説明

スロットマシン

【課題】メダルの貸与を受けたときに生じた端数分のメダルに相当する利益が遊技者に還元されたことを明確に認識させ、かつ、遊技者が遊技への不信感を抱くことを防止する。
【解決手段】メダルの貸与を行ったときに生じる端数分のメダルの枚数を端数累積データとして累積して記憶する。当選役抽選によりBBに当選すると報知時期抽選を行う。報知時期抽選でBB当選画像の表示時期がスタートレバーの押下後以外に決定された場合、累積Nが3枚以上である場合には、BB当選画像をストップボタンの操作の有効化前に表示させる。累積Nが3枚未満である場合には、報知時期抽選で決定された時期にBB当選画像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ店などの遊技場で使用されるスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店で使用されるスロットマシンはパチスロ機と称されている。パチスロ機ではパチンコ店内で貸与を受けたメダルを用いて遊技が行われる。メダルは、隣接するメダルサンドに紙幣やプリペイドカードを投入すると遊技者に貸与される。一般的に、メダルは複数枚を一単位として貸与される。よって、遊技者は一単位分に相当する金額を投入して貸与を受ける。これにより、遊技者はメダルの貸与を繰り返し行う手間が省ける。
【0003】
ところで、メダルの貸与を行う場合は遊技者からメダル1枚ごとに間接税を徴収しなければならない。このため、メダルの貸与に際して消費税などの間接税を徴収する技術が種々提案されている。
【0004】
上記技術として、例えば特許文献1では、貸与する遊技媒体の個数から間接税分に相当する枚数を差し引いた個数の遊技媒体を貸与することが提案されている。この提案に照らせば、例えばメダル1枚あたりの貸与額が20円、税率が5%とした場合、間接税を含むメダル1枚あたりの貸与額は20×1.05=21円となる。そして、1000円分のメダルを貸与するには、1000÷21=47.16となるので、特許文献1の方法を用いた場合は、端数のメダル枚数0.61枚を切り捨てて47枚のメダルが貸与される。特許文献1の方法によれば、メダルの貸与を行うと同時に間接税の徴収を行うことができるため、パチンコ店では、財務諸表などの税務関係書類の作成における手間を省くことができる。
【0005】
ところが、特許文献1の方法では、端数分のメダルは本来遊技者が貸与を受けるべきメダルであるが、これが遊技者に貸与されないので、端数分のメダルに相当する金額に関してはパチンコ店の利益となってしまう。このため、遊技者にとっては予め設定された貸与額よりも高額な貸与額でメダルの貸与を受けていることになり、遊技者はメダルの貸与をうけるたびに損失感を抱くばかりか、遊技への興味を失ってしまう。また、このことに起因して遊技者とパチンコ店とのトラブルが発生する懸念もある。
【0006】
このような事情から、引用文献2で提案されているように、端数分のメダルの枚数を累積して記憶していき、累積した枚数が最少払い出し単位枚数に達した時点で端数分のメダルを払い出すことにより、端数分のメダルを遊技者に還元することが考えられる。これによれば、端数分のメダルを遊技者に還元できるので、上記のような問題を解消できる利点がある。
【特許文献1】特開2002−102487号公報
【特許文献2】特開2006−340920号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2の方法では、遊技の進行や遊技の態様と関係無く、突然メダルが払い出されるため、最少払い出し単位枚数のメダルの例えば1枚にするなどその枚数を少なくしてしまうと、遊技に集中している遊技者は端数分のメダルが還元されたことに気付かないおそれがある。これでは、端数分のメダルを遊技者に還元しているにも関わらず、端数分のメダルが還元されないことへの遊技者の損失感を解消できない。他方、最少払い出し単位枚数を例えば10枚にするなどその枚数を多めにすると、遊技者がメダルの払い出しに気付いたとしても、遊技の進行や遊技の態様と関係無く、パチスロ機が故障しているわけでもないのに突然メダルが払い出されるため、それに気付いた他の遊技者は遊技への不公平感を募らせ、また、メダルの払い出しを受けた遊技者は不正行為を行っているかの疑いを掛けられるおそれがあるなど、遊技者に遊技への不信感を抱かせてしまう懸念がある。
【0008】
上記問題点を解決するために、本発明は、メダルの貸与を受けたときに生じた端数分のメダルに相当する利益が遊技者に還元されたことを明確に認識でき、かつ、遊技者が遊技への不信感を抱くことを防止できるスロットマシンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載のスロットマシンは、遊技の開始に先立ってメダルが投入され、メダルの投入後に行われた遊技の開始操作に応答して、当たり又はハズレを当たり抽選により決定するとともにリールの回転が開始し、前記リールが回転してから操作が有効化されるストップボタンの押下によって回転中の前記リールが停止し、前記当たりに当選した場合は前記ストップボタンの押下タイミングに応じて前記当たりの入賞の有無が決定され、前記当たりが入賞すると遊技上の特典が付与されるスロットマシンにおいて、メダルの貸与が行われるたびに入力される信号に応答し、メダルの貸与に先立って投入された投入金額を、間接税が含まれたメダル1枚あたりの貸与額で除したときに生じる端数分のメダルの枚数n(1>n>0)を累積して記憶する累積端数記憶手段と、前記当たりに当選した場合に、前記端数分のメダルの枚数nの累積Nが所定枚数M(M≧1)以上であるか否かを判定する枚数判定手段と、前記当たりに当選したことを報知する当たり報知手段と、前記判定の結果、前記端数分のメダルの枚数nの累積Nが所定枚数M以上である場合は、前記ストップボタンの操作の有効化前に前記当たりに当選したことを報知させる報知制御手段と、所定の契機にその遊技でのメダルの投入枚数Kを前記累積Nから減算する累積枚数減算手段とを備えたものである。
【0010】
なお、前記当たりに当選したことを報知する時期を、前記ストップボタンの操作の有効化前と前記ストップボタンの押下後とのいずれにするかを報知時期抽選により決定する報知時期抽選手段を備え、前記報知制御手段は、前記報知時期抽選で前記ストップボタンの押下後に前記当たりに当選したことを報知することが決定された場合で、かつ前記累積Nが所定枚数M以上である場合は、前記ストップボタンの操作の有効化前に前記当たりに当選したことを報知させ、前記報知時期抽選で前記ストップボタンの押下後に前記当たりに当選したことを報知することが決定された場合で、かつ前記累積Nが所定枚数M未満である場合は、前記ストップボタンの押下後に前記当たりに当選したことを報知させることが好ましい。
【0011】
また、前記当たりに当選した場合、前記当たりが入賞するまでその当選の権利を持ち越す当たり持ち越し手段を備え、前記報知制御手段は、前記当たりの当選の権利が持ち越された遊技で、前記端数分のメダルの枚数nの累積Nが所定枚数M以上である場合に、前記ストップボタンの押下前に前記当たりに当選したことを報知させることが好ましい。
【0012】
また、前記累積枚数減算手段は、前記当たりに当選したことを報知した遊技で前記当たりが入賞しなかった場合には、前記累積端数記憶手段に記憶している前記累積Nから一定枚数P(P<K)を減じることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明によれば、メダルの貸与を受けたときに生じた端数分のメダルに相当する利益を遊技の過程で遊技者に還元することが可能になり、遊技者は端数分のメダルに相当する利益が還元されたことを明確に認識できる。また、遊技の進行やその態様に則しつつ端数分のメダルに相当する利益を遊技者に還元することが可能になるので、遊技者が遊技への不信感を抱くことを防止できる。
【0014】
請求項2記載の発明によれば、遊技の態様に変化を加えることなく端数分のメダルに相当する利益を遊技者に還元することが可能になるので、遊技者が遊技への不信感を抱くことをより効果的に防止できる。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、端数分のメダルに相当する利益を遊技者に還元する機会を増やすことが可能になるので、より確実に遊技者に当該利益を還元できる。
【0016】
請求項4記載の発明によれば、遊技者に遊技への集中を促すことが可能になり、遊技での緊張感を高めて遊技の興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】スロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの電気的な構成の概略を示したブロック図である。
【図3】メダルの貸与を行うときに生じる端数分のメダルの記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】メダルの貸与を行うときに生じる端数分のメダルの還元処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】メダルサンドとスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図6】メダルサンドの電気的な構成の概略を示したブロック図である。
【図7】メダルサンドによってメダルの貸与を行うときに生じる端数分のメダルの記憶処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】メダルの貸与を行うときに生じる端数分のメダルの還元処理をBBが持ち越されている遊技で行った場合の処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
先ず、メダルの貸与を実行する機能を備えたスロットマシン11に本発明を適用した第1の実施形態について説明する。
【0019】
図1に示すように、スロットマシン11は、スロットマシン本体12と前面扉13とを備えている。スロットマシン本体12は収納箱12aを備えている。収納箱12aにはリールユニットや制御基板、ホッパー装置などが収納されている。前面扉13は上扉13aと下扉13bとに上下に2分割されている。スロットマシン本体12の内部は上扉13a及び下扉13bによって開閉される。
【0020】
上扉13aには表示窓14が設けられている。表示窓14の奥には、回転自在な第1リール15a、第2リール15b、第3リール15cが設けられている。第1〜第3リール15a〜15cの外周面には複数種類の図柄が配列されており、第1〜第3リール15a〜15cが停止すると表示窓14を通して1リール当たり3個の図柄が表示される。スロットマシン11では、横3本と斜め2本とからなる計5本の入賞有効ライン16が設定されている。そして、第1〜第3リール15a〜15cが停止したときに入賞有効ライン16上に停止した図柄の組み合わせによって当選役が入賞したか否かが表示される。
【0021】
なお、「入賞」とは、入賞有効ライン上に停止した図柄の組み合わせが、当選役に対応する予め定められた図柄の組み合わせと一致するか、又は、特定のリールにおいて入賞有効ライン上に停止した図柄が、当選役に対応する図柄と一致した状態を示す。
【0022】
下扉13bには、メダルを投入するメダル投入口17、第1〜第3リール15a〜15cの回転を開始させるスタートレバー18、回転しているリールを停止させるストップボタン19a〜19c、クレジットされたメダルを投入するベットボタン21などが設けられている。
【0023】
スロットマシン11では、1回の遊技で3枚のメダルを使用して遊技が行われる。メダル投入口17から3枚以上のメダルを一度に投入すると、3枚目以降のメダルは自動的にクレジットされる。クレジットされたメダルはベットボタン21を押下することによって投入できる。
【0024】
メダルの投入後にスタートレバー18が押下(遊技の開始操作)されると当選役抽選が行われて複数種類の当選役のいずれか又はハズレが決定されるとともに、第1〜第3リール15a〜15cが一斉に回転する。当選役には、通常モードよりも遊技者に有利なBBモードに移行するBB(当たり)、規定枚数のメダルが払い出される小役、メダルの投入なしに次遊技を行うことができるリプレイが設定されている。BB(ビックボーナス)に当選すると入賞するまでその当選の権利が持ち越される。BBは、BBに対応するBB図柄が入賞有効ライン16上に3つ揃うと入賞し、小役は、小役に対応する小役図柄が入賞有効ライン16上に3つ揃うと入賞し、リプレイは、リプレイに対応するリプレイ図柄が入賞有効ライン16上に3つ揃うと入賞する。
【0025】
第1〜第3リール15a〜15cの回転が開始し、ストップボタン19a〜19cの操作が有効化された後にこれらが押下されると、対応する第1〜第3リール15a〜15cが個別に停止する。全てのリールが停止して小役が入賞すると払い出し口22を介してメダル受け皿23にメダルが払い出される。なお、1回の遊技とはスタートレバー18が押下されてから第1〜第3リール15a〜15cの全てが停止するまでをいう。
【0026】
表示窓14の上方には、カードスロット24、度数表示器25、貸し出しボタン26、返却ボタン27が設けられている。
【0027】
カードスロット24にはプリペイドカード28が挿入される。プリペイドカード28は、記録されている情報を書き換え可能な磁気カードからなり、パチンコ店に設置された自動販売機で購入できる。プリペイドカード28は、例えば1000円、3000円、5000円、10000円の4種類が販売されている。そして、プリペイドカード28には、1000円を度数「1」として各カードに度数が設定されている。すなわち、1000円のプリペイドカードは度数「1」、3000円のプリペイドカードは度数「3」、5000円のプリペイドカードは度数「5」、10000円のプリペイドカードは度数「10」となっている。
【0028】
メダルの貸与に先立ってカードスロット24にプリペイドカード28が挿入されると、7セグメント表示器からなる度数表示器25からプリペイドカード28の残度数が表示される。貸し出しボタン26が押下されると、その1プッシュごとに度数表示器25で表示されている残度数が「1」減算される。残度数が「1」減算されると投入金額として1000円が投入され、1000円分に相当する枚数のメダルが払い出し口22から払い出されて遊技者にメダルが貸与される。すなわち、プリペイドカード28の残度数が「1」減算されると、メダルの貸与に先立って1000円が投入されることになる。ここで、例えばメダル1枚あたりの貸与額は20円で、かつメダルの貸与に伴って発生する間接税の税率が5%とする。この場合、間接税込みのメダル1枚あたりの貸与額は、20×1.05=21円となる。よって、1000円分のメダルの枚数は1000÷21=47.61枚となるため、残度数が「1」減算されると端数分の0.61枚(端数n)を除いた47枚のメダルは払い出し口22から払い出される。
【0029】
返却ボタン27が押下されるか又はプリペイドカード28の残度数が「0」になると、カードスロット24からプリペイドカード28が自動的に抜き出され、遊技者にプリペイドカード28が返却される。
【0030】
表示窓14の側方には液晶ディスプレイ(報知手段)29が設けられている。液晶ディスプレイ29からは、BBに当選したことを示すBB当選画像が表示される。BB当選画像は、ストップボタン19a〜19cの操作の有効化前、ストップボタン19a〜19cのうち1番目にストップボタンが押下された時、ストップボタン19a〜19cのうち2番目にストップボタン(1番目に押下されたストップボタン以外)が押下された時、ストップボタン19a〜19cのうち3番目にストップボタン(1,2番目に押下されたストップボタン以外)が押下された時のいずれかで表示される。
【0031】
図2に示すように、スロットマシン11の基本的な動作はメイン基板60によって制御される。メイン基板60は、メインCPU61とメインメモリ(累積端数記憶手段)62とを備えている。メインメモリ62のROM領域には、遊技の実行プログラムや実行データなどが格納されている。メインCPU61は、メインメモリ62から遊技の実行プログラムや実行データを読み出すことによって遊技の実行処理を行う。メインメモリ62のRAM領域は、当選フラグ(当選役抽選で当選した当選役の種類を示すフラグ)やデータなどの一時的な保管や書き換えなどに用いられる。
【0032】
メダルセンサ63はメダル投入口17から投入された適正なメダルを検知し、メダルの検知信号をメインCPU61に入力する。メインCPU61は、投入されたメダルの枚数をメダルセンサ63からの検知信号に基づいて計数し、3枚のメダルが投入されたときに5本の入賞有効ライン16を有効化してスタートレバー18の操作を有効化する。スタート信号センサ64はスタートレバー18が押下されたことを検知する。操作が有効化された後にスタートレバー18の押下が検知されると、スタート信号センサ64からメインCPU61に遊技スタート信号が入力される。
【0033】
メインCPU61は、当選役決定部65を備えており、遊技スタート信号に応答して当選役決定部65を作動させる。当選役決定部65では乱数を用いた当選役抽選によって、BB、小役、リプレイのいずれか又はハズレが決定される。当選役抽選でいずれかの当選役に当選した場合は、その種類を示す当選フラグがメインメモリ(当たり持ち越し手段)62のRAM領域に書き込まれる。BBフラグはBBが入賞したときにクリアされ、それ以外のフラグは遊技が終了したときにクリアされる。これにより、BBに当選した場合はBBが入賞するまでその当選の権利が持ち越される。メインCPU61は、当選役抽選が終了すると図示しないステッピングモータを駆動して第1〜第3リール15a〜15cの回転を開始させる。
【0034】
第1〜第3リール15a〜15cの回転が開始してから、各リールの回転速度が定常速度になるとストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。ストップ信号センサ66はストップボタン19a〜19cが押下されたことを検知する。ストップボタン19a〜19cが押下されると、第1〜第3リール15a〜15cのストップ信号がメインCPU61に個別に入力される。メインCPU61はストップ信号に応答して第1〜第3リール15a〜15cが回転中であるか否かを判定し、第1〜第3リール15a〜15cが回転中である場合にはリール駆動コントローラ67を作動して、押下されたストップボタン19a〜19cに対応する第1〜第3リール15a〜15cの停止制御を行う。
【0035】
第1〜第3リール15a〜15cの停止制御は各々に接続されたステッピングモータの駆動制御を行うことによって行われる。第1〜第3リール15a〜15cの停止制御は図柄の停止テーブルを用いる周知の引き込み制御によって行われる。第1〜第3リール15a〜15cは、それぞれの外周面が21コマに分割されており、1コマに1つの図柄が配置されている。これにより、第1〜第3リール15a〜15cの外周面には21個の図柄が配列されている。そして、停止テーブルでは、ストップボタン19a〜19cを押下したときに第1〜第3リール15a〜15cが停止するまでに要する引き込みコマ数が、入賞有効ライン16上の図柄を含む図柄5個分の0〜4コマ、すなわち5コマの範囲(以下、「引き込み範囲」と称する)を上限に設定されている。このため、ストップボタン21a〜21cが押下されたときに、停止テーブルで設定されている引き込みコマ数の位置にある図柄が当選図柄(当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄)である場合、当選図柄の引き込み制御が行われて当選図柄が入賞有効ライン16上に停止する。メインCPU61は、全てのストップボタン21a〜21cが押下されたときに、入賞有効ライン16上の停止図柄の組み合わせと当選役が入賞する図柄の組み合わせとを比較し、当選役が入賞したか否かを判定(以下、「入賞判定」)する。
【0036】
上記のような引き込み制御の下で、BB図柄は各リールに1個配列されている。このため、BBに当選した場合は、各リールのBB図柄が引き込み範囲内に回転してきたときにタイミングを図ってストップボタン19a〜19cを押下しないとBBを入賞させることができない。
【0037】
ストップボタン19a〜19cが押下された結果、小役が入賞するとメインCPU61はホッパー装置68を作動してメダルの払い出しを実行する。
【0038】
メインCPU61には、貸し出しボタン26及び返却ボタン27の押下信号が入力される。
【0039】
カードスロット24の奥には、カードリーダ/ライタ69が設けられている。カードリーダ/ライタ69は、メインCPU61による制御の下で駆動する。カードリーダ/ライタ69は、カードスロット24に挿入されたプリペイドカード28の残度数の読み取り/書き換えを行う。
【0040】
メインCPU61は、カードスロット24にプリペイドカード28が挿入されたときに、カードリーダ/ライタ69によって読み取られたプリペイドカード28の残度数を度数表示器25から表示する。そして、メインCPU61は、貸し出しボタン26の押下信号に応答してカードリーダ/ライタ69を駆動し、プリペイドカード28の残度数を書き換える。また、メインCPU61は、貸し出しボタン26の押下回数を識別して1000円あたりの貸与枚数が47枚となるようにホッパー装置68を駆動し、遊技者に貸与するメダルを払い出す。
【0041】
プリペイドカード28の残度数が「0」になったことがカードリーダ/ライタ69によって読み取られるか又は返却ボタン27の押下信号が入力されたときに、メインCPU61は、図示しないモータを駆動してプリペイドカード28を返却する。
【0042】
また、メインCPU61は、貸し出しボタン26の押下信号に応答してプリペイドカード28の残度数を減算するたびに、1000円分のメダルの貸与したときに生じる端数分の0.61枚をメインメモリ62のRAM領域に端数累積データとして書き込んでいく。これにより、端数分のメダル0.61枚の累積Nが記憶されていく。なお、端数分のメダルの枚数は、予めメインメモリ62のROM領域で記憶されている。このため、メインCPU61は、プリペイドカード28の残度数が減算されるたびに端数分のメダル枚数を算出することなく、その減算のたびにメインメモリ62のROM領域から端数分の枚数を読み出して端数累積データとして書き込んでいく。
【0043】
枚数判定部(枚数判定手段)70は、BB当選画像の報知時期がスタートレバー18の押下後以外になったことに応答してメインメモリ62の端数累積データを読み出し、端数分のメダルの枚数の累積Nがメダルの投入枚数である3枚(投入枚数K)以上であるか否かを判定する。
【0044】
累積枚数減算部(累積枚数減算手段)71は、枚数判定部70で判定が行われた結果、メインメモリ62の累積Nが3枚以上であり、かつBBが入賞した場合に、累積Nから3枚を減算した新たな累積Nとして、メインメモリ62に書き込まれている端数累積データを書き換える。
【0045】
また、累積枚数減算部71は、枚数判定部70で判定が行われた結果、メインメモリ62の累積Nが3枚以上であり、かつBBが入賞しなかった場合に、累積Nから2枚(一定枚数P)を減算した枚数を新たな累積Nとしてメインメモリ62の端数累積データを書き換える。
【0046】
報知時期抽選部(報知時期抽選手段)73は、当選役抽選でBBに当選したことに応答して作動する。報知時期抽選部73は報知時期抽選を行って、BB当選画像を、ストップボタン19a〜19cの操作の有効化前、ストップボタン19a〜19cのうち1番目にストップボタンが押下された時、ストップボタン19a〜19cのうち2番目にストップボタンが押下された時、ストップボタン19a〜19cのうち3番目にストップボタンが押下された時のいずれの時に表示するかを決定する。
【0047】
スロットマシン11のスロットマシン本体12内には、端数累積データをクリアするクリアボタン12cが設けられている。クリアボタン12cは、下扉13bの施錠を解除してこれを開放すると押下できる。このことから、下扉13bの鍵を所有するパチンコ店の店員のみが開放できる。クリアボタン12cが押下されると、その押下信号がメインCPU61に入力される。クリアボタン12cの押下信号に応答し、メインCPU61はメインメモリ62に書き込まれている端数累積データをクリアする。
【0048】
メイン基板60には、液晶ディスプレイ29の動作を制御するサブ基板74が電気的に接続されている。サブ基板74は、サブCPU(報知制御手段)75とサブメモリ76とを備えている。サブCPU75は液晶ディスプレイ29の動作を制御する。サブメモリ76のROM領域には、液晶ディスプレイ29を駆動するための駆動制御プログラムや画像の表示データが格納されている。サブCPU75には、当選役抽選の結果を示す抽選終了コマンド、枚数判定部70での判定が行われた場合に入力され、その判定結果を示す判定結果コマンド、ストップボタン19a〜19cが押下されたときの操作コマンド、報知時期抽選が行われた場合に入力され、その結果を示す報知時期コマンドなどがメインCPU61から入力される。ストップボタン19a〜19cの操作コマンドは、各操作が行われたとき、すなわち、ストップ信号センサ66からの信号の入力があったことを契機に入力される。
【0049】
サブCPU75は、報知時期コマンドから報知時期抽選の結果を識別し、報知時期抽選で決定された操作が行われたときに、サブメモリ76のROM領域からBB当選画像の表示データを読み出し、BB当選画像を液晶ディスプレイ29から表示させる。なお、ストップボタン19a〜19cの操作の有効化までの時間は予め測定されている。そして、報知時期抽選でBB当選画像の表示時期がストップボタン19a〜19cの操作の有効化前に決定された場合は、サブCPU75は、メインCPU61から報知時期コマンドを受けてからストップボタン19a〜19cの操作の有効化までの時間までにBB当選画像を表示させる。また、報知時期抽選でBB当選画像の表示時期がストップボタン19a〜19cの押下後に決定された場合は、サブCPU75は、ストップボタン19a〜19cの操作コマンドが入力されたときにBB当選画像を表示させる。
【0050】
なお、ストップボタン19a〜19cの操作コマンドは、各操作を終了したとき、すなわち、ストップ信号センサ66からの信号の入力が途切れたことを契機に入力してもよい。
【0051】
次に、メダルの貸与を行うときに生じる端数分のメダルの記憶処理の流れ及びメダルの貸与を行うときに生じる端数分のメダルの還元処理の流れについて説明する。
【0052】
図3に示すように、カードスロット24にプリペイドカード28が挿入され、貸し出しボタン26が押下されてその押下信号がメインCPU61に入力されると、メインCPU61はプリペイドカード28の残度数を減算する。また、メインCPU61は、貸し出しボタン26の押下信号に応答して、メインメモリ62のROM領域を参照して端数分のメダル枚数が0.61枚であることを識別し、これが累積されるように端数累積データを書き換えて(端数累積データがない場合は書き込み)端数累積データを更新する。貸し出しボタン26が複数回押下され、残度数が複数度数減算された場合は、その回数分繰り返して端数累積データが書き換えられる。これにより、1000円分のメダルを貸与したときに生じる端数分のメダルの枚数0.61枚の累積Nが記憶されていく。クリアボタン12cが押下された場合には、端数累積データはクリアされ、上記の処理によって再度端数分のメダルの枚数の累積Nが記憶されていく。
【0053】
図4に示すように、メダルを3枚投入した後にスタートレバー18が押下され、当選役抽選によりBBに当選すると報知時期抽選が行われる。報知時期抽選によってBB当選画像の表示時期がストップボタン19a〜19cの操作の有効化前以外の時期に決定された場合、枚数判定部70はメインメモリ62の端数累積データを読み出し、端数分のメダルの枚数0.61枚の累積Nが3枚以上であるか否かを判定する。判定が終了すると、当選役抽選の抽選終了コマンド及び判定結果コマンド、報知時期コマンドがメインCPU61からサブCPU75に入力される。
【0054】
サブCPU75は、抽選終了コマンドを受けてBBが当選したことを識別し、また、報知時期コマンドからBB当選画像の表示時期を識別する。さらに、サブCPU75は、判定結果コマンドから枚数判定部70の判定結果を識別する。そして、サブCPU75は、メインメモリ62に書き込まれている累積Nが3枚以上である場合には、ストップボタン19a〜19cの操作の有効化前にBB当選画像を液晶ディスプレイ29から表示させる。BB当選画像の表示後、ストップボタン19a〜19cの操作が有効化される。ストップボタン19a〜19cの操作が有効化された後に遊技者がストップボタン19a〜19cを押下した結果、BBが入賞した場合は、累積枚数減算部71が累積Nから3枚を減算した枚数を新たな累積Nとしてメインメモリ62の端数累積データを書き換える。また、BBが入賞しなかった場合は、累積枚数減算部71が累積Nから2枚を減算した枚数を新たな累積Nとしてメインメモリ62の端数累積データを書き換える。
【0055】
他方、サブCPU75は、メインメモリ62に書き込まれている累積Nが3枚未満である場合には、報知時期抽選で決定された時期にBB当選画像を液晶ディスプレイ29から表示させる。この場合、サブCPU75は、ストップボタン19a〜19cの操作コマンドを受けて報知時期コマンドから識別した時期にBB当選画像を液晶ディスプレイ29から表示させる。
【0056】
また、報知時期抽選によってBB当選画像の表示時期がストップボタン19a〜19cの操作の有効化前に決定された場合は、枚数判定部70による判定が行われず、サブCPU75は、ストップボタン19a〜19cの操作の有効化前にBB当選画像を液晶ディスプレイ29から表示させる。
【0057】
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、図5に示すように、メダルの貸与を行う機能のないスロットマシン100と、スロットマシン100に隣接するメダルサンド101とを用い、メダルサンド101によってメダルが貸与される。なお、第1の実施形態と同一の部材及び機能部については同一符号を用いて詳しい説明を省略する。
【0058】
メダルサンド101は、プリペイドカード28を挿入するためのカードスロット102、プリペイドカード28の残度数を表示する度数表示器103、メダルの貸与を受ける際に押下する貸し出しボタン104、貸与を受けるメダルが払い出される受け皿105、カード挿入口102に挿入されたプリペイドカード28を抜き出す際に押下する返却ボタン106が設けられている。
【0059】
図6に示すように、メダルサンド101の内部には、メダルサンド101の各部を駆動制御する制御基板107、カードスロット102に挿入されたプリペイドカード28の残度数の読み取り及び書き換えを行うカードリーダ/ライタ108、貸し出しボタン104の押下に応じて所定枚数のメダルを受け皿105に払い出すホッパー装置109、スロットマシン100と接続されたI/O(IN/OUT)ポート110が設けられている。制御基板107はCPU107aを備えている。CPU107aは、メモリ107b内のプログラムやデータを読み出してメダルサンド101全体の動作を制御する。
【0060】
CPU107aは、カードスロット102にプリペイドカード28が挿入されたときに、カードリーダ/ライタ108によって読み取られたプリペイドカード28の残度数を度数表示器103から表示する。そして、貸し出しボタン104の押下信号が入力されると、CPU107aはカードリーダ/ライタ108を駆動し、プリペイドカード28の残度数を書き換えるとともに、貸し出しボタン104の押下回数を識別してホッパー装置109を駆動し、遊技者に貸与するメダルを払い出す。これと同時に、CPU107aは、プリペイドカード28から減算された度数、すなわちメダルの貸与に先立って投入された投入金額を投入金額信号として、I/Oポート110を介してスロットマシン100のメインCPU61に送信する。
【0061】
スロットマシン100の構成は、メダルの貸与に伴う処理を実行する部分(貸し出しボタン26,返却ボタン27,カードリーダ/ライタ69)を備えていない点以外はスロットマシン11と同様になっており、メイン基板60とサブ基板74とを備えている。メイン基板60とサブ基板74とはスロットマシン11と同様の動作をする。
【0062】
図7に示すように、メダルサンド101の貸し出しボタン104が押下されると、投入金額信号がCPU107aからスロットマシン100のメインCPU61に入力される。メインCPU61は、投入金額信号を受信するたびにメインメモリ62のROM領域を参照して端数分のメダル枚数が0.61であることを識別し、これが累積されるように端数累積データを書き換えて(端数累積データがない場合は書き込み)端数累積データを更新する。貸し出しボタン104が複数回押下されてプリペイドカード28から複数度数減算された場合、すなわち投入金額信号が複数回入力された場合は、その回数分繰り返して端数累積データが書き換えられる。これにより、1000円分のメダルを貸与したときに生じる端数分のメダルの枚数0.61枚の累積Nが記憶されていく。クリアボタン12cが押下された場合には、端数累積データはクリアされ、上記の処理によって再度端数分のメダルの枚数の累積Nが記憶されていく。こうして、端数分のメダルの累積Nが記憶されると、以降は、図4と同一の処理が行われて、端数分のメダルが遊技者に還元される。
【0063】
なお、図7の例ではスロットマシン100側で端数分のメダルの枚数0.61枚を記憶している例を挙げて説明したが、端数分のメダルの枚数0.61枚を予めメダルサンド101側で記憶しておき、これを投入金額信号に含ませることにより、メインCPU61は投入金額信号から端数分のメダルの枚数を識別するようにしてもよい。
【0064】
以上のように、端数分のメダルの枚数が3枚以上になった場合にはストップボタン19a〜19cの操作の有効化前にBB当選画像を表示するので、遊技者はBB図柄が入賞有効ライン16上に停止するようにタイミングを図ってストップボタン19a〜19cを押下すれば、その遊技でBBを入賞させることができる。他方、ストップボタン19a〜19cの押下後にBB当選画像が表示された場合でも、毎遊技タイミングを図ってストップボタン19a〜19cを押下している遊技者にとっては、その遊技でBBを入賞させることができるが、毎遊技タイミングを図ってストップボタン19a〜19cを押下することは、遊技が長時間にわたったときの疲労により困難であり、また、疲労からタイミングを誤ることも多発する。このため、遊技者は、ストップボタン19a〜19cの操作の有効化前にBB当選画像が表示された場合にタイミングを図ってストップボタン19a〜19cを押下することが一般的であり、ストップボタン19a〜19cの操作の有効化前にBB当選画像が表示されなかった場合は、タイミングを図ることなくストップボタン19a〜19cを押下することが一般的である。このため、ストップボタン19a〜19cの押下後にBB当選画像が表示された場合は、その遊技の次遊技でBBを入賞させることになり、さらに3枚のメダルが必要になる。しかし、本願発明のように、端数分のメダルの枚数が3枚以上になった場合にストップボタン19a〜19cの操作の有効化前にBB当選画像を表示すれば、その遊技においてタイミングを図ってストップボタン19a〜19cを押下することができ、その遊技でBBを入賞させることができるため、次遊技で使用するはずの3枚のメダルを使用しなくてもよくなる。これにより、端数分のメダルを遊技者に還元できる。
【0065】
なお、BBが入賞しなかった場合にメダルの投入枚数Kよりも少ない一定枚数Pを減算するのは、BBを入賞させることのできない技量の低い遊技者の不利益を減少させるものである。すなわち、BB当選画像の表示時期を変更したにもかかわらず、BBを入賞させることのできなかった遊技者は1遊技分の利益を受けられないこととなり、それにも関わらず1遊技分の投入枚数を減算するのは不平等になってしまう。しかし、BB当選画像の表示時期の変更は行っているので、その対価として何ら負担がないのは公平ではないので、これらのバランスを取るためである。
【0066】
上記各実施形態では、端数分のメダルの枚数の累積Nが3枚以上であるか否かをBBに当選した遊技で判定したが、BBが持ち越されている遊技で当該判定を行って端数分のメダルの枚数の累積Nが3枚以上となった場合BB当選画像の表示時期を変更してもよい。この例は、BBに当選した遊技を含めて複数回(例えば3回)の遊技にわたって内容に繋がりのある連続演出が行われるスロットマシンに適用することが、確実に端数分のメダルを還元するうえで好適である。以下に、BBが持ち越されている遊技で当該判定を行ってBB当選画像の表示時期を変更する実施形態について説明する。なお、連続演出は、BBに当選した遊技を含めた連続する3回の遊技で行われ、3回の演出は液晶ディスプレイ29からの演出画像の表示によって行われる。また、1,2回目の連続演出が行われる遊技ではBBに当選したことを示唆する演出画像が3番目にストップボタンが押下されたときに表示され、BB当選画像は3回目の連続演出が行われる遊技では表示される。メインCPU61は、BBに当選した遊技で3つの連続演出フラグをメインメモリ62のRAM領域に書き込み、以降、遊技が終了するたびに連続演出フラグを1つずつクリアしていく。これにより、メインCPU61は、連続演出の回数を識別でき、その回数に応じた演出画像を液晶ディスプレイ29から表示させることができる。
【0067】
図8に示すように、メダルを3枚投入した後にスタートレバー18が押下されると3回目の連続演出であるか否か、すなわち、メインメモリ62のRAM領域に連続演出フラグが残り1つか否かが識別される。3回目の連続演出であることが識別されると、枚数判定部70はメインメモリ62の端数累積データを読み出し、端数分のメダルの枚数0.61枚の累積Nが3枚以上であるか否かを判定する。判定が終了すると、判定結果コマンドがメインCPU61からサブCPU75に入力される。
【0068】
サブCPU75は、判定結果コマンドから枚数判定部70の判定結果を識別する。そして、サブCPU75は、メインメモリ62に書き込まれている累積Nが3枚以上である場合には、ストップボタン19a〜19cの操作の有効化前にBB当選画像を液晶ディスプレイ29から表示させる。BBが入賞した場合は、累積枚数減算部71は、累積Nから3枚を減算した枚数を新たな累積Nとしてメインメモリ62の端数累積データを書き換える。また、BBが入賞しなかった場合は、累積枚数減算部71は、累積Nから2枚を減算した枚数を新たな累積Nとしてメインメモリ62の端数累積データを書き換える。
【0069】
他方、サブCPU75は、メインメモリ62に書き込まれている累積Nが3枚未満である場合には、3番目にストップボタンが押下されたときにBB当選画像を液晶ディスプレイ29から表示させる。
【0070】
以上の例によれば、BBに当選した時点、すなわち1回目の連続演出が行われた遊技が終了したとき、あるいは2回目の連続演出が行われた遊技が終了したときに遊技者の手持ちのメダルがなくなり、遊技者が新たにメダルの貸与を受けて端数Nが3枚を超えた場合にもBB当選画像の表示時期を早めることができる。これにより、BBが当選した遊技に限らなくても端数分のメダルを遊技者に還元できるので、より多くの機会に遊技者に端数分のメダルの還元を行うことができる。
【0071】
なお、BBが持ち越されている遊技でBB当選画像を表示するか否かを決定する抽選を行い、この抽選に当選した場合に上述した報知時期抽選を行うスロットマシンにおいては、BBが持ち越されている遊技で端数分のメダルの枚数の累積Nが3枚以上になった場合に、BB当選画像を表示することが決定された遊技で図4に示す処理を行い、BB当選画像の表示時期を変更することも可能である。
【0072】
上記各実施形態では、BB当選画像を表示した場合に累積Nの減算を行ったが、例えばBB当選画像を表示してBBが入賞した場合、減算を行うか否かの抽選に当選した場合など、減算を行う所定の契機は適宜に設定してよい。
【0073】
上記各実施形態では、間接税の税率を5%としたが、間接税の税率を任意に入力できるようにしてもよい。この場合、税率を入力したときに端数分のメダルの枚数を算出しておき、これをメインメモリ62に記憶しておけばよい。また、メダルの貸与が行われるたびに端数分のメダルの枚数を算出してもよい。この場合、第2の実施形態においては、メダルサンド101側、あるいは、スロットマシン100側のいずれで算出してもよい。
【0074】
上記各実施形態では、当たりとしてBBを例に挙げたが、例えば小役、リプレイ、通常モードよりも有利になるがBBモードよりもメダルの獲得枚数の少ないRB(レギュラーボーナス)モードに移行するRBなどを当たりとするなど、当たりの態様は適宜に設定してよい。
【0075】
また、例えばリプレイの当選確率が通常モードよりも高くなるRT(リプレイタイム)モードに移行するか否かを決定するRT抽選、遊技者に小役が入賞するストップボタンの操作態様を報知するAT(アシストタイム)画像が表示されるATモードに移行するか否かを決定するAT抽選、リプレイの当選確率が通常モードよりも高くなるとともにAT画像が表示されるART(アシストリプレイタイム)モードに移行するか否かを決定するART抽選、リールの一部あるいは全部で引き込み制御が行われずにストップボタンの押下タイミングにのみ基づいてリールが停止するCT(チャレンジタイム)モードに移行するか否かを決定するCT抽選などを当たり抽選とし、これらの抽選に当選することを当たりとすることもできる。この場合、これらの抽選に当選するとともに特定の図柄を揃えた場合に各モードに移行するようにすれば、本発明を適用することができる。
【0076】
上記各実施形態では、リール駆動タイプのスロットマシンを例に挙げて説明したが、例えば液晶ディスプレイで図柄を変動表示させるスロットマシン、遊技球を用いて遊技を行うスロットマシンなど他のスロットマシンに本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0077】
11 スロットマシン
61 メインCPU
62 メインメモリ(累積端数記憶手段)
73 報知時期抽選部(報知時期抽選手段)
70 枚数判定部(枚数判定手段)
71 累積枚数減算部(累積枚数減算手段)
75 サブCPU(利益付与手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技の開始に先立ってメダルが投入され、メダルの投入後に行われた遊技の開始操作に応答して、当たり又はハズレを当たり抽選により決定するとともにリールの回転が開始し、前記リールが回転してから操作が有効化されるストップボタンの押下によって回転中の前記リールが停止し、前記当たりに当選した場合は前記ストップボタンの押下タイミングに応じて前記当たりの入賞の有無が決定され、前記当たりが入賞すると遊技上の特典が付与されるスロットマシンにおいて、
メダルの貸与が行われるたびに入力される信号に応答し、メダルの貸与に先立って投入された投入金額を、間接税が含まれたメダル1枚あたりの貸与額で除したときに生じる端数分のメダルの枚数n(1>n>0)を累積して記憶する累積端数記憶手段と、
前記当たりに当選した場合に、前記端数分のメダルの枚数nの累積Nが所定枚数M(M≧1)以上であるか否かを判定する枚数判定手段と、
前記当たりに当選したことを報知する当たり報知手段と、
前記判定の結果、前記端数分のメダルの枚数nの累積Nが所定枚数M以上である場合は、前記ストップボタンの操作の有効化前に前記当たりに当選したことを報知させる報知制御手段と、
所定の契機にその遊技でのメダルの投入枚数Kを前記累積Nから減算する累積枚数減算手段とを備えたスロットマシン。
【請求項2】
前記当たりに当選したことを報知する時期を、前記ストップボタンの操作の有効化前と前記ストップボタンの押下後とのいずれにするかを報知時期抽選により決定する報知時期抽選手段を備え、
前記報知制御手段は、前記報知時期抽選で前記ストップボタンの押下後に前記当たりに当選したことを報知することが決定された場合で、かつ前記累積Nが所定枚数M以上である場合は、前記ストップボタンの操作の有効化前に前記当たりに当選したことを報知させ、前記報知時期抽選で前記ストップボタンの押下後に前記当たりに当選したことを報知することが決定された場合で、かつ前記累積Nが所定枚数M未満である場合は、前記ストップボタンの押下後に前記当たりに当選したことを報知させることを特徴とする請求項1記載のスロットマシン。
【請求項3】
前記当たりに当選した場合、前記当たりが入賞するまでその当選の権利を持ち越す当たり持ち越し手段を備え、
前記報知制御手段は、前記当たりの当選の権利が持ち越された遊技で、前記端数分のメダルの枚数nの累積Nが所定枚数M以上である場合に、前記ストップボタンの押下前に前記当たりに当選したことを報知させることを特徴とする請求項1又は2記載のスロットマシン。
【請求項4】
前記累積枚数減算手段は、前記当たりに当選したことを報知した遊技で前記当たりが入賞しなかった場合には、前記累積端数記憶手段に記憶している前記累積Nから一定枚数P(P<K)を減じることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−207396(P2010−207396A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−56682(P2009−56682)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【出願人】(390031772)株式会社オリンピア (2,719)
【Fターム(参考)】