説明

スレッショルド演算装置

【課題】時間軸誤差検出装置において、水平同期信号のパルスの後縁を用いて時間軸誤差を検出する場合に、誤った誤差情報を出力しないスレッショルド演算装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ペデスタル平均値算出回路103、シンクチップ平均値算出回路104と誤判別防止回路202を備え、この誤判別防止回路202によって出力信号を選択する選択回路108は、ペデスタル平均値とシンクチップ平均値の中間値をスレッショルド値として出力する際に、ペデスタル平均値、シンクチップ平均値が正常値であるかどうかを判断して正常値であると判断すれば中間値を出力して、異常値と判断すれば擬似中間値を出力する。フィールドの最終ラインでは算出された中間値が異常と判断されるので画面上で映像が右に伸びることが無く、誤動作を防ぐことが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオテープレコーダ(以下、VTRと略記する)による再生信号など同期信号を有するアナログ信号における時間軸変動を補正する時間軸誤差補正装置においてその時間軸変動を検出するための時間軸誤差検出回路に関するものである
【背景技術】
【0002】
一般に、VTRからの再生信号にはヘッド・ドラムシリンダの回転速度のむらなどにより、時間軸変動が発生する。
この時間軸変動は画質劣化を引き起こす要因となるため、この時間軸変動に起因する画質劣化を改善する手段として、時間軸誤差補正装置(タイムベースコレクタ)が設けられている。
【0003】
この時間軸誤差補正装置の一方法として下記(特許文献1)に開示されている1水平期間(1H)に生じる速い周波数変動成分(ベロシティーエラー)を補正するベロシティーエラー補正がある。
【0004】
この時間軸補正装置を用いて時間軸補正を行うためには、時間軸誤差の検出が必要であり、ベロシティーエラーを考慮することで検出精度が高くなる。これらについて、(特許文献1)の中で時間軸誤差検出手段として開示されているものがある。
【0005】
従来の時間軸誤差検出装置の一例を図10に基づいて説明する。
50は一定の標本化間隔で標本化されたディジタル映像信号が入力されるディジタル映像信号入力端子、51は同期分離により分離された水平同期検出信号が入力される水平同期検出信号入力端子、52は時間軸変動を算出する時間軸誤差演算回路、53は保持回路、54は1H期間の変動量であるベロシティーエラーを検出するベロシティーエラー検出回路、55はクロック入力端子、56は1H期間をカウントするカウンタ回路、57,58は第1,第2の遅延回路、59はクロック入力端子55から入力されるクロック周波数に対する1H期間のクロック数、60は除算器、61,63は加算器、62はフリップフロップ回路、64は時間軸誤差情報出力端子、65はスレッショルド演算装置である。
【0006】
水平同期検出信号入力端子51とディジタル映像信号入力端子50から水平同期検出信号とディジタル映像信号が入力された時間軸誤差演算回路52では、水平同期信号が検出されたときに1クロック以下の時間軸変動Enが検出される。このその様子を図11に示す。スレッショルドレベルSLは、スレッショルド演算装置65においてディジタル映像信号と水平同期検出信号とから算出される。
【0007】
ベロシティーエラー検出器54には、時間軸変動Enと1H遅延回路53の出力である1H前の時間軸変動Eaとが入力される。
一方、カウンタ56では、クロック入力端子55から入力されるクロックと水平同期検出信号入力端子51から入力される同期検出信号とを用いて、時間軸変動Eaが検出されてから時間軸変動Enが検出されるまでのクロック数をカウントして、そのカウント値kをベロシティーエラー検出器54に入力する。
【0008】
ベロシティーエラー検出器54では、この時間kおよび時間軸変動Ea,Enを用いて、この1Hの時間Heを以下の式で求める。
He = (1−Ea)+k+En
そして、正確な1Hの時間Htに対するHeの時間から時間軸誤差Teが求められ、ベロシティーエラー検出器54から出力される。
【0009】
Te = Ht−He
時間軸変動Eaと時間軸誤差Teとは、各々第1,第2の遅延器57,58に入力され所定の遅延を受ける。その後、第1,第2の遅延器57,58の出力は、除算器60,加算器61,63およびフリップフロップ回路62により次式の処理が行われて時間軸誤差情報EOUTが求められる。
【0010】
Eout = Ea+(Te/Ht)・j
ただし、jは0〜(Ht−1)である。
スレッショルド演算装置65の構成を図12を用いて説明する。
【0011】
101はペデスタル部を規定するペデスタルウインドウ生成回路、102はシンクチップ部を規定するシンクチップウインドウ生成回路、103はディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するペデスタル平均値算出回路、104はシンクチップ部平均値を算出するシンクチップ平均値算出回路、105,106はペデスタル部とシンクチップ部の中間値を算出する演算回路を構成する加算回路105と除算回路106である。
【0012】
図13はペデスタルウインドウ生成回路101から出力されるペデスタルウインドウ信号とペデスタルウインドウ生成回路102から出力されるペデスタルウインドウ信号の信号タイミングを示している。
【0013】
シンクチップウインドウ信号は水平同期検出信号の立ち上がりエッジ位置を基準にディジタル映像信号のシンクチップ位置に生成される。ペデスタルウインドウ信号は水平同期検出信号の立下りエッジ位置を基準にディジタル映像信号のペデスタル位置に生成される。
【0014】
シンクチップ平均値算出回路104は、シンクチップウインドウ信号部分においてディジタル映像信号のシンクチップ値の平均値を出力する。またペデスタル平均値算出回路103は、ペデスタルウインドウ信号部分においてディジタル映像信号のペデスタル値の平均値を出力する。更に加算回路105と除算回路106によりペデスタル部平均値とシンクチップ部平均値の中間値を算出後、スレッショルド値SLとして出力している。
【特許文献1】特開平3−273782号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
一般に、VTRの再生信号に含まれる水平同期信号は、テープへの記録・再生信号処理の影響を受けてエッジが鈍る。特に、立ち上がりエッジよりも立下りエッジが鈍る傾向にあり、精度のよい時間軸補正を行う場合には、水平同期信号の立ち上がりエッジを用いる場合が多い。ところがこの場合、次のような問題がある。
【0016】
図14はフィールドの最終ライン付近の映像信号を示しており、フィールドの最終ラインの映像信号の後には等価パルスが続いている。等価パルスは本来の水平同期信号のパルスよりも幅が狭いので、これらのパルスの後縁である立ち上がりエッジで時間軸誤差検出を行う場合には、パルス幅の差が時間軸誤差として扱われ、求められる期間Heに反映されてしまう。
【0017】
つまり、等価パルスを含む期間においては誤ったベロシティエラー検出を行ってしまい、時間軸誤差を正しく検出することが出来ないという問題がある。この場合に求められた1Hの時間Heを用いて映像信号の時間軸補正を行うと、1Hの時間Heの映像信号を、本来検出されるべき1Hの期間Heaの信号となるように時間軸方向に伸長することになる。すると、画面上では映像が右に伸びたように見え、視覚的に良くない映像となってしまう。
【0018】
本発明は、時間軸誤差検出装置において、水平同期信号のパルスの後縁を用いて時間軸誤差を検出する場合に、誤った誤差情報を出力しないスレッショルド演算装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の請求項1記載のスレッショルド演算装置は、1水平期間内の時間軸変動を補正する時間軸誤差検出装置において時間軸誤差の演算に使用するスレッショルド値を出力するスレッショルド演算装置であって、入力される水平同期検出信号を基準として入力されるディジタル映像信号のペデスタル部を規定するペデスタルウインドウ信号を生成するペデスタルウインドウ生成手段と、前記水平同期検出信号を基準として前記ディジタル映像信号のシンクチップ部を規定するシンクチップウインドウ信号を生成するシンクチップウインドウ生成手段と、前記ペデスタルウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するペデスタル平均値算出手段と、前記シンクチップウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するシンクチップウインドウ平均値算出手段と、前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の中間値を算出する中間値算出手段と、前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値のうちの少なくとも前記シンクチップ部平均値を評価する誤検出防止手段と、前記誤検出防止手段の出力により前記中間値もしくは前記中間値に基づく擬似中間値を選択してこれをスレッショルド値として出力する選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項2記載のスレッショルド演算装置は、請求項1において、前記擬似中間値は、1ライン前の中間値であることを特徴とする。
本発明の請求項3記載のスレッショルド演算装置は、請求項2において、前記誤検出防止手段は、前記シンクチップ平均値が第1の所定値と比較して大きい場合に前記シンクチップ平均値が間違っていると判断して選前記択手段に擬似中間値を出力するように指示する判定手段を有していることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項4記載のスレッショルド演算装置は、水平期間内の時間軸変動を補正する時間軸誤差検出装置において時間軸誤差の演算に使用するスレッショルド値を出力するスレッショルド演算装置であって、入力される水平同期検出信号を基準として入力されるディジタル映像信号のペデスタル部を規定するペデスタルウインドウ信号を生成するペデスタルウインドウ生成手段と、前記水平同期検出信号を基準として前記ディジタル映像信号のシンクチップ部を規定するシンクチップウインドウ信号を生成するシンクチップウインドウ生成手段と、前記ペデスタルウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するペデスタル平均値算出手段と、前記シンクチップウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するシンクチップウインドウ平均値算出手段と、前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の中間値を算出する中間値算出手段と、前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の値を評価する誤検出防止手段と、前記誤検出防止手段の出力により前記中間値もしくは前記中間値に基づく擬似中間値を選択してこれをスレッショルド値として出力する選択手段とを設け、前記誤検出防止手段は、前記ペデスタル平均値と前記シンクチップ平均値との差分の絶対値を算出する差分算出手段と、前記差分値が第2の所定値と比較して小さい場合に前記ペデスタル平均値または前記シンクチップ平均値が間違っていると判断して前記選択手段に擬似中間値を出力するように指示する判定手段を有していることを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項5記載のスレッショルド演算装置は、1水平期間内の時間軸変動を補正する時間軸誤差検出装置において時間軸誤差の演算に使用するスレッショルド値を出力するスレッショルド演算装置であって、入力される水平同期検出信号を基準として入力されるディジタル映像信号のペデスタル部を規定するペデスタルウインドウ信号を生成するペデスタルウインドウ生成手段と、前記水平同期検出信号を基準として前記ディジタル映像信号のシンクチップ部を規定するシンクチップウインドウ信号を生成するシンクチップウインドウ生成手段と、前記ペデスタルウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するペデスタル平均値算出手段と、前記シンクチップウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するシンクチップウインドウ平均値算出手段と、前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の中間値を算出する中間値算出手段と、前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の値を評価する誤検出防止手段と、前記誤検出防止手段の出力により前記中間値もしくは前記中間値に基づく擬似中間値を選択してこれをスレッショルド値として出力する選択手段とを設け、前記誤検出防止手段は、前記ペデスタル平均値と前記シンクチップ平均値との差分の絶対値を算出する差分算出手段と、前記差分値が第2の所定値と比較して小さい場合もしくは第3の所定値と比較して大きい場合に前記ペデスタル平均値または前記シンクチップ平均値が間違っていると判断して前記選択手段に擬似中間値を出力するように指示する判定手段とを有していることを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項6記載のスレッショルド演算装置は、1水平期間内の時間軸変動を補正する時間軸誤差検出装置において時間軸誤差の演算に使用するスレッショルド値を出力するスレッショルド演算装置であって、入力される水平同期検出信号を基準として入力されるディジタル映像信号のペデスタル部を規定するペデスタルウインドウ信号を生成するペデスタルウインドウ生成手段と、前記水平同期検出信号を基準として前記ディジタル映像信号のシンクチップ部を規定するシンクチップウインドウ信号を生成するシンクチップウインドウ生成手段と、前記ペデスタルウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するペデスタル平均値算出手段と、前記シンクチップウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するシンクチップウインドウ平均値算出手段と、前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の中間値を算出する中間値算出手段と、前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の値を評価する誤検出防止手段と、前記誤検出防止手段の出力により前記中間値もしくは前記中間値に基づく擬似中間値を選択してこれをスレッショルド値として出力する選択手段とを設け、前記誤検出防止手段は、前記ペデスタル平均値と前記シンクチップ平均値との差分の絶対値を算出する差分算出手段と、前記差分値が第2の所定値と比較して小さい場合もしくは第3の所定値と比較して大きい場合であり且つ前記シンクチップ平均値が第1の所定値より大きい場合に前記ペデスタル平均値または前記シンクチップ平均値が間違っていると判断して前記選択手段に擬似中間値を出力するように指示する判定手段とを有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の請求項1に記載のスレッショルド演算装置を含む時間軸誤差検出装置によれば、ペデスタル平均値算出手段、シンクチップ平均値算出手段を備え、ペデスタル平均値とシンクチップ平均値の中間値をスレッショルド値として出力する際に、ペデスタル平均値、シンクチップ平均値が正常値であるかどうかを判断して正常値であると判断すれば中間値を出力して、異常値と判断すれば擬似中間値を出力する。フィールドの最終ラインでは算出された中間値が異常と判断されるので画面上で映像が右に伸びることが無く、誤動作を防ぐことが出来る。
【0025】
また本発明の請求項2に記載のスレッショルド演算装置を含む時間軸誤差検出装置によれば、擬似中間値に1H前に算出された中間値を使用することにより時間的に一番近いスレッショルド値を用いるので、擬似中間値が選択された場合でも高精度に時間軸補正を行うことが出来る。
【0026】
また本発明の請求項3に記載のスレッショルド演算装置を含む時間軸誤差検出装置によれば、フィールドの最終ラインのみにおいて算出された中間値を異常と判断することができるので画面上で最終ラインの映像が右に伸びることが無く、誤動作を防ぐことが出来る。
【0027】
また本発明の請求項4に記載のスレッショルド演算装置を含む時間軸誤差検出装置によれば、ペデスタル平均値とシンクチップ平均値の差分値で異常か正常かの判断をするので弱電界時等により入力される映像信号が白浮き状態になりシンクチップ部分が持ち上がったような信号においてもフィールドの最終ラインのみにおいて算出された中間値を異常と判断することが出来るので画面上で最終ラインの映像が右に伸びることが無く、誤動作を防ぐことが出来る。
【0028】
また本発明の請求項5に記載のスレッショルド演算装置を含む時間軸誤差検出装置によれば、例えば著作権情報等によりペデスタル部分に信号が重畳された映像信号が入力された場合もフィールドの最終ラインで算出された中間値を異常と判断することが出来るので画面上で最終ラインの映像が右に伸びることが無く、誤動作を防ぐことが出来る。
【0029】
また本発明の請求項6に記載のスレッショルド演算装置を含む時間軸誤差検出装置によれば、入力される映像信号が弱電界時等により白浮き状態や著作権情報等によりペデスタル部分に信号が重畳された場合でもフィールドの最終ラインで算出された中間値を異常と判断することが出来るので画面上で最終ラインの映像が右に伸びることが無く、誤動作を防ぐことが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の各実施の形態を図1〜図9に基づいて説明する。
なお、上記従来の時間軸誤差検出装置と同様の回路は同じ番号を付けて説明する。
(実施の形態1)
図1と図2は本発明の(実施の形態1)を示す。
【0031】
図1は(実施の形態1)にかかるスレッショルド演算装置を示し、誤判別防止回路202と除算回路106の出力側に1H保持回路107と選択回路108とが追加されている点が図12に示した従来例とは異なっている。
【0032】
ディジタル映像信号入力端子50から入力されたディジタル映像信号は、ペデスタル平均値算出回路103とシンクチップ平均値算出回路104に入力されている。水平同期検出信号入力端子51に入力された水平同期検出信号は、ペデスタルウインドウ生成回路101とシンクチップウインドウ生成回路102に入力されている。ペデスタルウインドウ生成回路101の出力信号はペデスタル平均値算出回路103に供給されている。
【0033】
ペデスタル平均値算出回路103は、ペデスタルウインドウ生成回路101から供給されたペデスタルウインドウ信号部分においてディジタル映像信号のペデスタル値の平均値を出力する。
【0034】
シンクチップウインドウ生成回路102から出力されたシンクチップウインドウ信号は、シンクチップ平均値算出回路104に供給されている。
シンクチップ平均値算出回路104は、シンクチップウインドウ生成回路102から出力されたシンクチップウインドウ信号部分においてディジタル映像信号のシンクチップ値の平均値を出力する。
【0035】
ペデスタル平均値算出回路103の出力とシンクチップ平均値算出回路104の出力は、加算回路105を経て除算回路106を経て、ペデスタル部平均値とシンクチップ部平均値の中間値を算出し、さらに、この除算回路106の出力は1H保持回路107を介して選択回路108の一方の入力端子に供給し、また、除算回路106の出力は選択回路108の他方の入力端子に直接供給されている。選択回路108の出力信号を選択する制御信号は誤判別防止回路202から出力されている。
【0036】
誤判別防止回路202は、第1の判定回路115と第1の所定値116で構成されており、第1の判定回路115は第1の所定値116と前記シンクチップ平均値算出回路104の出力とを比較して前記選択回路108の出力信号を選択する制御信号としている。
【0037】
上記の構成を、動作に基づいてさらに詳しく説明する。
通常の映像信号が入力された場合、図13にあるようにシンクチップ平均値算出回路104から出力されるシンクチップ平均値はStである。第1の所定値116を正常のシンクチップ値より大きい値、例えば(St+Sync×0.25)、に設定した場合には第1の判定回路115は第1の所定値116より小さいと判定して「Low」を出力する。
【0038】
次にフィールドの最終ラインの映像信号が入力された場合の動作を、図2を参照して説明する。
図2はフィールドの最終ライン映像信号後の等価パルス部分におけるシンクチップウインドウ信号とペデスタルウインドウ信号の状態を示している。
【0039】
前述のようにシンクチップウインドウ信号は水平同期検出信号の立ち上がりエッジ位置を基準にウインドウが開き、ペデスタルウインドウ信号は水平同期検出信号の立下りエッジ位置を基準にウインドウが開くように動作する。このときシンクチップウインドウ信号は図2のように等価パルスの立ち上がり部分にウインドウが開くようになるため、シンクチップ平均化算回路104で算出されるシンクチップ平均値は、本来のシンクチップ値Stよりも大きな値、例えば(St+Sync・0.5)となる。これにより第1の所定値116を(St+Sync・0.25)とすると第1の判定回路115ではシンクチップ平均値算出回路104から出力されるシンクチップ平均値は第1の所定値116よりも大きいと判定して「High」を出力する。
【0040】
選択回路108は、第1の判定回路115の出力が「High」の場合に1H前に算出された中間値を保持している1H保持回路107の出力信号を選択して図10に示した時間軸誤差演算回路52にスレッショルドレベルSLを出力し、「Low」の場合には除算回路106の出力信号を選択して時間軸誤差演算回路52にスレッショルドレベルSLを出力する。
【0041】
つまり、通常の映像信号が入力されているときは現在のラインで算出された中間値が選択され、フィールドの最終ラインの映像信号が入力された場合は1H前に算出された中間値が選択される。
【0042】
1H前に算出された中間値は現在のラインで本来算出されるべき中間値とほぼ同じと考えることができ、選択回路108の出力をスレッショルド値として時間軸誤差検出回路を動作させることが出来るので、フィールドの最終ラインにおいても映像が右に伸びることが無く、誤動作を防ぐことができる。
【0043】
このように、本実施の形態1にかかるスレッショルド演算装置によれば、第1の判定回路115において算出されたシンクチップ平均値を第1の所定値116と大小比較することによりフィールドの最終ラインの誤動作を検出することが出来、選択回路108で1H前の中間値を選択することにより映像が右に伸びることが無く誤動作を防ぐことが出来る。
【0044】
(実施の形態2)
図3は本発明の(実施の形態2)にかかるスレッショルド演算装置を示す。
(実施の形態1)の誤差判別防止回路202は、シンクチップ平均値算出回路104の出力信号を入力信号として選択回路108を制御したが、この(実施の形態2)の誤差判別防止回路200では、ペデスタル平均値算出回路103の出力信号とシンクチップ平均値算出回路104の出力信号を入力信号として選択回路108を制御するように構成されている点だけが、(実施の形態1)とは異なっている。
【0045】
誤差判別防止回路200は、ペデスタル平均値算出回路103の出力信号とシンクチップ平均値算出回路104の出力信号との差を算出する減算回路109と、減算回路109の出力の絶対値を算出する絶対値回路110と、絶対値回路110の出力の大きさを第2の所定値112を基準に判定する第2の判定回路111とで構成されており、選択回路108は第2の判定回路111の出力に基づいて制御されている。
【0046】
具体的には、第2の判定回路111は、第2の所定値112と比較して絶対値回路110の出力が第2の所定値112より小さい場合は「High」を出力して大きい場合は「Low」を出力する。
【0047】
通常の映像信号が入力された場合、シンクチップ平均値算出回路104から出力されるシンクチップ平均値はStでありペデスタル平均値算出回路103から出力されるペデスタル平均値はPdであり、差分の絶対値である絶対値回路110の出力値はSyncである。このとき第2の所定値を正常のペデスタル値とシンクチップ値の差分値Syncより小さい値、例えば(Sync×0.6)に設定した場合には
絶対値回路110の出力値 > 第2の所定値112
となり、第2の判定回路111は「Low」を出力する。
【0048】
次にフィールドの最終ラインの映像信号が入力された場合、ペデスタル平均値算出回路103から出力されるペデスタル平均値はPdであるがシンクチップ平均値算出回路104から出力されるシンクチップ平均値は図2にあるようにシンクチップウインドウ生成回路102から出力されるシンクチップウインドウ信号が入力映像信号の等価パルスの立ち上がり部分に発生する。そのためシンクチップ平均値算出回路104から出力されるシンクチップ平均値は例えば、(St+Sync×0.5)になる。更に絶対値回路110の出力信号は、
【0049】
【数1】

【0050】
となり、第2の所定値である(Sync×0.6)よりも小さくなる。これにより第2の判定回路111は「High」を出力する。
選択回路108では通常の映像信号が入力されているときは1H前に算出された中間値を保持している1H保持回路107の出力信号を選択し、フィールドの最終ラインの映像信号が入力された場合には除算回路106の出力信号を選択する。これによりフィールドの最終ラインにおいても映像が右に伸びることが無く、誤動作を防ぐことが出来る。
【0051】
また入力される映像信号が、例えば弱電界時等により図4のように白浮き状態になりシンクチップ部分、ペデスタル部分が持ち上がったような信号になる場合がある。この場合でもペデスタル平均値とシンクチップ平均値の差分値を求めて第2の所定値112と比較判定をするので白浮き状態の影響を受けにくくなる。そのため最終ラインのみにおいて算出された中間値を異常と判断することができ、選択回路108で1H前の中間値を選択することにより映像が右に伸びることが無く誤動作を防ぐことが出来る。
【0052】
(実施の形態3)
図5は本発明の(実施の形態3)にかかるスレッショルド演算装置を示す。
映像信号として、例えばフィールドの最終ラインのペデスタル部にノイズ等によりペデスタル部が持ち上がったものが入力される場合があり、(実施の形態3)の誤差判別防止回路201では、このような入力信号に対しても誤動作防止を行ったものである。
【0053】
誤差判別防止回路201は、(実施の形態2)における誤差判別防止回路200に第3の判定回路113と論理回路120を追加したものである。具体的には、第3の判定回路113は絶対値回路110の出力の大きさを第3の所定値114を基準に比較するものである。第2の判定回路111の出力と第3の判定回路113の出力とは、論理和の論理回路120を介して選択回路108の制御信号としている。
【0054】
具体的には、第3の判定回路113は、第3の所定値114と比較して絶対値回路110から出力される信号が第3の所定値114より大きい場合は「High」を出力して小さい場合は「Low」を出力するものである。
【0055】
フィールドの最終ラインのペデスタル部が持ち上がった信号では、ペデスタル平均値算出回路103から出力されるペデスタル平均値はPdより大きい、例えば(Pd+Sync×0.3)のようになる。この時絶対値回路110の出力信号は、
【0056】
【数2】

【0057】
となる。このとき、第2の判定回路では絶対値回路110の出力信号が第2の所定値である(Sync×0.6)よりも大きくなるために「Low」を出力する。しかし第3の判定回路3において、第3の所定値114を例えば(Sync×0.7)とすると絶対値回路110の出力信号は第3の所定値114よりも大きいために「High」を出力する。更に論理回路120は第2の判定回路111の出力と第3の判定回路113の出力の論理和をとるので選択回路108には「High」が出力される。
【0058】
この(実施の形態3)の構成によれば、(実施の形態2)にかかるスレッショルド演算装置のように、第2の判定回路111において、ペデスタル平均値とシンクチップ平均値の差分の絶対値を第2の所定値112と大小比較することにより白浮き状態の映像信号においてもフィールドの最終ラインの誤動作を判定することが出来、選択回路108で1H前の中間値を選択することにより映像が右に伸びることが無く誤動作を防ぐことが出来るだけでなく、更に第3の判定回路112、第3の所定値113を用いて、第2の判定回路111の出力と第3の判定回路113の出力の論理和をとることにより、ペデスタル部が持ち上がった信号が入力された場合においても誤動作を防ぐことが出来る。
【0059】
(実施の形態4)
図6は本(実施の形態4)にかかるスレッショルド演算装置を示し、図5に示した(実施の形態3)と図1に示した(実施の形態1)とを組み合わせたもので、論理和の論理回路120の出力と第1の判定回路115の出力との論理積を論理回路121で検出して、これを前記選択回路108の制御信号としている。
【0060】
入力される映像信号には、例えば著作権情報が付加された場合にはペデスタル部にパルス状の信号が重畳されているものがある。図7は著作権情報が付加された映像信号の一例を示している。図7では、フィールドの最後の3ラインと等価パルス部分のペデスタル部分に輝度の大きいパルス信号が重畳されている。本(実施の形態4)はこのような入力信号に対しての時間軸誤差検出装置の誤動作を防止するものである。
【0061】
図6では、減算回路109でペデスタル平均値とシンクチップ平均値との差分をとり、更に絶対値回路110で前記減算回路109から出力される差分値の絶対値を出力する。第2の判定回路111は、第2の所定値112と比較して絶対値が第2の所定値112より小さい場合は「High」を出力して大きい場合は「Low」を出力する。また第3の判定回路113は、第3の所定値114と比較して絶対値が第3の所定値114より大きい場合は「High」を出力して小さい場合は「Low」を出力する。また第1の判定回路115は、第1の所定値116と比較してシンクチップ平均値算出回路104から出力されるシンクチップ平均値が大きい場合は「High」を出力して小さい場合は「Low」を出力する。
【0062】
図7においてフィールドの最終ライン1)の映像信号が入力された場合、ペデスタルウインドウ信号とシンクチップウインドウ信号はそれぞれ図8のようになる。そのためシンクチップ平均値算出回路104から出力されるシンクチップ平均値は例えば(St+Sync×0.5)であり、ペデスタル平均値算出回路103から出力されるペデスタル平均値は(Pd+Sync×0.3)であり、差分の絶対値である絶対値回路110の出力値は
【0063】
【数3】

【0064】
である。このとき第2の所定値を例えば(Sync×0.6)、第3の所定値を例えば(Sync×0.7)、第1の所定値を例えば(St+Sync×0.25)とすると、論理回路121から出力される信号は「High」になる。
【0065】
選択回路108では1H保持回路107の出力が選択されるため、フィールドの最終ラインでは時間軸誤差検出装置の誤動作は発生しない。
次に図7において通常ライン信号2)の映像信号が入力された場合、ペデスタルウインドウ信号とシンクチップウインドウ信号はそれぞれ図9のようになる。そのためシンクチップ平均値算出回路104から出力されるシンクチップ平均値は例えばStであり、ペデスタル平均値算出回路103から出力されるペデスタル平均値は(Pd+Sync×0.5)であり、差分の絶対値である絶対値回路110の出力値は
【0066】
【数4】

【0067】
である。このとき第2の所定値を例えば(Sync×0.6)、第3の所定値を例えば(Sync×0.7)、第1の所定値を例えば(St+Sync×0.25)とすると、論理回路121から出力される信号は「Low」になる。
【0068】
選択回路108では除算回路106の出力が選択されるため、通常ライン2)では時間軸誤差検出装置は正常に動作する。
この(実施の形態4)にかかるスレッショルド演算装置によれば、ペデスタル平均値とシンクチップ平均値の差分の絶対値を第2の判定回路111と第3の判定回路114において大小比較して、シンクチップ平均値を第1の判定回路115と大小比較することにより、例えば著作権情報が付加されてペデスタル部にパルス状の信号が重畳されている映像信号が入力された場合でもフィールドの最終ラインの誤動作を判定することが出来、選択回路108で1H前の中間値を選択することにより映像が右に伸びることが無く誤動作を防ぐことが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明にかかるスレッショルド演算装置を含む時間軸誤差検出回路は、水平同期信号の立ち上がりエッジを用いたベロシティーエラー補正として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の(実施の形態1)によるスレッショルド演算装置を示す構成図
【図2】従来のスレッショルド演算装置のフィールドの最終ラインでの動作を示す図
【図3】本発明の(実施の形態2)によるスレッショルド演算装置を示す構成図
【図4】同実施の形態によるスレッショルド演算装置のフィールドの最終ラインでの動作を示す図
【図5】本発明の(実施の形態3)によるノイズ耐性を向上したスレッショルド演算装置を示す構成図
【図6】本発明の(実施の形態4)によるスレッショルド演算装置を示す構成図
【図7】付加情報パルスが重畳されている映像信号波形を示す図
【図8】同実施の形態によるスレッショルド演算装置のフィールドの最終ラインでの動作を示す図
【図9】同実施の形態によるスレッショルド演算装置のフィールドの通常ラインでの動作を示す図
【図10】時間軸補正装置を示す構成図
【図11】時間軸補正装置の動作を示す図
【図12】従来のスレッショルド演算装置を示す構成図
【図13】従来のスレッショルド演算装置の動作を示す図
【図14】時間軸補正装置のフィールドの最終ラインでの動作を示す図
【符号の説明】
【0071】
50 ディジタル映像信号入力端子
51 水平同期検出信号入力端子
101 ペデスタルウインドウ生成回路
102 シンクチップウインドウ生成回路
103 ペデスタル平均値算出回路
104 シンクチップ平均値算出回路
105 加算回路
106 除算回路
107 1H保持回路
108 選択回路
109 減算回路
110 絶対値回路
115 第1の判定回路
111 第2の判定回路
113 第3の判定回路
116 第1の所定値
112 第2の所定値
114 第3の所定値
120,121 論理回路
200,201,202,203 誤検出防止回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1水平期間内の時間軸変動を補正する時間軸誤差検出装置において時間軸誤差の演算に使用するスレッショルド値を出力するスレッショルド演算装置であって、
入力される水平同期検出信号を基準として入力されるディジタル映像信号のペデスタル部を規定するペデスタルウインドウ信号を生成するペデスタルウインドウ生成手段と、
前記水平同期検出信号を基準として前記ディジタル映像信号のシンクチップ部を規定するシンクチップウインドウ信号を生成するシンクチップウインドウ生成手段と、
前記ペデスタルウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するペデスタル平均値算出手段と、
前記シンクチップウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するシンクチップウインドウ平均値算出手段と、
前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の中間値を算出する中間値算出手段と、
ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値のうちの少なくとも前記シンクチップ部平均値を評価する誤検出防止手段と、
前記誤検出防止手段の出力により前記中間値もしくは前記中間値に基づく擬似中間値を選択してこれをスレッショルド値として出力する選択手段と
を備えたスレッショルド演算装置。
【請求項2】
前記擬似中間値は、1ライン前の中間値である請求項1記載のスレッショルド演算装置。
【請求項3】
前記誤検出防止手段は、前記シンクチップ平均値が第1の所定値と比較して大きい場合に前記シンクチップ平均値が間違っていると判断して選前記択手段に擬似中間値を出力するように指示する判定手段を有している
請求項2記載のスレッショルド演算装置。
【請求項4】
1水平期間内の時間軸変動を補正する時間軸誤差検出装置において時間軸誤差の演算に使用するスレッショルド値を出力するスレッショルド演算装置であって、
入力される水平同期検出信号を基準として入力されるディジタル映像信号のペデスタル部を規定するペデスタルウインドウ信号を生成するペデスタルウインドウ生成手段と、
前記水平同期検出信号を基準として前記ディジタル映像信号のシンクチップ部を規定するシンクチップウインドウ信号を生成するシンクチップウインドウ生成手段と、
前記ペデスタルウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するペデスタル平均値算出手段と、
前記シンクチップウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するシンクチップウインドウ平均値算出手段と、
前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の中間値を算出する中間値算出手段と、
前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の値を評価する誤検出防止手段と、
前記誤検出防止手段の出力により前記中間値もしくは前記中間値に基づく擬似中間値を選択してこれをスレッショルド値として出力する選択手段と
を設け、前記誤検出防止手段は、
前記ペデスタル平均値と前記シンクチップ平均値との差分の絶対値を算出する差分算出手段と、
前記差分値が第2の所定値と比較して小さい場合に前記ペデスタル平均値または前記シンクチップ平均値が間違っていると判断して前記選択手段に擬似中間値を出力するように指示する判定手段を有している
スレッショルド演算装置。
【請求項5】
1水平期間内の時間軸変動を補正する時間軸誤差検出装置において時間軸誤差の演算に使用するスレッショルド値を出力するスレッショルド演算装置であって、
入力される水平同期検出信号を基準として入力されるディジタル映像信号のペデスタル部を規定するペデスタルウインドウ信号を生成するペデスタルウインドウ生成手段と、
前記水平同期検出信号を基準として前記ディジタル映像信号のシンクチップ部を規定するシンクチップウインドウ信号を生成するシンクチップウインドウ生成手段と、
前記ペデスタルウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するペデスタル平均値算出手段と、
前記シンクチップウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するシンクチップウインドウ平均値算出手段と、
前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の中間値を算出する中間値算出手段と、
前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の値を評価する誤検出防止手段と、
前記誤検出防止手段の出力により前記中間値もしくは前記中間値に基づく擬似中間値を選択してこれをスレッショルド値として出力する選択手段と
を設け、前記誤検出防止手段は、
前記ペデスタル平均値と前記シンクチップ平均値との差分の絶対値を算出する差分算出手段と、
前記差分値が第2の所定値と比較して小さい場合もしくは第3の所定値と比較して大きい場合に前記ペデスタル平均値または前記シンクチップ平均値が間違っていると判断して前記選択手段に擬似中間値を出力するように指示する判定手段とを有している
スレッショルド演算装置。
【請求項6】
1水平期間内の時間軸変動を補正する時間軸誤差検出装置において時間軸誤差の演算に使用するスレッショルド値を出力するスレッショルド演算装置であって、
入力される水平同期検出信号を基準として入力されるディジタル映像信号のペデスタル部を規定するペデスタルウインドウ信号を生成するペデスタルウインドウ生成手段と、
前記水平同期検出信号を基準として前記ディジタル映像信号のシンクチップ部を規定するシンクチップウインドウ信号を生成するシンクチップウインドウ生成手段と、
前記ペデスタルウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するペデスタル平均値算出手段と、
前記シンクチップウインドウ信号を用いて前記ディジタル映像信号のペデスタル部平均値を算出するシンクチップウインドウ平均値算出手段と、
前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の中間値を算出する中間値算出手段と、
前記ペデスタル部平均値と前記シンクチップ部平均値の値を評価する誤検出防止手段と、
前記誤検出防止手段の出力により前記中間値もしくは前記中間値に基づく擬似中間値を選択してこれをスレッショルド値として出力する選択手段と
を設け、前記誤検出防止手段は、
前記ペデスタル平均値と前記シンクチップ平均値との差分の絶対値を算出する差分算出手段と、
前記差分値が第2の所定値と比較して小さい場合もしくは第3の所定値と比較して大きい場合であり且つ前記シンクチップ平均値が第1の所定値より大きい場合に前記ペデスタル平均値または前記シンクチップ平均値が間違っていると判断して前記選択手段に擬似中間値を出力するように指示する判定手段と
を有している
スレッショルド演算装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−140540(P2006−140540A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−325769(P2004−325769)
【出願日】平成16年11月10日(2004.11.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】