説明

スローイングマシンのための空気タイヤ

【課題】 ボールピッチングマシン、そのための空気タイヤを提供する。
【解決手段】 本発明のボールピッチングマシンは:約13インチ未満の直径を持つ空気タイヤであって、前記空気タイヤは強化された側壁及び強化され、実質的に平坦なピッチング表面を持つ空気タイヤと、約3500回転/分(「rpm」)を超える回転速度で前記空気タイヤを回転させるための回転機構とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にスローイングマシンのための空気タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
スローイングマシン(又は「ボールピッチングマシン」)、野球やソフトボールの打撃練習又はテニスの練習などの種々の目的で、ユーザーに向かってボールやその他の物を投げ出すか発射するために使用され得るものである。スローイングマシンは、(例えば電気又はガソリンモーターにより)回転されるタイヤを含み、前記回転するタイヤと接触させたボールが前記ボールと前記タイヤ間の摩擦により発射させることができる。多くの場合に、前記タイヤは高い摩擦を有するピッチング表面を含むものであり、前記ピッチング表面と接触するボール又はその他の物が前記ピッチング表面に引きつけられることとなる。
【0003】
従来多くのスローイングマシンのタイヤは固体ゴムからなるものである。あるタイヤは丸い形状であり、自転車、ゴーカート又はバイクで見られるタイヤと類似している。さらに他のタイヤはやや凹面形状で形成されている。丸い形状タイヤはボールと接触させる比較的小さい領域を有し、強化された側壁を有しないものであり得る。丸い形状のタイヤにより与えられる前記ボールとの比較的小さい接触領域は、より大きい接触領域を持つタイヤに比較して、正確さの点、適切なスローイングの点で劣る恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、スローイングマシンのための空気(で膨張させる)タイヤを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明のボールピッチングマシンは、約13インチ未満の直径を有する空気タイヤを含み、前記空気タイヤは強化された側壁及び強化され、実質的に平坦化されたピッチング表面を持ち、かつ、約3500回転/分(「rpm」)よりも大きき回転速度で前記空気タイヤを回転させるための回転機構を持つ、ボールピッチングマシンである。
【0006】
以下本発明の実施態様につき図面を参照しながら説明するが、これらは例示を目的とするものであり、なんらを限定するものではない。図中参照符号は類似の要素に付されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、開示される1つの実施態様によるピッチングマシンを示す。
【図2】図2は、図1のピッチングマシンの等角図である。
【図3】図3は、開示される他の実施態様によるピッチングマシンを示す。
【図4】図4は、図3のピッチングマシンの等角図である。
【図5】図5は、開示される1つの実施態様による空気タイヤを示す。
【図6】図6は、図5の空気タイヤの等角図である。
【図7】図7は、開示される1つの実施態様による空気タイヤの断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下種々の例示的実施態様の側面が、当業者の通常の適用用語を用いて説明される。しかし、その他の変更実施態様もまたここで説明される実施態様に基づき実施することができるものであることは、当業者には明らかである。例示的実施態様の完全な理解を与えるために、説明の目的で、具体的な装置及び構成が提示される。しかし、その他の実施態様もまたかかる具体的な詳細な説明がなくても実施することができるものであることは、当業者には明らかである。場合により、よく知られる構成は、前記例示的実施態様を曖昧にすることを避けるために省略又は単純化されている。
【0009】
さらに、本発明を理解する最も助けとなることから、種々の操作が複数の別々の操作として説明されるが、かかる説明の順序は、これらの操作がある順に実行される必要があるものと解釈されるべきではない。特にこれらの操作は説明される順に実行される必要はない。
【0010】
用語「1つの実施態様」が繰り返し使用される。この用語は一般に同じ実施態様である必要はないが、同じであってもよい。用語「含む」、「持つ」などは特に指示がない限り同意語として扱う。
【0011】
種々の実施態様との関係で使用され得る用語について明確にするために、用語「A/B」及び「A及び/又はB」は、(A)、(B)又は(A及びB)を意味し、用語「A、B及び/又はC」は、(A)、(B)、(C)、(A及びB)、(A及びC)、(B及びC)又は(A、B及びC)を意味する。
【0012】
図1及び2を参照して、ボールピッチングマシン10の一例が示され、これは2つの空気タイヤ12を含む。ボールピッチングマシン10は図3、4に例示されるようにより多くのタイヤを含むことができる。
【0013】
ボールピッチングマシン10は、いくつかの実施態様においては、空気タイヤ12を、同じ速度又は異なる速度でそれぞれ反対方向に回転させて操作される。野球ボール又はソフトボールなどのボール(図示されていない)は前記回転する空気タイヤの1以上のピッチング表面14上に置かれ、それにより、前記ボールの表面と前記1以上のピッチング表面14間の摩擦により、前記ボールを前記空気タイヤ12の円周の接線方向に発射させる。この実施態様では、前記ボールは空気タイヤ12の間の第1の端部に置かれ、空気タイヤ12の回転がボールを引き込み、それを反対方向に発射するものである。
【0014】
図1、2で示される実施態様は2つの空気タイヤ12を持つものであるが、その他の数の空気タイヤもまた本発明に含まれる。例えば図3、4に示されるボールピッチングマシン10は1つのみの空気タイヤ12を持つ。図3、4のボールピッチングマシン10は図1、2のボールピッチングマシン10と同様にして操作され得る。空気タイヤ12は、電気モーターなどの回転機構(図示されていない)を用いて回転させ得る。ボール又はその他の球状物(図示されていない)は回転する空気タイヤ12のピッチング表面14の上に置かれ(載せられ)、前記ボールとピッチング表面間の摩擦により前記ボールがピッチング表面に保持され、それによりボールがピッチングマシン10から発射されることとなる。
【0015】
図5を参照して、空気タイヤ12は約13インチを含む13インチまでの直径(「D」として示される)を持ち得る。いくつかの実施態様では、空気タイヤ12は約9インチと約8インチの間の直径、又は約8.25インチと約9.75インチの間の直径を持ち得る。いくつかの実施態様では、空気タイヤ12は直径が約8.5インチである。いくつかの実施態様では、空気タイヤ12は直径が約6インチである。いくつかの実施態様では複数の空気タイヤ12が使用され、それぞれの空気タイヤ12は同じか又は実質的に同じ直径を持つ。他の実施態様では、それぞれの空気タイヤ12は異なる直径を持つこともできる。
【0016】
空気タイヤ12はその間にピッチング表面14を持つ強化された側壁16を持つ。ピッチング表面14は同様に強化されていてもよい。強化されたピッチング表面14及び/又は側壁16は、空気タイヤ12が高速で回転する際に、ボールを発射するためにピッチング表面14を実質的に平坦として、ピッチング表面14がドーム状になることを防止することができる。強化ピッチング表面14及び/又は側壁16は、これに加えて又はこれに代えて、空気タイヤ12が回転速度が約3500回転/分(「rpm」)を超える高速で回転する場合でも、空気タイヤ12をリム18に保持することができる。
【0017】
強化された側壁16は種々の方法で強化され得る。いくつかの実施態様では、ウール巻20が種々のパターンでゴム層中に分散されている。例えば図7で、ウール巻20は一般的に直交交差パターンでゴムの層22中に分散されている。いくつかの実施態様では、前記ウール巻20と回転の際に空気タイヤ12にかかる遠心力との間の角度の強さを増加させることで、ピッチング表面14が伸ばされるか、又はドーム状となることを減少させる。より強い角度でウール巻き20を配置することで、ピッチング表面14を比較的平坦な形状に維持し、一定の正確な投球を可能とする。
【0018】
約13インチを含む13インチまでの直径を持つ空気タイヤ12は、より大きなタイヤと比較してより高速に回転され得る。例えばいくつかの実施態様では、ボールピッチングマシン10は、約3500rpmを超える速度で1以上の空気タイヤ12を回転させるための電気モーターなどの回転機構(図示されていない)を含み得る。いくつかの実施態様では、前記回転機構は、空気タイヤ12をその他の回転速度、限定されるものではないが、例えば4000又は4200rpmを超える回転速度を生成することができる。
【0019】
ここで開示される空気タイヤ12は種々の圧力で膨張させ得る。例えば、いくつかの実施態様では、空気タイヤ12は、約20ポンド/平方インチ(「psi」)で膨張させる。いくつかの実施態様では、20psiよりもずっと小さい圧力で膨張させた空気タイヤ12は、強化された側壁16が正しくリム18に保持され得ないという恐れがある。いくつかの実施態様では、20psiよりもずっと大きい圧力で膨張させた空気タイヤ12は、硬くなりすぎて正しくボールを発射できなくなる恐れがある。
【0020】
本発明は、前記例示的実施態様に基づいて説明されたが、同じ目的達成するために考えられる他の種々の広い範囲の代替及び/又は均等の実施もまた、本発明の範囲から離れることなくここに記載され又示された具体的な実施態様と置換され得ることは、当業者には明らかである。本発明は種々の広い範囲の実施態様において実施され得ることは、当業者には明らかである。本明細書は、本発明を実施態様に限定するためではなく、例示するものとして意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールピッチングマシンであり、前記ボールピッチングマシンは:
約13インチ未満の直径を持つ空気タイヤであって、前記空気タイヤは強化された側壁及び強化され、実質的に平坦なピッチング表面を持つ空気タイヤと、
約3500回転/分(「rpm」)を超える回転速度で前記空気タイヤを回転させるための回転機構とを含む、ボールピッチングマシン。
【請求項2】
請求項1に記載のピッチングマシンであり、前記回転機構が、前記空気タイヤを4200prmを超える回転速度で回転させる、ピッチングマシン。
【請求項3】
請求項1に記載のピッチングマシンであり、前記直径が約9インチ及び約8インチの間である、ピッチングマシン。
【請求項4】
請求項1に記載のピッチングマシンであり、前記直径が約8.25インチ及び約9.75インチの間である、ピッチングマシン。
【請求項5】
請求項1に記載のピッチングマシンであり、前記直径が約8.5インチである、ピッチングマシン。
【請求項6】
請求項1に記載のピッチングマシンであり、前記直径が約6インチである、ピッチングマシン。
【請求項7】
請求項1に記載のピッチングマシンであり、前記空気タイヤを約20ポンド/平方インチ(「psi」)で膨張させる、ピッチングマシン。
【請求項8】
請求項1に記載のピッチングマシンであり、前記強化された側壁が、前記ピッチング表面を実質的に平坦にし、前記空気タイヤが約3500prmを超える回転速度で回転する際に前記ピッチング表面がドーム形状化することを防止する、ピッチングマシン。
【請求項9】
ピッチングマシンのための空気タイヤであり、前記空気タイヤが:
約13インチ及び約6インチの間の直径;
強化された側壁;及び
強化された、実質的に平坦なピッチング表面を持つ、空気タイヤ。
【請求項10】
請求項9に記載の空気タイヤであり、前記直径が約9インチと約8インチの間である、空気タイヤ。
【請求項11】
請求項9に記載の空気タイヤであり、前記直径が約8.25インチと約9.75インチの間である、空気タイヤ。
【請求項12】
請求項9に記載の空気タイヤであり、前記直径が約8.5インチである、空気タイヤ。
【請求項13】
請求項9に記載の空気タイヤであり、前記直径が約6インチである、空気タイヤ。
【請求項14】
請求項9に記載の空気タイヤであり、前記空気タイヤを、約20ポンド/平方インチ(「psi」)で膨張させた、空気タイヤ。
【請求項15】
請求項9に記載の空気タイヤであり、前記強化された側壁が、前記空気タイヤが約3500prmを超える回転速度で回転する際に前記空気タイヤがドーム形状化することを防止する、空気タイヤ。
【請求項16】
ボールを発射する方法であり、前記方法は:
直径が約13インチ未満の空気タイヤを持つピッチングマシンを準備し;
前記空気タイヤを少なくとも3500回転/分(「rpm」)で回転させ;及び
ボールを前記回転している空気タイヤのピッチング表面に置いて、前記ボールとピッチング表面間の摩擦が、前記空気タイヤの円周の接線方向にボールを発射させる、方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であり、さらに、前記空気タイヤを約20ポンド/平方インチ(「psi」)で膨張させることを含む、方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であり、前記空気タイヤを少なくとも3500prmの回転速度で回転することが、前記空気タイヤを少なくとも4200rpmの回転速度で回転させることを含む、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−254282(P2012−254282A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−41855(P2012−41855)
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【出願人】(512050818)ジャグス スポーツ,インコーポレイテッド (2)