説明

スロットダイの磨耗防止システム、塗布方法、及びダイ磨耗防止部材

【課題】 スロットダイのダイリップの磨耗を防止する磨耗防止システムを提供する。
【解決手段】 移動する基材(5)に接触して液状物質を押し出し基材上に塗膜(CF)を形成するスロットダイ(1)と、スロットダイの基材との接触部(3b)の磨耗を防止するためのダイ磨耗防止部材(8)とからなり、ダイ磨耗防止部材は、基材とスロットダイとの間で、基材の非塗布部(NCP)と接触するように配置されているスロットダイの磨耗防止システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットダイの改良に関し、特に、クラフト紙やウェブなどの基材とのこすれによってスロットダイのダイリップが磨耗することを有効に防止することができるスロットダイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙などの基材上に厚さ20μm程度の塗布材料のとても薄い塗膜を形成するために、接触式スロットダイが使用されている。スロットダイは、搬送されている基材に接触してスロットダイの溝穴から塗布材料を基材上に押し出す(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2004−148167号公報
【特許文献2】特開平10−76220号公報
【特許文献3】特開昭62−129177号公報
【特許文献4】特開平4−66158号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような従来の接触式スロットダイにおいて、特に、コピー用紙の包装紙を生産するために防湿コーティング剤をクラフト紙に塗布する場合には、スロットダイのダイリップを搬送されているクラフト紙に対して強く押し付ける必要がある。クラフト紙の紙送り速度(ラインスピード)は、200m/分程度の高速である。このため、クラフト紙の防湿コーティング剤が塗布されない部分(非塗布部)とダイリップとのこすれにより、ダイリップの先端部が磨耗するという問題を生じる。特に、ダイリップの先端部のうちのクラフト紙の縁と接触する部分の磨耗が激しい。
【0005】
ところで、このような接触式スロットダイは、シムを交換することにより基材の幅に応じて塗布幅を変えることができるものがある。基材の幅が小さいときは、解放部分の長さが小さいシムをスロットダイに組み込み、溝穴の幅方向の長さを小さくして、幅の小さな基材に応じた塗布幅に設定する。基材の幅が大きいときは、解放部分の長さが大きいシムをスロットダイに組み込み、溝穴の幅方向の長さを大きくして、幅の大きな基材に応じた塗布幅に設定する。
【0006】
ここで、幅の小さな基材に塗布するときに、基材の非塗布部、特に、基材の縁とのこすれによりダイリップの先端部に磨耗又はキズが生じる。この磨耗又はキズが生じた部分は、幅の小さな基材に塗布するときには、基材のコーティング剤が塗布されない部分に対応しているので、塗布に影響を与えることはほとんどない。しかし、後に、シムを交換して、幅の大きな基材に塗布するときには、ダイリップの磨耗又はキズが生じた部分が塗布部に対応するので、塗膜にスジが形成されてしまうという問題を生じる。
また、このように損傷したダイリップを修理するためには、多くの費用及び時間がかかるという問題も生じる。
本発明は、このような問題を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決する為に本発明では次のようなスロットダイの磨耗防止システムとした。
すなわち、移動する基材(5,105)に接触して液状物質を押し出し該基材上に塗膜(CF)を形成するスロットダイ(1,101,201)と、前記スロットダイの該基材との接触部(3b,103b)の磨耗を防止するためのダイ磨耗防止部材(8,108,208)とからなり、前記ダイ磨耗防止部材は、該基材と前記スロットダイとの間で、該基材の非塗布部(NCP)と接触するように配置されているスロットダイの磨耗防止システムとした。
磨耗防止システムは、該基材を前記スロットダイとの間で挟み、該基材を前記スロットダイに押圧しながら回転するバックアップロール(6)を有しているとよい。
磨耗防止システムは、該基材に張力を付与する少なくとも二つのガイドロール(106)を有しているとよく、該基材は、該張力により前記少なくとも二つのガイドロールの間で前記スロットダイに押圧されるようにしてもよい。
前記ダイ磨耗防止部材の該基材の移動方向を横切る方向の幅(W3)は、該非塗布部(NCP)の幅とほぼ等しいか又は該幅よりも大きいとよい。
該非塗布部(NCP)は、該基材の端縁から該基材の該移動方向を横切る該方向に所定幅(L)を有しているとよい。
前記ダイ磨耗防止部材の該基材の移動方向を横切る方向の幅(W3)は、該非塗布部(NCP)の幅とほぼ等しいか又は該幅よりも小さくてもよい。
前記ダイ磨耗防止部材は、前記スロットダイに着脱自在に取り付けられているとよい。
前記ダイ磨耗防止部材は、該基材の移動方向を横切る方向に移動可能であるとよい。
前記スロットダイは、前記ダイ磨耗防止部材の取り付け位置を設定するための目盛り板(10)が設けられているとよい。
前記ダイ磨耗防止部材は、薄板帯状の弾性体でなり、前記スロットダイの周りに巻きかけられ、前記薄板帯状の弾性体の端部同士を弾性部材(9,209)を介して緊結されて前記スロットダイに取り付けられているとよい。
前記スロットダイのボルトを避けるための当て金(230)をさらに有し、前記当て金を介して、前記スロットダイに前記ダイ磨耗防止部材が巻き付けられているとよい。
前記当て金は、前記ダイ磨耗防止部材の取り付け位置を設定するための目盛り板(210)が設けられているとよい。
【0008】
また、本発明による塗布方法は、基材(5,105)をスロットダイ(1,101,201)に接触させながら移動させることと、該スロットダイから液状物質を押し出し、該基材上に塗膜(CF)を形成することと、該基材と該スロットダイとの間で該基材の非塗布部(NCP)と接触するようにダイ磨耗防止部材(8,108,208)を配置し、該スロットダイの該基材との接触部(3b,103b)の磨耗を防止することとからなる。
【0009】
また、本発明によるダイ磨耗防止部材(8,108,208)は、移動する基材(5,105)に接触して液状物質を押し出し該基材上に塗膜(CF)を形成するスロットダイ(1,101,201)の該基材との接触部(3b,103b)の磨耗を防止するために、該基材と該スロットダイとの間で、該基材の非塗布部(NCP)と接触するように該スロットダイに着脱可能に構成した。
前記ダイ磨耗防止部材は、薄い金属板と、前記薄い金属板の両端部に接続された弾性部材(9,209)とからなるとよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、スロットダイがクラフト紙やウェブなどの基材に対して強く押圧され、基材の送り速度が高速であっても、基材とのこすれによるダイリップの先端部の磨耗やキズを効果的に防止することができる。
したがって、薄い塗膜に損傷を生じず、すなわち、薄い塗布膜にスジが生じることがない。また、スロットダイの寿命を長くすることができる。
本発明によるダイ磨耗保護バンドを使用することにより、とても簡単且つ効果的にダイリップの磨耗防止手段を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を、好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明によるスロットダイ1の斜視図、図2は、図1の線II−IIに沿って取ったスロットダイ1の断面図、図3は、図1の線III−IIIに沿って取ったスロットダイ1の断面図、図4は、スロットダイ1の平面図である。
スロットダイ1は、第一ダイブロック2、第二ダイブロック3、及びシム4とからなる。基材としてのクラフト紙5は、バックアップロール6の矢印Aで示す方向の回転により、矢印Bで示す方向に搬送されている。第二ダイブロック3には、ダイリップ3aが設けられており、ダイリップ3aの先端部3bがバックアップロール6上のクラフト紙5に当接する。防湿コーティング剤は、スロットダイ1の押出出口7から押し出されてクラフト紙5の塗布部CP上に薄い塗膜CFを形成する。押出出口7は、第一ダイブロック2の面(不図示)、第二ダイブロック3の面(不図示)、及びシム4の開放部分(不図示)により画成されている。
【0013】
スロットダイ1には、二つのダイ磨耗保護バンド8が取り付けられている。二つのダイ磨耗保護バンド8は、クラフト紙5の両端の防湿コーティング剤が塗布されない非塗布部NCPにそれぞれ当接している。すなわち、ダイ磨耗保護バンド8は、図3及び図4に示すように、ダイリップ3aの先端部3bとクラフト紙5との間で、クラフト紙5の非塗布部NCPに対向する位置に配置されている。ダイ磨耗保護バンド8は、ダイリップ3aの先端部3bがクラフト紙5の非塗布部NCP、特に、クラフト紙5の縁とのこすれにより磨耗され、又はキズつけられることがないように設けられている。ダイ磨耗保護バンド8は、スロットダイ1の周りに巻いて取り付けられており、ダイ磨耗保護バンド8の両端部には、弾性部材としてのばね部材9が取り付けられている。ダイ磨耗保護バンド8は、ステインレスなどのとても薄い平鋼でつくられているとよい。ダイ磨耗保護バンド8は、ばね部材9の張力により締め付けられている。本実施例においては、ダイ磨耗保護バンド8がスロットダイ1の周りに巻いて取り付けられているが、本発明はこれに限定されず、ダイ磨耗保護バンド8は、少なくとも、ダイリップ3aの先端部3bとクラフト紙5の非塗布部NCPとの間に存在すればよい。
【0014】
図4を参照して、本実施例において、例えば、幅の狭いクラフト紙5の幅W1は、1000mm、幅の広いクラフト紙5の幅W2は、1600mmである。クラフト紙5の両端の防湿コーティング剤が塗布されない非塗布部NCPの幅Lは、例えば、10〜20mmである。ダイ磨耗保護バンド8の幅W3は、非塗布部NCPの幅Lとほぼ同じである。しかし、ダイ磨耗保護バンド8の幅W3が非塗布部NCPの幅Lよりも大きくてもよい。ダイ磨耗保護バンド8の内側縁は、スロットダイ1の押出出口7と重ならないように塗布部CPの外側縁とほぼ一致するように配置されている。本実施例においては、ダイ磨耗保護バンド8の内側縁と塗布部CPの外側縁とは、約1mm離れている。ダイ磨耗保護バンド8の外側縁は、クラフト紙5の縁とほぼ一致している。ダイ磨耗保護バンド8の外側縁は、クラフト紙5の縁の外側にあってもよい。ダイ磨耗保護バンド8の厚さは、約100μmである。
【0015】
ダイリップ3aの先端部3bは、特に、クラフト紙5の縁により削られやすいので、クラフト紙5の縁が先端部3bに接触しないようにダイ磨耗保護バンド8が配置されていることが重要である。したがって、クラフト紙5の縁が先端部3bに接触しなければ、ダイ磨耗保護バンド8の幅及び位置は前記した寸法や位置に限定されるものではない。
【0016】
ダイ磨耗保護バンド8は、ステインレスなどの薄い金属板でつくられているので安価である。また、ばね部材9を伸ばしたり、ばね部材9を外したり、あるいは、ばね部材の張力を弱めることによりダイ磨耗保護バンド8を容易に取り外して新たなダイ磨耗保護バンドと交換することができる。
【0017】
異なる幅のクラフト紙5に防湿コーティング剤を塗布する場合には、スロットダイ1のシム4を、クラフト紙5の幅に合った長さの開放部分を有するシム4に交換して、図4に示すように、クラフト紙5の幅W1,W2に応じた塗布幅W1C、W2Cを適用する。このような場合に、ダイ磨耗保護バンド8は、簡単に移動することができ、塗布幅W1C、W2Cに合わせた位置に設定することができる。このとき、ダイ磨耗保護バンド8は、目盛り板10の目盛りに従って所定位置に容易に設定することができる。左右二つの目盛り板10の目盛りをスロットダイ1の中心線CLを基準にすることにより、目盛り合わせが容易になっている。
【0018】
本発明によれば、スロットダイ1がクラフト紙5やウェブなどの基材に対して強く押圧され、紙送り速度が高速であっても、基材とのこすれによるダイリップ3aの磨耗やキズを効果的に防止することができる。
したがって、薄い塗膜CFに損傷を生じず、すなわち、薄い塗膜CFにスジが生じることがない。また、スロットダイ1の寿命を長くすることができる。
本発明によるダイ磨耗保護バンド8を使用することにより、とても簡単且つ効果的にダイリップ3aの磨耗防止手段を達成することができる。
【実施例2】
【0019】
図5は、本発明の実施例2によるスロットダイ101の一部を示す断面図である。実施例1と同様に、スロットダイ101は、第一ダイブロック102、第二ダイブロック103、及びシム104とからなる。基材としてのクラフト紙105は、二つのガイドロール106の矢印Cで示す方向の回転により、矢印Dで示す方向に搬送されている。第二ダイブロック103には、ダイリップ103aが設けられており、ダイリップ103aの先端部103bが二つのガイドロール106の間のクラフト紙105に当接する。防湿コーティング剤は、スロットダイ101の押出出口から押し出されてクラフト紙105の塗布部上に薄い塗膜CFを形成する。ダイ磨耗保護バンド108は、ダイリップ103aの先端部103bとクラフト紙105との間で、クラフト紙105の非塗布部に対向する位置に配置されている。
【0020】
実施例1においては、スロットダイ1のダイリップ3aの先端部3bがバックアップロール6上のクラフト紙5に当接するオンロールタイプであったが、実施例2のスロットダイ101は、二つのガイドロール106の間のクラフト紙105の張力によりダイリップ103aの先端部103bがクラフト紙105に強く押し付けられるオフロールタイプである。このようなオフロールタイプの場合においても、ダイ磨耗保護バンド108がクラフト紙105の非塗布部に当接しているので、ダイリップ103aの先端部103bがクラフト紙105の非塗布部とのこすれにより磨耗され、又はキズつけられることがない。
【実施例3】
【0021】
図6は、本発明の実施例3によるスロットダイ201の側面図である。スロットダイ201は、スロットダイ201を組み立てるためのボルトの頭220が上面に突出している。ボルトの頭220が上面に突出しているとダイ磨耗保護バンド208をスロットダイ201の周りに巻きつけにくい。そこで、実施例3は、ボルトよけの当て金230を設けた。当て金230は、ボルトの頭220を覆う覆い部分231と、後端取り付け部232と、覆い部231と後端取り付け部232とを連結する連結部233とからなる。覆い部分231は、ボルトの頭220を収納するための空間を形成している収納部231aと、ダイ磨耗保護バンド208にキズをつけないように丸みがつけられた丸み付頂部231bとが設けられている。後端取り付け部232は、スロットダイ201の後端部201aと相補的な形状をした取り付け面232aと、ダイ磨耗保護バンド208にキズをつけないように丸みがつけられた丸み付部232b及び232cとが設けられている。また、後端取り付け部232の背面に目盛り板210が設けられている。
【0022】
ダイ磨耗保護バンド208は、スロットダイ201とスロットダイ201に取り付けられた当て金230との周りに巻きつけられ、ばね部材209の張力によりスロットダイ201に締結されている。
【0023】
実施例3によれば、当て金230を設けたことにより、ボルトの頭220が突出しているスロットダイ201においても、ダイ磨耗保護バンド208のスロットダイ201への着脱を容易にすることができる。また、当て金230には丸み付頂部231b、丸み付部232b及び232cが設けられていること、及び、図1に示すダイ磨耗保護バンド8と比べてダイ磨耗保護バンド208がスロットダイ201と接触する面積が少なくなることから、ばね部材209の引っ張り力がダイ磨耗保護バンド208の全体により伝わりやすくなり、ばね部材209の引っ張り力によるダイ磨耗保護バンド208のスロットダイ201に対する締め付け力をより有効に作用させることができる。
【0024】
以上の実施例1乃至3においては、基材としてクラフト紙を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、基材はシート状材料、ウェブ状材料などどのような材料であってもよい。防湿コーティング剤は、ホットメルト材料であってもよく、液状物質であれば他の材料であってもよい。基材の非塗布部は、基材の端縁に設けられているが、シムを交換することにより非塗布部を基材の中央部あるいは基材の幅方向の複数箇所に設けても良い。このような場合には、ダイ磨耗保護バンドの幅は、非塗布部の幅よりも小さく設定するのが良い。
上記実施例においては、ダイ磨耗保護バンドが弾性部材によりスロットダイに締め付けられていたが、本発明はこれに限定するものではなく、ダイ磨耗保護バンドが基材の非塗布部に対向して配置できれば固定部材で固定しても良い。
【0025】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、その特徴事項から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施することができる。そのため、前述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、すべて本発明の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるスロットダイ1の斜視図。
【図2】図1の線II−IIに沿って取ったスロットダイ1の断面図。
【図3】図1の線III−IIIに沿って取ったスロットダイ1の断面図。
【図4】スロットダイ1の平面図。
【図5】本発明の実施例2によるスロットダイ101の一部を示す断面図。
【図6】本発明の実施例3によるスロットダイ201の側面図。
【符号の説明】
【0027】
1,101,201 スロットダイ
3a,103a ダイリップ
3b,103b 先端部
5,105 クラフト紙
6 バックアップロール
106 ガイドロール
8,108,208 ダイ磨耗保護バンド
9,209 ばね部材
10,210 目盛り板
230 当て金
CF 塗膜
NCP 非塗布部
W3 ダイ磨耗保護バンドの幅
L 非塗布部の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動する基材(5,105)に接触して液状物質を押し出し該基材上に塗膜(CF)を形成するスロットダイ(1,101,201)と、
前記スロットダイの該基材との接触部(3b,103b)の磨耗を防止するためのダイ磨耗防止部材(8,108,208)とからなり、
前記ダイ磨耗防止部材は、該基材と前記スロットダイとの間で、該基材の非塗布部(NCP)と接触するように配置されていることを特徴とするスロットダイの磨耗防止システム。
【請求項2】
該基材を前記スロットダイとの間で挟み、該基材を前記スロットダイに押圧しながら回転するバックアップロール(6)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の磨耗防止システム。
【請求項3】
該基材に張力を付与する少なくとも二つのガイドロール(106)をさらに有し、該基材は、該張力により前記少なくとも二つのガイドロールの間で前記スロットダイに押圧されていることを特徴とする請求項1に記載の磨耗防止システム。
【請求項4】
前記ダイ磨耗防止部材の該基材の移動方向を横切る方向の幅(W3)は、該非塗布部(NCP)の幅とほぼ等しいか又は該幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3に記載の磨耗防止システム。
【請求項5】
該非塗布部(NCP)は、該基材の端縁から該基材の該移動方向を横切る該方向に所定幅(L)を有することを特徴とする請求項4に記載の磨耗防止システム。
【請求項6】
前記ダイ磨耗防止部材の該基材の移動方向を横切る方向の幅(W3)は、該非塗布部(NCP)の幅とほぼ等しいか又は該幅よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至3に記載の磨耗防止システム。
【請求項7】
前記ダイ磨耗防止部材は、前記スロットダイに着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至6に記載の磨耗防止システム。
【請求項8】
前記ダイ磨耗防止部材は、該基材の移動方向を横切る方向に移動可能であることを特徴とする請求項1乃至7に記載の磨耗防止システム。
【請求項9】
前記スロットダイは、前記ダイ磨耗防止部材の取り付け位置を設定するための目盛り板(10)が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の磨耗防止システム。
【請求項10】
前記ダイ磨耗防止部材は、薄板帯状の弾性体でなり、前記スロットダイの周りに巻きかけられ、前記薄板帯状の弾性体の端部同士を弾性部材(9,209)を介して緊結されて前記スロットダイに取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至9に記載の磨耗防止システム。
【請求項11】
前記スロットダイのボルトを避けるための当て金(230)をさらに有し、前記当て金を介して、前記スロットダイに前記ダイ磨耗防止部材が巻き付けられていることを特徴とする請求項1乃至10に記載の磨耗防止システム。
【請求項12】
前記当て金は、前記ダイ磨耗防止部材の取り付け位置を設定するための目盛り板(210)が設けられていることを特徴とする請求項11に記載の磨耗防止システム。
【請求項13】
基材(5,105)をスロットダイ(1,101,201)に接触させながら移動させることと、
該スロットダイから液状物質を押し出し、該基材上に塗膜(CF)を形成することと、
該基材と該スロットダイとの間で該基材の非塗布部(NCP)と接触するようにダイ磨耗防止部材(8,108,208)を配置し、該スロットダイの該基材との接触部(3b,103b)の磨耗を防止することとからなることを特徴とするスロットダイによる液状物質の塗布方法。
【請求項14】
移動する基材(5,105)に接触して液状物質を押し出し該基材上に塗膜(CF)を形成するスロットダイ(1,101,201)の該基材との接触部(3b,103b)の磨耗を防止するために、該基材と該スロットダイとの間で、該基材の非塗布部(NCP)と接触するように該スロットダイに着脱可能なことを特徴とするダイ磨耗防止部材(8,108,208)。
【請求項15】
前記ダイ磨耗防止部材は、薄い金属板と、前記薄い金属板の両端部に接続された弾性部材(9,209)とからなることを特徴とする請求項14に記載のダイ磨耗防止部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−181545(P2006−181545A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380809(P2004−380809)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】