説明

スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、およびそれから生成された造形品

スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを提供する。コポリエステルを、芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、エチレングリコール、他のグリコール、および金属5−スルホイソフタル酸誘導体などアルカリ金属またはアルカリ土類金属スルホ基を含む成分の混合物から生成する。コポリエステルは、知られているスルホン化ポリエステルよりスルホン化度が低く、いくつかの最終用途で有利な熱特性を提供する。スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、コーティングまたはフィルムを様々な基材上に形成し、包装するのに有用である。スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むいくつかの組成物は、スルホン化芳香族−芳香族コポリエステルのいくつかと同じように生分解性である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ゴミ埋立地に投入される都市固形廃棄物の処理が不十分であること、およびプラスチックを含めた非分解性材料が都市固形廃棄物の流れにますます加えられていることが合わさって、利用可能なゴミ埋立地の数が劇的に低減し、都市固形廃棄物の廃棄のコストが上昇している。廃棄物の流れの再使用できる成分を再生することは多くの場合望ましいが、再生のコスト、および材料を再生するのに必要とされる基盤は、時には法外に高い。さらに、再生の枠組みに容易に収まらない生成物もある。再生できない固形廃棄物の堆肥化は、ゴミ埋立てに使用する固形廃棄物の体積を削減し、かつ/または廃棄物から有用な生成物を作製して田畑および庭園の生産力を向上させる方法として認識され広まりつつある。このような堆肥を市場に出すことの限界の1つは、フィルムや繊維断片などの未分解のプラスチックによる目に見える汚染である。
【0002】
使い捨て生成物を製造するのに有用であり、かつ廃棄物堆肥化プロセスで通常は存在する条件下で汚染しない形に分解する成分を提供することは望ましい。このような条件には、70℃以下、平均すると55〜60℃の範囲の温度、100パーセント相対湿度という高い湿潤状態、何週間かまたは何か月かという暴露時間が含まれることがある。堆肥化する際に好気的/嫌気的に分解するだけでなく、土壌またはゴミ埋立地中で分解し続ける使い捨て成分を提供することはさらに望ましい。水が存在する限り、このような成分は、木材など天然の有機組成物が分解するように、微生物によって完全にバイオガス、バイオマス、および/または液体浸出物に最終的に生分解し得る低分子量断片に分解するはずである。
【0003】
包装に使用するための生分解性材料はよく知られている。生分解性フィルムも知られている。例えば、米国特許公報(特許文献1)は、可塑化再生セルロースフィルムを含むバリヤーフィルムの使用を開示している。米国特許公報(特許文献2)は、ポリ(ビニルアルコール)などの非生分解性マトリックス、および約40〜60重量パーセントのデンプンなどの生分解性材料を含む生分解性フィルムを開示している。
【0004】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、本明細書で使用する場合、脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸の混合物から誘導されるポリエステルを含み、さらに5−スルホイソフタル酸塩などのスルホン化モノマーを組み込む。0.1〜10モルパーセントのスルホン化芳香族モノマーを組み込む溶剤可溶性線状スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルの水性分散液が、米国特許公報(特許文献3)で開示されている。米国特許公報(特許文献4)は、0.1〜10モルパーセントのキシリレンスルホン化塩モノマーを含む繊維形成スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを開示し、米国特許公報(特許文献5)は、2〜12.5モルパーセントのスルホン化モノマーを組み込む線状水散逸性スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを開示している。
【0005】
周知のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル組成物は、一般に1モルパーセント超、より典型的には2モルパーセント超のスルホネート成分を有する。このような材料は、通常はいくつかの用途で不十分または望まれるものより低い熱特性を有することが判明している。高結晶融点、高ガラス転移温度、または両方などの高温特性を有するスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル組成物は、フィルム、コーティング、ラミネート、デュアルオーブン用食品トレーなどの最終用途では有利となるはずである。例えば、より高いレベルの結晶性および結晶化速度によって、ポリマーフィルム形成中のフィルムブロッキング(粘着)の低減など生成プロセスの簡素化、および成形造形品の生成における成形サイクル時間の短縮化を可能にすることができる。
【0006】
【特許文献1】米国特許第3,602,225号明細書
【特許文献2】米国特許第3,952,347号明細書
【特許文献3】米国特許第3,563,942号明細書
【特許文献4】米国特許第3,634,541号明細書
【特許文献5】米国特許第3,779,993号明細書
【特許文献6】米国特許第5,164,478号明細書
【特許文献7】米国特許第3,684,766号明細書
【特許文献8】米国特許第4,340,519号明細書
【特許文献9】米国特許第5,171,308号明細書
【特許文献10】米国特許第5,171,309号明細書
【特許文献11】米国特許第5,219,646号明細書
【特許文献12】米国特許第4,578,296号明細書
【特許文献13】米国特許第5,527,387号明細書
【特許文献14】米国特許第6,359,050号明細書
【特許文献15】米国特許第5,362,777号明細書
【特許文献16】米国特許第4,372,311号明細書
【特許文献17】米国特許第4,427,614号明細書
【特許文献18】米国特許第4,880,592号明細書
【特許文献19】米国特許第5,525,281号明細書
【特許文献20】カナダ特許第893,216号明細書
【特許文献21】米国特許第3,456,044号明細書
【特許文献22】米国特許第4,842,741号明細書
【特許文献23】米国特許第6,309,736号明細書
【特許文献24】米国特許第3,748,962号明細書
【特許文献25】米国特許第4,522,203号明細書
【特許文献26】米国特許第4,734,324号明細書
【特許文献27】米国特許第5,261,899号明細書
【特許文献28】米国特許第5,849,374号明細書
【特許文献29】米国特許第5,849,401号明細書
【特許文献30】米国特許第6,312,823号明細書
【特許文献31】米国特許第4,698,372号明細書
【特許文献32】米国特許第6,045,900号明細書
【特許文献33】国際公開第95/16562号パンフレット
【特許文献34】米国特許第4,626,252号明細書
【特許文献35】米国特許第5,073,316号明細書
【特許文献36】米国特許第3,303,628号明細書
【特許文献37】米国特許第3,674,626号明細書
【特許文献38】米国特許第5,011,735号明細書
【特許文献39】米国特許第3,835,618号明細書
【特許文献40】米国特許第3,950,919号明細書
【特許文献41】米国再発行特許第30,009号明細書
【特許文献42】米国特許第4,503,098号明細書
【特許文献43】米国特許第5,294,483号明細書
【特許文献44】米国特許第5,475,080号明細書
【特許文献45】米国特許第5,611,859号明細書
【特許文献46】米国特許第5,795,320号明細書
【特許文献47】米国特許第6,183,814号明細書
【特許文献48】米国特許第6,197,380号明細書
【特許文献49】米国特許第3,378,424号明細書
【特許文献50】米国特許第4,117,971号明細書
【特許文献51】米国特許第4,168,676号明細書
【特許文献52】米国特許第4,180,844号明細書
【特許文献53】米国特許第4,211,339号明細書
【特許文献54】米国特許第4,283,189号明細書
【特許文献55】米国特許第5,078,313号明細書
【特許文献56】米国特許第5,281,446号明細書
【特許文献57】米国特許第5,456,754号明細書
【特許文献58】米国特許第3,924,013号明細書
【特許文献59】米国特許第4,836,400号明細書
【特許文献60】国際公開第00/01530号パンフレット
【特許文献61】米国特許第3,137,592号明細書
【特許文献62】米国特許第4,673,438号明細書
【特許文献63】米国特許第4,863,655号明細書
【特許文献64】米国特許第5,035,930号明細書
【特許文献65】米国特許第5,043,196号明細書
【特許文献66】米国特許第5,095,054号明細書
【特許文献67】米国特許第5,300,333号明細書
【特許文献68】米国特許第5,413,855号明細書
【特許文献69】米国特許第5,512,090号明細書
【特許文献70】米国特許第6,106,753号明細書
【特許文献71】米国特許第6,030,673号明細書
【特許文献72】米国特許第4,957,578号明細書
【特許文献73】米国特許第5,868,309号明細書
【特許文献74】米国特許第4,343,858号明細書
【特許文献75】米国特許第4,455,184号明細書
【特許文献76】米国特許第4,543,280号明細書
【特許文献77】米国特許第4,900,594号明細書
【特許文献78】米国特許第4,147,836号明細書
【特許文献79】米国特許第5,679,201号明細書
【特許文献80】米国特許第6,071,577号明細書
【特許文献81】米国特許第3,863,832号明細書
【特許文献82】米国特許第3,866,816号明細書
【特許文献83】米国特許第4,337,116号明細書
【特許文献84】米国特許第4,456,164号明細書
【特許文献85】米国特許第4,698,246号明細書
【特許文献86】米国特許第4,701,360号明細書
【特許文献87】米国特許第4,789,575号明細書
【特許文献88】米国特許第4,806,399号明細書
【特許文献89】米国特許第4,888,222号明細書
【特許文献90】米国特許第5,002,833号明細書
【特許文献91】米国特許第4,130,234号明細書
【特許文献92】米国特許第2,590,221号明細書
【特許文献93】米国特許第4,611,456号明細書
【特許文献94】米国特許第4,862,671号明細書
【特許文献95】米国特許第3,932,105号明細書
【特許文献96】米国特許第3,957,558号明細書
【特許文献97】米国特許第4,337,116号明細書
【特許文献98】米国特許第4,124,434号明細書
【特許文献99】米国特許第4,200,481号明細書
【特許文献100】米国特許第4,257,530号明細書
【特許文献101】米国特許第3,657,044号明細書
【特許文献102】米国特許第4,092,201号明細書
【特許文献103】米国特許第2,183,869号明細書
【特許文献104】米国特許第2,704,493号明細書
【特許文献105】米国特許第3,185,370号明細書
【特許文献106】米国特許第4,026,458号明細書
【特許文献107】米国特許第2,434,106号明細書
【特許文献108】米国特許第2,510,908号明細書
【特許文献109】米国特許第2,628,180号明細書
【特許文献110】米国特許第2,917,217号明細書
【特許文献111】米国特許第2,975,093号明細書
【特許文献112】米国特許第3,112,235号明細書
【特許文献113】米国特許第3,135,648号明細書
【特許文献114】米国特許第3,616,197号明細書
【特許文献115】米国特許第3,697,369号明細書
【特許文献116】米国特許第4,016,327号明細書
【特許文献117】米国特許第4,352,925号明細書
【特許文献118】米国特許第5,037,700号明細書
【特許文献119】米国特許第5,132,391号明細書
【特許文献120】米国特許第5,942,295号明細書
【特許文献121】米国特許第4,722,474号明細書
【特許文献122】米国特許第5,110,390号明細書
【特許文献123】国際公開第96/38282号パンフレット
【特許文献124】国際公開第97/00284号パンフレット
【特許文献125】米国特許第4,132,707号明細書
【特許文献126】米国特許第4,145,466号明細書
【特許文献127】米国特許第4,999,388号明細書
【特許文献128】米国特許第5,000,991号明細書
【特許文献129】米国特許第5,110,844号明細書
【特許文献130】米国特許第5,128,383号明細書
【特許文献131】米国特許第5,134,028号明細書
【特許文献132】米国特許第5,116,881号明細書
【特許文献133】米国特許第4,626,183号明細書
【特許文献134】米国特許第4,746,478号明細書
【特許文献135】米国特許第5,000,844号明細書
【特許文献136】米国特許第4,761,256号明細書
【非特許文献1】R.ストルベック(R.Storbeck)ら、応用高分子科学誌(J.Appl.Polymer Science)、第59巻、1199〜1202頁(1996年)
【非特許文献2】カークオスマー工業化学百科事典(Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)、第3版、第11巻、82〜145頁(1980)、ジョンウィリーアンドサンズ(John Wiley and Sons,Inc.)、ニューヨーク州ニューヨーク(New York,N.Y.)
【非特許文献3】ポリマーサイエンスとテクノロジー百科事典(Encyclopedia of Polymer Science and Engineering)、第2版、第2巻、434〜446頁(1985)、ジョンウィリーアンドサンズ(John Wiley and Sons,Inc.)、ニューヨーク州ニューヨーク(New York,N.Y.)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、周知のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルに比べて、スルホン化レベルが低減されたスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを提供する。本明細書で開示するスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、主として、かつ好ましくは実質的にエチレングリコールであるグリコール成分を含む。本明細書で開示するスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、コポリエステルを他の材料とブレンドする必要なしに、ある用途で有利または最適である物理的諸特性を有する。特に、本明細書で開示するスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、周知のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルに比べて向上したレベルの結晶性を提供する。
【0008】
本発明の一態様は、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、およびそのコポリエステルの生成方法を提供する。スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、酸成分、グリコール成分、および酸成分100モルパーセントを基準にして多官能性分枝剤0〜約5.0モルパーセントを含む。酸成分は、約97.95〜約20.0モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分、約2.0〜約79.95モルパーセントの脂肪族ジカルボン酸成分、および約0.05〜約0.75モルパーセントのスルホネート成分(モル百分率は全酸成分100モルパーセントに対するものである)を含む。グリコール成分は、約100〜約95.0モルパーセントの第1のグリコール成分であるエチレングリコール、および0〜約5.0モルパーセントの第2のグリコール成分(モル百分率は全グリコール成分100モルパーセントに対するものである)を含む。多官能性分枝剤は、多官能性酸、グリコール、またはその混合物を含む。いくつかの実施形態では、コポリエステルは、1つまたは複数の充填剤を含有する。いくつかの実施形態では、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは生分解性である。
【0009】
本発明の別の態様は、本発明のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルから生成された造形品、およびその物品の生成方法を提供する。
【0010】
本発明の別の態様は、本発明のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルから生成されたフィルムを提供する。いくつかの実施形態では、フィルムを一軸配向する。いくつかの実施形態では、フィルムを二軸配向する。
【0011】
本発明の別の態様は、本発明のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含む配向フィルムの生成方法を提供する。いくつかの実施形態では、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは充填剤を含有する。フィルムを例えば一軸配向または二軸配向することができる。いくつかの実施形態では、フィルムを食品ラップなどの包装用途で使用する。
【0012】
本発明の別の態様は、本発明のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルのフィルムをその上に積層した基材を含む物品を提供する。適切な基材には、例えば紙、板紙、無機フォーム、有機フォーム、無機−有機フォームが含まれる。本発明の別の態様は、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルをその上に積層した基材を含む物品の生成方法を提供する。
【0013】
本発明の別の態様は、本発明のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルをコートさせた基材を含む。いくつかの実施形態では、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは充填剤を含有する。いくつかの実施形態では、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むコート基材を、食品包装および他の外食物品など包装で使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、そのスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルからの物品、ならびにそのコポリエステルおよびその物品の生成方法を提供する。スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルから作製される好ましい物品は、フィルム、コーティング、ラミネートの形である。スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むフィルム、コーティングおよびラミネートを、例えば紙、板紙、無機フォーム、有機フォーム、および無機−有機フォームなどの基材上に被着することができる。スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むラミネートを、食品包装最終用途のため、特にラップ、カップ、椀、および皿などの使い捨て食品包装のため、例えば紙、板紙、無機フォーム、有機フォーム、無機−有機フォームなどの基材上に被着することができる。
【0015】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、酸成分、グリコール成分、および酸成分100モルパーセントを基準にして多官能性分枝剤0〜約5.0モルパーセントを含む。酸成分は、約97.95〜約20.0モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分、約2.0〜約79.95モルパーセントの脂肪族ジカルボン酸成分、および約0.05〜約0.75モルパーセントのスルホネート成分(モル百分率は全酸成分100モルパーセントに対するものである)を含む。グリコール成分は、約100〜約95.0モルパーセントの第1のグリコール成分であるエチレングリコール、および0〜約5.0モルパーセントの第2のグリコール成分(モル百分率は全グリコール成分100モルパーセントに対する物である)を含む。多官能性分枝剤は、多官能性酸、グリコール、またはその混合物を含む。
【0016】
芳香族ジカルボン酸成分は、8個の炭素〜20個の炭素を有する無置換および置換芳香族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸のグリコレートエステル、および芳香族ジカルボン酸の低級アルキルエステルから選択される。望ましいジカルボン酸の例には、テレフタル酸類、イソフタル酸類、ナフタル酸類および二安息香酸類(bibenzoate)から誘導されたものが含まれる。芳香族ジカルボン酸成分として使用するのに望ましいジカルボン酸の具体例には、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、イソフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタル酸ジメチル、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタル酸ジメチル、3,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、3,4’ジフェニルエーテルジカルボン酸ジメチル、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸ジメチル、3,4’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸、3,4’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸ジメチル、4,4’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルフィドジカルボン酸ジメチル、3,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、3,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸ジメチル、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸ジメチル、3,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、3,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸ジメチル、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸ジメチル、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタル酸ジメチル、4,4’−メチレンビス(安息香酸)、4,4’−メチレンビス(安息香酸)ジメチル、およびそれから誘導される混合物が含まれる。芳香族ジカルボン酸成分は、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタル酸ジメチル、またはその混合物から選択されることが好ましい。本質的に任意の芳香族ジカルボン酸を使用することができる。スルホン化ポリエステル組成物は、約80〜約50モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分を含むことが好ましい。
【0017】
脂肪族ジカルボン酸成分は、2〜36個の炭素原子を有する無置換、置換、線状および分枝の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸のグリコレートエステル、および脂肪族ジカルボン酸の低級アルキルエステルから選択される。望ましい脂肪族ジカルボン酸成分の具体例には、シュウ酸、シュウ酸ジメチル、マロン酸、マロン酸ジメチル、コハク酸、コハク酸ジメチル、メチルコハク酸、グルタル酸、グルタル酸ジメチル、2−メチルグルタル酸、3−メチルグルタル酸、アジピン酸、アジピン酸ジメチル、3−メチルアジピン酸、2,2,5,5−テトラメチルヘキサン二酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アゼライン酸ジメチル、セバシン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、ウンデカン二酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、ヘキサデカン二酸、ドコサン二酸、テトラコサン二酸、ダイマー酸など、およびそれから誘導された混合物が含まれる。脂肪族ジカルボン酸成分は、コハク酸、コハク酸ジメチル、グルタル酸、グルタル酸ジメチル、アジピン酸、アジピン酸ジメチル、およびその混合物から選択されることが好ましい。本質的に任意の脂肪族ジカルボン酸を使用することができる。コポリエステルの酸成分は、約20〜約50モルパーセントの脂肪族ジカルボン酸成分を含むことが好ましい。
【0018】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、約0.05〜約0.75モルパーセントのスルホネート基を含む。スルホネート基を脂肪族または芳香族モノマーに組み込むことができる。また、スルホネート成分をポリマーの主鎖に、あるいは末端基として組み込むことができる。脂肪族スルホネート成分の例には、スルホコハク酸の金属塩が含まれる。有用な末端基である芳香族スルホネート成分の例には、3−スルホ安息香酸、4−スルホ安息香酸、および5−スルホサリチル酸の金属塩が含まれる。スルホン酸塩基を芳香族ジカルボン酸に結合させたスルホネート成分が好ましい。芳香族ジカルボン酸は、芳香族核として、例えばベンゼン、ナフタレン、ジフェニル、オキシジフェニル、スルホニルジフェニル、メチレンジフェニルを含むことができる。スルホネート成分は、スルホネート置換フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸の残基であることが好ましい。スルホネート成分は、5−スルホイソフタル酸の金属塩、または5−スルホイソフタル酸低級アルキルエステルであることがより好ましい。金属塩は、例えば一価または多価のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、または他の金属イオンとすることができる。アルカリ金属イオンは、ナトリウム、カリウム、またはリチウムであることが好ましい。しかし、マグネシウムなどのアルカリ土類金属も有用である。他の有用な金属イオンには、亜鉛、コバルト、または鉄などの遷移金属イオンが含まれる。多価金属イオンは、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルの溶融粘度の増大が望まれる場合有利になり得る。このような溶融粘度の向上が有用であると判明し得る最終用途の例には、溶融押出コーティング、メルトブローン容器またはフィルム、およびフォームが含まれる。スルホ基は0.05モルパーセントというわずかでも、得られるフィルムまたはコーティングの生分解性および表面特性に大いに寄与する。スルホ基を含む成分の量は、酸成分100モルパーセントを基準にして約0.1〜0.75モルパーセントであることが好ましい。
【0019】
本発明のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルのグリコール成分の第1のグリコール成分は、主として、かつ好ましくは実質的にエチレングリコールである。
【0020】
第2のグリコール成分は、2個の炭素原子〜36個の炭素原子を有する無置換、置換、直鎖、分枝、環状の脂肪族、脂肪族−芳香族および芳香族ジオールから選択される1つまたは複数のグリコールを含む。望ましい第2のグリコール成分の具体例には、1,3−プロパンジール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、ダイマージオール、4,8−ビス(ヒドロキシメチル)−トリシクロ[5.2.1.0/2.6]デカン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、イソソルビド、ジ(エチレングリコール)、トリ(エチレングリコール)、分子量が約500〜約4000の範囲内であるポリ(アルキレンエーテル)グリコール、例えばポリ(エチレングリコール)、ポリ(1,3−プロピレングリコール)、ポリ(1,4−ブチレングリコール)、(ポリテトラヒドロフラン)、ポリ(ペンタメチレングリコール)、ポリ(ヘキサメチレングリコール)、ポリ(ヘプタメチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)−ブロック−ポリ(プロピレングリコール)−ブロック−ポリ(エチレングリコール)、4,4’−イソプロピリデンジフェノールエトキシレート(ビスフェノールAエトキシレート)、4,4’−(1−フェニルエチリデン)ビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールAPエトキシレート)、4,4’−エチリデンビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールEエトキシレート)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタンエトキシレート(ビスフェノールFエトキシレート)、4,4’−(1,3−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールMエトキシレート)、4,4’−(1,4−フェニレンジイソプロピリデン)ビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールPエトキシレート)、4,4’スルホニルジフェノールエトキシレート(ビスフェノールSエトキシレート)、および4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノールエトキシレート(ビスフェノールZエトキシレート)が含まれる。本質的に他の周知のいかなるグリコールも使用することができる。
【0021】
オプションの多官能性分枝剤は、カルボン酸官能基、ヒドロキシ官能基、およびその混合物から選択される3つ以上の官能基を有する任意の材料とすることができる。多官能性分枝剤の具体例には、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物(無水トリメリット酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(無水ピロメリット酸)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、クエン酸、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸、1,3,5−シクロヘキサントリカルボン酸、ペンタエリトリトール、グリセロール、2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸など、およびそれからの混合物が含まれる。3つ以上のカルボン酸またはヒドロキシル官能基を含む任意の多官能性材料を使用することができる。多官能性分枝剤は、例えば特定の最終用途でより高い樹脂溶融粘度が望まれる場合に含むことができる。このような最終用途の例には、溶融押出コーティング、メルトブローンフィルムまたはコーティング、フォームなどが含まれる。多官能性分枝剤を使用する場合、コポリエステルは、全酸成分100モルパーセントを基準にして1.0モルパーセントまでの多官能性分枝剤を含むことが好ましい。
【0022】
コポリエステルの分子量は直接測定することができるが、溶液中のコポリエステルの内部粘度、または溶融粘度を分子量の指標として使用することが好ましい。分子量の指標として内部粘度は、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)などのポリマーファミリー内のポリマーを比較する際に特に有用であり、本明細書で分子量の指標として使用する。所望の物理的諸特性を得るために、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、トリフルオロ酢酸:ジクロロメタン溶媒系の50:50(重量)溶液に溶かしたコポリエステルの0.5パーセント(重量/体積)溶液を室温で測定して、少なくとも約0.15dL/gの内部粘度を有することが好ましい。いくつかの用途では、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルの内部粘度(IV)は、少なくとも0.35dL/gであることが好ましい。より高い内部粘度は、フィルム、ボトル、シート、成形用樹脂など他のある種の用途に望ましい。重合条件は、少なくとも約0.5まで、望ましくは0.65dL/g超の所望の内部粘度を得るように調整することができる。コポリエステルをさらに処理すると、内部粘度が0.7、0.8、0.9、1.0、1.5、2.0dL/g、さらにはより高くなることがある。
【0023】
本発明のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエーテルエステルは、ジカルボン酸およびグリコールをほぼ化学量論量で組み込むことが好ましい。これは、最終ポリマーに組み込まれた全二酸が全グリコール100モルパーセントを基準にして95〜105モルパーセントの範囲であることが好ましい。これは、最終ポリマーに組み込まれた全二酸が全グリコール100モルパーセントを基準にして98〜102モルパーセントの範囲であることがより好ましい。
【0024】
コポリエステルは、通常の重縮合プロセスによって調製することができる。スルホン化脂肪族−芳香族スルホン化コポリエステルの組成、特にコポリエステル内に存在するジオールの量に関しては、いくぶんかは使用する調製方法に応じて異なる。適切な重縮合プロセスは、ジオールモノマーと酸塩化物の反応を含む。例えば、芳香族ジカルボン酸成分の酸塩化物、脂肪族ジカルボン酸成分の酸塩化物、およびスルホネート成分の酸塩化物を、エチレングリコールおよび第2のグリコール成分とトルエンなどの溶媒中で、生成される塩酸を中和するピリジンなどの塩基の存在下で組み合わせることができる。このような手順は、例えば(非特許文献1)によって開示されている。界面重合など酸塩化物を使用する他のよく知られている方法も使用することができ、あるいは単にモノマーを加熱しながら共に撹拌することができる。
【0025】
酸塩化物を使用してポリマーを作製する場合、製品ポリマー中のモノマー単位の比は、一般に反応モノマーの比とほぼ同じである。したがって、反応器に仕込むモノマーの比は、コポリエステル中の所望の比とほぼ同じである。化学量論的に等量のジオール成分と二酸成分を一般に使用して、高分子量ポリマーを得る。
【0026】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを溶融重合方法によって生成することが好ましい。溶融重合方法では、芳香族ジカルボン酸成分(酸、エステル、またはその混合物として)、脂肪族ジカルボン酸成分(酸、エステル、またはその混合物として)、スルホネート成分、エチレングリコール、第2のグリコール成分、および任意選択的に多官能性分枝剤を触媒の存在下で組み合わせ、そのモノマーを組み合わせて、エステルおよびジエステル、次いでオリゴマー、最終的にポリマーを形成するのに十分に高い温度まで加熱する。重合プロセスの最後のポリマー生成物は、溶融している。一般に、エチレングリコールおよび第2のグリコール成分は揮発性であり、および重合が進行するにつれて反応器から蒸留される。このような手順は周知である。
【0027】
溶融重合条件、特に使用するモノマーの量は、望まれているポリマー組成物に応じて異なる。エチレングリコール、第2のグリコール成分、芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族ジカルボン酸成分、スルホネート化合物、および分枝剤の量は、最終ポリマー生成物が様々なモノマー単位を所望の量で、望ましくはジオールおよび二酸成分それぞれから誘導されたモノマー単位を等モル量で含むように選択される。モノマーのいくつか、特にいくつかの第2のグリコール成分およびエチレングリコール成分が揮発性であるため、かつ反応器が封止されている(すなわち、加圧下である)かどうか、重合温度ランプ速度、ポリマーを合成する際に使用される蒸留塔の効率などの変数に応じて、モノマーのいくつかは、重合反応の初期には過剰に含まれ、反応が進行するにつれて蒸留によって除去され得る。これは、第2のグリコール成分、およびエチレングリコール成分について特に真実である。
【0028】
特定の反応器に仕込むべきモノマーの正確な量は、当業者によって決定することができるが、しばしば以下の範囲となる。過剰の二酸、エチレングリコール成分、およびその他のグリコールを仕込むことがしばしば望ましく、過剰の二酸、エチレングリコール、およびその他のグリコールを、重合反応が進行するにつれて蒸留または他の方法の蒸発によって除去することが望ましい。エチレングリコールを、最終ポリマー中で望まれている量よりも10〜100パーセント多く仕込むことが望ましい。エチレングリコール成分を、最終ポリマー中で望まれている量よりも20〜70パーセント多く仕込むことがより好ましい。第2のグリコール成分は、第2のグリコール成分の正確な揮発性に応じて、最終生成物中で望まれている量よりも0〜100パーセント多く仕込むことが望ましい。
【0029】
モノマーに与えられる範囲の幅広さは、蒸留塔、ならびに他の種類の回収および再生システムなどのの効率に応じた重合中のモノマー損失の幅広さに起因している。したがって、範囲は単に概数である。特定の組成物を実現するために特定の反応器に仕込まれるモノマーの正確な量は、当業者によって決定することができる。
【0030】
重合プロセスでは、モノマーを組み合わせ、触媒または触媒混合物の存在下で混合しながら、230C〜約300C、好ましくは250C〜295Cの範囲の温度に徐々に加熱する。正確な条件および触媒は、二酸を真の酸またはジメチルエステルとして重合するかどうかによって異なる。触媒は反応物質とともに最初から含み、かつ/または加熱するとき、1つまたは複数の回数で混合物に添加することができる。反応が進行するにつれて、使用された触媒を改質することができる。十分な温度に十分な時間、加熱および撹拌を継続し、一般に過剰の反応物質の蒸留によって除去して、二次加工生成物を作製するのに適した十分に高分子量の溶融ポリマーを得る。
【0031】
適切な触媒には、酢酸塩などLi、Ca、Mg、Mn、Zn、Pb、Sb、Sn、GeおよびTiの塩;グリコール付加物およびTiアルコキシドを含めて酸化物が含まれる。このような触媒は当業者に周知であり、使用する特定の触媒、または組合せ、または一連の触媒を当業者によって選択することができる。好ましい触媒および好ましい条件は、例えば二酸モノマーを遊離の二酸またはジメチルエステルとして重合するかどうか、およびグリコール成分の正確な化学的同一性に応じて異なる。本質的に周知の任意の触媒系を使用することができる。
【0032】
ポリマーを作製する際に使用するモノマー組成物を、特定の使用および特定の一連の特性のために選択する。当業者が理解するように、ポリマーで観察される正確な熱特性は、コポリエステルを作製する際に利用する各成分の化学的同一性、およびレベルによって影響を受ける。
【0033】
多数の用途に適した内部粘度を有するポリマーは、上記の溶融縮合プロセスによって作製することができる。固相重合を使用して、さらに高い内部粘度(分子量)を実現することができる。
【0034】
押出、冷却、およびペレット化した後、溶融重合することによって作製されたポリマーは、本質的に非結晶質となることがある。非結晶質材料を、ガラス転移温度を超える温度に長期間加熱することによって半結晶質とすることができる。これは、結晶化を誘導し、したがって、次いで生成物をより高い温度に加熱して、分子量を増大させる。ポリマーを、結晶化を誘導するポリエステル用の比較的貧溶媒で処理することによって固相重合の前に結晶化することもできる。ポリエステルに関して、溶媒によって誘導される結晶化は周知であり、米国特許公報(特許文献6)および米国特許公報(特許文献7)に記載されている。ペレット化または粉末化ポリマーを、不活性ガス、通常は窒素の流れに、または1トールの真空下に、ポリマーの融点より低いものの高温に長期間置くことによって、この半結晶質ポリマーを固相重合にかける。
【0035】
周知の添加剤を、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル中に使用することができる。添加剤は、無毒性、生分解性、および生物学的に良性であることが好ましい。このような添加剤には、熱安定剤、例えばフェノール系酸化防止剤、第2の熱安定剤、例えばチオエーテルおよびホスフィット、紫外線吸収剤、例えばベンゾフェノン−およびベンゾトリアゾール誘導体、紫外線安定剤、例えばヒンダードアミン光安定化剤(HALS)などが含まれる。他の有用な添加剤には、可塑剤、処理助剤、流れ強化添加剤、滑沢剤、顔料、難燃剤、耐衝撃性改良剤、結晶性を増大させる造核剤、シリカなどのブロッキング防止剤、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの塩基緩衝剤(例えば、米国特許公報(特許文献5)、米国特許公報(特許文献8)、米国特許公報(特許文献9)、米国特許公報(特許文献10)、米国特許公報(特許文献11)、およびそこで引用された文献に記載)などが含まれる。添加して、処理用の最終機械的諸特性を改善する、あるいはフィルム、コーティング、およびラミネートがたてる音を低減することができる可塑剤の具体例には、大豆油、エポキシ化大豆油、トウモロコシ油、ヒマシ油、アマニ油、エポキシ化アマニ油、鉱物油、アルキルリン酸エステル、ツィーン(Tween)(登録商標)20、ツィーン(Tween)(登録商標)40、ツィーン(Tween)(登録商標)60、ツィーン(Tween)(登録商標)80、ツィーン(Tween)(登録商標)85、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンモノステアレート;クエン酸トリメチル、クエン酸トリエチル(ノースカロライナ州グリーンズボロのモルフレックス(Morflex, Inc., Greensboro, NC)製シトロフレックス(Citroflex)(登録商標)2)、クエン酸トリブチル(ノースカロライナ州グリーンズボロのモルフレックス(Morflex, Inc., Greensboro, NC)製シトロフレックス(Citroflex)(登録商標)4)、クエン酸トリオクチル、クエン酸アセチルトリ−n−ブチル(ノースカロライナ州グリーンズボロのモルフレックス(Morflex, Inc., Greensboro, NC)製シトロフレックス(Citroflex)(登録商標)A−4)、クエン酸アセチルトリエチル(ノースカロライナ州グリーンズボロのモルフレックス(Morflex, Inc., Greensboro, NC)製シトロフレックス(Citroflex)(登録商標)A−2)、クエン酸アセチルトリ−n−ヘキシル(ノースカロライナ州グリーンズボロのモルフレックス(Morflex, Inc., Greensboro, NC)製シトロフレックス(Citroflex)(登録商標)A−6)、クエン酸ブチリルトリ−n−ヘキシル(ノースカロライナ州グリーンズボロのモルフレックス(Morflex, Inc., Greensboro, NC)製シトロフレックス(Citroflex)(登録商標)B−6)などのクエン酸エステル;酒石酸ジメチル、酒石酸ジエチル、酒石酸ジブチル、酒石酸ジオクチルなどの酒石酸エステル;ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)誘導体、パラフィン;6−O−ステリルグルコピラノシドなどのモノアシル炭水化物、モノステアリン酸グリセリン、マイバプレックス(Myvaplex)(登録商標)600(濃縮モノステアリン酸グリセロール)、ニバプレックス(Nyvaplex)(登録商標)(水添大豆油から生成された最低90%の蒸留モノグリセリドであり、主としてステアリン酸エステルから構成される濃縮モノステアリン酸グリセロール)、マイバセット(Myvacet)(変性脂肪の蒸留アセチル化モノグリセリド)、マイバセット(Myvacet)(登録商標)507(48.5〜51.5パーセントアセチル化)、マイバセット(Myvacet)(登録商標)707(66.5〜69.5パーセントアセチル化)、マイバセット(Myvacet)(登録商標)908(最低96パーセントアセチル化)、マイベロール(Myverol)(登録商標)(濃縮モノステアリン酸グリセリン)、アクラワックス(Acrawax)(登録商標)、N,N−エチレンビス−ステアルアミド、N,N−エチレンビス−オレアミド、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソブチル、二安息香酸ジエチレングリコール、二安息香酸ジプロピレングリコール;ポリ(1,6−ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(エチレンアジペート)、ルコフレックス(Rucoflex)(登録商標)、および他の相溶性低分子量ポリマーなどのポリマー可塑剤など、ならびにその混合物が含まれる。可塑剤は、無毒性、生分解性、および/または生物由来であることが好ましい。本質的に周知の任意の添加剤を使用することができる。
【0036】
さらに、組成物を、例えば木粉、石膏、タルク、マイカ、カーボンブラック、ウォラストナイト、モンモリロナイト鉱物、チョーク、珪藻土、砂、砂礫、砕石、ボーキサイト、石灰石、砂岩、エーロゲル、キセロゲル、マイクロスフェア、多孔質セラミック球体、二水石膏、アルミン酸カルシウム、炭酸マグネシウム、セラミック材料、シリカ材料、ジルコニウム化合物、ゾノトライト(結晶質ケイ酸カルシウムゲル)、パーライト、バーミキュライト、水和または非水和の水硬セメント粒子、軽石、パーライト、ゼオライト、カオリン;有機粘土や、シランおよびステアリン酸で表面処理してコポリエステルマトリックスとの接着を向上させた粘土など、天然および合成の粘土と処理および非処理の粘土とを含めた粘土充填剤;スメクタイト粘土、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト粘土、ヘクトライト粘土、酸化ケイ素、テレフタル酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化鉄、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、フッ化リチウム、ポリマー粒子、粉末金属、パルプ粉末、セルロース、デンプン、化学変性デンプン、熱可塑性デンプン、リグニン粉末、小麦、キチン、キトサン、ケラチン、グルテン、堅果殻粉、木粉、トウモロコシ穂軸粉、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、ガラスビーズ、中空ガラスビーズ、シーゲル、コルク、種子、ゼラチン、木粉、のこ屑、寒天系材料、ガラス繊維などの補強剤、サイザル、麻、綿、羊毛、木材、亜麻、マニラ麻、サイザル、ラミー、バガス、セルロース繊維などの天然繊維、炭素繊維、黒鉛繊維、シリカ繊維、セラミック繊維、金属繊維、ステンレス鋼繊維;例えば再パルプ化操作からの再生紙繊維など、無機、有機、および粘土の充填剤で充填することができる。充填剤は、ヤング率を増大し、永久折り目特性を改善し、フィルム、コーティング、またはラミネートの剛性を改善し、コストを削減し、フィルム、コーティング、またはラミネートの処理または使用中に粘着または自己粘着するという傾向を低減する傾向があり得る。例えば、ミヤザキ(Miyazaki)らが米国特許公報(特許文献12)で開示しているように、充填剤の使用によって、質感や手触りなどの紙質を有するプラスチック物品が生成されることも判明している。添加剤、充填剤、またはブレンド材料を、重合プロセスの前に、重合プロセス中の任意の段階で、または後重合プロセスとして添加することができる。ポリエステルで使用するので知られている任意の充填剤材料を使用することができる。
【0037】
粘土充填剤には、有機粘土や、シランおよびステアリン酸で表面処理してコポリエステルマトリックスとの接着を向上させた粘土など、天然および合成の粘土と処理および非処理の粘土とが含まれる。具体的な使用できる粘土材料には、例えばカオリン、スメクタイト粘土、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト粘土、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土など、およびその混合物が含まれる。粘土を界面活性剤などの有機材料で処理して、有機親和性にすることができる。使用できる市販粘土充填剤の具体例には、ゲルホワイト(Gelwhite)MAS100、サザンクレイ社(Southern Clay Company)の商品;クレイトン(Claytone)2000、サザンクレイ社(Southern Clay Company)の商品;ゲルホワイト(Gelwhite)L、サザンクレイ社(Southern Clay Company)の商品;クロイサイト(Cloisite)30B、サザンクレイ社(Southern Clay Company)の商品;クロイサイト(Cloisite)Na、サザンクレイ社(Southern Clay Company)の商品;ガラマイト(Garamite)1958、サザンクレイ社(Southern Clay Company)の商品;ラポニテ(Laponite)RDS、サザンクレイ社(Southern Clay Company)の商品;ラポニテ(Laponite)RD、サザンクレイ社(Southern Clay Company)の商品;ナノコール社(Nanocor Company)の商品であるナノマー(Nanomer);ナノマー(Nanomer)1.24TL、ナノコール社(Nanocor Company)の商品;ナノコール社(Nanocor Company)の商品である「Pシリーズ」ナノマー(Nanomer);ポリマーグレード(PG)モンモリロナイトPGW、ナノコール社(Nanocor Company)の商品;ポリマーグレード(PG)モンモリロナイトPGA、ナノコール社(Nanocor Company)の商品;ポリマーグレード(PG)モンモリロナイトPGV、ナノコール社(Nanocor Company)の商品;ポリマーグレード(PG)モンモリロナイトPGN、ナノコール社(Nanocor Company)の商品など、およびその混合物が含まれる。周知の任意の粘土充填剤を使用することができる。
【0038】
望ましい粘土充填剤のいくつかは、ナノコンポジットを提供するプロセスによって剥離することがある。これは、特にスメクタイト粘土、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト粘土、モンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土などの層状シリケート粘土の場合真実である。上記に述べるように、このような粘土は天然または合成、処理または非処理とすることができる。最終の充填スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル中の粘土粒径は、広範囲内とすることができる。
【0039】
充填剤の粒径は、広範囲内とすることができる。当業者によって認識されるように、充填コポリエステル組成物の所望の使用に応じて、充填剤粒径を調整することができる。充填剤の平均直径は、約40ミクロン未満であることが好ましい。充填剤の平均直径は、約20ミクロン未満であることがより好ましい。しかし、充填剤は、40メッシュ(US標準)までまたはそれ以上の範囲のサイズの粒子を含むことができる。充填剤粒径の混合物を利用できることも有利である。例えば、約5ミクロンと約0.7ミクロンの平均粒径を有する炭酸カルシウム充填剤の混合物は、充填剤のより良好な空間充填をコポリエステルマトリックス内にもたらすことができる。2つ以上の充填剤粒径を使用すると、一群の大きい粒子間の空間を一群のより小さい充填剤粒子で実質的に占める改善された粒子充填物が可能になる。一般に、第1の粒径を有する一組の粒子を、第1の粒径より少なくとも約2倍大きいかまたは小さい第2の粒径を有する別の一組の粒子と混合する場合はいつでも、粒子充填物は増大する。第2の組の粒径が第1の組の粒径の約3〜10倍である場合はいつでも、2種粒子システムの場合の粒子充填物密度は最大になる。同様に、3つ以上の異なる組の粒子を使用して、粒子充填物密度をさらに増大することができる。充填物の最適の程度は、例えば熱可塑性相と固体充填剤相の両方の様々な成分のタイプおよび濃度、使用するフィルム、コーティングまたはラミネートプロセス、ならびに製造対象の最終生成物の所望の機械的、熱的、および他の性能特性などいくつかの要因に応じて異なる。アンデルセン(Andersen)らは米国特許公報(特許文献13)で粒子充填物技法を開示している。上記の粒子充填物技法に基づいて充填剤粒径の混合物を組み込む充填剤濃縮物は、シャルマン社(Shulman Company)から商標名ペーパーマッチ(Papermatch)(登録商標)で市販されている。
【0040】
充填剤を、ポリマーの重合中の任意の段階で、または重合が終了した後、ポリマーに添加することができる。例えば、充填剤をコポリエステルモノマーとともに重合プロセスの開始時に添加して、充填剤の適切な分散をポリエステルマトリックス内にもたらすことができ、これは例えばシリカおよび二酸化チタン充填剤の場合好ましい。あるいは、充填剤を、重合の中間段階、例えば初期縮合物を重合容器に入れるとき添加することができる。さらに別の代替形態として、コポリエステルを重合装置から出した後、充填剤を添加することができる。例えば、コポリエステルを、スタティックミキサや単軸もしくは二軸押出機など任意の強力混合操作に溶融送入し、充填剤と配合することができる。
【0041】
充填コポリエステルを生成するさらに別の方法として、コポリエステルを、その後の後重合プロセスで充填剤と組み合わせることができる。通常は、このようなプロセスは、溶融コポリエステルを充填剤と強力混合することを含む。強力混合は、スタティックミキサ、ブラベンダーミキサ、単軸押出機、二軸押出機などによって提供することができる。典型的なプロセスでは、コポリエステルを乾燥する。次いで、乾燥コポリエステルを充填剤と混合することができる。あるいは、コポリエステルおよび充填剤を、別々の2つのフィーダから共送入することができる。押出プロセスでは、コポリエステルおよび充填剤を、通常は押出機の後方送入セクションに送入する。しかし、コポリエステルおよび充填剤を、押出機の別々の2つの場所に送入できることは有利である。例えば、充填剤を押出機の前方のダイプレート近くで送入(「側方充填」)しながら、コポリエステルを押出機の後方送入セクションに添加することができる。押出機温度分布を、コポリエステルが処理条件下で溶融することが可能になるように設定する。スクリュー設計も、溶融コポリエステルを充填剤と混合するとき、応力、次いで熱を樹脂にもたらす。充填剤中で溶融混合するこのようなプロセスは、例えばドーラー(Dohrer)らによって米国特許公報(特許文献14)に開示されている。あるいは、下記に記載するように、フィルムおよびコーティングの形成中に、充填剤をポリエステルとブレンドすることができる。
【0042】
コポリエステルを、他のポリマー材料とブレンドすることができる。材料は、生分解性もしくは非生分解性、天然由来、変性天然由来、および/または合成とすることができる。
【0043】
ブレンドできる生分解性材料の例には、商標名バイオマックス(Biomax)(登録商標)でデュポン社(DuPont Company)によって販売されるようなスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル;商標名イースターバイオ(Eastar Bio)(登録商標)でイーストマンケミカル社(Eastman Chemical Company)によって販売(イースターバイオ(Eastar Bio)(登録商標)は、本質的にポリ(1,4−ブチレンアジペート−コ−テレフタレート(55:45、モル)であると化学的に考えられる)、商標名エコフレックス(Ecoflex)(登録商標)でバスフコーポレーション(BASF corporation)によって販売(エコフレックス(Ecoflex)(登録商標)は、本質的にポリ(1,4−ブチレンテレフタレート−コ−アジペート(50:50、モル)であると考えられ、ヘキサメチレンジイソシアネートを付加することによって連鎖延長することができる)、および商標名エンポル(EnPol)(登録商標)で利来化学社(Ire Chemical Company)によって販売されるような脂肪族−芳香族コポリエステル;ポリ(1,4−ブチレンスクシネート)(昭和高分子社(Showa High Polymer Company)からのビオノール(Bionolle)(登録商標)1001)、ポリ(エチレンスクシネート)、ポリ(1,4−ブチレンアジペート−コ−スクシネート)(昭和高分子社(Showa High Polymer Company)からのビオノール(Bionolle)(登録商標)3001)、ならびに例えば利来化学社(Ire Chemical Company)によって商標名エンポル(EnPol)(登録商標)で販売、昭和高分子社(Showa High Polymer Company)によって商標名ビオノール(Bionolle)(登録商標)で販売、三井東圧社(Mitsui Toatsu Company)によって販売、日本触媒社(Nippon Shokubai Company)によって販売、チェイルシンセティック社(Cheil Synthetics Company)によって販売、イーストマンケミカル社(Eastman Chemical Company)によって販売、およびサンキョンインダストリーズ社(Sunkyon Industries Company)によって販売されるようなポリ(1,4−ブチレンアジペート)などの脂肪族ポリエステル;例えば商標名バク(Bak)(登録商標)でバイエル社(Bayer Company)によって販売される(これらの材料は、構成要素としてアジピン酸、1,4−ブタンジオール、および6−アミノカプロン酸を含んでいるように考えられる)ようなポリ(アミドエステル)、例えばピーエーシーポリマー社(PAC Polymer Company)によって販売されているポリ(エチレンカーボネート)などのポリカーボネート、ポリ(ヒドロキシブチレート)、ポリ(ヒドロキシバレレート)などのポリ(ヒドロキシアルカノエート)、例えばモンサント社(Monsanto Company)によって商標名ビオポール(Biopol)(登録商標)で販売されるようなポリ(ヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシバレレート)、例えば三井化学社(Mitsui Chemicals Company)によってグレード名H100J、S100、およびT100で販売されるようなポリ(ラクチド−コ−グリコリド−コ−カプロラクトン)、例えば商標名トーン(Tone)(R)でユニオンカーバイド社(Union Carbide Company)によって販売、およびダイセル化学社(Daicel Chemical Company)とソルベイ社(Solvay Company)によって販売されるようなポリ(カプロラクトン)、例えばカーギルダウ社(Cargill Dow Company)によって商標名エコプラ(EcoPLA)(登録商標)で販売、および大日本社(Dianippon Company)によって販売されるようなポリ(ラクチド)など、ならびにその混合物が含まれる。
【0044】
ブレンドできる非生分解性ポリマー材料の例には、ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリオレフィン、ポリ(エチレン−コ−グリシジルメタクリレート)、ポリ(エチレン−コ−メチル(メタ)アクリレート−コ−グリシジルアクリレート)、ポリ(エチレン−コ−n−ブチルアクリレート−コ−グリシジルアクリレート)、ポリ(エチレン−コ−メチルアクリレート)、ポリ(エチレン−コ−エチルアクリレート)、ポリ(エチレン−コ−ブチルアクリレート)、ポリ(エチレン−コ−(メタ)アクリレート)、ポリ(エチレン−コ−(メタ)アクリレート)の金属塩、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)などのポリ((メタ)アクリレート)、ポリ(エチレン−コ−一酸化炭素)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレン−コ−ビニルアルコール)、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(1,3−プロピルテレフタレート)、ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)、PETG、ポリ(エチレン−コ−1,4−シクロヘキサンジメタノールテレフタレート)、ポリ(塩化ビニル)、PVDC、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)、ノバラック(novalacs)、ポリ(クレゾール)、ポリアミド、ナイロン、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン612、ポリカーボネート、ポリ(ビスフェノールAカーボネート)、ポリスルフィド、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリエーテル、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)、ポリスルホンなど、そのコポリマー、およびその混合物が含まれる。
【0045】
ブレンドできる天然ポリマー材料の例には、デンプン、デンプン誘導体、変性デンプン、熱可塑性デンプン、カチオンデンプン、アニオンデンプン、酢酸デンプンなどのデンプンエステル、ヒドロキシエチルエーテル化デンプン、アルキルデンプン、デキストリン、アミンデンプン、リン酸デンプン、ジアルデヒドデンプン、セルロース、セルロース誘導体、変性セルロース、酢酸セルロース、二酢酸セルロース、プリピオン酸(priopionate)セルロース、酪酸セルロース、吉草酸セルロース、三酢酸セルロース、三プロピオン酸セルロース、三酪酸セルロースなどのセルロースエステル、および酢酸プロピオン酸セルロースや酢酸酪酸セルロースなどのセルロース混合エステル、メチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(hydroxyethycellulose)、ヒドロキシエチルプロピルセルロースなどのセルロースエーテル、多糖類、アルギン酸、アルギン酸塩、海藻コロイド、寒天、アラビアゴム、ガーゴム、アカイアゴム(acaia gum)、カラゲナンゴム、ファーセルランゴム、ガティゴム、サイリウムゴム、マルメロゴム、タマリンドゴム、イナゴマメゴム、カラヤゴム、キサンタンガム(xantahn gum)、トラガカントゴム、タンパク質、ゼイン(Zein)(登録商標)(トウモロコシから誘導されたプロラミン)、コラーゲン(動物結合組織および骨から抽出)およびゼラチンやグルーなどその誘導体、カゼイン(牛乳中の主タンパク質)、ヒマワリタンパク質、卵タンパク質、大豆タンパク質、寒天、グルテンなど、およびその混合物が含まれる。熱可塑性デンプンを、例えば米国特許公報(特許文献15)内に開示されているように作製することができる。これらは、未変性または変性デンプンをグリセリンやソルビトールなどの高沸点可塑剤と混合かつ加熱して、したがってデンプンの結晶性がほとんどまたは全くなく、ガラス転移温度が低く、含水率が低くなることを開示している。本質的に周知の任意のポリマー材料を、スルホン化脂肪族−芳香族ポリエステルとブレンドすることができる。
【0046】
スルホン化脂肪族−芳香族ポリエステルとブレンドするポリマー材料を、ポリマーの重合中の任意の段階で、または重合が終了した後、ポリエステルに添加することができる。例えば、ポリマー材料をコポリエステルモノマーとともに重合プロセスの開始時に添加することができる。あるいは、ポリマー材料を重合の中間段階、例えば初期縮合物を重合容器に入れるとき添加することができる。さらに別の代替形態として、コポリエステルを重合装置から出した後、ポリマー材料を添加することができる。例えば、コポリエステルおよびポリマー材料を、スタティックミキサや単軸もしくは二軸押出機など任意の強力混合操作に溶融送入し、ポリマー材料と配合することができる。
【0047】
コポリエステルと別のポリマー材料のブレンドを生成するさらに別の方法として、コポリエステルを、後重合プロセスでポリマー材料と組み合わせることができる。通常は、このようなプロセスは、溶融コポリエステルをポリマー材料と強力混合することを含む。強力混合は、スタティックミキサ、ブラベンダーミキサ、単軸押出機、二軸押出機などによって提供することができる。典型的なプロセスでは、コポリエステルを乾燥する。ポリマー材料を乾燥することもできる。次いで、乾燥コポリエステルをポリマー材料と混合することができる。あるいは、コポリエステルおよびポリマー材料を、別々の2つのフィーダから共送入することができる。押出プロセスでは、コポリエステルおよびポリマー材料を、通常は押出機の後方送入セクションに送入する。しかし、コポリエステルおよびポリマー材料を、押出機の別々の2つの場所に送入できることは有利である。例えば、ポリマー材料を押出機の前方のダイプレート近くで送入(「側方充填」)しながら、コポリエステルを押出機の後方送入セクションに添加することができる。押出機温度分布を、コポリエステルが処理条件下で溶融することが可能になるように設定する。スクリュー設計も、溶融コポリエステルをポリマー材料と混合するとき、応力、次いで熱を樹脂にもたらす。あるいは、フィルムおよびコーティングの形成中に、ポリマー材料をポリエステル材料とブレンドすることができる。
【0048】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、広範囲の造形品を作製する際に有用であることが判明している。造形品を作製するために使用する場合、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、任意選択的に充填剤を含有することができる。スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルから生成された造形品は、周知のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルから生成された造形品の場合よりも高い熱特性を有することが判明している。造形品には、フィルム、シート、繊維、メルトブローン容器;食事用器具類などの成形部品、発泡部品、基材上のポリマー溶融押出コーティング、基材上のポリマー溶液コーティングなどが含まれる。スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを、本質的に周知の任意の造形品形成方法で使用することができる。
【0049】
ポリマーフィルムは、特に食料、接着剤テープ、絶縁物、キャパシタ、写真現像、X線現像の包装に、またラミネートとしてなど様々に使用される。いくつかの使用の場合、フィルムの耐熱性は重要な要因である。したがって、より高い融点、ガラス転移温度、および結晶度は、より良好な耐熱性、およびより安定した電気的諸特性を、望ましくは速い生分解速度とともに提供するために望ましい。さらに、フィルムが、例えば水分遮断性、酸素遮断性、および二酸化炭素遮断性を含めて良好な遮断特性、良好な耐グリース性、良好な引張り強さ、ならびに高破断点伸びを有することが一般に望ましい。
【0050】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを、食品包装、ラベル、誘電体絶縁、防湿遮断物など様々な異なる用途に使用するためのフィルムに形成することができる。コポリエステルポリマーのモノマー組成物は、限定的ではなく、フィルム形成に望ましい部分結晶質ポリマーをもたらすように選択することが好ましく、その結晶性が強さおよび弾性を提供する。ポリエステルは生成された当初は、一般に構造が半結晶質である。結晶性は、ポリマーの再加熱および/または延伸のとき増大し、これはフィルムの生成において生じる。
【0051】
フィルムは、周知の任意のプロセスを使用して作製することができる。例えば、薄いフィルムは、米国特許公報(特許文献16)内で開示されるようにディップコーティングによって、米国特許公報(特許文献17)内で開示されるように圧縮成形によって、米国特許公報(特許文献18)内で開示されるように溶融押出によって、米国特許公報(特許文献19)内で開示されるようにメルトブローイング、または他の技術プロセスによって形成することができる。フィルムとシートの違いは厚さであるが、フィルムがシートになる場合に関して規定した工業規格はない。本明細書でこの用語を使用するとき、フィルムは、厚さが0.25mm(10ミル)以下、好ましくは約0.025mm〜0.15mm(1ミル〜6ミル)である。しかし、より厚いフィルムは厚さ約0.50mm(20ミル)まで形成することができる。
【0052】
フィルムは、溶液キャスティングまたは押出で形成することが好ましい。押出は、連続長として出現するフィルムやシートなどのいわゆる「エンドレス」生成物の形成に特に好ましい。押出では、ポリマー材料は、溶融ポリマーとして提供されようと、プラスチックペレットもしくは顆粒として提供されようと、流動化し均質化する。望むなら、上記に記述するように、熱安定剤、紫外線安定剤、可塑剤、充填剤などの添加剤、および/またはブレンドできるポリマー材料を添加することができる。次いで、オプションの任意の添加剤を含有するポリマーを、適切に造形されたダイを通して圧入して、所望の横断面フィルム形状を生成する。押出力を、ピストンまたはラム(ラム押出)により、または回転スクリュー(スクリュー押出)により加えることができ、これはシリンダー内で操作し、その中で材料を加熱し可塑化し、次いでそれからダイを介して連続流れとして押し出す。単軸スクリュー、二軸スクリュー、および多軸スクリュー押出機を使用することができる。様々なタイプのダイを使用して、ブローフィルム(ブロー押出用のブローヘッドによって形成)、シートおよびストリップ(スロットダイ)、ならびに中空および中実部分(サーキュラーダイ)など様々な生成物を生成する。この方式では、様々な幅と厚さのフィルムを生成することができる。押し出した後、ポリマーフィルムをローラに巻き取り、冷却し、フィルムのその後の変形を防止するように設計された適切な装置を使用して引き取る。
【0053】
押出法では、薄層のポリマーをチルドロールに押し出し、次いでさらにフィルムをテンションロールによって適切なサイズに引き落とすことによってフィルムを生成することができる。押出キャスティング法では、ポリマーメルトを押出機からスロットダイ(T字形または「コートハンガー」ダイ)を通して運搬する。ダイは10フィートの幅とすることができ、通常は内部圧力によるリップの撓みを最小限に抑えるように厚肉部分を最終ランドに有する。ダイ出口サイズは、広範囲内とすることができるが、0.015インチ〜0.030インチが典型的である。フィルムを巻き取るロールの速度に応じて、引き落とし、大幅に薄肉化することができる発生期のキャストフィルムを形成する。次いで、フィルムを、当業者に知られている方法に従ってポリマーの結晶融点またはガラス転移温度より低温に冷却することによって凝固する。冷却は、例えばフィルムを、水浴に通して、または水冷用に中空を作成した2つ以上のクロムめっきチルロール上に渡たすことによって実現することができる。次いで、キャストフィルムを、ニップロール、スリッターを通して運搬して、端部をトリムし、次いで巻き取る。キャストフィルムでは、条件を、特に高い引落条件および巻取速度で機械方向において比較的高度の配向、および横方向においてはるかに低いレベルの配向が可能になるように調整することができる。あるいは、条件を、配向のレベルを最小限に抑えるように調整し、したがって機械方向と横方向とにおいて本質的に等価な物理的諸特性を有するフィルムを提供する。完成フィルムは、厚さが0.25mm以下であることが好ましい。
【0054】
一般により強く、より靭性が高く、かつキャストフィルムより速く作製されるブローフィルムは、チューブを押し出すことによって作製される。ブローフィルムを生成する際には、流動ポリマーメルトを、通常は押出機から上向きにし、環状ダイを通して送る。メルトは、マンドレルの周りを流れ、チューブの形の環状開口部を通って現れる。チューブがダイを出るとき、内部圧力が空気の導入によってダイマンドレルを介して加えられ、チューブをダイ直径の約1.5〜約2.5倍に膨張させ、同時にフィルムを延伸し、厚さの低減を生じる。チューブに包含された空気は、一端をダイで、他端をニップ(またはピンチ)ロールで封止されているので逃れることができない。フィルムの厚さが均一になるように均一な空気圧力を維持することが望ましい。空気をフィルムに向けることによって、チューブラフィルムを内部からおよび/または外部から冷却することができる。膨張されたフィルムを、バブル内に位置する冷却されたマンドレルの周りを通すことによって、ブローフィルム方法におけるより速い急冷を実現することができる。例えば、冷却されたマンドレルを使用するこのような一方法は、バンガ(Bunga)らによって(特許文献20)に開示されている。ブローフィルムを調整するために使用されているポリマーが半結晶質である場合、バブルは、ポリマーの軟化点より低く冷却されるとき、曇ることがある。押出物の引落しは不可欠でないが、引落比は2〜40であることが好ましい。引落比は、冷却されたフィルムの厚さとブローアップ比との積に対するダイギャップの比として定義される。引落しは、ピンチロールによる引張りによって誘導することができる。ブローアップ比は、サーキュラーダイの直径に対する冷却されたフィルムバブルの直径の比である。ブローアップ比は、4〜5という大きさとすることができるが、2.5がより典型的である。引落しは、フィルムでの機械方向(すなわち、押出物流れの方向)における分子配向を誘導し、ブローアップ比は、フィルムでの横またはフープ方向における分子配向を誘導する。急冷されたバブルは、それを偏平にする一組のピンチロールへの案内装置を通って上方へ移動する。得られたスリーブを、その後、一側方に沿って切り離して、キャストフィルム方法でなら都合よく作製されるのより大きなフィルム幅とすることができる。さらに、切り離したフィルムをひだ付けし、インライン表面処理をすることができる。
【0055】
あるいは、ダブルバブル、テープバブル、またはトラップバブル法などのより複雑な技法によって、ブローフィルムを生成することができる。ダブルバブル法は、ポリマーチューブをまず急冷し、次いで再加熱し、(ポリエステルが結晶質である場合)ポリエステルのガラス転移温度(Tg)を超えるが結晶融点(Tm)未満でポリマーチューブをインフレートすることによって配向する技法である。ダブルバブル技法は、例えばパークル(Pahkle)によって米国特許公報(特許文献21)に記載されている。
【0056】
ブローフィルムを生成するために使用する正確な条件は、ポリマーの正確な化学的組成、可塑剤など使用する添加剤の量およびタイプ、ポリマー組成物の熱特性など様々な要因によって決定する。しかし、ブローフィルム法は、単にバブル中の空気の体積およびスクリューの速度を変更するだけでフィルム幅および直径(caliber)を変更するという相対的容易さ、末端効果の排除、生成されたままのフィルムに二軸配向を提供する能力など多くの利点をもたらす。ブローフィルム操作による典型的なフィルム厚さは、約0.004〜0.008インチの範囲であり、フラットフィルム幅は、切り離した後、24フィートまでに、またはより長くすることができる。
【0057】
大量のフィルムを製造する場合、圧延カレンダーを使用することができる。逆方向に回転しかつポリマーを拡げ、かつ必要とされた厚さにそれを延伸するいくつかの加熱可能な平行円筒ローラを含む機械であるカレンダーの間隙に、粗いフィルムを送リ込む。最後のローラは、このように生成されたフィルムを平滑にする。フィルムがテクスチャー付き表面を有する必要がある場合、最後のローラに適切なエンボスパターンを設ける。あるいは、フィルムを再加熱し、次いでエンボスカレンダーを通過させることができる。カレンダーにはその後に1つまたは複数の冷却ドラムが続く。最後に、完成フィルムを巻き取る。
【0058】
押出フィルムも、他の生成物用の出発材料として有用である。例えば、押出フィルムを、射出成形など他の加工方法用の供給材料として使用するため小さいセグメントに切断することができる。別の例として、フィルムを、下記に記載するように基材上に積層することができる。さらに別の例として、フィルムを金属化することができる。ブローフィルム操作によって利用可能なフィルムチューブを、例えばヒートシーリング法によってバッグに転換することができる。
【0059】
広範な多用性のため、押出法を様々な押出後操作と組み合わせることができる。このような後成形操作には、当業者に知られているように、円形状を卵形状に変更すること、フィルムを様々な寸法にブローすること、機械加工および打抜加工すること、二軸延伸することなどが含まれる。
【0060】
フィルムは、溶液キャスティングによって作製することもでき、溶融押出によって作製されたものより一貫して均一なゲージのフィルムが生成する。溶液キャスティングは、ポリマー顆粒、粉末などを適切な溶媒中で可塑剤や着色剤など所望の任意の配合剤とともに溶解することを含む。溶液をろ過して、汚れまたは大粒子を除去し、スロットダイから好ましくはステンレス鋼の移動ベルト上にキャストし、乾燥させ、その上でフィルムを冷却する。押出物厚さは完成フィルムの5〜10倍である。次いで、フィルムを、押出フィルムと同様の方式で仕上げ加工することができる。当業者は、フィルム形成に使用するポリマー組成およびプロセスに基づいて適切なプロセスパラメータを特定することができる。次いで、溶液キャストフィルムを、押出キャストフィルムで記述したのと同じ後処理を施すことができる。
【0061】
2層、3層、多層フィルムなどの多層フィルムを生成することもできる。多層フィルムにとって一利点は、特定の特性を、クリティカルな使用ニーズを解決するフィルムに調整し、その間、より高価な材料はより多いニーズを提供する外層に追いやることを可能にすることができることである。多層フィルム構造を、同時押出、ブローフィルム、ディップコーティング、溶液塗布、ブレード、パドル、エアナイフ、印刷、ダールグレン(Dahlgren)、グラビア、粉体塗装、スプレイ、または他のプロセスによって形成することができる。一般に、多層フィルムを押出キャスティング法によって生成する。例えば、樹脂材料を均一に加熱する。溶融材料を、同時押出アダプタに運搬し、溶融材料を組み合わせて、多層同時押出構造を形成する。この層状ポリマー材料を、所定の間隙、通常は約0.05インチ(0.13cm)〜0.012インチ(0.03cm)の範囲に開いた押出ダイを通して移動させる。次いで、通常は約15〜55C(60〜130F)の温度範囲に維持された一次チルまたはキャスティングロールの使用によって、この材料を意図されたゲージ厚に引落しする。典型的な引落比は、約5:1〜約40:1である。追加の層は、遮断層、接着剤層、ブロッキング防止層として、または他の目的のために働くことができる。さらに、米国特許公報(特許文献22)および米国特許公報(特許文献23)内に開示するように、例えば内層に充填剤を加えることができ、外層に充填剤を加えないことができる。生成方法は、例えば米国特許公報(特許文献24)、米国特許公報(特許文献25)、米国特許公報(特許文献26)、米国特許公報(特許文献27)、および米国特許公報(特許文献23)に開示されている。例えば、エル−アファンディ(El−Afandi)らは米国特許公報(特許文献28)、米国特許公報(特許文献29)、および米国特許公報(特許文献30)で、コアポリ(ラクチド)層と、例えば脂肪族ポリエステルで構成された粘着低減層の内層および外層を有する堆肥化できる多層フィルムを開示している。
【0062】
追加の層は、コポリエステル、および/または生分解性もしくは非生分解性である材料で作製することができる。この材料は、天然由来、変性天然由来、または合成とすることができる。
【0063】
コポリエステルとのブレンドの形成に使用するための追加の層として適した生分解性および非生分解性材料の例は、本明細書で上記に開示されている。コポリエステルとのブレンドの形成に使用するための追加の層として適した天然ポリマー材料の例も、本明細書で上記に開示されている。追加の層を他のいかなる周知の適切な材料から形成することができる。
【0064】
フィルムをどのように形成するかに関わらず、形成した後に機械方向と横方向に延伸することによって、フィルムを二軸配向にかけることができる。フィルム形成中、フィルムを圧延し巻き取るプロセスによって機械方向延伸を開始し、フィルムを巻取方向に本質的に延伸し、繊維の一部を配向する。機械方向延伸はフィルムを機械方向に強化するが、繊維がすべて一方向に配向されるのでフィルムを機械方向と直角に容易に引き裂くことが可能になる。二軸配向により、非配向フィルムに比べて引張り強さ、柔軟性、靭性、収縮性などの特性において優れた性能が得られる。フィルムを互いに直角の2軸に沿って延伸し、延伸方向において引張り強さおよび弾性率を増大させることが望ましい。各方向において延伸量をほぼ等価とし、それによって任意の方向で試験した場合フィルム内で同様の特性、または挙動を提供することが最も望ましい。しかし、ラベル、または接着および磁気テープのように、一方向において特定の収縮量、または別の方向に比べて大きい延伸が望ましいものなどいくつかの用途では、フィルムの繊維の一様でない、すなわち一軸配向が好ましいことがある。
【0065】
機械方向で延伸すると同時にまたはその後に横方向で加熱しながら、フィルムを延伸するプロセスである幅出しは、二軸配向フィルムを形成するのに好ましい方法である。しかし、二軸配向は、市販の装置を使用して周知の任意のプロセスによって得ることができる。例えば、適切な装置は、西ドイツのブルックナー(Bruckner Maschenenbau)から入手可能である。このような装置の一形態は、延伸対象のシートの端部を締め付け、適切な温度で、シートの端部を制御速度で分離することによって操作する。例えば、フィルムを温度制御型箱に送り込み、そのガラス転移温度より高く加熱し、同時に延伸張力(縦方向延伸)と拡幅張力(横方向延伸)を加えるテンターフックによって両側を把持する。通常は、延伸比3:1〜4:1を使用することができる。商業目的で代替として、かつ好ましくは、二軸延伸プロセスを、ブルックナー(Bruckner)から入手可能のような多段ロール延伸装置を用いて高生産速度で連続実施し、押出フィルムストックの延伸を、一連の工程で、様々な増加する速度で回転する加熱されたロール間において行う。延伸温度と延伸速度の適切な組合せを使用する場合、単軸延伸は、好ましくは約4〜約20、より好ましくは約4〜約10である。延伸比を、延伸フィルムの特定の寸法と非延伸フィルムのその寸法の比として定義する。二軸配向フィルムを、さらに機械方向に、引張りとして知られているプロセスでフィルムの追加押出にかけることができる。
【0066】
一軸配向は、二軸配向について上記に記述する同じ手順を使用してフィルムを一方向にしか延伸しないことによって、あるいは米ロードアイランド州プロビデンス(Providence, Rhode Island)のマーシャルアンドウィリアムズ社(Marshall and Williams Company)などのベンダーから市販されているものなどの機械方向配向機(orienter)(「MDO」)によってフィルムを導くことによって得ることができる。MDO装置は、フィルムをフィルムの機械方向に漸進的に延伸し薄くする複数の延伸ローラを有する。
【0067】
延伸プロセスを、フィルム材料のガラス転移温度より少なくとも10℃高い、好ましくはフィルム材料のビカー軟化温度より低い、より好ましくはビカー軟化点より少なくとも10℃低い温度で実施することが好ましく、正確な好ましい温度は、部分的には延伸速度に依存する。
【0068】
ブローフィルムの操作中、配向は、ダイ直径に対するフィルムバブルの直径の比であるブローアップ比(BUR)を調整することによって向上させることができる。例えば、バッグまたはラップの生成の場合BURは1〜5であることが一般に好ましい。しかし、好ましいBURは、機械方向と横方向でフィルムに望ましい特性のバランスに応じて変わる。バランスの取れたフィルムでは、BUR約3:1が一般に適切である。一方向に容易に裂ける「スプリッティ(splitty)」フィルムを有することが望ましい場合、BURは1:1〜約1.5:1であることが一般に好ましい。
【0069】
収縮は、フィルムを延伸した位置に保持し、急冷する前に数秒間加熱することによって制御することができる。加熱によって、配向フィルムが安定化され、次いで熱安定化温度より高い温度でしか収縮せざるを得なくなる可能性がある。さらに、フィルムを、圧延、カレンダー成形、コーティング、エンボス、印刷、または周知の他の任意の典型的な仕上操作にかけることもできる。
【0070】
任意の方法によって作製するフィルム用の好ましいプロセス条件およびパラメータは、所与のポリマー組成物および所望の用途の場合当業者によって決定することができる。
【0071】
フィルムによって示される特性は、ポリマー組成物、ポリマーの形成方法、フィルムの形成方法、ならびにフィルムを延伸処理したか、それとも二軸配向したかを含めてに上記に示唆するいくつかの要因に応じて異なる。これらの要因は、収縮、引張り強さ、破断点伸び、衝撃強さ、誘電強度および誘電率、引張弾性率、耐薬品性、融点、加熱撓み温度などフィルムの様々な特性に影響を与える。
【0072】
フィルム特性は、上記に記載するような着色剤、染料、紫外線および熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑沢剤、粘着防止剤、スリップ剤などいくつかの添加剤および充填剤をポリマー組成物に添加することによってさらに調整することができる。あるいは、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを1つまたは複数の他のポリマー材料とブレンドして、上記に記述するある種の特性を改善することができる。
【0073】
モス(Moss)によって米国特許公報(特許文献31)に、ハフナー(Haffner)らによって米国特許公報(特許文献32)に、およびマッコーマック(McCormack)によって(特許文献33)、米国特許公報(特許文献34)、米国特許公報(特許文献35)、および米国特許公報(特許文献14)に開示されるように、フィルム、特に充填剤入りフィルムを、望むなら微孔質となるように形成することができる。充填剤入りフィルムの延伸によって、細孔を作製することができ、フィルムが液体および粒子状物質に対して遮断物として働くことが可能になるが、空気および水蒸気が通過することが可能になる。
【0074】
表面の印刷適性(インキ受理性)、接着性、または他の望ましい特性を向上させるために、フィルムを、コロナ放電、化学処理、火炎処理など周知の通常の後成形操作によって処理することができる。
【0075】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むフィルムは、広範囲の用途に有用である。例えば、フィルムは、使い捨ておむつ、尿漏れ防止ブリーフ、女性用パッド、生理用ナプキン、タンポン、タンポンアプリケーター、乗り物酔い袋、ベビーパンツ、個人用吸収性製品などの個人用生理品目の構成要素として有用である。フィルムは、それを通過する漏れを避けるための遮水性を、身体に容易に適応しかつ使用中に身体の動きとともに延伸する性能および靭性と組み合わせる。それを使用した後、その汚れた物品を適切に廃棄されると急速にバイオ堆肥化する。別の例として、フィルムは、根覆いフィルム、種子覆い、種子を含む農業用マット(「種子テープ」)、生ごみおよび芝くず袋など農業に使用するための保護フィルムとして有用である。
【0076】
フィルムの場合の使用の別の例には、接着テープ基材、バッグ、バッグクロージャー、ベッド用シート、ボトル、カートン、集塵バッグ、織物柔軟剤シート、衣料袋、工業用袋、ごみ袋、ごみ入れライナ、堆肥用袋、ラベル、タグ、まくらカバー、ベッド用ライナ、病床用便器用ライナ、包帯、箱、ハンカチ、パウチ、ワイプ物、防護衣、手術衣、手術用シート、手術用スポンジ、仮包囲物、仮サイディング、玩具、ワイプ物などが含まれる。
【0077】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むフィルムの特に好ましい使用は、食品包装、特に即席食品包装においてである。食品包装使用の具体例には、即席食品ラップ、ストレッチラップフィルム、気密性シール、食品袋、スナック用袋、食料品店用袋、カップ、トレー、カートン、箱、ボトル、クレート、食品包装用フィルム、ブリスターパックラッパー、スキンパックなどが含まれる。
【0078】
フィルムの場合の具体的に好ましい包装最終使用は、ラップである。ラップを使用して、肉類、他の腐敗性品目、特にサンドイッチ、ハンバーガー、デザート品目などの即席食品品目を包むことができる。望ましくは、ラップとして使用するフィルムは、紙のような剛性と、例えばサンドイッチをラップするために使用する場合に裂けないような十分な靭性;先に所望の形状に折られ、ラップされ、またはその他の方法で操作されると、ラップがその形状を維持し、自発的には開かないまたは解けない傾向にあるような永久折り目特性;必要ならば耐グリース性との組合せを含めて、物理的諸特性をバランス良く組み合わせて、ラップで包含された品目上で水分が凝縮することができないようにしながら水分遮断物を提供する。ラップは、平滑な表面、またはエンボス加工、クリンプ加工、キルト加工などによるテクスチャー付き表面を有することができる。ラップを、例えば無機粒子、デンプンなどの有機粒子、充填剤の組合せなどで充填することができる。
【0079】
フィルムを、容器などの他の物品を生成するようにさらに処理することができる。例えば、フィルムは、例えば米国特許公報(特許文献36)、米国特許公報(特許文献37)、および米国特許公報(特許文献38)に開示するように熱成形することができる。例えば米国特許公報(特許文献39)、米国特許公報(特許文献40)、米国特許公報(特許文献41)、および米国特許公報(特許文献38)内で開示されているように、フィルムを使用して、肉類などの食品を真空スキンパック技法によって包装することもできる。下記に記載するように、フィルムを、基材上にさらに積層することができる。
【0080】
別の好ましい一実施形態では、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを基材のコーティングとして使用することができる。コーティングおよびコートされた基材、ならびにそれから誘導された物品の生成方法も提供されている。コーティングは、圧延、スプレッド、スプレイ、はけ塗り、または流し込み法により、基材にコポリエステルのポリマー溶液、分散液、ラテックス、および/または乳濁液をコートし、続いて乾燥する、コポリエステルを他の材料と同時押し出しする、予備成形基材上に粉体塗装する、あるいは予備成形基材にコポリエステルを溶融/押出コートすることによって生成することができる。基材は、片面、または両面もしくは全面をコポリエステルでコートすることができる。コポリエステルをコートさせた基材は、包装、特に食料の包装で、また使い捨てカップ、皿、椀、および食事用器具類としてなど様々な使用がある。多くの使用では、コーティングの耐熱性は重要な要因である。したがって、より良好な耐熱性を、急速な生分解速度とともに提供するには、より高い融点、ガラス転移温度、および結晶性レベルが望ましい。さらに、コーティングが、水分、グリース、酸素および二酸化炭素に対する良好な遮断特性を提供し、良好な引張り強さ、および大きい破断点伸びを有することが望ましい。
【0081】
コーティングは、周知のプロセスを使用してコポリエステルから作製することができる。例えば、薄いコーティングは、米国特許公報(特許文献16)および米国特許公報(特許文献42)内に開示するようにディップコーティングにより、例えば米国特許公報(特許文献43)、米国特許公報(特許文献44)、米国特許公報(特許文献45)、米国特許公報(特許文献46)、米国特許公報(特許文献47)、および米国特許公報(特許文献48)に開示するように基材上への押出により、ブレード、パドル、エアナイフ、印刷、ダールグレン(Dahlgren)、グラビア、粉体塗装、スプレイ、または他のプロセスにより形成することができる。コーティングは、コートされた基材を使用することになっている対象とする用途に応じて任意の厚さとすることができる。好ましくは、ポリマーコーティングは、厚さが0.25mm(10ミル)以下、より好ましくは約0.025mm〜0.15mm(1ミル〜6ミル)となる。しかし、厚さ約0.50mm(20ミル)以上にまでのより厚いコーティングを形成することができる。
【0082】
様々な基材にフィルムを直接コートすることができる。コーティングは、予備成形基材への溶液、分散液、ラテックスもしくは乳濁液のキャスティング、粉体塗装、または押出によって形成することが好ましい。
【0083】
コーティングは、基材上に溶液キャスティングによって作製することもでき、溶融押出より一貫して均一なゲージのコーティングが生成する。溶液キャスティングは、ポリマー顆粒、粉末などを適切な溶媒中で可塑剤、充填剤、ブレンドできるポリマー材料、または着色剤など所望の任意の配合剤とともに溶解することを含む。溶液をろ過して、汚れおよび/または大きな粒子を除去し、スロットダイから移動予備成形基材上にキャストし、乾燥させ、その上でコーティングを冷却する。押出物厚さは完成コーティングの5〜10倍である。次いで、コーティングを押出コーティングと同様の方式で仕上げ加工することができる。ポリマー分散液および乳濁液を、等価なプロセスによって基材上にコートすることができる。スプレッド−塗布機を連続操作することによって、コーティングを織物、不織布、箔、紙、板紙、および他のシート材料に塗布することができる。「ドクターナイフ」などの塗布ナイフによって、(水または有機媒体中の溶液、乳濁液または分散液の形の)コーティング材料を、ローラによって移動させる基材上に均一にスプレッドすることが可能になる。次いで、コーティングを乾燥する。あるいは、ポリマー溶液、乳濁液、または分散液を、基材上にスプレイし、はけ塗りし、圧延し、または流し込むことができる。
【0084】
例えば、ポッツ(Potts)は、米国特許公報(特許文献16)および米国特許公報(特許文献42)で、水溶性基材を非水溶性材料の溶液でコートすることを開示している。例えば、米国特許公報(特許文献49)では、繊維基材を水性ポリマー乳濁液でコートする方法が開示されている。
【0085】
コポリエステルのコーティングを、粉体塗装プロセスによって基材に塗布することもできる。粉体塗装プロセスでは、ポリマーを基材上に細粒径の粉末の形でコートする。コートするべき基材をポリマーの融合温度より高く加熱することができ、基材を、空気が多孔板を通過することによって流動化する粉末ポリマー床に浸漬する。流動床を、通常は加熱しない。ポリマー層は、熱基材表面に接着し、溶融して、コーティングを提供する。コーティング厚さを、約0.005インチ〜0.080インチ(0.13〜2.00mm)の範囲とすることができる。他の粉体塗装プロセスには、コートするまで基材を加熱しないスプレイ塗装、および静電塗装が含まれる。例えば、米国特許公報(特許文献50)、米国特許公報(特許文献51)、米国特許公報(特許文献52)、米国特許公報(特許文献53)、および米国特許公報(特許文献54)内で開示するように、板紙容器を熱可塑性ポリマー粉末で静電スプレイ塗装する。次いでカップを加熱し、それによってポリマー粉末が溶融して、積層ポリマーコーティングが形成する。
【0086】
複雑な形状の金属物品に、回転焼結プロセスを使用してポリマーフィルムをコートすることもできる。ポリマーの融点より高く加熱した物品を、空気の上昇流により、ポリマー粒子を懸濁剤中に保持した粉末化ポリマーの流動床に導入し、したがってコーティングを、焼結により金属上に被着させる。
【0087】
コポリエステルのコーティングは、溶融し霧状にしたコポリエステルを板紙などの基材にスプレイすることにより塗布することもできる。ワックスコーティングのためのこのようなプロセスは、例えば米国特許公報(特許文献55)、米国特許公報(特許文献56)、および米国特許公報(特許文献57)に記載されている。
【0088】
コーティングを、溶融または押出コーティングプロセスにより形成することが好ましい。押出は、連続長として出現するコート紙や板紙などの「エンドレス」生成物の形成に特に好ましい。押出では、ポリマー材料は、溶融ポリマーで提供されようとプラスチックペレットもしくは顆粒で提供されようと流動化され、均質化される。熱、または紫外線安定剤、可塑剤、充填剤、および/またはブレンドできるポリマー材料などの添加剤を、上記に記述するように、押出中に添加することができる。次いで、添加剤を含有するポリマー材料を、適切に造形されたダイを通して圧入して、所望の横断面フィルム形状を生成する。押出力を、ピストンまたはラム(ラム押出)により、または回転スクリュー(スクリュー押出)により加えることができ、これはシリンダー内で操作し、その中で材料を加熱し可塑化し、次いでそれからダイを介して連続流れとして押し出す。単軸スクリュー、二軸スクリュー、および多軸スクリュー押出機を使用することができる。様々なタイプのダイを使用して、様々な生成物を生成する。通常は、押出コーティングの場合、T字形ダイや「コートハンガー」ダイなどのスロットダイを使用する。この方式では、様々な幅と厚さのフィルムを生成することができ、コートするべき基材に直接押し出しすることができる。発生期の溶融フィルムを、ダイから出し、基材上に引き落とし、ダイの真下に配置したチルロールと圧力ロールの間のニップに入れる。通常は、ニップロールは、共働する一対の軸平行ロールであり、一方はゴム表面を有する圧力ロールであり、他方はチルロールである。通常は、基材のコートしていない側面は圧力ロールに接触し、基材のポリマーでコートした側面はチルロールに接触する。2本のロール間の圧力によって、フィルムを基材に押し付ける。同時に、基材を押出フィルムより速い速度で動かし、フィルムを必要とされた厚さにまで延伸する。押出コーティングでは、基材(例えば、紙、箔、布、ポリマーフィルム)を、圧力ロールによって押出ポリマーメルトとともに圧縮して、したがって最大接着のためポリマーを基材に含浸させる。次いで、溶融フィルムを、水冷したクロムめっきチルロールによって冷却する。次いで、コートされた基材を、スリッターに通して、端部をトリムし、コートされた基材のその後の変形を防止するように設計された適切な装置によって引き取ることができる。ポリエステルを板紙上に押出コーティングすることが、例えば、ポリエステルを先に積層した板紙から機械的に形成されたオーブン用トレーの形成を開示する米国特許公報(特許文献58)、両側をポリマーでコートしたする用紙から形成されたカップの生成を開示する米国特許公報(特許文献59)、およびある種のポリエステルを紙基材上に押出コーティングすることを開示する米国特許公報(特許文献43)に開示されている。押出コーティングの別の例として、ワイヤおよびケーブルを、斜交ヘッドから押し出されたポリマーフィルムで直接外装することができる。
【0089】
カレンダー成形プロセスを使用して、ポリマーラミネートを基材上に生成することができる。カレンダーは、蒸気加熱または水冷用に配置した2、3、4、または5本の中空ロールからなる。通常は、カレンダーすべきポリマーを、例えばバンバリーミキサなどのリボンブレンダーで軟化する。他の成分を可塑剤中などで混合する。次いで、軟化させたポリマー組成物をローラ装置に送り込み、フィルムの形に絞り出す。望むなら、厚い部分を、ポリマーの1層を先の層上に塗布する(二重貼合わせする)ことにより形成することができる。織物および不織布および紙などの基材を、最後の2本のカレンダーロールに通して、したがって樹脂フィルムを基材にプレスする。ラミネートの厚さを、最後の2本のカレンダーロール間のギャップで決定する。表面を、光沢、マット質、またはエンボスとすることができる。次いで、ラミネートを冷却し、ロールに巻き取る。
【0090】
2層、3層、多層のフィルム構造など複数のポリマー層を、基材上にコートすることもできる。多層フィルムの一つの利点は、特定の特性を、クリティカルな使用の必要性を解決するためのフィルムに合わせることができ、一方高価な材料を外層へ押し出すことが可能になって、よりクリティカルな特性を提供することである。多層複合構造を、同時押出、ディップコーティング、溶液塗布、ブレード、パドル、エアナイフ、印刷、ダールグレン(Dahlgren)、グラビア、粉体塗装、スプレイ、または他の周知のプロセスによって形成することができる。一般に、多層フィルムを押出キャスティング法によって生成することができる。例えば、樹脂材料を均一に加熱する。溶融材料を同時押出アダプタに運搬し、多層同時押出構造を形成するための溶融材料を組み合わせる。層状ポリマー材料を、所定の間隙、通常は約0.05インチ(0.13cm)〜0.012インチ(0.03cm)の範囲に開いた押出ダイを通して移動させ、基材上に引き落とし、ダイの真下に配置したチルロールと圧力ロールの間のニップに入れる。材料を基材の速度に基づいて意図されたゲージ厚に引き落とす。主要なチルまたはキャスティングロールを、通常は約15〜55C(60〜130F)の範囲の温度に維持する。典型的な引落比は、約5:1〜約40:1である。追加の層は、遮断層、接着剤層、ブロッキング防止層として、または他の目的のために働くことができる。さらに、米国特許公報(特許文献22)および米国特許公報(特許文献23)内に開示するように、例えば内層は、充填剤を加えることができ、外層は、充填剤を加えないことができる。生成方法は、例えばコアポリ(ラクチド)層と、例えば脂肪族ポリエステルからなるブロッキング低減層の内層および外層とをもつ堆肥化できる多層フィルムを開示する米国特許公報(特許文献28)、米国特許公報(特許文献29)、および米国特許公報(特許文献30)、ならびにポリ(ラクチド)層、および脂肪族−芳香族ポリエステルなどの生分解性接着剤層をコートした紙および板紙を開示する(特許文献60)に開示されている。
【0091】
多層構造の追加の層は、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、および/または生分解性もしくは非生分解性、天然由来、変性天然由来、または合成である他の材料を含むことができる。追加の層の形成に適した生分解性および非生分解性材料の例を、本明細書で上記に開示する。追加の層として適した天然ポリマー材料の例も、本明細書で上記に開示する。本質的に周知の任意の材料を、追加の層として使用することができる。
【0092】
コーティングを、一般的に約0.2〜15ミル、より一般的に0.5〜2ミルの範囲の厚さに塗布する。基材は、厚さが広範囲に変わることができるが、0.5から24ミルを超える間の厚さの範囲が一般的である。
【0093】
本発明に適した基材には、紙、板紙、厚紙、繊維板、セロファン(Cellophane)(登録商標)などのセルロース、デンプン、プラスチック、ポリスチレンフォーム、ガラス、金属、例えばアルミニウム缶またはスズ缶、金属箔、ポリマーフォーム、有機フォーム、無機フォーム、有機−無機フォーム、ポリマーフィルムなどから構成された物品が含まれる。
【0094】
紙、板紙、厚紙、セルロース、デンプンなどの生分解性基材、ならびに無機および無機−有機フォームなどの生物学的に良性の基材が好ましい。
【0095】
本発明内で基材として適したポリマーフィルムは、コポリエステル、および/または生分解性もしくは非生分解性である他の材料を含むことができる。材料は、天然由来、変性天然由来、または合成とすることができる。コポリエステルとのブレンドの形成に使用するための基材として適した生分解性および非生分解性材料の例は、本明細書で上記に開示されている。コポリエステルとのブレンドの形成に使用するための基材として適した天然ポリマー材料の例も、本明細書で上記に開示されている。
【0096】
発泡化デンプンおよび穀類から誘導されるものなどの有機フォームを、基材として使用することができる。このような材料は、例えば米国特許公報(特許文献61)、米国特許公報(特許文献62)、米国特許公報(特許文献63)、米国特許公報(特許文献64)、米国特許公報(特許文献65)、米国特許公報(特許文献66)、米国特許公報(特許文献67)、米国特許公報(特許文献68)、米国特許公報(特許文献69)、および米国特許公報(特許文献70)に開示されている。材料の具体例には、ヒドロキシプロピル化デンプン製品であるニュージャージー州ブリッジウォーターのナショナルスターチ(National Starch Company of Bridgewater, NJ)の製品のエコフォーム(EcoFoam)(登録商標)、およびデュポン−コンアグラであるエンパック(EnPac Company, a DuPont−Con Agra Company)の製品であるエンバイロフィル(EnviroFil)(登録商標)が含まれる。
【0097】
例示的な好ましい有機−無機フォームは、例えばアンデルセン(Andersen)らによって、米国特許公報(特許文献71)に開示するように、炭酸カルシウム、粘土、セメント、または石灰石など比較的高いレベルの無機充填剤を含み、例えば馬鈴薯デンプン、コーンスターチ、ワックス質のコーンスターチ、コメデンプン、小麦デンプン、タピオカなどのデンプン系結合材、および少量の繊維を有する気泡フォームである。このような材料は、石灰石、馬鈴薯デンプン、繊維および水などの材料を一緒に混合して、バタ(batter)を形成することによって生成することができる。このバタを加熱した金型2個の間でプレスすることによって基材を形成する。バタ内に包含されている水が蒸気になり、金型内の圧力を上昇させて、基材の発泡が生じる。このプロセスによって生成された製品は、アースシェルパッケージング(EarthShell Packaging Company)から市販されている。製品には、9インチ皿、12オンス椀、および蝶番式蓋付きのサンドイッチおよびサラダ容器(「クラムシェル」)が含まれる。このような製品を基材として使用して、本明細書で開示するコポリエステルでコートすることができる。他の周知の発泡基材および発泡可能基材を使用することができる。
【0098】
コーティングプロセスを向上させるために、コロナ放電、下塗剤などの化学処理、火炎処理、接着剤など周知の一般的な後成形操作を使用して基材を処理することができる。米国特許公報(特許文献72)および米国特許公報(特許文献73)内で開示するように、基材層を、例えばポリエチレンイミン水溶液(アドコート(Adcote)(登録商標)313)またはスチレン−アクリルラテックスで下塗りすることができ、あるいは火炎処理することができる。
【0099】
基材を、ポリエステルでコートする前に、通常のコーティング技術または押出によって接着剤でコートすることができる。使用できる接着剤の具体例には、のり、ゼラチン、カゼイン、デンプン、セルロースエステル、脂肪族ポリエステル、ポリ(アルカノエート)、脂肪族−芳香族ポリエステル、スルホン化脂肪族−芳香族ポリエステル、ポリアミドエステル、ロジン/ポリカプロラクトントリブロックコポリマー、ロジン/ポリ(エチレンアジペート)トリブロックコポリマー、ロジン/ポリ(エチレンスクシネート)トリブロックコポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(エチレン−コ−酢酸ビニル)、ポリ(エチレン−コ−アクリル酸エチル)、ポリ(エチレン−コ−アクリル酸メチル)、ポリ(エチレン−コ−プロピレン)、ポリ(エチレン−コ−1−ブテン)、ポリ(エチレン−コ−1−ペンテン)、ポリ(スチレン)、アクリル、ロープレックス(Rhoplex)(登録商標)N−1031、(ロームアンドハース(Rohm & Haas Company)からのアクリルラテックス)、ポリウレタン、AS 390(アドヒージョンシステムズ(Adhesion Systems, Inc.)からの水性ポリウレタン接着剤ベース)およびAS 316(アドヒージョンシステムズ(Adhesion Systems, Inc.)からの接着触媒)、エアーフレックス(Airflex)(登録商標)421(架橋剤とともに配合された水系酢酸ビニル接着剤)、スルホン化ポリエステルウレタン分散液(バイエルコーポレーション(Bayer Corporation)によるディスパーコル(Dispercoll)(登録商標)U−54、ディスパーコル(Dispercoll)(登録商標)U−53、およびディスパーコル(Dispercoll)(登録商標)KA−8756として販売されているものなど)、非スルホン化ウレタン分散液(レイクホルド(Reichold Company)によるアクアタン(Aquathane)(登録商標)97949やアクアタン(Aquathane)(登録商標)97959など;エアプロダクツ(Air Products Company)によるフレキセン(Flexthane)(登録商標)620およびフレキセン(Flexthane)(登録商標)630;バスフコーポレーション(BASF Corporation)によるルーフェン(Luphen)(登録商標)D DS 3418およびルーフェン(Luphen)(登録商標)D 200A; ゼネカレジンズ(Zeneca Resins Company)によるネオレッツ(Neorez)(登録商標)9617およびネオレッツ(Neorez)(登録商標)9437;メルキンサ(Merquinsa Company)によるクィラスティク(Quilastic)(登録商標) DEP 170およびクィラスティク(Quilastic)(登録商標)172;ビーエフグッドリッチ(B. F. Goodrich Company)によるサンキュアー(Sancure)(登録商標)1601およびサンキュアー(Sancure)(登録商標)815)、ウレタン−スチレンポリマー分散液(エアプロダクツアンドケミカルズ(Air Products & Chemicals Company))のフレキセン(Flexthane)(登録商標)790およびフレキセン(Flexthane)(登録商標)791など)、非イオン性ポリエステルウレタン分散液(ゼネカレジンズ(Zeneca Resins Company)のネオレッツ(Neorez)(登録商標)9249など)、アクリル分散液(イェーガー(Jager Company)によるイェーゴテックス(Jagotex)(登録商標)KEA−5050およびイェーゴテックス(Jagotex)(登録商標)KEA 5040;ビーエフグッドリッチ(B. F. Goodrich Company)によるハイカー(Hycar)(登録商標)26084、ハイカー(Hycar)(登録商標)26091、ハイカー(Hycar)(登録商標)26315、ハイカー(Hycar)(登録商標)26447、ハイカー(Hycar)(登録商標)26450、およびハイカー(Hycar)(登録商標)26373;ロームアンドハース(Rohm & Haas Company)によるロープレックス(Rhoplex)(登録商標)AC−264、ロープレックス(Rhoplex)(登録商標)HA−16、ロープレックス(Rhoplex)(登録商標)B−60A、ロープレックス(Rhoplex)(登録商標)AC−234、ロープレックス(Rhoplex)(登録商標)E−358、およびロープレックス(Rhoplex)(登録商標)N−619)、シラン化アニオン性アクリレート−スチレンポリマー分散液(バスフコーポレーション(BASF Corporation)によるアクロナル(Acronal)(登録商標)S−710など、およびスコットバーダー(Scott Bader Inc.)によるテキシゲル(Texigel)(登録商標)13−057)、アニオン性アクリレート−スチレン分散液(バスフコーポレーション(BASF Corporation)によるアクロナル(Acronal)((登録商標)296D、アクロナル(Acronal)(登録商標)NX 4786、アクロナル(Acronal)(登録商標)S−305D、アクロナル(Acronal)(登録商標)S−400、アクロナル(Acronal)(登録商標)S−610、アクロナル(Acronal)(登録商標)S−702、アクロナル(Acronal)(登録商標)S−714、アクロナル(Acronal)(登録商標)S−728、およびアクロナル(Acronal)(登録商標)S−760 など;ビーエフグッドリッチ(B. F. Goodrich Company)によるカーボセット(Carboset)(登録商標)CR−760;ロームアンドハース(Rohm & Haas Company)よるロープレックス(Rhoplex)(登録商標)P−376, ロープレックス(Rhoplex)(登録商標)P−308、およびロープレックス(Rhoplex)(登録商標)NW−1715K;レイクホルドケミカルズ(Reichold Chemicals Company)によるシンテミュル(Synthemul)(登録商標)40402およびシンテミュル(Synthemul)(登録商標)40403;スコットバーダー(Scott Bader Inc.)よるテキシゲル(Texigel9(登録商標)13−57、テキシゲル(Texigel)(登録商標)13−034、およびテキシゲル(Texigel)(登録商標)13−031;ならびにエアプロダクツアンドケミカルズ(Air Products & Chemicals Company)によるヴァンクリル(Vancryl)(登録商標)954、ヴァンクリル(Vancryl)(登録商標)937およびヴァンクリル(Vancryl)(登録商標)989)、アニオン性アクリレート−スチレン−アクリロニトリル分散液(バスフコーポレーション(BASF Corporation)によるアクロナル(Acronal)(登録商標)S 886S、アクロナル(Acronal)(登録商標)S 504、およびアクロナル(Acronal)(登録商標)DS 2285 Xなど)、アクリレート−アクリロニトリル分散液(バスフコーポレーション(BASF Corporation)よるアクロナル(Acronal)(登録商標)35D、アクロナル(Acronal)(登録商標)81D、アクロナル(Acronal)(登録商標)B 37D、アクロナル(Acronal)(登録商標)DS 3390、およびアクロナル(Acronal)(登録商標)V275)、塩化ビニル−エチレン乳濁液(エアプロダクツアンドケミカルズ(Air Products and Chemicals Inc.)によるヴァンクリル(Vancryl)(登録商標)600、ヴァンクリル(Vancryl)(登録商標)605、ヴァンクリル(Vancryl)(登録商標)610、およびヴァンクリル(Vancryl)(登録商標)635など)、ビニルピロリドン/スチレンコポリマー乳濁液(ISPケミカルス(ISP Chemicals)によるポールクトロン(Polectron)(登録商標)430など)、カルボキシル化および非カルボキシル化酢酸ビニルエチレン分散液(エアプロダクツアンドケミカルズ(Air Products and Chemicals Inc.)によるエアーフレックス(Airflex)(登録商標)420、エアーフレックス(Airflex)(登録商標)421、エアーフレックス(Airflex)(登録商標)426、エアーフレックス(Airflex)(登録商標)7200およびエアーフレックス(Airflex)(登録商標)A−7216など、ならびにICIによるデュロセット(Dur−o−set)(登録商標)E150およびデュロセット(Dur−o−set)(登録商標)E−230)、酢酸ビニルホモポリマー分散液(ICIによるレシン(Resyn)(登録商標)68−5799およびレシン(Resyn)(登録商標)25−2828など)、ポリ塩化ビニル乳濁液(ビーエフグッドリッチ(B. F. Goodrich Company)によるバイカー(Vycar)(登録商標)460×24、バイカー(Vycar)(登録商標)460×6およびバイカー(Vycar)(登録商標)460×58など)、ポリフッ化ビニリデン分散液(エルフアトケム(Elf Atochem)によるカイナー(Kynar)(登録商標)32など)、エチレンアクリル酸分散液(モートンインターナショナル(Morton International)によるアドコート(Adcote)(登録商標)50T4990およびアドコート(Adcote)(登録商標)50T4983など)、ポリアミド分散液(ユニオンキャンプコーポレーション(Union Camp Corporation)によるマイクロミッド(Micromid)(登録商標)121RC、マイクロミッド(Micromid)(登録商標)141L、マイクロミッド(Micromid)(登録商標)142LTL、マイクロミッド(Micromid)(登録商標)143LTL、マイクロミッド(Micromid)(登録商標)144LTL、マイクロミッド(Micromid)(登録商標)321RC、およびマイクロミッド(Micromid)(登録商標)632HPLなど)、アニオン性カルボキシル化または非カルボキシル化アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン乳濁液およびアクリロニトリル乳濁液(ビーエフグッドリッチ(B. F. Goodrich)によるハイカー(Hycar)(登録商標)1552、ハイカー(Hycar)(登録商標)1562×107、ハイカー(Hycar)(登録商標)1562×117およびハイカー(Hycar)(登録商標)1572×64など)、スチレンから誘導された樹脂分散液(ヘルクレス(Hercules)によるタコリン(Tacolyn)(登録商標)5001やピコテックス(Piccotex)(登録商標)LC−55WKなど)、脂肪族および/または芳香族炭化水素から誘導された樹脂分散液(エクソン(Exxon)によるエスコレッズ(Escorez)(登録商標)9191、エスコレッズ(Escorez)(登録商標)9241、およびエスコレッズ(Escorez)(登録商標)9271など)、スチレン−無水マレイン酸(アトケム(AtoChem)によるSMA(登録商標)1440 HやSMA(登録商標)1000など)など、およびその混合物が含まれる。周知の任意の接着剤を使用することができるが、基材に、例えばのり、ゼラチン、カゼイン、デンプンなどの生分解性接着結合材層をコートすることが好ましい。接着剤を、溶融プロセスによって、または溶液、乳濁液もしくは分散コーティングプロセスによって塗布することができ
る。
【0100】
例えば、米国特許公報(特許文献74)は、ポリエステルトップフィルムおよびアクリル酸、メタクリル酸もしくはエタクリン酸のエステル中間体層を板紙上に同時押出することによって形成するコートされた板紙を開示している。米国特許公報(特許文献75)は、ポリエステル層およびポリマー接着剤層を板紙基材上に同時押出する方法を開示している。フジタ(Fujita)らは、米国特許公報(特許文献76)で、ポリエステルをオーブンで使用できる板紙に押出コーティングする際の接着剤の使用を開示している。ハフマン(Huffman)らは、米国特許公報(特許文献72)で、ポリエチレンをコートさせた板紙へのポリエステル層の押出、ならびにポリエチレン層とポリエステル層との間に共押出されたバイネル(Bynel)(登録商標)の接着タイ層付きでの板紙上のポリエチレン層とポリエチレン上のポリエステルとの共押出によるコートされた構造の直接形成を開示している。
【0101】
当業者は、ポリマー組成物に基づく適切なプロセスパラメータ、およびコーティング形成に使用するプロセスを特定することができる。当技術分野の任意の方法によってコーティングを作製するためのプロセス条件およびパラメータは、所与のポリマー組成物および所望の用途の場合、当業者によって決定することができる。
【0102】
コーティングによって発現される特性は、ポリマー組成物、ポリマーの形成方法、コーティングの形成方法、およびコーティングを製造中配向したかどうかを含めて上記に示唆する複数の要因に依存する。これらの要因は、収縮、引張り強さ、破断点伸び、衝撃強さ、誘電強度および誘電率、引張弾性率、耐薬品性、融点、加熱撓み温度など多数のコーティング特性に影響を与える。
【0103】
いくつかのコーティング特性は、上記に挙げるような着色剤、染料、紫外線および熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑沢剤、粘着防止剤、スリップ剤などいくつかの添加剤および充填剤をコポリエステルに添加することによって調整することもできる。あるいは、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを1つまたは複数の他のポリマー材料とブレンドして、上記に記述するようないくつかの特性を改善することができる。
【0104】
基材を、コーティング前にまたはコートした後に物品に形成することができる。例えば、容器は、コートされた平板紙をプレス成形によって、真空形成によって、または所望の最終形状に折りたたみ接着することによって生成することができる。コートされた平板紙ストックを、例えば米国特許公報(特許文献77)内に開示するように熱および圧力の適用によってトレーに形成することができ、あるいは米国特許公報(特許文献43)内に開示するように食物および飲料用の容器に真空形成することができる。他の物品には、例えば食事用器具類、植木鉢、郵送用円筒、照明器具、灰皿、ゲーム用ボード、食品容器、即席食品容器、カートン、箱、ミルクカートン、果汁容器、飲料容器用キャリヤ、アイスクリームカートン、カップ、飲料用使い捨てカップ、ツーピースカップ、ワンピースひだ付きカップ、コーンカップ、コーヒーカップ、リディング(lidding)、蓋、ストロー、カップトップ、フライドポテト容器、即席食品搬出用箱、梱包材、支持箱、菓子箱、化粧品用箱、皿、椀、ベンディング用皿、パイ皿、トレー、ベーキング用トレー、朝食用皿、電子レンジで使用できる夕食用トレー、「TV」夕食用トレー、鶏卵用カートン、食肉包装用大皿、カップや食品容器などの容器と利用することができる使い捨て単用ライナ、実質的に球状の物体、ボトル、ジャー、クレート、盛り皿、薬剤用バイアル;仕切り、ライナ、アンカーパッド、筋交い、すみ金、隙間用パッド、ヒンジドシート、棚、漏斗、緩衝材料などの内部梱包材、および物体を容器内で包装、貯蔵、輸送、分割、配膳、または分配する際に使用する他の物体が含まれる。
【0105】
耐水性ポリマーをコートさせた紙および板紙を、一般に食料用の包装材料に使い捨て容器として使用する。包装された製品の保存のため所望の酸素遮断性、防湿遮断性、および芳香気密性を包装に与えるコーティング用ポリマー、ならびに同じものを含む多層状コーティング構造が開発されてきた。
【0106】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むフィルムは、広範囲の用途に有用である。例えば、コーティングは、使い捨ておむつ、尿漏れ防止ブリーフ、女性用パッド、生理用ナプキン、タンポン、タンポンアプリケーター、乗り物酔い袋、ベビーパンツ、個人用吸収性製品などの個人用生理品目の構成要素として有用である。コーティングは、それを通過する漏れを避けるための遮水性を、身体に容易に適応しかつ使用中に身体の動きとともに延伸する靭性と組み合わせる。それを使用した後、その汚れた物品を適切に廃棄されると急速にバイオ堆肥化する。コーティングは、根覆い(mulch)フィルム、種子覆い、種子を含む農業用マット(「種子テープ」)、生ごみおよび芝くず袋など農業に使用するための保護フィルムとしても有用である。コーティングの場合の使用の別の例には、接着テープ基材、袋、バッグクロージャー、ベッド用シート、ボトル、カートン、集塵袋、織物柔軟剤シート、衣料袋、工業用袋、ごみ袋、ごみ入れライナ、堆肥用袋、ラベル、タグ、まくらカバー、ベッド用ライナ、病床用便器用ライナ、包帯、箱、ハンカチ、パウチ、ワイプ物、防護衣、手術衣、手術用シート、手術用スポンジ、仮包囲物、仮サイディング、玩具、ワイプ物などが含まれる。
【0107】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むコーティングの特に好ましい使用は、食品包装、特に即席食品包装である。食品包装使用の具体例には、即席食品ラップ、ストレッチラップフィルム、気密性シール、食品袋、スナック用袋、食料品店用袋、カップ、トレー、カートン、箱、ボトル、クレート、食品包装用フィルム、ブリスターパックラッパー、スキンパック、蝶番式蓋付きのサンドイッチおよびサラダ容器(「クラムシェル」)などが含まれる。
【0108】
コーティングの場合の具体的に好ましい包装最終用途としてはラップがある。コートされたラップを、ポリマーのコートされた紙の形とすることができる。ラップを使用して、肉類、他の腐敗性品目、特にサンドイッチ、ハンバーガー、デザート品目などの即席食品品目を包むことができる。望ましくは、ラップの作製に使用するコーティングは、例えばサンドイッチをラップするために使用される時に裂けないほどに十分な靱性と組み合わされた紙のような剛性、いったん所望の形状へ折り畳まれ、ラップされ、または別のやり方で操作されるとラップがそれらの形状を維持し、自然に折り目を開くまたは包装を解く傾向がないような永久折り目特性、必要ならば、良好な耐グリース性をはじめとする物理的性質のバランス、ならびにラップでその中に包含された品目上で水分が凝縮することができないようにしながら水分遮断性を提供する。ラップは、平滑な表面、またはエンボス加工、クリンプ加工、キルト加工などによるテクスチャー付き表面を有することができる。ラップ上のコーティングを、例えば無機粒子、デンプンなどの有機粒子、充填剤の組合せなどで充填することができる。
【0109】
他の好ましい実施形態では、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを基材上に積層することができる。上記に記述するように調製したスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むフィルムを、例えば熱成形、真空熱成形、減圧積層、加圧積層、機械的積層、スキンパック、接着積層など周知のプロセスによって広範囲の基材上に積層することができる。積層では、予備成形されたフィルムを基材に結合させているという点で、ラミネートとコーティングを区別する。基材は、積層する前に最終用途形状、例えば皿、カップ、椀、トレーなどの形に造形することができ、あるいはシートまたはフィルムなどまだ形成するべき中間体形状のときに積層することができる。フィルムを、例えば加熱された結合ロールと同様に熱および/または圧力の適用によって基材に結合することができる。一般的に言えば、ラミネートの接着強さ、または剥離強さを、より高い温度および/または圧力の使用により向上させることができる。接着剤を使用する場合、接着剤をホットメルト接着剤、または溶媒系接着剤とすることができる。積層プロセスを向上するために、フィルムおよび/または基材を、先に記載したようにコロナ放電、下塗剤などの化学処理、火炎処理など周知の一般的な後成形操作によって処理することができる。例えば、米国特許公報(特許文献78)では、板紙をコロナ放電にかけて、ポリ(エチレンテレフタレート)フィルムの積層プロセスを向上させることが記述されている。例えば、クィック(Quick)らは、米国特許公報(特許文献77)で、接着剤を用いた用紙への積層の助けとなるポリエステルフィルムのコロナ処理を開示している。例えば、シャーマー(Schirmer)は、米国特許公報(特許文献38)で、様々なブローフィルム間の接着の助けとなるコロナ処理の使用を開示している。例えば、米国特許公報(特許文献79)および米国特許公報(特許文献80)は、ポリマー積層プロセス内での接着の助けとなる火炎処理の使用を開示している。例えば、サンドストロム(Sandstrom)らは、米国特許公報(特許文献73)で、ポリマーラミネートとの接着を改善するいくつかのスチレン−アクリル材料からなる板紙基材下塗剤の使用を開示している。
【0110】
容器およびカートンとして使用するためのポリマーをコートさせたまたは積層された紙および板紙基材の生成方法は、よく知られており、例えば米国特許公報(特許文献81)、米国特許公報(特許文献82)、米国特許公報(特許文献83)、米国特許公報(特許文献84)、米国特許公報(特許文献85)、米国特許公報(特許文献86)、米国特許公報(特許文献87)、米国特許公報(特許文献88)、米国特許公報(特許文献89)、および米国特許公報(特許文献90)に開示されている。ケーン(Kane)は、米国特許公報(特許文献58)で、ポリエステルを先に積層した板紙から機械的成形されたオーブン用トレーの形成を開示している。シュミット(Schmidt)は、(特許文献91)で、紙カップのポリマーフィルム積層を開示している。フィルムの不織布への積層が米国特許公報(特許文献32)および米国特許公報(特許文献23)内に開示されている。ポリエステルを積層された基材の対象とする用途に応じて、基材を片側または両側に積層することができる。
【0111】
フィルムを加熱用および圧力/ニップロールに通して、平坦な基材上に積層することができる。さらに一般的には、フィルムを、熱成形の派生法であるプロセスを利用して基材上に積層する。したがって、フィルムを、減圧積層、加圧積層、ブロー積層、機械的積層などによって基材上に積層することができる。フィルムを加熱すると、軟化し、所与の形状の基材上に延伸することができる。ポリマーフィルムを予備成形基材に接着させる方法は、例えば米国特許公報(特許文献92)内に開示するように知られている。
【0112】
減圧積層では、フィルムを締め付け、またはその他の方法で基材に保持し、次いで軟質になるまで加熱する。次いで、真空を、通常は多孔質基材またはデザインイン孔を経由して適用し、軟化したフィルムを基材の輪郭に成形し、基材上に積層する。次いで、ラミネートを冷却する。冷却プロセス中、真空を維持してもしなくてもよい。
【0113】
カップ、深い椀、箱、カートンなど深絞りを必要とする基材形状では、プラグアシストを利用することができる。このような基材形状では、軟化したフィルムは、基材形状の基部または底部に到達する前に大幅に薄くなる傾向にあり、薄く弱いラミネートを基材形状の底部に残すだけである。プラグアシストは、より多くのフィルムストックを積層が普通なら薄すぎるはずである基材形状の領域の方に運ぶ任意のタイプの機械的ヘルパーである。プラグアシスト技法を、真空および加圧積層プロセスに適合させることができる。
【0114】
予備成形基材上へのフィルムの減圧積層プロセスは、例えば米国特許公報(特許文献93)および米国特許公報(特許文献94)で開示されている。米国特許公報(特許文献95)は、折りたたみ板紙カートンへのフィルムの減圧積層方法を開示している。米国特許公報(特許文献96)は、皿などのモールドパルプ製品への熱可塑性フィルムの減圧積層を開示している。米国特許公報(特許文献97)は、パルプ容器およびフィルムを予備加熱し、フィルムをプレスして基材に接触させ、モールドパルプ容器基材を経由して真空を適用することによる、予備成形されたモールドパルプ容器へのポリ(エチレンテレフタレート)フィルムの積層を開示している。プラグアシストを用いた減圧積層プロセスも知られている。米国特許公報(特許文献98)は、コートされたカップなどの深絞りラミネートのための方法を開示している。米国特許公報(特許文献99)および米国特許公報(特許文献100)は、このような方法によってライニングを施したトレーの生成を開示している。
【0115】
加圧積層では、フィルムを締め付け、軟化するまで加熱し、次いで空気圧力を基材と反対側のフィルムの側に加えることによって積層するべき基材の輪郭に押し込むことができる。排気孔が存在する場合それによって、捕獲された空気が逃散することが可能になり、あるいはより一般的な状況では、基材は空気透過性であり、空気は単に基材を経由して逃散する。積層された基材が冷却し、フィルムが固化すると、空気圧力を放出することができる。加圧積層は、減圧積層に比べて、生産サイクルの短縮、改善された成形品の精細度、および高い寸法制御性を可能にする傾向がある。
【0116】
予備成形基材へのフィルムの加圧積層は、例えば米国特許公報(特許文献101)および米国特許公報(特許文献94)で開示されている。米国特許公報(特許文献102)は、紙カップなどの通気性容器を、温かい加圧気体流の使用により熱可塑性箔でライニングする方法を開示している。
【0117】
機械的積層には、真空も空気圧力も使用しない任意の積層方法が含まれる。この方法では、フィルムを加熱し、次いで基材機械的に塗布する。機械的塗布の例には、金型、および圧力ロールが含まれる。
【0118】
積層に適した基材には、紙、板紙、厚紙、繊維板、セロファン(Cellophane)(登録商標)などのセルロース、デンプン、プラスチック、ポリスチレンフォーム、ガラス、金属、例えばアルミニウム缶またはスズ缶、金属箔、ポリマーフォーム、有機フォーム、無機フォーム、有機−無機フォーム、ポリマーフィルムなどから構成された物品が含まれる。紙、板紙、厚紙、セルロース、デンプンなどの生分解性基材、ならびに無機および無機−有機フォームなどの生物学的に良性の基材が好ましい。本発明内で基材として適したポリマーフィルムは、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、または生分解性もしくは非生分解性である他の材料を含むことができる。材料は、天然由来、変性天然由来、または合成とすることができる。
【0119】
基材として適した生分解性および非生分解性材料の例を、本明細書で上記に開示する。基材として適した天然ポリマー材料の例も、本明細書で上記に開示する。
【0120】
積層に適した有機フォーム、無機フォーム、および有機−無機フォームは、コートされた基材としての使用の場合、本明細書で上記に開示されている。
【0121】
基材を、積層する前にその最終形状に形成することができる。基材を形成する通常のプロセスを使用することができる。例えば、モールドパルプ基材では、「精密成形」、「ダイ−ドライ」、および「クローズ−ドライ」プロセスを使用することができる。この方法は、繊維パルプを、スクリーンで被覆された開口吸引金型で、水性スラリーから、実質的に仕上がり輪郭形状に成形し、続いて連動する対の加熱されたダイによって加えられる強い加圧下に、湿った予備成形物を乾燥する工程を含む。このようなプロセスは、例えば米国特許公報(特許文献103)、米国特許公報(特許文献83)、および米国特許公報(特許文献84)に開示されている。このようなプロセスで作製された使い捨て紙皿は、商標「チネット(Chinet)」でフタマキ(Huhtamaki Company)によって販売されている。
【0122】
モールドパルプ基材を、周知の「フリー−ドライ」、または「オープン−ドライ」プロセスによって生成することもできる。フリー−ドライプロセスは、繊維パルプを、スクリーンで被覆された開口吸引金型で、水性スラリーから、実質的に最終成形形状の予備成形物に成形し、次いでコンベヤの上に置き、加熱された乾燥オーブンの中をゆっくりと進ませるなど湿った予備成形物を自由空間で乾燥する工程を含む。モールドパルプ基材を、成形後に例えば米国特許公報(特許文献104)内に開示するようなフリー−ドライプロセスによって、または例えば米国特許公報(特許文献105)に記載されるものなど他のプロセスによって、「アフタープレス」することができる。
【0123】
積層された基材を、プレス成形や折りたたみなどの周知のプロセスによって最終形状に変換することができる。このようなプロセスは、例えば米国特許公報(特許文献58)、米国特許公報(特許文献106)、および米国特許公報(特許文献84)に開示されている。米国特許公報(特許文献77)は、圧力および熱の使用によりポリエステルを積層された平用紙からのトレーの生成を開示している。
【0124】
接着剤をフィルムに、基材に、またはフィルムと基材に塗布して、ラミネートの接着強さを向上することができる。予備成形基材へのフィルムの接着剤積層は、例えば米国特許公報(特許文献107)、米国特許公報(特許文献108)、米国特許公報(特許文献109)、米国特許公報(特許文献110)、米国特許公報(特許文献111)、米国特許公報(特許文献112)、米国特許公報(特許文献113)、米国特許公報(特許文献114)、米国特許公報(特許文献115)、米国特許公報(特許文献100)、米国特許公報(特許文献116)、米国特許公報(特許文献117)、米国特許公報(特許文献118)、米国特許公報(特許文献119)および米国特許公報(特許文献120)内に開示されている。米国特許公報(特許文献91)、は、紙カップへのポリマーフィルムの積層におけるホットメルト接着剤の使用を開示している。米国特許公報(特許文献121)は、プラスチックを積層された厚紙包装物品用の接着剤の使用を開示している。米国特許公報(特許文献77)は、架橋性接着剤システムで接着させたポリエステルを積層された平板紙ストックを形成する、圧力および熱による板紙トレーの形成を開示している。米国特許公報(特許文献122)は、接着剤の使用による水溶性基材への同時押出2層フィルムの積層を開示している。米国特許公報(特許文献79)および米国特許公報(特許文献80)は、例えばジュース容器を生成するためポリエステルをコートさせた板紙とポリエチレンをコートさせた板紙との間に改善された接着強さを提供する接着剤の使用を開示している。
【0125】
通常のコーティング技術もしくは同時押出により、フィルムを接着剤でコートすることができ、または基材を接着剤でコートすることができ、またはフィルムと基材の両方を接着剤でコートすることができる。
【0126】
コポリエステルから作製したコーティングの基材上への付着に使用する場合の積層に有用な接着剤の具体例は、本明細書の上記に提供している。周知の任意の接着剤を使用することができるが、例えばのり、ゼラチン、カゼイン、またはデンプンなどの生分解性接着剤が好ましい。
【0127】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含む積層構造は、広範囲の使用がある。例えば、ラミネートは、使い捨ておむつ、尿漏れ防止ブリーフ、女性用パッド、生理用ナプキン、タンポン、タンポンアプリケーター、乗り物酔い袋、ベビーパンツ、個人用吸収性製品などの個人用生理品目の構成要素として使用を行う。ラミネートは、それを通過する漏れを避けるための遮水性を、身体に容易に適応しかつ使用中に身体の動きとともに延伸する靭性とともに提供する。それを使用した後、その汚れた物品を適切に廃棄されると急速にバイオ堆肥化する。別の例として、ラミネートは、根覆いフィルム、種子覆い、種子を含む農業用マット(「種子テープ」)、生ごみおよび芝くず袋など農業に使用するための保護フィルムとして有用である。ラミネートの場合の使用の別の例には、接着テープ基材、袋、バッグクロージャー、ベッド用シート、ボトル、カートン、集塵袋、織物柔軟剤シート、衣料袋、工業用袋、ごみ袋、ごみ入れライナ、堆肥用袋、ラベル、タグ、まくらカバー、ベッド用ライナ、病床用便器用ライナ、包帯、箱、ハンカチ、パウチ、ワイプ物、防護衣、手術衣、手術用シート、手術用スポンジ、仮包囲物、仮サイディング、玩具、ワイプ物などが含まれる。
【0128】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むラミネートの特に好ましい使用は、食品包装、特に即席食品包装においてである。ラップを含めて食品包装使用の具体例は、コポリエステルを含むフィルムの使用に関連して、本明細書で上記に開示している。
【0129】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを、シートに作製することもできる。ポリマーシートは、例えば標識、透明板ガラス、熱成形用物品、ディスプレイおよびディスプレイ基材などで様々な使用がある。コポリエステルは、耐熱性、透明性、紫外線抵抗性、耐引掻性、引張り強さ、および/または耐衝撃性が特に比較的低温での使用の場合に望ましい用途において有利な融点、ガラス転移温度、および結晶度を有する。スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを、上記の方法のうちの1つによって形成することができ、あるいは他の任意の方法によって重合メルトからシートに直接形成することができる。代替形態では、コポリエステルを、メルトから取り扱い易い形状(ペレットなど)に形成することができ、次いでそれを使用して、シートを形成することができる。シートは、例えば標識、透明板ガラス(バス停待合所、明り窓、またはリクレーション用車両などにおいて)、ディスプレイ、自動車用照明を形成するために、また物品を熱成形する際に使用することができる。
【0130】
シートを、周知の任意のプロセスによってコポリエステルから作製することができる。シートとフィルムの違いは厚さであるが、フィルムがシートになる場合に関して規定した工業規格はない。本明細書では、「シート」という用語は、約0.25mm(10ミル)より厚い、好ましくは約0.25mm〜25mm、より好ましくは約2mm〜約15mm、さらにより好ましくは約3mm〜約10mmの厚さを有する構造を意味する。好ましい一実施形態では、シートは、剛性を提供するのに十分な厚さを有し、これは一般に約0.50mm以上で起こる。しかし、25mm超および0.25mm未満のシートを形成することができる。
【0131】
シートを、押出、溶液キャスティングまたは射出成形など周知の任意のプロセスによって形成することができる。これらのプロセスのそれぞれに好ましいパラメータは、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルの粘度特性、およびシートの所望の厚さに応じて当業者によって決定することができる。
【0132】
シートは、溶液キャスティングまたは押出によって形成することが好ましい。押出は、連続長として出現する「エンドレス」フィルムおよびシートの形成に特に好ましい。公開された特許出願の(特許文献123)および(特許文献124)は、溶融押出による結晶質シートの形成を開示している。押出では、ポリマー材料は、溶融ポリマーとして提供されようと、プラスチックペレットもしくは顆粒として提供されようと、流動化し均質化する。次いで、ポリマー材料を、適切に造形されたダイを通して圧入して、所望の横断面シート形状を生成する。押出力を、本明細書で上記に記載するように、ピストンまたはラム(ラム押出)により、または回転スクリュー(スクリュー押出)により加えることができる。押出を使用して、薄層のポリマーをチルドロールに押し出し、次いでさらにシートをテンションロールによって適切なサイズ(>0.25mm)に引き落とすことによってシートを生成することができる。完成シートは、厚さが0.25mm超であることが好ましい。
【0133】
大量のシートを製造する場合、圧延カレンダーを使用する。粗い予備成形されたシートをカレンダーの間隙に送り込む。最後のローラは、このように生成されたシートを平滑にする。シートがテクスチャー付き表面を有する必要がある場合、最後のローラに適切なエンボスパターンを設ける。あるいは、シートを再加熱し、次いでエンボスカレンダーを通過させることができる。カレンダーにはその後に1つまたは複数の冷却ドラムが続く。最後に、完成シートを巻き取る。広範な多用性のため、押出法を様々な押出後操作と組み合わせることができる。このような後成形操作には、当業者に知られているように、円形状を卵形状に変更すること、シートを様々な寸法に延伸すること、機械加工および打抜加工すること、二軸延伸することなどが含まれる。
【0134】
コポリエステルを、押出および/または仕上げ中に他のポリマー材料と組み合わせて、防湿性など所望の特性をもつラミネートまたは多層シートを形成することができる。多層またはラミネートシートを任意の方法によって作製することができ、熱、接着剤、および/または結合層で一緒に結合された5つ以上もの別々の層を有することができる。
【0135】
シートは、溶液キャスティングによって作製することもでき、溶融押出によって作製されたものより一貫して均一なゲージのシートが生成する。溶液キャスティングは、ポリマー顆粒、粉末などを適切な溶媒中で可塑剤や着色剤など所望の任意の配合剤とともに溶解することを含む。溶液をろ過して、汚れまたは大粒子を除去し、スロットダイから好ましくはステンレス鋼の移動ベルト上にキャストし、乾燥させ、その上でシートを冷却する。押出物厚さは完成シートの5〜10倍である。次いで、シートを、押出シートと同様の方式で仕上げ加工することができる。さらに、シート、およびディスクなどのシート様物品を、周知の任意の方法を使用して射出成形によって形成することができる。当業者は、適切なプロセスパラメータを、シート形成に使用するポリマー組成物およびプロセスに応じて決定することができる。
【0136】
シートをどのように形成するかに関わらず、本明細書で上記に開示するように、形成した後に機械方向と横方向に延伸することによって、シートを二軸配向にかけることができる。均一なシーティングが望まれるいくつかの使用の場合、二軸延伸されたシートが好ましい。収縮は、シートを延伸した位置に保持し、急冷する前に数秒間加熱することによって制御することができる。この加熱によって、配向シートが安定化され、次いで熱安定化温度より高い温度でしか収縮せざるを得なくなる可能性がある。当技術分野の任意の方法によるシート作製のためのプロセス条件およびパラメータは、所与のポリマー組成物および所望の用途の場合当業者によって容易に決定される。
【0137】
シートによって発現される特性は、ポリマー組成物、ポリマーの形成方法、シートの形成方法、およびシートを延伸処理したか、または二軸配向したかどうかを含めてすでに本明細書で上記に記載する複数の要因に依存する。これらの要因は、収縮、引張り強さ、破断点伸び、衝撃強さ、誘電強度および誘電率、引張弾性率、耐薬品性、融点、加熱撓み温度など多数のシート特性に影響を与える。
【0138】
シート特性は、上記に挙げるような着色剤、染料、紫外線および熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑沢剤、粘着防止剤、スリップ剤などいくつかの添加剤および充填剤をポリマー組成物に添加することによってさらに調整することもできる。あるいは、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを、デンプンなど1つまたは複数の他のポリマー材料とブレンドして、いくつかの特性を改善することができる。他のポリマーを添加して、例えば透気度、光学的透明性、強度、および/または弾性などの特性を変更することができる。
【0139】
上記に記述するようなシートを、周知の任意の方法によって、カバー、明り窓、温室の造形された透明板ガラス、ディスプレイ、食品トレーなど望ましい任意の形状に熱成形することができる。シートを、所望の形状に容易に成形できるようにコポリエステルを軟化するのに十分な温度に、十分な時間加熱することによって熱成形を実現する。当業者は、ポリエステルシートの粘度および結晶化特性に応じて、最適な熱成形パラメータを決定することができる。
【0140】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルは、プラスチック容器の形成に有用である。プラスチック容器を、食物および飲料向けに、さらに非食物材料向けにも幅広く使用する。その外観(光学的透明性)、ブロー成形の容易さ、化学的および熱安定性、その価格のため、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)を使用して、これらの容器の多くを作製する。一般に、PETは、ブロー成形プロセスにより、一般に延伸ブロー成形によってボトルに加工する。容器を、シートの押出、射出成形、射出ブロー成形、回転成形、熱成形、および延伸ブロー成形など任意の方法によって作製することができる。
【0141】
ボトルなどのポリ(エチレンテレフタレート)(PET)容器の生成に使用する技法である延伸ブロー成形を、コポリエステルから容器を形成する際に使用することができる。予備成形されたパリソン(一般に射出成形により作製)を金型から取り出し、次いで別の工程で延伸ブロー成形にかけるコールドパリソン方法のいずれかの使用を行うことができる。ホットパリソンを、射出成形した後完全に冷却することなく同じ装置で直ちに延伸ブロー成形にかける「ホットパリソン」方法を使用することもできる。パリソン温度は、使用するポリマーの正確な組成に基づいて変わる。一般に、約90C〜約160Cの範囲のパリソン温度が有用であると判明している。延伸ブロー成形温度も、使用する正確な材料組成に応じて変わるが、約80C〜約150Cの金型温度が一般に有用であることが判明している。
【0142】
コポリエステルから作製することができる例示的な容器には、ねじ込みトップを有し、より小さいおよびより大きい容器を形成することができるものの体積が約400mL〜約3リットルの細口ボトルおよび広口ボトルが含まれる。容器を、標準的なコールド充填用途に使用することができる。コポリエステルを含む組成物のいくつかを使用して、ホット充填用途に使用するための容器を作製することができる。容器は、食物および飲料、ならびに他の固体および液体に適している。容器は、普通なら清澄で透明であるが、着色剤、または染料を添加することによって、またはポリマーの結晶化を引き起こし、不透明性をもたらすことによって、望むなら有色、あるいは透明ではなく不透明となるように改変することができる。
【0143】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを繊維に形成することもできる。本明細書では、「繊維」という用語には、連続モノフィラメント、無撚または絡み合ったマルチフィラメント糸、ステープルヤーン、紡績糸、および不織材料が含まれる。合成繊維は、ポリマーをフィラメントに紡糸し、引き出し、次いで、多数のフィラメントを一緒に巻取ることにより糸に形成することによって作製する。ポリエステル繊維は、様々な用途での使用のため多量に生成し、特に綿や羊毛などの天然繊維と組み合わせた織物での使用に望ましい。ポリエステル繊維から、衣類、敷物、および他の品物を作製することができる。さらに、ポリエステル繊維は、その弾性および強度のため工業用途での使用に望ましい。このような繊維を使用して、凹凸のある織物、編物、織物ウェブ、またはタイヤコードやロープなど他の任意の繊維を含む構造を形成することができる。繊維を機械的におよび/または化学的に処理して、繊維から作製される所望の最終製品に応じて強度、弾性、耐熱性、手触り(織物の感触)など望ましい特性を付与することができる。
【0144】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルのモノマー組成は、部分結晶質ポリマーをもたらすように選択することが望ましい。結晶性は、強度および弾性を提供して、繊維形成の場合に望ましい。最初に生成したとき、ポリエステルは、構造がほぼ非晶質である。好ましい実施形態では、ポリエステルポリマーは、ポリマーの再加熱および/または伸長すると容易に結晶化する。繊維を、任意のプロセスによってポリマーから作製することができる。しかし、一般に溶融紡糸が、ポリエステル繊維の場合好ましい。
【0145】
溶融紡糸は、ポリマーを加熱して、溶融液体を形成する工程、またはポリマーを加熱された表面に当てて溶融する工程を含む。溶融ポリマーを、複数の細孔をもつ紡糸口金を通して圧入する。紡糸口金を通リ抜けた後、空気または非反応性気体流に接触すると、各紡糸口金から出てきたポリマーは、フィラメントに固化する。フィラメントは、紡糸口金から下流に向かって収束ガイドによって一緒に集められ、1本または複数のローラによって巻き取ることができる。このプロセスによって、例えば円形、楕円形、正方形、長方形、耳たぶ形、またはイヌ用骨形の横断面を有するフィラメントを含めて様々なサイズおよび横断面のフィラメントが形成することが可能になる。
【0146】
繊維の押出および取り込みに続いて、繊維を延伸し、それによって結晶化が増大し、縦軸に沿った配向など望ましい特性が最大になり、弾性および強度を増大させる。延伸は、一連のローラのいくつかを一般に加熱して使用して、巻取りと組み合わせて行うことができ、あるいは繊維形成のプロセスにおいて異なる段階として行うことができる。
【0147】
ポリマーを、所望の繊維サイズに応じて約600〜6000メートル/分以上の速度で紡糸することができる。織物用途では、デニール/フィラメントが約0.1〜約100の繊維が望ましい。デニールは、好ましくは約0.5〜20、より好ましくは0.7〜10である。しかし、工業用途では、繊維は、約0.5〜100のデニール/フィラメント、好ましくは約1.0〜10.0、より好ましくは3.0〜5.0のデニール/フィラメントを有することができる。繊維の必要とされたサイズおよび強度は、当業者によって所与の用途で容易に決定することができる。
【0148】
繊維から作製された材料は、追加の加工装置を使用して加工することができ、あるいは連続フィラメント織編用糸を必要とする用途で直接使用することができる。望むなら、フィラメント状材料を、その後に周知の仮撚り条件または他のプロセスによってフラットヤーンからテクスチャードヤーンに変換することができる。織物などいくつかの用途では、繊維の表面積を増大して、より軟らかい感触を提供し、繊維の気体を透過させる能力を高めて、それによってより良好な絶縁性および保水性を提供することが望ましい。繊維を、例えば仮撚り方法、エアジェット、エッジクリンプ、ギヤクリンプ、またはスタファーボックスによってけん縮または撚ることができる。あるいは、繊維を、ステープル(staple)と呼ばれるより短い長さに切断することができ、糸に加工することができる。当業者は、所望の用途および繊維の組成に基づいて適切なけん縮または撚りの方法を決定することができる。
【0149】
形成した後、繊維を、所望の最終使用に適した任意の方法によって仕上げることができる。織物用途では、仕上げは、繊維の様相および手触りを調整するために、染色、サイジング、および/または帯電防止剤、難燃剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、顔料、染料、耐汚染剤、抗菌剤などの化学薬剤の添加を適切に含むことができる。工業用途では、繊維を処理して、例えば強度、弾性または収縮など追加の所望の特性を付与することができる。
【0150】
連続フィラメント繊維を、衣料および家財道具用の織物など様々な用途に使用するために生成またはテクスチャー加工して使用することができる。強力繊維を、例えば高強度織物、ターポリン、帆布、縫糸、ならびにタイヤおよびVベルト用ゴム強化などの工業用途で使用することができる。
【0151】
ステープルファイバーを使用して、天然繊維、特に綿および羊毛とのブレンドを形成することができる。ポリエステル繊維は、耐薬品性繊維であり、一般にカビ、白カビ、および天然繊維に固有の他の問題に耐性があるので、ブレンディングが望ましいことがある。ポリエステル繊維が、さらに強度および耐磨耗性を他の繊維に追加し、ブレンディングにより、コストをより低くすることができる。したがって、ポリエステル繊維は、衣料、家財道具、およびカーペット用の織物での使用など織物および他の商業用途での使用に望ましい。
【0152】
さらに、スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルポリマーを、1つまたは複数の合成または天然ポリマーとともに使用して、不均質繊維または2成分繊維を形成し、それによって特定の所望の特性を有する繊維を提供することができる。不均質繊維を、周知の方法を使用して、例えばサイド−バイ−サイド、さや−芯、マトリックスなどのデザインで形成することができる。
【0153】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを、造形された発泡物品に形成することができる。熱可塑性ポリマー材料を発泡させて、フィルム、カップ、食品トレー、装飾用リボン、家具部品などの低密度物品を提供する。発泡は、成形部品、フィルム、シート、食品トレー、熱成形された部品などの重量を低減する周知の方法である。このような発泡物品は、非発泡物品に比べて改善された絶縁特性も提供する。
【0154】
発泡対象のポリエステルは、ポリエステルが固化して最終発泡物品を形成するのに十分な長さの間、発泡形状を保持するのに十分に高い溶融粘度を有することが好ましい。ポリエステルの内部粘度を、本明細書で上記に記載するように、例えば固相重合方法などの後重合プロセスによって増大させることができる。あるいは、米国特許公報(特許文献125)、米国特許公報(特許文献126)、米国特許公報(特許文献127)、米国特許公報(特許文献128)、米国特許公報(特許文献129)、米国特許公報(特許文献130)、および米国特許公報(特許文献131)に記載するように、ポリエステルは分枝剤を含むことができる。このような分枝ポリエステルを、上記に記述するようにさらに固相重合にかけて、さらに溶融粘度を高めることができる。材料は、通常は発泡プロセス中に添加する二無水物やポリエポキシドなどの連鎖延長剤をさらに組み込むことができる。
【0155】
ポリエステルを広範囲の方法容易によって発泡させることができる。例示的な発泡方法は、窒素や二酸化炭素などの不活性ガスを、押出または成形操作中にメルトに注入する工程を含む。あるいは、メタン、エタン、プロパン、ブタン、およびペンタン、またはクロロフルオロカーボン、ヒドロクロロフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボンなどの不活性炭化水素ガスを使用することができる。別の方法は、化学発泡剤とポリエステルのドライブレンディング、次いで組成物の押出または成形を行って、発泡物品を提供する工程を含む。押出または成形中に、窒素などの不活性ガスを発泡剤によって放出し、発泡をもたらす。典型的な発泡剤には、アゾジカルボンアミド、ヒドラゾカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p−トルエンスルホニルヒドラゾジカルボキシレート、5−フェニル−3,6−ジヒドロ−1,3,4−オキサ−ジアジン−2−オン、水素化ホウ素ナトリウム、重炭酸ナトリウム、5−フェニルテトラゾール、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)などが含まれる。さらに別の方法は、炭酸ナトリウムまたは重炭酸ナトリウムとポリエステルペレットの一部分とのブレンディング、クエン酸などの有機酸とポリエステルペレットの別の一部分とのブレンディング、次いで高温での押出または成形によるこの2つの部分のペレットのブレンディングを含む。二酸化炭素ガスを、炭酸ナトリウムとクエン酸の相互作用中に放出して、ポリマーメルトの所望の発泡をもたらす。
【0156】
いくつかの実施形態では、発泡可能なポリエステル組成物は、核形成剤を組み込んで、バブル誘導用の部位を作り、発泡シートまたは物体の気泡サイズを制御し、かつ/または発泡したままの物品の固化を加速する。核形成剤の例には、酢酸ナトリウム、タルク、二酸化チタン;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン材料が含まれる。
【0157】
ポリマー発泡装置およびプロセスは周知であり、例えば米国特許公報(特許文献132)、米国特許公報(特許文献131)、米国特許公報(特許文献133)、米国特許公報(特許文献130)、米国特許公報(特許文献134)、米国特許公報(特許文献129)、米国特許公報(特許文献135)、および米国特許公報(特許文献136)で開示されている。発泡技術の概説は、(非特許文献2)、および(非特許文献3)に出ている。
【0158】
上記に記述するように、発泡可能なポリエステル組成物は、広範囲の添加剤、充填剤を含むことができ、あるいは他の材料とブレンドすることができる。生分解性フォームでは、セルロース、化学的に改質したセルロースなどのセルロース誘導体、デンプン、および化学変性デンプンや熱可塑性デンプンなどのデンプン誘導体の添加が特に好ましい。
【実施例】
【0159】
(試験方法)
下記の実施例および比較例では、別段の記述のない限り以下の試験方法を使用した。
【0160】
示差走査熱分析(DSC)は、TAインスツルメント(TA Instruments)モデル番号2920機で行う。試料を、窒素雰囲気中20℃/分の速度で300℃に加熱し、プログラムによって20℃/分の速度で室温に冷却し戻し、次いで20℃/分の速度で300℃に再加熱する。下記に記載する観察された試料のガラス転移温度(Tg)、および結晶融点(Tm)は、2番目の加熱によるものである。
【0161】
内部粘度(IV)は、W.R.ソレンソン(W.R.Sorenson)、T.W.キャンプベル(T.W.Campbell)、「高分子合成実験法(Preparative Methods of Polymer Chemistry)」、1961年、35頁に定義されている。グッドイヤー(Goodyear)R−103B方法によって、50:50重量パーセントのトリフルオロ酢酸:ジクロロメタン酸溶媒系で濃度0.5g/100mLで室温において決定する。
【0162】
実験室相対粘度(LRV)は、80ppmの硫酸を含有するヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)10mLに溶解したポリエステル試料溶液0.6グラムの粘度と硫酸含有ヘキサフルオロイソプロパノールそれ自体の粘度との比であり、両方とも25℃において細管粘度計で測定する。LRVは、数的にIVに関連することがある。この関係を利用する場合、「計算されたIV」という用語が知られている。
【0163】
生分解性試験は、ISO 14855方法、「制御されたコンポスト条件の好気的かつ究極的な生分解度及び崩壊度の求め方−発生炭素の分析方法(Determination of the ultimate aerobic biodegradability and disintegration of plastic materials under controlled composting conditions − Method by analysis of evolved carbon)」に従って行った。この試験は、都市固形廃棄物の無機質断片に由来する安定化された熟成堆肥からなる接種物に、バーミキュライトマトリックス上で試験対象のポリマーの粉砕した粉末を注入し、標準状態下で58C±2Cに制御した培養温度で堆肥化するものであった。1つのポリマー試料で試験を実施した。発生二酸化炭素を使用して、生分解性度を決定する。
【0164】
フィルム特性を試験する前に、フィルム試料を72F、湿度50パーセントで40時間状態調節した。エルメンドルフ引裂強さを、ASTM 1922により決定した。グレーブス(Graves)引裂強さを、ASTM D1004により決定した。破断点引張強さ、引張弾性率、およびパーセント破断点伸びを、ASTM D882により決定した。
【0165】
(比較例CE1)
250ミリリットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(80.09グラム)、エチレングリコール(10.55グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(10.37グラム)、グルタル酸ジメチル(24.03グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.042グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.034グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180Cに加熱した。180Cに到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら3.6時間にわたって275Cに加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275Cで1時間撹拌した。無色の留出液16.2グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275Cで完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で3.4時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに1.7グラム回収し、固体生成物82.8グラムを回収した。
【0166】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.50dL/gを有することが判明した。
【0167】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。熱転移は、室温と300Cの間では認められなかった。
【0168】
(比較例CE2)
250ミリリットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(86.44グラム)、エチレングリコール(7.45グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(2.96グラム)、グルタル酸ジメチル(24.03グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.042グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.034グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180Cに加熱した。180Cに到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら3.5時間にわたって275Cに加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1時間撹拌した。無色の留出液11.6グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で2.3時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに7.3グラム回収し、固体生成物71.7グラムを回収した。
【0169】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.78dL/gを有することが判明した。
【0170】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度32.5℃、中点温度34.6℃、および終点温度36.5℃であると判明した。結晶融点(Tm)は室温と300℃の間では観察されなかった。
【0171】
(比較例CE3)
250ミリリットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(86.95グラム)、エチレングリコール(7.45グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(2.37グラム)、グルタル酸ジメチル(24.03グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.042グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.034グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら3.5時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1時間撹拌した。無色の留出液12.6グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で2.1時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに8.4グラム回収し、固体生成物68.9グラムを回収した。
【0172】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.79dL/gを有することが判明した。
【0173】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度32.3℃、中点温度34.6℃、および終点温度36.9℃であると判明した。結晶融点(Tm)は室温と300℃の間では観察されなかった。
【0174】
(実施例1)
250ミリリットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(88.35グラム)、エチレングリコール(6.52グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(0.74グラム)、グルタル酸ジメチル(24.03グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.042グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.034グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら3.5時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1時間撹拌した。無色の留出液8.5グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で2.2時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに12.3グラム回収し、固体生成物68.8グラムを回収した。
【0175】
試料を、上記に記述するように実験室相対粘度(LRV)について測定し、LRV32.3であることが判明した。この試料を計算すると、0.83dL/gの内部粘度を有していた。
【0176】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度33.6℃、中点温度35.0℃、および終点温度36.1℃であると判明した。幅の広い結晶融点(Tm)が181.8℃(3.9J/g)で観察された。
【0177】
(実施例2)
250ミリリットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(88.86グラム)、エチレングリコール(6.27グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(0.15グラム)、グルタル酸ジメチル(24.03グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.042グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.034グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら3.6時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1時間撹拌した。無色の留出液12.8グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で2.4時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに7.0グラム回収し、固体生成物64.0グラムを回収した。
【0178】
試料を、上記に記述するように実験室相対粘度(LRV)について測定し、LRV32.7であることが判明した。この試料を計算すると、0.84dL/gの内部粘度を有していた。
【0179】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度35.8℃、中点温度37.6℃、および終点温度39.5℃であると判明した。幅の広い結晶融点(Tm)が185.1℃(16.8J/g)で観察された。
【0180】
比較例1から3と、実施例1および2は、本明細書で開示するコポリエステルが、比較例のより高度にスルホン化された組成物とは対照的に、半結晶質であることを示している。
【0181】
(比較例CE4)
250ミリリットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(105.51グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(2.96グラム)、グルタル酸ジメチル(12.01グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.042グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.034グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら3.6時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1時間撹拌した。無色の留出液13.1グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で1.8時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに3.2グラム回収し、固体生成物61.7グラムを回収した。
【0182】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.61dL/gを有することが判明した。
【0183】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度51.6℃、中点温度53.6℃、および終点温度55.5℃であると判明した。結晶融点(Tm)が210.8℃(26.5J/g)で観察された。
【0184】
(実施例3)
1リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(647.55グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(0.89グラム)、グルタル酸ジメチル(72.08グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.25グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.20グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら1.7時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1.0時間撹拌した。無色の留出液87.5グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で4.4時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに75.4グラム回収し、固体生成物444.1グラムを回収した。
【0185】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.61dL/gを有することが判明した。
【0186】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度49.7℃、中点温度54.3℃、および終点温度58.5℃であると判明した。幅の広い結晶融点(Tm)が228.7℃(28.3J/g)で観察された。
【0187】
(実施例4)
1リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(617.12グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(0.80グラム)、グルタル酸ジメチル(43.25グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.23グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.18グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら2.4時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1.3時間撹拌した。無色の留出液85.8グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で3.8時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに68.7グラム回収し、固体生成物376.0グラムを回収した。
【0188】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.63dL/gを有することが判明した。
【0189】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度61.9℃、中点温度68.3℃、および終点温度72.7℃であると判明した。幅の広い結晶融点(Tm)が237.8℃(32.2J/g)で観察された。
【0190】
(実施例5)
1リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(411.18グラム)、イソフタル酸ジメチル(131.08グラム)、エチレングリコール(67.10グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(0.80グラム)、グルタル酸ジメチル(64.87グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.23グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.18グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら2.5時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1.2時間撹拌した。無色の留出液132.9グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で3.7時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに44.6グラム回収し、固体生成物450.1グラムを回収した。
【0191】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.32dL/gを有することが判明した。
【0192】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度48.3℃、および終点温度53.6℃であると判明した。結晶融点(Tm)は観察されなかった。
【0193】
(実施例6)
1リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(445.51グラム)、イソフタル酸ジメチル(131.08グラム)、エチレングリコール(50.35グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(0.80グラム)、グルタル酸ジメチル(43.25グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.23グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.18グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら2.2時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1.2時間撹拌した。無色の留出液113.2グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で3.9時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに57.8グラム回収し、固体生成物454.6グラムを回収した。
【0194】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.41dL/gを有することが判明した。
【0195】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度56.1℃、および終点温度61.1℃であると判明した。結晶融点(Tm)は観察されなかった。
【0196】
(実施例7)
1リットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(514.15グラム)、イソフタル酸ジメチル(78.65グラム)、エチレングリコール(17.09グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(0.80グラム)、グルタル酸ジメチル(43.25グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.23グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.18グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら2.0時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1.5時間撹拌した。無色の留出液99.7グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で4.4時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに53.6グラム回収し、固体生成物441.0グラムを回収した。
【0197】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.50dL/gを有することが判明した。
【0198】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。ガラス転移温度(Tg)は、開始温度58.7℃、および終点温度64.0℃であると判明した。幅の広い結晶融点(Tm)が194.1℃(18.0J/g)で観察された。
【0199】
(実施例8)
250ミリリットルのガラスフラスコに、テレフタル酸ビス(2−ヒドロキシエチル)(62.92グラム)、エチレングリコール(18.93グラム)、イソフタル酸ジメチル−3−スルホン酸ナトリウム(0.74グラム)、アジピン酸ジメチル(43.55グラム)、酢酸マンガン(II)四水和物(0.042グラム)、および三酸化アンチモン(III)(0.034グラム)を添加した。反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌し、180℃に加熱した。180℃に到達した後、反応混合物を、緩やかな窒素パージ下で撹拌しながら3.7時間にわたって275℃に加熱した。得られた反応混合物を、わずかな窒素パージ下に275℃で1時間撹拌した。無色の留出液6.7グラムをこの加熱サイクルで収集した。次いで、反応混合物を、撹拌しながら275℃で完全真空にした。得られた反応混合物を、完全真空下(圧力100mトール未満)で3.5時間撹拌した。次いで、真空を窒素で解除し、反応塊を放置して室温まで冷却した。留出液をさらに15.8グラム回収し、固体生成物70.5グラムを回収した。
【0200】
試料を、上記に記述するように内部粘度(IV)について測定し、IV0.44dL/gを有することが判明した。
【0201】
試料は、示差走査熱分析(DSC)分析を行った。幅の広い結晶融点(Tm)が142.0℃(6.3J/g)で観察された。
【0202】
(実施例9)
より大きな規模という点以外は実施例1に記載したものと同様にして調製したポリマーを、ホッパードライヤによって80℃で8時間、露点−40℃まで乾燥する。次いで、材料を、20ポンド/時の速度で、直径1 1/2インチ単軸のデービススタンダード(Davis Standard)押出機(スクリューL/Dは24:1、モデル番号DS−15H)の供給部へ送り込む。押出機条件および温度分布を下記に記載する。次いで、溶融ポリマーを、キリオン(Killion)の3本ロールスタックシートラインに送り込む。その条件および温度分布を下記に記載する。
【0203】
押出機 ゾーン1温度(供給部):340F
押出機 ゾーン2温度:385F
押出機 ゾーン3温度:385F
押出機 ゾーン4(フロント)温度:365F
フランジ:385F
パイプ:385F
フランジ:385F
ダイ温度:380F
ダイリップ:380F
溶融温度:385F
押出機 アンペア(Amp):3.4
押出機 毎分回転数(RPM):50
チルロール頂部温度:70F
チルロール中間温度:70F
チルロール底部温度:70F
フィルム引取速度:275インチ/分
【0204】
幅8インチ、厚さ0.003インチ(3ミル)のフィルムを生成する。
【0205】
フィルムを即席食品サンドイッチラップ包装として試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0206】
(実施例10)
上記の実施例9で生成したフィルムの2平方インチを、50℃に4分間予備加熱し(熱空気を直接フィルムに衝突させないように注意して、ホットスポットを回避する)し、幅出機T.M.ロング(T. M. Long)二軸延伸機で二軸配向する。延伸機の延伸比は3×3に設定し、延伸速度は5インチ/秒(12.7cm/秒)である。二軸延伸フィルムは、未延伸フィルムの場合に判明したのより、機械方向(MD)と横方向(TD)でともに引張り強さが少なくとも10パーセント大きいことが判明している。
【0207】
二軸延伸フィルムを、即席食品サンドイッチラップ包装として試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0208】
(実施例11〜16、比較例CE5およびCE7)
より大きな規模という点以外は下記の表1で挙げる実施例の上記と同様にして調製したポリマーを、ホッパードライヤによって60℃で8時間、露点−40℃まで乾燥する。材料を、単軸容量供給装置(K−トロン(K−tron)モデルNo.7)のホッパーに入れ、そこから、幅10インチのフィルムダイに約0.010インチの間隙を設けて接続させたハウスバキュームで維持されている真空ポートをもつ28mmのウェルナーアンドプフライデラー(Werner and Pfleider)二軸押出機の入り口まで自由落下させる。供給ホッパー、および押出機の供給口で、乾燥窒素のパージを維持する。押出機を、スクリュー速度150RPMで、表1内に記載するヒーター分布を用いて操作する。
【0209】
【表1】

【0210】
押し出されたポリマーフィルムを、冷水で温度26℃に維持された直径12インチの平滑な急冷ドラム上に静電気的に留め、標準的なテンションロールを使用して剥離紙を収集する。急冷ドラム速度を5〜15フィート/分に調整して、厚さ約8ミル〜約1.5ミルのフィルム試料を得る。
【0211】
比較例CE5、CE6およびCE7は、広範囲な粘着のためフィルムの収率が低いことが判明する。
【0212】
実施例11〜16のフィルムを即席食品サンドイッチラップとして試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0213】
実施例11〜16のフィルムを物理的諸特性について試験し、エルメンドルフ引裂強さ、グレーブス引裂強さ、およびパーセント破断点伸びで測定した靭性と、破断点引張強さおよび引張弾性率で測定した強度との優れた組合せを有していることが判明する。
【0214】
10インチ×16インチの長方形を、実施例11、実施例12、比較例CE5、比較例CE6、および比較例CE7のフィルムから切り出し、およびサイズを精確に測定する。このフィルム長方形を、フィッシャーサイエンティフィック(Fisher Scientific)アイソテンプインキュベータ(Isotemp Incubator)モデル番号625Dに入れ、60℃に1時間加熱する。次いで、フィルム長方形を精確に再測定する。実施例11および実施例12は、比較例CE5、比較例CE6、および比較例CE7で判明するものより、収縮が少なくとも10パーセント小さいことが判明する。
【0215】
(実施例17〜22、および比較例CE8〜CE10)
下記の表2で挙げる実施例で生成した、厚さ約1.5ミル〜8ミルのフィルムを、ロードアイランド州プロビデンスのマーシャルアンドウィリアムズ(Marshall and Williams Company, Providence, Rhode Island)の機械方向配向機(MDO)モデル番号7200に通した。MDO装置を下記の表2に挙げる温度に予備加熱し、フィルムを、その温度でいる間に、下記の表2に記載するように延伸する。例えば、「延伸3倍」は、例えば長さ1メートルのフィルムであれば延伸すると、長さ3メートルとなるはずであることを意味する。
【0216】
【表2】

【0217】
比較例CE8、CE9、およびCE10の生成は、加工中の装置への粘着、およびフィルム粘着のため、困難であると判明する。対照的に、実施例17および18は、そのより高いレベルの結晶性、およびより速い結晶化速度のため問題なく生成される。
【0218】
実施例17〜22の一軸延伸されたフィルムは、対応する未延伸フィルムで判明するものより、機械方向(MD)における引張り強さが少なくとも10パーセント大きいことが判明する。
【0219】
実施例17〜22の一軸延伸されたフィルムを即席食品サンドイッチラップ包装として試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0220】
(実施例23〜28)
上記で生成し下記の表3で詳述するフィルムの2平方インチを、下記の表3に記載する温度に4分間予備加熱し(熱空気を直接フィルムに衝突させないように注意して、ホットスポットを回避する)、幅出機T.M.ロング(T. M. Long)二軸延伸機で二軸配向する。延伸機の延伸比は3×3に設定し、延伸速度は5インチ/秒(12.7cm/秒)である。
【0221】
【表3】

【0222】
二軸延伸フィルムは、未延伸フィルムの場合に判明したのより、機械方向(MD)と横方向(TD)でともに引張り強さが少なくとも10パーセント大きいことが判明している。
【0223】
二軸延伸フィルムを、即席食品サンドイッチラップ包装として試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0224】
(実施例29〜33)
より大きな規模という点以外は上記の実施例2で記載したものと同様にして調製したポリマーを、ホッパードライヤによって60℃で8時間、露点−40℃まで乾燥する。材料を、(ポリマー重量に基づいて)0.10重量パーセントのヒンダードフェノール抗酸化剤であるチバ(Ciba Company)のイルガノックス(Irganox)−1010とパウダーブレンドする。材料を、単軸容量供給装置(K−トロン(K−tron)モデルNo.7)のホッパーに入れ、そこから、幅10インチのフィルムダイに約0.010インチの間隙を設けて接続させたハウスバキュームで維持されている真空ポートをもつ28mmのウェルナーアンドプフライデラー(Werner and Pfleider)二軸押出機の入り口まで自由落下させる。供給ホッパー、および押出機の供給口で、乾燥窒素のパージを維持する。押出機を、スクリュー速度150RPMで、下記のヒーター分布を用いて操作する。
【0225】
【表4】

【0226】
モルフレックス(Morflex, Inc.)からのアセチルクエン酸トリ−n−ブチルである可塑剤を、精密なフィーダで、下記の表4に挙げる組成物を提供する速度でゾーン2に注入する。表4に示す可塑剤レベルは、全組成物の重量に基づくものである。
【0227】
【表5】

【0228】
押し出されたポリマーフィルムを、冷水で温度26℃に維持された直径12インチの平滑な急冷ドラム上に静電気的に留め、標準的なテンションロールを使用して剥離紙を収集する。急冷ドラム速度を5〜15フィート/分に調整して、厚さ約8ミル〜約1.5ミルのフィルム試料を得る。
【0229】
フィルムを、即席食品サンドイッチラップ包装試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0230】
(実施例34〜39)
より大きな規模という点以外は上記の実施例8で記載したものと同様にして調製したポリマーを、大型の棚型乾燥機で乾燥熱空気を再循環させながら水分含有量0.04パーセント未満まで60℃で終夜乾燥する。コーンスターチ(CPCインターナショナル(CPC International, Inc.)からのコーンプロダクツ(Corn Products)3005)、およびコメデンプン(シグマケミカルズ(Sigma Chemicals)カタログ番号S7260)を、大型の棚型真空オーブンで、90℃、真空度1mmHg未満で、水分含有量1パーセント未満まで乾燥し、使用するまでシール容器に貯蔵する。ポリエチレンアジペート(ルコポリマーコーポレーション(Ruco Polymer Corporation)からのルコフレックス(Rucoflex)(登録商標)S−101−55、公称分子量2000)を、前処理なしに受理したまま直接使用する。
【0231】
ポリマーとデンプンのブレンドを、手で材料をプラスチック袋の中で混転することによって作製する。乾燥デンプンを、乾燥機からの温かいポリマーに添加し、このまだ温かい混合物を押出機に送り込む。ポリエチレンアジペート(ルコフレックス(Rucoflex)(登録商標))を使用する場合、ルコフレックス(Rucoflex)(登録商標)を溶融し、液体を、定量ポンプによって押出機の第2のヒーターゾーンに注入する。下記の表5に挙げる最終組成物を調製する。
【0232】
【表6】

【0233】
ブレンドを、Kトロン(Ktron)二軸フィーダ(モデル番号T−35、190 6300 コントローラ付き)の供給ホッパーに(窒素パージしながら)入れ、ウェルナーアンドプフライデラー(Werner and Pfleider)ZSK 30mmの二軸押出機に計量供給する。この押出機は、L/Dが30/1で、真空ポート、および温和な混合用スクリューを備えている。押出機バレルの温度は、押出機の供給端での135℃から、吐出しでの165℃へと電気加熱する。押出機を150RPMで操作し、真空ポートをハウスバキュームに接続し、プロセス条件とともに変化させることができる。単口ダイ(直径1/8インチ)を吐出し用に使用する。得られたストランドを、長さ6フィートの水槽中で急冷し、エアナイフで脱水し、コンエア(Conair)カッター(モデル番号304)でペレットに切断する。個別の組成物について具体的な操作条件を、下記の表6に挙げる。
【0234】
【表7】

【0235】
(実施例40〜45)
上記の実施例34〜39で調製したポリマー−デンプンのブレンドを、ホッパードライヤによって60℃で8時間、露点−40℃まで乾燥する。材料を、単軸容量供給装置(K−トロン(K−tron)モデルNo.7)のホッパーに入れ、そこから、幅10インチのフィルムダイに約0.010インチの間隙を設けて接続させたハウスバキュームで維持されている真空ポートをもつ28mmのウェルナーアンドプフライデラー(Werner and Pfleider)二軸押出機の入り口まで自由落下させる。供給ホッパー、および押出機の供給口で、乾燥窒素のパージを維持する。押出機を、スクリュー速度150RPMで、下記のヒーター分布を用いて操作する。
【0236】
【表8】

【0237】
押し出されたポリマーフィルムを、冷水で温度26℃に維持された直径12インチの平滑な急冷ドラム上に静電気的に留め、標準的なテンションロールを使用して剥離紙を収集する。急冷ドラム速度を5〜15フィート/分に調整して、厚さ約8ミル〜約1.5ミルのフィルム試料を得る。
【0238】
【表9】

【0239】
フィルムを、即席食品サンドイッチラップ包装試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0240】
(実施例46〜52)
より大きな規模という点以外は上記の実施例3で記載したものと同様にして調製したポリマーを、大型の棚型乾燥機で乾燥熱空気を再循環させながら水分含有量0.04パーセント未満まで80℃で終夜乾燥する。タルク(コロラド州エングルウッド(Englewood, Colorado)のルーゼナック(Luzenac)、粒径3.8ミクロン)、二酸化チタン(オクラホマ州オクラホマシティ(Oklahoma City, Oklahoma)のカーマギーケミカル(Kerr−McGee Chemical, LLC)から供給、トロノクス(Tronox)(登録商標)グレード470、粒径0.17ミクロン)、および炭酸カルシウム(アラバマ州シラコーガのECCAカルシウムプロダクツ(ECCA Calcium Products, Inc., Sylacauga, AL)、ECCスーパーコート(Supercoat)(T)グレード、平均粒径1ミクロン)を大型の棚型真空オーブンで、90℃、真空度1mmHg未満で、水分含有量1パーセント未満まで乾燥し、使用するまでシール容器に貯蔵する。
【0241】
ポリマーと無機充填剤のブレンドを、手で材料をプラスチック袋の中で混転することによって作製する。乾燥無機充填剤を、乾燥機からの温かいポリマーに添加し、このまだ温かい混合物を押出機に送り込む。下記の表8に挙げる最終組成物を調製する。
【0242】
【表10】

【0243】
ブレンドを、Kトロン(Ktron)二軸フィーダ(モデル番号T−35、190 6300 コントローラ付き)の供給ホッパーに(窒素パージしながら)入れ、ウェルナーアンドプフライデラー(Werner and Pfleider)ZSK 30mmの二軸押出機に計量供給する。この押出機は、L/Dが30/1で、真空ポート、および激しい混合用スクリューを備えている。押出機バレルの温度は、押出機の供給端での220℃から、吐出しでの250℃へと電気加熱する。押出機を150RPMで操作し、真空ポートをハウスバキュームに接続し、プロセス条件とともに変化させることができる。単口ダイ(直径1/8インチ)を吐出し用に使用する。得られたストランドを、長さ6フィートの水槽中で急冷し、エアナイフで脱水し、コンエア(Conair)カッター(モデル番号304)でペレットに切断する。個別の組成物について具体的な操作条件を、下記の表9を示す。
【0244】
【表11】

【0245】
(実施例53〜59)
上記の実施例46〜52で調製されたポリマー−無機充填剤のブレンド、ならびにより大きな規模という点以外は上記の実施例3に記載したものと同様にして調製したポリマーを、ホッパードライヤによって80℃で8時間、露点−40℃まで乾燥する。材料を、単軸容量供給装置(K−トロン(K−tron)モデルNo.7)のホッパーに入れ、そこから、幅10インチのフィルムダイに約0.010インチの間隙を設けて接続させたハウスバキュームで維持されている真空ポートをもつ28mmのウェルナーアンドプフライデラー(Werner and Pfleider)二軸押出機の入り口まで自由落下させる。実施例56は、50重量パーセントの実施例49と50重量パーセントの実施例3を混転させたブレンドから構成される。供給ホッパー、および押出機の供給口で、乾燥窒素のパージを維持する。押出機を、スクリュー速度150RPMで、下記のヒーター分布を用いて操作する。
【0246】
【表12】

【0247】
押し出されたポリマーフィルムを、冷水で温度26℃に維持された直径12インチの平滑な急冷ドラム上に静電気的に留め、標準的なテンションロールを使用して剥離紙を収集する。急冷ドラム速度を5〜15フィート/分に調整して、厚さ約8ミル〜約1.5ミルのフィルム試料を得る。
【0248】
【表13】

【0249】
フィルムを、即席食品サンドイッチラップ包装試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。さらに、フィルムは、感触および外観ともに、紙に類似していることが判明する。
【0250】
(実施例60〜65)
より大きな規模という点以外は下記の表11に記載する実施例のために記載するように同様に調製したポリマーを、除湿空気乾燥機で、60℃で終夜乾燥する。乾燥されたポリマーを、15:1減速歯車装置付きのキリオン(Killion)の直径1.25インチの押出機を含む実験室規模ブローフィルムラインに送り込む。押出機ヒーターゾーンを、下記の表11に記載する温度周辺に設定する。スクリューは、マドック(Maddock)混合型で、L/Dが24:1である。混合スクリュー用の圧縮比は、3.5:1である。スクリュー速度は、25〜30RPMである。25ミルのダイギャップ付きの直径1.21インチダイを使用する。空冷環は、キリオン(Killion)シングルリップ(single−lip)No.2型である。ブロー条件は、バブル直径とダイ直径の比であり、フープまたは横方向(TD)延伸の指標を提供するブローアップ比(BUR)、あるいは軸または機械方向(MD)延伸の指標である引落比(DDR)を特徴とすることができる。延伸のレベルが大きくなると、フィルムに入り込む配向のレベルも大きくなる。
【0251】
【表14】

【0252】
チューブラフィルムに切り込みを入れ、即席食品サンドイッチ包装として試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0253】
(実施例66〜68)
2層フィルムを、ブランプトンエンジニアリング(Brampton Engineering)製造のブローフィルムダイである10インチの2層流線形同時押出ダイ(SCD)で生成する。ダイの外側層から内側層にA/Bであるダイの層構成は下記のとおりである。2台の3 1/2インチのデビッドスタンダード(David Standard)押出機は、A層およびB層を供給した。プロセスラインは、さらにポリマー冷却用にブランプトンエンジニアリング(Brampton Engineering)回転空冷環を利用する。A層は、より大きな規模という点以外は実施例2のために記載したものと同様にして調製したポリマーを含む。B層は、より大きな規模という点以外は実施例8のために記載したものと同様にして調製したポリマーを含む。両方のポリマーを除湿乾燥機中、60℃で乾燥する。操作を調整して、下記の表12に記載するフィルムの層の場合の全フィルム構造に対する比を提供した。フィルム厚さは約2.25ミル(0.00225インチ)である。フィルム用の加工条件を下記の表13に示す。
【0254】
【表15】

【0255】
【表16】

【0256】
上記で調製した多層フィルムを、押出ラインニップの下流で、バッテンフェルドグロスターエンジニアリング(Battenfeld Gloucester Engineering Co., Inc.)製造のインライン製袋機(inline bag machine)を使用して袋に変換する。
【0257】
スリットフィルムを、即席食品サンドイッチラップとして試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0258】
(実施例69〜71)
2層フィルムを、ブランプトンエンジニアリング(Brampton Engineering)製造のブローフィルムダイである10インチの2層流線形同時押出ダイ(SCD)で生成する。ダイの外側層から内側層にA/Bであるダイの層構成は下記のとおりである。2台の3 1/2インチのデビッドスタンダード(David Standard)押出機が、A層およびB層を供給した。プロセスラインは、さらにポリマー冷却用にブランプトンエンジニアリング(Brampton Engineering)回転空冷環を利用する。A層は、より大きな規模という点以外は実施例36で記載したものと同様にして調製したポリマーを含む。B層は、より大きな規模という点以外は実施例8で記載したものと同様にして調製したポリマーを含む。両方のポリマーを除湿乾燥機中、60℃で乾燥する。操作を調整して、下記の表14に記載するフィルムの層の場合の全フィルム構造に対する比を提供した。フィルム厚さは約2.25ミル(0.00225インチ)である。フィルム用の加工条件を下記の表15に示す。
【0259】
【表17】

【0260】
【表18】

【0261】
上記で調製した多層フィルムを、押出ラインニップの下流で、バッテンフェルドグロスターエンジニアリング(Battenfeld Gloucester Engineering Co., Inc.)製造のインライン製袋機を使用して袋に変換する。
【0262】
スリットフィルムを、即席食品サンドイッチラップとして試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0263】
(実施例72〜74)
2層フィルムを、ブランプトンエンジニアリング(Brampton Engineering)製造のブローフィルムダイである10インチの2層流線形同時押出ダイ(SCD)で生成する。ダイの外側層から内側層にA/Bであるダイの層構成は下記のとおりである。2台の3 1/2インチのデビッドスタンダード(David Standard)押出機が、A層およびB層を供給した。プロセスラインは、さらにポリマー冷却用にブランプトンエンジニアリング(Brampton Engineering)回転空冷環を利用する。A層は、実施例38で記載したものと同様にして調製したデンプン充填ポリマーを含む。B層は、イーストマンケミカル社(Eastman Chemical Company)からのイースター(Eastar)(登録商標)バイオ、および上記に記述するように含む。両方のポリマーを除湿乾燥機中、60℃で乾燥する。操作を調整して、下記の表16に記載するフィルムの層の場合の全フィルム構造に対する比を提供した。フィルム厚さは約2.25ミル(0.00225インチ)である。フィルム用の加工条件を下記の表17に示す。
【0264】
【表19】

【0265】
【表20】

【0266】
上記で調製した多層フィルムを、押出ラインニップの下流で、バッテンフェルドグロスターエンジニアリング(Battenfeld Gloucester Engineering Co., Inc.)製造のインライン製袋機を使用して袋に変換する。
【0267】
スリットフィルムを即席食品サンドイッチラップとして試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0268】
(実施例75〜97および比較例CE11〜CE13)
より大きな規模という点以外は下記の表18に挙げる実施例および比較例で記載するものと同様にして調製したポリエステル樹脂を、露点−40℃の乾燥剤空気乾燥機で、温度60℃で終夜乾燥する。ポリエステル樹脂を、乾燥ペレットを、バレルの長さと直径の比が28:1である2.5インチの市販押出機に送り込む事によって板紙ストックに押出コートする。押出機の5つのゾーンを、下記の表18内に記載する範囲の温度に維持する。8個の圧縮用ネジ山、4個の計量用ネジ山、ネジ山が2個の混合セクション、および6個の計量用ネジ山を有するネジ単軸を押出機で使用する。スクリュー速度を180回転/分(RPM)に維持する。溶融ポリエステル樹脂を3個の24×24のメッシュスクリーンに通す。ポリマーを、ダイ開口部が36インチ×0.02インチで0.75インチのランドをもつ中央供給ダイ似通す。押出フィード速度を、460ポンド/時で一定に保持する。得られた押出物は、5インチエアギャップを通り抜けて、ゴム被覆圧力ロールとチルロールによって形成されるニップに入れる。同時に、下記の表18に記載の幅32インチの板紙ストックを、ニップに送り込み、ロールはフィルムと接触する。ニップ圧力100ポンド/線状インチを塗布する。直径24インチの鏡面仕上げチルロールを、押出試行中、温度19℃に維持する。コートされた板紙を、圧力ロールとチルロールによって形成されるニップから180°の点でチルロールで引き取る。チルロールを線速度300フィート/分で操作する。このコート速度で、ポリエステル樹脂の厚さ1.25ミルが得られる。ポリエステル樹脂の厚さは、操作上の修正形態によって変わり得る。
【0269】
【表21】

【0270】
実施例75〜83を、即席食品サンドイッチラップ包装として試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0271】
比較例CE11、CE12、およびCE13は、粘着および付着により、生成方法で、かつ即席食品サンドイッチラップ包装として妨害されている。
【0272】
実施例75〜83を、通常のプロセスによって、封筒;例えば廃棄物、ゴミ、葉、飛行機酔い、および食料雑貨用などを含めて袋の形に形成、かつヒートシールする。
【0273】
実施例84〜90を、通常のプロセスによって、カップ、ガラス、椀、トレー;例えば牛乳、ジュース、水、ワイン、ヨーグルト、クリーム、およびソーダ用などを含めて液体容器およびカートンの形に形成する。
【0274】
実施例91〜97を、通常のプロセスによって、トレー、箱、蓋付きサンドイッチ容器、蓋付きサラダ容器、蝶番式蓋付きのサンドイッチ容器、蝶番式蓋付きのサラダ容器などの形に形成する。
【0275】
(実施例98)
押出コートされた紙ラミネートを下記のように調製する。より大きな規模という点以外は上記の実施例8に記述するように同様に生成した樹脂を60℃で終夜乾燥する。次いで、樹脂を、ホッパーに、0.007インチの間隙をもつ幅18インチのフィルムダイを備えた押出機(エクリンマニュファクチャリング(Echlin Manufacturing Company)シリアル番号0717)の1インチ(2.5cm)の入り口の上に入れる。幅18インチの不織布を、47〜106フィート/分の速度で、バーモント州セント・アルバンス(St. Albans, Vt)のバーテク(Bertek Inc.)が作製した押出コーティング機によって連続的に導く。コートする紙(幅11インチ、18ポンドの用紙)を、この支持織物の上に送り、そのアセンブリを、コロナ処理(インターコン(Intercon)作製)によって、150〜260°Fに加熱された直径4インチのトウロール間のSワープを通して、ポリテトラフルオロエチレンでコートされた直径12インチ(30cm)のマット仕上げのチルロールに、この直径12インチのロールの周辺が100〜200°F、ほぼ300°で導く一方、樹脂を、ダイを通して、所望の厚さのコーティングを得るのに適切であると判明した運搬速度で、チルロールとニップロールの間でチルロール(約0.25〜0.50インチ)にできるだけ近い位置に押出す。押出機中のポリマー温度は340°Fであり、ダイ中のポリマー温度は345°Fである。ポリマー温度を、フローのバラツキを最小限に抑えるように調整することができる。厚さ0.5ミルのフィルムを、紙に塗布する。
【0276】
紙ラミネートを、即席食品サンドイッチラップ包装として試験し、優れた永久折り目性能があると判明する。
【0277】
上記のラミネート(8インチ×8インチ平方)の何枚かを、都市固形廃棄物(それから、ガラス、缶、ならびに大半の軽質プラスチックおよび紙は除去されている)と下水汚泥を約2:1の比で混合し四角にした(squared)約0.5立方ヤードとともに回転式堆肥化装置に入れる。堆肥化装置を週1回回転させ、温度および水分含有量を監視する。ラミネートが迅速に崩壊することが判明する。
【0278】
(実施例99)
より大きな規模という点以外は実施例8に記載するように同様に調製したポリマー、およびポリ(ラクチド)(カーギルダウ(Cargill Dow Company)から)を、ホッパードライヤで、60℃で露点−40℃まで終夜乾燥する。重さ210グラム/mで、前進速度150メートル/分の3層板紙上に、実施例8のポリマーと、ポリ(ラクチド)を重量比1:3で同時押出する。実施例8のポリマーの溶融温度は170℃であり、ポリ(ラクチド)の溶融温度は240℃である。コートされた板紙が得られ、ポリマーコーティングの全量が19.4グラム/mで、外層を形成するポリ(ラクチド)の重量比が75重量パーセントであり、板紙に接着した内層を形成する実施例8からのポリマーが25重量パーセントである。
【0279】
上記で調製した板紙を、通常のプロセスによって、カップ、ガラス、椀、トレー;例えば牛乳、ジュース、水、ワイン、ヨーグルト、クリーム、およびソーダ用などを含めて液体容器およびカートンの形に形成する。
【0280】
(実施例100〜105)
カレンダーされた紙ラミネートは、下記の表19に記載する実施例で上記に記述するように生成したフィルムのアセンブリを作製し、コートする紙の同様なサイズのシートと接触する剥離紙上にコートし、次いでこのアセンブリを、表面速度5ヤード/分、温度200°Fで、圧力10トンで、加熱された磨き金属トップロールと非加熱の弾性(シルク)ロールの間のニップに通すことによって調製する。
【0281】
積層された紙製品の様々な紙基材の詳細を、下記の表19に示す。
【0282】
【表22】

【0283】
上記のラミネート(8インチ×8インチ平方)の何枚かを、都市固形廃棄物(それから、ガラス、缶、ならびに大半の軽質プラスチックおよび紙は除去されている)と下水汚泥を約2:1の比で混合し立方体にしたもの約0.5立方ヤードとともに回転式堆肥化装置に入れる。堆肥化装置を週1回回転させ、温度および水分含有量を監視する。ラミネートが迅速に崩壊することが判明する。
【0284】
(実施例106)
積層されたストックを、板紙とコロナ処理したポリエステルフィルムの組合せから、2つの水系アクリル接着剤配合物の組合せを使用して生成する。板紙基材ストックは、食品包装材料用の基材ストックとしてよく知られている通常は白板(SBS)板紙と呼ばれるタイプのさらし白色板紙である。本明細書で使用する具体的な板紙は、厚さ0.0235インチ、重さ282ポンド/3,000平方フィートのコートしていないミルクカートンストックである。フィルムを、上記の実施例55に記載するように生成し、通常の手段で片側にコロナ放電処理して、接着剤結合を高める。積層プロセスは、接着剤を板紙とフィルムの両方に塗布するための接着剤ステーションを備えた通常の湿潤接着積層機を用いて実施する。接着剤を、湿潤接着剤約3ポンド/板紙1,000平方フィートを運搬する110ラインのグラビアロール塗布装置で板紙に塗布する。板紙に塗布された接着剤は、ロームアンドハース(Rohm & Haas Company)のロープレックス(Rhoplex)(登録商標)N−1031アクリルラテックス200ポンド、およびダイヤモンドシャムロックケミカル(Diamond Shamrock Chemical Company)のフオーマスター(Foamaster)NXZ脱泡剤1.5オンス(等容積の水に予備分散させる)からなる。接着剤をポリエステルフィルムのコロナ処理した側に塗布する。塗布する接着剤は、ロームアンドハース(Rohm & Haas Company)のロープレックス(Rhoplex)(登録商標)N−1031アクリルラテックス375ポンド、サイメル(Cymel)(登録商標)325メラミン−ホルムアルデヒド架橋剤11.5ポンド、イソプロピルアルコール11.5ポンド、水23ポンド、およびダイヤモンドシャムロックケミカル(Diamond Shamrock Chemical Company)のフオーマスター(Foamaster)NXZ脱泡剤3オンス(等容積の水に予備分散させる)からなる。
【0285】
積層プロセスを、それぞれ同時に接着剤塗布ステーションを通り抜ける板紙およびフィルムに実施し、次いで、板紙およびフィルムをともに、積層ニップに送り、接着剤でコートされた2つの表面をまだ湿っている接着剤で両表面で合わせる。積層機は、300〜350フィート/分の速度で運転する。積層されたストックを、積層ニップから空気温度400°Fの熱空気オーブンに流す。積層されたストックのオーブン中の滞在時間は、約5秒である。次いで、積層されたストックをチルロールに流し、仕上げロールで再び巻き取る。
【0286】
上記で調製した積層されたストックは、通常のプロセスによって、カップ、ガラス、椀、トレー;例えば牛乳、ジュース、水、ワイン、ヨーグルト、クリーム、およびソーダ用などを含めて液体容器およびカートンの形に形成する。
【0287】
(実施例107〜135)
これらの実施例は、予備成形基材上へのフィルムの積層を実証している。操作は、10×10インチの金型取付盤を備えたラボフォーム(Lab Form Inc.)成形機で実施する。予備成形基材を金型取付盤に往復輸送する。フィルムは、巻かずに、赤外型ヒーターを備えた「ブラックボックスヒーティング(Black Box Heating)」によって下記の表20に記載する時間、予備加熱する。次いで、予備加熱されたフィルムを予備成形基材上に配置し、予備成形基材上に引き落とす。実施例107〜116は、予備成形基材中を真空に引き、フィルムを予備成形基材の輪郭上に引くことによって減圧積層を利用する。実施例117〜125は、プラグアシストされた減圧積層を利用し、それによって上記に記載した真空に加えて、プラグは、予備成形基材の反対側から予備加熱されたフィルムを押すのに役立って深絞りの予備成形された基材中へのフィルム薄層化を減らすのを助ける。実施例126〜135は、空気圧力を、予備加熱されたフィルムの予備成形基材と反対側に加え、フィルムを予備成形基材の輪郭に押し付けることによって加圧積層を利用する。積層プロセスは、通常は5〜100秒必要とし、そのとき過剰のフィルムを積層された基材からトリムし、積層された基材を排出し、冷却する。
【0288】
これらの実施例内で使用する予備成形基材は、以下のとおりである。通常のプロセスによって調製された9インチ成形「パルプ皿」。通常のプロセスによって調製された成形冷凍夕食用板紙「トレー」。通常のプロセスによって調製された成形板紙コーヒー「カップ」、高さ3.5インチ。通常のプロセスによって調製された成形板紙「椀」、高さ3インチ、直径4インチ。アースシェル(EarthShell Company)から得られた市販の皿(ストック番号PL9V00001)からバリヤーフィルムを慎重に剥離することによって得られた9インチ「フォーム皿」。アースシェル(EarthShell Company)から得られた市販の椀(ストック番号BL12V00001)からバリヤーフィルムを慎重に剥離することによって得られた12オンス「フォーム椀」。アースシェル(EarthShell Company)から得られた市販の容器(ストック番号CLS00001)からバリヤーフィルムを慎重に剥離することによって得られた二重タブクロージャー機構を備えた蝶番式蓋付きのサラダおよびサンドイッチ「フォーム容器」。
【0289】
【表23】



【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸成分、グリコール成分、および酸成分100モル%を基準にして0〜約5.0モルパーセントの、多官能性酸、グリコール、またはその混合物から選択される多官能性分枝剤を含むスルホン化脂肪族−芳香族コポリエーテルエステルであって、
前記酸成分が
a.全酸成分100モルパーセントを基準にして約97.95〜約20.0モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分と、
b.全酸成分100モルパーセントを基準にして約2.0〜約79.95モルパーセントの脂肪族ジカルボン酸成分と、
c.全酸成分100モルパーセントを基準にして約0.05〜約0.75モルパーセントのスルホネート成分と
を含み、
前記グリコール成分が
a.全グリコール成分100モルパーセントを基準にして約100〜約95.0モルパーセントの第1のグリコール成分としてのエチレングリコールと、
b.全グリコール成分100モルパーセントを基準にして0〜約5.0モルパーセントの1つまたは複数の第2のグリコール成分とを含むことを特徴とするスルホン化脂肪族−芳香族コポリエーテルエステル。
【請求項2】
1つまたは複数の充填剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項3】
スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルと充填剤とを合わせた全重量を基準にして、約75重量パーセントまでの前記充填剤を含むことを特徴とする請求項2に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項4】
請求項1に記載されていることを特徴とする生分解性スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項5】
請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルから形成されることを特徴とする造形品。
【請求項6】
フィルム、配向フィルム、ラミネート、およびコーティングからなる群から選択されることを特徴とする請求項5に記載の造形品。
【請求項7】
請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルから形成されることを特徴とするフィルム。
【請求項8】
請求項7に記載されていることを特徴とする配向フィルム。
【請求項9】
請求項7に記載されていることを特徴とする二軸配向フィルム。
【請求項10】
前記フィルムが充填剤をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のフィルム。
【請求項11】
コポリエステルと充填剤とを合わせた全重量を基準にして約3重量パーセント〜約40重量パーセントの前記充填剤を含むことを特徴とする請求項10に記載のフィルム。
【請求項12】
前記充填剤が、第1組の粒子および第2組の粒子の空間充填用混合物を含み、前記第1組の粒子が約5ミクロン以上の平均粒径を有し、前記第2組の粒子が約0.7ミクロン以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項10に記載のフィルム。
【請求項13】
前記充填剤が無機充填剤、有機充填剤、および粘土充填剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項10に記載のフィルム。
【請求項14】
前記無機充填剤が、炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、ガラスビーズ、ガラス繊維、カーボンブラック、セラミック、チョーク、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載のフィルム。
【請求項15】
前記有機充填剤が、天然デンプン、変性デンプン、化学変性デンプン、コメデンプン、コーンスターチ、木粉、セルロース、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載のフィルム。
【請求項16】
前記粘土充填剤が、天然粘土、合成粘土、処理粘土、非処理粘土、有機粘土、スメクタイト粘土、ベントナイト粘土、ヘクトライト粘土、ウォラストナイト粘土、モンモリロナイト粘土、カオリン、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載のフィルム。
【請求項17】
約95.0〜約5.0重量パーセントの請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、および約5.0〜約95.0重量パーセントのポリマー材料を含むブレンドを含むことを特徴とするフィルム。
【請求項18】
前記ポリマー材料が、生分解性材料、非生分解性材料、天然由来材料、変性天然由来材料、合成材料、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項17に記載のフィルム。
【請求項19】
前記ポリマー材料が生分解性材料であることを特徴とする請求項18に記載のフィルム。
【請求項20】
前記生分解性材料が、ポリ(アルカノエート)、脂肪族ポリエステル、脂肪族−芳香族ポリエステル、脂肪族−芳香族ポリエーテルエステル、脂肪族−芳香族ポリアミドエステル、スルホン化脂肪族−芳香族ポリエステル、スルホン化脂肪族−芳香族ポリエーテルエステル、熱可塑性デンプン、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項19に記載のフィルム。
【請求項21】
前記ポリマー材料が非生分解性材料であることを特徴とする請求項18に記載のフィルム。
【請求項22】
充填剤をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のフィルム。
【請求項23】
前記充填剤が第1組の粒子および第2組の粒子の空間充填用混合物を含み、前記第1組の粒子が約5ミクロン以上の平均粒径を有し、前記第2組の粒子が約0.7ミクロン以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項22に記載のフィルム。
【請求項24】
前記充填剤が、無機充填剤、有機充填剤、および粘土充填剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項22に記載のフィルム。
【請求項25】
前記無機充填剤が、炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、ガラスビーズ、ガラス繊維、カーボンブラック、セラミック、チョーク、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項24に記載のフィルム。
【請求項26】
前記有機充填剤が、天然デンプン、変性デンプン、化学変性デンプン、コメデンプン、コーンスターチ、木粉、セルロース、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項24に記載のフィルム。
【請求項27】
前記粘土充填剤が、天然粘土、合成粘土、処理粘土、非処理粘土、有機粘土、スメクタイト粘土、ベントナイト粘土、ヘクトライト粘土、ウォラストナイト粘土、モンモリロナイト粘土、カオリン、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項24に記載のフィルム。
【請求項28】
基材、およびその上に積層された請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むことを特徴とする物品。
【請求項29】
前記基材が、紙、板紙、無機フォーム、有機フォーム、および無機−有機フォームからなる群から選択されることを特徴とする請求項28に記載の物品。
【請求項30】
前記スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルが、充填剤をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の物品。
【請求項31】
前記充填剤が、第1組の粒子および第2組の粒子の空間充填用混合物を含み、前記第1組の粒子が約5ミクロン以上の平均粒径を有し、前記第2組の粒子が約0.7ミクロン以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項30に記載の物品。
【請求項32】
基材を含む物品であって、前記基材が、その上に請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むコーティングを有することを特徴とする物品。
【請求項33】
前記コーティングを、溶液、分散液、ラテックス、または乳濁液キャスティング、粉体塗装、および押出からなる群から選択される方法によって塗布することを特徴とする請求項32に記載の物品。
【請求項34】
前記基材が、紙、板紙、金属、板紙、無機フォーム、有機フォーム、および無機−有機フォームからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする請求項32に記載の物品。
【請求項35】
前記スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルが充填剤をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の物品。
【請求項36】
前記充填剤が、第1組の粒子および第2組の粒子の空間充填用混合物を含み、前記第1組の粒子が約5ミクロン以上の平均粒径を有し、前記第2組の粒子が約0.7ミクロン以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項35に記載の物品。
【請求項37】
約97.95〜約20.0モルパーセントの芳香族ジカルボン酸成分、約2.0〜約79.95モルパーセントの脂肪族ジカルボン酸成分、約0.05〜約0.75モルパーセントのスルホネート成分、約100.0〜約95.0モルパーセントのエチレングリコール、0〜約5.0モルパーセントの第2のグリコール成分、および0〜約5.0モルパーセントの多官能性分枝剤を含むスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、ならびに1つまたは複数の他のポリマー材料を含むことを特徴とするブレンド。
【請求項38】
前記ポリマー材料が生分解性であることを特徴とする請求項37に記載のブレンド。
【請求項39】
前記生分解性ポリマー材料が、デンプン、化学変性デンプン、熱可塑性デンプン、脂肪族ポリエステル、ポリ(アルカノエート)、脂肪族−芳香族コポリエステル、およびスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルからなる群から選択されることを特徴とする請求項38に記載のブレンド。
【請求項40】
前記ポリマー材料が非生分解性であることを特徴とする請求項37に記載のブレンド。
【請求項41】
前記非生分解性ポリマー材料が、ポリエステル、エチレンコポリマー、ポリオレフィン、およびポリアミドからなる群から選択されることを特徴とする請求項40に記載のブレンド。
【請求項42】
約80〜約50モルパーセントの前記芳香族ジカルボン酸成分を含むことを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項43】
前記芳香族ジカルボン酸成分が、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタル酸ジメチル、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項44】
約20〜約50モルパーセントの脂肪族ジカルボン酸成分を含むことを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項45】
前記脂肪族ジカルボン酸成分が、コハク酸、コハク酸ジメチル、グルタル酸、グルタル酸ジメチル、アジピン酸、アジピン酸ジメチル、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項46】
約0.1〜0.75モルパーセントの前記スルホネート基を含むことを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項47】
前記スルホネート基が5−スルホイソフタル酸ジメチルのナトリウム塩を含むことを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項48】
少なくとも約0.15dL/gの内部粘度を有することを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項49】
少なくとも約0.35dL/gの内部粘度を有することを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項50】
少なくとも約0.65dL/gの内部粘度を有することを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項51】
約1モルパーセント以下の前記分枝剤を含むことを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル。
【請求項52】
前記分枝剤が、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリメチル、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物(無水トリメリット酸)、1,3,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸(ピロメリット酸)、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物(無水ピロメリット酸)、ペンタエリトリトール、グリセロール、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族ポリエステル。
【請求項53】
前記充填剤が、第1組の粒子および第2組の粒子を含み、前記第2組の粒子が前記第1組の粒子の平均直径の少なくとも約2倍の平均直径を有することを特徴とする請求項10に記載のスルホン化脂肪族−芳香族ポリエステル。
【請求項54】
前記充填剤が、約20ミクロン未満の平均直径を有する粒子から本質的になることを特徴とする請求項10に記載のスルホン化脂肪族−芳香族ポリエステル。
【請求項55】
請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むことを特徴とする食品パッケージ。
【請求項56】
請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むことを特徴とするシート。
【請求項57】
約0.25mm〜約25mmの厚さを有することを特徴とする請求項56に記載のシート。
【請求項58】
請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むことを特徴とする繊維。
【請求項59】
約0.1〜約100のデニールを有することを特徴とする請求項58に記載の繊維。
【請求項60】
約0.5〜約20のデニールを有することを特徴とする請求項58に記載の繊維。
【請求項61】
約0.7〜約10のデニールを有することを特徴とする請求項58に記載の繊維。
【請求項62】
請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステル、および少なくとも1つの他の繊維を含む繊維を含むことを特徴とする不均質繊維組成物。
【請求項63】
基材を提供する工程と、前記基材を所望のパッケージ形態に形成する工程と、請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを提供する工程と、前記基材を前記スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルで積層またはコートして、前記パッケージを形成する工程とを含むことを特徴とするパッケージの生成方法。
【請求項64】
前記基材が、紙、板紙、無機フォーム、有機フォーム、および無機−有機フォームからなる群から選択される材料を含むことを特徴とする請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記パッケージ形態が、ラッパー、ストレッチラップフィルム、バッグ、カップ、トレー、カートン、箱、ボトル、クレート、包装フィルム、ブリスターパックラッパー、スキンパック、および蝶番式容器からなる群から選択されることを特徴とする請求項63に記載の方法。
【請求項66】
基材と、請求項1に記載のスルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルを含むフィルムとを含むことを特徴とするパッケージ。
【請求項67】
前記パッケージが、ラッパー、ストレッチラップフィルム、バッグ、カップ、トレー、カートン、箱、ボトル、クレート、包装フィルム、ブリスターパックラッパー、スキンパック、および蝶番式容器からなる群から選択されることを特徴とする請求項66に記載のパッケージ。
【請求項68】
前記フィルムを前記基材上に積層することを特徴とする請求項66に記載のパッケージ。
【請求項69】
前記基材が、紙、板紙、無機フォーム、有機フォーム、および無機−有機フォームからなる群から選択されることを特徴とする請求項66に記載のパッケージ。
【請求項70】
前記パッケージが、前記フィルムによってコートされた基材を含むことを特徴とする請求項66に記載のパッケージ。
【請求項71】
前記基材が、紙、板紙、無機フォーム、有機フォーム、および無機−有機フォームからなる群から選択されることを特徴とする請求項70に記載のパッケージ。
【請求項72】
前記フィルムが一軸配向されていることを特徴とする請求項66に記載のパッケージ。
【請求項73】
前記フィルムが二軸配向されていることを特徴とする請求項66に記載のパッケージ。
【請求項74】
前記スルホン化脂肪族−芳香族コポリエステルが充填剤を含むことを特徴とする請求項66に記載のパッケージ。
【請求項75】
前記充填剤が、第1組の粒子および第2組の粒子の混合物を含み、前記第1組の粒子が約5ミクロン以上の平均粒径を有し、前記第2組の粒子が約0.7ミクロン以下の平均粒径を有することを特徴とする請求項74に記載のパッケージ。
【請求項76】
前記充填剤が、無機充填剤、有機充填剤、および粘土充填剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項75に記載のパッケージ。
【請求項77】
前記無機充填剤が、炭酸カルシウム、二酸化チタン、シリカ、タルク、硫酸バリウム、ガラスビーズ、ガラス繊維、カーボンブラック、セラミック、チョーク、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項76に記載のパッケージ。
【請求項78】
前記有機充填剤が、天然デンプン、変性デンプン、化学変性デンプン、コメデンプン、コーンスターチ、木粉、セルロース、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項76に記載のパッケージ。
【請求項79】
前記粘土充填剤が、天然粘土、合成粘土、処理粘土、非処理粘土、有機粘土、スメクタイト粘土、ベントナイト粘土、ヘクトライト粘土、ウォラストナイト粘土、モンモリロナイト粘土、カオリン、およびその混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項76に記載のパッケージ。

【公表番号】特表2007−502909(P2007−502909A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533799(P2006−533799)
【出願日】平成16年6月10日(2004.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/019067
【国際公開番号】WO2005/000940
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】