を更に含む、請求項1に記載のADW組成物。
【請求項7】
前記共重合体の重量平均分子量が約6000〜約15000である、請求項3に記載のADW組成物。
【請求項8】
前記共重合体の重量平均分子量が約13000である、請求項3に記載のADW組成物。
【請求項9】
前記共重合体の重量平均分子量が約8300である、請求項3に記載のADW組成物。
【請求項10】
前記組成物は、ゲル、単位用量、錠剤及び粉末から選択される形態である、請求項1に記載のADW組成物。

【公表番号】特表2011−516615(P2011−516615A)
【公表日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−526495(P2010−526495)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【国際出願番号】PCT/JP2009/057002
【国際公開番号】WO2009/123322
【国際公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】