説明

スーパーオキサイド抑制効果を有するプロブコールおよびテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体を含む併用薬

本発明は、式:


[式中、Rはシクロアルキル基、Aは低級アルキレン基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体またはその塩と、プロブコールの組合せを含む併用薬に関するものであり、該併用の相乗的なスーパーオキサイド抑制剤の効果により、脳梗塞(例えば、急性脳梗塞、慢性脳梗塞)、動脈硬化症、腎疾患(例えば、糖尿病性腎症、腎不全、腎炎)、および糖尿病の予防および治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脳梗塞、動脈硬化症、腎疾患、または糖尿病の治療および予防のための併用薬に関する。さらに詳しくは、式:
【化1】

[式中、Rはシクロアルキル基、Aは低級アルキレン基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]
のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体もしくはその塩の少なくとも1つと、プロブコールの併用を含む、脳梗塞、動脈硬化症、腎疾患、または糖尿病の治療および予防のための併用薬に関する。
【0002】
本発明の併用医薬は、上記テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)およびプロブコール(=4,4’−イソプロピリデンジチオビス[2,6−ジ−tert−ブチルフェノール])の併用による相乗効果に基づくスーパーオキサイド抑制活性によって、脳梗塞、動脈硬化症、腎疾患、または糖尿病に効果がある。
【背景技術】
【0003】
急性脳梗塞および慢性脳梗塞を含む脳梗塞は、脳血管障害としても、または脳軟化症としても知られており、脳動脈および/または静脈の閉塞または縮窄によって、脳の一部への血液の供給が中断することが原因で生じ、脳組織または細胞の壊死となる。その最も重要な危険因子は、高血圧、心臓病、糖尿病、および喫煙である。脳梗塞の治療には、フリーラジカルおよび脳拡大による壊死の進展を阻害することが重要であり、ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター(tPA)のような抗凝血剤、血栓溶解剤が用いられている。
【0004】
動脈硬化症は、用語として互換的にアテローム性動脈硬化症でしばしば用いられているが、動脈壁が厚く硬くなり、臓器および組織への血流が制限される症状にある。その原因は知られていないが、動脈の内層の損傷または障害を伴って開始すると考えられており、その損傷は様々なファクター、例えば、高血圧、高コレステロール、刺激物(例えば、ニコチン)、および糖尿病のような疾患によって生じうる。動脈硬化症の治療には、様々な薬物、例えば、抗コレステロール剤(例えば、プロブコール、スタチン類、クロフィブラート類)、抗血小板剤(例えば、アスピリン)、抗凝血剤(例えば、ヘパリン、ワルファリン)、血圧制御剤(例えば、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、カルシウムチャンネルブロッカー)が用いられている。
【0005】
糖尿病性腎障害、腎不全、および腎炎を含む腎疾患は、過剰の糸球体濾過およびアルブミン尿のような機能的変化、および糸球体硬化症のような、細胞外マトリックスタンパク質の増加による組織学的変化の特徴がある。腎疾患は、持続的な高血糖、高血糖による分子内異常代謝(例えば、ポリオール経路およびヘキソサミン経路の増加、およびプロテインキナーゼC(PKC)の活性化)、終末糖化産物(AGE)の蓄積、糸球体高血圧による圧負荷、または増加した酸化ストレスによって生じると考えられており、腎疾患の最も重要な原因は、活性酸素が分子内異常代謝またはAGE形成のプロセス中で増加する報告(Nature, 414, pp. 813-820, 2001参照)、およびヘキソサミン経路、PKC活性化およびAGEの増加のすべてがミトコンドリア中でスーパーオキサイドの過剰産生の阻害によって阻害される報告(Nature, 404, pp. 787-790, 2000参照)を考慮して、増加した酸化ストレス、並びに高血糖であると考えられている。
【0006】
インスリン抵抗性の憎悪が糖尿病発症の重要な要因であるが、インスリン抵抗性の憎悪が糖尿病のようなメタボリックシンドローム病変を形成ばかりでなく、心血管障害および腎疾患の発症および進行を促進することが知られており(Arterioscler. Thromb. Vasc. Biol., 24, pp.816-823, 2004参照)、したがって、インスリン抵抗性の改善が糖尿病および糖尿病合併症を治療するのに有用であると考えられている。増加した酸化ストレスがインスリン抵抗性を誘発する重要な要因でありうることも報告されており(Nature, 440, pp. 944-948, 2006参照)、したがって、酸化ストレス阻害剤は、インスリン抵抗性の改善された活性を考慮して、糖尿病、並びに腎疾患の発症および進行の予防および治療に有用でありうる。
【0007】
腎疾患を伴った糖尿病患者の数は年々増加しているが、腎疾患を治療するための適当な療法は見出されていない。
【0008】
ところで、酸素は生命維持のため、例えば、通常のエネルギー酸性および代謝を維持するために、生命体にとって必須であることが知られている。酸素は生命体中でいわゆる活性酸素に変化しうる。活性酸素には、ラジカル酸素と非ラジカル酸素が含まれる。脂質関連物質を含む広い意味における活性酸素の中で、前者のラジカル酸素には、ヒドロキシルラジカル(OH)、アルコキシラジカル、ペルオキシラジカル、ハイドロペルオキシラジカル、一酸化窒素、二酸化窒素、スーパーオキサイド(O2・-)などが含まれる。後者の非ラジカル酸素基には、一重項酸素、オゾン、過酸化水素(H22)、過酸化脂質などが含まれる。
【0009】
組織細胞に影響をあたる活性酸素として、O2・-およびOHのラジカル酸素とH22の非ラジカル酸素がある(薬学雑誌 122(3), pp.203-218 (2002)参照)。O2・-は、生命体の中でスーパーオキサイドジスムターゼ(SOD)の作用により、酸素と過酸化水素を産生する。過酸化水素は、細胞内に含まれる鉄イオン、銅イオンの触媒作用により、OHに変化する。ヒドロキシルラジカルは直接生命体中のDNA、タンパク質を攻撃する。他方、ヒドロキシルラジカルは脂肪と反応し、それにより脂質ラジカルに変換され、次いで過酸化脂質を産生する。
【0010】
したがって、OH、H22のようなこれら活性酸素は、一連の疾患に関連しており、大部分はO2・-によって引き起こされ、よって、O2・-を抑制できる物質を見出すことが要求されている。
【発明の開示】
【0011】
本発明者らは、活性酸素抑制活性を有することが知られているテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の、公知の抗高脂血症剤であるプロブコールとの併用の薬理学的活性の研究を種々重ね、該併用が優れた相乗的抗酸化活性、並びに脳梗塞、動脈硬化症および腎疾患を引き起こすスーパーオキサイドを抑制する優れた相乗的活性を示すこと、更にはインスリン抵抗性の有意な改善を示すこと、および腎障害の指標の一つであるブドウ糖の尿排泄を顕著に減少させることを見出し、それにより、テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)とプロブコールの併用が、優れたスーパーオキサイド抑制活性によって、脳梗塞、動脈硬化症、腎疾患(例えば、糖尿病性腎症、腎不全、腎炎)、または糖尿病の予防および/または治療に効果があることを見出した。
【0012】
したがって、本発明の目的は、テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体 (1)とプロブコールを含む、脳梗塞の予防および治療のための併用薬を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)とプロブコールを含む、動脈硬化症の予防および治療のための併用薬を提供することである。
【0014】
本発明の更なる目的は、テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)とプロブコールを含む、腎疾患の予防および治療のための併用薬を提供することである。
【0015】
本発明の更なる目的は、テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)とプロブコールを含む、糖尿病の予防および治療のための併用薬を提供することである。
【0016】
本発明のなお更なる目的は、テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)とプロブコールの併用を含む、改善されたスーパーオキサイド抑制剤を提供することである。
【0017】
(発明の詳細な説明)
本発明の併用薬の構成の1つとして含まれるカルボスチリル誘導体は、式:
【化2】

[式中、Rはシクロアルキル基、Aは低級アルキレン基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]
のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体、またはその塩である。
【0018】
上記式(1)において、シクロアルキル基には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルのようなC3〜C8シクロアルキル基が含まれる。好ましいシクロアルキル基はシクロヘキシルである。低級アルキレン基には、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ブチレンおよびペンチレンのようなC1〜C6アルキレン基が含まれ、好ましいのはテトラメチレンである。
【0019】
好ましいカルボスチリル誘導体は、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルであり、抗血小板薬としてシロスタゾールの商品名で市場に出ている。
【0020】
これらのカルボスチリル誘導体(1)およびその塩、並びにその製造方法については、米国特許第4,277,479号に開示されている。該カルボスチリル誘導体(1)が活性酸素抑制活性を有することも、米国特許第6,743,806号に開示されている。
【0021】
もう一つの活性成分であるプロブコールは、化学名が4,4’−イソプロピリデンジチオビス[2,6−ジ−tert−ブチルフェノール]である化合物であり、すでに抗高脂血症剤として市場に出ている。この化合物が酸化LDL(酸化低密度リポタンパク質)の産生の阻害活性を有することも知られている(参照 J. Clin. Invest., 77, p.641, 1986)。
【0022】
これらの活性成分である、カルボスチリル誘導体(1)およびプロブコールは、一緒に投与してもよく、または同時にもしくは別の時に別々に投与してもよい。これらの成分は通常、従前の医薬製剤形に用いてもよい。そして、これらの成分は、単一製剤形または分離した製剤形での医薬製剤に調製してもよい。
【0023】
製剤形は特に制限されないが、いずれかの通常の医薬製剤であってよく、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒化剤、経口投与に適した様々な液剤のような経口投与製剤、あるいは注射剤、坐剤のような非経口剤が挙げられる。
【0024】
これらの活性成分の用量は、特定の範囲に制限されない。カルボスチリル誘導体(1)またはその塩は、成人(体重50kg)で50〜200mg/日の量で用いてもよく、1日1回または1日2回〜数回に分けて投与される。プロブコールは、成人(体重50kg)で100〜1000mg/日の量で用いてもよく、1回で投与されてもよく、または好ましくは1日の用量を1日2回〜数回に分けて投与してもよい。これらの成分が単一の製剤で調製される場合、カルボスチリル誘導体(1)またはその塩の1重量部あたりプロブコールが0.25〜10重量部の比率で混合される。
【0025】
錠剤、カプセル剤、経口液剤のような製剤は、常法によって製造できる。錠剤は、活性成分を、ゼラチン、デンプン、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアガムなどのような通常の医薬担体と混合することで製造してもよい。カプセル剤は、医薬的に不活性な充填剤または希釈剤と混合し、硬ゼラチンカプセルまたは軟カプセルに充填することで製造してもよい。シロップ剤またはエリキシル剤のような経口液剤は、活性成分と、甘味料(例えば、ショ糖)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン)、着色料、および香料などとを混合して製造される。非経口投与用製剤もまた、常法、例えば、本発明の活性成分を無菌の水性担体(好ましくは水または生理食塩水)に溶かして調製してもよい。非経口投与に適した好ましい液剤は、上述の活性成分の1日用量を水および有機溶媒に溶かし、更に分子量300〜5000を有するポリエチレングリコールに溶かして、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールのような潤滑剤と混ぜて製造される。上記の液剤は好ましくは更に、殺菌剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノール、チメロサール)、殺真菌剤、および更に適宜等張剤(例えば、ショ糖、塩化ナトリウム)、局所麻酔剤、安定剤、および緩衝剤などと混合してもよい。安定性を維持する観点から、非経口投与用製剤をカプセルに充填し、続いて通常の凍結乾燥技術で水溶媒を除いてもよく、使用に際しては、水溶媒に溶かして液剤に戻される。
【0026】
本発明によれば、カルボスチリル誘導体(1)、特に6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を、プロブコールと組み合わせることにより、それらは脳梗塞、動脈硬化症、腎疾患(例えば、糖尿病性腎症、腎不全、腎炎)、または糖尿病に効果がある。
【0027】
これらの効果を示すメカニズムの1つは、優れたスーパーオキサイド抑制活性のためであり、すなわち、それらは優れた相乗的抗酸化活性および相乗的スーパーオキサイド抑制効果を示し、それにより組織細胞を冒すスーパーオキサイドを効果的に除去する。また、スーパーオキサイドを抑制することで、スーパーオキサイドから得られる OH、H22の産生を阻害する結果にもなる。本発明の併用薬は、重篤な疾患の主な原因であるO2・-OH、H22のような活性酸素の産生も阻害できる。スーパーオキサイドが、脳梗塞(例えば、急性脳梗塞、慢性脳梗塞)、動脈硬化症、腎疾患(例えば、糖尿病性腎症、腎不全、腎炎)の原因となることは知られている(参照:Antioxidants & Redox Signaling, 5, 2003, pp.597-607、かかる文献には脳梗塞におけるO2・-の関与を開示;Circ. Res., 86, 2000, pp. 494-501、かかる文献にはNAD(P)HオキシダーゼがO2・-を産生し、動脈硬化症のような循環器系疾患に関与していることが開示;Eur. J. Pharmacol., 450, 2002, pp. 67-76、かかる文献には腎疾患におけるO2・-の関与が開示)。
【0028】
したがって、相乗的なスーパーオキサイド抑制剤の効果により、本発明のカルボスチリル誘導体(1)とプロブコールの併用は、脳梗塞、動脈硬化症、腎疾患(例えば、糖尿病性腎症、腎不全、腎炎)、または糖尿病の予防および治療の目的の効果を示すことができる。
【実施例】
【0029】
本発明は、以下の製造例および本発明の薬剤のスーパーオキサイド抑制活性の実験例で詳細に説明するが、これらに制限して解釈すべきでない。
【0030】
製造例1
錠剤の製造:


本発明の上記の活性成分、乳糖、トウモロコシデンプンおよび結晶セルロースをよく混ぜ、該混合物をヒドロキシプロピルセルロースの5%水溶液で造粒し、造粒した混合物を200メッシュのスクリーンで篩過し、注意深く該造粒物を乾燥し、次いで該造粒物を通常の方法で打錠し、錠剤を得る(1000錠)。
【0031】
薬理実験
実験例1
ヒト血管内皮細胞からのNAD(P)H依存性O2・-産生におけるシロスタゾールとプロブコールの併用による相乗的阻害
(1)物質および方法:
細胞培養:HCAEC(ヒト冠動脈内皮細胞)を、内皮細胞基本培地−2(EGM−2)ブリットキット(Bullet kit)中培養した。細胞は37℃で5%CO2中コンフルエンスまで増殖させ、6継代以下で実験に用いた。
試験物質は(1)シロスタゾール単独(n=4)、(2)プロブコール単独(n=4)、(3)シロスタゾールのプロブコールとの混合物(n=4)であり:シロスタゾールの最終濃度は0.3、1.0、および3.0μMであり、プロブコールは0.01、0.03、および0.1μMであり、シロスタゾールとプロブコールの比は、分子量で3:1と300:1の間に相当した。
【0032】
(2)スーパーオキサイドの測定:
シロスタゾールとプロブコールを、10mM貯蔵溶液としてジメチルスルホキシドに溶かした。シロスタゾールおよび/またはプロブコールを、それぞれ0、0.3、1.0、3.0μMおよび0、0.01、0.03、0.1μMの最終濃度で培養液に加えてすぐに、TNF−α(50ng/ml)を加え、HCAECを4時間インキュベートした。細胞をTNF−αに曝露した後、内皮ホモジネートをルミノメーター(Microlumat LB96P,EG & G Berthold)に入れた。化学発光を記録する直前に、NADHおよびNADPH(最終濃度:各100μM)を加え、暗順応したルシゲニン(硝酸ビス−N−メチルアクリジニウム,5μM)を自動ディスペンサーで加えた。化学発光強度を30秒ごとに15分間記録し、各バックグランドを差し引いた。化学発光は、タンパク質(mg)あたりの、秒あたりのカウント数として表した。
統計解析は以下の方法で行った。
1)シロスタゾール単独またはプロブコール単独における効果を、ダネット(Dunnett)試験で、それらの併用の効果と比較した。
2)両剤の併用の相乗効果を評価するために、分散の二元配置分析(二元配置ANOVA)を、コントロール、シロスタゾール単独、プロブコール単独、および併用の間で実施した。
すべての試験は、SASソフトウエア(SAS Institute Japan,R8.1)を用いて、5%有意水準で両面検定で行った。
【0033】
(3)結果:
結果を付随する図1に示す。図1において、縦軸はNAD(P)H依存性O2・-産生(コントロールに対する%)を意味し、横軸はシロスタゾール濃度(μM)を意味し、菱形印を伴った線はシロスタゾール単独、すなわちプロブコールなし(P0)のデータを意味し、四角印を伴った線は0.01μMの量でプロブコールを含んだシロスタゾールの混合物のデータを意味し、三角印を伴った線は0.03μMの量でプロブコールを含んだシロスタゾールの混合物のデータを意味し、「x」印を伴った線は0.1μMの量でプロブコールを含んだシロスタゾールの混合物のデータを意味する。
図1からわかるように、シロスタゾールがプロブコールと併用して用いられた場合、O2・-産生はシロスタゾール単独と比較して有意に阻害された。更に、その抑制効果は、3μMシロスタゾールと0.1μMプロブコールの併用によって有意に増強された(二元配置ANOVAによりp=0.0322)。
【0034】
実験例2
高コレステロールの食餌を与えられた低密度リポタンパク質受容体−ノックアウトマウスにおけるアテローム性動脈硬化症の、シロスタゾールおよびプロブコールの単独および併用での効果
(1)物質および方法:
低密度リポタンパク質受容体−ノックアウト(LDLR−KO)マウス(J. Clin. Invest. 1993; 92: 883-893)(雄、9週齢、大塚製薬株式会社で調製、保管したもの)を用いた。動物は以下の6群にグループ化して処置した。
1)コントロール群(n=13)
2)0.3% シロスタゾール投与群(n=14)
3)0.1% プロブコール投与群(n=14)
4)0.5% プロブコール投与群(n=14)
5)0.3% シロスタゾール+0.1% プロブコール投与群(n=14)
6)0.3% シロスタゾール+0.5% プロブコール投与群(n=14)
【0035】
実験開始前に、動物の体重と総コレステロールを測定し、両データに基づいて、動物を層化無作為法(SAS Software,R8.1)で無作為に6群に分けた。プロブコールとシロスタゾールの用量を報告(Horm. Metab. Res. 2001; 33: 472-479,およびJ. Pharmacol. Exp. Ther. 2005; 313: 502-509)に基づいてそれぞれ決定した。コントロール群においては、マウスは高脂肪食が投与され[すなわち、通常の食餌(CRF−1,オリエンタル酵母工業株式会社で製造)に、コレステロール(1.25%)、コール酸ナトリウム(0.5%)およびココアバター(15%)を補充]、試験物質投与群においては、マウスはシロスタゾール(0.3%)および/またはプロブコール(0.1%または0.5 %)を合わせた高脂肪食を投与した。(コントロール群において)アテローム性動脈硬化症を誘発するために、該高脂肪食をLDLR−KOマウス(9週齢以降)に投与した。試験物質投与群においては、試験物質を混ぜた高脂肪食をマウス(9週齢以降)に投与した。食餌の投与を開始して8週目に、両群のマウスを精査した。動脈硬化病変を、エーテル麻酔下大動脈の全部を取り出し、大動脈の内表面を曝露し、スダン(Sudan)IVで脂肪を染色して、評価した。動脈全体における動脈硬化病変(脂肪/脂質を含む)の面積を、染色された面積と大動脈の全面積の画像分析によりカウントした。
【0036】
統計解析は以下の方法で行った。
1)シロスタゾールとプロブコールの併用の相乗効果を確認するために、二元配置ANOVAをコントロール群とシロスタゾール投与群の間で、並びにプロブコール投与群と両剤投与群との間で実施し、それによって相互作用を測定した。
2)シロスタゾール投与群とプロブコール投与群における効果を、ダネット(Dunnett)試験で、コントロール群における効果と比較した。更に、シロスタゾール投与群とプロブコール投与群における効果を、ダネット(Dunnett)試験で、シロスタゾール+プロブコール投与群における効果と比較した。
すべての試験は、SASソフトウエア(SAS Institute Japan,R8.1)を用いて、5%有意水準で両面検定で行った。
【0037】
(2)結果:
動脈硬化病変の面積を、大動脈全体の面積に対するスダン(Sudan)IVで染色された面積の比(%)として計算した。平均値±標準偏差は、コントロール群で10.1±4.7%、シロスタゾール投与群で6.6 ± 2.6%、0.1%プロブコール投与群で6.2±2.6%、0.5%プロブコール投与群で4.7±1.2%、シロスタゾール+0.1%プロブコール投与群で3.8±1.2%、シロスタゾール+0.5%プロブコール投与群で2.9±1.5%であった。
付随する図2および図3に示したように、シロスタゾール(0.3%)とプロブコール(0.1および0.5%)は、LDLR−KOマウスにおいて有意に動脈硬化病変を阻害した。また、2剤を併用で投与した場合、動脈硬化症はプロブコールの各用量での各併用においてより強力に阻害された。
【0038】
実験例3
ラットにおける局所脳虚血傷害に対する、プロブコールおよびシロスタゾールの単独および併用での効果
(1)物質および方法:
280〜320gの体重の雄のスプラーグドーリーラットを、ペントバルビタールナトリウム(20mg/kg、i.p.)で麻酔をかけ、加熱パッド(Homeothermic Blanket System,Harvard Apparatus,South Natick,MA)上に置き、一定の直腸温に維持した(37±0.5℃)。全身血圧、動脈血ガスおよびpHを、事前、虚血中および22時間再灌流後に測定した。
局所脳虚血は、先に記載されているように(Stroke 1989; 20: 84-91)、左中大脳動脈(MCA)の一過性の閉塞で誘発された。先端が丸い外科用ナイロン縫合糸(サイズ 3−0)を、MCAの血流を遮断するまで、内頸動脈の内腔に外頚動脈から進めた。MCA閉塞して2時間後、先端が内頸動脈を通過するまで縫合糸を引いて、再灌流させた。
【0039】
脳梗塞の分析のために、2時間MCA閉塞を放置した後再灌流22時間で、ラットは過量のチオペンタールナトリウムが投与され、断頭され、次いで脳を素早く除いて、液体窒素上で吊して凍結させた。脳は2mm厚の冠状塊にカットした。該脳切片を37℃で30分間、2,3,5−トリフェニルテトラゾリウムクロリド(TTC)の2%生理食塩溶液に浸し、次いで4℃で10%リン酸緩衝ホルマリン中に固定した。TTC染色された脳切片をCCDビデオカメラを用いて撮影し、梗塞の大きさを画像分析システム(Image-Pro Plus,Media Cybernetics,メリーランド)で計算し、同側脳半球に対して梗塞された組織のパーセンテージとして表現した。
シロスタゾールおよびプロブコールをそれぞれ、30mg/ml貯蔵溶液としてジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、それぞれリン酸緩衝生理食塩水で希釈し、10mg/mlとした。一つの群において、MCA閉塞完了後5分と4時間で2回、それぞれラットに経口で、シロスタゾールを20mg/kgで投与した。他のラットの群には、MCA閉塞完了後5分と4時間で2回、それぞれ経口で、プロブコールを30mg/kgで投与した。併用群のラットをそれぞれ、シロスタゾール(20mg/kg)+プロブコール(30mg/kg)を経口で2回処置した。溶媒群には、シロスタゾール/プロブコールなしで30%DMSO溶液(300μl)を経口で投与した。
【0040】
統計解析は以下の方法で行った。データは平均±S.E.M.として表記した。各群間の半球状の梗塞面積の結果の比較を、反復測定分散分析(repeated measures analysis of variance)、続く事後(post hoc)比較としてのチューキー多重比較試験によって分析する。これらの差は、統計的に有意(P<0.05)と考えられた。
【0041】
(2)結果:
脳虚血域は、2時間虚血/22時間再灌流に付したラットにおける明確な青白く染色された域として、左脳半球の皮質および線条体に一貫して確認された。付随する図4に示したように、2時間虚血完了後5分と4時間で2回、該動物に経口でシロスタゾールを20mg/kgで投与した場合、梗塞域はわずかに減少し、一方、30mg/kgのプロブコールでは効果がなかった。シロスタゾール(20mg/kg)とプロブコール(30mg/kg)で併用して処置した場合、溶媒群での結果と比較して、半球状の脳梗塞域が有意に減少し、併用療法の強い相乗効果を示した。
【0042】
実験例4
ラットにおけるブドウ糖の尿排泄およびインスリン抵抗性に対する、プロブコールおよびシロスタゾールの単独および併用での効果
(1)物質および方法:
オオツカ・ロングエバンス・トクシマ・ファッティ(OLETF)雄ラット(6週齢)を、層化無作為法(SAS Software R8.1を用いる)により体重によって以下の4群に無作為に分けた。
i)コントロール群:n=10
ii)0.3% シロスタゾール投与群:n=10
iii)0.5% プロブコール投与群:n=10
iv)0.3% シロスタゾール+0.5% プロブコール投与群:n=9
無作為にグループ化した後すぐに、高脂肪食(市販品として入手可能な食餌(CRF−1,オリエンタル酵母工業株式会社で製造)に、コレステロール(1.25%)、コール酸ナトリウム(0.5%)およびココアバター(15%)を補充)を、腎疾患の発症を促進させるために、各群のマウスに投与した。試験物質投与群においては、試験物質を合わせた高脂肪食をグループ化後すぐに各マウスに投与した。
食餌を与え始めて11週目に、麻酔なしに、マウスの尾静脈から採血し、血漿ブドウ糖および血漿インスリンレベルを測定した。別に、尿を採取し、尿中ブドウ糖量を測定した。ブドウ糖は、ブドウ糖測定用の市販のキットを用いて酵素法により測定し、インスリンは市販されているELISAキットで測定した。
【0043】
統計解析は以下の方法で行った。
1)シロスタゾールとプロブコールの併用の相乗効果を確認するために、二元配置ANOVAをコントロール群とシロスタゾール投与群の間で、並びにプロブコール投与群と両剤投与群との間で実施し、それによって相互作用を測定した。
2)シロスタゾール投与群とプロブコール投与群における効果を、ダネット(Dunnett)試験で、コントロール群における効果と比較した。更に、シロスタゾール投与群とプロブコール投与群における効果を、ダネット(Dunnett)試験で、シロスタゾール+プロブコール投与群における効果と比較した。
すべての試験は、SASソフトウエア(SAS Institute Japan,R8.1)を用いて、5%有意水準で両面検定で行った。データは平均±SD(n)で表した。
【0044】
(2)結果:
1)尿中ブドウ糖における2剤併用の効果:
コントロール群は、通常のラットにおけるデータ(10mg/dl未満)よりずっと高い186±171mg/dl(n=10)の尿中ブドウ糖値を示した。シロスタゾールおよびプロブコールを各単独で投与した群においては、尿中ブドウ糖は有意に阻害され、各データはそれぞれ、11±2mg/dl(n=10)および11±3mg/dl(n=10)であったが、2剤を併用して投与した群においては、尿中ブドウ糖は、8±1mg/dl(n=9)としてより有意に阻害された。これらの結果を付随する図5に示す。
2)インスリン抵抗性における2剤併用の効果:
コントロール群は、通常の血漿ブドウ糖値(162±16mg/dl)を示したが、通常のラットにおけるデータと比較して、より高い血漿インスリン値(9.9±5.0ng/ml(n=10))を示した。シロスタゾールもプロブコールもいずれも血漿ブドウ糖には何ら効果を示さなかったが、一方、シロスタゾールとプロブコールの併用では、シロスタゾールまたはプロブコール単独投与と比較して、血漿インスリン値に有意な阻害効果を示した。結果を付随する図6に示す。
したがって、シロスタゾールとプロブコールの併用薬は、インスリン抵抗性において優れた改善効果を示した。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、NAD(P)H依存性O2・-産生における、シロスタゾール単独またはシロスタゾールとプロブコールの併用による阻害についての、シロスタゾール濃度とNAD(P)H依存性O2・-産生との相関を示すグラフである。
【図2】図2は、高コレステロールの食餌を与えられた低密度リポタンパク質受容体−ノックアウトマウスにおける動脈硬化病変についての、0.3%シロスタゾール単独、0.1%プロブコール単独、または0.3%シロスタゾールと0.1%プロブコールの併用の阻害効果を示すグラフである。
【図3】図3は、高コレステロールの食餌を与えられた低密度リポタンパク質受容体−ノックアウトマウスにおける動脈硬化病変についての、0.3%シロスタゾール単独、0.5%プロブコール単独または0.3%シロスタゾールと0.5%プロブコールの併用の阻害効果を示すグラフである。
【図4】図4は、ラットにおける局所脳虚血傷害に対する、プロブコールとシロスタゾール単独およびプロブコールとシロスタゾールの併用の効果を示すグラフである。
【図5】図5は、ラットにおけるブドウ糖の尿排泄に対する、プロブコールとシロスタゾール単独およびプロブコールとシロスタゾールの併用の効果を示すグラフである。
【図6】図6は、ラットにおけるインスリン抵抗性に対する、プロブコールとシロスタゾール単独およびプロブコールとシロスタゾールの併用の効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

[式中、Rはシクロアルキル基、Aは低級アルキレン基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]
のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体もしくはその塩の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含む、脳梗塞の予防および治療剤。
【請求項2】
請求項1に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含む、動脈硬化症の予防および治療剤。
【請求項3】
請求項1に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含む、腎疾患の予防および治療剤。
【請求項4】
請求項1に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含む、糖尿病の予防および治療剤。
【請求項5】
請求項1に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含む、スーパーオキサイド抑制剤。
【請求項6】
式:
【化2】

[式中、Rはシクロアルキル基、Aは低級アルキレン基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]
のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体もしくはその塩の少なくとも1つおよびプロブコールの併用からなるスーパーオキサイド抑制剤を含む、脳梗塞の予防および治療剤。
【請求項7】
請求項6に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用からなるスーパーオキサイド抑制剤を含む、動脈硬化症の予防および治療剤。
【請求項8】
請求項6に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用からなるスーパーオキサイド抑制剤を含む、腎疾患の予防および治療剤。
【請求項9】
請求項6に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用からなるスーパーオキサイド抑制剤を含む、糖尿病の予防および治療剤。
【請求項10】
該テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体が、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩である、請求項1〜9のいずれか1つの薬剤。
【請求項11】
有効量の式:
【化3】

[式中、Rはシクロアルキル基、Aは低級アルキレン基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]
のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体もしくはその塩の少なくとも1つおよび有効量のプロブコールを併用して必要な患者に投与することを特徴とする、脳梗塞の予防および治療方法。
【請求項12】
有効量の請求項11に示したテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよび有効量のプロブコールを併用して必要な患者に投与することを特徴とする、動脈硬化症の予防および治療方法。
【請求項13】
有効量の請求項11に示したテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよび有効量のプロブコールを併用して必要な患者に投与することを特徴とする、腎疾患の予防および治療方法。
【請求項14】
有効量の請求項11に示したテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよび有効量のプロブコールを併用して必要な患者に投与することを特徴とする、糖尿病の予防および治療方法。
【請求項15】
有効量の請求項11に示したテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよび有効量のプロブコールを併用して必要な患者に投与することを特徴とする、スーパーオキサイド抑制方法。
【請求項16】
式:
【化4】

[式中、Rはシクロアルキル基、Aは低級アルキレン基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]
のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体またはその塩の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含む有効量のスーパーオキサイド抑制剤を必要な患者に投与することを特徴とする、脳梗塞の予防および治療方法。
【請求項17】
請求項16に示したテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含む有効量のスーパーオキサイド抑制剤を必要な患者に投与することを特徴とする、動脈硬化症の予防および治療方法。
【請求項18】
請求項16に示したテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含む有効量のスーパーオキサイド抑制剤を必要な患者に投与することを特徴とする、腎疾患の予防および治療方法。
【請求項19】
請求項16に示したテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含む有効量のスーパーオキサイド抑制剤を必要な患者に投与することを特徴とする、糖尿病の予防および治療方法。
【請求項20】
テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)が6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩である、請求項11〜19のいずれか一つの方法。
【請求項21】
脳梗塞の予防および治療剤を製造するための、式:
【化5】

[式中、Rはシクロアルキル基、Aは低級アルキレン基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]
のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体もしくはその塩の少なくとも1つおよびプロブコールの組合せの使用。
【請求項22】
動脈硬化症の予防および治療剤を製造するための、請求項21に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの組合せの使用。
【請求項23】
腎疾患の予防および治療剤を製造するための、請求項21に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの組合せの使用。
【請求項24】
糖尿病の予防および治療剤を製造するための、請求項21に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの組合せの使用。
【請求項25】
スーパーオキサイド抑制剤を製造するための、請求項21に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの組合せの使用。
【請求項26】
脳梗塞の予防および治療剤の製造における、式:
【化6】

[式中、Rはシクロアルキル基、Aは低級アルキレン基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]
のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体もしくはその塩の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含むスーパーオキサイド抑制剤の使用。
【請求項27】
動脈硬化症の予防および治療剤の製造のための、請求項26に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含むスーパーオキサイド抑制剤の使用。
【請求項28】
腎疾患の予防および治療剤の製造のための、請求項26に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含むスーパーオキサイド抑制剤の使用。
【請求項29】
糖尿病の予防および治療剤の製造のための、請求項26に示されるテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)の少なくとも1つおよびプロブコールの併用を含むスーパーオキサイド抑制剤の使用。
【請求項30】
テトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体(1)が6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩である、請求項21〜29のいずれか一つの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−508804(P2009−508804A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−514987(P2008−514987)
【出願日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際出願番号】PCT/JP2006/318675
【国際公開番号】WO2007/032557
【国際公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000206956)大塚製薬株式会社 (230)
【Fターム(参考)】