説明

スロープ装置

【課題】車体に搭載されるスロープが路面上に円滑に展開されるスロープ装置を提供する。
【解決手段】車体に回動可能に連結されるスロープ11と、このスロープ11の下面から突出して路面(プラットホーム1の床面)に接地する複数の支持脚64、65と、を備えるスロープ装置14であって、支持脚64、65は、路面に対向して突出したベース外周面73Aを有するベース部73を備える構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に搭載されるスロープ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示された検査用搬送機(自走コンベア式作業機)は、廃棄物処理工場に設けられるプラットホーム(路面)上を走行し、廃棄物を処理する処理ピットの手前で停止し、搬入車両から投下される搬入物(廃棄物)をコンベアに受け、コンベアを循環させて搬入物を処理ピットへと搬送するものであり、コンベア上にて搬入物に含まれる金属等の異物を点検する作業が行われる。
【0003】
プラットホーム上には、検査用搬送機に連絡するスロープ(傾斜路)が設置されており、搬入車両がスロープ上に乗り上げ、搬入車両から搬入物が検査用搬送機のコンベア上に投下されるようになっている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−115230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、廃棄物処理工場において、搬入車両が処理ピットの手前に乗り入れ、搬入車両から搬入物が直接処理ピットに投下される場合には、プラットホーム上を走行する搬入車両にとっては、プラットホーム上に設置されたスロープが邪魔になる可能性がある。
【0006】
この対策として、検査用搬送機の車体に折り畳み式のスロープを搭載することが考えられるが、プラットホームの路面上には、排水のために勾配が設けられるとともに、起伏があるため、スロープを路面上の起伏に干渉することなく路面上に展開することが難しいと
いう問題点がある。
【0007】
本発明は、この問題点に鑑みてなされたものであり、車体に搭載されるスロープが路面上に円滑に展開されるスロープ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車体に搭載されるスロープ装置であって、車体に回動可能に連結されるスロープと、このスロープの下面から突出して路面に接地する複数の支持脚と、を備え、この支持脚は、路面に対向して突出したベース外周面を有するベース部を備えるものとした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、スロープが回動して、各支持脚が路面に接地する展開作動時に、湾曲したベース外周面が路面に対向するため、各支持脚が路面に円滑に摺接して接地することができる。
【0010】
こうして、車体に搭載されるスロープが路面上に円滑に展開されるため、路面上にスロープ(傾斜路)を設置する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態を示す検査用搬送機の平面図である。
【図2】検査用搬送機の側面図である。
【図3】スロープ装置の平面図である。
【図4】スロープ装置の側面図である。
【図5】エンド側の支持脚の側面図である。
【図6】中間の支持脚の側面図である。
【図7】支持脚の断面図である。
【図8】本発明の比較例を示す支持脚の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1、2は、検査用搬送機3の平面図、側面図である。ここで、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸が略水平前後方向、Y軸が略水平左右方向、Z軸が略垂直方向に延びるものとし、以下、検査用搬送機3等の構成を説明する。
【0013】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1、2に示す検査用搬送機3は、廃棄物等の搬入物を処理する処理工場において、搬入車両2から投下される搬入物を受け取って処理ピット4へ投入するものであり、検査用搬送機3上にて搬入物の検査作業が行われる。この検査作業は、搬入物に含まれる例えば金属等の異物を検出するものである。
【0015】
検査用搬送機3は、搬入物の検査時等に搬入車両2から投下される搬入物を受けて搬送する無端ベルト状のコンベア20と、このコンベア20を循環可能に支持する本体フレーム21と、この本体フレーム21を走行させる左右の走行装置(クローラ)10とを備える。
【0016】
検査用搬送機3は、コンベア20の前端折り返し部20C、後端折り返し部20Dでそれぞれの裏面に転接する前後のローラ22、23を備える。この前後のローラ22、23は、本体フレーム21に回転可能に支持される。前のローラ22は、油圧モータ(図示せず)よって回転駆動され、コンベア20を循環させる。
【0017】
検査用搬送機3には、図示しないエンジンによって駆動される油圧ユニットが搭載される。前のローラ22を駆動する油圧モータは、油圧ユニットから供給される作動油圧によって回転作動する。
【0018】
コンベア20は、前後のローラ22、23に渡って本体フレーム21の上方を循環する搬送部20Aと、本体フレーム21の下方を循環する循環部20Bとを備える。すなわち、コンベア20は本体フレーム21の上下を通って循環し、コンベア20上のスペースを開放し、コンベア20の搬送経路を低く抑える構成とする。
【0019】
後のローラ23は、プラットホーム1等に干渉しない範囲でできるだけ低い位置に設けられる。一方、前のローラ22は、後ローラ32より高い位置に設けられる。
【0020】
本体フレーム21の下部にはコンベア20の裏面に転接する複数のキャリアローラ34と、コンベア20の表面に転接する複数のキャリアローラ35とが設けられ、コンベア20が本体フレーム21の下部及びプラットホーム1等に干渉しないように案内される。
【0021】
本体フレーム21の上部には、コンベア20の裏面に摺接するガイドレール(図示せず)が設けられるとともに、コンベア20の裏面に転接する複数のキャリアローラ37と、コンベア20の表面両側部に摺接する左右のサイドプレート39とが設けられる。
【0022】
本体フレーム21の左右端部には、コンベア20の左右端部に沿って左右の壁部26が立設される。左右のサイドプレート39は、その基端部が左右の壁部26に回動可能に連結され、このキャリアローラ37との間にコンベア20を挟むようにしてコンベア20の表面に摺接し、コンベア20によって搬送される搬入物が左右に拡がらないように案内する。
【0023】
左右の壁部26の外側には、階段28と検査台27とがそれぞれ設けられる。作業者が階段28を介して検査台27に上り、検査台27上からコンベア20によって搬送される搬入物を検査するようになっている。
【0024】
左右の壁部26に渡ってコンベア20上の前側を囲む安全柵41が設けられる。この安全柵41によって作業者が誤って処理ピット4へ転落することが防止される。
【0025】
検査用搬送機3の後部には、折り畳み式のスロープ装置14が設けられる。このスロープ装置14は、その基端部が本体フレーム(車体)21の後部に支持ピン12を介して回動可能に連結されるスロープ11と、このスロープ11を駆動する一対のアクチュエータ(油圧シリンダ)13とを備える。
【0026】
図3、4に示すように、スロープ11は、左右の支持ピン12を介して水平軸(X軸)まわりに回動可能に支持されるメインパネル61と、このメインパネル61に複数のヒンジピン63を介して所定の角度範囲で揺動(回動)可能に連結されるエントリパネル62とを備える。エントリパネル62の基端は、ストッパ68(図6参照)を介してメインパネル61の先端に当接し、エントリパネル62がヒンジピン63を介して揺動する角度範囲が規制される。
【0027】
メインパネル61とエントリパネル62は、格子状のフレーム材と、このフレーム材にはられるメッシュ材とによって形成される。エントリパネル62は、その両端に突出する三角形の張り出し傾斜部62Aを有する。旋回しながら進入する搬入車両2の車輪が、張り出し傾斜部62Aを介してスロープ11に乗り上げるようになっている。これにより、後向きで移動する搬入車両2の旋回半径を小さくすることができる。
【0028】
メインパネル61は、その下面から突出した複数のエンド側の支持脚64と複数の中間の支持脚65を介してプラットホーム1上に接地する。エンド側の各支持脚64は、スロープ11の回動中心軸(支持ピン12)に沿って一列に並んで配置される。中間の各支持脚65は、ヒンジピン63が設けられるエントリパネル62の回動中心軸に沿って一列に並んで配置される。
【0029】
本体フレーム21には支持ピン12を支持するスロープ取付ブラケット51が設けられる。スロープ取付ブラケット51は、支持ピン12を挿通させる穴54を有し、この穴54は、垂直方向に延びる長穴状に形成される。これにより、プラットホーム1の起伏(凹凸)に対応してメインパネル61の基端部が垂直方向に変位する。
【0030】
アクチュエータ13の下端部は、支持ピン55を介してメインパネル61に回動可能に連結される。アクチュエータ13の上端部が支持ピン52を介してアクチュエータ取付ブラケット53に連結された状態では、アクチュエータ13が伸縮作動するのに伴って、スロープ11が支持ピン12を支点として回動する。
【0031】
アクチュエータ13には、油圧ユニットから導かれる作動油を給排する油圧ホース(図示せず)が接続される。
【0032】
図1、2に示すように、スロープ11が展開された状態から、アクチュエータ13が収縮作動するのに伴って、スロープ11が支持ピン12を支点として上方に回動し、垂直方向に延びる格納位置に保持される。逆に、この格納位置からアクチュエータ13が伸長作動するのに伴って、スロープ11が支持ピン12を支点として下方に回動して展開され、各支持脚64、65がプラットホーム1に接地する。
【0033】
搬入物の検査作業は、以下の手順で行われる。
【0034】
・検査用搬送機3を処理ピット4の手前に移動して、コンベア20の前端折り返し部20Cを処理ピット4に臨ませる。
【0035】
・検査用搬送機3の後部からスロープ11を展開し、搬入車両2を後向きでスロープ11に乗り上げた位置で停車させ、搬入車両2の排出部を検査用搬送機3のコンベア20上に臨ませる。
【0036】
・搬入車両2が展開されたスロープ11上に乗り上げ、搬入車両2の排出部から搬入物をコンベア20上に投下し、コンベア20上で搬入物の検査作業が行われる。
【0037】
・この検査作業が終わると、コンベア20を循環させ、コンベア20上の搬入物を処理ピット4へと搬出する。
【0038】
・上記検査作業が終了すると、展開したスロープ11を格納し、検査用搬送機3を自走させて撤去する。これにより、搬入車両2が処理ピット4の手前に乗り入れ、搬入物を搬入車両2の排出部から処理ピット4に直接投下する通常の搬入作業が行われる。この結果、廃棄物処理工場において、処理ピット4の稼働率を高められる。
【0039】
以下、スロープ装置14の構成を詳述する。図5は、エンド側の支持脚64を示す側面図であり、図6は、中間の支持脚65を示す側面図であり、図7は、図6のA−A線に沿う断面図である。
【0040】
図5に示すように、メインパネル61にはエンド側の支持脚64が取付けられる台座66が設けられるとともに、図6に示すように、中間の支持脚65が取付けられる台座67が設けられる。
【0041】
各支持脚64、65は、互いに同一構造であり、メインパネル61に締結される平板状のベース板75と、このベース板75から突出する半筒状のベース部73と、このベース部73に結合される弾性部材74とを備える。
【0042】
ベース板75は、シム69を介してメインパネル61、エントリパネル62の台座66、67に着座し、複数のボルト76を介して締結される。厚さの異なるシム69を適宜交換することにより、支持脚64、65の取付高さが調整される。
【0043】
ベース部73は、円筒状のパイプ材をその中心線と平行な面で切断して形成される。ベース部73の切断面がベース板75に当接し、この当接部が溶接によって結合される。
【0044】
ベース部73の両端を塞ぐように半円盤状の端板72が設けられる。この端板72は、溶接によってベース部73の両端とベース板75に結合される。
【0045】
こうして、ベース部73は、中空構造の半筒状に形成され、軽量化がはかられる。なお、これに限らず、ベース部73は、中実構造のブロック状に形成される構成としてもよい。
【0046】
ベース部73は、プラットホーム1に対向して突出するベース外周面73Aを有する。このベース外周面73Aは、スロープ11の回動中心軸となる各支持ピン12と平行な方向(Y軸方向)に延びる中心線を持つ円筒面状に形成される。なお、ベース外周面73Aは、円筒面状に限らず、路面に対向するように外側に膨出する曲面状に形成してもよい。
【0047】
弾性部材74は、例えば硬質ウレタンを材質として形成される。これにより、弾性部材74は、スロープ11にかかる重量を支えるのに適度な剛性を有し、プラットホーム1に摺接する部位の耐摩耗性を確保するとともに、水や油、食品等に含まれる脂肪酸等に触れても十分な耐久性が確保される。なお、これに限らず、弾性部材74は、他の樹脂材等によって形成してもよい。
【0048】
弾性部材74は、自由状態で所定の厚さを有する板状に形成される。弾性部材74は、ベース外周面73Aに結合された状態でベース外周面73Aに沿って湾曲した板状に形成される。弾性部材74は、スロープ11の回動中心軸方向(Y軸方向)に延びる両端部74Aを有する。
【0049】
弾性部材74は、その両端部74Aがベース板75に対峙するように形成される。弾性部材74の両端部74Aは、プラットホーム1に接地する部位から十分に離され、ベース板75によって保護される。
【0050】
弾性部材74は、焼き付けによってベース外周面73Aに結合される。これにより、十分な結合強度が確保される。なお、これに限らず、弾性部材74は、ベース外周面73Aに接着剤を介して結合される構成としてもよい。ベース部73が鉄材によって形成される場合に、弾性部材74は、鉄との結合強度(接着強度)が高いものが用いられる。
【0051】
なお、各支持脚64、65は、ベース部73を弾性材によって形成し、弾性部材74を廃止してもよい。
【0052】
次に、スロープ装置14の動作について説明する。
【0053】
検査用搬送機3をプラットホーム1上の所定位置に移動して、アクチュエータ13を伸長作動させてスロープ11を展開し、各支持脚64、65及びエントリパネル62をプラットホーム1上に接地する。
【0054】
各支持脚64、65が接地するときに、スロープ11の回動中心軸(支持ピン12)の近傍に配置されるエンド側の各支持脚64は、中間の各支持脚65に比べて小さい半径で回動するが、湾曲した板状の弾性部材74がプラットホーム1に円滑に摺接し、弾性部材74がベース部73から剥離することを防止できる。このとき、弾性部材74は、湾曲した板状の中程の部位(端部74Aを含まない部位)がプラットホーム1に摺接するため、その端部74Aがプラットホーム1に当たってベース部73から剥離することが防止される。
【0055】
円筒面状に湾曲したベース外周面73Aが、スロープ11の回動中心軸と平行方向に延びるように配置されるため、弾性部材74は、湾曲した板状の中程の部位がスロープ11の回動中心軸と平行な線上にて路面に摺接し、弾性部材74の端部74Aが路面に当たってベース部73から剥離することを防止できる。
【0056】
上記の各支持脚64、65が接地するときに、弾性部材74が弾性変形しながらプラットホーム1に摺接するため、プラットホーム1の床面を傷つけることが防止される。これに対して、支持脚64、65の接地部に、弾性部材74ではなく、金属部材を用いた場合には、プラットホーム1の床面を傷つける可能性がある。
【0057】
こうして、スロープ11は、検査用搬送機3からプラットホーム1へと斜めに掛け渡され、スロープ11の上に搬入車両2が乗り上げる。メインパネル61にかかる重量は、各支持脚64、65によって支持される。
【0058】
プラットホーム1は、排水のために勾配が設けられるとともに、起伏(凹凸)がある。これに対応して、各支持脚64、65は、弾性部材74のプラットホーム1に接地する部位が弾性変形し、メインパネル61にかかる重量を互いに分担して支持する。
【0059】
このように接地する弾性部材74が弾性変形するのに伴って、メインパネル61の基端部(支持ピン12)は、検査用搬送機3の車体(スロープ取付ブラケット51の穴54)に対して垂直方向(Z軸方向)に変位する。これにより、スロープ11にかかる重量が検査用搬送機3の車体にかかることが抑えられる。そして、エントリパネル62がヒンジピン63を介して揺動して接地し、プラットホーム1から浮き上がることを抑えられる。
【0060】
図8に示す支持脚90は、本発明と比較するための比較例である。この支持脚90は、スロープ11から突出するアーム91と、このアーム91にピン92を介して揺動可能に連結されるブラケット93と、このブラケット93にシム94を介して結合されるゴム板95とを備える。この場合には、スロープ11が支持ピン12を支点として下方に回動し、各支持脚90がプラットホーム1に接地する展開作動時に、支持脚90のブラケット93が揺動するため、ブラケット93及びゴム板95が傾斜した状態でプラットホーム1に接地し、ゴム板95が剥離する可能性があった。
【0061】
これに比べて、本発明の支持脚64、65は、スロープ11に固定されているため、スロープ11に対する姿勢が変わることがなく、湾曲した板状の弾性部材74がプラットホーム1に円滑に摺接して接地する。
【0062】
以下、本発明の要旨と作用、効果を説明する。
【0063】
(ア)本発明は、車体に回動可能に連結されるスロープ11と、このスロープ11の下面から突出して路面(プラットホーム1の床面)に接地する複数の支持脚64、65と、を備えるスロープ装置14であって、支持脚64、65は、路面に対向して突出したベース外周面73Aを有するベース部73を備える構成とする。
【0064】
上記構成に基づき、スロープ11が回動し、各支持脚64、65が路面に接地する展開作動時に、湾曲したベース外周面73Aが路面に対向するため、各支持脚64、65が路面に円滑に摺接して接地することができる。
【0065】
こうして、車体に搭載されるスロープ11が、車体から路面上に円滑に展開されるため、路面上にスロープ(傾斜路)を設置する必要がなくなる。
【0066】
(イ)ベース外周面73Aは、スロープ11の回動中心軸と平行方向(Y軸方向)に延びる中心線を持つ円筒面状に形成される構成とする。
【0067】
上記構成に基づき、スロープ11が回動し、各支持脚64、65が路面に接地する展開作動時に、円筒面状に湾曲したベース外周面73Aが平坦な路面に対して略平行に対向するため、各支持脚64、65が路面に円滑に摺接して接地することができる。
【0068】
(ウ)ベース部73に結合される弾性部材74を備え、この弾性部材74は、ベース外周面73Aに沿って湾曲した板状に形成される構成とする。
【0069】
上記構成に基づき、スロープ11が回動し、各支持脚64、65が路面に接地する展開作動時に、湾曲した板状の弾性部材74は、その中程の部位が路面に円滑に摺接し、その端部74Aが路面の起伏に当たってベース部73から剥離することを防止できる。
【0070】
スロープ11が路面上に展開された状態にて、各支持脚64、65は、路面の起伏に対応して、弾性部材74の路面に接地する部位が弾性変形し、スロープ11にかかる重量を互いに分担して支持する。
【0071】
(エ)支持脚64、65は、スロープ11に取付けられるベース板75と、このベース板75から突出するベース部73と、このベース部73に結合される弾性部材74と、を備え、弾性部材74の両端部74Aは、ベース板75に対峙するように配置される構成とする。
【0072】
上記構成に基づき、弾性部材74の両端部74Aは、プラットホーム1に接地する部位
から十分に離され、ベース板75によって保護される。
【0073】
(オ)支持脚64、65は、スロープ11に取付けられるベース板75と、このベース板75とスロープ11の間に介装されるシム69と、を備える構成とする。
【0074】
上記構成に基づき、厚さの異なるシム69を適宜交換することにより、支持脚64、65の取付高さが調整される。この調整作業時に、支持脚64、65は、従来装置のように揺動しないため、正確に位置合わせを行える。
【0075】
また、弾性部材74は、硬質ウレタンを材質として形成される構成とする。
【0076】
上記構成に基づき、弾性部材74は、スロープ11にかかる重量を支えるのに適度な剛性を有し、プラットホーム1に摺接する部位の耐摩耗性を確保するとともに、水や油に触れても十分な耐久性が確保される。これに対して、弾性部材74として、ゴム材を用いた場合には、劣化、膨潤する可能性がある。
【0077】
なお、支持脚を車輪によって構成してもよい。この支持脚は、ベース部が車輪のホイールによって構成され、弾性部材がホイールに取り付けられる環状のタイヤによって構成される。この場合には、スロープに取り付けられた車輪が回転しながら円滑に接地し、弾性部材が剥離することを防止できる。
【0078】
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【0079】
本発明のスロープ装置14は、検査用搬送機3に設けられるものに限らず、他の作業機や車両に搭載してもよい。
【符号の説明】
【0080】
11 スロープ
12 支持ピン(スロープの回動中心軸)
14 スロープ装置
21 本体フレーム(車体)
64、65 支持脚
66、67 台座
69 シム
72 端板
73 ベース部
73A ベース外周面
74 弾性部材
74A 端部
75 ベース板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に回動可能に連結されるスロープと、
前記スロープの下面から突出して路面に接地する複数の支持脚と、を備えるスロープ装置であって、
前記支持脚は、
路面に対向して突出したベース外周面を有するベース部を備えることを特徴とするスロープ装置。
【請求項2】
前記ベース外周面は、前記スロープの回動中心軸と平行方向に延びる中心線を持つ円筒面状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のスロープ装置。
【請求項3】
前記ベース部に結合される弾性部材を備え、
前記弾性部材は、前記ベース外周面に沿って湾曲した板状に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のスロープ装置。
【請求項4】
前記支持脚は、
前記スロープに取付けられるベース板と、
前記ベース板から突出するベース部と、
前記ベース部に結合される前記弾性部材と、を備え、
前記弾性部材の両端部は、前記ベース板に対峙するように配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のスロープ装置。
【請求項5】
前記支持脚は、
前記スロープに取付けられるベース板と、
前記ベース板と前記スロープの間に介装されるシムと、を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のスロープ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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